(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
開示されているものは、たとえば医療機関において、複数回投薬用の大容器などの第1医薬品容器から、単回投薬用の注射器または点滴バッグなどの第2医薬品容器へ医薬品を正確に、速やかに、かつ安全に移し替えることを手助けすることができる自動化されたラベリングシステムおよび方法である。ある実施例において、新規のラベリングシステムは、第1容器内の医薬品の身元等の医薬品識別データを取得し、医薬品識別データを、医薬品についての他の情報(以下「医薬品属性」と呼ぶ)と、物理的あるいは電子的にリンクするなどして結合あるいは接続し得る。医薬品属性は、特定の医薬品のリコールについての情報、特定の医薬品あるいはそれらの医薬品とともに用いられる典型的な希釈剤に関連付けられたアレルギー反応、医薬品を移し替えた人物の身元等の医薬品の移し替え、移し替えの時間、医薬品が希釈されたかどうかあるいは1つ以上の希釈剤と混合されたかどうか、使用期限日および/または時間についての情報を含む。いくつかの例において、ラベリングシステムは、医薬品識別データに基づいて、局地的にあるいは離間して接続された場所特有のデータベースから医薬品属性を読出し得る。
【0021】
ある実施例において、システムは、医薬品属性の特定の値および/または患者のクラスあるいはカテゴリについての情報(成人、未成年、児童、男性または女性等)あるいは特定の患者についての情報(体重、年齢、他の健康上の問題あるいはアレルギー等)などの他の文脈上の情報に基づいて、規則および/またはガイダンスを適用し得る。これらの規則は、医療機関の代わりに臨床医等の権限を持つユーザによって定義され得る。システムは、たとえば色付けされたラベル等のデータ担体上に、上述した適切な情報のいくつかあるいはすべてを含む、人が読取可能な情報および/または機械が読取可能な情報を有するマークを自動的に生成する。いくつかの例において、システムは、第2医薬品容器上に直接印刷あるいはエッチングされた、人が読取可能な情報および/または機械が読取可能な情報を有するマークを生成し得る。
【0022】
しばしば医薬品は投与の前に希釈される必要がある。したがって、ラベリングシステムは、ラベル上の、医薬品の希釈に関する情報を含むための医薬品希釈処理を実行し得る。いくつかの例において、第2医薬品容器内において2つ以上の医薬品が混合される必要があり得る。というわけで、ラベリングシステムは、ラベル136上の、医薬品混合に関する情報を含む医薬品混合処理またはプロトコルを実現し得る。いくつかの実施例において、ラベリングシステムは、特定の患者に対する医薬品の投与を追跡し、医薬品追跡システム等において情報を記録することも可能である。
【0023】
医薬品ラベリング
病院において患者を治療する過程において、医薬品を患者に与える必要があることは一般的である。たとえば、注射器を用いて、静脈あるいは筋肉等に医薬品が注射される必要があり得る。いくつかの場合において、注射器は、単回投与の形態で、すぐに使える状態で包装されるが、この場合、医薬品を臨床医あるいは病院によって元の医薬品容器から注射器に移し替える必要はない。しかしながら、いくつかの場合において、たとえば治療の時点で、医薬品を移し替え、混合し、再構成し、希釈し、あるいは患者のために作製されなければならない。そのような医薬品の準備は、患者が生理学的に傷害されずに適切に麻酔されあるいは鎮静状態となることを確実にするために麻酔医あるいは看護士が正確な量のさまざまな医薬品を常に投与する、手術および他の侵略的治療の間において特に一般的
である。
【0024】
麻酔後回復室(PACU)、集中治療室(ICU)、鎮静処置エリアおよび/または患者が特別な医薬品を必要とする病院の他の場所においても、医薬品の準備がなされ得る。さらに、緊急性の低い状況において、特定の患者のある医薬品に対して順番が記載され得、同様の医薬品生成処理が生じ得る。既に薬局の基礎設備の一部である高性能のラベリングシステムなどを用いて、(たとえば病院内あるいは外の)薬局において、特定の患者のためのある医薬品についての順番が記載され得、同様の医薬品生成処理が生じ得る。そして、特定の患者向けの医薬品が投与のために患者の元へ運ばれ得る。
【0025】
比較的少人数の高度に訓練された技術者によって実行される厳格な手順により、ほとんどの病院ならびに薬局は、医薬品容器に貼付けられたラベル上に正確かつ完全に文書化されるべき医薬品に関する関連情報を与える安全実践および規制要件を順守する。たとえば、医薬品が生成および/または希釈され、そして注射器を介して患者に投与される場合、少なくとも、医薬品名、濃度、投与単位、作製および/または希釈の日時、作製者、使用期限日時の情報が注射器に貼付けられるラベルから把握され得る。医薬品のロット番号、警告および製造業者あるいは医薬品の分類を即座に識別するためのカラーコードを含むがこれらに限定されない他の医薬品の属性も把握され得る。いくつかの例において、医薬品のラベルに要求される最低限の情報は、米国内において医療組織およびプログラムの認証ならびに保証を行なう独立した非営利団体のザ ジョイント コミッション(TJC)などの業界規制団体によって規定される。ザ ジョイント コミッションの2010年版全米患者安全目標(NPSG)03.04.01(内容のすべてが参照によってここに組込まれる)は、無菌の場所内外での手術前ならびに他の手続き上の準備において、薬物あるいは液剤のラベルが、薬物名、強度、量、希釈剤および容量(容器から不明な場合)、作製日、24時間以内に用いられない場合の使用期限日、24時間以内に使用期限が切れる場合の使用期限時間を含むべきであることを規定する。
【0026】
今のところ情報は医薬品を作製した臨床医によって空欄のラベルに典型的には手書きで記載され、注射器などの第2の容器に貼付けられる。いくつかの例において、医薬品の分類を速やかに識別するために色付けされたラベルが用いられ得る。アメリカ麻酔学会(ASA)基準は、12の異なる医薬品の分類と対応するラベルの色とを規定する。たとえば、ASA基準は、神経筋の遮断を引起す医薬品が赤のラベルを有することを要求する。加えて、医療環境は、一般的に、麻薬ならびに中毒性の高い他の医薬品の廃棄を追跡するために複雑な用件を有することが法によって要求される。
【0027】
いくつかの例において、上記に要約した安全実践および規制要件は、規制要件の順守は散発的であり得る。たとえば、ラベルの情報は手書きされ得るため、たとえば読みにくかったり、および/またはインクが滲んでいたりしがちである。加えて、人間が作製した手書きのラベルは誤りがちである。さらに、ラベルは、医薬品名および/または医薬品の濃度だけなど、基準に要求される情報の一部だけを有し得る。また、注射器の直径は非常に小さいもの(たとえば0.25インチ)から非常に大きいもの(たとえば1.25インチ)まで変わり得るため、それに伴ってラベルのサイズも変わり得る。その結果、異なるラベルに対して含まれる情報の形式は一定ではなり得ない。さらに、注射器は、投与される医薬品の量を計測するのに役立つマークまたは目盛りを含み得る。一般的に、これらのマークまたは目盛りはラベルを貼ることによって隠されてはならない。
【0028】
さらに、上述したように、ラベルは、医薬品を識別するために用いられるいくつかの(たとえば12の)異なる色の選択肢を含み得る。したがって、少なくとも12種類の異なる空欄のラベルを在庫として持っておかなければならない。これらのラベルの在庫は、医薬品のカート上で大きな場所を占め得る。付属バーコードスキャナ、麻酔情報管理システ
ム、電子医療記録または他の情報管理システムなどを用いて、医薬品の投与を電子的に情報管理することができる。そのようなシステムにおいて、電子情報管理上で把握するのに便利であり得るすべてのデータ要素を有する固有のバーコードをラベルのロール紙に与えることは一般的には容易ではあり得ないので、ラベルのロール紙は不便なものであり得る。
【0029】
自動医薬品ラベリングシステム
図1Aは、医薬品ラベリングシステム100の一例を示す。医薬品ラベリングシステム100は、医薬品識別コンポーネント104、メモリ112とデータベース116と通信しているプロセッサ108、規則エンジン120、ならびにデータ担体ジェネレータ124などの出力ユニットを含む。ある実施例において、ラベリングシステム100の工業デザインは、病院の手術室内の医薬品カート上あるいはその付近に簡単に設置できるように全体的な大きさを最小化することに向けられ得る。たとえば、多くの病院環境において要求されているような手術室の処置の間における清掃および消毒を容易にするように設計され得る。ラベリングシステム100は、ナサニエル エム シムズ他に対するPCT出願番号PCT/US2008/079487(その全体の内容がここで参照によって組込まれる)に記載されているようなワークフローアウェアコネクティビティ(WAC)システムをたとえば使用することによって実現され得る。
【0030】
ある実施例において、バーコードレーザスキャナなどの医薬品識別コンポーネント104は、医薬品識別データを読出す(取得する)ために、たとえば医薬品の第1容器132の、あるいは第1容器132上のバーコード、RFIDタグまたは画像などの機械読取可能識別子128をスキャンあるいは画像化する。医薬品識別コンポーネント104は、医薬品識別データを読出すために、第1容器132を認識する(たとえば識別する、スキャンする、および/または画像化する)ための処理を実行する。たとえば、医薬品容器132は、たとえば手術室内の医薬品のバイアルであり得る。プロセッサ108は、医薬品を識別し、および/またはたとえば場所特有のデータベースなどのデータベース内の医薬品に関する他の情報(たとえば属性)を検索するための、医薬品識別データを処理する。この態様において、プロセッサ108は、1つ以上の局地的および/または離れた場所にあるデータベース116−118から医薬品に関する他の情報を読出すために医薬品識別データを用いる。
【0031】
ある実施例において、データベース116は、1つ以上の属性ならびに、医療機関によって(たとえばデータベースビルダ119aを介して)マスタデータベース118および/または低能力データベース117から選択された医薬品の組に対する対応する値を含む注釈付きの場所特有のデータベースである。場所特有のデータベース116は、ここで説明されるシステムのうちの1つを用いる各場所(たとえば病院または他の医療事務所あるいは機関)がその場所に対して特別の注釈が付けられたそれ自身のデータベースを有することになるためそのように名付けられる。注釈付き場所特有のデータベース116内の医薬品の組は、医療機関内の医師が診察において処方することを望むであろう医薬品、および/または敷地内の薬局において一般的には用いられる医薬品の範囲を表わすように選択され得る。属性は特定の機関によって作製され、ポリシー事項(たとえば他の医薬品と比較してあるいは現在の在庫に基づく特定の種類またはブランドの医薬品の使用)に加えて安全事項および警告(たとえばリコールの通知、可能性のあるアレルゲンの通知、最小および最大許容投与量ならびに、点滴投与の最小ならびに最大許容投与量および速度および/または最小ならびに最大ボーラス投与量)を含む。加えて、そのような注釈付き場所特有のデータベース116における属性のいくつかあるいはすべては、付加的な属性ならびに、1つ以上のデータ要素、医薬品ポリシー、医薬品取扱ガイダンス、および/またはI躍進ステータス情報などの付加的な属性ならびに選択された医薬品の組についての対応する値などの更新可能またはカスタマイズ可能な注釈であり得る。
【0032】
場所特有のデータベース116が直接的あるいは間接的に導き出されるマスタデータベース118は、たとえば政府機関あるいは業界標準団体などの第三者機関によって主催される医薬品集データベースであり得る。たとえば、マスタデータベース118は、オハイオ州ハドソンにあるレキシコンプまたはカリフォルニア州サンブルーノにあるファーストデータバンクによって提供される1つ以上のデータベースであり得る。政府機関デバイスの一例は、米国食品医薬品局(FDA)の全米医薬品コードディレクトリである。
【0033】
ある実施例において、低能力データベース117は、マスタデータベース118から読出された医薬品についてのいくつかのあるいはすべての情報に基づくカスタマイズされた医薬品リストを記憶するために実装され得る。低能力データベース117は、局地的に配置(たとえば医療機関において物理的に配置)、あるいは離れて配置(たとえば医療機関から物理的に離れて配置)され得る。カスタマイズされた医薬品リストは、マスタデータベース118からの属性のいくつかあるいはすべてを含み得る。そのような実施例において、注釈付き場所特有のデータベース116は、上述したようなカスタマイズ可能な注釈に従って、注釈とともに、低能力データベース117内のカスタマイズされた医薬品リストに基づいて実現され得る。
【0034】
注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117は、ファイル、すなわち保護ファイル(たとえば暗号化ファイル)としてシステム内のディスク記憶媒体あるいはメモリ内に記憶され得る。いくつかの例において、ファイルは、ディスク記憶媒体上で、別個のファイルとして記憶される、1つ以上の注釈付き医薬品リストおよび/またはカスタマイズされた医薬品リストを含み得る。
【0035】
プロセッサ108が医薬品についての情報を一旦生成すると、リコールのチェック、アレルギーおよび/または他の医薬品との相互作用についての情報、投与情報、警告および医薬品に関する他の関心のある情報を含む、医薬品の使用者に対するガイダンスなどの医薬品取扱情報を生成するために、規則エンジン120は以下に詳細に説明されるように情報に1つ以上の規則を適用し得る。
【0036】
一般的に、規則エンジン120によって実行される規則は、医薬品容器132がスキャンされた後にどのようにシステム100が使用者(たとえば医師、医師の助手あるいは看護士)と関わるかについて特定する。ある実施例において、規則は、医療機関によってデータベース(たとえば注釈付きデータベース116)内の属性に割当てられた値に作用する。この点において属性は予め定められた属性であり、医療機関は、規則を介するシステム100の挙動を指定する際に1つ以上の属性に対して値を選択し得る。いくつかの実施例において、1つ以上の新しい属性を作製することによって、あるいは、および/または既存の属性を編集することによって、属性はさらに設定され得る。
【0037】
規則エンジン120はプロセッサ108によって実行されるソフトウェアモジュールとして実現され得る。いくつかの例において、規則エンジン120はプロセッサ108とは別のコンピュータシステムによって実現され得る。現在の最善の実践および規制ガイドラインに従うマークを含み、たとえば、医薬品名、投与量、濃度、ロット番号、作製日時、希釈日時(希釈された場合)、期限日時、医薬品を作製および/または移し替え、あるいは混合した臨床医、薬剤師、技術者あるいは他の人物、医薬品の経歴、カラーマーク、医薬品の分類表示、および/または警告および他の表示などの他の情報を少なくとも含むように、医薬品特有のデータ担体(たとえばラベル136)が生成される。医薬品の経歴情報は、たとえば、商取引の日および商取引をした者の名前ならびに住所を含む、医薬品のこれまでの売却、購入または売買の各々の1つ以上を識別する由来の陳述を含む。ラベル136は、人および/または機械が読取可能なマークを含み得る。いくつかの事例におい
て、たとえば外科手術中において、医薬品は第1医薬品容器132から取出されて、注射器、医療用のボウルあるいはたらい、あるいは点滴バックなどの第2の医薬品容器140に移される。上述したラベル136は、医薬品についての情報が識別され、医薬品が第1容器132から取出されて第2容器140へ移された後、第2容器140に適用され得る。
【0038】
また、いくつかの例において、ラベル136の機械読取可能な部分は、医薬品が実際に投与されるときに患者の記録にリードバックされ得る。たとえば、手術の最中、手術が始まる前に医薬品が混合され、手術が進行するにつれて、少量が患者に投与され得る。この点において、ラベル136の機械読取可能なマークは、たとえば患者の医療記録に医薬品の投与と同時に記録されるために、たとえば麻酔情報管理システム(AIMS)あるいは他の情報管理システムによってスキャンされ得る。これにより、医薬品の投与の正確かつタイムリーな情報管理が可能となる。さらに、そのような実践は、規制の順守ならびに医療安全を向上し、医薬品の誤投与を減らすことができる。
【0039】
設定モジュール
医薬品ラベリングシステム100は、データベースビルダ119aおよび規則エディタ119bを有する設定モジュール119を含み得る。ある実施例において、設定モジュール119は、プロセッサ108によって実行されるソフトウェアアプリケーションプログラムとして実装され得る。いくつかの例において、設定モジュール119は、プロセッサ108とは別個のコンピュータシステムによって実現され得る。さらに、いくつかの例において、データベースビルダ119aは第1コンピュータシステムによって実現され得、規則エディタ119bは別のコンピュータシステムによって実現され得ることが認識されるべきである。
【0040】
データベースビルダ119aは、権限保持者99(たとえば認証されたパスワードおよびアクセスレベルを有するユーザ)が、たとえば、マスタデータベース118から1つ以上の医薬品についての情報を読出し、注釈付きデータベース116に記憶される値を有するフィールド(コラム)などの付加的な属性を特定できるようにするためのユーザインターフェイス(たとえば
図1C)を提供し得る。
【0041】
ある実施例において、データベースビルダ119aを用いて、権限保持者99は、マスタデータベース118から取出された情報を、1つ以上の予め定められた属性(詳細が以下に説明される)を有するより小さくカスタマイズされた医薬品リストへ処理し得る。このカスタマイズされた医薬品リストは低能力データベース117に記憶され得る。また、権限保持者99は、医薬品についての付加的な情報を用いてカスタマイズされた医薬品リストの注釈を付け、注釈つきのリストを注釈付きデータベース116に記憶し得る。データベースビルダ119aは、マスタデータベース118から特定の医薬品エントリを選択すること、および/またはカスタム医薬品エントリを作製することによって、権限保持者99が注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117の両方に対して容易にエントリを構築することを可能にする。注釈付きデータベース116および/またはカスタマイズ可能な低能力データベース117が一旦構築されると、データベースビルダ119aは、権限保持者99が、注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117を、医薬品容器132内の医薬品の識別および処理に用いられる1つ以上の携帯端末装置(たとえば以下の
図2内の携帯端末装置1)にダウンロードすることを可能にする。
【0042】
ある実施例において、注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117が記憶される媒体は、たとえば、氏名、パスワード、設定モジュール119の機能性にアクセスする権限が与えられた1人以上の権限保持者99についての権限が与えられ
たアクセスレベルを含むユーザファイルも含み得る。さらに、ある実施例において、追跡と報告の目的のために、設定モジュール119は、変更を加えた権限保持者99の識別情報とともに、注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117に加えられた変更についての情報を記憶するための追跡ログを含み得る。
【0043】
図1Bは、オハイオ州ハドソンのレキシコンプなどのマスタデータベース118から医薬品情報を抽出する例示の概略図を示す。ある実施例において、マスタデータベース118は、マイクロソフトのアクセスのフォーマットで実装され得る。したがって、インポート/エクスポートツール1100は、データベースフォーマットをSQLサーバデータベースフォーマットなどのネイティブフォーマットに変換するために用いられ得る。インポート/エクスポートツール1100は、ファイル転送プロトコル(FTP)などの任意の転送プロトコルを用いてマスタデータベース118にアクセスし得る。そして、データベースビルダ119aは、マスタデータベース118のテーブル(たとえば医薬品テーブル1200)に含まれる属性および値に基づいて自動的にデータ入力されたテーブルを閲覧するために用いられ得る。データベースビルダ119aを用いて、権限保持者99は、たとえば、医薬品テーブル1200、1つ以上の新しいテーブル、属性および関連付けられた値(たとえば医薬品選好テーブル1300および投薬形態テーブル1400)を含む新しい「データセット」を指定し得る。これらの新しいテーブルは、属性および関連付けられた値とともに、たとえば注釈付きデータベース116(
図7)に記憶され得る。
【0044】
注釈付きデータベース116は、コンピュータシステムあるいは携帯情報端末(PDA)などのデータベース116がアップロードされ得る目的地環境に受入れられるフォーマットに変更され得る。たとえば、フォーマット変換モジュール1500において、注釈付きデータベース116内の情報はマイクロソフトのエクセルによってサポートされるフォーマットに変換され得、そしてそれはCSVファイルに変換され得る。ある実施例において、注釈付きデータベース116はCSVファイルに直接変換され得る。更新データベースモジュール1600において、データベースビルダ119aは、注釈付きデータベース116に対応するテーブルに加えられた変更が、古い注釈付きデータベース内のテーブルを新しい注釈付きデータベースに置き換えることを指示したかどうかをチェックし得る。そのような実施例において、古いデータベースが新しいデータベースと置き換えられた場合、変更を情報管理する変更レポートが作製され得る。最後に、配布モジュール1700は、変更された注釈付きデータベース1700をコンピュータシステムあるいはPDAにアップロードするのをアシストし得る。
【0045】
図1Cは、データベースビルダ119aによって実現されるユーザインターフェイス2000の一例を示す。「データベース更新?」フィールド2100は、データベースの更新が予期されるかどうかを表わす。古いデータベースが新しいデータベースに置き換えられた場合、「Yes」のラジオボタンがチェックされる。「現在のデータベース」フィールドおよび「データセット名」フィールド2200は、アップロードされる予定のデータベース内における現データベースとデータセットの位置を指定するために用いられ得る。現データベースが新しいデータベースに置き換えられる予定である場合、「新データベース」フィールドおよび「データセット名」フィールド2300は、位置、新しいデータベースの名称および新しいデータベース内のデータセットを指定するために用いられ得る。新しいデータセット名が既存のデータセット名と同じである場合、既存のデータセットは新しいデータセットによって上書きされる。フィールド2100−2300内の情報が一旦与えられると、上述した更新処理を開始するために「スタート」ボタン2400をアクティブにすることが可能になり、投薬形態情報2500−2600が表示される。ある実施例において、データベース内の医薬品に対応する投薬形態は、ユーザインターフェイス2000上の項目「投薬形態」2500を介して提供され得る。既存のデータベースが更新された場合、既存のデータベースからの投薬形態が用いられ得る。新しいデータベース
が既存のデータベースに置き換わった場合、チェック項目2600は、新しいデータベース内の医薬品に関連付けられる投薬形態を提供し得る。
【0046】
「保存」ボタン2700がアクティベートされると、新しいテーブル(たとえば医薬品テーブル、
図1Bに対応する医薬品テーブル、医薬品選好テーブル、投薬形態テーブル)を有する新しいデータベースが作製される。既存のデバイスの更新において、既存のデータベースからの情報および選好を用いて新しいデータベースが更新される。既存のデータベースが更新されていない場合、新しい医薬品についての情報が既存のテーブルに加えられる。たとえば、新しい医薬品に対応する全米医薬品コード(NDC)値が既存のテーブルに加えられ得る。その後、データベース照合ツール(図示せず)などのツールは、現データセットと新しいデータセットとのすべての違いを情報管理する変更レポートを作製する。このレポートは、現データセットと比較して何が新しい医薬品であるのか、ならびにデータセットに加えられたすべての変更を臨床医101が識別するのに用いられ得る。
【0047】
規則エンジン
ある実施例において、プロセッサ108によって作製された医薬品についての情報に適用される1つ以上の規則を作製および/または編集することを権限保持者99が可能にするためのユーザインターフェイスを有する規則エディタ119bを設定モジュール119は含む。このルールは、ルールエンジン120によって実現される。規則は、問題となっている医薬品に適用される、国の、地域の、病院の、部門の、あるいは患者特有の規則のうちの1つ以上に基づき得る。たとえば、1000mg/mlの濃度の医薬品プロポフォールが識別されたが、病院によって許容されている最大の濃度は10mg/mLである場合、警告が速やかに生成される。規則エンジン120は、また、「使用するな−過剰摂取の危険」などの適切な警告メッセージを有する警告ラベルをシステム100に作製させる。この場合、警告ラベルの他に、システムが医薬品ラベル136を全く作製しないという別の選択肢もある。いくつかの例において、リコールリストにある医薬品が識別された場合、臨床医は注意が喚起され、「使用するな−リコールされた医薬品−薬局に返却せよ」と書かれたラベルが作製され得る。いくつかの例において、規則は、1つ以上の希釈および/または混合規則も含み得る。
【0048】
規則エンジン120は、医薬品を適切に識別するためにも規則を適用し得る。たとえば、アメリカ麻酔学会は、手術室において筋弛緩薬は赤色のラベルが貼られていなければならないことを指定する。したがって、ルールエンジン120が一旦医薬品が筋弛緩薬であると判定すると、規則エンジン120は、データ担体ジェネレータ124(
図1A)に赤色のラベルを作製するように指令し得る。
【0049】
いくつかの例において、たとえば、医療機関の代わりに規則を作製することを医療機関によって認められた医療委員会により、ユーザが定義した規則が是認され得る。そして、権限保持者99(たとえばシステム管理者)により規則が規則エディタ119bに入力され得る。
【0050】
機関(あるいは機関の代わりに行動する医療委員会)は、機関内の特定の場所(たとえば手術室)において医薬品のマスタセットを使用することを認め得る。任意に、機関は、さらに、医薬品のマスタセットから取出された1つ以上の医薬品のサブセットの特定の使用(たとえば小児、心臓病、および/または妊娠の1つ以上の使用のための医薬品)を認め得る。
【0051】
いくつかの例において、医薬品のマスタセットは、複数のレベルを有する階層に整理され得る。そして、機関は、場所特有の医薬品の分類を作製することができる。各分類は、以下の関連付けられた属性の1つ以上を定義し得る。権限保持者99は、これらの属性に
値を割当てることによって医薬品に対する規則を作製し得る。
【0052】
1) テキスト属性、すなわち医薬品に関連付けられるテキスト。
テキスト属性は、医薬品のネーミングに関連付けられるテキストを含む。たとえば、「プロポフォール」というテキストは、医薬品を参照するために用いられ得る。しかしながら、医薬品は、ドイツのウィルミントンのアストラゼネカ製薬によって「ディリバン」としても表わされ得る。テキスト属性の別の例は、たとえば、照合のためにユーザインターフェイスのスクリーンに現われる名称と、ラベル136に印刷される名称とを含み得る。テキスト属性は、名称が「トールマン」レタリングで現われるかどうか、および/または任意の付加的なテキストが名称に伴うかどうかも示し得る。たとえば、「麻痺薬」というテキストは、医薬品が麻痺薬であることを示すために医薬品の名称と付随し得る。
【0053】
2) マルチメディア属性
たとえば、可聴の識別および警告を生成するために、1つ以上の音声ファイルが医薬品に関連付けられ得る。また、1つ以上の画像ファイルおよび/または動画ファイルも、視覚的な識別および警告のために医薬品に関連付けられ得る。
【0054】
3) ラベルテンプレート属性
たとえば、色、模様、スタイル、大きさ、グラフィック(たとえばロゴ)、バーコードタイプ、および/またはラベル13上で情報が印刷される場所の指示などの、1つ以上のラベル属性が医薬品に対して指定され得る。
【0055】
いくつかの例において、機関は、各医薬品に関連付けられる1つ以上の以下の属性のセットも指定し得る。
【0056】
1) 医薬品が属するすべてのサブセット。
2) 医薬品の分類。
【0057】
3) ステータス属性(たとえば、医薬品が用いられ得るかどうかの指令。この属性は、医薬品が、「リコールされた」、「成人にのみ使用可能)、「推奨されない」(および/または「部外秘」というステータスを有するかどうかを指定するのにも用いられ得る。)。
【0058】
4) テキスト属性オーバーライド(たとえば、マスタデータベース118などによって指定された医薬品に関連付けられるテキスト属性が、新しいテキスト属性を示すためにオーバーライドされ得るかどうかの指示。たとえば、「ディプリバン」は機関内のユーザインターフェイスのスクリーン上の表示あるいはラベル136上の表示に対して、「プロポフォール」としてラベル付けされ得る)。
【0059】
5) マルチメディア属性オーバーライド(たとえば、マスタデータベース118などによって指定された医薬品に関連付けられたマルチメディア属性が、新しいマルチメディア属性を示すようにオーバーライドされ得るかどうかの指示)。
【0060】
6) ラベルテンプレート属性オーバーライド(たとえば、マスタデータベース118などによって指定された医薬品に関連付けられたラベルテンプレート属性が、新しいラベルテンプレート属性を示すようにオーバーライドされ得るかどうかの指示)。
【0061】
7) 希釈属性(蒸留水、生理食塩水などの希釈剤が医薬品に対して許可されているかどうか、好ましいかどうか、および/または要求されているかどうかの指示)。
【0062】
8) 使用期限属性(たとえば、医薬品容器内の医薬品の使用期限が切れる作製後の時間)。
【0063】
9) バーコード属性(たとえば、PDF−417などのバーコードの種類、データマトリックス、および/または符号化基準などのバーコードについての情報。また、バーコード属性は、固有の追跡コード、および/またはNDC、および/または1つ以上の他のユーザ定義の医薬品属性などのバーコードの内容を含み得る。)。
【0064】
いくつかの例において、権限保持者99は、ラベル136についての1つ以上の特徴を指定するために規則エディタ119bを用い得る。ある実施例において、規則エディタ119bとは異なる、(かつ設定モジュール119の内部あるいは外部に位置する)バーコードコンポーネントは、ラベル136上のバーコードについての特徴を指定するために用いられ得る。たとえば、規則エディタ119bは、ラベル136上の1つ以上のバーコード要素(たとえば45、
図4および5A−Bの45、55、および55’)を権限保持者がカスタマイズすることを許容する。カスタマイズできるようにする。権限保持者99は、バーコード要素の種類(たとえばバーコードのコード)を指定し、以下に説明されるように、バーコード要素において取得される情報の種類についての選好を設定し得る。
【0065】
いくつかの例において、権限保持者99は、注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117のセクションに対して規則を適用するために規則エディタ119bを用い得る。たとえば、認証されたユーザ99は、筋弛緩剤と呼ばれる医薬品の分類に対応するデータベース116,117内のエントリのすべてが赤色のラベルを印刷し警告メッセージを印刷することを指定し得る。そして、権限保持者99は、データベース116,117内の各エントリに対して規則を適用した時間を保存し、さらに合理的に安全性を確保する。ある実施例において、権限保持者99は、個々のNDCに対応する1つ以上の医薬品エントリに対して規則を適用するために規則エディタ119bを用い得る。たとえば、ある特定の供給元からの特定の医薬品に対してリコールメッセージを生成するように規則が実現され得る。
【0066】
ある実施例において、規則エディタ119bは、会計検査のための変更レポートを作製し得る。いくつかの例において、変更レポートは、規則エディタ119bから離れたコンポーネントによって作製され得るが、規則エディタ119bから方向性を取得する。たとえば、特定の場所における低能力データベース117をマスタデータベース118から毎月ダウンロードされる最新のものと比較するために処理が実装され得る。上述したように、場所の管理者(たとえば権限保持者99)は、場所特有の規則を更新し、低能力データベース117あるいは注釈付きデータベース116に対して規則を適用することができる。そのような実施例において、品質のチェックならびに追跡の目的のために付加的な変更レポートが作製され得る。さらに、変更レポートは、個々の装置のバージョンを制御するために用いられることができ、新旧のデータベースの内容を比較することができる。
【0067】
医薬品のスキャンおよび検索
図2を参照して、いくつかの実施例において、医薬品識別コンポーネント104(
図1A)は、ディスプレイ2とキーボード3とを有し、医薬品容器132内の1つ以上の医薬品を認識するための携帯コンピュータ1を含み得る。いくつかの例において、ディスプレイ2は、タッチスクリーンおよび/またはマイクロフォンおよびデータ入力のためのスピーカ58などの視聴覚ユニットを含み得る。たとえば、ディスプレイ2は、タッチスクリーンを有するバックライト型のフラットパネルディスプレイを含み得る。いくつかの例において、携帯コンピュータ1は、ラベリングシステム100の特徴を実行するためのハードウェア回路あるいはソフトウェアアプリケーションモジュールのいずれかを含むスマートフォンあるいは携帯情報端末(PDA)において実装され得る。ある実施例において、
携帯コンピュータ1は、ニューヨーク州ホルツビルのモトローラから販売されているMC70携帯モバイルコンピュータであり得る。
【0068】
携帯コンピュータ1は、多様な種類のバーコードをスキャンすることができる内蔵カメラ/光学スキャナ5を含み得る。携帯コンピュータ1は、短距離IEEE802.15.1)Bluetooth(登録商標))リンク4ならびに長距離IEEE802.11(WiFi
)リンク6などの多様な無線リンクを含み得る。
【0069】
いくつかの実施例において、携帯コンピュータ1は、ソフトウェアの更新を受入れるためのポート(図示せず)を含み得る。ソフトウェア更新は、有線あるいは無線接続を介して携帯コンピュータ1に転送され得る。更新は、更新のインテグリティを確かにし、更新の最中にエラーが見つかった場合における前のバージョンへの手動あるいは自動の復帰に備え得る。いくつかの例において、複数の更新パッケージが配布され得る状況が考えられ得る。たとえば、一例として、ファームウェア更新、ソフトウェアアプリケーション更新および/またはデータベース更新などの項目に対して適切な順番で個別に更新パッケージが適用され得る。アプリケーション更新パッケージを配布するために当事者に知られているさまざまな方法が用いられ得る。
【0070】
臨床医101は、容器132内の医薬品を識別するために容器132をスキャンあるいは画像化するなどのために携帯端末1のイメージャ/スキャナ5を用い得る。いくつかの例において、臨床医は、識別子128上のバーコードをスキャンしたり、容器132(あるいは識別子128)上のRFIDタグ60をスキャンしたり、容器132および/または識別子128を画像化したりし、携帯コンピュータ1内にある第1データベース61などの中の既知の画像と容器132あるいは識別子128の画像とを比較する。いくつかの実施例において、病院コンピュータネットワーク14(たとえばローカルエリアネットワーク)上のサーバ210は、データベース225などの既知の画像用のデータベースを含み得る。そのような実施例において、携帯コンピュータ1は、長距離WiFiリンク6を介してサーバ210上のデータベース225と通信する。
【0071】
ある実施例において、プロセッサ108(
図1A)は、携帯コンピュータ1内で実装され得る。携帯コンピュータ1内のプロセッサ108は、たとえば、同様に携帯コンピュータ内に配置されたメモリ112と通信し得る。いくつかの例において、メモリ112は、取り外し可能なメモリユニットであり得る。携帯コンピュータ1は、携帯コンピュータ1がたとえばネットワーク14上のサーバ210と通信可能にするさまざまな無線および有線通信リンクを有し得る。たとえば、携帯コンピュータ1は、識別子128上のバーコードなどに基づく医薬品識別データをサーバ210に転送し得る。サーバ210は、データベース220などのさまざまな専用データベース内において、医薬品識別データに基づいて医薬品についての情報を検索し得る。データベース220はサーバ210に対して局地的なものであり得、あるいはサーバ210は離れた場所の1つ以上のデータベースと遠隔的に接続し得る。たとえば、データベース220は、サーバ210に対して局地的なものであり得、たとえば、注釈付きデータベース116および/または低能力データベース117(
図1A)であり得る。いくつかの例において、サーバ210は、マスタデータベース118(
図1A)などの政府機関のおよび/または業界標準のデータベースであり得る1つ以上の遠隔データベースに直接接続し得る。これについて、識別子128上のバーコードに基づく医薬品識別データは、NDC番号に変換され、マスタデータベース118内のディレクトリ、マスタデータベース118内において直接検索され得る。いくつかの例において、識別子128上のバーコードが、病院が生成した番号あるいはローカルデータベース220に以前に入力された製造業者の固有の番号を含む場合、他の離間して配置されたデータベースに接続する必要なく、医薬品情報がデータベース220内において検索され得る。
【0072】
いくつかの実施例において、携帯コンピュータ1は、必要に応じてサーバ210からアップロードされる医薬品についての情報を有する第2データベース62を含み得る。ある実施例において、第2データベース62は、注釈付きデータベース116(
図1A)であり得る。いくつかの実施例において、携帯コンピュータ1上のデータベース62は頻繁に検索される医薬品についての情報を含み得る。データベース62を携帯コンピュータ1上に配置することによって、ラベリングシステム100は高い検索速度を実現することができ、さらに、携帯コンピュータ1が常にネットワーク14に接続されていることを必要としなくなる。このような態様で、携帯コンピュータ1は、医薬品転送処理の間において改善された信頼性を提供し得る。
【0073】
いくつかの実施例において、サーバ210は、医薬品名、経歴および患者に投与された最終濃度などの医薬品情報を記憶するための使用データベース235も含み得る。いくつかの例において、使用データベース235は、携帯コンピュータ1内に配置され、たとえば、最後数回の医薬品投与を記憶し得る。使用データベース235は、以下の医薬品投与のセクションにおいて説明される実際の医薬品使用を記述するレポートを作製するために用いられ得る。
【0074】
当業者にとって既知のさまざまな方法で、サーバデータベース220および225を用いて、ネットワーク14を介して、携帯データベース61および62が同期されて、更新され得る。第1医薬品容器132が一旦識別されると、携帯コンピュータ1は医薬品の名称および/または医薬品についての他の情報をディスプレイ2上に表示するように構成され得る。いくつかの例において、携帯コンピュータ1は、スピーカ58を介して、医薬品の名称および/または医薬品についての他の情報をアナウンスし得る。
【0075】
図3は、医薬品容器132および/または医薬品容器132上の識別子128をスキャンおよび/または画像化するためのイメージャ/スキャナ320と通信するデスクトップあるいはラップトップコンピュータ310を含み得るラベリングシステム300を記載する。病院が既にコンピュータシステムおよびネットワークを備えている事例において、そのようなシステム300は費用対効果がよくなり得る。たとえば、コンピュータ310は、既に麻酔情報管理システム(AIMS)の一部であり得る。コンピュータ310はほとんどの病院において利用可能であるため、システム300を簡単にセットアップし維持することができる。コンピュータ310は、(たとえば
図1Aのイメージャ/スキャナ5と同様の機能を有する)イメージャ/スキャナ320と有線あるいは無線リンク240を介して接続されている。いくつかの実施例において、コンピュータ310は、たとえばサーバ210、ネットワーク14上のサーバ210に接続するための短距離無線リンク330および/または長距離無線リンク340を含み得る。いくつかの例において、コンピュータ310は、ワイヤ350などを介してネットワーク14と接続することもできる。コンピュータ310は、キーボード360および/または1つ以上の他の入力装置、およびディスプレイ370を含み得る。たとえば、コンピュータ310は、テキサス州オースチンのモーションコンピューティングによって提供されるC5などのポータブルコンピュータであり得る。
【0076】
上述したように、第1医薬品容器132が一旦識別されると、システム100,300は、医薬品の名称ならびに、表示し、たとえば視聴覚可能なフィードバックを生成することによって、名称を「リードバック」し得る。「リードバック」は、医薬品を識別するための確認の方法を提供することによってたとえば忙しい臨床医をアシストし、エラーの可能性を下げる。臨床医が異なる医薬品名を聞いたり見たりした場合、患者に投与する前に医薬品を調製することを止めることができる。
【0077】
ラベル生成
図1A−3は、医薬品取扱情報を含むマーキングをラベル136上におよび/または医薬品容器140上に直接生成するための出力ユニットを含み得るシステム100,300を示す。たとえば、出力ユニットは、データ担体ジェネレータ124であり得る。ある実施例において、データ担体ジェネレータ124は、ラベルプリンタであり得る。データ担体ジェネレータ124は、さまざまな種類のラベル130を生成し得る。いくつかの例において、データ担体ジェネレータ124は色付けられたラベル136を生成するように構成され得る。いくつかの例において、データ担体ジェネレータ124はグレースケールでラベル136を生成するように構成され得る。いくつかの実施例において、ラベル136は、機械読取可能なマーキングだけを含む。さらに、いくつかの例において、上述したように、ラベル136は人が読取可能なマーキングならびに機械読取可能なマーキングの両方を含む。データ担体ジェネレータ124は、ハードワイヤード接続(たとえばローカルエリアネットワーク14への有線接続、あるいはローカルシリアルすなわちUSBあるいはパラレルポート接続)を介してネットワーク14に接続され得る。いくつかの例において、データ担体ジェネレータ124は、たとえば短距離無線接続(IEEE802.15.1 Bluetooth(登録商標))8あるいは長距離無線接続(IEEE802.11 W
iFiなど)9などを介してネットワーク14に接続され得る。ネットワーク14は、802.11の接続が有線ネットワーク14へリンクされるようにするためのアクセスポイント7aおよび7bへの有線接続18aあるいは18bを含み得る。いくつかの例において、データ担体ジェネレータ124は、たとえばワイヤあるいはケーブル19を介してネットワーク14に接続され得る。データ担体ジェネレータ124は、短距離無線リンク4を介して携帯コンピュータ1に直接接続してもよい。代替的に、携帯コンピュータ1は、たとえばネットワークアクセスポイント7a,7bを介して、その長距離無線リンク6上でデータ担体ジェネレータ124と通信してもよい。
【0078】
上述した1つ以上のデータ転送メカニズムを介して、携帯コンピュータ1、デスクトップコンピュータ310、および/またはサーバ210は、ラベル136上に含まれる医薬品特有情報(たとえば医薬品名、濃度、投薬単位、作製および/または希釈の日時、医薬品の作製者、および使用期限日時)を送信し得る。たとえば、デスクトップコンピュータ310は、ラベル136を印刷するためのデータ担体ジェネレータ124として機能するローカルのプリンタと通信し得る。この態様において、携帯コンピュータ1、デスクトップコンピュータ310、および/またはサーバ210は、注射器などの医薬品容器140に適用されるラベル136をデータ担体ジェネレータ124に印刷させる。
【0079】
システム100,300は、中心静脈ライン、動脈ライン、および/または頭蓋内圧ラインなどの、侵略的監視装置を患者上あるいは患者監視システム上で記すためのラベルに加えて、静脈挿入時間および使用期限などの、他の特別な「コンプライアンス」ラベルを印刷することを許容し得る。
【0080】
ここで説明される新しいシステムは典型的には第2医薬品容器に貼付けられる紙あるいはプラスチックのラベルを生成するように設計される一方で、いくつかの例において、新しいシステムは、彫刻、エッチング、エンボス加工、あるいは人が読取可能なおよび/または機械読取可能な医薬品取扱情報を第2容器上に直接適用するその他のものを印刷する、彫刻、エッチング、エンボス加工を印刷するか、あるいは人が読取可能および/または機械読取可能な医薬品取扱情報を第2容器に直接適用する装置を含む。
【0081】
ラベルの特徴
図4は、希釈されない医薬品に対するラベル136Aの一例を示す。ラベル136Aは、「プロポフォール」39などの医薬品の名前、「10mg/mL」44などの医薬品の濃度、「1234」40などの医薬品に対応するロット番号、「キム ドノバン」41な
どの医薬品を移し替えた臨床医101の身元、「07/09/08 18:17」42などの医薬品が移し替えられた日付、日時スタンプ、ならびに、「07/09/08 21:17」43などの医薬品の使用期限日時を含む。ラベル136は、警告および/または他の情報63も含み得る。
【0082】
いくつかの実施例において、上述したように、ラベル136Aの背景47は着色され、色は、たとえば医薬品の分類を示し得る。言い換えると、ラベル136A自体が着色され得、ラベルプリンタは着色されたラベル136Aに情報を足す、あるいはラベルプリンタは付加的な情報を加えるとともに着色された背景を印刷し得る。たとえば、プロポフォールが導入薬であることを示すために背景47が黄色であり得る。ラベル136Aは、外部の情報システムおよび/または他の医療装置によって読取ることが可能なリニアバーコード45および/または1つ以上の二次元バーコード46a−fも含み得る。別の実施例において、未印刷のラベルはすべてが潜在的に色を必要とするさまざまなフィールドを含み、プリンタは、特定の医薬品に対して要求される特定のカラーフィールド以外のすべてを目立たなくするために黒(あるいは白)のインクを印刷するように向けられている。この場合、色の区別が要求される任意の種類の医薬品に対して単一の種類のラベルを用いることができ、複数の異なる着色されたラベルを必要とはせず、カラープリンタも必要とはしない。
【0083】
1つ以上の小さな二次元バーコード46a−fは小さな注射器において有利であり得る。ラベル136は注射器に巻付けなければならないため、注射器(そしてラベル136)の湾曲は、ラベル136A上に印刷されたバーコードもわずかに曲げることになる。そして、バーコードが歪み、イメージャ(スキャナ)5がラベル136Aを読取ることが困難になる。より小さいバーコード46a−fを用いることにより、バーコード46a−fのいずれの有効曲率もより小さくなり、したがって、イメージャ/スキャナ5がラベル136Aを読取りやすくなる。いくつかの例において、複数のバーコード46a−fは、重複した情報を含んだり、連結した情報を含んだり、単純に、イメージャスキャナ5に対してより多くの「標的」を与えたりし得る。これは、注射器を回すことなく、臨床医101がバーコード46a−fを容易に見つけ出すことを可能にするであろう。
【0084】
図5Aは、粉末から再構成された医薬品に対するラベル136Bの一例を示す。示されるように、注意メッセージ49がラベル136Bの一部に含まれ得る。
図4のラベル136Aと同様に、ラベル136Bは、「レミフェンタニル」50などの医薬品の名前、医薬品が「50mcg/ml」58などの再構成された濃度で投与されるという情報を含み得る。ラベル136Bは、「3678」51などのロット番号、「ビル ドリスコール」52などの医薬品を作製した臨床医101の身元、「07/09/08 18:06」53などの医薬品が移し替え/作製された日時スタンプ、「07/10/08 18:06」54などの医薬品の使用期限日時も含み得る。ラベル136Bは、「生理食塩水 20cc」59などの希釈剤および希釈剤の体積についての情報、「20cc」59Aなどの再構成された医薬品の最終総体積についての情報も含み得る。ラベル136Bは警告および/または他の情報64も含み得る。ラベル136Bはリニアバーコード55および/または1つ以上の二次元バーコード56a−gも含み得る。このラベル136Bにおいて、たとえば医薬品が麻酔薬であることを識別するために背景57は青であり得る。
【0085】
図5Bは、濃縮された液体の医薬品から希釈された医薬品のためのラベル136Cの一例を示す。注意メッセージ49’がラベル136Bに含まれ得る。
図4のラベル136Aと同様に、ラベル136Cは、医薬品の名称(たとえば「モルヒネ」50’)、および、についての情報および希釈された濃度(たとえば「1mg/mL」58’)で医薬品が投与されるという情報を含み得る。ラベル136Cは、ロット番号についての情報(たとえば「6789」51’)、医薬品を作製した臨床医101の身元(たとえば「ウィルトン
レビン」52’)、医薬品が移し替え/作製された日時スタンプ(たとえば「07/09/08 18:06」53’)、医薬品の使用期限が切れる日時(たとえば「07/10/08 18:06」54’)を含み得る。ラベル136Cは、希釈剤および希釈剤の体積についての情報(たとえば「生理食塩水 9cc」59’)、および再構成された医薬品の最終総用量、最終総体積についての情報(たとえば「10cc」59A’)も含み得る。ラベル136Cは、警告および/または他の情報64’も含み得る。ラベル136Cは、リニアバーコード55’および/または1つ以上の2次元バーコード56’a−fも有する。このラベル136Cにおいて、たとえば医薬品が麻酔薬であることを識別するために、背景57’が青色であり得る。
【0086】
ある実施例において、データ担体ジェネレータ124によって生成され、医薬品が吸入される注射器に貼られるラベル136A−Cは、判読可能であって防水性があり、したがって、定められた基準を順守する。また、汚れのない透明のラベル136A−Cは、「注射器の入れ違い」の可能性を低減することによって患者の安全性を高め得る。
【0087】
いくつかの例において、
図4および5A−Bのリニアバーコード45,55および55’、および/または2次元バーコード46a−f,56a−fおよび56’a−fに含まれる情報は、付加的な情報へのポインタとして機能する固有の識別子(たとえば文字列)にデコードされ得る。ある実施例において、付加的な情報は、たとえばネットワーク化されたルックアップを介して供給され得る。そのようなスキームの利点は、識別子が指し示す情報対象が大きな対象であり得るということである。
【0088】
いくつかの例において、バーコードに含まれる情報は、政府および/または業界が定めた基準(たとえば医療業界通信協議会(HIBCC)によって利用可能にされた「患者の投薬安全性の明確な確認,ANSI/HIBC 3.0−2008」において定められた基準)に基づき得る。バーコード内の情報をエンコードするためのスキームは、権限保持者によって(たとえばシステム管理者によって)特定の状況に対する必要に応じて変更され得る。ある実施例において、そのようなバーコードに含まれる情報は、次の例示のストリングにデコードされ得る。「DIC/SYR/医薬品名/NDC/ユーザ/exp/シリアル番号/\DIC」
目的のシステム(たとえば麻酔情報管理システム)は医薬品が患者に投与される前に医薬品についてのある情報を「知る」必要があり得る。この点について、上記のストリングは必要な情報を提供し得る。上述したように、権限保持者99は、ストリング内、したがってバーコード要素内の情報を指定するためにソフトウェアインターフェイス(たとえば
図1Aの規則エディタ119b)を用い得る。ある実施例において、ストリングは次の情報を含み得る。
【0089】
1) アイテムを注射器として識別する識別子、
2) 医薬品の名前を識別する識別子(たとえば、目的のシステムがその特定の医薬品のみを使用できる場合)、
3) NDCを識別する識別子(たとえば、目的のシステムが正しいソースを利用できる場合)、および/または
4) 臨床医101の身元と使用期限情報とを、固有のコードフォーマット(たとえばHexフォーマット)のbase64エンコード形式で含む識別子。識別子は、たとえばストリングの一部を形成する固有の連続番号であり得る。
【0090】
上記のストリングに含まれる情報を用いることによって、1つ以上の投与規則(たとえば「この注射器は以前に別の患者に対して用いられたか?」)が、医薬品の投与を情報管理する前に目的のシステムにおいて実行され得る。
【0091】
ある実施例において、バーコードに含まれる情報はローカルで解析され得る。すなわち、コンピュータシステム(たとえば医薬品識別コンポーネント104)および/または医薬品容器132および/または医薬品容器132上の識別子128をスキャンする携帯情報端末(たとえば携帯コンピュータ1)においてバーコードがデコードされ得る。そのようなスキームの利点は、ネットワーク化された検索において内在し得る遅延またはモード異常なしに情報を速やかに取得することができるということである。
【0092】
医薬品ラベリングのための処理例
図6は、医薬品ラベリング方法600の例についてのフローチャートを示す。臨床医101は、初めに、ラベル136および/または第1医薬品容器132上のバーコードをスキャンおよび/または画像化する(ステップ605)。医薬品および場合によっては他の情報(たとえば医薬品の濃度)は、医薬品識別データとして識別される(ステップ610)。医薬品識別データに基づき、局地的あるいは離れた場所にあるデータベース(たとえばデータベース62および/またはデータベース220)は医薬品についての情報を生成するために検索される(ステップ615)。いくつかの例において、医薬品名は、臨床医101に対して表示され得る(ステップ620)。いくつかの例において、医薬品の濃度および/または医薬品に関する他の情報は、臨床医101に対して表示され得る。次に、コンプライアンスおよび安全基準に基づく1つ以上の規則(たとえばユーザが作成した規則503)が適用される(ステップ625)。たとえば、リコールされた医薬品が識別された場合のように「終了義務」がある場合(ステップ630)、臨床医は医薬品ラベル136を生成する処理を継続することができなくなり得、その代わりに、警告メッセージだけを有するラベル136を生成するように仕向けられ得る(ステップ635)。その他、いくつかの実施例において、医薬品名あるいは他の情報はスピーカ58からアナウンスされ得る(ステップ640)。いくつかの例において、警告メッセージもスピーカ58から再生され得る。
【0093】
いくつかの例において、以下に詳細に説明されるように、医薬品は希釈される必要があり得る(ステップ645)。希釈の必要がない場合、いくつかの例において、これも以下に詳細に説明されるように医薬品は混合される必要があり得る(ステップ650)。いくつかの例において、臨床医101は、希釈処理あるいは混合処理の各々もしくはどちらかが必要とされているかを入力するように促さられ得る。これらの処理のいずれも必要とされない場合、すなわち医薬品を希釈する必要も混合する必要もない場合、たとえばデータベース62および/または220上で、たとえば医薬品の経歴についての完全な情報が検索され得る。いくつかの例において、情報は、たとえば医薬品の製造業者、いつどのようにして医薬品が配送されあるいは受取られたかについての情報、およびどのようにして病院内の薬局によって医薬品が処理されたかについての情報を含み得る。いくつかの例において、たとえば使用データベース235(
図2−3)に医薬品の使用が記録される(ステップ660)。上述した方法600の1つ以上のステップは、医薬品ラベリングシステム100,300(
図1A−3)によって実行され得る。
【0094】
医薬品の希釈
医薬品が投与される前に医薬品が希釈される必要が時々ある。たとえば、製造業者によって供給された投薬量が強すぎることもあり得る。これらの場合、医薬品の最終濃度はどれだけ希釈剤が加えられたかに依存する。多くの事例において、医薬品が識別された後、規則エンジン120は医薬品が希釈されないことを要求する規則を適用し得、そしてシステム100,300がラベル136の印刷に進み得る。医薬品が希釈される必要がある場合、システム100,300は、ガイダンスを提供するように臨床医101に指示し得る。医薬品の希釈が必要であることを提示するために臨床医101が「yes」を選択すると、次に臨床医101は、(たとえば、医療的に適切な認められた選択肢のリストを含むユーザが定義した規則から)所望の最終濃度を選択し得る。ディスプレイ上のプロンプト
スクリーンは、規則に基づき、どれだけ(およびどの種類の)希釈剤が元の医薬品に加えられ得るかを臨床医101に気付かせる。規則は、提案された医薬品の濃度が強すぎるかあるいは弱すぎるかどうかも見るようにチェックすることも可能である。いくつかの実施例において、希釈情報はラベル136上にも印刷される。いくつかの場合において、医薬品は粉末あるいは乳液の状態であり得、注射可能な状態に再構成される必要があり得る。そのような場合、上述した希釈のためのシステム100,300の特徴は医薬品を再構成するために用いられ得る。
【0095】
図7は、ここで説明された医薬品ラベリング処理において用いられ得る医薬品希釈サブルーチン700の例示のフローチャートを示す。医薬品ラベリング処理(たとえば
図6の処理600)において、臨床医101は医薬品を希釈する必要があるかどうかを示すように促され得る。いくつかの例において、希釈が許可され得るかどうかを照合するために規則が用いられ得る。規則が希釈を許可する場合および/または臨床医101が「yes」を選択した場合(ステップ710)、次に臨床医101は、希釈基準について促され得る。すなわち臨床医101は、所望する希釈量を入力するように促され得る(ステップ720)。促すことは、所望の最終濃度を生成するために希釈剤の特定の量を加えるように臨床医101に「頼む」ことを含み得る。いくつかの例において、提案された最終濃度が定められたガイドラインの範囲内にあるかどうかを照合するために規則が再び適用される(ステップ740)。医薬品の最終濃度が確定した後、サブルーチン700が終了し得(ステップ750)、制御がラベリング方法600(
図6)に戻される。上述したサブルーチン700の1つ以上のステップは、医薬品ラベリングシステム100,300(
図1−3)によって実行され得る。
【0096】
医薬品の混合
いくつかの場合において、2つ以上の医薬品が同じ注射器内で混合される必要があり得る。たとえば、ネオスチグミンおよびグリコピロレートは同じ注射器内で結合され得る。グリコピロレートは、徐脈などのムスカリン様作用を防ぐために、神経筋遮断拮抗薬であるネオスチグミンと同時に用いられる。
【0097】
図8は、ここで説明される医薬品ラベリング処理において用いられ得る医薬品混合サブルーチン800の一例のフローチャートを示す。医薬品の混合が望まれることを示すために医薬品ラベリング方法600において「yes」を臨床医101が選択すると、サブルーチン800が呼び出される(ステップ810)。臨床医101は医薬品の混合について促される(ステップ820)。第1の医薬品がスキャンされた後、臨床医101はスクリーン上の「医薬品混合」ボタンを選択し得る。次に臨床医101は第2の医薬品をスキャンするように促され得(ステップ830)、その医薬品が識別された後、臨床医101は混合すべき他の医薬品があるかどうかを尋ねられる(ステップ840)。混合すべき医薬品が他にもある場合、上述の処理が繰返される。混合されるべき別の医薬品がない場合、混合規則が照合される(ステップ850)。規則が破られた場合、警報が即座に生成され得、臨床医101に対して表示され得る。いくつかの実施例において、医薬品の混合物は新しい名前を有し得る。ラベル136に印刷するための名称を提供するために1つ以上のデータベースに助言が求められ得る(ステップ860)。いくつかの例において、サブルーチン800が終了し、制御がラベリング方法600(
図6)に戻され得る。上述したサブルーチン800の1つ以上のステップが医薬品ラベリングシステム100,300(
図1A−3)によって実行され得る。例示の場合において、グリコピロレートとネオスチグミンとはある比率においてのみ混合され得る。したがって、グリコピロレートが最初にスキャンされて、それから「混合ボタン」が押され得る。そして、ネオスチグミンがスキャンされ得る。最終的な混合情報がラベル上に表示される前に医薬品が許容される比率で混合されることを確実にするために規則が適用され得る。
【0098】
医薬品の投与
上述したように、いくつかの実施例において、システム100,300は医薬品の使用が記録されることを許容する。医薬品が購入されたことを薬局は把握している一方でしばしば、どの医薬品がどのような臨床状況で実際に使用されたかは十分には把握されない。事前に梱包された医薬品(製造され、単回で消毒された梱包として使用される医薬品)が用いられると補充される必要があると一般的には仮定されている。しかしながら、医薬品がある容器から別の容器に移し替えられた場合、この事例は当てはまらない。たとえば、バイアルには50mLの医薬品が含まれているが、臨床医が10mLだけを吸い出した場合、医薬品の20%しか使用されていない。ラベリングシステム100,300は医薬品ならびにその最終濃度に関する情報を有しているため、システム100,300は実質的に、医薬品の実際の使用に関するすべての情報を有している。医薬品(たとえば管理された薬物)の追跡と突き合わせに関して、システム100,300は流通過程の情報管理、管理、廃棄、および麻酔治療に不可欠なオピオイド系麻酔薬のような管理された薬物の突き合わせを含む医薬品の移送についての情報を提供し得る。
【0099】
いくつかの実施例において、規則エンジン120(
図1A)は、第1医薬品容器132の識別子128からのデータがラベル136内の情報に含まれるようにできる。この特徴の1つの利点は(AIMSのような)情報管理システムなどのシステムによってラベル136が後でスキャンされたときに、情報管理システムに識別子128上の元の情報も入力することができるということである。いくつかの例において、データは、ネイティブフォーマット、あるいは、特定の情報管理システムとのコンプライアンスを確実にするために規則エンジン120によって操作された後のフォーマットのいずれかで提供され得る。
【0100】
上述したように、
図2および
図3を再び参照して、システム100,300は医薬品名、経歴、および最終濃度をデータベース235に記録し得る。医薬品のある場合には、麻酔薬あるいは他の管理された薬物の利用、使用および廃棄はデータベース235から生成されたレポートに基づいて追跡され得る。たとえば、医薬品の最初の量が情報管理され、医薬品の任意の使用されていない一部(たとえば廃棄部分)も記録され得る。この特徴の利点は、たとえば臨床医101による医薬品の乱用を避けることができるというものである。
【0101】
例示のシステム
図9Aは、上述したラベリングシステム100,300の1つ以上の特徴を有する例示のシステム900を示す。システム900は、臨床医101がシステム900に入力することを可能にし、たとえば医薬品ならびに医薬品の移し替えについての情報を表示するための、タッチスクリーンなどのユーザインターフェイス910を含む。システム900は、ラベル136などの作成されたデータ担体をイジェクトするための出力920を含み得る。
【0102】
起動の際、システム900は起動初期化とセルフチェックとを実行し得る。電源を入れてからシステム900が使用可能になるまでの時間はたとえば2分未満である。起動すると、システム900は、1つ以上の不都合な、安全でない、あるいは可能性のあるシステムの動作問題について臨床医101に注意を喚起する。システム900は、また、システム900がオフラインであること、紙切れおよび/またはインク切れに関する事情を含む任意の1つ以上の実用的な事情を直すように臨床医を促し得る。ある実施例において、システム900は動作状態に入る前に事情が直されたかどうかを確認し得る。システム900は、ユーザインターフェイス910を有するディスプレイがシステム900に接続されているかどうかおよび/または1つ以上の必要なデータベースもしくは設定データの存在など、必要な装置についてのチェックもし得る。ある実施例において、上述した初期化処理は、メニュー(たとえば管理メニュー)から臨床医101に対して利用可能にされ得る
。
【0103】
システム900は、データ担体ジェネレータ124(たとえばプリンタ)の動作を確認するための初期化プロセスの一部として1つ以上のテスト印刷を実行し得る。テスト印刷は、たとえば色の精度および/またはラベル136上の文字もしくはバーコードが質において許容できるものであるかどうかを確認し得る。いくつかの例において、正確なラベル印刷のある要素(たとえば色および文字)はソフトウェアコンポーネントを使用することによって判定され得るが、ノズルの詰まり、逆さまの媒体および/または誤った媒体を含む他の問題に起因したラベルの質の低下を避けるために人による確認が要求され得る。起動後に初めにログインすると、システム900はすべての色が正確に再現され得るかどうかを確認するためにテストラベルを印刷し得る。確認チェックは、システム900がラベル136を印刷するのに用いられ得る前に肯定的に認めることを臨床医101に要求する確認メッセージを臨床医101に表示することで終了し得る。承認は、ログが取られ、たとえばローカルシステムのログファイルなどのログファイルに記憶され得る。いくつかの例において、後のログインの際、24時間以内にテスト印刷動作が実行されていなければ、動作が再び実行され得る。ある実施例において、ラベル136はテスト印刷の承認が24時間を超えて実行されていないと印刷され得ない。
【0104】
ある実施例において、ユーザログインの形式でのユーザの識別がシステム900を使用するために要求され得る。ログインをより簡単にするため、システム900は臨床医101を識別するマーク(たとえば機械読取可能なマーク)を有するユーザのバッチを認識するように構成され得る。いくつかの例において、システム900は臨床医101を識別するためのユーザバッチの作成を可能にする「ユーザバッチ作成」機能を含み得る。ユーザバッチは臨床医101に割当てられたバッチとしてシステム900によって自動的に認識されるようにエンコードされ得る。いくつかの例において、ユーザバッチは臨床医101の名前、臨床医101の3文字のイニシャル、臨床医101の従業員番号およびユーザバッチが作成された日時などのある情報を含み得る。ログが取られた情報は、作成されたバッチについての情報とともに、たとえばバッチを作成したユーザの身元を含み得る。
【0105】
図9B−Cはユーザインターフェイス910のスクリーンショット930−980の例を示す。
図9Bは、システム900に自分自身を識別させることを臨床医101に要求するプロンプト935を示すスクリーンショット930の例を示す。臨床医101はシステム900を初期化するために自分のバッチをスキャンするかあるいは識別番号を入力し得る。臨床医101が一旦自分自身をシステム900に識別させると、システム900は使用できるようになる。注射器を作製した臨床医101のイニシャルあるいは他の医療ラベル136のログが取られ、適切な報告義務のためにラベル136に印刷され得る。システム900は、RFIDタグの読込、磁気ストライプ(マグストライプ)を通す、ユーザ識別カードおよび/またはシステム900のタッチスクリーンインターフェイスを用いた手動ログインなどの方法によってもユーザを識別することが可能であり得る。ある実施例において、有効なユーザログインバーコードが一旦スキャンされると、ログインスクリーンは「ログイン」されたものとして臨床医101のユーザ名を表示し、そして注射器に対するラベル136の生成が可能になり得る。ある実施例において、失敗したものも含めていくつかあるいはすべてのユーザのログインの動作およびログイン方法(スキャンあるいは手動エントリ)のログがオウディットログに取られ得る。
【0106】
いくつかの実施例において、監視ログを取ることは、ログを取る動作の日時に加えて、ユーザ、機能、装置特有の識別情報のうちの1つ以上のログを取ることを含む。システムのログを取ることは、同様の情報と、エラーコード、モジュール/分類/機能ライン番号、制限された追跡および/または外部インターフェイスによって作成されたメッセージを含み得る。
【0107】
一旦ログインすると、システム900は臨床医101に対していつでもログオフすることを許容する。加えて、システム900は、所定の休止時間(たとえば1時間)後に、自動的に臨床医101をログオフし得る設定可能な設定を含み得る。いくつかの例において、自動ログアウトは、たとえばログアウトタイムアウトをリセットするなどによって臨床医101が続けられるようにするための十分な時間の警告あるいは表示を経て進められ得る。いくつかの例において、システム900は、ある臨床医101がシステム900からイグジットし、1人以上の他の臨床医101がシステム900を使用することを許容し得る。自動ログアウトは、臨床医900が(ラベル136上および監視ログ内に記録された)真のシステムのオペレータであることを保証することを助け得る。システム900のログオフ処理により、システム900は元のログインスクリーン(たとえばスクリーンショット930)に戻り得る。
【0108】
図9Cは、臨床医101に対して1つ以上の選択肢を提示するための例示のメニュー938のスクリーンショット937を示す。一般的に、メニュー938の操作は、初心者および初めてのユーザであっても直感で理解できて、かつ簡単であるように設計される。ある実施例において、一旦ログインすると、システム900は、たとえば医薬品バイアルスキャンモードに入り、ラベル136の種類および/または臨床医101が実行することを所望する動作に対応する、「注射器」、「空欄」、「点滴」、「ライン」、「カスタム」などの選択肢を含むメニュー938をタッチスクリーンディスプレイ上に表示し得る。臨床医101は、注射器に対するラベル136を作成するために医薬品容器132のスキャン処理を開始するために「注射器」オプションを選択し得る。いくつかの実施例において、単に医薬品容器132をスキャンするだけで、対応するオプションを実際に選択することなく初期のオプションが自動的に開始され得る。たとえば、スクリーン937上で、「注射器」オプションを選択する必要なく、臨床医101は注射器のためのラベル136を生成するために医薬品容器132のスキャンを単純に開始することができる。この態様において、付加的な工程は何もなく、単に医薬品容器132をスキャンするだけに多くの時間が費やされる、合理化されたワークフローが注射器ラベル136を生成するために実装され得る。スキャンされると、医薬品容器132のバーコードは、医薬品のNDCを取得するためにデコードされ解析され得る。上述したように、NDCはシステム900によって要求される医薬品情報を検索するために用いられ得る。ある実施例において、ワークフローが正確かつ安全に進められていることを確実にするために、1つ以上の意味のある音および表示が提供され得る。たとえば、医薬品のNDCが見つからないと、システム900は所定の特徴を有する音(たとえば高周波数の音)を発し得る。
【0109】
ある実施例において、オプション「空欄」は、医薬品ラベル136の図形のラベル表現を用いて予め設定されたラベルを選択するために臨床医101に対して提示され得る。このオプションは、標準の医薬品容器132のスキャンを順守しないいくつかのラベリングアプリケーションに対して、あるいは、医薬品容器上のバーコードが読取れない場合に提供され得る。
【0110】
ある実施例において、オプション「点滴ラベル」は、日付、時間および使用期限情報を有する、静脈注射アプリケーションに対する1対の同じ所定のラベルを作成するために臨床医101に対して提示され得る。
【0111】
ある実施例において、オプション「ライン」は、患者に対して準備されている「ライン」の種類を選択するためのメニュー(図示せず)へのアクセスを提供するために臨床医101に対して提示され得る。メニュー内の各オプションは、対応するラインに対する所定のラベルを生成し得る。たとえば、メニュー上のあるオプションは、体腔に通じる液体が満たされたチューブ、あるいはたとえば患者内の侵略的カテーテルから生理的監視システ
ムトランスデューサ(たとえば「動脈ライン」、「肺動脈ライン」、「中心静脈圧ライン」)を表わし、見た目が同じラインの、いくつかのラインの各々を識別するためのラインを生成し得る。
【0112】
ここで説明されたシステムは、医療設定において作成され、患者、作成者および検査サンプルまたは液体について適切に識別する情報とともに、分析のために異なる場所を移送される必要がある病理組織または液体サンプル(すなわち、血液または他の体液)などの他の目的のために所定のラベルを提供するために、たとえば適切なユーザインターフェースを通じて変更あるいは拡張され得る。
【0113】
いくつかの例において、システム900は、ある個人(たとえばシステム管理者)が権限が与えられた使用および権限が与えられいない使用の両方からシステム900をロックすることを許容する「ロックアウト」特徴(図示せず)を提供し得る。たとえば、ラベルプリンタはアフターサービスが必要であり得、あるいはデータセット/設定問題を有し得、その結果、システム900はロックアウトされる必要があり得る。管理機能は、システム900をロックし、システム900がロックアウトされている間にユーザインターフェース910上に表示されるメッセージを提供し得る。
【0114】
システム900は、言語、現地時間、日付、コンベンションおよび表示の数の国際化を提供し得る。臨床医101’の言語設定に基づいて採用される文字はリソースファイルに記憶され得る。システム900は、ログインスクリーンを表示するためのシステムの初期設定を設定することを許容し得るが、ログインスクリーンは、言語設定を変えるためにたとえばアイコンも提供し得る。言語設定が臨床医101に対して設定されないと、システム初期設定が用いられる。システム初期設定が明確に設定されいないと、米国英語が初期言語に設定され得る。リソースファイルはエンドユーザがアクセス可能なものであり、アプリケーションの更新中に、保護された文字のオーバーライドを提供し得る。リソース名は、英語であり得る。リソースが設定されないと、リソースの名前が「@」記号によって保護され、スペースに変換された全てのアンダースコアがユーザインターフェース910上に表示され得る。異なるスクリーン上で使用するために共通のリソースが単一のリソースにグループ化され得る。
【0115】
図9Dは、臨床医101に対して表示される例示の情報のスクリーンショット940を示す。したがって、医薬品容器132または医薬品容器132上の識別子128のスキャンにあたって、ユーザインターフェース910は、医薬品識別データ945(たとえば、医薬品の名前および濃度)を臨床医101に対して表示する。
【0116】
図9Eは、臨床医101に対する警告メッセージを表示するスクリーンショット960を示す。たとえば、メントヘキシタールなどの医薬品を患者に投与しないように規則エンジン120が要求すると、ユーザインターフェース910は警告メッセージ965を表示し得る。
【0117】
図9F−Gは、医薬品希釈処理の一例を促進するためのスクリーンショット970−980を示す。スクリーンショット970において、臨床医101は、テキストウィンドウ975内に、メントヘキシタールと混合される医薬品の名称(例えばプロポフォール)を入力し得る。スクリーンショット980において、ユーザインターフェース910は、プロポフォールという医薬品は希釈される必要があることを示すプロンプト985を表示する。また、いくつかの例において、ユーザインターフェース010は、1つ以上の希釈濃度オプション990も提供し得る。
【0118】
実装
上述したラべリングシステム、処理、およびコンピュータプログラム製品は、デジタル電気回路、あるいはコンピュータハードウェア、ファームウェアもしくはそれらの組み合わせにおいて実装され得る。技術は、コンピュータプログラム製品、すなわち、プログラム可能プロセッサ、1台のコンピュータ、あるいは複数のコンピュータ等のデータ処理装置による実行のために、あるいはデータ処理装置の動作を制御するために、たとえば機械読取可能記憶装置または伝搬信号などのデータ担体内に明確に具体化されたコンピュータプログラムとして実装され得る。コンピュータプログラムは、コンパイルあるいはインタープリトされた言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述され得、スタンドアロンプログラムとして、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチンもしくはコンピューティング環境において使用に適した別のユニットとして、任意の形式で配置され得る。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータあるいは、一ヶ所のもしくは複数の場所にわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータにおいて実行されるように配置され得る。
【0119】
ここで説明された技術の方法のステップは、ここで説明された機能を、入力データに基づいて作動し、アウトプットを生成することによって実行するコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能プロセッサまたはコンピュータによって実行され得る。方法のステップは、FPGA(field programmable gate array)またはASIC(application-specific integrated circuit)などの特殊目的ロジック回路としても実行され得、本発明の装置は特殊目的ロジック回路として実現され得る。モジュールは、あの機能性を実現するコンピュータプログラムおよび/またはプロセッサ/特殊回路の一部を意味し得る。
【0120】
コンピュータプログラムの実行に適切なプロセッサは、一例として、一般および特殊目的マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、命令およびデータをリードオンリメモリまたはランダムアクセスメモリあるいは両方から受け取る。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置である。一般的に、コンピュータは、磁気、磁気光学ディスクあるいは磁気ディスクなどの、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置も含むか、あるいはそれからデータを受信するか、もしくはそれにデータを転送するように連結される。
【0121】
コンピュータプログラム命令およびデータを具体化するのに適した機械読取可能記憶媒体は、一例として半導体メモリ(EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリ装置等)、磁気ディスク(内蔵ハードディスクあるいはリムーバブルディスク)、磁気光学ディスク、およびCD−ROMならびにDVD−ROMディスクを含む、全ての形式の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的ロジック回路によって補完されたり、特殊目的ロジック回路に組み込まれたりし得る。コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアントおよびサーバは、一般的には互いに離れ、典型的には通信ネットワーク上で相互に作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、クライアントとサーバとの関係を互いに有するコンピュータプログラムの効力によって生じる。
【0122】
他の実施例
本発明はその詳細な説明と関連して説明されたが、上記の説明は説明を意図しているものであって、添付の特許請求の範囲の範囲により規定される発明の範囲を限定することを意図しているのではないことが理解される。別の局面、利点および変更が、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。