【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、この目的は、特許請求項1の特徴を有する自動車用のサウンド伝送システムによって、および特許請求項
9の特徴を有するサウンド伝送システムのための方法によって実現される。本発明の好適であり自明でない改良を伴う有利な実施形態が、それぞれの従属請求項で規定されている。
【0013】
自動車用の本発明によるサウンド伝送システムは、サウンド発生器と、音伝導性の第1の導音管
および第2の導音管とを備え、第1の導音管
および第2の導音管が、サウンド発生器によって発生されるサウンドを伝送するように設計される。第1の導音管
が、サウンドを伝送する
ように第1の端部でサウンド発生器に接続され
、第1の導音管
が、第3の端部を有し、第3の端部
が、第1の端部とは反対側に形成され
て車外領域に連通し、第3の端部を通して、発生され
るサウンドから最終的に生じるサウンド
が車外領域に出
て、第2の導音管が、サウンドを伝送するように第2の端部でサウンド発生器に接続され、第2の導音管が、第4の端部を有し、第4の端部が、第2の端部とは反対側に形成されて車外領域に連通し、第4の端部を通して、発生されるサウンドから最終的に生じるサウンドが車外領域に出て、最終的に生じるサウンドの特定のサウンド特性を生み出すために、第1の導音管の第1の長さ、および/または第1の導音管の第1の直径、および/または第1の導音管の第1の断面領域が、発生されるサウンドに応じて適合され
、さらに、第2の導音管の第2の長さ、および/または第2の導音管の第2の直径、および/または第2の導音管の第2の断面領域が、発生されるサウンドに応じて適合される。
【0014】
サウンド発生器によって発生され、乗員室および/または車外領域に伝送されるように意図されたサウンドは、第1の導音管の規定の幾何形状によって影響を及ぼされる。導音管の幾何形状、すなわち長さ、直径、断面領域が、導音管の伝送特性および周波数特性を決定する。第1の導音管の特定の規定の幾何形状により、第1の導音管で引き起こされる共鳴を効果的に意図的に使用することができ、その結果、発生されたサウンドから生じて、最終的に乗員室および/または車外領域で知覚される実効のサウンドは、特定の所定のサウンド特性を有する。また、実効のサウンドの特定のサウンド部分を増幅する共鳴を強調させることもできる。
【0015】
さらなる利点は、本質的に同じ設計のサウンド発生器を多くの自動車に使用することができ、伝送すべきサウンドが第1の導音管の幾何形状によって適合されることである。その結果、本発明によるサウンド伝送システムは、好ましくは、現代の自動車の費用対効果の高いモジュール設計に従って使用することができる。
【0016】
本発明によるサウンド伝送システムの1つの改良形態では、第2の長さと、第2の直径と、第2の断面領域とを備える第2の導音管が提供され、この第2の導音管は、サウンドを伝送するようにその第2の端部でサウンド発生器に接続される。利点は、複数の導音管を有するこの実施形態では、高調波挙動または例えば和音に関する音楽の原理を考慮に入れることができるように導音管の長さを互いに適合させることができることである。
【0017】
したがって、例えば同じ長さの導音管の場合、導音管の合流点で位相オフセットを発生させることが可能であり、この位相オフセットを好適に使用することができる。例えば異なる長さの2つ以上の導音管を使用する場合には、強調される共鳴を特定の二和音または三和音に調節することができるように長さを互いに適合させることができる。
【0018】
さらなる改良形態では、サウンド発生器は、サウンドを発生させるための調節可能なアクチュエータを有する。アクチュエータは、振動運動を発生するように設計される。調節可能性により、サウンド発生のさらなる自由度がある。サウンドは、自由に決定することができる様々な規則に従ってアクチュエータによって発生させることができる。この例では、アクチュエータは、例えば、駆動アセンブリの動作挙動によってまたは車両の状態に適合されるようにサウンドを発生させる。
【0019】
アクチュエータが、サウンド発生器のメンブレンを動かすことができるように設計される場合、単純なサウンド発生が提供される。メンブレンは、アクチュエータによって動かされ、加振されて振動するか、または振動状態にされる。振動により、空気圧波が生成される。この空気圧波は、空気圧振動または音波とも呼ばれる。空気圧波は、サウンド発生器で保持された導音管の端部から導音管に入り、この空気圧波は、導音管を通して乗員室または車外領域内に案内され、サウンドとして知覚される。
【0020】
さらなる改良形態では、アクチュエータは、自動車の開ループおよび閉ループ制御システムによって作動可能である。この構成の本質的な利点は、サウンド発生器によって生成されるサウンドに選択的に影響を及ぼすことができることである。すなわち、発生させるべき、最終的に生じるサウンドを、能動的に発生させることができ、変更することもできる。
【0021】
この改良形態のさらなる利点は、駆動アセンブリからのサウンド伝送システムの機械的な切り離しである。いわゆるサウンドシンポーザは、それとは対照的に、導音管を介して駆動アセンブリに結合される。この切り離しにより、サウンド伝送システムを駆動アセンブリから独立して自動車に収容することができるので、いわゆるパッケージングの面での利点が得られた。さらに、内燃機関または燃焼機関として形成された駆動アセンブリの負荷変化に場合によっては悪影響を及ぼすことがある、サウンド伝送システムと駆動アセンブリとの機械的結合のバックラッシュの可能性を回避することができる。
【0022】
開ループおよび閉ループ制御システムによるアクチュエータの活性化のさらなる利点は、アクチュエータの制御を広範囲に行えることである。例として、例えば、開ループおよび閉ループ制御システムがバス(CANバスまたはFlexRayバスと呼ばれる)に接続される場合、現行の駆動動作データに応じて開ループおよび閉ループ制御システムによってアクチュエータを作動させることができ、現行の走行動作データは、バスと、開ループおよび閉ループ制御システムとの間で交換される。すなわち、開ループおよび閉ループ制御システムがバスに接続される場合、例えば速度、エンジン回転数、負荷などの走行状態変数がこの接続を介して受信され、そのデータに応じてアクチュエータの作動または動作が行われる。
【0023】
さらなる可能な形態は、駆動アセンブリの吸気区域および/または排気管の振動に応じてアクチュエータを動作させることである。このために、開ループおよび閉ループ制御システムに接続された測定要素が、振動を捕捉するために提供される。すなわち、これは、アクチュエータが現実の振動に応じて動作されることを意味し、この振動は、測定データの形態で開ループおよび閉ループ制御システムに渡され、そこからアクチュエータに直接伝達されて、アクチュエータを動作させる。同様に、この測定データは、開ループおよび閉ループ制御システムによって変更することもできる。
【0024】
さらなる可能な形態は、開ループおよび閉ループ制御システム内に作成された特性図によってアクチュエータを作動させることである。この可能な形態では、例えば、開ループおよび閉ループ制御システムに記録された信号が使用され、その信号を例えば負荷−速度特性図にマッピングすることができる。
【0025】
さらなる改良形態では、導音管は、プラスチックから作製される。伝送特性および周波数特性は、選択される導音管材料にも依存するので、導音管材料の適切な選択によって、また幾何学的変数を考慮に入れることによって、費用対効果の高いサウンド伝送システムを提供することが可能である。プラスチックから導音管を作製することにより、サウンド伝送システムの低い総重量および費用対効果の高い製造が実現される。例えば、少なくとも端部を含む導音管の部分領域を弾性に形成することもできる。それにより、ハウジングまたはハウジングの管状区域への導音管の単純な取付けを実現することができる。取付けの目的のために、まず、伸張力を加えることによって部分領域を広げ、その後、パイプラインに被せて引っぱることができる。それらの部分領域がパイプライン上の対応する位置に達したとき、伸長力が除去され、部分領域が再び縮み、管状フランジへの固い接続を成すことができる。
【0026】
本発明のさらなる改良形態では、導音管の一端が自動車のパッセンジャーセルに通じている。これは、サウンド発生器によって発生されるサウンドを自動車の運転者が直接知覚することができるという利点を有する。
【0027】
本発明のさらなる改良形態では、導音管の一端が車外領域に通じている。これは、サウンド発生器によって発生されたサウンドを他の道路利用者が直接知覚することができるという利点を有する。自動車が例えば電気自動車(そのサウンドは、通常、内燃機関によって動作される自動車のサウンドよりもかなり低い)の形態で具現化される場合、車外領域に向けられるサウンドは、その自動車に対する他の道路利用者の注意を喚起することができる。
【0028】
製造コストおよび重量を低減させるために、サウンド発生器は、有利にはプラスチックから作製される。
【0029】
本発明のさらなる態様は、サウンド発生器と、音伝導性の第1の導音管
および第2の導音管とを有するサウンド伝送システムのための方法であって、第1の導音管
および前記第2の導音管が、サウンド発生器によって発生され
るサウンドを伝送するように設計される方法に関する。第1の導音管
が、サウンドを伝送するように第1の端部でサウンド発生器に接続され
、第1の導音管
が、第3の端部を有し、第3の端部
が、第1の端部とは反対側に形成され
て車外領域に連通し、第3の端部を通して、発生され
るサウンドから最終的に生じるサウンド
が車外領域に出
て、第2の導音管が、サウンドを伝送するように第2の端部でサウンド発生器に接続され、第2の導音管が、第4の端部を有し、第4の端部が、第2の端部とは反対側に形成されて車外領域に連通し、第4の端部を通して、発生されるサウンドから最終的に生じるサウンドが車外領域に出て、最終的に生じるサウンドの
特定のサウンド特性
を生み出すために、第1の導音管の第1の長さ、および/または第1の導音管の第1の直径、および/または第1の導音管の第1の断面領域が適合され
、さらに、第2の導音管の第2の長さ、および/または第2の導音管の第2の直径、および/または第2の導音管の第2の断面領域が適合される。
【0030】
利点は、導音管の伝送特性および周波数特性が、導音管の規定可能な幾何形状、すなわち導音管の長さ、直径、断面領域によって決定されることである。したがって、第1の導音管において引き起こされる共鳴を効果的に意図的に使用することが可能であり、その結果、発生されるサウンドに基づいて、最終的に乗員室および/または車外領域で知覚することができる実効のサウンドが、特定の所定のサウンド特性を有する。実効のサウンドの特定のサウンド部分を増幅する共鳴を強調することができる。
【0031】
特に、サウンドを伝送するように第2の端部でサウンド発生器に接続された、第2の長さと、第2の直径と、第2の断面領域とを備える第2の導音管が提供され、第2の長さ、および/または第2の直径、および/または第2の断面領域が適合される限り、高調波挙動または例えば和音に関する音楽の原理を考慮に入れることができるように幾何学的パラメータの長さ、直径、および断面領域を互いに合わせることができる。
【0032】
本発明のさらなる改良形態では、サウンド発生器は、自動車の開ループおよび閉ループ制御システムに接続され、開ループおよび閉ループ制御システムのデータが、サウンドを発生するために使用される。開ループおよび閉ループ制御システムのデータは、例えばバスによって供給される信号でよく、データは、特性図面データの形で作成することもできる。
【0033】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、好ましい例示的実施形態の以下の説明から、および図面を参照すれば分かるであろう。本明細書に記載される特徴および特徴の組合せ、ならびに図面の説明で以下に指定される、および/または単に上記にて図面に示される特徴および特徴の組合せは、それぞれの指定された組合せでのみならず、他の組合せでも、または単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。同一または機能的に同一の要素には、同一の参照符号が割り当てられている。分かりやすくするために、必ずしも全ての図面で要素に参照符号が付されてはいないが、それにより要素への参照符号の割当てがなくされるわけではない。