(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記物体占有面積と前記物体占有面積に対応する前記物体についての前記乗降情報とを用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と、
前記画像情報から前記物体の奥行方向の寸法および幅方向の寸法を推定する物体寸法推定部と
を備え、
前記物体寸法推定部は、前記画像情報と、前記画像情報から推定された前記物体の種別の情報とを用いて、前記物体の奥行方向の寸法を推定することを特徴とするエレベータ制御装置。
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記物体占有面積と前記物体占有面積に対応する前記物体についての前記乗降情報とを用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と、
前記画像情報から前記物体の奥行方向の寸法および幅方向の寸法を推定する物体寸法推定部と
を備え、
前記物体寸法推定部は、前記画像情報から前記物体の高さ方向の寸法を算出し、前記画像情報から推定された前記物体の種別の情報と、前記物体の高さ方向の寸法および奥行方向の寸法とを用いて、前記物体の幅方向の寸法を推定することを特徴とするエレベータ制御装置。
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記物体占有面積と前記物体占有面積に対応する前記物体についての前記乗降情報とを用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と、
前記画像情報から前記物体の奥行方向の寸法および幅方向の寸法を推定する物体寸法推定部と
を備え、
前記物体寸法推定部は、前記物体の重量を示す重量情報を取得し、前記画像情報から推定された前記物体の種別の情報と、前記物体の高さ方向の寸法および奥行方向の寸法と、前記重量情報とを用いて、前記物体の幅方向の寸法を推定することを特徴とするエレベータ制御装置。
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記物体占有面積と前記物体占有面積に対応する前記物体についての前記乗降情報とを用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と
を備え、
前記物体占有面積算出部は、前記物体の奥行方向の寸法および幅方向の寸法と、前記画像情報から推定された前記物体の種別に対応して予め設定された標準物体占有面積とを用いて、前記物体占有面積を算出することを特徴とするエレベータ制御装置。
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記物体占有面積と前記物体占有面積に対応する前記物体についての前記乗降情報とを用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と
を備え、
前記満員判定部は、前記物体の前記かごへの1回の乗車によって占有される面積の期待値を示す、前記物体の種別ごとの乗車回数を用いて算出された標準物体占有面積期待値と前記かご内における乗車可能な面積を示す乗車可能面積とを用いて、前記かごへの乗車が可能な前記物体の数の期待値を示す乗車可能物体数期待値を算出し、前記かごの乗場への1回の停止によって乗車する前記物体の数の期待値を示す乗車物体数期待値が前記乗車可能物体数期待値よりも大きい場合に、前記かご内が満員であると判定することを特徴とするエレベータ制御装置。
高さ方向に並べて配置された複数の光電素子を備えエレベータ出入口に設けられた光電装置から前記光電装置を横切った物体の形状に対応する画像情報に基づいて、前記物体がかご内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部と、
前記物体のかごへの乗車または前記かごからの降車を示す乗降情報を取得し、前記かご内の前記物体の総重量を算出する物体総重量算出部と、
前記物体総重量算出部の算出結果を用いて、前記かご内が満員であるか否かを判定する満員判定部と
を備え、
前記物体総重量算出部は、前記画像情報から推定された前記物体の種別が人である場合には、前記かご内の前記物体の総重量を測定する秤装置の測定結果の変動量を乗降した前記物体の重量とし、前記物体の種別が人以外の場合には、予め設定された人の標準物体占有面積および標準物体重量と前記物体占有面積と前記乗降情報とを用いて、前記物体占有面積に人が占有していると仮定して算出された重量を乗降した前記物体の重量として、前記物体の総重量を算出することを特徴とするエレベータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ装置を示す構成図である。図において、エレベータ装置は、昇降路を昇降するかご1と、かご1内の物体の総重量を測定する秤装置2と、各階の乗場のそれぞれに設けられた乗場釦3と、かご出入口(エレベータ出入口)を通過する物体を検出する光電装置4と、かご1の昇降を制御するエレベータ制御装置5とを備えている。光電装置4は、かご出入口に限らず、乗場出入口(エレベータ出入口)に設けられてもよい。かご出入口を開閉するかごドアは、かご出入口を通過する物体を光電装置4が検出すると、戸閉方向への移動が規制されるようになっている。
【0010】
図2は
図1の光電装置4を示す構成図である。図において、光電装置4は、かご出入口の幅方向両外側に設けられた複数の光電素子41を有している。複数の光電素子41は、高さ方向に並べて配置されている。光電素子41は、光を発射する投光部と、投光部から発射された光を受ける受光部とを含んでいる。光電装置4は、投光部から発射された光を受光部が受けたか否かに基づいて、光電装置4を横切った物体の形状に対応する画像情報を作成する。言い換えれば、光電装置4は、かご出入口を通過する物体の形状に対応する画像情報を作成する。光電装置4が作成する画像情報は、かご出入口の幅方向に物体を見た場合の物体の形状に対応する画像情報である。
【0011】
図3は
図1のエレベータ制御装置5を示すブロック図である。エレベータ制御装置5は、光電装置4から画像情報を取得して、物体の寸法および物体の種別cを推定する物体寸法推定部51と、秤装置2から秤装置2の測定結果を取得して、かご1に対する物体の乗降を判定する乗降判定部52と、物体寸法推定部51の推定結果を用いて、物体がかご1内を占有する面積を示す物体占有面積を算出する物体占有面積算出部53とを有している。この例では、物体寸法推定部51が物体の種別cを推定しているが、物体の種別cの推定は、物体寸法推定部51に限らず、例えば、光電装置4が行ってもよい。乗降判定部52は、判定結果として、物体のかご1への乗車またはかご1からの降車を示す乗降情報を出力する。
【0012】
また、エレベータ制御装置5は、物体占有面積算出部53によって算出された物体占有面積と乗降判定部52によって判定された物体の乗降情報とを用いて、かご1内における乗車可能な面積を示す乗車可能面積を算出する乗車可能面積算出部54と、乗車可能面積算出部54によって算出された乗車可能面積を用いて、かご1内が満員であるか否かを判定する満員判定部55と、乗場釦3が操作された場合に、満員判定部55の判定結果に基づいて、乗場釦3が操作された乗場階への乗場呼び登録を行う制御装置本体56とを有している。
【0013】
図4は
図3の物体寸法推定部51が光電装置4から取得する画像情報を示す図である。物体寸法推定部51は、光電装置4から取得した画像情報を用いて、物体の高さ方向の寸法hを算出し、物体の奥行方向の寸法dを推定する。また、物体寸法推定部51は、光電装置4から取得した画像情報を用いて、物体の種別cを推定する。物体の種別cとしては、人、車椅子、自転車などが挙げられる。また、物体の種別cの人の中には、身長の大きい人、身長の小さい人が含まれてもよい。この例では、奥行方向とは、物体がかご出入口を通過する際の物体の移動方向であって、
図4の矢印Aの方向である。
【0014】
物体の高さ方向の寸法hは、投光部から発射された光を受光部が受けなかった複数の光電素子41の中で、最も高い位置にある光電素子41についての高さに対応する。したがって、物体寸法推定部51は、複数の光電素子41の中で最も高い位置で遮光されている光電素子41の高さを、物体の高さ方向の寸法hとして算出する。
【0015】
物体の奥行方向の寸法dは、投光部から発射された光を受光部が受けなかった時間に物体の移動速度を乗じた値となる。したがって、物体寸法推定部51は、光電素子41が遮光されている時間に物体の移動速度を乗じた値を、物体の奥行方向の寸法dとして推定する。この例では、画像情報から物体の移動速度を算出することができないので、物体の移動速度は、予め設定された値が用いられる。
【0016】
なお、物体の奥行方向の寸法dについては、光電素子41が遮光されている時間に物体の移動速度を乗じた値d
0と、物体の種別cを利用して、下記の式(1)のように推定してもよい。
【0018】
上記の式(1)では、物体の種別cが人である場合には、人の奥行方向の寸法は一般的に30cm〜40cm程度であるので、この程度のサイズとなるように、画像情報の縮尺を調整し、調整された画像情報から推定された値d
0を物体の奥行方向の寸法dとする。
【0019】
また、上記の式(1)では、物体の種別cが車椅子または自転車である場合には、車輪部分が円形であるので、画像情報の中から抽出された車輪部分が円形となるように、画像情報の縮尺を調整し、調整された画像情報から算出された値d
0を物体の奥行方向の寸法dとする。このとき、車輪部分における高さ方向の半径が基準となる。
【0020】
なお、物体の奥行方向の寸法dの推定には、上記の式(1)を満たすように予め設定されたテーブルを用いてもよい。
【0021】
また、物体寸法推定部51は、物体の種別cの情報、物体の高さ方向の寸法hおよび物体の奥行方向の寸法dを用いて、物体の幅方向の寸法wを推定する。物体の画像情報には、物体の幅方向の寸法wの情報が含まれていない。しかしながら、物体の幅方向の寸法wは、物体の種別c、物体の高さ方向の寸法hおよび物体の奥行方向の寸法dとの間で相関があるので、物体寸法推定部51には、物体の種別c、物体の高さ方向の寸法hおよび物体の奥行方向の寸法dを下記の式(2)に代入して算出する変換関数または離散的な変換テーブルが用意されている。この例で、幅方向とは、かご出入口の間口方向である。
【0023】
上記の式(2)では、物体の種別cが人である場合であって、高さ方向の寸法hが比較的小さい場合には、物体の種別が小柄な人である可能性が高いので、物体の幅方向の寸法wが小さくなる。一方、物体の種別cが人である場合であって、高さ方向の寸法hが比較的大きい場合には、物体が大柄な人である可能性が高いので、物体の幅方向の寸法wが大きくなる。なお、物体の幅方向の寸法wについては、秤装置2の測定結果から物体の重量を示す重量情報もさらに考慮して、推定してもよい。
【0024】
乗降判定部52は、秤装置2の測定結果を取得する。乗降判定部52は、秤装置2の測定結果に基づいて、物体がかご1へ乗車したか否か、または、物体がかご1から降車したか否かを判定し、乗降情報を出力する。
【0025】
物体占有面積算出部53は、物体寸法推定部51から物体の奥行方向の寸法dおよび物体の幅方向の寸法wを取得する。
【0026】
物体占有面積算出部53は、物体の奥行方向の寸法dおよび物体の幅方向の寸法wを取得すると、下記の式(3)によって、物体がかご1内を占有する面積である物体占有面積S
1を算出する。
【0028】
物体占有面積S
1は、物体の奥行方向の寸法dおよび物体の幅方向の寸法wから算出され、物体の奥行方向の寸法dは、物体の移動速度によって変動し、物体の幅方向の寸法wは、物体の奥行方向の寸法dによって変動するので、上記の式(3)で算出された物体占有面積S
1は、実際の面積よりも極端に大きい場合または実際の面積よりも極端に小さい場合が考えられる。そこで、物体占有面積算出部53は、下記の式(4)を用いて、補正係数αを算出する。
【0030】
上記の式(4)において、S(c)は、物体の種別cについての標準物体占有面積であり、物体の種別cごとに予め設定された標準的な面積である。また、上記の式(4)において、Gは、変換関数であり、例えば、下記の式(5)のような関数となっている。
【0031】
α=0.3×(S
1/S(c)−1.0)+1.0 (5)
【0032】
図5は補正係数を示すグラフである。図に示すように、補正係数αは、算出された物体占有面積S
1が小さくても0.7程度となり、算出された物体占有面積S
1が大きくても異常な値になり難い。なお、変換関数Gは、例えば、
図6に示すような関数をとってもよい。この場合、補正係数αには、上限値および下限値が設定される。
【0033】
物体占有面積算出部53は、算出された物体占有面積S
1および補正係数αを下記の式(6)に代入することによって、補正された物体占有面積S
2を算出する。つまり、補正係数αを用いて、物体占有面積を補正する。
【0035】
また、物体占有面積算出部53は、乗降判定部52から取得した乗降情報(r∈{−1、+1})と、補正された物体占有面積S
2とを用いて、乗降した物体の物体占有面積S
3を算出する。具体的には、物体占有面積算出部53は、乗降判定部52から取得した乗降情報(r∈{−1、+1})と、補正された物体占有面積S
2とを、下記の式(7)に代入することによって、乗降した物体の物体占有面積S
3を算出する。
【0037】
乗車可能面積算出部54は、物体占有面積算出部53が算出した物体占有面積S
3を用いて、現在、物体によって占有されている総面積O
s(t)を算出する。現在のステップをtとすると、物体によって占有されている総面積O
s(t)は、下記の式(8)を用いることによって算出される。
【0038】
O
s(t)=O
s(t−1)+S
3 (8)
【0039】
ステップtは、物体が乗降する度に+1だけ増加する。
【0040】
また、乗車可能面積算出部54は、物体によって占有されている総面積O
s(t)を下記の式(9)に代入することによって、乗車可能面積V
s(t)を算出する。
【0041】
V
s(t)=C
s−O
s(t) (9)
【0042】
上記の式(9)において、C
sは、かご面積であり、かご1の大きさによって予め設定される値である。
【0043】
満員判定部55は、所定の期間における物体の種別cごとの乗車回数を記録したテーブル(テーブルA)および1回の停止中に乗車した物体の数を記録したテーブル(テーブルB)を有している。満員判定部55は、テーブルAおよびテーブルBを定期的に更新するようになっている。
【0044】
図7は所定の期間における物体の種別cごとの乗車回数を記録したテーブル(テーブルA)を示す図、
図8は1回の停止中に乗車した物体の数を記録したテーブル(テーブルB)を示す図である。
【0045】
満員判定部55は、テーブルAと下記の式(10)とを用いて、物体のかご1への1回の乗車によって占有される標準物体占有面積Sの期待値を示す標準物体占有面積期待値E(S)を算出する。
【0047】
また、満員判定部55は、算出した標準物体占有面積期待値E(S)を下記の式(11)に代入することによって、乗車可能な物体の数の期待値を示す乗車可能物体数期待値E(V
h)を算出する。
【0048】
E(V
h)=V
s(t)/E(S) (11)
【0049】
また、満員判定部55は、テーブルBと下記の式(12)とを用いて、かご1の乗場への1回の停止中に乗車する物体の数の期待値を示す乗車物体数期待値E(H)を算出する。
【0051】
なお、運用初期段階のように、乗車回数が少ないため、テーブルAおよびテーブルBに十分なデータが溜まっていない状態では、標準物体占有面積期待値E(S)は、予め指定した値を使ってもよく、乗車物体数期待値E(H)は、予め指定した値を使ってもよい。また、テーブルAおよびテーブルBは、季節毎、月毎または時間帯毎に対応して複数設けられてもよく、また、階床毎に対応して複数設けられてもよい。
【0052】
また、満員判定部55は、乗車可能物体数期待値E(V
h)と乗車物体数期待値E(H)とを比較する。乗車物体数期待値E(H)が乗車可能物体数期待値E(Vh)よりも大きい(E(Vh)<E(H))場合には、満員判定部55は、かご1内が満員であると判定する。一方、乗車物体数期待値E(H)が乗車可能物体数期待値E(Vh)よりも小さい(E(Vh)>E(H))場合には、満員判定部55は、かご1内が満員ではないと判定する。
【0053】
制御装置本体56は、乗場釦3が操作された場合であって、かご1内が満員ではないと満員判定部55が判定すると、乗場釦3が操作された乗場階への乗場呼び登録を行う。一方、制御装置本体56は、乗場釦3が操作された場合であって、かご1内が満員であると満員判定部55が判定する場合に、乗場釦3が操作された乗場階への乗場呼び登録を行わない。
【0054】
次に、エレベータ制御装置5の動作について説明する。
図9は
図3のエレベータ制御装置5の動作を示すフローチャートである。まず、物体寸法推定部51は、光電装置4から画像情報を取得する(ステップS101)。
【0055】
その後、物体寸法推定部51は、画像情報を用いて、物体の種別cを推定し(ステップS102)、物体の高さ方向の寸法hを算出し(ステップS103)、物体の奥行方向の寸法dを推定する(ステップS104)。
【0056】
その後、物体寸法推定部51は、物体の種別cの情報と、物体の高さ方向の寸法hおよび物体の奥行方向の寸法dとを用いて、物体の幅方向の寸法wを推定する(ステップS105)。
【0057】
その後、物体占有面積算出部53は、物体の奥行方向の寸法dおよび幅方向の寸法wを用いて、物体占有面積S
2を算出する(ステップS106)。
【0058】
その後、乗降判定部52は、秤装置2の測定結果を取得して、物体がかご1へ乗車したか否か、または、物体がかご1から降車したか否かを判定する(ステップS107)。
【0059】
その後、乗車可能面積算出部54は、乗降した物体の物体占有面積S
3を用いて、乗車可能面積V
s(t)を算出し(ステップS108)、満員判定部55は、乗車可能面積V
s(t)を用いて、かご1内が満員であるか否かを判定する(ステップS109)。以上により、エレベータ制御装置5の動作が終了する。
【0060】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータ制御装置5によれば、エレベータ出入口に設けられた光電装置4を横切った物体の形状に対応する画像情報を用いて、物体がかご1内を占有する面積を示す物体占有面積S
2を算出し、物体占有面積S
2と物体占有面積S
2に対応する物体の乗降情報とを用いて、かご1内における乗車可能な面積を示す乗車可能面積V
s(t)を算出し、乗車可能面積V
s(t)を用いて、かご1内が満員であるか否かを判定するので、かご1の床に圧力センサを設置することなく、かご1内が満員であるか否かを判定することができる。その結果、乗車可能スペースがないかご1の乗場呼び登録を防止するとともに、エレベータ装置の構成の簡単化を図ることができる。
【0061】
また、物体寸法推定部51は、画像情報と、画像情報から推定された物体の種別cの情報とを用いて、物体の奥行方向の寸法dを推定するので、物体の奥行方向の寸法dをより正確に推定することができる。
【0062】
また、物体寸法推定部51は、画像情報から物体の高さ方向の寸法hを算出し、画像情報から推定された物体の種別cの情報と、物体の高さ方向の寸法hおよび奥行方向の寸法dとを用いて、物体の幅方向の寸法wを推定するので、物体の幅方向の寸法wをより正確に推定することができる。
【0063】
また、物体占有面積算出部53は、物体の奥行方向の寸法dおよび幅方向の寸法wと、画像情報から推定された物体の種別cに対応して予め設定された標準物体占有面積S(c)とを用いて、物体占有面積S
2を算出するので、物体占有面積S
2をより正確に推定することができる。
【0064】
また、満員判定部55は、標準物体占有面積期待値E(S)と乗車可能面積V
s(t)とを用いて、乗車可能物体数期待値E(V
h)を算出し、乗車物体数期待値E(H)が乗車可能物体数期待値E(V
h)よりも大きい場合に、かご1内が満員であると判定するので、かご1内が満員であるか否かの判定をより正確に行うことができる。
【0065】
なお、上記実施の形態1では、補正された物体占有面積S
2を用いて、乗降した物体の物体占有面積S
3を算出する構成について説明したが、補正されていない物体占有面積S
1を用いて、乗降した物体の物体占有面積S
3を算出する構成であってもよい。
【0066】
また、上記実施の形態1では、エレベータ制御装置5が乗車可能面積算出部54を有した構成について説明したが、エレベータ制御装置5が乗車可能面積算出部54を有しない構成であってもよい。この場合、満員判定部55は、物体の総占有面積のみからかご1内が満員であるか否かを判定する。つまり、上記の式(8)で求められる総面積O
s(t)のみを用いて、満員判定部55は、かご1内が満員であるか否かを判定する。この場合、満員判定部55は、総面積O
s(t)が予め指定した値(例えば、固定値、または、かご容量の一定割合)以上になったら、かご1内が満員であると判定する。
【0067】
実施の形態2.
図10はこの発明の実施の形態2に係るエレベータ制御装置5を示すブロック図である。実施の形態1では、エレベータ制御装置5が乗車可能面積算出部54を有しているのに対して、実施の形態2では、エレベータ制御装置5は、乗車可能面積算出部54のかわりに物体総重量算出部57を有している。物体総重量算出部57は、下記の式(13)を用いて、かご1内に乗車した物体の総重量W(t)を算出する。
【0068】
W(t)=W(t−1)+W (13)
【0069】
上記の式(13)において、Wは、ステップtにおいて乗降した物体の重量であり、乗降した物体の種別cが人以外の場合には、下記の式(14)を用いて算出される。なお、乗降した物体が人である場合には、秤装置2の測定結果の変動量がそのまま物体の重量として用いられる。
【0071】
上記の式(14)において、W(c
1)は、物体の種別cが人である場合の標準的な重量を示す標準物体重量であり、この例では、65kg程度となっている。また、上記の式(14)において、S(c
1)は、物体の種別cが人である場合の標準物体占有面積である。物体の総重量に基づいた満員判定は、人が定員数だけ乗車した場合に達する満員重量を判定基準として設定されるため、物体総重量算出部57は、物体の種別cが人以外である場合に、上記の式(14)を用いることによって、かご1に乗車した物体の物体占有面積S
2に人が占有していると仮定した重量を算出し、算出した重量を人以外の種別cの物体の重量として用いる。満員判定部55は、物体総重量算出部57が算出した総重量W(t)が満員重量に達するか否かに基づいて、かご1内が満員であるか否かを判定する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0072】
図11は
図10のエレベータ制御装置5の動作を示すフローチャートである。ステップS201からステップS207までは、実施の形態1のステップS101からステップS107までと同様である。乗降判定部52が物体の乗降を判定した後、物体総重量算出部57は、物体の種別cが人である場合には、かご1内の秤装置2の測定結果の変動量を乗降した物体の重量とし、物体の種別が人以外の場合には、予め設定された人の標準物体占有面積S(c
1)および標準物体重量W(c
1)と物体占有面積S
2と乗降情報とを用いて、物体占有面積S
2に人が占有していると仮定して算出された重量を乗降した物体の重量として、かご1内の物体の総重量W(t)を算出する(ステップS208)。満員判定部55は、物体総重量算出部57が算出したかご1内の物体の総重量を用いて、かご1内が満員であるか否かを判定する(ステップS209)。以上により、エレベータ制御装置5の動作が終了する。
【0073】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベータ制御装置5によれば、画像情報から推定された物体の種別cが人である場合には、秤装置2の測定結果の変動量を乗降した物体の重量とし、物体の種別が人以外の場合には、予め設定された人の標準物体占有面積S(c
1)および標準物体重量W(c
1)と物体占有面積S
2と乗降情報とを用いて、物体占有面積S
2に人が占有していると仮定して算出された重量を乗降した物体の重量として、物体の総重量W(t)を算出し、算出したかご1内の物体の総重量W(t)を用いて、かご1内が満員であるか否かを判定するので、かご1の床に圧力センサを設置することなく、かご1内が満員であるか否かを判定することができる。その結果、乗車可能スペースがないかご1の乗場呼び登録を防止するとともに、エレベータ装置の構成の簡単化を図ることができる。
【0074】
なお、上記実施の形態2では、補正された物体占有面積S
2に人が占有していると仮定して物体の重量を算出する構成について説明したが、補正されていない物体占有面積S
1に人が占有していると仮定して物体の重量を算出する構成であってもよい。
【0075】
また、各上記実施の形態では、エレベータ制御装置5が物体寸法推定部51を有した構成について説明したが、エレベータ制御装置5が物体寸法推定部51を有しない構成であってもよい。この場合、物体占有面積算出部53には、投光部から発射された光を受光部が受けなかった時間に、規定の物体の移動速度を乗じた値dと、予め指定した幅w(例えば、固定値、または、かご扉の幅の指定割合など)が入力される。