(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。
共振型電力伝送装置は、
図1に示すように、送信電源回路11、キャパシタ(送信側キャパシタ)12、送信アンテナ13、可変制御回路14、受信アンテナ21、キャパシタ(受信側キャパシタ)22、可変制御回路23及び受信電源回路24から構成されている。なお、送信電源回路11、キャパシタ12、送信アンテナ13及び可変制御回路14は送信側電力伝送装置を構成し、受信アンテナ21、キャパシタ22、可変制御回路23及び受信電源回路24は受信側電力伝送装置を構成する。
【0010】
送信電源回路11は、送信アンテナ13への電力の供給を制御するものである。
キャパシタ12は、スイッチ(SW)により容量値を可変とする可変型のキャパシタであり、送信アンテナ13の共振周波数を調整するものである。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。また図では、キャパシタ12が回路のホット側及びリターン側の両方に接続された場合を示しているが、どちらか一方にのみ設けてもよい。
【0011】
送信アンテナ13は、スイッチ(SW)によりコイル長が切替えられることでインダクタンス値を可変とする可変型のインダクタからなり、送信電源回路11からの電力を受信アンテナ21に伝送する共振型の電力送信アンテナである(非接触に限定されない)。この送信アンテナ13は、送信電源回路11から出力された交流(V1)を入力して、共振動作を行うことで送信電力を発生し、受信アンテナ21への電力伝送を実施する。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。
【0012】
ここで、キャパシタ12の容量値及び送信アンテナ13のインダクタンス値は、スイッチにより、KHz帯からMHz帯の範囲で送信アンテナ13の共振周波数を切替えることができる値に設定されている。ここで、共振周波数f0は、f0=1/2π√(LC)の関係式で表される。すなわち、共振周波数f0を高く設定する場合には、インダクタンス値L及び容量値Cを小さくする。一方、共振周波数f0を低く設定する場合には、インダクタンス値L及び容量値Cを大きくする。
【0013】
可変制御回路14は、キャパシタ12のスイッチ及び送信アンテナ13のスイッチの切替え動作を制御することで、送信アンテナ13の共振周波数を切替えるものである。この可変制御回路14は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行されるよう構成してもよい。
【0014】
受信アンテナ21は、スイッチ(SW)によりコイル長が切替えられることでインダクタンス値を可変とする可変型のインダクタからなり、送信アンテナ13からの電力を受信する共振型の電力受信アンテナである(非接触に限定されない)。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。この受信アンテナ21により受信された電力は受信電源回路24を介して負荷機器など(不図示)に供給される。
【0015】
キャパシタ22は、スイッチ(SW)により容量値を可変とする可変型のキャパシタであり、受信アンテナ21の共振周波数を調整するものである。なお、スイッチとしては、リレー、トランジスタ又はフォトカプラ等が挙げられる。また図では、キャパシタ22が回路のホット側及びリターン側の両方に接続された場合を示しているが、どちらか一方にのみ設けてもよい。
【0016】
ここで、キャパシタ22の容量値及び受信アンテナ21のインダクタンス値は、スイッチにより、KHz帯からMHz帯の範囲で受信アンテナ21の共振周波数を切替えることができる値に設定されている。すなわち、共振周波数f0を高く設定する場合には、インダクタンス値L及び容量値Cを小さくする。一方、共振周波数f0を低く設定する場合には、インダクタンス値L及び容量値Cを大きくする。なお、受信アンテナ21の共振周波数は、送信アンテナ13と同じ共振周波数に設定される。
【0017】
可変制御回路23は、キャパシタ22のスイッチ及び受信アンテナ21のスイッチの切替え動作を制御することで、受信アンテナ21の共振周波数を切替えるものである。この可変制御回路23は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行されるよう構成してもよい。
受信電源回路24は、受信アンテナ21と負荷機器間に配置され、受信アンテナ21により受信された電力(交流出力)を整流するものである。
【0018】
なお、無線電力伝送の場合における共振型電力伝送装置の伝送方式は特に限定されるものではなく、磁界共鳴による方式、電界共鳴による方式、電磁誘導による方式のいずれであってもよい。
また
図1では、非接触型の共振型電力伝送装置を想定し、可変制御回路14,23を送受側で別に設けた場合について示したが、共通化してもよい。
【0019】
次に、上記のように構成された共振型電力伝送装置による共振周波数の切替え動作について、
図2を参照しながら説明する。なお以下では、共振周波数をKHz帯とMHz帯の2パターンに切替える場合について示す。
共振型電力伝送装置の共振周波数をKHz帯に設定する場合には、
図2(a)に示すように、可変制御回路14,23は、送受信アンテナ13,21のコイル長が長くなるよう(
図2(a)の例ではターン数が2巻きとなるよう)にスイッチを切替え、かつキャパシタ12,22の接続数を増やすようにスイッチを切替える。これにより、インダクタンス値及び容量値を大きくすることができ、共振周波数をKHz帯に設定することができる。
【0020】
一方、共振型電力伝送装置の共振周波数をMHz帯に設定する場合には、
図2(b)に示すように、可変制御回路14,23は、送受信アンテナ13,21のコイル長が短くなるよう(
図2(b)の例ではターン数が1巻きとなるよう)にスイッチを切替え、かつキャパシタ12,22の接続数を減らすようにスイッチを切替える。これにより、インダクタンス値及び容量値を小さくすることができ、共振周波数をMHz帯に設定することができる。
【0021】
なお上記では、共振周波数をKHz帯からMHz帯の範囲で2パターンに切替える場合について示したが、これに限るものではなく、さらにスイッチを設けて3パターン以上に切替えるように構成してもよい。
【0022】
また上記では、キャパシタ12,22として可変型のキャパシタを用いた場合を示したが、容量値が固定のものを用いてもよい。この場合、可変制御回路14,23は、送受信アンテナ13,21のコイル長のみを切替えて共振周波数の切替えを行う。
【0023】
また上記では、可変制御回路14,23を作業者が操作し、共振周波数の切替えを行う場合を想定している。それに対し、例えばMHz帯の共振周波数に設定された送信側電力伝送装置が備え付けられており、これに本発明の受信側電力伝送装置を近づけた際に自動的に受信側の共振周波数をMHz帯に切替えて電力伝送を行えるように構成してもよい。
この場合には、
図3に示すように、受信側電力伝送装置に、外部(送信側電力伝送装置)からの電力の伝送を検出する電力検出回路25を追加する。そして、可変制御回路23は、電力検出回路25による電力の検出があるまで、受信アンテナ21の共振周波数の切替えを行う。
【0024】
なお
図3では、受信側電力伝送装置に電力検出回路25を設け、受信アンテナ21の共振周波数を自動で切替える構成について示した。それに対し、逆に、送信側電力伝送装置に電力検出回路を設け、送信アンテナ13を自動で切替えるように構成してもよい。
【0025】
以上のように、この実施の形態1によれば、送受信アンテナ(共振コイル)13,21自身の形状を変形させ、さらに可変インピーダンス素子(キャパシタ12,22)を装荷して共振周波数を可変するように構成したので、各周波数帯専用のアンテナに置き換えることなく、KHz帯からMHz帯の範囲で共振周波数を可変とすることができる。これにより、従来の各周波数帯専用のアンテナが不要となるため、コストを低減することができる。また、アンテナの置き換えが不要なため、装置を小型化及び軽量化することができる。
なお、本発明は、Qi規格のKHz帯でのワイヤレス電力伝送と、今後普及することが想定されるMHz帯でのワイヤレス電力伝送に対し、コンパチブルに扱うことができる装置として活用することが可能である。
【0026】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。この
図4に示す実施の形態2に係る共振型電力伝送装置は、
図1に示す実施の形態1に係る共振型電力伝送装置に可変インダクタ(可変インピーダンス素子)L11,L21を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
可変インダクタ(送信側可変インピーダンス素子)L11は、送信アンテナ13に直列接続され、電子部品によりインダクタンス値を可変とする素子である。また、可変インダクタ(受信側可変インピーダンス素子)L21は、受信アンテナ21に直列接続され、電子部品によりインダクタンス値を可変とする素子である。
なお、可変制御回路14は、実施の形態1の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変インダクタL11のインダクタンス値を制御する。また、可変制御回路23は、実施の形態1の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変インダクタL21のインダクタンス値を制御する。
この可変インダクタL11,L21により共振周波数の微調整を行うことができる。
【0028】
次に、可変インダクタL11,L21の構成例について、
図5〜7を参照しながら説明する。
図5は、電子部品としてモータ制御回路201を用い、このモータ制御回路201によりコイル202の磁路長を自動で可変させるタイプの可変インダクタである。この構成では、可変制御回路14,23により、モータ制御回路201を駆動させてコイル202の磁路長を物理的に可変させることで、インダクタンス値(L値)を可変させる。なお
図5(a),(b)において、コイル202のターン数は同じである。
【0029】
また
図6は、電子部品としてリレー、トランジスタ又はフォトカプラ等のスイッチ203を用い、このスイッチ203によりコイル202の並列接続を自動で可変するタイプの可変インダクタである。この構成では、並列接続された各コイル202にスイッチ203を接続し、可変制御回路14,23により各スイッチ203のON/OFFを切替えて、又はパルス幅変調(PWM)等を切替えて、コイル202の並列接続を可変させることで、インダクタンス値を可変させる。
【0030】
また
図7は、電子部品としてリレー、トランジスタ又はフォトカプラ等のスイッチ203を用い、このスイッチ203によりコイル202の巻き数を自動で調整するタイプの可変インダクタである。この構成では、コイル202の各巻き数点にスイッチ203を接続し、可変制御回路14,23により各スイッチ203のON/OFFを切替えて、又はパルス幅変調(PWM)等を切替えて、コイル202の巻き数を可変させることで、インダクタンス値を可変させる。
【0031】
なお
図4では、可変インピーダンス素子として可変インダクタL11,L21を用いた場合について示したが、例えば
図8に示すような容量値を可変とする可変キャパシタを用いてもよく、同様の効果を得ることができる。
図8は、電子部品としてリレー、トランジスタ又はフォトカプラ等のスイッチ204を用い、このスイッチ204によりキャパシタ205の並列接続を自動で可変するタイプの可変型キャパシタである。この構成では、並列接続された各キャパシタ205にスイッチ204を接続し、可変制御回路14,23により各スイッチ204のON/OFFを切替えて、又はパルス幅変調(PWM)等を切替えて、キャパシタ205の並列接続を可変させることで、容量値を可変させる。
【0032】
以上のように、この実施の形態2によれば、送受信アンテナ13,21に直列に可変インピーダンス素子を接続するように構成したので、実施の形態1の効果に加え、送受信アンテナ13,21の共振周波数を微調整することができる。
【0033】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。この
図9に示す実施の形態3に係る共振型電力伝送装置は、
図4に示す実施の形態2に係る共振型電力伝送装置に可変キャパシタ(可変インピーダンス素子)C12,C13,C22,C23を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
可変キャパシタ(送信側可変インピーダンス素子)C12,C13は、送信アンテナ13に並列接続され、電子部品により容量値を可変とする素子である。また、可変キャパシタ(受信側可変インピーダンス素子)C22,C23は、受信アンテナ21に並列接続され、電子部品により容量値を可変とする素子である。なお、可変キャパシタC12,C13,C22,C23の構成例としては、
図8に示す構成が挙げられる。
また、可変制御回路14は、実施の形態2の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変キャパシタC12,C13の容量値を制御する。また、可変制御回路23は、実施の形態2の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変キャパシタC22,C23の容量値を制御する。
【0035】
この可変キャパシタC12,C13,C22,C23及び可変インダクタL11,L21からなるπ型回路により、共振周波数の微調整を行うことができ、また、インピーダンス整合を行うことができる。
【0036】
なお
図9では、送受信アンテナ13,21に並列に可変キャパシタC12,C13,C22,C23を接続した場合について示したが、送受信アンテナ13,21に並列に可変インダクタを接続してもよく、同様の効果を得ることができる。
また
図9では、送受信アンテナ13,21に直列に可変インダクタL11,L21も接続してπ型回路を構成した場合について示したが、この可変インダクタL11,L21は必須の構成ではなく設けなくてもよい。
【0037】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。この
図10に示す実施の形態4に係る共振型電力伝送装置は、
図1に示す実施の形態1に係る共振型電力伝送装置に電力検出回路15,26を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
電力検出回路15は、自機からの電力の漏れ又は外部からの電力の漏れを検出するものである。この電力検出回路15による検出結果を示す信号は可変制御回路14に出力される。また、電力検出回路26は、自機からの電力の漏れ又は外部からの電力の漏れを検出するものである。この電力検出回路26による検出結果を示す信号は可変制御回路23に出力される。
なお、可変制御回路14は、実施の形態1での機能に加え、電力検出回路15により電力の漏れが検出された場合に、送信アンテナ13の共振周波数を切替える。また、可変制御回路23は、実施の形態1での機能に加え、電力検出回路26により電力の漏れが検出された場合に、受信アンテナ21の共振周波数を切替える。
【0039】
また
図10では、非接触型の共振型電力伝送装置を想定し、電力検出回路15,26を送受側で別に設けた場合について示したが、共通化してもよい。
【0040】
次に、上記のように構成された共振型電力伝送装置による共振周波数の切替え動作について、
図10,11を参照しながら説明する。
まず、
図10に示すように、共振周波数がKHz帯に設定された1つの共振型電力伝送装置(第1の共振型電力伝送装置1aとする)が存在しているとする。そこに、共振周波数が同じくKHz帯に設定された共振型電力伝送装置(第2の共振型電力伝送装置1b)が近接すると、電力の漏洩が生じ、相互干渉を起こすことになる。そこで、第1の共振型電力伝送装置1aにおいて、電力検出回路15,26は上記電力の漏洩を検出し、可変制御回路14,23は第1の共振型電力伝送装置1aの共振周波数をKHz帯からMHz帯に切替えるように動作する(
図11に示す状態)。このように、複数の共振型電力伝送装置が近接した場合にも装置毎に自動で共振周波数を変えることで、相互干渉を防止することができる。
【0041】
また、同一の共振周波数に設定された複数の共振型電力伝送装置が近接している場合であっても、一方の電力伝送を逆位相で行うことで相互干渉を回避することができる。しかしながら、この状態において一方を非伝送設定とすると、逆位相の関係が崩れ、伝送設定の共振型電力伝送装置から電力の漏洩が生じてしまう。そこで、
図12に示すように、送受信アンテナ13,21をスイッチによりオープンさせるように切替え可能に構成し、非伝送設定となっている共振型電力伝送装置(
図12では第1の共振型電力伝送装置1a)の可変制御回路14,23にて当該スイッチを切替えて送受信アンテナ13,21をオープンさせる。これにより、電力の漏洩を回避することができる。
【0042】
なお
図12では、送受信アンテナ13,21をオープンさせることで電力の漏洩を回避する構成について示したが、送受信アンテナ13,21をショートさせてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0043】
また上記では、送受信アンテナ13,21をオープン又はショートさせることで電力の漏洩を回避する構成について示した。それに対し、
図13に示すように、キャパシタ12,22をスイッチによりオープンさせるように切替え可能に構成し、非伝送設定となっている共振型電力伝送装置の可変制御回路14,23にて当該スイッチを切替えてキャパシタ12,22をオープンさせるようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。また、キャパシタ12,22をショートさせてもよい。
【0044】
以上のように、この実施の形態4によれば、近接する共振型電力伝送装置間での漏洩電力を検出して共振周波数を変えるように構成したので、実施の形態1における効果に加えて、共振型電力伝送装置が複数近接することによる相互干渉を回避することができる。また、非伝送設定の共振型電力伝送装置の共振周波数を大幅にずらすことで、近接する伝送設定の共振型電力伝送装置との相互干渉を回避することができる。よって、複数系統において、独立した電力伝送が可能となる。
【0045】
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。この
図14に示す実施の形態5に係る共振型電力伝送装置は、
図10に示す実施の形態5に係る共振型電力伝送装置に可変インダクタ(可変インピーダンス素子)L11,L21を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
可変インダクタ(送信側可変インピーダンス素子)L11は、送信アンテナ13に直列接続され、電子部品によりインダクタンス値を可変とする素子である。また、可変インダクタ(受信側可変インピーダンス素子)L21は、受信アンテナ21に直列接続され、電子部品によりインダクタンス値を可変とする素子である。なお、可変インダクタL11,L21の構成例としては、
図5〜7に示す構成が挙げられる。
また、可変制御回路14は、実施の形態4の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変インダクタL11のインダクタンス値を制御する。また、可変制御回路23は、実施の形態4の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変インダクタL21のインダクタンス値を制御する。
この可変インダクタL11,L21により共振周波数の微調整を行うことができる。
【0047】
なお
図4では、可変インピーダンス素子として可変インダクタL11,L21を用いた場合について示したが、例えば
図8に示すような容量値を可変とする可変キャパシタを用いてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0048】
以上のように、この実施の形態5によれば、送受信アンテナ13,21に直列に可変インピーダンス素子を接続するように構成したので、実施の形態4の効果に加え、送受信アンテナ13,21の共振周波数を微調整することができる。
【0049】
実施の形態6.
図15はこの発明の実施の形態6に係る共振型電力伝送装置の構成を示す図である。この
図15に示す実施の形態6に係る共振型電力伝送装置は、
図4に示す実施の形態5に係る共振型電力伝送装置に可変キャパシタ(可変インピーダンス素子)C12,C13,C22,C23を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
可変キャパシタ(送信側可変インピーダンス素子)C12,C13は、送信アンテナ13に並列接続され、電子部品により容量値を可変とする素子である。また、可変キャパシタ(受信側可変インピーダンス素子)C22,C23は、受信アンテナ21に並列接続され、電子部品により容量値を可変とする素子である。なお、可変キャパシタC12,C13,C22,C23の構成例としては、
図8に示す構成が挙げられる。
また、可変制御回路14は、実施の形態5の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変キャパシタC12,C13の容量値を制御する。また、可変制御回路23は、実施の形態5の機能に加え、上記電子部品を制御することで可変キャパシタC22,C23の容量値を制御する。
【0051】
この可変キャパシタC12,C13,C22,C23及び可変インダクタL11,L21からなるπ型回路により、共振周波数の微調整を行うことができ、また、インピーダンス整合を行うことができる。
【0052】
なお
図15では、送受信アンテナ13,21に並列に可変キャパシタC12,C13,C22,C23を接続した場合について示したが、送受信アンテナ13,21に並列に可変インダクタを接続してもよく、同様の効果を得ることができる。
また
図15では、送受信アンテナ13,21に直列に可変インダクタL11,L21も接続してπ型回路を構成した場合について示したが、この可変インダクタL11,L21は必須の構成ではなく設けなくてもよい。
【0053】
また実施の形態4では、非伝送設定の共振型電力伝送装置において、送受信アンテナ13,21又はキャパシタ12,22をオープン又はショートさせることで、電力の漏洩を回避する構成について示した。それに対し、
図15に示す構成において、可変インダクタL11,L21及び可変キャパシタC12,C22をスイッチによりオープン又はショートさせるように切替え可能に構成し、非伝送設定となっている共振型電力伝送装置の可変制御回路14,23にて当該スイッチを切替えて可変インダクタL11,L21及び可変キャパシタC12,C22をオープン又はショートさせるようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。なお、上記回路をショートさせる場合、その際の送受信アンテナ13,21のインダクタンス値及びキャパシタ12,22の容量値により共振周波数のずれ量が変化する。しかしながら、そのずれ量が大きい場合には、電力の漏洩を回避することができるため、有効であると考えられる。
【0054】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。