(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のセルロース混合エステル以外の追加のセルロース混合エステル、架橋したアクリルポリマー微粒子、ヒュームドシリカ、又はそれらの組合せを含む、請求項1又は2に記載のハイソリッドコーティング組成物。
(b−1)前記アミノ反応物が水、ポリアミン又は双方を含み、又は(b−2)前記混合物がモノイソシアネートを含み、又は(b−1)及び(b−2)の組合せを含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物。
前記ポリイソシアネートが、炭素原子6〜9個を含む脂肪族又は単素環式ジイソシアネートを含み、又は前記ポリイソシアネートが、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、これらのイソシアヌレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物。
前記アミノ反応物が、ベンジルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、2−アミノエタノール、1−アミノエタノール、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、1−メトキシメチルプロピルアミン、及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物。
前記固体ポリ尿素粒子が、少なくとも1つのアクリル、ポリエステル又はポリウレタン樹脂中での前記混合物の反応生成物である、請求項1から6までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物。
前記セルロース混合エステルが、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して0.05〜0.15dL/gの固有粘度、0.70未満のヒドロキシル基の置換度、及び以下の1つ:
(c−1)0.80〜1.40のC3〜C4基の置換度及び1.20〜2.34のアセチル基の置換度、
(c−2)1.40〜2.45のC3〜C4基の置換度及び0.2〜0.8のアセチル基の置換度、
(c−3)2.11〜2.91のC3〜C4基の置換度及び0.1〜0.5のアセチル基の置換度、又は
(c−4)0.8〜3.5のC3〜C4基の置換度及び0.05〜2.0のアセチル基の置換度、
を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物。
前記固有粘度が、0.07〜0.11dL/gであり、又はヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度が、0.10〜0.70であり、又はブチリルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度が、1.10〜3.25であり、又はアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度が、0.10〜0.90であり、又はそれらの組合せである、請求項9又は10に記載のハイソリッドコーティング組成物。
請求項1から11までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物を基材上で層で噴霧適用し、そして適用したコーティング組成物を硬化して、基材上で硬化したコーティングを製造することを含む、基材をコーティングする方法。
基材に、少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用してプライマー層を形成し、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成し、かつ少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を形成することを含む、基材をコーティングする方法であって、ベースコート組成物を、プライマー層が未硬化である場合に適用し、ベースコート組成物が、請求項1から11までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物である、基材をコーティングする方法。
基材に、少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用してプライマー層を形成し、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成し、かつ少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を形成することを含む、基材をコーティングする方法であって、クリアコート組成物を、ベースコート層が未硬化である場合に適用し、ベースコート組成物が、請求項1から11までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物である、基材をコーティングする方法。
基材に、少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用してプライマー層を形成し、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成し、かつ少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を形成することを含む、基材をコーティングする方法であって、ベースコート組成物を、プライマー層が未硬化である場合に適用し、かつクリアコート組成物を、ベースコート層が未硬化である場合に適用し、かつベースコート組成物が、請求項1から11までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物である、基材をコーティングする方法。
基材上でモノコートトップコート層として請求項1から11までのいずれか1項に記載のハイソリッドコーティング組成物を適用することを含む、基材をコーティングする方法。
基材上で層でハイソリッドコーティング組成物を適用し、適用した層を硬化するプロセス中のレオロジー調整を向上する方法であって、前記ハイソリッドコーティング組成物において、ポリイソシアネートとヒドロキシル又はエーテル基又は双方を有してよい第一級モノアミン又は第二級モノアミンを含むアミノ反応物との混合物の反応によって製造した、バインダー固体に対して0.1〜10質量%の固体ポリ尿素粒子、及び1000〜5600の数平均分子量、1.2〜3.5の多分散性、及び3.08〜3.5のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有する、バインダー固体に対して5〜20質量%のセルロース混合エステルを含む、基材上で層でハイソリッドコーティング組成物を適用し、適用した層を硬化するプロセス中のレオロジー調整を向上する方法。
請求項18に記載のセルロース混合エステル以外の追加のセルロース混合エステル、架橋したアクリルポリマー微粒子、無機フィロシリケート、ヒュームドシリカ、及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を、ハイソリッドコーティング組成物中で含む、請求項18に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング組成物及びコーティング方法に、より詳述すれば良好な外観を提供する自動車用及び産業用のハイソリッドの熱可塑性コーティング組成物に、並びにこれらのコーティング組成物を適用するための及び良好な外観を提供するために適用されたコーティング組成物のレオロジーを調整するための方法に関する。
【0002】
背景技術
この段落における記載は、単に本発明の開示に関連する背景技術を提供するものであり、先行技術を構成するとは限らない。
【0003】
“ハイソリッド”は、産業用及び自動車用コーティングの分野における、溶媒性組成物であり、かつ高い不揮発分、例えば約40質量%よりも多い不揮発分を有するコーティング組成物又はペイントに与えられた名称である。不揮発分は、ASTM Test Method D2369に従って測定され、その試験試料は、60分間110℃(230°F)で加熱される。コーティング製造者は、数十年間産業用及び自動車用のコーティング組成物の溶媒含有率を低減するために研究しており、かつ数年にわたって種々のハイソリッド技術を開発してきている。特定のコーディング組成物のために達せられる固形分は、ある範囲までコーティングのタイプに依存し、特性は基材に依存しうる。一般に、非常に低い分子量の樹脂は、添加されるべき溶媒を少なくできる一方で、それは、かかる低分子量樹脂を使用して、必要な適用及び硬化したコーティング特性を達成することができない。他の例として、一般に、噴霧可能な着色したコーティング組成物よりも高い固形分を有する噴霧可能なクリアコートコーティング組成物を製造することができる。分散させた顔料は、コーティングの粘度を高める傾向があり、その結果より多い溶媒を、適した噴霧粘度(すなわち、基材上にコーティングを噴霧することによる適用のために適した粘度)を得るために添加する必要がある。
【0004】
コーティングの色及び外観は、正しく、例えば自動車のトップコートコーティングのための主な重要性の1つである。これらのトップコートの色は、単層トップコートであるモノコートトップコートコーティング、又は複合2層トップコートにおけるクリアコートコーティング層の上のカラー層として使用されるベースコートコーティングによって提供される。特有の効果色、例えばメタリック及び真珠光沢色、及び変色する顔料は、これらのトップコートコーティング、特定の効果フレーク顔料のための追加の挑戦をもたらす。特定の効果顔料は、コーティング層におけるゴニオアパレント(gonioapparent)効果を生じることができる顔料である。例えば、American Society of Testing Methods(ASTM)の文献のF284は、“金属フレークを含有するゴニオアパレント材料の外観に関連する”としてメタリックを定義している。メタリックベースコートカラーを、種々の角度で見る場合に種々の外観又は色をコーティングに提供するために、メタリックフレーク顔料、例えば着色したアルミニウムフレーク顔料を含むアルミニウムフレーク顔料、銅フレーク顔料、亜鉛フレーク顔料、ステンレス鋼フレーク顔料、及び青銅フレーク顔料を使用して、及び/又は処理した雲母状の二酸化チタンで被覆した雲母顔料及び酸化鉄で被覆した雲母顔料を使用して製造してよい。レオロジー調整剤は、これらのコーティング組成物の適用中に、最適なゴニオアパレント効果のために、フレークをフィルムの表面に平行に方向付けることを可能にするために要求される。メタリック及び真珠光沢色及び視角で変動する色を製造するフレーク顔料は、適用したコーティング層の乾燥中に、最適な所望されたメタリック、真珠光沢、又は変色する効果を提供するために、実質的に基材に対して平行な方向をもたらす。一般的に“メタリックな”コーティング組成物として分けられる、これらの顔料を有するハイソリッドコーティング組成物は、ローソリッドの、高い溶媒含有率のコーティングについて達せられる、正面(正面から見て)とフロップ(flop)(斜角で見て)との間の明るさにおける顕著な違いをもたらさない。着色したハイソリッドトップコートの適用及び硬化中に、及びハイソリッドメタリックトップコート組成物を使用する場合に固有のレオロジー調整を得る一方で、継続してかかるコーティングについての厳しい性能要求を満たす、厳しい課題を残す。
【0005】
未着色のクリアコートトップコートコーティングは、高い画像の明瞭さ(DOI)を得るために極めて高い程度の表面平滑性を可能にするいくつかの種類のレオロジー調整剤を要求する。クリアコート及びモノコートトップコートコーティング層は、一般に、外観及び保護のために、比較的厚く、典型的に1.5〜3mil(約38〜約76ミクロン)の厚さである。自動車車体のコーティングにおいて、トップコートは、水平及び垂直な表面に適用される。製造の経済的制約は、最小の時間及び製造の床面積で適用されるべき、この比較的厚いクリアコート又はモノコートトップコート層を要求し、従って、クリアコート又はモノコートコーティング組成物は、基材上に厚く適用され、溶媒蒸発の“急速な”期間中に、及びトップコートの焼き固め中に、コーティング層において焼き固める前に蒸発させる必要がある著しい量の溶媒を残す。水平表面に対して、層において著しい溶媒含有率を残すやや厚いコーティング層の適用に関してより少ない問題がある一方で、垂直表面に対して、さらに著しい溶媒含有率に関しては、非常に多く流れる可能性があり、コーティング層において垂れを発達させる。垂れは、他の範囲で生じてもよく、その際基材は、例えば、自動車車体のキャラクタライン、ガター又はチャネルに沿って、水平に平らではない。従って、レオロジー調整は、さらに、この理由のために重要である。
【0006】
発明の概要
優れたレオロジー特性を有するメタリックの及び他のハイソリッドコーティング組成物、並びにメタリックの及び他のハイソリッドコーティングにおいて良好にレオロジー調整を得るための、及びかかるハイソリッドコーティング組成物を製造及び適用して、優れた外観を有するメタリック又は他のコーティングを製造するための方法を発見した。
【0007】
(a)熱硬化性バインダー、(b)バインダー固体に対して約0.1〜約10質量の、ポリイソシアネートとモノアミンを含むアミノ反応物との反応によって製造した固体ポリ尿素粒子、並びに(c)バインダー固体に対して約5〜約20質量%の、約1000〜約5600の数平均分子量、約1.2〜約3.5の多分散性、及び約3.08〜約3.5のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有するセルロース混合エステルを含有するハイソリッドコーティング組成物を開示している。ポリイソシアネートと、モノアミンを含むアミノ反応物との反応によって製造された固体ポリ尿素粒子を、“固体ポリ尿素粒子”という。約1000〜約5600の数平均分子量、約1.2〜約3.5の多分散性、及び約3.08〜約3.5のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有するセルロール混合エステルを、“低分子量セルロース混合エステル”という。
【0008】
他の態様において、層において、熱硬化性バインダー、固体尿素粒子、及び低分子量セルロース混合エステルを含むハイソリッドコーティング組成物を、基材に噴霧適用し、そして適用したコーティング組成物を硬化して、基材上で硬化したコーティングを製造する方法を開示している。
【0009】
少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用して、プライマー層を形成すること、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成すること、及び少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を基材に形成することを含む基材をコーティングする方法も開示しており、その際、ベースコート組成物は、プライマー層が未硬化である場合に適用され、ベースコート組成物は、熱硬化性バインダー、固体尿素粒子、及び低分子量セルロース混合エステルを含むハイソリッドコーティング組成物である。種々の実施態様において、ベースコート組成物は、フレーク顔料、又はフレーク顔料の組合せ物を含む。
【0010】
さらに、少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用して、プライマー層を形成すること、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成すること、及び少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を基材に形成することを含む基材をコーティングする方法も開示しており、その際、クリアコート組成物は、ベースコート層が未硬化である場合に適用され、ベースコート組成物は、熱硬化性バインダー、固体尿素粒子、及び低分子量セルロース混合エステルを含むハイソリッドコーティング組成物である。種々の実施態様において、ベースコート組成物は、フレーク顔料、又はフレーク顔料の組合せ物を含む。
【0011】
さらに、少なくとも1つのプライマーコーティング組成物を適用して、プライマー層を形成すること、少なくとも1つのベースコート組成物を適用してベースコート層を形成すること、及び少なくとも1つのクリアコート組成物を適用してクリアコート層を基材に形成することを含む基材をコーティングする方法も開示しており、その際、ベースコート組成物は、プライマー層が未硬化である場合に適用され、かつクリアコート組成物は、ベースコート層が未硬化である場合に適用され、ベースコート組成物は、熱硬化性バインダー、固体尿素粒子、及び低分子量セルロース混合エステルを含むハイソリッドコーティング組成物である。種々の実施態様において、ベースコート組成物は、フレーク顔料、又はフレーク顔料の組合せ物を含む。
【0012】
さらに、メタリックの及び他のハイソリッドコーティング組成物中で良好なレオロジー調整を得るための方法が開示されており、その際、固体ポリ尿素粒子及び低分子量セルロース混合エステルを含むレオロジー調整剤添加パッケージの有効量をハイソリッドコーティング組成物中で含む。
【0013】
ハイソリッドコーティング組成物を製造する方法において、固体ポリ尿素粒子を含むバインダー樹脂を、低分子量セルロース混合エステルと混合する。バインダーは、熱硬化性である。種々の実施態様において、フレーク顔料又はフレーク顔料の組合せ物を、ハイソリッドコーティング組成物中で含む。ハイソリッドコーティング組成物を、基材上でトップコート層において(モノコートトップコート層として、又はベースコート−クリアコート複合トップコートのベースコート層として)適用し、そして硬化して、基材上で優れた外観を有するコーティングを提供する。フレーク顔料を含むハイソリッドコーティング組成物を、基材上で層で適用し、そして硬化して、基材上で優れた効果の外観を有する効果コーティングを提供し、その際前記効果は、メタリック顔料を使用した場合にメタリック効果であり、真珠光沢顔料を使用した場合に真珠光沢効果であり、かつ変色する顔料を使用した場合に変色する効果である。
【0014】
種々の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、固体ポリ尿素粒子及び低分子量セルロース混合エステルに加えてレオロジー調整剤を含む。種々の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、低分子量セルロース混合エステル以外のセルロース混合エステル、ミクロゲルレオロジー調整剤、例えば架橋アクリルポリマー微粒子、ワックスレオロジー調整剤、無機フィロシリケート、及びフュームドシリカから選択される他のレオロジー調整剤を含む。種々の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、さらに、バインダー質量に対して、低分子量セルロース混合エステル以外の追加のセルロース混合エステル約0.1〜約3質量%を含む。
【0015】
開示した組成物及び方法は、フレーク顔料を含むコーティングのための向上させた外観及び特に向上させた特定の効果の外観を有するコーティングを提供する。開示した組成物は、2つのレオロジー調整剤、固体ポリ尿素粒子及び低分子量セルロース混合エステルの組合せによって提供されるコーティング組成物の適用中に優れたレオロジー特性を有する。レオロジー調整剤のこの組合せは、ハイソリッドベースコート及びトップコートにおける優れた色一貫性及びメタリックな外観をもたらす予期しない相乗効果を提供する一方で、コーティング組成物の固体含有率は高いままである。先行技術の観点から、開示されたコーティング組成物及び本発明の方法が、安定性、耐久性、不揮発分、及び他の性能要求においてあらゆる減少を有さない着色されたハイソリッドのトップコートの、改良された特定の効果の外観(メタリックな外観、真珠光沢のある外観、及び/又は変色する外観)を提供できたことは、驚くべきことであり、予測できなかった。
【0016】
先行技術の観点から、開示されたコーティング組成物及び本発明の方法が、安定性、耐久性、不揮発分、及び他の性能要求においてあらゆる減少を有さない着色されたハイソリッドのトップコートの、改良されたレオロジー調整及びメタリックな外観を提供できたことは、驚くべきことであり、予測できなかった。色一貫性及びメタリックな外観における相乗的な向上は、それぞれ2つのレオロジー調整剤の性能に基づいて、及び以前に知られているレオロジー調整剤の組合せを考慮して、予期することができなかった。
【0017】
これらのコーティング組成物及び方法の記載において、次の意味を有するある用語を使用する。
【0018】
便宜上、“樹脂”を、本開示において、樹脂、オリゴマー、及びポリマーを含むために使用する。“バインダー”は、コーティング組成物の塗膜形成成分を言う。従って、樹脂、架橋剤、及び他の塗膜形成剤は、バインダーの一部であるが、しかし溶媒、顔料、添加剤、例えば酸化防止剤、HALS、UV吸収剤、レベリング剤等は、バインダーの一部でない。“熱硬化性”バインダーは、硬化可能な又は架橋可能なバインダーを言う。
【0019】
数平均分子量及び質量平均分子量は、ポリスチレン又はポリメチルメタクリレート基準を使用してテトラヒドロフラン中で溶解された試料のゲル透過クロマトグラフィーによって測定される。“多分散性”は、質量平均分子量割る数平均分子量の割合である。
【0020】
ガラス転移温度は、示差走査熱量計によって測定され、又はフォックスの式を使用して算出され、ここで、コポリマーのガラス転移温度(ケルビンで)の逆数は、全ての種々の共重合させたモノマーについての、コポリマー中のモノマーの質量分率を掛けたそれぞれのモノマーのホモポリマーについてのガラス転移温度(ケルビンで)の逆数の合計である (T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123を参照)。前記目的について、ホモポリマーのガラス転移温度は、文献において、特に、J. Brandrup et al.によって編集された“Polymer Handbook”、Wiley−Interscience(現在2003に再出版された第四版における)において報告されており、又は文献を入手できない場合に、ホモポリマーのTgは、示差走査熱量計(DSC)によって測定されてよい。
【0021】
“顔料”は、コーティング組成物中で不溶性である着色剤を言う。“フレーク顔料”は、フレーク又は薄い小板状の形である顔料、例えば雲母を基礎とする顔料及び金属フレーク顔料、例えばアルミニウム顔料を言う。
【0022】
“金属トラベル(metal travel)”及び“トラベル”の双方は、正面から(“正面”)で見た場合及び斜角(“フロップ”)で見た場合のコーティングの明かり鎖における差を言う。トラベルを異なる方法で測定してよい。1つの方法は、金属フロップ指数(metal flop index)、MFIであり、次の式
MFI=50×(L
25−L
75)/L
75
[式中、L
25及びL
75は、コーティング層の平面から、それぞれ25°及び75°の角度でとった明るさLの測定値である]に従って分光光度計で測定される。より高い金属フロップ指数は、より多いトラベルを示す。
【0023】
“1つ(A)”、“1つ(an)”、“少なくとも1つ(at least one)”及び“1つ以上(one or more)”は、少なくとも1つのものが存在すること、複数のかかるものが存在してよいことを示す。詳細な説明の終わりで実施例において提供する以外に、付属の特許請求の範囲を含む、本明細書における全ての数値のパラメータ(例えば量又は条件の)は、実際に“約”が数値の前にあろうとなかろうと、“約”の用語によって全ての例で変更されると解されるべきである。“約”は、挙げた数値が、幾らかわずかに不明確にさせる(値における正確差に対していくつかのアプローチを有する:値におおよそ又は適度に近い:ほぼ)。“約”によって提供される不明確さが、この通常の意味で当業者に別な方法で理解されない場合に、本明細書において使用される“約”は、かかるパラメータを測定及び使用する通常の方法から生じうる少なくとも偏差を示す。さらに、範囲の開示は、終点、及び範囲内でさらに分かれた範囲を含む全ての値の開示を含む。
【0024】
適用性の他の範囲は、本明細書において提供された記載から明らかになる。記載及び特定の実施例が、説明のみの目的を意図し、本発明の開示の範囲を制限することを意図しないことを理解すべきである。
【0025】
詳細な説明
次の記載は、単に例示的に実質的であり、本発明の開示、適用、又は使用を制限することを意図しない。本発明のあらゆる特定の1つ以上の挙げた態様に関連して前記で提供した、及び本発明のあらゆる特定の1つ以上の挙げた態様に関連して以下で記載及び例示した、詳細、実施例及び選択は、本発明の全ての態様に等しく適用する。
【0026】
ハイソリッドコーティング組成物は、熱硬化性バインダー、固体ポリ尿素粒子、及び低分子量セルロース混合エステルを含む。固体ポリ尿素粒子は、バインダーに不溶性であり、かつポリイソシアネート及びモノアミンを含む反応生成物の反応生成物である。
【0027】
固体ポリ尿素粒子は、例えば、US特許明細書番号US 2004/0158022号、US特許番号第4,311,622号及び第4,888,373号、欧州特許明細書EP 0 198 519号及びEP 0 192 304号において記載されたものであってよい。モノアミンは、第一級アミン又は第二級アミンであってよく、ヒドロキシル基又はエーテル基を含んでよい。コーティング組成物は、合計バインダー質量に対して、0.1〜10質量%の固体ポリ尿素粒子を含んでよい。固体ポリ尿素粒子は、0.01〜50ミクロンの平均粒径を有してよい。
【0028】
一般に、固体ポリ尿素粒子は、ポリイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物の組合せ物、及びモノアミン又はモノアミンの組合せ物を含む混合物を反応することによって製造してよく、他の、任意の反応生成物を含んでよい。モノアミンは、ヒドロキシル基又はエーテル基を含んでよい第一級アミン又は第二級アミンであってよい。反応混合物は、さらに、水、ポリアミン、モノイソシアネート、又はこれらの任意の他の反応生成物の組合せ物を含んでよい。種々の実施態様において、第一級アミン基及び/又は第二級アミン基を有するポリアミン又はかかるポリアミンの組合せ物、及び/又は水を、ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの組合せ物との反応混合物中で記載したモノアミン又はモノアミンの組合せ物と一緒に含む。種々の実施態様において、固体ポリ尿素粒子を、ポリイソシアネート化合物、モノイソシアネート化合物、モノアミン、及びポリアミンを含む混合物を反応することによって製造してよい。
【0029】
ポリイソシアネートは、イソシアネート基が炭化水素基に付着しているものだけでなく、イソシアネート基がヘテロ原子、例えばエステル基、エチル基、第三級アミン基、尿素基、ウレタン基、ビウレット、イソシアヌレート、アロファネート基、ウレトジオン基等、並びにこれらの組合せの一部として例えば酸素又は窒素を含む遊離基に付着しているものを含む、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート基を有するあらゆる有機化合物から選択されてよい。あらゆる適したジイソシアネートを、固体ポリ尿素粒子、例えば脂肪族又は芳香脂肪族又は脂環式又は芳香族のジイソシアネートの製造のために使用してよい。ジイソシアネートは、通常、3〜40個の炭素原子を含み、かつ種々の実施態様において、ジイソシアネートは、4〜20個、5〜24個、又は6〜18個の炭素原子を含んでよい。ある実施態様において、対称な脂肪族又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。適したジイソシアネートの制限のない例は、トリメチレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ω,ω’−ジプロピルエーテルジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナートエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアナートヘキサノエート;これらのイソシアヌレート、ビウレット、アロファネート及びウレトジオン;並びにこれらの任意の複数の組合せ物を含む。種々の実施態様において、炭素原子6〜9個を含む脂肪族又は単素環式ジイソシアネート、例えばシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート、これらの化合物のイソシアヌレート、及びこれらの組合せ物を使用することが有利である。
【0030】
場合により、混合物は、モノイソシアネート、例えばオクチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、及びそれらの組合せ物を含んでよい。
【0031】
固体ポリ尿素粒子の製造において使用される反応混合物の第二の成分は、ヒドロキシル基又はエーテル基を有してよいモノアミンである。種々の実施態様において、モノアミンは、炭素原子約24個以下、及びより特に炭素原子約12個以下を有してよい。使用してよいヒドロキシル基又はエーテル基を有さない適したモノアミンの特定の制限のない例は、ベンジルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、1−メチルブチルアミン、2−メチルブチルアミン、1−エチルプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチルブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、イソ−ノナニルアミン、イソ−トリデシルアミン、n−デシルアミン、ステアリルアミン、及びそれらの組合せ物を含む。種々の実施態様において、1〜4個の脂肪族炭素原子、例えばベンジルアミン、プロピルアミン、及びtert−ブチルアミンを有するモノアミンを使用する。使用されるヒドロキシル基を有する適したモノアミンの特定の制限のない例は、2−アミノエタノール、1−アミノエタノール、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及びポリヒドロキシモノアミン、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン、及びそれらの組合せ物を含む。モノアミンは、エーテル結合を有してもよい。かかるアルコキシアミンの特定の制限のない例は、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、1−メトキシメチルプロピルアミン、1,1−ジメトキシ−2−プロピルアミン、3−エトキシ−1−プロピルアミン、3−ブトキシ−1−プロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1−プロピルアミン、3−トリデシルオキシプロピルアミン、3−ステアリルオキシプロピルアミン、p−メトキシベンジルアミン、3,4−ジメトキシベンジルアミン、p−メトキシフェニルエチルアミン、3,4−ジメトキシフェニル−エチルアミン、9−フェノキシ−4,7−ジオキサノン−1−アミン、2−メチル−4−メトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、2−(4−モルホリニル)エチルアミン、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、2,2’−アミノエトキシエタノール、及びそれらの組合せ物を含む。ヒドロキシル基又はエーテル基を有する及び有さない1つ以上のモノアミンの混合物を、任意の組合せで使用してよい。ある実施態様において、モノアミンは、第一級モノアミン、例えば炭素原子1〜約6個を有する脂肪族モノアミンであり、又は第一級モノアミンを含む。ある実施態様において、モノアミンは、ベンジルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、2−アミノエタノール、1−アミノエタノール、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、1−メトキシメチルプロピルアミン、及びそれらの組合せ物から選択されてよい。
【0032】
他の実施態様において、ポリアミンを、固体ポリ尿素粒子を形成する反応混合物中で含んでよい。ある実施態様におけるポリアミンは、アミン基が第一級アミン基であってよいジアミンである。適したポリアミンの制限のない例は、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂肪族−芳香族ポリアミン、脂環式−芳香族ポリアミン、及び脂肪族−脂環式ポリアミンであり、ここで、専門用語は、“脂肪族−芳香族ポリアミン”が、少なくとも1つのアミノ基が脂肪族基に付着し、かつ少なくとも1つのアミノ基が、芳香族基に付着しているポリアミンを示すために使用し、該専門用語は、従って挙げたポリアミンの他のタイプのために適用される。
【0033】
使用してよい他の固体ポリ尿素粒子のさらなる例は、Baumgart et al.、米国特許明出願番号第2004/0158022号において、及びLenges et al.、米国特許番号第7,741,510号において開示されているものを含み、双方の関連内容は、参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。
【0034】
ある実施態様において、反応混合物は、ベンジルアミン、プロピルアミン及びtert−ブチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、1−メトキシメチルプロピルアミン、2−アミノエタノール、1−アミノエタノール、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノブタノール、p−メトキシベンジルアミン、3,4−ジメトキシベンジルアミン、及びそれらの組合せから選択されるモノアミン、並びにシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート、これらの化合物のジイソシアネート、及びこれらの化合物の組合せから選択されるポリイソシアネートであり、又はそれらを含む。
【0035】
ジイソシアネートとモノアミンとの間の反応において、一般に、ジイソシアネート又はモノアミンを、化学量論的量に関連して過剰に使用してよい。例えば、ポリイソシアネート基及びあらゆる任意のモノイソシアネートのイソシアネート基の当量に対するモノアミン及びあらゆる任意のポリアミンのアミノ基及び水の当量の割合は、それぞれ当量のイソシアネートについて約0.7〜約1.5当量のアミン、又はそれぞれ当量のイソシアネートについて約0.9〜約1.2当量のアミン、又はそれぞれ当量のイソシアネートについて約0.95〜約1.1当量のアミン、又はさらにより厳密におよそ1:1であってよい。種々の実施態様において、モノアミン又はモノアミンの組合せ物を、ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの組合せ物と反応させてよく、その際、反応物は、アミノ基とイソシアネート基との当量の割合が約1.2〜約0.4であるように配分される。種々の実施態様において、アミノ基とイソシアネート基との当量の割合は、約1.0〜約0.8である。脂肪族モノアミン及びポリイソシアネートは、固体ポリ尿素粒子をあるコーティング組成物において使用する場合に好ましくてよい。
【0036】
ポリアミンを含む場合に、反応物は、アミノ基とイソシアネート基との当量の割合が、約1:2〜約2:1であるように配分してよく、種々の実施態様において、約1:1.8〜約1.8:1、1:1.6〜約1.6:1、1:1.4〜約1.4:1、又は1:1.2〜約1.2:1であってよい。固体ポリ尿素粒子を形成する反応において、ポリアミン(含まれる場合に)からのアミン基とモノアミンからのアミン基との当量の割合は、約4:1〜約1:2であってよく、種々の特定の実施態様において、ポリアミンからのアミン基とモノアミンからのアミン基との当量の割合は、約3:1〜約1:1、約2:1〜約1:1、約1.5:1〜約1:1、又は約1.2:1〜約1:1であってよい。
【0037】
ジイソシアネートとモノアミンとの反応を、一般に、場合により高温で反応成分を混合することによるあらゆる方法で実施してよい。例えば、反応を、不活性雰囲気中で、約10℃〜150℃の範囲の、又は20℃〜80℃の範囲の温度で実施してよい。一般に、ジイソシアネートをモノアミンに添加すべきであり、所望の場合に数回の工程で行ってよい。
【0038】
反応を、場合により、不活性有機溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、又は脂肪族炭化水素、例えば石油エーテルの存在で実施してよく、又は、バインダー樹脂の存在で実施してよい。バインダーは、トップコート又はベースコートコーティング組成物に適しているあらゆるものであってよい。挙げてよい制限のない適した例は、ポリエステル、モノマーとしてポリエステルジオール又はポリエーテルを使用して製造したものを含むポリウレタン、アクリル樹脂及びポリビニル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド、不飽和オリゴマー及び樹脂、アミノプラスと、ポリエポキシド、及びポリカルボン酸又は無水オリゴマー及びポリマーを含む。種々の実施態様において、固体ポリ尿素粒子を、ポリエステル、ポリウレタン、又はアクリル樹脂、又はかかる樹脂の組合せで形成する。有機溶媒の存在で実施する場合に、方法は、アミン成分を1種の有機溶媒又は1種以上の有機溶媒の混合物に添加し、そしてできるだけ急速にポリイソシアネート成分を添加して、非常に激しく撹拌することであってよい。バインダー樹脂の存在で実施する場合に、バインダー樹脂とポリイソシアネートの混合物を、バインダー樹脂とモノアミンとの混合物と混合してよい。混合操作を、任意の従来の方法で実施してよく、その際反応物を激しく撹拌する。この方法の一実施態様において、バインダーを、反応の終わりで、バインダーと固体ポリ尿素粒子の合した質量に対して、約1〜約20質量%の固体ポリ尿素粒子及び約80〜約99質量%のバインダー樹脂、又は約1〜約10質量%の固体ポリ尿素粒子及び約90〜約99質量%のバインダーを有する固体ポリ尿素粒子のマスターバッチとして使用されるべき混合物を得る、ポリイソシアネート及びモノアミンのかかる量と混合する。これらの質量比は、非常に容易に、コーティング組成物の製造において使用されるべきバインダーと均一に混合されうる混合物を得ることでもたらしてよい。コーティング組成物における、及び固体ポリ尿素粒子のマスターバッチにおけるバインダーは、同一の又は異なる組成物であってよい。この“in situ”での製造において、反応を、有利には、不活性ガスの雰囲気で、20℃〜80℃の範囲の温度で実施してよく、この場合最初にモノアミンをバインダーに添加し、そして、その混合物を均質化した後に、ポリイソシアネートを、撹拌しながら、その混合物にゆっくりと添加する。
【0039】
ある実施態様において、固体ポリ尿素粒子がin situでバインダー中で製造されない場合に、2成分のチキソトロピックなコーティング組成物を、バインダーの存在で、固体ポリ尿素粒子を80℃〜200℃の範囲の温度で溶融することによって混合してよく、結果として均質混合物が得られる。その混合物を室温まで冷却した後に、固体ポリ尿素粒子は、バインダー中で分散液を形成する。
【0040】
種々の実施態様において、コーティング組成物は、合計バインダー質量に対して、約10質量%まで、又は約0.1質量%〜約5質量%、又は約0.2質量%〜約5質量%の固体ポリ尿素粒子を含む。固体ポリ尿素粒子を、約15質量%〜約50質量%、又は約20質量%〜約40質量%のバインダー樹脂とバインダー樹脂中で製造した固体ポリ尿素粒子の合した質量を有する組成物中で添加してよい。
【0041】
コーティング組成物における固体ポリ尿素粒子は、一般に、約0.01〜約50マイクロメートルの平均粒径を有し、ある実施態様においては、約0.1〜約20マイクロメートル、又は約3〜約17マイクロメートルを有する。平均粒径を、種々の方法で、例えばコールターカウンター、レーザー回折(レーザー光散乱としても公知である)を使用して、又はさらにより一般の意味で、Hegman磨砕度ゲージを使用して、測定してよい。
【0042】
開示したハイソリッドコーティング組成物は、低分子量セルロース混合エステルも含む。ハイソリッドコーティング組成物は、有利には、合計バインダー質量に対して、約5〜約20質量%の低い数平均分子量の高いセルロース混合エステルを含む。低い数平均分子量のセルロース混合エステルは、高い置換度、セルロース骨格に対してアンヒドログルコース単位あたり特に約3.08〜約3.5の合計置換度を有する。低分子量セルロース混合エステルは、約1000〜約5600の数平均分子量、約1500〜約10000の質量平均分子量、及び約1.2〜約3.5の多分散性を有する。
【0043】
低分子量セルロース混合エステルは、完全にエステル化された又は部分的に加水分解された形で、セルロース骨格に対してアンヒドログルコース単位あたりの高い最大置換度(DS)を有し、かつ一般に、約0.70未満のヒドロキシル基についてのDS(<0.70 DSヒドロキシル)を有する。本発明のセルロースエステルについてのアンヒドログルコース単位あたりの最大置換度は、約3.08〜約3.50である。
【0044】
本発明のある実施態様において、低分子量セルロースエステルは、29%のブチリル(Bu)及び1.5%のOH含有率及び約110℃のT
gを有する。
【0045】
種々の第一の種類の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、約3.08〜約3.50のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有する、及び(a)約0.70以下のヒドロキシルの、(b)約0.80〜約1.40のC
3〜C
4エステルの、及び(c)約1.20〜約2.34のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度、並びに約1000〜約5600の数平均分子量(M
n)、約1500〜約10000の質量平均分子量(M
w)、及び約1.2〜約3.5の多分散性を有するセルロース混合エステルを含む。
【0046】
種々の代わりの態様において、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、約0.05〜約0.70であってよく、固有粘度は、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.12dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1500〜約5000であってよい。ある実施態様において、多分散性は、1.2〜2.5であってよく、固有粘度は、0.07〜0.11dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1000〜約4000であってよい。ある他の実施態様において固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1000〜4000であってよい。
【0047】
種々の第二の種類の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、約3.08〜約3.50のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有する、及び(a)約0.70以下のヒドロキシルの、(b)約1.40〜約2.45のC
3〜C
4エステルの、及び(c)約0.20〜約0.80のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度、並びに約1000〜約5600の数平均分子量(M
n)、約1500〜約10000の質量平均分子量(M
w)、及び約1.2〜約3の多分散性を有するセルロース混合エステルを含む。
【0048】
種々の第三の種類の実施態様において、ハイソリッドコーティング組成物は、約3.08〜約3.50のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有する、及び(a)約0.70以下のヒドロキシルの、(b)約1.40〜約2.45のC
3〜C
4エステルの、及び(c)約0.20〜約0.80のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度、並びに約1000〜約5600の数平均分子量(M
n)、約1500〜約10000の質量平均分子量(M
w)、及び約1.2〜約3.5の多分散性を有するセルロース混合エステルを含む。
【0049】
種々の代わりの実施態様において、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、約0.05〜約0.70であってよく、固有粘度は、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.12dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1500〜約5000であってよい。ある実施態様において、多分散性は、1.2〜2.5であってよく、固有粘度は、0.07〜0.11dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1000〜約4000であってよい。ある他の実施態様において固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、及び数平均分子量(M
n)は約1000〜4000であってよい。
【0050】
さらに他の実施態様において、本発明は、約3.08〜約3.50のアンヒドログルコース単位あたりの合計置換度を有し、及び次の置換度:約0.70以下のヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度;約2.11〜約2.91のC
3〜C
4エステルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び0.10〜約0.50のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度を有するセルロース混合エステルに関する。この実施態様に従って、本発明の混合エステルは、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度、約1000〜約5600の数平均分子量(M
n)、約1500〜約10000の質量平均分子量(M
w)、及び約1.2〜約3.5の多分散性を呈してよい。種々の実施態様において、エステルは、ブチリル、又はプロピオニル、又は2つの混合物を含んでよい。
【0051】
種々の代わりの実施態様において、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、約0.05〜約0.70であってよく、固有粘度は、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.12dL/gであってよく、又は数平均分子量(M
n)は約1500〜約5000であってよい。ある実施態様において、多分散性は、1.2〜2.5であってよく、固有粘度は、0.07〜0.11dL/gであってよく、及び数平均分子量(M
n)は約1000〜約4000であってよい。ある他の実施態様において固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、及び数平均分子量(M
n)は約1000〜4000であってよい。
【0052】
低い数平均分子量のセルロース混合エステルは、25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/g又は約0.07〜約0.11dL/gの固有粘度(以下でさらに定義される)、及び約3.08〜約3.50のアンヒドログルコース単位あたりの最大置換度、並びに約2.38〜約3.50の有機エステル、例えば炭素原子1〜20個を有するもの、有利にはC
2〜C
4アルキルエステル、及びより有利には飽和C
2〜C
4アルキルエステルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度を有してよい。
【0053】
さらに他の実施態様において、セルロース混合エステルは、約3.08〜約3.50の最大置換度、約0.01〜約0.70までのヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、約0.8〜約3.50のC
3〜C
4のアンヒドログルコース単位あたりの置換度、約0.05〜約2.00のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度を有する。種々の代わりの実施態様において、固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.70であってよく、C
3〜C
4エステルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、1.10〜3.25であってよく、又はアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.05〜0.90であってよい。
【0054】
さらに他の実施態様において、低分子量セルロース混合エステルは、約3.08〜約3.50の最大置換度、約0.01〜約0.70までのヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、約0.8〜約3.50のC
3〜C
4のアンヒドログルコース単位あたりの置換度、約0.05〜約2.00のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度を有する。種々の代わりの実施態様において、固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、約0であってよく、C
3〜C
4エステルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、2.60〜3.40であってよく、又はアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.90であってよい。
【0055】
さらに他の実施態様において、低分子量セルロースアセテートブチレートは、約3.08〜約3.50の最大置換度、及び約0.01〜約0.70までのヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び約0.80〜約3.44のブチリルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び約0.05〜約2.00のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度を有する。種々の代わりの実施態様において、固有粘度は、約0.07〜約0.11dL/gであってよく、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.70であってよく、ブチリルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、1.10〜3.25であってよく、又はアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.90であってよい。
【0056】
さらなる実施態様として、低分子量セルロースアセテートプロピオネートは、約0.01〜約0.70までのヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び約0.80〜約3.44のプロピオニルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び約0.05〜約2.00のアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度、及び25℃でフェノール/テトラクロロエタンの60/40(質量/質量)溶液で測定して約0.05〜約0.15dL/gの固有粘度を有する。種々の代わりの実施態様において、固有粘度は、0.07〜0.11dL/gであってよく、ヒドロキシルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.70であってよく、プロピオニルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、1.10〜3.25であってよく、又はアセチルのアンヒドログルコース単位あたりの置換度は、0.10〜0.90であってよい。
【0057】
さらに他の実施態様において、低分子量セルロースエステルは、29%のブチリル(Bu)及び1.5%のOH含有率及び約110℃のT
gを有する。本発明の種々の他の実施態様の中で、ハイソリッドコーティング組成物は、29%のブチリル(Bu)及び1.5%のOH含有率及び約110℃のT
gを有する低分子量セルロースエステルを含む。
【0058】
セルロースの種々のグレード及び源が入手でき、本発明に従って有用であり、コットンリンター、軟材パルプ、硬材パルプ、コーン繊維及び多の農業源、並びに中でも細菌性セルロースから選択されてよい。本発明のセルロース混合エステルを製造するために使用されるセルロースの源は、適した特性を有する製品を提供することにおいて重要である。一般に、溶解グレードのセルロースを、本発明のセルロース混合エステルを製造するための出発材料として使用する。一実施態様において、溶解グレードのセルロースは、94%より多いα−セルロース含有率を有する。当業者は、種々の源からのセルロースの使用が、セルロースの反応性におけるあらゆる違いについて荒涼するために、反応条件(例えば温度、触媒負荷、時間)に対して変更を要求してよいことも認識している。
【0059】
ある実施態様において、セルロースの源は、記載されているのみで天然セルロースであってよく、セルロースの源は、改質されたセルロース、例えばセルロースエーテル、例えばアルキルセルロースではない。同様に、ある実施態様において、セルロース出発材料は、カルボキシアルキルセルロース、例えばカルボキシメチルセルロース、又は酸官能性を有するあらゆるセルロース誘導体ではない。これらのセルロース誘導体は、記載されているのみの天然由来のセルロースよりも高価であり、コーティング組成物、特に明らかな量の有機溶媒を含むコーティング組成物中での使用にあまり適していない。ハイソリッドコーティング組成物中で使用される低分子量セルロース混合エステルのいくらかは、約5以下の、又は約1以下の酸価を有する。
【0060】
ベースコート組成物において使用される低分子量セルロース混合エステルは、多工程プロセスによって製造されてよい。このプロセスにおいて、セルロースを、水で活性させ、続いて溶媒変換によって水をアルカン酸、例えば酢酸に置き換え、続いて高次アルカン酸(プロピオン酸又は酪酸)で処理して、適したアルカン酸でのセルロース活性化湿潤物を得る。次に、セルロース活性化物を、所望の無水物で、強酸触媒、例えば硫酸の存在で処理して、従来のエステルよりも低い分子量を有する実質的に完全に置換されたセルロースエステルを得る。水及びアルカン酸からなる溶液を、ゆっくりと、無水“ドープ”溶液に添加して、セルロース骨格から結合した硫黄を取り出す。最終の添加は、水和点によってゆっくり変化させ、反応媒体において低い水濃度及び高温(過剰な無水物と反応する水からの発熱の結果として)の期間をもたらす。これは、セルロース骨格からの結合した硫黄の加水分解に重要である。そしてこの生成物を、硫酸を使用して加水分解させ、部分的に置換したセルロースエステルを提供する。加水分解は、有機溶媒中でゲルを有さない溶液を提供するため、及びコーティング組成物中での他の樹脂との良好な相溶性を提供するために重要である。加水分解中に曝されたヒドロキシル基は、コーティング組成物の硬化中に架橋部位としても役立つ。
【0061】
次に、硫酸を、エステル化後に中和し、又は加水分解反応を、水及びアルカン酸、例え酢酸中で溶解したアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルカノエート、例えば酢酸マグネシウムの化学量論的量の添加によって完了する。強酸触媒の中和は、最終生成物の至適温度及び触媒安定性のために重要である。
【0062】
最終的に、セルロースエステルの完全に置換した又は部分的に加水分解した形を、酢酸の等体積で最終的に中和した“ドープ”を希釈し、続いて希釈した“ドープ”をその質量の約20〜30倍の水の体積中に沈殿することによって単離して、残りの有機酸及び無機塩を効率的に取り除くために脱イオン水で容易に洗浄できる粒子を得る。多くの場合に、かなり粘着性の沈殿物を最初に形成する。沈殿物を、沈殿液を新鮮な水に交換し、沈殿物を澱ませることによって硬化させてよい。そして硬化した沈殿物を、簡単に洗浄し、そして必要に応じて研磨してよい。
【0063】
セルロースエステルの組成の鍵となるデスクリプタは、種々のエステル基の置換のレベル(すなわち、通常使用される、又は本明細書の他の部において詳細に議論されている置換度又は質量%)、ヒドロキシル基のレベル、及びIV、粘性及びGPCデータから推論されてよいポリマー骨格のサイズである。低分子量セルロース混合エステルの得られた組成に影響する鍵となる要因は、酢酸無水物レベル、酢酸レベル、酪酸(又はプロピオン酸)無水物レベル、酪酸(又はプロピオン酸)レベル、水レベル、セルロースレベル、触媒タイプ、触媒レベル、時間、及び温度である。当業者は、より高い触媒負荷、より高い温度、及び/又はエステル化中のより長い反応時間を、低分子量セルロース混合エステルを製造するために使用することを認識している。
【0064】
低分子量セルロース混合エステルは、約1500〜約10000の又は約2000〜約8500のGPCによって測定した質量平均分子量M
w、約1500〜約6000のGPCによって測定した数平均分子量M
n、及び約1.2〜約7又は約1.2〜約3.5又は約1.2〜約2.5の多分散性を有してよい。
【0065】
ハイソリッドコーティング組成物の低分子量セルロース混合エステルについての製造及びパラメータの選択に対するさらなる詳細を、米国特許番号第7,585,905号及び米国特許出願番号第2010/0152336号を考慮することにより得てよく、参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。
【0066】
ハイソリッドコーティング組成物のレオロジー挙動、及び従ってハイソリッドコーティング組成物を使用して製造した被覆した基材の外観は、固体ポリ尿素粒子及び低分子量セルロース混合エステル、並びに固体ポリ尿素粒子、低分子量セルロース混合エステル及びバインダーの性質に依存する。一般に、固体ポリ尿素粒子を、全て合計バインダー質量に対して、0.1〜10質量%の量で、又は種々の実施態様において、約0.2〜約9質量%、又は約0.3〜約8質量%、又は約0.4〜約7質量%、又は約0.5〜約6質量%の量で使用してよい。一般に、低分子量セルロース混合エステルを、合計バインダーに対して、5〜20質量%、又は種々の実施態様において、約7〜約12質量%の量で使用してよい。
【0067】
バインダーは、トップコート又はベースコートコーティング組成物に適しているあらゆるものであってよい。自己架橋であり、硬化剤又は架橋剤で硬化可能であり、又は化学放射線、例えばUV又はEB放射線に曝すことによって硬化可能であり、かつかかる樹脂のための架橋剤である樹脂を含むバインダーは、熱硬化可能であってよい。バインダーは、広い種類の樹脂又はポリマーの1つ又は組合せを含んでよい。適した硬化可能なポリマーの制限のない例は、ビニルポリマー、例えばアクリルポリマー(ポリ(メタ)アクリレート)及びポリエステル、ポリエーテル又は他のブロックを有する分岐、グラフト及びコポリマーであるものを含む改質アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、マコモノマー(macomonomer)、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びポリカーボネートジオールを使用して製造したポリウレタン、アルキド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリシロキサン、アルキド、及び不飽和オリゴマー及び樹脂、並びにそれらの混合物を含み、全て当業者に公知である。種々の実施態様において、硬化可能なポリマーは、架橋剤と反応する基を有する。ポリマー官能基の制限のない例は、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノプラスト官能基、尿素、カルバメート、イソシアネート、(ブロック又はブロックでない)、エポキシ、環状カーボネート、アミン、アルデヒド基、チオール基、ヒドラジン基、活性化メチレン基、及び熱硬化性ポリマー中で製造されてよいそれらのあらゆる組合せを含む。種々の実施態様において、ポリマー官能基は、ヒドロキシル、第一級カルバメート、イソシアネート、アミノプラスト官能基、エポキシ、カルボキシル及びそれらの混合物である。ある実施態様において、ポリマー官能基は、ヒドロキシル、第一級カルバメート、及びそれらの混合物である。
【0068】
本発明の実施態様において、ポリマーは、アクリルポリマーである。アクリルポリマーは、有利には、500〜20000の、及びより有利には1500〜10000の数平均分子量を有する。数平均分子量は、ポリスチレン又はポリ(メチルメタクリレート)基準を使用してテトラヒドロフラン中で溶解された試料のゲル透過クロマトグラフィーによって測定される。かかるポリマーは、当業者によく知られており、かつモノマー、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルアクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルアクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート又はラウリルメタクリレート、シクロアルキルアクリレート及び/又はシクロアルキルメタクリレート、例えばシクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート及びシクロヘキシルメタクリレート、並びにビニル芳香族炭化水素、例えばビニルトルエン、アルファ−メチルスチレン及びスチレン、並びにアクリル酸又はメタクリル酸、ビニルエステル及びビニルエーテルのアミド又はニトリルから製造されてよい。あらゆる架橋可能な官能基、例えばヒドロキシル、アミン、グリシジル、カルバメート等は、アクリルモノマーのエステル部位に導入されてよい。使用されてよいヒドロキシル官能アクリルモノマーの制限のない例は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートを含む。アミノ官能アクリルモノマーは、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、及びt−ブチルアミノエチルアクリレートを含む。グリシジル基を、例えばグリジシルメタクリレート又はアリルグリシジルエーテルを共重合することによって導入してよい。モノマーのエステル部位中で架橋可能な官能基を有する他のアクリルモノマーは、当業者の範囲内でもある。
【0069】
改質したアクリルを、コーティング組成物中で膜を形成する硬化可能なポリマーとして使用してもよい。かかるアクリルは、ポリエステル改質アクリル、又はポリウレタン改質アクリルであってよく、当業者によく知られている。e−カプロラクトンで改質されたポリエステル改質アクリルは、Etzell et alの米国特許4,546,046号において記載されており、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。ポリウレタン改質アクリルも当業者によく知られている。それらは、例えば米国特許4,584,354号において記載されており、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。
【0070】
ポリエステルは、コーティング組成物中でバインダー樹脂としても使用できる。ポリエステル樹脂を、酸官能樹脂又はヒドロキシ官能樹脂として調合してよい。ポリエステルは、1グラムあたり、約20〜約100mgKOH、又は約20〜約80mgKOH、又は約20〜約40mgKOHの酸数を有してよい。他の実施態様において、ポリエステルは、1グラムあたり、約25〜約300mgKOH、又は約25〜約150mgKOH、又は約40〜約100mgKOHのヒドロキシル数を有してよい。ポリエステル樹脂の製造方法はよく知られている。典型的に、ポリオール成分及び酸及び/又は無水物成分、又は重合可能な誘導体、例えばメチルエステルを、共に、場合により触媒と共に加熱し、そして通常、反応を完了させるために副生成物の水又はメタノールを取り出す。ポリオール成分は、少なくとも約2つの平均官能基を有する。ポリオール成分は、一官能アルコール、二官能アルコール、三官能アルコール、及び高次官能アルコールを含んでよい。ジオールが好ましいが、しかし、ポリエステルのいくつかの分岐が所望される場合に、高次官能アルコールを含む。詳細な例は、制限されることなく、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、及びヒドロキシアルキル化ビスフェノールを含む。場合により、少量の三官能アルコール、及び高次官能アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、又はペンタエリトリトールを使用してよい。酸及び/又は無水物成分は、平均で、少なくとも1つのカルボン酸及び/又は無水物、又はそれらの低級アルキル(C
1〜C
4、特にメチル)エステルを有する成分を含む。ジカルボン酸又はジカルボン酸の無水物が好ましいが、しかし、ポリエステルのいくつかの分岐が所望される場合に、高次官能酸及び無水物を使用してよい。適したポリカルボン酸又は無水化合物は、制限されることなく、炭素原子約3〜約20個を有するものを含む。適した化合物の詳細な例は、制限されることなく、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アゼライン酸、グルタル酸アジピン酸、アゼライン酸、1,4−サイクロヘキサ新ジカルボキシル酸、ドデカン−1,12−ジカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸、及びそれらの無水物を含む。場合により、モノカルボン酸、例えばオクタン酸、ノナン酸、ステアリン酸及びシクロヘキサン酸、ヒドロキシカルボン酸、例えばジメチロールプロパン酸、並びにそれら化合物の組合せ。
【0071】
架橋可能な官能基、例えばヒドロキシル基を有するポリウレタンは、当業者にもよく知られている。それらは、ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、MDI、及び固体ポリ尿素粒子の製造において有用であると前記したあらゆる他のもの、並びにそれらの組合せ)と、ポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、及びポリエステルの製造において有用であると前記したあらゆる他のもの、並びにそれらの組合せ)と、マクロジオール、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びポリカーボネートジオールとを鎖延長反応することによって製造される。それらを、ポリウレタン鎖を、過剰量のジオール、ポリアミン、アミノアルコール等で覆うことにより架橋可能な官能基で提供してよい。
【0072】
カルバメート官能ポリマー及びオリゴマーも、硬化可能なポリマーとして使用でき、特に、少なくとも1つの第一級カルバメート基を有するものである。
【0073】
コーティング組成物において使用される硬化可能なポリマーのカルバメート官能の例は、種々の方法で製造されてよい。例えば、及びアクリルポリマーを使用して、かかるポリマーを製造するための1つの方法は、モノマーのエステル部位においてカルバメート官能性を有するモノマー、例えばアクリルモノマーを製造することである。かかるモノマーは、当業者によく知られており、例えば米国特許3,479,328号、3,674,838号、4,126,747号、4,279,833号及び4,340,497号、5,356,669号、並びにWO 94/10211号において記載されており、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。合成の1つの方法は、ヒドロキシエステルと尿素とを反応して、カルバミルオキシカルボキシレート(すなわち、カルバメートで改質したアクリル)を形成することを含む。合成の他の方法は、α,β−不飽和酸エステルとヒドロキシカルバメートエステルとを反応してカルバミルオキシカルボキシレートを形成する。さらに他の技術は、第一級アミン又は第二級アミン又はジアミンと、環状カーボネート、例えばエチレンカーボネートとを反応することによるヒドロキシアルキルカルバメートの形成を含む。そして、ヒドロキシアルキルカルバメート上のヒドロキシル基を、アクリル酸又はメタクリル酸と反応することによってエステル化してモノマーを形成する。カルバメートで改質したアクリルモノマーを製造する他の方法は、先行技術において記載されており、さらに使用できる。そして、アクリルモノマーを、所望の場合に、当業者によく知られている技術によって、他のエチレン性不飽和モノマーと一緒に重合させてよい。
【0074】
バインダーの硬化可能なポリマーを製造するための代わりの方法は、米国特許4,758,632号において記載されているように、既に形成したポリマー、例えばアクリルポリマー、ポリエステルポリマー、又はポリウレタンポリマーと、他の成分とを反応させて、ポリマー骨格に付着したカルバメート官能基を形成することである。かかるポリマーを製造するための技術の1つは、ヒドロキシル官能アクリルポリマーの存在で尿素を熱的に分解して(アンモニア及びHNCOを得て)、カルバメート官能ポリマーを形成することを含む。他の技術は、ヒドロキシアルキルカルバメートのヒドロキシル基と、イソシアネート官能ポリマーのイソシアネート基とを反応させて、カルバメート官能ポリマーを形成することを含む。イソシアネート官能アクリルは当業者に公知であり。例えば米国特許4,301,257号において記載されており、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。イソシアネートビニルモノマーが当業者によく知られており、不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネート(TMI(登録商標)としてAmerican Cyanamidによって販売されている)を含む。イソシアネート官能ポリウレタンを、ジイソシアネートの過剰な当量を使用することによって、又はヒドロキシル官能プレポリマーをポリイソシアネートでエンドキャップすることによって形成してよい。さらに他の技術は、環状カーボネート官能アクリル上の環状カーボネート基とアンモニアとを反応させて、カルバメート官能アクリルを形成することである。環状カルバメート官能アクリルポリマーは当業者に公知であり。例えば米国特許2,979,514号において記載されており、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。他の技術は、ヒドロキシ官能ポリマーをアルキルカルバメートでカルバミル基移転することである。より難しいが実施できるポリマーを製造する方法は、ヒドロキシアルキルカルバメートでのトランスエステル化である。
【0075】
コーティング組成物のバインダーは、さらに架橋剤を含んでよい。架橋剤を、コーティング組成物の合計バインダーに対して、10〜60%、一般に15〜55%、又は25〜50%の量で使用してよい。
【0076】
ある実施態様において、架橋剤とポリマーとの反応のために不可逆結合を形成することが有利であってよい。熱的に不可逆結合を製造する官能基“対”の例は、ヒドロキシ/イソシアネート(ブロック又はブロックでない)、ヒドロキシ/エポキシ、カルバメート/アミノプラスト、カルバメート/アルデヒド、酸/エポキシ、アミン/環状カーボネート、アミン/イソシアネート(ブロック又はブロックでない)、尿素/アミノプラスト等である。架橋剤バインダー樹脂の制限のない例は、アミノプラスト、ブロックポリイソシアネート又はブロックでないポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリカルボン酸又は無水化合物、オリゴマー、又はポリマー、及びオリゴマーのポリ尿素化合物を含む。
【0077】
ある実施態様におけるハイソリッドコーティング組成物は、架橋剤としてアミノプラストを含む。本発明の目的のためのアミノプラストは、活性化窒素と低分子量アルデヒドとを反応させ、場合によりさらにアルコール(有利には炭素原子1〜4個を有するモノアルコール)と反応させて、エーテル基を形成することによって得られる材料である。活性化窒素の好ましい例は、活性化アミン、例えばメラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキシルカーボグアナミン及びアセトグアナミン;尿素自体、チオ尿素、エチレン尿素、ジヒドロキシエチレン尿素及びグアニル尿素を含む尿素;グリコウリル;アミド、例えばジシアンジアミド;及び少なくとも1つの第一級カルバメート基又は少なくとも2つの第二級カルバメート基を有するカルバメート官能化合物である。
【0078】
活性化窒素を、低分子量アルデヒドと反応させる。アルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はアミノプラスト樹脂の製造において使用される他のアルデヒドから選択されてよいが、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド、特にホルムアルデヒドが好ましい。活性化窒素基を、アルデヒドで少なくとも部分的にアルキロール化し、及び完全にアルキロール化してよく、有利には、活性化窒素基は完全にアルキロール化される。その反応は、例えば米国特許3,082,180号において教示されているように、酸によって触媒反応させてよく、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。
【0079】
活性化窒素とアルデヒドとの反応によって形成されたアルキロール基を、1つ以上の一官能アルコールで部分的に又は完全にエーテル化してよい。一官能アルコールの適した例は、制限されることなく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等を含む。炭素原子1〜4個を有する一官能アルコール及びそれらの混合物が好ましい。エーテル化を、例えば米国特許番号第4,105,708号及び第4,293,692号において開示された方法によって実施してよく、参照をもって本明細書中に組込まれたものとする。
【0080】
アミノプラストを、少なくとも部分的にエーテル化してよく、種々の実施態様において、アミノプラストを完全にエーテル化する。例えば、アミノプラスト化合物は、複数のメチロール及び/又はエーテル化メチロール、ブチロール又はアルキロール基を有してよく、それらは、あらゆる組合せで、及び置換した窒素水素と一緒に存在してよい。完全にエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の制限のない例の1つは、ヘキサメトキシメチルメラミンである。アミノプラスト架橋剤を、カルバメート、末端尿素及びヒドロキシル含有ポリマーのための架橋剤として使用してよい。
【0081】
ある実施態様におけるハイソリッドの硬化可能なコーティング組成物は、ポリイソシアネート又はブロックポリイソシアネート架橋剤を含む。有用なポリイソシアネート架橋剤は、制限されることなく、イソシアヌレート、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン化合物、及びイソシアネート官能プレポリマー、例えば1モルのトリオールと3モルのジイソシアネートとの反応生成物を含む。ポリイソシアネートは、低級アルコール、オキシム、又はイソシアネート基を再生するために硬化温度で揮発する他の材料でブロック形成してよい。
【0082】
イソシアネート又はブロックイソシアネートを、架橋可能なバインダー樹脂から得られるものと反応する官能基のそれぞれの当量に対して、0.1〜1.1当量の割合で、又は0.5〜1.0の当量の割合で使用してよい。
【0083】
エポキシド官能架橋剤を、カルボキシル官能性の又はアミン官能性の架橋可能な樹脂と一緒に使用してよい。エポキシド官能架橋剤は、全て公知のエポキシド官能ポリマー及びオリゴマーである。エポキシド官能架橋剤の制限のない例は、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステル、グリシジルメタクリレートポリマー、及びイソシアヌレート含有エポキシド官能材料、例えばトリスグリシジルイソシアヌレート及びグリシドールとイソシアヌレート官能イソシアヌレートとの反応生成物、例えばイソホルンジイソシアネート(IPDI)の三量体である。
【0084】
ハイソリッドコーティング組成物は、硬化反応の速度を速めるために触媒を含んでよい。例えば、特にモノマーメラミンを硬化剤として使用する場合に、強酸触媒を、硬化反応を速めるために使用してよい。かかる触媒は、当業者によく知られており、制限されることなく、p−トルエン、スルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、モノブチルマレエート、ブチルホスフェート、及びヒドロキシホスフェートエステルを含む。強酸触媒は、しばしば、例えばメラミンとブロック形成する。ポリイソシアネートと適した硬化可能なバインダー樹脂官能性との反応のために、適した触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズオキシド、第三級アミン、亜鉛塩、及びマンガン塩を含む。エポキシドとカルボキシル基との反応を、第三級アミン又は第四級アンモニウム塩(例えば、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノシクロヘキサン、トリエチルアミン、N−メチルイミダゾール、テトラメチルアンモニウムブロミド、及びテトラブチルアンモニウムヒドロキシド)、スズ及び/又は亜リン酸錯塩(例えば(CH
3)
3SNI、(CH
3)
4PI、トリフェニルホスフィン、エチルトリフェニルホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウムヨウ化物)等と触媒反応させてよい。
【0085】
ハイソリッドコーティング組成物は、1つ以上の有機溶媒を含む。適した溶媒の制限のない例は、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、グリコールエーテル、及びグリコールエーテルのエステルを含む。特定の例は、制限されることなく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、m−アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、Aromatic 100、Aromatic 150、ナフサ、ミネラルスピリット、ブチルグリコール等を含む。
【0086】
ハイソリッドコーティング組成物は、場合により、高分子量混合セルロースエステルを含む他のレオロジー調整剤、例えばCAB−381−0.1、CAB−381−20、CAB−531−1、CAB−551−0.01、及びCAB−171−15S(Eastman Chemical Company社(Kingsport、Tennessee)から入手できる)を含み、それは、合計バインダー質量に対して、約5質量%まで、又は約0.1〜約5質量%、又は約1.5〜約4.5質量%の量で含まれてよい。さらなる例は、ミクロゲルレオロジー調整剤、例えば合計バインダー質量の約5質量%までの量で含まれてよい架橋したアクリルポリマー微粒子;合計バインダー質量に対して約2質量%までの量で含まれてよい、ワックスレオロジー調整剤、例えばアクリル酸で改質したポリエチレンワックスを含むポリエチレンワックス(例えば、Honeywell A−C(登録商標)Performance Additives)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)コポリマー、及び酸化したポリエチレン;合計バインダー質量に対して約10質量%まで、又は合計バインダー質量に対して約3〜約12質量%の量で含まれてよいヒュームドシリカを含む。
【0087】
追加の作用剤、例えばヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、付着促進剤等をコーティング組成物中に導入してよい。かかる添加剤はよく知られており、典型的にコーティング組成物のために使用される量で含まれてよい。
【0088】
ベースコート及びモノコートトップコートコーティング組成物中で使用してよい特定の効果顔料の制限のない例は、メタリックの、真珠光沢のある、及び変色する効果フレーク顔料を含む。メタリックの(真珠光沢のある、及び変色するものを含む)トップコート色は、1つ以上の特定のフレーク顔料を使用して製造される。メタリック色は、一般に、ゴニオアパレント効果を有する色と定義される。例えば、American Society of Testing Methods(ASTM)の文献のF284は、“金属フレークを含有するゴニオアパレント材料の外観に関連する”としてメタリックを定義している。メタリックベースコートカラーを、種々の角度で見る場合に種々の外観(反射率又は色の程度)をコーティングに提供するために、メタリックフレーク顔料、例えばアルミニウムフレーク顔料、被覆したアルミニウムフレーク顔料、銅フレーク顔料、亜鉛フレーク顔料、ステンレス鋼フレーク顔料、及び青銅フレーク顔料を使用して、及び/又は処理した雲母状の二酸化チタンで被覆した雲母顔料及び酸化鉄で被覆した雲母顔料を使用して製造してよい。金属フレークは、コーンフレークタイプ、レンズ形、又は循環抵抗であってよく、雲母は、天然、合成、又は酸化アルミニウムタイプであってよい。フレーク顔料は、凝集せず、かつ高剪断下で粉砕しない。それというのも、高剪断は、フレーク又はそれらの結晶形態を破壊又は変更し、ゴニオアパレント効果を減少又は破壊するからである。フレーク顔料は、低剪断下で撹拌することによってバインダー成分中で十分に分散される。1種又は複数のフレーク顔料を、ハイソリッドコーティング組成物中で、それぞれの場合に合計バインダー質量に対して、約0.01質量%〜約0.3質量%、又は約0.1質量%〜約0.2質量%の量で含んでよい。
【0089】
市販のフレーク顔料の制限のない例は、BASF Corporationから入手できるPALIOCROME(登録商標)顔料を含む。
【0090】
ベースコート及びモノコートトップコートコーティング組成物中で使用してよい他の適した顔料及び充填剤の制限のない例は、無機顔料、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、黄土、シエナ土、アンバー、赤鉄鉱、褐鉄鉱、赤色酸化鉄、透過赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、茶色酸化鉄、酸化クロムグリーン、クロム酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、シリカ、例えばヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、重晶石、フェロシアン化アンモニウム鉄(プルシアンブルー)、及びウルトラマリン、並びに有機顔料、例えば金属化及び非金属化アゾレッド、キナクリドンレッド及びバイオレット、ペリレンレッド、銅フタロシアニンブルー及びグリーン、カルバゾールバイオレット、モノアクリド及びジアクリドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ等を含む。1種又は複数の顔料を、有利には、樹脂又はポリマー中で、又は顔料分散剤、例えば既に記載した種類のバインダー樹脂で、公知の方法に従って分散させる。一般に、顔料及び分散樹脂、ポリマー又は分散剤を、顔料アグロメレートを破壊するために十分高い剪断下で、一次顔料粒子と接触させ、そして顔料粒子の表面を分散樹脂、ポリマー又は分散剤で湿らせる。アグロメレートの破壊及び一次顔料粒子の湿潤は、顔料安定性及び発色のために重要である。顔料及び充填剤を、コーティング組成物の合計質量に対して、典型的に約40質量%までの量で使用してよい。
【0091】
レオロジー調整剤の組合せは、特に、フレーク顔料を含有するモノコートトップコート又はベースコートコーティング組成物中で使用する場合である。モノコートトップコートコーティング組成物は、仕上げのために所望の色及び光沢を提供する最終仕上げコーティング層として適用した着色したコーティング組成物である。ベースコートコーティング組成物を、クリアコートコーティング組成物と一緒に使用して、複合トップコートを提供し、その際ベースコートの下の層は、所望の色を提供し、かつクリアコートの上の層は、仕上げのための所望の光沢を提供する。
【0092】
ハイソリッドベースコート及び単層トップコートについての特定の固体は、顔料装填及び粘度に対する顔料のタイプによって色及び色の濃さで変動する。一般に、開示したベースコートは、試験試料を110℃(230°F)で60分間加熱するASTM試験法D2369によって測定して、不揮発分約40質量%〜約55質量%を有してよく、かつ典型的に不揮発分約45質量%〜約50質量%を有してよい。
【0093】
一般に、基材を、プライマー層を適用し、場合によりプライマー層を硬化し、そして既にプライマー層が硬化している場合に、ベースコート層及びクリアコート層を、典型的にウェット−オン−ウェットで適用し、そして適用した層を硬化し、場合によりベースコート及びクリアコートと一緒にプライマー層を硬化し、又はベースコート層がまだ硬化していない場合に、モノコートトップコート層を適用し、そしてモノコートトップコート層を硬化し、さらに場合によりベースコート及びクリアコート層と一緒にプライマー層を硬化することによって被覆してよい。硬化温度及び時間は、選択される特定のバインダー成分に依存して変動してよいが、記載したように製造した典型的に産業及び自動車用の熱硬化性組成物を、約105℃〜約175℃の温度で硬化してよく、かつ硬化の長さは、通常約15分〜約60分である。
【0094】
コーティング組成物を、噴霧コーティングによって基材上で被覆してよい。静電的噴霧が好ましい方法である。コーティング組成物を、1つ以上の過程で適用して、硬化後に所望の厚さ、典型的にプライマー及びベースコート層について約10〜約40ミクロン、及びクリアコート及びモノコートトップコート層について約20〜約100ミクロンの膜厚を提供してよい。
【0095】
コーティング組成物を、金属基材、例えば未処理の鋼、リン酸化鋼、亜鉛メッキ鋼、又はアルミニウム、並びに非金属基材、例えばプラスチック及び複合材料を含む、多くの異なるタイプの基材上に適用してよい。基材は、その上に、既に硬化した又は未硬化の、他のコーティングの層、例えば電着プライマー、プライマーサーフェーサー、及び/又はベースコートの層を有する任意のこれらの材料であってもよい。
【0096】
基材を、最初に電着(エレクトロコート)プライマーで下塗りしてよい。電着組成物は、自動車車体のコーティング操作において使用されるあらゆる電着組成物であってよい。電着組成物制限のない例は、BASF Corporationによって販売されているCATHOGUARD(登録商標)の電着組成物、例えばCATHOGUARD(登録商標)500を含む。電着コーティング浴は、通常、水中で又は水と有機溶媒の混合物中でイオン性安定剤(例えば、塩化したアミン基)を有する主な膜形成エポキシ樹脂を含む水性分散液又はエマルションを含む。主な膜形成樹脂で乳化は、適した条件下で、例えば熱、及びコーティングの硬化の適用で、主な樹脂上の官能基と反応できる架橋剤である。架橋剤の適した例は、制限されることなく、ブロックポリイソシアネートを含む。電着コーティング組成物は、通常、1つ以上の顔料、触媒、可塑剤、融合助剤、脱泡剤、流量調整剤、湿潤剤、界面活性剤、UV吸収剤、HALS化合物、酸化防止剤、及び他の添加剤を含む。
【0097】
電着コーティング組成物は、有利には、約10〜35μmの乾燥膜厚に適用される。適用後に、被覆した車体を、浴から取り出し、そして脱イオン水で洗浄する。コーティングを、適した条件下で、例えば約275°F〜約375°F(約135℃〜約190℃)で、約15分〜約60分間焼成することによって硬化させてよい。
【0098】
本発明を、次の実施例においてさらに記載する。実施例は、単なる説明であり、記載及び請求した本発明の範囲を制限しない。全ての部は、特に明記されない限り質量部である。
【0099】
実施例
以下の方法を、次のように実施例を試験することにおいて使用した。
【0100】
金属調整を評価するために、実施例及び比較例を、視覚的に、及び特定の角度での明るさの測定によって比較した。効果的な金属調整又はメタリックの外観を有するコーティングで製造したパネルは、明るい(明るい)“フラッシュ”角度及び暗い“フロップ”角度を有する。視覚的に、塗装したパネルを、非常にわずかである入射光の鏡面反射を見る方法で見る。これをフラッシュ角度という。塗装したパネルを、コーティングが暗く見えるべきである鏡面反射の角度から直角に近い非常に急な角度で見る。これをフロップ角度という。コーティング層のパネルからの角度での明るさの測定を、マルチアングル分光光度計又は色彩計(典型的にOEM自動コーティングのために使用される)で測定する。分光光度計において、試料の照度は、パネルの表面に対して垂直である線から45°離れる。45°の照射角で、光沢(表面反射)は、等角及び反射の対頂角(いわゆる反射角とも言われる)、又は−45°で生じる。分光光度計は、反射角に関連して記載された種々の位置に置かれた検出器を有する。実施例の試験において、これらの検出器を、反射角の15°〜75°に置く。明るいメタリックの自動車トップコート色についての標準色許容差(Standard color tolerance)を使用した。測定を、BASF Corporation社から入手できる市販の製品Shear Silver R99AW010F Basecoatを使用して製造した対照のパネルについての角度で測定した明るさからの、明るさの変化として記録し、メタリックな技官を、視覚的及び15°及び75°の角度で測定した明るさにおける差を比較することによって判断した。まっすぐに被覆したパネルの表面を見る場合に、コーティングは最も明るいべきであり、かつその本来面する位置から90°まで視界を離して移動したパネルとしてますます斜めの角度で見た場合に、コーティングは、ますます暗くなるべきである。メタリックな外観を、表面の明るさ(明るいことが好ましい)によって、表面から最も離れた視角に対する増加した暗さ(暗いことが好ましい)で判断し、その際表面の明るさにおけるフロップの暗さまでの大きな変化は、最も大きいトラベル又はメタリック効果をもたらす。フロップの増加する角度での明るさにおけるあらゆる増加は、望ましくなく、コーティングがさらに大きい角度で再度暗くなる場合でさえも、視角的なメタリックな外観を損なう。視覚的に、パネルがますます斜めに見えると、コーティングはますます暗くなり、通過せず、対照のパネルと比較して、15°で測定した0より大きい<dL>はより明るい面を示し、75°で測定した0未満の<dL>は、よりくらいフロップを示す。15°でのより明るい値及び75°でのより暗いフロップは、一般に、コーティングが、望ましくない15°〜75°の角度での明るさの増加の望ましくない効果を有さない限り、より良好なトラベル及びより良好なメタリックな外観を示す。この後者の効果を、パネルを視覚的に見ることによって、又は間の角度で明るさを測定することによって測定してよい。
【0101】
質量による不揮発性成分を、試験試料を110℃(230°F)で60分間加熱するASTM試験法D2369によって測定する。揮発性有機含分(VOC)を、ASTM試験法D3960を使用して測定する。
【0102】
実施例1、本発明による銀ベースコート組成物を、表1において示した成分で製造した。不揮発性成分の質量%を、44.64として測定し、VOCを4.8であると測定した。比較例A、低分子量セルロース混合エステルのみを含み固体ポリ尿素粒子を含まない銀ベースコート組成物を、表1において示した成分で製造した。不揮発性成分の質量%を、44.68として測定し、VOCを4.7であると測定した。比較例B、固体ポリ尿素粒子のみを含み低分子量セルロース混合エステルを含まない銀ベースコート組成物を、表1において示した成分で製造した。不揮発性成分の質量%を、52.28として測定し、VOCを4.1であると測定した。
【表1】
1. Eastman Chemical Companyから得られる(低分子量セルロースアセテートブチレートポリマー、ヒドロキシル含分は1.2〜1.9%と報告され、T
gは112℃と報告され、ブチリルレベルは低いと報告されている)。
2. Eastman Chemical Companyから得られる(高分子量セルロースアセテートブチレートポリマー、37質量%のブチリル含分、13質量%のアセチル含分、1.5質量%のヒドロキシル含分、T
g130℃、融点155〜165℃、式Aとして記載された溶液中でASTM法D1343によって測定した粘度1.9ポイズ)。
3. Aromatic 100中で75%の不揮発性成分(NV)。同様のヒドロキシル官能アクリルポリマーをそれぞれの場合に使用する。
4. Nuplex Resins LLCから得られるSETAL 10−1821(不揮発成分(NV)に対して5.4% OHを有し、固体ポリ尿素粒子2.5質量%を含むわずかに分岐したポリエステルポリオール)。
【0103】
実施例1、並びに比較例A及びBを使用した被覆したパネルの製造及び試験。
【0104】
実施例1並びに比較例A及びBの銀ベースコート組成物を、4インチ×12インチの準備した鋼パネル上に、2つの“コート”又は適用パス(1つのコートベル(coat bell)、1つのコートSamesエアアトマイズ(coat Sames air atomaized))で自動的に静電的に適用することによって、コート間で短い休止又はフラッシュで、それぞれの例のベースコートについて2つを個々に適用した。適用後に、湿ったベースコートを、フラッシュ(170°F(76.7℃)で4分フラッシュ)させ、そして市販のクリアコート(BASF Corporation社から入手できる、UREGLOSS(登録商標)R10CG060B)を、ベースコートを覆って、それぞれのパネルに対して、コート間の短いフラッシュで2つのコートにおいて、及び第二及び最後のコート後に、適用した。そして、ベースコートコーティング層及びクリアコートコーティング層を、20分間265°F(129.4℃)で強制空気炉中で一緒に硬化させた。それぞれのベースコート例について製造した2つのパネルの1つを、炉中で水平位置で硬化させ、2つのパネルの二番目を、炉中で直立、ほぼ垂直の位置で硬化させた。
【0105】
実施例1並びに比較例A及びBのベースコート組成物の1つで製造したそれぞれのパネルについての試験結果を次の表において示す。
【表2】
【0106】
実施例1のベースコートを使用して製造したパネルは、対照及び比較例と比較して、メタリックな外観における優れた改良を示した。
【0107】
実施例2及び比較例C〜E。
【0108】
ベースコート組成物を、表3において示した成分を使用して製造した。製造したコーティング組成物を、Fisher #2カップで測定した21秒の噴霧粘度まで減少させ、そしてそれぞれの不揮発性含分を、試験試料を110℃(230°F)で60分間加熱するASTM試験法D2369によって測定した。これらの値を表4において記録する。
【表3】
1. Eastman Chemical Companyから得られる(低分子量セルロースアセテートブチレートポリマー、ヒドロキシル含分は1.2〜1.9%と報告され、T
gは112℃と報告され、ブチリルレベルは低いと報告されている)。
2. Eastman Chemical Companyから得られる(高分子量セルロースアセテートブチレートポリマー、37質量%のブチリル含分、13質量%のアセチル含分、1.5質量%のヒドロキシル含分、T
g130℃、融点155〜165℃、式Aとして記載された溶液中でASTM法D1343によって測定した粘度1.9ポイズ)。
3. 70質量%の溶媒混合ブチルアセテートと30質量%の溶媒混合メチルアミルケトンとの溶媒混合物中で、CAB 381−2(不揮発性成分75質量%、Eastman Chemical Companyから得られる)及びCAB 531−1(不揮発性成分25質量%、Eastman Chemical Companyから得られる)の15質量%溶液。
4. Aromatic 100中で75%の不揮発性成分(NV)。同様のヒドロキシル官能アクリルポリマーをそれぞれの場合に使用する。
5. Nuplex Resins LLCから得られるSETAL 10−1821(不揮発成分(NV)に対して5.4% OHを有し、固体ポリ尿素粒子2.5質量%を含むわずかに分岐したポリエステルポリオール)。
【0109】
実施例2、並びに比較例C、D及びEを使用した被覆したパネルの製造及び試験。
【0110】
実施例2並びに比較例C、D及びEの銀ベースコート組成物を、4インチ×12インチの準備した鋼パネル上に、2つの“コート”又は適用パス(1つのコートベル(coat bell)、1つのコートSamesエアアトマイズ(coat Sames air atomaized))で自動的に静電的に適用することによって、コート間で短い休止又はフラッシュで、それぞれの例のベースコートについて2つを個々に適用した。湿ったベースコートを、フラッシュ(170°F(76.7℃)で4分フラッシュ)させ、そして市販のクリアコート(BASF Corporation社から入手できる、UREGLOSS(登録商標)R10CG060B)を、ベースコートを覆って、それぞれのパネルに対して、コート間の短いフラッシュで2つのコートにおいて、及び第二及び最後のコート後に、適用した。そして、ベースコートコーティング層及びクリアコートコーティング層を、20分間265°F(129.4℃)で強制空気炉中で一緒に硬化させた。それぞれのベースコート例について製造した2つのパネルの1つを、炉中で水平位置で硬化させ、2つのパネルの二番目を、炉中で直立、ほぼ垂直の位置で硬化させた。
【0111】
実施例2並びに比較例C、D及びEのベースコート組成物の1つで製造したそれぞれのパネルについての試験結果を次の表において示す。
【表4】
【0112】
表4における結果は、単独で使用したものと比較して、低分子量混合エステルと共に使用した固体ポリ尿素粒子の相乗作用を証明する。本発明の実施例2は、対照と比較してメタリックな外観及びトラベルにおける著しい向上を示した一方で、低分子量混合エステルのみは、垂直表面上で非常にわずかに向上した金属トラベルを有するが、水平表面についてわずかに乏しいメタリック効果を有し、一方で他の2つの比較例は、著しく乏しいメタリックな外観及びトラベルを有した。
【0113】
前記の実施態様は、詳述及び説明の目的のために提供される。それは、本発明を網羅し又は制限することを意図しない。特定の実施態様の個々の要素又は特徴は、一般に、特定の実施例に限定されないが、適用される場合に、置き換えることができ、かつ選択した実施態様において、特に示されていない又は記載されていない場合でさえも、使用することができる。同様に、多くの方法で変更してもよい。かかる変更は、本発明から逸脱しないとみなされ、全てのかかる変更は、本発明の範囲内に含まれると解釈される。