(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306031
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】空気圧接続確認能力を備える創傷接続パッド
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
A61M27/00
【請求項の数】42
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-539640(P2015-539640)
(86)(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公表番号】特表2015-532878(P2015-532878A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】US2013064354
(87)【国際公開番号】WO2014066057
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年10月6日
(31)【優先権主張番号】61/718,551
(32)【優先日】2012年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508268713
【氏名又は名称】ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ロック,クリストファー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】プラット,ベンジャミン,エイ.
【審査官】
川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0178481(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0123358(US,A1)
【文献】
国際公開第2009/086580(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0275884(US,A1)
【文献】
特表2005−500141(JP,A)
【文献】
特表2012−502755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧を用いて組織部位を治療するシステムにおいて、
前記組織部位に近接して配置されるように構成されたマニホールドと;
前記マニホールドを覆うように構成されたドレープと;
主ルーメンおよび副ルーメンを含む導管と;
コネクタであって、
空洞を有するコネクタ本体であって、前記空洞が、前記ドレープにあるアパーチャを通して前記マニホールドに結合されるように構成されている、コネクタ本体、
前記導管を受け入れかつ前記主ルーメンを前記空洞に結合するように構成された導管ポート、
前記導管ポートに結合され、かつ前記空洞を通って延在する感知プローブであって、前記ドレープ内の前記アパーチャを通して前記副ルーメンを前記マニホールドに結合するように構成された感知プローブ
を含むコネクタと
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記副ルーメンに結合されるように構成された圧力センサーをさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記主ルーメンに結合されるように構成された減圧源をさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記主ルーメンに結合されるように構成された減圧源と;
前記副ルーメンに結合されるように構成された圧力センサーと
をさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コネクタ本体の周辺部分から延在しかつ前記ドレープに結合されるように構成されたベースをさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コネクタが、前記コネクタ本体の内面に形成された1つ以上のチャンネルをさらに含み、前記チャンネルは、前記導管ポートへと流体を方向付けるように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のシステムにおいて、前記感知プローブがエルボーを含むことを特徴とする、システム。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記感知プローブが、前記導管ポートから、前記ベースによって占められる平面まで延在することを特徴とする、システム。
【請求項9】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記感知プローブが、前記導管ポートから、前記ベースによって占められる平面を越えて延在することを特徴とする、システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のシステムにおいて、前記感知プローブの遠位端部が、前記マニホールドの露出部分に接触することを特徴とする、システム。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載のシステムにおいて、2つ以上の感知プローブをさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のシステムにおいて、4つの感知プローブをさらに含むことを特徴とする、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記感知プローブの各々の遠位端部が離間するように、前記感知プローブが位置決めされていることを特徴とする、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、各感知プローブの前記遠位端部が、隣接する感知プローブの前記遠位端部から等距離で離間していることを特徴とする、システム。
【請求項15】
減圧を用いて組織部位を治療するシステムにおいて、
前記組織部位に近接して配置されるように構成されたマニホールドと;
前記マニホールドを覆うように構成されたドレープであって、アパーチャが形成されるように構成されたドレープと;
減圧源と;
前記減圧源から減圧を受けるように構成された第1の端部、および第2の端部を有する主ルーメン、ならびに圧力センサーに流体的に結合されるように構成された第1の端部、および第2の端部を有する少なくとも1つの副ルーメンを含む導管と;
前記ドレープを通して前記マニホールドに減圧をもたらすように構成されたコネクタであって、
コネクタ本体の第1の端部に空洞アパーチャを含む空洞を有するコネクタ本体;
前記コネクタ本体の第2の端部から延在しかつ前記主ルーメンの前記第2の端部および前記少なくとも1つの副ルーメンの前記第2の端部を前記コネクタ本体に流体的に結合するように構成された導管ポート;
前記ドレープに隣接して位置決めされるように構成された、前記空洞アパーチャに隣接する前記コネクタ本体の周辺部分から延在するベースであって、前記空洞は、前記ドレープの前記アパーチャを通して前記マニホールドに流体的に結合されるように構成されている、ベース;および
前記少なくとも1つの副ルーメンに流体的に結合されるように構成された近位端部、および前記空洞を通って前記空洞アパーチャに延在する遠位端部を有する感知プローブであって、前記遠位端部は、前記マニホールドに隣接しかつ流体連通して位置決めされるように構成されている、感知プローブ
を含むコネクタと
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記感知プローブの前記遠位端部が、前記空洞から、前記ベースによって占められる平面まで延在することを特徴とする、システム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記感知プローブの前記遠位端部が、前記空洞から、前記ベースによって占められる平面を越えて延在することを特徴とする、システム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記感知プローブの前記遠位端部が前記マニホールドの露出部分に接触することを特徴とする、システム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記感知プローブがエルボーを含むことを特徴とする、システム。
【請求項20】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記感知プローブが2つ以上の感知プローブを含み、各感知プローブが、隣接する感知プローブの前記遠位端部から離間した遠位端部を有し;および
少なくとも1つの副ルーメンが2つ以上の副ルーメンを含み、各感知プローブが、別個の副ルーメンに空気圧的に結合されていることを特徴とする、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記2つ以上の感知プローブが4つの感知プローブを含むことを特徴とする、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記4つの感知プローブのうちの1つの感知プローブが、前記感知プローブの遠位端部が前記空洞アパーチャの内側部分に近接して配置されるように、位置決めされ;および
前記感知プローブのうちの3つの感知プローブが、前記3つの感知プローブのそれぞれの遠位端部が前記1つの感知プローブから離間されるように、位置決めされることを特徴とする、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、各感知プローブの前記遠位端部が、隣接する感知プローブの前記遠位端部から等距離で離間していることを特徴とする、システム。
【請求項24】
導管と減圧治療システムのマニホールドを流体的に結合するコネクタにおいて、
コネクタ本体の第1の端部に空洞アパーチャを含む空洞を有するコネクタ本体と;
前記コネクタ本体の第2の端部から延在し、および前記導管の主ルーメンの端部を前記空洞に流体的に結合しかつ少なくとも1つの副ルーメンの端部を前記コネクタ本体に流体的に結合するように構成された導管ポートと;
前記空洞アパーチャに隣接する前記コネクタ本体の周辺部分から延在し、および前記マニホールドを覆うドレープに隣接して位置決めされるように構成されたベースであって、前記空洞が、前記ドレープに形成されたアパーチャを通して前記マニホールドに流体的に結合されるように構成されている、ベースと;
前記少なくとも1つの副ルーメンに流体的に結合されるように構成された近位端部、および前記空洞を通って前記空洞アパーチャに延在する遠位端部を有する感知プローブであって、前記遠位端部は、前記マニホールドに隣接しかつそれと流体連通するように位置決めされるように構成されている、感知プローブと
を含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項25】
請求項24に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブの前記遠位端部が、前記空洞から、前記ベースによって占められる平面まで延在することを特徴とする、コネクタ。
【請求項26】
請求項24に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブの前記遠位端部が、前記空洞から、前記ベースによって占められる平面を越えて延在することを特徴とする、コネクタ。
【請求項27】
請求項24に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブがエルボーを含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項28】
請求項24に記載のコネクタにおいて、
前記感知プローブが2つ以上の感知プローブを含み、各感知プローブが、隣接する感知プローブの前記遠位端部から離間した遠位端部を有し;および
前記少なくとも1つの副ルーメンが2つ以上の副ルーメンを含み、各感知プローブが、別個の副ルーメンに空気圧的に結合されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項29】
請求項28に記載のコネクタにおいて、前記2つ以上の感知プローブが4つの感知プローブを含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項30】
請求項29に記載のコネクタにおいて、
前記4つの感知プローブのうちの1つの感知プローブが、前記感知プローブの遠位端部が前記空洞アパーチャの内側部分に近接して配置されるように、位置決めされ;および
前記感知プローブのうちの3つの感知プローブが、前記感知プローブのそれぞれの遠位端部が前記1つの感知プローブから離間されるように、位置決めされることを特徴とする、コネクタ。
【請求項31】
請求項30に記載のコネクタにおいて、各感知プローブの前記遠位端部が、隣接する感知プローブの前記遠位端部から等距離で離間していることを特徴とする、コネクタ。
【請求項32】
導管と減圧治療システムのマニホールドを流体的に結合するコネクタにおいて、
空洞を有するコネクタ本体であって、前記空洞が、ドレープにあるアパーチャを通して前記マニホールドに流体的に結合されるように構成されている、コネクタ本体と;
前記コネクタ本体に結合された導管ポートであって、前記導管を受け入れかつ主ルーメンを前記空洞に流体的に結合するように構成されている導管ポートと;
前記空洞を通って延在するとともに前記導管ポートに空気圧的に結合された感知プローブであって、前記空洞および前記ドレープの前記アパーチャを通して副ルーメンを前記マニホールドに空気圧的に結合するように構成された感知プローブと
を含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項33】
請求項32に記載のコネクタにおいて、前記コネクタ本体の周辺部分から延在しかつ前記ドレープに結合されるように構成されたベースをさらに含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項34】
請求項32に記載のコネクタにおいて、前記コネクタ本体の内面に形成された1つ以上のチャンネルをさらに含み、前記チャンネルが、流体を前記導管ポートへ方向付けるように構成されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項35】
請求項32乃至34の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブがエルボーを含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項36】
マニホールドを減圧源に流体的に結合するコネクタにおいて、
アパーチャを有するベースと;
主ルーメンおよび副ルーメンを受け入れるように構成された導管ポートと;
前記アパーチャを前記導管ポートに流体的に結合する空洞を有するコネクタ本体と;
前記空洞を通って延在する感知プローブであって、前記アパーチャおよび前記導管ポートに空気圧的に結合されている感知プローブと
を含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項37】
請求項36に記載のコネクタにおいて、前記空洞が、前記アパーチャを前記主ルーメンに流体的に結合するように構成されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項38】
請求項36に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブが、前記アパーチャを前記副ルーメンに空気圧的に結合するように構成されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項39】
請求項36に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブが、前記アパーチャと前記導管ポートとの間に配置されたエルボーを含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項40】
請求項36に記載のコネクタにおいて、前記感知プローブが、前記アパーチャを通って前記ベースを越えて延在する遠位端部を含むことを特徴とする、コネクタ。
【請求項41】
請求項36に記載のコネクタにおいて、
前記空洞が、ドレープを通して前記マニホールドを前記主ルーメンに流体的に結合するように構成され;および
前記感知プローブが、前記アパーチャを前記副ルーメンに空気圧的に結合するように構成されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項42】
請求項36に記載のコネクタにおいて、
前記空洞が、前記アパーチャを前記主ルーメンに流体的に結合するように構成され;
前記感知プローブが、ドレープを通して前記アパーチャを前記副ルーメンに空気圧的に結合するように構成され;および
前記アパーチャが、前記ドレープを通って前記空洞を前記マニホールドに結合するように構成されていることを特徴とする、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35 U.S.C.§ 119(e)下において、2012年10月25日出願の米国仮特許出願第61/718,551号(「WOUND CONNECTION PAD WITH PNEUMATIC CONNECTION CONFIRMATION ABILITY」)の優先権および利益を主張し、この開示全体を参照することにより本書に援用する。
【0002】
本開示は、概して治療システムに関し、より詳細には、限定されるものではないが、減圧インターフェースを含む、減圧によって組織部位を治療するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床試験および診療から、組織部位に近接して減圧をもたらすことによって、組織部位における新しい組織の成長を増強および加速することが示されている。この現象の適用例は多数あるが、減圧を行うことは、創傷の治療においてかなり成功している。この治療(医学界では「陰圧閉鎖療法」、「減圧療法」、または「真空療法」と呼ばれることが多い)はいくつもの利点を提供し、それら利点には、迅速な治癒や肉芽組織の形成加速化が含まれ得る。一般に、減圧は、創傷内で減圧を維持するためにドレープによって覆われた多孔質パッドなどのマニホールド装置を含み得るドレッシングを通して、組織部位に行われる。多孔質パッドは、減圧を組織部位に分配しかつ組織部位から引き出された流体を運ぶことができる気泡または細孔を含む。患者が、減圧療法の恩恵を受けるようにするために、減圧は、マニホールド装置に正しく供給される必要がある。一部の治療の最中、減圧治療を準備する介護者は、創傷の上側へドレッシングを不適切に適用することがあるため、減圧がマニホールド装置に適切に適用されない。それゆえ、減圧の不適切な適用を介護者に通知するシステム、方法、および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
これらのおよび他の問題は一般的に解決または回避され、および技術的優位性は、一般的に、空気圧接続確認能力を備える創傷接続パッドを提供する実施形態によって達成される。
【0005】
実施形態によれば、減圧を用いて組織部位を治療するシステムが説明される。システムは、組織部位に近接して配置されるように構成されたマニホールドと、マニホールドを覆うように構成されたドレープとを含み得る。システムは、さらに、主ルーメンおよび副ルーメンを有する導管と、コネクタとを含み得る。コネクタは、空洞を有するコネクタ本体を含み得る。空洞は、ドレープのアパーチャを通してマニホールドに結合されるように構成され得る。コネクタはまた、導管を受け入れかつ主ルーメンを空洞に結合するように構成される導管ポートを含み得る。コネクタはまた、導管ポートに結合された感知プローブを含み得る。感知プローブは、空洞およびドレープのアパーチャを通して副ルーメンをマニホールドに結合するように構成され得る。
【0006】
別の実施形態によれば、減圧を用いて組織部位を治療するシステムが説明されている。システムは、組織部位に近接して配置されるように構成されたマニホールドと、マニホールドを覆うように構成されたドレープとを含み得る。ドレープは、そこにアパーチャが形成されるように構成され得る。システムはまた、減圧源および導管を含み得る。導管は、減圧源からの減圧を受けるように構成された第1の端部、および第2の端部を有する主ルーメンを含み得る。導管はまた、圧力センサーに流体的に結合されるように構成された第1の端部、および第2の端部を有する少なくとも1つの副ルーメンを有し得る。システムは、さらに、ドレープを通してマニホールドに減圧をもたらすように構成されたコネクタを含み得る。コネクタは、空洞を有するコネクタ本体を含み得る。空洞は、コネクタ本体の第1の端部に空洞アパーチャを有し得る。コネクタはまた、コネクタ本体の第2の端部から延在する導管ポートを含み得る。導管ポートは、主ルーメンの第2の端部および少なくとも1つの副ルーメンの第2の端部をコネクタ本体に流体的に結合するように構成され得る。コネクタはまた、空洞アパーチャに隣接したコネクタ本体の周辺部分から延在するベースを有し得る。ベースは、ドレープに隣接して位置決めされるように構成され得る。空洞は、ドレープのアパーチャを通してマニホールドに流体的に結合されるように構成され得る。コネクタは、さらに、少なくとも1つの副ルーメンに流体的に結合されるように構成された近位端部を有する感知プローブを含み得る。感知プローブはまた、空洞アパーチャに延在する遠位端部を有し得る。遠位端部は、マニホールドと隣接して位置決めされかつ流体連通するように構成され得る。
【0007】
さらに別の実施形態では、導管と減圧治療システムのマニホールドを流体的に結合するコネクタが説明される。コネクタは、コネクタ本体の第1の端部に空洞アパーチャを含む空洞を有するコネクタ本体を含み得る。コネクタはまた、コネクタ本体の第2の端部から延在する導管ポートを含み得る。導管ポートは、導管の主ルーメンの端部を空洞に流体的に結合するように構成され得る。導管ポートはまた、少なくとも1つの副ルーメンの端部をコネクタ本体に流体的に結合するように構成され得る。コネクタはまた、空洞アパーチャに隣接したコネクタ本体の周辺部分から延在するベースを含み得る。ベースは、マニホールドを覆うドレープに隣接して位置決めされるように構成され得る。空洞は、ドレープに形成されたアパーチャを通してマニホールドに流体的に結合されるように構成され得る。コネクタは、さらに、少なくとも1つの副ルーメンに流体的に結合されるように構成された近位端部を有する感知プローブを含み得る。感知プローブはまた、空洞アパーチャに延在する遠位端部を含み得る。遠位端部は、マニホールドと隣接しかつ流体連通するように位置決めされるよう構成され得る。
【0008】
さらに別の実施形態では、導管と減圧治療システムのマニホールドを流体的に結合するコネクタが説明されている。コネクタは、空洞を有するコネクタ本体を含み得る。空洞は、ドレープにあるアパーチャを通してマニホールドに流体的に結合されるように構成され得る。コネクタはまた、コネクタ本体に結合された導管ポートを含み得る。導管ポートは、導管を受け入れかつ主ルーメンを空洞に流体的に結合するように構成され得る。コネクタは、さらに、導管ポートに空気圧的に結合された感知プローブを含み得る。感知プローブは、空洞およびドレープのアパーチャを通して、副ルーメンをマニホールドに空気圧的に結合するように構成され得る。
【0009】
別の実施形態では、マニホールドを減圧源に流体的に結合するコネクタが説明されている。コネクタは、アパーチャを有するベースと、主ルーメンおよび副ルーメンを受け入れるように構成された導管ポートとを含み得る。コネクタはまた、アパーチャを導管ポートに流体的に結合する、空洞を有するコネクタ本体を含み得る。コネクタは、さらに、空洞に配置された感知プローブを含み得る。感知プローブは、アパーチャおよび導管ポートに空気圧的に結合され得る。
【0010】
さらに別の実施形態では、減圧システムを用いて組織部位に減圧を適用する方法が説明されている。方法は、ドレッシングのマニホールドの一部分を露出させるように、組織部位に、アパーチャを有するドレッシングを準備し得る。この方法は、ドレッシングの第1の側面に近接させてコネクタを結合し得る。コネクタは、コネクタの内側部分に近接して遠位端部を有する感知プローブを含み得る。この方法は、ドレッシングのアパーチャに近接させて感知プローブの遠位端部を位置決めし得るため、遠位端部は、マニホールドと隣接しおよびこれと流体連通して位置決めされる。この方法は、減圧源を用いてコネクタに減圧を供給し、かつ、感知プローブと減圧の供給が空気圧的に結合されているかどうかを判断し得る。感知プローブと減圧の供給が空気圧的に結合される場合、この方法は減圧を供給し続け得る。感知プローブと減圧の供給が空気圧的に結合されない場合、この方法は、減圧が不適切に適用されていることを示し得る。
【0011】
さらに別の実施形態では、マニホールドを減圧源に結合する方法が説明されている。この方法は、組織部位に近接してマニホールドを配置してもよく、かつシール部材によってマニホールドを覆ってもよい。この方法は、シール部材の開口部の上を覆って空洞および減圧インターフェースのセンサープローブを位置決めし得る。この方法は、減圧インターフェースをシール部材に結合し得るため、空洞は、シール部材の開口部を通してマニホールドに結合され、およびセンサープローブは、シール部材の開口部を通してマニホールドに結合される。この方法は、減圧源を空洞に結合し得る。この方法は、センサープローブを圧力センサーに結合し得る。
【0012】
例示的実施形態を、参照することにより本明細書に援用される添付図面を参照して、下記で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に従う、減圧を用いて患者の組織部位を治療するシステムの斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、実施形態に従う、線2A−2Aに沿って取った、
図1のシステムの減圧インターフェースの断面図である。
【
図2B】
図2Bは、実施形態に従う減圧インターフェースの追加的な詳細を示す、
図2Aの減圧インターフェースの斜視的な底面図である。
【
図2C】
図2Cは、実施形態に従う、線2C−2Cに沿って取った、
図2Aの減圧インターフェースの一部分の断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に従う第1の失敗モードにある、
図2Aの減圧インターフェースの断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に従う第2の失敗モードにある、
図2Aの減圧インターフェースの断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に従う第3の失敗モードにある、
図2Aの減圧インターフェースの断面図である。
【
図6A】
図6Aは、実施形態に従う別の減圧インターフェースの底面図である。
【
図6B】
図6Bは、実施形態に従う、
図1のシステムと一緒に使用し得る、別の例示的な導管の断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に従う
図1のシステムを使用する方法の動作ステップを示す、高レベルのフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に従う
図1のシステムを使用する方法の動作ステップを示す、高レベルのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
圧力を調整するために使用される減圧インターフェースに関連する、新しくかつ有用なシステム、方法、および装置が、添付の特許請求の範囲において記載される。システム、方法、および装置を作製および使用する目的、利益、および好ましい態様は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、最もよく理解され得る。説明は、当業者が、特許請求する主題を作製および使用できるようにする情報を提供するが、当業界で既に周知のいくつかの詳細な情報については省略し得る。さらに、他で明白に指定しない限り、用語「または」を使用する様々な代替例の説明は、必ずしも相互排他性である必要はない。特許請求する主題はまた、具体的に詳細には説明されない代替的な実施形態、変形例、および均等物を含んでもよい。それゆえ、以下の詳細な説明は、説明のためのものであり、限定であるとみなされるべきではない。
【0015】
本明細書では、用語「減圧」は、一般的に、治療が施されている組織部位における周囲圧力を下回る圧力を指す。ほとんどの場合、この減圧は、患者がいる場所の大気圧を下回り得る。あるいは、減圧は、組織部位における組織に関連する静水圧を下回り得る。他に指定のない限り、本明細書で述べる圧力の値はゲージ圧である。減圧の上昇への言及は、一般に絶対圧の低下を指し、および減圧の低下は、一般に絶対圧の上昇を指す。
【0016】
図1は、減圧を用いて患者の組織部位102を治療するシステム100を示す斜視図である。システム100は、組織部位102に減圧を供給するために、ドレッシング106を含み得る。ドレッシング106は、組織部位102に近接して配置され得る。システム100はまた、治療ユニット108、およびドレッシング106と治療ユニット108との間で流体的に接続される導管110を含む。治療ユニット108は、減圧を、導管110を通して組織部位102のドレッシング106まで供給し得る。例示的実施形態では、ドレッシング106は、さらに、減圧インターフェース、例えばコネクタ116、およびマニホールド112を含んでもよく(
図2A、
図2B、および
図2Cも参照)、コネクタ116は、導管110をマニホールド112へ流体的に結合し、組織部位102において減圧を分配する。ドレッシング106はまた、組織部位102を覆いかつコネクタ116とマニホールド112との間にシールをもたらすドレープ114を含み得る。
【0017】
治療ユニット108は、集液室すなわち収集キャニスター、減圧源140、および計器ユニット150を含み得る。減圧源140は、治療ユニット108内に収容されてもよいし、またはそれと一緒に使用されてもよい。例示的実施形態では、減圧源140は、電動真空ポンプとし得る。例示的別の実施形態では、減圧源140は、電力を必要としない、手動によって作動されるかまたは手動で充電されるポンプとし得る。減圧源140は、他のタイプの減圧ポンプとしてもよいし、または病院および他の医療施設で利用可能なものなどの壁面吸い込みポートとしてもよい。
【0018】
計器ユニット150は、減圧源140と流体連通し得る。計器ユニット150はマイクロプロセッサーを含み、このマイクロプロセッサーは、導管110によって受信した圧力信号を処理し、圧力信号を監視し、かつ患者に対する予め決められた圧力療法に従って警告を発するように適合され得る。予め決められた圧力療法は、ある期間にわたって患者にもたらされるべき所望の目標圧力の圧力プロファイルを含み得る。圧力プロファイルは、療法治療の開始時に目標圧力を適用する設定プロファイル、および治療中に目標圧力を適用する維持プロファイルを含み得る。計器ユニット150は、センサー、処理装置、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示装置、およびユーザインターフェースを含み、組織部位102に減圧治療を適用するのをさらに容易にし得る。
【0019】
例示的一実施形態では、計器ユニット150に配置された圧力センサー151は、減圧源140にまたはその近くに配置され得る。例示的別の実施形態では、圧力センサー151は、コネクタ116に配置された1つ以上のトランスデューサとし得る。圧力センサー151は、減圧源140においてまたはその近くで測定された圧力信号を提供する電気的インターフェース(図示せず)を含む。圧力信号は、下記で詳細に説明するように、コネクタ116とマニホールド112との間の圧力を示す。圧力センサー151は、減圧源140によって送達され得る減圧を監視および制御する計器ユニット150などの処理装置と通信し得る。例示的実施形態では、圧力センサー151は、計器ユニット150と通信して、圧力信号が圧力設定プロファイルに従っている可能性があるかどうかを監視する。圧力設定プロファイルは、減圧の最初の適用後に組織部位102において検出された、減圧の予期された上昇を含み得る。圧力信号が、予め決められた期間内に圧力設定プロファイルに従わない場合、計器ユニット150は、予め決められた期間内に圧力信号が圧力設定プロファイルに従わなかったことを示す。例示的実施例では、この表示は、可視的または可聴的な警告または警報とし得る。圧力信号が圧力設定プロファイルに従っている場合、計器ユニット150は、圧力信号が圧力設定プロファイルに従ったことを示し得る。圧力設定プロファイルに従ったことの表示は、圧力設定プロファイルに従わなかったことの表示とは異なってもよい。
【0020】
図2Aは、組織部位102に配置されたシステム100の一部分の断面図であり、およびコネクタ116の追加的な詳細を示す。システム100は、様々な異なるタイプの組織部位102に対して使用し得る。用語「組織部位」は、この文脈において、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、または靭帯を含むがこれらに限定されない、ヒト、動物、または他の生物の組織にあるまたはその内部の、創傷または欠損を広範に指し得る。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、および離開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(例えば糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、または静脈不全潰瘍)、弁(flap)、グラフト、および瘻孔を含み得る。用語「組織部位」はまた、必ずしも傷ついても欠損してもいない組織領域であるが、その代わりに、追加的な組織の成長を支援または促進することが望ましいとし得る領域を指し得る。例えば、いくつかの組織領域において減圧を使用して、追加的な組織を成長させ、それら組織を採取し、別の組織の箇所に移植してもよい。用語「組織部位」はまた、外科的切開などの切開を含み得る。組織部位102は、表皮124、皮下組織125、または他の筋組織127を含み得る。組織部位102は、健康なまたは無傷の組織、例えば無傷とし得る表皮124の一部分によって囲まれ得る。組織部位102の治療には、滲出液や腹水などの流体の除去を含み得る。
【0021】
図示の実施形態では、マニホールド112は、組織部位102の近位に位置決めされて、マニホールド112が、組織部位102に対面する第1の面と、第1の面に対向し得る第2の面とを有するようにし得る。下記で詳細に説明するように、第2の面は、被覆部分128などの第1の部分と、露出部分129などの第2の部分とを有し得る。本明細書では、用語「マニホールド」は、一般的に、組織部位102に対して減圧を行ったり、流体を送達したり、または組織部位102から流体を除去したりするのを支援するために設けられる物体または構造を指す。マニホールド112は、複数の流路または流れ経路を含み、これら複数の流路または流れ経路は、組織部位102に提供されかつそこから除去される流体を分配し得る。例示的一実施形態では、流路または流れ経路は相互に接続されて、組織部位102に提供されるまたはそこから除去される流体の分配を改善し得る。マニホールド112は、組織部位102と接触して配置されかつ組織部位102に減圧を分配することができる生体適合性材料とし得る。マニホールド112の例としては、限定はされないが、流路を形成するように配置された構造要素を有する装置、例えば、気泡質の発泡体、連続気泡発泡体、多孔性組織集合体、液体、ゲル、および流路を含むまたは硬化して流路を含む発泡体などを含み得る。マニホールド112は多孔性としてもよく、かつ発泡体、ガーゼ、フェルトのマット、または特定の生物学的応用に好適な他の材料から作製し得る。一実施形態では、マニホールド112は多孔質発泡体としてもよく、かつ流路の機能を果たす複数の連続気泡や細孔を含み得る。多孔質発泡体は、ポリウレタン製の連続気泡の網状発泡体、例えばKinetic Concepts,Incorporated(San Antonio、Texas)製のGranuFoam(登録商標)材とし得る。一部の実施形態では、マニホールド112は、薬剤、抗菌薬、成長因子、および様々な溶液などの流体を組織部位102に分配するためにも使用し得る。マニホールド112にまたはマニホールド112上に、吸収材料、ウィッキング材料、疎水性材料、および親水性材料などの他の層も含まれ得る。
【0022】
例示的一実施形態では、マニホールド112は、システム100の使用後に組織部位102から取り出す必要のない生体再吸収性材料から構成し得る。好適な生体再吸収性材料は、限定はされないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含み得る。ポリマーブレンドはまた、限定はされないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、およびカプララクトン(capralactones)を含み得る。マニホールド112は、新しい細胞増殖のための足場としての機能をさらに果たしてもよいし、または細胞増殖を促進するためにマニホールド112と足場材料が一緒に使用されてもよい。足場は、細胞増殖または組織形成を増進させるまたは促進するのに使用される物体または構造体であり、例えば、細胞増殖のテンプレートを提供する三次元の多孔質構造体とし得る。足場材料の例示的実施例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト(coral hydroxy apatite)、カーボネート、または加工された同種移植片材料を含み得る。
【0023】
ドレープ114は、組織部位102の上側を覆うように位置決めされるときにマニホールド112の表面部分128を部分的に被覆する第1の側面134および第2の側面136と、ドレープ114を貫通して延在するドレープアパーチャ115とを有し、マニホールド112の第2の面の露出部分129および被覆部分128を生じる。ドレープ114は、流体シールをもたらす材料とし得る。「流体シール」または「シール」は、特定の減圧源または関連のサブシステムによって与えられた減圧を所望の部位において維持するのに適切なシールを意味する。ドレープ114は、例えば、不透過性または半透過性のエラストマー性材料とし得る。「エラストマー性」は、エラストマーの特性を有することを意味する。エラストマーは、一般的に、ゴムのような特性を有し得るポリマー材料を指す。より具体的には、ほとんどのエラストマーは、極限伸びが100%超であり、かなりの程度の弾力性を有する。材料の弾力性は、弾性変形から回復する材料の能力を指す。弾力性が比較的小さいエラストマーも使用され得る。なぜなら、これらのエラストマーは、切断要素に当たると引き裂かれやすいとし得るためである。エラストマーの例は、限定されるものではないが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン(PU)、EVAフィルム、コ−ポリエステル、およびシリコーンを含み得る。ドレープ114の材料の追加的な具体例は、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、およびAvery Dennison Corporation (Pasadena、California)から入手可能なものなどのポリウレタン(PU)ドレープを含み得る。ドレープ114の材料の追加的で具体的な非限定例は、Exopack(商標)Advanced Coatings(Matthews、North Carolina)製のInspire(商標)2317などの30μmの艶消しポリウレタンフィルムを含み得る。
【0024】
ドレープ114の第2の側面136と、組織部位102を取り囲む、傷がないとし得る表皮124の一部分との間に、ドレープ接着剤138が位置決めされ得る。ドレープ接着剤138は、ドレープ114を適所に保持し、かつ、組織部位102を取り囲む表皮124にドレープ114を流体的にシールすることによって、ドレープ114が密閉空間132において減圧を維持するのを支援し得る。ドレープ114を表皮124に流体的にシールすることは、ドレープ114を表皮124にシールすることを指してもよいため、流体は、ドレープ114と表皮124との間を通過できないようにされ得る。ドレープ接着剤138は、例えば、ガスケットまたは追加的なシール部材などの別の層を含み得る。ドレープ接着剤138は、多数の形態をとり得る。例えば、ドレープ接着剤138は、ドレープ114の一部分の周り、周辺、全ての周りに延在し得る、医学的に容認できる接着剤、例えば感圧接着剤;両面ドレープテープ;糊;親水コロイド;ヒドロゲル;シリコーンゲル;オルガノゲル;または他のシール装置または要素とし得る。ドレープ接着剤138はまた、シールリングまたは他の装置とし得る。さらに別の例では、ドレープ接着剤138は、組織部位102から取り除くことができかつ組織部位102に再適用できる、剥離可能な接着材料とし得る。ドレープ接着剤138は、ドレープ114の第2の側面136に配置され得る。使用前、ドレープ接着剤138は、剥離ライナー(図示せず)によって被覆されて、組織部位102に適用される前の取付材料138を保護し得る。
【0025】
コネクタ116は、ベース160と、空洞164を有するコネクタ本体162とを含み得る。一部の実施形態では、ベース160は、コネクタ本体162の一方の端部に結合され、コネクタ本体162の周辺部分から延在し得る。ベース160は、空洞164の一部分に隣接し得る。コネクタ116は、さらに、コネクタ本体162の一方の端部に空洞アパーチャ166を含み得る。例えば、空洞アパーチャ166は、ベース160を貫通してまたはその一部に形成され得る。コネクタ本体162の他方の端部に導管ポート168が結合され得る。一部の実施形態では、例えば、
図2Aに示すように、導管ポート168は、コネクタ本体162から延在し得る。導管ポート168は、空洞164に流体的に結合され得る。導管ポート168は、導管110などの導管を受け入れるアパーチャ170を含み得る。コネクタ116が組織部位102に位置決めされると、ベース160は、マニホールド112を覆うドレープ114の第1の側面134に隣接して位置決めされ得るため、空洞164は、ドレープ114のドレープアパーチャ115を経て、マニホールド112の露出部分129に流体的に結合され得る。ベース160は、コネクタ116をドレープ114上の適所に保持するベース接着剤152によって、ドレープ114の第1の側面134に結合され得る。ベース接着剤152は、ドレープ接着剤138と同様とし得る。一部の実施形態では、ベース接着剤152は、コネクタ116をドレープ114から取り除き、かつそこに再適用できるようにする剥離特性を有し得る。
【0026】
本明細書では、用語「結合された」は、別個の物体を介しての結合を含み、および直接結合を含む。用語「結合された」はまた、同じ材料部片で形成されている構成要素のそれぞれによって互いに連続的な2つ以上の構成要素を含む。また、用語「結合された」は、化学的ボンドによるものなどの化学的な結合、機械的結合、熱的結合、または電気的結合を含み得る。流体結合は、流体が、指定の部分または箇所の間で連通し得ることを意味し得る。空気圧結合は、一部には、ガスまたはガス圧力が、指定の部分または箇所の間で伝達され得ることを意味し得る。
【0027】
導管110は、主ルーメン142および副ルーメン144を有するマルチルーメン導管とし得る。導管110は、異なる形状を有し、かつこれよりも多数または少数の主ルーメン142および副ルーメン144を含んでもよい。主ルーメン142は減圧を送達し、および副ルーメン144は感知ルーメンとしての機能を果たし得る。導管110がアパーチャ170内に配置されると、主ルーメン142および副ルーメン144は、空洞164と流体連通し得る。主ルーメン142は組織部位102に減圧をもたらすため、滲出液および他の流体は、主ルーメン142を通して引かれ得る。副ルーメン144は、圧力の感知プロセスを干渉しないようにするために、主ルーメン142から流体的に隔離されるように構成され得る。主ルーメン142を通して伝えられる液体や滲出液は導管110から除去され、かつ導管110に流体的に結合された集液室(図示せず)内に保持され得る。一部の実施形態では、副ルーメン144は、コネクタ116内の導管110の終端部における圧力を圧力センサー151に流体的に伝達し得る。副ルーメン144によって伝達された圧力は、組織部位102における圧力を表し得る。
【0028】
例示的一実施形態では、コネクタ116は、下記で詳細に説明するように修正された、KCI(San Antonio、Texas)から入手可能なT.R.A.C.(登録商標)PadまたはSensa T.R.A.C.(登録商標)Padとし得る。コネクタ116は、主ルーメン142によってもたらされた減圧を、ドレープ114のドレープアパーチャ115を通してマニホールド112に流体的に結合し得る。マニホールド112は、ドレープ114および組織部位102によって形成された密閉空間132に減圧を分配し得る。それゆえ、コネクタ116は、減圧を組織部位102に送達できるようにし得る。例示的実施例では、減圧は、−5mm Hg(−667Pa)〜−500mm Hg(−66.7kPa)および−75mm Hg(−9.9kPa)〜−300mm Hg(−39.9kPa)とし得る。
【0029】
減圧コネクタ116は、力が加えられると潰れ得る可能性がある半剛体材料製とし得る。非限定的な例では、コネクタ116は、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、環状オレフィンコポリマーエラストマー、熱可塑性エラストマー、ポリアクリル酸、シリコーンポリマー、またはポリエーテルブロックアミドコポリマーから作製し得る。減圧コネクタ116は、閾値圧力を下回る減圧下で潰れる半剛体材料で形成し得る。
【0030】
図2Bは、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す、コネクタ116の斜視的な底面図である。一部の実施形態では、コネクタ116は、空洞164内のコネクタ本体162の内面の複数の部分に形成された1つ以上のチャンネル165を含み得る。チャンネル165は、ベース160と導管ポート168との間に延在し得る。チャンネル165は、組織部位102およびマニホールド112からの流体および滲出液の流れを導管ポート168へ、および主ルーメン142まで方向付け、そこで、流体を治療ユニット108へ戻し、貯蔵または廃棄し得る。
【0031】
図2Aを参照すると、および上述の通り、主ルーメン142は、コネクタ116の空洞164によって、ドレープ114のドレープアパーチャ115を通して、マニホールド112に流体的に結合され得る。一部の実施形態では、ドレープアパーチャ115のサイズは空洞164の空洞アパーチャ166とほぼ同じとし、主ルーメン142とマニホールド112との間の流体連通を容易にし得る。一部の実施形態では、ドレープ114は、予め形成されたドレープアパーチャ115を備え得る。一部の実施形態では、ドレープアパーチャ115は、ドレープ114が組織部位102に適用される前に、形成される。ドレープ114のドレープアパーチャ115が小さすぎるとし得る場合、マニホールド112とコネクタ116との間の流体の流れは、部分的にまたは完全に遮断され得る。流体の流れが部分的にまたは完全に遮断される場合、主ルーメン142によってもたらされる減圧は、組織部位102に空気圧的に結合されてもよい。さらに、ドレープ114のドレープアパーチャ115が適切なサイズにされる場合、空洞アパーチャ166は、ベース160がドレープ114に結合されるときに、ドレープアパーチャ115と同心円状に位置合わせされる必要がある。空洞アパーチャ166がドレープアパーチャ115と位置合わせされない場合、マニホールド112とコネクタ116との間の流体の流れは、部分的にまたは完全に遮断され得る。流体の流れが部分的にまたは完全に遮断される場合、主ルーメン142によってもたらされた減圧は、組織部位102に空気圧的に結合されなくてもよい。主ルーメン142が組織部位102に空気圧的に結合されない場合、システム100は、減圧療法を全く施さなくても、または不適切な減圧療法を施してもよい。
【0032】
上述の通り、副ルーメン144は、コネクタ116の空洞164に流体的に結合され得る。前述の「遮断状態」が発生する場合、主ルーメン142は、マニホールド112および組織部位102にではなく、副ルーメン144に空気圧的に結合されるようになってもよい。主ルーメン142と副ルーメン144とが空気圧的に結合される場合、副ルーメン144は、組織部位102が所望の目標圧力に達したことを示す圧力を圧力センサー151に提供し得る。減圧が組織部位102に供給されていないにもかかわらず、減圧が空洞164に供給される可能性があり、および圧力センサー151は、副ルーメン144を介して空洞164内の圧力を測定し得る。遮断状態を正すために、ドレープ114が取り外されてもよく、および空洞164と密閉空間132との間の流体の流れを可能にするために、ドレープアパーチャ115のサイズが変更され得るか、またはコネクタ116が再度位置決めされ得る。設定手順の最中、療法治療の開始前に、これらの遮断状態を正すことが望ましいとし得る。それゆえ、遮断状態が正された後にドレープ114およびコネクタ116の双方を再適用できるように、ドレープ接着剤138およびベース接着剤152は剥離可能であることが望ましいとし得る。
【0033】
そのような遮断状態を検出するための一実施形態では、コネクタ116はまた、感知プローブ180を含み得る。感知プローブ180は、副ルーメン144とマニホールド112の露出面129との間に流体的に結合され得る。一部の実施形態では、感知プローブ180は、プローブルーメン186を有し得る。プローブルーメン186は、感知プローブ180の各端部にアパーチャを有し得る。感知プローブ180は、導管110の副ルーメン144に隣接して位置決めされるように構成された近位端部182を有し得る。感知プローブ180はまた、コネクタ本体162の空洞164に延在する遠位端部184を有し得る。遠位端部184は、マニホールド112の露出面129に隣接して位置決めされるように構成され得る。
【0034】
図2Cは、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す、
図2Aの線2C−2Cに沿って取ったコネクタ116の一部分の断面図である。副ルーメン144は、プローブルーメン186に流体的に結合し得るため、副ルーメン144によってもたらされた流体流路は、プローブルーメン186を通って、主ルーメン142の終端を越えて延在し得る。
図2Aおよび
図2Cを参照すると、感知プローブ180の遠位端部184でのプローブルーメン186のアパーチャは、空洞164から、ベース160によって占められる平面まで延在し得る。一部の実施形態では、感知プローブ180の遠位端部184でのプローブルーメン186のアパーチャは、空洞164から、ベース160によって占められる平面を越えて延在し得る。コネクタ116が組織部位102に位置決めされると、感知プローブ180の遠位端部184でのプローブルーメン186のアパーチャは、マニホールド112に近接し得るかまたはそれと接触し得る。それゆえ、プローブルーメン186は、副ルーメン144を、コネクタ本体162の空洞164にではなく、マニホールド112に流体的に結合し得る。プローブルーメン186は、主ルーメン142と副ルーメン144を空気圧的に分離して、密閉空間132内の圧力を表わさなくてもよい圧力読み取りが生じない恐れを最小にする。密閉空間132が開放されて、主ルーメン142と、マニホールド112によって占められる密閉空間132と、副ルーメン144との間の流体連通が可能になるときに、副ルーメン144と主ルーメン142は空気圧的に結合され得る。一部の実施形態では、コネクタ116はドレープ114に結合され得るため、感知プローブ180の遠位端部184は、ドレープ114のドレープアパーチャ115の内側部分に位置合わせされる。さらに、感知プローブ180の遠位端部184は、マニホールド112の露出部分129に接触し得る。一部の実施形態では、感知プローブ180は、ベース160によって占められる平面に近接させて感知プローブ180の遠位端部184を位置決めするように構成され得るエルボー188を含む。エルボー188は、感知プローブ180の向きを変えるため、遠位端部184は、近位端部182によって占められる平面と角度をもった平面に配置される。一部の実施形態では、エルボー188は90°のエルボーとし得る。一部の実施形態では、エルボー188は、約30°〜約120°の曲率半径を有し得る。
【0035】
動作中、減圧が主ルーメン142に供給される場合、主ルーメン142は、ドレープ114のドレープアパーチャ115を経て空洞164およびマニホールド112に減圧を供給する。空洞164およびマニホールド112に供給された減圧は、流体を、組織部位102からマニホールド112を通して空洞164まで引き入れ、そこで主ルーメン142は、組織部位102から離れるように流体を導き、廃棄する。空洞164へ減圧を供給した状態はまた、マニホールド112を通してプローブルーメン186に空気圧的に結合され得る。計器ユニット150は、圧力センサー151からの圧力信号に応答して、主ルーメン142および副ルーメン144がマニホールド112およびプローブルーメン186を通して空気圧的に結合されることを識別し得る。マニホールド112の露出部分129における圧力は、プローブルーメン186および副ルーメン144を通して圧力センサー151に空気圧的に伝達され得る。それゆえ、感知プローブ180は、システム100が組織部位102に減圧を供給するように適切に動作しているかどうかを判断するのを支援し得る。さらに、感知プローブ180は、ドレープ114のドレープアパーチャ115に対するコネクタ116の位置合わせのための視覚的ガイドの機能を果たすことによって、コネクタ116の配置を支援し得る。組織部位102にコネクタ116を位置決めするとき、感知プローブ180の遠位端部184は、ドレープアパーチャ115の内側部分に位置合わせされて、空洞アパーチャ166をドレープアパーチャ115と同心円状に位置合わせし得る。例示的実施形態では、マニホールド112は、感知プローブ180の遠位端部184から離れるように流体をフィルタリングして、組織部位102からプローブルーメン186および副ルーメン144へ流体が入らないようにする。
【0036】
感知プローブ180はまた、コネクタ116およびドレッシング106の不適切なまたは失敗または故障した動作を行っているかの判断を支援し得る。例えば、
図3は、第1の失敗モードにあるコネクタ116の追加的な詳細を示す、組織部位102に配置されたドレッシング106の縦断面図である。
図3に示すように、ドレープアパーチャ115の寸法は、感知プローブ180の遠位端部184の寸法よりも大きいとし得る。ドレープアパーチャ115の寸法はまた、空洞アパーチャ166の寸法よりも小さいとし得る。例えば、ドレープアパーチャ115、遠位端部184、および空洞アパーチャ166は、全て、実質的に円形とし得る。第1の失敗モードでは、ドレープアパーチャ115の外周は、遠位端部184の外周よりも大きいとし得るが、空洞アパーチャ166の外周よりも小さいとし得る。さらに、遠位端部184は、ドレープアパーチャ115の内側部分に位置合わせされていない可能性がある。その結果として、コネクタ116がドレープ114に固定されると、ドレープ114の一部分が、感知プローブ180の遠位端部184とマニホールド112との間に配置され得る。ドレープ114の部分は、空洞アパーチャ166を遮断または部分的に遮断し得る。減圧が主ルーメン142を通して供給される場合、感知プローブ180の遠位端部184とマニホールド112との間のドレープ114の部分が、プローブルーメン186との流体連通を遮断し得る。結果として、副ルーメン144は、感知プローブ180を通して主ルーメン142に空気圧的に結合されないとし得る。計器ユニット150(
図1)は、圧力センサー151によって、主ルーメン142と副ルーメン144の空気圧的な結合が失敗であると検出してもよく、および計器ユニット150は、減圧の適用の当初に表示またはエラーメッセージを提供し得る。さらに、ドレープアパーチャ115が空洞アパーチャ166よりも小さいために、組織部位102は、減圧療法に望まれる減圧を下回り得る減圧を受け得る。
【0037】
図4は、システム100の第2の失敗モードにあるコネクタ116の追加的な詳細を示す、組織部位102に配置されたシステム100の一部分の縦断面図である。
図4に示すように、ドレープアパーチャ115がドレープ114に形成されなかった。その結果として、コネクタ116がドレープ114に固定されると、ドレープ114は、空洞アパーチャ166とマニホールド112との間の流体連通を遮断し得る。さらに、ドレープ114は、プローブルーメン186とマニホールド112との間の流体連通を遮断し得る。減圧が主ルーメン142を通して供給される場合、プローブルーメン186の遠位端部184とマニホールド112との間のドレープ114の部分は、遠位端部184と接触するように引かれ得る。ドレープ114と遠位端部184との間の接触は、プローブルーメン186を通した主ルーメン142と副ルーメン144の空気圧結合を防止する。結果として、プローブルーメン186および副ルーメン144は、減圧をセンサー151に伝達しなくてもよい。そのため、計器ユニット150は、空気圧結合が生じていないという表示またはエラーメッセージを提供し得る。システム100の第2の失敗モードの最中、減圧が組織部位102に供給されない可能性がある。
【0038】
図5は、第3の失敗モードにおけるコネクタ116の追加的な詳細を示す、組織部位102に配置されたシステム100の一部分の縦断面図である。
図5に示すように、ドレープアパーチャ115の寸法は、感知プローブ180の遠位端部184の寸法よりも大きいとし得る。ドレープアパーチャ115の寸法はまた、空洞アパーチャ166の寸法よりも小さいとし得る。例えば、ドレープアパーチャ115、遠位端部184、および空洞アパーチャ166は、全て、実質的に円形とし得る。第3の失敗モードにおいて、ドレープアパーチャ115の外周は、遠位端部184の外周よりも大きいが、空洞アパーチャ166の外周よりも小さいとし得る。
図3の第1の失敗モードとは異なり、
図5の第3の失敗モードでは、遠位端部184は、ドレープアパーチャ115の内側部分に位置合わせされ得る。その結果として、コネクタ116がドレープ114に固定されると、感知プローブ180の遠位端部184は、マニホールド112の露出部分129に接触し得る。ドレープ114の一部分は、空洞アパーチャ166を遮断または部分的に遮断し得る。減圧が主ルーメン142を通して供給される場合、ドレープ114は、マニホールド112への減圧の流体による伝達を阻止し得る。ドレープアパーチャ115を通してマニホールド112と流体連通しているプローブルーメン186は、空洞164と流体連通していない可能性がある。なぜなら、空洞アパーチャ166は、ドレープ114の部分によって遮断されているためである。その結果、主ルーメン142と副ルーメン144は、プローブルーメン186によって空気圧的に結合されていない可能性がある。結果として、プローブルーメン186および副ルーメン144は、減圧が密閉空間132にもたらされていることを示すセンサー151に、減圧を伝達しない可能性がある。場合によっては、主ルーメン142と副ルーメン144は、感知プローブ180を通して空気圧的に結合し得るが、プローブルーメン186および副ルーメン144によって伝達される減圧は、減圧療法の適切な適用に対して予期した圧力でなくてもよい。その結果、計器ユニット150は、この圧力信号を検出し、かつエラー表示を提供し得る。
【0039】
例示的実施形態では、ベース接着剤152は、コネクタ116を取り外すことができる剥離可能な接着剤とし得る。ドレープアパーチャ115が不適切に形成される場合、コネクタ116は、ドレープ114から分離され、およびドレープアパーチャ115は、例えば、空洞アパーチャ166のサイズおよび形状と同様のサイズおよび形状を有するように、好適なサイズおよび形状に形成され得る。その後、コネクタ116はドレープ114に再結合され得るため、遠位端部184は、ドレープアパーチャ115の内側部分に位置合わせされ得る。その後、導管110を通してコネクタ116に減圧を再適用し得る。
【0040】
図6Aは、代替的なコネクタ616の底面図であり、および
図6Bは、代替的な導管610を通る断面図である。コネクタ616は、上述のコネクタ116と同様とし、および下記で詳細に説明するように修正し得る。コネクタ616はコネクタ本体を含み、コネクタ本体は、コネクタ本体の一方の端部に空洞アパーチャ666を有する空洞664と、コネクタ本体の他方の端部から延在しかつ空洞664に流体的に結合される導管ポートと、空洞アパーチャ666に隣接するコネクタ本体の周辺部分から延在するベース660とを有する。導管ポートは、導管610を受け入れるアパーチャを含む。コネクタ本体、空洞664、空洞アパーチャ666、導管ポート、アパーチャ、およびベース660は、
図2A〜2Cに関して上述したコネクタ本体162、空洞164、空洞アパーチャ166、導管ポート168、アパーチャ170、およびベース160と構造的におよび動作的に同様とし得る。
【0041】
コネクタ616は、遠位端部684およびプローブルーメン686を有する1つ以上の感知プローブを含む。感知プローブ、遠位端部684、およびプローブルーメン686は、
図2A〜2Cに関して上述した感知プローブ180および遠位端部184と同様とし得る。図示の実施形態では、コネクタ616は、遠位端部684およびプローブルーメン686を有する4つの感知プローブを含む。各感知プローブは構造的に修正され得るため、各遠位端部684は、空洞アパーチャ666の別個の位置に配置され得る。図示の実施形態では、1つの遠位端部684は、空洞アパーチャ666の内側部分に近接して位置決めされ、および他の3つの遠位端部684の各々は、空洞アパーチャ666の内側部分に対して等距離に分配され得る。それぞれの遠位端部684に関連付けられる各感知プローブは修正され得るため、遠位端部684は、所望の位置に配置され得る。
【0042】
図6Bに示すように、導管610は、主ルーメン642および1つ以上の副ルーメン644を含み得る。図示の実施形態では、4つの副ルーメン644を示す。主ルーメン642および副ルーメン644は、
図2Cの主ルーメン142および副ルーメン144と構造的におよび動作的に同様とし得る。導管610がコネクタ616の導管ポートに結合されると、主ルーメン642は空洞664に流体的に結合され、および各副ルーメン644は、別個のプローブルーメン686に流体的に結合され得る。追加的な感知プローブを含むことにより、コネクタ616に冗長度を追加的にもたらす。さらに、空洞アパーチャ666が、
図2Aのドレープ114の適切なサイズのドレープアパーチャ115に位置合わせされない場合、追加的な感知プローブによって、治療ユニット150の圧力センサー151が、伝達された圧力が予期した圧力とは異なる特定の感知プローブを識別することにより、位置合わせしていないことを判断できるようにし得る。
【0043】
図7は、例えば、実施形態に従って実装され得る
図1のシステム100によって実施される論理的な動作ステップを示す、高レベルのフローチャート700を示す。図示の通り、ブロック701においてプロセスは始まり、そこで、システム100は、組織部位に近接させて分配マニホールドを配置する。例えば、マニホールド112は、組織部位102に近接して配置され得る。次いで、ブロック703において、シール部材にアパーチャが形成され得る。例えば、ドレープアパーチャ115はドレープ114に形成されてもよく、ドレープアパーチャ115のサイズおよび形状は、空洞アパーチャ166のサイズおよび形状と実質的に同様とし得る。
【0044】
プロセスは、ブロック705に続き、ここでは、システム100は、ドレープによって、マニホールドと、組織部位を取り囲んでいる、傷がないとし得る表皮の一部分とを覆い、密閉空間を形成する。例えば、マニホールド112と、組織部位102を取り囲んでいる、傷がないとし得る表皮124の一部分とが、ドレープ114によって覆われて、密閉空間132を形成し得る。次いで、ブロック707において、システム100は減圧源を提供する;例えば、システム100は、減圧源140を有する治療ユニット108を提供する。図示の通り、その後、ブロック709において、システムは、シール部材の第1の側面に近接してコネクタを結合し、およびブロック711において、減圧源とコネクタとの間で導管を結合する。例えば、コネクタ116はドレープ114に結合され得るため、感知プローブ180の遠位端部184は、ドレープ114のドレープアパーチャ115の内側部分に近接し、かつマニホールド112の露出面129に隣接し得る。導管110は、コネクタ116と治療ユニット108との間で結合され得る。ブロック713においてプロセスは続き、そこで、システム100は、コネクタの空洞に減圧を供給し、かつ空洞をコネクタの感知プローブに空気圧的に結合する。例えば、治療ユニット108は、導管110を通してコネクタ116に減圧を供給し、およびコネクタ116の空洞164をコネクタ116の感知プローブ180に空気圧的に結合する。
【0045】
決定ブロック715において示される通り、空気圧結合が生じない場合、システム100はブロック717に続き、ここでは、システム100は、空洞が感知プローブに空気圧的に結合しなかったことを表示する。例えば、治療ユニット108は、空気圧結合が生じなかったことを示し得る。図示の通り、決定ブロック715において、空気圧結合が生じる場合、システム100はブロック719に続き、ここでは、システム100は、減圧インターフェースに減圧を供給し続ける。例えば、治療ユニット108は、コネクタ116に減圧を提供し続ける。
【0046】
図8は、例えば、実施形態に従って実装され得る
図1のシステム100によって実施される論理的な動作ステップを示す、高レベルのフローチャート800を示す。図示の通り、ブロック801においてプロセスは始まり、そこで、システム100は、組織部位に減圧ドレッシングを準備する。例えば、組織部位102は、ドレッシング106が準備され得る。次いで、ブロック803において、システム100は、ドレッシング106の第1の側面に近接してコネクタを結合し、およびブロック805において、コネクタの感知プローブの遠位端部を、減圧ドレッシングのアパーチャの内側部分に近接して位置決めする。例えば、コネクタ116は、ドレッシング106のドレープ114に結合されてもよく、および感知プローブ180の遠位端部184は、ドレッシング106のドレープ114のドレープアパーチャ115の内側部分に近接して位置決めされ得る。
【0047】
ブロック807においてプロセスは続き、ここでは、システム100は、コネクタに減圧を供給し、減圧を供給した状態をコネクタの感知プローブに空気圧的に結合する。例えば、治療ユニット108は、導管110を通してコネクタ116に減圧を供給して、コネクタ116の感知プローブ180をコネクタ116の空洞164に空気圧的に結合する。
【0048】
図示の通り、決定ブロック809において、システム100は、空気圧結合が生じるかどうかを判断し、および空気圧結合が生じる場合、システム100はブロック811に続き、ここでは、システム100は減圧インターフェースに減圧を供給し続ける。例えば、治療ユニット108はコネクタ116に減圧を提供し続ける。図示の通り、決定ブロック809において、空気圧結合が生じない場合、システム100はブロック813に続き、ここでは、システム100は、空気圧的な結合に失敗したことを表示する。例えば、治療ユニット108は、空気圧結合が生じなかったことを表示し得る。
【0049】
その結果、減圧治療装置、システム、および方法は、減圧が組織部位へ不適切に適用されたことを通知し得る。さらに、減圧治療システムは、ドレッシングにアパーチャが不適切に形成されていて、減圧の適切な適用を妨げ得ることを通知し得る。さらに、減圧治療システムは、ドレッシングに対しコネクタを間違って配置したことを通知し得る。減圧治療システムはまた、ドレッシングを通るアパーチャが十分なサイズでないことがあるということを通知し得る。
【0050】
実施形態およびそれらの利点を、特定の例示的非限定的な例に照らして説明したが、添付の特許請求の範囲で定義した実施形態の範囲から逸脱せずに、様々な変更、代替、置換、および修正を施し得ることを理解されたい。いずれか一つの実施形態に関連して説明された任意の特徴はまた、任意の他の実施形態にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【0051】
上述の利益および利点は、一実施形態に関連し得ること、またはいくつかの実施形態に関連し得ることを理解されたい。「1つの(an)」品目への言及は、1つ以上のそれら品目を指すことをさらに理解されたい。
【0052】
本明細書で説明した方法のステップは、任意の好適な順序で、または適切な場合には同時に実施し得る。
【0053】
適切な場合には、上述の実施形態のいずれかの態様を、説明の任意の他の実施形態の態様と組み合わせて、類似のまたは異なる特性を有しかつ同じまたは異なる問題に対処する別の例を形成する。
【0054】
好ましい実施形態の上述の説明は例示にすぎず、当業者は様々な修正を施し得ることを理解されたい。上述の明細書、例、およびデータは、本発明のいくつかの例示的実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態を、ある程度詳細に、または1つ以上の個々の図を参照して上記で説明したが、当業者は、特許請求の範囲から逸脱せずに、開示の実施形態に多数の修正を施すことができる。