特許第6304636号(P6304636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6304636光保護を備えた単層の不透明な瓶およびそれを得るための処置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6304636
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】光保護を備えた単層の不透明な瓶およびそれを得るための処置
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/02 20060101AFI20180326BHJP
   C08L 25/10 20060101ALI20180326BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20180326BHJP
   C08K 3/08 20060101ALI20180326BHJP
   C08K 9/08 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   C08L67/02
   C08L25/10
   C08K3/22
   C08K3/08
   C08K9/08
【請求項の数】10
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-526666(P2016-526666)
(86)(22)【出願日】2013年7月15日
(65)【公表番号】特表2016-531974(P2016-531974A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】ES2013070505
(87)【国際公開番号】WO2015007921
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2016年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】516006471
【氏名又は名称】ソシエダッド アノニマ ミネラ カタラノアラゴネサ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】レザ ロア,フォーチュン
(72)【発明者】
【氏名】キャバレロ ロペス,ミゲル アンヘル
【審査官】 松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01541623(EP,A1)
【文献】 特開平11−048312(JP,A)
【文献】 特開平09−204000(JP,A)
【文献】 特開2001−064491(JP,A)
【文献】 特開平10−254092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 − 101/16
C08G 63/00 − 63/91
CA/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の半結晶性ポリマーおよび1種の非晶性ポリマー、ならびに前記熱可塑性マトリックス中に分散された光遮蔽機能を有する少なくとも2種の無機充填剤によって形成された構造機能を有する熱可塑性マトリックスを含む単層容器であって、
前記構造熱可塑性マトリックスは、前記半結晶性ポリマーとしてポリエチレンテレフタラート(PET)および前記非晶性ポリマーとして耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を10〜50の間の比(PET重量)/(HIPS重量)で含むこと、
および、光遮蔽機能を有する前記無機充填剤は二酸化チタン(TiO2)およびアルミニウム(Al)を50〜150の間の比(TiO2重量)/(Al重量)で含むこと、
その結果、前記容器の最終組成物が、HIPSおよび無機光遮蔽充填剤を含む濃縮添加剤とのPETの混合から得られることを特徴とする単層容器。
【請求項2】
前記容器中に含まれるPETの前記重量%が80%〜93%の間にある、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器中に含まれるTiO2の前記重量%が5%〜14%の間にある、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記容器中に含まれるHIPSの前記重量%が2%〜9%の間にある、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記濃縮添加剤が、前記濃縮添加剤の重量に対して30重量%〜50重量%の間のHIPSを含み、前記濃縮添加剤の重量に対して50重量%〜70重量%の間の光遮蔽充填剤を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記濃縮添加剤が、35重量%〜45重量%の間のHIPSを含み、および、55重量%〜65重量%の間の遮蔽充填剤を含む、請求項1または5に記載の容器。
【請求項7】
TiO2とAlの間の前記重量比が前記濃縮添加剤において前記容器中と同じである、請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
光遮蔽機能を有する前記HIPSおよび前記無機充填剤が、前記濃縮添加剤の前記混合物の合計重量に対して7重量%〜20重量%の間の添加剤の比率、PETの重量に対して0.01重量%未満の水の含水率に先に減湿された前記PETへの制御された投与によって前記PETと混合される、請求項1から7のいずれかに記載の容器の実施処置。
【請求項9】
HIPS、TiO2およびAlを含む前記濃縮添加剤とのPETの混合が、前記PETが不透明な態様を有する半結晶性状態の顆粒として固体形態であり、前記濃縮添加剤も不透明な顆粒として固体形態であるときに生じる、請求項に記載の処置。
【請求項10】
HIPS、TiO2およびAlを含む前記濃縮添加剤とのPETの混合の直前に、PETが前記濃縮添加剤のそれより高温を呈する、請求項8または9に記載の処置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、非常に軽量の、全光スペクトル中で非常に高度の光遮蔽、さらに事実上全体遮蔽を与える、無機光遮蔽充填剤を含む単層プラスチック瓶などの単層プラスチック容器に関する。容器のプラスチック構造体は、容器を構造上構成する機能において互いに補足する、異なる性質の少なくとも2種の熱可塑性ポリマーを含み、光遮蔽無機充填剤は、光遮蔽機能において互いに補足する、異なる性質の少なくとも2種の無機物質を含む。
【背景技術】
【0002】
類似した目的に対して意図される他のものと比較して、この容器の差別化する品質は、プラスチック構造体の特定の構成および無機遮蔽充填剤(以降充填剤)の効率的な組み合わせにより、絶対に近い遮蔽水準が求められる場合によくある、複雑で高価な多層構造に頼る必要がなく、すべて従来の設備および製造工程のこの使用によって非常に軽い単層容器においてモジュールの光遮蔽を、事実上全体遮蔽までも達成することが可能であるという事実にある。プラスチック構造体の構成、および容器に含まれる充填剤の組み合わせは、主成分の半結晶性熱可塑性基材、具体的にはポリエチレンテレフタラート(以降PET)への、充填剤およびPET以外の非晶性プラスチックを含む濃縮添加剤(以降添加剤)の制御された添加によって達成され、ここで、充填剤は先に分散され、添加剤中に含まれる非晶性プラスチックの特性は:ガラス転移温度(Tg)がPETのTg(PETのTg=80℃)より高いこと((濃縮物の非晶性基材のTg)<(80℃));ごくわずかに吸湿性であり((最大吸水率)<0.1重量%(飽和時))、特定の融点がなく(Tmがない)、グラフトポリマー、具体的には耐衝撃性ポリスチレン(以降HIPS)である。
【0003】
PETに無機遮蔽充填剤を組み込むことにより得られる光保護を備えた容器の分野において、本発明は、本発明者らの事例ではPETである主成分のプラスチック基材に、無機遮蔽充填剤(TiO2およびAlを含む)が先に分散された、HIPSポリマー基材を含む濃縮添加剤を加えることにより光遮蔽充填剤を組み込む処置が実施される光遮蔽を備えた単層プラスチック容器に関する。
【0004】
UHT長寿命ミルク(4か月を超える)を含むように意図されるものなどの、本発明において提示され、光放射からその内容を保護するように設計されたものと関係する他のプラスチック容器は、異なるプラスチック媒体、および異なるタイプの構造、例えば:3層ポリエチレン、3層PET、2層PETまたは単層PETで利用可能である。しかし、実際に全体遮蔽を達成する単層容器の既知の実現可能な参考文献はなく、通常は1層を超える構造がそのような水準の保護を達成するために使用される。
【0005】
従来、光保護を組み込んだプラスチック容器は、そのような容器にとって最も広範囲の使用の1つが長寿命ミルク(例えばUHTミルク)および/またはUHT乳製品のびん詰めであるという事実により、白色に着色された表面を有する。高い隠蔽力を有する白色顔料であるTiO2を、TiO2によってもたらされる遮蔽を効果的に強化する光吸収体と組み合わせる既知の解決法はあるが、しかし、これらの光吸収体は、必然的に容器の表面を暗くし魅力がなく望ましくない灰色がかった色を与え、このことは、容器に使用することができる濃度、よって有効性の閾値が限定されることを意味する。実質上全体保護が単層容器に求められる本発明者らの事例において、必要とされる吸収体の多い量は受け入れがたい灰色の最終色の作用により市販の実現可能性に影響し得る。この状況を回避するため、また遮蔽機能においてTiO2補助剤の濃度を増加するために、遮蔽有効性が光吸収ではなく反射作用に基づくので、Alが使用されている。このことは、容器表面が光を「吸い込まない」でむしろ反射することを意味し、結果としてより大きい明度を有する表面が得られ、したがって、使用することができるAlの割合は従来の吸収体より高く、容器の色への不利益な変質のない非常に高い遮蔽の選択肢を与える。表面に86より低い色L*(0が黒色で100が絶対白色である、0から100の尺度での白色を測定する)を有する、本発明において記載されるものと類似する既知の市販容器はない。本発明者らは、もちろん、市販または企業識別の形態の容器に加えられてもよいラベル、特定の追加着色剤または他の被膜を含まない色に言及しているのである。したがって、選ばれた目的は、遮蔽水準に関係なく容器表面で86より高い色L*(「Cie−Lab」尺度においてL*>86)を達成することであった。
【0006】
次の表(表1)で、同じTiO2基材を用いて、容器の遮蔽および色への従来の光吸収体の影響を、Alのものと比較する。この目的に対して、TiO2濃度は相当一定におよそ10%で維持し、光吸収体(この場合、カーボンブラックまたは従来の炭素より小さい程度に容器を暗くする酸化鉄)とAlの両方の異なる濃度と組み合わせている。
【0007】
遮蔽%は、容器(ルクス)内の光強度を測定するIso−Tech luxometerを使用して2300ルクス(容器が通常の販売時にさらされる曝露の非常に代表的な)の外部光に曝露し、計算した結果は、(遮蔽%)=((外部ルクス−内部ルクス)/(外部ルクス))x100である。
【0008】
実験の狙いは、容器において表面のL*色>86を維持しつつ全体遮蔽(99.9%)を得る可能性を評価することである。
【0009】
【表1】
【0010】
次の推論を上記表のデータから行うことができる:
【0011】
・TiO2を光吸収体と組み合わせる光遮蔽を備えた白色の単層容器のための従来の解決法は、充填剤中に存在する吸収体のより大きい比率の影響のために遮蔽を増やすとより暗い色を与えること。このことから、前述の従来の解決法を使用する充填剤含有率および/または妥当な重量を含む白色の単層容器を得ることは実際には実現可能性がないこと。
【0012】
・および本発明による遮蔽充填剤に含まれるTiO2およびAlの組み合わせが、有利であり、事実上光の全体遮蔽の白色の単層容器における達成を可能にすること。
【0013】
次の表(表2)において、幾つかの容器(1から7)においてL*色を遮蔽水準と比較する。そのすべてが本発明に従って製造された単層の瓶である。
【0014】
【表2】
【0015】
表2に示す結果から、光吸収体に基づく従来の遮蔽充填剤の解決法と違い、驚くべき効果として、TiO2と組み合わせたAlの反射による遮蔽能力に基づいた本発明の適用が、白色の単層容器においてL*色および遮蔽水準を同時に改善することを可能にすると推論することができる。
当技術分野の現状
【0016】
光放射から中身を保護するよう意図され、所望の目的を得るために遮蔽充填剤、特にTiO2を含む、プラスチック材料、特にPETで製造された瓶の先例は多数ある。単層に、または瓶が多層の場合、材料の各層に対して異なる組み合わせに分散された1種または幾種かの遮蔽充填剤を含む材料の単層および幾つかの層を含む瓶を見ることができる。このタイプの公知の容器は、単層であろうと多層であろうと、通常、1つのタイプのプラスチック材料からなり、ここで、遮蔽充填剤は、今からより詳細に記載される異なる処置によって、または化学的相溶性が求められる材料ミックスによって分散される。市場において見つけることができる一般的な例は、ポリオレフィン、通常、ポリエチレン(PE)、3層容器;3層PET容器;2層PET容器および単層PET容器である。本発明以前に、高水準の保護(最大98%)を有する市販の単層PET容器の公知の例があるが、事実上の全体遮蔽(99.9%の保護)の達成は、多層のPETまたはPE容器に系統的に保持されている。
【0017】
天然活性成分を含むミルク、乳製品、果物パルプ製品および他の機能飲料などの光に敏感な物質をプラスチック容器(PETは成長市場占有率を獲得しているポリマーの1つである)に充填することがますます頻繁になっている。光の影響による劣化に敏感な活性成分を放射の損傷から保護するためには、可視スペクトル(VIS)において保護するのに、通常、不透明もしくは強く着色した保護薬剤、または紫外線(UV)スペクトルに特定の吸収を有する比較的透明な薬剤を組み込むことが必要である。
【0018】
結果として感覚刺激性および栄養特性への変質を伴う光の作用により劣化に敏感な物質が多数ある。これらの物質のうちで、ビタミン、アミノ酸、過酸化物または脂肪に言及することができ、そのそれぞれは、1つまたは幾つかの波長に特に敏感であり、各物質に特異的で、互いに異なり、その結果、実質上、どの波長でも、紫外線スペクトル(UVA)(最大400nm)および可視スペクトル(可視)(400〜700nm)の両方において特定の感度を有する光に敏感な物質がある、例えば:
【0019】
・ビタミンB2(リボフラビン):特定の感度は、最大550nmの波長に達する。可視スペクトル(VIS)のこの領域は、およそ550nmでビタミンB2の極度に高い感度のために特に重要であり、その劣化は、ミルクの場合には、栄養上の能力、匂いおよび味に重大な変質を引き起こす(リボフラビンの劣化の影響によってミルクに引き起こされる感覚刺激性の変質は、「光で破壊された風味」として知られる)。
・ビタミンA(レチノール):410−460nm。
・ビタミンC(アスコルビン酸):最も苛酷な波長は300nm未満である。
・アミノ酸:
・異なるタイプの発色団化合物、感度はUVA領域およびVIS領域の両方に見つけることができ、そこで、劣化は、それらを含む製品の外観の変化を引き起こす場合がある。
【0020】
UVAまたはVIS光の作用によって誘発される劣化に敏感な物質を含有するように意図される容器において、光遮蔽の組み込みは、乳製品、果物ジュース、薬剤、薬物および、一般に、光分解劣化を受けやすい物質を含む食品または調製物の包装および流通の業界において一般的慣習である。
【0021】
光に敏感な物質に対し潜在的に苛酷な放射の2つのスペクトル領域が識別されなければならない:
【0022】
・200nm〜300nmを超える(ただし400nm未満)を覆うスペクトルのUVA非可視領域。これは、非常に高エネルギーの領域であるが、効果的な実質上、全体遮蔽を可能にする多数の市販の解決法があるので、保護するのは比較的容易である。その結果、その分、TiO2に基づいた、または大量のTiO2を含む遮蔽解決法は、VISにおいて良好な水準の保護(95%を超える)を達成する場合、紫外線領域で全体保護を与える。この理由によって、余分の課題になるので、通常は、紫外線領域における保護の制御は実行されない。
【0023】
・可視スペクトル(VIS)は、およそ400nm〜700nmの波長の範囲である。先に説明したように、この領域において特定の感度があり、その中でも、550nmのリボフラビンの感度を強調することは重要である。従来通りの白色で、他のタイプの充填剤と組み合わせた、または組み合わせないTiO2の多いまたは少ない含有率に基づいた、現在利用可能な単層の解決法が提示する、波長が長いほどさらに著しくなるという遮蔽の困難は、可視においてである。図1に見ることができるように、TiO2(通常不透明で白色の容器)に基づいた遮蔽材料の保護が、波長が長いほどより困難になるのは、可視領域においてである。この理由のために、従来から、%TR(瓶の壁を通過する入射光の%)の測定は、550nm(VISの中間領域、ビタミンBなどの幾つかの化合物の特定の感度の)を遮蔽水準の指標として(遮蔽水準が高いほど、% TRは低い)参照する。
【0024】
容器の調製のために存在する複数の選択肢のうちから、遮蔽の製造および付加のための材料および技術の両方を使用する観点で、これから、本発明者らは、熱可塑性マトリックス、特に、ガラス、金属または異なる材料の複雑な組み合わせなどの他の選択肢と比較して以下利益を与える幾つかの熱可塑性マトリックスによって形成された容器に言及する:
【0025】
・加工性:当分野の現状は、一般に使用され、扱うことが容易で、完全に公知の熱可塑性樹脂に基づいた調製物の様々な候補を提示している。
【0026】
・個別化の可能性:容器の幾何構造、形状および大きさの選択に対する技術的および経済的な障壁は実質上ない。
【0027】
・軽量性:プラスチック容器の重量は、ガラスまたは金属などの他の候補に比べて、通常、実際的にはるかにより少ない。
【0028】
・コスト削減:多数のプラスチック材料が広範囲の使用により行われる汎用品化は、ほとんどの代替材料と比較して大いに競合的であることを意味する。実際に、プラスチックは、ますます多くの材料を容器の製造に置き換えている。
【0029】
・持続可能性:ほとんどの熱可塑性樹脂を回収しリサイクルする可能性は広く知られている。全体が保証された消費回路において選別し再挿入するための十分確立した収集経路および手頃で整然とした技術がある。
【0030】
それぞれ、それ自体の特定の特性、利益および欠点を有するプラスチック容器に光遮蔽を加える異なる方法がある;以下は最も広範囲のものである:
【0031】
組み込まれた遮蔽を備えた容器:これらの容器において、プラスチックマトリックスに、その中でも、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)または硫化亜鉛(ZnS)である、とりわけ遮蔽を完成するのを助ける他の第2の充填剤を含むまたは含まない光の通過を阻止する材料が装填される。
【0032】
光保護を備えたこのタイプの不透明な容器中の充填剤含有率は、容器の合計重量に対して遮蔽充填剤の通常、3重量%〜8重量%の間にある、その結果、充填剤の組み込みおよび容器の製造における困難は、充填剤の百分率が増すにつれて増加する。高水準の保護のため、多層容器は系統的に単層容器より少ない充填剤を含む;しかし、単層の容器の場合には、製作処置は、はるかに単純であり、必要とする投資は相当に少ない。
【0033】
技術分野の現状において利用可能な技術、および光遮蔽を備えたこのタイプの容器の製造と関係する処置は、以下に引用される。
【0034】
・多層は:無機質充填剤合計含有率が各層中の異なる添加剤の組み合わせによって減少させることが可能になり、その結果、通常、内部層は黒となり、最大の遮蔽能力をもたらし、外側層(2層の場合)または外側層(複数)(3層の場合)は、従来にはない外観を有する黒色を隠す他の材料で充填され、色またはラベルを用いて上に載せることによって個別化することは不可能である。
【0035】
このタイプの容器中の充填剤含有率は、通常3重量%〜5重量%の間にある。
【0036】
この技術は、任意の波長で全体遮蔽であると考えることができる遮蔽を与えるが、しかし、関与する設備および処置の複雑さによる欠点を提示する:すなわち、特定の設備を必要とし、投資は相当であり、維持は高価であり、品質不良による拒絶水準は、単層の技術においてよりもはるかに高い。
【0037】
・単層:以前の技術よりはるかに安価で、入手可能で、融通性のある設備および処置を使用して実現可能である;しかし敏感な製品を保護する十分な遮蔽水準は、組み込む充填剤の量のかなりの増加を犠牲にしてのみ達成することができ、その量は、通常、5重量%からせいぜい8、9重量%の間であり、実現可能な含有率は、より高い百分率の充填剤を合理的に組み込み加工する困難によって限定される。
【0038】
このタイプの容器において従来得られる遮蔽の別の特徴は、波長が増すにつれて、遮蔽水準が不十分になるということである。しかし、UHTミルクおよびUHT乳製品などの敏感な製品のために完全に実現可能な解決法がある。したがって、非常に長い使用寿命のために全体遮蔽を得ること、または光分解劣化に極端に敏感な物質を保護することは困難である。
【0039】
容器の製造に関係する加工処置、およびポリマーマトリックスへの遮蔽充填剤の添加に伴う加工処置はどちらも多様であり、実際の容器の類型学、および主成分のマトリックスを形成するプラスチック材料の両方に依存する。最もよくある処置を以下に示す。
【0040】
ポリマーマトリックスへの遮蔽充填剤の組み込み。
【0041】
充填剤がポリマーマトリックス中で完全に分散し均一に分布することは非常に重要である。これを達成するために、次の処置の1つを実行することができる:
【0042】
・重合相:これには、重合反応器に入る前に、モノマーの1つ、またはポリマー前駆体原料中に充填剤を分散させることが含まれる。これは、充填剤の優れた分散および均質な分布を保証する最も信頼できる方法であるが、しかし、重合設備の複雑な性質および幾つかの充填剤が反応の進行を妨害し得るという事実により必ずしも実施が可能とは限らない。他方では、それが遮蔽溶液の均質性を保証する優れた方法である;単層および多層容器両方のためにTiO2および光遮蔽が組み込まれたPET系の実用的解決法が知られ、これは、優れた性能をもたらし、容器を製造するための処置に難なく使用できる。しかし、これは、特にモジュールでない非常に手怖い解決法であり、扱わなければならない容器のタイプを共有しなければならない設備において使用するには必ずしも適切とは限らない。
【0043】
・補助押出機中の混合:これは、通常マルチスクリューシステムである特定のスクリューシステムによって均質化し分散するために、好適な計量によって、充填剤を溶融ポリマー流に組み込むことができるように、通常のペレット化工程の前に、反応器の出口での溶融相ポリマーの流れの転換を伴う。充填剤および溶融相ポリマーが均質化されたら、結果として得られた配合物は冷却および最終ペレット化のために押出される。これらのシステムは費用がかかり、設置し操作するのが複雑である。しかし、追加の操作を必要とせずに即座に最終使用可能なペレットを与える。
【0044】
・濃縮物またはマスタバッチの使用:これは、液体または固体形態のいずれであってもよく、その結果、所望の容器の基材を形成するポリマーマトリックスと相溶性の担体中で高度に濃縮される。マスタバッチを調製した後に、最終容器の前駆体構造(プリフォーム、射出によって仕上げた片、またはブローイング前の押出したパリソン)を形成する射出、射出ブローイング、押出ブローイングまたは圧縮機の可塑化スクリュー中で好適な割合で容器に必要とされる最終充填剤の濃度に計量される。
【0045】
高精度の用量を可能にする計量システムが存在し、通常、可塑化システムは、ポリマーおよびマスタバッチのミックスを十分に均質化することができる。
【0046】
主成分のポリマー流に加えられる添加剤用量または濃縮したマスタバッチを単純に調節することによって遮蔽水準を調整することが可能なので、これは極めて用途が広い;しかし、濃縮物の組み込みが主成分のポリマー構造体中で引き起こし得る変化、ならびにその構造体が吸湿性の場合、添加剤を乾燥する追加の補助装置に対する可能な必要性のために高い添加比率での困難を提示する。
【0047】
容器の製造
【0048】
容器の製造については異なる処置があり、容器の口を構成する、端部の1つが開いた中空体が得られるという事実、および、必要とされる片の成形による形成前に、プラスチック材料の溶融および溶融固まり、または適切なら添加剤もしくは充填剤との均質化からなる、通常、可塑化と呼ばれる工程があるという事実を共通に有している。既に言及したように、容器を得る処置は多様であり、容器の幾何構造、形状および大きさ、ならびに、使用するプラスチックマトリックスの性質に依存する。最も広範囲の処置は次の通りである:
【0049】
直接射出
【0050】
プラスチック材料は、対応する充填剤が加えられたら、プラスチック材料の溶融温度よりわずかに高い温度で、1つまたは複数の回転スクリューを装備した可塑化槽において可塑化され均質化される。
【0051】
可塑化工程が完了したら、溶融材料は射出プランジャーによって伝達される圧力によって1つまたは複数の空洞を有する型に挿入される。
【0052】
型穴は、プラスチックの溶融温度より相当低い温度であり、片が空洞の内部で冷却し固化したら、サイクルをもう一度繰り返すことができるように取り除くことができるように設計されている。
【0053】
このタイプの工程は、熱可塑性樹脂、とりわけPET、PAまたはPPなどに適用することができる。
【0054】
通常、この工程は、口が本体の他の領域より大きい直径を有する片に使用することができ、その結果、従来の瓶の場合には容易に適用できず、この理由で、問題の事例においては好ましい処置ではない;しかし、容器として役立つ中空片を製造するのに理論上実現可能な方法として記載される。
【0055】
単一段階における射出ブローイング
【0056】
工程は前のものと非常に類似した仕方で始まり、容器前駆体片またはプリフォームが射出されたら部分的にそのように安定な形状を維持するのに十分なコンシステンシーを有するように部分的に固化した型から取り出されるという特定の特徴があるが、しかし、その温度は、プラスチック材料が機械的作用によって固体状態で可鍛性の温度であるガラス転移温度(Tg)より高い。
【0057】
このプリフォームは、射出型からの抜き取り時もなお高温であるが、第2のブロー成形ユニットに挿入される。第2の型は(この時はブローイング型)は、プリフォームを包み、空気がその口を通して高圧で挿入される。この圧力はプリフォームを膨らませ、ブローイング型の大きさおよび形状に達するまで材料は伸びる。材料はブローイング型の壁で冷却し、最終的に容器を形成する。容器が冷え、この効果によって安定すると、型から取り出され、サイクルを繰り返すことができる。
【0058】
プリフォームのブローイング
【0059】
この工程は、先に記載した射出によって形成されプリフォームとして知られる低温で寸法的に安定な片から始まる。
【0060】
この場合、IR放射線炉にプリフォームを置くことにより達成される成形温度(Tg)に達するまで、プリフォームは加熱されなければならない。
【0061】
プリフォームが材料のTgを超えて加熱されたら、以前の事例と同じようにブローイング型中でブローされる。
【0062】
この工程はPETの特徴であり、また、PLAまたはPPなどの他の熱可塑性樹脂に適用可能である。
【0063】
さらに続いて説明するように、1つの単層、または複数の層を有するプリフォームを形成することができる。ブローイング処置は、プリフォームの層の数に無関係で異ならず、ブローされた瓶は、プリフォームが有していたのと同数の層を有する。
【0064】
プリフォームの射出成形
【0065】
直接射出によって容器の形成のために記載されたそれと類似した仕方で、中空片が得られ、この場合、2配向ブローイングの次工程を経て瓶を形成しなければならない。
【0066】
PETの非常に典型的なのは、第1に、PETが吸湿性であるので材料は乾燥され、溶融状態(250℃を超える)で水の存在下で加水分解劣化を受ける工程である。一般に顆粒(チップ)の形態で提供されるPETの場合には、乾燥は、高温の乾燥空気が通過するホッパーにおいておよそ150℃〜170℃の間の温度で4〜6時間の時間をかけて行う;これは、ポリマーが含む湿気を実質上すべて取り除くのに十分である。
【0067】
次いで、ポリマーは、可塑化槽を通過し、ここで、温度の影響および回転スピンドルの摩擦によって溶融可塑化される。
【0068】
溶融材料は、射出プランジャーに移送され、これは高圧で材料をマルチ空洞型へ押し込み、ここで、プリフォームは冷やされて、抜き取り前にその形状および寸法を安定させる。
【0069】
このタイプの工程において、単層または多層プリフォームを得ることが可能である。通常、2または3層の多層のプリフォームは、光を効果的に遮蔽するために用いられるが、それは、内側層(3層の場合の中間層または2層の場合の内部層)が、強く遮蔽する材料(通常黒色)で充填することができ、これは、必要とされる保護を喪失せずに容器の所望の最終外観を提供する外側層によって隠されるからである。
【0070】
このタイプのプリフォームの特別の特色は、これが、特別に改作した型および2つのスピンドルを含む可塑化システムを必要とするということである。2層プリフォームの場合には、工程は、通常、外側層が先に形成された内部層を覆って射出されるように重ね成形によって機能する。3層プリフォームの場合には、内部層および外側層は共射出され、中間層は、射出型に位置する特定の弁機構によってそれらの間に装入される。
【0071】
プリフォームの圧縮成形
【0072】
先に記載された事例のすべてのように、工程は材料の可塑化から始まる。
【0073】
可塑化後に、溶融材料は押出され、一様な重量を有する部分は、押出された材料から切断され、プリフォームに必要とされる形状の中空型に装入される。材料が高温で型の内部にある間に、ラムは材料をプレスし、ラムによってかけられた圧力により型の形状を取る。低温になったら、プリフォームは型から取り出され、サイクルをもう一度繰り返すことができる。
【0074】
このように得られたプリフォームは、プリフォームのブローイングのために記載されたのと同じように同じ設備を使用してブローすることができる。
【0075】
これはそれほど通常の工程ではないが、しかし、このタイプのシステムはPETプリフォームを製造するために使用される。
【0076】
押出ブローイング。
【0077】
やはり、工程は材料可塑化段階から始まる。
【0078】
押出によって、可塑化材料は可塑化槽の最後に位置する開口またはノズルを通って流れる。このノズルは、通常「パリソン」と呼ばれる中空管を形成するように設計されており、連続的に流れ、重力の作用によってノズルから垂直軸に垂れ下がる。
【0079】
一定間隔で、好適な走行システムを装備したブローイング型は、押出された材料の管を閉鎖し、ブローイング型の軸長さに相当する部分を切り離す。その内部でなお高温の押出された材料の部分を有する型は、ブローイングユニットに移動し、ここで高圧が型の口を通して挿入される。この圧力は、その縦軸に垂直な方向に押出した管を膨張させ、材料を型の壁に押しつけて、ここでそれを冷却し、その最終寸法および形状を獲得する。
【0080】
一方の型がブローイング工程を完了する間に、他方は、押出された管の部分を捕らえ始め、その結果、押出ブローイングによって形成する容器の連続工程が成り立つ。
【0081】
この工程は、様々なポリマーの中でも、ポリオレフィン(PP、PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)およびPCの特徴であり、遮蔽効果のためには、3層容器が通常使用され、これは、他の候補も可能であるが、黒色で遮蔽を与える中間層、ならびに従来通りに白色の傾向がある外側および内部層を有する。
【0082】
この技術を使用して、容器を製造するのに適するPETグレードが現在存在する。
【0083】
光遮蔽を備えた容器を開示する特許が、本発明において開示される特許と異なる手法を用いるPETおよび他のポリマーを含むポリマーの混合物を必要とする組成物を言及する他の特許とともに、既に知られている。これらの幾つかを以下に示す。
【0084】
(特許文献1)「食品容器用の光保護組成物」
【0085】
これは、プラスチックを不透明にするTiO2、Al粉末、黒色顔料および真珠光沢剤を含む白色顔料を記載しているが、しかし、遮蔽充填剤を含む添加剤のプラスチック基材としてのポリマーおよびHIPSの意図的な混合物に言及していない。
【0086】
(特許文献2)「目に見えるもやをマスキングする光吸収剤組成物を含む物品および関連方法」
【0087】
これは、PETであってもよいプラスチック基材と相溶しないポリマーの混合物によって生じた「もや」(曇りによる透明性の減少)にマスキングすることを特にねらった顔料の使用を挙げている。しかし、容器中で高い光遮蔽が存在するようには意図されず、また、この目的のためにHIPSプラスチック基材に加えられる高濃度の無機質充填剤の使用を記載していない。
【0088】
(特許文献3)「不透明なポリエステル容器」
【0089】
これは、やはり、混和しない(「相溶しない」)ポリマーを一緒に混合することにより引き起こされた「もや」にマスキングするために、ガス障壁の向上を達成するこの事例においてAlの使用に言及している。これは、光遮蔽を備えた組成物に賦与することを特に志向せず、HIPSにも言及されず、長寿命ミルクなどの放射に敏感な製品に対して、PETと混合されたガス障壁、および十分な光保護を与える光遮蔽を提供しない。
【0090】
(特許文献4)「プリフォーム、プリフォームおよび容器を製造する方法」
【0091】
これは、光放射の影響による劣化に敏感な特定の製品を保護する重要性を記載しているが、しかし、これは、単層容器ではなく本発明者らの前の事例のような多層容器であり、最終組成物中の、または遮蔽充填剤の組み込みを容易にするビヒクルとしての寄与という利点におけるHIPSに言及していない。
【0092】
(特許文献5)「食品容器用の樹脂組成物」
【0093】
これは、単層のPET容器に言及し、それを得る可能な形態として、プラスチック基材中にTiO2を含む無機質充填剤の濃縮物の、PETの主要マトリックスへの添加を記載している。しかし、PETが、存在する唯一のポリマー材料として最終組成物において明示的に言及され、HIPSに言及せず、遮蔽充填剤中に含まれるTiO2およびAlの組み合わせに言及せず、記載された最大の光遮蔽は、全体光遮蔽ではなく、その結果、本発明の主題から逸脱している。
【0094】
この特許は、また、好ましくはPETマトリックスに遮蔽充填剤を組み込むために選ばれた処置の1つとしての重合を挙げている。
【0095】
(特許文献6)「不透明な瓶などの包装物品およびその製造方法」
【0096】
これもまた、無機遮蔽充填剤を組み込むことにより光放射から中身を保護するように意図される容器に言及し、包装および保護にかけられる製品の1つとしてミルクに言及し、組み込みの可能な処置の1つは、PETまたはポリエステルであるとも理解されるポリマー基材における濃縮物の使用である。しかし、これは、TiO2が無機質性の唯一の遮蔽材料であると明示的に述べ、したがってこれは充填剤の一部としてのAlを除外し、充填剤中に添加剤濃縮物を調製するためのポリマー基材としてポリマーミックスまたはHIPSの使用に全く言及せず、その結果、提示の本発明から逸脱している。以前の欧州特許の場合のように、記載された遮蔽は、手近な事例で得ることができる保護の事実上全体の水準を達成しないように見える
【0097】
(特許文献7)「放射線に敏感な製品用のプリフォームおよび容器ならびにそれを製造する方法」
【0098】
この特許は、敏感な製品、特にミルクを損傷する放射から保護するのに十分な光保護を備えた容器を得、PETと混合される場合、不透明性がプラスチック添加剤によって生じるように意図される不透明なプリフォームを公表している。しかし、本発明者らの特別な事例は、光遮蔽がTiO2およびAlを含む無機充填剤によって与えられるので全く異なり、PET基材に加えられるHIPS単独では、容器中で必要とされる光遮蔽を決してもたらさない。これは、それを実行するための処置に言及せず、また、TiO2およびAlを含む無機充填剤によって遮蔽がもたらされる、提示の本発明に記載される使用と類似する濃縮添加剤の使用を目論んでいない。さらに、これは、可能な光遮蔽プラスチック添加剤の1つとしてのHIPSを明示的に言及していない。
【0099】
(特許文献8)「ポリエステル成形組成物の製造の方法およびそれから製造された物品」
【0100】
これは、機械的強度を高めるためにゴムタイプ衝撃修飾剤が加えられたPETで製造される容器に言及している;これは、さらに強度を高めるガラス繊維または他の無機質充填剤を含んでもよいが、しかし、容器もその組成物も光遮蔽は意図されていない。よって、これも、提示の本発明の事例と異なる分野にあると考えられる。
【0101】
(特許文献9)「ポリエステル樹脂で製造される容器を製作する方法」
【0102】
これは、ポリマー基材がPETおよびポリオレフィンのミックスに対応するプラスチック容器を製造するように意図されるプリフォームを開示し、前記ポリマーミックスの結果としてここで得られるのは、PETがその透明性の一部を失い(「半透明」)、「真珠光沢」がある外観をもつプラスチックマトリックスであり、利点として、容器の半透明で光沢があり、真珠光沢のある外観、ならびに良好な加工性および機械的強度を提示する;この光沢がある真珠光沢の外観は、PETおよびPP(ポリオレフィンの良好な代表)のミックスとして記載されている既に言及された(特許文献10)に言及されたものと同じである。しかし、本発明者らが参照している(特許文献9)は、加えられる遮蔽充填剤に言及せず、高い光保護を求めず、ポリマーミックス中に含まれるHIPSを挙げず、遮蔽充填剤濃縮物のプラスチック基材も考慮していない。
【0103】
よって、前述の文書も本発明とは異なると考えられる。
【0104】
(特許文献11)「光から保護されるべき製品のための熱可塑性材料から製造された容器」
【0105】
これは、TiO2および雲母を含む遮蔽充填剤によってもたらされる光遮蔽を備えた瓶タイプの不透明なPET容器を開示している。しかし、これは、最終組成中に含まれるPET以外のポリマーに言及せず、TiO2含有率は4重量%未満であり、提示の本発明で記載される最小限未満である。
【0106】
申し立てた理由のために、HIPSの欠如および低いTiO2含有率に関係して、これは本発明の範囲外であると考えられる。
【0107】
(特許文献12)「鉄道の結束および他の製品のための複合体」
【0108】
消費者から出て来る瓶のリサイクルされたPETを含むPET、およびとりわけ改質スチレンポリマーであってもよいエラストマーポリマーを含む組成物に言及している。しかし、これは、容器の製造のための使用も、無機質充填剤媒体としてのHIPSの使用も記載せず、光に敏感な物質を保護する光遮蔽となるように意図していない。
【0109】
(特許文献13)「不透明な単層容器」
【0110】
これは、不透明な容器の主成分の遮蔽充填剤としてAl、および場合によって光吸収体とのそれの組み合わせに言及している。しかし、意図する容器は、主成分の充填剤としてAlを使用して不可能であるので、普通の白色でない(これは、達成された最も白色の色として82未満のL*色を挙げている);これは、遮蔽充填剤を含む濃縮物においてHIPSの使用に言及せず、PETとのミックスに可能なプラスチックの1つとしてHIPSにすら言及していない;また、これは、主成分の遮蔽充填剤としてTiO2にも、TiO2の主成分の充填剤と組み合わせたAlの効果にも言及していない。さらに、全体遮蔽の充填剤含有率は、本発明者らの発明において請求した範囲の完全に外側である(本発明者らの事例では最低5%、(特許文献14)では最高2%)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1541623号明細書
【特許文献2】国際公開第2004069909号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03064267号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第1681239号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第08113526.2号明細書
【特許文献6】仏国特許出願公開第2869019.A1号明細書
【特許文献7】国際公開第2007128085号パンフレット
【特許文献8】欧州特許出願公開第1318174(A1)号明細書
【特許文献9】特開2004−058565号公報
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/169786A1号明細書
【特許文献11】仏国特許出願公開第2836893(A1)号明細書
【特許文献12】国際公開第/2002/074846号パンフレット
【特許文献13】欧州特許第2 617 654号明細書
【特許文献14】欧州特許出願公開第12 000 408.0号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0112】
本発明は、遮蔽充填剤の非常に高い比率の組み込みを必要とする、高度の光保護を備えた白色単層プラスチック容器の製造の分野における技術の現状を改善する狙いで提示される。本発明の結果、極めて軽い重量の白色単層容器において事実上絶対的な全体光遮蔽(99.9%以上)を得ること、ならびに従来の成形設備および工具を用いて前記容器を製造することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0113】
本発明の目的である容器は、PETの重量が、10〜50(10<(容器中に含まれるPETの重量)/(容器中に含まれるHIPSの重量)>50)の間の比でHIPSの重量より多く、TiO2の重量が、50〜150(50<(容器中に含まれるTiO2の重量)/(容器中に含まれるAlの重量)>150)の間の比でAlの重量より多くなるようにプラスチック構造体にPETおよびHIPSを含み、遮蔽充填剤中に二酸化チタン(TiO2)および金属アルミニウム(Al)を含む。容器は、審美的な機能のために少ない比率で含まれていてもよい他の特定の顔料のない状態で、それが含む充填剤の性質および比率の結果として不透明で通常の白色の外観を有する。
【0114】
提示の容器を調製するための処置は、HIPSおよび前述の光遮蔽充填剤を含む濃縮添加剤をPETと混合する操作を含む。添加剤およびPETは、混合されるとき、固体状態であり、両者は不透明な外観の顆粒またはミクロの顆粒の形態をしている。混合物は、80重量%〜93重量%の間のPET、および7重量%〜20重量%の間の添加剤を含む。すなわち、混合物の合計重量で除したPETの重量は0.80〜0.93の間にあり、混合物の合計重量で除した添加剤の重量は0.07〜0.20の間にある。それぞれに挙げたものの中から選ばれた比率で、PETおよび添加剤の混合が実施されたら、混合物は、均質化され可塑化される十分に流動性である固まりが形成されるまで特定の設備でPETの融点(250℃)を超えて加熱される;この瞬間から先は、プラスチックマトリックスはPETとHIPSの混合物からなり、TiO2およびAlを含む遮蔽充填剤は、前記プラスチックマトリックス中で分散したままとなる。このように形成された混合物は、圧縮、射出、ブローイングおよび冷却操作を含むことができる、成形処置において押出し、次いで熱成形することができ、その結果、記載される容器が得られる。
【0115】
本発明の基本的な利点は、一方で、単層容器でさえ全体遮蔽の獲得が可能にする遮蔽充填剤中に含まれるTiO2とAlの効率的な組み合わせから派生し;他方では、無機充填剤の高い比率を組み込む場合、充填剤を加える操作を容易にし、増強された構造の特徴を主成分のプラスチックPETマトリックスにもたらす濃縮物中に含まれるHIPSの寄与から派生する。
【0116】
次の表(表3)は、市場に出回っている異なる容器の重量、遮蔽性能および特性を、提示の本発明の実施の幾つかと共に比較する。
【0117】
比較する容器はすべて、1リットルの容量を有する。市販容器は、長寿命UHTミルクの包装の解決法である。
【0118】
すべての事例において、容器の表面は、86(3層PEの場合)〜92(2層PETの場合)の間でL*色のわずかに違う白色である;本発明の3つの提示のL*色は、89〜91の間にある。
【0119】
【表3】
【0120】
先の表および本発明に記載される実施形態に示される結果は、提示の解決法のモジュール性、および極めて軽い単層容器において全体遮蔽を得る可能性を説明する;実際、記載されるものなどの容器のカテゴリ内では、本発明の実施形態4として提示のものより、全体光保護を備えた軽い容器は、多層構造を有するものでもない。
【0121】
提示の本発明の差別化する特色は、TiO2およびAlの適切な組み合わせによってもたらされる優れた遮蔽特性に、容器構造を形成するためにPETと混合されたときのHIPSの熱的および構造的品質に、ならびにTiO2およびAlを含む遮蔽充填剤中に濃縮添加剤の調製のためのプラスチック基材としての使用にある。この濃縮添加剤は、容器を作るための操作の一部として主成分のプラスチックPET流れに組み込まれる。前記組み合わせの結果、多量の充填剤(最大14%)を記載された熱可塑性の構造基材に加えて、極めて軽い単層容器においてですら、実質上全体光遮蔽(最大99.9%の広域の遮蔽)をもたらすことができる。
【0122】
HIPSおよび無機遮蔽充填剤を含む濃縮添加剤は、主成分としてのTiO2を合計重量に対して、通常、50重量%〜70重量%の間、好ましくは55重量%〜65重量%の間の濃度で含み;Alは、TiO2の重量をAlの重量で除して得られる比が50を超え150より少なくなるそのような比率で濃縮添加剤中に含まれ;濃縮物中に含まれるHIPSは、濃縮物の合計重量に対して30重量%〜50重量%の間のHIPSであり;濃縮添加剤は、例えば、分散剤などの調製工程を容易にする他の物質をさらに含んでもよく;さらに、調製のためには好ましい事例ではないが、濃縮物は、容器の色が注文生産されることになる場合、少量の顔料をさらに含んでもよい。これらの顔料のない状態では、容器は、遮蔽充填剤の記載された組み合わせの当然の結果として白色で不透明になる。濃縮物を調製する工程は、最終提示が固体状態で、不透明な顆粒またはマイクロ顆粒の状態になるように混合、可塑化、均質化、押出およびペレット化の操作を含み、遮蔽充填剤は、HIPS基材中で分散される。このように、濃縮添加剤は、通常、前記添加剤用量が、PET+濃縮物の重量に対して7重量%〜20重量%の間の濃縮物である、容器が受ける最終適用に適する比率のPET基材を計量し、これと混合するための準備ができている。
【0123】
容器を製造するために提示される工程は、主成分のプラスチックPET流れ中での、HIPSおよび遮蔽充填剤を含有する濃縮添加剤の組み込みからなる操作を伴う。遮蔽充填剤中に含まれるTiO2およびAlは、この組み合わせを有する高比率の充填剤が、最終容器の色が負に影響を受けることなく許容されるなら、記載されたタイプの容器中で異常に高水準の遮蔽を得る可能性に必須の役割を果たす。遮蔽充填剤の担体として、HIPSは、前記充填剤の高比率(これは非常に高水準の光遮蔽を達成するのに必要である)の主成分のプラスチックPET流れへの投与を容易にする根本的な使命を満たし、添加剤が乾燥するのを防止しまた通常のPET加工条件を維持することを可能にする;さらに、HIPSは容器熱成形処置におけるPETと協力して振る舞い、プラスチック基材の構造特性を改善し、PETにより非晶性を与え、充填剤の分散を容易にし、ブロー成形の工程窓を広げる。PET流れへの濃縮添加剤の投与は、投与ユニットを使用して実施され、通常、「マスタバッチ」を加工するのに挙げられたタイプの重力計である。既に示したように、HIPSは、このタイプの投与ユニットの使用を可能にし、HIPSの熱的および吸湿性の特性のおかげで、通常、本発明者らがかかわるものより少ない用量で設計されている。
【0124】
添加剤を投与する場合、それは、不透明な顆粒またはミクロ顆粒の形態の固体状態である;PETは、乾燥していて、また固体状態で、不透明な顆粒の形態である。通常は、固体状態で両方の流れ(PETおよび添加剤)を混合する直前に、PETは100℃〜160℃の間の高温でなければならず、混合の前に乾燥する必要がないので、添加剤は周囲温度にあってよい。PET流れへの添加剤の投与直後に、ミックスは押出機または可塑化槽に組み込まれ、溶融、均質化されて続く成形処置を可能にする。
【0125】
PETへの添加剤の投与は、PET+添加剤合計重量に対して7重量%〜20重量%の間の添加剤の比率で実行される。
【0126】
本発明は、容器の光遮蔽水準で大きいモジュール性を可能にし、最終用途によって必要とされる性能を達成するために必要な充填剤含有率の最適化を可能にする。
【0127】
次の表(表4)は、本発明を用いて達成することができるモジュール性の範囲を示し、本発明のおかげで、今まで入手不可能であると判明していた単層容器を最高水準の機能的要求事項(事実上の全体遮蔽)を達成することができる付加価値と共にどのように製造することが可能であるかを教え、一方では経済的な関与(極めて軽い容器)を同時に満たしている。
【0128】
【表4】
【0129】
次の結論を、挙げた実験データから引き出すことができる。
【0130】
−遮蔽の水準に影響を及ぼす因子は、等しいまたは類似の容器重量および方式で、容器およびTiO2/Al比で含まれる遮蔽充填剤の%である。
【0131】
−容器で含まれる充填剤の比率は2つの方法で:濃縮添加剤中に含まれる遮蔽充填剤の濃度によっておよびPET中に組み込まれる添加剤の%によって調節することができる(それぞれ、容器2対3および3対4)
【0132】
−TiO2/Al比は、容器中に含まれる遮蔽充填剤の等しい%で、遮蔽水準に大きい影響があり、残りの容器の属性に有意には影響しない。(容器1対2)。
【0133】
−容器の重量は、容器中に含まれる高%の遮蔽充填剤、および低いTiO2/Al比の本発明の実施において、もはや容器中に達成することができる光遮蔽水準における限定的な因子ではない。(容器3対5)。
【0134】
挙げた遮蔽百分率は、2300ルクスの強度の付帯的な外部照明下で各容器に入り込む光の強度に言及している。(遮蔽%)=((外部ルクス−容器ルクス)/(外部ルクス))x100)
【発明の効果】
【0135】
本発明の利点
【0136】
PETの利点は、とりわけその加工性、リサイクル性、適度の経費、食品安全性および容易な利用可能性により、プリフォームおよび容器を作るための材料として十分文書化されている。
【0137】
さらに、通常、主成分のPETマトリックスに充填剤および/または顔料の組み込みを必要とする敏感な製品の包装に使用されたとき、組み込みの有利な様式は顔料および充填剤を濃縮するそれであり、次いで、添加剤の形態でPET基材に添加される固体または液体の担体中に、所望の比率で、所望の機能的な品質をもたらす。重合中の添加剤の組み込みは解決法に役に立つ堅牢性および簡単さを与えるが、このように進めることは、工程の複雑さ、最終解決法におけるモジュール性の不足、ロジスティックスの困難さ、経費により、または単純に特定の薬剤または添加剤の存在下で実現可能性がないPET反応性処置のために必ずしも可能でも望ましいとも限らない。さらに、必要とする性能を達成するために非常に高濃度の充填剤(例えば7または8%を超える無機質充填剤濃度)、顔料または添加剤を使用しなければならない場合、添加の困難は、実質上実現可能性がないほど増加する。
【0138】
既に述べたように、本発明の差別化する品質は、極めて軽い容器において事実上の全体遮蔽水準までの非常に多目的な水準の光遮蔽を備えた単層容器が、そこに通常の白色の色を維持し、全くただ従来の設備および処置を使用して、得られることを可能にするということである。このことは、TiO2およびAlを含む遮蔽充填剤の特定の組み合わせ、ならびに濃縮添加剤中に含まれるHIPSの組み込みの両方が与える次の利点のおかげで可能となる。:
【0139】
1. 光遮蔽充填剤の組み合わせによって与えられた利点:TiO2と組み合わせたAlが、光を吸収せず光を反射することによって遮蔽をもたらすという事実により、表1から4で述べたように、以下が可能となる:
【0140】
−遮蔽機能の観点で非常に効率的であるTiO2およびAlの含有率比を含む容器において白色を維持すること。
【0141】
−容器の色に悪影響を及ぼすことなく高含有率の充填剤を組み込むこと。
【0142】
−所与の組成物が与える重量および遮蔽水準の結果としての、容器肉厚間の注目すべき独立性。その理由は、光の吸収ではなく反射に基づくタイプの光遮蔽においては、遮蔽性能に重要な影響を及ぼす因子は表面の組成であって、容器の壁の厚さではないからである。
【0143】
2. 濃縮添加剤中に含まれるHIPSが与える利点:
【0144】
−PET添加剤の経費を最適化するのに十分に高いこれらの濃度を可能にし、非吸湿性、非晶性特性およびその比較的高いTgにより添加処置を単純化するので、無機遮蔽充填剤として優れた担体である。
【0145】
−PETと合わせる場合、HIPSが含む濃縮添加剤がそれと混合されたら、容器のプラスチック構造体の改善をもたらす。
【0146】
HIPSに対して挙げた有利な寄与の詳細は以下の通りであり、他のポリマーと比較して、選択基準が説明される。
【0147】
1. 非吸湿性ポリマー基材:本発明において記載される添加剤百分率(5%〜20%の間)は、基材PETに使用されるのと異なる設備、異なる条件下に実施されなければならない混合の前に添加剤を乾燥しない場合、吸湿性ポリマー基材が、PETマトリックスにそれを分解するのに十分な湿気を取り込むのに十分に高い。その理由は、一緒に実行されれば、PET+添加剤のミックスは、異なる温度特性(PETはおよそ170°の温度で乾燥し、これは多数のポリマーの軟化および/または溶融温度を越えるには十分に高い)を有する材料により異なる密度および/または凝集の作用により分離を起こし、その結果、安定な加工および均質組成を達成するのに物質として不可能となるからである。濃縮物のこの予備乾燥および分離は、従来の設備が通常有しない設備の高額投資を必要とし、適用をより高価にし、結果として設備および処置を相当困難にする。「非吸湿性」ポリマーは、その重量の0.1%未満の最大吸湿能力を有するものであると考えられ、それにより、濃縮物の基材ポリマーによって湿気の潜在的に実現可能な最大限の組み込みは、固まり全体(PET+添加剤)の0.01%未満の水である。その理由は、高い%の湿気があると、PETが可塑化工程中に、その溶融相中で加水分解的に劣化するからである。
【0148】
本発明の記載において、0.07%(0.1%未満)の最大吸湿能力を有するHIPSを多くて10%組み込む組成物が挙げられる。最大10%のHIPSを仮定しそれが完全に湿気で飽和していると見なすと、記載される適用において導入される水の最大限可能な百分率は、0.007%になる。したがって、無機質充填剤を含む濃縮物のポリマー基材としてHIPSが使用される場合、乾燥を回避することは完全に可能である。
【0149】
例えば、0.4%を超える最大吸湿能力を有することを心に留めて、PETがそれ自体、濃縮物のポリマー基材として使用されることになる場合、基材PETに加える最大濃度(10%)のPETの同じ基準を使用し、吸湿の飽和(乾燥しない状態が普通である)を仮定すると、固まり全体に組み込まれる水の比率は0.04%になり、加水分解劣化を回避するのに許容される百分率より大幅に過剰で、ポリマー鎖を壊し、粘度の制御しがたい降下を引き起こす。
【0150】
2. 非晶性構造:この属性は、濃縮物のポリマー基材における結晶領域の欠如に関係する3つの利点を与える:
【0151】
・非晶性ポリマーは決まった融点を有しない。このことは、基材PETおよび濃縮添加剤の混合が、設備の高温地点で、より具体的には乾燥器からの基材PETの出口で、材料が可塑化される前に、ポリオレフィンおよび他の半結晶性プラスチックなどの幾つかの材料の融点より高い、通常150℃を超える温度で実行される場合、この手の事例において非常に重要である。仮に濃縮物の基材材料が混合の時間に溶融することがある場合、PETと練り粉のような固まりを形成し、これは、材料が可塑化システムに入ることを不可能にし、それにより、工程の実現可能性がなくなる。本発明者らがHIPSなどの溶融しない材料を選ぶことによりこれを回避すれば、記載された問題を回避するのに十分に堅牢である適切なTgおよび構造を有し、PETにとって普通の作業条件において工程を実現可能にすることが十分となる。
【0152】
・さらに、TiO2の事例のように高い無機質充填剤含有率に伴って結晶化する強い傾向があるPETプリフォームおよび瓶において生じる主要な問題の1つは、プリフォーム中の結晶領域がブローイングを妨げ、品質不良による損失を増やし処置を妨げるということである。結晶化は、不透明な白っぽい領域を生じ、不透明なプリフォーム中で完全に隠れ続け、プリフォームがブローされるまで検知されず、問題が、容器がブローされるときにより悪くなるという事実により、透明なプリフォーム中で容易に見ることができる。TiO2または他の無機充填剤が共存するときはるかに速くPETが結晶化することを本発明者らが加えるとすれば、これが核剤および結晶化促進剤として働くなら、より非晶性の基材組成物の保証は重要な利点である。添付図は、PETおよび異なるPET混合物を、HIPSを含む他のポリマーと比較するDSCスペクトルを示す。ここで、HIPSが本発明に記載される範囲内である比率で加えられるとき、より非晶性構造への強い傾向を明白に見ることができる。
【0153】
次の表(表5)は、同じ充填剤(9%のTiO2)および異なるポリマーのPETとの混合物を含む容器の収縮%を示す;このパラメーター(収縮%)は非常に重要である。その理由は、混合物によってのみ与えられるPETのものとは異なる収縮が、型の寸法を計算するための式を、既知でPETに使用されたものに関連して変更しなければならないことを意味するからである。
【0154】
【表5】
【0155】
見ることができるように、HIPSは変動を招かないが、ポリアミド−6(PA)、ポリエチレン(PE)および本質的にポリプロピレン(PP)などの、PETとそれほど混和性でない(または相溶性でない)他のポリマーは、PETのみのものより大きい収縮を引き起こす。
【0156】
3. ガラス転移温度(Tg):これは、粘性挙動を得るのに十分な程度に熱可塑性ポリマーが軟化する温度である。求めるプラスチックにおいて、
【0157】
・解決法が産業で合理的に適用されるのを妨害するであろう既に言及した粘着する問題の回避のためには、Tgは、濃縮物が添加されるそのときに、高温のPETと混合されたときに十分に安定な固体構造を保証するのに十分に高く(PETのそれより高く)なければならない。
【0158】
・既に示したように、添加剤のポリマー基材の必須の機能が、PETと一緒に、容器の構造基材を形成することであるので、両ポリマーの合同成形を可能にするためには、TgはPETのTgからあまり離れていてはならない。完全にブロー成形可能であるが、しかしPETのTgから、低すぎるか高すぎるためずっと離れていると考えられるTgを有するポリマーの例は、ポリオレフィン(0℃未満のTg)またはPC(Tg>140℃)である。
【0159】
HIPSは、およそ90℃のTgがPETのそれより高いが、しかしそれに近く、ブローイング工程におけるPETプリフォームの普通の加熱温度より低いのでこれら2つの要求事項を完全に満たし、PETとの合同成形を可能にする。
【0160】
4. 衝撃に対する耐性:PET瓶の品質の1つが、まさに、脆弱性の欠如、および衝撃による破損に対する耐性であるので、これはとりわけ重要である;充填剤または添加剤を組み込む影響によってこの品質を負に変えてはならない。不幸にして、PET中に組み込まれる多量の添加剤がたびたび材料のこの評価された美徳を悪化させることが、引き替えのなかで広く知られている。
【0161】
5. 延性:熱可塑性材料はすべて、それらの間の非常に重要な違いにもかかわらず、破損、望まれない結晶化、脆弱性または外観の変化のいずれかによる最終構造への負の効果を生み出すことなしには越すことができない伸張限界を有する。プリフォームを使用しようと押出されたパリソンを使用しようと、ブローイングによって瓶を形成するためなら、必然的に材料の引張がなければならない。材料の添加剤または混合物を含むブローイングプリフォームの場合であれば、過度の引張りが構造中に剥離および不均質性をもたらし得るので、延性は重要になり、基材PETの引張能力特性を悪化させない充填剤において、濃縮添加剤のための基材としてポリマーを選択することは非常に重要である。PSおよび幾つかの半結晶性PAなどの幾つかのポリマーは、先に言及した様々なものの中でも、他の良好な品質を有するが、それらの低い耐性および引張能力によりプリフォームブローイングを妨げ得る。HIPSは、引張能力(標準ISO 527−2試験による)を有し、これは、PETより最大4倍高い(>60対PETの15)。したがって、強いられた工程条件下でプリフォームを使用して、実際の瓶ブローイング試験で示されたように、HIPSは、PETの引張能力を相当に改善する。
【0162】
6. 混和性:相溶するものと相溶しないものとの間の相溶性の程度を分類別に特徴づけられることができることなく異なる系統のポリマーの混合物間に種々の程度の相溶性があってもよい;しかし、ポリマー間の混和性の程度を評価する、計測可能な方法で使用することができる2つの判定基準に関して一致した意見がある。これらの2つの判定基準は次の通りである:混合物の不透明性の程度および示差走査熱量測定(DSC)などの熱量計グラフでの熱転移の分裂。これらはこの態様を評価するために本発明者らが選んだ判定基準であり、この観点から、およびPET(PETは、それ自体と当然相溶性である。)以外のポリマーを参照して、本発明者らは、結果として混合物中により少ない不透明性、および熱転移の分裂がない混合物のDSCをもたらす最高の程度の親和性を示すより適切なものとして格付けする。記載した実施における混合および加工の問題を回避するより大きい相溶性が好ましい。
【0163】
次の表(表5)は、種々のプラスチックの比較を与え、前述の属性のほか他も含み、そのような方法で提示された種々の属性が、遮蔽充填剤を含む濃縮添加剤のポリマー基材として最も好適と考えられるポリマーとしてのHIPSの選択基準の基礎として−2(最悪のスコア)から+2(最良のスコア)の値を用いて格付けされる。
【0164】
【表6】
【0165】
査定の判定基準および表の解釈
【0166】
比較される熱可塑性樹脂のそれぞれは評価された各コンセプトに関して格付けされ、熱可塑性樹脂のすべては、−2(最悪のスコア)から+2(最も良好なスコア)の尺度を有する、中空品および容器の製造における普通の使用のための潜在的候補である。評価された態様のいずれの負のスコア(0未満)も使用の可能性を除外しないが、それは、そのすべてがあれこれの態様において利点および欠点を有するからである。加工性は、経費を別にすれば評価された態様のすべてに論理上関係する;この理由のために、言及したように、スコア差が「水準を外れる」ことは論理的であり、そのすべてが異なる程度の困難を伴って加工することができ、そのどれも全態様において完全であるわけではない。
【0167】
1. 吸湿性:0.1%を超える吸水性能を含むものの負の評価(これは混合、可塑化前に乾燥することを必要とする)および0.1%未満の吸水性能を有するものの正の評価;(−)と(+)値の間の違いは数量的規準を使用して評価される(PEおよびPPは最吸湿性ではなく、PAは最吸湿性である。)。
【0168】
2. 非晶性:(+)「それ自体」非晶性であるもの、(−)「それ自体」半結晶性であるもの;しかし、PETと混合されたとき、それらがもたらすより大きいまたは小さい非晶性も、4と格付けされる。
【0169】
3.Tg:PETのそれと等しいか近いTgを有するものは0;PETより低いTgを有するものには−1;PETを超えるTgを有するものには+1.
【0170】
4.Tm:Tmがないもの(非晶性)には+1;半結晶性であるが、PETの結晶化温度(ほぼ乾燥温度に一致する)より高いTmを有するものには0;Tmを有するうえに、前記温度が、PET結晶化および乾燥の温度より低いもの(これはPEの事例である。)に−1。
【0171】
5. 加工性:容器の製造に関与する処置はすべて、経験的な試験において考慮に入れた。(乾燥要求事項、添加および混合、溶融状態での押出、可塑化、射出、成形およびブローイング)。
【0172】
6. 破断強さ:2.5mで制御された落下試験において、水で満たした1.0リットルの容器を用いて実施し、合計25から割れた瓶の数を評価した。+2、破損せず;−1、2以下の破損;−2、3以上の破損。
【0173】
7. 伸び:標準化試験(ISO 572−2またはASTM 638)は、射出試験片が壊れる前に耐えることができ、材料の引張能力の見当を与える引張の%を示す。PETのもの(ISOによると15%)より低い値は受け入れがたく、−2(PSの場合2%で、この点で非常に不十分)のスコアが与えられる。PETより高い値は、正と考えられ、15%〜100%の間で+1のスコア、188%を超える(これはPEの事例、この点で最良のものである)場合+2が授与される。
【0174】
8. 混和性:PETと残りの材料の間の融和性の程度の考え方として、ポリエステルは最高点を得、残りは混和性の程度に依存し、混合物のDSC曲線(熱転移の分裂)および不透明性によって示され、その結果、より少ない不透明性および分裂の欠如があるほど、スコアは高い。添付図を参照。
【0175】
9. 経費:遮蔽充填剤、およびそれが分散するポリマーを含む濃縮添加剤の解決法の経済的および実用的実現可能性に影響を及ぼす重要な態様である。
【0176】
結果:提示の本発明のために記載された判定基準によると、HIPSは最上で、比較した残りのプラスチックから明白に抜きん出ている。この評価は、意図する目的にのみ有効で、他の用途におけるプラスチックの適性に決して関係しない。
【図面の簡単な説明】
【0177】
図1】このグラフは、3つの異なる遮蔽充填剤組成物について、可視光線スペクトルの全体にわたる光遮蔽百分率を示す。測定は、同じプラスチックPET基材瓶の壁で遮蔽充填剤のみを変化させて実施した。曲線1:プラスチック構造体としてPET、および遮蔽充填剤として9重量%のTiO2+0.05重量%の光吸収体の組み合わせに基づく、UHTミルクの瓶詰め用に使用される実用的解決法に対応する。この組み合わせから、波長が増加するにつれて、どのように急速にその遮蔽能力を失うかを見ることができる。この容器の色は、L*色=89の容認できる白色である。曲線2:遮蔽剤自体としてAlの有効性を評価するために実施された実験に対応する。この場合、プラスチックPETマトリックスは、遮蔽充填剤として1重量%のAlと組み合わせた。曲線から、Alの高い遮蔽能力を推定することができ、この遮蔽能力はどの波長でも一定のままである。しかし、容器の色は、完全に灰色(L*色<80)であり、見た目は金属であり、その結果、本発明において意図する対象から逸脱する。曲線3:この実験において、遮蔽充填剤は、「曲線1」と同じ濃度のTiO2(9重量%)を有するように、先の実験と同じPET基材を使用し、0.12重量%のAlを含む光吸収体のみを置き換えた。TiO2と組み合わせた従来の光吸収体の代わりにAlを使用した結果、波長が増加するにつれて一層着実に遮蔽水準および維持の非常に重要な強化策となる。さらに、色は「曲線1」中で表される事例よりも白色になり、L*色=90が結果として得られる。
図2.1】示差走査熱量測定(DSC)は、充填剤と一緒に濃縮添加剤中に含まれるポリマー基材に求めた品質を確証するために3つの異なるポリマー組成物(図2.1、2.2および2.3):HIPS;PET、および8重量%のHIPSと混合したPET(PET/HIPS比=11)について示す;これらの品質は次の通りである:明確な融点(サーモグラムはTgで単一の熱転移を見せるはずである)のない非晶性;PETと混合することから帰結するプラスチック構造体に対するより非晶性特性の寄与(PETに対して混合物中で減じるガラス転移)(混合物の熱転移の分裂の欠如)DSC1(HIPS):およそ90°の単一の熱転移(Tg)を示す。結晶化に対応する転移の欠如および溶融は、HIPSの完全な非晶性を示す。意図の通り、Tgは、PETのそれに近く、わずかに高い(PETサーモグラム中で見ることができるように;後者は、Tg転移がおよそ80℃であることを示す。)。よって、HIPSは、融点が無く、PETのTgに近くわずかに高いTgを有するので、提示の容器の製造に関与する処置を容易にする目的で適切である。DSC2(PET):半結晶性ポリマーの3つの熱転移特性を明白に見ることができる:Tgに対応するおよそ80℃の第1;比熱=7.6+ジュール/gを有する結晶化(Tc)に対応するおよそ134℃の第2;比熱−39.2ジュール/gを有する溶融(Tm)に対応するおよそ252℃の第3。DSC3(PET+8%のHIPS):PET単独を指す「DSC2」と比較したとき、以下の具体的な特性を有する半結晶性マトリックスの3つの転移を示す。:a)第1に、3つの転移が同じ温度環境で分裂を伴わずに生じる。それぞれPET単独、およびそれのHIPSとの混合物としての転移は:Tg 81℃対79℃/ Tc 134℃対134℃/ Tm 253℃対251℃である。これは、両ポリマー間に良好な混和性があることを示し、熱変態および容器成形処置においてこれらが非常によく一緒に振る舞うということを示唆する。b)曲線3(PET+HIPS)は、曲線2(PET単独)に比べて顕著に減じる結晶化転移(およそ130℃)を示し、目視(混合物についてより平坦なピーク)および比熱量(PETの7.6J/g対PET+HIPS混合物の4.5J/g)の両方を見れば明白である。低い比結晶化熱を結晶化が低い傾向と解釈しなければならないなら、PETと混合されたHIPSは、記載される容器のポリマーマトリックスにおいて求められる、減じた結晶化特性を有する後者を与えると結論付けることができる。
図2.2】示差走査熱量測定(DSC)は、充填剤と一緒に濃縮添加剤中に含まれるポリマー基材に求めた品質を確証するために3つの異なるポリマー組成物(図2.1、2.2および2.3):HIPS;PET、および8重量%のHIPSと混合したPET(PET/HIPS比=11)について示す;これらの品質は次の通りである:明確な融点(サーモグラムはTgで単一の熱転移を見せるはずである)のない非晶性;PETと混合することから帰結するプラスチック構造体に対するより非晶性特性の寄与(PETに対して混合物中で減じるガラス転移)(混合物の熱転移の分裂の欠如)DSC1(HIPS):およそ90°の単一の熱転移(Tg)を示す。結晶化に対応する転移の欠如および溶融は、HIPSの完全な非晶性を示す。意図の通り、Tgは、PETのそれに近く、わずかに高い(PETサーモグラム中で見ることができるように;後者は、Tg転移がおよそ80℃であることを示す。)。よって、HIPSは、融点が無く、PETのTgに近くわずかに高いTgを有するので、提示の容器の製造に関与する処置を容易にする目的で適切である。DSC2(PET):半結晶性ポリマーの3つの熱転移特性を明白に見ることができる:Tgに対応するおよそ80℃の第1;比熱=7.6+ジュール/gを有する結晶化(Tc)に対応するおよそ134℃の第2;比熱−39.2ジュール/gを有する溶融(Tm)に対応するおよそ252℃の第3。DSC3(PET+8%のHIPS):PET単独を指す「DSC2」と比較したとき、以下の具体的な特性を有する半結晶性マトリックスの3つの転移を示す。:a)第1に、3つの転移が同じ温度環境で分裂を伴わずに生じる。それぞれPET単独、およびそれのHIPSとの混合物としての転移は:Tg 81℃対79℃/ Tc 134℃対134℃/ Tm 253℃対251℃である。これは、両ポリマー間に良好な混和性があることを示し、熱変態および容器成形処置においてこれらが非常によく一緒に振る舞うということを示唆する。b)曲線3(PET+HIPS)は、曲線2(PET単独)に比べて顕著に減じる結晶化転移(およそ130℃)を示し、目視(混合物についてより平坦なピーク)および比熱量(PETの7.6J/g対PET+HIPS混合物の4.5J/g)の両方を見れば明白である。低い比結晶化熱を結晶化が低い傾向と解釈しなければならないなら、PETと混合されたHIPSは、記載される容器のポリマーマトリックスにおいて求められる、減じた結晶化特性を有する後者を与えると結論付けることができる。
図2.3】示差走査熱量測定(DSC)は、充填剤と一緒に濃縮添加剤中に含まれるポリマー基材に求めた品質を確証するために3つの異なるポリマー組成物(図2.1、2.2および2.3):HIPS;PET、および8重量%のHIPSと混合したPET(PET/HIPS比=11)について示す;これらの品質は次の通りである:明確な融点(サーモグラムはTgで単一の熱転移を見せるはずである)のない非晶性;PETと混合することから帰結するプラスチック構造体に対するより非晶性特性の寄与(PETに対して混合物中で減じるガラス転移)(混合物の熱転移の分裂の欠如)DSC1(HIPS):およそ90°の単一の熱転移(Tg)を示す。結晶化に対応する転移の欠如および溶融は、HIPSの完全な非晶性を示す。意図の通り、Tgは、PETのそれに近く、わずかに高い(PETサーモグラム中で見ることができるように;後者は、Tg転移がおよそ80℃であることを示す。)。よって、HIPSは、融点が無く、PETのTgに近くわずかに高いTgを有するので、提示の容器の製造に関与する処置を容易にする目的で適切である。DSC2(PET):半結晶性ポリマーの3つの熱転移特性を明白に見ることができる:Tgに対応するおよそ80℃の第1;比熱=7.6+ジュール/gを有する結晶化(Tc)に対応するおよそ134℃の第2;比熱−39.2ジュール/gを有する溶融(Tm)に対応するおよそ252℃の第3。DSC3(PET+8%のHIPS):PET単独を指す「DSC2」と比較したとき、以下の具体的な特性を有する半結晶性マトリックスの3つの転移を示す。:a)第1に、3つの転移が同じ温度環境で分裂を伴わずに生じる。それぞれPET単独、およびそれのHIPSとの混合物としての転移は:Tg 81℃対79℃/ Tc 134℃対134℃/ Tm 253℃対251℃である。これは、両ポリマー間に良好な混和性があることを示し、熱変態および容器成形処置においてこれらが非常によく一緒に振る舞うということを示唆する。b)曲線3(PET+HIPS)は、曲線2(PET単独)に比べて顕著に減じる結晶化転移(およそ130℃)を示し、目視(混合物についてより平坦なピーク)および比熱量(PETの7.6J/g対PET+HIPS混合物の4.5J/g)の両方を見れば明白である。低い比結晶化熱を結晶化が低い傾向と解釈しなければならないなら、PETと混合されたHIPSは、記載される容器のポリマーマトリックスにおいて求められる、減じた結晶化特性を有する後者を与えると結論付けることができる。
図3】これは、光遮蔽充填剤のない状態において、PET混合物が常に比率91重量%で存在し、各事例で混合されたポリマーは比率8重量%で存在するような、他のポリマーとのPETの種々の混合物の透明度を表す。グラフの縦軸は容器の壁を透過する光の%を示し(すべての事例で同じ)、横軸は異なる可視光線スペクトル波長を示し;透過率百分率が大きいほど透明性は高い。ポリマー間の混和性(時には総称的に「相溶性」と呼ばれるが、前記相溶性の態様が説明されなければ、これはそれほど適正ではない)を評価する容認された判定基準の1つが、透明性が大きいほど混和性は高いというポリマーの混合物の透明度であるなら、濃縮物中に含まれる化合物のすべてとのPETの混合物が、記載される容器の実際的な補正実施を保証するように均質でなければならない場合に最も透明な混合物は本発明の場合にはより適切になる。グラフは、試験した種々のポリマーとのPETの混和性に大きい違いを示す。PPは、10%〜30%の間の透過率百分率を与えるので、PETと実質上混和しないと考えることができるが、HIPSとの混合は、40%〜70%の間の透過率百分率を有し顕著に混和性である。
図4.1】図3に示す混合物(8重量%のHIPS、PA、PEおよびPPを含む91重量%のPET)のDSCを提示して、PETと混合した場合、PA、PEおよびPPと比較して、HIPSの混和性の程度が高いほど、また、大きい熱的相溶性の形態を取るか調べる。種々のDSCグラフ(図4.1、4.2、4.3、4.4)は、以下を示す:a)DSC1:「図2」の「DSC3」(「図4」の「DSC1」と同じ)において既に見たように、PET+HIPS混合物は完全に熱的に相溶性である。このことは、より大きい透明性と矛盾しないが、それは、良好な混和性がある場合、本発明者らは、分裂の出現がない混合物の成分の両方の特性の幾つかを共有する均質混合物を予想することができるからである。b)DSC2(PET+PE)、3(PET+PP)および4(PET+PA)において、PETのピークから離れて熱転移ピークによって明らかにされる熱的分裂が出現する。これらのピークは、挙げられた混合物ポリマーのそれぞれの融点と一致する(PEでおよそ100℃;PPでおよそ160℃、PAでおよそ220℃)。これらの熱的分裂は、PETとの混合物においてHIPSで生じるものと異なり、熱変態処置中に結束をほとんど有しないという挙動を示唆する。
図4.2】図3に示す混合物(8重量%のHIPS、PA、PEおよびPPを含む91重量%のPET)のDSCを提示して、PETと混合した場合、PA、PEおよびPPと比較して、HIPSの混和性の程度が高いほど、また、大きい熱的相溶性の形態を取るか調べる。種々のDSCグラフ(図4.1、4.2、4.3、4.4)は、以下を示す:a)DSC1:「図2」の「DSC3」(「図4」の「DSC1」と同じ)において既に見たように、PET+HIPS混合物は完全に熱的に相溶性である。このことは、より大きい透明性と矛盾しないが、それは、良好な混和性がある場合、本発明者らは、分裂の出現がない混合物の成分の両方の特性の幾つかを共有する均質混合物を予想することができるからである。b)DSC2(PET+PE)、3(PET+PP)および4(PET+PA)において、PETのピークから離れて熱転移ピークによって明らかにされる熱的分裂が出現する。これらのピークは、挙げられた混合物ポリマーのそれぞれの融点と一致する(PEでおよそ100℃;PPでおよそ160℃、PAでおよそ220℃)。これらの熱的分裂は、PETとの混合物においてHIPSで生じるものと異なり、熱変態処置中に結束をほとんど有しないという挙動を示唆する。
図4.3】図3に示す混合物(8重量%のHIPS、PA、PEおよびPPを含む91重量%のPET)のDSCを提示して、PETと混合した場合、PA、PEおよびPPと比較して、HIPSの混和性の程度が高いほど、また、大きい熱的相溶性の形態を取るか調べる。種々のDSCグラフ(図4.1、4.2、4.3、4.4)は、以下を示す:a)DSC1:「図2」の「DSC3」(「図4」の「DSC1」と同じ)において既に見たように、PET+HIPS混合物は完全に熱的に相溶性である。このことは、より大きい透明性と矛盾しないが、それは、良好な混和性がある場合、本発明者らは、分裂の出現がない混合物の成分の両方の特性の幾つかを共有する均質混合物を予想することができるからである。b)DSC2(PET+PE)、3(PET+PP)および4(PET+PA)において、PETのピークから離れて熱転移ピークによって明らかにされる熱的分裂が出現する。これらのピークは、挙げられた混合物ポリマーのそれぞれの融点と一致する(PEでおよそ100℃;PPでおよそ160℃、PAでおよそ220℃)。これらの熱的分裂は、PETとの混合物においてHIPSで生じるものと異なり、熱変態処置中に結束をほとんど有しないという挙動を示唆する。
図4.4】図3に示す混合物(8重量%のHIPS、PA、PEおよびPPを含む91重量%のPET)のDSCを提示して、PETと混合した場合、PA、PEおよびPPと比較して、HIPSの混和性の程度が高いほど、また、大きい熱的相溶性の形態を取るか調べる。種々のDSCグラフ(図4.1、4.2、4.3、4.4)は、以下を示す:a)DSC1:「図2」の「DSC3」(「図4」の「DSC1」と同じ)において既に見たように、PET+HIPS混合物は完全に熱的に相溶性である。このことは、より大きい透明性と矛盾しないが、それは、良好な混和性がある場合、本発明者らは、分裂の出現がない混合物の成分の両方の特性の幾つかを共有する均質混合物を予想することができるからである。b)DSC2(PET+PE)、3(PET+PP)および4(PET+PA)において、PETのピークから離れて熱転移ピークによって明らかにされる熱的分裂が出現する。これらのピークは、挙げられた混合物ポリマーのそれぞれの融点と一致する(PEでおよそ100℃;PPでおよそ160℃、PAでおよそ220℃)。これらの熱的分裂は、PETとの混合物においてHIPSで生じるものと異なり、熱変態処置中に結束をほとんど有しないという挙動を示唆する。
図5】TiO2と組み合わせて使用する光遮蔽充填剤を与えるタイプ、濃度および手段が容器の色に及ぼす影響を示す。グラフ1:HIPS、TiO2および光吸収体(酸化鉄)を含有する種々の濃縮物をPETに添加し混合し、互いの濃縮物の間でそれは1つから別のものに光吸収体の相対濃度のみを変えた一連の実験に関する。実験は、表2の容器1、2、3および4に関する。濃縮物の用量は常に17重量%であり、容器中のTiO2含有率はおよそ10重量%で一定のままであり、吸収体含有率のみを互いに変化させる。吸収体の百分率が増加するにつれて、L*色(白色の測定)が劇的に減少することを見ることができる。グラフ2:この場合、先の事例のように、濃縮物中の光吸収体をAlと置き換えて同じ処置を続けた。容器中の濃縮物添加百分率およびTiO2含有率は、先の事例のように、やはり17重量%および10重量%である。(表2の実験5、6、7、8および9)。この場合、Alの百分率の増加は容器色をほとんど変化させない。グラフ3:示した実験は、表3の7つの容器に関する。この場合、TiO2/Al=60の重量比でHIPS、TiO2およびAlを含む同じ濃度の添加剤を使用し、PETに加える濃縮添加剤の量を増加させた。
【発明を実施するための形態】
【0178】
本発明の主題である単層の不透明な容器は、容器を成形可能にし、このプラスチックマトリックスがポリエチレンテレフタラート(PET)および耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を含むように、形状および物理的構造を構成可能にする熱可塑性マトリックスを含む;また、これは、前記無機充填剤が二酸化チタン(TiO2)および金属アルミニウム(Al)を含むように光遮蔽機能を満たす少なくとも2種の不透明化する無機充填剤を含む。
【0179】
本発明の実施は、HIPS、TiO2およびAlを含む濃縮添加剤が濃縮添加剤対最終組成の合計重量の7重量%〜20重量%の間の比率でPETに添加される処置を含む。この操作は、容易に利用可能な投与ユニットによってマスタバッチ形態で、着色剤または他の添加剤をPETに組み込む通常の操作に類似する。ただし、本発明者らの事例において、添加剤の比率は、例えばPETの着色(通常1〜2%)に必要とされるものと比べて相対的に非常に高いという点を除く。本発明者らの発明の実施に必要とされる高率の用量は、記載される容器が必要とする光遮蔽水準(常に90%を超え;通常95%を超え、最大99.9%または事実上絶対的まで達成可能な)を達成するために必要な無機遮蔽充填剤の高い比による。PETとの混合のための濃縮物の投与は、好ましくは乾燥減湿ユニットからのPETの出口と、プリフォーム射出前に溶融した固まりの混合、可塑化および押出用の槽への材料入口との間の地点で濃縮添加剤を添加して成功裡に実施された。
【0180】
さらに、記載したように、高水準の添加により充填剤を添加する操作を保証し、しかも容器に適切な構造基材を形成するために適切なプラスチック媒体を見つけることが望ましい。先に本発明者らの事例で見られたように、HIPSは、他の可能な材料に対して特に適切な材料であることがわかった。
【0181】
無機遮蔽充填剤を適当に選択し組み合わせることはまた解決法の成功のための決定的要因である。TiO2は高度な遮蔽材料である;これは、容器において通常容認された白色の色を与え、よく知られていて手頃である(反射法によって容器の表面で測定したCie−L*a*b*尺度でL*色>86は、通常、許容されると考えられる。)しかし、本発明者らの事例においては事実上絶対的な遮蔽が求められるので、TiO2単独であれば、工業的操作は非常に困難であり費用がかかりすぎるような高用量を必要とする。通常、黒色の光吸収剤を添加するなどの他のよく知られている組み合わせの選択肢がある;しかしこれは、大量の吸収剤は必要とする単層容器においては、望ましくない灰色がかった外観を結果としてもたらし、TiO2が容器に与える魅力的な光沢を曇らせる。したがって、光遮蔽に対する効率的な補完として、光反射材料が求められた;さらに、これは、容易に分散可能で、手頃で、一般に使用され、好ましくは、容器表面の色を目立つ程度に変えないために種々の波長で特定の反射ピークを含まないでスペクトル全体にわたって反射によってさえ遮蔽を与えなければならない。この点に関して、遮蔽と色の間の妥協を決定するのはTiO2/Alの比である。
【0182】
選択されたTiO2とAlの間の比は、50〜150の範囲(TiO2の重量)/(Alの重量)で、通常の重量を有する単層容器において事実上全体の光保護という最も野心的な目的を達成するのに十分である。既に略述したように、全体遮蔽の目的を満たす完全に実施可能な実現において150を超えるTiO2/Al重量比は非効率的であり、50未満の値は必要ではない。さらに、主成分の無機遮蔽充填剤(本発明者らの事例ではTiO2およびAl)の重量間の特定の比は、組成物の特定の遮蔽潜在力を決定し、その結果、所与の比に対して、容器の遮蔽水準を十分な精度で予測することができ、特定の容器に求められる遮蔽を与えるのに必要な充填剤の量を推定するのは容易である。
【0183】
PET/HIPS重量比に関して、PETは常に主要な成分であり、HIPSの比は2つの必須条件を満たさなければならない:第1に、それは、機能的で経済的に妥当な比率で濃縮添加剤に含まれる充填剤に対するビヒクルとして役立たなければならない。および、第2に、構造プラスチックマトリックスに対するその寄与は、PET単独で得られるそれより非晶性特性を与えるために望ましい;この点に関して、種々のPET/HIPS比および他のプラスチックを含むプラスチックマトリックスの比結晶化熱を求めるために熱量測定を実施した。使用する試料は、溶融材料からの強制凍結を受けたものであるので、試験を始めるときは非晶性状態であり、その結果、より低い比結晶化熱により、結晶化傾向は目立たない(より非晶性)。実施した試験は、HIPSの存在がPETの結晶化傾向を阻止することを示し、このことは常に有用であり、充填剤の存在下では、この場合、PETにこれを含んでいるとき、はるかに高い結晶化傾向を有するのでより一層有用である。PET/HIPSのミックスの一般に有用な作用にもかかわらず、技術的、経済的に実現可能な比の限界を定めることが望ましいと考えられる。濃縮物中の充填剤が70%を越える(HIPSは30%未満)と、分散の問題が生じ始め、したがって、許容されないと考えられ、50%未満の充填剤であると、軽量容器において絶対的な遮蔽水準に達するために必要な投与は、経済的な観点から有利ではない。よって:最大限のPET/HIPS比(低装填および高用量):8〜10の間のPET/HIPS比;および高装填(70%)および低用量(7%)、30を超えるPET/HIPS比となる。よって、限界は10〜50の間で決定される。
【0184】
遮蔽充填剤中に含まれるTiO2対Al、および構造プラスチックマトリックス中に含まれるPET対HIPSのための適切で実現可能な比を特定したので、十分な機能的寄与と解決法の採算性の間の妥協を念頭において、濃縮物の調製を確実に実現可能にすることが必要である。この点に関して、容器の合計重量に対して20重量%を超える濃縮添加剤である濃縮添加剤の必要とされる用量は、用量が多いほど加工費が大きいなら、過剰であると考えられる。HIPS、TiO2およびAlを含む濃縮物を製造することは実現可能であると考えられ、TiO2+Alの重量は、50%(濃縮物中のTiO2のより少ない濃度は、最終の負の経済効果で、事実上絶対的遮蔽を獲得するために過度の高用量を必要とする。)から70%(無機充填剤の70%を越える困難は、分散および非効率的な処置に関して遭遇した)の間にある;好ましくは、およそ60%のTiO2およびAlを含有する無機充填剤の濃度および35%〜40%の間のHIPSの濃度が濃縮物中で使用された。以下は、55重量%〜65重量%の間のTiO2およびAlを含む充填剤ならびに35重量%〜45重量%のHIPSを含む熱可塑性マトリックスを含む濃縮物が使用されたプリフォームからブローした容器の実施形態の例である。容器中に含まれるプラスチックPET基材への濃縮物の添加を、既に示したように80%〜93%の間の添加剤用量で実施した。例に見ることができるように、提示の本発明は、記載されたように完全に実現可能である。
【0185】
したがって、本発明者らは、熱可塑性マトリックスが10〜50の間の重量比(PET/HIPS)でPETとHIPSを含み、また50〜150の重量比(TiO2/Al)でTiO2およびAlを含むように、構造熱可塑性マトリックスおよび、熱可塑性マトリックス中で分散した少なくとも2種の光遮蔽機能を有する不透明化無機充填剤を含む単層容器を関連づけ;その結果、PETは、容器の合計重量に対して80重量%〜93重量%の間のPETの比率で含まれ、TiO2は、容器の合計重量に対して5重量%〜14重量%の間のTiO2の比率で含まれる。
【0186】
実施例
実施例1(表3−発明1)
濃縮物が、TiO2/Al比=100である65重量%の無機遮蔽充填剤を含むように、9%の濃縮物(0.09=濃縮物の重量/(PETの重量+濃縮物の重量))と標準PETの添加および混合による。容器中に含まれるPETの重量%は91%であり、容器中に含まれるTiO2の重量は5.8%であり、PET/HIPS比=32である。
【0187】
結果は、1リットルの容量の不透明な白色瓶、および27gの合計重量、96%の適用範囲の遮蔽である。これは、中程度の期間の間、敏感な食品、例えばESLミルクを3週間または4週間の時間保存するには十分な遮蔽を備えた容器である。
【0188】
実施例2(表3−発明2)
濃縮物が、TiO2/Al比=75である65重量%の無機遮蔽充填剤を含むように、17%の濃縮物(0.17=濃縮物の重量/(PETの重量+濃縮物の重量))の標準PETへの添加による。容器中に含まれるPETの重量%は83%であり、容器中に含まれるTiO2の重量は10.9%であり、PET/HIPS比=15である。
【0189】
結果は、1リットルの容量の不透明な白色瓶、および28gの重量、非常に高い遮蔽(99.9%)を有し、これは、長期間の間、非常に敏感な食品、例えばUHTミルクを、4月を超える期間、保存するのに十分である。
【0190】
実施例3(表3−発明3)
濃縮物が、TiO2/Al比=60である60重量%の無機遮蔽充填剤を含むように、20%の濃縮物(0.2=濃縮物の重量/(PETの重量+濃縮物の重量))の標準PETへの添加による。容器中に含まれるPETの重量%は80%であり、容器中に含まれるTiO2の重量は11.8%であり、PET/HIPS比=11である。
【0191】
結果は、1リットルの容量の不透明な白色瓶、および21gの合計重量、96>99.9%の全体遮蔽(>99.9%)である。この実験は、本発明の適用によって、実質上全体遮蔽の単層瓶の重量をより普通のもの(実施例2)に対して最大25%低下させ、遮蔽充填剤含有率を10重量%未満増加する可能性を示す。
【0192】
実施例4(表3−発明4)
濃縮物が、TiO2/Al比=60である65重量%の無機遮蔽充填剤を含むように、20%の濃縮物(0.2=濃縮物の重量/(PETの重量+濃縮物の重量))の標準PETへの添加による。容器中に含まれるPETの重量%は80%であり、容器中に含まれるTiO2の重量は12.8%であり、PET/HIPS比=13である。
【0193】
結果は、既知の最軽量(19g)の1リットル単層瓶、色は白色、事実上の全体光遮蔽であり、技術の現状に対する本発明の貴重な貢献を示す。
【0194】
実施例5(表1の容器)
実験のこのシリーズは、黒の光吸収体(この場合酸化鉄)とのTiO2の組み合わせに基づいた通常の解決法と比較して遮蔽充填剤中に含まれるTiO2とAlの組み合わせ(50〜150の間のTiO2重量対Al重量の比の)の有効性を評価した。目的は、可能な限り高いL*色、どんな場合もL*色>86(通常の白色)を維持することである。
【0195】
・容器1から9。
【0196】
実験はすべて、次のパラメーターおよび属性をことさら一定のままにした容器で実行した:
【0197】
−製造の方式および方法:1リットルの容量、単層の瓶、およそ28gの重量、同じ成形工具を使用して、遮蔽充填剤の組み込みが、常に、先に減湿した標準PET流に投与し混合したHIPS(濃縮物の重量に対して36〜36.5重量%のHIPS)およびTiO2(濃縮物の重量に対して59.5〜60重量%のTiO2)を含有する濃縮添加剤を使用して実行されるように作る。
【0198】
−添加剤用量:PETに加える添加剤が17%の添加剤の重量対PET+添加剤の重量。
−充填剤の合計含有率:およそ10%(10%〜10.4%の間)、全事例で、遮蔽充填剤中に含まれる主要成分はTiO2である。
−容器中に含まれるPETの%:およそ83%のPET重量対容器重量。
−容器中に含まれる%TiO2:およそ10%(9.9%〜10.3%の間)のTiO2重量対容器重量。
−PET/HIPS重量比:およそ13、ほぼ全事例で。
【0199】
・容器1から4。
【0200】
この一連の実験において、TiO2対光吸収体(酸化鉄)の重量比のみを、(TiO2重量)/(吸収体重量)比が340〜145の間になるように互いの容器で変えた。表1で見ることができるように、TiO2/吸収体比が減少するほど、遮蔽水準は増加し(より大きい遮蔽%)、反対に、L*色は系統的に劇的に低下し容器を顕著により暗くする。容器中の吸収体のより大きい比率を犠牲にして遮蔽が増すほどL*色が暗くなるという事実は、TiO2および光吸収体の組み合わせに基づく遮蔽充填剤を含む従来の解決法の典型的な挙動であり、経済的に実現可能な重量を有する白色容器において全体遮蔽を達成する特大の困難において決定的であり、このことは、なぜ、現在まで、単層の方式でこのタイプの容器に利用可能な実用的解決法がなかったかについて説明する。
【0201】
・容器5から9。
【0202】
光吸収体を光反射材(Al)と置き換えた点、および、容器5から9を、(TiO2の重量)/(Alの重量)比が147〜54の間になるようにTiO2対Alの重量比の観点でのみ互いに変えた点で先のシリーズ(1から4)と異なる。表1に見ることができるように、TiO2/Al比が減少するにつれて、L*色が系統的に低下することなく、実質上安定なままで遮蔽水準は増加する(より大きい%の遮蔽)。含まれるAlの比率および容器遮蔽に関係なく、高いL*色値(顕著に白色の容器)を維持するこの可能性は、通常白色で、経済的に有利な単層容器において絶対的な光遮蔽を達成するために本発明を実行することによる可能性を決定づける;これは本発明以前には可能でなかった。
【0203】
実施例6(容器1から7−表2)
表2に示す試験のこのシリーズは、遮蔽充填剤中に含まれるTiO2およびAlの同じ重量比(事例1から7のすべてにおいてTiO2重量/Al重量=60)に対して、容器中に含まれる遮蔽充填剤の%が増すにつれて、はるかに白色の容器の色(より高いL*色)をもたらす驚くべき効果を示す。
【0204】
容器はすべて同一形状の1リットルの単層の瓶であり、1から7で表した系列においてPETへ濃縮物を添加するための指針は、以下の通りであった:
【0205】
・容器1:60%のTiO2(それを含む添加剤の合計重量に対するTiO2の重量で)を含む9%の添加剤(添加剤の重量プラスPETの重量に対する添加剤の重量で)の標準PETへの添加。
・容器2:65重量%のTiO2を含む12重量%の添加剤の標準PETへの添加。
・容器3:60重量%のTiO2を含む16重量%の添加剤の標準PETへの添加。
・容器4:60重量%のTiO2を含む17重量%の添加剤の標準PETへの添加。
・容器5:60重量%のTiO2を含む18重量%の添加剤の標準PETへの添加。
・容器6:65重量%のTiO2を含む19重量%の添加剤の標準PETへの添加。
・容器7:65重量%のTiO2を含む20重量%の添加剤の標準PETへの添加。
【0206】
TiO2の百分率が対応する容器のL*色と関係する場合、2つのパラメーター間の直接の、実質上線形の関係を得ることができる;その結果、容器中で含まれるTiO2とAlの間の一定の重量比に対して、所与の遮蔽および所与のTiO2含有率について、所与の容器において得られる色を良好な近似で予測することが可能である。TiO2が増加するにつれて色はより白色になるという事実は、本発明の実施で、顕著に白色の色、および全体遮蔽を備えた単層容器を得る可能性を裏書きする。
【0207】
実施例7
本発明の別の代替実施形態を、好ましいものではないが、主成分の充填剤としてTiO2を含有する遮蔽充填剤を先に分散した従来式でないPETを使用して試験した。
【0208】
この実験において基材として使用するPETは、5重量%のTiO2を含む。このPET基材を使用して製造し、他の添加剤を含まない27gの重量の1リットル瓶は、90%の遮蔽水準を与える。
【0209】
本発明のこの実施形態を、HIPS、TiO2およびAlを含有する10重量%の濃縮添加剤を、5重量%のTiO2を含有するPET基材に添加して実施した;濃縮添加剤は、その結果、60重量%のTiO2およびTiO2/Al=50の重量比を含む。本発明の従ってこのように作った、先の事例で記載されたのと同じ1リットルの容器は、濃縮物の添加のおかげで、次の特性を有する:
・重量:28g
・含まれるTiO2:11%
・含まれるPET:85%
・PET/HIPS重量比:23
・TiO2/Al重量比:90
・遮蔽%:>99%
【0210】
本発明の適用の他の例は表4に記載される容器のものである。前記表の容器1から5は単層の瓶であり、その実施は、先の実施例と同様、添加剤がHIPS、TiO2およびAlを含み、TiO2/Al重量比が前記瓶のそれぞれで異なるように、濃縮物をPET(この場合やはり標準PET)に添加、混合する処置を伴う。表4の容器のそれぞれ1つを達成するのに関与する濃縮添加剤の特性は、以下の通りである:
【0211】
・容器1:濃縮添加剤は31%のHIPSを含み、65%の光遮蔽充填剤を含み、前記百分率は、それぞれ添加剤の合計重量に対してHIPSおよび充填剤の重量で表され;その結果、遮蔽充填剤中に含まれるAlの重量でTiO2の重量を除することから得られる比は、150(TiO2重量/Al重量)=150)である。
【0212】
・容器2および3:濃縮添加剤は31重量%のHIPSを含み、65重量%の光遮蔽充填剤を含み、その結果、遮蔽充填剤中に含まれるAlの重量でTiO2の重量を除することから得られる比は、60(TiO2重量/Al重量)=60)である。
【0213】
・容器4:濃縮添加剤は41重量%のHIPSを含み、65重量%の光遮蔽充填剤を含み、その結果、遮蔽充填剤中に含まれるAlの重量でTiO2の重量を除することから得られる比は、60である。
【0214】
・容器5:濃縮添加剤は31重量%のHIPSを含み、65重量%の光遮蔽充填剤を含み、その結果、遮蔽充填剤中に含まれるAlの重量でTiO2の重量を除することから得られる比は、50である。
【0215】
驚いたことに、容器中に含まれる遮蔽充填剤の百分率が大きいほど(したがって遮蔽の水準が大きいほど)、L*色は高く、容器表面をより白色にし、前述の比のTiO2およびAlを含む大量の遮蔽充填剤を組み込む可能性と矛盾せず、容器において高水準の光遮蔽および顕著に白色の色を同時に達成することがわかる。
図1
図2.1】
図2.2】
図2.3】
図3
図4.1】
図4.2】
図4.3】
図4.4】
図5