【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、解決手段として、請求項1に記載した特徴的構成を有する電気化学ガスセンサと、請求項15に記載した、このようなガスセンサの使用方法が提供される。別の複数の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0009】
特に本発明では、ハウジングと、複数の電極、すなわち少なくとも1つの作用電極及び少なくとも1つの対向電極と、液体の電解質と、を備えた電気化学ガスセンサが提供され、複数の電極のうちの少なくとも1つ及び/又はハウジングは、少なくとも部分的には吸収剤組成物から構成されている。
【0010】
本発明の関連においてハウジングとは一般的に、ガスセンサを外部に対して囲うこのガスセンサの部分のことである。このハウジングは一般的に、外側が周囲空気と接触しており、かつ、内側が電解質及び電極用の収容部を構成している。
【0011】
吸収剤組成物とは、少なくとも1つの吸収剤を有する組成物のことであると理解され、ここでこの吸収剤は、この吸収剤と、対向電極に発生する少なくとも1つの反応生成物とが反応できるように形成されている。したがって本発明において吸収剤組成物は、最も簡単なケースでは1つの吸収剤だけから構成することが可能である。しかしながら吸収剤組成物は有利には、吸収剤の他に、以下で詳しく説明する別の成分を含有する。
【0012】
上記のような電気化学センサにおいて、分析すべきガスは基本的にまず作用電極において拡散する。このガスはここで還元される。この際に発生する反応生成物は、イオンとして対向電極に移動し、この対向電極において再度酸化される(逆反応)。
【0013】
したがって上記のハウジングにおいて、分析すべきガスは、拡散路を辿り、まず周囲空気からこの拡散路を進行するうちに電解質に達する。この拡散路の端部において、対向電極で形成された反応生成物が、ハウジングから再度流れ出す。最も簡単なケースにおいてハウジングは、周囲とのガス交換のための少なくとも1つの開口部と、複数の電極が配置されかつ電解質が充填された反応室とを有する。この場合に分析すべきガスの拡散路は、例えば上記の開口部を通って反応室内に通じている。反応室において、電解質に溶融した分析すべきガスは、正反応が行われる作用電極へと流れる。同時に対向電極では、逆反応中に形成されかつ同様に電解質に溶融したガスが、拡散して開口部に戻り、そこからセンサを出る。ハウジングがガス入口とガス出口とを有することも考えられ、この際には拡散路が、ガス入口から作用電極に通じており、また対向電極からガス出口に通じている。
【0014】
吸収剤を設ける場合には、逆反応の際に形成されるガスを吸収することができる。これによって、このガスが対向電極に集まることも、このガスが周囲に放出されることも共に阻止することができる。
【0015】
上記の吸収剤組成物は特に、対向電極における反応の際に発生する反応生成物を吸収することができる。これにより、例えば、この吸収が行われなければ、対向電極における反応生成物の濃縮によって発生してしまい得る信号の急峻な変化を阻止することができる。ここでは、対向電極において発生した反応生成物が、上で説明した拡散路に沿ってガスセンサ内で移動する場合に、この反応生成物と吸収剤組成物とが接触するように、吸収剤組成物がガスセンサに配置されている。
【0016】
例えば、複数の電極のうちの1つを吸収剤組成物から構成することが考えられる。複数の電極のうちの1つが、1つ以上の吸収剤組成物から構成される1つ以上の部分を有することも考えられる。言い換えると、複数の電極のうちの少なくとも1つが吸収剤組成物を有することが考えられる。
【0017】
特に好適であるのは、吸収剤組成物が、対向電極に接して、又は対向電極内に配置されることである。この際には、例えば、対向電極を吸収剤組成物から構成することが考えられる。これにより、対向電極で発生する反応生成物をこの対向電極において直接捉えることができる。
【0018】
例えば、作用電極における正反応においてまずフッ化物が発生し、このフッ化物が対向電極において反応してHFになることが考えられる。しかしながらガスセンサからのHFの放出は一般的に望ましくない。それはHFが極めて有毒で腐食性を有するからである。さらに放出されたHFがセンサに集まると、このHFは、上で説明したセンサドリフトに結び付き得る。したがって対向電極において形成されるHFと、対向電極の吸収剤組成物に含有される吸収剤とが反応できると有利である。例えば、この反応において上記のHFを、沈殿する固体に変化させることが考えられる。
【0019】
ハウジングの少なくとも一部分を吸収剤組成物から構成することも考えられる。この際に有利には、電解質と接触する吸収剤組成物からハウジングの一部分を構成する。これにより、例えば対向電極において形成されるHFを、又は別の反応生成物も、ガスセンサの周囲に放出される前に電解質から取り出すことができる。したがって例えば、ハウジングが、ガス出口を構成する凹部であって、上記の吸収剤組成物の全体又はその一部分が配置される凹部を有すると好適である。
【0020】
例えば吸収剤組成物を、栓の形態でガス出口に配置することが可能である。この際に吸収剤組成物はフィルタを構成することができ、ガスセンサから流れ出るガスがこのフィルタを必ず通って流れるようにする。吸収剤組成物に含有される吸収剤は、反応生成物と反応し得るため、周囲への放出を効果的に阻止することができる。上記の吸収剤組成物は同時に、電解質が充填されている反応室の外側の囲いを構成することが可能である。
【0021】
複数の電極のうちの1つ又は複数を吸収剤組成物から構成するか、又はハウジングの一部、例えばガス出口を吸収剤組成物から構成することが考えられる。複数の電極のうちの少なくとも1つも、ハウジングの一部も共に吸収剤組成物から構成することも考えられる。さらに、複数の電極のうち1つ又は複数を第1吸収剤組成物から構成するのに対し、ハウジングの一部分を第2吸収剤組成物から構成することが考えられる。
【0022】
吸収剤組成物が、少なくとも1つの吸収剤、少なくとも1つの担体材料及び少なくとも1つの添加物を有すると好適である。上記の吸収剤は有利には、対向電極において発生する少なくとも1つの反応生成物と反応し得る材料又は材料混合物である。それぞれの具体的な組成の選択は、第1には対向電極においてどの反応生成物が予想されるかに依存し、第2にはこの吸収剤組成物を、電極材料として及び/又は例えばガス出口におけるフィルタのようなハウジングの構成部分として使用するか否かに依存し得る。いずれの場合も吸収剤組成物は、吸収剤、担体材料及び添加物からなる材料複合物であってよい。
【0023】
電極材料として吸収剤組成物を使用する場合、この吸収剤組成物は有利には、以下でアクティブ電極材料と称する材料も、以下でパッシブ電極材料と称する材料も共に含有する。ここでアクティブ電極材料とは、電気化学的に活性に作用しかつ各電極で発生する、ガスセンサの電気化学反応に関与する材料のことと理解される。この関連においてパッシブ電極材料とは、本来の意味での電気化学反応に関与しない材料のことであると理解される。本来の意味での電気化学反応とは、分析すべきガスと作用電極との間の反応、ないしは対向電極における逆反応のことと理解される。例えば、吸収剤組成物の添加物は、アクティブ電極材料であってよい。例えばアクティブ電極材料を炭素から構成することが考えられる。しかしながら当然、別の材料、例えば金属、有利には例えば白金、イリジウム又は金のような貴金属をアクティブ電極材料として使用することも可能である。有利な実施形態において、吸収剤組成物は、添加物としてカーボンナノチューブを有する。カーボンナノチューブは、アクティブ電極材料として使用され、かつ、電極の導電性及び反応性を確保する。
【0024】
上記の担体材料及び/又は吸収剤は、パッシブ電極材料であってよい。
【0025】
特に吸収剤組成物を電極材料として使用する場合、さらに好適であるのは、この吸収剤組成物が、電解質において難溶性又は不溶性の吸収剤を含有している場合である。好適であるのは、電解質において吸収剤が難溶性であるか又は特に好適には不溶性である場合である。これにより、吸収剤組成物が、したがって電極材料が次第に溶融してしまうことを阻止することができる。これに対し、発生する反応生成物に対しては、溶解度を最小にすべきであり、これによってこの反応生成物が、完全に不溶性ではなく、有利には容易に溶解しないようにする。これにより、電極表面は、反応生成物の溶解によってわずかな量ではあるが連続して再生することが可能である。この際に緩慢ではあるが連続した吸収材料のこの溶融は、十分に緩慢かつ長い期間にわたって行われるため、ガスセンサの全体寿命に対して電極材料の消費が決定的要因にならず理想である。同時に緩慢ではあるが連続した表面再生により、反応生成物による電極表面へのダメージを阻止することができる。
【0026】
さらに、吸収剤組成物が、炭酸塩化合物、有利にはアルカリ炭酸塩化合物又はアルカリ土類金属炭酸塩化合物、特に有利にはBaCO
3を吸収剤として含有すると有利である。これは特に、検出すべきガスが、上で定めたような酸性ガスである場合には有利である。例えば、対向電極において形成されるHFは、以下の反応式に対応してBaCO
3と反応してBaF
2及びH
2CO
3になり得る。この際に、形成されるBaF
2は固体として沈殿する。すなわち、
2HF+BaCO
3→BaF
2↓+H
2CO
3
である。
【0027】
この際に沈殿したBaF
2は確かに対向電極に又は対向電極内に付着するが、その際に対向電極を汚染することはない(すなわち電極の表面にダメージを与え、ひいては別の複数の反応に対してこの表面を密閉することはない)。
【0028】
吸収剤組成物が、担体材料として、ファイバ状の材料、有利にはマイクロファイバ状の材料、特に有利にはグラスファイバ、マイクロファイバ及び/又はナノファイバ、有利にはポリママイクロファイバ及び/又はポリマナノファイバを含むことも有利である。この担体材料上には、吸収剤組成物に含有されている吸収剤を被着することができる。例えば担体材料を吸収剤でコーティングすることが考えられる。しかしながら特に有利であるのは、吸収剤組成物が、粉砕した担体材料及び粉末状の吸収剤ならびに添加物からなる混合物の場合である。この混合物を、例えば、はじめに果肉のようなペースト状の塊として作製し、つぎに所望の形状(例えば電極、フィルタ又はガス出口用の栓として)にすることが可能である。担体材料によって保証されるのは、吸収剤及び各添加物からなる混合物が、一方では有効な複合物を構成することができ、他方では所望の形状にするため、十分に成形できるようになることである。第1実施形態において担体材料はグラスファイバ材料であってよい。担体材料が、ナノファイバもしくはマイクロファイバ、又は、ポリマもしくはポリマ混合物製のナノファイバ及びマイクロファイバからなる複合物であることも考えられ、例えば、電界紡糸又は融解紡糸したナノファイバ、ナノファイバフリース、マイクロファイバもしくはマイクロファイバフリースであることが考えられ、又はナノファイバ及びマイクロファイバからなる粉砕された複合物フリースであることも考えられる。
【0029】
これに対して吸収剤組成物をハウジングの領域の材料だけとして使用しようとする場合、吸収剤組成物が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はPTFE誘導体を添加物として有すると有利になり得る。この添加物は、吸収剤組成物を通したガスの拡散を容易にして、これを改善することが可能である。例えば、PTFE又はPTFE誘導体をPTFEファイバとすることも考えられる。
【0030】
さらに酸性ガス、特にハロゲン水素ガスを検出するために有利であるのは、電解質が、有機溶媒及び支持塩を含有する組成物であり、有利には、キノイド系を含有する有機溶媒と、有機カチオンを有する支持塩とを含有する組成物である場合である。例えば有機溶媒を、アルキレンカーボナート、アルキレンカーボナート混合物、及び/又はブチロラクトンを含有する群から選択し、有利にはプロピレンカーボナート、エチレンカーボナート、又はプロピレンカーボナート及びエチレンカーボナートからなる混合物を含有する群から選択することができる。有機溶媒がスルホランであると特に有利である。
【0031】
上記の支持塩は、例えばイオン液体であってよい。有利にはこの支持塩のアニオンは、ハロゲン化物、カーボナート、スルホナート、ホスファート及び/又はホスホナートを含む群から選択され、有利には、アルキルスルホナート、アルケニルスルホナート、アリールスルホナート、アルキルホスファート、アルケニルホスファート、アリールホスファート、置換アルキルスルホナート、置換アルケニルスルホナート、置換アリールスルホナート、置換アルキルホスファート、置換アルケニルホスファート、置換アリールホスファート、ハロゲン化ホスファート、ハロゲン化スルホナート、ハロゲン化アルキルスルホナート、ハロゲン化アルケニルスルホナート、ハロゲン化アリールスルホナート、ハロゲン化アルキルホスファート、ハロゲン化アルケニルホスファート、ハロゲン化アリールホスファートを含む群から選択されたアニオンであり、特に有利には、フルオロホスファート、アルキルフルオロホスファート、アリールスルホナートを含む群から選択されたアニオンであり、特に極めて有利にはペルフルオロアルキルフルオロホスファート、トルエンスルホネートを含む群から、選択されたアニオンである。
【0032】
ここで有利であるのは、支持塩がカチオンとして金属イオン及びオニウムイオン、又は金属イオン及びオニウムイオンの混合物を含有する場合である。例えば金属イオンは、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンから、有利にはLi、K及び/又はNaから選択可能である。オニウムイオンが、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、グアニジニウムカチオン及び複素環式カチオンから選択され、有利にはアルキルアンモニウムカチオン及び複素環式カチオンから選択され、特に有利にはアルキルアンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン及び/又は置換イミダゾリウムイオンから選択されると好適であり、この置換イミダゾリウムイオンは有利には化学式II
【化1】
に対応する構造を有しており、ただしR1、R2、R3、R4及びR5は、−H、1〜20個のC原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル、2〜20個のC原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル、1つ以上の二重結合、2〜20個のC原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニル、1つ以上の三重結合、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換可能な、飽和、部分不飽和又は完全不飽和の3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、飽和、部分不飽和又は完全不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C6−アルキル、又はアリール−C1〜C6−アルキルから互いに依存せずに選択することができ、特に有利にはR2、R4及びR5は、Hであり、R1及びR3はそれぞれ互いに依存しない、1〜20個のC原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルである。
【0033】
例えば特に考えられるのは、支持塩として、テトラブチルアンモニウムトルエンスルホナート又は1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウム−トリス(ペンタフルオロエチル)−トリフルオロホスファートを使用することである。特に有利であるのは、電解質が、溶媒、支持塩及び/又は有機媒介物、ペルフルオルアルキルフルオロホスファート−アニオンを有する、イオン液体及びアルキルアンモニウム−トルエンスルホナート、からなる混合物である場合である。
【0034】
さらに上記の有機媒介物が、酸化時にキノイド系又はナフタレン系を形成するポリヒドロキシ化合物であると有利である。例えば上記の有機媒介物を、オルト−ジヒドロキシベンゼン、パラ−ジヒドロキシベンゼン、置換オルト−ジヒドロキシベンゼン、及び置換パラ−ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタリン、置換ジヒドロキシナフタリン、アントラヒドロキノン、置換アントラヒドロキノン、有利には1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,4ジヒドロキシベンゼン、ナフトヒドロキノン、置換1,2−ジヒドロキシベンゼン又は1,4ジヒドロキシベンゼン、置換ヒドロキノン、置換ナフトヒドロキノン、置換アントラヒドロキノン、特に有利には置換ヒドロキノン、置換1,2−ジヒドロキシベンゼン、を含む群から選択することができる。特に有利であるのは、置換アントラキノン、置換1,2−ジヒドロキシベンゼン及び/又は置換1,4−ヒドロキノンの置換基を、スルホニル、tert−ブチル、ヒドロキシ、アルキル、アリール、有利には及び/又はtert−ブチルを含む群から選択する場合である。
【0035】
別の実施形態では、対向電極をロッド状にすることが考えられる。少なくとも部分的に吸収剤組成物からこの対向電極を構成することが可能である。さらに、作用電極が、このロッド状の対向電極をチューブ状に包囲することが考えられる。例えば作用電極を単純に対向電極の周りに巻き付けることができる。作用電極をチューブとして形成して、ロッド状の対向電極にずらすことも考えられる。この際に好適であるのは、対向電極と作用電極との間に少なくとも1つの分離層、有利には親水性の分離層及び/又は電解質をしみ込ませた分離層を配置する場合である。
【0036】
別のすべての考えられ得る実施形態においても、対向電極と作用電極との間に1つ以上の分離層を配置することが考えられる。同様にこの分離層も有利には親水性であり、及び/又はこの分離層にも電解質がしみ込んでいる。
【0037】
いずれの場合もこの分離層は、電解質タンクに液体的に接続されている。例えば、複数の電極が配置されている反応室と、液体の電解質が含まれている電解質タンクとを有するように、上記のガスセンサを形成することが可能である。これにより、分離層を用いて、電解質を電解質タンクから電極に導くことができる。分離層は、有利には反応室を越えて電解質タンクまで延在している。分離層はこれによって吸上作用を有することができ、この吸上作用によって電解質が電極に輸送される。したがって分離層は吸上作用を有し得る。言い換えると、分離層は、電解質タンクと電極との間に電解質供給部を構成できることがわかる。電解質が分離層の吸上作用によって輸送される距離を可能な限りに短く保つため、分離層に電解質チャネルを形成することが考えられる。例えば、分離層によって覆われる電極に対して平行かつこの電極の側方に電解質チャネルを形成することが考えられる。
【0038】
これらのすべての実施例において、ガスセンサがさらに保護電極を有することも考えられる。この際に特に好適であるのは、作用電極と対向電極との間にこの保護電極を配置する場合である。この保護電極は、例えば、対向電極において発生したガスが、逆に作用電極に達することがあり、そこで誤った信号を生じさせることを阻止することができる。この際に目的に適っているのは、対向電極と保護電極との間に、例えばグラスファイバフリースの形態の拡散制限分離層を配置する場合である。
【0039】
ガスセンサはさらに基準電極を有していてよい。例えば、平坦に形成した基準電極を作用電極の側方に、及び/又は、対向電極の側方に配置することができる。
【0040】
本発明によるガスセンサの考えられ得るすべての実施形態は、酸性ガス及び/又は酸性ガスを含有するガス混合物を検出するため、有利にはHF、HCl及び/又は酢酸を検出するために特に好適である。ここでは上記の吸収剤組成物を用いて、対向電極において形成されるHF及び/又はHClが放出され得ることを効果的に阻止することができる。したがって対応するガスセンサを使用することの利点は、特にこのセンサが持続的な燻蒸に対して耐性を有することである。このようなセンサは、測定信号の良好な減衰特性を示し、すなわち燻蒸の終わりにこのセンサは迅速に再びゼロ値を示す。持続的な燻蒸の際の測定信号のドリフトの発生を可能な限りに阻止することができる。さらに本発明によるこのようなガスセンサを使用することの利点は、このセンサから有毒ガス及び/又は腐食性ガスが放出されないことである。
【0041】
別の複数の特徴、詳細及び個別の事項は、以下で説明する複数の図面及び実施例から得られる。これらの実施例は単に例示的なものであり、当業者にとっては、ここに示した説明に基づけば、問題なく別の複数の変形形態及び実施例が得られることが明らかである。