(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(実施形態)
〔1.情報提供処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報提供処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供処理の一例を示す図である。
図1には、購買ユーザU1(以下、単にユーザU1と記載する)が商品またはサービス(以下、併せて「商品」とする)を購入する際の、ユーザ端末100に表示される画面W1〜W3の遷移の一部を示している。
【0012】
画面W1は、検索クエリを入力する画面である(以下、検索入力画面W1とする)。検索入力画面W1は、ユーザU1が所定の検索キーワードを入力する領域や、商品の種別毎に分類されたカテゴリを選択するボタンが配置された領域等を含む。
【0013】
画面W2は、画面W1でユーザU1によって指定された検索クエリに応じた検索結果を示す画面である(以下、検索結果画面W2とする)。検索結果画面W2は、検索クエリに該当する商品の一覧が表示される領域等を含む。検索結果画面W2の各商品の領域には、商品画像や、商品の見出し、販売価格等が表示される。
【0014】
画面W3は、画面W2に表示された商品一覧の中からユーザによって指定された特定の商品の詳細を示す画面である(以下、詳細画面W3とする)。詳細画面W3は、特定の商品の詳細を示す商品情報が表示される領域を含む。詳細画面W3には、例えば商品画像や、商品の見出し、販売価格、商品を説明する詳細文等が表示される。また、詳細画面W3には、例えば、商品を購入するための購入ボタンが表示され、ユーザがかかる購入ボタンを操作すると、商品の送付先や支払い方法等が表示された購入画面(図示せず)へ遷移する。
【0015】
ここで、従来の情報提供装置は、商品の詳細画面が閲覧されてから商品を購入するまでのユーザの行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいてストアに対して販売活動の改善策等の提案を行っていた。例えば、従来は、商品の詳細画面を閲覧したユーザのうち、実際に商品を購入するユーザの割合を算出することで、詳細画面の閲覧から商品購入までに行う販売活動の改善策を提案していた。
【0016】
しかしながら、従来は、例えば、商品の詳細画面が閲覧される回数が少ない場合に原因を特定できないおそれがあった。つまり、商品の詳細画面が表示されるまでの販売活動の課題を抽出できず、ストアに対して適切な改善策を提案できないおそれがあった。このように、従来は、ストアに対して適切なサービスを提供する点で改善の余地があった。
【0017】
そこで、実施形態に係る情報提供装置1は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザU1の検索行動を取得し、商品に対する検索行動を評価することとした。
【0018】
具体的には、実施形態に係る情報提供装置1は、各画面W1〜W3へのユーザ操作によって、ユーザU1から画面W1〜W3に応じたクエリを受け付ける(ステップS11)。例えば、情報提供装置1は、検索入力画面W1へのユーザ操作があった場合に、ユーザ操作に応じた検索クエリを受け付ける。
【0019】
また、例えば、情報提供装置1は、検索結果画面W2への商品の指定操作があった場合に、指定操作に応じた指定クエリを受け付ける。また、例えば、情報提供装置1は、詳細画面W3へのユーザU1の購入操作があった場合に、購入操作に応じた購入クエリを受け付ける。
【0020】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、受け付けたクエリに応じた結果をユーザ端末100へ送信する(ステップS12)。例えば、情報提供装置1は、検索入力画面W1で指定された検索クエリに応じた検索結果画面W2を送信する。また、例えば、情報提供装置1は、検索結果画面W2で指定された指定クエリに応じた商品の詳細画面W3を送信する。
【0021】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザU1の検索行動に関する指標を含む行動情報を取得する(ステップS13)。
図1に示す例では、情報提供装置1は、「imps(インプレッション)」、「CTR(Click Through Rate)」、「PV(Page View)」、「UU(Unique User)」、「CVR(Conversion Rate)」等の指標を取得する。
【0022】
「imps」は、インプレッションであり、特定商品の検索結果画面W2への表示回数を示す。「CTR」は、クリックスルー率であり、「imps」に対する検索結果画面W2での特定商品へのクリック数の割合を示す。「PV」は、特定商品の詳細画面W3が表示された回数を示す。
【0023】
「UU」は、特定商品の詳細画面W3を訪問したユーザ数を示す。例えば、1人のユーザが同じ詳細画面W3を10回閲覧したとしても、「UU」は、「1」をカウントする。「CVR」は、コンバージョン率であり、「PV」または「UU」に対する商品の購入金額(あるいは購入数)を示す。
【0024】
なお、
図1の例では、情報提供装置1は、取得した行動情報に含まれる指標に基づいて「スコア」を算出するが、かかる点については、
図7を用いて後述する。
【0025】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、取得した指標に基づいて商品に対する検索行動を評価する(ステップS14)。例えば、情報提供装置1は、「スコア」が同じ他商品における各指標の平均値を算出し、他商品の平均値と、特定商品の指標との大小関係を評価する。なお、かかる評価方法の詳細については後述する。
【0026】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、評価結果に基づいて商品を扱うストアに対して商品の販売活動の提案を行う(ステップS15)。例えば、ストアAが扱うワインAの「imps」が平均値より少ないとする。
【0027】
情報提供装置1は、ワインAの「imps」が平均値より少ないことを示す評価結果をストアAに通知するとともに、例えば「imps」を増やすための販売活動の改善を提案する。
図1に示す例では、情報提供装置1は、「適切な検索キーワードが商品情報に含まれていない」といった提案をストアAの管理者M1に対して行う。
【0028】
そして、実施形態に係る販売元端末10は、情報提供装置1から送信される提案内容を画面に表示する(ステップS16)。なお、
図1に示す販売元端末10の画面の表示は一例であって、これに限定されるものでなく、例えば、ワインAの商品情報へアクセスするためのリンクが貼り付けられてもよい。
【0029】
このように、実施形態に係る情報提供装置1によれば、商品の詳細画面W3が表示されるまでの販売活動についても課題の抽出が可能となり、ストアに対して適切な改善策を提案できる。したがって、実施形態に係る情報提供装置1は、ストアに対して適切なサービスを提供することができる。
【0030】
〔2.情報提供システム〕
次に、
図2を用いて、上記の情報提供装置1を含む情報提供システムSについて説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供システムSの構成を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報提供システムSには、情報提供装置1と、複数台の販売元端末10−1,10−2と、複数台のユーザ端末100−1,100−2とが含まれる。
【0031】
これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なおた、以下では、複数台の販売元端末10−1,10−2および複数台のユーザ端末100−1,100−2を、特に区別なく説明する場合、販売元端末10およびユーザ端末100と記載する。
【0032】
情報提供装置1は、商品に関する商品情報をユーザU1に提供し、ユーザU1から商品の購入を受け付けるサーバ装置である。例えば、情報提供装置1は、所定のウェブサイト(ECサイト)を介して、商品情報の提供や、商品購入の受付等を行う。つまり、情報提供装置1は、ショッピングサーバに対応する装置である。
【0033】
また、情報提供装置1は、ユーザ端末100から送信されるクエリに基づいてユーザの行動に関する指標を含む行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて商品に対するユーザの行動を評価する。また、情報提供装置1は、評価結果に基づいて商品の販売活動に関する提案内容を生成し、対象となるストアが所有する販売元端末10へ送信する。
【0034】
販売元端末10は、販売元であるストアAの管理者M1によって利用される情報処理装置である。販売元端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。
【0035】
販売元端末10は、例えば、ストアAの管理者M1の指示に従って、商品に関する商品情報を送信することで、電子商取引サービスにおいて販売する商品を追加したり、商品の販売促進費の割合(販促割合)の設定を行ったりする。
【0036】
ユーザ端末100は、ユーザによって利用される端末装置である。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0037】
ユーザ端末100は、例えば、ユーザU1の指示に従って、情報提供装置1にアクセスすることで、情報提供装置1から受け付けた検索入力画面W1や、検索結果画面W2、詳細画面W3等を表示する。また、ユーザ端末100は、詳細画面W3で商品の購入を示す操作を受け付けた場合、情報提供装置1から商品の送付方法に関する画面や決済画面を受け付け表示する。
【0038】
〔3.情報提供装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報提供装置1の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報提供装置1は、制御部2と、記憶部3と、通信部4とを有する。なお、情報提供装置1は、情報提供装置1の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0039】
(3−1.通信部4)
通信部4は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部4は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば情報提供システムSに含まれる販売元端末10やユーザ端末100等の間で情報の送受信を行う。
【0040】
(3−2.記憶部3)
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、実施形態に係る記憶部3は、商品情報31と、行動情報32と、提案情報33とを記憶する。
【0041】
(3−2−1.商品情報31)
実施形態に係る商品情報31は、商品に関する各種情報を含んだ情報である。
図4は、実施形態に係る商品情報31の一例を示す図である。
図4に示すように、商品情報31には、「ストア」、「商品ID」、「商品名」、「価格」、「販促割合」、「コンテンツデータ」、「キーワード」といった項目が含まれる。
【0042】
「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。なお、「ストア」には、ストアID等の販売元であるストアを識別するための識別情報が含まれてもよい。「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。
【0043】
「商品名」は、商品の具体的な名称等を示す。「価格」は、対応する商品の売値(円)を示す。「販促割合」は、商品の販売価格に対する販売促進費の割合を示す。なお、販売促進費は、商品が購入された場合に、その商品のストアから情報提供装置1の管理者に支払われる対価であり、販売価格に販促割合を乗算することで算出される。なお、「販促割合」は、必ずしも設定される必要はなく、かかる場合は、「0%」と入力される。
【0044】
「コンテンツデータ」は、商品コンテンツを構成するデータであり、
図4に示すように、対応する商品の「画像」、「見出し」、「詳細文」である。例えば、「見出し」や「詳細文」は、テキストデータである。また、「コンテンツデータ」に含まれるデータは、これらに限定されず、例えば、音声データが含まれてもよい。
【0045】
「キーワード」は、検索クエリに対応する商品を絞り込むための条件情報であり、ストアにより、例えば、商品を特徴付ける単語が設定される。また、「キーワード」として、商品が属するカテゴリ(商品種別)が設定されてもよい。かかる場合、情報提供装置1が、カテゴリを提示することにより、ストアにカテゴリを選択させてもよい。
【0046】
例えば、
図4では、「ストアA」によって識別される出品者が、商品ID「GD1」によって識別される商品であって、商品名「ワインA」の商品を、販売価格「4,500円」で出品している例を示す。また、「ストアA」によって識別される出品者が、商品GD1に対して販促割合「15%」と、キーワード「ワイン」とを設定するとともに、商品GD1の商品コンテンツとして表示される画像「aaa」、見出し「厳選!」、詳細文「極上赤ワイン3本セット・・・」を入稿している例を示す。
【0047】
なお、
図4では、画像を概念的な記号で示しているが、実際には、商品の撮像画像データ等が入稿される。また、図示しないが、商品情報31は、コンテンツデータによって構成される商品コンテンツが選択(例えば、クリック)された場合に、遷移させる遷移先のコンテンツへのリンク情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)を含んでもよい。
【0048】
(3−2−2.行動情報32)
実施形態に係る行動情報32は、商品に対するユーザの行動に関する指標を含む情報である。
図5は、実施形態に係る行動情報32の一例を示す図である。
図5に示すように、行動情報32には、「ストア」、「商品ID」、「商品名」、「imps」、「CTR」、「PV」、「UU」、「CVR」、「スコア」といった項目が含まれる。
【0049】
例えば、
図5に示す例において、ストアAのワインAは、検索結果画面W2に8,000回表示され、8,000回のうちワインAがクリックされたのは3%であることを示す。また、ワインAは、詳細画面W3が200回表示され、訪問したユーザが100人であることを示す。
【0050】
また、ワインAは、例えば、詳細画面W3が表示された200回(あるいは、訪問したユーザ100人)に対するワインAの購入数が1%であることを示す。なお、行動情報32は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報が含まれてよい。
【0051】
(3−2−3.提案情報33)
実施形態に係る提案情報33は、ストアに対する提案内容を含む情報である。
図6は、実施形態に係る提案情報33の一例を示す図である。
図6に示すように、提案情報33には、「ユーザ行動」、「改善項目」といった項目が含まれる。
【0052】
「ユーザ行動」は、商品の検索から購入までのユーザの行動に関する指標の種別を示す。「改善項目」は、対応するユーザ行動を改善するための提案内容の具体策を示す。
【0053】
例えば、
図6に示す例において、検索結果画面W2への表示回数(imps)を改善するためには、検索キーワード、カテゴリ、在庫状況、JANコードの設定等の具体策を提案することを示している。なお、提案情報33は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報が含まれてよい。
【0054】
図3の説明に戻って、制御部2は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部2は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0055】
図3に示すように、制御部2は、受付部21と、画面生成部22と、取得部23と、評価部24と、提案部25とを有し、以下に説明する情報提供処理の機能や作用を実現または実行する。
【0056】
(3−3.受付部21)
受付部21は、種々の情報を受け付ける。例えば、受付部21は、ユーザ端末100に表示された画面W1〜W3へのユーザ操作に応じたクエリを受け付ける。具体的には、受付部21は、検索入力画面W1に入力された検索キーワードを含む検索クエリを受け付ける。また、受付部21は、検索入力画面W1において所定のカテゴリが選択された場合、かかるカテゴリに属する下位のカテゴリの選択をさらに受け付ける。
【0057】
また、受付部21は、検索結果画面W2に表示された商品一覧の中から商品を指定する指定クエリを受け付ける。また、受付部21は、検索結果画面W2が複数ページ存在する場合、表示される検索結果画面W2のページの指定を受け付け、指定されたページに表示された商品を指定する指定クエリを受け付ける。
【0058】
また、受付部21は、詳細画面W3に表示された購入ボタン等へのユーザ操作を購入クエリとして受け付ける。また、受付部21は、商品の送付方法に関するクエリや購入予定の商品の決済方法に関するクエリを受け付ける。
【0059】
(3−4.画面生成部22)
画面生成部22は、種々の画面を生成する。例えば、画面生成部22は、検索入力画面W1、検索結果画面W2および詳細画面W3を生成する。また、画面生成部22は、商品の送付先を入力する画面や商品の決済を行う決済画面等を生成する。
【0060】
(3−5.取得部23)
取得部23は、種々の情報を取得する。例えば、取得部23は、商品を購入するまでのユーザの行動に関する指標を含む行動情報32を取得する。例えば、取得部23は、「imps」、「CTR」、「PV」、「UU」、「CVR」を指標として取得する。これらの指標のうち、「imps」、「CTR」は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザの検索行動に関する指標である。また、「PV」、「UU」、「CVR」は、商品の詳細画面W3が表示された後のユーザの行動に関する指標である。
【0061】
なお、取得部23は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザの検索行動に関する指標として、上記の指標以外にクリック数を取得してもよい。また、取得部23は、商品の詳細画面W3が表示された後のユーザの購買行動に関する指標として、上記の指標以外にコンバージョン数を取得してもよい。
【0062】
(3−6.評価部24)
評価部24は、取得部23によって取得された指標に基づいて商品に対するユーザの行動を評価する。例えば、評価部24は、ユーザの行動のうち、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザの検索行動を評価する。また、評価部24は、商品の詳細画面W3が表示された後のユーザの購買行動を評価する。
【0063】
例えば、評価部24は、商品が属するカテゴリに含まれる他商品の指標の平均値を算出し、算出した各指標の平均値と、商品の指標との大小関係に基づいて検索行動を評価する。具体的には、評価部24は、例えば、商品の「imps」が、同カテゴリに含まれる他商品の「imps」の平均値よりも多いか少ないかを評価結果とする。また、評価部24は、商品の指標が平均値よりもどの程度多いか(または、少ないか)を示す乖離度を算出し、乖離度を評価結果に含ませることとしてもよい。
【0064】
また、評価部24は、商品の種別をカテゴリとして設定してもよく、あるいは、上記した「スコア」(
図5参照)をカテゴリとして設定してもよい。ここで、
図7を用いて、「スコア」の算出方法について説明する。
【0065】
図7は、実施形態に係るスコアの算出方法の一例を示す図である。
図7に示す例では、スコアは、1〜10までの整数として算出される。具体的には、スコアは、「大分類」および「指標」の値によって算出される。
【0066】
「大分類」は、「imps」、「クリック数」、「CV(コンバージョン)」それぞれの指標が、0であるか1以上であるかに応じていずれの項目に該当するかが決定される。なお、「クリック数」および「CV」は、上記の「CTR」および「CVR」から算出可能である。
【0067】
「指標」は、「imps」、「CTR」、「注文金額/imps」といった項目を含む。「注文金額/imps」は、商品の単価(価格)に「CTR」、「CVR」を積算することで算出可能である。
【0068】
また、
図7には、「小」、「中」、「大」、「低」、「高」を示しているが、これは、各指標と所定の閾値との大小(高低)関係を示している。なお、閾値は、予め定められた値であってもよく、あるいはストアから所定の値を閾値として受け付けてもよい。
【0069】
スコア「1」は、商品の「imps」がゼロであることを示している。つまり、スコア「1」の商品は、検索結果画面W2に一度も表示されていないことを示す。
【0070】
スコア「2」〜「4」は、商品の「imps」が1回以上であり、「クリック数」が0回であることを示している。つまり、スコア「2」〜「4」の商品は、検索結果画面W2に表示されたもののユーザU1に選択されず、詳細画面W3が表示されていないことを示す。
【0071】
さらに、スコア「2」は、「imps」が閾値よりも小さいことを示す。また、スコア「3」は、「imps」が閾値と同程度であることを示す。また、スコア「4」は、「imps」が閾値よりも大きいことを示す。つまり、スコア「2」〜「4」の範囲では、「imps」が大きい程、スコアが高くなる。
【0072】
スコア「5」〜「7」は、商品の「imps」が1回以上であり、「クリック数」が1回以上であり、「CV」が0個であることを示している。つまり、スコア「5」〜「7」の商品は、詳細画面W3が表示されたものの、商品の購入には至っていないことを示す。
【0073】
さらに、スコア「5」〜「7」は、商品の「imps」が閾値よりも大きいことを示す。また、スコア「5」は、「CTR」が閾値よりも低いことを示す。また、スコア「6」は、「CTR」が閾値と同程度であることを示す。また、スコア「7」は、「CTR」が閾値よりも高いことを示す。つまり、スコア「5」〜「7」の範囲では、「CTR」が大きい程、スコアが高くなる。
【0074】
スコア「8」〜「10」は、商品の「imps」が1回以上であり、「クリック数」が1回以上であり、「CV」が1個以上であることを示している。つまり、スコア「8」〜「10」の商品は、商品が購入されていることを示す。
【0075】
さらに、スコア「8」〜「10」は、「imps」および「CTR」が閾値よりも大きい(高い)ことを示す。また、スコア「8」は、「注文金額/imps」が閾値よりも小さいことを示す。
【0076】
また、スコア「9」は、「注文金額/imps」が閾値と同程度であることを示す。また、スコア「10」は、「注文金額/imps」が閾値よりも大きいことを示す。つまり、スコア「8」〜「10」の範囲では、「注文金額/imps」が大きい程、スコアが高くなる。
【0077】
なお、評価部24は、スコアを1〜10までとしたが、スコアが9以下または11以上の整数であってもよい。また、整数に限らず、例えば指標値と閾値との乖離度を加味して、スコアを小数で表してもよい。
【0078】
また、評価部24は、取得部23が取得した全期間の行動情報32のうち、一定期間のみの行動情報32を用いて検索行動を評価してもよい。具体的には、評価部24は、全期間における検索行動のうち、所定期間で区切った検索行動に関する指標に基づいて検索行動を評価する。なお、区切る所定期間は、例えば直近数か月でもよく、あるいは、例えばストアAの管理者M1から指定期間を受け付けてもよい。
【0079】
(3−7.提案部25)
提案部25は、例えば、記憶部3に記憶された提案情報33を参照して、商品を扱うストアに対して種々の提案を行う。例えば、提案部25は、評価部24の評価結果に基づいて商品を扱うストアに対して商品の販売活動の提案を行う。例えば、提案部25は、商品の指標が平均値より小さい場合、検索行動に対する販売活動の改善を提案する。
【0080】
ここで、
図8を用いて、提案部25の提案内容について説明する。
図8は、実施形態に係る提案部25の提案内容の一例を示す図である。
図8には、ストアAの管理者M1が所有する販売元端末10に表示される画面の一例を示している。
【0081】
また、
図8に示す例では、ストアAが扱うワインAおよびビールAの販売活動の改善を提案する場合を示す。なお、ワインAは、「imps」が同じスコアにおける他商品の「imps」の平均値よりも低いと評価されたとする。また、ビールAは、「CTR」が同じスコアにおける他商品の「CTR」の平均値よりも低いと評価されたとする。
【0082】
ワインAにおいて、提案部25は、例えば、提案情報33のユーザ行動「imps」(
図6参照)における改善項目を改善の具体策として提案する。具体的には、提案部25は、改善項目「検索キーワード」として、
図8に示す「適切な検索キーワードが商品情報に含まれていない」という具体策を提案する。
【0083】
つまり、提案部25は、商品の検索キーワードに関する提案を行う。なお、「適切な検索キーワードが含まれていない」とは、商品情報31の「商品名」や「コンテンツデータ」等に検索キーワードが含まれていないことを示す。
【0084】
また、提案部25は、改善項目「カテゴリ」として、「適切なカテゴリに登録されていない」という具体策を提案する。また、提案部25は、改善項目「在庫状況」として、「在庫がない(購入可能になっていない)」という具体策を提案する。
【0085】
なお、ここでいう「在庫がない」とは、実際には在庫はあるものの、ストアAの管理者M1が情報提供装置1へ在庫の登録をしていない状態を含む。また、提案部25は、改善項目「JANコードの設定」として、「JANコードの設定をしていない」という具体策を提案する。
【0086】
ビールAにおいて、提案部25は、例えば、提案情報33のユーザ行動「CTR」(
図6参照)における改善項目を改善の具体策として提案する。具体的には、提案部25は、改善項目「商品画像」として、「商品画像で商品の魅力が伝わっていない」という具体策を提案する。つまり、提案部25は、検索結果画面W2に表示される商品の商品画像の変更を提案する。
【0087】
また、提案部25は、改善項目「商品説明」として、「検索結果に表示される商品情報で商品の魅力が伝わっていない」という具体策を提案する。また、提案部25は、改善項目「価格(ポイント含む)」として、「価格(ポイント含む)が他社商品より高い」という具体策を提案する。
【0088】
また、提案部25は、改善項目「商品のキーワード」として、「お客様の意図と異なるキーワードで表示されている」という具体策を提案する。また、提案部25は、改善項目「商品レビューの評価」として、「商品レビューの評価が低い・レビュー数が少ない」という具体策を提案する。
【0089】
また、提案部25は、改善項目「送料」として、「送料が有料(または条件付き送料無料)」という具体策を提案する。なお、「条件付き送料無料」とは、ユーザU1の購入金額が所定額以上である等の一定条件を満たした場合に、送料が無料になることを示す。また、提案部25は、改善項目「商品名」として、「商品名で商品の魅力が伝わっていない」という具体策を提案する。
【0090】
なお、
図8に示す具体策は一例であって、例えば情報提供装置1の管理者によって任意に変更が可能である。
【0091】
また、提案部25は、商品の指標が平均値より小さい場合に、検索行動に対する販売活動の改善を提案したが、販売活動の改善提案の対象については、平均値を基準にして任意に設定してよい。例えば、提案部25は、商品の指標が平均値と同じ、もしくは平均値より若干高い場合にも、販売活動の改善を提案してもよい。
【0092】
また、提案部25は、例えば、商品の指標が平均値よりも大幅に高い場合には、かかる商品の販売活動を見本にして同ストアが扱う他商品の販売活動にも適用させるような提案を行ってもよい。
【0093】
〔4.処理手順〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る情報提供装置1が実行する提案処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る情報提供装置1が実行する提案処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
図9に示すように、まず、情報提供装置1の取得部23は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザの検索行動に関する指標を含む行動情報32を取得する(ステップS101)。
【0095】
つづいて、評価部24は、取得部23によって取得された指標に基づいて商品の販売に関するスコアを算出する(ステップS102)。つづいて、評価部24は、商品が属するカテゴリ、例えば同スコアのカテゴリにおける他商品の各指標の平均値を算出する(ステップS103)。
【0096】
つづいて、評価部24は、商品の指標と平均値との大小関係を評価し、平均値よりも小さい指標の有無を判定する(ステップS104)。つづいて、提案部25は、評価部24によって平均値よりも小さい指標があると判定された場合(ステップS104;Yes)、かかる指標の商品を扱うストアに対して販売活動の改善を提案し(ステップS105)、処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS104において、提案部25は、評価部24によって平均値よりも小さい指標がないと判定された場合(ステップS104;No)、処理を終了する。
【0098】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置1は、取得部23と、評価部24と、提案部25とを備える。取得部23は、商品の詳細画面W3が表示されるまでのユーザU1の検索行動に関する指標を含む行動情報32を取得する。評価部24は、取得部23によって取得された指標に基づいて商品に対する検索行動を評価する。提案部25は、評価部24の評価結果に基づいて商品を扱うストアに対して商品の販売活動の提案を行う。
【0099】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、商品の詳細画面W3が表示されるまでの販売活動についても課題の抽出が可能となり、ストアに対して適切な改善策を提案できるため、ストアに対して適切なサービスを提供することができる。
【0100】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、評価部24は、商品が属するカテゴリに含まれる他商品の指標の平均値を算出し、平均値と、商品の指標との大小関係に基づいて検索行動を評価する。
【0101】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、他商品との相対的な評価が可能となるため、ストアに対してより的確な改善策を提案できる。
【0102】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、評価部24は、指標に基づいて商品の販売に関するスコアを算出し、当該スコアが同じ他商品を含むカテゴリに基づいて検索行動を評価する。
【0103】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ユーザの検索行動の状況が類似した商品同士での課題を抽出できるため、ストアに対してより的確な改善策を提案できる。
【0104】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、取得部23は、検索行動に関する指標として、商品の検索結果画面W2への表示回数(imps)およびかかる表示回数に対する検索結果画面W2での商品へのクリック数の割合(CTR)のうち、少なくともいずれかを含む行動情報32を取得する。
【0105】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ユーザが商品を探す段階を評価に含めることができるため、ストアに対して適切な改善策を提案できる。
【0106】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、評価部24は、商品の検索結果画面W2への表示回数と、かかる表示回数における平均値とに基づいて検索行動を評価する。提案部25は、表示回数が平均値よりも小さい場合に、商品の検索キーワードに関する改善を提案する。
【0107】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ストアに対して商品情報31の検索キーワードを改善させることで、商品の検索結果画面W2への表示回数を向上させることができる。
【0108】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、評価部24は、表示回数に対する検索結果画面W2での商品へのクリック数の割合と、かかるクリック数の割合における平均値とに基づいて検索行動を評価する。提案部25は、クリック数の割合が平均値よりも小さい場合に、検索結果画面W2に表示される商品の商品画像の変更を提案する。
【0109】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ストアに対して商品情報31の商品画像を改善させることで、検索結果画面W2での商品へのクリック数の割合を向上させることができる。
【0110】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、取得部23は、商品の詳細画面W3が表示された回数(PV)、詳細画面W3を訪問したユーザ数(UU)、および、商品のコンバージョン率(CVR)のうち、少なくともいずれかを含む行動情報32を取得する。
【0111】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ユーザが商品を検索してから購入するまでの段階を評価に含めることができるため、ストアに対して適切な改善策を提案できる。
【0112】
また、実施形態に係る情報提供装置1において、評価部24は、全期間における検索行動のうち、所定期間で区切った検索行動に関する指標に基づいて検索行動を評価する。
【0113】
これにより、実施形態に係る情報提供装置1は、ストアの管理者が評価の対象となる期間を絞ることができるため、ストアに対して期間を絞ったより具体的な改善策を提案できる。
【0114】
〔6.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかる情報提供装置1は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、情報提供装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0115】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0116】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0117】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0118】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0119】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報提供装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部2の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部3内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0120】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0121】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0123】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0124】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部23は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る情報提供装置は、取得部と、評価部と、提案部とを備える。取得部は、商品の詳細画面が表示されるまでのユーザの検索行動に関する指標を含む行動情報を取得する。評価部は、取得部によって取得された指標に基づいて商品に対する検索行動を評価する。提案部は、評価部の評価結果に基づいて商品を扱うストアに対して商品の販売活動の提案を行う。