【実施例】
【0042】
以下、具体的な実施例を示すが、本特許請求の範囲は、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
各種数値の測定及び評価は以下の方法により行った。
【0043】
[測定方法]
〔b
*値〕
チオール化合物、重合性組成物のL
*a
*b
*表色系におけるb
*値は、(株)日立製作所製分光光度計U−3500を用いて下記の条件で測定を行った。
試料:無希釈
測定モード:透過率
光路長:10mm
【0044】
〔最大極大吸収波長(λ
max)〕
染料の最大極大吸収波長(λ
max)は、(株)日立製作所製分光光度計U−3500を用いて下記の条件で測定を行った。
試料:トルエン溶液(染料の含有量:20質量ppm)
測定モード:透過率
光路長:10mm
【0045】
〔レンズ色調評価〕
目視にて外観を確認した。
色調の評価は、「赤み(明るさ)黄み」の基準で表記し、以下の基準で行った。
「明るさ」は、無色透明に近いわずかに青みを帯びた視感透過率88%の眼鏡レンズを「5」、視感透過率80%の着色眼鏡レンズを「1」として、目視にて、明るさを標記した。
「赤み」は、赤色に観察されたとき「+++」、赤紫色に観察されたとき「++」、青紫色に観察されたとき「+」とした。
「黄み」は、黄色に観察されたとき「+++」、やや黄色に観察されたとき「++」、わずかに黄色に観察されたとき「+」とした。
明るさ: 薄い 5・4・3・2・1 濃い
赤み: 強い +++ ・ ++ ・ + 弱い
黄み: 強い +++ ・ ++ ・ + 弱い
赤み及び黄みが無表示の場合、青色の色調を有することを意味する。
なお、参考のため、表中には、目視により確認される色を標記した。
【0046】
[実施例1]
(マスターバッチ溶液の製造)
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0025部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
ディスパースバイオレット27の20質量ppmのトルエン溶液における最大極大吸収波長は586nmであった。
ソルベントレッド52の20質量ppmのトルエン溶液における最大極大吸収波長は543nmであった。
(眼鏡レンズの製造)
キシリレンジイソシアナート50.52部、触媒としてジメチルスズジクロライド0.01部、離型剤として酸性リン酸エステル(城北化学工業(株)製JP−506H)0.10部、紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製シーソーブ701、吸収波長:340nm)0.5部を混合し、溶解させた。
つづいて、マスターバッチ溶液0.08部を加え、撹拌、溶解した。
さらに、4,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、5,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオールの混合物T1 49.40部を添加混合し、混合均一液とした。混合物T1のb
*値は2.5であった。混合均一液の組成を表1に示した。
この混合均一液を200Paの減圧下にて1時間脱泡を行った後、5.0μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過を行った。つづいて、直径75mm、−4.00Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型を電気炉へ投入し、15℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温し、2時間保持した。重合終了後、電気炉からモールド型を取り出し、離型して眼鏡レンズを得た。得られたレンズをさらに120℃で3時間アニールを行った。得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0047】
[実施例2]
実施例1においてキシリレンジイソシアナート50.56部へ変更し、マスターバッチ溶液を0.04部へ変更した以外は実施例1と同様にレンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0048】
[実施例3]
(マスターバッチ溶液の製造)
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタン100.0部に対し0.100部のディスパースバイオレット27、及び0.002部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
(眼鏡レンズの製造)
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタン50.55部、触媒としてジメチルスズジクロライド0.05部、離型剤として酸性リン酸エステル(城北化学工業(株)製JP−506H)0.15部、紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製 シーソーブ701)1.00部を混合、溶解させた。
つづいて、マスターバッチ溶液を0.05部を加え、撹拌、溶解した。
さらに、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)23.90部とビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパン25.50部を添加混合し、混合均一液とした。混合均一液の組成を表1に示した。
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)とビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパンの混合液のb
*値は2.4であった。
この混合均一液を200Paの減圧下にて1時間脱泡を行った後、5.0μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過を行った。つづいて直径75mm、−4.00Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型を電気炉へ投入し、15℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温し、2時間保持した。重合終了後、電気炉からモールド型を取り出し、離型して眼鏡レンズを得た。得られた眼鏡レンズをさらに120℃で3時間アニールを行った。得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0049】
[実施例4]
マスターバッチ溶液の処方を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し0.1000部のソルベントバイオレット31、及び0.0010部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。混合均一液の組成を表1に示した。
ソルベントバイオレット31の20質量ppmのトルエン溶液の最大極大吸収波長は555nmであった。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0050】
[実施例5]
マスターバッチ溶液の処方を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.00125部のソルベントレッド146を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。混合均一液の組成を表1に示した。
ソルベントレッド146の20質量ppmのトルエン溶液の最大極大吸収波長は515nmであった。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0051】
[実施例6]
実施例3において紫外線吸収剤を(シプロ化成(株)製 シーソーブ703、最大極大吸収波長:353nm)1.0部へ変更し、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタンを50.10部へ変更し、マスターバッチ溶液を0.50部へ変更した以外は実施例3と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
ただし、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)とビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパンの混合液のb
*値は0.7であった。
染料L及び染料S未添加の重合性組成物のb
*値は6.8であった。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0052】
[実施例7]
キシリレンジイソシアナート50.50部へ変更し、マスターバッチ溶液を0.10部へ変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0053】
[実施例8]
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0200部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液0.08部から、0.05部へと変更し、キシリレンジイソシアネート50.52部から、50.55部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0054】
[実施例9]
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0100部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液0.08部から、0.05部へと変更し、キシリレンジイソシアネート50.52部から、50.55部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0055】
[実施例10]
紫外線吸収剤として(シプロ化成(株)製シーソーブ707、吸収波長:345nm)0.45部を使用した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0056】
[実施例11]
(マスターバッチ溶液の製造)
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0025部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
(眼鏡レンズの製造)
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート58.82部、触媒としてジメチルスズジクロライド0.10部、離型剤として酸性リン酸エステル(城北化学工業(株)製JP−506H)0.10部、紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製シーソーブ707、吸収波長:345nm)1.00部を混合し、溶解させた。
つづいて、マスターバッチ溶液0.08部を加え、撹拌、溶解した。
さらに、4,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、5,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオールの混合物T1 41.10部を添加混合し、混合均一液とした。混合均一液の組成を表1に示した。上記混合物T1のb
*値は2.5であった。
この混合均一液を200Paの減圧下にて1時間脱泡を行った後、5.0μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過を行った。つづいて、直径75mm、−4.00Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型を電気炉へ投入し、15℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温し、2時間保持した。重合終了後、電気炉からモールド型を取り出し、離型して眼鏡レンズを得た。得られたレンズをさらに120℃で3時間アニールを行った。得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0057】
[実施例12]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0025部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液0.08部から、0.02部へと変更し、キシリレンジイソシアネート50.52部から、50.58部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0058】
[実施例13]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0020部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液0.08部から、0.80部へと変更し、キシリレンジイソシアネート50.52部から、49.8部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0059】
[実施例14]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0002部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0060】
[実施例15]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0005部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0061】
[実施例16]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のディスパースバイオレット27、及び0.0031部のソルベントレッド52を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液を0.08部から、0.96部へと変更し、キシリレンジイソシアネートを50.52部から、49.64部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0062】
[実施例17]
(マスターバッチ溶液の製造)
マスターバッチ溶液の処方等を下記に変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。
キシリレンジイソシアネート100.0部に対し、0.1000部のソルベントバイオレット31、及び0.0025部のソルベントレッド146を添加し、撹拌、溶解し、マスターバッチ溶液を得た。
マスターバッチ溶液0.08部から、0.06部へと変更し、キシリレンジイソシアネート50.52部から、50.54部へと変更した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0063】
[比較例1]
ディスパースバイオレット27をソルベントバイオレット13へ変更し、ソルベントレッド52を使用しなかった以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
ソルベントバイオレット13の20質量ppmのトルエン溶液における最大極大吸収波長は585nmであった。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0064】
[比較例2]
ソルベントレッド52を0.025部へ変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0065】
[比較例3]
ディスパースバイオレット27をソルベントブルー97へ変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
ソルベントブルー97の20質量ppmのトルエン溶液の最大極大吸収波長は630nmであった。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0066】
[比較例4]
ディスパースバイオレット27を添加せず、ソルベントレッド52を0.1025部へ変更した以外は実施例1と同様に眼鏡レンズを作製した。混合均一液の組成を表1に示した。
得られた眼鏡レンズの外観評価を行い、その結果を表2に示した。
【0067】
【表1】
【0068】
表1中の注釈及び略語は以下のとおりである。
*1 光学材料に対する染料の添加量(質量ppb)
*2 イソシアネート化合物とチオール化合物の合計100質量部に対する添加量(質量部)
DV27: ディスパースバイオレット27(λ
max 586nm)
SV31: ソルベントバイオレット31(λ
max 555nm)
SV13: ソルベントバイオレット13(λ
max 585nm)
SB97: ソルベントブルー97(λ
max 630nm)
SR52: ソルベントレッド52(λ
max 543nm)
SR146: ソルベントレッド146(λ
max 515nm)
I1:キシリレンジイソシアネート
I2:ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタン
I3:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
T1:4,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、4,8−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、5,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオールの混合物
T2:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
T3:ビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパン
U1:2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:「シーソーブ701」(シプロ化成(株)製)
U2:2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール:「シーソーブ703」(シプロ化成(株)製)
U3:2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:「シーソーブ707」(シプロ化成(株)製)
触媒:ジメチルスズジクロライド
離型剤:ブトキシエチルアシッドフォスフェート(リン酸モノエステルとリン酸ジエステルの混合物)「JP−506H」(城北化学工業(株)製)
【0069】
【表2】
【0070】
実施例1〜17の結果と、比較例1〜4の結果との比較により、染料L及び染料Sを特定の質量比で含有することで、わずかに青みを帯びた色調が良好な眼鏡レンズが得られることがわかる。
実施例1、比較例1及び比較例4の対比によれば、染料Lと染料Sの両方が含まれていることで黄色や赤みを抑制し、青みを帯びた良好な透明性を有する眼鏡レンズが得られることがわかる。
実施例8、比較例2の対比によれば、染料Lと染料Sとの質量比〔染料Lの質量/染料Sの質量〕が5以上であることで、わずかに青みを帯びた良好な透明性を有する眼鏡レンズが得られることがわかる。
実施例1、比較例3の対比によれば、染料Lの極大吸収波長が550nm以上600nm以下であることで、わずかに青みを帯びた良好な透明性を有する眼鏡レンズが得られることがわかる。
実施例6、13、16の結果によれば、明るさは低下しているが、透明に近い(赤や黄色になっていない)ため、色調は良好であった。
【0071】
最後に、本発明を総括する。
本発明の樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含有する重合性組成物を重合して得られる樹脂組成物であって、前記重合性組成物が、20質量ppmのトルエン溶液中で550nm以上600nm以下に極大吸収波長を有する染料L及び20質量ppmのトルエン溶液中で500nm以上550nm未満に極大吸収波長を有する染料Sを含み、前記染料Lと前記染料Sとの質量比〔染料Lの質量/染料Sの質量〕が5以上500以下である。
上述した一実施例によれば、わずかに青みを帯びた色調が良好な樹脂組成物が得られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。