(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6305128
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】リーンノックストラップの脱硫装置および方法
(51)【国際特許分類】
F01N 3/20 20060101AFI20180326BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20180326BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20180326BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20180326BHJP
F01N 3/025 20060101ALI20180326BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20180326BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
F01N3/20 EZAB
B01D53/86 222
B01D53/94 222
F01N3/08 A
F01N3/025 101
F01N3/24 N
F01N3/20 C
F01N3/035 E
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-49764(P2014-49764)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-102089(P2015-102089A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0143261
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 津 夏
【審査官】
石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−264311(JP,A)
【文献】
特開2001−152837(JP,A)
【文献】
特開2005−273573(JP,A)
【文献】
特開2004−339993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気浄化装置に備えられたリーンノックストラップ(Lean NOx Trap;以下LNT)の脱硫装置において、
前記リーンノックストラップは、空燃比が希薄(lean)な雰囲気で排気ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、濃厚(rich)な雰囲気で吸蔵された窒素酸化物を脱着し、排気ガスに含まれている窒素酸化物または脱着した窒素酸化物を還元させるようになっており、
前記排気浄化装置は、排気ガスに含まれている粒子状物質をスートとして捕集し、再生条件を満たす時、捕集されたスートを焼いて再生される媒煙フィルタと、前記リーンノックストラップの脱硫および前記媒煙フィルタの再生を制御する制御器とをさらに含み、
前記制御器は、媒煙フィルタの再生中にスート再生量が設定再生量以上であれば、リーンノックストラップの脱硫を進行させ、リーンノックストラップの脱硫中に脱硫中止条件を満たすと、リーンノックストラップの脱硫を中止させ、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上でかつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であれば、媒煙フィルタの再生を、前記再生条件を満たすか否かにかかわらず再び進行できる状態にすることを特徴とするリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項2】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする請求項1に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項3】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発することを特徴とする請求項2に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項4】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値未満であれば、脱硫および媒煙フィルタの再生を完全に終了し、一般運転モードに進入することを特徴とする請求項1に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項5】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上で、かつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であり、NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えると、媒煙フィルタの再生を前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にすることを特徴とする請求項1に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項6】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする請求項5に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項7】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発することを特徴とする請求項6に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項8】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上でかつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であり、NOx浄化率が設定NOx浄化率以下であれば、サービスセンターへの訪問を勧告する第2警告を発することを特徴とする請求項1に記載のリーンノックストラップの脱硫装置。
【請求項9】
燃焼雰囲気によって排気ガスに含まれている窒素酸化物を吸蔵または脱着/還元するリーンノックストラップの脱硫方法において、前記リーンノックストラップは、排気浄化装置に備えられ、
前記排気浄化装置は、排気ガスに含まれている粒子状物質を捕集する媒煙フィルタをさらに含み、前記脱硫方法は、
再生条件を満たした時に媒煙フィルタを再生する段階と、
媒煙フィルタのスート再生量が設定再生量以上であるかを判断する段階と、
媒煙フィルタのスート再生量が設定再生量以上であれば、リーンノックストラップの脱硫を進行させる段階と、
リーンノックストラップの脱硫中止条件を満たすかを判断する段階と、
リーンノックストラップの脱硫中止条件を満たすと、リーンノックストラップの脱硫を中止する段階と、
前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上であるかを判断する段階と、
脱硫中止回数が設定値以上であれば、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であるかを判断する段階と、
硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であれば、媒煙フィルタの再生を、前記再生条件を満たすか否かにかかわらず再び進行できる状態にする段階と、
を含むことを特徴とするリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項10】
媒煙フィルタの再生を前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする請求項9に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項11】
前記媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項12】
前記脱硫中止回数が設定値未満であれば、一般運転モードに進入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項13】
前記硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であれば、NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えるかを判断する段階と、
NOx浄化率が設定NOx浄化率以下であれば、サービスセンターへの訪問を勧告する第2警告を発する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項14】
前記NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えると、媒煙フィルタの再生を前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にする段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項15】
前記媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする請求項14に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【請求項16】
前記媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発する段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のリーンノックストラップの脱硫方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーンノックストラップ(Lean NOx Trap;以下LNT)の脱硫装置および方法に係り、より詳しくは、LNTの脱硫中止条件が満たされても、設定された状況下では脱硫モードから抜けることなく再び脱硫を進行させることにより、燃費を改善させるLNTの脱硫装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エンジンから排気マニホールドを通して排出される排気ガスは、排気パイプに設けられた触媒コンバータ(Catalytic Converter)に誘導されて浄化され、マフラを通過しながら騒音が減衰した後、テールパイプを通して大気中に排出されて前記触媒コンバータは、排気ガスに含まれている汚染物質を浄化する。そして、排気パイプ上には、排気ガスに含まれている粒子状物質(Particulate Matters:PM)を捕集するための媒煙フィルタが装着される。
【0003】
窒素酸化物低減触媒(Denitrification Catalyst;DeNOx Catalyst)は、排気ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を浄化させる触媒コンバータの一形式である。尿素(Urea)、アンモニア(Ammonia)、一酸化炭素および炭化水素(Hydrocarbon;HC)などの還元剤を排気ガスに接触させると、窒素酸化物低減触媒では、排気ガスに含まれている窒素酸化物が前記還元剤との酸化−還元反応により還元される。
最近は、このような窒素酸化物低減触媒としてLNT(Lean NOx Trap)が使用されている。LNTは、エンジンの空燃比が1以上の希薄(lean)な雰囲気では、排気ガスに含まれている窒素酸化物を吸着し、エンジンの空燃比が1以下の濃厚(rich)な雰囲気では、吸着した窒素酸化物を脱着し、脱着した窒素酸化物および排気ガスに含まれている窒素酸化物を還元させる。
【0004】
しかし、LNTにおいて窒素酸化物を吸蔵する物質は塩基性であるため、排気ガスに含まれている窒素酸化物と共に、硫黄酸化物(燃料またはエンジンオイルに含まれている硫黄成分が酸化された物質)も吸着し、LNT内の硫黄成分の被毒はLNTの浄化効率を低下させるため、LNTの脱硫過程が必要となる。
従来のLNTの脱硫方法によれば、LNTに被毒される硫黄酸化物の量が設定された量以上になると、エンジンを脱硫モードに制御してLNTに被毒された硫黄酸化物を脱着させる。しかし、脱硫を進行させている途中に運転条件が変更されて脱硫を引き続き進行させることが難しい場合、例えば、車両が減速したり道路が混雑した場合、脱硫を中止し、一般運転モードに戻る。この状態で、脱硫が可能な運転条件を満たすと、再び排気ガスの温度を上昇させた後、脱硫モードに進入する。
【0005】
また、媒煙フィルタの再生後直ちに脱硫モードに進入する場合には、脱硫モード進入のために媒煙フィルタの再生モードに進入し、媒煙フィルタの再生を再び進行させた後、脱硫モードに進入する。つまり、脱硫中止条件が満たされると、無条件で脱硫モードから抜けた後、再び脱硫モードに進入できず、媒煙フィルタの再生モードを再び経た後、脱硫モードに進入する。これにより、燃費が悪化し、エンジンが破損することがあり、媒煙フィルタの再生時に噴射される尿素の消耗量が急激に増加する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2013−514881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、LNTの脱硫中止条件が満たされても、設定された状況下では脱硫モードから抜けることなく再び脱硫を進行させることにより、燃費を改善させることができるLNTの脱硫装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、排気浄化装置に備えられたリーンノックストラップ(Lean NOx Trap;以下LNT)の脱硫装置において、
前記リーンノックストラップは、空燃比が希薄(lean)な雰囲気で排気ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、濃厚(rich)な雰囲気で吸蔵された窒素酸化物を脱着し、排気ガスに含まれている窒素酸化物または脱着した窒素酸化物を還元させるようになっており、
前記排気浄化装置は、排気ガスに含まれている粒子状物質をスートとして捕集し、再生条件を満たす時、捕集されたスートを焼いて再生される媒煙フィルタと、前記リーンノックストラップの脱硫および前記媒煙フィルタの再生を制御する制御器とをさらに含み、
前記制御器は、媒煙フィルタの再生中にスート再生量が設定再生量以上であれば、リーンノックストラップの脱硫を進行させ、リーンノックストラップの脱硫中に脱硫中止条件を満たすと、リーンノックストラップの脱硫を中止させ、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上でかつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であれば、
媒煙フィルタの再生を、前記再生条件を満たすか否かにかかわらず再び進行できる状態にすることを特徴とする。
【0009】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする。
【0010】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発することを特徴とする。
【0011】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値未満であれば、脱硫および媒煙フィルタの再生を完全に終了し、一般運転モードに進入することを特徴とする。
【0012】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上で、かつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であり、NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えると、媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にすることを特徴とする。
【0013】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする。
【0014】
前記制御器は、媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発することを特徴とする。
【0015】
前記制御器は、前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上でかつ、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であり、NOx浄化率が設定NOx浄化率以下であれば、サービスセンターへの訪問を勧告する第2警告を発することを特徴とする。
【0016】
燃焼雰囲気によって排気ガスに含まれている窒素酸化物を吸蔵または脱着/還元するリーンノックストラップの脱硫方法において、前記リーンノックストラップは、排気浄化装置に備えられ、
前記排気浄化装置は、排気ガスに含まれている粒子状物質を捕集する媒煙フィルタをさらに含み、前記脱硫方法は、
再生条件を満たした時に媒煙フィルタを再生する段階と、
媒煙フィルタのスート再生量が設定再生量以上であるかを判断する段階と、
媒煙フィルタのスート再生量が設定再生量以上であれば、リーンノックストラップの脱硫を進行させる段階と、
リーンノックストラップの脱硫中止条件を満たすかを判断する段階と、
リーンノックストラップの脱硫中止条件を満たすと、リーンノックストラップの脱硫を中止する段階と、
前の脱硫が完了した時点から現在までの脱硫中止回数が設定値以上であるかを判断する段階と、
脱硫中止回数が設定値以上であれば、硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であるかを判断する段階と、
硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であれば、媒煙フィルタの再生を、前記再生条件を満たすか否かにかかわらず再び進行できる状態にする段階と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする。
【0018】
前記媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
前記脱硫中止回数が設定値未満であれば、一般運転モードに進入する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
前記硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であれば、NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えるかを判断する段階と、
NOx浄化率が設定NOx浄化率以下であれば、サービスセンターへの訪問を勧告する第2警告を発する段階とをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
前記NOx浄化率が設定NOx浄化率を超えると、媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にする段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
前記媒煙フィルタの再生を
前記再生条件を満たすか否かに関わらず再び進行できる状態にした後、リーンノックストラップの脱硫が可能であれば、媒煙フィルタの再生を再び進行させることを特徴とする。
【0023】
前記媒煙フィルタの再生を再び進行させる前に、脱硫運転を勧告する第1警告を発する段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、繰り返される脱硫モード進入、または媒煙フィルタの再生モード再進入後の脱硫モード進入などによる燃費の悪化を防止し、脱硫モードによるLNT触媒の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係るLNTの脱硫装置が適用可能な排気ガス浄化装置を示した概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法に用いられる制御器において入力と出力の関係を示したブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫装置が適用可能な排気ガス浄化装置を示した概略図である。
図1に示す通り、内燃機関の排気装置は、エンジン10と、排気パイプ20と、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation;EGR)装置30と、リーンノックストラップ(Lean NOx Trap;LNT)40と、噴射モジュール50と、媒煙フィルタ(Particulate Filter)60と、制御器70とを含む。
【0027】
エンジン10は、燃料と空気の混合された混合気を燃焼させ、化学的エネルギーを機械的エネルギーに変換する。エンジン10は、吸気マニホールド16に連結され、燃焼室12の内部に空気が流入し、燃焼過程で発生した排気ガスは、排気マニホールド18に集められた後、エンジンの外部に排出される。燃焼室12にはインジェクタ14が装着され、燃料を燃焼室12の内部に噴射する。
ここでは、ディーゼルエンジンを例示したが、希薄燃焼(lean burn)ガソリンエンジンを用いることもできる。ガソリンエンジンを使用する場合、吸気マニホールド16を通して混合気が燃焼室12の内部に流入し、燃焼室12の上部には、点火のための点火プラグ(図示せず)が装着される。また、ガソリン直接噴射(Gasoline Direct Injection;GDI)エンジンを用いる場合、ディーゼルエンジンと同様に、インジェクタ14が燃焼室12の上部に装着される。
また、多様な圧縮比、好ましくは16.5以下の圧縮比を有するエンジンが使用できる。
【0028】
排気パイプ20は、排気マニホールド18に連結され、排気ガスを車両の外部に排出させる。排気パイプ20上には、LNT40、噴射モジュール50、および媒煙フィルタ60が装着され、排気ガス中に含まれている炭化水素、一酸化炭素、粒子状物質、そして窒素酸化物などを除去する。
排気ガス再循環装置30は、排気パイプ20上に装着され、エンジン10から排出される排気ガスの一部を、排気ガス再循環装置30を通してエンジン10に再供給する。また、排気ガス再循環装置30は、吸気マニホールド16に連結され、排気ガスの一部を空気に混合して燃焼温度を制御する。このような燃焼温度の制御は、制御器70の制御によって吸気マニホールド16に供給される排気ガスの量を調節することにより行われる。したがって、排気ガス再循環装置30と吸気マニホールド16とを連結するライン上には、制御器70によって制御される再循環バルブ(図示せず)が装着できる。
【0029】
排気ガス再循環装置30の後方の排気パイプ20には第1酸素センサ72が装着され、排気ガス再循環装置30を通過した排気ガス中の酸素量を検出して制御器70に伝達することにより、制御器70が排気ガスのリーン/リッチ制御(lean/rich control)を行うことを補助させることができる。本明細書では、第1酸素センサ72の測定値をLNTの前段の空燃比(lambda)と称する。
また、排気ガス再循環装置30の後方の排気パイプ20には第1温度センサ74が装着され、排気ガス再循環装置30を通過した排気ガスの温度を検出する。
LNT40は、排気ガス再循環装置30の後方の排気パイプ20に装着されている。LNT40は、希薄(lean)な雰囲気で排気ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、濃厚(rich)な雰囲気で吸蔵された窒素酸化物を脱着し、排気ガスに含まれている窒素酸化物または脱着した窒素酸化物を還元させる。また、LNT40は、排気ガスに含まれている一酸化炭素(CO)および炭化水素(HC)を酸化させる。
【0030】
ここで、炭化水素は、排気ガスおよび燃料に含まれている炭素と水素で構成された化合物をすべて示すものとする。
LNT40の後方の排気パイプ20には、第2酸素センサ76、第2温度センサ78、および第1NOxセンサ80が装着されている。
第2酸素センサ76は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスに含まれている酸素量を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。第1酸素センサ72および第2酸素センサ76の検出値に基づいて、制御器70は、排気ガスのリーン/リッチ制御を行うことができる。本明細書において、第2酸素センサ76の測定値をフィルタの前段の空燃比(lambda)と称する。
第2温度センサ78は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスの温度を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
【0031】
第1NOxセンサ80は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスに含まれているNOx量を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。第1NOxセンサ80で測定されたNOx量は、噴射モジュール50で噴射する還元剤の量を決定するのに使用できる。
噴射モジュール50は、媒煙フィルタ60の前段の排気パイプ20に装着されており、制御器70によって制御されて還元剤を排気ガスに噴射する。通常、噴射モジュール50は、尿素を噴射し、噴射された尿素は、加水分解によってアンモニアに変換される。しかし、還元剤は、アンモニアに限定されない。以下、説明の便宜上、還元剤としてアンモニアを使用し、噴射モジュール50で尿素を噴射することを例示する。しかし、本発明の技術的思想内においてアンモニア以外の還元剤を使用することも本発明の範囲に含まれる。
【0032】
噴射モジュール50の後段の排気パイプ20にはミキサ55が装着され、還元剤を排気ガスに均一に混合させる。
媒煙フィルタ60は、ミキサ55の後段の排気パイプに装着されており、排気ガスに含まれている粒子状物質を捕集し、噴射モジュール50から噴射された還元剤を用いて、排気ガスに含まれている窒素酸化物を還元する。このような目的のために、媒煙フィルタ60は、選択的還元触媒のコーティングされたディーゼル媒煙フィルタ(Selective Catalytic Reduction on Diesel Particulate Filter;SDPF)62と、追加的な選択的還元触媒(SCR)64とを含む。
【0033】
SDPF62は、DPFのチャネルを構成する隔壁にSCRがコーティングされている。通常、DPFは、複数の入口チャネルおよび出口チャネルを含む。入口チャネルは、その一端が開口し、その他端が詰まっていて、DPFの前段から排気ガスが流入する。また、出口チャネルは、その一端が詰まっており、その他端が開口し、DPF内部の排気ガスを排出する。入口チャネルを通してDPFに流入した排気ガスは、入口チャネルおよび出口チャネルを分割する多孔性の隔壁を通して出口チャネルに入った後、出口チャネルを通してDPFから排出される。排気ガスが多孔性の隔壁を通過する過程で、排気ガスに含まれている粒子状物質が捕集される。また、SDPF62にコーティングされたSCRは、噴射モジュール50から噴射された還元剤を用いて、排気ガスに含まれている窒素酸化物を還元させる。
【0034】
追加的なSCR64は、SDPF62の後段に装着される。追加的なSCR64は、SDPF62で窒素酸化物が完璧に浄化されない場合、窒素酸化物を追加的に還元させる。
一方、排気パイプ20には差圧センサ66が装着されている。差圧センサ66は、媒煙フィルタ60の前段部および後段部の圧力差を測定し、これに対する信号を前記制御器70に伝達する。制御器70は、差圧センサ66で測定された圧力差が設定圧力以上の場合、媒煙フィルタ60を再生するように制御することができる。この場合、インジェクタ14から燃料を後噴射することにより、媒煙フィルタ60の内部に捕集された粒子状物質を燃焼させることができる。
【0035】
また、媒煙フィルタ60の後段の排気パイプ20には第2NOxセンサ82が装着される。第2NOxセンサ82は、媒煙フィルタ60から排出された排気ガスに含まれている窒素酸化物の量を検出し、これに対する信号を制御器70に伝達する。制御器70は、第2NOxセンサ82の検出値に基づいて、媒煙フィルタ60が排気ガスに含まれている窒素酸化物を正常に除去しているかをモニタリングすることができる。つまり、第2NOxセンサ82は、媒煙フィルタ60の性能を評価するために使用できる。
制御器70は、各センサで検出された信号に基づいて、エンジンの運転条件を判断し、前記エンジンの運転条件に基づいて、リーン/リッチ制御および噴射モジュール50から噴射される還元剤の量を制御する。一例として、制御器70は、排気ガスの温度が転移温度未満の場合、リーン/リッチ制御によってLNT40で窒素酸化物を除去させ、排気ガスの温度が転移温度以上の場合、還元剤の噴射によって媒煙フィルタ60で窒素酸化物を除去させることができる。リーン/リッチ制御は、インジェクタ14から噴射される燃料の量を調節することにより行われるのが好ましい。
【0036】
一方、制御器70は、エンジンの運転条件に基づいて、SDPF62の内部温度、SDPF62に吸蔵されたアンモニアの量、脱硫時のLNT40の後段のNOx排出量、および媒煙フィルタ60の再生時のLNT40の後段のNOx排出量などを計算する。このような目的のために、制御器70には、媒煙フィルタ60の内部温度に応じたアンモニア吸蔵/酸化特性、媒煙フィルタ60の内部温度に応じたアンモニア脱着特性、濃厚な雰囲気でのLNT40のNOxスリップ特性などが格納されている。媒煙フィルタ60の内部温度に応じたアンモニア吸蔵/酸化特性、媒煙フィルタ60の内部温度に応じたアンモニア脱着特性、濃厚な雰囲気でのLNT40のNOxスリップ特性などは、数多くの実験によってマップに定められるのが好ましい。
また、制御器70は、媒煙フィルタ60の再生およびLNT40の脱硫を進行させる。
【0037】
図2は、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法に用いられる制御器において入力と出力の関係を示したブロック図である。
図2に示す通り、第1酸素センサ72、第1温度センサ74、第2酸素センサ76、第2温度センサ78、第1NOxセンサ80、第2NOxセンサ82、そして差圧センサ66は、制御器70に電気的に連結されており、検出した値を制御器70に伝達する。
第1酸素センサ72は、排気ガス再循環装置30を通過した排気ガス中の酸素量を検出し、これに対する信号を前記制御器70に伝達する。制御器70が、第1酸素センサ72で検出された排気ガス中の酸素量に基づいて、排気ガスのリーン/リッチ制御(lean/rich control)を行うことを補助できる。
【0038】
第1酸素センサ72で検出された値は、ラムダ(λ)で表示される。ラムダは、理論空気量に対する実際の空気量の比を示し、ラムダが1を超えると希薄な雰囲気、ラムダが1未満であれば濃厚な雰囲気と見る。
第1温度センサ74は、排気ガス再循環装置30を通過した排気ガスの温度を検出し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
第2酸素センサ76は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスに含まれている酸素量を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
第2温度センサ78は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスの温度を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
第1NOxセンサ80は、媒煙フィルタ60に流入する排気ガスに含まれているNOx量を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
【0039】
第2NOxセンサ82は、媒煙フィルタ60から排出された排気ガスに含まれている窒素酸化物の量を検出し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
差圧センサ66は、媒煙フィルタ60の前段部および後段部の圧力差を測定し、これに対する信号を制御器70に伝達する。
制御器70は、伝達された値に基づいて、エンジンの運転条件、燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴射パターン、還元剤噴射量、媒煙フィルタ60の再生時期、およびLNT40の脱硫時期を決定し、インジェクタ14および噴射モジュール50を制御するための信号をインジェクタ14および噴射モジュール50に出力する。
また、制御器70は、設定されたプログラムによって動作する1つ以上のプロセッサで実現可能であり、設定されたプログラムは、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法の各段階を行うようにプログラミングされたものであることが好ましい。
一方、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置には、
図2に記載したセンサ以外に複数のセンサが装着できるが、説明の便宜のために省略する。
【0040】
以下、
図3および
図4を参照して、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法を詳細に説明する。
図3および
図4は、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法のフローチャートである。
図3および
図4に示す通り、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法は、エンジン10が運転中の場合に実行される。エンジン10は、最初は一般モードで運転される(S100)。ここで、一般モードとは、媒煙フィルタ60の再生モードでもなく、LNT40の脱硫モードでもない運転モードを意味する。
エンジン10が一般モードで運転している状態で、制御器70は、媒煙フィルタ60の再生条件を満たすかを判断する(S110)。つまり、差圧センサ66の検出された圧力差が設定圧力以上であるかを判断する。
S110段階で媒煙フィルタ60の再生条件が満たされなければ、制御器70は、S100段階に戻り、エンジン10を一般モードで運転させる。
【0041】
S110段階で媒煙フィルタ60の再生条件が満たされると、制御器70は、媒煙フィルタ60の再生モードに進入する(S120)。つまり、制御器70は、排気ガスを再循環させることなくインジェクタ14が燃料を後噴射するように制御することにより、排気ガスの温度を上昇させる。これにより、媒煙フィルタ60に捕集された粒子状物質が焼ける。
制御器70は、媒煙フィルタ60の再生中に媒煙フィルタ60の再生中止条件が満たされるかを判断する(S130)。つまり、制御器70は、車速が減少して、媒煙フィルタ60の再生のために必要な温度まで温度を上昇させることができないかを判断する。
S130段階で媒煙フィルタ60の再生中止条件が満たされると、制御器70は、媒煙フィルタ60の再生を中止させ(S200)、エンジン10を一般モードで運転させる(S100)。
【0042】
S130段階で媒煙フィルタ60の再生中止条件を満たさなければ、制御器70は、媒煙フィルタ60を引き続き再生させ、媒煙フィルタ60のスート(粒子状物質)再生量をチェックする。その後、制御器70は、媒煙フィルタ60のスート再生量が設定再生量以上であるかを判断する(S140)。
S140段階で媒煙フィルタ60のスート再生量が設定再生量未満であれば、制御器70は、S120段階に戻る。
S140段階で媒煙フィルタ60のスート再生量が設定再生量以上であれば、制御器70は、LNTの脱硫モードに進入し(S150)、媒煙フィルタ60の再生およびLNT40の脱硫を同時に進行させる。LNT40の脱硫は、制御器70のリーン/リッチ制御によって行われる。
【0043】
その後、制御器70は、LNT40の内部温度が第1設定温度以上であるかを判断する(S160)。LNT40の内部温度が第1設定温度未満であれば、制御器70は、媒煙フィルタ60の再生モードに再進入(S210)し、媒煙フィルタ60の再生を再び進行させる。その後、制御器70は、LNT40の内部温度が第2設定温度未満であるかを判断し(S220)、LNT40の内部温度が第2設定温度以上であれば、媒煙フィルタ60の再生を継続し、LNT40の内部温度が第2設定温度未満であれば、LNT40の脱硫モードに再進入する(S150)。
一方、S160段階でLNT40の内部温度が第1設定温度以上であれば、制御器70は、LNT40の脱硫を引き続き進行させ、LNT40の脱硫中止条件を満たすかを判断する(S170)。つまり、制御器70は、車速が減少して、LNT40の脱硫のために必要な温度まで温度を上昇させることができないかを判断する。また、脱硫中止条件は、運転状態の変動によって脱硫を維持し難いいずれの条件も含むことができる。
【0044】
S170段階でLNT40の脱硫中止条件を満たさなければ、制御器70は、LNT40の脱硫を引き続き行い、脱硫量が設定脱硫量以上であるかを判断する(S180)。
S180段階で脱硫量が設定脱硫量未満であれば、制御器70は、S150段階に戻る。
S180段階で脱硫量が設定脱硫量以上であれば、制御器70は、脱硫を終了し、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法を終了する。
一方、S170段階で脱硫中止条件を満たすと、制御器70は、LNT40の脱硫を中止させ(S230)、脱硫中止回数を累積する(S240)。ここで、脱硫中止回数は、前の脱硫が完了した時点(つまり、脱硫が中止されず脱硫が完了した時点)から現在まで累積された脱硫中止回数を指す。また、仮に脱硫が完了した場合、脱硫中止回数は「0」にリセットされる。
その後、制御器70は、脱硫中止回数が設定値未満であるかを判断する(S250)。
【0045】
S250段階で脱硫中止回数が設定値未満であれば、制御器70は、S100段階に戻り、エンジン10を一般モードで運転させる。
S250段階で脱硫中止回数が設定値以上であれば、制御器70は、LNT40に被毒された硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であるかを判断する(S260)。
S260段階でLNT40に被毒された硫黄被毒量が設定硫黄被毒量未満であれば、脱硫運転を勧告する第1警告を発し(S270)、媒煙フィルタ60の再生モードに再進入できるように準備をする。この場合には、LNT40の脱硫モードから完全に抜けることなく媒煙フィルタ60の再生モードに再進入できるように準備をすることにより、LNT40の脱硫が可能であれば、直ちにLNT40の脱硫モードに再進入させる。また、LNT40の脱硫がよく行われるように、運転者に脱硫運転を勧告して運転者が車速を上げるように誘導する。第1警告の発送は、ランプの点灯、案内文字の発送、案内放送などが好ましい。
【0046】
S260段階でLNT40に被毒された硫黄被毒量が設定硫黄被毒量以上であれば、制御器70は、LNT40のNOx浄化率が設定NOx浄化率を超えるかを判断する(S280)。
S280段階でLNT40のNOx浄化率が設定NOx浄化率を超えると、制御器70は、第1警告を発し(S270)、媒煙フィルタ60の再生モードに再進入できるように準備をする。
S280段階でLNT40のNOx浄化率が設定NOx浄化率以下であれば、制御器70は、サービスセンターへの訪問を勧告する第2警告を発し(S290)、本発明の実施形態に係るLNTの脱硫方法を終了する。第2警告の発送は、ランプの点灯、案内文字の発送、案内放送などであるとよい。
一方、S270段階を行った後、制御器70は、現在の運転条件で脱硫が可能であるかを判断する(S300)。つまり、現在の運転条件で排気ガスの温度を脱硫が可能な温度まで上昇させることができるかを判断する。
【0047】
S300段階で現在の運転条件での脱硫が可能でなければ、制御器70は、脱硫が可能な運転条件に進入するまで運転条件を引き続きモニタリングする。S300段階で現在の運転条件での脱硫が可能であれば、制御器70は、直ちに媒煙フィルタ60の再生モードに再進入し(S120)、媒煙フィルタ60の再生およびLNT40の脱硫を順次に進行させる。
上述のように、本発明の実施形態によれば、頻繁な運転モードの切替を防止することにより、燃費を向上させることができる。
また、脱硫制御ロジックを簡略化することにより、制御器のメモリを縮小することができる。
さらに、運転者が脱硫運転をするように誘導したり、サービスセンターへの訪問を勧告することにより、エンジンの破損を防止することができる。
【0048】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更され、均等と認められる範囲のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0049】
10 エンジン
12 燃焼室
14 インジェクタ
16 吸気マニホールド
18 排気マニホールド
20 排気パイプ
30 排気ガス再循環装置
40 リーンノックストラップ、LNT
50 噴射モジュール
55 ミキサ
60 媒煙フィルタ
62 SDPF
64 選択的還元触媒(SCR)
66 差圧センサ
70 制御器
72 第1酸素センサ
74 第1温度センサ
76 第2酸素センサ
78 第2温度センサ
80 第1NOxセンサ
82 第2NOxセンサ