特許第6304178号(P6304178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6304178
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】機器システムおよび操作提案方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G05B23/02 X
   G05B23/02 301V
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-172726(P2015-172726)
(22)【出願日】2015年9月2日
(65)【公開番号】特開2017-49818(P2017-49818A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】横地 裕
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−186087(JP,A)
【文献】 特開2013−131000(JP,A)
【文献】 特開2008−139985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントを構成する機器の点検を行う作業員によって使用される端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続可能な情報処理装置とを備える機器システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置に対して前記作業員によって行われた操作、前記プラントの環境値、および前記作業員の生体情報の少なくともいずれか一つを示すデータを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたデータの履歴を示す第1履歴データを前記情報処理装置に通知する第1通知部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記検出部によって過去に検出されたデータの履歴を示す第2履歴データを記憶する記憶部と、
前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する提案部と、を有し、
前記端末装置は、前記提案部によって提案された操作、及び前記第1履歴データと前記第2履歴データとを比較するための比較画面を表示するとともに、前記第1履歴データと前記第2履歴データとの相違点を強調して表示する表示部を有する、
機器システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記提案部によって提案された操作を前記端末装置へ通知する第2通知部を更に有し、
前記端末装置の前記表示部は、前記第2通知部によって通知された操作を表示する
請求項1記載の機器システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記比較画面において、前記第1履歴データと前記第2履歴データとを、前記作業員による点検を開始してからの経過時間に関連付けて表示する
請求項1または2記載の機器システム。
【請求項4】
前記提案部は、前記作業員による前記機器の点検を開始してから前記機器の点検を完了するまでの前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記作業員の点検中における前記端末装置に対して行うべき操作を提案する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機器システム。
【請求項5】
前記提案部は、前記作業員による前記機器の点検を完了してから次の機器の点検を開始するまでの前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記作業員の移動中における前記端末装置に対して行うべき操作を提案する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の機器システム。
【請求項6】
前記第2履歴データは、前記作業員によって過去に前記機器を点検した際に前記検出部によって検出されたデータを示す第3履歴データを含み、
前記提案部は、前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第3履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の機器システム。
【請求項7】
前記第2履歴データは、前記作業員とは異なるベテランの作業員によって過去に前記機器を点検した際に前記検出部によって検出されたデータを示す第4履歴データを含み、
前記提案部は、前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第4履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の機器システム。
【請求項8】
前記提案部は、前記第2履歴データの平均値を算出し、前記第1履歴データと、算出した前記第2履歴データの前記平均値との間に所定値以上の差がある場合、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の機器システム。
【請求項9】
プラントを構成する機器の点検を行う作業員によって端末装置に対して行われた操作、前記プラントの環境値、および前記作業員の生体情報の少なくともいずれか一つを示すデータを検出する検出工程と、
前記検出工程で検出されたデータの履歴を示す第1履歴データと、前記検出工程で過去に検出されたデータの履歴を示す第2履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する提案工程と、
前記提案工程で提案された操作、及び前記第1履歴データと前記第2履歴データとを比較するための比較画面を前記端末装置に表示するとともに、前記第1履歴データと前記第2履歴データとの相違点を強調して表示する表示工程と、
を備える、操作提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントの作業員の作業を支援する機器システムおよび操作提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラントや工場等(以下、これらを総称する場合には、単に「プラント」という)においては、複数のフィールド機器(測定器、操作器、表示器、報知器、その他の機器)と、これらの制御を行う制御装置とがネットワークを介して接続された分散制御システム(DCS:Distributed Control System)が構築されており、高度な自動操業が実現されている。このような分散制御システムでは、プロセス制御に必要となるプロセスデータが制御装置とフィールド機器との間で相互にやりとりされている。
【0003】
また、プラントにおいて異常が発生した場合、プラントの作業員はプラントの状態に応じた適切な操作を行う必要がある。例えば、特許文献1には、プラントから取得したプロセスデータに基づいてプラントを診断し、診断により得られた情報に基づいて異常に対処するための操作ガイダンスを表示するプラント運転支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−151484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プラントにおいて異常が発生したときに、プラントの作業員がフィールド機器の点検を行う場合、作業員の知識や経験に応じて作業品質がばらついてしまう問題があった。例えば、知識や経験の浅い作業員の場合、プラントで発生している軽微な異常に気付くことができなかったり、行うべき操作を忘れてしまったりすることがある。特許文献1に記載のプラント運転支援装置では、このような作業品質のばらつきを防止することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、プラントの作業員がフィールド機器の点検を行う場合において、プラントの異常を未然または早期に発見するための、プラントの作業員の作業品質を向上することができる機器システムおよび操作提案方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による機器システムは、プラントを構成する機器の点検を行う作業員によって使用される端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続可能な情報処理装置とを備える機器システムであって、前記端末装置は、前記端末装置に対して前記作業員によって行われた操作、前記プラントの環境値、および前記作業員の生体情報の少なくともいずれか一つを示すデータを検出する検出部と、前記検出部によって検出されたデータの履歴を示す第1履歴データを前記情報処理装置に通知する第1通知部と、を有し、前記情報処理装置は、前記検出部によって過去に検出されたデータの履歴を示す第2履歴データを記憶する記憶部と、前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する提案部と、を有する。
【0008】
本発明の第2の態様による機器システムは、第1の態様において、前記情報処理装置が、前記提案部によって提案された操作を前記端末装置へ通知する第2通知部を更に有し、前記端末装置が、前記第2通知部によって通知された操作を表示する表示部を更に有する。
【0009】
本発明の第3の態様による機器システムは、第2の態様において、前記表示部が、前記第1履歴データと前記第2履歴データとを比較するための比較画面を表示するとともに、前記第1履歴データと前記第2履歴データとの相違点を強調して表示する。
【0010】
本発明の第4の態様による機器システムは、第3の態様において、前記表示部が、前記比較画面において、前記第1履歴データと前記第2履歴データとを、前記作業員による点検を開始してからの経過時間に関連付けて表示する。
【0011】
本発明の第5の態様による機器システムは、第1乃至4のいずれかの態様において、前記提案部が、前記作業員による前記機器の点検を開始してから前記機器の点検を完了するまでの前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記作業員の点検中における前記端末装置に対して行うべき操作を提案する。
【0012】
本発明の第6の態様による機器システムは、第1乃至5のいずれかの態様において、前記提案部が、前記作業員による前記機器の点検を完了してから次の機器の点検を開始するまでの前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記作業員の移動中における前記端末装置に対して行うべき操作を提案する。
【0013】
本発明の第7の態様による機器システムは、第1乃至6のいずれかの態様において、前記第2履歴データが、前記作業員によって過去に前記機器を点検した際に前記検出部によって検出されたデータを示す第3履歴データを含み、前記提案部が、前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第3履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する。
【0014】
本発明の第8の態様による機器システムは、第1乃至7のいずれかの態様において、前記第2履歴データが、前記作業員とは異なるベテランの作業員によって過去に前記機器を点検した際に前記検出部によって検出されたデータを示す第4履歴データを含み、前記提案部が、前記第1通知部によって通知された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第4履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する。
【0015】
本発明の第9の態様による機器システムは、第1乃至8のいずれかの態様において、前記提案部が、前記第2履歴データの平均値を算出し、前記第1履歴データと、算出した前記第2履歴データの前記平均値との間に所定値以上の差がある場合、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する。
【0016】
本発明の一態様による情報処理装置は、プラントを構成する機器の点検を行う作業員によって使用される端末装置とネットワークを介して接続可能な情報処理装置であって、前記端末装置に対して前記作業員によって行われた操作、前記プラントの環境値、および前記作業員の生体情報の少なくともいずれか一つの履歴を示す第1履歴データを、前記端末装置から収集する収集部と、前記収集部により前記端末装置から過去に収集された履歴データを示す第2履歴データを記憶する記憶部と、前記収集部によって収集された前記第1履歴データと、前記記憶部に記憶された前記第2履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する提案部と、を有する。
【0017】
本発明の一態様による操作提案方法は、プラントを構成する機器の点検を行う作業員によって端末装置に対して行われた操作、前記プラントの環境値、および前記作業員の生体情報の少なくともいずれか一つを示すデータを検出する検出工程と、前記検出工程で検出されたデータの履歴を示す第1履歴データと、前記検出工程で過去に検出されたデータの履歴を示す第2履歴データとを用いて、前記端末装置に対して行うべき操作を提案する提案工程と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の機器システム、情報管理装置、および操作提案方法によれば、プラントの作業員がフィールド機器の点検を行う場合において、プラントの異常を未然または早期に発見するための、プラントの作業員の作業品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】機器システム1の全体構成を示すブロック図である。
図2】端末装置の要部構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】端末装置によって実行されるデータ記録処理を示すフローチャートである。
図5】端末装置に対する操作を提案する提案処理を示すフローチャートである。
図6】提案処理Aを示すフローチャートである。
図7】端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。
図8】情報処理装置の表示部に表示される提案後の操作履歴画面の一例を示す図である。
図9】提案処理Bを示すフローチャートである。
図10】端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。
図11】提案処理Cを示すフローチャートである。
図12】端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。
図13】提案処理Dを示すフローチャートである。
図14】端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。
図15】提案処理Eを示すフローチャートである。
図16】端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。
図17】類似記録履歴の操作履歴データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、機器システム、情報管理装置、端末装置、および操作提案方法を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、機器システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示されるように、機器システム1は、端末装置10と、無線アクセスポイント20と、情報処理装置30と、制御装置40と、フィールド機器50および60とを備える。
【0022】
端末装置10と無線アクセスポイント20とは、無線ネットワークN1を介して接続される。また、無線アクセスポイント20および情報処理装置30は、イントラネットN2に接続されている。無線ネットワークN1は、無線アクセスポイント20によってプラントの現場に設置される無線のネットワークである。この無線ネットワークN1は、例えばWi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、3G/LTE(登録商標)、ISA100.11a、およびWirelessHART(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信が可能な無線ネットワークである。イントラネットN2は、例えばプラントの監視室内に敷設されたイーサネット(登録商標)等のネットワークである。
【0023】
ここで、プラントとしては、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等がある。
【0024】
また、フィールド機器50および60は、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントの現場に設置される機器である。フィールド機器50および60は、制御装置40によって制御される機器である。制御装置40とフィールド機器50および60は、フィールドネットワークN3を介して接続されている。
【0025】
図1においては、一例として、フィールド機器50を流量計、フィールド機器60をバルブ機器として示している。制御装置40は、流量計50によって測定されたパイプ内を流れる流体の流量に基づき、バルブ機器60の開閉動作を制御する。なお、フィールド機器50および60は、パイプやバルブ機器の振動をモニターする振動センサ、アクチュエータ機器から発する音をモニターする騒音センサであってもよい。
【0026】
情報処理装置30は、フィールド機器50および60のプロセスデータ(例えば、流体の流量)を、イントラネットN2を介して制御装置40から収集する。情報処理装置30は、収集したプロセスデータを端末装置10に送信する。
【0027】
プラントで異常が発生した場合、プラントの作業員Wは異常原因を調査する。端末装置10は、調査対象のフィールド機器の点検リストを表示する装置であり、プラントの作業員Wによって使用される。端末装置10は、例えばタブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、およびスマートフォンである。しかし、点検リストの表示を行うために必要な機能を備えている端末装置であれば、任意の形態の端末装置を用いることができる。
【0028】
図2は、端末装置の要部構成を示すブロック図である。図2に示されるように、端末装置10は、検出部11と、通知部12と、制御部13と、入力部14と、表示部15と、記憶部16とを備える。
【0029】
検出部11は、カメラ11aと、赤外線カメラ11bと、マイク11cと、振動センサ11dと、温度センサ11eと、湿度センサ11fと、臭気センサ11gと、タイマ11hと、バイタルセンサ11iと、位置/速度/加速度センサ11jと、操作検出部11kとを備える。
【0030】
カメラ11aは、画像を撮影するための装置である。赤外線カメラ11bは、赤外線を用いて画像を撮影するための装置である。マイク11cは、周囲の音を検出するための装置である。振動センサ11dは、振動を検出するためのセンサである。温度センサ11eは、周囲の温度を検出するためのセンサである。湿度センサ11fは、周囲の湿度を検出するための装置である。臭気センサ11gは、周囲の臭気を検出するためのセンサである。タイマ11hは、現在の時刻を管理するための計測器である。バイタルセンサ11iは、プラントの作業員の生体情報(例えば、心拍数、血圧、または発汗量)を検出するためのセンサである。位置/速度/加速度センサ11jは、プラントの作業員Wの位置、速度、および加速度を検出するためのセンサである。操作検出部11kは、端末装置10に対してプラントの作業員Wによって行われた操作を検出するための装置である。
【0031】
通知部12は、検出部11によって検出されたデータ(端末装置10に対してプラントの作業員Wによって行われた操作、プラントの環境値、および作業員の生体情報を示すデータの少なくともいずれか一つ)を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、プロセッサが実行するプログラムを格納するメモリとを備える。なお、制御部13は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアであってもよい。
【0032】
入力部14は、例えば、プラントの作業員Wからの入力を受け付けるタッチパッドである。プラントで異常が発生した場合、プラントの作業員Wは、入力部14を用いて点検リストの表示を指示する。また、プラントの作業員Wは、入力部14を用いて、点検結果の入力、カメラ11a/赤外線カメラ11bを用いた撮影、および振動センサ11dを用いた振動の計測等を行うことができる。
【0033】
表示部15は、例えば、液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。表示部15は、フィールド機器の点検リスト、点検結果の入力画面、プラントの地図、フィールド機器のデータ、および検出部11に設けられた各センサの操作画面等を表示する。
【0034】
記憶部16は、今回の作業員Wの操作履歴データ16aと、自動記録された履歴データ16bとを記憶する。自動記録された履歴データ16bは、プラントの環境値または作業員の生体情報を示すデータが蓄積された履歴データである。また、端末装置10が情報処理装置30からフィールド機器50および60のプロセスデータを受信したことに応じて、記憶部16はプロセスデータを記憶する。通知部12は、作業員Wの操作履歴データ16a、自動記録された履歴データ16b、およびプロセスデータを、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0035】
なお、検出部11は端末装置10に内蔵されることとしたが、端末装置10とは別体の検出装置に設けられてもよい。この場合、検出部11によって検出されたデータは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって検出装置から端末装置10に送信されてもよい。
【0036】
図3は、情報処理装置の要部構成を示すブロック図である。図3に示されるように、情報処理装置30は、入力部31と、表示部32と、収集部33と、提案部34と、通知部35と、記憶部36とを備える。入力部31は、例えばキーボードやマウス等の入力装置である。表示部32は、例えば、液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。収集部33は、端末装置10の通知部12から通知されたデータ(作業員Wの操作履歴データ16a、自動記録された履歴データ16b、およびプロセスデータ)を収集する。
【0037】
提案部34は、収集部33によって収集されたデータに基づき、プラントの作業員Wが端末装置10に対して行うべき操作を提案する。提案部34による提案処理の詳細については後述する。通知部35は、提案部34によって提案された内容を、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0038】
記憶部36は、機器データ36a、地図データ36b、点検リストデータ36c、および過去の履歴データ37を記憶している。機器データ36aは、プラントに設置されているフィールド機器の機種や設置場所等の情報を示すデータである。地図データ36bは、プラント内の地図を示すデータである。点検リストデータ36cは、作業員Wが点検を行うべきフィールド機器のリスト、およびフィールド機器毎の操作項目を示すデータである。過去の履歴データ37は、端末装置10に対する作業員Wの過去の操作履歴データ37aと、端末装置10に対するベテランEの過去の操作履歴データ37bと、過去に検出部11によって自動記録された履歴データ37cとが含まれる。
【0039】
なお、情報処理装置30は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備える。CPUは、情報処理装置30(コンピュータ)にインストールされているプログラムを実行することで、収集部33および提案部34等の各機能を実現する。なお、これらの機能は、LSIやASIC等のハードウェアで実現されてもよい。
【0040】
図4は、端末装置によって実行されるデータ記録処理を示すフローチャートである。図1に示される制御装置40は、フィールド機器50および60のプロセスデータ(例えば、流体の流量)を情報処理装置30へ送信する。情報処理装置30の通知部35は、制御装置40から受信したプロセスデータを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10へ通知する。端末装置10の制御部13は、情報処理装置30から通知されたプロセスデータを記憶部16に記録する(ステップS10)。
【0041】
次に、制御部13は、検出部11によって検出された環境値(音、温度、湿度、および臭気)を記憶部16に自動的に記録する(ステップS11)。具体的には、制御部13は、マイク11cによって検出された音、温度センサ11eによって検出された温度、湿度センサ11fによって検出された湿度、および臭気センサ11gによって検出された臭気を、記憶部16に自動的に記録する。
【0042】
次に、制御部13は、検出部11によって検出された生体情報(心拍数、血圧、または発汗量)を記憶部16に自動的に記録する(ステップS12)。具体的には、制御部13は、バイタルセンサ11iによって検出された心拍数、血圧、または発汗量を、記憶部16に自動的に記録する。また、制御部13は、検出部11の位置/速度/加速度センサ11jによって検出されたプラントの作業員Wの位置、速度、および加速度を記憶部16に自動的に記録する(ステップS13)。
【0043】
その後、制御部13は、操作検出部11kからの検出信号に基づき、端末装置10の表示部15に表示された点検画面が操作されたかどうかを判断する(ステップS14)。具体的には、制御部13は、プラントの作業員Wが入力部14を用いて点検結果等の情報を入力したかどうかを判断する。
【0044】
制御部13は、点検画面が操作されたと判断した場合(ステップS14:YES)、プラントの作業員Wによって行われた操作と、プラントの作業員Wによって記入された内容を記憶部16に記録し(ステップS15)、ステップS16へ移行する。一方、制御部13は、点検画面が操作されたと判断しなかった場合(ステップS14:NO)、ステップS15の処理を行わずに、ステップS16へ移行する。
【0045】
次に、制御部13は、カメラ11aまたは赤外線カメラ11bによって画像が撮影されたかどうかを判断する(ステップS16)。制御部13は、画像が撮影されたと判断した場合(ステップS16:YES)、プラントの作業員Wによって行われた操作と、撮影データを記憶部16に記録し(ステップS17)、ステップS18へ移行する。一方、制御部13は、画像が撮影されたと判断しなかった場合(ステップS16:NO)、ステップS17の処理を行わずに、ステップS18へ移行する。
【0046】
次に、制御部13は、振動センサ11dによって振動が計測されたかどうかを判断する(ステップS18)。制御部13は、振動が計測されたと判断した場合(ステップS18:YES)、プラントの作業員Wによって行われた操作と、計測された振動データを記憶部16に記録し(ステップS19)、ステップS20へ移行する。一方、制御部13は、振動が計測されたと判断しなかった場合(ステップS18:NO)、ステップS19の処理を行わずに、ステップS20へ移行する。
【0047】
制御部13は、記憶部16に記録された作業員Wの操作履歴データ16aおよび自動記録された履歴データ16bを、通知部12を用いて情報処理装置30へ通知する(ステップS20)。その後、制御部13は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したかどうかを判断する(ステップS21)。例えば、制御部13は、表示部15に点検リスト完了キーを表示させる。制御部13は、プラントの作業員Wによって点検リスト完了キーが選択されたことに応じて、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断する。
【0048】
制御部13は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断しなかった場合(ステップS21:NO)、ステップS10の処理に戻る。一方、制御部13は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断した場合(ステップS21:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0049】
なお、ステップS10〜S13、S15、S17、およびS19において、タイマ11hによって計測された日時データが、検出部11によって検出されたデータに関連付けられて記録される。
【0050】
図5は、端末装置に対する操作を提案する提案処理を示すフローチャートである。情報処理装置30の提案部34は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したかどうかを判断する(ステップS30)。例えば、端末装置10の通知部12は、プラントの作業員Wによって前述の点検リスト完了キーが選択されたことに応じて、点検完了通知を情報処理装置30に通知する。情報処理装置30の提案部34は、点検完了通知を受信したことに応じて、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断する。
【0051】
提案部34は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断した場合(ステップS30:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストに表示された全てのフィールド機器に対して点検が完了したと判断しなかった場合(ステップS30:NO)、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を開始したかどうかを判断する(ステップS31)。
【0052】
例えば、端末装置10の制御部13は、表示部15に点検開始キーを表示させる。端末装置10の通知部12は、プラントの作業員Wによって点検開始キーが選択されたことに応じて、点検開始通知を情報処理装置30に通知する。情報処理装置30の提案部34は、点検開始通知を受信したことに応じて、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を開始したと判断する。
【0053】
提案部34は、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を開始したと判断した場合(ステップS31:YES)、提案処理Aを行うとともに(ステップS32)、提案処理B(ステップS33)を行う。
【0054】
提案処理Aにおいて、提案部34は、プラントの作業員Wが点検対象機器へ移動している期間における、プラントの作業員Wの今回の操作履歴データ16aと、作業員Wの過去の履歴データ37aとを比較し、端末装置10に対して行うべき操作を提案する。提案処理Aについての詳細は後述する。
【0055】
提案処理Bにおいて、提案部34は、プラントの作業員Wが点検対象機器へ移動している期間における、プラントの作業員Wの今回の操作履歴データ16aと、ベテランEの過去の履歴データ37bとを比較し、端末装置10に対して行うべき操作を提案する。提案処理Bについての詳細は後述する。提案処理Aおよび提案処理Bが完了すると、提案部34は、前述のステップS30の処理に戻る。
【0056】
一方、提案部34は、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を開始したと判断しなかった場合(ステップS31:NO)、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を完了したかどうかを判断する(ステップS34)。
【0057】
例えば、端末装置10の制御部13は、表示部15に点検完了キーを表示させる。端末装置10の通知部12は、プラントの作業員Wによって点検完了キーが選択されたことに応じて、点検完了通知を情報処理装置30に通知する。情報処理装置30の提案部34は、点検完了通知を受信したことに応じて、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を完了したと判断する。
【0058】
提案部34は、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を完了したと判断した場合(ステップS34:YES)、提案処理Cを行うとともに(ステップS35)、提案処理D(ステップS36)を行う。
【0059】
提案処理Cにおいて、提案部34は、プラントの作業員Wが点検対象機器を点検している期間における、プラントの作業員Wの今回の操作履歴データ16aと、作業員Wの過去の履歴データ37aとを比較し、端末装置10に対して行うべき操作を提案する。提案処理Cについての詳細は後述する。
【0060】
提案処理Dにおいて、提案部34は、プラントの作業員Wが点検対象機器を点検している期間における、プラントの作業員Wの今回の操作履歴データ16aと、ベテランEの過去の履歴データ37bとを比較し、端末装置10に対して行うべき操作を提案する。提案処理Dについての詳細は後述する。提案処理Cおよび提案処理Dが完了すると、提案部34は、前述のステップS30の処理に戻る。一方、提案部34は、プラントの作業員Wがフィールド機器の点検を完了したと判断しなかった場合(ステップS34:NO)、提案処理Eを行う(ステップS37)。
【0061】
提案処理Eにおいて、提案部34は、今回自動記録された履歴データ16bと、過去に自動記録された履歴データ37cとを比較し、端末装置10に対して行うべき操作を提案する。自動記録された履歴データは、検出部11によって検出されたプラントの環境値、または作業員の生体情報を示すデータである。提案処理Eについての詳細は後述する。提案処理Eが完了すると、提案部34は、前述のステップS30の処理に戻る。
【0062】
図6は、提案処理Aを示すフローチャートである。図6は、図5のステップS32の提案処理Aを詳細に示す図である。図6に示されるフローチャートは、点検対象のフィールド機器間をプラントの作業員Wが移動する際に、プラントの作業員Wが今回行った操作と、プラントの作業員Wが前回行った操作とを比較し、プラントの作業員Wが行うべき操作を提案するための処理である。
【0063】
提案部34は、収集部33によって収集された今回の作業員Wの操作履歴データ16aと、記憶部36に記憶された過去の作業員Wの操作履歴データ37aとを取得する。そして、提案部34は、取得した操作履歴データ16aおよび37aに基づき、今回の作業員Wの移動所要時間と、前回の作業員Wの移動所要時間とを比較する(ステップS40)。
【0064】
移動所要時間は、あるフィールド機器から次のフィールド機器まで作業員Wが移動するのに要する時間である。具体的には、作業員Wがフィールド機器の点検を完了するために点検完了キーを選択してから、次のフィールド機器の点検を開始するために点検開始キーを選択するまでの時間である。
【0065】
次に、提案部34は、今回の作業員Wの移動所要時間と、前回の作業員Wの移動所要時間との間に、有意な変化があるかどうかを判断する(ステップS41)。例えば、提案部34は、今回の作業員Wの移動所要時間と前回の作業員Wの移動所要時間との間に、所定時間以上の変化がある場合、有意な変化があると判断する。ここで、所定時間は予め設定される値である。
【0066】
提案部34は、有意な変化があると判断しなかった場合(ステップS41:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、有意な変化があると判断した場合(ステップS41:YES)、比較画面データを生成するとともに、端末装置10に対して行うべき操作を示す提案データを生成する。その後、通知部35は、生成された比較画面データと提案データを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0067】
図7は、端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。端末装置10が比較画面データと提案データを受信すると、図7に示されるように、端末装置10の表示部15は、比較画面データに基づいて比較画面100を表示する(ステップS42)。比較画面100において、点検対象Aから点検対象Bまでの移動区間における、今回の作業員Wの操作履歴データと、前回の作業員Wの操作履歴データとを含む比較表101が表示される。
【0068】
図7に示されるように、前回の作業員Wの操作履歴データにおいては、点検対象Aの点検が完了してから7分後に操作Pが行われているが、今回の作業員Wの操作履歴データにおいては、操作Pは行われていない。このため、符号102に示されるように、表示部15は、今回の作業員Wの操作履歴データと前回の作業員Wの操作履歴データとの相違点を強調して表示する。これによって、作業員Wは、今回と前回の相違点を容易に把握することができる。
【0069】
また、符号103に示されるように、表示部15は、情報処理装置30から通知された提案データに基づき、提案部34によって提案された内容を表示する(ステップS43)。図7の例では、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている可能性があるので、提案として操作Pが表示されている。もし、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている場合、移動してきた経路を戻って操作Pを行う。これによって、プラントの異常を未然または早期に発見するための、作業員Wの作業品質を向上することができる。
【0070】
その後、端末装置10の制御部13は、提案後の操作履歴を操作検出部11kによって検出し、検出した操作履歴を記憶部16に記録する(ステップS44)。通知部12は、記憶部16に記憶された提案後の操作履歴を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0071】
情報処理装置30の提案部34は、通知部12によって通知された提案後の操作履歴に基づき、作業員Wが提案された操作を行ったかどうかを判断する(ステップS45)。提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断しなかった場合(ステップS45:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断した場合(ステップS45:YES)、情報処理装置30に設けられた表示部32に提案後の操作履歴を表示する(ステップS46)。
【0072】
図8は、情報処理装置の表示部に表示される提案後の操作履歴画面の一例を示す図である。図8に示されるように、表示部32は、提案後の操作履歴画面110を表示する。操作履歴画面110には、操作履歴リスト111と、Okキー112とが表示される。
【0073】
操作履歴リスト111には、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作履歴(操作P、操作Q、および操作R)が表示されている。また、操作Pを点検リストデータ36cに追加する指示を行うためのキー111aと、操作Pを点検リストデータ36cに追加しない指示を行うためのキー111dと、操作Qを点検リストデータ36cに追加する指示を行うためのキー111bと、操作Qを点検リストデータ36cに追加しない指示を行うためのキー111eと、操作Rを点検リストデータ36cに追加する指示を行うためのキー111cと、操作Rを点検リストデータ36cに追加しない指示を行うためのキー111fとが表示されている。
【0074】
次に、提案部34は、点検リストデータ36cを修正するかどうかを判断する(ステップS47)。提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断しなかった場合(ステップS47:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断した場合(ステップS47:YES)、点検リストデータ36cを修正する(ステップS48)。
【0075】
具体的に、提案部34は、キー111aが選択された後OKキー112が選択されると、点検リストデータ36c中の操作項目に操作Pを追加する。提案部34は、キー111bが選択された後OKキー112が選択されると、点検リストデータ36c中の操作項目に操作Qを追加する。提案部34は、キー111cが選択された後OKキー112が選択されると、点検リストデータ36c中の操作項目に操作Rを追加する。点検リストデータ36cの修正が完了すると、提案部34は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0076】
このように、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを選択できるようにすることで、点検リストデータ36cを改善することができる。なお、提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを、端末装置10から指示することはできない。これは、プラントの作業員Wが、個人の判断で点検リストデータ36cを修正してしまうことを防止するためである。
【0077】
図9は、提案処理Bを示すフローチャートである。図9は、図5のステップS33の提案処理Bを詳細に示す図である。図9に示されるフローチャートは、点検対象のフィールド機器間をプラントの作業員Wが移動する際に、プラントの作業員Wが今回行った操作と、ベテランEが過去に行った操作とを比較し、プラントの作業員Wが行うべき操作を提案するための処理である。
【0078】
提案部34は、収集部33によって収集された今回の作業員Wの操作履歴データ16aと、記憶部36に記憶された過去のベテランEの操作履歴データ37bとを取得する。そして、提案部34は、取得した操作履歴データ16aおよび37bに基づき、今回の作業員Wの移動所要時間と、過去のベテランEの移動所要時間とを比較する(ステップS50)。
【0079】
次に、提案部34は、今回の作業員Wの移動所要時間と、過去のベテランEの移動所要時間との間に、有意な変化があるかどうかを判断する(ステップS51)。例えば、提案部34は、今回の作業員Wの移動所要時間と過去のベテランEの移動所要時間との間に、所定時間以上の変化がある場合、有意な変化があると判断する。ここで、所定時間は予め設定される値である。
【0080】
提案部34は、有意な変化があると判断しなかった場合(ステップS51:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、有意な変化があると判断した場合(ステップS51:YES)、比較画面データを生成するとともに、端末装置10に対して行うべき操作を示す提案データを生成する。その後、通知部35は、生成された比較画面データと提案データを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0081】
図10は、端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。端末装置10が比較画面データと提案データを受信すると、図10に示されるように、端末装置10の表示部15は、比較画面データに基づいて比較画面120を表示する(ステップS52)。比較画面120において、点検対象Aから点検対象Bまでの移動区間における、今回の作業員Wの操作履歴データと、過去のベテランEの操作履歴データとを含む比較表121が表示される。
【0082】
図10に示されるように、過去のベテランEの操作履歴データにおいては、点検対象Aの点検が完了してから7分後に操作Pが行われているが、今回の作業員Wの操作履歴データにおいては、操作Pは行われていない。このため、符号122に示されるように、表示部15は、今回の作業員Wの操作履歴データと過去のベテランEの操作履歴データとの相違点を強調して表示する。これによって、作業員Wは、作業員Wの操作とベテランEの操作との相違点を容易に把握することができる。
【0083】
また、符号123に示されるように、表示部15は、情報処理装置30から通知された提案データに基づき、提案部34によって提案された内容を表示する(ステップS53)。図10の例では、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている可能性があるので、提案として操作Pが表示されている。もし、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている場合、移動してきた経路を戻って操作Pを行う。これによって、プラントの異常を未然または早期に発見するための、作業員Wの作業品質を向上することができる。また、作業員Wの知識や経験が乏しい場合であっても、ベテランEと同等の作業品質を実現できる。
【0084】
その後、端末装置10の制御部13は、提案後の操作履歴を操作検出部11kによって検出し、検出した操作履歴を記憶部16に記録する(ステップS54)。通知部12は、記憶部16に記憶された提案後の操作履歴を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0085】
情報処理装置30の提案部34は、通知部12によって通知された提案後の操作履歴に基づき、作業員Wが提案された操作を行ったかどうかを判断する(ステップS55)。提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断しなかった場合(ステップS55:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断した場合(ステップS55:YES)、情報処理装置30に設けられた表示部32に提案後の操作履歴を表示する(ステップS56)。ここで表示される提案後の操作履歴画面や、操作履歴画面において行われる点検リストデータ36cを修正するための指示は、図8と同様であるため説明を省略する。
【0086】
次に、提案部34は、点検リストデータ36cを修正するかどうかを判断する(ステップS57)。提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断しなかった場合(ステップS57:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断した場合(ステップS57:YES)、点検リストデータ36cを修正する(ステップS58)。
【0087】
このように、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを選択できるようにすることで、点検リストデータ36cを改善することができる。なお、提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを、端末装置10から指示することはできない。これは、プラントの作業員Wが、個人の判断で点検リストデータ36cを修正してしまうことを防止するためである。
【0088】
図11は、提案処理Cを示すフローチャートである。図11は、図5のステップS35の提案処理Cを詳細に示す図である。図11に示されるフローチャートは、点検対象のフィールド機器を点検する際に、プラントの作業員Wが今回行った操作と、プラントの作業員Wが前回行った操作とを比較し、プラントの作業員Wが行うべき操作を提案するための処理である。
【0089】
提案部34は、収集部33によって収集された今回の作業員Wの操作履歴データ16aと、記憶部36に記憶された前回の作業員Wの操作履歴データ37bとを取得する。そして、提案部34は、取得した操作履歴データ16aおよび37bに基づき、今回の作業員Wの点検所要時間と、前回の作業員Wの点検所要時間とを比較する(ステップS60)。
【0090】
次に、提案部34は、今回の作業員Wの点検所要時間と、前回の作業員Wの点検所要時間との間に、有意な変化があるかどうかを判断する(ステップS61)。例えば、提案部34は、今回の作業員Wの点検所要時間と前回の作業員Wの点検所要時間との間に、所定時間以上の変化がある場合、有意な変化があると判断する。ここで、所定時間は予め設定される値である。
【0091】
提案部34は、有意な変化があると判断しなかった場合(ステップS61:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、有意な変化があると判断した場合(ステップS61:YES)、比較画面データを生成するとともに、端末装置10に対して行うべき操作を示す提案データを生成する。その後、通知部35は、生成された比較画面データと提案データを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0092】
図12は、端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。端末装置10が比較画面データと提案データを受信すると、図12に示されるように、端末装置10の表示部15は、比較画面データに基づいて比較画面130を表示する(ステップS62)。比較画面130において、点検対象Aの点検中における、今回の作業員Wの操作履歴データと、前回の作業員Wの操作履歴データとを含む比較表131が表示される。
【0093】
図12に示されるように、前回の作業員Wの操作履歴データにおいては、点検対象Aの点検を開始してから7分後に操作Pが行われているが、今回の作業員Wの操作履歴データにおいては、操作Pは行われていない。このため、符号132に示されるように、表示部15は、今回の作業員Wの操作履歴データと前回の作業員Wの操作履歴データとの相違点を強調して表示する。これによって、作業員Wは、今回と前回の相違点を容易に把握することができる。
【0094】
また、符号133に示されるように、表示部15は、情報処理装置30から通知された提案データに基づき、提案部34によって提案された内容を表示する(ステップS63)。図12の例では、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている可能性があるので、提案として操作Pが表示されている。もし、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている場合、移動してきた経路を戻って操作Pを行う。これによって、プラントの異常を未然または早期に発見するための、作業員Wの作業品質を向上することができる。
【0095】
その後、端末装置10の制御部13は、提案後の操作履歴を操作検出部11kによって検出し、検出した操作履歴を記憶部16に記録する(ステップS64)。通知部12は、記憶部16に記憶された提案後の操作履歴を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0096】
情報処理装置30の提案部34は、通知部12によって通知された提案後の操作履歴に基づき、作業員Wが提案された操作を行ったかどうかを判断する(ステップS65)。提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断しなかった場合(ステップS65:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断した場合(ステップS65:YES)、情報処理装置30に設けられた表示部32に提案後の操作履歴を表示する(ステップS66)。ここで表示される提案後の操作履歴画面や、操作履歴画面において行われる点検リストデータ36cを修正するための指示は、図8と同様であるため説明を省略する。
【0097】
次に、提案部34は、点検リストデータ36cを修正するかどうかを判断する(ステップS67)。提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断しなかった場合(ステップS67:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断した場合(ステップS67:YES)、点検リストデータ36cを修正する(ステップS68)。
【0098】
このように、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを選択できるようにすることで、点検リストデータ36cを改善することができる。なお、提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを、端末装置10から指示することはできない。これは、プラントの作業員Wが、個人の判断で点検リストデータ36cを修正してしまうことを防止するためである。
【0099】
図13は、提案処理Dを示すフローチャートである。図13は、図5のステップS36の提案処理Dを詳細に示す図である。図13に示されるフローチャートは、点検対象のフィールド機器を点検する際に、プラントの作業員Wが今回行った操作と、ベテランEが過去に行った操作とを比較し、プラントの作業員Wが行うべき操作を提案するための処理である。
【0100】
提案部34は、収集部33によって収集された今回の作業員Wの操作履歴データ16aと、記憶部36に記憶された過去のベテランEの操作履歴データ37bとを取得する。そして、提案部34は、取得した操作履歴データ16aおよび37bに基づき、今回の作業員Wの点検所要時間と、過去のベテランEの点検所要時間とを比較する(ステップS70)。
【0101】
次に、提案部34は、今回の作業員Wの点検所要時間と、過去のベテランEの点検所要時間との間に、有意な変化があるかどうかを判断する(ステップS71)。例えば、提案部34は、今回の作業員Wの点検所要時間と過去のベテランEの点検所要時間との間に、所定時間以上の変化がある場合、有意な変化があると判断する。ここで、所定時間は予め設定される値である。
【0102】
提案部34は、有意な変化があると判断しなかった場合(ステップS71:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、有意な変化があると判断した場合(ステップS71:YES)、比較画面データを生成するとともに、端末装置10に対して行うべき操作を示す提案データを生成する。その後、通知部35は、生成された比較画面データと提案データを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0103】
図14は、端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。端末装置10が比較画面データと提案データを受信すると、図14に示されるように、端末装置10の表示部15は、比較画面データに基づいて比較画面140を表示する(ステップS72)。比較画面140において、点検対象Aの点検中における、今回の作業員Wの操作履歴データと、過去のベテランEの操作履歴データとを含む比較表141が表示される。
【0104】
図14に示されるように、過去のベテランEの操作履歴データにおいては、点検対象Aの点検を開始してから7分後に操作Pが行われているが、今回の作業員Wの操作履歴データにおいては、操作Pは行われていない。このため、符号142に示されるように、表示部15は、今回の作業員Wの操作履歴データと過去のベテランEの操作履歴データとの相違点を強調して表示する。これによって、作業員Wは、作業員Wの操作とベテランEの操作との相違点を容易に把握することができる。
【0105】
また、符号143に示されるように、表示部15は、情報処理装置30から通知された提案データに基づき、提案部34によって提案された内容を表示する(ステップS73)。図14の例では、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている可能性があるので、提案として操作Pが表示されている。もし、作業員Wが操作Pを行うことを忘れている場合、移動してきた経路を戻って操作Pを行う。これによって、プラントの異常を未然または早期に発見するための、作業員Wの作業品質を向上することができる。また、作業員Wの知識や経験が乏しい場合であっても、ベテランEと同等の作業品質を実現できる。
【0106】
その後、端末装置10の制御部13は、提案後の操作履歴を操作検出部11kによって検出し、検出した操作履歴を記憶部16に記録する(ステップS74)。通知部12は、記憶部16に記憶された提案後の操作履歴を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0107】
情報処理装置30の提案部34は、通知部12によって通知された提案後の操作履歴に基づき、作業員Wが提案された操作を行ったかどうかを判断する(ステップS75)。提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断しなかった場合(ステップS75:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断した場合(ステップS75:YES)、情報処理装置30に設けられた表示部32に提案後の操作履歴を表示する(ステップS76)。ここで表示される提案後の操作履歴画面や、操作履歴画面において行われる点検リストデータ36cを修正するための指示は、図8と同様であるため説明を省略する。
【0108】
次に、提案部34は、点検リストデータ36cを修正するかどうかを判断する(ステップS77)。提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断しなかった場合(ステップS77:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断した場合(ステップS77:YES)、点検リストデータ36cを修正する(ステップS78)。
【0109】
このように、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを選択できるようにすることで、点検リストデータ36cを改善することができる。なお、提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを、端末装置10から指示することはできない。これは、プラントの作業員Wが、個人の判断で点検リストデータ36cを修正してしまうことを防止するためである。
【0110】
図15は、提案処理Eを示すフローチャートである。図15は、図5のステップS37の提案処理Eを詳細に示す図である。図15に示されるフローチャートは、検出部11によって今回検出されたデータと、検出部11によって過去に検出されたデータの平均値とをリアルタイムに比較し、プラントの作業員Wが行うべき操作を提案するための処理である。
【0111】
提案部34は、検出部11によって今回検出された履歴データ16bと、検出部11によって過去に検出された履歴データ37cとを取得する。これらの履歴データ16bおよび37cは、プラントの環境値または作業員の生体情報を示すデータが蓄積された履歴データである。提案部34は、過去に検出された履歴データ37cの平均値Aveを算出する。そして、提案部34は、今回検出された操作履歴データ16bと、過去の履歴データ37cの平均値Aveとを比較する(ステップS80)。
【0112】
次に、提案部34は、今回検出された操作履歴データ16bと、過去の履歴データ37cの平均値Aveとの間に、有意な変化があるかどうかを判断する(ステップS81)。例えば、提案部34は、今回検出された操作履歴データ16bと平均値Aveとの差が所定値を超える場合、有意な変化があると判断する。ここで、所定値は予め設定される値である。
【0113】
提案部34は、有意な変化があると判断しなかった場合(ステップS81:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、有意な変化があると判断した場合(ステップS81:YES)、比較画面データを生成するとともに、端末装置10に対して行うべき操作を示す提案データを生成する。その後、通知部35は、生成された比較画面データと提案データを、無線アクセスポイント20を介して端末装置10に通知する。
【0114】
図16は、端末装置の表示部に表示される比較画面の一例を示す図である。端末装置10が比較画面データと提案データを受信すると、図16に示されるように、端末装置10の表示部15は、比較画面データに基づいて比較画面150を表示する(ステップS82)。比較画面150において、過去の履歴データ37cの平均値と、今回自動記録されたデータと、今回自動記録されたデータに類似する過去のデータとを含む比較表151が表示される。
【0115】
図16には、一例としてマイク11cによって検出された音データの比較画面150が示されているが、他の環境値(例えば、温度データ、湿度データ、臭気データ、および振動データ)や生体情報(例えば、心拍数、血圧、または発汗量)の比較画面が表示部15に表示されてもよい。
【0116】
図16に示されるように、経過時間が11分の時点において、符号154に示されるように、過去の履歴データ37cの平均値は50[dB]であるが、符号152に示されるように、今回のデータは80[dB]である。このため、過去の履歴データ37cの平均値と今回のデータとの差が大きく、周辺で何らかの異常が発生している可能性がある。
【0117】
このため、提案部34は、今回自動記録されたデータに類似する過去のデータを過去の履歴データ37cの中から抽出し、抽出したデータを類似記録履歴として比較表151に表示する。符号155に示されるように、経過時間が12分の時点において、類似記録履歴の音データは90[dB]である。提案部34は、抽出した類似記録履歴の操作履歴データを記憶部36から読み出す。
【0118】
図17は、類似記録履歴の操作履歴データの一例を示す図である。図17に示されるように、類似記録履歴の操作履歴データにおいては、点検対象Aの点検を終了してから12分後に操作Pが行われている。このため、周囲の音が90[dB]まで大きくなったことに応じて、操作Pがなされた可能性がある。そこで、提案部34は、端末装置10に対して行うべき操作として操作Pを提案する。
【0119】
図16の符号153に示されるように、表示部15は、情報処理装置30から通知された提案データに基づき、提案部34によって提案された内容を表示する(ステップS83)。図16の例では、提案として操作Pが表示されている。例えば、操作Pは、録音操作やプロセスデータの確認操作である。これによって、プラントの異常を未然または早期に発見するための、プラントの作業員Wの作業品質を向上することができる。
【0120】
その後、端末装置10の制御部13は、提案後の操作履歴を操作検出部11kによって検出し、検出した操作履歴を記憶部16に記録する(ステップS84)。通知部12は、記憶部16に記憶された提案後の操作履歴を、無線アクセスポイント20を介して情報処理装置30に通知する。
【0121】
情報処理装置30の提案部34は、通知部12によって通知された提案後の操作履歴に基づき、作業員Wが提案された操作を行ったかどうかを判断する(ステップS85)。提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断しなかった場合(ステップS85:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、作業員Wが提案された操作を行ったと判断した場合(ステップS85:YES)、情報処理装置30に設けられた表示部32に提案後の操作履歴を表示する(ステップS86)。ここで表示される提案後の操作履歴画面や、操作履歴画面において行われる点検リストデータ36cを修正するための指示は、図8と同様であるため説明を省略する。
【0122】
次に、提案部34は、点検リストデータ36cを修正するかどうかを判断する(ステップS87)。提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断しなかった場合(ステップS87:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、提案部34は、点検リストデータ36cを修正すると判断した場合(ステップS87:YES)、点検リストデータ36cを修正する(ステップS88)。
【0123】
このように、プラントの作業員Wによって行われた提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを選択できるようにすることで、点検リストデータ36cを改善することができる。なお、提案後の操作を点検リストデータ36cに追加するかどうかを、端末装置10から指示することはできない。これは、プラントの作業員Wが、個人の判断で点検リストデータ36cを修正してしまうことを防止するためである。
【0124】
なお、本実施形態においては、プラントの作業員Wによって点検開始キーが選択されたことに応じて、点検開始通知を情報処理装置30に通知することとしたが、これに限られない。例えば、表示部15は点検の手順を記した手順書を表示するための手順書表示キーを表示してもよく、プラントの作業員Wによって手順書表示キーが選択されたことに応じて、点検開始通知を情報処理装置30に通知するようにしてもよい。
【0125】
また、本実施形態においては、情報処理装置30が提案部34および記憶部36を有することとしたが、端末装置10が提案部34および記憶部36を有してもよい。この場合、端末装置10は、情報処理装置30と通信することなく、提案処理A〜Eを行うことができる。
【0126】
以上説明したように、本実施形態の機器システム1は、プラントを構成する機器の点検を行う作業員Wによって使用される端末装置10と、端末装置10とネットワークを介して接続可能な情報処理装置30とを備える。端末装置10は、端末装置10に対して作業員Wによって行われた操作、プラントの環境値、および作業員Wの生体情報の少なくともいずれか一つを示すデータを検出する検出部11と、検出部11によって検出されたデータの履歴を示す履歴データ16aおよび16bを情報処理装置30に通知する通知部12と、を有する。
【0127】
また、本実施形態の情報処理装置30は、検出部11によって過去に検出されたデータの履歴を示す履歴データ37a、37b、および37cを記憶する記憶部36と、通知部12によって通知された履歴データ16aおよび16bと、記憶部36に記憶された履歴データ37a、37b、および37cとを用いて、端末装置10に対して行うべき操作を提案する提案部34と、を有する。
【0128】
これによって、プラントの作業員Pがフィールド機器の点検を行う場合において、プラントの異常を未然または早期に発見するための、プラントの作業員Pの作業品質を向上することができる。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0130】
1 機器システム、10 端末装置、11 検出部、12 通知部、13 制御部、14 入力部、15 表示部、16 記憶部、16a 作業員Wの操作履歴データ、16b 自動記録された履歴データ、30 情報処理装置、31 入力部、32 表示部、33 収集部、34 提案部、35 通知部、36 記憶部、37 過去の履歴データ、37a 作業員Wの操作履歴データ、37b ベテランEの操作履歴データ、37c 自動記録された履歴データ
図1
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