【実施例1】
【0015】
図1は実施例1の画像形成装置の説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。実施例1のスキャナ部U2には、入力部の一例としてのユーザインタフェースUIが支持されている。前記ユーザインタフェースUIは、操作者が入力をして、複写機Uの操作が可能である。
【0016】
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容容器の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ロールU3bが配置されている。
【0017】
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取り用の光学系Aが配置されている。実施例1の読取り用の光学系Aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、左右方向に移動可能に支持されている。なお、読取り用の光学系Aは、通常時は、
図1に示す初期位置に停止している。
読取り用の光学系Aの右方には、撮像部材の一例としての撮像素子CCDが配置されている。撮像素子CCDには、画像処理部GSが電気的に接続されている。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
【0018】
各LEDヘッドLHy〜LHkの上方には、像保持体の一例としての感光体ドラムPRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。
各感光体ドラムPRy〜PRkには、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが対向して配置されている。前記帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。なお、電源回路Eは、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。前記コントローラCは、画像処理部GSや書込回路DL等との間でも信号の送受信を行って、各種制御を行う。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、帯電ロールCRy〜CRkの下流側に設定された書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対して、LEDヘッドLHy〜LHkから書込光が照射される。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y〜Q1kの下流側に設定された現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kには、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対向して配置されている。
【0019】
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、現像領域Q2y〜Q2kの下流側には、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが設定されている。1次転写領域Q3y〜Q3kでは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触している。また、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、中間転写ベルトBを挟んで感光体ドラムPRy〜PRkの反対側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写領域Q3y〜Q3kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0020】
前記感光体ドラムPRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdと、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、蛇行補正部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRf、2次転写領域の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
【0021】
中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aの反対側には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aと2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが対向する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、感光体ドラムPRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0022】
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。
前記ベルトモジュールBMの上方には、現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各カートリッジKy〜Kkには、現像装置Gy〜Gkに補給される現像剤が収容されている。前記カートリッジKy〜Kkと現像装置Gy〜Gkとの間は、図示しない現像剤の補給装置により接続されている。
【0023】
プリンタ部U1の下部には、媒体の収容容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が配置されている。給紙トレイTR1〜TR3は、案内部材の一例としてのガイドレールGRにより前後方向に着脱可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3には、媒体の一例としてのシートSが収容されている。
給紙トレイTR1〜TR3の左上方には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。ピックアップロールRpの左方には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。
各給紙トレイTR1〜TR3の左方には、上方に延びる媒体の搬送路SHが形成されている。搬送路SHには、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。搬送路SHには、シートSの搬送方向の下流部であり且つ2次転写領域Q4の上流側に、送出部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
【0024】
2次転写領域Q4の上方には、定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により、定着領域Q5が構成されている。
定着装置Fの斜め上方には、媒体の搬送部材の一例としての排出ローラRhが配置されている。排出ローラRhの右方には、媒体の排出部の一例としての排出トレイTRhが形成されている。
【0025】
(画像形成動作の説明)
前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置を順次通過して、原稿の排紙トレイTG2に排出される。
前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う場合は、読取り用の光学系Aは初期位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合、読取り用の光学系Aが左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿が、露光されながら走査される。
【0026】
原稿Giからの反射光は、読取り用の光学系Aを通って、撮像素子CCDに集光される。前記撮像素子CCDは、撮像面上に集光された原稿の反射光が赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像処理部GSは、撮像素子CCDから入力されるRGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶する。画像処理部GSは、一時的に記憶した画像情報を予め設定された時期に、潜像形成用の画像情報として書込回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒:Kのみの画像情報が書込回路DLに入力される。
【0027】
前記書込回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置されたLEDヘッドLHy〜LHkに出力する。
各感光体ドラムPRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkによりに帯電される。LEDヘッドLHy〜LHkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に静電潜像を形成する。現像装置Gy〜Gkは、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面の静電潜像を、可視像の一例としてのトナー像に現像する。現像装置Gy〜Gkで現像剤が消費されると、消費量に応じて、各カートリッジKy〜Kkから各現像装置Gy〜Gkに現像剤が補給される。
【0028】
各感光体ドラムPRy〜PRkの表面のトナー像は、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。各1次転写ロールT1y〜T1kには、電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、1次転写領域Q3y〜Q3kにおいて、1次転写電圧により、感光体ドラムPRy〜PRkのトナー像は、中間転写ベルトBに順次重ねて転写される。なお、K色の単色の画像の場合は、K色のトナー像のみが、Kの感光体ドラムPRkから中間転写ベルトBに転写される。
【0029】
前記各感光体ドラムPRy〜PRk上のトナー像は、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体ドラムPRy〜PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkで清掃される。清掃された感光体ドラムPRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkで再帯電される。
【0030】
前記各給紙トレイTR1〜TR3のシートSは、予め設定された給紙時期にピックアップロールRpにより取り出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、複数枚のシートSが重なった状態で取り出された場合には、捌きロールRsで1枚づつ分離される。捌きロールRsを通過したシートSは、複数の搬送ロールRaにより、レジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrは、中間転写ベルトBの表面のトナー像が2次転写領域Q4に移動する時期に合わせて、シートSを送り出す。
【0031】
レジロールRrから送り出されたシートSには、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写ロールT2bに印加された2次転写電圧により、中間転写ベルトBの表面のトナー像が転写される。
2次転写領域Q4を通過後の中間転写ベルトBの表面は、ベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去されて清掃される。
2次転写領域Q4を通過したシートSは、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fによりトナー像が加熱および加圧されて定着される。
トナー像が定着された記録シートSは、排出ローラRhで排紙トレイTRhに排出される。
【0032】
(現像装置の説明)
図3は実施例1の現像装置の説明図である。
図4は
図3のIV−IV線断面図である。
次に、前記本発明の実施例1の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの説明をするが、各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkは同様に構成されているため、Y色の現像装置Gyについてのみ詳細な説明をし、その他の色の現像装置Gm,Gc,Gkについては、詳細な説明を省略する。
図3、
図4において、感光体ドラムPRyに対向して配置された現像装置Gyは、トナー及びキャリアとを含む2成分現像剤を収容する現像容器Vを有している。
図3において、現像容器Vは、下部の容器本体1を有する。容器本体1の上部には、蓋部材の一例としての容器カバー2が支持されている。容器カバー2は、容器本体1の上面を塞いでいる。
【0033】
図3、
図4において、容器本体1には、内部の左上部に、現像剤の保持体の収容部の一例としての現像ロール室4が形成されている。現像ロール室4の下方には、第1の収容室の一例としての供給室6が形成されている。供給室6は現像ロール室4と接続されている。供給室6の右方には、第2の収容室の一例としての撹拌室7が形成されている。
供給室6と撹拌室7との間は、仕切部材の一例としての仕切壁8で仕切られている。
図4において、仕切壁8の前方には、第1の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第1流入部8aが形成されている。なお、実施例1では、第1流入部8aは、現像ロール室4の前端よりも前方に配置されている。また、仕切壁8の後方には、第2の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第2流入部8bが形成されている。
【0034】
現像ロール室4には、現像剤の保持体の一例としての現像ロールR0yが収容されている。現像ロールR0yは左上方の外表面の一部が、感光体ドラムPRyに対向して配置されている。現像ロールR0yは、磁石部材の一例としての磁石ロール11を有する。
図4において、磁石ロール11は、現像容器Vに回転不能に支持されている。
図3、
図4において、磁石ロール11の外周には、回転体の一例としての現像スリーブ12が配置されている。現像スリーブ12は、現像容器Vに回転可能に支持されている。現像スリーブ12の後端には、駆動の伝達部材の一例としてのギアG0が支持されている。ギアG0には、駆動源の一例としての図示しないモータから駆動が伝達可能に構成されている。実施例1の現像装置Gyでは、モータから駆動が伝達された場合に、現像スリーブ12は、現像領域Q2yにおいて、感光体ドラムPRyの表面の移動方向と同方向に回転する
【0035】
現像ロール室4の下方には、層厚の規制部材の一例としてのトリマー13が配置されている。実施例1のトリマー13は、前後方向に延びる円柱状に形成されている。トリマー13は、現像スリーブ12に対して、予め設定された隙間をあけて回転不能な状態で支持されている。
なお、前記磁石ロール11には、現像領域Q2yに対応して、現像磁極S1が設けられている。また、トリマー13に対向する位置には、層厚の規制用の磁極の一例としてのトリミング磁極N2が設けられている。トリミング磁極N2は、現像磁極S1とは逆極性の磁極により構成されている。また、現像スリーブ12の回転方向に対して、現像磁極S1の下流側には、現像磁極S1とは逆極性の搬送磁極N1が設けられている。現像スリーブ12の回転方向に対して、搬送磁極N1の下流側には、現像剤の離脱用の磁極の一例としてのピックオフ磁極S2が設けられている。ピックオフ磁極S2は、搬送磁極N1とは逆極性の磁極により構成されている。現像スリーブ12の回転方向に対して、ピックオフ磁極S2の下流側且つトリミング磁極N2の上流側には、現像剤の吸着用の磁極の一例としてのピックアップ磁極S3が設けられている。ピックアップ磁極S3は、ピックオフ磁極S2とは同極性且つトリミング磁極N2とは逆極性の磁極により構成されている。
【0036】
図3、
図4において、供給室6には、第1の搬送部材の一例としての供給オーガ16が配置されている。供給オーガ16は、前後方向に延びる回転軸16aを有する。回転軸16aの外周には、螺旋状の搬送羽根16bが支持されている。また、回転軸16aの後端には、駆動の伝達部材の一例としてのギアG1が支持されている。
撹拌室7には、第2の搬送部材の一例としての撹拌オーガ17が配置されている。撹拌オーガ17は、供給オーガ16と同様に、回転軸17aと、搬送羽根17bと、ギアG2とを有する。各ギアG0〜G2は、互いに噛み合っている。
また、
図4において、撹拌室7の後部には、カートリッジKyからの現像剤が補給される補給口7aが形成されている。
【0037】
(現像装置の機能)
前記構成を備えた現像装置Gy〜Gkでは、画像形成が開始されると、モータが駆動して、各オーガ16,17が回転すると共に、現像ロールR0y〜R0kが回転する。実施例1では、供給オーガ16が回転すると、供給オーガ16は、供給室6の現像剤を、矢印Yaで示すように、第1流入部8aから第2流入部8bに向けて撹拌しながら搬送する。第2流入部8bまで搬送された現像剤は、第2流入部8bを通じて撹拌室7に流入する。撹拌オーガ17が回転すると、撹拌オーガ17は、撹拌室7の現像剤を、矢印Ybで示すように、第2流入部8bから第1流入部8aに向けて撹拌しながら搬送する。第1流入部8aまで搬送された現像剤は、第1流入部8aを通じて供給室6に流入する。よって、供給室6と撹拌室7とによって、循環室6+7が構成されている。
【0038】
供給室6の現像剤は、ピックアップ磁極S3の磁力で、現像スリーブ12に吸着される。現像スリーブ12に吸着された現像剤は、トリマー13を通過する際に、トリマー13と現像スリーブ12との隙間に対応する予め設定された現像剤のみが通過する。トリマー13を通過した現像剤は、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの潜像を現像する。現像に使用されなかった現像剤は、現像磁極S1と搬送磁極N1との間の磁界や搬送磁極N1とピックオフ磁極S2との間の磁界等で現像スリーブ12の表面に吸着されたまま搬送される。同極性のピックオフ磁極S2とピックアップ磁極S3との間では、現像剤を現像スリーブ12に吸着する磁力が低下する。よって、現像スリーブ12の表面に吸着された現像剤は、ピックオフ磁極S2とピックアップ磁極S3との間で、現像スリーブ12から離脱して、循環室6+7に戻される。
【0039】
(現像装置の各部位の説明)
図5は実施例1の位置関係の説明図であり、
図3に対応する図である。
図5において、実施例1の現像装置Gyでは、供給オーガ16の回転軸16aは、重力方向上方からの現像ロールR0yの射影範囲A1の内側に配置されている。
図5に示すように、現像ロールR0yに対して感光体ドラムPRyとは反対側において、現像ロールR0yの外表面に接する重力方向に延びる接線を、第1の仮想接線L1と仮定する。また、供給オーガ16に対して感光体ドラムPRyとは反対側において、供給オーガ16の搬送羽根16bの外端に接する重力方向に延びる接線を、第2の仮想接線L2と仮定する。そして、実施例1の現像装置Gyでは、第1の仮想接線L1よりも第2の仮想接線L2の方が水平方向で感光体ドラムPRyよりも遠い側に配置されている。
【0040】
図5に示すように、第1の仮想接線L1と第2の仮想接線L2との水平方向の距離を第1の距離K1とする。また、現像ロールR0yに対して感光体ドラムPRyとは反対側において、第1の仮想接線L1と現像容器Vの内面との水平方向の距離を第2の距離K2とする。そして、実施例1の現像装置Gyでは、第1の距離K1が第2の距離K2に比べて短く設定されている。
よって、実施例1の現像装置Gyは、現像ロールR0yと供給オーガ16とが水平方向でほぼ重なって配置されている。よって、実施例1の現像装置Gyは、従来に比べて、小型化されている。
【0041】
図5において、実施例1の現像装置Gyでは、仕切壁8の上端部に、現像剤の誘導部材の一例としてのガイド部材21が配置されている。すなわち、ガイド部材21は、現像ロールR0yに対して、感光体ドラムPRyとは反対側に配置されている。
実施例1のガイド部材21は、上端21aから下方に行くにつれて供給オーガ16の回転軸16aに向けて傾斜する傾斜面22が形成されている。また、ガイド部材21の上端21aは、現像ロールR0yの重力方向の下端23よりも重力方向で下方に配置されている。
【0042】
また、ガイド部材21の重力方向の下端21bは、供給オーガ16の回転軸16aに対して、上方に配置されている。すなわち、ガイド部材21の下端21bの高さは、供給オーガ16の回転軸16aよりも高い位置に設定されている。なお、実施例1では、下端21bの高さは、供給オーガ16の搬送羽根16bの上端16cよりも低い位置に設定されている。
さらに、実施例1では、ガイド部材21の下端21b、すなわち、傾斜面22の下端21bは、水平方向に対して、第2の仮想接線L2よりも、現像容器Vの内面側に配置されている。
また、実施例1のガイド部材21は、傾斜面22の水平に対する傾斜角θ1が、現像剤の安息角以上90度未満に設定されている。なお、実施例1では、一例として、傾斜角θ1が44度に設定されている。
【0043】
前記構成を備えた実施例1の現像装置Gyでは、ピックオフ磁極S2とピックアップ磁極S3との間で現像スリーブ12から離脱した現像剤は、ガイド部材21に誘導されて供給オーガ16の上に戻される。
ここで、ガイド部材21の上端21aが、現像ロールR0yの下端23よりも上方に配置された構成では、現像剤の離脱領域A2にガイド部材21が近接することとなる。よって、ガイド部材21が、現像ロールR0yから離脱した現像剤の落下の妨げとなり、離脱した現像剤の一部が、ガイド部材21の近傍で滞留する恐れがある。現像剤が滞留すると、供給オーガ16で撹拌されないまま、すぐに現像ロールR0yに吸着し、再び現像に使用される恐れがある。
【0044】
撹拌が不十分な現像剤は、現像剤の帯電量が不足して、現像不良を引き起こす可能性がある。特に、実施例1のような小型の現像装置Gyでは、現像容器Vに収容される現像剤の総量が少なく、総量が多い構成に比べて、相対的に影響が大きくなりやすい。
これに対して、実施例1の現像装置Gyでは、ガイド部材21の上端が現像ロールR0yの下端よりも下方に配置されている。よって、ガイド部材21が現像ロールR0yに近接しすぎることが抑制される。よって、現像剤の滞留が抑制され、撹拌不十分な現像剤がすぐに再使用されることが低減される。
【0045】
図6は現像剤の誘導部材が搬送部材の回転中心よりも下方や上方に配置された場合の説明図である。
図6の破線で示すように、仮に、ガイド部材01の下端02が、供給オーガ03の回転軸04よりも低い位置に配置された場合、ガイド部材01でガイドされた現像剤は、供給オーガ03の羽根よりも外側、すなわち、供給オーガ03で撹拌される範囲外に誘導されることとなる。よって、撹拌される範囲外に誘導された現像剤は、供給オーガ03で撹拌されず滞留する恐れがある。また、ガイド部材01の上方の壁面06に現像剤が付着する場合もある。この場合、ガイド部材01の上方の空間07には、供給オーガ03の搬送羽根08が進入しない。よって、上方の空間07の現像剤は、撹拌されずに固まりになる恐れがある。固まり状の現像剤が成長した後に崩れて、供給オーガ03に供給されると、固まりが十分にほぐれないまま現像ロールR0yに供給される恐れがある。
【0046】
また、
図6の一点鎖線で示すように、ガイド部材01の下端02が、第2の仮想接線L2よりも供給オーガ03の回転軸側に配置され、下端02が供給オーガ03の上端よりも上方の場合、ガイド部材01で誘導された現像剤がオーガ03に到達する前に、現像ロールR0yに再吸着される恐れがある。この場合、撹拌が不十分な現像剤が、現像領域に供給されて、現像不良が発生する恐れがある。
これらに対して、実施例1の現像装置Gyでは、傾斜面22の下端21bが、供給オーガ16の回転軸16aよりも高い位置に配置されている。特に、実施例1では、傾斜面22の下端21bは、搬送羽根16bの上端16cよりも下方に配置されている。また、第2の仮想接線L2よりも現像容器Vの内面側に配置されている。よって、ガイド部材21でガイドされる現像剤は、供給オーガ16の搬送羽根16bの回転半径の内側に戻されやすい。よって、現像ロールR0yから離脱した現像剤が、確実に撹拌されやすく、固まり状になりにくい。したがって、撹拌不良の状態で現像剤が現像ロールR0yに再供給されることが低減される。
【0047】
なお、実施例1では、ガイド部材21の下端21bの水平方向の位置が、第2の仮想接線L2よりも現像容器Vの内面側に配置されているが、下端21bの位置が搬送羽根16bの上端16cよりも下方である場合には、第2の仮想接線L2よりも供給オーガ16の回転軸16a側に配置することも可能である。この場合、
図6のように、第2の仮想接線L2よりも下端21bが外側の構成に比べて、ガイド部材21でガイドされる現像剤が、供給オーガ16の搬送羽根16bの回転半径の内側に戻されやすい。よって、現像剤が、確実に撹拌されやすく、撹拌不良が抑制される。
【0048】
さらに、実施例1の現像装置Gyでは、傾斜面22の傾斜角θ1が安息角以上に設定されている。傾斜角θ1が現像剤の安息角未満の場合には、傾斜面22に落下した現像剤が、傾斜面22に沿って落下しない恐れがある。この場合、傾斜面22の上に現像剤が堆積してしまう。よって、堆積した現像剤が固まりとなって成長し、落下すると、撹拌不足の現像剤が現像ロールR0yに供給される恐れがある。また、90度以上になると、現像剤を供給オーガ16に向けて誘導できなくなる。これらに対して、実施例1では安息角以上の傾斜面22で、現像剤を供給オーガ16に誘導できると共に、傾斜面22に現像剤が堆積することを抑制可能である。
【0049】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機を例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、複写機Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0050】
(H03)前記実施例において、ガイド部材21の下端21bは、供給オーガ16の回転軸16aに対して、上方に配置されることが望ましいが、これに限定されない。例えば、上端21aが、供給オーガ16の上端16cよりも上方まで延びている等で、現像剤が固まりになりにくい場合には、下方に配置することも可能である。また、下端21bの高さは、供給オーガ16の上端16cよりも低い位置に設定することが望ましいが、第2の仮想接線L2よりも現像容器Vの内面側であれば、高い位置とすることも不可能ではない。
(H04)前記実施例において、ガイド部材21の下端21bの位置は、第2の仮想接線L2よりも内側に設定することが望ましいが、これに限定されない。現像剤の落下速度が速かったりして、ガイド部材21の下端21bを通過した後に慣性で供給オーガ16の搬送羽根16bの内側に現像剤が到達する等であれば、外側とすることも可能である。
【0051】
(H05)前記実施例において、傾斜面22の傾斜角θ1は、現像剤の安息角以上とすることが望ましいが、これに限定されない。例えば、傾斜面22の表面に摩擦係数が小さい被膜等を形成する等を施すことで、傾斜角θ1を小さくすることも可能である。