特許第6303790号(P6303790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303790
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】光ファイバ接続部品製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20180326BHJP
   G02B 6/06 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   G02B6/38
   G02B6/06 C
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-98641(P2014-98641)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-215498(P2015-215498A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】金内 靖臣
(72)【発明者】
【氏名】島川 修
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−238692(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/121320(WO,A1)
【文献】 特開2014−10403(JP,A)
【文献】 特表2013−522674(JP,A)
【文献】 特開2013−80126(JP,A)
【文献】 特表2011−522292(JP,A)
【文献】 特開2001−83362(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0219609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/36−6/40
G02B6/04−6/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバ軸に垂直な断面において複数のコアが列状に配置された列構造を有するとともにファイバ軸の周りに断面構造が回転対称性を有するマルチコア光ファイバ(以下「MCF」という。)がファイバ軸の周りに所定の回転位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法であって、
前記断面構造として基準となる寸法精度を有するマスタMCFが前記所定の回転位置となるようにV溝内に配置されて固定されたマスタ接続部品を用意するマスタ接続部品準備工程と、
被調芯接続部品のV溝内に配置された被調芯MCFの端面が前記マスタMCFの端面に対向するように、前記被調芯接続部品と前記マスタ接続部品とを配置する配置工程と、
前記マスタMCFの両端の2つのコアと前記被調芯MCFの両端の2つのコアとの間で光伝送パワーをモニタするモニタ工程と、
前記モニタ工程においてモニタされた2つのコアそれぞれでの光伝送パワーが最大となる最大パワー回転位置を求め、これら最大パワー回転位置の中間となる位置を前記被調芯MCFの所定の回転位置として固定する回転位置固定工程と、
前記回転位置固定工程において固定された前記所定の回転位置で全コアの接続損失を測定して異常の有無を判定する判定工程と、
を有し、
前記判定工程において異常有りと判定した場合に、前記被調芯MCFを別の被調芯MCFに取り換えて、前記配置工程,前記モニタ工程,前記回転位置固定工程および前記判定工程を繰り返す、
光ファイバ接続部品製造方法。
【請求項2】
前記被調芯MCFは、ファイバ軸に垂直な断面において前記列構造を複数有し、
前記モニタ工程において、複数の列構造のうち最外層の2列の対角線上の2つのコアについて光伝送パワーをモニタする、
請求項1に記載の光ファイバ接続部品製造方法。
【請求項3】
前記MCFは、偏波保持機能を有するコアを含む、
請求項1または2に記載の光ファイバ接続部品製造方法。
【請求項4】
前記判定工程において、前記回転位置固定工程において固定された前記所定の回転位置で全コアの光伝送パワーを測定し、その測定した全コアの光伝送パワーが目標値に達しない場合に異常有りと判定する、
請求項1〜3の何れか1項に記載の光ファイバ接続部品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続部品製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、偏波保持光ファイバのコアおよび1対の応力付与部が所定の位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法の発明が開示されている。この発明は、基板のV溝に偏波保持光ファイバが収容された状態をCCDカメラにより撮像して画像表示部に可視画像として表示し、その画像表示部に前記可視画像とは個別に表示された基準ラインと前記可視画像中の基準部位とを一致させ、前記基準部位と一致した基準ラインに基づいて前記偏波保持光ファイバの回転方向の位置決めを行い、前記偏波保持光ファイバの位置決め後に前記基板と前記偏波保持光ファイバとを一体的に固着することで、光ファイバ接続部品を製造する。
【0003】
また、特許文献2には、フェルールに挿入された状態でのマルチコア光ファイバ(MCF)の各コアが所定の位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法の発明が開示されている。この発明において調芯対象となるMCFは、ファイバ軸に垂直な断面において共通のクラッド中に複数のコアを有し、複数のコアのうち1つのコア(以下「中心コア」という。)が中心位置に存在し、他のコア(以下「外コア」という。)が中心位置以外の位置に存在するものである。この発明は、基準となるマスタMCFが所定の回転位置となるように配置されて固定されたマスタ接続部品を用意し、調芯対象となる被調芯MCFの端面とマスタMCFの端面とを対向させる。そして、被調芯MCFの中心コアとマスタMCFの中心コアとの位置合わせを行い、フェルールを回転させて被調芯MCFの外コアとマスタMCFの外コアとの位置合わせを行う。コア位置合わせに際しては、一方のMCFのコアに光を入射させ、他方のMCFのコアから出射される光のパワーをモニタして、その光パワーが最大となるように位置合わせを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−264845号公報
【特許文献2】特開2013−238692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された発明は、シングルコア光ファイバのコアを調芯して光ファイバ接続部品を製造するものであって、マルチコア光ファイバの複数のコアを調芯して光ファイバ接続部品を製造するものではない。また、この発明は、光ファイバ端面を撮像して得られた画像に基づいてコアを調芯するものであって、接続損失に基づいてコアを調芯するものではなく、接続損失の点で必要条件を満たしているか否かを判定することができない。
【0006】
特許文献2に開示された発明は、マルチコア光ファイバの複数のコアを調芯して光ファイバ接続部品を製造するものであって、コアの調芯を接続損失に基づいて行う。しかし、この発明において調芯対象となるMCFは、複数のコアのうち1つのコアが中心位置に存在するものに限られる。また、この発明は、中心コアの調芯をした後に少なくとも一つの外コアの調芯をすることで回転位置の調整を行うものであるが、どれか一つのコアでも不具合があることを想定していない。
【0007】
複数のMCFがV溝アレイに配置されたMCFアレイの場合、MCFはフェルールに挿入されることなく直接にV溝に配置される。この場合、フェルールを用いないで調芯することができるので、アレイ全体の小型化が可能になる。また、個々のMCFの中心位置はV溝により自動的に固定され、複数のMCFの配列も固定された方向に配置されている。これは、フェルールもMCFも或る程度の精度を有しており、回転調芯のみができれば良いとの前提に基づく。なお、MCFをフェルールに挿入した状態でV溝に配置すると、フェルールの非円率や偏心率が問題となり、フェルールが高額となる。
【0008】
配列方向位置および高さ方向位置がミクロン単位(好ましくは0.5μm)で揃っているV溝アレイを用いることで、各MCFの回転方向位置のみを合わせれば、コアの位置合わせを同じとすることができる。ただし、コアの配列形式が同じであっても、個々のMCFの製造ばらつきにより、回転方向位置が正確でない可能性や、接続に適していないコア配置異常が存在する可能性がある。その場合は、接続特性異常として、そのMCFをV溝に配置する対象から除外することが必要である。この場合は、V溝アレイだけでなく、一溝の場合でも同じである。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、回転方向位置を合わせることで接続時の損失が適正かどうかを判断するのに適した光ファイバ接続部品製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
光ファイバ接続部品製造方法は、ファイバ軸に垂直な断面において複数のコアが列状に配置された列構造を有するとともにファイバ軸の周りに断面構造が回転対称性を有するマルチコア光ファイバ(MCF)がファイバ軸の周りに所定の回転位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法であって、前記断面構造として基準となる寸法精度を有するマスタMCFが前記所定の回転位置となるようにV溝内に配置されて固定されたマスタ接続部品を用意するマスタ接続部品準備工程と、被調芯接続部品のV溝内に配置された被調芯MCFの端面が前記マスタMCFの端面に対向するように、前記被調芯接続部品と前記マスタ接続部品とを配置する配置工程と、前記マスタMCFの両端の2つのコアと前記被調芯MCFの両端の2つのコアとの間で光伝送パワーをモニタするモニタ工程と、前記モニタ工程においてモニタされた2つのコアそれぞれでの光伝送パワーが最大となる最大パワー回転位置を求め、これら最大パワー回転位置の中間となる位置を前記被調芯MCFの所定の回転位置として固定する回転位置固定工程と、前記回転位置固定工程において固定された前記所定の回転位置で全コアの接続損失を測定して異常の有無を判定する判定工程とを有し、前記判定工程において異常有りと判定した場合に、前記被調芯MCFを別の被調芯MCFに取り換えて、前記配置工程,前記モニタ工程,前記回転位置固定工程および前記判定工程を繰り返す。
【発明の効果】
【0011】
本発明の光ファイバ接続部品製造方法は、回転方向位置を合わせることで接続時の損失が適正かどうかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法のフローチャートである。
図2】マスタ接続部品20の構成を示す図である。
図3】被調芯接続部品10およびマスタ接続部品20の配置を説明する図である。
図4】被調芯MCF11の断面構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0014】
本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法は、ファイバ軸に垂直な断面において複数のコアが列状に配置された列構造を有するとともにファイバ軸の周りに断面構造が回転対称性を有するマルチコア光ファイバ(MCF)がファイバ軸の周りに所定の回転位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法であって、前記断面構造として基準となる寸法精度を有するマスタMCFが前記所定の回転位置となるようにV溝内に配置されて固定されたマスタ接続部品を用意するマスタ接続部品準備工程と、被調芯接続部品のV溝内に配置された被調芯MCFの端面が前記マスタMCFの端面に対向するように、前記被調芯接続部品と前記マスタ接続部品とを配置する配置工程と、前記マスタMCFの両端の2つのコアと前記被調芯MCFの両端の2つのコアとの間で光伝送パワーをモニタするモニタ工程と、前記モニタ工程においてモニタされた2つのコアそれぞれでの光伝送パワーが最大となる最大パワー回転位置を求め、これら最大パワー回転位置の中間となる位置を前記被調芯MCFの所定の回転位置として固定する回転位置固定工程と、前記回転位置固定工程において固定された前記所定の回転位置で全コアの接続損失を測定して異常の有無を判定する判定工程とを有し、前記判定工程において異常有りと判定した場合に、前記被調芯MCFを別の被調芯MCFに取り換えて、前記配置工程,前記モニタ工程,前記回転位置固定工程および前記判定工程を繰り返す。
【0015】
また、前記被調芯MCFは、ファイバ軸に垂直な断面において前記列構造を複数有し、前記モニタ工程において、複数の列構造のうち最外層の2列の対角線上の2つのコアについて光伝送パワーをモニタするのが好適である。前記MCFは、偏波保持機能を有するコアを含むのが好適である。前記判定工程において、前記回転位置固定工程において固定された前記所定の回転位置で全コアの光伝送パワーを測定し、その測定した全コアの光伝送パワーが目標値に達しない場合に異常有りと判定するのが好適である。
【0016】
本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法における調芯の対象は、ファイバ軸に垂直な断面において複数のコアが列状に配置された列構造を有するとともにファイバ軸の周りに断面構造が回転対称性を有するマルチコア光ファイバ(MCF)である。この調芯対象のMCFを被調芯MCFと呼ぶ。被調芯MCFは、ファイバ軸に垂直な断面において列構造を複数有していてもよい。また、被調芯MCFは、偏波保持機能を有するコアを含んでいてもよい。
【0017】
本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法は、被調芯MCFがファイバ軸の周りに所定の回転位置となるように配置された光ファイバ接続部品を製造する方法である。図1は、本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法のフローチャートである。本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法は、マスタ接続部品準備工程S1、配置工程S2、モニタ工程S3、回転位置固定工程S4および判定工程S5を有する。
【0018】
マスタ接続部品準備工程S1では、マスタ接続部品20を用意する。図2は、マスタ接続部品20の構成を示す図である。マスタ接続部品20は、断面構造として基準となる寸法精度を有するマスタMCF21が所定の回転位置となるようにV溝基板22のV溝内に配置されて押え板23により固定されたものである。同図では、2本のマスタMCF21の第1端側がV溝基板22の各V溝内に配置されて固定されている。V溝基板22には、2本の位置決めピン24が取り付けられている。また、各マスタMCF21の第2端側にはファンアウト部品25が設けられており、マスタMCF21の各コアがファンアウト部品25およびシングルコア光ファイバ26を介してFCコネクタ27に光学的に接続されている。
【0019】
配置工程S2では、被調芯接続部品10の被調芯MCF11の端面がマスタ接続部品20のマスタMCF21の端面に対向するように、被調芯接続部品10とマスタ接続部品20とを配置する。図3は、被調芯接続部品10およびマスタ接続部品20の配置を説明する図である。ここで、被調芯接続部品10は、被調芯MCF11がV溝基板12のV溝内に配置されたものである。同図でも、2本の被調芯MCF11の第1端側がV溝基板12の各V溝内に配置されている。V溝基板12には、V溝基板22の位置決めピン24が挿入される2つの位置決め孔が設けられている。V溝基板12の位置決め孔にV溝基板22の位置決めピン24が挿入されることで、V溝基板12とV溝基板22との相対的位置関係が決定されて、被調芯MCF11の端面がマスタMCF21の端面に対向することができる。また、各被調芯MCF11の第2端側にはファンイン部品15が設けられており、被調芯MCF11の各コアがファンイン部品15およびシングルコア光ファイバ16を介してFCコネクタ17に光学的に接続されている。
【0020】
なお、マスタ接続部品20は、理想的なコア配置を有するマスタMCF21を使用し、マスタMCF21のファイバ軸の周りの回転位置も理想的なものとなるようにマスタMCF21がV溝基板22に固定されている。マスタ接続部品20は、被調芯接続部品10に対し鏡対象の関係にある。すなわち、配置工程S2において被調芯接続部品10とマスタ接続部品20とを対向配置したときに、V溝基板12とV溝基板22とは、各々のV溝の高さが互いに同じであり、各々のV溝配列方向位置も互いに同じである。これについては、双方にマスタ接続部品20を配置するか、双方に同一のMCFを配置するかして、回転位置が正確に一致するか否かにより確認することが可能である。
【0021】
モニタ工程S3では、マスタMCF21の両端の2つのコアと、被調芯MCF11の両端の2つのコアとの間で、光伝送パワーをモニタする。図4は、被調芯MCF11の断面構造の一例を示す図である。同図に示される被調芯MCF11は、ファイバ軸に垂直な断面において共通のクラッド32中に8個のコア31〜31を有し、また、列構造を2つ有しており、各列に4個のコアが配置されている。すなわち、4個のコア31〜31が直線上に一定間隔で配置され、他の4個のコア31〜31が他の直線上に一定間隔で配置されている。また、被調芯MCF11は、ファイバ軸の周りに断面構造が回転対称性を有する。
【0022】
モニタ工程S3では、被調芯MCF11の8個のコア31〜31のうち最も離れた最外層の2列の対角線上の2個のコア31,32と、マスタMCF21の8個のコアのうち上記コア31,32に対応する位置にある2個のコアとの間で、光伝送パワーをモニタする。光伝送パワーのモニタに際しては、これらのコアに対応するFCコネクタ17,27のうち、一方を光源に光学的に結合するとともに、他方を光検出器に光学的に結合して、モニタを行う。なお、FCコネクタ17,27は、光源を含む光学系の一部であってよいし、光検出器を含む光学系の一部であってよい。
【0023】
回転位置固定工程S4では、モニタ工程S3においてモニタされた2つのコアそれぞれでの光伝送パワーが最大となる最大パワー回転位置を求める。そして、これら最大パワー回転位置の中間となる位置を被調芯MCF11の所定の回転位置として固定する。
【0024】
判定工程S5では、回転位置固定工程S5において固定された所定の回転位置で全コアの接続損失を測定して異常の有無を判定する。このとき、回転位置固定工程S5において固定された所定の回転位置で全コアの光伝送パワーを測定し、その測定した全コアの光伝送パワーが目標値に達しない場合に異常有りと判定するのが好適である。
【0025】
そして、判定工程S5において異常有りと判定した場合に、被調芯MCF11を別の被調芯MCFに取り換えて、配置工程S2,モニタ工程S3,回転位置固定工程S4および判定工程S5を繰り返す。判定工程S5において異常が無いと判定した場合には、そのときの被調芯MCF11とV溝基板12との位置固定状態を維持したまま光ファイバ接続部品を製造する。
【0026】
本実施形態の光ファイバ接続部品製造方法は、回転方向位置を合わせることで接続時の損失が適正かどうかを判断することができる。また、2コアで調芯することがら、短時間で回転方向位置を合わせることができる。
【0027】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、V溝基板に固定されるMCFの本数は、2本に限られるものではなく、1本でもよいし、3本以上でもよい。MCFの断面において、各列のコアの個数は任意であり、列の数も任意である。
【0028】
また、上記実施形態では被調芯接続部品10の被調芯MCF11の本数とマスタ接続部品20のマスタMCF21の本数とは同数であったが、被調芯接続部品10の被調芯MCF11が複数本であるのに対して、マスタ接続部品20のマスタMCF21を1本のみとしてもよい。この場合、被調芯接続部品10とマスタ接続部品20とを相対的移動させることで、被調芯接続部品10の各々の被調芯MCF11を順次に調芯してもよい。
【符号の説明】
【0029】
10…被調芯接続部品、11…被調芯MCF、12…V溝基板、15…ファンイン部品、16…光ファイバ、17…FCコネクタ、20…マスタ接続部品、21…マスタMCF、22…V溝基板、23…押え板、24…位置決めピン、25…ファンアウト部品、26…光ファイバ、27…FCコネクタ。
図1
図2
図3
図4