(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサ装置は、補助デバイスがデフォルト・モードにあるときに、用量がダイヤル設定されたことを検出したことに応答して用量ダイヤル設定中モードに入るように、かつ取り付けられた注射デバイスに現在ダイヤル設定されている用量が表示されるように構成される、請求項1に記載の補助デバイス。
プロセッサ装置は、補助デバイスが用量ダイヤル設定中モードにあるときに、用量ダイヤル設定が停止したことを検出したことに応答して用量ダイヤル設定済モードに入るように、かつ取り付けられた注射デバイスに現在ダイヤル設定されている用量が表示されるように、かつ用量送達が可能であることを示す図形またはテキストを表示するように構成さ
れる、請求項2に記載の補助デバイス。
プロセッサ装置は、補助デバイスが用量ダイヤル設定済モードにあるときに、使用者による確認/OK入力を検出したことに応答して、注射が可能であることを使用者に示す図形が提示される、今から注射状態に移行するように構成される、請求項3に記載の補助デバイス。
プロセッサ装置は、用量が完全に送達されたことを検出することによって、または用量送達が終わり使用者によって確認されたことを検出することによって、用量が送達されたことを検出するように構成される、請求項5に記載の補助デバイス。
プロセッサ装置は、補助デバイスが用量送達済モードにあることが検出されたことに応答して用量送達の時刻を記録するように構成される、請求項5〜7のいずれかに記載の補助デバイス。
電源オン/オフ・キーおよび確認/OKキーを含む少なくとも2つのハードウェア・キーを備え、プロセッサ装置は、確認/OKキーの操作を検出したことに応答して、異なる動作モード間を移行するように構成される、請求項1〜8のいずれかに記載の補助デバイス。
ディスプレイはタッチ・センサ式ディスプレイであり、プロセッサ装置は、タッチ・センサ式ディスプレイに仮想ボタンを表示させるように構成され、ディスプレイは、仮想ボタンで使用者入力を受けたことに応答してプロセッサ装置が実行するように構成されているアクションを表示する、請求項1〜9のいずれかに記載の補助デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の諸実施形態についてインスリン注射デバイスに関して説明する。しかし、本発明はこのような用途に限定されず、他の薬剤を排出する注射デバイス、または他のタイプの医療デバイスにも同様に適切に配置することができる。
【0021】
図1aは、例えばSanofiのSolostar(登録商標)インスリン注射ペンを表し得る、注射デバイス1の分解組立図である。
【0022】
図1aの注射デバイス1は充填済使い捨て注射ペンであり、ハウジング10を備えており、針15を付けることができるインスリン容器14を含む。針は、内側針キャップ16および外側針キャップ17によって保護され、外側針キャップはキャップ18によって覆うことができる。注射デバイス1から排出されるべきインスリン用量は、投与量つまみ12を回すことによって選択することができ、次に、選択用量は、例えば、いわゆる国際単位(IU)の倍数として投与量窓13を介して表示される。ここで1IUは、約45.5マイクログラムの純粋結晶のインスリン(1/22mg)の生物学的な等価物である。投与量窓13に表示される選択用量の一例は、
図1aに示されるように、例えば30IUとすることができる。選択用量は、様々に(例えば電子ディスプレイによって)同様に適切に表示できることに留意されたい。
【0023】
投与量つまみ12を回すことにより機械的なクリック音が生じて、音響フィードバックを使用者に与える。投与量窓13に表示された数字はスリーブ上に印刷されており、このスリーブは、ハウジング10内に収容され、インスリン容器14内のピストンと機械的に相互作用する。針15が患者の皮膚部分に突き刺されると、次に注射ボタン11が押され、表示窓13に表示されたインスリン用量が注射デバイス1から排出される。注射ボタン11が押された後に注射デバイス1の針15が皮膚部分に一定の時間とどまっているときに、高い率の用量が患者の体の中に実際に注射される。インスリン用量の排出もまた機械的なクリック音を生じさせるが、この音は、投与量つまみ12を使用するときに生成される音とは異なる。
【0024】
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるか、または注射デバイス1の有効期限(例えば、最初の使用から28日後)に達するまで、数回の注射処置に使用することができる。
【0025】
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、インスリン容器14および針15から空気を除去するためのいわゆる「最初の注射」を、例えば2単位のインスリンを選択し、針15が上向きの注射デバイス1を保持しながら注射ボタン11を押すことによって、実施する必要があり得る。
【0026】
説明を簡単にするために、以下では、例えば次に注射しようとする用量の提案をするとき、この用量が、注射デバイスによって排出されなければならない用量と等しくなるように、排出される用量は注射される用量と実質的に一致すると例示的に仮定する。しかしながら、排出用量と注射用量の差異(例えば、損失)は、もちろん考慮に入れることができる。
【0027】
図2aは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付けられるべき補助デバイス2の一実施形態の概略図である。補助デバイス2は、注射デバイス1のハウジング10に密着しているが、それでも、例えば注射デバイス1が空であり交換されなければならないときに、注射デバイス1から取外し可能であるように、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を取り巻くように構成された嵌合ユニット付きのハウジング20を備える。
図2は非常に概略的であり、物理的な配置の詳細については、以下で
図2bを参照して説明する。
【0028】
補助デバイス2は、注射デバイス1から情報を集めるための光センサおよび音響センサを含む。情報が補助デバイス2の表示ユニット21によって表示される。注射デバイス1の投与量窓13は、補助デバイス2が注射デバイス1に取り付けられると、補助デバイス2によって遮られる。
【0029】
補助デバイス2はさらに、ボタン22として概略的に図示された3つの使用者入力変換器を備える。これらの入力変換器22により、使用者が補助デバイス2をオン/オフすること、アクションをトリガすること(例えば、別のデバイスとの接続またはペアリングの確立をもたらすために、かつ/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報の送信をトリガするために)、または何かを確認することが可能になる。
【0030】
図2bは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付けられるべき補助デバイス2の第2の実施形態の概略図である。補助デバイス2は、注射デバイス1のハウジング10に密着しているが、それでも注射デバイス1から取外し可能であるように、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を取り巻くように構成された嵌合ユニット付きのハウジング20を備える。
【0031】
情報が補助デバイス2の表示ユニット21によって表示される。注射デバイス1の投与量窓13は、補助デバイス2が注射デバイス1に取り付けられると、補助デバイスによって遮られる。
【0032】
補助デバイス2はさらに、3つの使用者入力ボタンまたはスイッチを備える。第1のボタン22は、電源オン/オフ・ボタンであり、これによって、補助デバイス2を例えばオンおよびオフすることができる。第2のボタン33は通信ボタンである。第3のボタン34は確認またはOKボタンである。ボタン22、33、34は、適切な任意の形の機械的スイッチとすることができる。これらの入力ボタン22、33、34により、使用者が補助デバイス2をオン/オフすること、アクションをトリガすること(例えば、別のデバイスとの接続またはペアリングの確立をもたらすために、かつ/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報の送信をトリガするために)、または何かを確認することが可能になる。
【0033】
図2cは、
図1aの注射デバイス1に解放可能に取り付けられるべき補助デバイス2の第3の実施形態の概略図である。補助デバイス2は、注射デバイス1のハウジング10に密着しているが、それでも注射デバイス1から取外し可能であるように、
図1aの注射デバイス1のハウジング10を取り巻くように構成された嵌合ユニット付きのハウジング20を備える。
【0034】
情報が補助デバイス2の表示ユニット21によって表示される。注射デバイス1の投与量窓13は、補助デバイス2が注射デバイス1に取り付けられると、補助デバイスによって遮られる。
【0035】
補助デバイス2はさらに、タッチ・センサ式入力変換器35を備える。補助デバイスはまた、単一の使用者入力ボタンまたはスイッチ22を備える。ボタン22は電源オン/オフ・ボタンであり、これによって、補助デバイス2を例えばオンおよびオフすることができる。タッチ・センサ式入力変換器35を使用して、使用者が補助デバイス2をオン/オフすること、アクションをトリガすること(例えば、別のデバイスとの接続またはペアリングの確立をもたらすために、かつ/または補助デバイス2から別のデバイスへの情報の送信をトリガするために)、または何かを確認することができる。
【0036】
図3aおよび
図3bは、注射デバイスと一緒に補助デバイス(
図2aおよび
図2bの補助デバイスなど)を使用する場合の、デバイス間の実現可能な機能配分を示す。
【0037】
図3aの配列4では、補助デバイス41(
図2aおよび
図2bの補助デバイスなど)は、注射デバイス40からの情報を判断し、この情報(例えば、注射しようとする薬剤の種類および/または用量)を血糖監視システム42に与える(例えば、有線または無線接続を介して)。
【0038】
血糖監視システム42(例えば、デスクトップ・コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック、ネットブック、またはウルトラブックとして具現化することができる)は、患者がこれまで受けた注射の記録を保持する(例えば、排出用量と注射用量が等しいと仮定することによって、排出用量に基づいて、あるいは、例えば所定の比率の排出用量を患者が完全に受けていないと仮定して、排出用量に基づいて注射用量を求めることによって)。血糖監視システム42は、例えば、この患者ために次の注射のインスリンの種類および用量を提案することができる。この提案は、患者が受けた1回またはそれ以上の過去の注射についての情報と、血糖計43によって測定され血糖監視システム42に与えられた(例えば、有線または無線接続を介して)現在の血糖値とに基づくことができる。その場合、血糖計43は、患者の小さい血液プローブを受けるように(例えば、キャリア材料上に)、かつこの血液プローブに基づいて患者の血糖値を決定するように構成される別個のデバイスとして具現化することができる。しかし、血糖計43はまた、少なくとも一時的に患者に移植される(例えば患者の眼の中または皮膚の下に)デバイスとすることもできる。
【0039】
図3bは修正された配列4’であり、
図3aの血糖計43が
図3aの血糖監視システム42の中に含まれており、それによって、
図3bの修正された血糖監視システム42’が得られる。
図3aの注射デバイス40および補助デバイス41の諸機能は、この修正によって影響を受けない。血糖監視システム42’に一体化された血糖監視システム42と血糖計43の機能もまた、両方がここでは同一のデバイス内に含まれ、そのためこれらのデバイス間の有線または無線通信がもはや不要であることは別として、基本的に変わっていない。しかし、血糖監視システム42と血糖計43の間の通信はシステム42’の中で行われる。
【0040】
図4は、
図2aの補助デバイス2が
図1aの注射デバイス1に取り付けられた状態の補助デバイス2の概略図を示す。
【0041】
補助デバイス2のハウジング20と共に、複数の構成要素が含まれる。これらはプロセッサ24によって制御され、このプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などとすることができる。プロセッサ24は、プログラム・メモリ240に保存されたプログラム・コード(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行すると共に、例えば中間結果を保存するために、主メモリ241を使用する。主メモリ241はまた、実施された排出/注射のログブックを保存することもできる。プログラム・メモリ240は、例えば読取り専用メモリ(ROM)とすることができ、主メモリは、例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM)とすることができる。
【0042】
図2bに示されたものなどの実施形態では、プロセッサ24は第1のボタン22と対話し、それによって補助デバイス2は、例えば電源をオンおよびオフすることができる。第2のボタン33は通信ボタンである。この第2のボタンを使用して、他のデバイスとの接続の確立を引き起こす、または他のデバイスへの情報の送信をトリガすることができる。第3のボタン34は確認またはOKボタンである。第3のボタン34を使用して、補助デバイス2の使用者に提供された情報に対して確認応答することができる。
【0043】
図2cに示されたものなどの実施形態では、2つのボタン33、34を省略することができる。代わりに、1つまたはそれ以上の容量性センサまたは他のタッチ・センサが設けられる。
【0044】
プロセッサ24は、液晶ディスプレイ(LCD)として現在具現化されているディスプレイ・ユニット21を制御する。ディスプレイ・ユニット21は、補助デバイス2の使用者に対し、例えば注射デバイス1の現在の設定、または与えられるべき次の注射についての情報を表示するために使用される。ディスプレイ・ユニット21はまた、例えば使用者の入力を受けるために、タッチ・スクリーン・ディスプレイとして具現化することもできる。
【0045】
プロセッサ24はまた、投与量窓13の画像を取り込むことができる光学式文字認識(OCR)リーダとして具現化された光センサ25を制御する。この投与量窓には、現在選択されている用量が表示されている(注射デバイス1に含まれるスリーブ19上に印刷された、投与量窓13を通して見える数字によって)。OCRリーダ25はさらに、取込み画像からの文字(例えば数字)を認識し、この情報をプロセッサ24に与えることもできる。あるいは、補助デバイス2のユニット25は、画像を取り込むと共に取込み画像の情報をプロセッサ24に与える光センサ(例えばカメラ)だけとすることもできる。その場合、プロセッサ24は、取込み画像に対しOCRを実施することを担う。
【0046】
プロセッサ24はまた、現在選択されている用量が表示されている投与量窓13を照明するための発光ダイオード(LED)29などの光源を制御する。例えば一片のアクリル・ガラスから作られた拡散器を光源の前方に使用することができる。さらに光センサは、ある倍率(例えば、3:1より大きい倍率)になるレンズ(例えば非球面レンズ)を備えることもできる。
【0047】
プロセッサ24はさらに、注射デバイス1のハウジング10の光学特性(例えば、色または濃淡)を決定するように構成された測光器26を制御する。この光学特性は、ハウジング10の特定の部分、例えば、注射デバイス1の中に備えられたスリーブ19またはインスリン容器の色または色コーディングにだけ存在することができ、この色または色コーディングは、例えば、ハウジング10(および/またはスリーブ19)の別の窓を通して見えるものにすることができる。次に、この色の情報はプロセッサ24に与えられ、その後プロセッサ24は、注射デバイス1の種類、または注射デバイス1に収容されたインスリンの種類(例えば、紫色のSoloStar Lantus、および青色のSoloStar Apidra)を決定することができる。別法として、測光器26の代わりにカメラ・ユニットを使用することもでき、その場合、ハウジング、スリーブまたはインスリン容器の画像をプロセッサ24に与えて、画像処理によってハウジング、スリーブまたはインスリン容器の色を決定することができる。さらに、1つまたはそれ以上の光源を設けて測光器26の読取値を改善することもできる。光源は、測光器26による色検出を改善するために、ある特定の波長またはスペクトルの光を供給することができる。光源は、例えば投与量窓13による不要な反射が回避または低減されるようにして配置することができる。例示的な一実施形態では、測光器26の代わりに、またはそれに加えてカメラ・ユニットを配置して、注射デバイスおよび/またはその中に収容されている薬剤に関連するコード(例えばバーコード。これは、例えば一次元または二次元バーコードとすることができる)を検出することができる。このコードは、いくつか例を挙げると、例えばハウジング10の上、または注射デバイス1に含まれる薬剤容器の上に置くことができる。このコードは、例えば、注射デバイスおよび/または薬剤の種類、および/または別の特性(例えば有効期限)を表示することができる。
【0048】
プロセッサ24はさらに、注射デバイス1によって生成された音を検知するように構成されている音響センサ27を制御する(かつ/または音響センサからの信号を受ける)。このような音は、例えば、投与量つまみ12を回すことによって用量がダイヤル設定されたとき、および/または注射ボタン11を押すことによって用量が排出/注射されたとき、および/または最初の注射が行われたときに発生することができる。これらのアクションは機械的には類似しているが、異なる音を出す(これらのアクションを示す電子音の場合もそうであり得る)。音響センサ27および/またはプロセッサ24は、例えば、(最初の注射だけではなく)注射が行われたことを安全に認識できるよう、これらの異なる音を区別するように構成することができる。
【0049】
プロセッサ24はさらに、例えば注射デバイス1の動作状態と関連づけることができる音響信号を、例えば使用者へのフィードバックとして生成するように構成されている音響信号発生器23を制御する。例えば、音響信号は、注射しようとする次の用量を思い出させるものとして、または、例えば誤用の場合の警告信号として、音響信号発生器23から送り出すことができる。音響信号発生器は、例えば、ブザーまたはスピーカとして具現化することができる。音響信号発生器23に加えて、またはその代替として、例えば振動によって触覚フィードバックを与えるための触覚信号発生器(図示せず)を使用することもできる。
【0050】
プロセッサ24は、無線によって他のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成されている無線ユニット28を制御する。このような伝送は、例えば、無線伝送または光伝送に基づくことができる。いくつかの実施形態では、無線ユニット28はブルートゥース・トランシーバである。別法として、無線ユニット28は、例えばケーブルまたはファイバ接続を介した有線結合によって、他のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成されている有線ユニットに置き換えること、またはそれで補完することができる。データが送信されるとき、転送されるデータ(値)の単位は、明示的または暗黙的に定義することができる。例えば、インスリン用量の場合、常に国際(IU)単位を使用することができ、または別に、使用される単位を明示的に、例えばコード化された形で転送することができる。
【0051】
プロセッサ24は、ペン1が存在するかどうか、すなわち補助デバイス2が注射デバイス1に連結されているかどうかを検出するように動作可能なペン検出スイッチ30から入力を受ける。
【0052】
電池32は、電源31によってプロセッサ24および他の構成要素に電力を供給する。
【0053】
したがって
図4の補助デバイス2は、注射デバイス1の状態および/または使用に関連する情報を判断することができる。この情報は、デバイスの使用者が使用するようにディスプレイ21に表示される。この情報は、補助デバイス2自体で処理するか、または他のデバイス(例えば血糖監視システム)に少なくとも部分的に供給することができる。
【0054】
プロセッサ24は、プロセッサ装置を構成する。OCRリーダ25は、ダイヤル設定された薬剤の用量を検出するように動作可能なダイヤル設定済用量検出器を構成する。OCRリーダ25はまた、薬剤の用量が送達されたと決定する用量送達デタミナを構成する。OCRリーダ25とプロセッサ24は一緒に、送達された薬剤の量を決定する分量デタミナを構成する。プロセッサ24は、現在時間を決定するように構成された時計の機能を提供する。
【0055】
図5a〜5cは、本発明による方法の実施形態の流れ図である。これらの方法は、例えば補助デバイス2のプロセッサ24(
図2bおよび
図4参照)によって実施することができるが、
図2bの補助デバイス2のプロセッサによっても実施することができ、例えば補助デバイス2のプログラム・メモリ240に保存することができ、このプログラム・メモリは、例えば
図6の有形の記憶媒体60の形をとることができる。
【0056】
図5aは、
図3aおよび
図3bに示されたシナリオで実施される方法ステップを示し、ここで補助デバイス41によって注射デバイス40から読み取られた情報が血糖監視システム42または42’に与えられ、血糖監視システム42または42’から逆に情報を受けることはない。
【0057】
流れ
図500は、例えば、補助デバイスの電源が入れられる、または他の方法で起動されると始まる。ステップ501で、注射デバイスによって供給される薬剤の種類(例えばインスリン)を、既に前述したように、例えば注射デバイスまたはその構成要素の色認識に基づいて、またはその上に印刷されたコードの認識に基づいて決定する。患者が常に同じ種類の薬剤を摂取し、この単一の種類の薬剤と共に1つの注射デバイスだけを使用する場合には、薬剤の種類の検出は不要であり得る。さらに、薬剤の種類の決定は、別の方法で保証することもできる(例えば、補助デバイスが特定の1つの注射デバイスとだけ使用可能であり、その結果この注射デバイスは、この単一の種類の薬剤しか供給することできない、
図4に示された鍵−凹部対によって)。
【0058】
ステップ502で、例えば、前述したように注射デバイスの投与量窓に示された情報のOCRによって、現在選択されている用量を決定する。次に、ステップ503で、この情報を注射デバイスの使用者に対し表示する。
【0059】
ステップ504で、例えば前述した音認識によって、注射が行われたかどうかを調べる。その場合、注射デバイスによって発生するそれぞれ異なる音に基づいて、かつ/または排出される用量に基づいて、最初の注射を(生物への)実際の注射と区別することが可能である(例えば4単位または3単位である所定量の単位よりも例えば少ない、例えば小用量は、最初の注射に属するとみなすことができるのに対し、より大きい用量は、実際の注射に属するとみなされる)。
【0060】
注射が行われた場合、決定されたデータすなわち選択用量、および該当する場合には薬剤(例えばインスリン)の種類は、主メモリ241内に保存され、後でこの主メモリから他のデバイス(例えば血糖監視システム)へ送出することができる。例えば注射が最初の注射として実施されたか、それとも実際の注射として実施されたかの、排出の種類に関する区別がされた場合、この情報もまた主メモリ241に保存し、場合により後で送出することができる。注射が実施された場合、ステップ505で、その用量をディスプレイ21に表示する。注射の直後では0または1分になる、最後の注射から後の時間もまた表示する。最後の用量から後の時間は、間欠的に表示することができる。例えば、その時間は、注射された薬剤の名前または他の識別名(例えば、ApidraまたはLantus)と交互に表示することができる。
【0061】
ステップ504で注射を実施しなかった場合には、ステップ502および503を繰り返す。
【0062】
送達用量および時刻データの表示後、流れ
図500は終了する。
【0063】
図5bは、光センサを使用することだけに基づいて選択用量が決定される場合に実施される例示的方法のステップをより詳細に示す。例えば、これらのステップは、
図5aのステップ502で実施することができる。
【0064】
ステップ901で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって副画像を取り込む。取り込まれる副画像は、例えば、注射デバイス1の投与量窓13の少なくとも一部の画像であり、この投与量窓には、現在選択されている用量が表示されている(例えば、投与量窓13通して見える、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字および/または目盛りによって)。例えば、取り込まれた副画像は解像度が低く、かつ/または、投与量窓13を通して見えるスリーブ19の部分の一部しか示さない可能性がある。例えば、取り込まれた副画像は、投与量窓13を通して見える注射デバイス1のスリーブ19の部分に印刷された、数字または目盛りを示す。画像を取り込み後、例えば、さらに以下のように画像を処理する:
以前に取り込まれた背景画像により分割;
さらなる評価のために画素の数を低減するように画像(1つまたはそれ以上)をビニング;
照明の強度変動を低減するように画像(1つまたはそれ以上)を正規化;
画像(1つまたはそれ以上)をシアリング;および/または
固定閾値と比較することによって画像(1つまたはそれ以上)を2値化。
【0065】
これらのステップのいくつかまたは全部は、妥当な場合、例えば十分に大きい光センサ(例えば、十分に大きい画素を有するセンサ)が使用される場合、省略することができる。
【0066】
ステップ902で、取り込まれた副画像に変化があるかどうかを判定する。例えば、変化があるかどうかを判定するために、現在取り込まれている副画像を以前に取り込まれた副画像(1つまたはそれ以上)と比較することができる。その場合、以前に取り込まれた副画像との比較は、現在の副画像が取り込まれた直前に取り込まれた以前の複数の取込み副画像のうちの副画像、および/または現在の副画像が取り込まれる前の特定の時間(例えば0.1秒)内に取り込まれた以前の複数の取込み副画像のうちの副画像に限定することができる。この比較は、現在取り込まれている副画像、および以前に取り込まれた副画像に対して実施されるパターン認識などの、画像解析技法に基づくことができる。例えば、投与量窓13を通して見える、また現在取り込まれている副画像および以前に取り込まれた副画像に示される、目盛りおよび/または数字のパターンが変化しているかどうかを解析することができる。例えば、画像中の、特定のサイズおよび/またはアスペクト比を有するパターンを探すことができ、またこれらのパターンを以前に保存されたパターンと比較することができる。ステップ901および902は、取り込まれた画像の変化を検出することに対応することができる。
【0067】
ステップ902で副画像に変化があると判定した場合には、ステップ901を繰り返す。さもなければステップ903で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって画像を取り込む。取り込まれる画像は、例えば、注射デバイス1の投与量窓13の画像であり、この投与量窓には、現在選択されている用量が表示されている(例えば、投与量窓13通して見える、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された数字および/または目盛りによって)。例えば、取り込まれた画像は、取り込まれた副画像の解像度よりも高い解像度を有することができる。取り込まれた画像は、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷された、投与量窓13を通して見える数字を少なくとも示す。
【0068】
ステップ904で、注射デバイス1のスリーブ19上に印刷され投与量窓13を通して見える数字を認識するために、ステップ903で取り込まれた画像に対し光学式文字認識(OCR)を実施する。その理由は、これらの数字が、(現在)選択されている用量に対応するからである。例えば、選択された用量を表す値を認識数字に設定することによって、認識数字と一致する選択された用量が決定される。
【0069】
ステップ905で、決定された選択用量に変化があるかどうか、また場合により、決定された選択用量がゼロに等しくないかどうかを判定する。例えば、変化があるかどうかを判定するために、現在決定されている選択用量を以前に決定された選択用量(1つまたはそれ以上)と比較することができる。その場合、以前に決定された選択用量(1つまたはそれ以上)との比較は、現在選択されている用量が決定される前の特定の時間(例えば3秒)内に決定された、以前に決定された選択用量(1つまたはそれ以上)に限定することができる。決定された選択用量に変化がなく、また、場合により、決定された選択用量がゼロに等しくなければ、現在決定されている選択用量は、さらなる処理のために返される/送られる(例えば、プロセッサ24に)。
【0070】
したがって、投与量つまみ12の最後の回転が3秒よりも前である場合に、選択用量が決定される。投与量つまみ12がこの3秒以内または3秒後に回され、この新しい位置が3秒を超えて変化しないままである場合には、この値が決定された選択用量として取得される。
【0071】
図5cは、選択用量が音響センサおよび光センサを使用することに基づいて決定される場合に実施される例示的方法のステップをより詳細に示す。例えば、これらのステップは、
図5aのステップ502で実施することができる。
【0072】
ステップ1001で、補助デバイス2の音響センサ27などの音響センサによって音を取り込む。
【0073】
ステップ1002で、取り込まれた音がクリック音であるかどうかを判定する。取り込まれる音は、例えばクリック音とすることができ、この音は、注射デバイス1の投与量つまみ12を回すことによって用量がダイヤル設定されたとき、および/または注射ボタン11を押すことによって用量が排出/注射されたとき、および/または最初の注射が行われたときに発生する。取り込まれた音がクリック音でない場合には、ステップ1001を繰り返す。そうでない場合には、ステップ1003で、補助デバイス2の光センサ25などの光センサによって画像を取り込む。ステップ1003は、流れ
図900のステップ903に対応する。
【0074】
ステップ1004で、ステップ1003で取り込まれた画像に対するOCRを実施する。ステップ1004は、流れ
図900のステップ904に対応する。
【0075】
ステップ1005で、決定された選択用量に変化があるかどうか、また場合により、決定された選択用量がゼロに等しくないかどうかを判定する。ステップ1005は、流れ
図900のステップ905に対応する。
【0076】
補助デバイスの消費電力ということになると、
図5cに示された音響手法にわずかな優位点があり得る。その理由は、
図5bに示されるように画像または副画像を恒久的に取り込むことは、マイクロフォンなどの音響センサを聴き取るよりも電力消費が大きいからである。
【0077】
図6は、本発明の諸態様によるプログラム・コード62を有するコンピュータ・プログラム61を備える、有形の記憶媒体60(コンピュータ・プログラム製品)の概略図である。このプログラム・コードは、例えば、補助デバイスに含まれるプロセッサ(例えば、
図2aおよび
図4の補助デバイス2のプロセッサ24)によって実行することができる。例えば、記憶媒体60は、
図4の補助デバイス2のプログラム・メモリ240を表すことができる。記憶媒体60は固定媒体または、例えばメモリ・スティックまたはメモリ・カードなどの、着脱可能メモリとすることができる。
【0078】
最後に、
図7は、本発明の一実施形態による様々なデバイス(例えば、
図3aまたは
図3bに示されたシナリオでの
図4の注射デバイス1および補助デバイス2)の間の情報の流れを示す情報シーケンス・チャート7である。注射デバイス1の状態および/または使用法が、その投与量窓の外観、注射デバイス1が発生する音、およびハウジングの色に影響を及ぼす。この情報は、補助デバイス2のセンサ25、26、27、30によって、それぞれOCR信号、音響センサ信号、および測光器信号に変換され、次にこれらの信号は、補助デバイス2のプロセッサ24によってそれぞれ、ダイヤル設定された用量、注射/ダイヤル設定動作、およびインスリンの種類についての情報に変換される。次に、この情報は、補助デバイス2によって血糖監視システム42に与えられる。この情報の一部またはすべてが、ディスプレイ21を介して使用者に対し表示される。
【0079】
上記に詳述したように、本発明の諸実施形態により、標準的な注射デバイス、特にインスリン・デバイスを血糖監視システムと有益かつ生産的に連結することが可能になる。
【0080】
本発明の諸実施形態では、血糖監視システムが無線機能または他の通信機能を有すると想定して、この連結を可能にするための補助デバイスを導入する。
【0081】
血糖監視とインスリン注射デバイスの間を接続することによる利益は、とりわけ、注射デバイスの使用者による誤りの低減、および処理ステップの低減であり、注射されるインスリン単位を血糖監視まで、特に、最後に注射された用量および最新の血糖値に基づいて次の用量の指導を行う機能付きの血糖監視システムまで、手動で転送することがもはや必要とされない。
【0082】
上記の例示的な実施形態を参照して説明したように、使用者/患者が新しいインスリン・ペンを受け取ると、使用者は、そのペンに補助デバイスを取り付ける。補助デバイスは、注射用量を読み取る。補助デバイスはまた、注射用量をインスリン用量設定機能付き血糖監視システムへ転送することもできる。複数のインスリンを摂取する患者については、補助デバイスは、インスリンの種類に対するデバイス構造を認識し、この部分の情報もまた血糖監視システムへ送出することができる。
【0083】
例示的な実施形態では、ディスプレイ(例えば、
図2aおよび
図4のLCDディスプレイ21)に示される情報もまた、例えば、音響信号発生器23を使用してプロセッサ24によって実施されるテキスト音声機能により、スピーカを介して使用者に対し再生される音声信号に変換することができる。したがって、ダイヤル設定済用量、推奨用量、投与の推奨時刻などの補助デバイス2の情報への、視力に障害がある使用者によるアクセスが改善され得る。
【0084】
本発明の諸実施形態を使用すると、使用者にはとりわけ以下の利点がある:
【0085】
使用者は、最も都合のよい使い捨てインスリン注射器を使用することができる。
【0086】
補助デバイスは、取付け可能および取外し可能(再使用可能)である。
【0087】
注射用量情報を血糖監視システムへ自動的に転送することができる(もはや転送誤りがない)。これにより、摂取すべき用量を血糖監視システムが計算するので、用量指導が改善されることになる。
【0088】
マニュアル・データ・ログブックを保持する必要がもはやなくなる可能性がある。
【0089】
さらに、本発明により提案される補助デバイスを配置すると、患者はまた、例えば、薬剤(例えば、インスリンまたはヘパリン)の最初の用量が注射された後の適切な時間後に警告信号を受けることによって、自分の次の用量を注射することを思い出すこともできる。
【0090】
注射用量情報は、任意のコンピュータ化システムに、例えば、任意の用量計算または他の任意の適用可能な治療指導計算のための入力として、または、例えば次の用量を摂取することを使用者に思い出させる警告信号を生成するための入力として転送することができる。
【0091】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0092】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0093】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0094】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0095】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0096】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0097】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0098】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0099】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0100】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0101】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0102】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0103】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0104】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0105】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0106】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0107】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0108】
図8は、補助デバイス2の動作を説明するために次に使用する図面である。
図8は、一部が流れ図であり一部が状態図である。
【0109】
以下では、使用者入力を「I」で始まる参照番号で示し、表示または状態を「D」で始まる参照番号で示し、図面の他の要素、例えば補助デバイスによって行われる検査および説明的な情報を「E」で始まる参照番号で示す。
【0110】
以下では、ディスプレイ21は、ハードウェア・ディスプレイ21と、表示され、表示と呼ばれることがある画像との混同を避けるために、LCD 21と呼ばれる。しかしLCD 21は、任意の適切な形のディスプレイ・ハードウェアとすることができる。
【0111】
最初、補助デバイスは電源がオフになっている。この補助デバイスは、D1に示される表示を行う。
【0112】
D1はまた、補助デバイスのユーザ・インターフェース機能の一般的な配置を示すのに役立つ。具体的には、補助デバイス2の最上面は、LCD 21および確認/OKボタン34を備えて示されている。確認/OKボタン34は、この例ではLCD 21の左側に置かれているが、他の実施形態では別の位置を取ることができる。電源オン/オフ・ボタン22および通信ボタン33は、補助デバイス2の側面に置かれている。ここで図示されるように、通信ボタン33および電源オン/オフ・ボタン22は、補助デバイス2の同じ側面に置かれているが、他の実施形態では、ボタンは別々に置かれる。例えば、いくつかの実施形態では、電源オン/オフ・ボタン22は、通信ボタン33とは反対側のLCD 21の側面に置かれる。他のいくつかの実施形態では、通信ボタン33および/または電源オン/オフ・ボタン22は、補助デバイス2の上面に置かれる。
【0113】
入力I1で使用者は電源オン/オフ・ボタン22を押す。この入力I1は、補助デバイス2によって検出される。具体的には、プロセッサ24が、電源オン/オフ・ボタン22が比較的短い期間押されたことを検出する。他の使用者入力が同様に補助デバイスによって検出され、簡潔な説明を場合により以下の説明で行う。以下では、「モード」と「状態」を、同じことを示すのに交換可能に用い、補助デバイス2がモードXである場合、これは補助デバイスが状態Xであるのと同じ意味である。
【0114】
補助デバイス2がD1に示された状態であるときに、補助デバイス2が
図8の入力I2に示された電源オン/オフ・ボタン22の長押しを受けた場合、補助デバイス2は、D2に示された状態または表示に移行する。ここで、電源オン進行バーがLCD 21に表示される。この進行バーは、電源または電池を示す記号を含み、また電池の電力レベルに関連するインジケータも含む。
図8に示されるように、この例では、電池電力は満電池の約3分の1である。補助デバイス2は、D2で示された状態に既定の時間(例えば2秒または3秒間)とどまる。D2に示された状態に続き、補助デバイス2は、4つの可能な状態のうちの1つに移行する。
【0115】
補助デバイスが、検出スイッチ30の状態を調べるプロセッサ24によって検出されるように、注射デバイス1に取り付けられていない場合、補助デバイス2は、
図8にD3で示された状態に移行する。ここで、補助デバイスは、ペンが存在しないことを示す図形をLCD 21に提示する。これは、純粋に図によるものでも、純粋にテキストによるものでも、図とテキストの組合せでもよい。
【0116】
補助デバイス2がD2で示される状態であるときに、補助デバイス2が、補助デバイス2と注射ペン1の間に適正な心合わせがないことを検出した場合、補助デバイスは、
図8のD4で示された状態へと進む。補助デバイス2と注射デバイス1の間の不適正な心合わせは、補助デバイスで、OCRモジュール25および/または測光器26が受ける記号を調べることによって検出することができる。
【0117】
第3に、D2で示される状態であるときに補助デバイスが、電池32がほぼ空であることを検出した場合、補助デバイスは、
図8にD5で示される電池低下状態に移行する。ここで、電池警告図形が提示される。これは、任意の適切な形を取ることができる。
【0118】
補助デバイス2が、
図8にD3、D4およびD5で示された3つの状態のいずれにも移行しない場合、補助デバイスはD6で示された状態に移行する。これをデフォルト状態と呼ぶ。デフォルト状態で補助デバイスは、最後の注射の詳細を表示する。言い換えると、デフォルト状態で補助デバイス2は、注射ペン1の最後の使用状況に関連する情報を表示する。
【0119】
デフォルト状態D6にはまた、D3で示される非取付け状態の後、D4で示される不適正な心合わせ状態の後、またはD5で示される電池低下状態の後にも達する。補助デバイス2は、これら先行する状態のいずれにも既定の時間(例えば3秒、5秒または10秒間)、D6に示されるデフォルト状態に移行する前にとどまることができる。
【0120】
D3で示される非取付け状態の場合では、補助デバイス2はそうしないで、補助デバイス2と注射ペン1の間に適正な心合わせがあることを補助デバイス2が検出するまで、D6で示されるデフォルト状態に移行することを控えることができる。あるいは、補助デバイスがD3で示される非取付け状態を通過して移行した後、補助デバイスは、補助デバイス2が注射デバイス1に取り付けられていることを補助デバイスが(検出スイッチ30の状態を調べることによって)検出するまで、D6で示されるデフォルト状態にとどまることができる。
【0121】
図8に表示D4で示された心合わせされていない状態に関して、補助デバイス2は、補助デバイス2と注射デバイス1の間の適正な心合わせを補助デバイス2が検出するまで、非心合わせ状態にとどまることができる。あるいは、補助デバイス2は、D4で示される非心合わせ状態からD6で示されるデフォルト状態へ移行することができるが、補助デバイス2と注射デバイス1の間に適正な心合わせがあることを補助デバイス2が検出するまで、デフォルト状態から進むことを控えることができる。
【0122】
補助デバイスが、
図8にD6で示されるデフォルト状態に達する前に、D5で示される電池低下状態を通過して移行した場合、補助デバイス2は、電池低下状態があることを間欠的に表示する。これは、デフォルト状態D6に従属する検査ステップE1によって実現される。検査ステップE1は、補助デバイス2が、電池32がほぼ空であるかどうかを判定することを含み、そうであれば、アクション・ステップE2が、表示D5に示される警告を間欠的に提示することを含む。
【0123】
補助デバイス2が、D6で示されるデフォルト状態に達する前に、D5で示される電池低下状態を経由して移行しない場合でも、検査ステップE1は周期的に実行される。したがって、補助デバイス2が、
図8にD6で示されるデフォルト状態になく、かつ電池レベルが、検査ステップE1で電池がほぼ空であると判定されるように低下したときには、アクション・ステップE2は、補助デバイス2をD5で示される電池低下状態に移行させることを含む。
【0124】
電池低下状態D5に移行した後、D5で示される電池低下表示が、電池32が交換または別に補充されるまで周期的に提示される。いくつかの実施形態では、D5で示される電池低下状態は、補助デバイス2がデフォルト状態にあるときだけ提示される。これにより、デバイスが薬剤の用量の送達に関連して使用中であるとき、および/または補助デバイス2が別のデバイスと通信しようとするときに、電池低下警告が使用者に提示されることが防止される。
【0125】
図8には示されていないが、補助デバイス2が図のD6で示されたデフォルト状態のときに補助デバイス2が電源オン/オフ・ボタン22の長押しを受けた場合、補助デバイスは電源を切る。その後、デバイスは、
図8にD1で示されているオフ状態にある。補助デバイス2は、電源オン/オフ・ボタン22の長押しに応答してどの状態からも電源を切ることができる。
【0126】
補助デバイス2は、D6で示されたデフォルト状態から、使用者が投与量ダイヤル12を回したことを検出したことに応答して移行することができる。これは図のI3に示されている。それに応答して、補助デバイス2は、
図8のD7に示される投与量ダイヤル設定状態に入る。ここで、補助デバイス2は、注射ペン1に現在ダイヤル設定されている用量薬剤をLCD 21に表示する。この用量は、OCRリーダ25が注射デバイスから数値(例えば、スリーブ19上に印刷された数字)を読み取ることにより、補助デバイス2で分かる。この状態では、補助デバイス2はまた、注射デバイス1の中に存在する薬剤の指標を表示する。表示D7では、薬剤は、薬剤の名前を指定する文字(この場合には「Apidra」)を表示することによって示される。
【0127】
現在設定されている用量は、D7に示される表示内の投与量ダイヤル設定中状態において、任意の適切な方法で示される。用量は、有利には、LCD 21によって対応できる最大の文字で示される。具体的には、文字の高さは、LCD 21の高さと同じにするか、または少なくともLCD 21の高さの80%もしくは90%以上である高さとすることができる。補助デバイスは、LCD 21に表示された用量値が、注射ペンに現在ダイヤル設定されている用量と関連することを使用者に明らかにするように、任意の適切な方法で表示D7を提示することができる。例えば、表示された用量値のまわりに提示された図形要素を点滅または明滅させることができる。あるいは、用量値の文字自体を点滅または明滅させることができる。あるいは、背景を点滅または明滅させることができる。
【0128】
補助デバイス2が、投与量ダイヤル12が既定の期間、例えば0.5秒または1秒間回されていないことを検出する場合、これは入力I3aで検出され(実際には入力がないことであるが)、補助デバイス2は、
図8のダイヤル設定済用量表示D7aで示されている用量ダイヤル設定済状態に移行する。用量ダイヤル設定済状態では、補助デバイス2により、LCD 21は2つの異なる表示を行うことになり、デバイス2が周期的に1つの表示から別の表示に移行し、また元に戻る。D7aで示された用量ダイヤル設定済状態では、両方の表示がダイヤル設定された用量を示し、この用量は同じ位置に提示される。ダイヤル設定済用量は、両方の表示で同じように表示することができる。一方の表示では、注射デバイス1の中に存在する薬剤を示す。この例では、この薬剤は、薬剤の名前を指定する文字(この場合「Apidra」)によって示される。もう一方の表示では、薬剤の用量を送達できることの表示を含む。この例では、この表示は、確認/OKボタンを伴う手の図形によって行われる。
【0129】
D7aで示される用量ダイヤル設定済状態の間に補助デバイス2が、
図8の入力I3で示される、投与量ダイヤル12をさらに回すことに関連する入力を受けた場合、補助デバイスは再び、図のD7で示されている投与量ダイヤル設定中状態に進む。
【0130】
デバイスがD7で示された投与量ダイヤル設定中状態、またはD7aで示された用量ダイヤル設定済状態にあるときに、確認/OKボタン34が使用者によって操作されたことを補助デバイス2が検出した場合、この入力I4により、
図8にD8で示されている、今から注射状態への移行が生じる。今から注射状態では、注射が可能であることを使用者に示す図形が提示される。
【0131】
確認/OKボタン34が、投与量ダイヤルの回転が中止した後で既定の時間内に押されたことが検出されない場合、用量確認リマインダを表示することができる。このリマインダは任意の適切な形を取ることができる。例えば、補助デバイス2は、ダイヤル設定済用量と、確認/OKボタンが押されることを示唆する図形(例えば確認/OKボタンを表すものを指す矢印の形)とを表示することができる。
【0132】
図8にD8で示される、今から注射段階または状態では、使用者に2つの選択肢がある。これらの選択肢で用量を変えることができる。これは、使用者が確認/OKボタン34を選択し、次に投与量ダイヤル12を回すことによって実現することができる。これは、補助デバイスによって入力I5として検出される。入力I5を検出した場合、補助デバイス2は、
図8のD7に示される用量ダイヤル設定済状態に戻ることができる。
【0133】
あるいは、使用者は薬剤を注射することができる。この注射は、入力I6として補助デバイス2によって検出される。入力I6により、
図8にD9として示される投与量送達状態への移行が生じる。ここで、注射デバイス1にダイヤル設定された用量の残りがLCD21に表示される。用量が送達されるにつれ、残っている用量は少なくなる。そのため、残っている用量値は、ダイヤル設定された用量からゼロ近くにカウントダウンする。
【0134】
使用者が全部の用量を送達しない場合、これは、確認/OKボタン34の押し下げを検出することによって、または使用者が投与量ダイヤル12を元に戻したことを検出することによって、入力I7において補助デバイスによって検出される。入力I7により、図中の表示D10に示された10秒カウントダウン状態への移行が生じる。10秒が経過した後、補助デバイス2は、
図8に表示D11で示された一部用量送達済状態へ移行する。ここで、補助デバイス2は、注射ペン1によって使用者に送達された用量を表示する。送達された用量は、D7で示された投与量ダイヤル設定中状態、またはD7aで示されたダイヤル設定済用量状態のときに補助デバイスによって検出されたダイヤル設定された用量から、入力I7が検出されたときに残っている用量を差し引いたものに等しい。この状態で、送達された薬剤もまた表示される。この例では、送達された用量は、
図8のD7またはD7aで示された状態のどちらかで提示される文字よりも小さい文字で示される。送達された用量に対して、送達された薬剤の表示が縦に配置される。この状態との間の移行のときに、補助デバイス内のタイマ(図示せず)がリセットされる。このタイマにより、補助デバイス2で、最後の用量が送達されてから後の経過時間を計算することが可能になる。表示D11によって示された状態からの移行は、
図8のD7で示された状態へ向かう。
【0135】
あるいは、補助デバイス2は、完了した注射を表す入力I8を検出することによって、D9で示された用量送達済状態を退出することができる。この場合、補助デバイスは、
図8の表示D12で示されているカウントダウン状態へ移行した。ここで、LCD 21は、図のD10で示されたカウントダウン状態の表示内に提示されたアイコンと同じアイコンを備える。
【0136】
10秒が経過した後、補助デバイス2は、
図8の表示D13に示された針取外し指示状態へ移行する。ここで、補助デバイス2は、注射デバイス1の針が交換されなければならないことを使用者に示す図形を提示する。既定時間の後、または、音響センサ27が存在する場合には針が交換されたことを検出する時、補助デバイス2は、
図8のD14で示されるリセット状態へ移行する。ここで、送達された用量の値は補助デバイス2に保存され、タイマ(図示せず)が始動される。タイマは、最後の用量から後に経過した時間を表す値を与える。リセット状態の後、補助デバイス2は、
図8のD6で示されたデフォルト状態へ移行する。
【0137】
D7に示された状態から、使用者が入力I4による用量を確認せずに用量を送達する場合は、特別な状況である。この特別な状況は、確認/OKボタン34の第1の検出動作なしで状態D7から、I6と同様に、注射を検出する補助デバイス2によって検出される。この特別な状況では、補助デバイス2は、用量送達ボタンが完全に押し下げられたことが検出されたときに、注射用量保存画面(図示せず)を表示する。この場合、用量完了インジケータは提示されず、動画(D12のものなど)が始動されない。注射用量保存画面は、用量が完全に送達されることを確実にするために使用者が自分の皮膚中に針を保持しなければなかった10秒を超える時間、用量送達ボタンが押し下げられたことを検出する時のみ提示することができる。
【0138】
注射用量保存画面(図示せず)は、補助デバイスにより送達されたと決定された用量容積を示すことができる。注射用量保存画面(図示せず)は、使用者が表示された用量を確認することを示唆する図形を提示することができる。例えば、図形は明滅するOKボタンの動画とすることができる。注射用量保存画面(図示せず)はまた、薬剤の名前および/または注射の時刻を示すこともできる。
【0139】
用量容積が注射用量保存画面(図示せず)に表示される場合、補助デバイスは、キー32、33での入力を検出したことに応答し、表示される用量をインクリメントまたはデクリメントする。これにより使用者は、補助デバイス2に保存されている用量を変更することが可能になる。
【0140】
確認/OKボタン34の押し下げを検出する時、補助デバイス2は、送達の用量および時刻を保存する。
【0141】
補助デバイス2がD6で示されるデフォルト状態のときに、使用者が通信ボタン33を押したことを示す入力I9を検出した場合、補助デバイスはデフォルト状態から移行する。ここで補助デバイス2は、デバイスがアクセス可能であるかどうかを判定する。デバイスがここでは、例えば血糖測定ユニット42である。ステップS3での判定が、デバイスがアクセス可能であることを示し、またE4でデバイスが未知であると判定された場合、補助デバイス2は、図のD15で示されるペアリング処理状態に入る。この状態で、補助デバイス2は、検出されたデバイスとのペアリングを開始する。ブルートゥース・トランシーバである無線ユニット28の場合では、このペアリング開始は、ブルートゥース規格に従ってペアリングを開始することを含む。D15に示されるペアリング処理状態では、ブルートゥースPIN番号がLCD 21に表示される。これには、そのPIN番号が未知のデバイスに表示されたものと一致することの確認を使用者に要求するアイコンが伴う。補助デバイス2がE5で、ペアリングが失敗したと判定した場合、補助デバイス2は、図のD16で示されたブルートゥース・エラー・メッセージ状態へ移行する。この状態へは、入力I9の後にE8でアクセス可能なデバイスがないと判定された場合にも移行する。D16で示されたブルートゥース・エラー・メッセージ状態では、実行可能な通信がないことを示すアイコンがLCD 21に表示される。ブルートゥース・エラー・メッセージ状態に続いて、例えば既定時間後に、補助デバイス2はD6で示されたデフォルト状態へ移行する。
【0142】
ペアリング状態において補助デバイスがE6で、ペアリングが完了したと判定した場合、補助デバイスは、D17で示される短い伝送状態へ移行する。補助デバイスがE3で、あるデバイスがアクセス可能であると判定し、それが既知のデバイスであるとE7で判定した場合には、補助デバイスはまた、D6で示されたデフォルト状態からD17で示された短い伝送状態へ、入力I9に追従して移行する。
【0143】
D17で示された短い伝送状態においては、アイコンまたは図形がLCD 21に表示されて、通信が処理中であることが示される。通信が完了すると、補助デバイス2は、D18で示される伝送済段階に移行する。ここで、補助デバイス2は、通信が完了したことを示す図形を提示する。通信済段階に続いて、補助デバイス2は、D6で示されたデフォルト状態に移行する。
【0144】
D6で示されるデフォルト状態にあるとき、動作は以下の通りである。補助デバイス2は、電源がオンになっている時間のほとんどでデフォルト状態にあると予想される。そのため、デフォルト状態にあるときの表示D6は、補助デバイスの使用者が最もよく見そうな表示である。
【0145】
デフォルト状態にあるとき補助デバイスは、最後の送達用量の詳細を使用者に表示するように構成される。この詳細には、用量の分量、および最後の用量送達から後に経過した時間が含まれる。これらの詳細にはまた、薬剤の識別名も含まれる。
【0146】
これらの実施形態では、この表示は、デフォルト状態内の2つの異なる表示の間を移行することによって実現される。第1の表示は、
図8の表示D6の最も上に示されている。ここで、LCD 21の2つの領域があることが分かるであろう。左側の領域は、表示の領域の約3分の2を占める。この領域は今後、最後の用量領域と呼ぶ。LCD 21の右側(最後の用量領域の右側)には別の領域がある。この例における別の領域は、注射ペン1にダイヤル設定された用量を表示する。LCD 21の右側に表示された情報は、注射ペン1によるダイヤル設定値である。これは、LCD 21の左側に表示された情報による影響を受けない。
【0147】
図8のD6の最も上に示された第1の表示中の最後の用量領域は、2つの部分に分割される。ここで、これらの部分は上側部分および下側部分である。第1の部分(ここでは下側部分)には、最後の送達用量が表示されている。これは、単位が国際単位の用量を示す数値の形になっている。
【0148】
第2の部分には、最後の用量送達から後の経過時間が表示されている。ここでは、この経過時間は、数値として表された時間として表示され、ローマ字で表された時間の単位を有する。時間の単位の表示により使用者が、最後の用量からの時間の表示と用量の分量とを区別することが可能になる。第2の部分はまた、このメッセージを補強するタイマまたは時計を示す図形を含む。
【0149】
図8のD6の最も下に示された第2の表示では、第1の部分は変わっていない。すなわち第1の部分は、最後の用量の分量を表示している。第2の部分は、最後の用量から後に経過した時間を示していない。代わりに、この部分は最後の用量の薬剤を示す。ここでは、薬剤は、その名前をつづる文字(この場合には「Apidra」)によって示される。時計またはタイマのアイコンが第2の部分に再び表示される。
【0150】
デフォルト状態では、補助デバイス2は表示を、最も上および最も下にそれぞれ示された第1の表示と第2の表示の間で移行させる。移行は、例えば2秒ごとに行われ得る。
【0151】
図8で分かるように、用量表示領域21Bの第1の部分は、第2の部分よりも大きい。そのため、用量の分量を示すために使用される文字の高さは、最後の用量から後に経過した時間または薬剤の識別名を示すために使用される文字よりも大きくなる。そのため、使用者は最後の用量の分量をすばやく簡単に、おそらく一瞥だけで決定することができる。
【0152】
加えて、使用者は、最後の用量から後に経過した時間を比較的簡単に決定することができる。最後の用量から後に経過した時間および用量の分量は、糖尿病を治療するのに使用される薬剤の使用者にとって最も関心があるパラメータである。これらのパラメータは、次の薬剤の用量を決めるときに、それが送達されるべき時刻の点で、また必要とされ得る薬剤の量の点で、使用者にとって最も関心があるものである。
【0153】
そのため、デフォルト状態の提示、およびその状態で補助デバイス2によって行われる表示により使用者は、薬剤が処方されている病状をよりよく治療することが可能になる。言い換えると、デフォルト状態のときの補助デバイスの機能は、使用者が自分の病状を簡単に治療して、使用者にとってよりよい治療を潜在的に提供することを可能にすることができる。
【0154】
次に一代替実施形態について、
図2cおよび
図9を参照して説明する。
【0155】
図2Cで分かるように、補助デバイス2は、LCD 21および電源オン/オフ・ボタン22を備える。LCD 21はタッチ・センサ式ディスプレイであり、これによって使用者が補助デバイスに入力することができる。そのため、タッチ・センサ式LCD 21はまた、
図8および
図2bの実施形態の通信ボタン33および確認/OKボタン34によって得られる機能も提供する。
【0156】
この実施形態による補助デバイスの動作は、
図8を参照して説明した
図2bのデバイスの動作とかなり類似している。
図9では参照番号が、同じ要素については保持されており、ここでは、
図2cの実施形態の動作と
図2bの実施形態の動作の間の相違についてだけ説明する。
図2bおよび
図8のデバイスの機能および動作と同じである
図2cのデバイスの機能および動作については、以下で議論しない。
【0157】
図9の表示D1で示されるデバイス・オフ状態は、
図8に示されるデバイス動作の対応する状態と非常に類似している。この表示D1は、LCD 21上で実現される全体の配置を示す。具体的には、ディスプレイの第1の領域21Bは表示領域21Bである。これは、
図9のD1の表示の右側に示されている。ディスプレイの第2の領域21Aは、入力領域21Aである。これはD1の左側に示されている。入力領域21Aはまた、活性表示領域21Bでもある。しかし、入力領域21Aは、使用者入力を受けることができる領域である。入力領域21Aは、適切な時間に、具体的には補助デバイス2が特定の状態にあるときに、仮想ボタンの表示を含む。この実施形態の入力領域21Aは、LCD 21上の同じ場所に常に位置する。これにより、使用者が経験することは簡単になる。別の実施形態では、入力領域21Aは、補助デバイスの状態に応じて位置が変わり得る。入力領域21Aは、
図2cに示されるタッチ・センサ式入力部35である。
【0158】
D1に示されるデバイス・オフ状態では、LCD 21はブランクである。LCD 21が、ある領域でブランクであるとき、その領域には何も表示されない。入力領域21Aがブランクであるとき、仮想ボタンの輪郭を表示することができるが、仮想ボタンの中には何も表示されない。
【0159】
D2で示される電源オフ進行状態では、入力領域21Aはブランクのままにされる。すなわち入力領域21Aには何も表示されない。この状態では、表示領域21Bは、電池32に残っている電力量を示すインジケータを備える。このインジケータは、
図8のD2に示されたインジケータと同じであるが、サイズが小さい。
【0160】
デバイスが取り付けられていない状態D3では、入力領域21Aはブランクであり、ペンが連結されていないことを示す図形が表示領域21Bに示される。D4に示されるカメラ調整問題状態では、入力領域21Aはブランクのままにされ、表示領域21Bは、補助デバイス2と注射デバイス1の間に心合わせがないことを示す。表示D5で示された電池低下状態では、入力領域21Aはブランクのままにされ、表示領域21Bは、電池がほぼ空であることを示すアイコンを含む。
【0161】
デフォルト状態では、入力領域21Aは通信オプションに関連するアイコンを備える。この例では、入力領域21Aはブルートゥース通信オプションを示すアイコンを備える。補助デバイス2は、デフォルト状態にあるときに、使用者入力I9が入力領域21AでLCD 21に触れたことを含むことに応答して、
図8を参照して上述した検査E3およびE8に進むように構成される。
【0162】
デフォルト・モードにあるときに、ディスプレイの表示領域21Bは、
図8のデフォルト状態におけるディスプレイの第1の領域に関連して上述した表示を備える。
【0163】
電池がほぼ空であることを補助デバイス2が、D6で示されるデフォルト状態にデバイスがあるときに検出した場合、検査E1は、電池ほぼ空状態へデバイスが移行することになるアクションE2を引き起こすことができ、それによって、D5に示される表示が周期的に提示される。あるいは、補助デバイス2は、表示領域21Bの中に電池低下アイコンを含むように構成することもできる。これは、
図9の表示D19で示されている。
【0164】
図9の表示D7で示された現在設定値状態にあるとき、現在ダイヤル設定されている用量は表示領域21Bに表示される。入力領域21Aは、この場合には語「OK」である図形を備える。このモードにあるときに、補助デバイス2は、
図9の入力I4で表された、LCD 21の入力領域21Aにおける使用者入力を検出したことに応答して、
図9の表示D8で示された今から注射状態へ移行する。今から注射状態では、入力領域21Aはダイヤル設定済用量の表示を備える。表示領域21Bは、
図8のD8に示されたアイコンと同じアイコンを備える。注射入力I8の後で、入力領域21Aの中に表示される数値はカウントダウンして、残っているダイヤル設定済用量を表す。
【0165】
補助デバイス2は、
図9の入力I7で示される、LCD21の入力領域21Aにおける使用者入力を検出したことに応答して、図のD10で示されたカウントダウン状態へ移行する。
【0166】
図9の表示D11で示された表示では、送達された薬剤の表示と共に送達された用量が表示される。
【0167】
図9の表示D10およびD12で示されたカウントダウン状態では、LCD 21の入力領域21Aはブランクのままになっている。これはまた、
図9のD13で提示される針取外し指示状態でもそうである。これらの状態では、使用者入力からの移行が行われず、したがって、LCD 21の入力領域21Aがブランクのままであるのは適切である。
【0168】
D16で示される通信エラー・メッセージ状態は、対応する
図8の表示と類似している。しかし、LCD 21の入力領域21Aはテキスト「OK」を含む。補助デバイス2は、D16で示された通信エラー・メッセージ状態から、既定の時間後に、またはLCD21の入力領域21Aにおける使用者入力を検出する時、D6で示されたデフォルト状態へ移行するように構成される。
【0169】
テキスト「OK」は、
図9の表示D15で示されたペアリング状態にあるときにも、LCD 21の入力領域21Aに提示される。補助デバイス2は、LCD 21の入力領域21Aにおける使用者入力を検出したことに応答して、D16で示された通信エラー・メッセージ状態、またはD17で示された短い伝送状態へ、ペアリングが実現したかどうかに応じて移行するように構成される。あるいは、移行は、例えばタイム・アウトの検出に応答して自動的に行われ得る。
【0170】
図9についての上記の説明から、
図2cの補助デバイスの動作が
図2bのデバイスの動作とかなり類似していることが理解されよう。しかし、LCD 21の入力領域21Aに表示されるべきテキストまたは図形制御の動的調整により、使用者の使用手順が簡単になる。具体的には、電源オン/オフ・ボタン22は別にして、使用者が操作する必要がある入力ボタン/領域21Aは1つしかない。さらに、使用者が入力を操作した結果は、より明らかになるはずである。
【0171】
加えて、
図2cの補助デバイス2の配置は、デバイスがD6で示されたデフォルト状態にあるとき以外は、使用者が通信ボタンを操作することができないようになっている。これにより、D6で示されたデフォルト状態にあるとき以外に、補助デバイス2が通信ボタン33を作動させることになる可能性があると使用者が考えないようになる。
【0172】
上述の諸実施形態は例に過ぎないこと、ならびに多数の代替形態が当業者によって想起され、これらの代替形態が本発明の範囲内にあることを理解されたい。
【0173】
例えば、通信状態などは、補助デバイス2の動作がかなり異なる代替状態に置き換えることができ、あるいはこれらの状態を完全に省略することもできる。