(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、車両重量計量システムにおける計量データの新規な記録方法を提供すべく、鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
【0010】
特許文献1に開示されたリサイクル資源荷受・出荷時計量システムでは、トラックスケールシステムから受信した重量データと、車輌認識システムから受信した車番データと所属先等データとを対応づけて表示する構成が開示されている。そこで、車両重量計量システムにおける計量データの新規な記録方法として、車両番号(ナンバープレートの番号)等と計量データとを関連付けて記録することが考えられる。
【0011】
しかしながらかかる方法では、車両番号を入力する際の人的ミスや、車輌認識システムがナンバープレートを自動的に解析して認識する際のエラー等によって、データ自体の信頼性が不十分であり、結果として計量データのトレーサビリティが不十分になりやすいとの課題が存在する。
【0012】
本発明者らは、計量台の上に載せられた車両を撮影して得られる画像データを、計量データと関連付けて記録することに想到した。かかる方法では、車両の画像データがそのまま計量データと関連づけて記録されることから、例えば、人的ミスや車両認識システムのエラーによりデータの正確性が損なわれる危険性が低減され、計量データの信頼性が飛躍的に向上される。車両の画像データと計量データとが関連付けられて記録されることにより、計量データのトレーサビリティが飛躍的に向上される。
【0013】
以下、実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、各図に示されている、各構成物の形状、大きさ、および、位置関係は、あくまで例であって、それらは図示された態様に限定されるものではない。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態の車両重量計量システムは、車両が停止した状態で載せられて車両の重量を検出する計量台と、計量台に停止した状態で載せられた車両を撮影可能な位置に配置された少なくとも1つの画像撮影装置と、計量台および画像撮影装置と通信可能に接続され、計量台により検出された車両の重量と、画像撮影装置により撮影された車両の画像とを関連付けて記録する記録動作を行う計量データ記録装置と、を備える。
【0015】
第1実施形態の車両重量計量方法は、計量台の上に停止した状態で載置された車両の重量を計量台を用いて検出するステップと、計量台の上に停止した状態で載置された車両の画像を撮影するステップと、車両の重量と車両の画像とを関連付けて記録するステップと、を備える。
【0016】
かかる構成では、人的ミスや車両認識システムのエラーによりデータの信頼性が損なわれる危険性を低減しつつ、計量データのトレーサビリティを飛躍的に向上できる。
【0017】
[装置構成]
図1は、第1実施形態にかかる車両重量計量システムの概略構成の一例を示す概念図である。以下、
図1を参照しつつ、第1実施形態にかかる車両重量計量システム100について説明する。
【0018】
図1に例示されているように、車両重量計量システム100は、計量台10と、少なくとも1つの画像撮影装置20と、計量データ記録装置30と、を備えている。
【0019】
計量台10は、停止した状態で計量台10に載せられた車両1の重量を検出する。具体的には例えば、計量台10は複数のロードセルを備え、該ロードセルによって車両1の重量を検出してもよい。この場合において、計量台10は、ロードセルの出力をそのまま計量データ記録装置30へと送り、計量データ記録装置30が受け取った出力を用いて車両1の重量を演算してもよい。あるいは例えば、計量台10がロードセルの出力を用いて車両1の重量を演算し、求められた重量を計量データ記録装置30へと送ってもよい。計量台10の具体的構成としては、公知の構成を適宜採用しうるので、詳細な説明を省略する。
【0020】
車両1は、例えば、トラック、コンテナ運搬車、ゴミ収集車、乗用車、鉄道車両等が含まれうる。車両1は、貨物運搬用車両であってもよい。
【0021】
画像撮影装置20は、計量台10に停止した状態で載せられた車両1を撮影可能な位置に配置されている。画像撮影装置20は、計量台10の上に停止した状態で載置された車両1の画像を撮影する。具体的には例えば、画像撮影装置20は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、CCD撮像装置、および、アナログの監視用カメラ等を適宜用いることができる。画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。画像撮影装置20は、可視光を用いて画像を撮影してもよい。
【0022】
画像撮影装置20は、計量データ記録装置30と、通信可能に接続されている。画像撮影装置20は、撮影した画像データを計量データ記録装置30へと送る。画像撮影装置20がアナログの画像データを出力する場合には、計量データ記録装置30においてデジタルデータへの変換が行われてもよい。画像撮影装置20は、固定式でもよいし、可動式でもよい。
【0023】
計量データ記録装置30は、計量台10および画像撮影装置20と通信可能に接続され、計量台10により検出された車両1の重量と、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像とを関連付けて記録する記録動作を行う。具体的には例えば、計量データ記録装置30は、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、計量台10および画像撮影装置20と通信する通信部(図示せず)と、を備える。演算処理部としては、MPU、CPUが例示される。記憶部としては、メモリーが例示される。通信部としては、ケーブル接続を用いた通信部、無線接続を用いた通信部等が例示される。計量データ記録装置30は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0024】
車両1の重量は、例えば、計量台10から入力された信号値がそのまま記録されてもよいし、車両1の重量値に変換されて記録されてもよい。
【0025】
車両1の画像は、例えば、JPEG、BMP等のファイル形式で記録されてもよい。車両1の画像は、OCR等により車両番号等の非画像データへと変換された数値データではなく、画像データである。車両1の画像は、画像撮影装置20から入力されたデータがそのまま記録されてもよいし、例えば、車両中の所定の部位(例えば、ナンバープレート部分)のみが切り出されて記録されてもよい。車両1の画像が画像データとしてそのまま記録されるため、例えば、車両番号を入力する際の人的ミスや、OCR等により車両番号を認識する際の車両認識システムのエラー等は発生しない。
【0026】
[データ記録方法]
図2は、第1実施形態にかかる車両重量計量システムにおけるデータ記録方法の一例を示す概念図である。
【0027】
車両重量5は、計量台10の上に停止した状態で載置された車両1の重量であって、計量台10を用いて検出される。車両画像3は、計量台10の上に停止した状態で載置された車両1を撮影することで得られる画像である。
【0028】
演算処理部32は、車両重量5と車両画像3とを関連付けて、記憶部34に記録する。関連付けの具体的な方法は特に限定されない。記録されている重量と画像とが、同一車両のものであることが判別できればよい。例えば、
図7の計量データに含まれる、「年月日」と「回数」の組合せをキー(識別特徴)として計量データを識別することができる。回数は、日毎にリセットされ、計量する度に1が加算されるものとすることができる。すなわち、回数は、その日の何回目の計量であるかを示す数字とすることができる。
【0029】
図7に示す例では、「年月日」が「20131201」、「回数」が「101」となっていることから、例えばこれを組み合わせた「201312010101」をキーとすることができる。データベースの計量データテーブルに、車両重量を含む1回分の計量データ(1レコード)を、該キーと共に登録してもよい。あるいは、例えば、「201312010101.txt」と名前付けられたテキストファイルに計量データを記録してもよい。
【0030】
計量完了時の車両画像3は、例えば、「キー.jpg」と名前付けされた画像ファイルとして保存することができる。この場合には、
図7に示す例では、ファイル名が「201312010101.jpg」となる。
【0031】
このように、テーブルまたはファイルに記録された計量データと、計量完了時の写真とを、「キー」で関連付けることができる。
【0032】
本実施形態の車両重量計量システム100によれば、車両の画像データがそのまま計量データと関連づけて記録されることから、人的ミスや車両認識システムのエラーによりデータの正確性が損なわれる危険性が低減され、計量データの信頼性が飛躍的に向上される。車両の画像データと計量データとが関連付けられて記録されることにより、計量データのトレーサビリティが飛躍的に向上される。
【0033】
なお、車両1の画像が記録される構成に加えて、OCR等により車両番号等を自動認識する車両認識システムを備えていてもよい。その場合でも、計量データ記録装置30により車両の重量と車両の画像とが関連付けられて記録されることで、人的ミスや車両認識システムのエラーによりデータの信頼性が損なわれる危険性を低減することができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態の車両重量計量システムは、第1実施形態の車両重量計量システムにおいて、計量データ記録装置が、車両を目視できない場所に設置された情報処理装置とネットワーク回線を介して通信可能に接続され、画像撮影装置により撮影された車両の画像を情報処理装置へと送信し、情報処理装置から受信する記録動作の指示を受けて記録動作を行うように構成されている。
【0035】
第2実施形態の車両重量計量システムは、第1実施形態の車両重量計量システムにおいて、さらに、車両を目視できない場所に設置されると共にネットワーク回線を通じて計量データ記憶装置と通信可能に接続された情報処理装置を備え、情報処理装置は、画像撮影装置により撮影された車両の画像を出力する出力器と、計量データ記録装置に対する記録動作の指示を入力するための入力器と、を備える。
【0036】
第2実施形態の車両重量計量方法は、第1実施形態の車両重量計量方法であって、さらに、車両を目視できない場所において該画像を出力するステップと、該場所において該画像を出力した状態で、記録するステップを実行する旨の指示を受け付けるステップと、を備える。
【0037】
かかる構成では、操作者が、車両から離れた場所にいながらにして、画像撮影装置により撮影された車両の画像を確認しながら記録動作を指示することが可能となる。よって、計量データの信頼性とトレーサビリティをさらに向上できる。
【0038】
上記車両重量計量システムにおいて、計量データ記録装置は、情報処理装置から車両に関連するデータを受信可能に構成され、計量データ記録装置が行う記録動作は、計量台により検出された車両の重量と、画像撮影装置により撮影された車両の画像と、情報処理装置から受信した車両に関連するデータとを関連付けて記録する動作であってもよい。
【0039】
上記車両重量計量システムにおいて、入力器は、車両に関連するデータを入力可能に構成されており、計量データ記録装置が行う記録動作は、計量台により検出された車両の重量と、画像撮影装置により撮影された車両の画像と、入力器を介して入力された車両に関連するデータとを関連付けて記録する動作であってもよい。
【0040】
上記車両重量計量方法は、車両に関連するデータの入力を受け付けるステップを備え、記録するステップは、車両の重量と車両の画像と車両に関連するデータとを関連付けて記録するステップであってもよい。
【0041】
かかる構成では、操作者が車両に関連するデータを入力し、これを車両の重量と関連付けて記録することが可能となる。よって、計量データのトレーサビリティがさらに向上する。
【0042】
図3は、第2実施形態にかかる車両重量計量システムの概略構成の一例を示す概念図である。以下、
図3を参照しつつ、第2実施形態にかかる車両重量計量システム200について説明する。
【0043】
情報処理装置40は、車両1を目視できない場所に設置されると共にネットワーク回線50を通じて計量データ記憶装置30と通信可能に接続されている。情報処理装置40は、出力器42と入力器44とを備えている。情報処理装置40は、具体的には例えば、パソコン等とすることができる。この場合には例えば、操作者が自分の使い慣れたパソコンを使って計量操作をすることが可能となる。
【0044】
車両1を目視できない場所とは、例えば、野外において計量台10が設置されている場所を計量スペースとするとき、該計量スペースから少し離れた事務室の屋内スペース、および、遠隔地にある管理室等とすることができる。
【0045】
出力器42は、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像を出力する。出力器42は、具体的には例えば、パソコンのディスプレイ等とすることができる。出力器42は、車両1を目視できない場所において、車両1の画像を出力する。出力器42は、該画像をリアルタイムで表示してもよい。
【0046】
入力器44は、計量データ記録装置30に対する記録動作の指示の入力を受け付ける。入力器44は、具体的には例えば、パソコンのキーボード及びマウス等とすることができる。入力器44は、車両1を目視できない場所において、車両1の画像を出力した状態で、記録動作の指示を受け付ける。ここでいう記録動作とは、計量台10により検出された車両1の重量と、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像とを、関連付けて記録する動作をいう。
【0047】
操作者により入力器44を介して記録動作の指示が入力されると、情報処理装置40から計量データ記録装置30へと指示が送信される。該信号を受けて、計量データ記録装置30は、計量台10により検出された車両1の重量と、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像とを、関連付けて記録する記録動作を行う。
【0048】
入力器44は、車両に関連するデータを入力可能に構成されていてもよい。車両に関連するデータとしては、例えば、計量が行われた年月日、計量が行われた時刻、計量が行われた回数、車両番号(車番)、業者名称、品種名称、出荷/入荷等の別、出荷先/入荷元、風袋重量、正味重量等が挙げられる。
【0049】
出力器42と入力器44とは、ディスプレイとキーボードのように別箇に構成されていてもよいし、タッチパネルのように一体に構成されていてもよい。
【0050】
計量データ記録装置30が行う記録動作は、計量台10により検出された車両1の重量と、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像と、入力器44を介して入力された車両1に関連するデータとを関連付けて記録する動作であってもよい。
【0051】
ネットワーク回線50は、例えば、有線回線および無線回線等とすることができる。
【0052】
なお、情報処理装置40は、車両重量計量システム200の一部であってもよいし、車両重量計量システム200の一部でなくてもよい。ネットワーク回線は、車両重量計量システム300の一部であってもよいし、車両重量計量システム300の一部でなくてもよい。
【0053】
以上の点を除き、車両重量計量システム200は、第1実施形態の車両重量計量システム100と同様の構成とすることができる。よって、第1実施形態(
図1)と第2実施形態(
図3)とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図3に示す例において、画像撮影装置20は、計量データ記録装置30を介してネットワーク回線50に接続されているが、画像撮影装置20は、ネットワーク回線50に直接接続されていてもよい。
【0055】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の変形が可能である。
【0056】
(第3実施形態)
第3実施形態の車両重量計量システムは、第2実施形態の車両重量計量システムにおいて、車両およびその周辺を監視可能な複数の異なる位置にそれぞれ配置されている、複数の画像撮影装置を備えてもよい。
【0057】
かかる構成では、操作者が、車両から離れた場所にいながらにして、車両の状態を確認しながら計量操作を行うことができる。よって、計量データの信頼性とトレーサビリティをさらに向上できる。
【0058】
図4は、第3実施形態にかかる車両重量計量システムの概略構成の一例を示す概念図である。以下、
図4を参照しつつ、第4実施形態にかかる車両重量計量システム400について説明する。
【0059】
図4に示す例において、車両重量計量システム400は2個の画像撮影装置20、22を備えている。画像撮影装置20、22は、車両1およびその周辺を監視可能な複数の異なる位置にそれぞれ配置されている。画像撮影装置20、22は、車両1およびその周辺の画像を撮影し、計量データ記録装置30と情報処理装置40とへ送る。なお、画像撮影装置の個数は2個に限定されず、3個以上であってもよい。
【0060】
出力器42は、画像撮影装置20、22から送られた画像を出力する。出力器42は、該画像をリアルタイムで表示してもよい。
【0061】
操作者は、出力器42に表示されている複数の画像を確認しながら、入力器44を介して記録動作の指示を入力することができる。記録動作の指示が入力されると、情報処理装置40から計量データ記録装置30へと指示が送信される。該信号を受けて、計量データ記録装置30は、計量台10により検出された車両1の重量と、画像撮影装置20により撮影された車両1の画像とを、関連付けて記録する記録動作を行う。このとき、記録される画像は、画像撮影装置20、22の両方から送られた複数の画像であってもよいし、画像撮影装置20、22のいずれか一方から送られた1個の画像であってもよい。
【0062】
以上の点を除き、車両重量計量システム300は、第1実施形態の車両重量計量システム100と同様の構成とすることができる。よって、第1実施形態(
図1)と第2実施形態(
図3)とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
第3実施形態の構成では、例えば計量動作時に不正が行われていないことを確認した上で、記録動作を指示することができる。よって、計量データの信頼性とトレーサビリティをさらに向上できる。
【0064】
なお、情報処理装置40は、車両重量計量システム300の一部であってもよいし、車両重量計量システム300の一部でなくてもよい。ネットワーク回線は、車両重量計量システム300の一部であってもよいし、車両重量計量システム300の一部でなくてもよい。
【0065】
第3実施形態においても第2実施形態と同様の変形が可能である。
【0066】
(実施例)
車両を被計量物として載置するための載台と、載台上の荷重を検出する荷重検出器(ロードセル等)とを備える多くの計量システムには、当該荷重検出器が出力する荷重信号を処理することで、被計量物の重量を演算して表示する指示計(Data Processor)が設けられている。従来の計量システムが備える指示計は、指示計自体が備える操作画面等(タッチパネル等)に直接手を触れて操作する。しかしながら、本実施例のように、遠隔地にある監視室から計量機の本体(載台)の状態をモニター可能とすることで、計量データの信頼性とトレーサビリティを向上できる。
【0067】
また、車両番号等を記録したカードを遠隔地にあるカードリーダに差し込んで遠隔操作することも考えられるが、扱える情報が少ない。
【0068】
本実施例の車両重量計量システムは、指示計を直接操作できなくても、遠隔の端末からネットワーク回線(LAN回線、インターネット回線等)を介して計量操作が行われる。車両が載せられた載台およびその周囲の状況は、近傍に設置されたネットワークカメラから送られる画像により確認することができる。
【0069】
図5は、実施例にかかる車両重量計量システムにおける操作画面の一例を示す図である。
図6は、実施例にかかる車両重量計量システムにおいて車両画像が拡大された状態の操作画面の一例を示す図である。
図7は、実施例にかかる車両重量計量システムにおけるデータ記録方法を示す概念図である。
【0070】
実施例にかかる車両重量計量システムの構成は、計量台10を載台とし、画像撮影装置20、22をネットワークカメラとし、計量データ記録装置30を指示計とし、情報処理40をパソコンとする他は、
図4と同様とすることができる。よって、システム構成に関する詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施例の車両重量計量システムは、以下の特徴を備える。
(1)載台の近傍にはネットワークカメラが設置される。計量室には指示計が設置される。事務室にはパソコンが設置される。ネットワークカメラと指示計とパソコンとは、ネットワーク回線により接続される。
(2)計量室に設置された指示計の画面(
図5)には、載台の近傍に設置されたネットワークカメラからの画像が表示される。
図5の右上にある画像をクリックすることで、
図6のようにネットワークカメラからの画像が拡大表示される。計量室にいるオペレータは、載台の状態(トラックの有無等)を確認しながら、計量操作を行うことができる。計量操作とは、例えば、車両番号や業者の情報、積載物の情報等、計量対象の情報を入力して、入力データと計量値とを組み合わせて計量データとして確定し、これを指示計に記録及び伝票印字させる一連の操作を意味する。
(3)計量室の指示計の画面は、事務所に設置されたパソコンのブラウザ上に表示される。同画面には、載台の近傍に設置されたネットワークカメラの画像も表示される。事務室にいるオペレータは、載台の状態(トラックの有無等)を確認しながら、計量操作を行うことができる。計量室まで実際に行かなくても、事務所のパソコンを介して計量操作を行うことができる。
(4)事務室のオペレータが計量完了操作を行うと、指示計の計量処理プログラムにより、車両の重量が求められる。車両重量は、カメラの画像と関連づけられて、写真記録用フォルダとデータベースに記録される。計量完了操作とは、例えば、入力データと計量値を確定させて、画像データと共に指示計に記録及び伝票印字させる操作をいう。
(5)記録動作が完了すると、指示計または事務所のパソコンにより伝票が発行される。
図9は、実施例にかかる車両重量計量システムが発行する伝票の一例を示す図である。
【0072】
図8は、実施例にかかる車両重量計量システムにおける計量方法の一例を示すフローチャートである。以下、
図8を参照しつつ、実施例の車両重量計量方法について説明する。
【0073】
車両重量の計量作業が開始すると(スタート)、運転手は、車両の全体を載台に乗り込ませて停止させる(ステップS1)。
【0074】
次に、計量室のオペレータは、カメラからの画像を確認しつつ、指示計に伝票内容を入力する(ステップS2)。なお、オペレータが事務室にいる場合には、カメラからの画像をパソコン上で確認しつつ、パソコンに伝票内容が入力されてもよい。
【0075】
次に、計量室のオペレータは、カメラからの画像を確認して異常がないことを確認した上で、指示計により計量完了操作を行う(ステップS3)。なお、オペレータが事務室にいる場合には、カメラからの画像をパソコン上で確認しつつ、パソコンを用いて計量完了操作が行われてもよい。
【0076】
次に、指示計は、重量検出信号が安定するのを待って、計量値を確定させる(ステップS4)。
【0077】
次に、指示計は、カメラからの画像を写真として取り込む(ステップS5)。
【0078】
次に、指示計は、伝票内容と計量値と写真とを関連付けて計量実績として記録する(ステップS6)。
【0079】
次に、指示計は、伝票を発行する(ステップS7)。伝票(
図9)には、伝票内容と共に、計量時の載台周辺の状態を示す画像も含まれる。伝票発行が完了すると、発車OKを示す信号灯が点灯される。
【0080】
次に、運転手は、発車OKを示す信号灯が点灯されたことを確認して、車両を載台から退出させ(ステップS8)、計量作業が完了する。
【0081】
ステップS4からステップS7までが指示計が行う処理である。
【0082】
かかる構成により、便利な車両重量計測システムを提供できる。パソコンに計量情報が集約できるので、管理が正確でかつ容易となる。
【0083】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。