(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記形状変形/保持部は、多重に分割された複数の第1電極と、当該複数の第1電極に対向する共通電極である第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設されるアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータに印加される電圧によって、前記平面モード及び前記曲面モードを切り換える前記アクチュエータの形状が定められる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示装置。
前記可とう性表示パネルは、第1可とう性基板、前記第1可とう性基板と対向する第2可とう性基板、及び前記第1可とう性基板と前記第2可とう性基板との間に配設される有機発光素子を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記問題及びその関連する問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、平面モード及び曲面モードの具現が可能な可とう性表示パネルを備える表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によれば、平面モード及び曲面モードを具現できる可とう性表示パネルと、前記可とう性表示パネルの一側に備えられ、平面モード及び曲面モードの切り換え過程において前記可とう性表示パネルの形状を変形させ、平面モード及び曲面モードの相互の切り換えが完了した段階において前記可とう性表示パネルに剛性を保持させる形状変形/保持部と、を備える、表示装置が提供される。
【0006】
また、前記形状変形/保持部は、前記可とう性表示パネルの映像が表示される面の反対側の面に配設されてもよい。
【0007】
また、前記曲面モードにおいて、前記可とう性表示パネルの水平方向における前記可とう性表示パネルの中心部分から両側端部までの曲面の反り具合が、当該中心部分に対して対称であってもよい。
【0008】
また、前記曲面モードにおいて、前記可とう性表示パネルの水平方向における前記可とう性表示パネルの中心部分から一側端部までの曲面の反り具合が、当該水平方向における当該中心部分から他側端部までの曲面の反り具合よりも大きくてもよい。
【0009】
また、前記曲面モードにおいて、前記可とう性表示パネルの垂直方向の一側端部に近付くほど曲面の反り具合が増加してもよい。
【0010】
また、前記形状変形/保持部は、多重に分割された複数の第1電極と、複数の当該第1電極に対向する共通電極である第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設されるアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータに印加される電圧によって、平面モード及び曲面モードを切り換える前記アクチュエータの形状が定められてもよい。
【0011】
また、前記形状変形/保持部は、前記アクチュエータの形状が切り換えられる電圧レベルでは柔軟性を有し、前記アクチュエータの形状が切り換えられない電圧レベルでは剛性を有してもよい。
【0012】
また、前記可とう性表示パネルの荷重を支持するパネル支持部をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記パネル支持部は、前記可とう性表示パネルの中心部分の空間上での位置を移動させる移動ガイド部をさらに備えてもよい。
【0014】
また、前記パネル支持部は、前記可とう性表示パネルの中心部分の位置を平面内で移動させてもよい。
【0015】
また、前記パネル支持部は、前記可とう性表示パネルの中心部分の位置を平面内において互いに垂直な方向に移動させてもよい。
【0016】
また、前記可とう性表示パネルは、液晶素子または有機発光素子を備えてもよい。
【0017】
また、本発明の他の側面によれば、可とう性表示パネルと、前記可とう性表示パネルの一側に備えられた形状変形/保持部と、前記可とう性表示パネルが平面モードまたは曲面モードを具現するように前記形状変形/保持部を制御する制御部と、を備える表示装置が提供される。
【0018】
また、前記制御部は、前記形状変形/保持部を制御し、平面モード及び曲面モードの切り換え過程において前記可とう性表示パネルの形状を変形させ、平面モード及び曲面モードの切り換えが完了した段階において前記可とう性表示パネルに剛性を保持させてもよい。
【0019】
また、前記制御部は、前記形状変形/保持部の位置毎に印加される電圧の値を調節することにより、前記可とう性表示パネルの曲面の反り具合を制御してもよい。
【0020】
また、前記表示装置は、前記可とう性表示パネルの荷重を支持するパネル支持部をさらに備え、前記制御部は、前記パネル支持部を移動させることにより前記可とう性表示パネルの中心部分の空間上での移動を制御してもよい。
【0021】
また、前記制御部は、平面モードにおける前記可とう性表示パネルを観察する視聴者と前記可とう性表示パネルの端部との距離よりも、曲面モードにおける前記視聴者と前記端部との距離の方が狭くなるように前記可とう性表示パネルの曲率及び中心部分の位置を制御してもよい。
【0022】
また、前記制御部は、遠隔調整器から送信される制御命令によって制御されてもよい。
【0023】
また、前記制御部は、人体の動きに基づいて前記可とう性表示パネルの曲面の反り具合を制御してもよい。
【0024】
また、前記人体の動きをセンシングするセンサーをさらに備えてもよい。
【0025】
また、前記センサーは、顔面認識センサー、瞳孔認識センサー及び動作認識センサーのうちのいずれか一つであってもよい。
【0026】
また、本発明の更に他の側面によれば、平面モード及び曲面モードを具現できる可とう性表示パネルと、前記可とう性表示パネルの荷重を支持するパネル支持部と、前記可とう性表示パネルの一側に備えられ、前記平面モード及び前記曲面モードの切り換え過程においては前記可とう性表示パネルの形状を変形させ、前記平面モード及び前記曲面モードの切り換えが完了した段階においては前記可とう性表示パネルに剛性を保持させる形状変形/保持部と、を備え、前記平面モードにおける前記可とう性表示パネルの視聴者と前記可とう性表示パネルの端部との距離よりも、前記曲面モードにおける前記平面モードと同じ位置にいる視聴者と前記端部との距離の方が狭められる、表示装置が提供される。
【0027】
また、前記可とう性表示パネルは、地面と平行に延びた第1及び第2長辺部、並びに、前記第1及び第2長辺部と略垂直に延びた第1及び第2短辺部を備え、前記可とう性表示パネルは、曲面モードにおいて前記第1及び第2短辺部に近くなるほど曲面の反り具合が増加してもよい。
【0028】
また、前記曲面モードにおいて、前記可とう性表示パネルの中心部分から前記第1及び第2短辺部までの曲面の反り具合が、当該中心部分に対して対称であってもよい。
【0029】
また、前記曲面モードにおいて、前記可とう性表示パネルの中心部分から前記第1短辺部までの曲面の反り具合が、当該中心部分から前記第2短辺部での曲面の反り具合よりも大きくてもよい。
【0030】
また、前記可とう性表示パネルは、地面と垂直に延びた第1及び第2長辺部、並びに、前記第1及び第2長辺部と略垂直に延びた第1及び第2短辺部を備え、前記可とう性表示パネルは、曲面モードにおいて、前記第1及び第2短辺部のうち垂直方向における上部に配された短辺部に近付くほど曲面の反り具合が増加してもよい。
【0031】
また、前記可とう性表示パネルの中心部分は、地面に垂直な方向に移動されてもよい。
【0032】
また、前記形状変形/保持部は、多重に分割された複数の第1電極と、当該複数の第1電極に対向する共通電極である第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設されるアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータに印加される電圧によって、前記平面モード及び前記曲面モードを切り換える前記アクチュエータの形状が定められてもよい。
【0033】
また、前記形状変形/保持部は、前記アクチュエータの形状が切り換えられる電圧レベルでは柔軟性を有し、当該形状が切り換えられない電圧レベルでは剛性を有してもよい。
【0034】
また、前記可とう性表示パネルは、第1可とう性基板、前記第1可とう性基板と対向する第2可とう性基板、及び前記第1可とう性基板と前記第2可とう性基板との間に配設される有機発光素子を備えてもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施形態によれば、次のような効果を提供することができる。第1に、可とう性表示パネルを曲面モードにして画面を視聴することにより、視聴者の映像に対する没入感を高めることができる。第2に、可とう性表示パネルの曲面モードと平面モードとが自在に切り換えられることにより、映像の種類に応じた好適なモードを選択することができ、視聴者のニーズを満たすことができる。第3に、視聴しないとき、または当該表示装置の移動時や船積み(shipping)時には、可とう性表示パネルを平面モードに切り換えることにより、表示パネルにおける割れなどの破損を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0038】
本発明は、添付する図面と共に詳細に後述される実施形態を参照することにより明らかなものとなる。しかし、本発明は以下で開示する実施形態によって限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現される。本実施形態は本発明の開示を明確なものとし、当業者に本発明に含まれる範囲を明確に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲の記載の範疇によって定義されるものである。一方、本明細書において使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形で用いられている用語は、文章中で特に言及しない限り、可能な範囲において複数形の意味も含み得る。また、本明細書において使用される「含む」は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子に対する一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。第1、第2等の用語は多様な構成要素の説明に使われるが、当該構成要素はこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用され得る。
【0039】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置1の平面モードFM及び曲面モードCMを概略的に示す斜視図である。また、
図2は、
図1に示す表示装置1と視聴者Vとの位置関係を概略的に示す上面図である。
【0041】
図1及び
図2を参照すると、表示装置1は、平面モードFM(Flat Mode)と曲面モードCM(Curved Mode)とを選択的に具現可能な可とう性表示パネル110(可撓性表示パネル110)を備える。
【0042】
可とう性表示パネル110は、平面モードFMで互いに平行に延びた第1及び第2長辺部110a、110b、並びに、前記第1及び第2長辺部110a、110bに対して略垂直に延びた第1及び第2短辺部110c、110dを備え、4つの角を有する略四角形の長方形形状に製作される。可とう性表示パネル110は、視聴者(ユーザ)が視聴しようとするTV番組または映画などの映像情報を出力する。特に、第1及び第2長辺部110a、110bが水平方向により長く延伸して製作される場合には、画面を垂直に分割して2つ以上の映像を一つの表示装置1で同時に視聴することもできる。
【0043】
本実施形態に係る表示装置1の可とう性表示パネル110は、平面モードFMから曲面モードCMに切り換えられることができる。曲面モードCMにおいて、可とう性表示パネル110は、パネルの中心部分Cから少なくとも一側の端部へ行くほど曲面の反り具合(反り程度)が増加する形状を有する。なお、可とう性表示パネル110の中心部分Cとは、可とう性表示パネル110の面内における略中心部分のことである。また、中心部分Cの延長線上とは、平面モードFM時において、中心部分Cを通り、可とう性表示パネル110と略垂直な直線上の任意の位置を意味する。本実施形態において可とう性表示パネル110は、中心部分Cから水平方向の両側端部、即ち、第1及び第2短辺部110c、110dの方向へ行くほど曲面の反り具合が対称的に増加する。すなわち、曲面モードCMにおいて、
図2に示すように可とう性表示パネル110を上から見た場合には、可とう性表示パネル110が表す曲面の中心部分Cがあたかも一つの変曲点を構成し、第1短辺部110cから中心部分Cに向かうにつれて当該曲面の反り具合が徐々に減少し、中心部分Cから第2短辺部110dに向かうにつれて当該曲面の反り具合が徐々に増加する。ここで、曲面の反り具合(反り程度)とは、平面モードFMにおける第1及び第2短辺部110c、110dと、曲面モードCMにおける第1及び第2短辺部110c、110dとの、それぞれの離隔距離を意味する。
【0044】
本実施形態のように可とう性表示パネル110が水平方向により長く延伸し、
図2に示すように視聴者Vが表示装置1の略中心部分Cの延長線上に位置している場合には、平面モードFMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離rより、曲面モードCMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離Rの方が狭くなる(短くなる)。
【0045】
可とう性表示パネル110が水平方向により長く延伸する場合、特に、表示装置1が大型の画面を有する場合には、視聴者Vと画面の中心部分Cとの距離と、視聴者Vと画面の端部との距離との距離差が大きくなるため、当該距離差に起因して視聴者Vに到逹する映像に体感的な速度差が発生し、映像の種類によっては視聴者Vの映像への没入感が低下する。しかし、本実施形態によれば、可とう性表示パネル110を平面モードFMから曲面モードCMに切り換えることで、平面モードFMの場合と比べて、視聴者Vと画面の端部との距離が狭められるため、視聴者Vの映像への没入感が高められる。
【0046】
図3は、
図1に示す表示装置1のIII−III線における断面図である。
【0047】
図3を参照すると、可とう性表示パネル110は、第1可とう性基板111と、第1可とう性基板111に対向して配置される第2可とう性基板113と、当該第1可とう性基板111と当該第2可とう性基板113との間に配置される有機発光素子112と、を備える。
【0048】
第1可とう性基板111は、ポリエチレンエーテルフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、及びポリイミドなどのように耐熱性及び耐久性に優れたプラスチックを素材として形成される。しかし、本発明はかかる例に限定されず、第1可とう性基板111としては可とう性のある多様な素材が使われてよい。
【0049】
第1可とう性基板111上にバリア膜(図示せず。)がさらに備えられてもよい。バリア膜(図示せず。)は、無機膜及び有機膜のうちの一つ以上の膜によって形成され得る。バリア膜(図示せず。)は、不要な成分が可とう性基板111を透過して有機発光素子112に浸透することを防止する。
【0050】
図4は、
図3に示す可とう性表示パネル110のIV部分の拡大断面図である。
【0051】
図4を参照すると、有機発光素子112は、画素電極112−1と、共通電極として形成される対向電極112−3と、当該画素電極112−1と当該対向電極112−3との間に備えられる有機発光層112−2とを含む。画素電極112−1は、第1可とう性基板111上に形成された駆動薄膜トランジスタ(TFT)と電気的に連結される。
図4には図示されていないが、有機発光素子112は、スイッチング薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタに電気的に連結される。
【0052】
有機発光素子112上に、当該有機発光素子112を封止する封止部材として、第2可とう性基板113が備えられる。第2可とう性基板113は、上述した第1可とう性基板111と同じ材料で形成されてもよく、または、複数の無機膜構造もしくは無機膜と有機膜とが混合された構造を有してもよい。一方、
図3及び4には図示されていないが、第1可とう性基板111及び第2可とう性基板113には多様な保護部材がさらに備えられてもよい。
【0053】
有機発光素子112は、画素電極112−1及び対向電極112−3に印加された電流によって有機発光層112−2に含まれた有機高分子または有機低分子が発光する自発光型素子であり、可とう性表示装置への適用に際して好適な長所を多く有する。もちろん本発明は有機発光素子のみに適用されるものではなく、可とう性を有する液晶素子にも適用され得るし、可とう性を有する他の表示素子にも適用され得る。
【0054】
上述した可とう性表示パネル110は可とう性を有するため、それ単体では映像を視聴できる程度に当該パネルの形状を保持することが難しい可能性がある。そのため、本実施形態においては、可とう性表示パネル110の一側に形状変形/保持部120(形状変形保持部120)が備えられる。本実施形態において、形状変形/保持部120は、可とう性表示パネル110において映像が表示される面の反対側の面、例えば、第1可とう性基板111上に備えられる。
【0055】
形状変形/保持部120は、平面モードFM及び曲面モードCMの切り換え過程において可とう性表示パネル110の形状の変形を可能とするとともに、平面モードFM及び曲面モードCM間の相互の切り換えが完了した段階においては、可とう性表示パネル110に剛性を保持させる。このように、形状変形/保持部120は、可とう性表示パネル110の形状を変形させるとともにその形状を保持する。
【0056】
図5は、
図3に示す形状変形/保持部120の一例を示す図面である。
【0057】
図5を参照すると、形状変形/保持部120は、第1電極121と第2電極122とを有し、当該第1電極121と当該第2電極122との間にはアクチュエータ123が配設される。
【0058】
第1電極121は、アクチュエータ123の一面に一定の間隔で平行に多数の電極に分割されて配設され、第2電極122は、アクチュエータ123の他の一面に一つの電極として配設される。制御部(図示せず)の制御により、回路部124から多数の電極に分割されたそれぞれの第1電極121と第2電極122との間に所定の電圧V1、V2、V3が印加される。第1電極121のそれぞれ及び第2電極122に印加された電圧に応答してアクチュエータ123が所定の形状を取ることにより、形状変形/保持部120の一側に備えられた可とう性表示パネル110の曲面の反り具合が制御される。
【0059】
例えば、第1レベルの電圧が印加された場合には、アクチュエータ123が形状を切り換えないことにより、可とう性表示パネル110の平面モードFMが保持される。また、第2レベルの電圧が印加された場合には、アクチュエータ123が形状を切り換えることにより、可とう性表示パネル110が曲面状に反らされて曲面モードCMに切り換えられる。また、第3レベルの電圧が印加された場合には、アクチュエータ123が第2レベルの電圧が印加された状態から形状を切り換えないことにより、曲面モードCMに切り換えられた可とう性表示パネル110の曲面形状が保持される。ここで、アクチュエータ123は、その形状が切り換えられない第1レベルの電圧及び第3レベルの電圧が印加された場合には所定の剛性を有し、その形状が切り換えられる第2レベルの電圧が印加された場合には所定の柔軟性を有する。このとき、第1レベルの電圧と第3レベルの電圧とは同一であってもよい。また、第1〜第3レベルの電圧は、特定の電圧値を有してもよく、または、特定の範囲の電圧値を有してもよい。このようなアクチュエータ123としては、電気応答型高分子または形状記憶合金などの多様な素材を適用可能である。また、形状変形/保持部120には、第1電極121及び第2電極122を保護する保護フィルム(図示せず。)がさらに備えられてもよい。
【0060】
本実施形態では、可とう性表示パネル110を平面モードFMから曲面モードCMに切り換えるための第2レベルの電圧を、可とう性表示パネル110の中心部分Cを中心として両側端部へ行くほど一定の割合で増加または減少させるように形状変形/保持部120に印加することにより、可とう性表示パネル110の中心部分Cから水平方向の両側端部に向かう曲面の反り具合を中心部分Cに対して対称的に形成する。
【0061】
図6は、視聴者Vが表示装置1の中心部分Cの延長線上から外れて位置している場合における、表示装置1と視聴者Vとの位置関係を概略的に示す上面図である。
【0062】
図6の(a)を参照すると、視聴者Vが第1短辺部110cの比較的近くに位置している場合には、可とう性表示パネル110の中心部分Cと第2短辺部110dとの間の曲面の反り具合、すなわち、平面モードFMにおける第2短辺部110dと曲面モードCMにおける第2短辺部110dとの間の離隔距離L
2は、中心部分Cと第1短辺部110cとの間の曲面の反り具合、すなわち、平面モードFMにおける第1短辺部110cと曲面モードCMにおける第1短辺部110cとの間の離隔距離L
1よりも大きくなってもよい。このように、可とう性表示パネル110における視聴者Vからより遠く離れた第2短辺部110d側の反り具合(中心部分Cから第2短辺部110dまでの曲面の反り具合)が、視聴者Vからより近くに位置する第1短辺部110c側の反り具合(中心部分Cから第1短辺部110cまでの曲面の反り具合)よりも大きくてもよい。
図6の(a)に示す状態では、制御部(図示せず。)は、
図5に示すアクチュエータ123に対して、可とう性表示パネル110が平面モードFMから曲面モードCMに切り換えられる第2レベルの電圧を印加させるが、可とう性表示パネル110の中心部分Cから両側端部へ向かう方向において、その位置毎に印加される第2レベルの電圧の値が異なる値となるように調整することにより、可とう性表示パネル110の曲面の曲率の変化を制御する。
【0063】
また、このように、視聴者Vが第1短辺部110cの比較的近くに位置している場合には、平面モードFMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離rよりも、曲面モードCMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離Rの方が狭くなってもよい。よって、平面モードFMの場合に比べて視聴者Vと画面の端部との距離が狭められるため、視聴者Vの映像への没入感が高められる。
【0064】
一方、
図6の(b)を参照すると、視聴者Vが第2短辺部110dの比較的近くに位置している場合には、可とう性表示パネル110の中心部分Cと第1短辺部110cとの間の曲面の反り具合、すなわち、平面モードFMにおける第1短辺部110cと曲面モードCMにおける第1短辺部110cとの間の離隔距離L
1は、中心部分Cと第2短辺部110dとの間の曲面の反り具合、すなわち、平面モードFMにおける第2短辺部110dと曲面モードCMにおける第2短辺部110dとの間の離隔距離L
2よりも大きくなってもよい。このように、可とう性表示パネル110における視聴者Vからより遠く離れた第1短辺部110c側の反り具合(中心部分Cから第1短辺部110cまでの曲面の反り具合)が、視聴者Vからより近くに位置する第2短辺部110d側の反り具合(中心部分Cから第2短辺部110dまでの曲面の反り具合)よりも大きくてもよい。
図6の(b)に示す状態では、制御部(図示せず。)は、
図5に示すアクチュエータ123に対して、可とう性表示パネル110が平面モードFMから曲面モードCMに切り換えられる第2レベルの電圧を印加させるが、可とう性表示パネル110の中心部分Cから両側端部へ向かう方向において、その位置毎に印加される第2レベルの電圧の値が異なる値となるように調整することにより、可とう性表示パネル110の曲面の曲率の変化を制御する。
【0065】
また、このように、視聴者Vが第2短辺部110dの比較的近くに位置している場合には、平面モードFMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離rよりも、曲面モードCMにおける視聴者Vと第1及び第2短辺部110c、110dとの距離Rの方が狭くなってもよい。よって、平面モードFMの場合に比べて視聴者Vと画面の端部との距離が狭められるため、視聴者Vの映像への没入感が高められる。
【0066】
ここで、
図6に示すように、視聴者Vが表示装置1の中心部分Cの延長線上から外れて位置している場合、可とう性表示パネル110の中心部分Cの空間上での位置が、平面モードFMと曲面モードCMとで一致しなくなる。つまり、可とう性表示パネル110の中心部分Cの空間上での位置が移動している。
【0067】
もし、可とう性表示パネル110(又は表示装置1)における映像が具現される(表示される)面の反対側に十分な空間が存在する場合には、可とう性表示パネル110(又は表示装置1)をその中心軸周りに回転させて、上述した
図2のように視聴者Vが可とう性表示パネル110と正面から対向するように曲面モードCMを具現することができる。しかし、例えば大型TVにおいてよく見られるように、可とう性表示パネル110(又は表示装置1)における映像が具現される面の反対側に壁などの障害物が設けられている場合には、可とう性表示パネル110(又は表示装置1)を中心軸周りに回転させることが困難である。このような場合には、可とう性表示パネル110の中心部分Cの位置を移動させる必要が生じる。
【0068】
ここで、再び
図1を参照すると、表示装置1は、可とう性表示パネル110の荷重を支持するパネル支持部130をさらに備える。パネル支持部130は、可とう性表示パネル110と結合される軸台部131と、軸台部131と結合されて地面(床面)と水平に装着される基底部132と、を備える。もちろん、軸台部131は可とう性表示パネル110に直接結合されず、可とう性表示パネル110の一面に形成された上述した形状変形/保持部120に結合されてもよい。
図6に示す場合のように、可とう性表示パネル110の中心部分Cの位置を移動させるためには、可とう性表示パネル110に結合された軸台部131を移動させればよい。
【0069】
図7は、表示装置1のパネル支持部130の一例を示す図面である。
【0070】
図7を参照すると、パネル支持部130は、可とう性表示パネル110の中心部分Cを平面内で移動させる移動ガイド部133を備える。制御部(図示せず。)は、移動ガイド部133を制御して軸台部131を第1方向X及び第2方向Yに所定の距離だけ移動させることができる。ただし、
図7では、移動ガイド部133を、基底部132内に設けられ、軸台部131を第1方向X及び第2方向Yに移動させる機構として図示しているが、これは例示に過ぎず、移動ガイド部133は、可とう性表示パネル110の中心部分Cを平面内で移動させることができるならば、いかなる構造であってもよい。
【0071】
一方、
図1及び
図7では、パネル支持部130が地面に載置される場合を例として図示しているが、本発明はかかる例に限定されるものではない。パネル支持部130は壁面に設けられてもよく、天井面に設けられてもよい。
【0072】
図8は、本発明の第1実施形態に係る表示装置1の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0073】
図8を参照すると、表示装置1は、可とう性表示パネル110、形状変形/保持部120、パネル支持部130及び制御部140を備える。なお、
図8では、
図1〜
図7を参照して上述した本発明の第1実施形態において行われる各機能に関連する構成について主に図示し、その他の構成については図示を省略している。表示装置1は、例えば表示を制御するための構成等の、一般的な表示装置が備える他の構成を更に備えてもよい。
【0074】
制御部140は、上述した制御部に対応するものであり、形状変形/保持部120及びパネル支持部130を制御して可とう性表示パネル110のモードを切り換えたり、可とう性表示パネル110の曲面の反り具合を変更したり、可とう性表示パネル110の中心部分Cの位置を移動させたりする。
【0075】
例えば、遠隔調整器151(リモコン151)を通じて視聴者が可とう性表示パネル110のモード切り換え命令を発生させると、入力部150によって受信された当該モード切り換え命令に係る制御命令は制御部140のモード制御部141に伝達される。モード制御部141は、形状変形/保持部120に所定のレベルの電圧を印加させて形状変形/保持部120の形状を切り換えることにより、可とう性表示パネル110における平面モードFMと曲面モードCMとを相互に切り換える。また、視聴者が遠隔調整器151を通じて可とう性表示パネル110の曲面の反り具合を変更する命令を発生させると、入力部150によって受信された当該曲面の反り具合を変更する命令に係る制御命令は制御部140の曲率制御部142に伝達される。曲率制御部142は、形状変形/保持部120の位置ごとに異なる値を有する電圧を印加させることにより、可とう性表示パネル110の曲面の反り具合を変化させる。また、視聴者が遠隔調整器151を通じて可とう性表示パネル110の中心部分Cの位置を移動させる命令を発生させると、入力部150によって受信された当該中心部分Cの位置を移動させる命令に係る制御命令は制御部140の位置制御部143に伝達される。位置制御部143は、パネル支持部130における移動ガイド部133の移動を制御して可とう性表示パネル110の中心部分Cの位置を移動させる。
【0076】
なお、
図8では、入力部150を介して遠隔調整器151によって制御部140に各種の制御命令を伝達する場合について図示しているが、本発明はかかる例に限定されるものではない。遠隔調整器151の代わりに人体の動きを利用して制御部140に制御命令を伝達することも可能である。例えば、表示装置1は、人体の動きをセンシングするためのセンサー(図示せず。)をさらに備えてもよい。例えば、当該センサー(図示せず。)は、顔面認識センサー、瞳孔認識センサー、または動作認識センサー等である。これらのセンサー(図示せず。)を用いてモード制御部141、曲率制御部142、及び位置制御部143の全部または一部に制御信号が伝達されてもよい。
【0077】
以上説明した実施形態によれば、可とう性表示パネルを曲面モードにして画面を視聴することができるため、視聴者の映像への没入感を高めることができる。また、可とう性表示パネルの曲面モードと平面モードとが自在に切り換えられることにより、映像の種類に応じた好適なモードを選択することができ、視聴者のニーズを満たすことができる。また、視聴しないとき、または表示装置の移動時や船積み時には、可とう性表示パネルを平面モードに切り換えることにより、当該可とう性表示パネルにおける破れや割れなどの破損を防止することができる。
【0078】
一方、上述した実施形態では、横方向の長さが縦方向の長さよりも長い長方形形状を有する可とう性表示パネル110を例として説明したが、本発明はかかるパネルの形状に限定されるものではない。よって、縦方向の長さが横方向の長さと同一の略正方形形状または縦方向の長さが横方向の長さよりも長い長方形形状を有する表示パネルにも適用され得る。
【0079】
図9は、本発明の第2実施形態に係る表示装置2の平面モードFM及び曲面モードCMを概略的に示す斜視図である。また、
図10は、
図9に示す表示装置2を概略的に示す側面図である。
【0080】
図9及び
図10を参照すると、表示装置2は、平面モードFMと曲面モードCMとを選択的に具現可能な可とう性表示パネル210(可撓性表示パネル210)を備える。なお、
図9及び
図10では、簡単のため、第2実施形態に係る表示装置2の構成のうち可とう性表示パネル210を主に図示し、その他の構成については図示を省略している。第2実施形態に係る表示装置2の可とう性表示パネル210以外の構成は、上述した第1実施形態に係る表示装置1の可とう性表示パネル110以外の構成と同様であってもよい。
【0081】
可とう性表示パネル210は、平面モードFMで互いに平行に延びた第1及び第2短辺部210a、210b、並びに、第1及び第2短辺部210a、210bに対して略垂直に延びた第1及び第2長辺部210c、210dを備え、4つの角を有する略四角形の長方形形状に製作される。
図9及び
図10では、地面に対して垂直に互いに平行に延びた第1及び第2長辺部210c、210dが、第1及び第2短辺部210a、210bよりも長く、すなわち、横方向の長さよりも縦方向の長さの方が長い長方形として可とう性表示パネル210が図示されているが、本発明はかかる例に限定されるものではない。本発明は、横方向の長さが縦方向の長さよりも長い矩形状の表示パネル、または正方形の矩形状の表示パネルにも適用できるということはいうまでもない。
【0082】
本実施形態に係る表示装置2の可とう性表示パネル210は、
図9及び
図10に示すように、平面モードFMから曲面モードCMに切り換わる際に、可とう性表示パネル210の垂直方向に位置する一側の端部、例えば第1短辺部210aの方へ行くほど曲面の反り具合が増加するように、その曲面が形成される。
【0083】
第2の実施形態において、視聴者Vが斜めに寄りかかった姿勢または横になった姿勢で表示装置2の画面を視聴し、かつ、視聴者Vが表示装置2の中心部分Cの略直下の方向であって可とう性表示パネル210を見上げる場所に位置している場合には、表示パネル上部の第1短辺部210a近傍における曲面が調節される。また、可とう性表示パネル210の中心部分の位置が垂直方向、
図9及び
図10に示す例では上方向に移動するように調節される。これにより、
図9に示すように、平面モードFMにおける視聴者Vと第1及び第2長辺部210c、210dとの距離rより、曲面モードCMにおける視聴者Vと第1及び第2長辺部210c、210dとの距離Rの方が狭くなる。よって、視聴者Vが斜めに寄りかかった姿勢または横になった姿勢で映像を視聴する場合であっても、平面モードFMの状態に比べて視聴者Vと画面の端部との距離が狭められ、視聴者Vの映像に対する没入感が高められる。
【0084】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0085】
なお、上述した各図面に示した各構成要素は、説明の便宜上拡大または縮小して表示されていてもよく、図面に示した構成要素のサイズや形状によって本発明が限定されるものではない。当業者ならば、これらの図面から多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。