(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可変コンデンサを有するアンテナに適用される可変コンデンサに基づくアンテナ調整方法であって、前記可変コンデンサを有する前記アンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートし、
前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する段階と、
前記第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうか決定する段階であって、前記第1の放射条件は、前記第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は前記第1信号強度が第1閾値より小さくないことを含む、段階と、
前記第1信号強度が前記第1の放射条件を満たす場合、前記可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整する段階とを備え、
前記事前設定された静電容量値は、第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は第2の静電容量値に等しく、前記第1の静電容量値は、前記第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、前記第2の静電容量値は、前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である、
アンテナ調整方法。
前記第1信号強度が前記第2の放射条件を満たさない場合、前記可変コンデンサの前記静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整する段階であって、前記事前設定された静電容量値は前記第1の事前設定された静電容量値を含み、前記第1の事前設定された静電容量値は、前記第1の静電容量値と前記第2の静電容量値との間にある、段階か、又は、
前記第1信号強度が前記第2の放射条件を満たさない場合、前記第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定する段階、及び、
前記第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たす場合、前記可変コンデンサの前記静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整する段階かを更に備え、
前記第2のリサイクリング条件は、前記第1信号強度が第2リサイクリング閾値より小さいか、又は前記第1信号強度が第2リサイクリング閾値より大きくないことと、前記第2リサイクリング閾値が、前記第1閾値と前記第2閾値との間にあることとを含む、
請求項4に記載のアンテナ調整方法。
可変コンデンサを有するアンテナに適用される可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置であって、前記可変コンデンサを有する前記アンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートし、
前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する信号検出ユニットと、
前記第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定する第1の放射決定ユニットであって、前記第1の放射条件は、前記第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は前記第1信号強度が第1閾値より小さくないことを含む、第1の放射決定ユニットと、
前記第1信号強度が前記第1の放射条件を満たす場合、前記可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整する第1の調整ユニットとを備え、
前記事前設定された静電容量値は、第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は第2の静電容量値に等しく、前記第1の静電容量値は、前記第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、前記第2の静電容量値は、前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である、
アンテナ調整装置。
可変コンデンサを有するアンテナ、及びアンテナ調整器を備える無線通信端末であって、前記可変コンデンサを有する前記アンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートし、
前記アンテナ調整器は、前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出し、前記第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、前記可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整し、
前記第1の放射条件は、前記第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、前記第1信号強度が第1閾値より小さくないことを含み、前記事前設定された静電容量値は、第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は、第2の静電容量値に等しく、前記第1の静電容量値は、前記第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、前記第2の静電容量値は、前記可変コンデンサを有する前記アンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である、無線通信端末。
【発明の概要】
【0005】
本願の複数の実施形態は可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置及び関連装置を提供して、一般的なアンテナ調整方法が、アンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮することができず、限られた適用シナリオしか有さないという問題を解決する。
【0006】
上記の技術的問題を解決すべく、本願の複数の実施形態は以下の技術的解決法を開示する。
【0007】
第1態様によると、可変コンデンサに基づくアンテナ調整方法が提供され、可変コンデンサを有するアンテナに適用される。可変コンデンサを有するアンテナは、少なくとも2つの通信システムをサポートし、当該アンテナ調整方法は、
可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する段階と、当該第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定する段階であって、当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含む、段階と、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整する段階であって、当該事前設定された静電容量値は、
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間か、又は
第2の静電容量値に等しく、当該第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である、段階とを備える。
【0008】
第1態様を参照して、第1態様の第1の可能な実施方式において、当該アンテナ調整方法は更に、第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整する段階を備える。
【0009】
第1態様を参照して、第1態様の第2の可能な実施方式において、当該アンテナ調整方法は更に、第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定する段階と、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整する段階とを備え、当該第1のリサイクリング条件は、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が
第1リサイクリング閾値より大きくないことと、第1リサイクリング閾値が第1閾値より小さいこととを含む。
【0010】
第1態様、又は第1態様の第1の可能な実施方式、又は第1態様の第2の可能な実施方式を参照して、第1態様の第3の可能な実施方法において、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整する段階は、第1信号強度が第2の放射条件を満たすかどうかを決定する段階と、第1信号強度が第2の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第2の静電容量値に調整する段階とを有し、当該第2の放射条件は、第1信号強度が第2閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第2閾値より小さくないことと、第2閾値が第1閾値より大きいこととを含む。
【0011】
第1態様の第3の可能な実施方法を参照して、第1態様の第4の可能な実施方式において、当該アンテナ調整方法は更に、
第1信号強度が第2の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整する段階であって、当該事前設定された静電容量値は第1の事前設定された静電容量値を含み、当該第1の事前設定された静電容量値は、当該第1の静電容量値と当該第2の静電容量値との間にある、段階か、又は、
第1信号強度が第2の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定する段階、及び、第1信号強度が
第2のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整する段階かを備え、当該第2のリサイクリング条件は、第1信号強度が第2リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が第2リサイクリング閾値より大きくないことと、第2リサイクリング閾値が第1閾値と第2閾値との間にあることとを含む。
【0012】
第2態様によると、可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置が提供され、可変コンデンサを有するアンテナに適用される。可変コンデンサを有するアンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートし、当該アンテナ調整装置は、
可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出するよう構成された信号検出ユニットと、第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第1の放射決定ユニットであって、当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含む、第1の放射決定ユニットと、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第1の調整ユニットとを備え、
当該事前設定された静電容量値は、
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は、
第2の静電容量値に等しく、第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。
【0013】
第2態様を参照して、第2態様の第1の可能な実施方式において、当該アンテナ調整装置は更に、第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整するよう構成された第2の調整ユニットを備える。
【0014】
第2態様を参照して、第2態様の第2の可能な実施方式において、当該アンテナ調整装置は更に、第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第1のリサイクリング決定ユニットと、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整するよう構成された第3の調整ユニットとを備え、当該第1のリサイクリング条件は、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が
第1リサイクリング閾値より大きくないことと、第1リサイクリング閾値が第1閾値より小さいこととを含む。
【0015】
第2態様、又は第2態様の第1の可能な実施方式、又は第2態様の第2の可能な実施方式を参照して、第2態様の第3の可能な実施方法において、当該第1の調整ユニットは、第1信号強度が第2の放射条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第2の放射条件決定ユニットと、第1信号強度が第2の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第2の静電容量値に調整するよう構成された第1の調整サブユニットとを有し、当該第2の放射条件は、第1信号強度が第2閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第2閾値より小さくないことと、第2閾値が第1閾値より大きいこととを含む。
【0016】
第2態様の第3の可能な実施方法を参照して、第2態様の第4の可能な実施方式において、当該第1の調整ユニットは更に、
第1信号強度が第2の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第2の調整サブユニットであって、当該事前設定された静電容量値は第1の事前設定された静電容量値を含み、当該第1の事前設定された静電容量値は、当該第1の静電容量値と当該第2の静電容量値との間にある、第2の調整サブユニットか、又は、
第1信号強度が第2の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第2のリサイクリング決定ユニット、及び、第1信号強度が
第2のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第3の調整サブユニットか、を有し、当該第2のリサイクリング条件は、第1信号強度が第2リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が第2リサイクリング閾値より大きくないことと、第2リサイクリング閾値が第1閾値と第2閾値との間にあることとを含む。
【0017】
第3態様によると、無線通信端末が提供される。当該無線通信端末は、可変コンデンサを有するアンテナ及びアンテナ調整器を備え、当該可変コンデンサを有する当該アンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートし、
当該アンテナ調整器は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出し、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整するよう構成されており、
当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含み、当該事前設定された静電容量値は、
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は
第2の静電容量値に等しく、当該第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、当該第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。
【0018】
上記の技術的解決法から分かるように、本願の複数の実施形態において、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる、最も高い優先度を有する第1の通信システムの第1信号強度が検出され、第1信号強度が比較的強く、第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値は、アンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する第2の静電容量値により近い事前設定された静電容量値に調整され、これにより、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は、第2の通信システムの動作周波数帯域により近くなり、故に、第2の通信システムの通信品質が向上される。第1信号強度が減衰されるが、第1信号強度は減衰前、非常に強いので、減衰された第1信号強度は依然として第1の通信システムについての通信品質要件を満たしている。故に、静電容量値が常に、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値に設定される従来の方法と比較して、本願の複数の実施形態によって提供されるアンテナ調整方法は、比較的高い優先度を有する第1の通信システムについての通信品質要件を優先的に満たし得るのみならず、第1の通信システムの信号が非常に強い場合、可変コンデンサの静電容量値を調整することで、比較的低い優先度を有する第2の通信システムの通信品質を向上させることもでき、それにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的を達成する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の複数の実施形態は可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置及び関連装置を提供して、一般的なアンテナ調整方法が、アンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮することができず、限られた適用シナリオしか有さないという問題を解決する。
【0034】
当業者が、本願の複数の実施形態における技術的解決法をより良く理解できるようにし、かつ、本願の複数の実施形態の目的、特徴、及び利点をより明確にすべく、以下では更に、添付の図面を参照して詳細に本願の複数の実施形態における技術的解決法を説明する。
【0035】
図1は、本願の一実施形態に係る可変コンデンサに基づくアンテナ調整方法の概略フローチャートである。ここで、当該アンテナ調整方法は、可変コンデンサを有するアンテナに適用され、可変コンデンサを有するアンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートしている。実際の適用では、当該アンテナ調整方法を実行する装置が、全体的に又は部分的にアンテナの中に統合されてよい、又はアンテナとは独立した無線通信端末に配置されてよい。
【0036】
図1を参照すると、本願のこの実施形態によって提供される可変コンデンサに基づくアンテナ調整方法は以下の段階を含む。
【0037】
S11:可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する。
【0038】
S12:第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定する。
【0039】
当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことであってよい。
【0040】
S13:第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整する。
【0041】
事前設定された静電容量値は、
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は
第2の静電容量値に等しい。第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。第1の通信システムは、第2の通信システムの優先度より高い優先度を有する。
【0042】
実際の適用では、可変コンデンサの静電容量値が上げられると、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は高められ得る。これに対応して、第1の静電容量値は第2の静電容量値より小さく、事前設定された静電容量値は第1の静電容量値より大きく、事前設定された静電容量値は、
第2の静電容量値より小さいか又はそれに等しい。可変コンデンサの静電容量値が下げられると、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は低められ得る。これに対応して、第1の静電容量値は第2の静電容量値より大きく、事前設定された静電容量値は第1の静電容量値より小さく、事前設定された静電容量値は
第2の静電容量値より大きいか、又はそれに等しい。
【0043】
任意で、アンテナ調整期間Tが設定され、当該アンテナ調整方法は各アンテナ調整期間T内で一回実行され、自動的にかつ循環的に当該アンテナ調整方法が実行される。より小さいTは、アンテナの動作周波数帯域のより頻繁な調整を示し、これにより、各通信システムの通信品質がより良く保証され得る。
【0044】
可変コンデンサを有するアンテナは、以下のうちの何れか1つであってよい。
1)GSM(登録商標)システムとLTEシステムとの間のダイバーシティ共有(diversity sharing)のために通常使用されるSGLTE技術に基づいたアンテナ;
2)CDMAシステムとLTEシステムとの間のダイバーシティ共有のために通常使用される同時音声及びLTE(Simultaneous Voice and LTE、SVLTE)技術に基づいたアンテナ;
3)LTEポリシ及び課金制御(Policy Control and Charging、PCC)システムと、LTEセカンダリ共通制御(Secondary Common Control、SCC)システムとの間のダイバーシティ共有のために使用されるLTEキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)技術に基づいたアンテナ;及び、
4)GSM(登録商標)ネットワークとLTEネットワークとの間のダイバーシティ共有のために通常使用されるデュアル加入者識別モジュール技術に基づいたアンテナ。
【0045】
例として、SGLTE技術に基づいた上記アンテナを使用して、アンテナによってサポートされる2つの通信システムがそれぞれGSM(登録商標)850システム及びLTE B38システムであり、GSM(登録商標)850システムはLTE B38システムの優先度より高い優先度を有し、第1閾値は−85dBmに設定されてよい、すなわち、GSM(登録商標)850システムの第1信号強度が−85dBmに達する限り、GSM(登録商標)850システムについての通信品質要件が満たされ得ることが想定され、故に、GSM(登録商標)850システムの第1信号強度が−85dBmより大きい場合、可変コンデンサの静電容量値は事前設定された静電容量値に調整される、例えば、GSM(登録商標)850システムの第1信号強度が−70dBmである場合、可変コンデンサの静電容量値は、GSM(登録商標)1800システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値に調整されてよく、これにより、アンテナの動作周波数帯域は、LTEシステムの動作周波数帯域により近くなり、故に、LTEシステムの第2信号強度が高められる。これに対応して、GSM(登録商標)850システムの第1信号強度は弱められる。実際の測定結果が示すところでは、調整前、すなわち、可変コンデンサの静電容量値が、GSM(登録商標)850システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である場合、第1信号強度は減衰されず、第2信号強度は2dB減衰され、調整後、すなわち可変コンデンサの静電容量値が、GSM(登録商標)1800システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値になった後は、第1信号強度は13.5dB減衰され、第2信号強度はたった0.5dBだけ減衰される、すなわち、調整後、第2信号強度は1.5dB高められ、LTEシステムの通信品質が向上され、第1信号強度は、13.5dB減衰されて−83.5dBmに変化するが、依然として−85dBmより高く、これにより、GSM(登録商標)850システムについての通信品質要件は依然として満たされ得る。
【0046】
本願のこの実施形態において、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、第1の通信システムの信号強度が第1の通信システムについての通信品質要件を満たし得ることを示し、この場合、可変コンデンサの静電容量値が常に第1の静電容量値に維持される既存のアンテナ調整方法と比較して、本願のこの実施形態では、可変コンデンサの静電容量値は事前設定された静電容量値に調整され、第1の静電容量値と比較して、事前設定された静電容量値は第2の静電容量値により近いので、調整後、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は、第2の通信システム動作周波数帯域により近くなり、故に、第2の通信システムの第2信号強度が高められ、通信品質が向上される。第1信号強度が減衰される(第1の通信システムの信号の小部分が放射されることと等価である)が、減衰前に第1信号強度は非常に強いので、減衰後の第1信号強度は依然として第1の通信システムについての通信品質要件を満たし得る。故に、本願のこの実施形態によって提供されるアンテナ調整方法は適用され、これにより、第1の通信システムの信号が非常に強い場合、可変コンデンサの静電容量値を調整することで、比較的高い優先度を有する第1の通信システムについての通信品質要件が優先的に満たされるのみならず、比較的低い優先度を有する第2の通信システムの通信品質もまた向上され、それにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的を達成する。
【0047】
任意で、本願のこの実施形態において、第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値は第1の静電容量値に調整される。
【0048】
第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、第1の通信システムの信号強度が比較的弱いことを示し、この場合、可変コンデンサの静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値(すなわち、第1の静電容量値)に設定され、これにより、比較的高い優先度を有する第1の通信システムについての通信品質要件は優先的に満たされ得る。
【0049】
上記の実施形態は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的を達成し得、信号強度の変動が大きくないシナリオに適用可能である。
【0050】
第1信号強度の変動が比較的大きい場合において、特に第1信号強度が、設定された第1閾値の周辺で変動する場合には、可変コンデンサの静電容量値は、第1の静電容量値と事前設定された静電容量値との間で頻繁に切り替えられ(すなわち、ピンポン効果)、このことは、可変コンデンサへのダメージ及び耐用年数の減少などの危険を招く。可変コンデンサを有するアンテナが、複数の通信システムをサポートし、可変コンデンサの静電容量値の調整回数を低減できるようにすべく、本願の一実施形態が、
図2に示された、可変コンデンサを有するアンテナの別の調整方法を提供する。
【0051】
図2を参照して、可変コンデンサを有するアンテナの調整方法は以下の段階を含む。
【0052】
S21:可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する。
【0053】
S22:第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、段階S23を実行し、そうでない場合、段階S24を実行する。
【0054】
第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含む。
【0055】
S23:可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整し、段階S21に戻る。
【0056】
事前設定された静電容量値は、
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は
第2の静電容量値に等しい。第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。第1の通信システムは、第2の通信システムの優先度より高い優先度を有する。
【0057】
実際の適用では、可変コンデンサの静電容量値が上げられると、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は高められ得る。これに対応して、第1の静電容量値は第2の静電容量値より小さく、事前設定された静電容量値は第1の静電容量値より大きく、事前設定された静電容量値は、
第2の静電容量値より小さいか又はそれに等しい。可変コンデンサの静電容量値が下げられると、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は低められ得る。これに対応して、第1の静電容量値は第2の静電容量値より大きく、事前設定された静電容量値は第1の静電容量値より小さく、事前設定された静電容量値は第2の静電容量値より大きいか又はそれに等しい。
【0058】
S24:第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たす場合、段階S25を実行し、そうでない場合、段階S21に戻る。
【0059】
第1のリサイクリング条件は、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が
第1リサイクリング閾値より大きくないことと、第1リサイクリング閾値が第1閾値より小さいこととを含む。第1リサイクリング閾値は、実際のシナリオでは第1の通信システムについての通信品質要件に従って設定されてよく、通常は、第1リサイクリング閾値は、第1の通信システムについての通信品質要件によって必要とされる最小信号強度より小さくはない。例えば、特定の適用シナリオにおける第1の通信システムについての通信品質要件に従って、第1の通信システムの第1信号強度が−100dBmより小さい場合、第1の通信システムの通信品質は影響を受ける。この場合、可変コンデンサの静電容量値の値は、第1の通信システムの信号が減衰されないこと、又は、減衰後、依然として−100dBmより小さくないことを保証しなくてはならず、第1リサイクリング閾値は−90dBmに設定されてよい。第1信号強度が−90dBmより小さい場合、静電容量値は第1の静電容量値に設定され、これにより、アンテナの動作周波数帯域は、第1の通信システムの動作周波数帯域と同一になり、それにより、アンテナ及び第1の通信システムの一致しない動作周波数帯域に起因する第1の通信システムの信号の減衰を回避し、第1の通信システムの通信品質を保証する。
【0060】
S25:可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整し、段階S21に戻る。
【0061】
図3は、可変コンデンサの静電容量値が上げられると、アンテナの動作周波数帯域が高められる場合の第1信号強度と静電容量値との間の変化関係を示している。
図3に示されるように、第1信号強度が第1閾値より大きい(第1の放射条件が満たされる)場合、可変コンデンサの静電容量値は事前設定された静電容量値に調整され;第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さい(第1のリサイクリング条件が満たされる)場合、可変コンデンサの静電容量値は、第1の静電容量値に調整され;第1信号強度が、第1リサイクリング閾値と第1閾値との間にある場合、可変コンデンサの静電容量値は変更されないままであり、段階S21に戻り、第1信号強度を再度検出する。このことは、具体的に次の2つの場合を含む。以前の検出された第1信号強度が第1閾値より大きく、可変コンデンサの対応する静電容量値が事前設定された静電容量値である場合、現在の検出された第1信号強度が第1リサイクリング閾値と第1閾値との間に下げられたとき、可変コンデンサは事前設定された静電容量値に維持され、以前の検出された第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さく、対応する静電容量値が第1の静電容量値である場合、現在の検出された第1信号強度が第1リサイクリング閾値と第1閾値との間で高められたとき、可変コンデンサは第1の静電容量値に維持される。
【0062】
加えて、アンテナによってサポートされる各システムの通信品質についての、異なる複数のシナリオにおける異なる複数の要件に従って、第1リサイクリング閾値と第1閾値との間の差は、適切に増加又は減少されてよく、より小さい差は、信号強度に伴う静電容量値の変化のより高い感度と、可変コンデンサへのより大きなダメージとを示す。例えば、比較的低い優先度を有する第2の通信システムについての通信品質要件が非常に低い場合、第1リサイクリング閾値が固定されている状況では、第1の通信システムの信号強度が減衰されないことを出来る限り保証するよう試みるべく第1閾値は上げられてよく、そうではなく、第2の通信システムの通信品質についての特定の要件が存在する場合、第1閾値は適切に下げられてよい。第1の通信システムについての通信品質要件が非常に高い場合、第1閾値が固定されている状況では、比較的大きな第1リサイクリング閾値が設定されてよい。
【0063】
上記の技術的解決法から分かるように、本願のこの実施形態において、比較的高い優先度を有する第1の通信システムの第1信号強度が検出され、第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうか、及び、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかが別々に決定され、第1信号強度が、第1の放射条件を満たすべく高められる場合、可変コンデンサの静電容量値は事前設定された静電容量値に調整され、これにより、第1信号強度が減衰され、比較的低い優先度を有する第2の通信システムの第2信号強度が高められる。故に、第1の通信システムについての通信品質要件が満たされ得るのみならず、第2の通信システムの通信品質もまた向上され得る。第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすべく減衰される場合に限り、可変コンデンサの静電容量値は第1の静電容量値に調整され、これにより、第1信号強度は、第1の通信システムの通信品質を保証すべく高められ、第1信号強度が、第1のリサイクリング条件も満たさず、第1の放射条件も満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値は変更されないままである。この実施形態が適用されることにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的が達成されるのみならず、可変コンデンサの調整回数の低減も可能となり、それにより可変コンデンサの静電容量値の「ピンポン効果」を回避し、可変コンデンサに対するダメージを低減する。
【0064】
図4は、本願の一実施形態に係る更に別の可変コンデンサに基づくアンテナ調整方法のフローチャートである。ここで、可変コンデンサはアンテナ上に配置され、アンテナの動作周波数帯域を調整すべく使用され、アンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートしている。
図5は、可変コンデンサの静電容量値が上げられると、アンテナの動作周波数帯域が高められる場合の、
図4に示されたアンテナ調整方法における、第1信号強度と可変コンデンサの静電容量値との間の変化関係の概略図である。
【0065】
図4及び
図5を参照すると、アンテナ調整方法は以下の段階を備える。
【0066】
S31:可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出する。
【0067】
S32:第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、段階S33を実行し、そうでない場合は段階S37を実行する。
【0068】
当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含む。
【0069】
S33:第1信号強度が第2の放射条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第2の放射条件を満たす場合、段階S34を実行し、そうでない場合、段階S35を実行する。
【0070】
第2の放射条件は、第1信号強度が第2閾値より大きいか、又は第1信号強度が
第2閾値より小さくないことと、第2閾値が第1閾値より大きいこととを含む。
【0071】
S34:可変コンデンサの静電容量値を第2の静電容量値に調整し、段階S31に戻る。
【0072】
第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。第1の通信システムは、第2の通信システムの優先度より高い優先度を有する。
【0073】
S35:第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たす場合、段階S36を実行し、そうでない場合、段階S31に戻る。
【0074】
第2のリサイクリング条件は、第1信号強度が第2リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が第2リサイクリング閾値より大きくないことと、第2リサイクリング閾値が第1閾値と第2閾値との間にあることとを含む。第2リサイクリング閾値は、第1の通信システムについての通信品質要件が満たされているという前提の下、第2の通信システムに最良の通信品質を達成させる、第1信号強度の最小値に設定されてよい。
【0075】
S36:可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整し、段階S31に戻る。
【0076】
第1の事前設定された静電容量値は第1の静電容量値より大きく、第1の事前設定された静電容量値は第2の静電容量値より小さく、第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。
【0077】
S37:第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定し、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たす場合、段階S38を実行し、そうでない場合、段階S31に戻る。
【0078】
第1のリサイクリング条件は、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さいか、又は、第1信号強度が
第1リサイクリング閾値より大きくないことと、第1リサイクリング閾値が第1閾値より小さいこととを含む。第1リサイクリング閾値は、実際のシナリオでは第1の通信システムについての通信品質要件に従って設定されてよく、通常、第1リサイクリング閾値は、第1の通信システムについての通信品質要件によって必要とされる最小信号強度より小さくはない。
【0079】
S38:可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整し、段階S31に戻る。
【0080】
本願のこの実施形態において、第1閾値及び第1リサイクリング閾値が設定されるのみならず、第2閾値及び第2リサイクリング閾値もまた設定され、可変コンデンサの静電容量値は、第1の通信システムの信号強度に従って調整される。
図5に示されるように、第1信号強度と静電容量値との間の変化関係は、以下の5つの状況に分類されてよい。
【0081】
状況1:第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さい、すなわち、第1区間内に位置する(第1のリサイクリング条件が満たされている)場合、第1の通信システムの信号強度が比較的弱く、第1の通信システムについての通信品質要件を満たすことさえできないことを示し、この場合、この実施形態において、可変コンデンサの静電容量値は第1の静電容量値に調整され、これにより、比較的高い優先度を有する第1の通信システムがこの場合において最良の通信品質を達成できることが保証され得る。これに対応して、第2の通信システムの通信品質は比較的悪い。
【0082】
状況2:第1信号強度が第1閾値と第2リサイクリング閾値との間にある、すなわち、第3区間内に位置する(第1の放射条件及び第2のリサイクリング条件の両方が満たされている)場合、第1の通信システムの信号強度が第1の通信システムについての通信品質要件を満たしているという前提の下、特定の信号マージン(すなわち、第1信号強度と第1閾値との差)が存在し、当該信号マージンが第2の通信システムに使用されるべく放射されてよいことを示す。故に、この実施形態では、静電容量値は第1の静電容量値と第2の静電容量値との間の事前設定された静電容量値に調整され、これにより、アンテナの動作周波数帯域は、第1の通信システムの動作周波数帯域と第2の通信システムの動作周波数帯域との間になり、第1の通信システムの信号マージンが放射されて、第2の通信システムの信号が強められる。それにより、第1の通信システムの通信品質に影響を与えないという前提の下で、第2の通信システムの通信品質を向上させる。
【0083】
状況3:第1信号強度が第2閾値より大きい、すなわち、第5区間内に位置する(第2の放射条件が満たされている)場合、第1の通信システムの信号が非常に強く、これにより、第1の通信システムについての通信品質要件が満たされ得るのみならず、非常に大きな信号マージンが存在することにもなることを示す。故に、この実施形態では、静電容量値は、第2の通信システムが最良の通信品質を達成できるようにすべく、第2の静電容量値に調整される。また、他の態様においては、第1信号強度は減衰するが、調整前、第1信号強度の信号マージンは非常に大きく、これにより、減衰された第1信号強度はまた、第1の通信システムについての通信品質要件を保証し得る。
【0084】
状況4:第1信号強度が第1リサイクリング閾値と第1閾値との間にある、すなわち、第2区間内に位置する場合、静電容量値は変更されないままである、すなわち、第1信号強度が第1区間から第2区間に高められた場合、静電容量値は、第1区間に対応する第1の静電容量値に維持され、第1信号強度が第3区間から第2区間に減衰された場合、静電容量値は、第3区間に対応する第1の事前設定された静電容量値に維持される。
【0085】
状況5:第1信号強度が第2リサイクリング閾値と第2閾値との間にある、すなわち、第4区間内に位置する場合、静電容量値は変更されないままである、すなわち、第1信号強度が第3区間から第4区間に高められた場合、静電容量値は、第3区間に対応する事前設定された静電容量値に維持され、第1信号強度が第5区間から第4区間に減衰された場合、静電容量値は、第5区間に対応する第2の静電容量値に維持される。
【0086】
上記の技術的解決法から分かるように、本願のこの実施形態において、第1リサイクリング閾値、第1閾値、第2リサイクリング閾値、及び第2閾値は、信号強度を5つの区間に分割すべく設定され、第1区間、第3区間、及び第5区間はそれぞれ1つの静電容量値に対応しており、比較的高い優先度を有する第1の通信システムの第1信号強度が検出されて、第1信号強度が位置する区間が決定され、第1信号強度が第1区間、又は第3区間、又は第5区間内に位置する場合、可変コンデンサの静電容量値はその区間に対応する静電容量値に設定され、第1信号強度が、第2区間又は第4区間内に位置する場合、静電容量値は調整されない。これにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的が達成されるのみならず、可変コンデンサの静電容量値の「ピンポン効果」が回避され得ることにもなり、可変コンデンサの調整回数が低減され、可変コンデンサへのダメージが低減される。
【0087】
本願の別の実施形態において、上記第1閾値と上記第2リサイクリング閾値との間に1又は複数の閾値が更に設定されてよく、上記第3区間は複数の副区間に分割され、対応する事前設定された静電容量値が設定されて、可変コンデンサを有するアンテナの複数の通信システムが最良の総合的な通信品質を達成できるようにする。可変コンデンサの静電容量値が上げられると、アンテナの動作周波数帯域が高められる例が更に使用される。
図6を参照すると、第1閾値と第2リサイクリング閾値との間に第3リサイクリング閾値及び第3閾値が設定されてよい。当該第3リサイクリング閾値は第3閾値より小さい。第1の通信システムの第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さい場合、アンテナの可変コンデンサの静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する第1の静電容量値に設定され、第1信号強度が第1閾値と第3リサイクリング閾値との間にある場合、可変コンデンサの静電容量値は第1の事前設定された静電容量値に設定され、第1信号強度が第3閾値と第2リサイクリング閾値との間にある場合、可変コンデンサの静電容量値は第2の事前設定された静電容量値に設定され、第1信号強度が第2閾値より大きい場合、可変コンデンサの静電容量値は第2の静電容量値に設定され、第1信号強度が第1リサイクリング閾値と第1閾値との間、又は第3リサイクリング閾値と第3閾値との間、又は第2リサイクリング閾値と第2閾値との間にある場合、可変コンデンサの静電容量値は変更されない。ここで、第1の事前設定された静電容量値は、第1の静電容量値と第2の事前設定された静電容量値との間にあり、第2の事前設定された静電容量値は、第1の事前設定された静電容量値と第2の静電容量値との間にある。
【0088】
上記の技術的解決法から分かるように、第1信号強度に対して設定されるより多くの閾値が、可変コンデンサのとり得るより多くの値を示し、アンテナの動作周波数帯域は、複数の通信システムについての通信品質要件をより良好に満たし得る。本願のこの実施形態において、各閾値の具体的な値は限定されず、実際の適用では、閾値数、及び各閾値の具体的な値は、通信システムについての通信品質要件に従って設定されてよい。
【0089】
上記方法の実施形態に対応して、本願の一実施形態が更に可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置
700を提供する。ここで、当該可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置は、可変コンデンサを有するアンテナに適用され、全体的に又は部分的に、アンテナの中に統合されてよい、又は、アンテナとは独立した無線通信端末に配置されてよく、可変コンデンサを有するアンテナは少なくとも2つの通信システムをサポートする。
図7に示されるように、可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置700は次のユニット:
可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第1の通信システムの第1信号強度を検出するよう構成された信号検出ユニット710と、
第1信号強度が第1の放射条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第1の放射決定ユニット720であって、当該第1の放射条件は、第1信号強度が第1閾値より大きいか、又は、第1信号強度が
第1閾値より小さくないことを含む、第1の放射決定ユニット720と、
第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第1の調整ユニット730と、を備える。
【0090】
事前設定された静電容量値は
第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にあるか、又は
第2の静電容量値に等しい。ここで、当該第1の静電容量値は、第1の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値であり、第2の静電容量値は、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる第2の通信システムの動作周波数帯域に対応する静電容量値である。
【0091】
上記の技術的解決法から分かるように、本願のこの実施形態によって提供される可変コンデンサに基づくアンテナ調整装置によると、第1信号強度が第1の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値は事前設定された静電容量値に調整され、当該事前設定された静電容量値は、可変コンデンサの静電容量値が常に第1の静電容量値に維持される既存のアンテナ調整方法と比較して、第2の静電容量値により近いので、本願のこの実施形態では、可変コンデンサを有するアンテナの動作周波数帯域は第2の通信システムの動作周波数帯域により近く、故に第2の通信システムの通信品質が向上される。第1の通信システムの信号強度が弱められているが、第1信号強度は非常に強いので、第1の通信システムの通信品質には大きく影響しない。故に、本願のこの実施形態によって提供されるアンテナ調整装置を適用することによって、第1の通信システムの信号が非常に強い場合、可変コンデンサの静電容量値を調整することで、比較的高い優先度を有する第1の通信システムの通信品質が保証され得るのみならず、比較的低い優先度を有する第2の通信システムの通信品質もまた向上され得、それにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的が達成される。
【0092】
本願の実行可能な実施形態において、当該アンテナ調整装置700は更に、
第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整するよう構成された第2の調整ユニットを備えてよい。
【0093】
図8を参照すると、本願の別の実行可能な実施形態において、当該アンテナ調整装置700は更に、
第1信号強度が第1の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第1のリサイクリング決定ユニット741と、
第1信号強度が第1のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の静電容量値に調整するよう構成された第3の調整ユニット742とを備えてよく、
ここで、当該第1のリサイクリング条件は、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が
第1リサイクリング閾値より大きくないことと、第1リサイクリング閾値が第1閾値より小さいこととを含む。
【0094】
本願のこの実施形態において、第1信号強度が第1リサイクリング閾値より大きく、第1信号強度が第1閾値より小さい(第1のリサイクリング条件も第1の放射条件も満たされない)場合、可変コンデンサの静電容量値は調整されない、すなわち、以前の検出された第1信号強度が第1閾値より大きく、可変コンデンサの対応する静電容量値が事前設定された静電容量値である場合、現在の検出された第1信号強度が、第1リサイクリング閾値と第1閾値との間に下げられているとき、可変コンデンサは事前設定された静電容量値に維持され、以前の検出された第1信号強度が第1リサイクリング閾値より小さく、対応する静電容量値が第1の静電容量値である場合、現在の検出された第1信号強度が第1リサイクリング閾値と第1閾値との間に高められているとき、可変コンデンサは第1の静電容量値に維持される。
【0095】
図9を参照すると、本願の別の実行可能な実施形態において、第1の調整ユニット730は、
第1信号強度が第2の放射条件を満たすかどうか決定するよう構成された第2の放射条件決定ユニット731であって、当該第2の放射条件は、第1信号強度が第2閾値より大きいか、又は第1信号強度が
第2閾値より小さくないことと、第2閾値が第1閾値より大きいこととを含む、第2の放射条件決定ユニット731と、
第1信号強度が第2の放射条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第2の静電容量値に調整するよう構成された第1の調整サブユニット732とを備える
【0096】
本願の別の実行可能な実施形態において、当該第1の調整ユニット730は更に、
可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第2の調整サブユニットであって、当該第1の事前設定された静電容量値は、第1の静電容量値と第2の静電容量値との間にある、第2の調整サブユニットを備えてよい。
【0097】
図10を参照すると、本願の別の実行可能な実施形態において、当該第1の調整ユニット730は更に、第1信号強度が第2の放射条件を満たさない場合、第1信号強度が第2のリサイクリング条件を満たすかどうかを決定するよう構成された第2のリサイクリング決定ユニット733と、
第1信号強度が
第2のリサイクリング条件を満たす場合、可変コンデンサの静電容量値を第1の事前設定された静電容量値に調整するよう構成された第3の調整サブユニット734であって、当該第2のリサイクリング条件は、第1信号強度が第2リサイクリング閾値より小さいか、又は第1信号強度が第2リサイクリング閾値より大きくないことと、第2リサイクリング閾値が第1閾値と第2閾値との間にあることとを含む、第3の調整サブユニット734とを備えてよい。
【0098】
上記の技術的解決法から分かるように、本願のこの実施形態において、第1リサイクリング閾値、第1閾値、第2リサイクリング閾値、及び第2閾値は、信号強度を5つの区間に分割するよう設定され、第1区間、第3区間、及び第5区間はそれぞれ1つの静電容量値に対応しており、比較的高い優先度を有する第1の通信システムの第1信号強度が検出されて、第1信号強度が位置する区間が決定され、第1信号強度が第1区間、又は第3区間、又は第5区間内に位置する場合、可変コンデンサの静電容量値はその区間に対応する静電容量値に設定され、第1信号強度が第2区間又は第4区間内に位置する場合、静電容量値は調整されない。これにより、可変コンデンサを有するアンテナによってサポートされる複数のシステムの通信品質に配慮するという目的が達成されるのみならず、可変コンデンサの静電容量値の「ピンポン効果」が回避され得ることにもなり、可変コンデンサの調整回数が低減され、可変コンデンサへのダメージが低減される。
【0099】
説明を容易にするために、当該装置が説明されるときは、当該装置は機能に応じて複数のユニットに分割され、それらは別々に説明される。言うまでもなく、本願の実装においては、当該複数のユニットの機能は、同一のソフトウェア及び/又はハードウェア、又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで実装されてよい。
【0100】
上記アンテナ調整装置に対応して、本願の一実施形態は更に無線通信端末を提供する。
【0101】
図11は、本願の一実施形態に係る無線通信端末800の構造ブロック図である。ここで、当該無線通信端末800は、携帯電話、タブレットデバイス、ノートブックコンピュータ、又は同様のものであってよい。
【0102】
図11を参照すると、本願のこの実施形態によって提供される無線通信端末800は、次のコンポーネント:処理コンポーネント810、メモリ820、通信コンポーネント830、電源コンポーネント840、センサコンポーネント850、入力/出力(I/O)インタフェース860、マルチメディアコンポーネント870、及びオーディオコンポーネント880、のうちの1又は複数を備えてよい。
【0103】
処理コンポーネント810は通常、当該無線通信端末の表示、通話、データ通信、カメラ動作、及び記録動作に関連付けられた動作などの全体の動作を制御する。処理コンポーネント810は、ローカル命令又はリモート命令を実行するための1又は複数のプロセッサ811を有してよい。加えて、処理コンポーネント810は、処理コンポーネント810と別のコンポーネントとの間のインタラクションを容易にするよう、1又は複数のモジュールを有してよい。
【0104】
メモリ820は、無線通信端末上の複数の動作をサポートすべく様々なタイプのデータを格納するよう構成されている。メモリ820は、任意のタイプの揮発性若しくは不揮発性の記憶装置、又はこれらの組み合わせ、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又は光ディスク、によって実装されてよい。
【0105】
電源コンポーネント840は、無線通信端末の複数のコンポーネントに電力を供給する。
【0106】
センサコンポーネント850は、無線通信端末の各状況における状態の評価を提供するよう構成された1又は複数のセンサを有する。
【0107】
入力/出力コンポーネント860は、処理コンポーネント810と周辺機器インタフェースモジュールとの間のインタフェースを提供する。ここで、当該周辺機器インタフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタン、又は同様のものであってよい。ボタンは、限定されないが、ホームボタン、音量ボタン、スタートアップボタン、及びロックボタンを含んでよい。
【0108】
マルチメディアコンポーネント870は、無線通信端末とユーザとの間に提供された出力インタフェースの画面を含む。いくつかの実施形態において、当該画面は、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含んでよい。いくつかの実施形態において、マルチメディアコンポーネント870は更に、フロントフェイシングカメラ及び/又はリアフェイシングカメラを含んでよい。
【0109】
オーディオコンポーネント880は、オーディオ信号を出力/入力するよう構成されている。例えば、オーディオコンポーネント880は、マイク(MIC)、ラウドスピーカ、および同様のものを含む。
【0110】
通信コンポーネント830は、無線通信端末と別のデバイスとの間での有線通信又は無線通信を容易にするよう構成されている。無線通信端末は、Wi−Fi、2G若しくは3G、又はこれらの組み合わせなどの通信標準ベースの無線ネットワークにアクセスしてよい。
【0111】
図12を参照すると、本願の別の実行可能な実施形態において、通信コンポーネント830は、可変コンデンサを有するアンテナ831及びアンテナ調整器832を有し、更に、送信機回路及び受信機回路(図中には示されていない)のうち少なくとも1つを有してよい。可変コンデンサを有するアンテナ831は、アンテナ素子8311及び可変コンデンサ8312を含み、可変コンデンサ8312はアンテナ素子8311と接地電位GNDとの間で接続されており、可変コンデンサを有するアンテナ831は、少なくとも2つの通信システムをサポートしている。ここで、第1の通信システムは最も高い優先度を有している、すなわち、第1の通信システムについての通信品質要件が優先的に満たされている。アンテナ調整器832は、可変コンデンサを有するアンテナ831の動作周波数を調整すべく、可変コンデンサ8312の静電容量値を調整するよう構成されている。アンテナ調整器832は、信号検出デバイス8321及び静電容量調整デバイス8322を含む。信号検出デバイス8321及び静電容量調整デバイス8322は、処理コンポーネント810のプロセッサ811に別々に接続されている。信号検出デバイス8321は、可変コンデンサを有するアンテナ831によって受信された、第1の通信システムの第1信号強度を検出し、第1信号強度をプロセッサ811に送信するよう構成されている。プロセッサ811は、信号検出デバイス8321によって出力された検出結果(すなわち、第1信号強度)に従ってメモリ820に格納された命令を実行し、対応する駆動信号を生成し、対応する駆動信号を静電容量調整デバイス8322に送信する。静電容量調整デバイス8322は、当該駆動信号に従って可変コンデンサ8312の静電容量値を調整し、上記アンテナ調整方法を実施して、第1の通信システムについての通信品質要件が満たされているという前提の下、別の通信システムの通信品質が向上される。
【0112】
本願の実行可能な実施形態において、信号検出デバイス8321は、信号振幅器、調整可能減衰器、無線周波数変成器、及び電力‐電圧変換回路を含む。これらの動作原理は次のようなものである:信号振幅器は、(その後の処理のために)集められた信号を増幅し、調整可能減衰器は特定の範囲内で増幅された信号を制御し、減衰後の信号は、無線周波数変成器によって差動入力信号へと変換され、電力‐電圧変換回路は、差動入力信号を対応する直流レベルへと変換し、対応する直流レベルをプロセッサ811に出力し(直流レベルと信号強度との間には線形関係が存在する)、次に、プロセッサは、内蔵のアナログ‐デジタル変換モジュールを使用して直流レベルをデジタル信号へと変換して、各閾値と比較し得る。
【0113】
本願のこの実施形態に係る、可変コンデンサを有するアンテナにおいて、可変コンデンサ8312は、
図12に示されるように、要素8311の接地経路に接続されてよい、又は、
図13に示されるように、要素8311の給電端に接続されてよい。
【0114】
静電容量調整デバイス8322は、電流駆動回路、電圧駆動回路、又は同様のものであってよく、静電容量値に対応する駆動信号を可変コンデンサ8312に出力することで可変コンデンサ8312の静電容量値を調整する。例えば、電流駆動回路は、静電容量値に対応する電流駆動信号を可変コンデンサ8312に出力し得、電圧駆動回路は、静電容量値に対応する電圧駆動信号を可変コンデンサ8312に出力し得る。
【0115】
本明細書における複数の実施形態は、全て漸進的に説明されており、複数の実施形態における同一又は同様な部分については、これらの実施形態が参照されてよく、各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てている。特に、装置又はシステムの実施形態は、基本的に方法の実施形態と同様なため、簡潔に説明されており、関連部分については、方法の実施形態における一部分の説明が参照されてよい。説明された装置及びシステムの実施形態は単に例示的なものに過ぎない。別個の部分として説明されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして示された部分は物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されても、又は複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。モジュールの一部又は全部は、実施形態の解決法の目的を達成すべく、実際の必要性に応じて選択され得る。当業者ならば、創造努力なしに実施形態の解決法を理解し実施できよう。
【0116】
上記説明は単に本願の具体的な実施方式であるに過ぎない。当業者ならば、本願の原理から逸脱することなく、いくつかの改善又は修整を施すことができ、それらの改善又は修整は、本願の保護範囲に含まれるものとすることが留意されるべきである。