(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記利用者IDを読み取るカードリーダを有する事前精算手段を駐車場内または付帯する施設内に備えるか、あるいは利用者が携行する携帯端末に前記利用者IDを読み取るカードリーダと事前精算機能を有するソフトウエアを備える請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
前記カードリーダは、ICチップリーダ、磁気リーダ、バーコードリーダ、文字認識装置または図形認識装置のうちの2つ以上を有する請求項6に記載の駐車場管理システム。
車両入口に配置され、開閉することにより駐車場への車両の入場を許可する入場ゲート、カードリーダおよび車両を識別するための車両IDを認識する車両ID認識装置を有し、前記入場ゲートの開閉制御を行う入場管理装置と、
車両出口に配置され、開閉することにより駐車場からの車両の出場を許可する出場ゲートおよび車両を識別するための車両IDを認識する車両ID認識装置を有し、前記出場ゲートの開閉制御を行う出場管理装置と、
カードリーダを有し、利用者が駐車料金を支払うための料金精算手段と、
車両IDに関連づけて利用者ID、入場時刻および駐車料金の精算に関係する情報を記録する在車データベースを有し、前記入場管理装置、前記出場管理装置および前記料金精算手段と通信ネットワークで接続された駐車場管理装置と、
車両IDに関連づけて利用者IDを記録する利用者データベースを有する利用者管理サーバと、を備え、
前記入場管理装置、前記出場管理装置、前記料金精算手段、前記駐車場管理装置および前記利用者管理サーバは、通信ネットワークで接続されている駐車場管理システムであって、
車両が入場するときには、
前記入場管理装置は、前記車両ID認識装置により入場する車両の車両IDを認識し、認識した前記車両IDを前記利用者管理サーバに送信し、
前記利用者管理サーバは、認識した前記車両IDおよび前記車両IDに関連づけられた利用者IDが記録されているか判定し、認識した前記車両IDおよび前記利用者IDの有無を前記入場管理装置に送信し、
前記車両IDおよび利用者ID有りの場合は、
前記入場管理装置は、前記入場ゲートを開き、入場時刻とともに前記車両IDおよび前記利用者IDを前記駐車場管理装置に送信し、
前記駐車場管理装置は、前記車両ID、前記利用者IDおよび前記入場時刻を前記在車データベースに記録し、
前記車両IDおよび利用者ID無しの場合は、
前記入場管理装置は、前記カードリーダにより利用者が保持するカードに記録されている前記利用者IDを読み取って前記入場ゲートを開き、入場時刻とともに前記車両IDおよび前記利用者IDを前記駐車場管理装置に送信し、前記利用者IDを前記利用者管理サーバに送信し、
前記駐車場管理装置は、前記車両ID、前記利用者IDおよび前記入場時刻を前記在車データベースに記録し、
前記利用者管理サーバは、前記車両IDおよび前記利用者IDを関連づけて前記利用者データベースに記録し、
利用者が駐車料金を支払うときには、
前記料金精算手段は、前記カードリーダにより利用者が保持する前記カードに記録されている前記利用者IDを読み取り、読み取った前記利用者IDを前記駐車場管理装置に送信し、
前記駐車場管理装置は、前記在車データベースを検索して前記利用者IDに関連づけて記録されている前記入場時刻を読み出して駐車料金を計算し、計算した前記駐車料金を前記料金精算手段に送信し、
前記料金精算手段は、利用者が選択した支払方法で前記駐車料金の支払いを受けると、前記駐車料金の支払い時刻と支払い金額を前記駐車場管理装置に送信し、
前記駐車場管理装置は、前記利用者IDに対応して前記駐車料金の支払い時刻と支払い金額を前記在車データベースに記録し、
車両が出場するときには、
前記出場管理装置は、前記車両ID認識装置により出場する車両の車両IDを認識し、認識した前記車両IDを前記駐車場管理装置に送信し、
前記駐車場管理装置は、前記在車データベースを検索して前記車両IDに関連づけて記録されている入場時刻、支払い時刻、支払い金額を読み出し、現在時刻までの経過時間と追加料金を計算して前記支払い金額と比較して不足がなければ駐車料金の精算完了済みであることを前記出場管理装置に送信し、
前記出場管理装置は、前記駐車料金の精算完了済みの場合に前記出場ゲートを開いて車両を出場させ、
利用者が保持する前記カードは、駐車場の利用に関連する情報の書き込み及び読み出しのための駐車券又はカード状情報記録媒体ではない、ことを特徴とする駐車場管理システム。
前記割引サーバは、前記駐車場管理装置から前記利用者IDに対応する前記入場時刻を受信して、前記入場時刻に対して割引の対象とならない前記店舗利用時刻に対応する前記店舗利用金額を、前記割引情報の算出対象外とする請求項9に記載の駐車場管理システム。
前記料金精算手段は、駐車場内に設置され、現金、クレジットカードまたは電子マネーで支払いを行う無人の自動精算機または有人の精算機、または利用者が携帯端末を利用して電子的に料金支払いを行う支払システムである請求項8から10のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
前記カードリーダが読み取る前記利用者IDを記録した前記カードは、ICカード、ICチップを内蔵した携帯端末、磁気カード、バーコード、文字または図形を記録したカードのいずれかであり、
前記カードリーダは、少なくとも、ICチップリーダ、磁気リーダ、バーコードリーダ、文字認識装置または図形認識装置のいずれかを有する請求項8から11のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本明細書で開示する駐車場管理システムの好ましい実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0018】
実施形態の駐車場管理システム1(以下、単にシステム1ともいう)は、駐車場の利用者が携行する利用者IDを記録した何らかのカード(媒体)から利用者IDを読み取るカードリーダを設け、利用者IDを記録した何らかのカードを駐車券の代わりに利用して車両の入場・出場を管理し、駐車料金を計算するので、駐車券の発行が不要となる。以下に説明する実施形態のシステム1は、各種の機能を実現するための構成要件を付加しているが、構成要件の一部で発明の基本構成を実現できる。また、さらに構成要件を付加して、さらに多くの機能を実現することも可能である。
【0019】
図1は、第1実施形態の駐車場管理システム1のシステム構成図である。
システム1は、利用者管理サーバ60と、複数の駐車場10A−10Cと、を有する。駐車場10Aは、駐車場管理装置21と、入場管理装置30と、料金精算装置40と、出場管理装置50と、を有する。駐車場10Bおよび10Cも同様の構成を有する。システムに含まれる駐車場数は、1つでも2つ以上でもよい。利用者管理サーバ60には、車両IDに関連づけて利用者IDを記録する利用者データベース(DB)61が付属している。
【0020】
システム1は、さらに駐車場10A−10Cの利用者で、店舗を利用する利用者に駐車料金の割引サービスを行う1つ以上の店舗80と、割引サーバ70と、を含む。割引サーバ70には、割引データベース(DB)71が付属している。各店舗80は、割引認証機81を備える。
【0021】
利用者DB61を含む利用者管理サーバ60および割引DB71を含む割引サーバ70は、コンピュータシステムにより実現され、一体に実現することもできる。割引認証機81もコンピュータシステムにより実現される。
【0022】
利用者管理サーバ60、割引サーバ70、複数の駐車場10A−10Cの制御部および1つ以上の店舗80の割引認証機81は、インターネットINを介して、相互に通信可能に接続される。インターネットINの代わりに他の公衆ネットワークや専用ネットワークで通信可能に接続することも可能である。なお、駐車場が1か所で、店舗利用に応じた割引サービス、ネットワークを利用した決済等を行わない場合には、ネットワークで接続する必要はない。インターネットINは、光通信ネットワークで実現しても、その一部又はすべてを、モバイル通信網MNで実現してもよい。
【0023】
車両を運転して駐車場10A−10Cを利用する利用者2は、利用者IDを記録した何らかのカード(媒体)3を携行している。このようなカード3は、例えば、ICカード、ICチップを内蔵した携帯端末、磁気カード、バーコード、文字または図形を記録したカード等に記録された情報であり、読み取った情報(データ)により他のものと識別可能であればよい。ICカード、ICチップを内蔵した携帯端末、磁気カードは、利用者に関する情報が記録されており、他のものと識別可能であることが広く知られている。また、保持している利用者を特定する情報がバーコード、二次元コードの形で記録されているカードも、バーコード、二次元コードを読み取ることにより、他のカードと識別可能である。さらに、運転免許証、健康保険証、身分証明書等の利用者を特定することが認められているカードも、カード自体の画像とそこに記載された文字等を認識したデータをリンクすることにより、データベースに記録して検索することが可能である。第1実施形態では、このようなカード3を、利用者IDの情報搬送体として利用する。
【0024】
カード3に記録された情報を読み取るカードリーダは、上記カード3がICカードまたはICチップを内蔵した携帯端末の場合にはICチップリーダを、磁気カードの場合には磁気リーダを、バーコード(二次元コード)の場合にはバーコードリーダ(二次元コード読取機)、文字または図形を記録したカードの場合には文字認識装置または図形認識装置を利用する。
【0025】
図2は、1か所の駐車場10のシステム構成図である。
図1の駐車場10A−10Cは、それぞれ
図2に示すような構成を有するが、一部の要素を設けなくても、さらに別の要素を加えてもよい。
【0026】
駐車場10は、駐車場管理装置21と、入場管理装置30と、料金精算装置40と、出場管理装置50と、駐車スペース11と、を有する。駐車場管理装置21は、例えば、駐車場管理事務所20に設けられ、コンピュータシステムにより実現され、在車データベース(DB)22を有する。在車DB22は、車両IDに関連づけて利用者ID、入場時刻および駐車料金の精算に関係する情報を記録する。駐車場管理装置21を実現するコンピュータシステムは、入場管理装置30のコンピュータシステムと同様であり、入場管理装置30に関する説明で述べる。
【0027】
入場管理装置30は、駐車場の入口に配置され、開閉することにより駐車場への車両の入場を許可する入場ゲート31と、利用者IDを読み取るカードリーダ32と、ナンバープレートを車両IDとして認識する車両ID認識装置33と、各部の制御を行う制御部34と、車両検知器35と、を有する。
【0028】
車両検知器35は、例えば、駐車場入口の進入路の地下に設けられたコイルで、車両4が、駐車場の入口に進入すると、車体との磁気誘導による変化を検知して、車両4の進入を検知し、制御部34に車両の進入を通知する。車両検知器35は、コイルの代わりに、金属物を検知するセンサ、光線を利用した光学センサ、後述する車両ID認識装置33を利用した撮影画像の画像認識処理を利用したセンサ等により実現してもよい。
【0029】
入場ゲート31は、現状の駐車場でも広く使用されているゲートであり、制御部34により開閉が制御される。カードリーダ32は、ICチップリーダ、磁気リーダ、バーコードリーダ、文字認識装置または図形認識装置のうち、1つ以上を有する。カードリーダ32にどのような読み取り機能を持たせるかは、駐車場の仕様で決められる読み取り対象のカードに応じて適宜定められる。
【0030】
車両ID認識装置33は、カメラで車両のナンバープレートを撮影し、文字認識処理により画像に含まれる文字を認識することにより自動車登録番号または車両番号を読み取る装置であり、広く使用されているので詳しい説明は省略する。車両ID認識装置33は、車両ID(自動車登録番号または車両番号)を記録したRFIDタグを車両に取り付け、RFIDリーダで読み取る方式や、ETC車載器に記録された車両IDをDSRC路側機で読み取る方式などでも実現可能であるが、ナンバープレートは車両にかならず設置されているので、汎用性の点からは、ナンバープレートの文字を認識する方式が望ましい。
【0031】
制御部34は、コンピュータシステムにより実現される。コンピュータシステムの構成については後述する。
【0032】
料金精算装置40は、カードリーダ41と、制御部42と、を有する。カードリーダ41は、上記のカードリーダ32と類似のものである。制御部42は、コンピュータシステムにより実現される。
【0033】
料金精算装置40は、駐車場10内またはその近辺の適宜の場所に設けることが可能であり、例えば、駐車場10の利用者用出入口付近に設ける。この場合、料金精算装置40は、利用者が出場のために車両に乗る前に駐車料金の精算を行う事前精算機として機能する。また、料金精算装置40は、出場管理装置50に構成要素の一部の料金精算手段として実現してもよい。
【0034】
出場管理装置50は、駐車場の出口に配置され、開閉することにより駐車場から車両の出場を許可する出場ゲート51と、車両ID認識装置53と、制御部54と、車両検知器55と、を有する。出場ゲート51、車両ID認識装置53および車両検知器55は、入場管理装置30の入場ゲート31、車両ID認識装置33および車両検知器35と類似の構成を有する。また、制御部54は、コンピュータシステムにより実現される。
【0035】
駐車場管理装置21、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54は、駐車場10内に設けられたネットワークにより相互に通信可能に接続されている。なお、これらの要素を接続する方式は、相互に通信可能であればどのような方式、例えば無線通信や公衆回線を利用して実現してもよい。また、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54の機能をすべて駐車場管理装置21のコンピュータシステムで実現し、駐車場管理装置21が、入場管理装置30、料金精算装置40および出場管理装置50のすべての管理を行うようにしてもよい。
【0036】
駐車場管理装置21、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54は、コンピュータシステムにより実現される。
図3は、これらを実現するコンピュータシステムのハードウエア構成を示す図である。
【0037】
このコンピュータは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、ディスク装置等からなるデータ記憶装置104と、内部バス105と、入出力インターフェース(I/F)106と、を有する。コンピュータには、I/F106を介して、表示・操作部108、通信部112、および外部デバイス(カードリーダ、カメラ、車両検知器(センサ)、ゲート駆動部(アクチュエータ)等)が接続される。
図3に示すようなコンピュータシステムのハードウエア構成は広く知られているので詳しい説明は省略する。
【0038】
駐車場管理装置21は、カードリーダ、表示・操作部、カメラ、車両検知器、ゲート駆動部等の外部デバイスを含む必要はない。また、料金精算装置40は、カメラ、車両検知器、ゲート駆動部を含む必要はない。
【0039】
表示・操作部108は、ディスプレイと操作パネル、またはさらにスピーカを有する入出力装置で実現され、ディスプレイに、利用者への案内、入場時刻、駐車時間、および駐車料金などを提示し、スピーカで必要な案内を行い、利用者が必要な操作を行う。ディスプレイと操作パネルを一体にしたタッチパネルを利用してもよい。料金精算装置40は、さらに現金入金装置などを有する。
【0040】
通信部112は、駐車場管理装置21および他の制御部とのデータ通信を行う部分で、通信端末装置に接続される。通信端末装置は、有線方式の装置であっても無線方式の装置であってもよい。
図1および
図2に示すように、駐車場管理装置21、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54は、利用者管理サーバ60および割引サーバ70にネットワークを介して接続される。この場合、例えば、
図2に示すように、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54を、ネットワークを介して駐車場管理装置21に接続し、駐車場管理装置21を、ネットワークを介して利用者管理サーバ60および割引サーバ70に接続し、制御部34、42および54は、駐車場管理装置21を介して利用者管理サーバ60および割引サーバ70と通信するようにしてもよい。
【0041】
図4は、
図3のコンピュータシステムで実現される制御装置120の機能ブロック図である。駐車場管理装置21、入場管理装置30の制御部34、料金精算装置40の制御部42および出場管理装置50の制御部54は、
図4に示した制御装置120の機能ブロックのすべて又は一部を有する。
制御装置120は、制御部121と、車両ID認識部122と、利用者ID取得部123と、入場・出場記録部124と、料金算出部125と、決済部126と、通信部127と、を有し、これらの要素はソフトウエアにより実現される。通信部127は、通信部112に対応し、通信ソフトウエアで実現される。
図3に示したカードリーダ107、表示・操作部108、カメラ109、車両検知器110、ゲート駆動部111が接続される。
【0042】
利用者DB61を含む利用者管理サーバ60および割引DB71を含む割引サーバ70も、前述のようなコンピュータシステムで実現されるが、その構成は一般的なコンピュータシステムであり、説明は省略する。また、割引認証機81は、カードリーダを有するコンピュータシステムであり、カードリーダを有する以外は通常のコンピュータシステムである。割引認証機81を備える店舗80の店員は、利用者2が店舗を利用し、料金を支払うときに利用者IDの認識に使用したカード3を提示すると、割引認証機81のカードリーダに利用者IDを読み取らせ、利用額を入力する。これに応じて、割引認証機81は、利用者ID、割引認証機81に設定された店舗ID、利用額、利用時刻(入力時の時刻)を、割引サーバ70に送信する。
【0043】
図5は、駐車場管理装置21に付属して実現される在車DB22に記録されるテーブルの構成を示す図である。
在車DB22は、車両ID、利用者ID、入場時刻、出場時刻、駐車料金、支払い時刻および支払い金額を関連づけて記録する。
【0044】
図6は、利用者管理サーバ60に付属して実現される利用者DB61に記録されるテーブルの構成を示す図である。
利用者DB61は、車両IDと利用者IDを関連づけて記録すると共に、それまでの利用履歴を関連づけて記録する。利用履歴には、例えば、利用者IDの属性、利用した駐車場の履歴、利用の日時などが含まれる。利用者IDの属性は、例えば前回車両に関連づけた利用者IDが記録されたカードの種類(ICカード、ICチップを内蔵した携帯端末、磁気カード等)である。
【0045】
図7は、割引サーバ70に付属して実現される割引DB71に記録されるテーブルの構成を示す図である。
割引DB71は、利用者ID、店舗ID、利用額、利用時刻を関連づけて記録する。
【0046】
図8は、車両が駐車場に入場するときの処理を示すフローチャートである。
図8を参照して、第1実施形態の駐車場管理システムで、車両が駐車場に入場する場合の処理を説明する。
【0047】
ステップS11で、車両4が、入場管理装置30の進入路に入ると、車両検知器35が、進入路に車両が入ったことを検知し、これを制御部34に通知する。
ステップS12で、制御部34は、車両ID認識装置33により入場する車両の車両IDを認識する動作を行わせる。車両ID認識装置33は、認識した車両IDを制御部34に通知する。
ステップS13で、制御部34は、利用者管理サーバ60に車両IDを送信し、車両IDが利用者DB61に登録されているか照会を行い、そのまま待機する。
ステップS31で、利用者管理サーバ60は、車両IDを受信する。
【0048】
ステップS32で、利用者管理サーバ60は、車両IDが利用者DB61に登録されているか検索する。
ステップS33で、利用者管理サーバ60は、利用者DB61に車両IDが登録されているか判定し、登録がある場合にはステップS34に進み、無い場合にはステップS35に進む。
【0049】
ステップS34で、利用者管理サーバ60は、利用者DB61に車両IDが登録されていることを利用者IDと共に制御部34に送信し、待機する。
ステップS35で、利用者管理サーバ60は、利用者DB61に車両IDが登録されていないことを、制御部34に送信し、待機する。
なお、利用者管理サーバ60は、ステップS34およびS35の後、料金精算装置40、出場管理装置50、他の入場管理装置(複数の駐車場を管理している場合)からの照会に対する処理を行うことができる。
【0050】
ステップS14で、制御部34は、利用者管理サーバ60から照会結果を受信する。
ステップS15で、照会した車両IDが利用者DB61に登録されている(有の)場合には、ステップS16に進み、登録されていない(無し)場合には、ステップS17に進む。
ステップS16で、入場ゲートを開いて、車両が入場したことを確認した後入場ゲートを閉じ、ステップS20に進む。
【0051】
ステップS17で、車両4に搭乗した利用者2に、利用者IDの入力を要求する。この際、この駐車場のカードリーダ32で読み取れるカードの種類を提示し、これに応じて利用者2は携行しているカードで適当なカード3を選択して、カードリーダ32にカード3をセットする。
ステップS18で、カードリーダ32は、セットされたカード3に記録された利用者IDを読み取り、制御部34に通知する。
ステップS19で、入場ゲートを開いて、車両が入場したことを確認した後入場ゲートを閉じ、ステップS20に進む。
【0052】
ステップS20で、制御部34は、車両ID、利用者IDおよび入場時刻を、駐車場管理装置21に送信する。また、制御部34は、処理の終了を利用者管理サーバ60に送信するが、照会時に車両IDが登録されておらず、ステップS18で利用者IDが入力された場合には、車両IDおよび利用者IDを、利用者管理サーバ60に送信する。これで、制御部34の処理は終了する。
【0053】
ステップS36で、利用者管理サーバ60は、制御部34から処理の終了と、それに関連するデータを受信する。
ステップS37で、利用者管理サーバ60は、照会時に車両IDに関連づけられた利用者IDの有無に応じて、有の場合はステップS38に進み、無しの場合はステップS39に進む。
【0054】
ステップS38で、利用者管理サーバ60は、入場処理の終了に応じて、利用者DB61に、車両IDおよび利用者IDに関連づけて、入場時刻等の履歴を追加し、処理を終了する。
ステップS39で、利用者管理サーバ60は、制御部34から受信した車両IDおよび利用者IDを、それに関連するデータ(属性等)および入場時刻(処理時の時刻)と共に、利用者DB61に記録し、処理を終了する。
【0055】
ステップS40で、駐車場管理装置21は、制御部34から、車両ID、利用者IDおよび入場時刻を受信する。
ステップS41で、駐車場管理装置21は、在車DB22に、車両ID、利用者IDおよび入場時刻を記録して終了する。
【0056】
図8のフローチャートの処理では、一度駐車場を利用したことがある車両の場合、前回利用時に使用したカード3に記録された利用者IDを利用者DB61に登録し、2回目以降の駐車場利用時には、車両IDが利用者DB61に登録されていることを確認すると、入場ゲートを開けていた。これにより、利用者が入場ゲートで待たされる時間が短縮されるという効果を奏する。
【0057】
言い換えれば、利用者2が、利用者DB61に登録されている利用者IDを記録したカード3を、そのまま携行していることを前提として入場処理を行っていた。しかし、利用者2が、利用者DB61に登録されている利用者IDを記録したカード3を携行していない場合がある。そこで、利用者DB61に車両IDと利用者IDが登録されている場合でも、入場ゲートで、利用者に登録されている利用者IDを記録したカードに加えて、カードの追加登録を行うか確認する変形例が考えられる。
【0058】
図9は、車両が駐車場に入場するときに、登録されている利用者IDを記録したカードに加えて、カードの追加登録を行うか確認する変形例の処理を示すフローチャートである。
【0059】
図8のステップS14で照会結果を受信し、ステップS15で、車両IDおよび利用者IDが登録されていない(無し)の場合に、ステップS17に進むのは
図8と同じである。変形例では、ステップS15で、照会した車両IDおよび利用者IDが利用者DB61に登録されている(有の)場合には、ステップS21に進む。
【0060】
ステップS21で、制御部34は、表示・操作部108での表示および音声等により、入場しようとする車両4の利用者2に対して、登録されている利用者IDを記録したカードを使用するか、さらに別のカードを使用するように追加登録を行うか確認を要求する。この際、登録されている利用者IDを記録したカードの属性等を表示することが望ましい。
【0061】
ステップS22では、上記の要求に対して利用者2が、表示・操作部108により、使用するカードを追加登録するか入力するので、追加登録するか否か確認し、追加登録しない場合にはステップS16に進み、追加登録する場合にはステップS23に進む。
【0062】
ステップS23で、車両4に搭乗した利用者2に、追加登録する利用者IDの入力を要求する。これに応じて、利用者2は、携行しているカードで適当なカード3を新たに選択して、カードリーダ32にカード3をセットする。
【0063】
ステップS24で、カードリーダ32は、セットされたカード3に記録された利用者IDを読み取り、制御部34に通知し、
図8のステップS16に進む。
図8のステップS20で、制御部34が、車両IDおよび利用者IDを関連するデータ(属性等)および入場時刻(処理時の時刻)と共に利用者管理サーバ60に送信すると、ステップS39で、利用者管理サーバ60は、受信したそれらのデータを利用者DB61に記録するが、この際、既に記録されているデータはそのまま維持し、同じ車両IDに関連づけて、新しい利用者ID、関連するデータ(属性等)および入場時刻(処理時の時刻)を記録するようにする。この場合、後述する駐車料金の精算処理および割引処理などでは、いずれかの利用者IDを記録したカードが使用された場合には、すべて車両IDに関連づけられたデータとして扱われる。これにより、例えば、入場時はすぐに取り出せるICカードをカードリーダに読み取らせるが、店舗利用時や料金精算時には、既に利用者DB61に記録済の磁気カードのクレジットカードを使用して割引を受けたり料金を精算することが可能になる。なお、同様の方法で、それまで記録されている利用者IDを記録したカードの使用を無効にして、新しいカードを変更することも可能である。
【0064】
図10は、割引無しの状態で、利用者2が料金精算装置30で駐車料金を支払うときの処理を示したフローチャートである。
図10を参照して、第1実施形態の駐車場管理システムで、利用者2が料金精算装置30で駐車料金を支払うときの処理を説明する。
【0065】
ステップS51で、料金精算装置40の制御部42は、利用者2による操作を確認すると、処理を開始する。
ステップS52で、カードリーダ41が、利用者2がセットしたカード3から利用者IDを読み取る。
ステップS53で、制御部42は、駐車場管理装置21に利用者IDを送信し、待機する。
【0066】
ステップS61で、駐車場管理装置21は、制御部42から利用者IDを受信する。
ステップS62で、駐車場管理装置21は、利用者IDを在車DB22で検索する。
ステップS63で、駐車場管理装置21は、利用者IDに関連づけられた入場時刻を読み出す。
ステップS64で、駐車場管理装置21は、入場時刻を制御部42に送信する。
【0067】
ステップS54で、制御部42は、駐車場管理装置21からの入場時刻を受信する。
ステップS55で、制御部42は、現在の時刻をタイマにより取得する。
ステップS56で、制御部42は、入場時刻および現在の時刻より駐車時間を算出し、それに応じた駐車料金を計算する。
【0068】
ステップS57で、制御部42は、表示・操作部108および音声等により、利用者2に駐車料金を提示し、駐車料金の支払いを要求する。
ステップS58で、制御部42は、利用者2が選択した支払方法で駐車料金の支払いが行われたことを確認する。支払は、例えば、現金受け入れ機を利用して行う。
ステップS59で、制御部42は、駐車料金の支払い金額を駐車場管理装置21に送信し、処理を終了する。
【0069】
ステップS65で、駐車場管理装置21は、制御部42から駐車料金の支払い金額を受信する。
ステップS65で、駐車場管理装置21は、在車DB22で、車両ID、利用者IDおよび入場時間に関連づけて駐車料金の支払い金額と、現在時刻を支払い時刻として記録し、終了する。
【0070】
なお、上記の例では、利用者2が料金精算装置40に設けられた現金受け入れ機を利用して駐車料金を支払ったが、クレジットカード、プリペイド型ICカード等を利用して支払を行うことも可能である。
【0071】
さらに、ICチップを搭載したスマートフォンがカード3として登録されている場合には、利用者は、保有するスマートフォンに搭載したICカードリーダで利用者IDを読み取り、スマートフォンにあらかじめダウンロードし稼働するアプリケーションソフトウエアがスマートフォンの通信機能を利用して利用者IDを駐車場管理装置21に送信して入場時刻を問い合わせ、駐車場管理装置21は在車DB22を検索して利用者IDに関連づけて記録されている入場時刻を読み出してスマートフォンに送信し、スマートフォンのアプリケーションソフトウエアが入場時刻と現在の時刻から駐車時間を算出して駐車料金を計算し、利用者がインターネットを利用した決済方法など所定の方法で駐車料金を支払うと、スマートフォンのアプリケーションソフトウエアは、駐車場管理装置21に利用者IDと共に駐車料金の支払い済を通知し、駐車場管理装置21は、在車DB22の利用者IDに関連づけて支払済であることを記録するようにしてもよい。
【0072】
図11は、車両4が出口から出場するときの処理を示したフローチャートである。
図11を参照して、第1実施形態の駐車場管理システムで、車両4が出口から出場するときの処理を説明する。
【0073】
ステップS71で、出場管理装置50の車両検知器55が、進入路に車両が入ったことを検知し、これを制御部54に通知する。
ステップS72で、車両ID認識装置53は、車両IDを認識し、制御部54に通知する。
ステップS73で、制御部54は、駐車場管理装置21に車両IDを送信し、そのまま待機する。
【0074】
ステップS81で、駐車場管理装置21は、車両IDを受信する。
ステップS82で、駐車場管理装置21は、車両IDを在車DB22で検索する。
ステップS83で、駐車場管理装置21は、車両IDに対応する駐車料金精算に関係する項が精算完了であることを確認する。
【0075】
ステップS84で、駐車料金が精算完了である場合にはステップS85に進み、精算未完了の場合にはステップS86に進む。
ステップS85で、駐車場管理装置21は、駐車料金が精算完了であることを出場管理装置50の制御部54に送信し、終了する。
【0076】
ステップS86で、駐車場管理装置21は、駐車料金が精算未完了であることを出場管理装置50の制御部54に送信し、ステップS87に進む。
ステップS87で、駐車場管理装置21は、精算未完了処理を実行する。精算未完了処理は、例えば、利用者へ不足の料金の支払いを促すことや、駐車場管理者からの指示入力を受けて、その指示に従って処理を行うことなどである。この処理の後に、処理を終了する。
【0077】
ステップS74で、出場管理装置50の制御部54は、駐車場管理装置21から駐車料金の精算完了したか否かを受信する。
ステップS75で、駐車料金の精算完了であれば、ステップS76に進み、駐車料金が精算未完了であればステップS77に進む。
【0078】
ステップS76で、出場ゲート51を開いて、車両が出場したことを確認した後出場ゲートを閉じ、終了する。
ステップS77で、制御部54は、精算未完了処理を実行する。精算未完了処理は、ステップS87の処理に関連した処理であり、駐車料金の精算が行われたことを確認した後出場ゲート51を開ける処理や、駐車場管理者からの指示入力を受けて出場ゲート51を開ける処理などである。この処理の後に、処理を終了する。
【0079】
入場ゲートおよび出場ゲートを有する大規模な駐車場は、商業施設に付属していたり、近隣の商店と提携している場合が多く、商業施設または商店で商品を購入したり施設を利用した場合に、利用額に応じて駐車料金の割引サービスを行うことがある。
第1実施形態の駐車場管理システムで、このような割引サービスを行う場合の処理を説明する。
【0080】
図12は、駐車場の利用者2が、
図1の店舗80を利用して駐車料金の割引サービスを受けるための処理を示すフローチャートである。
ステップS91で、店舗80の店員は、駐車場の利用者2から、駐車場を利用しており、駐車料金の割引サービスを希望することを告げられると、店舗80に備えられた割引認証機81を操作する。割引認証機81は、この操作を確認する。
【0081】
ステップS92で、店員は利用者2にカード3を割引認証機81に搭載されたカードリーダにセットするように促し、割引認証機81のカードリーダが、利用者2のカード3から、利用者IDを読み取る。
ステップS93で、割引認証機81は、店員によるテンキーなどの操作による利用金額の入力を受け、割引認証機81に設定されている店舗IDおよび利用日付・時刻を取得する。
ステップS94で、割引認証機81は、利用者ID、店舗ID、利用金額および利用日付・時刻を含むデータを割引サーバ70に送信し、処理を終了する。
【0082】
ステップS101で、割引サーバ70は、割引認証機81からのデータを受信する。
ステップS102で、割引サーバ70は、割引DB71に、利用者IDに関連づけて店舗ID、利用金額および利用時刻を記録し、終了する。
なお、複数の店舗から同一の利用者IDに関する割引サービスの送信があった場合には、割引サーバ70は、割引DB71に、利用者IDごとに割引サービスのデータを記録していく。
【0083】
図13は、割引サービスを受けた駐車場の利用者2が、駐車料金を支払うときの処理を示したフローチャートである。なお、料金精算装置40は、
図13のフローチャートの処理と並行して
図10のフローチャートの処理を行い、駐車場管理装置21から入場時刻を受信しているものとする。
ステップS111で、料金精算装置40の制御部42は、利用者2による操作を確認すると、処理を開始する。
ステップS112で、カードリーダ41が、利用者2がセットしたカード3から利用者IDを読み取る。
ステップS113で、制御部42は、割引サーバ70に利用者IDおよび入場時刻を送信し、待機する。
【0084】
ステップS121で、割引サーバ70は、制御部42から利用者IDを受信する。
ステップS122で、割引サーバ70は、利用者IDを割引DB71で検索する。
ステップS123で、割引サーバ70は、割引DB71に利用者IDに関連づけられた割引データが存在するか否か確認する。もし、割引DB71に利用者IDに関連づけられた複数の割引データが存在する場合には、それらをすべて読み出す。
【0085】
ステップS124で、割引サーバ70は、確認した割引データから所定の算出方法にしたがって割引金額を計算する。この際、複数の割引データが存在する場合には、それらを合わせて割引金額を算出する。さらに、入場時刻と利用時刻を考慮して、割引を行うべきか判定する。例えば、駐車場の入場時刻以前の利用については割引サービスの対象外とするなどである。さらに、割引サービスを受けていないときには、金額ゼロとして計算する。
ステップS125で、割引サーバ70は、割引金額を料金精算装置40に送信する。
【0086】
ステップS114で、制御部42は、割引サーバ70から割引金額を受信する。
ステップS115で、制御部42は、駐車場管理装置21から受信した入場時刻と現時刻から駐車料金を計算するが、その際に割引金額を加味して駐車料金を減額して割引駐車料金を算出する。この後、
図10のステップS57へ進む。
【0087】
なお、上記の割引金額の計算は、割引サーバ70でなく、割引サーバ70から利用時刻を含む割引データの送信を受けた料金精算装置40の制御部42が行うようにしてもよい。さらに、入場時刻を記録している駐車場管理装置21が、料金精算装置40と割引サーバ70の間の通信を中継し、駐車場管理装置21が処理の一部を行うようにしてもよい。
また、前述のように、料金精算装置40における処理をアプリケーションソフトウエアが稼働するスマートフォンを利用して行うようにしてもよい。
なお、割引サービスとして、上記のような金額の割引のほか、時間の割引を行ってもよい。
【0088】
割引サーバ70は、所定の期間単位、例えば一か月単位で、店舗IDごとに利用者に提供した割引サービスの金額を集計し、あらかじめ登録したアドレスメール等で店舗および駐車場事業者へ、集計結果を通知する。駐車場事業者は、各店舗に割引金額に応じて代金を請求する。
【0089】
以上説明した第1実施形態では、駐車場を繰り返し利用する車両は、初回の利用時にはカード3を読み取らせる必要があるが、2回目以降は、車両が入口に近づくだけで入場ゲートが自動的に開き、入場できる。また、出場時には、あらかじめ駐車料金を支払済であれば、出口に車両が近づくだけでゲートが自動的に開き、出場できる。このように、利用者は、入場および出場の際、車両の窓を開けることも、入場管理装置30および出場管理装置50の機器に車両を近づけて駐車券を取るなどの煩わしさ無しに、駐車場に出入りすることができる。
【0090】
さらに、第1実施形態の駐車場管理システムは複数の駐車場を管理しており、利用者管理サーバ60は複数の駐車場の利用者に関するデータを利用者DB61で共有しており、ある駐車場を利用して、一度車両IDに関連づけて利用者IDを利用者DB61に記録された後は、他の駐車場を利用するときにも、同じ示駐車場を2回目以降利用するときと同様に、入場の際には入場ゲートが自動的に開き、スムーズに駐車場に入場することが可能である。
【0091】
さらに、第1実施形態の駐車場管理システムを利用して駐車場を運営する事業者は、駐車券が不要であるため、駐車券発行機の設置、その保守コスト、および駐車券自体の費用、その補充や廃棄の手間が不要となり、運営コストを削減できる。
【0092】
前述のように、説明した第1実施形態のシステム1は、各種の機能を実現するための構成要件を付加しているが、構成要件の一部で発明の基本構成を実現できる。例えば、もっとも簡単なシステムの構成は、1か所の駐車場で、利用者管理サーバおよび割引サーバは設けず(割引サービスは行わない)、車両IDの認識およびカードを読み取って、入場(入場時刻)、料金精算および出場の管理のみを行う構成である。この基本構成に各種の要素を加えることにより、システムに各種の機能を付加することができる。
【0093】
例えば、広い面積を有する駐車場や、複数階の駐車場など、多数の駐車スペースを有する駐車場では、駐車位置が分からなくなり、自分の車両を探すまでに時間がかかるという問題がある。次に説明する第2実施形態は、カードを読み取って得た利用者IDを利用して、駐車位置案内機能を実現した駐車場管理システムである。
【0094】
図14は、第2実施形態の駐車場管理システムの構成を示す図である。
第2実施形態の駐車場管理システムは、第1実施形態の駐車場管理システムに、駐車位置案内機能を追加したものである。
図14では、インターネットIN、モバイル通信網MN、利用者管理サーバ60等は記載を省略している。なお、第2実施形態の駐車場管理システムは、上記の第1実施形態の駐車場管理システムの全体に追加する構成だけでなく、一部に追加する構成でもよい。
【0095】
第2実施形態の駐車場管理システムは、第1実施形態の駐車場管理システムに加えて、駐車位置案内装置90と、駐車場に設けられた複数の駐車位置入力装置95と、を有する。また、駐車場管理装置21は、駐車位置データベース(DB)25および無線LAN親機26をさらに有する。駐車位置案内装置90は、駐車場管理装置21に、駐車場10内に設けられたネットワークにより相互に通信可能に接続されている。駐車位置案内装置90は、カードリーダ91と、情報提示手段92と、制御部93と、を有する。情報提示手段92は、表示・操作部や、音声装置である。駐車位置案内装置90は、
図3および
図4に示したコンピュータシステムで不要な部分および機能を除いて実現される。なお、駐車位置案内装置90は、1個に限定されず、異なる複数の場所に設けてもよい。
【0096】
第2実施形態の駐車場管理システムが管理する駐車場10は、複数の駐車スペース11を有する。複数の駐車スペース11は、複数のブロック12に分けられている。
図14では、複数のブロック12は、同じ大きさで、16個の駐車スペース11を有するが、これに限定されるものではなく、ブロックの形状、駐車スペース数が異なってもよい。
【0097】
ブロック12ごとに、駐車位置入力装置95が設けられている。
図14では、各ブロックに4個の駐車位置入力装置95が設けられているが、これに限定されるものではない。各駐車位置入力装置95には、対応するブロックの位置を示す位置情報が割り当てられている。
図14では、各ブロックの4個の駐車位置入力装置95には、同じ位置情報が割り当てられている。例えば、各駐車スペースに1つの駐車位置入力装置95が設けられている場合には、各駐車位置入力装置95には対応する駐車スペースを示す位置情報が割り当てられる。
【0098】
各駐車位置入力装置95は、カードリーダ(図示せず)を有する。カードリーダは、入場管理装置30に設けられるカードリーダ32や、料金精算装置40に設けられるカードリーダ41と、同様に実現される。複数の駐車位置入力装置95のカードリーダは、無線LANにより駐車場管理装置21に付属した無線LAN親機26と通信可能である。なお、複数の駐車位置入力装置95のカードリーダは、無線LANの代わりに有線LANにより、駐車場管理装置21と通信可能に形成してもよい。
【0099】
利用者が携帯するカードを各駐車位置入力装置95のカードリーダに読み取らせるようにすると、カードに記録されている利用者IDが読み取られ、利用者IDおよび割り当てられた位置情報を、無線LAN親機26を介して駐車場管理装置21に送信する。駐車場管理装置21は、送信された利用者IDおよび位置情報を、駐車位置DB25に対応づけて記録する。
【0100】
駐車位置案内装置90のカードリーダは、利用者が携帯するカードを読み取り可能な位置に配置すると、カードに記録されている利用者IDを読み取り、利用者IDを、ネットワークを介して駐車場管理装置21に送信する。駐車場管理装置21は、駐車位置DB25内で送信された利用者IDを検索し、利用者IDに対応して記録されている位置情報を読み出し、利用者IDおよび位置情報を駐車位置案内装置90に送信する。駐車位置案内装置90は、位置情報に基づいて駐車位置案内情報を生成し、情報提示手段92により利用者に提示する。駐車位置案内情報は、駐車場の区分を表示するか、表示した駐車場の地図上に駐車位置を表示するものであるが、音声での案内でもよい。例えば、
図14では、位置情報はブロックであるから、ブロックの番号を表示する。もし駐車場が複数階を有し、東西に分離されている場合には、「3F−東−B2」という具合に表示する。また、駐車スペースまで表示する場合には、「3F−東−B2−5」という具合に表示する。これを音声で出力してもよい。また、駐車場の地図を表示して、ブロックの位置を、色を異ならせるか、点滅して示してもよい。制御部93は、一連の動作を制御する。
【0101】
図15は、利用者が駐車位置の登録を行う時の処理を示すフローチャートである。
利用者は、車両を駐車スペースに駐車した後、最寄りの駐車位置入力装置95のカードリーダに、利用者が携帯するカードを読み取らせる動作を行う。このカードは、駐車場への入場時に使用したカードであることが望ましい。これに限定されない。
ステップS201では、駐車位置入力装置95のカードリーダが、利用者の提示したカードの利用者IDを読み取る。
【0102】
ステップS202では、駐車位置入力装置95は、読み取った利用者IDを、駐車位置入力装置95に割り当てられた位置情報と共に、無線LAN親機26を介して駐車場管理装置21に送信する。
ステップS301では、駐車場管理装置21は、送信された利用者IDおよび位置情報を受信する。
ステップS302では、駐車場管理装置21は、利用者IDおよび位置情報を、駐車位置DB25に対応づけて記録する。
【0103】
図16は、利用者が駐車位置の案内を受ける時の処理を示すフローチャートである。
利用者が駐車場から出るために自分の車両の駐車位置を探す場合、利用者は最寄りの駐車位置案内装置90のカードリーダ91に駐車位置登録時に使用したカードを読み取らせる。
ステップS401では、駐車位置案内装置90のカードリーダ91が、利用者の提示したカードの利用者IDを読み取る。
【0104】
ステップS402では、駐車位置案内装置90は、読み取った利用者IDを、ネットワークを介して駐車場管理装置21に送信する。
ステップS501では、駐車場管理装置21は、送信された利用者IDを受信する。
ステップS502では、駐車場管理装置21は、利用者IDを、駐車位置DB25内で検索する。
ステップS503では、検索した利用者IDが駐車位置DB25内に記録されているか判定し、記録されていなければステップS504に進み、記録されていればステップS505に進む。利用者IDは駐車位置DB25内に記録されているはずであるが、利用者が利用者IDの登録を失念していた場合には、記録されていないこともあり得る。
【0105】
ステップS504では、駐車場管理装置21は、送信された利用者IDが記録されていないことを、駐車位置案内装置90に送信する。
ステップS403では、駐車位置案内装置90は、利用者ID記録無し情報を受信する。
ステップS404では、駐車位置案内装置90は、利用者IDが記録されていないことを、情報提示手段92により利用者に提示する。
【0106】
ステップS505では、駐車場管理装置21は、駐車位置DB25内に利用者IDと対応づけて記録されている位置情報を読み出す。
ステップS506では、読み出した位置情報を、利用者IDと一緒に、駐車位置案内装置90に送信する。利用者IDを一緒に送信するのは、駐車位置案内装置90が複数の案内を並行して行う場合を想定しているためであり、受け付ける案内が1つのみの場合には、利用者IDは送信しなくてもよい。
【0107】
ステップS406では、駐車位置案内装置90は、利用者IDおよび位置情報を受信する。
ステップS407では、駐車位置案内装置90は、位置情報から駐車位置案内情報を生成し、情報提示手段62により利用者に提示する。
【0108】
第2実施形態では、駐車位置案内装置90と駐車位置入力装置95を別のものとして示したが、駐車位置入力装置95に情報提示手段92を設け、駐車位置入力装置95を駐車位置案内装置として利用することも可能である。言い換えれば、駐車位置案内装置90を無くし、複数の駐車位置入力装置95の少なくとも一部に情報提示手段92を設け、情報提示手段92を設けた駐車位置入力装置95を駐車位置案内装置として利用する。例えば、複数の駐車位置入力装置95のすべてに情報提示手段92を設ければ、駐車位置案内装置90の設置密度が高くなり、利用の利便性が向上する。
【0109】
駐車位置入力装置95に情報提示手段92を設けて駐車位置案内装置90として利用する場合、カードリーダが利用者の保持するカードの利用者IDを読み取る場合に、駐車位置登録のためであるか、駐車位置検索のためであるか識別する必要がある。識別する1つの方法は、利用者が、駐車位置登録と駐車位置検索のいずれであるかを、カードリーダに指示した後読み取らせるようにすることである。このためには、カードリーダが、駐車位置登録と駐車位置検索のいずれであるかの指示が受けられるようにする必要があり、例えば駐車位置登録と駐車位置検索のいずれであるかを利用者が指示する入力ステップを設ける。
【0110】
別の識別方法は、利用者IDが駐車位置登録されているかで識別する方法である。
図17は、利用者IDが駐車位置登録されているかで識別する場合の、利用者が駐車位置の案内を受ける時の処理を示すフローチャートである。ここでは、駐車位置入力装置95は、すべて駐車位置案内装置90であるとして説明する。
ステップS601では、駐車位置案内装置90のカードリーダ61が、利用者の提示したカードの利用者IDを読み取る。
【0111】
ステップS602では、駐車位置案内装置90は、読み取った利用者IDを、ネットワークを介して駐車場管理装置21に送信する。
ステップS701では、駐車場管理装置21は、送信された利用者IDを受信する。
ステップS702では、駐車場管理装置21は、利用者IDを、駐車位置DB25内で検索する。
ステップS703では、検索した利用者IDが駐車位置DB25内に記録されているか判定し、記録されていなければステップS704に進み、記録されていればステップS706に進む。
【0112】
ステップS704では、駐車場管理装置21は、利用者IDおよび位置情報を、駐車位置DB25に対応づけて記録する。
ステップS705では、駐車場管理装置21は、位置情報の記録が終了したことを、駐車位置案内装置90に送信する。
ステップS603では、駐車位置案内装置90は、位置情報の記録が終了したことを受信する。
ステップS604では、駐車位置案内装置90は、位置情報の記録が終了したことを、情報提示手段92により利用者に提示する。
【0113】
ステップS706では、駐車場管理装置21は、駐車位置DB25内に利用者IDと対応づけて記録されている位置情報を読み出す。
ステップS707では、読み出した位置情報を、利用者IDと一緒に、駐車位置案内装置90に送信する。
【0114】
ステップS606では、駐車位置案内装置90は、利用者IDおよび位置情報を受信する。
ステップS607では、駐車位置案内装置90は、位置情報から駐車位置案内情報を生成し、情報提示手段62により利用者に提示する。
【0115】
以上、第2実施形態を説明したが、案内の方法は各種の変形例があり得る。例えば、駐車位置案内装置の代わりに、利用者の保持するスマートフォンを利用することも可能である。スマートフォンに搭載したICカードリーダでカードの利用者IDを読み取るか、またはスマートフォンに内蔵したICチップに記録されている利用者IDを読み取り、スマートフォンにあらかじめダウンロードされ稼働するアプリケーションソフトウエアが、スマートフォンの通信機能を利用して利用者IDを駐車場管理装置21に送信する。駐車場管理装置21は、駐車位置DB25内に利用者IDと対応づけて記録されている位置情報を読み出し、位置情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンのアプリケーションソフトウエアは、スマートフォンの表示機能および/または音声機能を利用して、駐車位置案内を提示する。