特許第6305146号(P6305146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6305146
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】車両用照明構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/64 20170101AFI20180326BHJP
   B60R 7/04 20060101ALN20180326BHJP
【FI】
   B60Q3/64
   !B60R7/04 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-61777(P2014-61777)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-182643(P2015-182643A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴晴
(72)【発明者】
【氏名】宮下 尚之
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−127768(JP,A)
【文献】 実開昭60−051147(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/00 − 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装部材と前記内装部材の外表面に取付けられるパネル部品との間に線状発光部を介装するとともに、
前記内装部材と前記パネル部品との間に、前記線状発光部から出射した光を外部へ漏出させる照明用隙間部を形成した車両用照明構造であって、
前記パネル部品の表面にシボ模様が形成された表皮材を被着するとともに、
前記表皮材の端末部を、前記パネル部品の裏面側に巻き込んで、前記線状発光部と対向する位置まで延長することによって、前記端末部の延長部分を形成し、
該延長部分を、前記線状発光部から出射した光を前記照明漏出用隙間部の内部にて前記延長部分を構成する前記表皮材のシボ模様で散乱させることで、外部へ漏出させる光量を調整可能な光量調整部としたことを特徴とする車両用照明構造。
【請求項2】
前記表皮材が、明色系の樹脂材料によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明構造。
【請求項3】
前記表皮材が、暗色系の樹脂材料によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明構造。
【請求項4】
前記内装部材が、前記線状発光部から出射した光を散乱させて外部へ漏出する漏光散乱部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用照明構造。
【請求項5】
前記漏光散乱部は、前記内装部材の外表面にシボ模様を形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用照明構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状発光部によって間接照明を行う車両用照明構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の高級感を演出するために、内装部材の基材に対し、表皮が巻き付けられたパネル部品が装着された内装部材がある。そして、このような内装部材の基材に対し、少なくとも一端縁が隙間を有するようにパネル部品を取付けて、内装部材の基材とパネル部品の間に線状発光装置を配置し、一端縁の隙間から線状発光装置の光を漏出させる間接照明装置付の内装部材が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−126193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように構成された従来の内装部材にあっては、基材の外表面は、通常は人の目に触れないことから、ナシ地処理等の表面処理がなされていない。したがって、内装部材の表面は一般に平滑面となっている。線状発光装置が、このような平滑面で囲まれた中に配置されると、内装部材の基材およびパネル部品の造形形状によっては、線状発光装置から出射した光は特定の方向に強く反射するため、観測者の目の位置によって、明るく観測される場所と暗く観測される場所とが発生する。したがって、高い照明品質を得ることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両用照明構造は、内装部材と前記内装部材の外表面に取付けられるパネル部品との間に線状発光部を介装するとともに、前記内装部材と前記パネル部品との間に、前記線状発光部から出射した光を外部へ漏出させる照明用隙間部を形成した車両用照明構造であって、前記パネル部品の表面にシボ模様が形成された表皮材を被着するとともに、前記表皮材の端末部を、前記パネル部品の裏面側に巻き込んで、前記線状発光部と対向する位置まで延長することによって、前記端末部の延長部分を形成し、該延長部分を、前記線状発光部から出射した光を前記照明漏出用隙間部の内部にて前記延長部分を構成する前記表皮材のシボ模様で散乱させることで、外部へ漏出させる光量を調整可能な光量調整部としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このように構成された本発明に係る車両用照明構造によれば、内装部材と内装部材の外表面に取付けられる、表面にシボ模様が形成された表皮材を被着したパネル部品との間に介装された線状発光部から出射した光を、内装部材とパネル部品との間に形成した照明用隙間部から外部へ漏出させる際に、表皮材の端末部をパネル部品の裏面側に巻き込んで、線状発光部と対向する位置まで延長することによって、端末部の延長部分を形成し、延長部分を、線状発光部から出射した光を照明漏出用隙間部の内部にて延長部分を構成する表皮材のシボ模様で散乱させることで、外部へ漏出させる光量を調整可能な光量調整部としたため、内装部材の基材の表面にナシ地等の表面処理を施すことなしに照明用隙間部から車室内に均一な光を出射させることができ、これによって、車室内照明の照明品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態である実施例1の車両用照明構造が実装されたコンソール本体の外観を示す外観図であり、(a)はコンソール本体の外観図である。(b)はフィニッシャーパネルを装着したセンターコンソールの外観図である。
図2】線状発光部の構造と機能を説明する図である。
図3】実施例1の車両用照明構造が実装されたセンターコンソールの構造を示す断面図であり、(a)はセンターコンソール本体にフィニッシャーパネルを取付けた状態で、図1(a)の切断線A−Aの位置で切断した断面図である。(b)はセンターコンソール本体にフィニッシャーパネルを取付けた状態で、図1(a)の切断線B−Bの位置で切断した断面図である。(c)はセンターコンソール本体にフィニッシャーパネルを取付けた状態で、図1(a)の切断線C−Cの位置で切断した断面図である。(d)はセンターコンソール本体にフィニッシャーパネルを取付けた状態で、図1(a)の切断線D−Dの位置で切断した断面図である。
図4】線状発光部から出射した光の挙動について説明する図であり、(a)は本発明が適用されていない場合における光の挙動を示す図である。(b)は本発明が適用された場合における光の挙動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の車両用照明構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
[センターコンソールの構造の説明]
図1(a)は、本発明の一実施形態である車両用照明構造を有するコンソール本体12の外観を示す図であり、図1(b)は、コンソール本体12にフィニッシャーパネルを装着したセンターコンソール10の外観を示す図である。
【0010】
センターコンソール本体12(内装部材)は、車両の車幅方向の中心部に、車両の前後方向に沿って設置される。通常、その前部はシフトレバーやスイッチ類や収納装置などが設置された操作部とされ、後部はコンソールボックス11とされている。
【0011】
コンソール本体12(内装部材)の左右両側面には線状発光部40が配設されて、クリップ部材等からなる複数の固定部材44,44によってコンソール本体12に固定されている。図1(a)では左側面の線状発光部40のみを図示しているが、線状発光部40は、同様にコンソール本体12の右側面にも配設されている。線状発光部40の車両前方側の端部には、照明色に対応する波長の光を放射するLEDからなる照明光源42が設置されている。照明光源42は、そこから出射した光線が線状発光部40の内部に入射するレイアウトで設置されている。
【0012】
コンソール本体12(内装部材)の後部上方には開閉可能なリッド部14が備えられる。このリッド部14の内部にはコンソールボックス11が形成されており、小物入れとして活用される。
【0013】
コンソール本体12(内装部材)には各種フィニッシャーパネルが装着されて、図1(b)に示すセンターコンソール10を形成する。すなわち、コンソール本体12の前部上方にはシフトレバー用フィニッシャーパネル24が装着される。また、コンソール本体12の後方には、後部フィニッシャーパネル26が装着される。
【0014】
さらに、コンソール本体12(内装部材)の前方左右側面には、サイドパネル22,22(パネル部品)が装着される。サイドパネル22,22は、後述するように、コンソール本体12との間に隙間をおいて装着される。このサイドパネル22,22の外表面には、表面にシボ模様が形成された表皮材30,30が被着されている。この表皮材30,30は、例えば、樹脂材料からなる合成皮革で形成されている。
[線状発光部による照明構造の説明]
【0015】
次に、図2、および、図3(a)〜(d)を用いて、線状発光部40による照明構造について説明する。
【0016】
線状発光部40は、例えば、透明な特殊アクリル樹脂製の芯部の外周を、乳白色のフッ素系樹脂の皮膜で覆った二重構造を有する単芯光ファイバーなどで構成されて、照明光源42から出射した光を導光して、線状発光部40の延設方向へ導く。したがって、図2に示すように、照明光源42の点Oから出射した光線Lは、線状発光部40の外周面上の点P1,P2,…,Pnで反射を繰り返しながら進行して、光を線状発光部40の奥まで導光する。
【0017】
なお、線状発光部40の外周面には、内部に導光された光を散乱(乱反射)させて外部へ照射する微細な凹凸が設けられている。したがって、光線Lは点P1,P2,…において外部に向かって出射する。その結果、線状発光部40を外部から見ると、外周面が線状に発光しているように観測される。本実施例では、このようにして線状発光部40の外周面から出射した光を用いて車室内の間接照明を行う。なお、上記では線状発光部40を、二重構造を有する単芯光ファイバーで構成した例を示したが、他に、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料からなり表面に微細凹凸の反射面を有する一般的なライトガイドを線状発光部40として利用することもできる。
【0018】
サイドパネル22(パネル部品)は、図3(a)〜(d)に示すように、コンソール本体12(内装部材)の側面に横方向から装着される。このとき、サイドパネル22の下部には、線状発光部40の延設方向に亘って、コンソール本体12との間に照明用隙間部50が形成される。そして、線状発光部40から出射した光は、この照明用隙間部50から外部に向けて出射する。なお、サイドパネル22は、クリップ等を用いた適切な係止部材によってコンソール本体12に取付けられるが、この取付け構造の説明は省略する。
【0019】
なお、図3(a)〜(d)には、コンソール本体12の一方側の側面のみを図示したが、図示していない他方側の側面についても、同様の構造でサイドパネル22が取付けられている。
【0020】
次に、図3(a),(c)を用いて、サイドパネル22(パネル部品)の構造について説明する。
【0021】
サイドパネル22(パネル部品)の表面には表皮材30が被着されている。この表皮材30の表面には、見栄え品質を向上させるために、微細な凹凸からなるシボ模様36が形成されている。そして、表皮材30の端末部32は、外部から見えないようにサイドパネル22の裏側に巻き込まれて、接着剤によってサイドパネル22に固定されている。
【0022】
巻き込まれた端末部32のうち、サイドパネル22下側の端末部32は、線状発光部40の外周面と対向する面が形成される位置まで延長した位置に設けられている。このようにしてサイドパネル22の裏側に形成された、線状発光部40の外周面と対向する面を光量調整部70と呼ぶ。そして、線状発光部40から出射した光は、光量調整部70に当たって、コンソール本体12(内装部材)側に反射する。詳しくは後述する。
【0023】
光量調整部70に当たってコンソール本体12(内装部材)側に反射した光は、さらにコンソール本体12(内装部材)の表面に当たって反射し、照明用隙間部50を通過して外部(車室内)に出射する。
【0024】
なお、線状発光部40は、図3(b)に示すように、複数の固定部材44でコンソール本体12(内装部材)に固定されている。また、図3(d)に示すように、コンソール本体12(内装部材)に設置されたリブに固定されている。このように、線状発光部40が固定された位置においては、線状発光部40からの光の出射が制限される。しかし、固定部材44のサイズは小さいため、線状発光部40から出射する光が途切れやムラを生じる虞はない。
[光の進路の説明]
【0025】
次に、センターコンソール10が有する照明構造の作用について、図4(a),(b)を用いて説明する。
【0026】
図4(a)は、本発明が適用されていない場合における光の挙動を示す。一方、図4(b)は、本発明が適用された場合における光の挙動を示す。
【0027】
図4(a)において、線状発光部40の外周面上の点P1から出射した光は、光束L1として、図4(a)に図示したように周囲に散乱(乱反射)する。この光束L1のうち、サイドパネル22(パネル部品)の裏面上の点Q1に到達した光は、点Q1において正反射して光線L2aの方向に進行する。このとき、サイドパネル22(パネル部品)には、表面にシボ模様36が形成された表皮材30が被着されているが、この表皮材30は、サイドパネル22の裏面側まで巻き込まれておらず、表皮材30の端末部32aは、サイドパネル22の辺縁付近に位置している。
【0028】
光線L2aは、その後、コンソール本体12(内装部材)上の点R1に到達して、点R1において正反射して光線L3で示す方向に進行する。そして、照明用隙間部50を通過してセンターコンソール10の外部に出射する。
【0029】
また、図4(a)には図示しないが、照明用隙間部50を通過した光は、さらに、コンソール本体12(内装部材)の外面上の点のうち、照明用隙間部50よりも外側の点に到達して、そこで再び正反射を繰り返す。
【0030】
このように、照明用隙間部50、またはコンソール本体12(内装部材)の外面上の点から、方向性を持った光が車室内に照射されるため、車室内の乗員の目の位置によっては、センターコンソール10の外部に出射した光を明るく視認できる場合と、視認できない場合とが生じる。すなわち、照明の明るさにムラが生じてしまう。
【0031】
一方、図4(b)において、線状発光部40の外周面上の点P1から出射した光は、光束L1として、図4(b)に図示したように周囲に散乱(乱反射)する。この光束L1のうち、サイドパネル22(パネル部品)の裏面上の点Q2に到達した光は、点Q2において拡散反射して、光束L2bとして周囲に散乱(乱反射)する。これは、図4(b)において、サイドパネル22には、表面にシボ模様36が形成された表皮材30が被着されており、その表皮材30の端末部32bは大きく巻き込まれて、サイドパネル22の裏面側に光量調整部70を形成しているためである。そして、この光量調整部70の表面上の点Q2にはシボ模様36が存在するため、点Q2に入射した光は、シボ模様36の表面の微細な凹凸で拡散反射して周囲に散乱(乱反射)する。
【0032】
周囲に散乱した光束L2bのうち、コンソール本体12(内装部材)上の点R2に到達した光線は、点R2において正反射して光線L3で示す方向に進行する。そして、照明用隙間部50を通過して、コンソール本体12上の点S1に到達する。
【0033】
コンソール本体12(内装部材)の外面上の点のうち、照明用隙間部50よりも外側の点S1を含む領域は、表面処理によって拡散反射面が形成されている。この拡散反射面は、漏光散乱部60として作用し、入射した光線L3を拡散反射して、光束L4として周囲に散乱させる。なお、拡散反射面を形成するには様々な方法があるが、例えば、表面にシボ模様36を形成すればよい。
【0034】
このようにして点S1において散乱した光は、コンソール本体12の外面から車室内に向かって進行するため、車室内の乗員は、目の位置によらずに、照明用隙間部50から出射した光でコンソール本体12の周囲が間接照明されているように視認することができる。
【0035】
なお、表皮材30の端末部32bの位置を調整することによって、光量調整部70から反射する光の量を調整し、照明用隙間部50から出射する光の量を調整することができる。例えば、図4(b)において端末部32bの位置を低くして(表皮材30の巻き込み量を少なくして)光量調整部70の面積を小さくすると、光量調整部70で反射する光の量が減少するため、照明用隙間部50から出射する光の量を減らすことができる。逆に、図4(b)において端末部32bの位置を高くして(表皮材30の巻き込み量を多くして)光量調整部70の面積を大きくすると、線状発光部40から出射した光が、光量調整部70においてより多く反射するため、照明用隙間部50から出射する光の量を増やすことができる。
【0036】
また、使用する表皮材30の色によって、光量調整部70で反射する光の量を調整し、照明用隙間部50から出射する光の量を調整することができる。例えば、表皮材30を明色系の樹脂材料で形成すると、光量調整部70で反射する光の量が増加するため、照明用隙間部50から出射する光の量を増やすことができる。逆に、表皮材30を暗色系の樹脂材料で形成すると、光量調整部70で反射する光の量が減少するため、照明用隙間部50から出射する光の量を減らすことができる。
【0037】
さらに、表皮材30の表面に形成するシボ模様36の形成状態(微細な凹凸の状態)によって、光量調整部70で反射する光の量を調整し、照明用隙間部50から出射する光の量を調整することができる。例えば、シボ模様36を浅く、少なく形成するほど、光量調整部70で反射する光の量が増加するため、照明用隙間部50から出射する光の量を増やすことができる。逆に、シボ模様36を深く、多く形成するほど、光量調整部70で反射する光の量が減少するため、照明用隙間部50から出射する光の量を減らすことができる。
【0038】
以上説明したように、実施例1に係る車両用照明構造によれば、コンソール本体12(内装部材)と、コンソール本体12の外表面に取付けられる、表面にシボ模様36が形成された表皮材30を被着したサイドパネル22(パネル部品)と、の間に介装された線状発光部40から出射した光を、コンソール本体12とサイドパネル22との間に形成した照明用隙間部50から外部へ漏出させる際に、表皮材30の端末部32をサイドパネル22の裏面側に巻き込んで、線状発光部40と対向する位置まで延長することによって、端末部32の延長部分を形成し、延長部分を、線状発光部40から出射した光を照明漏出用隙間部50の内部にて延長部分を構成する表皮材30のシボ模様36の微細な凹凸で散乱させることで、外部へ漏出させる光量を調整可能な光量調整部70としたため、照明用隙間部50から車室内に均一な光を出射させることができ、これによって車室内照明の照明品質を高めることができる。
【0039】
さらに、実施例1に係る車両用照明構造によれば、表皮材30が、明色系の樹脂材料によって形成されるため、線状発光部40から出射した光を光量調整部70でより多く反射させることができる。そのため、照明用隙間部50から出射する光の量が増加することにより照明光量を容易に増加方向に調整することができる。
【0040】
また、実施例1に係る車両用照明構造によれば、表皮材30が、暗色系の樹脂材料によって形成されるため、線状発光部40から出射した光の反射量を、光量調整部70でより少なく調整することができる。そのため、照明用隙間部50から出射する光の量が減少することにより照明光量を容易に減少方向に調整することができる。
【0041】
さらに、実施例1に係る車両用照明構造によれば、コンソール本体12(内装部材)が、線状発光部40から出射した光を散乱させて外部へ漏出する漏光散乱部60を有する。これにより、照明用隙間部50から出射した光を、漏光散乱部60において、車室内に向けてさらに散乱させることができる。したがって、コンソール本体12の周囲を、より一層均一に照明することができる。
【0042】
また、実施例1に係る車両用照明構造によれば、漏光散乱部60は、コンソール本体12(内装部材)の外表面にシボ模様36を形成したものであるため、容易に形成することができる。そして、シボ模様36によって漏光散乱部60を形成することにより、コンソール本体12の周囲を、より一層均一に照明することができる。
【0043】
なお、実施例1では、本発明の車両用照明構造をセンターコンソール10に適用したが、本発明の適用範囲はそれに限定されるものではない。例えば、車両の天井照明や足元照明にも同様に適用することができる。
【0044】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10 センターコンソール
12 コンソール本体(内装部材)
22 サイドパネル(パネル部品)
30 表皮材
32b 端末部
36 シボ模様
40 線状発光部
50 照明用隙間部
60 漏光散乱部
70 光量調整部
図1
図2
図3
図4