【実施例】
【0257】
実施例1:
【化91】
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化合物2:CH
2Cl
2(80mL)中の化合物1(10.0g、18.8ミリモル、国際公開第2010/054406号パンフレットを参照)の溶液に、トリエチルアミン(7.86mL、56.4ミリモル)、DMAP(459mg、3.76ミリモル)及びtert−ブチル(クロロ)ジフェニルシラン(9.62mL、37.6ミリモル)を加えた。この反応混合物を24時間にわたって撹拌した。この混合物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜5%のEtOAc)によって精製し、2を得た(12.4g、16.1ミリモル、86%、R
f=0.24(ヘキサン使用))。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.66−7.68(m,4H)、7.33−7.42(m,6H)、5.30−5.39(m,4H)、3.67−3.72(m,1H)、1.97−2.04(m,8H)、1.07−1.42(m,52H)、1.05(s,9H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
【0258】
化合物3:tert−ブタノール(100mL)、THF(30mL)及びH
2O(10mL)中、2の溶液(12.4g、16.1ミリモル)に、4−メチルモルフォリンN−オキシド(4.15g、35.4ミリモル)及び四酸化オスミウム(41mg、0.161mg)を加えた。この反応混合物を16時間撹拌し、次いで重亜硫酸ナトリウムにより急冷した。蒸発により溶媒を除去した後に、残渣をEt
2O(500mL)及びH
2O(300mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1、R
f=0.49)により精製し、3を得た(12.7g、15.1ミリモル、94%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.66−7.68(m,4H)、7.33−7.43(m,6H)、3.67−3.73(m,1H)、3.57−3.62(m,4H)、1.82(t,J=5.0Hz,4H)、1.10−1.51(m,60H)、1.04(s,9H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
【0259】
化合物4:1,4−ジオキサン(220mL)、CH
2Cl
2(70mL)、MeOH(55mL)、及びH
2O(55mL)中、3の溶液(12.6g、15.0ミリモル)に、NaIO
4(7.70g、36.0ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEt
2O(500mL)及びH
2O(300mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後に、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1、R
f=0.30)により精製し、4を得た(7.98g、14.5ミリモル、97%)。C
35H
54NaO
3Siについての分子量は(M+Na)
+計算値=573.3740、実測値=573.3であった。
【0260】
化合物7:THF(20mL)及びHMPA(4mL)中、5(Tetrahedron、63、1140−1145、2006を参照;1.09g、2.18ミリモル)の溶液に、LiHMDS(1MのTHF溶液、4.36mL、4.36ミリモル)を−20℃で加えた。得られた混合物を同じ温度で20分間撹拌し、次いで−78℃まで冷却した。THF(4mL)中の4(500mg、0.908ミリモル)の溶液を加えた。この混合物を撹拌し、室温に一晩かけて暖めた。MS分析は、二価酸の形成を示した(6;C
53H
85O
5Si(M−H)
− 計算値=829.6166、観測値=829.5)。この混合物に、NaHCO
3(1.10g、13.1ミリモル)及び硫酸ジメチル(1.24mL、13.1ミリモル)を加え、室温で2時間撹拌した。反応物に飽和NH
4Cl水溶液(50mL)を加えて急冷し、次いでEt
2O(2×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1、R
f=0.35)により精製し、7を得た(270mg、0.314ミリモル、35%)。C
55H
90NaO
5Siについての分子量は、(M+Na)
+計算値=881.6455、実測値=881.6484であった。
【0261】
化合物8:THF(2.5mL)中の7(265mg、0.308ミリモル)の溶液に、n−TBAF(1MのTHF溶液、0.555mL、0.555ミリモル)を加えた。反応混合物を45℃で14時間にわたって撹拌した。濃縮後に、この混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1、R
f=0.52)により精製し、8を得た(155mg、0.250ミリモル、81%)。C
39H
72NaO
5についての分子量は、(M+Na)
+計算値=643.5277、実測値=643.5273であった。
【0262】
化合物9:CH
2Cl
2(5mL)中の8(150mg、0.242ミリモル)及び4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(49mg、0.290ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.126mL、0.726ミリモル)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(56mg、0.290ミリモル)及びDMAP(6mg、0.0484ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で14時間撹拌した。次いで反応混合物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜5%のMeOH)により精製し、化合物9を得た(121mg、0.165ミリモル、68%、R
f=0.25(CH
2Cl
2中5%のMeOHで展開))。C
45H
84NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値=734.6299、実測値=734.5であった。
【0263】
化合物10:化合物9をCH
3CN及びCHCl
3中、CH
3Clで処理し、化合物10を得ることができる。
【0264】
実施例2:
【化92】
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化合物12:THF(20mL)及びHMPA(4mL)中の11(Journal of Medicinal Chemistry(1995)、38、636−46参照;1.25g、2.58ミリモル)の溶液に、LiHMDS(1MのTHF溶液、2.58mL、2.58ミリモル)を−20℃で加えた。この混合物を同じ温度で20分間撹拌し、次いで−78℃まで冷却した。THF(9mL)及びHMPA(0.9mL)中の4(500mg、0.908ミリモル)の溶液を加えた。混合物を撹拌し、−78℃から室温まで一晩かけて暖めた。H
2O(40mL)を加えて反応物を急冷し、次いでEt
2O(150mL×3)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後に、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=9:1、R
f=0.35)により精製し、12を得た(136mg、0.169ミリモル、19%)。C
51H
82NaO
5Siについての分子量は、(M+Na)
+計算値=825.5829、実測値=825.5であった。
【0265】
5に代えて13を使用して、化合物7について記載されたものと類似の手順に従って、化合物12を得た(135mg、0.168ミリモル、46%)。
【0266】
化合物15/化合物16:THF(5mL)中の12(800mg、0.996ミリモル)の溶液に、n−TBAF(1MのTHF溶液、5mL、5.00ミリモル)を加えた。反応混合物を45℃で16時間にわたって撹拌した。濃縮後に、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、15(ヘキサン:EtOAc=3:1、R
f=0.46、372mg、0.659ミリモル、66%)及び16(CH
2Cl
2:MeOH=95:5、R
f=0.36、135mg、0.251ミリモル、25%)を得た。15;C
35H
64NaO
5についての分子量は、(M+Na)
+計算値=587.4651、実測値=587.4652であった。16;C
33H
61O
5についての分子量は、(M+H)
+計算値=537.4519、実測値=537.5であった。
【0267】
化合物17:CH
2Cl
2(5mL)中の化合物15(164mg、0.290ミリモル)及び4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(58mg、0.348ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.152mL、0.870ミリモル)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(67mg、0.348ミリモル)及びDMAP(7mg、0.058ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で14時間にわたって撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濾過し濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜5%のMeOH)により精製し、化合物17を得た(158mg、0.233ミリモル、80%、R
f=0.24(CH
2Cl
2中5%のMeOHで展開))。C
45H
84NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値=734.6299、実測値=734.5であった。
【0268】
化合物18:化合物17をCH
3CN及びCHCl
3中、CH
3Clで処理し、化合物18を得ることができる。
【0269】
化合物19:THF(2mL)及びMeOH(2mL)中の16(130mg、0.242ミリモル)の溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(Et
2O中2M溶液、0.158mL、0.315ミリモル)を加えた。反応混合物を14時間撹拌した、蒸発後に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1、R
f=0.50)により精製し、19を得た(99mg、0.180ミリモル、74%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.29−5.40(m,4H)、4.12(q,J=7.1Hz,2H)、3.66(s,3H)、3.55−3.59(m,1H)、2.30(dd,J=14.7,7.2Hz,4H)、1.98−2.07(m,8H)、1.60−1.68(m,4H)、1.23−1.43(m,37H)。
【0270】
化合物20:CH
2Cl
2(3mL)中の化合物19(95mg、0.168ミリモル)及び4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(42mg、0.252ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.088mL、0.504ミリモル)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(48mg、0.504ミリモル)及びDMAP(4mg、0.034ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で14時間にわたって撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濾過し濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜5%のMeOH)により精製し、化合物20を得た(103mg、0.155ミリモル、92%、R
f=0.19(CH
2Cl
2中5%のMeOHで展開))。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.29−5.40(m,4H)、4.83−4.89(m,1H)、4.12(q,J=7.1Hz,2H)、3.67(s,3H)、2.28−2.34(m,8H)、2.23(s,6H)、1.98−2.07(m,8H)、1.76−1.83(m,2H)、1.60−1.68(m,4H)、1.23−1.51(m,35H)。
【0271】
化合物21:化合物20をCH
3CN及びCHCl
3中、CH
3Clで処理し、化合物21を得ることができる。
【0272】
実施例3:ジ−アルデヒド中間体4についての代替合成
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
ジ−アルデヒド4は、1−ブロモ−9−デセンを使用して、スキーム3に示したように合成することが可能である。ヘッド基27を含有するジ−アルデヒドは、例えば、ウィッティング反応を使用して、末端エステル置換された脂質の合成に有用であり得る。オゾン分解は、ジ−アルデヒド4及び27をもたらすことが可能である。
【0273】
実施例4:化合物8についての代替合成
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8は、スキーム4に示す通りに合成することが可能である。
【0274】
化合物29:500mLの無水DMF中、NaH(油中60%、82g、1.7096モル)の撹拌懸濁液に、1.5LのDMF中、化合物28(250g、1.7096モル)の溶液を、0℃で滴下漏斗を使用してゆっくりと加えた。この反応混合物を30分間撹拌し、次いで臭化ベンジル(208.86mL、1.7096モル)を窒素雰囲気下でゆっくりと加えた。次いで反応物を周囲温度まで暖め、10時間にわたって撹拌した。次いで、混合物を砕氷(約2kg)で急冷し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。有機層を水(1L)で洗浄して、不必要なDMFを除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で蒸発乾固した。粗化合物を、DCM中0〜5%のMeOHで溶出させて、60〜120のシリカゲル上で精製し、化合物29(220g、54%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,5H)、4.49(s,2H)、3.63−3.60(m,2H)、3.47−3.43(m,2H)、1.63−1.51(m,4H)、1.39−1.23(m,8H)。
【0275】
化合物30:化合物29(133g、0.5635モル)を1.5LのDCM中に溶解し、CBr
4(280.35g、0.8456モル)を、この撹拌溶液に加え、不活性雰囲気下で反応混合物を0℃まで冷却した。次いでPPh
3(251.03g、0.9571モル)を、20℃未満の温度を保ちながら、少量ずつ添加した。添加完了後に、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了後に、反応混合物から沈殿した固体(PPh
3O)を濾過により除去し、濾液を砕氷(約1.5kg)で希釈し、DCM(3×750mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で蒸留した。得られた粗化合物を、溶出系としてヘキサン中0〜5%の酢酸エチルを使用して、60〜120メッシュのシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーを行い、化合物30(150g、89%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.25(m,5H)、4.49(s,2H)、3.47−3.41(m,2H)、3.41−3.37(m,2H)、1.86−1.80(m,4H)、1.62−1.56(m,2H)、1.42−1.29(m,8H)。
【0276】
化合物31:新たに活性化した削り屑状Mg(24.08g、1.003モル)に200mLの無水THFを加え、続いて不活性雰囲気下でヨウ素一摘みをこの混合物に添加した。1Lの乾燥THF中化合物30(150g、0.5016モル)の溶液を、発熱反応を制御しながら、ゆっくりと加えた。反応物を1時間加熱還流し、次いで室温に冷却した。次いでギ酸メチル(60.24g、1.0033モル)をゆっくりと加え、2時間にわたって反応を続けた。反応完了後に、10%HCl、続いて水(1L)をゆっくりと添加することにより反応物を急冷し、酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機層を5リットルのビーカーに採取し、500mLのメタノールで希釈し、0℃に冷却した。この溶液に、過剰量のNaBH
4(約5当量)を少しずつ加え、HClの添加によって切断されないギ酸エステルの加水分解を確実にした。得られた溶液を1時間撹拌し、次いで揮発性物質を真空下で除去した。残渣を水(1L)中に取り上げ、10%のHCl溶液(pH4)で酸性化した。次いで、生成物を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。次いで有機相を乾燥し、ロータリーエバポレーター上で濃縮し、所望の化合物31(57g、24%)を固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ=7.35−7.32(m,8H)、7.29−7.24(m,2H)、4.49(s,4H)、3.56(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.63−1.56(m,4H)、1.44−1.34(m,28H)。
13CNMR(100 MHz、CDCl
3):δ=138.56、128.21、127.49、127.34、72.72、71.76、70.37、37.37、29.64、29.56、29.47、29.33、26.07、25.54。
【0277】
化合物32:化合物31(56g、0.1196モル)を700mLの乾燥THF中に溶解し、0℃に冷却した。TBSCl(36.06g、0.2396モル)ゆっくりと加え、続いて不活性雰囲気下でイミダゾール(32.55g、0.4786モル)を添加した。次いで反応物を室温で18時間にわたって撹拌した。完了時に、反応物を氷(約1kg)で急冷し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、酸性不純物を除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗化合物を得て、これをシリカゲル(60〜120メッシュ)により精製し、0〜10%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、化合物32(60g、82%)を帯黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,10H)、4.49(s,4H)、3.60−3.57(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.61−1.54(m、4H)、1.41−1.26(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0278】
化合物33:化合物32(60g、0.1030モル)を500mLの酢酸エチル中に溶解し、N
2で20分間脱気した。炭素上の(10重量%)Pd(12g)を加え、反応物を水素の雰囲気下で18時間にわたって撹拌した。撹拌完了後、セライト層を通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空下で蒸発させて、化合物33を得て(19g、46%)、これは次の合成シーケンスでの使用のために十分に純粋であった。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=3.64−3.58(m,5H)、1.59(br,2H)、1.57−1.51(m,4H)、1.38−1.22(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0279】
化合物34:化合物33(8.2g、0.0199モル)を100mLの乾燥DCM中に溶解し、0℃に冷却した。TEA(22.14mL、0.1592モル)を不活性雰囲気下で加えた。混合物を5分間撹拌した後に、塩化メシル(4.6mL、0.059モル)を滴加し、反応物を更に3時間撹拌した。反応完了後に、混合物を氷(約200g)で急冷し、DCM(3×75mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、粗化合物を得て、これを、溶出系としてヘキサン中0〜30%の酢酸エチルを用いて、60〜120メッシュのシリカゲルカラムで精製し、化合物34(8.2g、73%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=4.22−4.19(m,4H)、3.60−3.58(m,1H)、2.99(s,6H)、1.75−1.69(m,4H)、1.38−1.28(m,28H)、0.86(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0280】
化合物35:400mLの乾燥エーテル中、化合物34(8.2g、0.0146モル)の溶液に、MgBr
2Et
2O(22.74g、0.08817モル)を、窒素雰囲気下で0℃において少量ずつ加えた。添加の完了後に、反応混合物を28時間にわたって加熱還流した。反応の完了後に、反応において形成された無機物質を濾過により除去した。濾液を蒸発させて、得られた粗化合物を、溶出系としてヘキサン中0〜3%の酢酸エチルを用いて、60〜120メッシュのシリカゲルカラム上で精製し、化合物35(6.6g、85%)を無色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=3.61−3.58(m,1H)、3.41−3.37(t,4H,J=6.8Hz)、1.87−1.80(m,4H)、1.42−1.25(m,24H)、0.87(s,9H)、0.012(s,6H)。
【0281】
化合物36:60mLの乾燥THF中のエチニルトリメチルシラン(5.3mL、0.0378モル)の溶液を−78℃まで冷却し、ヘキサン中、1.4Mのn−BuLi(23mL、0.03405モル)を不活性雰囲気下でゆっくりと加えた。反応物を10分間撹拌し、次いでHMPA(2.3g、0.01324モル)を加え、次いで得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、その後−78℃に冷却した。これに、60mLの乾燥THF中の化合物35(5g、0.0094モル)の溶液をゆっくりと加え、添加の完了後に、反応物を室温まで暖め、室温で18時間維持した。反応の進行を
1H NMRで監視した。反応完了後に、反応混合物を0℃に冷やし、飽和NH
4Cl溶液(50mL)、続いて水(200mL)を注意深く添加することによって急冷した。水相をヘキサン(3×250mL)で抽出した。有機層を乾燥し、真空下で溶媒を除去し、化合物36(5g、94%)を得て、これを更なる精製をすることなく使用した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ=3.62−3.56(m,1H)、2.21−2.17(m,4H)、1.49−1.47(m,4H)、1.37−1.26(m、24H)、0.87(s,9H)、0.13(s,18H)、0.021(s,6H)。
【0282】
化合物37:50mLのメタノール中の化合物36(5g、0.0088モル)の撹拌溶液に、K
2CO
3(6.1g、0.044モル)を一度に加え、得られた混合物を周囲温度で18時間にわたって撹拌した。次いで、ロータリーエバポレーターで揮発性物質を除去し、粗混合物を100mLの水で希釈し、ヘキサン(3×100mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空下で蒸発させて、化合物37(3.5g、97%)を得て、これを更に精製することなく使用した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=3.60−3.58(m,1H)、2.19−2.14(m,4H)、1.93−1.92(m,2H)、1.54−1.49(m,4H)、1.37−1.27(m、24H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0283】
化合物39:化合物37(2.5g、0.00598モル)を25mLの乾燥THF中に溶解し、−40℃に冷却した。n−BuLi(ヘキサン中1.4M、12.9mL、0.01794モル)をゆっくりと添加し、続いて、10分間おいて、HMPA(25mL)をゆっくりと加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、−40℃で30分間維持した。次いで、25mLの乾燥THF中の化合物38(3.5g、1.01196モル)の溶液を、冷却した反応混合物に滴加した。得られた混合物を2時間かけて室温まで暖めて、次いで室温で18時間にわたって撹拌した。次いで、飽和NH
4Cl溶液(約50mL)を加えることで急冷し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。溶媒をロータリーエバポレーター上で除去し、得られた粗生成物を、溶出系としてジクロロメタン中0〜3%の酢酸エチルを用いて、(100〜200メッシュ)シリカゲルカラムによって精製し、化合物39(0.9g、18%)を黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=4.56−4.55(m,2H)、3.87−3.83(m,2H)、3.74−3.68(m,2H)、3.59−3.57(m,1H)、3.49−3.46(m,2H)、3.39−3.33(m,2H)、2.13−2.10(m,8H)、1.87−1.75(m,2H)、1.74−1.66(m,2H)、1.57−1.42(m,20H)、1.40−1.19(m、40H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0284】
化合物40:10mLの乾燥エーテル中の化合物39(504mg、0.598ミリモル)の溶液に、MgBr
2Et
2O(926mg、3.59ミリモル)を加えた。反応混合物を14時間にわたって撹拌し、次いで、飽和NaHCO
3水溶液を加えることで急冷した。生成物をCH
2Cl
2で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、化合物40を得た(307mg、0.455ミリモル、76%、R
f=0.36(ヘキサン:EtOAc=2:1で展開))。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.59−3.66(m,5H)、2.14(t,J=6.6Hz,8H)、1.21−1.59(m、52H)、0.88(s,9H)、0.03(s,6H)。
【0285】
化合物41:無水DMF(5mL)中、化合物40(180mg、0.267ミリモル)の溶液に、ピリジニウムジクロメート(603mg、1.60ミリモル)を加えた。反応混合物を、48時間にわたって撹拌した。水(20mL)による希釈の後に、混合物をEt
2O(3×40mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、化合物41を得た(53mg、0.075ミリモル、28%、R
f=0.25(CH
2Cl
2:MeOH:AcOH=95:4.5:0.5で展開))。C
43H
77O
5Siについての分子量は、(M−H)
−計算値が701.5540であり、実測値が701.5であった。この化合物は、TEMPO酸化によって合成することが可能である。
【0286】
化合物42:化合物19について記載されたものに類似する手順で、化合物42を得た(23mg、0.032ミリモル、化合物40から21%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.67(s,6H)、3.59−3.62(m,1H)、2.30(t,J=7.5Hz,4H)、2.13(t,J=6.8Hz,8H)、1.27−1.64(m、48H)、0.88(s,9H)、0.03(s,6H)。
【0287】
P−2ニッケル条件を使用する還元は、化合物43を与えることが可能であり、引き続いてのTBAFによる脱保護で化合物8を得ることができる。
【0288】
実施例5:化合物8の代替合成
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8は、スキーム5で示した通りに合成され得る。臭化物51は、そのグリニャール試薬に変換され、次いでギ酸エチルと結合して、化合物52を得ることができる。その後の酸処理、酸化、及び還元によって、化合物8を得ることができる。
【0289】
実施例6:化合物8の代替合成
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8は、スキーム6で示した通りに合成され得る。化合物58、60、又は62のいずれかの臭化物は、ギ酸エチルと反応し、末端官能化ジ−オレフィン鎖を生成することが可能である。次いで化合物8は、標準化学反応を用いて、このジオレフィン鎖から調製することができる。
【0290】
実施例7:末端エステル脂質についての一般的合成スキーム
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム7に示すように、鎖長さ及びリンカー長さ並びに窒素原子上のエステル官能基及び置換基中のアルキル基が誘導され得る。
【0291】
実施例8:末端エステル脂質についての一般的合成スキーム2
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム8に示したように、銅媒介カップリングが、末端官能基を備える脂質鎖を含有するジ−インをもたらし、これは容易に還元され、脂質鎖を含有するジ−エンを生成することが可能である。リンカー及び脂質鎖の長さ並びに官能置換基(R、R
1、R
2)が誘導され得る。
【0292】
実施例9:末端ベンジルエステル脂質の合成
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
化合物201:化合物7(1.30g、1.51ミリモル)を、THF(25mL)及びH
2O(5mL)中、水酸化リチウム一水和物(317mg、7.55ミリモル)で処理した。アンバーライトIR−120(プラス)イオン交換樹脂を加え、その後10分間撹拌した。得られた透明溶液を濾過し、THF/H
2Oで洗浄し、蒸発させた。トルエンとの同時蒸発により化合物201を得た(1.22g、1.47ミリモル、97%)。C
53H
85O
5Siの分子量については、(M−H)
−計算値が829.6166で、実測値が829.5であった。
【0293】
化合物202:化合物9について記載されたものに類似する手順をベンジルアルコール及び201(101mg、0.121ミリモル)で行い、化合物202(87mg、0.0860ミリモル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.68−7.66(m,4H)、7.42−7.30(m,16H)、5.38−5.30(m,4H)、5.11(s,4H)、3.71−3.68(m,1H)、2.35(t,J=7.6Hz,4H)、2.04−1.97(m,8H)、1.66−1.62(m,4H)、1.40−1.07(m,44H)、1.04(s,9H)。
【0294】
化合物203:化合物8について記載されたものに類似する手順を202(342mg、0.338ミリモル)で行い、化合物202(136mg、0.176ミリモル、52%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.38−7.30(m,10H)、5.38−5.30(m,4H)、5.11(s,4H)、3.57(brs,1H)、2.35(t,J=7.6Hz,4H)、2.01−1.98(m,8H)、1.66−1.60(m,4H)、1.45−1.25(m,44H)。
【0295】
化合物204:化合物9について記載されたものに類似する手順を203(133mg、0.172ミリモル)で行い、化合物204(93mg、0.105ミリモル、61%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.38−7.26(m,10H)、5.38−5.30(m,4H)、5.11(s,4H)、4.88−4.83(m,1H)、2.37−2.27(m,8H)、2.22(s,6H)、2.03−1.97(m,8H)、1.81−1.26(m,50H)。
【0296】
実施例10:末端t−ブチルエステル脂質及び誘導体の合成
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
化合物206:化合物12について記載されたものに類似する手順を205(3.80g、0.761ミリモル)及び化合物4(1.75g、3.17ミリモル)で行い、化合物206(2.00g、2.12ミリモル、67%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.68−7.66(m,4H)、7.42−7.33(m,6H)、5.39−5.31(m,4H)、3.71−3.68(m,1H)、2.20(t,J=7.6Hz,4H)、2.01−1.98(m,8H)、1.59−1.55(m,4H)、1.44(s,18H)、1.41−1.11(m,44H)、1.04(s,9H)。
【0297】
化合物207:化合物8について記載されたものに類似する手順を206(265mg、0.281ミリモル)で行い、化合物207(161mg、0.228ミリモル、81%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.38−5.30(m,4H)、3.58(brs,1H)、2.20(t,J=7.4Hz,4H)、2.01−1.98(m,8H)、1.59−1.55(m,4H)、1.44(s,18H)、1.35−1.26(m,44H)。
【0298】
化合物208:化合物9について記載されたものに類似する手順を207(158mg、0.224ミリモル)で行い、化合物208(138mg、0.169ミリモル、75%)を得た。C
51H
96NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が818.7238で、実測値が818.7であった。
【0299】
化合物209:化合物208(148mg、0.181ミリモル)を、CH
2Cl
2(6mL)中のTFA(1.5mL)で2.5時間処理した。蒸発及びトルエンとの同時蒸発後に、化合物209(154mg、定量的)を得た。C
43H
80NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が706.5980で、実測値が706.5であった。
【0300】
化合物210:化合物9について記載されたものに類似する手順を209(0.061ミリモル)及びシス−2−ヘキセン−1−オール(18.3mg、0.183ミリモル)で行い、化合物210(32mg、0.0368ミリモル、60%)を得た。C
55H
100NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が870.7551で、実測値が870.5であった。
【0301】
実施例11:内部エステル/アミド脂質−1の合成
【化101】
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化合物213:化合物211(503mg、1.0ミリモル)を、CH
2Cl
2(35mL)及びDIPEA(1.74mL、10ミリモル)中212(533mg、3.0ミリモル)で14時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理後に、化合物213(506mg、0.748ミリモル、75%)を得た。C
41H
78N
3O
4についての分子量は、(M+H)
+計算値が676.5992で、実測値が676.4であった。
【0302】
化合物215:化合物211(503mg、1.0ミリモル)を、CH
2Cl
2(35mL)中214(469mg、3.0ミリモル)及びK
2CO
3(1.38g、10ミリモルで14時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理後に、化合物215(244mg、0.346ミリモル、35%)を得た。C
43H
80NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が706.5986で、実測値が706.4であった。
【0303】
化合物217:化合物211(425mg、0.845ミリモル)を、CH
2Cl
2(35mL)中216(525mg、3.08ミリモル)及びK
2CO
3(1.17g、8.45ミリモルで14時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理後に、化合物217(407mg、0.554ミリモル、66%)を得た。C
45H
84NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が734.6299で、実測値が734.4であった。
【0304】
化合物219:化合物211(503mg、1.0ミリモル)を、CH
2Cl
2(35mL)中218(595mg、3.0ミリモル)及びK
2CO
3(1.38g、10ミリモル)で14時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理後に、化合物219(519mg、0.657ミリモル、66%)を得た。C
49H
92NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が790.6925で、実測値が790.7であった。
【0305】
実施例12:内部エステル脂質−223の合成
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
化合物221:化合物9について記載されたものに類似する手順を220(390mg、1.93ミリモル)及び218(765mg、3.86ミリモル)で行い、化合物221(878mg、1.56ミリモル、81%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.67−5.61(m,2H)、5.54−5.48(m,2H)、4.62(d,J=6.8Hz,4H)、2.47(t,J=7.2Hz,4H)、2.33(t,J=7.2Hz,4H)、2.12−2.06(m,4H)、1.93−1.86(m,4H)、1.38−1.26(m,32H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
【0306】
化合物222:化合物221(318mg、0.565ミリモル)を、CH
2Cl
2(5mL)及びAcOH(0.2mL)中NaBH(OAc)
3(360mg、1.70ミリモル)で16時間にわたって処理した。蒸発、カラムクロマトグラフィー後に、化合物222(141mg、0.250ミリモル、44%)を得た。C
35H
65O
5についての分子量は、(M+H)
+計算値が565.4832で、実測値が565.4であった。
【0307】
化合物223:化合物9について記載されたものに類似する手順を222(137mg、0.243ミリモル)で行い、化合物223(137mg、0.202ミリモル、83%)を得た。C
41H
76NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が678.5673で、実測値が678.5であった。
【0308】
実施例13:内部エステル脂質−227の合成
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
化合物225:化合物9について記載されたものに類似する手順を224(200mg、0.774ミリモル)及び216(264mg、1.55ミリモル)で行い、化合物225(341mg、0.606ミリモル、78%)を得た。C
35H
62NaO
5についての分子量は、(M+Na)
+計算値が585.4495で、実測値が585.5であった。
【0309】
化合物226:化合物225(283mg、0.503ミリモル)を、THF(5mL)及びAcOH(0.2mL)中、NaBH
4(57mg,1.51ミリモル)で8時間にわたって処理した。蒸発、カラムクロマトグラフィーを行った後に、化合物226(185mg、0.328ミリモル、65%)を得た。C
35H
64NaO
5についての分子量は(M+Na)
+計算値が587.4651、実測値が587.3であった。
【0310】
化合物227:化合物9について記載されたものに類似する手順を226(230mg、0.407ミリモル)で行い、化合物227(248mg、0.366ミリモル、90%)を得た。C
41H
76NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が678.5673で、実測値が678.5であった。
【0311】
実施例14:リノレイル鎖を有する末端エステル脂質−232の合成
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
化合物230:化合物7について記載されたものに類似する手順を228(3.27g、6.0ミリモル)及び4(1.27g、2.30ミリモル)で行い、化合物230(1.31g、1.53ミリモル、67%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.68−7.66(m,4H)、7.42−7.33(m,6H)、5.42−5.29(m,8H)、3.71−3.68(m,1H)、3.66(s,6H)、2.77(t,J=5.8Hz,4H)、2.33−2.28(m,4H)、2.11−2.01(m,8H)、1.69−1.60(m,4H)、1.43−1.10(m,32H)、1.04(s,9H)。
【0312】
化合物231:化合物8について記載されたものに類似する手順を230(1.30g、1.52ミリモル)で行い、化合物231(611mg、0.990ミリモル、65%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.41−5.29(m,8H)、3.67(s,6H)、3.58(brs,1H)、2.77(t,J=5.8Hz,4H)、2.32(t,J=7.4Hz,4H)、2.10−2.00(m,8H)、1.69−1.60(m,4H)、1.43−1.29(m,32H)。
【0313】
化合物232:化合物9について記載されたものに類似する手順を231(520mg、0.843ミリモル)で行い、化合物232(600mg、0.822ミリモル、97%)を得た。C
45H
80NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値が730.5986で、実測値が730.5であった。
【0314】
実施例15:リノレイル鎖を有する末端エステル脂質の合成
【化105】
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化合物231はまた、スキーム15に示した通りに合成した。
【0315】
化合物112:化合物111(840mg、2.69ミリモル)を、MeOH(40mL)中ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(0.970mL、6.46ミリモル)及びK
2CO
3(1.49g、10.8ミリモル)で6時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理の後に、化合物112(700mg、2.30ミリモル、86%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.58(brs,1H)、2.18(td,J=7.1,2.6Hz,4H)、1.94(t,J=2.6Hz,2H)、1.56−1.25(m,28H)。
【0316】
化合物234:化合物112(207mg、0.680モル)を、DMF(3.5mL)中、233(316mg、1.36ミリモル)、K
2CO
3(282mg、2.04ミリモル)、NaI(408mg、2.72ミリモル)及びCuI(518mg、2.72ミリモル)で18時間にわたって処理した。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理の後に、化合物234(292mg、0.480ミリモル、71%)を得た。C
39H
61O
5についての分子量は、(M+H)
+計算値が609.4519で、実測値が609.5であった。
【0317】
化合物231:EtOH(28.5mL)中の酢酸ニッケル(II)四水和物(533mg、2.14ミリモル)の撹拌溶液に、EtOH(2.14mL)中、NaBH
4の1M溶液を室温で加えた。30分後、エチレンジアミン(0.574mL、8.57ミリモル)及びEtOH(3mL)中、234(290mg、0.476ミリモル)の溶液を加え、次いで1時間撹拌した。セライトを通して反応物を濾過し、蒸発させた。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理の後に、化合物231(219mg、0.355ミリモル、75%)を得た。C
39H
69O
5についての分子量は、(M+H)
+計算値が617.5145で、実測値が617.3であった。
【0318】
実施例16:内部オキシム脂質−238の合成
【化106】
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化合物237:化合物235(465mg、1.78ミリモル)を、EtOH(15mL)中ヒドラジン一水和物(64〜65%、0.135mL、1.78ミリモル)で4時間処理した。濾過、次いで蒸発の後に、粗生成物をEtOH(5mL)中に再懸濁させた。この溶液に、化合物111(160mg、0.512ミリモル)及びAcOH(数滴)を加えた。水処理、次いでカラムクロマトグラフィー処理の後に、化合物237(165mg、0.306ミリモル、60%)を得た。C
33H
67N
2O
3についての分子量は、(M+H)
+計算値が539.5152で、実測値が539.3であった。
【0319】
化合物238:化合物9について記載されたものに類似する手順を237(162mg、0.301ミリモル)で行い、化合物238(168mg、0.258ミリモル、86%)を得た。C
39H
78N
3O
4についての分子量は、(M+H)
+計算値が652.5992で、実測値が652.4であった。
【0320】
実施例17
【化107】
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8−ベンジルオキシ−オクタン−1−オール(240):500mLの無水DMF中のNaH(油中60%、82g、1.7096モル)の撹拌懸濁液に、1.5LのDMF中化合物239(250g、1.7096モル)の溶液を、滴下漏斗を用いて、0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を30分間撹拌し、次いで臭化ベンジル(208.86mL、1.7096モル)を窒素雰囲気下でゆっくりと加えた。次いで、反応物を周囲温度まで暖め、10時間にわたって撹拌した。反応完了後に、混合物を砕氷(約2kg)で急冷し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。有機相を水(1L)で洗浄して、不必要なDMFを除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で蒸発乾固した。粗化合物を、DCM中0〜5%のMeOHで溶出して、60〜120メッシュのシリカゲル上で精製し、化合物240(220g、54%)を淡黄色液体として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,5H)、4.49(s,2H)、3.63−3.60(m,2H)、3,47−3.43(m,2H)、1.63−1.51(m,4H)、1.39−1.23(m,8H)。
【0321】
(8−ブロモ−オクチルオキシメチル)−ベンゼン(241):化合物240を、1.5LのDCM中に溶解し、CBr
4(280.35g、0.8456モル)を、この撹拌溶液に加え、不活性雰囲気下で反応混合物を0℃まで冷却した。次いで、20℃未満の温度を維持しながら、PPh
3(251.03g、0.9571モル)を少しずつ加え、添加完了後に、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応完了後に、反応混合物から沈殿した固体(PPh
3O)を濾過により単離し、濾液を砕氷(約1.5kg)で希釈し、DCM(3×750mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で蒸留した。得られた粗化合物を溶出系としてヘキサン中0〜5%の酢酸エチルを用いて、60〜120メッシュのシリカゲル上でクロマトグラフィーを行い、化合物241(150g、89%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.25(m,5H)、4.49(s,2H)、3,47−3.41(m,2H)、3.41−3.37(m,2H)、1.86−1.80(m,4H)、1.62−1.56(m,2H)、1.42−1.29(m,8H)。
【0322】
17−ビス−ベンジルオキシ−ヘプタデカン−9−オール(242):新たに活性化した削り屑状Mg(24.08g、1.003モル)に200mLの無水THFを加え、続いて不活性雰囲気下でヨウ素一摘みをこの混合物に添加した。グリニヤール形成の開始後に、1Lの乾燥THF中化合物241(150g、0.5016モル)の溶液を、発熱反応を制御しながら、ゆっくりと加えた。添加完了後、反応物を1時間加熱還流し、次いで室温に冷却した。次いでギ酸メチル(60.24g、1.0033モル)をゆっくりと加え、2時間にわたって反応を続けた。反応完了後に、10%HCl、続いて水(1L)をゆっくりと添加することにより反応物を急冷し、酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機層を5リットルのビーカーに採取し、500mLのメタノールで希釈し、0℃に冷却した。この溶液に、過剰量のNaBH
4(約5当量)を少量ずつ加え、HClの添加によって切断されないギ酸エステルの加水分解を確実にした。得られた溶液を1時間撹拌し、次いで揮発性物質を真空下で除去した。残渣を水(1L)中に取り上げ、10%のHCl溶液(p
H4)で酸性化した。次いで、生成物を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。次いで有機相を乾燥し、ロータリーエバポレーター上で濃縮し、化合物242(57g、24%)を固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.35−7.32(m,8H)、7.29−7.24(m,2H)、4.49(s,4H)、3.56(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.63−1.56(m,4H)、1.44−1.34(m,28H)。C
13NMR(100 MHz、CDCl
3):δ=138.56、128.21、127.49、127.34、72.72、71.76、70.37、37.37、29.64、29.56、29.47、29.33、26.07、25.54。
【0323】
[9−ベンジルオキシ−1−(8−ベンジルオキシ−オクチル)−ノニルオキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン(243):化合物242(56g、0.1196モル)を700mLの無水THF中に溶解し、0℃に冷却した。TBM−SCl(36.06g、0.2396モル)ゆっくりと加え、続いて不活性雰囲気下でイミダゾール(32.55g、0.4786モル)を添加した。次いで反応物を室温で18時間にわたって撹拌し、その後、氷(約1kg)で急冷した。生成物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、酸性不純物を除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗化合物を生成し、これをシリカゲル(60〜120メッシュ)により精製し、0〜10%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、化合物243(60g、82%)を帯黄色油状物として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,10H)、4.49(s,4H)、3.60−3.57(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.61−1.54(m、4H)、1.41−1.26(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0324】
9−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ヘプタデカン−1,17−ジオール(244):化合物243(60g、0.1030モル)を500mLの酢酸エチル中に溶解し、N
2で20分間脱気した。炭素上の(10重量%)Pd(12g)を加え、反応物を水素の雰囲気下で18時間にわたって撹拌した。撹拌完了後、セライト層を通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空下で蒸発させた。このようにして得られた化合物244(19g、46%)は、次の反応を実行するために、十分に純粋であった。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ=3.64−3.58(m,5H)、1.59(br,2H)、1.57−1.51(m,4H)、1.38−1.22(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0325】
9−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ヘプタデカンジオン酸(245):無水DMF(40mL)中の244(2g、0.0049モル)の撹拌溶液に、不活性雰囲気下で0℃においてピリジニウムジクロメート(2.7g、0.0074モル)を加えた。次いで、反応混合物を、10〜15分の時間をかけて室温まで暖め、24時間続けた。次いで、反応物を水(100mL)で希釈した。、DCM(3×40mL)を使用して水相を抽出した。有機相を塩水(1×25mL)で洗浄し、真空下で濃縮して、粗酸を得て、その後これを、ヘキサン中0〜30%の酢酸エチル系を使用して、(100〜200メッシュ)シリカゲルカラムによって精製した。純粋な生成物(245)を、淡黄色油状物として得た(0.7g、33%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ=3.61−3.56(m,1H)、2.35−2.32(m,4H)、1.64−1.59(m,4H)、1.40−1.19(m,24H)、0.86(s,9H)、0.017(s,6H);LC−MS[M+H]−431.00;HPLC(ELSD)純度−96.94%。
【0326】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(246):二価酸245(0.42g、0.97ミリモル)を20mLのジクロロメタン中に溶解し、これに、シス−2−ノネン−1−オール(0.35g、2.44ミリモル)を加え、続いてヒューニッヒの塩基(0.68g、4.9ミリモル)及びDMAP(12mg)を加えた。この混合物に、EDCI(0.47g、2.44ミリモル)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物をCH
2Cl
2(40mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(50mL)、水(60mL)及び塩水(60mL)で洗浄した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で溶媒を除去した。このようにして得られた粗生成物を、Combiflash Rf精製システム(40gのシリカゲル、CH
2Cl
2中0〜10%のMeOH)により精製し、純粋な生成物246(0.35g、53%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.64(dt,J=10.9,7.4Hz,2H)、5.58−5,43(m、2H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、3.71−3.48(m、1H)、2.30(t,J−7.6Hz,4H)、2.20−1.98(m,4H)、1.71−1.53(m,4H)、1.31(ddd,J−8.3,7.0,3.7Hz,34H)、1.07−0.68(m、14H)、0.02(s,5H)。
13CNMR(101 MHz、CDCl
3)δ 178.18、139.81、127.78、81.73、81.42、81.10、76.72、64.59、41.52、41.32、38.76、36.09、34.10、33.93、33.80、33.70、33.59、33.55、33.26、31.95、30.34、29.69、29.58、29.39、27.01、22.56、18.48、0.01。
【0327】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−ヒドロキシヘプタデカンジオエート(247):シリル保護化ジエステル246(0.3g、0.44ミリモル)を、THF(6mL)中TBAFの1M溶液中に溶解し、この溶液を40℃で2日間保持した。反応混合物を、水(60mL)で希釈し、エーテル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、このようにして得られた粗生成物を、カラムで精製し、純粋な生成物を単離した(0.097g、39%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.64(dt,J=10.9,7.4Hz,2H)、5.52(dt,J=11.0,6.8Hz,2H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、3.57(s,1H)、2.30(t、J=7.5Hz,4H)、2.09(q、J=7.1Hz,4H)、1.75−1.53(m,4H)、1.53−1.06(m,36H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13CNMR(101 MHz、CDCl
3)δ173.98、135.64、123.57、77.54、77.22、76.91、72.14、60.41、37.69、34.54、31.89、29.70、29.60、29.44、29.29、29.07、27.76、25.80、25.15、22.82、14.29。
【0328】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート:アルコール247(0.083g、0.147ミリモル)を、20mLのジクロロメタン中に溶解し、これにジメチルアミノ酪酸塩酸塩(0.030g、0.176ミリモル)を加え、続いて、ヒューニッヒの塩基(0.045g、0.44ミリモル)及びDMAP(2mg)を加えた。この混合物に、EDCI(0.034g、0.176ミリモル)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(シリカゲル、CH
2Cl
2中10%のMeOH)が、出発アルコールの完全な消失を示した。反応混合物をCH
2Cl
2(40mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)、水(60mL)及び塩水(60mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で溶媒を除去した。このようにして得られた粗生成物を、Combiflash Rf精製システム(40gのシリカゲル、CH
2Cl
2中0〜10%のMeOH)により精製し、純粋な生成物(0.062g、62%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.74−5.58(m,2H)、5.51(dtt,J=9.7,6.8,1.3Hz,2H)、4.95−4.75(m,1H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、2.35−2.24(m,8H)、2.22(d,J=7.9Hz,6H)、2.09(q,J=6.9Hz,4H)、1.83−1.72(m,2H)、1.60(dd,J=14.4,7.2Hz,4H)、1.49(d,J=5.7Hz,4H)、1.41−1.13(m,30H)、0.88(t,J=6.9Hz,6H)。
13CNMR(101 MHz、CDCl
3):δ173.72、173.36、135.40、123.35、74.12、60.18、58.95、45.46、34.30、34.11、32.45、31.67、29.38、29.35、29.17、29.07、28.84、27.53、25.28、24.93、23.16、22.59、14.06。C
41H
75NO
6のMW:計算値(MH
+):678.04、実測値:678.5。
【0329】
実施例18
以下のより短い経路を、本発明の化合物1の類似体の合成に使用した。市販の9−ブロモノン−1−エン248を、マグネシウムで処理して、対応のグリニヤード試薬を形成し、これをエチルホルメートと反応させて、対応の付加物249を得て、このブロモブチリルクロリドによる処理が、ブロモエステル250をもたらした。ブロモエステル250のRuO
4による処理が、二価酸251をもたらした。ブロモ二価酸251のジメチルアミンによる処理が、アミノ二価酸252をもたらした。DMFの存在下での二価酸252の塩化オキザリルによる処理が、二価酸塩化物253をもたらした。脂質254a−nは、酸塩化物253を対応のアルコールで処理することにより合成した。
【化108】
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【0330】
【表60】
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【0331】
【表61】
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【0332】
【表62】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
【表63】
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【0334】
【表64】
[この文献は図面を表示できません]
【0335】
【表65】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
ノナデカ−1,18−ジエン−10−オール(249)の合成
火炎乾燥した500mLのRBフラスコに、新たに活性化した削り屑状Mg(9g)を加え、フラスコに、磁気撹拌バー、追加の漏斗及び還流冷却器を取り付けた。このセットアップを脱気し、アルゴンを流し、注射器を通してフラスコに100mLの無水エーテルを添加した。臭化物3(51.3g、250ミリモル)を無水エーテル(100mL)中に溶解し、追加の漏斗に添加した。このエーテル溶液の約5mLを、激しく撹拌しながら、削り屑状Mgに加えた。発熱反応が認められ(グリニヤール試薬形成を確認/加速するために、5mgのヨウ素を加え、即時の脱色を観察し、グリニヤール試薬の形成を認めた)、エーテルの還流を始めた。水中でフラスコを冷やすことにより穏やかな還流を続けながら、この臭化物の溶液の残りを滴加した。添加の完了後に、反応混合物を35℃で1時間保持し、次いで氷浴で冷却した。ギ酸エチル(9g、121ミリモル)を無水エーテル(100mL)中に溶解し、追加の漏斗に移し、撹拌しながら反応混合物に滴加した。発熱反応が観察され、反応混合物の還流を開始した。反応の開始後、ギ酸塩のエーテル性溶液の残りをストリームとして迅速に添加し、反応混合物を周囲温度で更に1時間にわたって撹拌した。10mLのアセトンを滴加し、続いて氷冷水(60mL)を加えることによって、反応物を急冷した。この溶液が均一になり、層が分離するまで、反応混合物を、H
2SO
4水溶液(10体積%、300mL)で処理した。水相をエーテル(2×200mL)で抽出した。合わせたエーテル層を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して、粗生成物を得て、これをカラム(シリカゲル、ヘキサン中0〜10%のエーテル)クロマトグラフィーにより精製した。生成物フラクションを蒸発させて、純粋な生成物249を白色固体として得た(30.6g、90%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.26(s,1H)、5.81(ddt,J=16.9,10.2,6.7Hz,8H)、5.04−4.88(m,16H)、3.57(dd,J=7.6,3.3Hz,4H)、2.04(q,J=6.9Hz,16H)、1.59(s,1H)、1.45(d,J=7.5Hz,8H)、1.43−1.12(m,94H)、0.88(t,J=6.8Hz,2H)。
13CNMR(101 MHz、cdcl
3):δ139.40、114.33、77.54、77.22、76.90、72.21、37.70、34.00、29.86、29.67、29.29、29.12、25.85。
【0337】
ノナデカ−1,18−ジエン−10−イル−4−ブロモブタノエート(250)の合成
無水DCM(300mL)中、アルコール249(5.6g、20モル)の溶液に、塩化ブロモブチル(20ミリモル)を、不活性雰囲気下0℃でゆっくりと注意深く加えた。反応混合物を室温まで暖め、20時間にわたって撹拌し、TLC(シリカゲル、ヘキサン中10%の酢酸エチル)により監視した。反応の完了時に、混合物を水(400mL)で希釈し、有機層を分離した。次いで有機相をNaHCO
3の飽和溶液(1×400mL)、続いて塩水(1×100mL)で洗浄し、真空下で濃縮した。次いで粗生成物を、ヘキサン中2〜3%の酢酸エチル溶液で溶出するシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムで精製し、所望の生成物250の6g(90%)を無色液体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.80(ddt,J=16.9,10.2,6.7Hz,2H)、5.05−4.81(m,5H)、3.46(t,J=6.5Hz,2H)、2.48(t,J=7.2Hz,2H)、2.17(p,J=6.8Hz,2H)、2.11−1.93(m,4H)、1.65−1.44(m,4H)、1.43−1.17(m,19H)。
13CNMR(101 MHz、cdcl
3):δ172.51、139.37、114.35、77.54、77.23、76.91、74.86、34.31、33.99、33.01、32.96、29.65、29.56、29.24、29.09、28.11、25.52。
【0338】
9−((4−ブロモブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオン酸(251)の合成
ジクロロメタン(300mL)及びアセトニトリル(300mL)中、ブロモエステル250(12.1g、28.2ミリモル)の溶液に、RuCl
3(1.16g、5モル%)を加え、反応混合物を10℃まで冷やし、水(400mL)中、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(60g)を滴加した。これを10℃で20時間にわたり撹拌した。反応混合物を水で希釈した。層を分離し、有機層に、飽和ブライン溶液を撹拌しながら加え、続いて、脱色(暗緑色から淡黄色)のために3%の亜硫酸ナトリウム溶液を滴加した。層を分離し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧で蒸発させて、純粋な生成物を得た。C
20H
35BrO
7についてのMWは計算値:467.39;実測値465.4(M−2H)。
1H NMR(400MHz、DMSO)δ11.94(s,2H)、4.88−4.69(m,1H)、3.53(t,J=6.6Hz,2H)、2.43(t,J=7.2Hz,2H)、2.17(t、J=7,4Hz,4H)、2.09−1.95(m、2H)、1.90(s、3H)、1.46(s、7H)、1.23(s、15H)。
【0339】
9−((4−ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオン酸(252)の合成
ブロモ酸251(2ミリモル)をTHF(20mL)中、ジメチルアミンの2M溶液中に溶解し、これに1gの無水K
2CO
3を加え、混合物を加圧瓶中50℃にて一晩加熱した。TLCが反応の完了を示した。反応混合物を酢酸で酸性化し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×60mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮乾固し、次の反応において使用した。C
23H
43NO
6についてのMWは計算値:429.59;実測値430.6(MH)
+。1H NMR(400MHz、DMSO)δ11.87−11.82(m,7H)、5.75(d,J=0.7Hz,15H)、4.85−4.69(m,38H)、3.64−3.55(m,12H)、3.35−2.83(m,106H)、3.01−2.90(m,59H)、2.94(ddd,J=30.6,7.7,4.0Hz,63H)、2.90−2.73(m,9H)、2.70(s,221H)、2.57−2.46(m,91H)、2.44−2.30(m,76H)、2.17(t,J=7.3Hz,147H)、1.89(tq,J=15.5,7.6Hz,88H)、1.79−1.69(m,13H)、1.65−1.32(m,311H)、1.28(d,J=46.0Hz,598H)。
【0340】
9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオイルクロリド(253)の合成
二価酸252を、触媒活性DMFの存在下でジクロロメタン中の塩化オキザリルでこれを処理することにより、対応する二価酸塩化物253に変換し、反応混合物の濃縮後に得られた粗酸塩化物を、異なるアルコールとのカップリング用として使用した。
【0341】
カチオン性脂質254a−nの合成についての一般手順
ジクロロメタン(30mL)中の酸塩化物253(500mg、1ミリモル)の溶液に、対応するアルコール(5当量)を室温で添加し、続いて固体K
2CO
3(1g)を加え、溶液を室温で16時間にわたって撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(100mL)で洗浄し、有機層を乾燥し(無水Na
2SO
4)、濃縮して、粗生成物を得て、これをCombiflash Rf精製システムにより精製した。
【0342】
化合物254b:上記手順を使用することにより、脂質254bを72%の収率で(554mg)単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.91=4.78(m,1H)、4.05(t,J=6.7Hz,4H)、3.81(s,6H)、3.63(t,J=6.4Hz,1H)、2.29(dt,J=15.2,7.5Hz,8H)、2.21(s,6H)、1.84−1.69(m,2H)、1.57(dt,J=13.4、5.2Hz,9H)、1.53−1.40(m,4H)、1.27(s,43H)。13CNMR(101 MHz、cdcl3):δ174.45、174.13、173.59、77.54、77.22、76.91、74.34、64.54、59.17、51.65、45.67、34.56、34.35、34.27、32.67、29.59、29.40、29.33、29.31、29.25、28.83、26.06、25.51、25.18、25.11、23.38。C
43H
79NO
10のMW:計算値770.09;実測値770.68。
【0343】
化合物254c:上記手順を使用することにより、脂質254cを69%の収率で(490mg)単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ5.71−5.36(m,4H)、4.89−4.72(m,1H)、4.59(d,J=6.8Hz,4H)、2.26(ddd,J=2.23,13.0,8.6Hz,9H)、2.19(s,6H)、2.12−1.95(m,4H)、1.82−1.68(m,2H)、1.63−1.37(m,8H)、1.37−1.00(m,32H)、0.85(t,J=6.8Hz,6H)。13CNMR(101MHz、cdcL3)δ173.94、173.57、135.61、123.57、77.54、77.22,76.91、74.34、60.40、59.16、45.65、34.52、34.33、32.66、31.88、29.59、29.57、29.38、29.28、29.06、27.75、25.49、25.14、23.35、22.81、14.28。C
43H
83NO
6のMW:計算値710.12;実測値710.81。
【0344】
化合物254d:上記手順を使用することにより、脂質254dを67%の収率で(456mg)単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.92−4.78(m,1H)、4.05(t,J=6.7Hz,4H)、3.63(t,J=6.4Hz,1H)、2.39−2.24(m,8H)、1.89−1.70(m,2H)、1.69−1.54(m,8H)、1.51(dd,J=17.2、6.3Hz,4H)、1.27(s,42H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。C
41H
79NO
6のMW:計算値682.07;実測値682.96。
【0345】
化合物254e:上記手順を使用することにより、脂質254eを70%の収率で(474mg)単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ5.49(ddd,J=12.9,9.8,7.3Hz,2H)、5.40−5.23(m、2H)、4.92−4.77(m,1H)、4.05(t,J=6.9Hz,4H)、2.32(ddd,J=23.4,14.5,7.1Hz,12H)、2.21(s,6H)、2.07−1.91(m,4H)、1.84−1.70(m,2H)、1.66−1.39(m,8H)、1.40−1.15(m、26H)、0.88(t,J=6.8Hz,5H)。C
41H
75NO
6のMW:計算値(MH
+)678.04;実測値678.5。
【0346】
化合物254f:上記手順を使用することにより、脂質254fを73%の収率で(559mg)単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.87−5.62(m,2H)、5.55(dtt,J−9.1,6.4,1.3Hz,2H)、4.93−4.75(m,1H)、4.50(dd,J=6.5,0.6Hz,4H)、2.40−2.17(m、13H)、2.12−1.95(m,4H)、1.89−1.67(m,2H)、1.69−1.44(m,7H)、1.41−1.12(m、25H)、0.88(t,J=6.9Hz,5H)。C
41H
75NO
6のMW:計算値(MH
+)678.04;実測値678.5。
【0347】
化合物254g:上記手順を使用することにより、脂質254gを63%の収率で(432mg)単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.93−4.77(m,1H)、4.20−3.95(m,4H)、2.44−2.23(m、8H)、2.21(s,6H)、1.84−1.66(m,3H)、1.68−1.34(m,15H)、1.35−1.17(m、20H)、1.17−1.04(m,5H)、0.88(dd,J=12.4,6.6Hz,16H)。C
43H
83NO
6のMW:計算値710.12;実測値710.81。
【0348】
化合物254h:上記手順を使用することにより、脂質254hを66%の収率で(466mg)単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ5.08(ddd,J=7.1,5.9,1.3Hz,2H)、4.91−4.75(m,1H)、4.22−3.97(m,4H)、2.39−2.22(m、8H)、2.23(d,J=16.7Hz,7H)、2.09−1.84(m,4H)、1.86−1.71(m,3H)、1.71−1.02(m,44H)、0.91(t,J=4.9Hz,6H)。C
43H
79NO
6のMW:計算値706.12;実測値706.81。
【0349】
実施例19
別のアプローチにおいて、以下の合成アプローチが、本発明の化合物1の合成に使用される。
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
実施例20
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
8−ベンジルオキシ−オクタン−1−オール(2):500mLの無水DMF中NaH(油中60%、82g、1.7096モル)の撹拌懸濁液に、1.5LのDMF中の化合物1(250g、1.7096モル)の溶液を、0℃で滴下漏斗を使用してゆっくりと加えた。反応混合物を30分間撹拌し、これに臭化ベンジル(208.86mL、1.7096モル)を、窒素雰囲気下でゆっくりと加えた。次いで反応物を周囲温度まで暖め、10時間にわたって撹拌した。反応完了後に、混合物を、砕氷(約2kg)で急冷し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。有機層を水(1L)で洗浄し、不必要なDMFを除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空下で蒸発乾固した。粗化合物を、DCM中0〜5%のMeOHで溶出して、60〜120のシリカゲル上で精製し、化合物2(220g、54%)を淡黄色液体として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,5H)、4.49(s,2H)、3.63−3.60(m,2H)、3,47−3.43(m,2H)、1.63−1.51(m,4H)、1.39−1.23(m,8H)。
【0351】
(8−ブロモ−オクチルオキシメチル)−ベンゼン(3):化合物2(133g、0.5635モル)を、1.5LのDCM中に溶解し、CBr
4(280.35g、0.8456モル)を、この撹拌溶液に加え、不活性雰囲気下で反応混合物を0℃まで冷却した。次いで、20℃未満の温度を維持しながら、PPh
3(251.03g、0.9571モル)を少しずつ加え、添加完了後に、反応混合物を室温で3時間撹拌し、TLCにより監視した。反応完了後に、反応混合物から沈殿した固体(PPh
3O)を濾過で除き、濾液を砕氷(約1.5kg)で希釈し、DCM(3×750mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で蒸留した。得られた粗化合物を溶出系としてヘキサン中0〜5%の酢酸エチルを用いて、60〜120メッシュのシリカゲル上でクロマトグラフィーを行い、化合物3(150g、89%)を淡黄色液体として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.25(m,5H)、4.49(s,2H)、3,47−3.41(m,2H)、3.41−3.37(m,2H)、1.86−1.80(m,4H)、1.62−1.56(m,2H)、1.42−1.29(m,8H)。
【0352】
1,17−ビス−ベンジルオキシ−ヘプタデカン−9−オール(4):新たに活性化した削り屑状Mg(24.08g、1.003モル)に200mLの無水THFを加え、続いて不活性雰囲気下でヨウ素一摘みをこの混合物に添加した。グリニヤール形成の開始後に、1Lの乾燥THF中化合物3(150g、0.5016モル)の溶液を、発熱反応を制御しながら、ゆっくりと加えた。添加完了後、反応物を1時間還流し、次いで室温に冷却した。次いでギ酸メチル(60.24g、1.0033モル)をゆっくりと加え、2時間にわたって反応を続けた。反応完了後に、10%HCl、続いて水(1L)をゆっくりと添加することにより反応物を急冷し、酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機層を5リットルのビーカーに採取し、500mLのメタノールで希釈し、0℃に冷却した。この溶液に、過剰量のNaBH
4(約5当量)を少量ずつ加え、HClの添加によって切断されないギ酸エステルの加水分解を確実にした。得られた溶液を1時間撹拌し、次いで揮発性物質を真空下で除去した。残渣を水(1L)中に取り上げ、10%のHCl溶液(P
H4)で酸性化した。次いで、生成物を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。次いで有機相を乾燥し、ロータリーエバポレーター上で濃縮し、所望の化合物4(57g、24%)を固体として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3)δ=7.35−7.32(m,8H)、7.29−7.24(m,2H)、4.49(s,4H)、3.56(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.63−1.56(m,4H)、1.44−1.34(m,28H)。C
13NMR(100MHz、CDCl
3):δ=138.56、128.21、127.49、127.34、72.72、71.76、70.37、37.37、29.64、29.56、29.47、29.33、26.07、25.54。
【0353】
[9−ベンジルオキシ−1−(8−ベンジルオキシ−オクチル)−ノニルオキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン(5):化合物4(56g、0.1196モル)を700mLの無水THF中に溶解し、0℃に冷却した。TBMS−Cl(36.06g、0.2396モル)をゆっくりと加え、続いて不活性雰囲気下でイミダゾール(32.55g、0.4786モル)を添加した。次いで反応物を室温で18時間にわたって撹拌した。反応が完了したことをTLCによって判断し、その後、氷(約1kg)で急冷し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、酸性不純物を除去し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、粗化合物を生成し、これをシリカゲル(60〜120メッシュ)により精製し、0〜10%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、化合物5(60g、82%)を帯黄色油状物として得た。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.24(m,10H)、4.49(s,4H)、3.60−3.57(m,1H)、3.46−3.43(m,4H)、1.61−1.54(m、4H)、1.41−1.26(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0354】
9−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ヘプタデカン−1,17−ジオール(6):化合物5(60g、0.1030モル)を500mLの酢酸エチル中に溶解し、N
2で20分間脱気した。炭素上の(10重量%)Pd(12g)を加え、反応物を水素雰囲気下で18時間にわたって撹拌した。反応完了(TLCによって判定)後、セライト層を通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空下で蒸発させた。このようにして得られた化合物6(19g、46%)は、次の反応を実行するために、十分に純粋であった。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3)δ=3.64−3.58(m,5H)、1.59(br,2H)、1.57−1.51(m,4H)、1.38−1.22(m,28H)、0.87(s,9H)、0.02(s,6H)。
【0355】
9−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ヘプタデカンジオン酸(7):無水DMF(40mL)中の化合物6(2g、0.0049モル)の撹拌溶液に、不活性雰囲気下で0℃においてピリジニウムジクロメート(2.7g、0.0074モル)を加えた。次いで、反応混合物を、10〜15分の時間をかけて室温まで暖め、24時間続けた。反応の進行をTLCによって監視した。完了後に、酸化反応物を水(100mL)で希釈した。DCM(3×40mL)を使用して水相を抽出した。有機相を塩水(1×25mL)で洗浄し、真空下で濃縮して、粗酸を得て、その後これを、ヘキサン中0〜30%の酢酸エチル系を使用して、(100〜200メッシュ)シリカゲルカラムによって精製した。純粋な生成物26−003を、淡黄色油状物として得た(0.7g、33%)。H
1 NMR(400MHz、CDCl
3):δ=3.61−3.56(m,1H)、2.35−2,32(m,4H)、1.64−1.59(m,4H)、1.40−1.19(m,24H)、0.86(s,9H)、0.017(s,6H);LC−MS[M+H]−431.00;HPLC(ELSD)純度−96.94%。
【0356】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(8):二価酸7(0.42g、0.97ミリモル)を20mLのジクロロメタン中に溶解し、これに、シス−2−ノネン−1−オール(0.35g、2.44ミリモル)を加え、続いてヒューニッヒの塩基(0.68g、4.9ミリモル)及びDMAP(12mg)を加えた。この混合物に、EDCI(0.47g、2.44ミリモル)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(シリカゲル、CH
2Cl
2中5%のMeOH)は出発酸の完全な消失を示した。反応混合物をCH
2Cl
2(40mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(50mL)、水(60mL)及び塩水(60mL)で洗浄した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で溶媒を除去した。このようにして得られた粗生成物を、Combiflash Rf精製システム(40gのシリカゲル、CH
2Cl
2中0〜10%のMeOH)により精製し、純粋な生成物8(0.35g、53%)を無色油状物として単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ5.64(dt,J=10.9,7.4Hz,2H)、5.58−5,43(m、2H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、3.71−3.48(m、1H)、2.30(t,J−7.6Hz,4H)、2.20−1.98(m,4H)、1.71−1.53(m,4H)、1.31(ddd,J=8.3,7.0,3.7Hz,34H)、1.07−0.68(m、14H)、0.02(s,5H)。
13CNMR(101MHz、CDCl
3):δ178.18、139.81、127.78、81.73、81.42、81.10、76.72、64.59、41.52、41.32、38.76、36.09、34.10、33.93、33.80、33.70、33.59、33.55、33.26、31.95、30.34、29.69、29.58、29.39、27.01、22.56、18.48、0.01。
【0357】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−ヒドロキシヘプタデカンジオエート(9):シリル保護化ジエステル8(0.3g、0.44ミリモル)を、THF(6mL)中TBAFの1M溶液中に溶解し、この溶液を40℃で2日間保持し、その後、TLCは、反応の完了を示した。反応混合物を、水(60mL)で希釈し、エーテル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、このようにして得られた粗生成物を、カラムで精製し、純粋な生成物を単離した(0.097g、39%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.64(dt,J=10.9,7.4Hz,2H)、5.52(dt,J=11.0,6.8Hz,2H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、3.57(s,1H)、2.30(t、J=7.5Hz,4H)、2.09(q、J=7.1Hz,4H)、1.75−1.53(m,4H)、1.53−1.06(m,36H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13CNMR(101MHz、CDCl
3):δ173.98、135.64、123.57、77.54、77.22、76.91、72.14、60.41、37.69、34.54、31.89、29.70、29.60、29.44、29.29、29.07、27.76、25.80、25.15、22.82、14.29。
【0358】
ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート:アルコール9(0.083g、0.147ミリモル)を、20mLのジクロロメタン中に溶解し、これにジメチルアミノ酪酸塩酸塩(0.030g、0.176ミリモル)を加え、続いて、ヒューニッヒの塩基(0.045g、0.44ミリモル)及びDMAP(2mg)を加えた。この混合物に、EDCI(0.034g、0.176ミリモル)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌し、TLC(シリカゲル、CH
2Cl
2中10%のMeOH)が、出発アルコールの完全な消失を示した。反応混合物をCH
2Cl
2(40mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(50mL)、水(60mL)及び塩水(60mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空中で溶媒を除去した。このようにして得られた粗生成物を、Combiflash Rf精製システム(40gのシリカゲル、CH
2Cl
2中0〜10%のMeOH)により精製し、純粋な生成物(0.062g、62%)を無色油状物として単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.74−5.58(m,2H)、5.51(dtt,J=9.7,6.8,1.3Hz,2H)、4.95−4.75(m,1H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、2.35−2.24(m,8H)、2.22(d,J=7.9Hz,6H)、2.09(q,J=6.9Hz,4H)、1.83−1.72(m,2H)、1.60(dd,J=14.4,7.2Hz,4H)、1.49(d,J=5.7Hz,4H)、1.41−1.13(m,30H)、0.88(t,J=6.9Hz,6H)。
13CNMR(101 MHz、CDCl
3)δ173.72、173.36、135.40、123.35、74.12、60.18、58.95、45.46、34.30、34.11、32.45、31.67、29.38、29.35、29.17、29.07、28.84、27.53、25.28、24.93、23.16、22.59、14.06。C
41H
75NO
6のMW:(MH
+)計算値:678.04、実測値:678.5。
【0359】
別の実施形態において、以下のより短い経路をジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエートの合成に使用した。市販の9−ブロモノン−1−エン10を、マグネシウムで処理して、対応のグリニヤード試薬を形成し、これをギ酸エチルと反応させて、対応の付加物11を得て、このブロモブチリルクロリドによる処理が、ブロモエステル12をもたらした。ブロモエステル12のRuO
4による処理が、二価酸13をもたらした。ブロモ二価酸13のジメチルアミンによる処理が、アミノ二価酸14をもたらした。アミノ二価酸14のアルコール15とのカップリングが、良好な収率で生成物をもたらした。
【0360】
実施例21
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
実施例22
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
実施例23
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
実施例24
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
化合物501:乾燥ピリジン(100mL)中の2−ヒドロキシ1−オクタノール5g(31.25ミリモル)、DMAP 0.38g(3.1ミリモル)の溶液に、DMTr−Clを加え、室温で14時間にわたって撹拌した。10mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO
3及び塩水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、溶媒を濃縮して粗生成物500(20g)を得て、これをトルエンと2回同時蒸発し、更なる精製をすることなく次の工程で使用した。乾燥THF(250mL)中の上記粗DMTrエーテルに、NaH及びヨードメタンを0℃で加え、次いで30分かけて室温まで戻し、その後2日間撹拌した。5mLの水を加え、濃縮し、続いてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%の酢酸エチル)を行い、対応する生成物501(10.25g、R
f:0.45、ヘキサン中20%の酢酸エチル)及び8.4gの回収された出発物質500を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.47−6.8(m,13H)、3.79(s,6H)、3.42(s,3H)、3.29−3.26(m,1H)、3.13−3.04(m,2H)、1.55−1.47(m,2H)、1.3−1.2(m、10H)、0.89(t、J=6.4Hz,3H)。
【0361】
アルコール502:化合物501(10.25g、21.5ミリモル)を75mLの80%酢酸中に溶解し、室温で14時間にわたって撹拌した。10mLのメタノールを加え、濃縮し、続いてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%の酢酸エチル)を行い、予想された生成物502を無色油状物として生成した(1.8g、82%、R
f:0.3、ヘキサン中30%の酢酸エチル)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.71−3.65(m,1H)、3.5−3.45(m、1H)、3.41(s、3H)、3.28−3.25(m,1H)、1.93−1.9(m,1H)、1.45−1.41(m,2H)、1.39−1.27(m、10H)、0.88(s、J=6.8Hz,3H)。
【0362】
化合物503:化合物503を、化合物213についての一般的実験手順に従って合成した。0.3g、淡黄色の油状物(52%、R
f=0.2、ジクロロメタン中5%のメタノール)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.87−4.84(m,1H)、4.18−4.00(m、4H)、3.4(s、6H)、3.37−3.19(m,2H)、2.34−2.26(m,6H)、2.2(s,6H)、1.8−1.6(m、2H)、1.63−1.2(m,50H)、0.88(s、J=6.8Hz,6H)。
【0363】
実施例25
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
化合物504:アルコール11(4.01g、22.25ミリモル)、TBDPS−Cl(12.24g、44.5ミリモル)及びDMAP(0.54g、4.42ミリモル)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(8.99g、90ミリモル)を加え、室温で14時間撹拌した。上記溶液に、イミダゾール(1.51g、22.25ミリモル)を加え、撹拌を室温で14時間続けた。20mLの水を加え、DCMで抽出し、続いて2N HCl、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%の酢酸エチル)によって精製し、化合物504を産生した(7.38g、79%、R
f:0.8、ヘキサン中5%の酢酸エチル)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.68−7.66(m,4H)、7.43−7.33(m、6H)、5.86−5.76(m,2H)、5.02−4.91(m,4H)、3.73−3.67(m、1H)、2.04−1.99(m,4H)、1.42−1.08(m,24H)、1.05(s、9H)。
【0364】
化合物505:400mLのDCM/CH
3CN(1:1)中、ジエン504(7.38g、17.6ミリモル)及びRuCl
3(0.18g、0.88ミリモル)の撹拌溶液に、400mLの水に溶解したNaIO
4(37.6g、176ミリモル)を5℃周辺で30分間かけて滴加し、室温で3時間撹拌した。有機層を分離し、続いて3%のNa
2S溶液(100mL)、水(250mL)、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物505(4g、42%、R
f:0.3、ヘキサン中40%の酢酸エチル)を得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0365】
化合物506:75mLの乾燥DCM中、酸505(4g、7.22ミリモル)、HBTU(6.02g、15.88ミリモル)、HOBt(2.14g、15.88ミリモル)及びDMAP(88mg、0.72ミリモル)の撹拌溶液に、5mLのメタノールを加え、室温で14時間にわたって撹拌した。10mLの水を加え、続いてDCM(3×50mL)で抽出し、飽和NaHCO
3、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%の酢酸エチル)により精製して、化合物506(2g、47.6%、R
f:0.3、ヘキサン中10%の酢酸エチル)を産生した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.67−7.65(m,4H)、7.41−7.33(m,6H)、3.70−3.64(m、1H)、3.66(s,6H)、2.28(t,J=7.2Hz,4H)、1.63−1.07(m、24H)、1.04(s、9H)。
【0366】
化合物507:乾燥THF(20mL)中のジメチルエステル506(1.0g、1.79ミリモル)の撹拌溶液に、KHMDS(0.752g、3.76ミリモル)及びヨウ化メチル(0.762g、5.37ミリモル)を0℃で加え、その後30分かけて室温まで戻し、24時間にわたって撹拌した。10mLの飽和NH
4Cl溶液を加え、続いて酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜5%の酢酸エチル)により精製して、生成物507(0.218g、20%、R
f:0.8、ヘキサン中5%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.68−7.65(m,4H)、7.41−7.33(m、6H)、3.70−3.67(m、1H)、3.67(s,6H)、2.43−2.38(m、2H)、1.59−1.07(m、24H)、1.13(d,J=7.2Hz,6H)、1.04(s、9H)。
【0367】
化合物509:10mLのMeOH/THF(1:1)中、メチルエステル507の撹拌溶液に、1mLの水中、LiOH(0.079g、3.27ミリモル)を加え、室温で24時間にわたって撹拌した。上記溶液に、1mLの水中、KOH(0.183g、3.27ミリモル)を加え、更に2日間撹拌した。2mLの飽和NH
4Cl溶液を加え、続いて酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物508(0.45g、R
f:0.2、ヘキサン中10%の酢酸エチル)を得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。乾燥DCM(15mL)中、上記二価酸508(0.45g)、シス−2−ノネン−1−オール(0.66g、4.6ミリモル)及びEDC・HCl(0.82g、4.6ミリモル)の撹拌溶液に、DIEA(1.2g、9.24ミリモル)を加え、室温で3日間にわたって撹拌した。10mLの水を加え、続いてDCMで抽出し、その後2N HCl、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%の酢酸エチル)により精製して、化合物509(0.3g、55%、R
f:0.5、ヘキサン中3%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.67−7.65(m,4H)、7.42−7.33(m、6H)、5.67−5.6(m,2H)、5.55−5.49(m,2H)、4.615(d,J=4Hz,4H)、3.71−3.65(m,1H)、2.44−2.35(m、2H)、2.10(q,J=8.0Hz,4H)、1.64−1.07(m、40H)、1.13(d,J=8.0Hz,6H)、1.04(s,9H)、0.86(t,J=10Hz,6H)。
【0368】
化合物511:乾燥THF中、シリルエーテル509(0.3g、0.36ミリモル)の溶液に、ピリジン(1mL)及びHF・Pyr(1mL)を滴加し、45℃で48時間にわたって撹拌した。溶媒を蒸発させて、精製することなく、次の工程で使用した。乾燥DCM(10mL)中、上記粗アルコール510、N,N−ジメチルアミノ酪酸(0.34g、2.04ミリモル)、EDC・HCl(0.39g、2.04ミリモル)及びDMAP(0.06g、0.51ミリモル)の撹拌溶液に、DIEA(0.5g、3.88ミリモル)を加え、室温で2日間撹拌した。10mLの水を加え、続いてDCM(3×25mL)で抽出し、飽和NaHCO
3、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサンを含有する1%のTEA中0〜30%の酢酸エチル)により精製して、化合物511(0.167g、66%、R
f:0.4、DCM中10%のMeOH)を得た。C
43H
79NO
6についての分子量は(M+H)
+計算値が706.59であり、実測値は706.5であった。
【0369】
実施例26
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
化合物512:100mLのTHF/HMPA(4:1)中、4−ペンチン酸の撹拌溶液に、−78℃でnBuLi(3.1g、49ミリモル)を滴加し、30分間撹拌した。次いで反応混合物を0℃にもどし、2時間撹拌した。再度、反応混合物を−78℃に冷却し、n−臭化ブチル(3.07g、22.44ミリモル)を滴加し、室温で14時間撹拌した。10mLの飽和NH
4Cl溶液を加え、続いて酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%の酢酸エチル)により精製して、化合物512(0.4g、R
f:0.8、ヘキサン中30%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.59−2.55(m,2H)、2.49−2.44(m,2H)、2.16−2.11(m,2H)、1.49−1.34(m、4H)、0.9(t,J=6.0Hz,3H)。
【0370】
化合物513:EtOH(20mL)中、Ni(OAc)
2(0.45g、2.53ミリモル)の懸濁液に、NaBH
4(0.096g、12.65ミリモル)を室温で少量ずつ加え、H
2雰囲気下で15分間撹拌した。固体を濾過で除き、続いて溶媒を濃縮し、化合物513を得た(0.35g、88.6%、R
f:0.6、ヘキサン中20%の酢酸エチル)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ10.88(br,s,1H)、5.47−5.41(m,1H)、5.35−5.31(m,1H)、2.43−2.33(m,4H)、2.07−2.03(m,2H)、1.36−2.27(m、4H)、0.9(t,J=8.0Hz,3H)。
【0371】
化合物515:MeOH(100mL)中、ジ−アセテート514(1.5g、3.09ミリモル)の撹拌溶液に、ナトリウム金属片(0.05g、2.17ミリモル)を加え、室温で14時間撹拌した、ドライアイスで中和し、濃縮し、続いて酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物515(1.1g、88.7%)を得て、これを精製することなく次の工程で使用した。
【0372】
化合物516:乾燥DCM(15mL)中、上記ジオール515(0.4g、1ミリモル)、513(0.341g、2.19ミリモル)、DMAP(0.1g、0.82ミリモル)及びEDC・HCl(0.57g、2.98ミリモル)の撹拌溶液に、DIEA(5.97g、6ミリモル)を加え、室温で2日間撹拌した。10mLの水を加え、続いて酢酸エチルで抽出し、1NのHCl、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%の酢酸エチル)により精製して、化合物516(0.335g、50%、R
f:0.6、ヘキサン中5%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.45−5.38(m,2H)、5.36−5.29(m,2H)、4.06(t,J=8Hz,4H)、3.63−3.58 9m,1H)、2.39−2.31(m,8H)、2.07−2.02(m,4H)、1.65−1.57(m、4H)、1.4−1.28(m、32H)、0.9(t,J=6.0Hz,6H)、0.88(s、9H)、0.03(s,6H)。
【0373】
化合物517:乾燥THF(5mL)中、シリルエーテル516(0.3g、0.36ミリモル)の溶液に、ピリジン(1mL)及びHF・Pyr(1mL)を滴加し、45℃で24時間にわたって撹拌した。溶媒を蒸発させて、続いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物517(0.2g、72%、R
f:0.4、ヘキサン中10%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.43−5.36(m,2H)、5.34−5.27(m,2H)、4.04(t,J=8Hz,4H)、3.59−3.53(m、1H)、2.37−2.3(m,8H)、2.05−2.0(m,4H)、1.61−1.29(m、37H)、0.88(t、J=8.0Hz,6H)。
【0374】
化合物518:乾燥DCM(10mL)中、アルコール517(0.2g、0.355ミリモル)、N,N−ジメチルアミノ酪酸(0.36g、2.14ミリモル)、EDC・HCl(0.406g、2.14ミリモル)及びDMAP(0.043g、0.36ミリモル)の撹拌溶液に、DIEA(0.55g、4.26ミリモル)を加え、室温で2日間撹拌した。10mLの水を加え、続いてDCM(3×25mL)で抽出し、飽和NaHCO
3、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサンを含有する1%のTEA中0〜30%の酢酸エチル)により精製して、化合物518(0.172g、72%、R
f:0.2、DCM中5%のMeOH)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.43−5.36(m,2H)、5.32−5.27(m,2H)、4.87−4.83(m,1H)、4.03(t,J=6Hz,4H)、2.36−2.2(m,6H)、2.32(s,6H)、2.03−1.25(m,40H)、0.88(t、J=6.0Hz,6H)。
【0375】
実施例27
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
化合物521:Et
2O中Mgの懸濁液に、臭化アルキル(25g、107.7ミリモル)を40℃で1時間かけて滴加した。ギ酸エチルを上記反応混合物に0〜5℃で加え、反応混合物を室温で14時間にわたって撹拌した。反応混合物を氷冷飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、続いてEt
2O(3×250mL)で抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをMeOH(250mL)中に再溶解し、ナトリウムの小片(0.1g)を加え、室温で14時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、100mLの水を加え、続いて固体を濾過し、水(2×100mL)で洗浄して、淡黄色末521(17g、94%、R
f:0.8、ヘキサン中10%の酢酸エチル)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.84−5.74(m,2H)、5.0−4.89(m,4H)、3.64−3.49(m,1H)、2.04−1.99(m,4H)、1.79(br,s,1H)、1.44−1.23(m,32H)。
【0376】
化合物522:乾燥DCM(50mL)中、521(10g、29.73ミリモル)及びDMAP(0.1g、0.82ミリモル)の撹拌溶液に、4−ブロモブチリルクロリド(6.56g、35.68ミリモル)を加え、室温で14時間撹拌した。5mLの飽和NaHCO
3を加え、有機層を分離し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10%の酢酸エチル)により精製して、化合物522(9.6g、66.7%、R
f:0.9、ヘキサン中5%の酢酸エチル)を生成した。
【0377】
化合物524:化合物505と同一の実験手順に従って、酸化を行い、化合物523を得た(8.6g、83.5%、R
f:0.1、DCM中5%のMeOH)。この粗物質をTHF(20mL)中、2NのN,N−ジメチルアミンに溶解し、密閉チューブ内で14時間、60℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、次いで反応混合物のpHを3とした。この混合物を凍結乾燥し、化合物524をHCl塩として得た(4g、82%)。C27H51NO6についての(M+H)
+計算値は486.37であり、実測値は486.2であった。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.94−4.89(m,1H)、3.32−3.3(m,2H)、3.2−3.16(m,2H)、2.91(s,6H)、2.47(t,J=8Hz,2H)、2.28(t,J=8Hz,4H)、2.05−1.97(m,2H)、1.61−1.56(8H)、1.4−1.25(m,22H)。
【0378】
【表66】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
エステル525、526,527及び528の合成:
標題化合物を、化合物516についての実験手順に従って合成した。
【0380】
化合物525:(0.75g、60%、R
f:0.3、DCM中5%のMeOH)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.65−5.59(m,2H)、5.53−5.47(m,2H)、4.87−4.81(m,1H)、4.595(d,J=4.0Hz,4H)、2.43−2.25(m,8H)、2.2(s,6H)、2.1−2.03(m,4H)、1.81−1.73(m,2H)、1.61−1.56(m,4H)、1.48−1.47(m、4H)、1.36−1.23(m,32H)、0.86(t,J=8.0Hz,6H)。
【0381】
化合物526:(0.358g、60.9%、R
f:0.5、DCM中5%のMeOH)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.87−4.81(m,1H)、4.07−3.95(m,4H)、2.32−2.24(m,6H)、2.2(s,6H)、1.80−1.69(m,4H)、1.6−1.14(m,46H)、0.88−0.84(m,24H)。
【0382】
化合物527:(0.258g、56.8%、R
f:0.5、DCM中5%のMeOH)。C47H91NO6についての分子量は、(M+H)
+計算値:766.23;実測値766.7。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.86−4.80(m,1H)、4.12−4.02(m、4H)、2.31−2.23(m、8H)、2.19(s,6H)、1.80−1.72(m,2H)、1.66−1.06(m,52H)、0.87(d,J=8.0Hz,6H)、0.84(d,J=8.0Hz,12H)。
【0383】
化合物528:(0.3g、68.1%、R
f:0.5、DCM中5%のMeOH)。C47H91NO6についての分子量は、(M+H)
+計算値:766.23;実測値766.7。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.86−4.80(m,1H)、4.12−4.02(m,4H)、2.31−2.21(m,8H)、2.19(s,6H)、1.79−1.72(m,2H)、1.66−0.98(m,52H)、0.87(d,J=8.0Hz,6H)、0.835(d,J=4.0Hz,12H)。
【0384】
実施例28
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
化合物533、534、535及び536の合成:標題化合物(1ミリモル)を、脱シリル化工程を除いては、化合物513の実験手順に従って合成し、この脱シリル化は、室温でTHF中のTBAFを使用して行われる。
【0385】
化合物537、538、539及び540の合成:標題化合物(1ミリモル)を、化合物525の実験手順に従って合成する。
【0386】
実施例29
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
化合物243(X=O/NH、R=アルキル/アリール)は、スキーム16−2に示す通りに合成することが可能である。239のトシル基は、求核置換によってフタルイミド基で置き換えられることが可能である。脱保護化、続いて酸性条件下の111とのカップリング後に、242が合成され得る。標準エステル化によって、カチオン性脂質243及びその類似体を得る。
【0387】
実施例30:エステル含有脂質の合成
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
化合物15:化合物13(503mg、1,0ミリモル)を、CH
2Cl
2(50mL)中、EDCI(2.30g、12.0ミリモル)、DMAP(235mg、1.92ミリモル)及びDIEA(8.34mL、47.9ミリモル)の存在下で、14(469mg、3.0ミリモル)で14時間にわたって処理した。水処理後、カラムクロマトグラフィーを行い、化合物15(1.22g、1.54ミリモル、40%)を得た。C
49H
92NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:790.6925;実測値790.7。
【0388】
化合物16:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、13及びテトラヒドロラバンジュロールから合成した。収率:0.358g、61%。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.87−4.81(m,1H)、4.07−3.95(m,4H)、2.32−2.24(m,6H)、2.2(s,6H)、1.80−1.69(m,4H)、1.6−1.14(m,46H)、0.88−0.84(m,24H)。
【0389】
化合物17:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、12(1.0g、2.15ミリモル)及び3(1.03g、5.16ミリモル)から合成した。収率:856mg(50%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.91−4.79(m,1H)、4.08(t、J=7.1Hz,4H)、2.35−2.25(m,14H)、1.89−1.76(m,2H)、1.67−1.13(m,62H)、0.88(t,J=7.0Hz,12H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.08、74.45、63.08、45.27、34.76、34.56、34.28、33.70、32.61、32.39、29.54、29.36、29.28、26.36、25.47、25.13、22.83、14.26。C
49H
96NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:794.7238;実測値794.6。
【0390】
化合物18:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、13(1.0g、2.15ミリモル)及び3(1g)から合成した。収率:1g(59%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.94−4.74(m,1H)、4.17−3.85(m,4H)、2.46−2.19(m,12H)、1.93−1.79(m,2H)、1.74−1.45(m,10H)、1.37(d,J=20.2Hz,2H)、1.35−1.13(m,44H)、0.88(t,J=6.9Hz,12H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ174.19、77.53、77.21、76.90、63.12、34.81、34.66、34.35、33.76.32.66、32.45、29.76、29.73、29.63、29.48、29.39、26.42、25.57、25.23、22.89、14.32。C
53H
103NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:850.38;実測値850.7。
【0391】
化合物19:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、12及び11から合成した。収率:860mg(51%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.90−4.81(m,1H)、4.04(t,J=6.8Hz,4H)、2.37−2.17(m,14H)、1.84−1.06(m,48H)、0.93−0.78(m,24H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.06、74.35、65.51、64,91、59.05、45.51、43.77、37.10、34.55、34.29、32.55、29.54、29.37、29.34、29.28、28.58、28.19、26.99、26.74、25.47、25.15、22.90、22.82、19.60、19.41、19.28。C
47H
92NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:766.6925;実測値766.5。
【0392】
化合物20:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、13及び11から合成した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.86(p,J=6.2Hz,1H)、4.04(t,J=6.7Hz,4H)、2.38−2.17(m,14H)、1.84−1.07(m,56H)、0.93−0.76(m,24H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.11、173.46、74.44、64,90、59.06、45.51、43.77、37.11、34.59、34.32、32.57、29.71、29.67、29.57、29.43、29.34、28.58、28.20、27.00、26.75、25.51、25.20、22.90、22.82、19.41、19.28。C
51H
100NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値:822.7551;実測値822.6。
【0393】
化合物21:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、12及び6から合成した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.91−4.78(m,1H)、4.15−3.98(m,4H)、2.39−2.18(m,14H)、1.84−1.11(m,44H)、0.92−0.77(m,24H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.06、173.44、74.36、63,73、59.03、45.48、41.00、36.98、34.56、34.29、32.54、29.60、29.54、29.49、29.36、29.28、28.52、25.47、25.13、23.15、22.85、22.81、19.49、18.89。C
45H
88NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:738.6612;実測値738.6。
【0394】
化合物22:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、13及び6から合成した。収率:900mg(57%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.92−4.78(m,1H)、4.15−3.91(m,4H)、3.33−3.08(m,1H)、2.36−2.15(m,14H)、1.79(dq、J=14.3,7.2Hz,2H)、1.74−1.55(m,8H)、1.55−1.37(m,9H)、1.35−0.95(m,36H),0.96−0.61(m,27H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ174.16、173.52、77.54、77.22、76.91、74.48、63.76、59.10、45.55、42.02、41.04、38.75、37.09、37.02、34.65、34.36、32.62、30.71、29.75、29.72、29.64、29.62、29.53、29.48、29.44、29.38、28.56、28.45、25.56、25.23、23.59、23.23、22.90、22.86、19.54、19.03、18.94。C
49H
95NO
6についての分子量は、(M+H)
+計算値:794.2817;実測値794.7。
【0395】
化合物24:この化合物は、化合物15について記載されたものと類似の手順を使用して、13及び23から合成した。収率:0.567g(30%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ4.85(p、J=6.1Hz,1H)、4.20−3.93(m,4H)、2.41−2.18(m,13H)、1.92−1.72(m,2H)、1.56(ddd、J=27.4,16.4,5.8Hz,12H)、1.39(s,2H)、1.25(s,54H)、0.91(dt,J−13.7,6.4Hz,11H)。
13C NMR(101MHz、CDCl
3)δ174.18、173.51、77.54、77.23、76.91、74.50、63.12、59.10、45.55、34.81、34.66、34.38、33.76、32.67、32.62、32.45、29.77、29.73、29.64、29.49、29.39、26.42、25.57、25.24、23.23、22.89、14.32。C
47H
88NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:762.6612;実測値762.5。
【0396】
実施例31:アルコール成分の合成
【化121】
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化合物2:化合物2は、Journal of the Organic Chemistry,2009、1473に記載されているものに類似した手順を使用して、1から合成した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.66(s,3H)、2.23(d,J=6.9Hz,2H)、1.84(brs,1H)、1.27(d,J=11.5Hz,16H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.29、51.49、39.25、35.22、34.00、32.24、26.34、22.77、14.22。
【0397】
化合物3:THF(85mL)中、LiAlH
4(2.84g、74.9ミリモル)の懸濁液に、THF(25mL)中、化合物2(8.55g、37.4ミリモル)を添加した。反応混合物を一晩還流した。水処理後、カラムクロマトグラフィーを行い、純粋な化合物3(7.35g、36.7ミリモル、98%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.66(t、J=7.0Hz,2H)、1.59−1.12(m,19H)、0.88((t,J=6.9Hz,6H)。
【0398】
化合物4:テトラヒドロラバンジュロール(10.1g、63.8ミリモル)を、CH
2Cl
2(200mL)及びEt
3N(17.6mL)中のメタンスルホニルクロリド(6.38mL)で処理した。水処理を行い、粗メシレートを得て、これをEtOH(90mL)及びH
2O(10mL)中、KCN(4.98g、76.5ミリモル)で処理した。水処理後、カラムクロマトグラフィーを行い、純粋な化合物4(8.36g、50.0ミリモル、72%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ2.38−2.23(m,2H)、1.86−1.78(m,1H)、1.59−1.42(m,3H)、1.40−1.07(m,3H)、0.93−0.89(m,12H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ119.73、41.69、36.46、30.10、28.44、28.33、22.82、22.59、19.62、19.11、19.05。
【0399】
化合物6:シアノ誘導体4を、酸性条件下でエチルエステルに変換し、化合物5を得て、このエステルをTHF中のLiAlH
4により還元して、化合物6を得た。
【0400】
化合物7:テトラヒドロラバンジュロール(98.1g、51.2ミリモル)を、CH
2Cl
2(200mL)中のPCC(16.6g、76.8ミリモル)で酸化した。水処理後、カラムクロマトグラフィーを行い、純粋な化合物7(6.19g、39.6ミリモル、77%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ9.60(d,J=3.1Hz,1H)、2.05−1.79(m,1H)、1.71−1.36(m,4H)、1.23−1.04(m,2H)、1.02−0.82(m,12H)。
【0401】
化合物9:トルエン(40mL)及びCH
2Cl
2(18mL)中の化合物7の溶液に、8(3.96g、11.8ミリモル)を加えた。混合物を70℃で一晩加熱した。カラムクロマトグラフィーを行い、純粋な化合物9(1.40g、6.59ミリモル、51%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ6.77(dd,J=15.6,9.9Hz,1H)、5.76(d,J=15.6Hz,1H)、3.73(s,3H)、1.97−1.83(m,1H)、1.72−1.64(m,1H)、1.54−1.40(m、2H)、1.37−1.22(m,1H)、1.18−0.97(m,2H)、0.94−0.78(m、12H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ167.19、152.54、121.70、51.53、49.66、36.95、31.76、29.49、28.29、22.92、22.54、20.84、19.24。
【0402】
化合物10:MeOH(15mL)中化合物9(1.0g、4.71ミリモル)の溶液に、Pd−C(125mg)を加えた。混合物をH
2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物をセライト上で濾過し、次いで蒸発させて、純粋な化合物10(924mg、4.31ミリモル、92%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.67(s、3H)、2.41−2.16(m,2H)、1.74−1.57(m,2H)、1.57−1.42(m,2H)、1.33−1.02(m,5H)、0.88−0.83(m,12H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.78、51.62、43.71、36.97、32.69、29.23、28.56、27.94、25.92、22.85、22.79、19.32、19.19。
【0403】
化合物11:THF(12mL)中、LiAlH
4(444mg、11.7ミリモル)の懸濁液に、THF(8mL)中、化合物10(1.25g、5.83ミリモル)の溶液を加えた。反応混合物を一晩還流した。水処理を行い、粗化合物11(1.1g)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.63(t,J=6.7Hz,2H)、1.74−1.66(m,1H)、1.60−1.45(m,3H)、1.37−1.05(m,7H)、0.88−0.82(m,12H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ63.75、44.00、37.16、31.22、29.40、28.61、28.28、26.62、22.90、22.82、19.43、19.28。
【0404】
実施例32:エステル含有脂質の合成
【化122】
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化合物26:化合物25(840mg、1.03ミリモル)を、TFA(9mL)及びCH
2Cl
2(36mL)中で、室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、トルエンと3回、同時蒸発させて、化合物26を得た。C
43H
80NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:706.5986、実測値:706.4。
【0405】
化合物27:前の工程からの化合物26を、CH
2Cl
2(10mL)中、EDCI(592mg、3.09ミリモル)、DMAP(50mg、0.412ミリモル)及びDIEA(1.44mL、8.24ミリモル)の存在下で、2,2−ジメチルプロパノール(363mg、4.12ミリモル)で14時間にわたって処理した。水処理後、カラムクロマトグラフィーを行い、化合物27(575mg、0.679ミリモル、66%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.40−5.28(m,4H)、4.91−4.81(m,1H)、3.76(s,4H)、2.34−2.27(m,8H)、2.22(s,6H)、2.03−1.97(m,8H)、1.83−1.26(m、50H)、0.94(s、18H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.14、173.53、130.09、129.92、74.41、73.72、59.12、45.61、34.60、34.32、32.64、31.45、29.93、29.85、29.71、29.68、29.48、29.32、29.28、27.39、27.33、26.62、25.52、25.22、23.32。C
53H
100NO
6についての分子量:(M+H)
+計算値:846.7551、実測値:846.5。
【0406】
実施例33:第四級脂質の合成
A.実施例31及び32で合成されたアミノ脂質は、CH
3CN及びCHCl
3中のCH
3Clによる処理によって、以下に示したように対応する第四級脂質に変換することが可能である。
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
B.ボディパイ(BODIPY)−脂質コンジュゲートの合成
【化124】
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化合物102:CH
2Cl
2(20mL)中、化合物101(2.00g、4.30ミリモル)及びシス−2−ノネン−1−オール(1.81mL、10.7ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.00mL、17.2ミリモル)、N−(3−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.06g、10.7ミリモル)及びDMAP(106mg、0.868ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で18時間にわたって撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(200mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜5%のEtOAc)により精製し、化合物102を得た(2.11g、2.96ミリモル、69%、R
f=0.45(ヘキサン中10%のEtOAcで展開))。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ5.67−5.61(m,2H)、5.54−5.49(m、2H)、4.89−4.84(m、1H)、4.62(d、J=6.5Hz,4H)、3.46(t,J=6.5Hz,2H)、2.48(t,J=7.3Hz,2H)、2.30(t,J=7.5Hz,4H)、2.20−2.14(m,2H)、2.12−2.04(m、4H)、1.63−1.60(m,4H)、1.51−1.50(m、4H)、1.37−1.27(m、32H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ173.90、172.45、135.58、123.51、74.74、60.36、34.47、34.24、32.93、32.91、31.83、29.54、29.48、29.31、29.21、29.01、28.03、27.70、25.43、25.08、22.76、14.23。C
39H
69BrNaO
6についての分子量:(M+Na)
+計算値:735.42、実測値:735.2。
【0408】
化合物103:DMF(20mL)中、102(2.11g、2.96ミリモル)の溶液に、DMF(20mL)中、N−Boc−1,6−ジアミノヘキサン(670mg、3.10ミリモル)を0℃で加えた。この混合物を室温で18時間にわたって撹拌した。次いで、DMF(1mL)中、追加のN−Boc−1,6−ジアミノヘキサン(160mg、0.740ミリモル)を加え、混合物を12時間撹拌した。反応物を、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)を添加することにより急冷し、次いでEt
2O(150mL×3)で抽出した。有機層を分離し、無水MgSO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後に、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中5%のMeOH、R
f=0.24)により精製し、103を得た(1.28g、1.51ミリモル、51%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.67−5.61(m,2H)、5.55−5.50(m,2H)、4.88−4.81(m,1H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、4.54(brs,1H)、3.11−3.08(m,2H)、2.67−2.59(m,4H)、2.35(t,J=7.4Hz,2H)、2.29(t,J=7.6Hz,4H)、2.10−2.07(m,4H)、1.84−1.81(m,4H)、1.63−1.57(m,4H)、1.50−1.47(m,8H)、1.44(s,9H)、1.38−1.27(m,34H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ173.90、173.53、135.57、123.50、74.49、60.36、49.82、49.29、40.64、34.47、34.24、32.68、31.83、30.16、29.89、29.54、29.50、29.33、29.23、29.01、28.58、27.69、27.11、26.80、25.44、25.37、25.09、22.76、14.23。C
50H
93N
2O
8についての分子量:(M+H)
+計算値:849.69、実測値:849.5。
【0409】
化合物104:THF(20mL)中103(1.16g、1.37ミリモル)の溶液に、ホルムアルデヒド(H
2O中37重量%、0.306mL、4.11ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(THF中1M溶液、2.06mL、2.06ミリモル)及び酢酸(0.008mL、0.137ミリモル)を0℃で加えた。この混合物を室温で17時間にわたって撹拌した。反応物を、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)を添加することにより急冷し、次いでEt
2O(100mL×3)で抽出した。有機層を分離し、無水MgSO
4上で乾燥した。濾過及び濃縮後に、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中8%のMeOH、R
f=0.46)により精製し、104を得た(531mg、0.615ミリモル、45%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ5.66−5.60(m,2H)、5.53−5.47(m,2H)、4.86−4.80(m,1H)、4.61−4.59(m,5H)、3.12−3.07(m,2H)、2.89−2.78(m,4H)、2.62(s、3H)、2.40(t,J=6.8Hz,2H)、2.28(t,J=7.4Hz,4H)、2.11−2.06(m,4H)、1.99−1.92(m,2H)、1.69−1.27(m,57H)、0.87(t,J=6.8Hz,6H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ173.86、172.45、156.18、135.55、123.45、75.24、60.32、56.68、55.83、40.72、40.36、34.40、34.09、31.79、31.29、29.92、29.49、29.41、29.26、29.17、28.96、28.55、27.65、26.49、26.30、25.41、25.02、24.79、22.71、20.12、14.19。C
51H
95N
2O
8についての分子量:(M+H)
+計算値:863.71、実測値:863.6。
【0410】
化合物105:CH
2Cl
2(8mL)中化合物104(525mg、0.608ミリモル)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で加えた。この反応混合物を0℃で1時間、室温で3時間にわたって撹拌した。反応混合物を蒸発させて、トルエンと3回にわたって同時蒸発させ、次いで真空中で一晩乾燥し、化合物105を得た(603mg、0.603ミリモル(2 TFA塩として定量的に計算)、R
f=0.24(CH
2Cl
2中8%のMeOHで展開))。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.06(brs,1H)、5.68−5.61(m,2H)、5.55−5.49(m,2H)、4.87−4.81(m,1H)、4.62(d,J=6.8Hz,4H)、4.28(brs,3H)、3.20−3.02(m,6H)、2.82(d,J=4.0Hz,3H)、2.45−2.40(m,2H)、2.30(t,J=7.4Hz,4H)、2.12−2.00(m,6H)、1.78−1.22(m,52H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ174.04、172.08、161.84、161.47、135.63、123.44、117.60、114.71、75.56、60.41、55.69、55.27、39.94、39.64、34.44、34.06、31.82、30.72、29.53、29.43、29.28、29.19、29.00、27.69、26.58、25.42、25.27、25.05、24.60、23.06、22.75、19.00、14.22。C
46H
87N
2O
6についての分子量:(M+H)
+計算値:763.66、実測値:763.4。
【0411】
化合物106:CH
2Cl
2(1mL)及びEt
3N(0.050mL、0.360ミリモル)中、105(23.8mg、0.0240ミリモル(2TFA塩として計算))の溶液に、CH
2Cl
2(2mL)中、BODIPY(登録商標)493/503(10mg、0.0240ミリモル、Life Technology #D2191)の溶液を加えた。この反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに充填し、CH
2Cl
2中0〜5%のMeOHで溶出した。生成物の着色フラクションを回収し(CH
2Cl
2中5%のMeOH、R
f=0.36)、106(26mg、0.024ミリモル、定量的)に得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ6.05(s,2H)、5.67−5.61(m,2H)、5.54−5.48(m,2H)、4.85−4.82(m,1H)、4.61(d,J=6.8Hz,4H)、3.37−3.32(m,2H)、3.27−3.22(m,2H)、2.51−2.44(m,17H)、2.34−2.27(m,8H)、2.12−2.06(m,4H)、1.60−1.21(m,52H)、0.88(t,J=6.8Hz,6H)。C
62H
104BF
2N
4O
7についての分子量:(M+H)
+計算値:1065.80、実測値:1065.5。
【0412】
実施例34:多エステル含有脂質及びアセタール結合脂質
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
化合物5002の合成:DCM(20mL)中、アルコール5001(1.0g、5.15ミリモル)、無水グリコール酸5000(5.66ミリモル)の溶液に、DMAP(1.26g、10.41ミリモル)を加え、室温で48時間にわたって撹拌した。この反応混合物を濃縮し、続いてカラム精製を行い、対応する生成物5002(1.4g、86%)をDMAP塩として得た。LCMS:計算値:316.22(M
+)、実測値:315.1(M
+−1)。
【0413】
化合物5004の合成:DCM(100mL)中、アルコール5003(5.0g、44.6ミリモル)、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(8.1g、48.3ミリモル)及びEDC(10.3g、53.6ミリモル)の溶液に、DIEPA(23g、178.3ミリモル)を加え、室温で一晩撹拌した。通常の処理後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(9.0g、90%)。
【0414】
化合物5005の合成:10mLのTHF中、ジエン5004(4.0g、18ミリモル)の撹拌溶液に、9−BBNを加え、一晩撹拌した。上記溶液に、6.6mLの3MのNaOAc及び7.4mLの30%H
2O
2を0〜5℃で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。通常の処理後、粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製し、5005(2.6g、55%)を粘性油状物として得た。LCMS:計算値:261.19(M
+)、実測値:262.1(M
++1)。
【0415】
化合物5006及び5007の合成:10mLのDCM中、ジエン5005(260mg、1ミリモル)、酸5002(1.0g、2.28ミリモル)EDC(387mg、2ミリモル)の溶液に、DIEA(516mg、4ミリモル)を加え、一晩撹拌した。通常の処理後、粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製し、5006(0.1g、12%)及び5007(0.2g、36%)を得た。化合物5006についてのLCMS:計算値:857.62(M
+)、実測値:858.5(M
++1)、880.5(M
++Na)。化合物5007についてのLCMS:計算値:559.4(M
+)、実測値:560.4(M
++1)。
【化126】
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【0416】
化合物5011の合成:5mLのクロロトリメチルシラン中、アルコール5008(2.66g、10ミリモル)の撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(0.3g、10ミリモル)を加え、室温で一晩撹拌した。過剰なクロロトリメチルシランを蒸発させて、続いて減圧下で乾燥し、対応する生成物5009を得て、これを更に精製することなく、次の工程に使用した。化合物5009を、DCM(10mL)中、ジオール(261mg、1ミリモル)、DIEA(2.5g、19.4ミリモル)及びDMAP(20mg、0.16ミリモル)の溶液に滴加し、一晩撹拌した。溶媒を濃縮することにより、粗生成物5010を得て、これを5mLのTHFに溶解し、2mLの1N−NaOHを加え、室温で2日間にわたって撹拌した。通常の処理後に、粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して、対応する生成物5011(200mg、28%)を得た。化合物5010についてのLCMS:計算値:1131.95(M
+)、実測値:1096.98(M
+−Cl
−)。化合物5011についてのLCMS:計算値:704.63(M
+)、実測値:727.5(M
++Na)。
【0417】
化合物5012の合成:10mLのDCM中、アルコール5011(200mg、0.284ミリモル)、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(103mg、0.57ミリモル)、EDC(109mg、0.57ミリモル)の溶液に、DIEA(294mg、4ミリモル)を加え、一晩撹拌した。通常の処理後に、粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して、5012(190mg、85%)を得た。化合物5012についてのLCMS:計算値:817.72(M
+)、実測値:818.5(M
++Na)。
【化127】
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【0418】
化合物5016の合成:5mLのクロロトリメチルシラン中、アルコール5013(1.0g、7.03ミリモル)の溶液に、アセトアルデヒド(0.3g、7.03ミリモル)を加え、室温で2時間撹拌した。過剰なクロロトリメチルシランを蒸発させて、続いて減圧下で乾燥し、対応する生成物5014を得て、これを更に精製することなく、次の工程に使用した。化合物5014を、DCM(10mL)中、ジオール5015(223mg、0.55ミリモル)、DIEA(2mLg、11.5ミリモル)及びDMAP(20mg、0.16ミリモル)の溶液に滴加し、一晩撹拌した。10mLの水を添加し、続いてDCM(3×30mL)で抽出し、水、飽和NaHCO
3、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を濃縮することで粗生成物を得て、これを更に精製することなく、次の工程に使用した。化合物5016についてのLCMS:計算値:738.66(M
+)、実測値:761.5(M
++Na)。
【0419】
化合物5017の合成:5mLのTHF中アルコール5016の溶液に、THF(0.54ミリモル)中、0.54mLの1M−TBAFを加え、室温で2日間にわたって撹拌した。通常の処理後に、粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して、5017を得た。しかしながら、これは、いくらかの分離できない不純物を含有し、したがって更に精製することなく次の工程に使用した。化合物5017についてのLCMS:計算値:624.57(M
+)、実測値:647.5(M
++Na)。
【0420】
化合物5018の合成:10mLのDCM中、アルコール5017(0.55ミリモル)、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(116mg、0.64ミリモル)、EDC(123mg、0.64ミリモル)の撹拌溶液に、DIEA(165mg、1.28ミリモル)を加え、2日間にわたって撹拌した。通常の処理後に、粗物質をカラムクロマトグラフィー(DCMを含有する1%のEt
3N中、0〜10%のMeOH)により精製して、5018(300mg、5015から75%)を得た。化合物5018についてのLCMS:計算値:737.65(M
+)、実測値:738.6(M
++1)、760.5(M
++Na
+)。
【0421】
実施例35:脂質ナノ粒子の調製
本明細書に記載されているカチオン性脂質は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2010/088537号パンフレットに記載されているインライン混合法を使用して、AD−1661二重鎖(以下の表に示した)を含有するリポソームを製剤化するために使用される。この脂質ナノ粒子は、以下の表に示す配合組成を有した。
【0422】
【表67】
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【0423】
siRNA AD−1661二重鎖は、以下に示した配列を有する。
【0424】
【表68】
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【0425】
小文字は2’OMe修飾であり、Nfは、2’F修飾ヌクレオ塩基であり、dTはデオキシチミジンであり、sはホスホチオエートである。
【0426】
脂質ナノ粒子を、以下の通りに調製した。表中に記載された比のカチオン性脂質、DSPC、コレステロール、及びPEG−DMGを、25mg/mLの総脂質濃度で、エタノール中に溶解した。
【0427】
siRNA保存溶液を、siRNA AD−1661を低pHの酢酸塩又はクエン酸塩緩衝液(pH=4)中、0.8mg/mLで溶解することにより調製した。
【0428】
この保存溶液は、完全に透明であるべきで、脂質はsiRNAと混合する前に完全に溶解されねばならない。したがって、これが適切に判定された場合、溶液は加熱され、脂質を完全に溶解した。
【0429】
各溶液をT字型接合部に汲み入れることによって(すなわち、インライン混合によって)、個々の保存溶液を混合した。具体的には、エタノール溶液(0.01インチのPEEKチューブを介して、5ml/分で)及び水性緩衝溶液(0.02インチのPEEKチューブを介して、15mL/分で)を、T字型接合部(PEEK Tee body、IDEX)を通して混合した。
【0430】
T字型接合部の後ろには、単一チューブが配置されていて、ここで混合されたストリームが放出するであろう。エタノールを移動させ、透析によってPBSに交換される。次いで、脂質製剤は、遠心分離又は透析濾過を使用して、適切な作業濃度に濃縮される。
【0431】
実施例36の表中に列挙されたカチオン性脂質を含有している脂質ナノ粒子を、上記記載の通りに調製した。
【0432】
実施例36:脂質ナノ粒子の有効性
血液凝固カスケードにおける顕著なタンパク質であるVII因子(FVII)は、肝臓(肝細胞)において合成され、血漿中に分泌される。血漿中のFVIIレベルは、簡単なプレートベースの比色検定法によって判定することが可能である。したがって、FVIIは、肝細胞由来のタンパク質のsiRNA媒介ダウンレギュレーションを判定するための格好のモデルを代表する。
【0433】
実施例35で調製された脂質ナノ粒子の製剤を、雌の7〜9週齢、15〜25gの雌C57B1/6マウスにおいて、処置群当たり3匹のマウスを使用して、0.1、0.3、1.0及び5.0mg/kgにおいて、それらのFVIIノックダウンについて最初に評価した。全ての試験は、リン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS、対照群)又はベンチマーク製剤のいずれかを受容する動物を含んだ。試験の直前に、製剤をPBS中で適切な濃度まで希釈した。マウスを秤量し、適切な投与体積を計算した(10μl/g体重)。試験製剤及びベンチマーク製剤並びにPBS(対照動物用)を、外側尾静脈を介して静脈内投与した。24時間後に、動物をケタミン/キシラジンの腹腔内注射で麻酔処理し、心穿刺により500〜700μlの血液を血清セパレータチューブ(BD Microtainer)に回収した。血液を15℃にて2,000×gで10分間遠心分離し、血清を回収し、分析まで−70℃で保存した。血清試料を37℃で30分間解凍し、PBS中で希釈し、96−ウェルアッセイプレートに分けた。VII因子レベルを、発色アッセイ(Biophen FVIIキット、Hyphen BioMed)を使用し、製造業者の使用説明書に従って評価し、吸光度を405nmの波長フィルターを具備したマイクロプレートリーダーにおいて測定した。血漿FVIIレベルを定量化し、ED
50値(対照動物と比較して血漿FVIIレベルにおいて50%の減少をもたらす投与量)を、対照動物から得た血清のプール試料から作製した標準曲線を使用して計算した。高レベルのFVIIノックダウン(ED
50<<0.1mg/kg)を示すこれら着目した製剤を、効力を確認し、ED
50レベルを確立するために、より低い用量範囲で別個の試験において再試験した。
【0434】
以下の表は、本明細書に記載されているカチオン性脂質のいくつかについてのED
50値を示している。2つの星印(
**)は、0.001〜0.10のED
50値を示している。1つの星印(
*)は、0.10を超えるED
50値を示している。
【0435】
【表69】
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【0436】
【表70】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
【表71】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
【表72】
[この文献は図面を表示できません]
【0439】
実施例37:疎水性及び安定性
以下の表に列挙されている生分解性カチオン性脂質についてのlogP値を、Molinspiration Cheminformatics of Slovensky Grob,Slovak Republicからhttp://www.molinspiration.com/services/logp.htmlで入手可能なソフトウェアを使用して計算した。
【0440】
更に、各生分解性カチオン性脂質についてのHPLC保持時間を、これらから調製した脂質ナノ粒子中で測定した。脂質ナノ粒子を、AD−1661をペイロードとして使用して、実施例35に記載された通りに調製した。保持時間は、コレステロールについての保持時間に対して以下の表で報告されている。
【0441】
使用されたHPLC緩衝液は、2つの溶液(溶液#1及び溶液#2)の混合物であった。
溶液#1:80%メタノール/20% 10mM NH
4HCO
3
溶液#2:80%メタノール/20%イソプロパノール
【0442】
混合物中の2つの溶液の比は、以下の表に示した通りに経時的に変化させた。
【0443】
【表73】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
脂質ナノ粒子のサイズを、透析の前後で一晩測定した。一般的に、脂質ナノ粒子のサイズにおける大きな変化は、安定性に劣ることを示す。
【0445】
Zetasizer(Westborough,MAのMalvern Instruments,Inc.)を使用して、脂質ナノ粒子サイズを決定するために、動的光散乱を用いた。全ての測定は、解析モデルとして通常の解析度モードを使用して、173°の散乱角で532nmの波長にて行った。
【0446】
これら実験の結果を以下の表に示す。
【0447】
【表74】
[この文献は図面を表示できません]
【0448】
【表75】
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
実施形態に対するこれら及び他の改変を、上記の詳細な説明に照らして行うことが可能である。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、明細書及び特許請求の範囲で開示された特定の実施形態に限定するよう解釈されるべきではないが、このような特許請求の範囲に与えられる均等物の完全な範囲と共にあらゆる考え得る実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示により限定されるものではない。