特許第6304908号(P6304908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6304908
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】表示駆動方法、駆動回路及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/02 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   G09G5/02 B
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-565348(P2016-565348)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公表番号】特表2017-515157(P2017-515157A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】CN2015088558
(87)【国際公開番号】WO2016161754
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】201510166719.7
(32)【優先日】2015年4月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(72)【発明者】
【氏名】陳 睿 思
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−033489(JP,A)
【文献】 特表2005−524154(JP,A)
【文献】 特開2010−191771(JP,A)
【文献】 特開昭63−282883(JP,A)
【文献】 特開2004−272516(JP,A)
【文献】 国際公開第99/024964(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0212815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 − 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像における各サブピクセルの色調及び飽和度を取得するステップ1と、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者基準色から区別可能な色であるか否かを判断するステップ2と、
ステップ2の判断結果に基づいて、以下の式1と式2とにより、前記入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの色調及び飽和度それぞれ計算するステップ3と
を含み、
=H+ΔH (式1)
:入力画像におけるサブピクセルの色調、
:入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの色調、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別できない色であると、ΔH≠0とし、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別可能な色であると、ΔH=0とし、
=S+ΔS (式2)、
0:入力画像におけるサブピクセルの飽和度、
:前記入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの飽和度、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別できない色であると、|ΔS|≦0.45且つΔS≠0とし、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別可能な色であると、ΔS=0とし、
前記ステップ2において、前記入力画像におけるサブピクセルの色調Hが第1範囲又は第2範囲内である場合に、該サブピクセルの色は、2色覚患者が基準色から区別できない色であると判定され、前記ステップ3において、−40°≦ΔH≦−1°且つ−0.1≦ΔS<0とし、
前記第1範囲は、[315°,360°]であり、前記第2範囲は、[0°,45°]である
ことを特徴とする表示駆動方法。
【請求項2】
15°<H≦45°のとき、前記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔS大きくなるようにし
315°≦H<345°のとき、前記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが小さくなるようにし
345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、前記ステップ3において、ΔH=−40°、ΔS=−0.1とする
ことを特徴とする請求項に記載の表示駆動方法。
【請求項3】
前記ステップ2において、前記入力画像におけるサブピクセルの色調が第3範囲内であるとサブピクセルの色は、2色覚患者が基準色から区別できない色であると判定され前記ステップ3において、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS≦0.とし、
前記第3範囲は、[75°,165°]である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示駆動方法。
【請求項4】
75°≦H<105°のとき、前記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが大きくなるようにし
105°≦H≦135°のとき、前記ステップ3において、ΔH=40°、ΔS=0.1とし
135°<H≦165°のとき、前記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが小さくなるようにする
ことを特徴とする請求項に記載の表示駆動方法。
【請求項5】
前記出力画像における各サブピクセルの輝度値は、前記入力画像における対応するサブピクセルの輝度値と同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示駆動方法。
【請求項6】
前記ステップ1と前記ステップ2の間に、更に、
計算開始信号を受信したかを判断することと、
前記計算開始信号を受信すると、前記ステップ2を実行し、前記ステップ3の計算結果に基づいて前記出力画像を表示することと、
前記計算開始信号を受信しなかった時、直接に前記入力画像を出力することと
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示駆動方法。
【請求項7】
入力画像における各サブピクセルの色調及び飽和度を取得する入力信号取得モジュールと、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者基準色から区別可能な色であるか否かを判断する色判定モジュールと、
前記色判定モジュールに接続され、前記色判定モジュールの判断結果に基づいて、以下の式1と式2とにより、前記入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの色調及び飽和度それぞれ計算する出力信号計算モジュールと
を含み、
=H+ΔH (式1)、
:入力画像におけるサブピクセルの色調、
:入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの色調、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別できない色であると、ΔH≠0とし、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別可能な色であると、ΔH=0とし、
=S+ΔS (式2)、
0:入力画像におけるサブピクセルの飽和度、
:前記入力画像におけるサブピクセルに対応する出力画像におけるサブピクセルの飽和度、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別できない色であると、|ΔS|≦0.45且つΔS≠0とし、
前記入力画像におけるサブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別可能な色であると、ΔS=0とし、
前記入力画像におけるサブピクセルの色調Hが第1範囲又は第2範囲内である場合に、前記色判定モジュールで該サブピクセルの色は2色覚患者が基準色から区別できない色であると判定し、−40°≦ΔH≦−1°且つ−0.1≦ΔS<0とし、
前記第1範囲は、[315°,360°]であり、前記第2範囲は、[0°,45°]であり、
前記色判定モジュールに、前記第1範囲と前記第2範囲が格納されている
ことを特徴とする表示装置用の駆動回路。
【請求項8】
15°<H≦45°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが大きくなるようにし
315°≦H<345°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが小さくなるようにし
345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、ΔH=−40°、ΔS=−0.1とする
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項9】
前記入力画像におけるサブピクセルの色調が第3範囲内であると、前記色判定モジュールで該サブピクセルは2色覚患者が基準色から区別できない色であると判定し、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS≦0.とし、
前記第3範囲は、[75°,165°]であり、
前記色判定モジュールに、前記第3範囲が格納されている
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の駆動回路。
【請求項10】
75°≦H<105°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが大きくなるようにし
105°≦H≦135°のとき、ΔH=40°、ΔS=0.1とし
135°<H≦165°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099とし、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHとΔSが小さくなるようにする
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記出力信号計算モジュールは、前記出力画像における各サブピクセルの輝度値が前記入力画像における対応するサブピクセルの輝度値と同一であるように制御することを特徴とする請求項7又は8に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記駆動回路は、
トリガーモジュールと制御モジュールとを更に含み、
前記トリガーモジュール前記制御モジュールへのトリガー信号の送信を可能にするように、前記制御モジュールと接続され
前記制御モジュール前記トリガー信号を受信した後に前記出力信号計算モジュールへの計算開始信号の送信を可能にするように、前記出力信号計算モジュールと接続され
前記出力信号計算モジュールは、前記計算開始信号を受信した後に計算を開始することができる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の駆動回路。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記トリガー信号を受信しなかった時、前記入力画像を直接に出力するように前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項12に記載の駆動回路。
【請求項14】
請求項〜1のいずれか一項に記載の駆動回路と、
入力端が前記駆動回路の出力端に接続される表示パネルと
を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年4月9日に中国特許庁に提出された中国特許出願第201510166719.7号の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本願に取り込まれる。
本発明は、色覚異常者用の表示装置に関し、特に表示駆動方法、当該表示駆動方法を実行する駆動回路及び当該駆動回路を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
色盲は、普遍的な視覚異常や欠如の疾病であり、通常遺伝要因によるものであり、一部の色に対する認知力の欠如や色を識別できないものとして表れる。統計によると、男性色盲者は男性総人口の約8%、女性色盲者は女性総人口の約0.5%を占める。色識別力の欠如により、色盲患者は仕事や生活に様々な支障を来たす。
【0003】
ヒトの網膜には、長波長(535〜575nm)感受性のL-錐体細胞、中波長(500〜550nm)感受性のM-錐体細胞、短波長(400〜450nm)感受性のS-錐体細胞の3種類の錐体細胞が存在する。色盲の発生原因は、網膜における錐体細胞の欠如や変異にある。例えば、L-錐体細胞の欠如が赤の2色覚に対応し、M-錐体細胞の欠如が緑の2色覚に対応し、S-錐体細胞の欠如が青の2色覚に対応する。赤、緑の2色覚は、赤と緑の区別ができず、青の2色覚は、青と緑の区別ができない。
【0004】
Hans Brettelは、各種2色覚の観察色が2つの平面に集中する2色覚模擬モデルを提案した。各種2色覚の観察色の位置する2つの平面による角度は小さいため、それらを1つの平面として見なしてもよい。我々は、当該平面を2色覚の色面と定義し、簡単化された2色覚モデルを得た。
【0005】
前に紹介したように、2色覚が3種類の錐体細胞のうちの一種の欠如によるものであり、このような欠如がLMS空間におけるある種類の信号の変化に対応し、他の2種類の信号が一定に保持される。従って、赤、緑、青の3種類の2色覚は、RGB空間の色をLMSの3つの方向に沿って異なる平面に透過させることに相当する。科学者たちの実験研究により、赤緑2色覚は、赤、緑の2種類の色に対する区別力が比較的低いことが発見された。これは、赤、緑の2種類の色が赤、緑の2色覚の色面の両側に分布するため、色面に投影されると、両者が重なり、混同されるためである。青色盲患者の場合、青緑の2種類の色に対する区別力が比較的低いことは、青、緑の2種類の色がその色覚の色面の両側に分布するためである。
【0006】
従来技術において、各サブピクセルのH成分を回転させることにより画像を処理することができるが、このような方法で画像を調整すると、画像の歪みが生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、表示駆動方法、当該表示駆動方法を実行する駆動回路及び当該駆動回路を含む表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明の1つの態様は、表示駆動方法を提供する。上記表示駆動方法は、入力画像の各サブピクセルの色調を取得するステップ1と、入力画像の計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であるか否かを判断するステップ2と、ステップ2の判断結果に基づいて、出力画像のサブピクセルの色調を計算するステップ3とを含む。
【0009】
また、ステップ3は、H=H+ΔH(H:入力画像の計算待ちサブピクセルの色調;H:出力画像のうち、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルの色調)(式1)から出力画像のサブピクセルの色調を計算することを更に含む。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔH≠0であり、よって、上記出力画像のうち、上記計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色になる。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔH=0である。
【0010】
また、上記ステップ1において、上記入力画像の各サブピクセルの飽和度を取得することを更に含む。上記ステップ3において、S=S+ΔS(S:出力画像の計算待ちサブピクセルの飽和度;S:入力画像のうち、計算待ちサブピクセルの位置と同一のサブピクセルの飽和度)(式2)から出力画像のサブピクセルの飽和度を計算することを更に更に含む。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔS≠0である。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔS=0である。
【0011】
また、|ΔS|≦0.45である。
【0012】
また、上記ステップ2において、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの色調が第1範囲([315°,360°])又は第2範囲([0°,45°])にあると、上記計算待ちサブピクセルが基準色から区別できない色であると判定し、Hが第1範囲又は第2範囲にあると、上記ステップ3において、−40°≦ΔH≦−1°、−1<ΔS<0である。
【0013】
また、15°<H≦45°のとき、上記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。315°≦H<345°のとき、上記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、上記ステップ3において、ΔH=−40°、ΔS=−0.1である。
【0014】
また、上記ステップ2において、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの色調が第3範囲([75°,165°])にあると、上記計算待ちサブピクセルが基準色から区別できない色であると判定し、Hが上記第3範囲にあると、上記ステップ3において、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS<1である。
【0015】
また、75°≦H<105°のとき、上記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。105°≦H≦135°のとき、上記ステップ3において、ΔH=40°、ΔS=0.1である。135°<H≦165°のとき、上記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。
【0016】
また、上記出力画像の各サブピクセルの輝度値は、上記入力画像における対応するサブピクセルの輝度値と同一である。
【0017】
また、上記表示駆動方法は、上記ステップ1と上記ステップ2の間に、計算開始信号を受信したかを判断することと、上記計算開始信号を受信すると、上記ステップ2を実行し、上記ステップ3の計算結果に基づいて上記出力画像を表示することと、上記計算開始信号を受信しないと、上記入力画像を直接に出力することとを更に含む。
【0018】
本発明の別態様は、表示装置用の駆動回路を提供する。上記駆動回路は、入力画像の各サブピクセルの色調を取得するための入力信号取得モジュールと、入力画像の計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であるか否かを判断するための色判定モジュールと、上記色判定モジュールに接続され、上記色判定モジュールの判断結果に基づいて、出力画像のサブピクセルの色調を計算するための出力信号計算モジュールとを含む。
【0019】
また、上記出力信号計算モジュールは、H=H+ΔH(H:入力画像の計算待ちサブピクセルの色調;H:出力画像のうち、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルの色調)(式1)から出力画像のサブピクセルの色調を計算する。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔH≠0であり、よって、上記出力画像のうち、上記計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色になる。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔH=0である。
【0020】
また、上記入力信号取得モジュールは、更に入力画像の各サブピクセルの飽和度を取得する。上記出力信号計算モジュールは、S=S+ΔS(S:出力画像の計算待ちサブピクセルの飽和度;S:入力画像のうち、計算待ちサブピクセルの位置と同一のサブピクセルの飽和度)(式2)から出力画像のサブピクセルの飽和度を計算する。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔS≠0である。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔS=0である。
【0021】
また、|ΔS|≦0.45である。
【0022】
また、Hが第1範囲([315°,360°])又は第2範囲([0°,45°])にあると、上記第1範囲と上記第2範囲が格納されている上記色判定モジュールは、上記計算待ちサブピクセルが基準色から区別できない色であると判定し、−40°≦ΔH≦−1°、−1<ΔS<0である。
【0023】
また、15°<H≦45°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。315°≦H<345°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、ΔH=−40°、ΔS=−0.1である。
【0024】
また、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの色調が第3範囲([75°,165°])にあると、上記第3範囲が格納されている上記色判定モジュールは、上記計算待ちサブピクセルが基準色から区別できない色であると判定し、Hが上記第3範囲にあると、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS<1である。
【0025】
また、75°≦H<105°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。105°≦H≦135°のとき、ΔH=40°、ΔS=0.1である。135°<H≦165°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。
【0026】
また、上記出力信号計算モジュールは、上記出力画像の各サブピクセルの輝度値が上記入力画像の対応するサブピクセルの輝度値と同一であるように制御する。
【0027】
また、上記表示装置は、トリガーモジュールと、制御モジュールとを更に含む。上記トリガーモジュールは、上記制御モジュールと接続することにより、上記制御モジュールへのトリガー信号の送信を可能にする。上記制御モジュールは、更に上記出力信号計算モジュールと接続することにより、上記トリガー信号の受信後に上記出力信号計算モジュールへの計算開始信号の送信を可能にする。上記出力信号計算モジュールは、上記計算開始信号の受信後に計算を開始することができる。
【0028】
また、上記制御モジュールは、上記トリガー信号を受信しなかった時、上記入力画像を直接に出力するように上記駆動回路を制御することができる。
【0029】
本発明のさらなる態様は、表示装置を提供する。上記表示装置は、駆動回路と表示パネルを含む。上記駆動回路は、本発明が提供する上記駆動回路である。上記駆動回路の出力端は、上記表示パネルの入力端に接続する。
【0030】
本発明による方法において、2色覚患者にとって基準色から区別できる色を調整せず、2色覚患者にとって基準色から区別できない色だけを調整することにより、最大限に出力画像の真実度を保持し、サブピクセルに対する色調整時の計算量を低減した。
図面は、本発明を更に理解するためのものとして提供されて明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態とともに本発明の解釈に用いられるが、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による表示駆動方法のフロー模式図である。
図2】本発明による駆動回路のモジュール模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面とともに本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。なお、ここに記載した具体的な実施形態は、本発明の説明と解釈に用いられるだけであり、本発明を限定するためのものではない。
【0033】
図1に示すように、本発明の1つの態様として提供される表示駆動方法は、入力画像の各サブピクセルの色調を取得するステップ1と、入力画像の計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であるか否かを判断するステップ2と、ステップ2の判断結果に基づいて、出力画像のサブピクセルの色調を計算するステップ3とを含む。
【0034】
ここで、ステップ3は、H=H+ΔH(H:入力画像の計算待ちサブピクセルの色調;H:出力画像のうち、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルの色調)(式1)から出力画像のサブピクセルの色調を計算することを含む。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔH≠0であり、よって、上記出力画像のうち、上記計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色になる。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔH=0である。
【0035】
本発明における基準色とは、2色覚患者にとって基準色から区別できない2つの色のうちの1つである。例えば、計算待ちサブピクセルの色が赤であると、基準色は、緑である。計算待ちサブピクセルの色が緑であると、基準色は、赤である。計算待ちサブピクセルが青であると、基準色は、緑である。
【0036】
なお、入力画像のサブピクセルの色が2色覚患者にとって基準色から区別できない色であるか否かを判断することは、当業者にとって周知なことである。例えば、Brettel Hなどが1997年に発表した「Computerized simulation of color appearance for dichormats」の論文では、各2色覚患者にとって基準色から区別できない色が得られる2色覚模擬モデルが開示されている。もちろん、当業者は、2色覚患者にとって基準色から区別できない色を、ほかの2色覚模擬モデルに基づいて確定することもできる。
【0037】
計算した結果、上記出力画像のすべてのサブピクセルの色は、2色覚患者にとって基準色から区別可能な色である。従って、2色覚患者は、本発明の駆動方法で表示装置を表示駆動することにより表示する画像(即ち出力画像)を正しく識別することができる。
【0038】
本発明において、具体的に選定した2色覚模擬モデルでΔHの値を確定することができる。例えば、前文で記載したBrettel Hなどが提案した2色覚模擬モデルで計算するとき、出力画像の各サブピクセルの色の2色覚色面における投影は、対応する基準色の上記2色覚色面における投影とは重ならず、上記基準色の上記2色覚色面における投影から、2色覚患者が出力画像のサブピクセルの色を基準色から区別するに足る一定の距離が存在する。
【0039】
上述の記載から分かるように、本発明による方法において、2色覚患者にとって基準色から区別できる色を調整せず、2色覚患者にとって基準色から区別できない色だけを調整することにより、最大限に出力画像の真実度を保持し、サブピクセルに対する色調整時の計算量を低減した。
【0040】
また、上記ステップ1において、上記入力画像の各サブピクセルの飽和度を取得することを更に含む。上記ステップ3において、S=S+ΔS(S:出力画像の計算待ちサブピクセルの飽和度;S:入力画像のうち、計算待ちサブピクセルの位置と同一のサブピクセルの飽和度)(式2)から出力画像のサブピクセルの飽和度を計算することを更に含む。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔS≠0である。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔS=0である。
【0041】
入力画像のサブピクセルの飽和度を調整することにより、2色覚患者にとって基準色から区別できない色の入力画像におけるコントラストを更に増大することができる。よって、2色覚患者は、より入力画像に近い出力画像を見ることができる。
【0042】
色盲患者の深刻度に応じて入力画像のサブピクセルの飽和度を調整することができる。例えば、飽和度の調整は、0.45単位を超えないことにする。即ち、|ΔS|≦0.45である。
【0043】
計算作業を軽減するために、あらかじめ確定した「2色覚患者が正しく識別できない色」を、上記駆動方法を実行する駆動回路に入力してもよい。
【0044】
例えば、赤の2色覚の場合、赤と緑の区別ができず、通常Hが第1範囲又は第2範囲にある色を赤に定義してもよい。第1範囲は、[315°,360°]であり、第2範囲は、[0°,45°]である。従って、上記ステップ2において、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの色調が第1範囲又は第2範囲にあると、上記計算待ちサブピクセルが基準色(緑)から区別できない色であると判定する。入力画像の計算待ちサブピクセルの色調Hが第1範囲又は第2範囲にあると、上記ステップ3において、−40°≦ΔH≦−1°、−1<ΔS<0である。
【0045】
出力画像の図形を入力画像の図形となるべく一致させるために、15°<H≦45°のとき、上記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。315°≦H<345°のとき、上記ステップ3において、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、上記ステップ3において、ΔH=−40°、ΔS=−0.1である。
【0046】
なお、「15°<H≦45°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる」とは、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hより大きくなると、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHより大きくなり、同様に、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSより大きくなることである。
【0047】
「315°≦H<345°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる」とは、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hより大きくなると、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHより小さくなり、同様に、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSより小さくなることである。
【0048】
緑の2色覚の場合、緑と赤の区別ができず、色の色調が第3範囲にあると、上記計算待ちサブピクセルが基準色(赤)から区別できない色であると判定する。上記第3範囲は、[75°,165°]である。Hが上記第3範囲にあると、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS<1である。
【0049】
また、75°≦H<105°のとき、上記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。105°≦H≦135°のとき、上記ステップ3において、ΔH=40°、ΔS=0.1である。135°<H≦165°のとき、上記ステップ3において、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。
【0050】
なお、「Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる」とは、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hより大きくなると、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHより大きくなり、同様に、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSより大きくなることである。
【0051】
「Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる」とは、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調Hより大きくなると、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔHより小さくなり、同様に、1つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSが2つ目の計算待ちサブピクセルの色調の計算に関与するΔSより小さくなることである。
【0052】
計算量を軽減するために、本発明において、入力画像の各サブピクセルの輝度を調整する必要がない。即ち、上記出力画像の各サブピクセルの輝度値は、上記入力画像の対応するサブピクセルの輝度値と同一である。
【0053】
表示装置の汎用性を向上するために、表示画像を見る人が色盲患者であると、入力画像のサブピクセルの色を調整するが、表示画像を見る人が色覚正常者であると、入力画像のサブピクセルの色を調整する必要がない。
【0054】
対応して、上記表示駆動方法は、上記ステップ1と上記ステップ2の間に、更に、計算開始信号を受信したかを判断することと、上記計算開始信号を受信すると、上記ステップ2を実行し、上記ステップの計算結果に基づいて上記出力画像を表示することと、上記計算開始信号を受信しないと、直接に上記入力画像を出力することとを含む。
【0055】
上記計算開始信号の提供は、視聴者により人為的に行ってもよいが、以下で詳細に紹介し、ここでは繰り返して説明しない。
【0056】
本発明の別態様は、表示装置用の駆動回路を提供する。当該駆動回路は、本発明による上記駆動方法を実行し、図2に示すように、入力画像の各サブピクセルの色調を取得するための入力信号取得モジュール100と、入力画像の計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であるか否かを判断するための色判定モジュール200と、上記色判定モジュール200に接続され、上記色判定モジュール200の判断結果に基づいて、出力画像のサブピクセルの色調を計算するための出力信号計算モジュール300とを含む。
【0057】
ここで、当該出力信号計算モジュール300は、H=H+ΔH(H:入力画像の計算待ちサブピクセルの色調;H:出力画像のうち、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルの色調)(式1)から、出力画像のサブピクセルの色調を計算する。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔH≠0であり、よって、上記出力画像のうち、上記計算待ちサブピクセルの位置に対応するサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色になる。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔH=0である。
【0058】
本発明による駆動回路の色判定モジュール200には、2色覚模擬モデルが格納されている。入力画像の各サブピクセルの色を2色覚模擬モデルに代入することにより、入力画像の各サブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であるかを判定することができる。
【0059】
出力信号計算モジュール300は、式(1)の計算を実行する加算器を有する。
【0060】
本発明による上記駆動回路は、本発明による上記駆動方法を実行することにより、入力画像を、2色覚患者が正しく識別できる出力画像に変換することができる。しかも、出力信号計算モジュール300は、2色覚患者にとって基準色から区別できる色を調整せず、2色覚患者にとって基準色から区別できない色だけを調整することにより、最大限に出力画像の真実度を保持し、サブピクセルに対する色調整時の計算量を低減した。
【0061】
また、入力信号取得モジュール100は、更に入力画像の各サブピクセルの飽和度を取得する。上記出力信号計算モジュールは、S=S+ΔS(S:出力画像の計算待ちサブピクセルの飽和度;S:入力画像のうち、計算待ちサブピクセルの位置と同一のサブピクセルの飽和度)(式2)から出力画像のサブピクセルの飽和度を計算する。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別できない色であると、ΔS≠0である。上記計算待ちサブピクセルが2色覚患者にとって基準色から区別可能な色であると、ΔS=0である。
【0062】
上述のように、飽和度調整により、2色覚患者にとって基準色から区別できない色の入力画像におけるコントラストを更に増大することができる。よって、2色覚患者は、より入力画像に近い出力画像を見ることができる。即ち、|ΔS|≦0.45である。
【0063】
本発明の1つの実施形態として、上記駆動回路は、赤の2色覚に適用する表示を実現するために用いられる。赤の2色覚患者は、色調が第1範囲又は第2範囲にある色(即ち赤)を緑から区別できないため、Hが第1範囲又は第2範囲にあると、−40°≦ΔH≦−1°、−1<ΔS<0である。ここで、上記第1範囲は、[315°,360°]であり、上記第2範囲は、[0°,45°]である。上記第1範囲と上記第2範囲を、色判定モジュール200に格納してもよい。
【0064】
表示画像の真実度を更に確保するために、15°<H≦45°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。315°≦H<345°のとき、−39°≦ΔH≦−1°、−0.099≦ΔS≦−0.001であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。345°≦H≦360°又は0°≦H≦15°のとき、ΔH=−40°、ΔS=−0.1である。
【0065】
本発明の1つの実施形態として、上記駆動回路は、緑の2色覚に適用する表示を実現するために用いられる。緑の2色覚患者は、色調が第3範囲にある色(即ち緑)を赤から区別できないため、上記入力画像の計算待ちサブピクセルの色調が第3範囲にあると、上記計算待ちサブピクセルが基準色から区別できない色であると判定する。上記第3範囲は、[75°,165°]である。Hが上記第3範囲にあると、1°≦ΔH≦40°、0<ΔS<1である。上記第3範囲を、色判定モジュール200に格納してもよい。
【0066】
画像の真実度を確保するために、75°≦H<105°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが大きくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが大きくなる。105°≦H≦135°のとき、ΔH=40°、ΔS=0.1である。135°<H≦165°のとき、1°≦ΔH≦39°、0.001≦ΔS≦0.099であり、且つ、Hが大きければ大きいほどΔHが小さくなり、Hが大きければ大きいほどΔSが小さくなる。
【0067】
計算量を軽減するために、上記出力画像の各サブピクセルの輝度値は、上記入力画像の対応するサブピクセルの輝度値と同一である。
【0068】
表示装置の汎用性を向上するために、表示画像を見る人が色盲患者であると、入力画像のサブピクセルの色を調整するが、表示画像を見る人が色覚正常者であると、入力画像のサブピクセルの色を調整する必要がない。この目的を実現するために、上記表示装置は、トリガーモジュール400と、制御モジュール500とを更に含む。トリガーモジュール400は、制御モジュール500にトリガー信号を送信することができる。制御モジュール500は、上記トリガー信号を受信した後に、出力信号計算モジュール300に計算開始信号を送信することができる。当該出力信号計算モジュール300は、上記計算開始信号を受信した後に計算を開始する(即ち式(1)及び/又は式(2)の計算を実行する)。
【0069】
また、制御モジュール500は、上記トリガー信号を受信しなかった時、上記入力画像を直接に出力するように上記駆動回路を制御することができる。
【0070】
本発明のさらなる態様は、表示装置を提供する。上記表示装置は、駆動回路と表示パネルを含む。上記駆動回路は、本発明が提供する上記駆動回路である。上記駆動回路の出力端は、上記表示パネルの入力端に接続する。
【0071】
上記表示装置は、2色覚患者が表示画像を見ることに適用する。しかも、上記表示装置は、画像の真実度を最大限に保持し、計算量を最大限に軽減することができる。
【0072】
なお、以上の実施形態は、本発明の原理を説明するための例示的な実施形態である。本発明は、これらに限定されない。当業者にとって、本発明の精神と趣旨を逸脱することなく、各種の変形や改良を行うことができ、これらの変形や改良も本発明の保護範囲として見なされるべきである。
図1
図2