(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1検査ユニット、前記光線分散ユニット及び前記距離測定ユニットは、前記スティックの長手方向に直線移動が可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスティック検査装置。
前記距離測定ユニットは、レーザ段差系顕微鏡、共焦点顕微鏡、または干渉方式の顕微鏡であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスティック検査装置。
前記スティックの屈曲検査、異物検査、エッチング程度検査、臨界寸法検査、全体ピッチ検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを行うことができる第2検査ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスティック検査装置。
前記第1検査ユニット及び前記距離測定ユニットから測定されたデータを基に、前記制御ユニットで生成された前記スティックの情報をQRコードで記録する記録ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のスティック検査装置。
前記スティックの屈曲検査、異物検査、エッチング程度検査、臨界寸法検査、全体ピッチ検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを行う段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のスティック検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスティックSの検査においては、製造した複数のスティックから一部を抜き取り、抜き取ったスティックを切断し、切断した部位を撮影したりして、スティックの検査を行っていた。しかしながら、このように破壊が伴う検査では、切断したスティックを再利用することができないため、製造したスティックに対して全数検査を行うことはできなかった。さらに、スティックの切断を行うことから、検査時間が長くかかり、生産性も低下する。
【0007】
そこで、本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、全数検査を行うことが可能なスティック検査装置及びスティック検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、開口部が形成されたスティックを引っ張って固定させる引っ張りユニットと、前記スティックから離隔されるように配置され、前記スティックを検査する第1検査ユニットと、前記スティックを基準として、前記第1検査ユニットと反対方向に配置され、前記第1検査ユニットから照射された光を反射させる光線分散ユニットと、前記光線分散ユニットを基準として、前記スティックと反対方向に配置され、前記光線分散ユニットから、前記スティックの底面から前記光線分散ユニットまでの第3距離を測定する距離測定ユニットと、前記第1検査ユニットで検査した前記スティックのハンプの開始点から前記光線分散ユニットまでの第2距離を算出し、前記第2距離と前記第3距離との距離差を算出し、前記ハンプのハンプ高を算出し、前記ハンプ高を基に、前記スティックが不良か否かを判別する制御ユニットと、を含むスティック検査装置が提供される。
【0009】
前記第1検査ユニット、前記光線分散ユニット及び前記距離測定ユニットは、前記スティックの長手方向に直線移動が可能なように構成されてもよい。
【0010】
前記光線分散ユニットと前記距離測定ユニットは、上下動が可能なように構成されてもよい。
【0011】
前記第1検査ユニットは、共焦点顕微鏡(confocal microscopy system)、または干渉(interferometer)方式の顕微鏡であってもよい。
【0012】
前記距離測定ユニットは、レーザ段差系顕微鏡、共焦点顕微鏡、または干渉方式の顕微鏡であってもよい。
【0013】
前記スティック検査装置は、前記スティックの屈曲検査、異物検査、エッチング程度検査、臨界寸法(critical dimension)検査、全体ピッチ(total pitch)検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを検査することができる第2検査ユニットをさらに含んでもよい。
【0014】
前記スティック検査装置は、前記第1検査ユニット及び前記距離測定ユニットから測定されたデータを基に、前記制御ユニットで生成された前記スティックの情報をQRコード(登録商標)で記録する記録ユニットをさらに含んでもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、開口部を具備したスティックを引っ張って固定させる段階と、前記スティックの最上面から光線分散ユニットまでの第1距離、前記スティックのハンプの開始点から前記光線分散ユニットまでの第2距離、前記スティックの底面から前記光線分散ユニットまでの第3距離を測定する段階と、前記第2距離と前記第3距離との距離差を算出し、前記ハンプのハンプ高を算出する段階と、前記ハンプ高を基に、前記スティックが不良か否かを判別する段階と、を含むスティック検査方法が提供される。
【0016】
前記スティック検査方法は、前記スティックの屈曲検査、異物検査、エッチング程度検査、臨界寸法検査、全体ピッチ検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを遂行する段階をさらに含んでもよい。
【0017】
前記スティック検査方法は、検査した前記スティックの情報をQRコードに記録する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、全数検査を行うことが可能なスティック検査装置及びスティック検査方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現され得る。図面では、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張または縮小されていることもある。例えば、図面で示されている各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0021】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
以下の実施形態の説明において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用される。
【0023】
また、以下の実施形態の説明において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0024】
さらに、以下の実施形態の説明において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0025】
並びに、以下の実施形態の説明において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分のすぐ上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0026】
そして、以下の実施形態の説明において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の三軸に限定されるものではなく、それを含む広い意味に解釈される。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交しもするが、互いに直交せずに互いに異なる方向を指すこともある。
【0027】
また、ある実施形態が異なって具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるように遂行されてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時に遂行されてもよく、説明される順序と反対の順序で進められてもよい。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態によるスティック検査装置を示す概念図である。
図2は、
図1に図示されたスティック検査装置の一部分を示す概念図である。
図3は、
図1に図示されたプリアラインユニットを示す概念図である。
【0029】
図1から
図3を参考すれば、スティック検査装置100は、引っ張りユニット110、第1検査ユニット120、光線分散ユニット130、距離測定ユニット140、制御ユニット150、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、記録ユニット180を含んでもよい。
【0030】
引っ張りユニット110は、スティックSを、引っ張られた状態で固定させることができる。このとき、引っ張りユニット110は、スティックSの両側面を固定させるように、クランプ111によって形成され、スティックSを引っ張るように、クランプ111の位置を可変することができる。また、引っ張りユニット110は、他の実施形態として、
図2に示すように、クランプ111を直線移動させてスティックSを引っ張るシリンダ、またはギア及びモータを具備することもできる。さらに、それだけでなく、引っ張りユニット110は、クランプ111がスティックSをどれほどの力で引っ張るかということを感知するロードセルを具備することができる。
【0031】
引っ張りユニット110は、スティックSを、少なくとも一つ以上引っ張られた状態で固定させることができる。このとき、スティックSは、マスクフレーム(図示せず)に付着された状態でもあり、個別的に引っ張りユニット110に固定されることも可能である。スティックSは、複数個のリブが互いに交差するように形成され、交差するリブには、開口部が形成されてもよい。
【0032】
前述のような引っ張りユニット110は、アラインユニット190に分離可能に設けられる。このとき、アラインユニット190は、互いに異なる3方向に移動可能であるか、あるいは互いに異なる2方向に移動しながら、一方向に回転可能に構成され得る。
【0033】
第1検査ユニット120は、スティックSの上面側に配置されてもよい。このとき、第1検査ユニット120は、共焦点顕微鏡(confocal microscopy system)、または干渉(interferometer)方式の顕微鏡であってよい。ただし、以下では、説明の便宜のために、第1検査ユニット120が共焦点顕微鏡である場合を中心に詳細に説明する。また、共焦点顕微鏡は、一般的な共焦点顕微鏡と同一であるか、あるいは類似しているので、詳細な説明は省略する。
【0034】
第1検査ユニット120は、スティックSの上面側に固定されるか、あるいは直線移動可能に設けられる。特に、第1検査ユニット120は、スティックSの長手方向に沿って直線移動することが可能である。このとき、第1検査ユニット120は、長さ可変のシリンダと連結され、他の実施形態として、
図2に図示されているように、第1検査ユニット120に、ギア及びモータが連結され、モータの駆動によって直線移動も可能である。
【0035】
光線分散ユニット130は、スティックSを基準として、第1検査ユニット120と互いに対向するように(反対方向に)配置されてもよい。このとき、光線分散ユニット130は、第1検査ユニット120から照射される光を反射させることができる。また、光線分散ユニット130は、距離測定ユニット140から照射される光を通過させることができる。
【0036】
距離測定ユニット140は、スティックSの底面から光線分散ユニット130までの距離を測定することができる。このとき、距離測定ユニット140は、レーザ段差系顕微鏡、共焦点顕微鏡、または干渉方式の顕微鏡のうち一つであることができる。このとき、レーザ段差系顕微鏡、共焦点顕微鏡、または干渉方式の顕微鏡は、一般的なレーザ段差系顕微鏡、共焦点顕微鏡または干渉方式の顕微鏡と同一であるか、あるいは類似しているので、詳細な説明は省略する。ただし、以下では、説明の便宜のために、距離測定ユニット140がレーザ段差系顕微鏡である場合を中心に詳細に説明する。
【0037】
前記のような光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140のうちの少なくとも一つは、直線移動が可能である。このとき、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140のうちの少なくとも一つは、スティックSの長手方向に直線移動が可能である。ただし、以下では、説明の便宜のために、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140が一体に形成され、同時に移動する場合を中心に詳細に説明する。
【0038】
前記のような光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140は、スティックSの長手方向以外にも、上下方向に移動が可能である。具体的には、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140は、距離測定ユニット140から測定されたスティックSの底面までの距離に基づき、上下に移動が可能である。
【0039】
このとき、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140のうちの少なくとも一つには、スティックSの長手方向に直線移動させるためのシリンダと、上下に直線移動させるためのシリンダとが連結される。他の実施形態として、
図2に図示されているように、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140のうちの少なくとも一つに、ギア及びモータが連結され、各方向に直線移動することも可能である。
【0040】
一方、制御ユニット150は、スティック検査装置100の各構成要素を制御することができる。このとき、制御ユニット150は、第1検査ユニット120及び第2検査ユニット160で測定した結果を基に、スティックSが不良か否かを判別することができる。
【0041】
制御ユニット150は、多様な形態で形成されてもよい。例えば、制御ユニット150は、スティック検査装置100の外部に設けられる端末機、パソコン、ノート型パソコン、PDA(personal digital assistant)などを具備することができる。また、制御ユニット150は、スティック検査装置100の内部に設けられる回路基板などを具備することができる。
【0042】
第2検査ユニット160は、スティックSに欠陥があるか否かを多様な方法で検査することができる。このとき、第2検査ユニット160は、スティックSの屈曲検査、異物検査、エッチング程度検査、臨界寸法(critical dimension)検査、全体ピッチ(total pitch)検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを行うことができる。例えば、第2検査ユニット160は、スティックSの反り程度及び損傷情報を検査する屈曲検査器161を具備することができる。このとき、屈曲検査器161は、第1検査ユニット120と互いに経路が重ならないように、一直線に配置される。なお、屈曲検査器161は、一般的な屈曲検査器と同一または類似するため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0043】
第2検査ユニット160は、スティックSに異物が付着しているか否かを検査したり、スティックSにエッチング不良があるか否かを検査したりするラインスキャナ(line scanner)162を具備することができる。このとき、ラインスキャナ162は、レーザなどをスティックSに照射することにより、スティックSに欠陥があるか否かを判別することができる。
【0044】
また、第2検査ユニット160は、スティックSの臨界寸法検査、全体ピッチ検査及び直進度検査のうちの少なくとも一つを行う領域カメラ(area camera)163を具備することができる。このとき、領域カメラ163は、スティックSを撮影することにより、イメージを生成し、制御ユニット150により、イメージを基に、スティックSが不良か否かを判別することができる。
【0045】
前述のようなラインスキャナ162と領域カメラ163は、第1検査ユニット120と対向するように配置されてもよい。すなわち、第1検査ユニット120は、スティックSの上面側に配置され、ラインスキャナ162と領域カメラ163は、スティックSの下面側に配置されてもよい。このとき、ラインスキャナ162と領域カメラ163は、距離測定ユニット140と互いに経路が重ならないように配置される。
【0046】
前述のような屈曲検査器161、ラインスキャナ162及び領域カメラ163には、長さが可変するシリンダが連結され、直線移動が可能である。他の実施形態として、
図2に図示されているように、屈曲検査器161、ラインスキャナ162及び領域カメラ163に、モータとギアとが連結され、直線移動することも可能である。
【0047】
図3に示すように、プリアラインユニット170は、スティックSをプリアライン(pre-align)(事前に整列)させる。具体的には、プリアラインユニット170は、スティックSが貼設されるステージ(171)と、ステージ171と垂直するように設けられるブロック172と、を具備することができる。また、プリアラインユニット170には、ステージ171に設けられ、スティックSを浮揚させるように空気を噴射するフローティング部173を具備することができる。このとき、前述のようなプリアラインユニット170は、回動可能に設けられることにより、スティックSをあらかじめ整列させることができる。
【0048】
また、プリアラインユニット170は、フローティング部173の代わりに、ステージ171から突出する、スティックSの両端を吸着する吸着パッド(図示せず)を具備することもできる。このとき、前記吸着パッドは、スティックSの一部を吸着して固定させることができる。
【0049】
記録ユニット180は、スティックSの検査情報、スティックSの基本情報のようなスティックSと係わる情報(データ)をQRコードで記録することができる。このとき、記録ユニット180は、QRコードを生成して、スティックSに付着するか、あるいはスティックSに直接QRコードを生成する全ての装置を含んでもよい。
【0050】
前述のような第1検査ユニット120と引っ張りユニット110は、互いに相対運動が可能である。また、第2検査ユニット160及び引っ張りユニット110、プリアラインユニット170及び引っ張りユニット110、並びに光線分散ユニット130及び引っ張りユニット110は、互いに相対運動が可能である。
【0051】
例えば、引っ張りユニット110は、固定されるように設けられ、第1検査ユニット120、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、光線分散ユニット130は、直線移動が可能なように設けられる。このとき、引っ張りユニット110にスティックSが固定される場合、第1検査ユニット120、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、光線分散ユニット130が引っ張りユニット110に対して、上面側または下面側に移動し、下記の各段階を進めることができる。また、第1検査ユニット120、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、光線分散ユニット130は、それぞれ移動した位置において、前述のように直線移動が可能である。
【0052】
他の実施形態として、引っ張りユニット110は、直線移動が可能なように設けられ、第1検査ユニット120、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、光線分散ユニット130は、固定されるように設けられてもよい。このとき、第1検査ユニット120、第2検査ユニット160、プリアラインユニット170、光線分散ユニット130は、固定された位置において、前述のように直線移動が可能なように設けられる。
【0053】
以下では、説明の便宜のために、引っ張りユニット110が直線移動可能に設けられる場合を中心に詳細に説明する。
【0054】
また、以下では、スティック検査装置100を用いて、スティックSを検査する方法について詳細に説明する。
【0055】
図4は、
図1に図示されたスティック検査装置のブロック図である。
図5は、
図1に図示されたスティック検査装置において、スティックを検査する順序を示すフローチャートである。
図6は、
図1に図示されたスティックのハンプ高を示す概念図である。
【0056】
図4から
図6を参考すれば、スティック検査装置100が作動する場合、スティックSは、スティック保管ユニット(図示せず)からスティックSを引き出し、プリアラインユニット170に貼設する(S110段階)。このとき、プリアラインユニット170にスティックSが貼設されれば、フローティング部173は、空気をスティックSに噴射し、スティックSをステージ171から離隔させる。その後、ステージ171は、一定角度回転し、スティックSがステージ171と共に回転し、ブロック172に接触することにより、一次的にアライン(整列)される(S120段階)。
【0057】
また、プリアラインユニット170が前記吸着パッドを具備する場合には、外部から挿入されたスティックSは、前記吸着パッドに貼設されて付着する。特に、前述のような場合、スティックSを前記吸着パッドに貼設させる前に、スティックSと、プリアラインユニット170のステージ171との位置関係を、イメージ撮影などを用いて検知した後、その検知結果に基づいて、スティックSを整列させることにより、スティックSを一次的にアラインすることができる。ただし、以下では、スティックSを、前述のように、ステージ171に貼設した後、スティックSがステージ171と回転することにより、ブロック172にスティックSが接触し、プリアラインが行われる場合を中心に詳細に説明する。
【0058】
その後、引っ張りユニット110がプリアラインユニット170に移動し、スティックSの両端を固定させることができる。引っ張りユニット110は、プリアラインユニット170から、引っ張りユニット110の初期位置に移動し、スティックSを引っ張った状態で固定させることができる。このとき、引っ張りユニット110には、ロードセル(load cell)が具備され、既に設定された所定の力でスティックSを引っ張る(S130段階)。
【0059】
前述のように、スティックSが引っ張った状態で固定されれば、制御ユニット150は、引っ張りユニット110が設定された位置にアラインされるように、アラインユニット190を制御することができる。このとき、アラインユニット190がアラインする方法は、一般的なディスプレイ分野で、基板やマスクをアラインする方法と同一であるか、あるいは類似しているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0060】
前述のように、スティックSの固定が完了すれば、第2検査ユニット160は、スティックSを検査することができる。具体的には、屈曲検査器161を用いて、スティックSの屈曲程度を検査することができる。このとき、屈曲検査器161には、3D(three-dimensional)レーザ照射システム(3D laser inspection system)が使用されてもよい(S130段階)。
【0061】
制御ユニット150は、屈曲検査器161で測定されたスティックSの屈曲程度を予め決められた値と比較し、スティックSが不良か否かを判別することができる。このとき、制御ユニット150は、スティックSの屈曲程度が所定の範囲内に入っている場合、次の検査を進めるように、ラインスキャナ162を制御することができる。
【0062】
ラインスキャナ162は、スティックSの下面側に配置され、スティックSに異物が吸着されているか否か、エッチングの不良があるか否かを測定することができる。このとき、制御ユニット150は、ラインスキャナ162で測定された値を、予め決められた値と比較することにより、異物を吸着しているか否か、エッチングの不良があるか否かを判別することができる(S140段階)。
【0063】
制御ユニット150は、ラインスキャナ162で測定された値を基に、判断を行い、その結果、スティックSに異物が吸着おらず、且つ、エッチングの不良がないと判断されれば、領域カメラ163を制御してスティックSを撮影し、撮影されたイメージを基に、臨界寸法検査、全体ピッチ検査及び直進度検査を行うことができる。このとき、臨界寸法検査は、一定領域において、開口部の対角線長などが正確であるか否かということを検査し、全体ピッチ検査は、一定個数の開口部を含む領域の全体長などを検査することである。また、直進度検査は、開口部が、一定の直線に配列されているか否かということなどを検査する(S150段階)。
【0064】
制御ユニット150は、前述のような検査によって得られた結果から、スティックSが正確に形成されていると判別されれば、次の段階であるスティックSのハンプ高H5検査を行う。このとき、スティックSのハンプ高H5は、
図6のように定義される。すなわち、スティックSの開口部を除いた部分の断面は、
図6のように形成される。このとき、スティックSの断面は、上面から下面に向かって所定の位置Aに到達するまでは、下面に行くほど幅が広くなっており、所定の位置Aからさらに下面に到達するまでの間では、幅が一定になるか、あるいは狭まっている。このとき、幅が一定である部分、あるいは幅が細くなる部分をスティックSのハンプと定義し、この部分の高さ(長さ)を、スティックSのハンプ高H5と定義する。
【0065】
前述のようなスティックSのハンプ高H5は、有機物を蒸着する際、シャドウ(shadow)効果に多くの影響を及ぼす。従って、スティックSのハンプ高H5を精密に測定し、ハンプ高H5が所定の値にあるスティックSを有機物蒸着の際に用いることは、有機物蒸着の正確度及び精密度を向上させるために、相当に重要である。
【0066】
スティックSのハンプ高H5が精密に形成できているか否かを確認するために、従来においては、製造した一定数のスティックSから一部を抜き取り、抜き取ったスティックSを切断し、切断した部位を撮影したり、顕微鏡などを使用してスティックSのハンプ高H5を測定したりしていた。しかし、このような場合、スティックSの全体に対して検査しなければならず、さらに、スティックSを切断した後、それを廃棄処分することにより、検査したスティックSを再使用することが不可能である。それだけではなく、前述のように従来の方法を使用する場合、検査時間が長くかかることにより、生産性も低下する。
【0067】
従って、本発明の実施形態によるスティック検査装置100は、非破壊方式でスティックSを検査することを可能にするため、検査したスティックSの再使用が可能となり、スティックSの全数検査も可能となる。さらに、本発明の実施形態によるスティック検査装置100によれば、検査するためにスティックSの切断を行わないことから、検査時間も短く、生産性低下を防止することができる。さらに、本発明の実施形態によるスティック検査装置100は、非接触方式でスティックSを検査することを可能にするため、スティックSの変形を最小化することができる。
【0068】
具体的には、前述のように、各種検査が完了した後、制御ユニット150は、第1検査ユニット120を介して、スティックSの三次元イメージを獲得することができる。このとき、制御ユニット150は、前述のようなイメージを用いて、光線分散ユニット130からスティックSの最上面までの第1距離H1を算出することができる。また、制御ユニット150は、光線分散ユニット130からスティックSのハンプの開始点Aまでの第2距離H2を算出することができる(
図6参照)。
【0069】
前述のような作業が進められている間、距離測定ユニット140は、光線分散ユニット130からスティックSの底面までの第3距離H3を測定することができる(
図6参照)。このとき、第1検査ユニット120と距離測定ユニット140との測定は、スティックSの任意の部分において、数回反復して行われる。
【0070】
また、前述のような作業が進められている間、制御ユニット150は、第3距離H3があらかじめ定められた距離と同一になるように、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140を上下動させることができる。このとき、光線分散ユニット130及び距離測定ユニット140は、シリンダに連結されるか、あるいはギア及びモータに連結されることにより、上下動が可能である。
【0071】
前述のような作業を完了すると、制御ユニット150は、第1距離H1と第3距離H3との差を算出し、スティックSの全体高H4を算出することができる。また、制御ユニット150は、第2距離H2と第3距離H3との距離差を算出し、スティックSのハンプ高H5を算出することができる。制御ユニット150は、算出されたスティックSのハンプ高H5を算出した後、あらかじめ定められた値と比較し、スティックSが不良か否かを判別することができる(S160段階)。
【0072】
制御ユニット150は、前述のような各種情報をスティックSに記入するように、記録ユニット180を制御することができる。記録ユニット180は、QRコードを生成してスティックSに付着するか、あるいはスティックSに直接記録することができる。このとき、各種情報は、スティックSの番号、スティックSの材質、スティックSの特性、スティックSが不良か否か、スティックSの各検査結果、スティックSの製造日付、スティックSの製造会社のような情報を含むことができる(S170段階)。
【0073】
前記の過程が完了すれば、スティックSは、前記スティック保存部に再び移送されるか、あるいは外部に搬出される。このとき、スティックSが不良か否かの結果により、良品であるスティックSと、不良であるスティックSとは、互いに区分されて移送される(S180段階)。
【0074】
また、スティック検査装置100及びスティック検査方法は、非破壊方式によってハンプ高を測定することにより、検査したスティックSの再使用が可能となり、スティックSの全数検査が可能となる。また、スティックSの切断がないことから、測定時間が短縮され、生産性低下を防止することができる。
【0075】
さらに、本実施形態にかかるスティック検査装置100及びスティック検査方法によれば、非接触方式でスティックSを検査することにより、生産性低下を防止するだけではなく、スティックSの変形を最小化することができる。
【0076】
なお、上述の一般的で具体的な方法は、システム、方法、コンピュータプログラム、またはあるシステム、方法、コンピュータプログラムの組み合わせを使用して実施されることができる。
【0077】
このように本発明は、図面に図示された一実施形態を参照して説明したが、それは例示的なものに過ぎず、当該分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【0078】
さらに、前述以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。