【実施例】
【0081】
以下に本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下において、配合量を示す「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。但し、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更や修正が可能である。
【0082】
<分散剤の合成>
[製造例1(分散剤1の合成)]
撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、アリルアルコール64g(1.1モル)、触媒として苛性ソーダ0.3gを仕込み、次に、炭素数12,14のα−オレフィンオキシド(DIC(株)製、商品名エポサイザーM−24)196g(1モル)を滴下し、90℃にて10時間撹拌しながら反応させた。その後、110℃に加温し、減圧にて過剰のアリルアルコールを除去した。次いで、ε−カプロラクトン1141.4g(10モル)、テトラブチルチタネート1.0gを加え、残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで窒素雰囲気下180℃で反応させた。
【0083】
次に、トルエン1000gを加え均一になるよう攪拌した後、反応系の温度を60℃以下に保ちながらモノクロロ酢酸ナトリウム151g(1.3モル)、水酸化ナトリウム52g(1.3モル)を徐々に添加した後、80℃で3時間反応させた。反応後、98%硫酸120g(1.2モル)を滴下することにより、白色懸濁溶液を得た。この白色懸濁溶液を蒸留水で洗浄し、溶媒を減圧留去することにより分散剤1(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0084】
[製造例2(分散剤2の合成)]
炭素数12,14のα−オレフィンオキシドに代えて、炭素数16,18のα−オレフィンオキシド(DIC(株)製、商品名エポサイザーM−68)252g(1モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤2(R
1:C14,16アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0085】
[製造例3(分散剤3の合成)]
アリルアルコールに代えてメタリルアルコール79g(1.1モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤3(R
1:C10,12アルキル基、R
2:メタリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0086】
[製造例4(分散剤4の合成)]
アリルアルコールに代えて1−プロペニルフェノール134g(1.0モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤4(R
1:C10,12アルキル基、R
2:1−プロペニルフェニル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0087】
[製造例5(分散剤5の合成)]
ε−カプロラクトンの使用量を570.7g(5モル)にした以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤5(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:5、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0088】
[製造例6(分散剤6の合成)]
ε−カプロラクトンの使用量を2282.8g(20モル)にした以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤6(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:20、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0089】
[製造例7(分散剤7の合成)]
ε−カプロラクトンに代えてγ−ブチロラクトン860.9g(10モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤7(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
3−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0090】
[製造例8(分散剤8の合成)]
ε−カプロラクトンに代えて、δ−バレロラクトン1001.2(10モル)を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、分散剤8(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
4−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0091】
[製造例9(分散剤9の合成)]
撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、アリルアルコール64g(1.1モル)、触媒として苛性ソーダ0.3gを仕込み、次に、炭素数12,14のα−オレフィンオキシド(DIC(株)製、商品名エポサイザーM−24)196g(1モル)を滴下し、90℃にて10時間撹拌しながら反応させた。その後、110℃に加温し、減圧にて過剰のアリルアルコールを除去した。次いで、反応器に検水管を取り付け、12−ヒドロキシステアリン酸1802.9g(6モル)、テトラブチルチタネート1.0gを加え、残存する酸価が2mgKOH/g以下になるまで窒素雰囲気下180℃で反応させた。
【0092】
続いて、トルエン1000gを加え均一になるよう攪拌した後、反応系の温度を60℃以下に保ちながらモノクロロ酢酸ナトリウム151g(1.3モル)、水酸化ナトリウム52g(1.3モル)を徐々に添加した後、80℃で3時間反応させた。反応後、98%硫酸120g(1.2モル)を滴下することにより、白色懸濁溶液を得た。この白色懸濁溶液を蒸留水で洗浄し、溶媒を減圧留去することにより分散剤1(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
10−CH(C
6H
13)O−、n:6、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0093】
[製造例10(分散剤10の合成)]
製造例1と同様にして得たε−カプロラクトン10モル付加体にスベリン酸無水物156g(1モル)を120℃で2時間反応させることで分散剤10(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:−C(=O)−(CH
2)
6−、m:1、Z:COOH)を得た。
【0094】
[製造例11(分散剤11の合成)]
製造例1と同様にして得たε−カプロラクトン10モル付加体にコハク酸無水物100g(1モル)を120℃で2時間反応させることで分散剤11(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:−C(=O)−CH
2−CH
2−、m:1、Z:COOH)を得た。
【0095】
[製造例12(分散剤12の合成)]
製造例1と同様にして得たε−カプロラクトン10モル付加体に無水マレイン酸198g(1モル)を120℃で2時間反応させることで分散剤12(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:−C(=O)−CH=CH−、m:1、Z:COOH)を得た。
【0096】
[製造例13(分散剤13の合成)]
製造例1と同様にして得たε−カプロラクトン10モル付加体に無水リン酸47g(0.33モル)を80℃で5時間反応させることで分散剤13(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、m:0、Z:リン酸モノエステルPO
3H
2/リン酸ジエステルPO
2H)を得た。
【0097】
[製造例14(分散剤14の合成)]
製造例1と同様にして得たε−カプロラクトン10モル付加体を反応基にとりにクロロスルホン酸117g(1.0モル)を約1時間かけて滴下した。液温は10〜15℃に維持した。クロルスルホン酸滴下終了後、反応液中に窒素ガスを流し、副生の塩化水素ガスを除去し、分散剤14(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、m:0、Z:スルホン基)を得た。
【0098】
[比較製造例1(比較例1の分散剤の合成)]
撹拌機、温度計及び還流管を備えた反応容器に、アリルアルコール58g(1.0モル)、ε−カプロラクトン1141.4g(10モル)、テトラブチルチタネート1.0gを加え、窒素雰囲気下で4時間かけて180度まで昇温した。180℃で反応を行い残存するε−カプロラクトンが1%以下になるまで反応させた。
【0099】
以降は製造例1と同様の操作を行い、比較例1の分散剤(R
1:H、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0100】
[比較製造例2(比較例2の分散剤の合成)]
ε−カプロラクトン付加操作を行なわない以外は製造例1と同様の操作を行い、比較例2の分散剤(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、n:0、X:CH
2、m:1、Z:COOH)を得た。
【0101】
[比較製造例3(比較例3の分散剤の合成)]
製造例1においてε−カプロラクトン付加終了時に得られた組成物を比較例3の分散剤(R
1:C10,12アルキル基、R
2:アリル基、Y:−C(=O)−(CH
2)
5−O−、n:10、m:0、Z:H)とした。
【0102】
〔分散試験1〕
以下の表1に示す本発明の分散剤1.5部(固形分換算)及び表2に示す比較分散剤1.5部(固形分換算)を、分散媒としての溶剤(イソプロパノール又はメチルエチルケトン)68.5部に溶解し、さらに、分散質としての酸化マグネシウム(MgO)30部及び直径0.5mmのジルコニアビーズ100mlを加えたものに、ペイントシェーカーで12時間微細化処理を実施した。その結果、得られた処理液を透明の容器に移して容器内の処理液の分散性について、その処理液を目視にて観察することによって、以下の基準で評価した。その結果を表1と表2に示す。
◎:すべての分散質が液中に分散し、容器の底部に沈降物は見られない
○:ほとんどの分散質が液中に分散しているが、容器の底部にごくわずかの沈降物が見られる
×:ほとんどの分散質が底部に沈降している
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
表1及び表2に示した結果から、本発明の分散剤を用いた分散体は比較例のものと比較して分散性がより優れていることが分かる。
【0106】
〔分散試験2〕
以下の表3に示す本発明の分散剤及び比較例の分散剤の所定量を、それぞれ表3に示す分散媒の所定量に溶解し、さらに、分散質としての酸化ジルコニウム(ZrO
2)5部を加えたものに、ビーズミル(寿工業(株)製、商品名ウルトラアペックスミルUAM‐005、直径50μmのジルコニアビーズ使用、周速10m/秒)で2時間微細化処理を実施した。その結果得られた処理液を透明の容器に移して、微細化処理直後の容器内の処理液の分散性と、24時間後の容器内の処理液(分散剤が0.25部で分散質が5部の処理液)の分散安定性とについて、処理液を目視にて観察することによって、同上基準で評価した。また、一部の処理液(分散剤が0.25部で分散質が5部の処理液)について、粒度分布計(日機装株式会社製、マイクロトラックUPAMODEL 9230)を使用して動的光散乱法により測定した50%体積粒径(D50)を微細化処理直後の酸化ジルコニウムの粒子径とした。なお、分散剤に対する分散媒の配合量は、分散剤0.5部、0.25部、0.15部、0.05部に対して、それぞれ分散媒94.5部、94.75部、94.85部、94.95部である。また、表3における分散剤使用量(対酸化ジルコニウム)は、10%が分散剤0.5部、5%が分散剤0.25部、3%が分散剤0.15部、1%が分散剤0.05部にそれぞれ対応する。上記分散性と分散安定性の目視評価と酸化ジルコニウムの粒子径測定結果を表3に示す。
【0107】
また、以下の表3に示す組成を有する本発明の分散剤又は比較分散剤と、酸化ジルコニウム、分散媒からなる上記酸化ジルコニウム分散体(分散剤 0.25部、酸化ジルコニウム 5.00部、メチルエチルケトン 94.75部)の70部を、アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製の商品名アクリペットVH)25部を溶解させた溶液70部に混合してなる分散液について、ビーズミル(寿工業(株)製、商品名ウルトラアペックスミルUAM−005、直径50μmのジルコニアビーズ使用、周速10m/秒)で2時間微細化処理を実施した。その結果、得られた処理液を透明の容器に移して容器内の処理液の分散性について、処理液を目視にて観察することによって、上記基準で評価した。その結果を表3に示す。
【0108】
また、上記分散液(2時間の微細化処理後のもの)を厚さ10mmの清浄なガラス板上に塗布した後、乾燥機にて120℃で1時間乾燥して塗膜を得た。次いで、上記ガラス板の下に12ポイントで印字したアルファベットを記した紙を置き、ガラス板上に得られた塗膜の透明性について、その塗膜越しにアルファベットを判別できるかどうかの点から、以下の基準で評価した。その結果を表3に示す。
◎:12ポイントのアルファベット文字を鮮明に判別することができる
○:塗膜にごく僅かの濁りを生じているが、12ポイントのアルファベット文字を判別することができる
×:塗膜に濁りがあり、12ポイントのアルファベット文字を判別することができない
【0109】
【表3】
【0110】
表3に示すように、本発明の分散剤を用いたものの分散性と分散安定性は比較例のものと比較して優れていた。また、同表に示すように、本発明の分散剤を用いてなる分散体中の分散質の粒径は比較例の分散体中の分散質の粒径に比べてはるかに小さく、このことから本発明の分散剤の効果は明らかである。さらに、同表に示すように、本発明の分散体からなる塗膜の透明性は優れており、本発明の分散体の優れた分散性が実証されている。
【0111】
〔分散試験3〕
1.酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(1)の作製
酸化ジルコニウム粉末(日本電工(株)製、商品名PCS、一次粒子径30nm)100部とメチルエチルケトン400部とを混合したものに、以下の表4に示す本発明の分散剤又は比較分散剤10部を添加したものを、ビーズミル(寿工業(株)製、商品名ウルトラアペックスミルUAM−005、直径50μmのジルコニアビーズ使用、周速10m/秒)で4時間微細化処理を実施して、酸化ジルコニウム分散体を作製した。得られた酸化ジルコニウム分散体100部に、フェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアPHE)10部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアPET−3)10部とを添加して混合した後、溶媒のメチルエチルケトンを、ロータリーエバポレーターを用いて減圧除去し、酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(1)を得た。
【0112】
2.酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(2)の作製
市販の酸化ジルコニウム分散体(堺化学(株)製、商品名SZR−M、一次粒子径3nm、30質量%のメタノールを含有する分散体)100部に、以下の表4に示す組成を有する本発明の分散剤又は比較分散剤3部と、フェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアPHE)15部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアPET−3)15部とを添加して混合した後、溶媒のメタノールをロータリーエバポレーターを用いて減圧除去し、酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(2)を得た。
【0113】
3.酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(3)の作製
市販の酸化ジルコニウム分散体(堺化学(株)製、商品名SZR−M、一次粒子径3nm、30質量%のメタノールを含有する分散体)100部に、以下の表4に示す組成を有する本発明の分散剤又は比較分散剤3部と、o−フェニルフェノキシエチルアクリレート(日本化薬(株)製、商品名KAYARAD OPP−1)28.5部を添加して混合した後、溶媒のメタノールをロータリーエバポレーターを用いて減圧除去し、酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(3)を得た。
【0114】
<アクリレートモノマー分散体の特性評価>
上記により得られたアクリレートモノマー分散体(1)、(2)及び(3)の分散性に関し、透明性、粘度及び屈折率を、以下の方法で評価又は測定した。それらの結果を表4に示す。
【0115】
a.透明性
酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体を透明のガラス容器に入れ、上記ガラス容器の下に12ポイントで印字したアルファベットを記した紙を置き、分散体の透明性について、その分散体越しにアルファベットを判別できるかどうかの点から、以下の基準で評価した。
◎:分散体を5cm深さのガラス容器に入れたときに、12ポイントのアルファベット文字が見える(分散体が透明である)
○:分散体を1cm深さのガラス容器に入れたときに、12ポイントのアルファベット文字がはっきり見える(分散体に僅かな濁りがある)
×:分散体を1cm深さのガラス容器に入れたときに、12ポイントのアルファベット文字がはっきり見えない(分散体に濁りがある)
【0116】
b.粘度
酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の粘度を、E型粘度計(東機産業(株)製の商品名RE−80R)を用いて25℃で測定した。
【0117】
c.屈折率
酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の屈折率を、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製、商品名NAR−1T)を用いて25℃で測定した。
【0118】
<光重合硬化膜の作成及び特性評価>
さらに、上記酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(1)、(2)及び(3)の光重合硬化膜の作製及び評価を以下の通り行った。
【0119】
すなわち、上記酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体(1)、(2)又は(3)100部に、光重合開始剤(BASF社製、商品名IRGACURE184)1部を添加して混合し、酸化ジルコニウムペーストを得た。その酸化ジルコニウムペーストを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーター(小平製作所製、YA型)を用いて約50μmの膜厚で塗布した後、高圧水銀灯を用いて80W/cmの強さで約200mJ/cm
2のエネルギーの紫外線を照射することにより、酸化ジルコニウムのアクリレートモノマー分散体の光重合硬化膜を得た。得られた塗膜の透明性、屈折率、鉛筆硬度及び耐水性を、以下の通り評価又は測定した。それらの結果を表4に示す。
【0120】
a.透明性
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの下に12ポイントで印字したアルファベットを記した紙を置き、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に得られた光重合硬化膜の透明性について、その硬化膜越しにアルファベットを判別できるかどうかの点から、以下の基準で評価した。
◎:12ポイントのアルファベット文字を鮮明に判別することができる
○:硬化膜にごく僅かの濁りを生じているが、12ポイントのアルファベット文字を判別することができる
×:硬化膜に濁りがあり、12ポイントのアルファベット文字を判別することができない
【0121】
b.屈折率
光重合硬化膜の屈折率を、プリズムカプラ(セキテクノトロン社製、MODEL 2010/M)を用いて25℃で測定した。
【0122】
c.鉛筆硬度
光重合硬化膜の鉛筆硬度を、JISK5400に準拠して所定硬さの鉛筆で引っ掻き試験で測定した。
【0123】
d.耐水性
光重合硬化膜を60℃の恒温水槽で3日間浸漬し、光重合硬化膜の透明性について、aと同様の基準で評価した。
【0124】
【表4】
【0125】
表4に示すように、本発明の分散体は優れた分散性(外観の透明性)と高い屈折率を有し、本発明の分散体の光重合硬化膜は優れた透明性と高い屈折率と良好な鉛筆硬度と高い耐水性を備えている。