(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6305172
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】指示計
(51)【国際特許分類】
G01G 23/36 20060101AFI20180326BHJP
G01G 23/01 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
G01G23/36 D
G01G23/01 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-80115(P2014-80115)
(22)【出願日】2014年4月9日
(65)【公開番号】特開2015-200594(P2015-200594A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸一郎
【審査官】
公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−012994(JP,A)
【文献】
特開2008−175599(JP,A)
【文献】
特開2011−247878(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0036558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00− 9/00
G01G 21/00−23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量装置の荷重検出器から入力される荷重信号に基づいて算出された被計量物の重量値を画面に表示する表示部を備えた指示計であって、
外部機器と通信ケーブルを介して接続されるシリアルポートを有し、前記外部機器との間で前記シリアルポートを介して前記計量装置に関わる情報のシリアル通信を行う制御部と、
前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させる指示を前記制御部へ与える入力部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部からの前記表示させる指示に基づいて前記シリアル通信の通信データをキャラクタコードで前記表示部に表示させるよう構成された、
指示計。
【請求項2】
計量装置の荷重検出器から入力される荷重信号に基づいて算出された被計量物の重量値を画面に表示する表示部を備えた指示計であって、
外部機器と通信ケーブルを介して接続されるシリアルポートを有し、前記外部機器との間で前記シリアルポートを介して前記計量装置に関わる情報のシリアル通信を行う制御部と、
前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させる指示を前記制御部へ与える入力部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部からの前記表示させる指示に基づいて前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させるよう構成され、
前記入力部は、
前記シリアル通信における通信速度を予め定められている複数の通信速度の中から選択して前記制御部に設定する機能を有するとともに、前記シリアル通信におけるデータフォーマットを予め定められている複数のデータフォーマットの中から選択して前記制御部に設定する機能を有するように構成された、
指示計。
【請求項3】
計量装置の荷重検出器から入力される荷重信号に基づいて算出された被計量物の重量値を画面に表示する表示部を備えた指示計であって、
外部機器と通信ケーブルを介して接続されるシリアルポートを有し、前記外部機器との間で前記シリアルポートを介して前記計量装置に関わる情報のシリアル通信を行う制御部と、
前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させる指示を前記制御部へ与える入力部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部からの前記表示させる指示に基づいて前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させるよう構成され、
前記通信ケーブルによって、前記シリアルポートの送信ピンと前記外部機器の受信ピンとが接続されるとともに前記シリアルポートの受信ピンと前記外部機器の送信ピンとが接続されており、
前記入力部は、テスト用データを送信する指示を前記制御部へ与えることができるよう構成され、
前記制御部は、前記テスト用データを送信する指示に基づいて、予め記憶している前記テスト用データを前記シリアルポートを介して前記外部機器へ送信するよう構成された、
指示計。
【請求項4】
前記入力部は、
前記シリアル通信における通信速度を予め定められている複数の通信速度の中から選択して前記制御部に設定する機能を有するとともに、前記シリアル通信におけるデータフォーマットを予め定められている複数のデータフォーマットの中から選択して前記制御部に設定する機能を有するように構成された、
請求項3に記載の指示計。
【請求項5】
前記制御部は、前記シリアル通信の通信データを記憶するよう構成された、
請求項1〜4のいずれかに記載の指示計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物の重量を計量する計量装置に用いられる指示計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホッパスケール、トラックスケール等の計量装置には、荷重検出器からの荷重信号に基づいて被計量物の重量値を算出し、その重量値等を表示する指示計が備えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、多くの指示計では、外部機器とシリアル通信可能なように接続され、被計量物の重量値、あるいはその重量値を含む計量データ等を外部機器へ送信したり、外部機器からの命令等の制御信号を受信できるように構成されている。このような指示計と接続される外部機器には、情報処理装置(パソコン)、プリンタ、計量装置のプログラマブルコントローラ、指示計とは離れた場所で被計量物の重量値等を表示する表示器、等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−247878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような指示計では、通信ラインの断線、ノイズ等の様々な原因により、外部機器との通信に不具合が生じることがある。このような不具合の原因を究明するために、従来、指示計と外部機器との間に、例えばラインモニタを設置し、ラインモニタの画面に表示される通信データを確認する方法がある。しかしながら、ラインモニタに関する設備費及び設置作業が別途必要になる。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ラインモニタ等の別途機器及びその設置作業を不要とし、外部機器との通信の不具合の原因究明が容易になる指示計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る指示計は、計量装置の荷重検出器から入力される荷重信号に基づいて算出された被計量物の重量値を画面に表示する表示部を備えた指示計であって、外部機器と通信ケーブルを介して接続されるシリアルポートを有し、前記外部機器との間で前記シリアルポートを介して前記計量装置に関わる情報のシリアル通信を行う制御部と、前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させる指示を前記制御部へ与える入力部とを備え、前記制御部は、前記入力部からの前記表示させる指示に基づいて前記シリアル通信の通信データを前記表示部に表示させるよう構成されている。
【0008】
ここで、計量装置に関わる情報のシリアル通信の通信データには、指示計(制御部)から外部機器へ送信する被計量物の重量値を含む計量データ等の送信データや、指示計(制御部)が外部機器から受信する命令等の制御信号等の受信データがある。
【0009】
この構成によれば、表示部に外部機器との通信データ(送信及び受信データ)を表示させることができる。よって、ラインモニタを用いなくても、すなわちラインモニタ等の別途機器及びその設置作業を不要とし、外部機器とのシリアル通信に不具合が生じているか否かの確認を容易にできるとともに、通信に不具合が生じている場合にその不具合の原因究明が容易になる。
【0010】
前記制御部は、前記シリアル通信の通信データを記憶するよう構成されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、通信データを記憶しておくことで、いつでも通信の不具合の原因究明が可能となるとともに、データ解析にも役立つ。
【0012】
前記入力部は、前記シリアル通信における通信速度を予め定められている複数の通信速度の中から選択して前記制御部に設定する機能を有するとともに、前記シリアル通信におけるデータフォーマットを予め定められている複数のデータフォーマットの中から選択して前記制御部に設定する機能を有するように構成されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、例えば、受信データにキャラクタコードの文字化けがあった場合には、通信速度、データフォーマットの設定が正しくないと考えられるので、このような場合に、通信速度及びデータフォーマットの設定変更を容易に行うことができる。
【0014】
前記通信ケーブルによって、前記シリアルポートの送信ピンと前記外部機器の受信ピンとが接続されるとともに前記シリアルポートの受信ピンと前記外部機器の送信ピンとが接続されており、前記入力部は、テスト用データを送信する指示を前記制御部へ与えることができるよう構成され、前記制御部は、前記テスト用データを送信する指示に基づいて、予め記憶している前記テスト用データを前記シリアルポートを介して前記外部機器へ送信するよう構成されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、指示計と外部機器との間の配線異常あるいは外部機器の異常が考えられる場合に、外部機器の受信ピンを送信ピンとを短絡させた状態で、テスト用データを送信させ、そのときの通信データを表示部に表示させて、送信データと受信データとが同じであるか否かによって、配線に異常がないか否かを判断することができる。よって、配線に異常が無ければ外部機器の異常と判断することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上に説明した構成を有し、ラインモニタ等の別途機器及びその設置作業を不要とし、外部機器との通信の不具合の原因究明が容易になる指示計を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態の指示計を備えた計量装置等の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の指示計の表示部の計量画面の一例を示す図である。
【
図3】(A)は本発明の実施形態の指示計の表示部のシリアル入出力画面の一例を示す図であり、(B)は同指示計の表示部のシリアルテスト画面の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の指示計のある1つのシリアルポートと1つの外部機器とのシリアル通信の接続概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0019】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の指示計を備えた計量装置等の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態の指示計2は、ホッパスケール、トラックスケール、台秤等の計量装置に用いられる。計量装置は、被計量物の重量が負荷されるロードセル等の荷重検出器1を有している。荷重検出器1は複数設けられていてもよい。指示計2は、制御部3と操作表示器4とを備えている。
【0021】
操作表示器4は、例えばタッチパネル付のディスプレイによって構成され、制御部3への入力操作等を行うタッチパネルからなる入力部7と、制御部3から与えられる重量値等を画面(ディスプレイ画面)に表示する表示部8とを備えている。なお、ここでは、入力部7と表示部8とが、操作表示器4として一体的に構成されているが、別々に設けられてあってもよい。
【0022】
制御部3は、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、CPU等からなる演算制御部5と、RAM及びROM等からなる記憶部6とを有する。演算制御部5は、そのCPUが記憶部6のROMに記憶されたCPUの実行プログラムを実行することにより、本指示計2の動作を制御する。なお、記憶部6には、後述のテスト用データも予め記憶されている。
【0023】
制御部3は、入力部7からの信号を入力するとともに、表示部8へ表示するデータ等の信号を出力する。例えば、制御部3は、重量算出部として機能し、荷重検出器1からの荷重信号を入力し、その荷重信号に応じた被計量物の重量値を算出する。さらに、その重量値を表示部8にデジタル表示させる。なお、ここでは、荷重検出器1は、ロードセルと、そのアナログ出力信号を処理する増幅器及びA/D変換器等を有して構成され、制御部3に入力される荷重信号はデジタル信号である。また、計量装置が、例えばホッパスケールの場合には、上方から供給される被計量物を一時保持し、下部に設けられた排出ゲートを開くことで被計量物を排出可能なホッパと、ホッパを載荷支持する複数(例えば3〜4個)のロードセル等からなる複数の荷重検出器1とを備えている。そして、制御部3(演算制御部5)では、各荷重検出器1からの荷重信号に基づいてホッパ内の被計量物の重量を算出し、その重量値を表示部8に表示させる。
【0024】
制御部3の演算制御部5は、CPU基板で構成され、このCPU基板には、荷重検出器1と接続される1または複数のポートPwと、外部機器9〜11と通信ケーブルで接続されるシリアルポートP1〜P3とを備えている。なお、ここでは、荷重検出器1と接続されるポートPwが1個しか図示されていないが、複数個設けられた構成でもよい。また、外部機器9〜11と接続されるシリアルポートP1〜P3が3個設けられているが、1個あるいは3個以外の複数個設けられた構成でもよい。
【0025】
このように、制御部3は、外部機器9〜11と通信ケーブルで接続され、シリアル通信(非同期シリアル通信)を行う。このとき、制御部3は、シリアル通信の送信データ及び受信データを記憶部6に記憶するよう構成されている。
【0026】
外部機器9〜11には、例えば、計量装置を制御するプログラマブルコントローラ、プリンタ、表示器、情報処理装置(例えばパソコン)等がある。
【0027】
また、指示計2は、制御部3の記憶部6に計量装置の動作プログラム及び動作パラメータ等が記憶されて、制御部3が計量装置全体の動作を制御するよう構成されている場合もある。
【0028】
図2は、操作表示器4の表示部8に表示される計量画面80の一例を示す図である。
【0029】
計量装置が計量動作中には、荷重検出器1から入力される荷重信号に基づく重量値が計量画面80の重量値表示領域81に表示される。
図2の例では、重量値表示領域81内の上部に総量(2006kg)、下部に正味量(1004kg)及び風袋量(1002kg)が表示されている。これは、計量装置が例えばホッパスケールである場合の一例であり、被計量物の重量が正味量で表示されている。
【0030】
計量画面80の下の方には、「メニュー」キー82と、「G/N」キー83と、「零調」キー84とが設けられている。「G/N」キー83をタッチするたびに、重量値表示領域81に表示される総量と正味量との表示場所を切り替えることができる。「零調」キー84をタッチすると零調整を行うことができる。
【0031】
また、「メニュー」キー82をタッチすると、メニュー画面(図示せず)に切り替わる。メニュー画面では、計量画面80、
図3(A)に示すシリアル入出力画面90及び
図3(B)に示すシリアルテスト画面100等を呼び出すことができる。
【0032】
図3(A)は、操作表示器4の表示部8に表示されるシリアル入出力画面の一例を示す図である。
【0033】
このシリアル入出力画面90では、通信データ表示領域91に、シリアルポートP1〜P3によって受信及び送信されるデータが表示される。
図3(A)では、ポート番号1のシリアルポートP1における受信データが、通信データ表示領域91内の上半部分に表示され、送信データが、通信データ表示領域91内の下半部分に表示されている。また、左右の矢印キー97、98をタッチすると、データを表示させるシリアルポートのポート番号を切り替えることができる。なお、ここでは、シリアルポートP1,P2,P3のポート番号を1,2,3としている。
【0034】
また、シリアル入出力画面90の下の方には、「計量」キー92と、「通信速度」キー93と、「ビット長」キー94と、「シリアルテスト」キー95とが設けられている。「計量」キー92をタッチすると
図2の計量画面80に切り替わり、「シリアルテスト」キー95をタッチすると
図3(B)に示すシリアルテスト画面100に切り替わる。
【0035】
前述のメニュー画面からシリアル入出力画面90を呼び出して、矢印キー97、98でポート番号を選択し、「更新」キー96をタッチすると、受信データ及び送信データが表示される。ここで、受信データ及び送信データともに、キャラクタで表示され、それぞれ、40キャラクタ分のデータが画面上に表示されている。なお、「NUL」はデータが無いことを示している。
【0036】
「通信速度」キー93をタッチすると、通信速度選択画面(図示せず)が表示される。通信速度選択画面には、設定可能な複数個の通信速度の値が表示される。例えば、1200bps、2400bps、4800bps、9600bps、19200bps、が表示される。これらの中から任意の通信速度の値を選択することができる。これにより、選択された通信速度が、矢印キー97、98で選択されたポート番号に該当するシリアルポートのシリアル通信の通信速度として制御部3に新たに設定(更新)され、通信速度の設定変更を容易に行うことができる。
【0037】
また、「ビット長」キー94をタッチすると、データフォーマット選択画面(図示せず)が表示される。データフォーマット選択画面には、例えば次の(1)〜(8)に示すような、設定可能な複数のデータフォーマットが表示される。なお、スタートビットは1ビットで共通なので、以下の(1)〜(8)では省略している。
【0038】
(1)7ビット+偶数パリティ+2ストップビット
(2)7ビット+奇数パリティ+2ストップビット
(3)7ビット+偶数パリティ+1ストップビット
(4)7ビット+奇数パリティ+1ストップビット
(5)8ビット+パリティなし+2ストップビット
(6)8ビット+パリティなし+1ストップビット
(7)8ビット+偶数パリティ+1ストップビット
(8)8ビット+奇数パリティ+1ストップビット
そして、これらの中から任意のデータフォーマットを選択することができる。これにより、選択されたデータフォーマットが、矢印キー97、98で選択されたポート番号に該当するシリアルポートのシリアル通信のデータフォーマットとして制御部3に新たに設定(更新)され、データフォーマットの設定変更を容易に行うことができる。
【0039】
次に、
図3(B)は、操作表示器4の表示部8に表示されるシリアルテスト画面の一例を示す図である。
【0040】
このシリアルテスト画面100は、指示計2のシリアルポートP1〜P3と外部機器9〜11との間の配線に断線等の不具合がないか否かを調べる際に呼び出される。3つのシリアルポートP1〜P3(ポート1〜3)の各々に対応して「実行」キー101と「連続」キー103とが設けられている。
【0041】
図4は、指示計2のある1つのシリアルポートと1つの外部機器とのシリアル通信(RS−232C)の接続概略図である。
【0042】
指示計2の受信(RX)ピン21と外部機器の送信(TX)ピン31とが接続され、指示計2の送信ピン22と外部機器の受信ピン32とが接続され、指示計2の信号用接地ピン23と外部機器の信号用接地ピン33とが接続されている。
【0043】
テストを行う場合、外部機器の送信ピン31と受信ピン32とを短絡させる。
【0044】
そして、シリアルテスト画面100において、テストを行うポートに対応する「実行」キー101をタッチすることにより、予め記憶部6に記憶されているテスト用データ(例えば、「1,2,3,4,5,6,7,8」)が送信ピン22から出力(シリアル送信)される。また、「連続」キー103をタッチすると、同テスト用データが送信ピン22から繰り返し送信され、「ストップ」キー104をタッチして送信を停止(終了)させることができる。
【0045】
指示計2の送信ピン22からシリアル送信されたテスト用データは、外部機器の送信ピン31と受信ピン32とが短絡されているので、指示計2の受信ピン21へ入力され、記憶部6に記憶される。
【0046】
そして、「シリアル入出力」キー106をタッチして、シリアル入出力画面90を呼び出して、ポート番号を選択し、「更新」キー96をタッチすると、先程送信されたテスト用データの送信データと、それの受信データとが通信データ表示領域91に表示される。
【0047】
操作者は、通信データ表示領域91を見て、送信データと受信データとに同じテスト用データが表示されていれば、配線に問題ないと判断することができる。しかし、例えば、受信データにデータが全く無ければ(全て「NUL」)、配線が断線していると判断することができる。
【0048】
本実施形態では、シリアル入出力画面90を呼び出して、送受信データを表示させることができるので、送受信データが正しいキャラクタデータであるか否かを確認できる。よって、ラインモニタを用いなくても、すなわちラインモニタ等の別途機器及びその設置作業を不要とし、外部機器とのシリアル通信に不具合が生じているか否かの確認を容易にできるとともに、通信に不具合が生じている場合の不具合の原因究明が容易になる。
【0049】
例えば、シリアル入出力画面90に表示された受信データにキャラクタコードの文字化けがあった場合には、通信速度、データフォーマット等の設定が正しくないと考えられるので、「通信速度」キー93をタッチして通信速度の設定変更を容易に行うことができる。また、「ビット長」キー94をタッチしてデータフォーマットの設定変更を容易に行うことができる。
【0050】
また、例えば、外部機器9が表示器である場合に表示器に表示がなされないなど送信データが正常に送信されていないと考えられる場合や、例えば、外部機器10からの受信データが受信されていない場合には、指示計2と外部機器9,10との間の配線異常あるいは外部機器9,10の異常が考えられる。この場合に、前述のように、テストを行って、送信データと受信データとに同じテスト用データが表示されれば、配線に異常はないと判断できるので、この場合、外部機器9,10の検査を行えばよい。また、受信データにデータが全く無ければ、配線異常(断線)と判断できる。
【0051】
また、荷重検出器1を有する計量装置において、指示計2で荷重検出器1からの荷重信号に応じた被計量物の重量値を算出し、その重量値を指示計2から外部機器11へ送信するように構成され、外部機器11が指示計2から送信される重量値に基づいて同計量装置の動作を制御するプログラマブルコントローラである場合に、同計量装置の動作が異常であるときには、指示計2と外部機器11との間の配線異常あるいは外部機器11の異常が考えられる。この場合も、前述のようにテストを行うことにより、配線異常か外部機器11の異常かを確かめることができる。
【0052】
また、外部機器9〜11とのシリアル通信の送受信データを記憶部6に記憶しているので、記憶した送受信データに指示計2の運転状態の情報を付加することが容易にできる。また、送受信データを記憶しておくことで、いつでも通信の不具合の原因究明が可能となるとともに、データ解析にも役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ラインモニタ等の別途機器及びその設置作業を不要とし、外部機器との通信の不具合の原因究明が容易になる指示計等として有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 荷重検出器
2 指示計
3 制御部
5 記憶部
7 入力部
8 表示部
9〜11 外部機器
P1〜P3 シリアルポート