特許第6304409号(P6304409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6304409
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G06T11/60 100B
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-11631(P2017-11631)
(22)【出願日】2017年1月25日
(62)【分割の表示】特願2013-150404(P2013-150404)の分割
【原出願日】2013年7月19日
(65)【公開番号】特開2017-73177(P2017-73177A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2017年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】露崎 規彦
【審査官】 佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−178270(JP,A)
【文献】 特開2001−283231(JP,A)
【文献】 特開平8−139911(JP,A)
【文献】 門脇 利広、外2名,“GIS基盤情報(数値地図2500)の時系列管理手法に関する研究”,GIS−理論と応用,日本,地理情報システム学会,2001年 9月30日,Vol.9, No.2,pp.61-66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00,7/00−7/90,11/60−11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段と、
前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段と、
前記検出した差分情報毎にユーザの選択指示により承認されたか否かを示すステータスを関連付ける関連付け手段と、
前記検出した差分情報のうち前記ユーザにより承認されたことを示す承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段と、
を含み、
前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像と前記比較対象画像との比較において、前記承認ステータスが関連付けられた前記差分情報に対応する画像情報を差分検出対象から除外して前記差分情報を検出する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記更新された比較元画像は、反映された前記差分情報に関連付けられる承認ステータスを保持し、
前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像に保持された承認ステータスに基づいて、当該承認ステータスが関連付けられた画像情報を差分検出対象から除外する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比較元画像更新手段は、前記比較元画像に前記承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を合成して更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記比較元画像更新手段は、前記比較対象画像のうち、前記ユーザにより承認されていないことを示す未承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を、前記比較元画像内の当該差分情報の位置に対応する画像情報で置き換えて更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出した差分情報のうち前記ユーザにより承認されていないことを示す未承認ステータスが関連付けられている前記差分情報が存在するか否かを判断する第1の判断手段と、をさらに含み、
前記第1の判断手段が、前記未承認ステータスが関連付けられている前記差分情報が存在すると判断した場合に、前記比較元画像更新手段は、前記検出した差分情報のうち前記承認ステータスが関連付けられた差分情報を反映して前記比較元画像を更新する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の判断手段が、前記未承認ステータスが関連付けられた前記差分情報が存在しないと判断した場合に、前記比較元画像更新手段が更新した比較元画像と、前記比較対象画像と、の比較による1以上の差分情報が存在するか否かを判断する第2の判断手段、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段、
前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段、
前記検出した差分情報毎にユーザにより承認されたか否かを示すステータスを関連付ける関連付け手段、
前記検出した差分情報のうち前記ユーザの選択指示により承認されたことを示す承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像と前記比較対象画像との比較において、前記承認ステータスが関連付けられた前記差分情報に対応する画像情報を差分検出対象から除外して前記差分情報を検出する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、文書等のドキュメントの複数バージョンにおける差分情報を一括で表示する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−24211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、編集中の画像を繰り返し差分検出する際に、ユーザが確定としたい差分情報は、検出されないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、情報処理装置であって、比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段と、前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段と、前記検出した差分情報毎にユーザの選択指示により承認されたか否かを示すステータスを関連付ける関連付け手段と、前記検出した差分情報のうち前記ユーザにより承認されたことを示す承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段と、を含み、前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像と前記比較対象画像との比較において、前記承認ステータスが関連付けられた前記差分情報に対応する画像情報を差分検出対象から除外して前記差分情報を検出する、ことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記更新された比較元画像は、反映された前記差分情報に関連付けられる承認ステータスを保持し、前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像に保持された承認ステータスに基づいて、当該承認ステータスが関連付けられた画像情報を差分検出対象から除外する、ことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理装置であって、前記比較元画像更新手段は、前記比較元画像に前記ユーザにより選択された差分情報を合成して更新する、こととしたものである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理装置であって、前記比較元画像更新手段は、前記比較対象画像のうち、前記ユーザにより選択されていない差分情報を、前記比較元画像内の当該差分情報の位置に対応する画像情報で置き換えて更新する、こととしたものである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置であって、前記検出した差分情報のうちユーザにより選択されていない差分情報が存在するか否かを判断する第1の判断手段と、をさらに含み、前記第1の判断手段がユーザにより選択されていない差分情報が存在すると判断した場合に、前記比較元画像更新手段は、前記取得した差分情報のうちユーザにより選択された差分情報を反映して前記比較元画像を更新する、こととしたものである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報処理装置であって、前記第1の判断手段がユーザにより選択されていない差分情報が存在しないと判断した場合に、前記比較元画像更新手段が更新した比較元画像と、前記比較対象画像と、の比較による1以上の差分情報が存在するか否かを判断する第2の判断手段、をさらに含む、こととしたものである。
【0011】
請求項7に記載の発明は、比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段、前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段、前記検出した差分情報毎にユーザの選択指示により承認されたか否かを示すステータスを関連付ける関連付け手段、前記検出した差分情報のうち前記ユーザにより承認されたことを示す承認ステータスが関連付けられた前記差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記差分検出手段は、前記更新された比較元画像と前記比較対象画像との比較において、前記承認ステータスが関連付けられた前記差分情報に対応する画像情報を差分検出対象から除外して前記差分情報を検出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、2、5および7に記載の発明によれば、繰り返し差分検出する際に、ユーザが承認した差分情報は検出されないこととなる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、比較元画像と承認された差分情報とに基づいて比較元画像を更新することとなる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、比較対象画像と未承認の差分情報とに基づいて比較元画像を更新することとなる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、検出した差分情報を全て確定した場合に、生成した比較対象画像がデグレードしていないこと確認する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る差分情報の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置100及び端末300により実行される機能の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る差分検出結果の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る差分検出処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置100は、ローカルエリアネットワーク(LAN)やインターネットなどの通信手段を介して端末300と接続されている。
【0019】
情報処理装置100は、例えば、サーバなどのコンピュータであり、情報処理装置100にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである制御部10、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである記憶部12、ネットワークボードなどの通信インタフェースである通信部14などを含んで構成されている。
【0020】
端末300は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、端末300にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである制御部、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである記憶部、ネットワークボードなどの通信インタフェースである通信部、ディスプレイなどの表示部、マウス、キーボード、ボタン、などの操作部を含んでいる。
【0021】
情報処理装置100で実行される処理の1つに、端末300にてユーザの画像編集操作により生成された比較対象画像2を取得して、比較元画像1との差分情報を検出する差分検出処理がある(図2参照)。図2は、本実施形態に係る差分情報の一例を示す図である。図2に示すように、端末300にて生成される比較対象画像2は、複数の構成要素を含むものであり、例えば機械図面、回路図面等である。複数の構成要素を含む比較元画像1(白紙の画像であってもよい)に新たな構成要素を追加する、または構成要素を修正、削除する、といったユーザの画像編集操作により比較対象画像2が生成される。本実施形態においては、まず、端末300の記憶部に、白紙の画像または複数の構成要素を含む画像である、比較元画像1が記憶されていることとする。そして、端末300は、端末300の記憶部に記憶されている比較元画像1をユーザの画像編集操作により編集し、比較元画像1の比較対象となる比較対象画像2を生成する。そして、端末300は、比較元画像1及び生成した比較対象画像2を情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100は、端末300から取得した、比較対象画像2と、比較元画像1と、の比較による差分検出を行うことで、生成した比較対象画像2のうちユーザにより編集された箇所の画像情報を差分情報3(3−a〜3−c)として検出する。
【0022】
ここで、端末300による比較対象画像2の生成と、情報処理装置100による差分検出と、を複数回繰り返す場合がある。その際に、一度検出された差分情報であってその後編集されることのない差分情報は、その後の差分検出において検出されないことがユーザにとって望ましい。そこで、本実施形態では、生成した比較対象画像2と、比較元画像1と、の差分検出により検出された差分情報のうち、ユーザにより選択された差分情報を反映して情報処理装置100の記憶部12に記憶される比較元画像1を更新する構成としている。
【0023】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置100及び端末300により実行される機能の一例を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置100は、比較対象画像取得部19、差分検出部20、第1判断部21、比較元画像更新部22、第2判断部23、比較元画像保存部30、比較対象画像保存部32、及び差分検出結果保存部34を含んで構成されている。なお、本実施形態に係る情報処理装置100において、図3に示す機能以外の機能が実現されていてもよい。これらの機能は、記憶部に記憶されたプログラムが制御部を実行することにより実現されている。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ可読な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信手段を介して情報処理装置100に供給される。
【0024】
差分検出部20は、比較元画像保存部30に保存されている比較元画像1と、比較対象画像保存部32に保存されている比較対象画像2と、を比較することにより差分検出を行う。差分検出部20は、公知の差分検出技術を用い、例えば、比較対象画像2の画素値から比較元画像1の画素値を差し引く差分処理で差分情報を検出してもよい。また、比較対象画像2の位置情報と、各位置でのデータ(画素値を表すビットデータ)を取得して、比較元画像1の対応する位置のデータと比較することで、差分情報を検出してもよい。なお、差分検出部20は、検出した差分情報に、差分情報の位置情報、大きさ情報、確認ステータスといった属性を関連づけた差分検出結果を差分検出結果保存部34に保存する。
【0025】
第1判断部21は、端末300の差分検出結果確認部26が確認した差分検出結果に基づいて、「未確認」の確認ステータスが関連付けられている差分情報が存在するかを判断する。また、第2判断部23は、「未承認」の確認ステータスが関連付けられている差分情報が存在するか否かを判断する。
【0026】
比較元画像更新部22は、端末300の差分検出結果確認部26が確認した差分検出結果に基づいて新規の比較元画像1を生成して記憶部12に記憶されている比較元画像1を更新する。具体的には、「承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報を記憶部12に記憶されている比較元画像1に合成する。比較元画像更新部22は、「承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報の位置情報及び大きさ情報に基づいて、比較元画像1内の対応する位置に差分情報を合成する。また、比較元画像更新部22は、比較対象画像2を元にして新規の比較元画像1を生成してもよい。具体的には、比較元画像更新部22は、「未承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報の位置情報及び大きさ情報に基づいて、比較対象画像2における「未承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報を、比較元画像1内の対応する位置の画像情報で置き換える。これにより「承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報だけが反映された新規の比較元画像が生成される。
【0027】
第2判断部23は、第1判断部21が「未承認」の確認ステータスが関連付けられている差分情報が存在しないと判断した場合に比較元画像更新部22によって更新された比較元画像1と、比較対象画像保存部32に保存されている比較対象画像2と、の比較による差分情報が存在するか否かを判断する。
【0028】
記憶部12は、比較元画像保存部30、比較対象画像保存部32、及び差分検出結果保存部34を含んで構成される。比較元画像保存部30には、まず、端末300から受信した比較元画像1が保存され、その後、比較元画像更新部22により保存されている比較元画像1が更新される。比較対象画像保存部32には、比較対象画像取得部19が端末300の比較対象画像生成部26から取得した比較対象画像2が保存される。差分検出結果保存部34には、差分検出部20が検出した差分検出結果が保存される。
【0029】
端末300は、比較対象画像生成部26及び差分検出結果確認部28を含んで構成されている。なお、本実施形態に係る端末300において、図2に示す機能以外の機能が実現されていてもよい。これらの機能は、記憶部に記憶されたプログラムが制御部を実行することにより実現されている。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ可読な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信手段を介して端末300に供給される。
【0030】
比較対象画像生成部26は、端末300の記憶部に記憶されている比較元画像1、または比較元画像1から生成された比較対象画像2をユーザの指示に従い編集して新たな比較対象画像2を生成する。ユーザは、比較元画像1または比較元画像1から生成された比較対象画像2に含まれる各構成要素を書き換える、比較元画像1または比較元画像1から生成された比較対象画像2のうちの余白領域に構成要素を追加する等の編集を行う。
【0031】
差分検出結果確認部28は、情報処理装置100の差分検出部20が検出した差分検出結果に基づいて、検出された差分情報それぞれに、ユーザの選択指示に従い確認ステータス(例えば、「承認」、「未承認」等)を関連付ける。「承認」は差分情報を確定したい場合に選択され、「未承認」は後に編集する可能性のある場合に選択される。また、差分検出結果確認部28は、「承認」または「未承認」いずれも選択されない差分情報には、「未確認」の確認ステータスを関連付ける。
【0032】
図4は、差分検出結果の確認画面の一例を示す図である。図4に示すように、差分情報は、関連付けられている、位置情報、大きさ情報に基づいて、比較対象画像2内の対応する位置に強調表示される(ここでは、差分情報は波線で囲まれる)。ユーザがマウス等を操作して、差分情報上にポインタを移動させると、当該差分情報に関連付けられている確認ステータスに基づいて、確認ボタン(ここでは、承認/未承認ボタン)が表示される。承認/未承認ボタンは、クリック操作等により選択可能となっている。本実施形態においては、確認結果ステータスとして、承認/未承認ボタンが設置され、ユーザが「承認」または「未承認」を選択できるようになっているが、この例に限定されず、確認結果をユーザが選択可能なものであればよい。ユーザは、差分情報を確定したい場合は「承認」を、修正等が必要な場合は「未承認」を選択する。「承認」または「未承認」のいずれも選択されない場合は、当該差分情報は「未確認」とされる。また、複数ページの差分検出結果が有る場合には、ページ毎に確認ステータスを設置することによってページ単位で「承認」を選択することも可能である。図3に示すような確認画面の表示は、端末300が情報処理装置100から差分検出結果を受信して、端末300の記憶部に保持されている比較対象画像2に当該差分検出結果を反映して表示してもよいし、情報処理装置100において比較対象画像2に差分検出結果を反映した確認画像を生成し、端末300が当該確認画像を取得して表示することとしてもよい。
【0033】
ここで、本実施形態における、差分検出処理の流れの一例を図5のフロー図を参照しながら説明する。
【0034】
端末300の比較対象画像生成部26が、端末300の記憶部に保持する比較元画像1を編集することにより比較対象画像2を生成し、比較元画像1及び生成した比較対象画像2を情報処理装置100へ送信することにより、情報処理装置100で実行される差分検出処理が開始する。なお、比較対象画像生成部26が生成した比較対象画像2は端末300の記憶部にも保持される。
【0035】
情報処理装置100は、端末300から受信した比較元画像1を取得して、記憶部12の比較元画像保存部30に保存する(S101)。また、情報処理装置100の比較対象画像取得部19は、端末300から受信した比較対象画像2を取得して、記憶部12の比較対象画像保存部32に保存する(S102)。
【0036】
情報処理装置100の差分検出部20は、比較対象画像保存部32に保存された比較対象画像2と、比較元画像保存部30に保存された比較元画像1と、の比較による差分検出を行う(S103)。ここで、差分検出部20は、比較元画像1内の「承認」の確認ステータスが関連付けられている画像情報、及び「承認」の確認ステータスが関連付けられているページを、差分検出対象から除外した上で差分検出を行っても良い。
【0037】
情報処理装置100の差分検出部20は、検出した1以上の差分情報それぞれに、差分検出を行った比較元画像1及び比較対象画像2を一意に表す識別番号、差分情報の位置情報、大きさ情報、及び確認ステータス(ここでは、「承認」、「未承認」、及び「未確認」とする。)といった属性を関連付けた差分検出結果を差分検出結果保存部34に保存する。また、差分検出部20は、比較対象画像2を構成するページ毎にも確認ステータス(ここでは、「承認」、「未承認」、及び「未確認」とする。)を関連付ける。そして、情報処理装置100は、差分検出結果保存部34に保存された差分検出結果を端末300へ送信する(S104)。
【0038】
端末300の差分検出結果確認部28は、情報処理装置100から受信した、差分検出結果を取得して各差分情報を確認する。ここで、差分検出結果確認部28は、差分情報に関連付けられている確認ステータスの「承認」、「未承認」、「未確認」のいずれかを、ユーザの操作指示に従って選択し当該差分情報に関連付ける。また、差分検出結果確認部28は、比較対象画像2を構成するページ毎に関連付けられている確認ステータスの「承認」、「未承認」、「未確認」のいずれかを、ユーザの操作指示に従って選択し当該ページに関連付ける。そして、端末300は、差分検出結果確認部28が確認した差分検出結果を情報処理装置100へ送信する。
【0039】
情報処理装置100は、端末300が送信した差分検出結果を受信する(S105)。そして、情報処理装置100の第1判断部21は、端末300から受信した差分検出結果に含まれる、各差分情報及び各ページに関連付けられている確認ステータスに「未確認」の確認ステータスが存在するか否かを判断する(S106)。S106の判断の結果、「未確認」の確認ステータスが存在すると判断された場合は(S106:Y)、上述したS104以降の処理を実行する。S106の判断の結果、「未確認」の確認ステータスが存在しないと判断されるまで、S104〜S106の処理を繰り返す。
【0040】
S106の判断の結果、「未確認」の確認ステータスが存在しないと判断された場合に(S106:N)、情報処理装置100の第1判断部21は、各差分情報及び各ページに関連付けられている確認ステータスに「未承認」の確認ステータスが存在するか否かを判断する(S107)。
【0041】
S107の判断の結果、「未承認」の確認ステータスが存在すると判断された場合は(S107:Y)、情報処理装置100の比較元画像更新部22が、「承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報、及び「承認」の確認ステータスが関連付けられたページに含まれる差分情報を、比較元画像保存部30に保存されている比較元画像1に合成して比較元画像1を更新する(S108)。更新された比較元画像1は、合成した差分情報に関連付けられる、識別番号、差分情報の位置情報、大きさ情報、及び「承認」の確認ステータスを保持する。また、更新された比較元画像1は、ページに関連付けられた「承認」の確認ステータスも保持する。
【0042】
そして、情報処理装置100は、S102以降の処理を実行する。情報処理装置100の比較対象画像取得部19は、端末300の比較対象画像生成部26が、新たに生成した比較対象画像2を取得して、記憶部12の比較対象画像保存部32に保存する(S102)。ここで、比較対象画像生成部26は、端末300に保持されている比較対象画像2に基づいて新たな比較対象画像2を生成してもよいし、情報処理装置100の比較元画像保存部30に保存されている更新された比較元画像1に基づいて新たな比較対象画像2を生成してもよい。そして、情報処理装置100の差分検出部20が、比較対象画像保存部32に保存されている比較対象画像2と、比較元画像保存部30に保存されている、S108で更新された比較元画像1と、の比較による差分検出を行う(S105)。S105にて情報処理装置100の差分検出部20が差分検出を行う際に、差分検出部20は、S105にて比較元画像1に保持された「承認」の確認ステータスを参照して、差分検出対象から除外する画像情報を選別した上で差分検出をしても良い。S107の判断の結果、「未承認」の確認ステータスが存在しないと判断されるまで、情報処理装置100は、S102〜S108の処理を繰り返す。
【0043】
S107の判断の結果、「未承認」の確認ステータスが存在しないと判断された場合は(S107:N)、情報処理装置100の比較元画像更新部22が、「承認」の確認ステータスが関連付けられた差分情報、及び「承認」の確認ステータスが関連付けられたページに含まれる差分情報を、比較元画像保存部30に保存されている比較元画像1に合成して、比較元画像保存部30に保存されている比較元画像1を更新する(S109)。S109にて比較元画像更新部22が更新した比較元画像1は、検出された差分情報であって、ユーザが承認した全ての差分情報が合成された最終的な完成画像となる。
【0044】
情報処理装置100の差分検出部20は、S109にて比較元画像更新部22が更新した比較元画像1(以下、完成画像とする。)と、比較対象画像保存部32に保存されている比較対象画像2と、の比較による差分検出を行う(S110)。ここでは、完成画像が、S102にて情報処理装置100が端末300から取得した比較対象画像2と同一となっていることを確認する。つまり、端末300の比較対象画像生成部26が比較対象画像2の生成を繰り返す間に、「承認」が選択された差分情報が変更、削除等されていないことを確認する。
【0045】
情報処理装置100の第2判断部23は、S110の差分検出により検出される差分情報が存在するか否かを判断する(S111)。S111の判断の結果、差分情報が存在すると判断した場合に、情報処理装置100は、検出された差分情報を端末300へ送信する。端末300の比較対象画像生成部26は、受信した差分情報に基づいて、検出された差分情報を修正した比較対象画像2を生成し、情報処理装置100へ送信する。そして、情報処理装置100の比較対象画像取得部19は、修正した比較対象画像2を取得し、記憶部12の比較対象画像保存部32に保存する(S112)、情報処理装置100の差分検出部20は、比較対象画像保存部32に保存されている比較対象画像2と、比較元画像保存部30に保存されている完成画像と、の比較による差分検出を行う(S110)。S111の判断の結果、検出される差分情報が存在しないと判断されるまで、情報処理装置100は、S110〜S112の処理を繰り返す。
【0046】
S111の判断の結果、検出される差分情報が存在しないと判断された場合は、情報処理装置100は差分検出処理を終了する。
【0047】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0048】
本実施形態において、情報処理装置100と端末300とが別体の装置である例を示したが、端末300が情報処理装置100により実現される機能を有していてもよい。
【0049】
本実施形態において、端末300の比較対象画像生成部26は、端末300の記憶部に保持された比較元画像1または比較対象画像2に基づいて、新たな比較対象画像2を生成することとしたが、情報処理装置100の比較元画像更新部22が更新した比較元画像1を取得して、更新した比較元画像1に基づいて比較対象画像2を生成してもよい。
【0050】
また、本願は、情報処理装置であって、比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段と、前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段と、前記検出した差分情報のうちユーザにより選択された差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段と、を含むこととしてもよい。
【0051】
また、本願は、プログラムであって、比較元画像と比較する比較対象画像を取得する比較対象画像取得手段、前記比較元画像と前記比較対象画像との比較による1以上の差分情報を検出する差分検出手段、前記検出した差分情報のうちユーザにより選択された差分情報を反映して前記比較元画像を更新する比較元画像更新手段、としてコンピュータを機能させることとしてもよい。
【0052】
これにより、繰り返し差分検出する際に、ユーザが選択した差分情報は検出されないこととなる。
【符号の説明】
【0053】
1 比較元画像、2 比較対象画像、3 差分情報、10 制御部、12 記憶部、14 通信部、19 比較対象画像取得部、20 差分検出部、21 第1判断部、22 比較元画像更新部、23 第2判断部、26 比較対象画像生成部、28 差分検出結果確認部、30 比較元画像保存部、32 比較対象画像保存部、34 差分検出結果保存部、100 情報処理装置、300 端末。
図1
図2
図3
図4
図5