特許第6304835号(P6304835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6304835流体力削岩機用衝撃式装置、衝撃式装置の作動方法並びに衝撃式装置を備えた流体力削岩機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6304835
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】流体力削岩機用衝撃式装置、衝撃式装置の作動方法並びに衝撃式装置を備えた流体力削岩機
(51)【国際特許分類】
   B25D 17/10 20060101AFI20180326BHJP
   B25D 9/04 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   B25D17/10
   B25D9/04
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-545012(P2015-545012)
(86)(22)【出願日】2013年10月30日
(65)【公表番号】特表2015-535496(P2015-535496A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】SE2013051265
(87)【国際公開番号】WO2014084772
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】1251341-2
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】398056193
【氏名又は名称】エピロック ロック ドリルス アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100064388
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,トーマス
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05893419(US,A)
【文献】 米国特許第03887019(US,A)
【文献】 米国特許第05479996(US,A)
【文献】 米国特許第06029753(US,A)
【文献】 特公昭54−033629(JP,B2)
【文献】 特公昭54−023150(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0223720(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/139208(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 17/10
B25D 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(4)内に往復動可能な衝撃ピストン(3)を有し、衝撃ピストン(3)が、衝撃方向(R)に見て通常の衝撃位置に対して衝撃ピストンの前進位置においてブレーキングチャンバを形成するためブレーキング凹部(11)と共動するランド部分(12)を備え、ランド部分(12)の壁部分とブレーキング凹部(11)との間に絞りスリット(17)が設けられ、また、衝撃方向(R)に見てブレーキング凹部(11)の前方に位置決めされるピストン案内装置(6)を有する、流体力削岩機(1)用の衝撃式装置において、
圧力媒体源に接続されることになる圧力通路(14)が、衝撃ピストン(3)の最も前進した位置においてピストン案内装置(6)とランド部分(12)の位置との間でシリンダ(4)に現れるように構成され、圧力通路(14)が、ブレーキング凹部(11)とピストン案内装置(6)との間に設けられることになる平衡化チャンバ(13)に現れるように構成され、また圧力通路(14)に、ブレーキング凹部(11)における口部の方向に開放する一方向弁(19)が設けられる
ことを特徴とする衝撃式装置。
【請求項2】
圧力通路(14)が、ブレーキング凹部(11)とピストン案内装置(6)との間に設けられることになる平衡化チャンバ(13)に現れるように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の衝撃式装置。
【請求項3】
ブレーキング凹部(11)と平衡化チャンバ(13)との間に、衝撃ピストン(3)に対して作用するスリット絞り部材(16)が形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の衝撃式装置。
【請求項4】
ブレーキング凹部(11)、ピストン案内装置(6)及び平衡化チャンバ(13)が、削岩機(1)のハウジング内に挿入できるピストン案内ユニット(7)に設けられる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の衝撃式装置。
【請求項5】
上記圧力媒体源が、以下のグループ、すなわち衝撃式装置における駆動チャンバ(15)、衝撃圧力の供給通路、別個の高圧発生装置(29)のうちの任意の一つである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝撃式装置。
【請求項6】
圧力通路における圧力及び/又は流れを調整する調整装置が設けられる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の衝撃式装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の衝撃式装置を有する
ことを特徴とする流体力削岩機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復動可能な衝撃ピストンを有し、衝撃ピストンが通常の衝撃位置に対して衝撃ピストンの前進位置でブレーキング凹部と共動するランド部分を備え、ランド部分とブレーキング凹部との間にスロットルスリットが確立され、またブレーキング凹部の前方にピストン案内装置が設けられている、流体力削岩機用衝撃式装置に関するものである。本発明はまたかかる衝撃式装置を備えた流体力削岩機にも関する。
【背景技術】
【0002】
流体力削岩機用衝撃式装置において、衝撃式装置のシリンダにブレーキ凹部を設けることは従来公知である。ある特定の動作条件では、衝撃式装置の衝撃ピストンの衝撃ピストンのランド部分は、ブレーキングチャンバを確立するためにこのブレーキ凹部に入り込む。このような動作条件は、衝撃式装置のシャンクアダプタが減少した抵抗のために衝撃方向において前方へ変位した時であり、それでシャンクアダプタに対する衝撃ピストンの打撃がもはや所望の衝撃位置の領域内に起らない。
【0003】
ブレーキングチャンバを確立するために衝撃ピストンにおける共動するランド部分及びシリンダにブレーキ凹部を設ける目的は、さらに遠い前進位置においてシャンクアダプタに対する衝撃の強さを少なくとも制限するために、衝撃ピストンを減速させることにある。そうしないとこのような衝撃は、削岩機を損傷させることになる危険がある。
【0004】
流体力媒体で満たされるブレーキ凹部は、衝撃ピストンにおけるランド部分がブレーキ凹部に入り込むと、瞬時に圧力が増大し、その結果、加圧下の流体力媒体が一方ではランド部分の壁部分とブレーキ凹部との間に確立されることになる絞りスロットに伝達され、他方では確立したブレーキングチャンバからピストン案内装置に向かいピストン案内装置を通過し、ピストン案内装置の前方に任意選択的に設けられるドレーンチャンバへ向かって伝達される。
【0005】
さらには衝撃ピストンがシャンクアダプタに接触した後、衝撃ピストンの素早い戻り運動が生じ、確立したブレーキングチャンバ内でそして衝撃ピストンとピストン案内装置との間における全ての通路内で流体力媒体におけるキャビテーションに繋がる。このことは、通常比較的軟らかい支持部材で構成されるピストン案内装置を損傷させる危険がある。
【0006】
これらの問題を低減するために、ランド部分に包囲フランジを設けること及びブレーキ凹部を相対的に大きく形成して制動中に比較的大量の油を働かせるようにすることが提案されてきた。その結果、確立したブレーキチャンバ内の圧力は下げることができ、それによりピストン案内装置及びシールの損傷を減らすことができるようになった。また従来公知の解決法によって、ランドフランジとブレーキ凹部の共動する壁部分との間の絞りスリットを幾分増やした面積で形成でき、それにより反撥する衝撃ピストンの場合にキャビテーションの危険が低減される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記で挙げた背景技術は、上記の問題点を軽減するが、シリンダ寸法の増大のような本発明で取り組もうとする幾つかのその他の欠点を伴う。
【0008】
本発明の目的は、背景技術の問題点を少なくとも軽減し、有効で経済的に製造した衝撃式装置を得る、最初に述べたような衝撃式装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、本発明によれば、圧力媒体源に接続されることになる圧力通路が衝撃ピストンの最も前進した位置においてピストン案内装置とピストン案内装置の位置におけるランド部分との間のシリンダに出てくるように構成される、最初に述べたような衝撃式装置によって達成される。
【0010】
従って、通常の削岩中に衝撃ピストンの一部として動いている際のランドフランジの消費エネルギを避けることができるため、本発明の衝撃式装置は比較的エネルギ効率的となるので、上記の背景技術の欠点は避けられる。従って本発明の衝撃式装置によって比較的良好な効率が期待できる。本発明は、最も近い背景技術による装置を考えると結局のところ部分的に残るキャビテーションの問題点を比較的有効に低減できる。
【0011】
衝撃式装置のいわゆる遊び打撃中にかかる前進した位置は起こり、また空洞又は弱い岩盤に出会った際の掘削中に及び例えばスケーリング目的で削岩機を用いている際に起こり得る。そして、シャンクアダプタは通常の掘削中に通常の位置から前進している。
【0012】
文言“圧力媒体源に接続されることになる圧力通路がシリンダに出てくるように構成される”は、圧力通路が部屋又は凹部を介してシリンダ内に開放できることを意図しており、圧力通路が衝撃ピストンを受けるシリンダの表面に必ず開口を備えていることを意図していない。
【0013】
文言“衝撃ピストンの最も前進した位置”は、シャンクアダプタが削岩機ハウジングにおける止め部材に相対した位置に到達する、純粋に機械的に制限されるか或いはその他の仕方で衝撃ピストンの到達できる最も前進した位置(衝撃方向に見て)である位置を意図している。従って、シリンダにおける圧力通路の開口が例えば衝撃ピストンの任意の位置における衝撃ピストンの一部分によってブロックされる危険がないことを補償する。
【0014】
本発明により、最も前進した位置におけるランド部分とピストン案内装置との間の領域において圧力平衡化が達成される。さらに、本発明は、実際に結果として流体力媒体の供給となるので、ピストン案内装置の領域におけるキャビテーションは低減されることが達成される。従ってまた、ピストン案内装置の動作寿命は、高められた潤滑によって長くなることが期待され得る。
【0015】
好ましくは、圧力通路は、ブレーキング凹部とピストン案内装置との間に設けられることになる平衡化チャンバに現れるように構成される。というのは、この構成が、ピストン案内装置におけるキャビテーションを効果的な仕方で低減すると共にシーリング装置に影響する圧力ピークも低減するからである。全体で、本発明のこの特徴によれば、ピストン案内装置及びピストンシールの動作寿命の延長が得られる。背景技術と比較して、ランド部分がわずかな径方向延長によって形成できるので、最良の結果が有効に得られる。特に、好ましくは、平衡化チャンバはリング形式である。
【0016】
ブレーキング凹部と平衡化チャンバとの間のシリンダの領域には、衝撃方向に相対して衝撃ピストンが動いている間に均等化チャンバからブレーキング凹部へある一定の油の流れ生じ得ると同時に有効なエネルギ吸収の得るために、スリット絞りが衝撃ピストンに向かい合って形成されるようなスリットが適当に形成される。
【0017】
好ましくは、ブレーキング凹部、ピストン案内装置及び平衡化チャンバは、削岩機のハウジングに設けられることになるピストン案内装置に設けられる。これにより簡単に製造でき、また厳しい許容度で厳格な裕度のことは別の変形例として、第一及び第二の弁端壁は、それぞれの押圧装置を維持して比較的経済的に製造できる。適当にはまた、ドレーンチャンバ及び衝撃ピストンシールはピストン案内ユニットに設けられる。
【0018】
変形例として、圧力通路は代わりに、ピストン案内装置の最も近くに位置決めされるブレーキング凹部の領域に現れるように構成される。この構成により、上記のものより効率は悪くなるが、しかし、機械加工の低減の利点及び機械の長さの短縮の可能性が得られる。適当には、圧力通路には、この領域における意図的なドレーン作用を避け、かつまたブレーキ圧力が予期したレベルに維持されるのを保証するために、ブレーキング凹部の口部の方向に開く一方向弁が設けられる。
【0019】
圧力媒体源は、以下のグループ、すなわち本質的に直接アクセス可能なために通常好ましい衝撃式装置における駆動チャンバ、駆動チャンバから油の漏れるのを避けるのが望ましい場合に適当である衝撃圧力の供給通路、ある一定の調整可能性をもたらす別個の高圧発生装置のうちの任意の一つであり得る。
【0020】
圧力通路における圧力及び/又は流れを調整するために調整装置を設けたことにより、異なった動作状況に調整可能である。
【0021】
一つの実施形態では、ブレーキング凹部と共動するランド部分は、径方向にのびるランドフランジを備え、その結果ブレーキング凹部における圧力発生を低減できしかもシリンダの径方向の寸法の増大の危険も低減できる。
【0022】
本発明はまた、流体力削岩機の衝撃式装置の作動方法にも関わり、圧力媒体源からの流体力媒体は、衝撃ピストンの最も前進した位置におけるランド部分の位置とピストン案内装置との間のシリンダに供給される。
【0023】
上記従属装置の特徴に相応した方法の特徴は、本方法の変形例に適用できる。
【0024】
以下添付図面を参照して実施形態について本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による衝撃式装置を備えた流体力削岩機の一部分の長手方向断面図。
図2】衝撃ピストンがある位置にある図1における断面図の細部を示す拡大断面図。
図3】衝撃ピストンが異なる位置にある図1における断面図の細部を示す拡大断面図。
図4】本発明の別の実施形態の細部を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
幾つかの場合において、同様な要素は同じ参照番号で示す。
【0027】
図1には、流体力削岩機1が長手方向断面図で示され、この削岩機1はハウジング2を備え、衝撃ピストン3は、シリンダ4内で前後に動くことができる。衝撃ピストン3は、シャンクアダプタ5に対して作用し、そしてピストン案内装置6によって案内され、ピストン案内装置6はピストン案内ユニット7の一部分である。削岩機1はまた通常のように減衰装置及び回転装置などを含んでいるが、これらの装置は本発明の主題ではなく従ってここではさらには説明しない。
【0028】
図2には、本発明に関してピストン案内装置6のまわりの構成を詳細に示す。すなわち、ピストン案内装置6はこの実施形態では、上記ピストン案内ユニット7の一部分であり、適当には一体構成要素から成り、ピストン案内装置6は、ブレーキング凹部11のような多数の他の要素を備えている。ブレーキング凹部11はリング型部屋から成り、リング型部屋は、円形円筒状包囲外面を備え、そして衝撃ピストン3の衝撃方向Rと反対の方向に開いている。
【0029】
ブレーキング凹部11は、ブレーキングチャンバを確立するために、衝撃ピストン3の前進位置において衝撃ピストン3の径方向伸長部として形成されるランド部分12と共動するように構成される。
【0030】
ピストン案内ユニット7はさらに、平衡化チャンバ13を備え、平衡化チャンバ13は、ブレーキング凹部11とピストン案内装置6との間に設けられ、そして衝撃ピストン3の戻り行程のために設けた普遍的に加圧されている駆動チャンバ15と連通している。駆動チャンバ15から平衡化チャンバ13への流体力媒体の供給を保証する圧力通路14が設けられる。
【0031】
ピストン案内装置6の前方の衝撃方向Rに見られるように、ピストン案内装置6を通過して逃げる流体力媒体/圧力媒体をドレーンするために、ピストン案内ユニット7で受けられるドレーンチャンバ9が設けられている。ドレーンチャンバ9の前方には上記衝撃方向Rに見られるように、さらにシーリング装置8が位置決めされており、シーリング装置8はこの実施形態では、二つの軸方向に分離したピストンシールを備えている。シーリング装置のその他の形態もあり得る。
【0032】
図1及び図2には、衝撃ピストンの支配的な所望の衝撃位置のためランド部分12がブレーキング凹部11内に入らない時に、削岩機の通常の削岩動作中に衝撃ピストンの適当な位置を示している。
【0033】
図3には、ランド部分12が前進位置27(一点鎖線で示す)にあるピストン案内装置6の領域を示しており、絞りスリット17はランド部分12の壁部分とブレーキング凹部11との間に形成される。
【0034】
かかる前進位置は、衝撃式装置の遊び打撃中に生じ、また掘削バイトが空洞ややわらかい岩盤に当たった時及び例えば削岩機がスケーリング目的で用いられる時にも生じ得る。シャンクアダプタは、通常の削岩動作中にシャンクアダプタの通常の位置から衝撃方向に
【0035】
衝撃ピストンのランド部分12がブレーキング凹部11内に入って、ブレーキングチャンバが確立されると、インパクトピストンを減速させるために高圧が形成される。この高圧によって、ブレーキング凹部から一方では絞りスリット17を介して、他方ではブレーキング凹部と隣接した平衡化チャンバ13との間の内方に向いたリング面と衝撃ピストン3との間に形成された絞りスリット16を介して流体力媒体が放出される。
【0036】
図3において点線28は、ランド部分12が衝撃ピストンの最も前進した位置にあることを示しており、この位置は、純粋に機械的に制限され、シャンクアダプタは削岩機のハウジングにおける止め部材に当接する位置に達する。
【0037】
圧力媒体の供給される平衡化チャンバを介して、ランド部分の入口からブレーキング凹部内へ入る潜在的な圧力ピークは有効に低減される。そうしなければ、圧力ピークはシーリング装置にとって有害となる。さらに、圧力通路14を通る供給流体力媒体により、ピストン案内装置におけるキャビテーションの影響は衝撃ピストンの戻り行程中に有効に低減される。
【0038】
一体構成要素から成る代わりとして、ピストン案内ユニットは、共にシリンダ内に挿入可能である複数の例えば二つ、三つ、又はそれ以上の部品から成ることができる。これら部品の各々は、種々の要素の一つ以上、すなわちピストン案内装置6、ブレーキング凹部11、ドレーンチャンバ9、シーリング装置8及び平衡化チャンバ13を表わすことができる。
【0039】
図4には、本発明の第二の実施形態を示し、平衡化チャンバは設けられていないが、代わりに圧力通路14’が設けられており、この圧力通路14’はこの場合別個の高圧発生装置29と連通しており、ブレーキング凹部11自体の前方に現われる。この領域は、ランド部分12が上記による衝撃ピストンの最も前進した位置にある、位置の前方である。この位置は点線28で示されている。本発明の装置の平衡化及び特にキャビテーション抑制機能は、ブレーキング凹部11のこの領域における流体力媒体の連続して設けた支持部材を介して行われる。
【0040】
図4の変形例では、ランド部分12にはランドフランジ18が設けられ、このランドフランジ18は本発明による装置において使用可能であるが、しかし必ずしも用いる必要はない。
【0041】
19は一方向弁を示し、この一方向弁19は、ランド部分12が高速でブレーキング凹部11内に入る際に生じる瞬時の圧力増加中に流体力媒体の逆流を避けるために圧力通路14’に位置決めされる。
【0042】
本発明は、特許請求の範囲の範囲内で変更され得る。
【0043】
圧力通路には種々の仕方で流体力媒体を供給することが可能であり、平衡化チャンバと駆動チャンバとの間の連続連通を備えた図2に示す変形例は単純であり、有効な解決策であり、特に複雑な手段なしに実現できる。しかし、本発明の範囲内において、種々の圧力媒体源を用いて圧力通路における圧力及び/又は流れを調整するようにした調整装置を設けることは実現可能であり、それでかかる圧力及び流れはそれぞれ単に、例えば遊び打撃中やスケーリング中などのようにブレーキングチャンバが形成されると期待される時に存在するだけであるようにされる。
【0044】
削岩機のシリンダはその他の仕方で構成でき、またブレーキングチャンバは図1図3に示すように別個の構成要素に設けられる代わりにハウジングに直接受けるように構成できる。
【符号の説明】
【0045】
1 流体力削岩機
2 ハウジング
3 衝撃ピストン
4 シリンダ
5 シャンクアダプタ
6 ピストン案内装置
7 ピストン案内ユニット
8 シーリング装置
9 ドレーンチャンバ
11 ブレーキング凹部
12 ランド部分
13 平衡化チャンバ
14 圧力通路
14’圧力通路
15 駆動チャンバ
16 絞りスリット
17 絞りスリット
18 ランドフランジ
27 前進位置
28 位置
29 別個の高圧発生装置
図1
図2
図3
図4