特許第6305514号(P6305514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6305514
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】コーティングされた電気アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20180326BHJP
   C08G 61/02 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   H05K3/28 G
   C08G61/02
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-504746(P2016-504746)
(86)(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公表番号】特表2016-521296(P2016-521296A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】GB2014050945
(87)【国際公開番号】WO2014155099
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月13日
(31)【優先権主張番号】1305500.9
(32)【優先日】2013年3月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509232898
【氏名又は名称】センブラント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン,エリザベス
【審査官】 藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−521338(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0257364(US,A1)
【文献】 特表2013−527973(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0033825(US,A1)
【文献】 特開昭60−038728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・IPC
H05K 3/28
C08G 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンフォーマルコーティングを有する電気アセンブリであって、
前記コンフォーマルコーティングが、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
【化1】
(式中、
R1は、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R2は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R3は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R4は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R5は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、及び
R6は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表す)、及び
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積
を含む方法によって得ることができる、電気アセンブリ。
【請求項2】
前記コンフォーマルコーティングが、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、
(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、及び
(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積
を含む方法によって得ることができる、請求項1に記載の電気アセンブリ。
【請求項3】
前記コンフォーマルコーティングが、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、
(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、
(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積、
(e) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(d)で形成されたポリマー上への堆積、及び
(f) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(e)で形成されたポリマー上への堆積
を含む方法によって得ることができる、請求項1又は2に記載の電気アセンブリ。
【請求項4】
方法が、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーの先行ステップで形成されたポリマー上への堆積の最終ステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項5】
式(I)の化合物又は各化合物が、1,4-ジメチルベンゼン、1,3-ジメチルベンゼン、1,2-ジメチルベンゼン、トルエン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、2-メチルスチレン、1,4-ジビニルベンゼン、1,3-ジビニルベンゼン又は1,2-ジビニルベンゼンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項6】
フルオロ炭化水素又は各フルオロ炭化水素が、CF4、C2F4、C2F6、C3F6、C3F8又はC4F8である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項7】
式(I)の化合物又は各化合物が1,4-ジメチルベンゼンであり、フルオロ炭化水素がC3F6である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項8】
層又は各層における式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が、25:75〜35:65である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項9】
絶縁材料を含む基板、基板の少なくとも1つの表面に存在する1つ以上の伝導性トラック、及び少なくとも1つの伝導性トラックに接続された少なくとも1つの電気部品を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項10】
コンフォーマルコーティングが、1つ以上の伝導性トラック、少なくとも1つの電気部品、並びに1つ以上の伝導性トラック及び少なくとも1つの電気部品が配置された基板の表面を覆う、請求項9に記載の電気アセンブリ。
【請求項11】
電気アセンブリにコンフォーマルコーティングを施すための方法であって、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
【化2】
(式中、
R1は、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R2は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R3は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R4は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R5は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、及び
R6は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表す)、及び
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積
を含む、方法。
【請求項12】
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、
(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、及び
(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積
を含む、請求項11に記載の方法
【請求項13】
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、
(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、
(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積、
(e) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(d)で形成されたポリマー上への堆積、及び
(f) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(e)で形成されたポリマー上への堆積
を含む、請求項11又は12に記載の方法
【請求項14】
フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーの先行ステップで形成されたポリマー上への堆積の最終ステップをさらに含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
式(I)の化合物又は各化合物が、1,4-ジメチルベンゼン、1,3-ジメチルベンゼン、1,2-ジメチルベンゼン、トルエン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、2-メチルスチレン、1,4-ジビニルベンゼン、1,3-ジビニルベンゼン又は1,2-ジビニルベンゼンである、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
フルオロ炭化水素又は各フルオロ炭化水素が、CF4、C2F4、C2F6、C3F6、C3F8又はC4F8である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
式(I)の化合物又は各化合物が1,4-ジメチルベンゼンであり、フルオロ炭化水素がC3F6である、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
層又は各層における式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が、25:75〜35:65である、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
電気アセンブリが、絶縁材料を含む基板、基板の少なくとも1つの表面に存在する1つ以上の伝導性トラック、及び少なくとも1つの伝導性トラックに接続された少なくとも1つの電気部品を含む、請求項11〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、並びに1つ以上の伝導性トラック、少なくとも1つの電気部品及び1つ以上の伝導性トラックと少なくとも1つの電気部品とが配置された基板の表面上への生成したポリマーの堆積を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングされた電気アセンブリ及びコーティングされた電気アセンブリを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンフォーマルコーティングは、エレクトロニクス産業において多年にわたって、動作中の環境曝露から電気アセンブリを保護するために使用されてきた。コンフォーマルコーティングは、薄く、フレキシブルな保護ラッカーの層であり、電気アセンブリ、例えばプリント回路基板及びその部品の外形に合致している。
【0003】
IPCの定義によると、コンフォーマルコーティングには、AR(アクリル)、ER(エポキシ)、SR(シリコーン)、UR(ウレタン)及びXY(パラキシリレン)の5つの主要な分類がある。これら5種類のうち、パラキシリレン(又はパリレン)は一般に、最高の化学的、電気的及び物理的な保護を与えることが認められている。しかし、堆積プロセスは時間がかかり高価であり、出発原料は高価である。
【0004】
パリレンは、以下の構造を有するポリマーであり、
【0005】
【化1】
【0006】
パリレンは、3段の気相堆積プロセスを用いて堆積される。固体前駆体は、真空下で加熱され昇華する。パリレンは、時折誤って「パラキシレン」と呼ばれるが、実際は化合物パラキシレンからは調製されないことを理解することが重要である。実際には、前駆体は、[2.2]パラシクロファンである。
【0007】
【化2】
【0008】
その後、化学気相が約680℃の高温炉を通過して、その結果、前駆体が反応性モノマーに分割する。この反応性モノマーは、次いで、堆積チャンバー内に供給され、基板の表面で重合する。パリレンの標準的なコーティング厚さは5〜25ミクロンの間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
出発原料の高コスト、モノマー生成時の高い熱エネルギー消費、高真空要件及び低成長速度ゆえに、上述のパリレン堆積技術は理想的ではない。
【0010】
したがって、パリレンと少なくとも同様のレベルの化学的、電気的及び物理的保護を与えるが、より容易で安価に製造することができるコンフォーマルコーティングが必要とされている。特定の用途のために、コンフォーマルコーティングがリワークプロセス及びリフロープロセスで用いられる条件に耐えることができることも重要であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発見は、フルオロ炭化水素及び式(I)の化合物の混合物のプラズマ重合により形成された第一の層、及び式(I)の化合物のプラズマ重合により形成された第二の層を含む多層コーティングが、非常に効果的なコンフォーマルコーティングをもたらすということである。コーティングは、各モノマー単独のプラズマ重合により得ることができる単一層コーティングの性質に基づいて予想される効果よりもより効果的である。コンフォーマルコーティングが3つ以上の層を含むように、プラズマ重合されたポリマーの層をさらに追加することにより、コンフォーマルコーティングの性質におけるさらなる改善をもたらし得る。
【0012】
本発明のさらなる発見は、多層コーティングが、リワークにおける溶媒(例えば2-プロパノール)の使用及びリフロープロセスにおける熱の勾配(thermal ramps)に耐えることができる、物理的に頑強なコンフォーマルコーティングをもたらすということである。
【0013】
したがって、本発明は、コンフォーマルコーティングを有する電気アセンブリであって、前記コンフォーマルコーティングが、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、
R1は、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R2は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R3は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R4は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R5は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、及び
R6は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表す)、及び
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積
を含む方法によって得ることができる、電気アセンブリを提供する。
【0016】
本発明は、電気アセンブリにコンフォーマルコーティングを施すための方法であって、
(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、
R1は、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R2は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R3は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R4は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、
R5は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、及び
R6は、水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表す)、及び
(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積
を含む、方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】コンフォーマルコーティングを有する本発明の電気アセンブリの一例を示す図である。
図2図1のコンフォーマルコーティングを通る断面、及び本発明の好ましいコーティングの構造を示す図である。
図3図1のコンフォーマルコーティングを通る断面、及び本発明の好ましいコーティングの構造を示す図である。
図4図1のコンフォーマルコーティングを通る断面、及び本発明の好ましいコーティングの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のコンフォーマルコーティングは、特定の前駆体化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーの堆積によって得ることができる。重合反応は、in situで起こる。したがって、重合は、典型的には、堆積が起こる表面で起こる。それゆえ、重合及び堆積は、典型的には同時である。
【0021】
プラズマ重合ポリマーは、従来の重合方法では調製することができないユニークな種類のポリマーである。プラズマ重合ポリマーは非常に不規則な構造を有し、一般に、高度に架橋されており、ランダムな分岐を含有し、いくつかの反応部位を保持する。したがって、プラズマ重合ポリマーは、当業者に既知の従来の重合方法により調製されるポリマーとは化学的に異なる。これらの化学的及び物理的差異はよく知られており、例えば、Plasma Polymer Films、Hynek Biederman、Imperial College Press 2004に記載されている。
【0022】
プラズマ重合は、典型的には、ガスプラズマ(イオン化した気体イオン、電子、原子及び/又は中性種を含む)を発生させる反応器中で行われる。反応器は、典型的には、チャンバー、真空システム及び1つ以上のエネルギー源を含むが、ガスプラズマを発生するように構成された任意の好適な種類の反応器を使用することができる。エネルギー源は、1種以上の気体をガスプラズマに変換するように構成された任意の好適なデバイスを備えることができる。好ましくは、エネルギー源は加熱器、高周波(RF)発生器及び/又はマイクロ波発振器を備える。
【0023】
典型的には、電気アセンブリを反応器のチャンバーに入れて、真空システムを使用して、チャンバーを10-3〜10mbarの範囲の圧力にポンプで低下させる。次いで、典型的には、1種以上の気体をポンプでチャンバーへと送り込み、エネルギー源は安定なガスプラズマを発生させる。その後、典型的には、1種以上の前駆体化合物を、気体及び/又は液体として、チャンバー内のガスプラズマ中へと導入する。ガスプラズマへ導入されると、前駆体化合物は、典型的には、イオン化され、及び/又は分解されて、重合してポリマーを生成する種々の活性種をプラズマ中で発生させる。
【0024】
堆積されるポリマーの正確な性質及び組成は、典型的には、1つ以上の以下の条件、すなわち、(i)選択されるプラズマガス、(ii)使用される特定の前駆体化合物(複数可)、(iii)前駆体化合物(複数可)の量(前駆体化合物(複数可)の圧力と流量の組み合わせによって決定することができる)、(iv)前駆体化合物(複数可)の割合、(v)前駆体化合物(複数可)の順番、(vi)プラズマ圧力、(vii)プラズマ駆動周波数、(viii)パルス幅タイミング、(ix)被覆処理時間、(x)プラズマ出力(ピーク及び/又は平均プラズマ出力を含む)、(xi)チャンバーの電極配置、及び/又は(xii)入れられるアセンブリの前処理によって決まる。
【0025】
典型的には、プラズマ駆動周波数は1kHz〜1GHzである。典型的には、プラズマ出力は100〜250W、好ましくは150〜200W、例えば約175Wである。典型的には、質量流量は5〜100sccm、好ましくは5〜20sccm、例えば約10sccmである。典型的には、操作圧力は10〜100mTorr、例えば約50mTorrである。典型的には、被覆処理時間は10秒〜20分である。
【0026】
しかし、当業者であれば理解されようが、好ましい条件はプラズマチャンバーの大きさ及び形状によって決まるであろう。したがって、使用している特定のプラズマチャンバーに応じて、操作条件を変更することが当業者にとって有益となり得る。
【0027】
本発明のコンフォーマルコーティングは、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素の混合物又はブレンド物のプラズマ重合により得ることができる少なくとも1つの層を含む。式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素の混合物又はブレンド物のプラズマ重合により得ることができる層を含むことにより、コンフォーマルコーティングの頑健性(robustness)が向上する。これは、コンフォーマルコーティング及び被覆される基板の間、及びコンフォーマルコーティングの層間における相互作用及び接着が改善されるために起こり得るものと考えられる。
【0028】
このモノマーのブレンド物又は混合物がプラズマ重合された場合、式(I)の化合物であるモノマーは、フルオロ炭化水素及び/又は式(I)の化合物である他のモノマーである、両方のモノマーと反応するであろう。同様に、フルオロ炭化水素であるモノマーは、式(I)の化合物及び/又はフルオロ炭化水素である他のモノマーである、両方のモノマーと反応するであろう。
【0029】
式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比は、5:95〜50:50であり、典型的には10:90〜40:60であり、好ましくは20:80〜40:60であり、より好ましくは25:75〜35:65である。特に好ましい式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比は30:70である。
【0030】
式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比は、例えば、プラズマチャンバー内へのモノマー化合物の流量を修正することにより、容易に調整することができる。この分野の当業者であれば、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素の所望の比を達成するために、プラズマ重合プロセスを容易に調整することができる。
【0031】
本発明は、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素の混合物又はブレンド物のプラズマ重合による第一のポリマー、及びその後式(I)の化合物のプラズマ重合による第二のポリマーを堆積することによるコンフォーマルコーティングの形成を含む。したがって、生成するコンフォーマルコーティングは、2つの層を含むことになり、それらは好ましくは別個である。第一の層は電気アセンブリの表面と接触し、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合により形成されたポリマーを含む。このブレンド層は、基板によく接着するので、有利である。第二の層は第一の層と接触し、式(I)の化合物のプラズマ重合により形成されたポリマーを含む。ブレンドされた第一の層も第二の層によく接着し、有利である。
【0032】
本発明の堆積プロセスは、好ましくは別個の、複数の層を含むコンフォーマルコーティングを形成するために、所望の回数繰り返すことができる。
【0033】
式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合により形成されたポリマーの2つ以上の層が存在する場合、使用される各式(I)の化合物及び各フルオロ炭化水素は、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。
【0034】
式(I)の化合物のプラズマ重合により形成されたポリマーの2つ以上の層が存在する場合は、使用される各式(I)の化合物は、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。
【0035】
フルオロ炭化水素のプラズマ重合により形成されたポリマーの2つ以上の層が存在する場合は、使用される各フルオロ炭化水素は、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。
【0036】
一般に、最後に堆積されるポリマー、すなわち、コンフォーマルコーティングの上部又は環境的露出面を形成するポリマーは、フルオロ炭化水素のプラズマ重合により得られることが好ましい。
【0037】
本発明の特に好ましいコンフォーマルコーティングは、4つの層を含む。このコンフォーマルコーティングは、(a)式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、次に(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、次に(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、及び次に(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積により得られることができる。場合により、第五及び最終層を、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(d)で形成されたポリマー上への堆積により追加することができる。式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素は、好ましくは下記に定義される通りであり、より好ましくは1,4-ジメチルベンゼン及びヘキサフルオロプロピレン(C3F6)である。
【0038】
本発明のさらに特に好ましいコンフォーマルコーティングは、6つの層を含む。このコンフォーマルコーティングは、(a) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面上への堆積、次に(b) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(a)で形成されたポリマー上への堆積、次に(c) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(b)で形成されたポリマー上への堆積、次に(d) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(c)で形成されたポリマー上への堆積、次に(e) 式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合、ここで、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50であり、及び生成したポリマーのステップ(d)で形成されたポリマー上への堆積、及び次に(f) 式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(e)で形成されたポリマー上への堆積により得られることができる。場合により、第七及び最終層を、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのステップ(f)で形成されたポリマー上への堆積により追加することができる。式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素は、好ましくは下記に定義される通りであり、より好ましくは1,4-ジメチルベンゼン及びヘキサフルオロプロピレン(C3F6)である。
【0039】
本発明のコンフォーマルコーティングの厚さは、堆積される各ポリマーの層の数によって決まるであろう。
【0040】
式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合により得ることができる層は、典型的には、10〜100nm、好ましくは20〜50nm、例えば約30nmの平均厚さを有する。
【0041】
式(I)の化合物のプラズマ重合により得ることができる層は、典型的には、250〜400nm、好ましくは300〜350nm、例えば約325nm又は約330nmの平均厚さを有する。
【0042】
フルオロ炭化水素のプラズマ重合により得ることができる層は、典型的には、10〜100nm、好ましくは20〜60nm、例えば約40nmの平均厚さを有する。
【0043】
各層の厚さは、当業者によって容易に制御することができる。プラズマ重合は均一な速度でポリマーを堆積するため、堆積されるポリマーの層の厚さは堆積時間に比例する。したがって、いったん堆積速度が決定されると、特定の厚さを有する層は堆積の持続時間を制御することによって堆積させることができる。
【0044】
コンフォーマルコーティングの厚さは、実質的に均一であってもよく、場所により変化してもよい。
【0045】
式(I)の前駆体化合物は以下の構造を有する
【0046】
【化5】
【0047】
(式中、R1はC1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、R2は水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、R3は水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、R4は水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、R5は水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表し、及びR6は水素、C1-C3アルキル又はC2-C3アルケニルを表す)。
【0048】
本明細書で使用する用語C1〜C3アルキルは、1〜3個、好ましくは1〜2個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状炭化水素基を包含する。例としては、メチル、エチル、n-プロピル及びi-プロピルが挙げられる。
【0049】
本明細書で使用する用語C2〜C3アルケニルは、2〜3個の炭素原子及び炭素-炭素二重結合を有する直鎖状又は分岐状炭化水素基を包含する。好ましい例はビニルである。
【0050】
典型的には、R1はメチル又はビニルを表す。典型的には、R2は水素、メチル又はビニルを表す。典型的には、R3は水素、メチル又はビニルを表す。典型的には、R4は水素、メチル又はビニルを表す。典型的には、R5は水素、メチル又はビニルを表し、好ましくは水素を表す。典型的には、R6は水素、メチル又はビニルを表し、好ましくは水素を表す。
【0051】
好ましくは、R5及びR6は水素を表す。
【0052】
より好ましくは、R1はメチル又はビニルを表し、R2は水素、メチル又はビニルを表し、R3は水素、メチル又はビニルを表し、R4は水素、メチル又はビニルを表し、R5は水素を表し、R6は水素を表す。
【0053】
一般に、R2〜R4のうち2つは水素を表していることが好ましい。
【0054】
好ましい式(I)の化合物は、1,4-ジメチルベンゼン、1,3-ジメチルベンゼン、1,2-ジメチルベンゼン、トルエン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、2-メチルスチレン、1,4-ジビニルベンゼン、1,3-ジビニルベンゼン又は1,2-ジビニルベンゼンである。1,4-ジメチルベンゼンが特に好ましい。
【0055】
フルオロ炭化水素は、フッ素原子を含む炭化水素材料である。好ましいフルオロ炭化水素は、好ましくは10個までの炭素原子、より好ましくは5個までの炭素原子を含有する、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロアルキン、フルオロアルカン、フルオロアルケン及びフルオロアルキンである。好ましい例としては、CF4、C2F4、C2F6、C3F6、C3F8及びC4F8が挙げられる。最も好ましいフルオロ炭化水素は、ヘキサフルオロプロピレン(C3F6)である。
【0056】
式(I)の化合物又は各化合物が、1,4-ジメチルベンゼン、1,3-ジメチルベンゼン、1,2-ジメチルベンゼン、トルエン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、2-メチルスチレン、1,4-ジビニルベンゼン、1,3-ジビニルベンゼン又は1,2-ジビニルベンゼンであり、フルオロ炭化水素又は各フルオロ炭化水素が、CF4、C2F4、C2F6、C3F6、C3F8又はC4F8.であることが特に好ましい。特に好ましい組み合わせは、1,4-ジメチルベンゼン及びヘキサフルオロプロピレン(C3F6)である。
【0057】
電気アセンブリは、典型的には、絶縁材料を含む基板、基板の少なくとも1つの表面に存在する1つ以上の伝導性トラック、及び少なくとも1つの伝導性トラックに接続された少なくとも1つの電気部品を備える。したがって、コンフォーマルコーティングは、典型的には、1つ以上の伝導性トラックが存在する基板の表面、1つ以上の伝導性トラック、及び少なくとも1つの電気部品を覆う。
【0058】
電気伝導性トラックは、典型的には、任意の好適な電気伝導性材料を含む。好ましくは、電気伝導性トラックは、金、タングステン、銅、銀、アルミニウム、半導体基板のドープ領域、導電性ポリマー及び/又は導電性インクを含む。より好ましくは、電気伝導性トラックは、金、タングステン、銅、銀又はアルミニウムを含む。
【0059】
伝導性トラックに好適な形状及び配置は、特定の対象のアセンブリについて当業者が選択することができる。典型的には、電気伝導性トラックは基板の表面にその全長に沿って取り付ける。或いは、電気伝導性トラックは、基板に2つ以上の点で取り付けることができる。例えば、電気伝導性トラックは、基板に、その全長に沿わずに2つ以上の点で、ワイヤで取り付けることができる。
【0060】
電気伝導性トラックは、典型的には、当業者に既知の任意の好適な方法を使用して基板上に形成される。好ましい方法において、電気伝導性トラックは「サブトラクティブ」法を使用して基板上に形成される。典型的には、この方法において、金属層(例えば、銅箔、アルミニウム箔等)を基板の表面に接着させた後、金属層の不要な部分を除去して望ましい伝導性トラックを残す。金属層の不要な部分は、典型的には、化学エッチング又はフォトエッチング、ミリングにより基板から除去される。代替の好ましい方法において、伝導性トラックは「アディティブ」法、例えば、電気めっき、逆マスクを使用する堆積及び/又は任意の幾何学的に制御される堆積プロセスを使用して基板上に形成される。或いは、基板は、典型的には、ドープ領域を伝導性トラックとして有するシリコンダイ又はウェハであってもよい。
【0061】
基板は、典型的には、基板が電気アセンブリの回路を短絡することを防止する任意の好適な絶縁材料を含む。基板は、好ましくは、エポキシラミネート材料、合成樹脂ボンド紙、エポキシ樹脂で接着したガラス布(ERBGH)、複合エポキシ材料(CEM)、PTFE(Teflon)又は他のポリマー材料、フェノールコットン紙、ケイ素、ガラス、セラミック、紙、ボール紙、天然及び/又は合成木材に基づく材料及び/又は他の好適な織物を含む。基板は、場合によって、難燃性材料、典型的には、Flame Retardant 2(FR-2)及び/又はFlame Retardant 4(FR-4)をさらに含む。基板は、単層の絶縁材料、又は多層の同一若しくは異なる絶縁材料を含むことができる。基板は、前記の材料のいずれか1つで作られたプリント回路基板(PCB)の板であってもよい。
【0062】
電気部品は、電気アセンブリの任意の好適な回路素子でもよい。好ましくは、電気部品は、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、増幅器、アンテナ又は発振器である。任意の好適な数及び/又は組み合わせの電気部品を電気アセンブリに接続することができる。
【0063】
電気部品は、好ましくは、ボンドによって電気伝導性トラックに接続される。ボンドは、好ましくは、はんだ接合、溶接接合、ワイヤボンド接合、導電接着剤接合、圧着接続又はプレスフィット接合である。ボンドを形成するのに好適なはんだ付け、溶接、ワイヤボンド、導電接着剤及びプレスフィットの方法は当業者には既知である。より好ましくは、ボンドは、はんだ接合、溶接接合又はワイヤボンド接合であり、はんだ接合が最も好ましい。
【0064】
本発明の態様を図1〜4に示された実施形態(図面中の同一の数字は同一又は類似の部品を指す)を参照して説明する。
【0065】
図1は、本発明の電気アセンブリの一例を示す。電気アセンブリは、絶縁材料を含む基板1、基板1の少なくとも1つの表面に存在する1つ以上の伝導性トラック2、及び少なくとも1つの伝導性トラック2に接続された少なくとも1つの電気部品3を備える。コンフォーマルコーティング4は、1つ以上の伝導性トラック2、少なくとも1つの電気部品3、並びに1つ以上の伝導性トラック及び少なくとも1つの電気部品が配置された基板1の表面5を覆う。
【0066】
図2は、図1のコンフォーマルコーティング4の好ましい例を通る断面を示す。コンフォーマルコーティングは、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面6上への堆積により得ることができる第一のポリマー7、並びに式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー7上への堆積により得ることができる第二のポリマー8を含む。場合により、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー8上への堆積により得ることができる第三のポリマー10が追加される。
【0067】
図3は、図1のコンフォーマルコーティング4の別の好ましい例を通る断面を示す。コンフォーマルコーティングは、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面6上への堆積により得ることができる第一のポリマー7、第一の式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー7上への堆積により得ることができる第二のポリマー8、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー8上への堆積により得ることができる第三のポリマー9、並びに第二の式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー9上への堆積により得ることができる第四のポリマー11を含む。場合により、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー11上への堆積により得ることができる第五のポリマー10が追加される。
【0068】
図4は、図1のコンフォーマルコーティング4の別の好ましい例を通る断面を示す。コンフォーマルコーティングは、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーの電気アセンブリの少なくとも1つの表面6上への堆積により得ることができる第一のポリマー7、第一の式(I)の化合物プラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー7上への堆積により得ることができる第二のポリマー8、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー8上への堆積により得ることができる第三のポリマー9、第二の式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー9上への堆積により得ることができる第四のポリマー11、式(I)の化合物対フルオロ炭化水素のモル比が5:95〜50:50である、式(I)の化合物及びフルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー11上への堆積により得ることができる第五のポリマー12、並びに第二の式(I)の化合物のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー12上上への堆積により得ることができる第六のポリマー13を含む。場合により、フルオロ炭化水素のプラズマ重合及び生成したポリマーのポリマー13上への堆積により得ることができる第七のポリマー10が追加される。
【0069】
本発明の態様を実施例を参照して説明する。
【実施例】
【0070】
(実施例1)
コーティングされる電気アセンブリをプラズマ堆積チャンバー内に配置し、雰囲気を50mTorrに排気した。マスフローコントローラを使用して1,4-ジメチルベンゼンをチャンバーに流量5.7sccmで導入し、マスフローコントローラを使用してヘキサフルオロプロピレンをチャンバーに流量19sccmで導入した。これにより、チャンバーにおけるヘキサフルオロプロピレン対1,4-ジメチルベンゼンの70:30のモル比を提供する。
【0071】
RF発生器のスイッチを出力300Wで入れ、プラズマを形成した。1,4-ジメチルベンゼン及びヘキサフルオロプロピレンをイオン化し、次いで反応させて電気アセンブリ上に連続的なコンフォーマルコーティングを形成した。いったん所望のコーティング厚さが形成されると、RF発生器のスイッチを切り、モノマーの流れを停止した。
【0072】
チャンバー内の真空を維持し、次いでマスフローコントローラを使用して1,4-ジメチルベンゼンガスをチャンバーに流量約19sccmで導入した。RF発生器のスイッチを出力300Wで入れ、プラズマを形成した。1,4-ジメチルベンゼンをイオン化し、次いでそれ自体と反応させて先のコーティング上に連続的なコンフォーマルコーティングを形成した。いったん所望のコーティング厚さが形成されると、RF発生器のスイッチを切り、1,4-ジメチルベンゼンの流れを停止した。
【0073】
真空を維持しながら、上述の手順を二回繰り返した。
【0074】
最後に、マスフローコントローラを使用してヘキサフルオロプロピレンガスをチャンバーに流量約27sccmで導入した。RF発生器のスイッチを出力300Wで入れ、プラズマを形成した。ヘキサフルオロプロピレンをイオン化し、次いでそれ自体と反応させて先のコーティング上に連続的なコンフォーマルコーティングを形成した。いったん所望のコーティング厚さが形成されると、RF発生器のスイッチを切り、ヘキサフルオロプロピレンの流れを停止した。
【0075】
チャンバーを大気圧にして開け、コンフォーマルコーティングを有する電気アセンブリを取り出した。
【0076】
多層コーティングの構造を下記表1に記載する。各層の厚さは、プロフィロメータを使用して測定した。
【0077】
【表1】
【0078】
(比較例1)
コーティングされる電気アセンブリをプラズマ堆積チャンバー内に配置し、雰囲気を50mTorrに排気した。マスフローコントローラを使用してヘキサフルオロプロピレンガスをチャンバーに流量27sccmで導入した。
【0079】
RF発生器のスイッチを出力300Wで入れ、プラズマを形成した。ヘキサフルオロプロピレンをイオン化し、次いで反応させて電気アセンブリ上に連続的なコンフォーマルコーティングを形成した。いったん所望のコーティング厚さが形成されると、RF発生器のスイッチを切り、モノマーの流れを停止した。
【0080】
チャンバー内の真空を維持し、次いでマスフローコントローラを使用して1,4-ジメチルベンゼンガスをチャンバーに流量約19sccmで導入した。RF発生器のスイッチを出力300Wで入れ、プラズマを形成した。1,4-ジメチルベンゼンをイオン化し、次いでそれ自体と反応させて先のコーティング上に連続的なコンフォーマルコーティングを形成した。いったん所望のコーティング厚さが形成されると、RF発生器のスイッチを切り、1,4-ジメチルベンゼンの流れを停止した。
【0081】
真空を維持しながら、上述の手順を三回繰り返し、上述のようにプラズマ重合されたヘキサフルオロプロピレンガスの層の最後の処理を行った。チャンバーを大気圧にして開け、コンフォーマルコーティングを有する電気アセンブリを取り出した。
【0082】
多層コーティングの構造を下記表2に記載する。各層の厚さは、プロフィロメータを使用して測定した。
【0083】
【表2】
【0084】
(実施例2)
実施例1及び比較例1で形成されたコーティングを、標準テープ試験を用いて、頑健性について試験した。スコッチ透明テープ(Scotch Transparent Tape)600 (1/2インチ)を、実施例1又は比較例1に従って被覆された金スライドに付け、次いでテープロールで均一な圧力で二回ならし、左から右への一度の完全な剥離で除去した。
【0085】
次いで、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を用いてコーティングが元の状態を保っているかどうか決定した。実施例1のコーティングは元の状態を保っていた(テープ試験の前後においてFTIRトレースに差異がない)。比較例1のコーティングの大部分は除去されていた(試験後のFTIRトレースがほとんどコーティングが残っていないことを示した)。このことは、実施例1のコーティングが比較例1のコーティングよりも頑強であることを実証している。
【0086】
(実施例3)
実施例1及び比較例1のコーティングを、10g/Lの塩溶液に浸漬したコーティングされたアセンブリに10Vの電位を印加することにより試験した。48時間試験(2880分)の間、コーティング間の電流漏れが100μAに達したときに、不具合(failure)を記録した。プラズマ重合された1,4-ジメチルベンゼン(表3にてPDMBと示す)の900nmの単一層又はプラズマ重合されたヘキサフルオロプロピレン(表3にてPHFPと示す)の50nmの単一層で被覆されたアセンブリも試験した。コーティングされたアセンブリの不具合までの平均時間を記録した。これらの結果を表3に記載する。
【0087】
【表3】
【0088】
これらの結果は、実施例1のコーティングが比較例1のコーティングと同様のレベルのコンフォーマルコーティングとしての保護を達成することを示している。両方の実施例1及び比較例1のコーティングは、単一層コーティング単独よりも非常に高いレベルの保護を提供する。
図1
図2
図3
図4