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特許6303781情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303781
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20180326BHJP
   G06F 21/45 20130101ALI20180326BHJP
   G10L 17/00 20130101ALI20180326BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20180326BHJP
【FI】
   G06F21/32
   G06F21/45
   G10L17/00 200Z
   G06Q50/26
【請求項の数】11
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-96011(P2014-96011)
(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公開番号】特開2015-212915(P2015-212915A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石田 英二
(72)【発明者】
【氏名】国弘 幸治
【審査官】 青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−095016(JP,A)
【文献】 特開2009−042863(JP,A)
【文献】 特開2007−334628(JP,A)
【文献】 特開2003−186980(JP,A)
【文献】 特開平9−146563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06F 21/45
G06Q 50/26
G10L 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声認証の対象である対象者の発声した音声が入力される入出力端末とネットワークを介して接続される情報管理サーバであって、
前記音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する記憶部と、
前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記音声データと、前記記憶部に記憶されている前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定する認証部と、
前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行う処理部と、
前記認証部が特定した前記連絡先データによって指定される前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信する連絡通知部と、
を備える情報管理サーバ。
【請求項2】
前記通信部は、前記入出力端末から、前記対象者の位置に関する情報を受信し、
前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報と、前記通信部が受信した前記位置に関する情報とを用いた前記出力処理を行う
請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項3】
前記通信部は、前記入出力端末から、前記対象者の位置に関する情報を受信し、
前記連絡通知部は、前記通信部が受信した前記位置に関する情報に基づいて、前記対象者の状況を示す情報として、前記対象者の所在を示す情報を前記連絡先に発信する
請求項1または2に記載の情報管理サーバ。
【請求項4】
前記情報管理サーバは、前記個人情報および前記連絡先の少なくとも一方が前記候補者の音声として入力される登録端末とネットワークを介して接続され、
前記通信部は、前記候補者の入力した音声のデータである音声データを前記登録端末から受信し、
前記通信部が前記登録端末から受信した前記音声データから前記声紋データを生成するとともに、当該音声データから文字データである前記個人情報データおよび前記連絡先データの少なくとも一方を生成して、生成された各データを前記記憶部に記憶させる登録部をさらに備える
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報管理サーバ。
【請求項5】
前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いて、前記出力処理として、前記対象者を避難所に避難している避難者として取り扱う名簿を示す名簿データを作成する
請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項6】
前記避難者の避難所への出入りが記録された入退出データを作成する入退出記録部をさらに備え、
前記入退出記録部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報に対応する前記避難者を、前記避難所へ入る避難者、もしくは、前記避難所から出る避難者として前記入退出データに記録する
請求項5に記載の情報管理サーバ。
【請求項7】
前記避難者への物資の支給履歴を示す支給データを作成する支給管理部をさらに備え、
前記支給管理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報に対応する前記避難者に前記物資が支給されたことを、前記支給データに記録する
請求項5または6に記載の情報管理サーバ。
【請求項8】
前記通信部は、前記入出力端末から、検索対象を示す情報を受信し、
前記検索対象に関連する情報を前記名簿データを含むデータから抽出する情報検索部をさらに備え、
前記通信部は、前記情報検索部が抽出した前記検索対象に関連する情報を、検索結果として前記入出力端末に送信する
請求項5〜7のいずれか一項に記載の情報管理サーバ。
【請求項9】
前記個人情報データには、前記候補者の居所情報が含まれ、
前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記居所情報を用いた前記出力処理を実行し、
前記連絡通知部は、前記対象者が前記居所情報の示す場所に居ることが確認されたことを受けてから、前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信する
請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項10】
音声認証の対象である対象者の発声した音声が入力される入出力端末と、
前記入出力端末とネットワークを介して接続される情報管理サーバと、を備える情報管理システムであって、
前記情報管理サーバは、
前記音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する記憶部と、
前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記音声データと、前記記憶部に記憶されている前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定する認証部と、
前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行う処理部と、
前記認証部が特定した前記連絡先データによって指定される前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信する連絡通知部と、を備える
情報管理システム。
【請求項11】
音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する情報管理サーバと、
前記情報管理サーバとネットワークを介して接続される入出力端末と、を用いて行われる情報管理方法であって、
前記音声認証の対象である対象者の発声した音声が前記入出力端末に入力されるステップと、
前記情報管理サーバが、前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信するステップと、
前記情報管理サーバが、前記音声データと、前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定するステップと、
前記情報管理サーバが、前記特定された個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行うステップと、
前記情報管理サーバが、前記特定された連絡先データによって指定される連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信するステップと、
を含む情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、声紋を利用した音声認証を本人確認に利用するシステムが開発されている。例えば、特許文献1には、施設への入退場に際しての本人確認のために音声認証を利用するシステムが開示され、また例えば、特許文献2には、携帯電話のロック解除に際しての本人確認のために音声認証を利用するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−338295号公報
【特許文献2】特開2004−180254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本人確認が行われる場面では、本人確認に加えて、本人確認の対象者に関する情報を管理することが求められることがある。例えば、災害が発生した時に開設される避難所には多くの避難者が集まる。こうした避難所では、避難者の本人確認とともに、避難者の人数や個人情報の管理、避難者への支援物資等の支給状況の管理、避難者の所在を示す情報の発信の管理等、避難者に関する様々な情報の管理が求められる。それゆえ、対象者の本人確認と対象者に関する情報の管理とを円滑に進めることのできるシステムが望まれている。
【0005】
本発明は、音声認証の対象である対象者に関する情報を、音声認証を通じて管理することのできる情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する情報管理サーバは、音声認証の対象である対象者の発声した音声が入力される入出力端末とネットワークを介して接続される情報管理サーバであって、前記音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する記憶部と、前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記音声データと、前記記憶部に記憶されている前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定する認証部と、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行う処理部と、前記認証部が特定した前記連絡先データによって指定される前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信する連絡通知部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決する情報管理システムは、音声認証の対象である対象者の発声した音声が入力される入出力端末と、前記入出力端末とネットワークを介して接続される情報管理サーバと、を備える情報管理システムであって、前記情報管理サーバは、前記音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する記憶部と、前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記音声データと、前記記憶部に記憶されている前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定する認証部と、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行う処理部と、前記認証部が特定した前記連絡先データによって指定される前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信する連絡通知部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決する情報管理方法は、音声認証の対象になり得る候補者の声紋情報を含む声紋データに、前記候補者の個人情報を含む個人情報データと、前記候補者の状況を示す情報の送信先となる連絡先の情報を含む連絡先データとを対応付けた基本データを記憶する情報管理サーバと、前記情報管理サーバとネットワークを介して接続される入出力端末と、を用いて行われる情報管理方法であって、前記音声認証の対象である対象者の発声した音声が前記入出力端末に入力されるステップと、前記情報管理サーバが、前記入出力端末から、前記対象者の前記音声のデータである音声データを受信するステップと、前記情報管理サーバが、前記音声データと、前記基本データとを用いて音声認証を行い、前記音声データと声の特徴が合致すると判定された前記声紋データに対応付けられている前記個人情報データおよび前記連絡先データを特定するステップと、前記情報管理サーバが、前記特定された個人情報データに含まれる前記個人情報を用いた出力処理を行うステップと、前記情報管理サーバが、前記特定された連絡先データによって指定される連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信するステップと、を含む。
【0009】
上記構成によれば、情報管理サーバは、候補者ごとの声紋データに個人情報データと連絡先データとを対応付けて記憶している。そして、音声認証の対象である対象者の音声のデータを用いた音声認証が行われて、対象者の声紋データが特定され、声紋データに対応付けられている個人情報データおよび連絡先データも特定される。特定されたデータは、個人情報を用いた所定の出力処理や対象者の状況を示す情報の発信に用いられる。このように、音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、対象者に関する情報の管理が行われるため、音声認証による認証を通じて、対象者に関する情報を管理することができる。
【0010】
上記情報管理サーバにおいて、前記通信部は、前記入出力端末から、前記対象者の位置に関する情報を受信し、前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報と、前記通信部が受信した前記位置に関する情報とを用いた前記出力処理を行うことが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、処理部は、認証部が特定した個人情報データに含まれる個人情報に加えて、情報管理サーバが取得した位置に関する情報を用いた出力処理を行うため、処理部による出力内容が多様化する。
【0012】
上記情報管理サーバにおいて、前記通信部は、前記入出力端末から、前記対象者の位置に関する情報を受信し、前記連絡通知部は、前記通信部が受信した前記位置に関する情報に基づいて、前記対象者の状況を示す情報として、前記対象者の所在を示す情報を前記連絡先に発信することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、情報管理サーバが取得した位置に関する情報に基づいて、対象者の所在を示す情報が、認証部が特定した連絡先データによって指定される連絡先に送信される。したがって、情報管理サーバが取得した情報が連絡先への情報の発信に利用され、連絡先の所有者は、対象者の所在を示す情報を得ることができる。
【0014】
上記情報管理サーバは、前記個人情報および前記連絡先の少なくとも一方が前記候補者の音声として入力される登録端末とネットワークを介して接続され、前記通信部は、前記候補者の入力した音声のデータである音声データを前記登録端末から受信し、前記通信部が前記登録端末から受信した前記音声データから前記声紋データを生成するとともに、当該音声データから文字データである前記個人情報データおよび前記連絡先データの少なくとも一方を生成して、生成された各データを前記記憶部に記憶させる登録部をさらに備えることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、音声データから、声紋データと、個人情報データおよび連絡先データの少なくとも一方の文字データが生成されるため、基本データの作成が効率的に行われ、登録端末への情報の入力の際に候補者にかかる負担も軽減される。
【0016】
上記情報管理サーバにおいて、前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報を用いて、前記出力処理として、前記対象者を避難所に避難している避難者として取り扱う名簿を示す名簿データを作成することが好ましい。
【0017】
避難所では、避難者の本人確認とともに、避難者に関する様々な情報の管理が求められる。上記構成によれば、こうした状況に情報管理システムが適用され、避難者の認証を通じて避難者に関する情報の管理が可能となる結果、情報管理システムの有用度が高められる。なかでも、情報管理サーバに予め記憶されている個人情報に基づいて避難者の名簿が作成されるため、避難所にて手書きで記入された情報に基づいて名簿が作成される場合と比較して、名簿に含まれる情報の信頼性が高められるとともに、名簿の作成にかかる負担も軽減される。
【0018】
上記情報管理サーバは、前記避難者の避難所への出入りが記録された入退出データを作成する入退出記録部をさらに備え、前記入退出記録部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報に対応する前記避難者を、前記避難所へ入る避難者、もしくは、前記避難所から出る避難者として前記入退出データに記録することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、音声認証によって特定されたデータに基づいて、避難者の入退出が記録されるため、避難所への出入りに際しての避難者の本人確認の精度が高められるとともに、例えば、避難者が避難所内に居るか居ないかや、その時点で避難所内に居る避難者の人数等を容易に管理することができる。
【0020】
上記情報管理サーバは、前記避難者への物資の支給履歴を示す支給データを作成する支給管理部をさらに備え、前記支給管理部は、前記認証部が特定した前記個人情報データに含まれる前記個人情報に対応する前記避難者に前記物資が支給されたことを、前記支給データに記録することが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、音声認証によって特定されたデータに基づいて、避難者への物資の支給履歴が記録されるため、物資の支給に際しての避難者の本人確認の精度が高められるとともに、避難者への平等な物資の支給が容易に実現できる。
【0022】
上記情報管理サーバにおいて、前記通信部は、前記入出力端末から、検索対象を示す情報を受信し、前記検索対象に関連する情報を前記名簿データを含むデータから抽出する情報検索部をさらに備え、前記通信部は、前記情報検索部が抽出した前記検索対象に関連する情報を、検索結果として前記入出力端末に送信することが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、情報管理サーバが記憶している名簿データを含むデータの中から、検索対象に関連する情報が抽出され、入出力端末は、抽出された情報を受け取ることができる。
【0024】
上記情報管理サーバにおいて、前記個人情報データには、前記候補者の居所情報が含まれ、前記処理部は、前記認証部が特定した前記個人データに含まれる前記居所情報を用いた前記出力処理を実行し、前記連絡通知部は、前記対象者が前記居所情報の示す場所に居ることが確認されたことを受けてから、前記連絡先に、前記対象者の状況を示す情報を発信することが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、情報管理サーバに予め登録された居所情報の示す場所に対象者が居ることが確認されたときに、対象者の状況を示す情報が連絡先に送られる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、音声認証の対象である対象者に関する情報を、音声認証を通じて管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1の実施形態の情報管理システムの全体構成、および、情報管理サーバの構成を示すシステム構成図である。
図2】第1の実施形態の情報管理システムにおける事前登録段階での処理手順を示すシーケンス図である。
図3】第1の実施形態の情報管理システムにおける避難所管理段階の受付モードでの処理手順を示すシーケンス図である。
図4】第1の実施形態の情報管理システムにおける避難所管理段階の入退出モードでの処理手順を示すシーケンス図である。
図5】第1の実施形態の情報管理システムにおける避難所管理段階の支給モードでの処理手順を示すシーケンス図である。
図6】第1の実施形態の情報管理システムにおける避難所管理段階の検索モードでの処理手順を示すシーケンス図である。
図7】第2の実施形態の情報管理システムの全体構成、および、情報管理サーバの構成を示すシステム構成図である。
図8】第2の実施形態の情報管理システムにおける訪問管理段階での処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1図6を参照して、情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法の第1の実施形態について説明する。
【0029】
[情報管理システムの構成]
図1を参照して、情報管理システムの全体構成について説明する。第1の実施形態の情報管理システムは、災害が発生した時に開設される避難所において、避難者の本人確認や、避難者に関する情報の管理に利用される。第1の実施形態では、避難者が、音声認証の対象である対象者となる。
【0030】
図1に示されるように、情報管理システムは、登録端末10と、避難所端末20と、情報管理サーバ30とを含む。登録端末10と情報管理サーバ30とは、インターネット等のネットワークNWに接続されて、相互にデータを送信および受信する。また、避難所端末20もネットワークNWに接続され、避難所端末20と情報管理サーバ30とは、相互にデータを送信および受信する。
【0031】
登録端末10は、音声および文字の入力が可能な端末であって、例えば、マイク等の音声入力部を備えるタブレット端末等に具体化される。登録端末10は、避難者となり得る人物である候補者についての基本データを情報管理サーバ30に登録するために用いられる。候補者は、住所や氏名等の個人情報を音声によって登録端末10に入力し、かつ、家族の連絡先等、災害時に自分の所在を連絡したい連絡先を文字によって登録端末10に入力する。入力された音声データおよび文字データは、登録端末10から情報管理サーバ30に送信される。
【0032】
登録端末10は、基本データの登録が行われる場所である登録所に設置される。登録所は、例えば、役所、学校、企業、あるいは、医療機関等に設けられる。候補者は、海外からの来訪者であってもよく、こうした場合には、登録所は空港に設けられてもよい。
【0033】
避難所端末20は、音声および文字の入力が可能な端末であって、例えば、マイク等の音声入力部を備えるタブレット端末等に具体化される。避難所端末20は、避難所に設置され、避難者の本人確認や避難者に関する情報の管理が行われる際の入出力端末として機能する。具体的には、避難所端末20には、避難者が発声した音声や、避難者に関する情報の管理に用いられる情報が入力され、入力された音声データを含むデータは、避難所端末20から情報管理サーバ30に送信される。また、情報管理サーバ30から上記データの処理結果を受信した場合には、避難所端末20は、受信した処理結果を避難所端末20が有する表示部に表示する。
【0034】
なお、ネットワークNWには、互いに異なる登録所に設置された複数の登録端末10と、互いに異なる避難所に設置された複数の避難所端末20とが接続されることが好ましい。
【0035】
情報管理サーバ30は、登録端末10から受信したデータを基本データとして記憶し、基本データと避難所端末20から受信したデータとに基づいて、音声認証による避難者の認証や、避難者に関する情報の管理を行うサーバである。避難者に関する情報の管理には、避難者に関する情報が整理された管理データの作成や、避難者の状況を示す情報の発信や、避難者に関する情報の解析が含まれる。
【0036】
情報管理サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備えている。
通信部31は、ネットワークNWを通じて、情報管理サーバ30と登録端末10あるいは避難所端末20との接続処理を実行する。また、通信部31は、情報管理サーバ30と登録端末10あるいは避難所端末20との間でデータの送信および受信を行う。
【0037】
制御部32は、CPUを含み、記憶部33に記憶されたプログラムやデータに基づいて、通信部31における通信の制御、記憶部33における情報の読み出しや書き込み、各種の演算処理等を行う。制御部32は、情報管理システムによる情報管理方法を実施する構成の一部として、登録部32a、認証部32b、名簿作成部32c、連絡通知部32d、入退出記録部32e、支給管理部32f、および、情報検索部32gを備えている。
【0038】
記憶部33は、制御部32の処理に必要なプログラムやデータを一時的あるいは永続的に記憶する。こうしたデータの一例として、記憶部33は、登録端末10に入力された情報に基づいて作成される上述の基本データ34と、避難所端末20に入力された情報および基本データ34に基づいて作成される上述の管理データ35とを記憶している。基本データ34は、声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cを含み、管理データ35は、名簿データ35a、入退出データ35b、および、支給データ35cを含む。
【0039】
通常は、基本データ34は、災害が発生する前に作成されて、災害が発生した後に、情報管理サーバ30による処理に利用される。一方、管理データ35は、災害が発生して避難所が開設された後に作成されて、避難所の運営に利用される。
【0040】
制御部32が備える登録部32aは、情報管理サーバ30が登録端末10から受信した音声データおよび文字データから基本データ34を作成して、記憶部33に記憶させる。詳細には、登録部32aは、音声データから、声紋データ34aと個人情報データ34bとを生成して、記憶部33に記憶させる。声紋データ34aは、音声データから抽出された声の特徴を示すデータを含み、音声認証が行われる際のデータの照合に用いられる。個人情報データ34bは、音声データに対して音声認識が行われることにより、発話内容が文字データとして取り出されたデータである。個人情報データ34bには、候補者が音声として登録端末10に入力した住所や氏名等の個人情報が、文字データとして含まれる。また、登録部32aは、登録端末10から受信した文字データである連絡先を示すデータを、連絡先データ34cとして記憶部33に記憶させる。
【0041】
登録部32aは、複数の候補者の各々から得られた声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cの3つのデータを、候補者ごとに対応付けて記憶部33に記憶させる。すなわち、基本データ34は、複数の候補者の各々についての声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cを含み、基本データ34にて、例えば、候補者Aが登録端末10に入力した情報から生成された声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cの各々は、互いに対応付けられている。
【0042】
制御部32が備える認証部32bは、情報管理サーバ30が避難所端末20から受信した音声データと、基本データ34とに基づいて、音声認証を行う。認証部32bは、音声認証によって避難所端末20から受信した音声データと声の特徴が合致すると判定される声紋データ34aを特定し、かつ、この声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bおよび連絡先データ34cを特定する。なお、声の特徴の一致度が所定の閾値以上である場合に、音声データと声紋データ34aとの声の特徴が合致すると判定される。
【0043】
音声認証の方式としては、公知の方式を用いることが可能であり、例えば、声の特徴のみを利用してデータの照合が行われてもよいし、声の特徴とキーワード等の発話内容とを利用してデータの照合が行われてもよい。声紋データ34aは、少なくとも声の特徴である声紋情報を含めばよく、声紋データ34aは、音声認証の方式に応じて、認証に必要な情報から構成されればよい。また、認証部32bは、声紋データ34aに加えて、個人情報データ34bや連絡先データ34cを用い、発話内容が個人情報データ34bや連絡先データ34cに記憶されている情報と合致するか否かを判断し、その結果を認証成立の条件として用いてもよい。
【0044】
制御部32が備える名簿作成部32cは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bと、情報管理サーバ30が避難所端末20から受信した避難所の識別情報である避難所IDとに基づいて、名簿データ35aを作成する。
【0045】
名簿データ35aは、避難所ごとのデータであって、その避難所に所属している避難者の名前や住所等の情報を含み、避難所ごとの避難者の名簿として機能する。名簿作成部32cは、避難所IDに対応する避難所の名簿データ35aに、特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報を追加して、名簿データ35aを更新していく。
【0046】
制御部32が備える連絡通知部32dは、認証部32bによって特定された連絡先データ34cに基づいて、連絡先データ34cによって指定される連絡先に向けて、避難者の所在を示す情報を発信する。
【0047】
制御部32が備える入退出記録部32eは、入退出データ35bを作成する。入退出データ35bは、避難者が避難所に所属している期間における避難者のその避難所への出入りが記録されたデータであって、各避難所の名簿データ35aに記録されている避難者の各々についての避難所への入退出履歴を含む。入退出データ35bは、入退出履歴として、避難者の避難所への入所あるいは退出の情報や、入退出の日時等の情報を含む。
【0048】
避難者が避難所に出入りする際には、入退出記録部32eは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに対応する避難者についての入退出履歴に、避難所への入所あるいは退出を記録して、入退出データ35bを更新する。
【0049】
制御部32が備える支給管理部32fは、支給データ35cを作成する。支給データ35cは、避難者への物資の支給履歴を示すデータであって、各避難所の名簿データ35aに記録されている避難者の各々に対しての物資の支給履歴を含む。支給データ35cは、物資の支給履歴として、例えば、支給された物品の種類や数等の情報を含む。
【0050】
物資が支給される際には、支給管理部32fは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに対応する避難者についての支給履歴に、支給される物品を追加して、支給データ35cを更新する。
【0051】
制御部32が備える情報検索部32gは、避難所端末20からの要求に応じて、管理データ35を解析する。解析結果は、情報管理サーバ30から避難所端末20に送信される。
【0052】
なお、制御部32において、登録部32a、認証部32b、名簿作成部32c、連絡通知部32d、入退出記録部32e、支給管理部32f、および、情報検索部32gとしての機能を有する構成は、複数のCPUやメモリ等の各種のハードウェアによって具体化されてもよく、共通する1つのハードウェアに複数の機能を与えるソフトウェアによって具体化されてもよい。こうしたソフトウェアは、情報管理プログラムとして、記憶部33に記憶される。
【0053】
[情報管理システムによる処理手順]
図2図6を参照して、情報管理システムによって行われる処理の手順について説明する。情報管理システムの処理には、基本データ34の登録を行う「事前登録」の段階と、避難所の運営時に利用される「避難所管理」の段階とが含まれる。また、「避難所管理」の段階には、情報管理システムの処理モードとして、受付モード、入退出モード、支給モード、および、検索モードが含まれる。
【0054】
<事前登録>
事前登録は、登録所に設置された登録端末10と、情報管理サーバ30との連携によって行われる。
【0055】
図2に示されるように、登録所にて、候補者は、登録端末10に表示される案内に従って、住所や氏名等の個人情報を音声によって登録端末10に入力する(ステップS10)。個人情報は、住所や氏名に限られず、候補者に関する情報であって、かつ、避難所の運営に必要な情報が、登録端末10への入力を要求される個人情報として設定される。
【0056】
さらに、候補者は、災害時における自分の所在を示す情報の送信先となる連絡先を文字によって登録端末10に入力する(ステップS11)。連絡先は、情報管理サーバ30から情報を送信することが可能な宛先であればよく、例えば、SMS(ショート・メッセージ・サービス)の宛先として用いられる携帯電話番号や、電子メールのメールアドレスに具体化される。なお、複数の連絡先が登録端末10に入力可能とされてもよい。
【0057】
登録端末10は、入力された個人情報を含む音声データと、入力された連絡先を示す文字データとを、情報管理サーバ30に送信する(ステップS12)。
登録端末10からデータを受信すると、情報管理サーバ30の登録部32aは、音声データから声紋データ34aと個人情報データ34bとを生成し、文字データから連絡先データ34cを生成する。登録部32aは、生成した声紋データ34aに、個人情報データ34bと連絡先データ34cとを対応付けて、記憶部33に記憶させる(ステップS13)。これにより、基本データ34が作成される。
【0058】
なお、情報管理サーバ30は、作成された基本データ34の内容を登録端末10に通知し、登録端末10を通じて候補者に基本データ34として登録される内容の確認を要求してもよい。
【0059】
また、声紋データ34aと個人情報データ34bと連絡先データ34cとを含む基本データ34が情報管理サーバ30に記憶される態様であれば、登録端末10への情報の入力順序や入力方法は上述の態様に限られない。例えば、個人情報が文字によって入力され、連絡先が音声によって入力されてもよいし、個人情報と連絡先とが音声によって入力されてもよいし、個人情報が音声と文字とによって入力されてもよいし、個人情報と連絡先とが文字によって入力され、個人情報や連絡先とは異なるキーワードが音声によって入力されてもよい。要は、少なくとも音声データを含むデータが登録端末10から情報管理サーバ30に送信され、送信されたデータから声紋データ34aと個人情報データ34bと連絡先データ34cとが生成されればよい。
【0060】
また、登録端末10にて、入力された情報に基づく音声データや文字データから声紋データ34aと個人情報データ34bと連絡先データ34cとが生成され、生成されたデータが情報管理サーバ30に送信されて、基本データ34として記憶されてもよい。
【0061】
なお、事前登録にて登録端末10が担う機能は、登録端末10にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって具体化されてもよいし、情報管理サーバ30からウェブアプリケーションとして提供されたアプリケーションソフトウェアによって具体化されてもよい。登録端末10が担う機能がウェブアプリケーションによって具体化されると、登録端末10ごとのアプリケーションソフトウェアのインストールが不要であるため、情報管理システムが簡易に利用できる。
【0062】
<避難所管理>
避難所管理は、避難所に設置された避難所端末20と、情報管理サーバ30との連携によって行われる。受付モードと、入退出モードと、支給モードと、検索モードとは、避難所端末20にて選択されることによって、切り替えられる。以下、各モードにおける処理の手順について説明する。
【0063】
[受付モード]
受付モードは、避難者が避難所に到着した時に選択されるモードであって、受付モードでは、避難者の本人確認と、名簿の作成と、避難者の所在を示す情報の発信とが行われる。
【0064】
なお、図3に示される受付モードでの処理に先立ち、避難者の個人情報を登録可能な名簿データ35aが作成される。名簿データ35aは、避難所ごとのデータとして作成され、各名簿データ35aには、その名簿データ35aに割り当てられた避難所を示す避難所IDが付される。こうした名簿データ35aの作成は、情報管理サーバ30の名簿作成部32cによって行われる。
【0065】
図3に示されるように、災害が発生した後、避難所に到着した避難者は、避難所端末20に表示される案内に従って発声し、音声を避難所端末20に入力する(ステップS20)。発話内容は、音声認証の方式に応じて、適宜指示されればよい。
【0066】
音声が入力されると、避難所端末20は、音声データと避難所IDとを情報管理サーバ30に送信する(ステップS21)。なお、避難所IDは、避難所ごとに割り当てられ、避難所IDは、情報管理システムの利用に際して避難所端末20に入力されてもよいし、避難所端末20に予め記憶されていてもよい。
【0067】
避難所端末20から音声データおよび避難所IDを受信すると、情報管理サーバ30の認証部32bは、受信した音声データと、記憶部33に記憶されている基本データ34とに基づいて、認証処理を行う(ステップS22)。認証処理では、認証部32bは、音声認証を行い、避難所端末20から受信した音声データと声の特徴が合致すると判定された声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bおよび連絡先データ34cを特定する。認証処理によって声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cが特定されることにより、避難者が、特定されたデータを登録した候補者であることが認証される。これにより、避難者が、特定された個人情報データ34bが含む個人情報の所有者であることが証明され、避難者の本人確認が完了する。
【0068】
認証が成立すると、名簿作成部32cは、情報管理サーバ30が受信した避難所IDに対応する避難所の名簿データ35aに、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報を追加して、名簿データ35aを更新する(ステップS23)。なお、情報管理サーバ30は、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報を避難所端末20に送信し、避難所端末20を通じて個人情報の内容が避難者によって確認された後に、名簿データ35aを更新してもよい。
【0069】
さらに、連絡通知部32dは、認証部32bによって特定された連絡先データ34cに基づいて、連絡先データ34cによって指定される連絡先に向けて、避難者の所在を示す情報を発信する(ステップS24)。連絡先が複数指定されている場合には、複数の連絡先に情報が発信される。避難者の所在を示す情報には、例えば、避難者の氏名、すなわち、特定された個人情報データ34bに含まれる氏名や、その避難者が居る避難所、すなわち、情報管理サーバ30が受信した避難所IDに対応する避難所の施設名や場所等が含まれる。
【0070】
このように、受付モードでは、避難所に到着した避難者の各々が避難所端末20に音声を入力することによって、情報管理サーバ30にて音声認証が行われ、名簿データ35aの更新が繰り返される。これにより、避難者の本人確認がなされるとともに、その避難所に避難している避難者の名簿が構築される。また、基本データ34として予め登録された連絡先に、避難者の所在を示す情報が送られる。
【0071】
なお、避難者が避難所から退去する場合には、避難所への到着時と同様に、避難者による避難所端末20への音声入力、および、情報管理サーバ30の認証部32bによる音声認証が行われ、名簿作成部32cは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報を名簿データ35aから削除することが好ましい。
【0072】
従来、避難所における名簿の作成は、避難者が名簿作成用のシートに個人情報を手書きで記入することにより行われていた。こうした作成方法では、情報の集約が煩雑であり、名簿の作成に時間がかかる。また、災害時には、身分証明書等を携帯していない避難者も多いため、シートに記入された個人情報が真正な情報であるか否かを確認することは困難である。さらには、収集された個人情報は、紙媒体に記載された状態で保管されるか、あるいは、避難所に設置された電子端末に記憶されることによって端末内に保管されるため、個人情報の紛失や漏洩の危険性が高く、個人情報の管理についてのセキュリティは高いとは言えない。また、避難者の所在を示す情報の発信に関しても、システム化された環境が整っているとは言い難く、特に避難者が通信手段を所持していない場合には、避難者の状況が他者に通知されるまでに時間を要していた。
【0073】
これに対し、本実施形態の情報管理システムでは、災害が起こる前に予め登録された基本データ34に基づいて、情報管理サーバ30が、音声認証と名簿データ35aの作成と避難者の所在を示す情報の発信を行う。
【0074】
したがって、避難者が身分証明書等を携帯していない状況であっても、避難者についての確かな個人情報が得られ、こうした個人情報に基づいて名簿が作成されるため、名簿の信頼性が高められる。また、シートへの個人情報の記入やその集約が不要となるため、名簿の作成にかかる負担が軽減される。また、個人情報を含むデータは、情報管理サーバ30に記憶され、避難所端末20には記憶されないため、個人情報の管理についてのセキュリティも高められる。さらに、予め登録された連絡先に避難者の所在を示す情報が送られるため、こうした情報の発信が円滑に進められる結果、連絡先の所有者は、避難者が避難所に到着した後の早い段階で、避難者の所在についての的確な情報を受け取ることができる。
【0075】
なお、連絡通知部32dが情報を発信する連絡先、すなわち、連絡先データ34cとして登録されている連絡先は、情報の送信が可能な宛先であれば、個人が所有する連絡先に限らず、例えば、他の避難所が所有する連絡先であってもよい。連絡先となる他の避難所は、例えば、所在を連絡したい相手が避難者となったときに避難すると予想される避難所とされる。連絡通知部32dが情報を発信する連絡先が他の避難所の連絡先であれば、例えば、情報を通知された避難所がその情報を避難者に公開することによって、所在を連絡したい相手が避難者となっていてお互いに通信手段を所持していない場合にも、各避難者の所在についての情報の伝達が可能となる。
【0076】
[入退出モード]
入退出モードは、避難者が避難所に所属している期間中において、避難者がその避難所に出入りする際に選択されるモードであって、入退出モードでは、避難者の避難所への出入りの管理が行われる。
【0077】
なお、図4に示される入退出モードでの処理に先立ち、避難者ごとの避難所への入退出履歴が登録可能な入退出データ35bが作成される。入退出データ35bは、避難所ごとのデータであって、入退出データ35bには、入退出履歴の記録対象となる避難者として、各避難所の名簿データ35aに登録されている避難者が登録される。こうした入退出データ35bの作成は、情報管理サーバ30の入退出記録部32eによって行われる。
【0078】
図4に示されるように、避難者が避難所となっている施設へ入るとき、あるいは、当該施設から出るとき、避難所端末20にて、避難者の行動に合わせて、避難所への入所あるいは退出のいずれかが選択される(ステップS30)。なお、1つの避難所端末20が入所時あるいは退出時のいずれか一方のみに利用される場合には、その避難所端末20では、入所あるいは退出のいずれか一方のみが上記選択の結果として設定されていてもよい。
【0079】
避難所に出入りする避難者は、避難所端末20に表示される案内に従って発声し、音声を避難所端末20に入力する(ステップS31)。発話内容は、音声認証の方式に応じて、適宜指示されればよい。
【0080】
音声が入力されると、避難所端末20は、音声データと、ステップS30の選択に応じた避難所への入所あるいは退出のいずれかを示す入退出情報とを情報管理サーバ30に送信する(ステップS32)。
【0081】
避難所端末20から音声データおよび入退出情報を受信すると、情報管理サーバ30の認証部32bは、受信した音声データと、記憶部33に記憶されている基本データ34とに基づいて、認証処理を行う(ステップS33)。認証処理では、認証部32bは、音声認証を行い、避難所端末20から受信した音声データと声の特徴が合致すると判定された声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bを特定する。これにより、避難者が、特定されたデータに対応する人物であることが認証され、避難者の本人確認が完了する。
【0082】
認証が成立すると、入退出記録部32eは、認証部32bが特定した個人情報データ34bに対応する避難者が所属する避難所の入退出データ35bを特定し、当該避難者についての入退出履歴として、入退出情報に従った入所あるいは退出の情報と、その時点の日時とを記録して、入退出データ35bを更新する(ステップS34)。なお、避難所端末20から情報管理サーバ30に避難所IDが送信され、入退出記録部32eは、避難所IDに基づいて、その避難所の入退出データ35bを特定してもよい。また、入退出データ35bの更新結果が情報管理サーバ30から避難所端末20に送信され、更新された入退出データ35bに基づく避難者の入退出状況が避難所端末20に表示されてもよい。
【0083】
なお、入退出データ35bには、入退出履歴として、入所あるいは退出の情報のみが記録され、入退出の日時が記録されなくてもよい。さらに、入退出データ35bには、入退出履歴として、過去の入退出の情報が蓄積されていってもよいし、入退出の度に情報が上書きされて、最新の入所あるいは退出の情報のみが記録されてもよい。
【0084】
なお、認証部32bによる認証が成立しない場合、すなわち、本人確認ができない場合や、入退出データ35bにて、入所の記録の後に連続して入所が記録されようとする場合、あるいは、退出の記録の後に連続して退出が記録されようとする場合には、情報管理サーバ30は、避難所端末20に警告を通知することが好ましい。
【0085】
このように、入退出モードでは、避難者が避難所へ出入りする度に、情報管理サーバ30にて音声認証が行われ、認証部32bが特定した個人情報データ34bに含まれる個人情報に対応する避難者が、避難所へ入る避難者、もしくは、避難所から出る避難者として入退出データ35bに記録される。
【0086】
従来、避難所へ出入りする避難者が本人であるか否かは目視や自己申告に頼っており、本人確認の精度には限界があったが、本実施形態の情報管理システムでは、音声認証によって本人確認がなされるため、避難所への出入りに際しての避難者の本人確認の精度が高められる。そして、こうした本人確認に基づいて、入退出履歴が情報管理サーバ30に記憶されるため、各避難者が避難所内に居るか居ないかや、その時点で避難所内に居る避難者の人数を容易に、かつ、正確に管理することができる。
【0087】
[支給モード]
支給モードは、避難者へ物資が配られる時に選択されるモードであって、支給モードでは、避難者への物資の支給状況の管理が行われる。
【0088】
なお、図5に示される支給モードでの処理に先立ち、避難者ごとの物品の支給履歴が登録可能な支給データ35cが作成される。支給データ35cは、例えば、避難所ごとに作成されるデータであって、支給データ35cにおいて、物資の支給対象となる避難者は、各避難所の名簿データ35aに基づいて登録される。また、支給データ35cには、支給可能な物品が登録され、新たな物品が支給される際には、支給データ35cに新たに物品が登録されることにより、その物品についての支給履歴が登録可能となる。こうした支給データ35cの作成は、情報管理サーバ30の支給管理部32fによって行われる。
【0089】
図5に示されるように、避難所端末20にて、支給される物品が選択される(ステップS40)。この際、支給データ35cに登録されている物品が、選択可能な物品とされる。物品の選択は、避難者ごとに行われてもよいし、例えば、同一の物品が複数の避難者の各々に支給される場合には、一度選択された物品が、複数の避難者の各々に対して適用されてもよい。
【0090】
物品の支給を受ける避難者は、避難所端末20に表示される案内に従って発声し、音声を避難所端末20に入力する(ステップS41)。発話内容は、音声認証の方式に応じて、適宜指示されればよい。
【0091】
音声が入力されると、避難所端末20は、音声データと、支給される物品を示す情報である物品情報とを情報管理サーバ30に送信する(ステップS42)。
避難所端末20から音声データおよび物品情報を受信すると、情報管理サーバ30の認証部32bは、受信した音声データと、記憶部33に記憶されている基本データ34とに基づいて、認証処理を行う(ステップS43)。認証処理では、認証部32bは、音声認証を行い、避難所端末20から受信した音声データと声の特徴が合致すると判定された声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bを特定する。これにより、避難者が、特定されたデータに対応する人物であることが認証され、避難者の本人確認が完了する。
【0092】
認証が成立すると、支給管理部32fは、認証部32bが特定した個人情報データ34bに対応する避難者が所属する避難所の支給データ35cを特定し、当該避難者についての支給履歴に情報管理サーバ30が受信した物品情報に対応する物品を追加して、支給データ35cを更新する(ステップS44)。なお、避難所端末20から情報管理サーバ30に避難所IDが送信され、支給管理部32fは、避難所IDに基づいて、その避難所の支給データ35cを特定してもよい。また、支給データ35cの更新結果が情報管理サーバ30から避難所端末20に送信され、更新された支給データ35cに基づく物資の支給状況が避難所端末20に表示されてもよい。
【0093】
なお、ステップS30にて、支給される物品とともに、支給される物品の数量が選択されてもよい。そして、物品情報として物品の種類と数量とを示す情報が避難所端末20から情報管理サーバ30に送信され、支給管理部32fは、該当する避難者の支給履歴に、該当する物品の支給数量を物品情報に応じた数だけ追加して、支給データ35cを更新してもよい。要は、支給履歴は、各物品が支給されたか否かを示す情報であってもよいし、各物品の支給された数を示す情報であってもよい。
【0094】
さらに、支給管理部32fは、物品の支給の可否判定を行ってもよい。例えば、避難所端末20から音声データおよび物品情報を受信し、認証部32bによる認証が成立すると、支給管理部32fは、支給データ35cに基づいて、認証部32bが特定した個人情報データ34bに対応する避難者の支給履歴を参照し、物品情報に対応する物品が支給されているか否かを確認する。物品が支給されていないとき、支給管理部32fは、物品の支給が許可されると判定し、情報管理サーバ30は、物品の支給が許可される旨を避難所端末20に通知する。一方、物品が支給されているとき、支給管理部32fは、物品の支給が許可されないと判定し、情報管理サーバ30は、物品の支給が許可されない旨を避難所端末20に通知する。なお、支給履歴として物品の支給数量が記録される場合には、物品ごとに支給可能な数量の上限が予め設定され、物品の支給の可否判定が、支給データ35cにおいて、物品情報に対応する物品の支給数量が上限に達しているか否かを判定することにより行われてもよい。
【0095】
なお、認証部32bによる認証が成立しない場合には、すなわち、本人確認ができない場合には、情報管理サーバ30は、避難所端末20に警告を通知することが好ましい。
このように、支給モードでは、避難者に物資が支給されるときに、情報管理サーバ30にて音声認証が行われ、認証部32bが特定した個人情報データ34bに含まれる個人情報に対応する避難者に物資が支給されたことが支給データ35cに記録される。
【0096】
支援物資等の物資は、各避難者に対して平等に支給されることが求められる一方で、上述のように、従来は、支給を受ける避難者が本人であるか否かは目視や自己申告に頼っており、また、各避難者への物品の支給の有無や支給数量は、手書きでの名簿への記入によって管理されているにすぎなかった。したがって、避難者への平等な物資の支給には限界があった。
【0097】
これに対し、本実施形態の情報管理システムでは、音声認証によって本人確認がなされるため、物資の支給時の本人確認の精度が高められる。そして、こうした本人確認に基づいて、支給履歴が情報管理サーバ30に記憶されるため、避難者への平等な物資の支給が容易に実現できる。また、支給管理部32fによる支給の可否判定が行われれば、避難者への平等な物資の支給をより容易に行うことができる。
【0098】
[検索モード]
検索モードでは、情報管理サーバ30が有するデータが用いられて、避難者についての情報の検索が行われる。
【0099】
図6に示されるように、検索モードの利用者は、避難所端末20に検索対象を入力する(ステップS50)。利用者は、避難者であってもよいし、避難者以外の人であってもよい。検索対象は、例えば、情報を得たい人物の氏名等に具体化される。
【0100】
避難所端末20は、入力された検索対象を示す情報を、情報管理サーバ30に送信する(ステップS51)。避難所端末20から情報を受信すると、情報管理サーバ30の情報検索部32gは、検索処理を行う。具体的には、情報検索部32gは、記憶部33に記憶されている名簿データ35aを含む管理データ35を解析して、避難所端末20から受け取った検索対象に関連する情報を抽出する(ステップS52)。例えば、検索対象が氏名である場合には、情報検索部32gは、名簿データ35aを解析して、検索対象である氏名が避難者として登録されている避難所を特定し、この避難所についての情報を、検索対象に関連する情報として抽出する。
【0101】
情報管理サーバ30は、抽出された検索対象に関連する情報を、検索結果として避難所端末20に送信する(ステップS53)。避難所端末20は、情報管理サーバ30から受信した検索結果を、避難所端末20の表示部に表示する(ステップS54)。例えば、上述のように、検索対象が氏名である場合には、その氏名が避難者として登録されている避難所の施設名や場所等の情報が、検索結果として表示される。
【0102】
なお、情報検索部32gは、検索処理に際して、記憶部33に記憶されている基本データ34と管理データ35とを含めたデータを解析してもよい。
また、検索モードの利用者が避難者に限られる場合、認証部32bによる音声認証が行われてもよい。認証が成立し、本人確認がなされた避難者のみが検索モードを利用できるようにすることによって、情報管理サーバ30が有するデータの利用に関するセキュリティが高められる。
【0103】
従来、複数の避難所が、例えば各避難所に避難している避難者についての情報等、各々の避難所の有する情報を、正確に、かつ、即時に共有することは困難であった。これに対し、本実施形態の情報管理システムでは、各避難所に関する情報が情報管理サーバ30にてまとめて管理されるため、こうした情報の共有を容易に行うことができる。特に、情報管理サーバ30にてデータの解析が行われ、避難所端末20に入力された検索対象に関連する情報が避難所端末20に送信されるため、利用者は、必要な情報を効率的に入手することができる。したがって、例えば、通信手段を所持していないために直接連絡をとることが困難な避難者の所在を示す情報を、他者が容易に取得することができる。
【0104】
[その他のモード]
避難所管理にて情報管理システムが有する処理モードは、上述のモードに限られない。情報管理システムは、管理の必要な情報に応じて、上述のモード以外のモードを有してもよい。例えば、情報管理システムは、名簿データ35a等の管理データ35を閲覧できる閲覧モードを有してもよい。この場合、音声認証による本人確認がなされた避難者のみが閲覧モードを利用できるようにしてもよいし、閲覧モードにアクセス権が設定され、パスワード等による認証を通じて、避難所の運営者等のアクセス権限を与えられた人物のみが、閲覧モードを利用できるようにしてもよい。こうした構成によれば、情報管理サーバ30が有するデータの閲覧についてのセキュリティが高められる。
【0105】
また、情報管理システムは、少なくとも受付モードを有していればよく、支給モードや入退出モードや検索モードを有していなくてもよい。
なお、避難所管理にて避難所端末20が担う機能は、避難所端末20にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって具体化されてもよいし、情報管理サーバ30からウェブアプリケーションとして提供されたアプリケーションソフトウェアによって具体化されてもよい。避難所端末20が担う機能がウェブアプリケーションによって具体化されると、避難所端末20ごとのアプリケーションソフトウェアのインストールが不要であるため、情報管理システムが簡易に利用できる。
【0106】
[情報管理システムの作用]
第1の実施形態の情報管理システムの作用について説明する。
第1の実施形態の情報管理システムでは、情報管理サーバ30は、候補者ごとの声紋データ34aに、個人情報データ34bと連絡先データ34cとを対応付けて記憶している。そして、避難所端末20に入力された音声データを用いた音声認証に基づいて、声紋データ34aが特定され、声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bおよび連絡先データ34cも特定される。特定された個人情報データ34bは、名簿データ35aの作成に用いられ、特定された連絡先データ34cは、避難者の所在を示す情報の発信に用いられる。このように、音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、避難者に関する情報の管理が行われるため、音声認証を通じて、音声認証の対象者に関する情報を管理することができる。
【0107】
また、基本データ34として予め登録される情報が、情報管理サーバ30にて一括して管理される。そのため、例えば、候補者が、基本データ34の登録を行った地域とは異なる地域で災害に遭って避難者となった場合にも、災害の起こった地域の避難所での本人確認や名簿の作成が円滑に進められる。
【0108】
さらに、音声認証に基づく本人確認は、物資の支給状況の管理や避難者の避難所への出入りの管理にも利用され、この場合にも、音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、入退出データ35bや支給データ35cが作成される。したがって、音声認証を通じて、音声認証の対象者に関する多様な情報の管理が可能である。
【0109】
音声認証では、声のみを利用して認証を行うことが可能であり、かつ、認証に際して、例えば指紋の読み取り装置のような特殊な装置が不要である。したがって、認証の方法として音声認証が用いられることによって、災害時において、避難者の所持品が限られる状況や、避難所に設置可能な設備が限られる状況であっても、本人確認を適切に行うことができる。
【0110】
なお、第1の実施形態では、名簿作成部32cが、個人情報データ34bに含まれる個人情報を用いた出力処理を行う処理部として機能する。また、避難所IDは、受付モードにて避難所端末20から情報管理サーバ30に送信されるとき、避難者の位置に関する情報として機能する。
【0111】
以上説明したように、第1の実施形態の情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)情報管理サーバ30は、候補者の声紋データ34aに個人情報データ34bと連絡先データ34cとを対応付けて記憶している。そして、避難者の音声のデータを用いた音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、避難者に関する情報の管理が行われるため、音声認証による認証を通じて、音声認証の対象者に関する情報を管理することができる。
【0112】
特に、避難所では、避難者の本人確認とともに、避難者に関する様々な情報の管理が求められる一方で、従来、これらを円滑に進めることのできるシステムは開発されていないため、こうした状況に情報管理システムが適用されることによって、情報管理システムの有用性が高められる。
【0113】
(2)名簿作成部32cは、認証部32bが特定した個人情報データ34bに含まれる個人情報に加えて、情報管理サーバ30が取得した位置に関する情報である避難所IDを用いた出力処理を行う。したがって、情報管理サーバ30にて行われる処理内容が多様化する。
【0114】
具体的には、名簿作成部32cは、避難所IDに対応する避難所の名簿データ35aに、特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報を追加して、音声認証の対象者を避難所に避難している避難者として取り扱う名簿を示す名簿データ35aを作成する。これによれば、情報管理サーバ30に予め記憶されている個人情報に基づいて名簿データ35aが作成されるため、避難所にて手書きで記入された情報に基づいて名簿が作成される場合と比較して、名簿に含まれる情報の信頼性が高められるとともに、名簿の作成にかかる負担も軽減される。また、避難所IDによって、避難者が振り分けられ、避難所ごとに名簿データ35aが作成されるため、基本データ34の登録を事前に行った多数の避難者が、任意の避難所に分かれて避難する場合であっても、避難所ごとの名簿データ35aの作成が円滑に進められる。さらに、個人情報を含むデータは、情報管理サーバ30に記憶され、避難所端末20には記憶されないため、個人情報の管理についてのセキュリティも高められる。
【0115】
(3)情報管理サーバ30が取得した避難所IDに基づいて、音声認証の対象者の所在を示す情報が、認証部32bが特定した連絡先データによって指定される連絡先に送信される。したがって、情報管理サーバ30が取得した情報が連絡先への情報の発信に利用されることにより、連絡先の所有者は、避難者の所在についての的確な情報を得ることができる。
【0116】
(4)避難者の避難所への出入りに際して、音声認証によって本人確認がなされ、こうした本人確認に基づいて、入退出履歴が情報管理サーバ30に記憶されるため、避難所への出入りに際しての避難者の本人確認の精度が高められるとともに、避難者が避難所内に居るか居ないかや、その時点で避難所内に居る避難者の人数等を容易に管理することができる。
【0117】
(5)避難者への物資の支給に際して、音声認証によって本人確認がなされ、こうした本人確認に基づいて、物資の支給履歴が情報管理サーバ30に記憶されるため、物資の支給に際しての避難者の本人確認の精度が高められるとともに、避難者への平等な物資の支給が容易に実現できる。
【0118】
(6)複数の避難所に関する情報が情報管理サーバ30にてまとめて管理されるため、こうした情報の共有を容易に行うことができる。そして、情報管理サーバ30にてデータの解析が行われ、情報管理サーバ30に記憶されているデータの中から、避難所端末20に入力された検索対象に関連する情報が避難所端末20に送信されるため、利用者は、必要な情報を効率的に入手することができる。
【0119】
(7)事前登録にて、情報管理サーバ30が登録端末10から受信した音声データから、声紋データ34aと、文字データである個人情報データ34bおよび連絡先データ34cの少なくとも一方が生成される。したがって、基本データ34の作成が効率的に行われ、登録端末10への情報の入力の際に候補者にかかる負担も軽減される。
【0120】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・連絡先に発信される情報は、避難者の所在を示す情報に限らず、避難者の状況を示す情報であればよく、例えば、避難者の生存を通知する情報であってもよい。
【0121】
・入出力端末として機能する端末は、避難所に設置された端末に限らず、個人が所有するスマートフォン等の端末であってもよい。また、入出力端末の一部においては、情報管理システムの機能のうち、利用可能な機能が制限されていてもよい。例えば、個人が所有するスマートフォンでは、検索モードのみが利用可能とされてもよい。こうした構成によれば、災害が起こった地域に居る知人等の状況がわからないときに、災害が起こった地域とは異なる地域、ひいては海外にいる人物が、例えば、自分の所有するスマートフォンを用いて検索モードを利用することにより、避難者に関する情報を取得することもできる。
【0122】
(第2の実施形態)
図7および図8を参照して、情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法の第2の実施形態について説明する。なお、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0123】
[情報管理システムの構成]
図7を参照して、情報管理システムの全体構成について説明する。第2の実施形態の情報管理システムは、高齢者の安否確認に際しての、高齢者の本人確認や、高齢者に関する情報の管理に利用される。高齢者の安否確認は、例えば、一人暮らしの高齢者を定期的に訪問して安否を確認することを目的として行われる。なお、安否確認には、高齢者の健康状態の確認に加えて、高齢者が居るべき居所に居ることの確認が含まれる。第2の実施形態では、高齢者が、音声認証の対象である対象者となる。
【0124】
図7に示されるように、情報管理システムは、登録端末10と、確認端末40と、情報管理サーバ30とを含む。確認端末40は、ネットワークNWに接続され、情報管理サーバ30と相互にデータを送信および受信する。
【0125】
登録端末10は、第1の実施形態と同様の構成を有し、安否確認の対象となり得る高齢者についての基本データ34を情報管理サーバ30に登録するために用いられる。
確認端末40は、第1の実施形態の避難所端末20に準じた構成を有し、高齢者の本人確認や高齢者に関する情報の管理が行われる際の入出力端末として機能する。確認端末40は、安否確認を行う担当者によって、例えば高齢者宅等、安否確認が行われる場所へ持ち込まれる。
【0126】
なお、基本データ34の登録も、担当者が登録端末10を所持して高齢者を訪問することにより、高齢者の居所にて行われてもよく、同一の端末が、登録端末10と確認端末40とを兼ねてもよい。
【0127】
情報管理サーバ30は、登録端末10から受信したデータを基本データ34として記憶し、基本データ34と確認端末40から受信したデータとに基づいて、音声認証による高齢者の認証や、高齢者に関する情報の管理を行うサーバである。高齢者に関する情報の管理には、高齢者に関する情報が整理された管理データの作成や、高齢者の状況を示す情報の発信が含まれる。
【0128】
情報管理サーバ30の備える制御部32は、情報管理システムによる情報管理方法を実施する構成の一部として、第1の実施形態と同様の構成を有する登録部32a、認証部32b、および、連絡通知部32dを備え、さらに、情報確認部32h、および、履歴作成部32iを備えている。
【0129】
情報管理サーバ30の備える記憶部33は、第1の実施形態と同様の構成を有する声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cを含む基本データ34を記憶し、さらに、安否履歴データ35dを含む管理データ35を記憶している。
【0130】
制御部32が備える情報確認部32hは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bが含む情報を、通信部31を介して確認端末40に送信して、高齢者の所在の確認に供する。
【0131】
制御部32が備える履歴作成部32iは、安否履歴データ35dを作成する。安否履歴データ35dは、高齢者の安否確認の履歴を示すデータであって、安否履歴データ35dは、安否履歴として、例えば、安否確認が行われた日時等の情報を含む。
【0132】
高齢者の安否確認が行われた時、履歴作成部32iは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに対応する高齢者の安否履歴として、安否確認が行われた日時等を記録して、安否履歴データ35dを作成する。
【0133】
なお、制御部32において、登録部32a、認証部32b、連絡通知部32d、情報確認部32h、および、履歴作成部32iとしての機能を有する構成は、複数のCPUやメモリ等の各種のハードウェアによって具体化されてもよく、共通する1つのハードウェアに複数の機能を与えるソフトウェアによって具体化されてもよい。こうしたソフトウェアは、情報管理プログラムとして、記憶部33に記憶される。
【0134】
[情報管理システムによる処理手順]
図8を参照して、情報管理システムによって行われる処理の手順について説明する。情報管理システムの処理には、基本データ34の登録を行う「事前登録」の段階と、安否確認の担当者が高齢者を訪問して安否確認を行う際に利用される「訪問管理」の段階とが含まれる。
【0135】
<事前登録>
事前登録は、登録端末10と、情報管理サーバ30との連携によって、第1の実施形態における基本データ34の登録と同様の手順で行われる。
【0136】
すなわち、安否確認の対象となり得る候補者である高齢者の個人情報と、高齢者の所在を示す情報の送信先となる連絡先とが、音声、もしくは、音声と文字によって登録端末10に入力され、そのデータが、登録端末10から情報管理サーバ30に送信される。情報管理サーバ30の登録部32aは、登録端末10から受信した音声データを含むデータから、声紋データ34aと個人情報データ34bと連絡先データ34cとを生成し、これらのデータを対応付けて、記憶部33に基本データ34として記憶させる。
【0137】
なお、第2の実施形態において、個人情報は、少なくとも、高齢者が安否確認の際に居るべき居所を示す居所情報を含んでいる。居所情報は、例えば、高齢者宅の住所を示す情報とされる。
【0138】
<訪問管理>
訪問管理は、確認端末40と、情報管理サーバ30との連携によって行われる。確認端末40は、安否確認の担当者が、安否確認の対象となる高齢者を訪問する際に携帯される。
【0139】
図8に示されるように、担当者によって高齢者の健康状態の確認がされた後、安否確認を受けている高齢者は、確認端末40に表示される案内に従って発声し、音声を確認端末40に入力する(ステップS60)。発話内容は、音声認証の方式に応じて、適宜指示されればよい。
【0140】
音声が入力されると、確認端末40は、音声データを情報管理サーバ30に送信する(ステップS61)。
確認端末40から音声データを受信すると、情報管理サーバ30の認証部32bは、受信した音声データと、記憶部33に記憶されている基本データ34とに基づいて、認証処理を行う(ステップS62)。認証処理では、認証部32bは、音声認証を行い、確認端末40から受信した音声データと声の特徴が合致すると判定された声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bおよび連絡先データ34cを特定する。認証処理によって声紋データ34a、個人情報データ34b、および、連絡先データ34cが特定されることにより、高齢者が、特定されたデータを登録した人物であることが認証され、高齢者の本人確認が完了する。
【0141】
認証が成立すると、情報確認部32hは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報のうち、少なくとも居所情報を含む情報を抽出する(ステップS63)。抽出された情報は、情報管理サーバ30から確認端末40に送信される(ステップS64)。
【0142】
確認端末40は、情報管理サーバ30から受信したデータに基づいて、少なくとも居所情報を含む個人情報を確認端末40が有する表示部に表示する(ステップS65)。安否確認の担当者は、表示された個人情報を確認し、高齢者が、表示された居所情報の示す場所に居ることを確認する。例えば、居所情報は所定の住所を示し、担当者は、確認端末40に表示された情報と訪問している高齢者宅の住所とが一致することを確かめる。高齢者が、表示された居所情報の示す場所に居ることが確認されれば、安否確認を受けている高齢者が、居るべき場所に居ることが確認され、高齢者の安否確認が完了する。個人情報の確認結果は、担当者によって、確認端末40に入力される(ステップS66)。確認端末40は、入力された確認結果を情報管理サーバ30に送信する(ステップS67)。
【0143】
情報管理サーバ30が、確認端末40から、確認端末40に表示された個人情報が確認されたこと、すなわち、高齢者が居所情報の示す場所に居ることが確認されたことを示す確認結果を受信すると、情報管理サーバ30の履歴作成部32iは、認証部32bが特定した個人情報データ34bに対応する高齢者の安否履歴として、その時点での日時等を記録して、安否履歴データ35dを作成する(ステップS68)。なお、安否履歴としては、日時に限らず、履歴として活用可能な情報が記録されればよい。また、安否確認が定期的に行われる場合には、安否履歴データ35dには、高齢者ごとに安否履歴が蓄積されていってもよい。
【0144】
また、情報管理サーバ30が、確認端末40から上記確認結果を受信すると、連絡通知部32dは、認証部32bによって特定された連絡先データ34cに基づいて、連絡先データ34cによって指定される連絡先に向けて、高齢者の所在を示す情報を発信する(ステップS69)。高齢者の所在を示す情報は、例えば、個人情報データ34bとして登録されている居所にて、高齢者の安否が確認されたことを通知する情報等に具体化される。
【0145】
このように、訪問管理では、情報管理サーバ30にて音声認証が行われ、音声認証による本人確認に基づいて、安否履歴データ35dの作成と、予め登録された連絡先への高齢者の所在を示す情報の発信とが行われる。
【0146】
なお、上述の手順においては、担当者による確認に代えて、情報管理サーバ30にて、位置情報を利用した高齢者の所在の確認が行われてもよい。例えば、確認端末40は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して確認端末40の位置情報を取得し、高齢者によって入力された音声データとともに、位置情報を情報管理サーバ30に送信する。音声データを用いた認証が成立すると、情報管理サーバ30の情報確認部32hは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる居所情報と、確認端末40から受信した位置情報とを用いて、確認端末40の位置、すなわち、高齢者の位置が、個人情報データ34bに含まれる居所情報が示す場所にあるか否かを判定する。確認端末40の位置が、居所情報が示す場所にあると判定されれば、安否確認を受けている高齢者が、居所情報の示す場所に居ることが確認される。
【0147】
情報確認部32hによって高齢者が居所情報の示す場所に居ることが確認されると、履歴作成部32iや連絡通知部32dは、安否履歴データ35dの作成や連絡先への情報の発信を行う。こうした構成によっても、個人情報データ34bに含まれる居所情報は高齢者の所在の確認に供される。
【0148】
[情報管理システムの作用]
第2の実施形態の情報管理システムの作用について説明する。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、情報管理サーバ30は、高齢者ごとの声紋データ34aに、個人情報データ34bと連絡先データ34cとを対応付けて記憶している。そして、確認端末40に入力された音声データを用いた音声認証に基づいて、声紋データ34aが特定され、声紋データ34aに対応付けられている個人情報データ34bおよび連絡先データ34cも特定される。特定されたデータは、安否履歴データ35dの作成や高齢者の所在を示す情報の発信等、高齢者に関する情報の管理に用いられる。したがって、音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、高齢者に関する情報の管理が行われるため、音声認証による認証を通じて、音声認証の対象者に関する情報を管理することができる。
【0149】
また、高齢者が、個人情報データ34bとして登録されている居所情報の示す場所に居ることが確認されたことを受けて、高齢者の所在を示す情報が発信されるため、連絡先の所有者は、安否が確認されてから早期に高齢者の状況を知ることができる。
【0150】
上述のように音声認証では、声のみを利用して認証を行うことが可能であるため、本人確認に際して高齢者に過度の負担がかかることが抑えられる。また、音声認証では、認証に際して、特殊な装置が不要であるため、高齢者を訪問して安否確認を行うにあたって、特殊な装置を持ち歩く必要がない。したがって、安否確認の担当者の負担も軽減される。
【0151】
なお、第2の実施形態では、情報確認部32hが、個人情報データ34bに含まれる個人情報を用いた出力処理を行う処理部として機能する。また、確認端末40の位置情報は、高齢者の位置に関する情報として機能する。
【0152】
以上説明したように、第2の実施形態の情報管理サーバ、情報管理システム、および、情報管理方法によれば、第1の実施形態の(7)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
【0153】
(8)情報管理サーバ30は、候補者の声紋データ34aに個人情報データ34bと連絡先データ34cとを対応付けて記憶している。そして、高齢者の音声のデータを用いた音声認証に基づいて特定されたデータを用いて、高齢者に関する情報の管理が行われるため、音声認証による認証を通じて、音声認証の対象者に関する情報を管理することができる。特に、高齢者の安否確認に情報提供システムが適用されるため、高齢者の本人確認や所在の確認が円滑に進められる。
【0154】
(9)情報確認部32hは、認証部32bが特定した個人データに含まれる居所情報を、高齢者の所在の確認に供し、連絡通知部32dは、高齢者が当該居所情報の示す場所に居ることが確認されたことを受けてから、高齢者の状況を示す情報を発信する。これによれば、音声認証の対象である高齢者が居所情報の示す場所に居ることが確認されたときに、連絡先の所有者は、高齢者の状況を示す情報を受け取ることができる。
【0155】
(10)安否履歴データ35dが作成されるため、こうしたデータの解析や利用も可能となり、高齢者の安否確認の状況が適切に管理される。
(11)情報確認部32hは、認証処理によって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報に加えて、情報管理サーバ30が取得した確認端末40の位置情報を用いた処理を行う。したがって、情報管理サーバ30にて行われる処理内容が多様化する。
【0156】
具体的には、情報確認部32hは、特定された個人情報データ34bに含まれる居所情報と、確認端末40から受信した位置情報とを用いて、確認端末40の位置が居所情報の示す場所にあるか否かを判定することにより、高齢者の所在の確認を行う。これによれば、高齢者の所在の確認が適切になされ、こうした確認が安否確認の担当者によって行われる場合と比較して、担当者の負担も軽減される。
【0157】
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・個人情報データ34bが居所情報を含まず、居所情報が高齢者の所在の確認に供されなくてもよい。例えば、情報確認部32hは、確認端末40の位置情報を用いて、高齢者の所在を確認してもよい。この場合、確認端末40は、確認端末40の位置情報を取得し、高齢者によって入力された音声データとともに、位置情報を情報管理サーバ30に送信する。音声データを用いた認証が成立すると、情報確認部32hは、認証部32bによって特定された個人情報データ34bに含まれる個人情報と、確認端末40から受信した位置情報とを用いて、その個人情報に対応する高齢者が、確認端末40の位置情報が示す位置に居ると判断する。こうした構成において、履歴作成部32iは、認証部32bが特定した個人情報データ34bに対応する高齢者の安否履歴として、確認端末40の位置情報とその時点での日時等を記録して、安否履歴データ35dを作成することが好ましい。また、連絡通知部32dは、連絡先データ34cによって指定される連絡先に向けて、高齢者の所在を示す情報として、高齢者の所在、すなわち、確認端末40の位置情報が示す位置を通知する情報を発信することが好ましい。
【0158】
上記構成によっても、情報確認部32hは、個人情報に加えて、確認端末40の位置情報を用いた処理を行うため、情報管理サーバ30にて行われる処理内容が多様化する。さらに、情報管理サーバ30が取得した確認端末40の位置情報に基づいて、高齢者の所在を示す情報が連絡先に送信される。したがって、情報管理サーバ30が取得した情報が連絡先への情報の発信に利用されることにより、連絡先の所有者は、高齢者の所在についての的確な情報を得ることができる。
【0159】
・居所は、高齢者宅の住所に限らず、種々の施設であってもよい。居所は、認証の対象になり得る候補者が居るべき場所であって、候補者がその場所に居ることが、候補者の安否に異常がないと判断される条件の一つとなる場所であればよい。
【0160】
・連絡先に発信される情報は、高齢者の所在を示す情報に限らず、高齢者の状況を示す情報であればよく、例えば、高齢者の健康状態のみを通知する情報であってもよい。
・制御部32から履歴作成部32iが割愛され、安否履歴データ35dが作成されなくてもよい。
【0161】
・安否確認の対象、すなわち、音声認証の対象である対象者は、高齢者に限らず、例えば、児童生徒であってもよく、上述した情報管理システムが、放課後や長期休暇中における児童生徒の安否確認に利用されてもよい。
【0162】
・第1の実施形態の情報管理システムは、第2の実施形態の情報管理システムの機能を兼ね備えるシステムであってもよい。例えば、避難者となり得る候補者の基本データ34が情報管理サーバ30に登録され、平時には、情報管理サーバ30に登録されているデータのうち、高齢者の基本データ34が利用されて、情報管理システムは高齢者の安否確認に利用される。一方、災害が起こると、情報管理サーバ30に登録されているすべての候補者の基本データ34が利用されて、情報管理システムは避難所の運営に利用される。こうした構成によれば、平時と災害時との双方で、1つの情報管理システムが利用されるため、情報管理システムの利用価値が高められる。
【符号の説明】
【0163】
10…登録端末、20…避難所端末、30…情報管理サーバ、31…通信部、32…制御部、32a…登録部、32b…認証部、32c…名簿作成部、32d…連絡通知部、32e…入退出記録部、32f…支給管理部、32g…情報検索部、32h…情報確認部、32i…履歴作成部、33…記憶部、34…基本データ、34a…声紋データ、34b…個人情報データ、34c…連絡先データ、35…管理データ、35a…名簿データ、35b…入退出データ、35c…支給データ、35d…安否履歴データ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8