(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力電圧から所望の出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング電源装置に設けられ、前記出力電圧またはこれに応じた帰還電圧を入力信号として受け付ける比較回路であって、
前記入力信号と基準電圧を比較して第1比較信号を生成する第1コンパレータと、
前記入力信号と可変基準電圧を比較して第2比較信号を生成する第2コンパレータと、
前記可変基準電圧を生成する可変基準電圧生成部と、
前記第1比較信号と前記第2比較信号の一方を比較信号として出力するロジック部と、
を有し、
前記ロジック部は、前記第1比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータを動作させている状態で、前記スイッチング電源装置に設けられるコイルを流れる電流の逆流が検出された時点から前記スイッチング電源装置のスイッチング動作が停止した状態で第1所定時間が経過するまでの期間(ただし、前記逆流が検出された時点から前記第1所定時間より短い第2所定時間が経過するまでの期間を除く)において、前記可変基準電圧を前記基準電圧に近づくように調整することを特徴とする比較回路。
入力電圧から所望の出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング電源装置に設けられ、前記出力電圧またはこれに応じた帰還電圧を入力信号として受け付ける比較回路であって、
前記入力信号と基準電圧を比較して第1比較信号を生成する第1コンパレータと、
前記入力信号と可変基準電圧を比較して第2比較信号を生成する第2コンパレータと、
前記可変基準電圧を生成する可変基準電圧生成部と、
前記第1比較信号と前記第2比較信号の一方を比較信号として出力するロジック部と、
を有し、
前記ロジック部は、前記第2比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータを停止させ前記第2コンパレータを動作させている状態から、前記第1比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータを動作させている状態に移行すると、前記可変基準電圧を前記基準電圧に近づくように調整することを特徴とする比較回路。
前記可変基準電圧生成部は、前記基準電圧に対して前記アナログ電圧を加算することにより前記可変基準電圧を生成する加算部をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の比較回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の比較回路において、各コンパレータ毎の入力オフセットが乖離していた場合、同一の入力信号を同一の基準電圧と比較しても、比較信号の論理切替タイミングが異なってくるので、比較回路全体としての出力精度が低下してしまう、という課題があった。
【0005】
上記の課題を解決するには、各コンパレータ毎の入力オフセットの乖離をなくす較正処理が有効である。しかしながら、比較回路の起動時に較正処理を行うだけの構成にした場合、較正処理後に外部環境(例えば電源電圧、温度など)の変化によって各コンパレータ毎の入力オフセットが乖離してしまう可能性がある、という問題が生じる。また、比較回路の起動時に較正処理を行うだけの構成にした場合、起動時の較正処理において誤った較正がなされると、各コンパレータ毎の入力オフセットが乖離したままになってしまう、という問題も生じる。
【0006】
なお、特許文献1に開示されたオフセット調整手法は、第1コンパレータの出力と第2コンパレータの出力を比較し、その比較結果に応じて各コンパレータに逆極性のオフセット量を設定するものであり、本発明とはその本質的な構成を異にするものであった。
【0007】
本発明は、本願の発明者により見出された上記の課題及び問題に鑑み、出力精度が低下しない設定から外れても出力精度が低下しない設定に復帰すること及び特性の異なる複数のコンパレータを使い分けることのできる比較回路、並びに、これを用いた電源制御IC及びスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書中に開示された比較回路は、入力電圧から所望の出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング電源装置に設けられ、前記出力電圧またはこれに応じた帰還電圧を入力信号として受け付ける比較回路であって、前記入力信号と基準電圧を比較して第1比較信号を生成する第1コンパレータと、前記入力信号と可変基準電圧を比較して第2比較信号を生成する第2コンパレータと、前記可変基準電圧を生成する可変基準電圧生成部と、前記第1比較信号と前記第2比較信号の一方を比較信号として出力するロジック部と、を有し、前記ロジック部は、前記第1比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータを動作させている状態で、前記スイッチング電源装置に設けられるコイルを流れる電流の逆流が検出された時点から前記スイッチング電源装置のスイッチング動作が停止した状態で第1所定時間が経過するまでの期間(ただし、前記逆流が検出された時点から前記第1所定時間より短い第2所定時間が経過するまでの期間を除く)において、前記可変基準電圧を前記基準電圧に近づくように調整する構成(第1の構成)とされている。
【0009】
上記第1の構成から成る比較回路において、前記ロジック部は、前記第1比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータを動作させている状態で、前記第1比較信号のレベルが切り替わった時点の前記第2比較信号のレベルに基づいて前記基準電圧と前記可変基準電圧との大小関係を確認し、前記大小関係に応じて前記可変基準電圧を調整する構成(第2の構成)としてもよい。
【0010】
本明細書中に開示された他の比較回路は、入力電圧から所望の出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング電源装置に設けられ、前記出力電圧またはこれに応じた帰還電圧を入力信号として受け付ける比較回路であって、前記入力信号と基準電圧を比較して第1比較信号を生成する第1コンパレータと、前記入力信号と可変基準電圧を比較して第2比較信号を生成する第2コンパレータと、前記可変基準電圧を生成する可変基準電圧生成部と、前記第1比較信号と前記第2比較信号の一方を比較信号として出力するロジック部と、を有し、前記ロジック部は、前記第2比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータを停止させ前記第2コンパレータを動作させている状態から、前記第1比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータを動作させている状態に移行すると、前記可変基準電圧を前記基準電圧に近づくように調整する構成(第3の構成)とされている。
【0011】
上記第3の構成から成る比較回路において、前記ロジック部は、前記第2比較信号を前記比較信号として出力しつつ、前記第1コンパレータを停止させ前記第2コンパレータを動作させている状態で、前記第2比較信号のレベルが切り替わった時点から所定の遅延時間が経過したときの前記第1比較信号のレベルに基づいて前記基準電圧と前記可変基準電圧との大小関係を確認し、前記大小関係に応じて前記可変基準電圧を調整する構成(第4の構成)としてもよい。
【0012】
上記第4の構成から成る比較回路において、前記可変基準電圧の調整が完了してから前記スイッチング電源装置のスイッチング動作が再開する構成(第5の構成)としてもよい。
【0013】
上記第1〜第5いずれかの構成から成る比較回路において、前記第1コンパレータの応答速度は、前記第2コンパレータの応答速度よりも速く、前記第2コンパレータの消費電力は、前記第1コンパレータの消費電力よりも小さい構成(第6の構成)としてもよい。
【0014】
上記第1〜第6いずれかの構成から成る比較回路において、前記可変基準電圧生成部は、アップダウンカウンタと、前記アップダウンカウンタのカウンタ値をアナログ電圧に変換するDAC[digital to analog convertor]と、を含み、前記アナログ電圧またはこれに応じた電圧を前記可変基準電圧として出力する構成(第7の構成)としてもよい。
【0015】
上記第7の構成から成る比較回路において、前記可変基準電圧生成部は、前記基準電圧に対して前記アナログ電圧を加算することにより前記可変基準電圧を生成する加算部をさらに含む構成(第8の構成)としてもよい。
【0016】
また、本明細書中に開示されている電源制御ICは、出力電圧またはその分圧電圧にコイル電流を模擬したリップル電圧を重畳して帰還電圧を生成するリップルインジェクション回路と、所定の基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記帰還電圧と前記基準電圧とを比較して比較信号を生成するメインコンパレータと、前記比較信号に応じてセット信号にワンショットパルスを生成するワンショットパルス生成回路と、前記セット信号に応じて出力信号を第1論理レベルにセットし、リセット信号に応じて前記出力信号を第2論理レベルにリセットするRSフリップフロップと、前記出力信号が前記第1論理レベルにセットされてから所定のオン時間が経過した時点で前記リセット信号にワンショットパルスを生成するオン時間設定回路と、前記出力信号に応じて出力トランジスタと同期整流トランジスタの駆動信号を生成するゲートドライバ回路と、前記コイル電流の逆流を検出して前記同期整流トランジスタを強制的にオフさせる逆流検出回路と、を集積化して成り、前記メインコンパレータとして、上記第1〜第8いずれかの構成から成る比較回路を備えた構成(第9の構成)とされている。
【0017】
また、本明細書中に開示されているスイッチング電源装置は、上記第9の構成から成る電源制御ICと、前記電源制御ICに一部または全部が外付けされて入力電圧から出力電圧を生成するスイッチ出力段と、を有する構成(第10の構成)とされている。
【発明の効果】
【0018】
本明細書中に開示されている発明によれば、出力精度の低下を招かずに特性の異なる複数のコンパレータを使い分けることのできる比較回路、並びに、これを用いた電源制御IC及びスイッチング電源装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<スイッチング電源装置>
図1は、スイッチング電源装置の全体構成を示すブロック図である。本構成例のスイッチング電源装置1は、非線形制御方式(ボトム検出オン時間固定方式)によって入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成する降圧型DC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、半導体装置10と、半導体装置10に外付けされた種々のディスクリート部品(Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタN1及びN2、コイルL1、コンデンサC1、並びに、抵抗R1及びR2)によって形成されるスイッチ出力段20と、を有する。
【0021】
半導体装置10は、スイッチング電源装置1の全体動作を統括的に制御する主体(いわゆる電源制御IC)である。半導体装置10は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、外部端子T1〜T7(上側ゲート端子T1、下側ゲート端子T2、スイッチ端子T3、帰還端子T4、入力電圧端子T5、出力電圧端子T6、及び、接地端子T7)を備えている。
【0022】
外部端子T1は、トランジスタN1のゲートに接続されている。外部端子T2は、トランジスタN2のゲートに接続されている。外部端子T3は、スイッチ電圧Vswの印加端(トランジスタN1のソースとトランジスタN2のドレインとの接続ノード)に接続されている。外部端子T4は、分圧電圧Vdivの印加端(抵抗R1と抵抗R2との接続ノード)に接続されている。外部端子T5は、入力電圧Vinの印加端に接続されている。外部端子T6は、出力電圧Voutの印加端に接続されている。外部端子T7は、接地端に接続されている。
【0023】
次に、半導体装置10に外付けされるディスクリート部品の接続関係について述べる。トランジスタN1のドレインは、入力電圧Vinの印加端に接続されている。トランジスタN2のソースは、接地端に接続されている。トランジスタN1のソースとトランジスタN2のドレインは、いずれもコイルL1の第1端に接続されている。コイルL1の第2端とコンデンサC1の第1端は、いずれも出力電圧Voutの印加端に接続されている。コンデンサC1の第2端は、接地端に接続されている。抵抗R1と抵抗R2は、出力電圧Voutの印加端と接地端との間に直列に接続されている。
【0024】
トランジスタN1は、外部端子T1から入力されるゲート信号G1に応じてオン/オフ制御される出力トランジスタである。トランジスタN2は、外部端子T2から入力されるゲート信号G2に応じてオン/オフ制御される同期整流トランジスタである。なお、整流素子としては、トランジスタN2に代えてダイオードを用いても構わない。また、トランジスタN1およびN2は、半導体装置10に内蔵することも可能である。コイルL1とコンデンサC1は、外部端子T3に現れる矩形波状のスイッチ電圧Vswを整流平滑して出力電圧Voutを生成する整流平滑部として機能する。抵抗R1及びR2は、出力電圧Voutを分圧して分圧電圧Vdivを生成する分圧電圧生成部として機能する。ただし、出力電圧Voutがリップルインジェクション回路11(ないしはメインコンパレータ13)の入力ダイナミックレンジ内である場合には、分圧電圧生成部を省略してもよい。
【0025】
次に、半導体装置10の内部構成について述べる。半導体装置10には、リップルインジェクション回路11と、基準電圧生成回路12と、メインコンパレータ13と、ワンショットパルス生成回路14と、RSフリップフロップ15と、オン時間設定回路16と、ゲートドライバ回路17と、逆流検出回路18と、が集積化されている。
【0026】
リップルインジェクション回路11は、分圧電圧Vdivにリップル電圧Vrpl(コイルL1に流れるコイル電流ILを模擬した疑似リップル成分)を加算して帰還電圧Vfb(=Vdiv+Vrpl)を生成する。このようなリップルインジェクション技術を導入すれば、出力電圧Vout(延いては分圧電圧Vdiv)のリップル成分がそれほど大きくなくても安定したスイッチング制御を行うことができるので、コンデンサC1としてESRの小さい積層セラミックコンデンサなどを用いることが可能となる。ただし、出力電圧Voutのリップル成分が十分に大きい場合には、リップルインジェクション回路11を省略することも可能である。
【0027】
基準電圧生成回路12は、所定の基準電圧Vrefを生成する。
【0028】
メインコンパレータ13は、非反転入力端(+)に入力される帰還電圧Vfbと、反転入力端(−)に入力される基準電圧Vrefとを比較して比較信号S1を生成する。比較信号S1は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも高いときにハイレベルとなり、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも低いときにローレベルとなる。
【0029】
ワンショットパルス生成回路14は、比較信号S1の立下りエッジをトリガとしてセット信号S2にワンショットパルス(例:立下りパルス)を生成する。
【0030】
RSフリップフロップ15は、セット端(S)に入力されるセット信号S2のパルスエッジ(例:立下りエッジ)で出力信号S4をハイレベルにセットし、リセット端(R)に入力されるリセット信号S3のパルスエッジ(例:立下りエッジ)で出力信号S4をローレベルにリセットする。
【0031】
オン時間設定回路16は、RSフリップフロップ15の反転出力信号S4B(=出力信号S4の論理反転信号)がローレベルに立ち下げられてから、所定のオン時間Tonが経過した後、リセット信号S3にワンショットパルス(例:立下りパルス)を生成する。
【0032】
ゲートドライバ回路17は、RSフリップフロップ15の出力信号S4に応じてゲート信号G1及びG2を生成し、トランジスタN1及びN2を相補的にスイッチングさせる。なお、本明細書中で用いられる「相補的」という文言の意味には、トランジスタN1及びN2のオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタN1及びN2のオン/オフ遷移タイミングに遅延が与えられている場合(いわゆる同時オフ期間(デッドタイム)が設けられている場合)も含む。
【0033】
逆流検出回路18は、コイル電流ILの逆流(コイルL1からトランジスタN2を介して接地端に流れるコイル電流IL)を監視して逆流検出信号S5を生成する。逆流検出信号S5は、コイル電流ILの逆流が検出された時点でハイレベル(逆流検出時の論理レベル)にラッチされ、次周期におけるゲート信号G1の立上りエッジでローレベル(逆流未検出時の論理レベル)にリセットされる。なお、コイル電流ILの逆流を監視する手法としては、例えば、トランジスタN2のオン期間中にスイッチ電圧Vswが負から正に切り替わるゼロクロスポイントを検出すればよい。ゲートドライバ回路17は、逆流検出信号S5がハイレベルであるときには、出力信号S4に依ることなくトランジスタN2を強制的にオフするようにゲート信号G2を生成する。
【0034】
なお、上記したリップルインジェクション回路11、基準電圧生成回路12、メインコンパレータ13、ワンショットパルス生成回路14、RSフリップフロップ15、オン時間設定回路16、ゲートドライバ回路17、及び、逆流検出回路18は、帰還電圧Vfbと基準電圧Vrefとの比較結果に応じてトランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行うことにより、入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成する非線形制御方式(本構成例ではボトム検出オン時間固定方式)のスイッチング制御回路として機能する。
【0035】
<スイッチング動作>
図2は、重負荷時(電流連続モード時)のスイッチング動作を示すタイミングチャートであり、上から順に、帰還電圧Vfb、セット信号S2、リセット信号S3、及び、出力信号S4が描写されている。
【0036】
時刻t11において、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefまで低下すると、セット信号S2がローレベルに立ち下がり、出力信号S4がハイレベルに遷移される。従って、トランジスタN1がオンとなり、帰還電圧Vfbが上昇に転ずる。
【0037】
その後、オン時間Tonの経過により、時刻t12において、リセット信号S3がローレベルに立ち下がると、出力信号S4がローレベルに遷移される。従って、トランジスタN1がオフとなって、帰還電圧Vfbが再び下降に転ずる。
【0038】
ゲートドライバ回路17は、出力信号S4に応じてゲート信号G1及びG2を生成し、これを用いてトランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行う。具体的に述べると、出力信号S4がハイレベルであるときには、基本的に、ゲート信号G1がハイレベルとされてトランジスタN1がオンされるとともに、ゲート信号G2がローレベルとされてトランジスタN2がオフされる。逆に、出力信号S4がローレベルであるときには、基本的に、ゲート信号G1がローレベルとされてトランジスタN1がオフされるとともに、ゲート信号G2がハイレベルとされてトランジスタN2がオンされる。
【0039】
上記したトランジスタN1及びN2のオン/オフ制御により、外部端子T3には矩形波形状のスイッチ電圧Vswが現れる。スイッチ電圧Vswは、コイルL1とコンデンサC1によって整流平滑され、出力電圧Voutが生成される。なお、出力電圧Voutは、抵抗R1及びR2により分圧され、分圧電圧Vdiv(延いては帰還電圧Vfb)が生成される。このような出力帰還制御により、スイッチング電源装置1では、極めて簡易な構成によって、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutが生成される。
【0040】
<逆流遮断動作>
図3は、軽負荷時(電流不連続モード時)の逆流遮断動作を示すタイミングチャートであり、上から順に、ゲート信号G1及びG2、逆流検出信号S5、コイル電流IL、並びに、スイッチ電圧Vswが描写されている。
【0041】
時刻t21〜t22では、ゲート信号G1がハイレベルとされており、ゲート信号G2がローレベルとされているので、トランジスタN1がオンとなり、トランジスタN2がオフとなる。従って、時刻t21〜t22では、スイッチ電圧Vswがほぼ入力電圧Vinまで上昇し、コイル電流ILが増大していく。
【0042】
時刻t22において、ゲート信号G1がローレベルに立ち下げられ、ゲート信号G2がハイレベルに立ち上げられると、トランジスタN1がオフとなり、トランジスタN2がオンとなる。従って、スイッチ電圧Vswが負電圧(=GND−IL×RN2、ただし、RN2はトランジスタN2のオン抵抗値)まで低下し、コイル電流ILが減少に転じる。
【0043】
ここで、負荷に流れる出力電流Ioutが十分に大きい重負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが大きいので、ゲート信号G1が再びハイレベルに立ち上げられる時刻t24まで、コイル電流ILはゼロ値を下回ることなく負荷に向けて流れ続け、スイッチ電圧Vswは負電圧に維持される。一方、負荷に流れる出力電流Ioutが小さい軽負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが少ないので、時刻t23において、コイル電流ILがゼロ値を下回り、コイル電流ILの逆流が発生して、スイッチ電圧Vswの極性が負から正に切り替わる。このような状態では、コンデンサC1に蓄えられた電荷をコイルL1を介して入力側に戻していることになるので、軽負荷時における効率が低下する。
【0044】
そこで、スイッチング電源装置1は、逆流検出回路18を用いてコイル電流ILの逆流(スイッチ電圧Vswの極性反転)を検出し、逆流検出信号S5のハイレベル期間(時刻t23〜t24)において、トランジスタN2を強制的にオフさせる構成とされている。このような構成とすることにより、コイル電流ILの逆流を速やかに遮断することができるので、軽負荷時における効率低下を解消することが可能となる。
【0045】
<メインコンパレータ>
図4は、メインコンパレータ13の構成例を示すブロック図である。本構成例のメインコンパレータ13は、帰還電圧Vfb(入力信号に相当)と基準電圧Vrefとを比較して比較信号S1を生成する比較回路であり、第1コンパレータ131と、第2コンパレータ132と、可変基準電圧生成部133と、ロジック部134と、を含む。
【0046】
第1コンパレータ131は、非反転入力端(+)に入力される帰還電圧Vfbと、反転入力端(−)に入力される基準電圧Vrefとを比較して第1比較信号S131を生成する。第1比較信号S131は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも高いときにハイレベルとなり、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも低いときにローレベルとなる。
【0047】
また、第1コンパレータ131は、ロジック部134から入力されるイネーブル信号EN131に応じてその動作可否が制御される。具体的に述べると、第1コンパレータ131は、イネーブル信号EN131が第1論理レベル(=イネーブル時の論理レベル)であるときに動作状態となり、イネーブル信号EN131が第2論理レベル(=ディセーブル時の論理レベル)であるときに停止状態となる。なお、第1コンパレータ131を停止状態とすることにより、その消費電力をほぼゼロとすることができる。
【0048】
第2コンパレータ132は、非反転入力端(+)に入力される帰還電圧Vfbと、反転入力端(−)に入力される可変基準電圧Vref2を比較して第2比較信号S132を生成する。第2比較信号S132は、帰還電圧Vfbが可変基準電圧Vref2よりも高いときにハイレベルとなり、帰還電圧Vfbが可変基準電圧Vref2よりも低いときにローレベルとなる。なお、第2コンパレータ132は、第1コンパレータ131と異なり、半導体装置10の起動以降、常に動作し続ける。
【0049】
なお、第1コンパレータ131の応答速度は、第2コンパレータ132の応答速度よりも速い。また、第2コンパレータ132の消費電力は、第1コンパレータ131の消費電力よりも極めて小さい。すなわち、第1コンパレータ131は、消費電力の低減よりも応答速度の向上を優先させた高速応答型であり、第2コンパレータ132は、応答速度の向上よりも消費電力の低減を優先させた超低消費電力型である。
【0050】
可変基準電圧生成部133は、可変基準電圧Vref2を生成する回路部であり、アップダウンカウンタ133aとDAC133bを含む。
【0051】
アップダウンカウンタ133aは、ロジック部134から入力される制御信号S6に応じて、カウンタ値Scntをインクリメントするカウントアップ動作、カウンタ値Scntをデクリメントするカウントダウン動作、カウンタ値Scntを保持するカウント停止動作のいずれを行う。そして、アップダウンカウンタ133aは、カウンタ値ScntをDAC133bに出力する。
【0052】
DAC133bは、デジタルのカウンタ値Scntをアナログ電圧Vdacに変換し、これを可変基準電圧Vref2として出力する。従って、可変基準電圧Vref2は、カウンタ値Scntのインクリメントに伴って段階的に上昇し、カウンタ値Scntのデクリメントに伴って段階的に下降する。
【0053】
ロジック部134は、第1比較信号S131と第2比較信号S132の一方を比較信号S1として出力する。なお、ロジック部134は、第1比較信号S131を比較信号S1として出力している間、イネーブル信号EN131を第1論理レベル(=イネーブル時の論理レベル)とすることにより、第1コンパレータ131を動作させる。一方、ロジック部134は、第2比較信号S132を比較信号S1として出力している間、イネーブル信号EN131を第2論理レベル(=ディセーブル時の論理レベル)とすることにより、第1コンパレータ131を停止させる。
【0054】
より具体的に述べると、ロジック部134は、逆流検出信号S5がローレベルである間、第1コンパレータ131を動作させ、第1比較信号S131を比較信号S1として出力する。また、ロジック部134は、逆流検出信号S5がローレベルからハイレベルに切り替わってから第1所定時間(例えば8μs)が経過するまでの間も、第1コンパレータ131を動作させ、第1比較信号S131を比較信号S1として出力する。一方、ロジック部134は、逆流検出信号S5がローレベルからハイレベルに切り替わってから第1所定時間(例えば8μs)を超えて逆流検出信号S5のハイレベルが続いていれば、その後逆流検出信号S5がハイレベルからローレベルに切り替わるまでの間、第1コンパレータ131を停止させ、第2比較信号S132を比較信号S1として出力する。すなわち、出力電圧Vоutが十分足りていてトランジスタN1及びN2の両方がオフ状態になっている期間が第1所定時間(例えば8μs)を超えると、その超えている期間だけ、第1コンパレータ131を停止させて、メインコンパレータ13の省電力化を図っている。このように、ロジック部134は、高速応答用の第1コンパレータ131と超低消費電力用の第2コンパレータ132を状況(負荷状態)に応じて使い分ける機能を備えている。
【0055】
ただし、第1コンパレータ131と第2コンパレータ132の入力オフセットが乖離していた場合には、第1コンパレータ131と第2コンパレータ132のいずれを用いているかにより、比較信号S1の論理切替タイミングが異なってくるので、メインコンパレータ13全体としての出力精度(延いては出力電圧Voutの精度)が低下してしまう。
【0056】
そのため、各コンパレータ間における入力オフセットのミスマッチを較正処理によって解消する必要がある。そこで、スイッチング電源装置1の起動時に次のような手順で起動時補正処理が実行される。
【0057】
図7及び
図8で図示されているトリガ信号AOC_trigは、基準電圧Vrefと可変基準電圧Vref2との大小関係を示す論理信号である。
【0058】
スイッチング電源装置1の起動時に第2コンパレータ132よりも先に第1コンパレータ131が反応する場合には、起動時補正処理によって
図7に示すようなカウントアップ動作が行われる。
図7に示す通り、時刻t31以前で示すように、第2コンパレータ132よりも先に第1コンパレータ131が反応している間は、トリガ信号AOC_trigがローレベルに維持される。一方、時刻t31で示すように、可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも高くなり、第1コンパレータ131よりも先に第2コンパレータ132が反応した結果、第1比較信号S131がローレベルに立ち下がるよりも先に第2比較信号S132がローレベルに立ち下がると、トリガ信号AOC_trigがハイレベルに立ち上がる。
【0059】
この時点でカウンタ値Scntのインクリメントを完了することもできるが、本図の例では、トリガ信号AOC_trigがハイレベルに立ち上がった後、さらに、出力信号S4のnパルス分(nは2以上の整数)に亘り、カウンタ値Scntのインクリメントが継続されている。そして、時刻t32において、出力信号S4に(n+1)つ目のパルスが立ち上がった時点で、調整完了信号AOC_endがハイレベルに立ち上がる。
【0060】
スイッチング電源装置1の起動時に第1コンパレータ131よりも先に第2コンパレータ132が反応する場合には、起動時補正処理によって
図8に示すようなカウントダウン動作が行われる。
図8に示す通り、時刻t30以前で示すように、第1コンパレータ131よりも先に第2コンパレータ132が反応している間は、トリガ信号AOC_trigがハイレベルに維持される。一方、時刻t30で示すように、可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも低くなり、第2コンパレータ132よりも先に第1コンパレータ131が反応した結果、第2比較信号S132がローレベルに立ち下がるよりも先に第1比較信号S131がローレベルに立ち下がると、トリガ信号AOC_trigがローレベルに立ち下がる。時刻t30より後の処理については
図7の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
上述した起動時較正処理を行うだけでは、起動時較正処理後に外部環境(例えば電源電圧、温度など)の変化によって第1及び第2コンパレータ131及び132毎の入力オフセットが乖離してしまう可能性がある。また、起動時較正処理において誤った較正がなされると、第1及び第2コンパレータ131及び132毎の入力オフセットが乖離したままになってしまう。そこで、スイッチング電源装置1では、起動時補正処理の終了後、すなわち調整完了信号AOC_endがハイレベルになってから、第1の較正処理及び第2の較正処理が実行される。以下、第1の較正処理及び第2の較正処理を順に説明する。
【0062】
<第1の較正処理>
第1の較正処理は、第2コンパレータ132のみが動作している期間の前であって、まだ第1コンパレータ131と第2コンパレータ132の両方が動作しているときに実行される。つまり、ロジック部134がイネーブル信号EN131を第1論理レベル(=イネーブル時の論理レベル)にしている場合に第1の較正処理が実行される。第1の較正処理のためだけに第1コンパレータ131を動作させるのではなく、第1の較正処理とは無関係なスイッチング電源装置の本来の動作に基づいて第1コンパレータ131が動作している期間を利用して第1の較正処理が実行される。これにより、第1の較正処理の実行によって消費電流が増大することを防ぐことができる。
【0063】
ロジック部134は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefと同じ値まで減少した時すなわち第1コンパレータ131から出力される第1比較信号S131がハイレベルからローレベルに切り替わった時の第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132のレベルを確認する。
【0064】
確認した第2比較信号S132がハイレベルであれば、
図5に示すように可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも小さい状態になっている。一方、確認した第2比較信号S132がローレベルであれば、
図6に示すように可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも大きい状態になっている。したがって、ロジック部134は、第2比較信号S132のレベルを確認することによって、第2比較信号S132のレベルに基づいて前記基準電圧と前記可変基準電圧との大小関係を確認している。なお、
図5及び
図6において帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefより大きくなっても第1比較信号S131がローレベルからすぐにハイレベルに復帰しないのは、第1コンパレータ131の応答速度の影響によるものである。同様に、
図6において帰還電圧Vfbが可変基準電圧Vref2より大きくなっても第2比較信号S132がローレベルからすぐにハイレベルに復帰しないのは、第2コンパレータ132の応答速度の影響によるものである。
【0065】
そして、ロジック部134は、逆流検出信号S5がローレベルからハイレベルに切り替わってから第2所定時間(第1所定時間より短い時間。例えば4μs)逆流検出信号S5のハイレベルが続いていれば、第1の較正処理を開始し、逆流検出信号S5がローレベルからハイレベルに切り替わってから第1所定時間(例えば8μs)が経過する迄に第1の較正処理を終了する。
【0066】
第1の較正処理において、ロジック部134は、直近に確認した第2比較信号S132がハイレベルであれば、制御信号S6によってアップダウンカウンタ133aにカウンタ値Scntをインクリメントさせる。
【0067】
一方、第1の較正処理において、ロジック部134は、直近に確認した第2比較信号S132がローレベルであれば、制御信号S6によってアップダウンカウンタ133aにカウンタ値Scntをデクリメントさせる。
【0068】
<第2の較正処理>
第2の較正処理は、第2コンパレータ132のみが動作している状態から、第1コンパレータ131と第2コンパレータ132の両方が動作する状態に移行するときに実行される。つまり、ロジック部134がイネーブル信号EN131を第2論理レベル(=ディセーブル時の論理レベル)から第1論理レベル(=イネーブル時の論理レベル)に切り替える場合に第2の較正処理が実行される。第2の較正処理のためだけに第1コンパレータ131を動作させるのではなく、第2の較正処理とは無関係なスイッチング電源装置の本来の動作に基づいて第1コンパレータ131が動作している期間を利用して第2の較正処理が実行される。これにより、第2の較正処理の実行によって消費電流が増大することを防ぐことができる。
【0069】
ロジック部134は、第2コンパレータ132のみが動作している状態において帰還電圧Vfbが可変基準電圧Vref2と同じ値まで減少したこと、すなわち第2コンパレータ132のみが動作している状態において第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わったことを検出する。そして、ロジック部134は、当該検出があった場合、当該検出のタイミングから所定の遅延時間Dが経過したときの第1コンパレータ131から出力される第1比較信号S131のレベルを確認する。
【0070】
第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わった時点では、第1コンパレータ131は停止している。第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わったことをトリガとして、ロジック部134が第1コンパレータ131を起動させるので、第1コンパレータ131の起動が完了するのに要する時間以上に、所定の遅延時間Dを設定する。
【0071】
確認した第1比較信号S131がローレベルであれば、
図9に示すように可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも小さい状態になっている。一方、確認した第1比較信号S131がハイレベルであれば、
図10に示すように可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefよりも大きい状態になっている。したがって、ロジック部134は、第1比較信号S131のレベルを確認することによって、第1比較信号S131のレベルに基づいて前記基準電圧と前記可変基準電圧との大小関係を確認している。なお、
図9及び
図10において帰還電圧Vfbが可変基準電圧Vref2より大きくなっても第2比較信号S132がローレベルからすぐにハイレベルに復帰しないのは、第2コンパレータ132の応答速度の影響によるものである。
【0072】
そして、ロジック部134は、上述した第1比較信号S131のレベル確認が終わると、第2の較正処理を実行する。
【0073】
第2の較正処理において、ロジック部134は、直近に確認した第1比較信号S131がローレベルであれば、制御信号S6によってアップダウンカウンタ133aにカウンタ値Scntをインクリメントさせる。
【0074】
一方、第2の較正処理において、ロジック部134は、直近に確認した第1比較信号S131がハイレベルであれば、制御信号S6によってアップダウンカウンタ133aにカウンタ値Scntをデクリメントさせる。
【0075】
なお、
図9及び
図10では、第2コンパレータ132のみが動作している状態において第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わったタイミングで、帰還電圧Vfbが上昇している。つまり、第2コンパレータ132のみが動作している状態において第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わったタイミングで、トランジスタN1及びN2のスイッチングを再開している。
【0076】
これに対して、第2コンパレータ132のみが動作している状態において第2コンパレータ132から出力される第2比較信号S132がハイレベルからローレベルに切り替わったタイミング以降もトランジスタN1及びN2のオフ状態を維持し、第2の較正処理が完了してからトランジスタN1及びN2のスイッチングを再開してもよい。これにより、第2の較正処理がトランジスタN1及びN2のスイッチングによって悪影響を受けることを回避することができる。
【0077】
<メインコンパレータの変形例>
図11は、メインコンパレータ13の変形例を示す回路図である。本変形例のメインコンパレータ13は、先の構成例(
図4)をベースとしつつ、さらに加算部133cを追加した構成とされている。そこで、先の構成例と同様の回路要素については、
図4と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では変形例の特徴部分について重点的に説明する。
【0078】
加算部133cは、基準電圧Vrefに対してアナログ電圧Vdacを加算することにより、可変基準電圧Vref2(=Vref+Vdac)を生成し、これを第2コンパレータ132の反転入力端(−)に出力する。
【0079】
つまり、アナログ電圧Vdacは、可変基準電圧Vref2そのものとしてではなく、基準電圧Vrefに足し合わされるオフセット電圧として用いられている。なお、アナログ電圧Vdacは、可変基準電圧Vref2が基準電圧Vrefに対して正負双方の電圧値を取り得るように、カウンタ値Scntに対するアナログ出力値が設定されている。
【0080】
このような構成とすることにより、第1コンパレータ131に入力される基準電圧Vrefを中心値として第2コンパレータ132のオフセット調整を行うことが可能となる。
【0081】
<テレビへの適用>
図12は、上記のスイッチング電源装置を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。また、
図13A〜
図13Cは、それぞれ、上記のスイッチング電源装置を搭載したテレビの正面図、側面図、及び、背面図である。本構成例のテレビAは、チューナ部A1と、デコーダ部A2と、表示部A3と、スピーカ部A4と、操作部A5と、インタフェイス部A6と、制御部A7と、電源部A8と、を有する。
【0082】
チューナ部A1は、テレビAに外部接続されるアンテナA0で受信された受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局する。
【0083】
デコーダ部A2は、チューナA1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部A2は、インタフェイス部A6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
【0084】
表示部A3は、デコーダ部A2で生成された映像信号を映像として出力する。
【0085】
スピーカ部A4は、デコーダ部A2で生成された音声信号を音声として出力する。
【0086】
操作部A5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部A5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
【0087】
インタフェイス部A6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
【0088】
制御部A7は、上記各部A1〜A6の動作を統括的に制御する。制御部A7としては、CPU[central processing unit]などを用いることができる。
【0089】
電源部A8は、上記各部A1〜A7に電力供給を行う。電源部A8としては、先述のスイッチング電源装置1を好適に用いることができる。
【0090】
<その他の変形例>
なお、上記実施形態では、降圧型のスイッチング電源装置に本発明を適用した構成を例示して説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば、スイッチング電源装置の出力段を昇圧型や昇降圧型、若しくは、反転型としても構わない。
【0091】
また、上記実施形態では、オン時間固定方式のスイッチング電源装置(オン時間設定回路)を例示して説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、上記と同様の技術的思想に基づいて可変基準電圧Vref2の挙動を変更することにより、オフ時間固定方式のスイッチング電源装置にも適用することが可能である。
【0092】
また、上記実施形態では、第1の較正処理及び第2の較正処理の両方を実施するスイッチング電源装置を例示して説明を行ったが、較正処理の実施頻度がやや劣ることにはなるものの第1の較正処理及び第2の較正処理の片方のみを実施するスイッチング電源装置であっても構わない。
【0093】
このように、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。