特許第6303952号(P6303952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6303952
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】基板実装構造及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20180326BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   H05K1/18 T
   H05K1/18 F
   H02M3/28 Y
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-192724(P2014-192724)
(22)【出願日】2014年9月22日
(65)【公開番号】特開2016-63200(P2016-63200A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】菅 正樹
(72)【発明者】
【氏名】坂本 拓也
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−139986(JP,A)
【文献】 特開2013−207199(JP,A)
【文献】 特開2013−074138(JP,A)
【文献】 特開2002−124791(JP,A)
【文献】 特開2013−021083(JP,A)
【文献】 特開2014−049586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H05K 7/12
H05K 7/20
H01L 23/40
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体上に載置された基板と、前記基板上に実装される複数の部品と、を備える基板実装構造であって、
前記複数の部品を前記筐体に向けて押圧する押圧部材を備え、
前記押圧部材は、前記筐体に対して固定される支持部と、前記支持部から突出して前記複数の部品をそれぞれ前記筐体に向けて弾性押圧する複数の押圧部と、を有し、
前記複数の押圧部は、前記支持部を挟んで対向して配置され、
前記支持部は、前記支持部の下方に前記基板が配置される位置で前記筐体に対して固定される基板実装構造。
【請求項2】
前記支持部は、上方から見たときに一の方向に延びる略長方形状であって、
前記複数の押圧部は、前記支持部において互いに対向する2つの長辺に接続し、
前記2つの長辺の少なくとも一方には、互いに離間した複数の前記押圧部が設けられる請求項1記載の基板実装構造。
【請求項3】
前記支持部は、板状の基部と、当該基部の2つの長辺から対向して上方に延びる側壁部と、を有し、
前記複数の押圧部は、前記側壁部の上方側端部に設けられる請求項1又は2記載の基板実装構造。
【請求項4】
前記支持部から下方に延びる板バネであって、前記基板を押圧する基板押圧部をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板実装構造。
【請求項5】
前記複数の押圧部の少なくとも一部において、その幅が異なる請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板実装構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板実装構造を具備する電源装置であって、
前記基板には、1次側回路と2次側回路とが構成され、
前記押圧部材は、一方の長辺側の前記押圧部により前記1次側回路の部品を押圧し、前記一方とは異なる他方の長辺側の前記押圧部により前記2次側回路の部品を押圧する電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板実装構造及びこの基板実装構造が適用された電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電子機器において用いられる半導体は高温に発熱する電子部品であるため、例えばヒートシンク等の放熱部材に対して金具で押圧を行っている。複数の電子部品を一度に押圧する押圧部材としては、例えば特許文献1に示されるように、基板の外周側で筐体に対して支持固定されると共に一端側が2つに分岐している支持部と、支持部における分岐した先端に連続した押圧部と、を含み、複数の押圧部がそれぞれ基板上の電子部品を押圧する構成が示されている。また、特許文献1では、固定する金具の他の形態として、基板の端部よりも外方で筐体に固定されると共に基板上を架け渡すアーチ状の支持部と、支持部から下方に膨らむバネ部と、を含んだ構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−153722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の押圧部材では、押圧支持を行う対象の電子部品の取り付け位置が基板端部から遠くなった場合、電子部品に対する押圧力が低下し、電子部品を好適に押圧することが困難となる可能性がある。特許文献1では、基板端部から離間した電子部品を押圧するための押圧部材として、アーチ状の支持部を有する押圧部材についても開示がなされている。しかしながら、基板を架け渡すアーチ状の支持部の長さが長い場合には、中央部は撓みやすくなるため、バネ部による押圧力が不足する可能性が考えられる。
【0005】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、基板上の複数の部品の押圧を好適に行うことが可能な基板実装構造及びこの基板実装構造が適用された電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る基板実装構造は、筐体と、前記筐体上に載置された基板と、前記基板上に実装される複数の部品と、を備える基板実装構造であって、前記複数の部品を前記筐体に向けて押圧する押圧部材を備え、前記押圧部材は、前記筐体に対して固定される支持部と、前記支持部から突出して前記複数の部品をそれぞれ前記筐体に向けて弾性押圧する複数の押圧部と、を有し、前記複数の押圧部は、前記支持部を挟んで対向して配置され、前記支持部は、前記支持部の下方に前記基板が配置される位置で前記筐体に対して固定されることを特徴とする。
【0007】
上記の基板実装構造では、押圧部材は、筐体に対して固定される支持部と、支持部から突出して複数の部品をそれぞれ筐体に向けて弾性押圧すると共に支持部を挟んで対向配置された複数の押圧部と、を有し、支持部は、支持部の下方に基板が配置される位置で筐体に対して固定される。このように、押圧部材の支持部を挟んだ両側に配置された基板上の部品を、複数の押圧部によってそれぞれ弾性押圧する構成を備えることで、複数の部品を基板上の複数の部品の押圧を好適に行うことが可能となる。
【0008】
ここで、前記支持部は、上方から見たときに一の方向に延びる略長方形状であって、前記複数の押圧部は、前記支持部において互いに対向する2つの長辺に接続し、前記2つの長辺の少なくとも一方には、互いに離間した複数の前記押圧部が設けられる態様とすることができる。この場合、1つの支持部に対して多数の押圧部を設けることができることから、より多くの部品の押圧を好適に行うことができる。
【0009】
また、前記支持部は、板状の基部と、当該基部の2つの長辺から対向して上方に延びる側壁部と、を有し、前記複数の押圧部は、前記側壁部の上方側端部に設けられる態様とすることができる。この場合、側壁部を有することで、支持部の剛性が向上すると共に、複数の押圧部による押圧力を好適に維持することができる。
【0010】
また、前記支持部から下方に延びる板バネであって、前記基板を弾性押圧する基板押圧部をさらに備える態様とすることができる。支持部の下方に基板が設けられている場合、基板押圧部を備えることにより、基板自体の押圧も好適に行うことができる。
【0011】
前記複数の押圧部の少なくとも一部において、その幅が異なる態様とすることができる。この場合、基板上の部品の種類等に応じて好適な押圧力を実現することができる。
【0012】
本発明の一形態に係る電源装置は、上記の基板実装構造を具備する電源装置であって、前記基板には、1次側回路と2次側回路とが構成され、前記押圧部材は、前記押圧部材は、一方の長辺側の前記押圧部により前記1次側回路の部品を押圧し、前記一方とは異なる他方の長辺側の前記押圧部により前記2次側回路の部品を弾性押圧する態様とすることができる。
【0013】
このように、押圧部材の一方の長辺側の押圧部により1次側回路の部品を押圧し、一方とは異なる他方の長辺側の押圧部により2次側回路の部品を弾性押圧する構成とすることで、回路基板20上の1次側回路と2次側回路とを、押圧部材によってほぼ区画した状態で配置することができるため、基板上の部品配置やパターンの配線性が優れる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板上の複数の部品の押圧を好適に行うことが可能な基板実装構造及びこの基板実装構造が適用された電源装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る電源装置の構成を説明する斜視図である。
図2】第1押圧部材の斜視図である。
図3】第1押圧部材の正面図である。
図4】第2押圧部材の斜視図である。
図5】第2押圧部材の正面図である。
図6】第3押圧部材の斜視図である。
図7】第1〜第3押圧部材の取り付けについて説明する分解斜視図である。
図8】第1押圧部材及び第2押圧部材の取り付けについて説明する分解斜視図である。
図9】第1〜第3押圧部材近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電源装置1の構成を説明する斜視図である。図1では、電源装置(スイッチング電源装置)の一部を破断して示している。また、図2は、第1押圧部材の斜視図であり、図3は、第1押圧部材の正面図である。また、図4は、第2押圧部材の斜視図であり、図5は、第2押圧部材の正面図である。また、図6は、第3押圧部材の斜視図である。図7及び図8は第1〜第3押圧部材の取り付けについて説明する分解斜視図であり、図9は、第1〜第3押圧部材近傍の拡大図である。なお、各図においては、構成の説明のため、必要に応じてXYZ軸を記載している。
【0018】
電源装置1は、例えば入力端子に接続された高圧バッテリから入力された直流電圧を電圧変換(降圧)することによって直流の出力電圧を生成し、これを出力端子から低圧バッテリへ出力するDC−DCコンバータとして機能を有する。具体的には、1次側の入力端子から供給される直流入力電圧がスイッチングされて入力交流電圧が生成され、トランスの1次側コイルへと供給される。そして、生成された入力交流電圧が変圧され、トランスの2次側コイルから出力交流電圧として出力される。そして、この出力交流電圧が整流回路によって整流されると共に平滑回路によって平滑化され、2次側の出力端子から直流出力電圧として出力される。
【0019】
電源装置1(DC−DCコンバータ)は、図1に示すように、筐体10の底面を構成するベースプレート11に対して、回路基板20が載置され、回路基板20上に、1次側のスイッチング回路を構成する1次側スイッチング素子21(本実施形態では4つのスイッチング素子が示されている)、1次側共振コイル22、トランス23,24、2次側コイル25等が配置されている。また、回路基板20上には、第1押圧部材30、第2押圧部材40、及び第3押圧部材50が配置されている。
【0020】
上記の回路基板20等を収容する筐体10の底面を構成するベースプレート11は、回路基板20及び回路基板20上の各素子及びこれらを連結するパターン等を冷却する放熱部材としての機能を有する。具体的には、ベースプレート11を含む筐体10はアルミニウム等の金属からなり、ベースプレート11の裏面側(図1の下側:各素子や基板が固定される面とは逆の面側)には放熱用のフィンが取り付けられる。そして、この放熱用のフィンが空冷されてベースプレート11の裏面側が冷却されることで、ベースプレート11の表面側に固定された回路基板20及び各素子で発生する熱がベースプレート11を介して外部に放熱される。このように、ベースプレート11はヒートシンクとしても機能する。なお、空冷による放熱用のフィンを取り付ける構成に代えて、ベースプレート11の裏面側に水冷用の冷却液流路を設けて、ベースプレート11の裏面側を水冷する構成としてもよい。
【0021】
筐体10の上に載置される回路基板20は、平板状のプリント基板であり、内部には電源装置の回路が設けられている。また、回路基板20には、上述の電子部品の他にも部品が搭載される。回路基板20の下面側には、回路基板20と筐体10とを絶縁し、かつ回路基板20からの熱を筐体10のベースプレート11に伝熱するための熱伝導性材料が必要に応じて設けられて、熱伝導性材料を介して回路基板20の下面側から、筐体10の底面部に放熱される。
【0022】
このほか、本実施形態に係る電源装置1は、筐体10を覆う外装カバー、外部の機器と電気的に接続するための入力側及び出力側の端子台、及び、上記の各素子に対して駆動信号を送信して各素子の駆動を制御する制御回路を備える。
【0023】
回路基板上の複数のスイッチング素子21及び1次側共振コイル22は、回路基板20の中央付近において、一方向(Y軸方向)に配列するように取り付けられている。また、トランス23,24及び2次側コイル25についても、回路基板20の中央付近において、一方向(Y軸方向)に配列するように取り付けられている。複数のスイッチング素子21及び1次側共振コイル22が配置される列と、トランス23,24及び2次側コイル25が配置される列とは、離間して設けられる。図1では、1次側共振コイル22を構成するコア22A、トランス23,24を構成するトランスコア23A,24A及び2次側コイル25に挿通されるコア25Aが図示されている。そして、同じ方向(Y軸方向)に配列された第1押圧部材30及び第2押圧部材40がこれらの部品を押圧している。これらの部品は、高温に発熱するため、回路基板20と同様に熱伝導性材料を介して筐体10と熱的に接続して放熱する必要がある。第1押圧部材30及び第2押圧部材40は、これらの部品を弾性押圧するために設けられている。
【0024】
第3押圧部材50は、同様に回路基板20上の複数のトランジスタ26を弾性押圧するために設けられている。
【0025】
なお、図1に示す他の電子部品については説明を省略するが、第1押圧部材30及び第2押圧部材40に対して1次側スイッチング素子21及び1次側共振コイル22が配置されている側(X軸負側)には、1次側の回路に含まれる電子部品が配置される。また、第1押圧部材30及び第2押圧部材40に対してトランス23,24及び2次側コイル25が配置されている側(X軸正側)には、2次側の回路に含まれる電子部品が配置される。
【0026】
次に、回路基板20上で複数の部品を筐体10のベースプレート11に向けて押圧する押圧部材について、図2〜6を参照しながら説明する。
【0027】
まず、図2及び図3を参照しながら第1押圧部材30について説明する。第1押圧部材30は、金属材料により構成され、例えば、金属板を打ち抜いて折り曲げ加工することにより製造される。第1押圧部材30は、図2及び図3等に示すように、1次側スイッチング素子21等の電子部品の配列方向(Y軸方向)に沿って延びる支持部31と、支持部31の2つの長辺から、支持部31の延在方向(Y軸方向)とは直交する方向(X軸方向)に延びる複数の押圧部32と、を備える。支持部31は、上方から見たときには一の方向(Y軸方向)に延びる略長方形状を呈するが、剛性を高めるために、板状の基部33と、基部の2つの長辺からそれぞれ上方に折り曲げることで形成された側壁部34A,34Bとを含んで構成される。
【0028】
側壁部34A側には、その上方側端部から外方(基部33側とは逆側:X軸負方向)に突出する押圧部32A〜32Dが設けられる。押圧部32A〜32Dは、それぞれX軸方向へ沿うと共に下方(Z軸負方向)へ傾斜するように延びる弾性を有するバネ部321と、バネ部321の一端から上方に折り曲げられた当接部322とを有する。同様に、側壁部34B側には、その上方側端部から外方(基部33側とは逆側:X軸正方向)に突出する押圧部32E〜32Hが設けられる。押圧部32E〜32Hについても、押圧部32A〜32Dと同様にバネ部321及び当接部322を有する。このように、押圧部32A〜32Dと押圧部32E〜32Hとは、支持部31を挟んで対向して配置されている。
【0029】
支持部31の基部33には、第1押圧部材30を筐体10に対してネジ固定するための3つのネジ孔35A〜35C(両端部及び中ほど)に設けられている。また、一方の端部(Y軸負側)のネジ孔35Aの近傍には、位置決めのための貫通孔36が設けられている。貫通孔36は、組み立て時に筐体10側の突起が挿入されることにより、位置決めと共に長孔形状とすることで第1押圧部材30の水平方向(XY平面)の回動を規制する機能を有する。
【0030】
また、基部33には、開口部37が設けられると共に、開口部37の一辺から下方(Z軸負方向)へ傾斜するように延びる弾性を有する板バネ状の基板押圧部38が設けられる。基板押圧部38は、回路基板20を直接弾性押圧することで、回路基板20自体の浮きを規制する機能を有する。
【0031】
押圧部32A〜32Hは、押圧する対象物の配置や押圧に必要な力の大きさに応じて形状を変更することができる。第1押圧部材30では、例えば、押圧部32G及び押圧部32Hは、他の押圧部32A〜32Fよりも幅が広くされている。また、押圧部32G,32Hは、バネ部321の傾斜角が押圧部32E,32Fとは異なる。さらに、押圧部32A〜32Dも押圧部32E〜32Hとは異なる角度にバネ部321が傾斜している。また、当接部322の高さ位置がそれぞれ異なる(図3参照)。これは、押圧対象の部品の高さ位置やその形状、大きさ等が部品毎に異なるためである。このように、押圧部32A〜32Hの形状は適宜変更することができる。また、押圧部の数についても適宜変更することができる。なお、押圧部の幅は、第1押圧部材30を筐体10に対してネジ固定するための3つのネジ孔35A〜35Cに応じても適宜変更することが好ましい。ネジ孔から離間した位置に設けられている押圧部は、ネジ孔に近い位置に設けられた押圧部よりも、押圧力が小さくなる傾向にあることから、押圧力を維持するために押圧部の幅を大きくしてもよい。
【0032】
次に、図4及び図5を参照しながら第2押圧部材40について説明する。第2押圧部材40は、第1押圧部材30と併用して用いられることから、その形状が第1押圧部材30と類似している。すなわち、第2押圧部材40は、1次側スイッチング素子21等の電子部品の配列方向(Y軸方向)に沿って延びる支持部41と、支持部41の2つの長辺から、支持部41の延在方向(Y軸方向)とは直交する方向(X軸方向)に延びる複数の押圧部42と、を備える。また、支持部41は、上方から見たときには一の方向(Y軸方向)に延びる略長方形状を呈し、板状の基部43と、基部43の2つの長辺からそれぞれ上方に折り曲げることで形成された側壁部44A,44Bとを含んで構成される。
【0033】
また、側壁部44A側には、その端部から外方(基部43側とは逆側:X軸負方向)に突出する押圧部42A,42Bが設けられる。側壁部44B側には、その端部から外方(基部43側とは逆側:X軸正方向)に突出する押圧部42C,42Dが設けられる。押圧部42C,42Dについても、押圧部42A,42Bと同様にバネ部421及び当接部422を有する。押圧部42A,42Bと押圧部42C,42Dとは、支持部41を挟んで対向して配置されている。
【0034】
支持部41の基部43の両端部には、第2押圧部材40を筐体10に対してネジ固定するためのネジ孔45A,45Bが設けられている。一方(Y軸正側)の端部のネジ孔45Aの近傍には、位置決めのための貫通孔46が設けられている。貫通孔46は、組み立て時に筐体10側の突起が挿入されることにより、位置決めと共に長孔形状とすることで第2押圧部材40の水平方向(XY平面)の回動を規制する機能を有する。
【0035】
また、基部43には、開口部47が設けられると共に、開口部47の一辺から下方(Z軸負方向)へ傾斜するように延びる弾性を有する板バネ状の基板押圧部48が設けられる。基板押圧部48の下方に位置する回路基板20には、2次側コイル25やトランス23,24のコイルパターンが配線されている。このコイルパターンの発熱を効率良く筐体10に放熱するために、基板押圧部48が備えられている。
【0036】
次に、図6を参照しながら第3押圧部材50について説明する。第3押圧部材50は、金属材料により構成され、例えば、金属板を打ち抜いて折り曲げ加工することにより製造される。第3押圧部材50は、X軸方向に沿って延びる板状の支持部51と、支持部51の2つの長辺から支持部51の延在方向(X軸方向)とは直交する方向(Y軸方向)に延びる複数の押圧部52と、を備える。支持部51は、略長方形状の基部からなり対向する2つの長辺を有する。支持部51の一方側の長辺からは、外方(支持部51側とは逆側:Y軸負方向)に突出する押圧部52A,52Bが設けられる。支持部51の他方側の長辺からは、外方(支持部51側とは逆側:Y軸正方向)に突出する押圧部52C,52Dが設けられる。押圧部52A〜52Dは、それぞれX軸方向へ沿うと共に下方(Z軸負方向)へ傾斜するように延びる弾性を有するバネ部521と、バネ部521に対して上方に折り曲げられた当接部522とを有する。押圧部52A,52Bと押圧部52C,52Dとは、支持部51を挟んで対向して配置されている。
【0037】
支持部51の中央には、第3押圧部材50を筐体10に対してネジ固定するためのネジ孔55に設けられている。ネジ孔55の近傍には、ネジ孔55を挟んで位置決めのための2つの貫通孔56A,56Bが設けられている。貫通孔56A,56Bは、組み立て時に筐体10側の突起が挿入されることにより、位置決めと共に第3押圧部材50の水平方向(XY平面)の回動を規制する機能を有する。
【0038】
次に、第1〜第3押圧部材の取付け方法について、図7図9を参照しながら説明する。図7に示すように、筐体10のベースプレート11には、第1押圧部材30のネジ固定のためのネジ孔111,112と、第1押圧部材30及び第2押圧部材40のネジ固定のためのネジ孔113と、第2押圧部材40のネジ固定のためのネジ孔114と、第3押圧部材50のネジ固定のためのネジ孔115と、が設けられる。まだ、ネジ孔111の近隣には、第1押圧部材30の位置決めに用いられる凸部121が設けられる。同様に、ネジ孔114の近隣には、第2押圧部材40の位置決めに用いられる凸部122が設けられ、ネジ孔115の近隣には、第3押圧部材50の位置決めに用いられる凸部123A,123Bが設けられる。ネジ孔111〜114は、それぞれベースプレート11表面から上方に突出する突出部131〜134に形成される。また、凸部121は、ネジ孔111と同じ突出部131上に形成され、凸部122は、ネジ孔114と同じ突出部134上に形成される。また、ネジ孔115及び凸部123A,123Bは、ベースプレート11表面から上方に突出する突出部135に形成される。
【0039】
また、筐体10のベースプレート11の表面は、回路基板20との接触面積が大きくなるように凹凸が形成されている。特に、発熱部品であるスイッチング素子21等の裏面に対応する位置はベースプレート11の表面が突出していて、回路基板20の裏面と当接するような形状とされている。また、1次側共振コイル22、トランス23,24、2次側コイル25、トランジスタ26等の形状に応じて凹凸が形成されている。これにより、電子部品を取り付けた回路基板20を筐体10上に取り付けた際の伝熱経路が大きく確保され、放熱性が向上する。
【0040】
回路基板20には、ネジ孔112が形成された突出部132に対応する開口212及びネジ孔113が形成された突出部133に対応する開口213が形成される。また、突出部135に対応する位置には回路基板20の端部から切欠かれた切欠き部215が形成される。
【0041】
図7図9に示すように、第1押圧部材30、第2押圧部材40、第3押圧部材50及び回路基板20は、押圧部材に設けられたネジ孔と、回路基板に設けられた開口と、筐体10に設けられたネジ孔と、が対応するように筐体10に対して取り付けられた後に、ネジ61〜65によってネジ固定される。このとき、第1押圧部材30、第2押圧部材40、第3押圧部材50は、位置決め用の貫通孔36,46,56A,56Bには、凸部121,122,123A,123Bが挿通するように取り付けられる。
【0042】
ここで、図8に示すように、第1押圧部材30及び第2押圧部材40は、第1押圧部材30のネジ孔35Bと第2押圧部材40のネジ孔45Bとが同一のネジによって固定されるように、第1押圧部材30のネジ孔35Bと第2押圧部材40のネジ孔45Bとが重なるように組み立てられる。このとき、第1押圧部材30の側壁部34A,34B及び第2押圧部材40の側壁部44A,44Bが互いに回転を規制するため、位置決めをより確実に行うことができる。
【0043】
なお、第3押圧部材50に関しては、2つの凸部123A,123Bが貫通孔56A、56Bに挿通されるため、水平方向の回動が規制される。
【0044】
図9に示すように、上記の位置で第1押圧部材30及び第2押圧部材40を固定したとき、第1押圧部材30の押圧部32A〜32Dがスイッチング素子21を押圧する。また、押圧部32E,32Fは、2次側コイル25のコア25Aを押圧し、押圧部32G,32Hは、トランス24のトランスコア24Aを押圧する。また、第2押圧部材40の押圧部42A,42Bは、1次側共振コイル22に挿通されるコア22Aを押圧し、押圧部42C,42Dは、トランス23のトランスコア23Aを押圧する。また、第1押圧部材30の基板押圧部38は、第1押圧部材30の支持部31の下方の回路基板20を押圧し、第2押圧部材40の基板押圧部48は、第2押圧部材40の支持部41の下方の回路基板20を押圧する。
【0045】
ここで、スイッチング素子21、1次側共振コイル22のコア22A、トランス23,24のトランスコア23A,24A及び2次側コイル25のコア25Aは、それぞれ回路基板20上に設けられているものであり、これらの下方には回路基板20が介在する。このように、第1押圧部材30は、支持部31の下方に回路基板20が配置され、且つ、支持部31を介して対向して設けられた複数の押圧部32A〜32Hそれぞれの下方に回路基板20が配置される位置で筐体10に対して固定される。同様に、第2押圧部材40は、支持部41の下方に回路基板20が配置され、且つ、支持部41を介して対向して設けられた複数の押圧部42A〜42Dそれぞれの下方に回路基板20が配置される位置で筐体10に対して固定される。なお、「支持部の下方に回路基板が配置される」とは、回路基板及び押圧部材を上方から見たときに、支持部の少なくとも一部が回路基板と重なるこという。
【0046】
また、第3押圧部材50は、4つの押圧部52A〜52Dはそれぞれ4つのトランジスタ26を押圧する。4つのトランジスタ26はそれぞれ回路基板20上に設けられているものである。したがって、第3押圧部材50についても、支持部51の下方に回路基板20が配置され、且つ、支持部51を介して対向して設けられた複数の押圧部52A〜52Dそれぞれの下方に回路基板20が配置される位置で筐体10に対して固定される。
【0047】
このように、本実施形態に係る電源装置1における基板実装構造では、押圧部材30,40,50は、筐体10に対して固定される支持部と、支持部から突出して複数の部品をそれぞれ筐体に向けて弾性押圧すると共に支持部を挟んで対向配置された複数の押圧部と、を有し、支持部は、支持部の下方に基板が配置される位置で筐体10に対して固定される。このように、押圧部材30,40,50は、支持部を挟んだ両側に配置された基板上の部品を、複数の押圧部によってそれぞれ弾性押圧する構成を備えることで、複数の部品を基板上の複数の部品の押圧を好適に行うことが可能となる。
【0048】
また、押圧部材30,40,50が略長方形状の支持部を有し、複数の押圧部がそれぞれ2つの長辺に接続すると共に、少なくとも一方の長辺には複数の押圧部が設けられる構成を有することで、複数の押圧部を用いてより多くの部品の押圧を好適に行うことができる。また、このような構成とした場合、押圧部材の構造自体をシンプルにすることができることから、押圧部材自体の製造工程を簡略化及びコストダウンも図ることができる。
【0049】
また、第1押圧部材30及び第2押圧部材40では、支持部が、板状の基部と、基部の2つの長辺から上方に延びる側壁部を有する。この場合、支持部の剛性が向上すると共に、複数の押圧部による押圧力を好適に維持することができる。
【0050】
また、第1押圧部材30及び第2押圧部材40では支持部から下方に延びる板バネである基板押圧部を備える。押圧部材の下方に基板がある場合には、基板押圧部を備えることにより、基板自体の押圧も好適に行うことができる。
【0051】
また、複数の押圧部のうちの少なくとも一部において、その幅が異なる構成を有することで、基板上の部品の種類等に応じて好適な押圧力を実現することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る電源装置1は、上記の基板実装構造を具備し、且つ第1押圧部材30及び第2押圧部材40の一方の長辺側(X軸負側)の押圧部により1次側回路の部品を押圧し、一方とは異なる他方の長辺側(X軸正側)の押圧部により2次側回路の部品を弾性押圧している。このように、押圧部材を挟んで1次側回路の部品と2次側回路の部品とを区別して配置する構成とすることで、回路基板20上の1次側回路と2次側回路とを、押圧部材によってほぼ区画した状態で配置することができる。これにより、基板上の部品配置やパターンの配線性が向上する。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係る基板実装構造及び電源装置は上記に限定されず、種々の変更を行うことができる。
【0054】
例えば、第1押圧部材30及び第2押圧部材40はY軸方向に直列に配列されていて、一方側の端部において1つのネジ63によって筐体10に対して固定されるが、2つの押圧部材(第1押圧部材30及び第2押圧部材40)に代えて1つの押圧部材としてもよい。この場合、電源装置1全体としての部品点数は減らすことができるが、多数の部品を一度に弾性押圧して固定する必要があるため、押圧部材の固定に係る作業が複雑になる可能性がある。したがって、押圧部材による押圧対象の部品の点数等に応じて押圧部材の長さ(特に、支持部の長さ)は適宜調整することが好ましい。また、押圧部の数及び配置は、押圧対象の部品に応じて適宜調整することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…電源装置、10…筐体、20…回路基板、30…第1押圧部材、40…第2押圧部材、50…第3押圧部材、61〜65…ネジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9