(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0018】
まず、本実施形態によるスイッチ装置100の構造を、
図1〜
図16を参照しながら説明する。
【0020】
図1および
図2に示すスイッチ装置100は、自動四輪車に搭載されるパワーウインドウスイッチモジュールである。スイッチ装置100は、自動四輪車の運転席、助手席、後部右座席、および後部左座席の各窓をそれぞれ開閉するためのものであり、運転席の近傍のアームレストに設置される。
【0021】
スイッチ装置100には、
図1に示す上ケース1、下カバー2、基板3、接点モジュール4、スライダ8、および操作ノブ9などが備わっている。上ケース1、下カバー2、接点モジュール4のハウジング5、6、スライダ8、および操作ノブ9は、合成樹脂で形成されている。基板3は、たとえばガラスエポキシ基板から成る。接点モジュール4のコンタクト7は、銅などの導電性を有する金属で形成されている。
【0022】
上ケース1は、ほぼ箱状に形成されていて、下方へ開口している。
図2に示すように、下カバー2を上ケース1の下部に嵌め合わせることで、上ケース1の開口部分が塞がれる。
図1に示すように、下カバー2の下部には、下方へ突出するようにコネクタ部2aが形成されている。
【0023】
上ケース1の上部には、4つのノブ取付け部1aが形成されている。ノブ取付け部1aの内側は、上ケース1内へ連通するように、開口している(
図9、
図13)。4つの操作ノブ9は、各ノブ取付け部1aを上方Uから覆うように、各ノブ取付け部1aに取り付けられる。
【0024】
詳しくは、各操作ノブ9の左右側面に設けられた軸孔9bに、各ノブ取付け部1aの左右側面に設けられた支持軸1bを係合することで、
図2に示すように、各操作ノブ9が各ノブ取付け部1aに取り付けられる。支持軸1bは、左右方向L、Rと平行になっている。このため、各操作ノブ9は、支持軸1bを中心として開閉方向(
図9や
図13などで反時計回りと時計回り)へ揺動可能となる。なお、各操作ノブ9は、図示しないクリック機構により、非操作時に中立状態を保持し、かつ開閉方向へそれぞれ2段階で揺動可能になっている。
【0025】
図2において、操作ノブ9
(DR)は、運転席(前部右座席)の窓を開閉させる際に操作される。操作ノブ9
(AS)は、助手席(前部左座席)の窓を開閉させる際に操作される。操作ノブ9
(RR)は、後部右座席の窓を開閉させる際に操作される。操作ノブ9
(RL)は、後部左座席の窓を開閉させる際に操作される。これらのうち、最も操作頻度が高いのは、運転席の窓用の操作ノブ9
(DR)である。次に操作頻度が高いのは、一般には助手席の窓用の操作ノブ9
(AS)である。
【0026】
図1および
図2に示すように、ノブ取付け部1aを除いて、上ケース1の上面1cは平坦になっているが、上ケース1の下部は二段状になっている。詳しくは、上ケース1のノブ取付け部1aが設けられた後部(B方向側の部分)の下方Dへ向かう高さ(厚み)が、上ケース1の前部(F方向側の部分)の下方Dへ向かう高さより低くなっている。これに合わせて、下カバー2の前部より後部の方が上方Uへ持ち上がっている。
【0027】
図1の基板3は、上ケース1の高さが高い前部の内側に収納される(
図9、
図13)。
図2の組立状態で、基板3は、たとえば下カバー2上にねじなどで固定されている。基板3の前部には、複数のコネクタ端子10(
図1)が実装されている。各コネクタ端子10は、下カバー2のコネクタ部2aに係合する。
【0028】
基板3の上面の後端部
、すなわち操作ノブ9側(B方向側)
の端部には、複数(14個)の固定接点Xが左右方向L、R(第1方向)に1列に並ぶように設けられている。各固定接点Xは、銅箔から成る。
【0029】
図4に示すように、基板3の右側Rから左側Lへ向かって、最初の3つは、運転席の窓のオープン用固定接点X
(DRO)、クローズ用固定接点X
(DRC)、およびオート用固定接点X
(DRA)である。次が、第1コモン用固定接点X
(CM1)である。その次の3つが、後部右座席の窓のオート用固定接点X
(RRA)、クローズ用固定接点X
(RRC)、およびオープン用固定接点X
(RRO)である。その次の3つが、後部左座席の窓のオート用固定接点X
(RLA)、クローズ用固定接点X
(RLC)、およびオープン用固定接点X
(RLO)である。その次の3つが、助手席の窓のオープン用固定接点X
(ASO)、クローズ用固定接点X
(ASC)、およびオート用固定接点X
(ASA)である。そして、最も左側Lにあるのが、第2コモン用固定接点X
(CM2)である。
【0030】
図1に示す接点モジュール4は、2ピース構造のハウジング5、6と、コンタクト7から構成されている。
【0031】
コンタクト7は、
図6に示すように櫛状に形成されていて、弾性を有する複数(14本)の線状部(櫛歯に相当する部分)7aを有している。各線状部7aは、片持ち梁状に形成されていて、根元部7bで互いに繋がっている。各線状部7aの先端側は下方Dへ向かって折れ曲がっていて(
図10など)、その先端の下面には可動接点Yがそれぞれ形成されている。各可動接点Yは、下方Dへ突出するように円弧状になっている。線状部7aおよび可動接点Yは、基板3の固定接点Xにそれぞれ1対1で対応するように複数(14個ずつ)設けられている。
【0032】
図6に示すように、コンタクト7の右側Rから左側Lへ向かって、最初の3つは、運転席の窓のオープン用の線状部7a
(DRO)および可動接点Y
(DRO)、クローズ用の線状部7a
(DRC)および可動接点Y
(DRC)、オート用の線状部7a
(DRA)および可動接点Y
(DRA)である。次が、第1コモン用の線状部7a
(CM1)および可動接点Y
(CM1)である。その次の3つが、後部右座席の窓のオート用の線状部7a
(RRA)および可動接点Y
(RRA)、クローズ用の線状部7a
(RRC)および可動接点Y
(RRC)、オープン用の線状部7a
(RRO)および可動接点Y
(RRO)である。その次の3つが、後部左座席の窓のオート用の線状部7a
(RLA)および可動接点Y
(RLA)、クローズ用の線状部7a
(RLC)および可動接点Y
(RLC)、およびオープン用の線状部7a
(RLO)および可動接点Y
(RLO)である。その次の3つが、助手席の窓のオープン用の線状部7a
(ASO)および可動接点Y
(ASO)、クローズ用の線状部7a
(ASC)および可動接点Y
(ASC)、オート用の線状部7a
(ASA)および可動接点Y
(ASA)である。そして、最も左側Lにあるのが、第2コモン用の線状部7a
(CM2)および可動接点Y
(CM2)である。
【0033】
図8に示すように、電気回路的には、運転席の窓DRに対する、オープン作動用電気スイッチを固定接点X
(DRO)と可動接点Y
(DRO)が構成し、クローズ作動用電気スイッチを固定接点X
(DRC)と可動接点Y
(DRC)が構成し、オート作動用電気スイッチを固定接点X
(DRA)と可動接点Y
(DRA)が構成する。また、後部右座席の窓RRに対する、オート作動用電気スイッチを固定接点X
(RRA)と可動接点Y
(RRA)が構成し、クローズ作動用電気スイッチを固定接点X
(RRC)と可動接点Y
(RRC)が構成し、オープン作動用電気スイッチを固定接点X
(RRO)と可動接点Y
(RRO)が構成する。また、後部左座席の窓RLに対する、オート作動用電気スイッチを固定接点X
(RLA)と可動接点Y
(RLA)が構成し、クローズ作動用電気スイッチを固定接点X
(RLC)と可動接点Y
(RLC)が構成し、オープン作動用電気スイッチを固定接点X
(RLO)と可動接点Y
(RLO)が構成する。また、助手席の窓ASに対する、オープン作動用電気スイッチを固定接点X
(ASO)と可動接点Y
(ASO)が構成し、クローズ作動用電気スイッチを固定接点X
(ASC)と可動接点Y
(ASC)が構成し、オート作動用電気スイッチを固定接点X
(ASA)と可動接点Y
(ASA)が構成する。さらに、固定接点X
(CM1)と可動接点Y
(CM1)は第1コモン用電気スイッチを構成し、固定接点X
(CM2)と可動接点Y
(CM2)は第2コモン用電気スイッチを構成する。
【0034】
各可動接点Yは互いに電気的に接続されている。コモン用固定接点X
(CM1)、X
(CM2)はグランドに接続されている。その他の固定接点Xは、CPU11に接続されているとともに、抵抗を介して電源V
CCに接続されている。CPU11は、基板3上に実装されていて、各接点X、Yの開閉状態を検出して、各窓の開閉操作状態を判断する。そして、CPU11は、各窓の開閉操作状態に基づいて、各窓に対応する電動機を駆動し、各窓の窓ガラスを開閉作動させる。
【0035】
図1に示す上ハウジング5と下ハウジング6は、
図5に示すように組み合わせられて、内部でコンタクト7を保持する。詳しくは、
図10などに示すように、上ハウジング5と下ハウジング6は、コンタクト7の根元部7bを上下から挟み込むように保持する。このように接点モジュール4が組み立てられた状態で、コンタクト7の各可動接点Yは、ハウジング5、6の下方Dへ開口する開口部6kから露出する。
コンタクト7は、根元部7bから基板3の操作ノブ9側(B方向側)の端部まで延びている。
【0036】
上ハウジング5の上部には、
図5に示すように、弾性を有する複数の梁部5aが設けられている。各梁部5aは、片持ち梁状に形成されていて、根元で互いに繋がっている。各梁部5aは、コンタクト7の各線状部7aの上方Uに設けられ、各線状部7aと平行になる(
図10など)。つまり、梁部5aは、線状部7aと1対1で対応するように複数(14本)設けられている。
【0037】
図5に示すように、上ハウジング5の右側Rから左側Lへ向かって、最初の3つは、運転席の窓のオープン用梁部5a
(DRO)、クローズ用梁部5a
(DRC)、およびオート用梁部5a
(DRA)である。次が、第1コモン用梁部5a
(CM1)である。その次の3つが、後部右座席の窓のオート用梁部5a
(RRA)、クローズ用梁部5a
(RRC)、およびオープン用梁部5a
(RRO)である。その次の3つが、後部左座席の窓のオート用梁部5a
(RLA)、クローズ用梁部5a
(RLC)、およびオープン用梁部5a
(RLO)である。その次の3つが、助手席の窓のオープン用梁部5a
(ASO)、クローズ用梁部5a
(ASC)、およびオート用梁部5a
(ASA)である。そして、最も左側Lにあるのが、第2コモン用梁部5a
(CM2)である。
【0038】
図10などに示すように、各梁部5aの先端下面には、各線状部7aの中間を下方Dへ押圧するための第1押圧部5bが設けられている。第1押圧部5bは、コンタクト7側へ突出した凸状曲面から成る。各梁部5aの先端上面には、被押圧部5cが設けられている。被押圧部5cは、スライダ8側へ突出した凸状曲面から成る。
【0039】
接点モジュール4は、
図9などに示すように、ケース1の段差部1d内に収納される。この収納状態で、ハウジング5、6は、下カバー2上に固定される。コンタクト7の各可動接点Yは、基板3の上方Uで各固定接点Xに対向する。各固定接点Xおよび各可動接点Yは、各操作ノブ9の直下から前後方向F、Bへ外れた位置に設けられている。
【0040】
図1に示すスライダ8は、操作ノブ9に1対1で対応するように複数(4つ)設けられている。運転席の窓用の操作ノブ9
(DR)に対応するスライダ8
(DR)と、助手席の窓用の操作ノブ9
(AS)に対応するスライダ8
(AS)のそれぞれの前後方向F、Bの長さは、後部右座席の窓用の操作ノブ9
(RR)に対応するスライダ8
(RR)と、後部左座席の窓用の操作ノブ9
(RL)に対応するスライダ8
(RL)のそれぞれの前後方向F、Bの長さに比べて、短くなっている。
【0041】
各スライダ8は、
図9などに示すように、対応する操作ノブ9の直下から上ハウジング5の直上に到るように、上ケース1内に収納される。短いスライダ8
(DR)、8
(AS)は、上ハウジング5と上ケース1により上下方向U、Dと左右方向L、Rへの移動を制限される。長いスライダ8
(RR)、8
(RL)は、上ハウジング5と下カバー2と上ケース1により上下方向U、Dと左右方向L、Rへの移動を制限される。つまり、各スライダ8は、前後方向F、Bへのみ移動可能になっている。
【0042】
図7などに示すように、スライダ8
(DR)、8
(AS)の後端部(B方向側の端部)には、切欠きから成る凹部8kが設けられており、スライダ8
(RR)、8
(RL)の後端部には、貫通孔から成る凹部8kが設けられている。
図9などに示すように、各操作ノブ9の内側には、レバー9rがそれぞれ設けられている。本例では、レバー9rは、操作ノブ9と一体で形成されている。レバー9rの上端部は、操作ノブ9に一体的に連結されている。レバー9rの下端部は、上ケース1内へ突出していて、対応するスライダ8の凹部8kに係合することにより、スライダ8に連結されている。このため、
図9および
図13に示すように、各操作ノブ9を指で操作して揺動させることにより、各レバー9rが支持軸1bを中心に回動して、各スライダ8が前後方向F、B(第2方向)へ往復移動する。
【0043】
図7に示すように、各スライダ8の前側(F方向側)の下面8gには、窪み8aが形成されている。各窪み8aには、上ハウジング5の隣り合う3本の梁部5aの被押圧部5cが嵌入する(
図11など)。
【0044】
各窪み8aの前後方向F、Bの各端部は、各梁部5aと1対1で対応するように、左右方向L、Rに3分割されている。その分割された各端部は、
図11などに示すように、窪み8aの中心から前後方向F、Bへ行くに連れて上ハウジング5側(下側D)へ傾斜するように突出した凸状段部8cになっている。同一の窪み8aと連続する各凸状段部8cの設置位置は、前後方向F、Bにずれている。
【0045】
図7に示すように、運転席の窓用のスライダ8
(DR)において、凸状段部8c
(DRO)、8c
(DRC)、8c
(DRA)は、それぞれ運転席の窓のオープン用第2押圧部、クローズ用第2押圧部、オート用第2押圧部である。後部右座席の窓用のスライダ8
(RR)において、凸状段部8c
(RRO)、8c
(RRC)、8c
(RRA)は、それぞれ後部右座席の窓のオープン用第2押圧部、クローズ用第2押圧部、オート用第2押圧部である。後部左座席の窓用スライダ8
(RL)において、凸状段部8c
(RLO)、8c
(RLC)、8c
(RLA)は、それぞれ後部左座席の窓のオープン用第2押圧部、クローズ用第2押圧部、オート用第2押圧部である。助手席の窓用のスライダ8
(AS)において、凸状段部8c
(ASO)、8c
(ASC)、8c
(ASA)は、それぞれ助手席の窓のオープン用第2押圧部、クローズ用第2押圧部、オート用第2押圧部である。上記オープン用第2押圧部8c
(DRO)、8c
(ASO)、8c
(RRO)、8c
(RLO)、クローズ用第2押圧部8c
(DRC)、8c
(ASC)、8c
(RRC)、8c
(RLC)、およびオート用第2押圧部8c
(DRA)、8c
(ASA)、8c
(RRA)、8c
(RLA)の設置位置は、前後方向F、Bにずれている。
【0046】
運転席と助手席の窓用のスライダ8
(DR)、8
(AS)の窪み8aの左側Lには、窪み8bが設けられている。スライダ8
(DR)、8
(AS)の下面8gを基準とした場合において、窪み8bの深さは窪み8aの深さより浅くなっている。各窪み8bの前側Fの端部にも、前後方向F、Bへ行くに連れて上ハウジング5側(下側D)へ傾斜するように突出した凸状段部が設けられている。この凸状段部と連続する窪み8bの底面8dは、コモン用第2押圧部8c
(CM1)、8c
(CM2)である。コモン用第2押圧部8c
(CM1)、8c
(CM2)の設置位置は、他の第2押圧部8cの設置位置に対して、前後方向F、Bにずれている。
【0047】
各スライダ8が前後方向F、Bへ移動することにより、各第2押圧部8cが上ハウジング5の対応する梁部5aの被押圧部5cを下方へ押圧する(
図9〜
図16)。
【0048】
次に、スイッチ装置100の動作を、
図9〜
図16を参照しながら説明する。
【0049】
なお、以下では、運転席の窓用の操作ノブ9
(DR)、スライダ8
(DR)、梁部5a
(CM1)、5a
(DRC)、5a
(DRO)、5a
(DRA)、線状部7a
(CM1)、7a
(DRC)、7a
(DRO)、7a
(DRA)、可動接点Y
(CM1)、Y
(DRC)、Y
(DRO)、Y
(DRA)、および固定接点X
(CM1)、X
(DRC)、X
(DRO)、X
(DRA)の動作を例に説明するが、他席の窓用の各部の動作も同様である。
【0050】
<非操作時>
図9(a)に示すように、操作ノブ9
(DR)が中立(非操作)状態にあるときは、レバー9rが鉛直な姿勢にあり、スライダ8
(DR)が中立位置にある。
【0051】
このような中立時に、
図10(a)に示すように、上ハウジング5のコモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、スライダ8
(DR)の窪み8bに嵌入している。このとき、コモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、コモン用第2押圧部8c
(CM1)の段下面(窪み8bの底面)8dに押圧されて、コモン用梁部5a
(CM1)が下方Dへ撓んでいる。そして、コモン用梁部5a
(CM1)の第1押圧部5bが、コンタクト7のコモン用線状部7a
(CM1)の中間部を押圧して、コモン用線状部7a
(CM1)が下方Dへ撓んでいる。このため、コモン用線状部7a
(CM1)の先端にあるコモン用可動接点Y
(CM1)が、基板3のコモン用固定接点X
(CM1)に接触している。つまり、コモン用可動接点Y
(CM1)とコモン用固定接点X
(CM1)が閉路状態になっている。
【0052】
また、中立時に、
図11(a)、
図15(a)、および
図12A(a)に示すように、上ハウジング5のオープン用梁部5a
(DRO)、クローズ用梁部5a
(DRC)、およびオート用梁部5a
(DRA)の各被押圧部5cが、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入している。このとき、それら各被押圧部5cは窪み8aの底面に接しているが、各梁部5a
(DRO)、5a
(DRC)、5a
(DRA)は下方Dへ撓んでいない。また、各梁部5a
(DRO)、5a
(DRC)、5a
(DRA)の第1押圧部5bは、コンタクト7のオープン用線状部7a
(DRO)、クローズ用線状部7a
(DRC)、およびオート用線状部7a
(DRA)の各中間部に接しているが、各線状部7a
(DRO)、7a
(DRC)、7a
(DRA)は下方Dへ撓んでいない。このため、各線状部7a
(DRO)、7a
(DRC)、7a
(DRA)の先端にあるオープン用可動接点Y
(DRO)、クローズ用可動接点Y
(DRC)、およびオート用可動接点Y
(DRA)が、基板3のオープン用固定接点X
(DRO)、クローズ用固定接点X
(DRC)、およびオート用固定接点X
(DRA)からそれぞれ離間している。つまり、これら各可動接点Y
(DRO)、Y
(DRC)、Y
(DRA)と各固定接点X
(DRO)、X
(DRC)、X
(DRA)とがそれぞれ開路状態になっている。
【0053】
図8において、上記のように、コモン用接点Y
(CM1)、X
(CM1)が閉路状態であり、かつその他の接点Y
(DRO)、X
(DRO)、Y
(DRC)、X
(DRC)、Y
(DRA)、X
(DRA)が開路状態であるときは、CPU11が運転席の窓が開閉操作されていないと判断する。そして、CPU11は、運転席の窓の窓ガラスを開閉作動させず、停止状態を維持する。
【0054】
<マニュアル開操作時>
図9(b)に示すように、操作ノブ9
(DR)の前頭部9fを押し下げて、操作ノブ9
(DR)を開方向(
図9(b)で反時計回り)へ第1段階操作すると、操作ノブ9
(DR)の揺動に伴いレバー9rが開方向へ回動して、所定角度だけ前傾する。すると、レバー9rの下端部によりスライダ8
(DR)の後部が後方Bへ引っ張られて、
図9(b)、
図10(b)、
図11(b)、および
図12A(b)に示すように、スライダ8
(DR)が後方Bへ所定量移動する。
【0055】
このような第1段階の開動作時に、
図10(b)に示すように、コモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、コモン用第2押圧部8c
(CM1)の傾斜した段差面8eに押圧されて、コモン用梁部5a
(CM1)がさらに下方Dへ撓む。そして、コモン用梁部5a
(CM1)の第1押圧部5bが、コモン用線状部7a
(CM1)の中間部をさらに下方Dへ押圧して、コモン用線状部7a
(CM1)がさらに下方Dへ撓む。このため、コモン用可動接点Y
(CM1)がコモン用固定接点X
(CM1)に対して摺動し、両接点Y
(CM1)、X
(CM1)の接触力が増大する。また、両接点Y
(CM1)、X
(CM1)の閉路状態は継続される。
【0056】
また、上記第1段階の開動作時に、
図11(b)に示すように、オープン用梁部5a
(DRO)の被押圧部5cが、オープン用第2押圧部8c
(DRO)の傾斜した段差面8fを摺動しながら、該段差面8fに押圧されて、オープン用梁部5a
(DRO)が下方Dへ撓む。そして、オープン用梁部5a
(DRO)の第1押圧部5bが、オープン用線状部7a
(DRO)の中間部を下方Dへ押圧して、オープン用線状部7a
(DRO)が下方Dへ撓む。このため、オープン用可動接点Y
(DRO)がオープン用固定接点X
(DRO)に摺動しながら接触する。つまり、オープン用可動接点Y
(DRO)とオープン用固定接点X
(DRO)が閉路状態になる。
【0057】
一方、上記第1段階の開動作時に、
図12A(b)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cは、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続け、オート用第2押圧部8c
(DRA)の傾斜した段差面8fから離間している。つまり、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cは、オート用第2押圧部8c
(DRA)により押圧されない。このため、オート用梁部5a
(DRA)が下方Dへ撓むことはなく、オート用線状部7a
(DRA)も下方Dへ撓むことはないので、オート用可動接点Y
(DRA)はオート用固定接点X
(DRA)から離間し続ける。つまり、オート用可動接点Y
(DRA)とオート用固定接点X
(DRA)とが開路状態を維持する。
【0058】
なお、上記第1段階の開動作時に、図示を省略しているが、クローズ用梁部5a
(DRC)の被押圧部5cは、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続けて、クローズ用第2押圧部8c
(DRC)により押圧されない。このため、クローズ用可動接点Y
(DRC)がクローズ用固定接点X
(DRC)から離間し続け、該両接点Y
(DRC)、X
(DRC)が開路状態を維持する。
【0059】
図8において、上記のように、コモン用接点Y
(CM1)、X
(CM1)とオープン用接点Y
(DRO)、X
(DRO)とが閉路状態であり、かつその他の接点Y
(DRC)、X
(DRC)、Y
(DRA)、X
(DRA)が開路状態であるときは、CPU11が運転席の窓がマニュアル開操作されたと判断する。そして、CPU11は、接点Y
(CM1)、X
(CM1)、Y
(DRO)、X
(DRO)の閉路状態が維持されている間、対応する電動機を駆動して、運転席の窓の窓ガラスを開作動させる。
【0060】
<オート開操作時>
図9(c)に示すように、操作ノブ9
(DR)の前頭部9fをさらに押し下げて、操作ノブ9
(DR)を開方向へ第2段階操作すると、レバー9rが開方向へさらに回動して、さらに所定角度だけ前傾する。すると、レバー9rの下端部によりスライダ8
(DR)の後部がさらに後方Bへ引っ張られて、
図9(c)、
図10(c)、
図11(c)、および
図12B(b’)、(c)に示すように、スライダ8
(DR)が後方Bへさらに所定量移動する。
【0061】
このような第2段階の開動作時に、
図10(c)に示すように、コモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、コモン用第2押圧部8c
(CM1)の段上面(スライダ8
(DR)の下面)8gを摺動しながら、該段上面8gに押圧されて、コモン用梁部5a
(CM1)が下方Dへ撓む。また、コモン用梁部5a
(CM1)の第1押圧部5bが、コモン用線状部7a
(CM1)の中間部を押圧して、コモン用線状部7a
(CM1)が下方Dへ撓む。このため、コモン用可動接点Y
(CM1)がコモン用固定接点X
(CM1)に接触し続け、両接点Y
(CM1)、X
(CM1)の閉路状態が継続される。
【0062】
また、上記第2段階の開動作時に、
図11(c)に示すように、オープン用梁部5a
(DRO)の被押圧部5cが、オープン用第2押圧部8c
(DRO)の段上面8gを摺動しながら、該段上面8gに押圧されて、オープン用梁部5a
(DRO)が下方Dへ撓む。また、オープン用梁部5a
(DRO)の第1押圧部5bが、オープン用線状部7a
(DRO)の中間部を押圧して、オープン用線状部7a
(DRO)が下方Dへ撓む。このため、オープン用可動接点Y
(DRO)がオープン用固定接点X
(DRO)に接触し続け、両接点Y
(DRO)、X
(DRO)の閉路状態が継続される。
【0063】
また、上記第2段階の開動作時に、
図12B(b’)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、F方向側のオート用第2押圧部8c
(DRA)の傾斜した段差面8fを摺動しながら、該段差面8fに押圧されて、オート用梁部5a
(DRA)が下方Dへ撓む。そして、オート用梁部5a
(DRA)の第1押圧部5bが、オート用線状部7a
(DRA)の中間部を下方Dへ押圧して、オート用線状部7a
(DRA)が下方Dへ撓む。このため、オート用可動接点Y
(DRA)がオート用固定接点X
(DRA)に摺動しながら接触する。つまり、オート用可動接点Y
(DRA)とオート用固定接点X
(DRA)が閉路状態になる。
【0064】
そして、
図12B(c)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、F方向側のオート用第2押圧部8c
(DRA)の段上面8gに乗り上げて、該段上面8gに押圧されると、オート用梁部5a
(DRA)がさらに下方Dへ撓み、オート用梁部5a
(DRA)の第1押圧部5bに押圧されたオート用線状部7a
(DRA)がさらに下方Dへ撓む。このため、オート用可動接点Y
(DRA)がオート用固定接点X
(DRA)に摺動しながら接触し続け、該両接点Y
(DRA)、X
(DRA)の閉路状態が継続される。
【0065】
なお、上記第2段階の開動作時に、図示を省略しているが、クローズ用梁部5a
(DRC)の被押圧部5cは、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続けて、クローズ用第2押圧部8c
(DRC)により押圧されない。このため、クローズ用可動接点Y
(DRC)とクローズ用固定接点X
(DRC)の開路状態が維持される。
【0066】
図8において、上記のように、コモン用接点Y
(CM1)、X
(CM1)とオープン用接点Y
(DRO)、X
(DRO)とオート用接点Y
(DRA)、X
(DRA)が閉路状態であり、かつその他の接点Y
(DRC)、X
(DRC)が開路状態であるときは、CPU11が運転席の窓がオート開操作されたと判断する。そして、CPU11は、対応する電動機を駆動して、運転席の窓の窓ガラスを全開位置まで開作動させる。
【0067】
<マニュアル閉操作時>
図13(d)に示すように、操作ノブ9
(DR)の前頭部9fを引き上げて、操作ノブ9
(DR)を閉方向(
図13(d)で時計回り)へ第1段階操作すると、レバー9rが閉方向へ回動して、所定角度だけ後傾する。すると、レバー9rの下端部によりスライダ8
(DR)の後部が前方Fへ押し進められて、
図13(d)、
図14(d)、
図15(d)、および
図16(d)に示すように、スライダ8
(DR)が前方Fへ所定量移動する。
【0068】
このような第1段階の閉動作時に、
図14(d)に示すように、コモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、スライダ8
(DR)の窪み8bに嵌入して、コモン用第2押圧部8c
(CM1)の段下面8dに押圧され続ける。このため、コモン用梁部5a
(CM1)が下方Dへ撓んだ状態と、コモン用線状部7a
(CM1)が下方Dへ撓んだ状態とが継続され、コモン用可動接点Y
(CM1)とコモン用固定接点X
(CM1)とが接触し続ける。つまり、両接点Y
(CM1)、X
(CM1)の閉路状態が継続される。
【0069】
また、上記第1段階の閉動作時に、
図15(d)に示すように、クローズ用梁部5a
(DRC)の被押圧部5cが、クローズ用第2押圧部8c
(DRC)の傾斜した段差面8fを摺動しながら、該段差面8fに押圧されて、クローズ用梁部5a
(DRC)が下方Dへ撓む。そして、クローズ用梁部5a
(DRC)の第1押圧部5bが、クローズ用線状部7a
(DRC)の中間部を下方Dへ押圧して、クローズ用線状部7a
(DRC)が下方Dへ撓む。このため、クローズ用可動接点Y
(DRC)がクローズ用固定接点X
(DRC)に摺動しながら接触する。つまり、クローズ用可動接点Y
(DRC)とクローズ用固定接点X
(DRC)が閉路状態になる。
【0070】
また、上記第1段階の閉動作時に、
図16(d)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続け、オート用第2押圧部8c
(DRA)の段差面8fから離間している。つまり、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、オート用第2押圧部8c
(DRA)により押圧されない。このため、オート用梁部5a
(DRA)とオート用線状部7a
(DRA)とが下方Dへ撓むことはなく、オート用可動接点Y
(DRA)がオート用固定接点X
(DRA)から離間し続ける。つまり、オート用可動接点Y
(DRA)とオート用固定接点X
(DRA)とが開路状態を維持する。
【0071】
なお、上記第1段階の閉動作時に、図示を省略しているが、オープン用梁部5a
(DRO)の被押圧部5cは、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続けて、オープン用第2押圧部8c
(DRO)により押圧されない。このため、オープン用可動接点Y
(DRO)がオープン用固定接点X
(DRO)から離間し続け、該両接点Y
(DRO)、X
(DRO)が開路状態を維持する。
【0072】
図8において、上記のように、コモン用接点Y
(CM1)、X
(CM1)とクローズ用接点Y
(DRC)、X
(DRC)とが閉路状態であり、かつその他の接点Y
(DRO)、X
(DRO)、Y
(DRA)、X
(DRA)が開路状態であるときは、CPU11が運転席の窓がマニュアル閉操作されたと判断する。そして、CPU11は、接点Y
(CM1)、X
(CM1)、Y
(DRC)、X
(DRC)の閉路状態が維持されている間、対応する電動機を駆動して、運転席の窓の窓ガラスを閉作動させる。
【0073】
<オート閉操作時>
図13(e)に示すように、操作ノブ9
(DR)の前頭部9fをさらに引き上げて、操作ノブ9
(DR)を閉方向へ第2段階操作すると、レバー9rが閉方向へさらに回動して、さらに所定角度だけ後傾する。すると、レバー9rの下端部によりスライダ8
(DR)の後部がさらに前方Fへ押し進められて、
図13(e)、
図14(e)、
図15(e)、および
図16(d’)、(e)に示すように、スライダ8
(DR)が前方Fへさらに所定量移動する。
【0074】
このような第2段階の閉動作時に、
図14(e)に示すように、コモン用梁部5a
(CM1)の被押圧部5cが、スライダ8
(DR)の窪み8bに嵌入して、コモン用第2押圧部8c
(CM1)の段下面8dに押圧され続ける。このため、コモン用梁部5a
(CM1)とコモン用線状部7a
(CM1)の下方Dへ撓んだ状態が継続され、コモン用可動接点Y
(CM1)とコモン用固定接点X
(CM1)とが接触し続け、該両接点Y
(CM1)、X
(CM1)の閉路状態が継続される。
【0075】
また、上記第2段階の閉動作時に、
図15(e)に示すように、クローズ用梁部5a
(DRC)の被押圧部5cが、クローズ用第2押圧部8c
(DRC)の段上面8gを摺動しながら、該段上面8gに押圧されて、クローズ用梁部5a
(DRC)が下方Dへ撓む。また、クローズ用梁部5a
(DRC)の第1押圧部5bが、クローズ用線状部7a
(DRC)の中間部を押圧して、クローズ用線状部7a
(DRC)が下方Dへ撓む。このため、クローズ用可動接点Y
(DRC)がクローズ用固定接点X
(DRC)に接触し続け、両接点Y
(DRC)、X
(DRC)の閉路状態が継続される。
【0076】
また、上記第2段階の閉動作時に、
図16(d’)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、B方向側のオート用第2押圧部8c
(DRA)の段差面8fを摺動しながら、該段差面8fに押圧されて、オート用梁部5a
(DRA)が下方Dへ撓む。そして、オート用梁部5a
(DRA)の第1押圧部5bが、オート用線状部7a
(DRA)の中間部を下方Dへ押圧して、オート用線状部7a
(DRA)が下方Dへ撓む。このため、オート用可動接点Y
(DRA)がオート用固定接点X
(DRA)に摺動しながら接触する。つまり、オート用可動接点Y
(DRA)とオート用固定接点X
(DRA)が閉路状態になる。
【0077】
そして、
図16(e)に示すように、オート用梁部5a
(DRA)の被押圧部5cが、B方向側のオート用第2押圧部8c
(DRA)の段上面8gに乗り上げて、該段上面8gに押圧されると、オート用梁部5a
(DRA)がさらに下方Dへ撓み、オート用梁部5a
(DRA)の第1押圧部5bに押圧されたオート用線状部7a
(DRA)がさらに下方Dへ撓む。このため、オート用可動接点Y
(DRA)がオート用固定接点X
(DRA)に摺動しながら接触し続け、該両接点Y
(DRA)、X
(DRA)の閉路状態が継続される。
【0078】
なお、上記第2段階の閉動作時に、図示を省略しているが、オープン用梁部5a
(DRO)の被押圧部5cは、スライダ8
(DR)の窪み8aに嵌入し続けて、オープン用第2押圧部8c
(DRO)により押圧されない。このため、オープン用可動接点Y
(DRO)とオープン用固定接点X
(DRO)の開路状態が維持される。
【0079】
図8において、上記のように、コモン用接点Y
(CM1)、X
(CM1)とクローズ用接点Y
(DRC)、X
(DRC)とオート用接点Y
(DRA)、X
(DRA)が閉路状態であり、かつその他の接点Y
(DRO)、X
(DRO)が開路状態であるときは、CPU11が運転席の窓がオート閉操作されたと判断する。そして、CPU11は、対応する電動機を駆動して、運転席の窓の窓ガラスを全閉位置まで閉作動させる。
【0080】
上記実施形態によると、複数の固定接点Xが基板3の左右方向L、Rに並設され、各固定接点Xの上方Uで可動接点Yが対向するように、コンタクト7をハウジング5、6で保持している。つまり、複数の固定接点Xおよび複数の可動接点Yをそれぞれ左右方向L、Rに並ぶように基板3に集合させているので、複数の接点を前後方向F、Bと左右方向L、Rに分散させて基板に設ける場合よりも、スイッチ100の基板3を小型化することができる。
【0081】
また、スライダ8を前後方向F、Bへ移動させることにより、スライダ8の各第2押圧部8cが上ハウジング5の各被押圧部5cを押圧して、上ハウジング5の各梁部5aが下方Dへ撓む。そして、上ハウジング5の各第1押圧部5bがコンタクト7の各線状部7aを押圧して、各線状部7aが下方Dへ撓み、コンタクト7の各可動接点Yが各固定接点Xに対して接触する。この接触時に、各可動接点Yが各固定接点Xに対して摺動するので、両接点Y、Xの表面が清浄化され、両接点Y、Xの接触信頼性を高めることができる。
【0082】
さらに、コモン用接点X、Y以外は、通常の中立時に、可動接点Yを基板3と固定接点Xに対して離間させておき、スライダ8が移動したときに、可動接点Yを基板3と固定接点Xに対して接触させるので、これら各接点X、Yと基板3の摩耗を抑制することができる。
【0083】
また、上記実施形態では、固定接点Xと可動接点Yを操作ノブ9の直下から外れた位置に設け、スライダ8を操作ノブ9の直下から上ハウジング5の直上に到るように設けている。そして、操作ノブ9を操作することにより、レバー9rが回動して、スライダ8を前後方向F、Bへ往復移動させている。このため、固定接点Xと可動接点Yを操作ノブ9の直下から外れた任意の位置に一列に配列して、基板3を小型化することができ、かつ、操作ノブ9の直下の構造を簡素化することができる。また、操作ノブ9の直下にある上ケース1の後部を高さ方向U、Dに小型化することができる。さらに、固定接点Xと可動接点Yの配置の自由度を高めることができる。
【0084】
また、上記実施形態では、スライダ8の前後方向F、Bへの移動長に応じて、第2押圧部8cが上ハウジング5の被押圧部5cを下方Dへ押下するときの押下長が変化する。このため、スライダ8の前後方向F、Bへの移動長に応じて、上ハウジング5の梁部5aの撓み量とコンタクト7の線状部7aの撓み量とが変化し、基板3と固定接点Xに対する可動接点Yの接触圧を変化させることができる。また、スライダ8の前後方向F、Bへの移動に応じて、上ハウジング5の梁部5aとコンタクト7の線状部7aとが下方Dへ撓み、コンタクト7の可動接点Yを固定接点Yに押し付けて摺動させることができる。
【0085】
また、上記実施形態では、スライダ8の第2押圧部8cは、前後方向F、Bへ行くに連れて上ハウジング5側へ傾斜するように突出した凸状段部から成る。また、上ハウジング5の被押圧部5cは、スライダ8側へ突出した凸状曲面から成る。このため、第2押圧部8cと被押圧部5cとを滑らかに摺動させながら、上ハウジング5の梁部5aを安定に下方Dへ撓ませることができる。また、上ハウジング5の第1押圧部5bは、コンタクト7側へ突出した凸状曲面から成る。このため、第1押圧部5bとコンタクト7の線状部7aとを滑らかに摺動させながら、線状部7aを安定に下方Dへ撓ませて、可動接点Yを固定接点Xに摺動させることができる。
【0086】
また、上記実施形態では、スライダ8のオープン用第2押圧部、クローズ用第2押圧部、オート用第2押圧部、およびコモン用第2押圧部の各設置位置が、前後方向F、Bへずれている。このため、操作ノブ9を開閉方向へ第1段階操作することで、スライダ8が前後方向F、Bへ所定量移動して、オープン用またはクローズ用の第2押圧部がオープン用またはクローズ用の梁部を撓ませることができる。そして、そのオープン用またはクローズ用の梁部がオープン用またはクローズ用の線状部を撓ませて、オープン用またはクローズ用の可動接点と固定接点とを接触させることができる。さらに、操作ノブ9を開閉方向へ第2段階操作することで、スライダ8が前後方向F、Bへさらに所定量移動して、オート用第2押圧部がオート用梁部を撓ませることができる。そして、そのオート用梁部がオート用線状部を撓ませて、オート用の可動接点と固定接点とを接触させることができる。つまり、操作ノブ9の段階的な操作によって、複数対の可動接点Yと固定接点Xを順番に接触させることができる。
【0087】
また、上記実施形態では、コモン用第2押圧部がコモン用梁部の被押圧部を常時押圧して、コモン用梁部の第1押圧部がコモン用線状部を常時押圧することにより、コモン用の可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)と固定接点X
(CM1)、X
(CM2)とを常閉接点としている。また、操作ノブ9の中立時は、その他の第2押圧部で梁部の被押圧部を押圧しておらず、該梁部の第1押圧部で線状部を押圧していないため、その他の可動接点Yと固定接点Xとは常開接点となっている。そして、コモン用固定接点X
(CM1)、X
(CM2)をグランドに接続し、その他の固定接点Xを電源V
CCに接続し、各可動接点Yを互いに電気的に接続している。このため、コモン用の固定接点X
(CM1)、X
(CM2)と可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)を操作ノブ9ごとに設ける必要はなく、コモン用の固定接点X
(CM1)、X
(CM2)と可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)の数を減少させて、基板3を一層小型化することができる。本例では、操作ノブ9が4つあるのに対して、コモン用の固定接点X
(CM1)、X
(CM2)と可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)を2つずつ設けている。
【0088】
さらに、上記実施形態では、複数の操作ノブ9のうち最も操作頻度の高い運転席の窓用の操作ノブ9
(DR)の操作に連動して、常閉接点であるコモン用の可動接点Y
(CM1)が固定接点X
(CM1)に対して摺動する。また、詳細説明は省略したが、次に操作頻度の高い助手席の窓用の操作ノブ9
(AS)の操作に連動して、常閉接点であるコモン用の可動接点Y
(CM2)が固定接点X
(CM2)に対して摺動する。このため、常閉接点であるコモン用の可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)が固定接点X
(CM1)、X
(CM2)に対してそれぞれ頻繁に摺動するので、該両接点Y
(CM1)、Y
(CM2)、X
(CM1)、X
(CM2)の表面が清浄化され、これらの接触信頼性を高めることができる。また、コモン用の可動接点と固定接点とを2対設けているので、一方のコモン用の可動接点と固定接点とに接触不良が生じても、他方のコモン用の可動接点と固定接点とが接触していれば、他の可動接点と固定接点の開路状態または閉路状態をCPU11で検出することができる。
【0089】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、上ハウジング5の梁部5aとコンタクト7の線状部7aとを、それぞれ片持ち梁構造にした例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、ハウジングやコンタクトを撓み易い材料で形成して、梁部や線状部を両端支持梁構造にしてもよい。また、可動接点は、線状部の先端下面に設ける以外に、たとえば線状部の中間部の下面に設けてもよい。
【0090】
また、以上の実施形態では、第2押圧部、梁部、線状部、可動接点、および固定接点をそれぞれ1対1の対応関係で設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、第2押圧部、梁部、線状部、可動接点、および固定接点のうち、いずれか1つに対して他を、1対複数の対応関係で設けてもよい。
【0091】
また、以上の実施形態では、操作ノブ9を4つ設けたスイッチ装置100を例に示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば操作ノブを1つまたは2つ設けたスイッチ装置に対しても、本発明を適用することができる。また、マニュアル開閉機能とオート開閉機能の両方を有するスイッチ装置100だけでなく、たとえばマニュアル開閉機能だけを有するスイッチ装置に対しても、本発明を適用することができる。
【0092】
また、以上の実施形態では、コモン用の可動接点Y
(CM1)、Y
(CM2)と固定接点X
(CM1)、X
(CM2)を2つずつ設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえばコモン用の可動接点Y
(CM2)と固定接点X
(CM2)を省略して、
図17に示すようにコモン用の可動接点Y
(CM1)と固定接点X
(CM1)だけを設けてもよい。この場合、
図4〜
図7などに示したように、2つずつ設けたコモン用の第2押圧部8c
(CM1)、8c
(CM2)、梁部5a
(CM1)、5a
(CM2)、および線状部7a
(CM1)、7a
(CM2)のうち、それぞれ一方の第2押圧部8c
(CM2)、梁部5a
(CM2)、および線状部7a
(CM2)も省略し、基板3や接点モジュール4などを左右方向L、Rに小型化することができる。
【0093】
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車の運転席、助手席、および後部左右座席の各窓をそれぞれ開閉するスイッチ装置100に本発明を適用した例を挙げたが、これ以外のスイッチ装置に対しても、本発明を適用することは可能である。また、各構成部材の使用数は以上の実施形態に限定するものではなく、スイッチ装置の機能に応じて適宜選択すればよい。