(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機集積回路、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、有機発光トランジスタ、有機太陽電池、染料増感性有機太陽電池、有機光学検査器、有機光受容器、有機電場消光素子、発光電子化学電池、有機レーザーダイオードおよび有機プラスモン発光素子より成る群から選ばれる、請求項11記載の電子素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子での使用のための材料とこれらの材料を含む電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
有機半導体が機能性材料として使用される有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)の構造は、たとえば、US 4539507、US 5151629、EP0676461およびWO98/27136に記載されている。ここで使用される発光材料は、蛍光発光ではなく燐光発光を示す有機金属錯体とますますなっている。量子力学的理由により、4倍までのエネルギーとパワー効率が、燐光発光エミッターとして有機金属化合物を使用して可能である。しかしながら、一般的に、OLED、特に、三重項発光(燐光)を示すOLEDにおいて、また、たとえば、効率、駆動電圧および寿命に関して、改善に対する必要性が未だ存在する。さらに、使用される材料は、高い収率と純度で合成できることが望ましい。
【0003】
燐光OLEDの特性は、使用される三重項エミッターによってのみ決定されるのではない。ここで、特に、マトリックス材料、正孔ブロック材料、電子輸送材料、正孔輸送材料および電子-あるいは励起子ブロック材料等に使用されるその他の材料も、また、特に重要である。そこで、これら材料における改善は、OLED特性に顕著な改善をももたらすことができる。蛍光OLEDに対しても、発光およびマトリックス材料に対しても、これら材料における改善に対する必要性が、また、未だに存在する。
【0004】
先行技術にしたがうと、たとえば、WO2005/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP 1205527もしくはWO 2008/086851にしたがうカルバゾール誘導体、たとえば、WO 2007/063754もしくはWO 2008/056746にしたがうインドロカルバゾール誘導体、たとえば、WO 2010/136109にしたがうインデノカルバゾール誘導体またはUS2010/0019658にしたがうジヒドロアクリジン誘導体が、さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子における燐光エミッターのためのマトリックス材料として使用される。ここで、効率、寿命と材料の熱安定性に関して、同様に改善が望まれる
本発明の目的は、蛍光もしくは燐光OLED、特に、たとえば、マトリックス材料としてまたは正孔輸送/電子ブロック材料としてまたは励起子ブロック材料としてのみならず正孔ブロック材料、蛍光エミッターのためのマトリックスまたは蛍光エミッターとしての使用に適している化合物を提供することである。本発明のさらなる目的は、当業者に対してOLED製造においてより大きな選択を促進するために、有機エレクトロルミッセンス素子のためのさらなる有機半導体を提供することである。
【0005】
驚くべきことに、以下でより詳細に説明されるある種の化合物が、この目的を達成し、有機エレクトロルミネッセンス素子における改善をもたらすことが見出された。ここで、改善は、特に、寿命、効率および/または駆動電圧に関する。したがって、本発明は、これら化合物と、この型の化合物を含む電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0006】
本発明は、以下の式(1)、(2)または(3)の化合物に関する。
【化1】
【0007】
式中、以下が、使用される記号と添え字に適用される;
Yは、出現毎に同一であるか異なり、O、S、Se、BR
1、C(R
1)
2、Si(R
1)
2、PR
1、P(=O)(R
1)、C(R
1)
2-C(R
1)
2、CR
1=CR
1またはオルト位を介して結合し、1以上の基R
1により置換されてよいベンゼン基であり;
Xは、出現毎に同一であるか異なり、CR
2もしくはNであるか、または、二個の隣接するXは、S、OもしくはNR
2であって、五員環を生じるか、または、以下の式(4)もしくは(5)の基であり、
【化2】
【0008】
ここで、^は、式(1)、(2)または(3)中の対応する隣接する基Xを示し;
ここで、Xは、基ArまたはLが、式(2)または(3)中のこの基Xに結合するならば、Cであり;
Vは、出現毎に同一であるか異なり、C(R
2)
2、NR
2、OまたはSであり;
Zは、出現毎に同一であるか異なり、CR
2またはNであり;
Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上の基R
3により置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であり;基Arとこの場合にCである隣接基Xは、単結合またはC(R
3)
2、NR
2、OもしくはSから選ばれる二価基により互いにブリッジしてもよく;
Lは、出現毎に同一であるか異なり、単結合または二価基であり;
R
1、R
2、R
3は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、N(Ar
1)
2、N(R
4)
2、C(=O)Ar
1、C(=O)R
4、P(=O)(Ar
1)
2、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基、3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基、2〜40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(夫々は、1以上の基R
4により置換されてよく、1以上の隣接しないCH
2基は、R
4C=CR
4、C≡C、Si(R
4)
2、C=O、C=S、C=NR
4、P(=O)(R
4)、SO、SO
2、NR
4、O、SもしくはCONR
4で置き代えられてよく、ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2で置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
4により置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、1以上の基R
4で置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基より成る群から選ばれ;ここで、2個以上の隣接する置換基R
1またはR
3は、一以上の置換基R
4により置換されてよいモノ環状あるいはポリ環状の脂肪族、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造を随意に形成してもよく;
R
4は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、N(Ar
1)
2、N(R
5)
2、C(=O)Ar
1、C(=O)R
5、P(=O)(Ar
1)
2、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基、3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基、2〜40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(夫々は、1以上の基R
5により置換されてよく、1以上の隣接しないCH
2基は、R
5C=CR
5、C≡C、Si(R
5)
2、C=O、C=S、C=NR
5、P(=O)(R
5)、SO、SO
2、NR
5、O、SもしくはCONR
5で置き代えられてよく、ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2で置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
5により置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、1以上の基R
5で置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基、またはこれらの構造の組み合わせより成る群から選ばれ;ここで、2個以上の隣接する置換基R
4は、一以上の置換基R
5により置換されてよいモノ環状あるいはポリ環状の脂肪族環構造を随意に形成してもよく;
Ar
1は、出現毎に同一であるか異なり、1以上の非芳香族基R
5により置換されてよい5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であって;ここで、同じN原子もしくはP原子に結合する2個の基Ar
1は、単結合により、またはN(R
5)、C(R
5)
2、OもしくはSから選ばれるブリッジにより、互いに架橋されてもよく;
R
5は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、CN、1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であって、ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、IもしくはCNで置き代えられてよく、ここで、2個以上の隣接する置換基R
2は、モノ-あるいはポリ環状の脂肪族環構造を互いに形成してもよく;
mは、出現毎に同一であるか異なり、0または1であり;
nは、0、1、2、3、4または5であり;
pは、0または1である。
【0009】
本発明の意味でのアリール基は、6〜60個のC原子を含む;本発明の意味でのヘテロアリール基は、2〜60個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。ここで、アリール基もしくはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、すなわちベンゼン、または、単純な複素環式芳香族環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または、縮合アリールもしくはヘテロリール基、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン等の何れかという意味で使われる。たとえば、ビフェニル等の単結合により互いに結合した芳香族基は、アリールもしくはヘテロリール基を指すのではなく、逆に、芳香族環構造を指す。
【0010】
本発明の意味での芳香族環構造は、6〜80個のC原子を環構造中に含む。本発明の意味での複素環式芳香族環構造は、2〜60個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を環構造中に含むが、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。本発明の目的のために、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、必ずしもアリール基もしくはヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、その代わりに、加えて、複数のアリール基もしくはヘテロアリール基は、たとえば、C、NあるいはO原子のような非芳香族単位により連結されていてもよい構造という意味で使われる。したがって、たとえば、フルオレン、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等のような構造も、二個以上のアリール基が、たとえば、短いアルキル基により連結される構造であることから、本発明の意味での芳香族環構造という意味で使われる。
【0011】
本発明の目的のために、脂肪族炭化水素基またはアルキル基またはアルケニル基またはアルキニル基は、1〜40個のC原子を含んでもよく、ここで、加えて、個々のH原子もしくはCH
2基は、上記言及した基により置換されていてよく、好ましくは、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびオクチニルという意味で使われる。1〜40個のC原子を有するアルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、s-ペントキシ、2-メチルブトキシ、n-ヘキソキシ、シクロヘキシルオキシ、n-ヘプトキシ、シクロヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、シクロオクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ペンタフルオロエトキシまたは2,2,2-トリフルオロエトキシという意味で使われる。1〜40個のC原子を有するチオアルキル基は、特に、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、i-プロピルチオ、n-ブチルチオ、i-ブチルチオ、s-ブチルチオ、t-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、s-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、n-ヘプチルチオル、シクロヘプチルチオ、n-オクチルチオ、シクロオクチルチオ、2-エチルヘキシルチオ、トリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、エテニルチオ、プロペニルチオ、ブテニチオル、ペンテニルチオ、シクロペンテニルチオ、ヘキセニルチオ、シクロヘキセニルチオ、ヘプテニルチオ、シクロヘプテニルチオ、オクテニルチオ、シクロオクテニルチオ、エチニルチオ、プロピニルチオ、ブチニルチオ、ペンチニルチオ、ヘキシニルチオ、ヘプチニルチオまたはオクチニルチオという意味で使われる。一般的に、本発明にしたがうアルキル、アルコキシあるいはチオアルキル基は、直鎖、分岐あるいは環状であってよく、一以上の隣接しないCH
2基は、上記した言及した基により置き代えられてよく、さらに、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2、好ましくは、F、ClもしくはCNで、さらに、好ましくは、FもしくはCNで、特に、好ましくは、CNで置き代えられてよい。
【0012】
5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、各場合に、上記基R
2または炭化水素基で置換されてよく、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造上で任意の所望の位置を介して連結してもよく、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、トリフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-もしくはトランス-インデノフルオレン、シス-もしくはトランス-インデノカルバゾール、シス-もしくはトランス-インドロカルバゾール、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ヘキサアザトリフェニレン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10-テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1, 2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールから誘導される基またはこれら構造の組み合わせから誘導される基という意味で使われる。
【0013】
上記記載のとおり、基Arと隣接する基Xは、互いにブリッジしてもよい。ここで、「隣接する基X」は、以下に図示するとおり、窒素原子と炭素原子により基Arから分離される基Xを意味するものと解され、このXと基Arとがブリッジするならば、この基Xは、Cである。
【化3】
【0014】
環形成は、n=0である式(1)の化合物の例により、以下に示され、ここで、環形成は、本発明のその他の化合物に類似して完全に生じることができる。
【化4】
【0015】
ここで、Eは、単結合、C(R
3)
2、NR
3、OまたはSであり、使用されるその他の記号と添え字は、上記所与の意味を有する。
【0016】
本発明の好ましい態様では、Yは、出現毎に同一であるか異なり、OまたはC(R
1)
2であり、特に、好ましくは、Oである。
【0017】
さらに、好ましくは、全ての基Yが同一に選ばれる。
【0018】
本発明のさらに好ましい態様では、Xは、出現毎に同一であるか異なり、CR
2またはNであり、ここで、環毎の最大一個の基Xは、Nであるか、または、二個の隣接するXは、式(4)または(5)、特に、式(5)の基であり、ここで、Zは、出現毎に同一であるか異なり、CR
2であり、Vは、出現毎に同一であるか異なり、NR
2またはC(R
2)
2である。
【0019】
Xは、特に、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、CR
2である。
【0020】
上記言及した式(1)のさらに好ましい化合物は、以下の化合物(2a)〜(3a)である。
【化5】
【0021】
式(1)の特に、好ましい化合物は、特に、n=0である。
【0022】
本発明の好ましい態様では、Lは、出現毎に同一であるか異なり、1〜10個のC原子を有する直鎖アルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシもしくはチオアルキレンオキシ基、3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシもしくはチオアルキレンオキシ基、2〜40個のC原子を有するアルケニレンもしくはアルキニレン基(夫々は、各場合に1以上の基R
4により置換されてよく、1以上の隣接しないCH
2基は、-R
4C=CR
4-、-C≡C-、-Si(R
4)
2、C=O、C=NR
4、P(=O)R
4、S=O、SO
2、-O-、-S-もしくは-CONR
4で置き代えられてよく、ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2で置き代えられてよく;または、P(R
4)、P(=O)(R
4)、N(Ar
1)または、Lは単結合である。
【0023】
本発明の、特に、好ましい態様では、基Lは、単結合である。
【0024】
式(1)、(2)および(3)の化合物の好ましい態様は、以下の式(6)、(7)および(8)の化合物である。
【化6】
【0025】
式中、使用されるその他の記号と添え字は、上記所与の意味を有し、Yは、好ましくは、Oである。
【0026】
さらに、式(4)または(5)の基は、式(9)、(10)、(11)および(12)の例により以下に示されるとおり、式(5)の縮合基と共に縮合してよい。
【化7】
【0027】
特に、好ましいものは、以下の式(6a)〜(12a)の化合物である。
【化8-1】
【化8-2】
【0028】
式中、使用される記号と添え字は、上記所与の意味を有し、Yは、好ましくは、Oである。
【0029】
非常に、特に、好ましいものは、以下の式(6b)〜(12b)の化合物である。
【化9-1】
【化9-2】
【0030】
式中、使用される記号と添え字は、上記所与の意味を有し、Yは、好ましくは、Oである。
【0031】
式(6b)の、特に、好ましい化合物は、添え字n=0である。
【0032】
本発明の好ましい態様では、上記言及した式中のR
1、R
2、R
3は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、CN、N(Ar
1)
2、C(=O)Ar
1、1〜10個のC原子を有する直鎖アルキルもしくはアルコキシ基、3〜10個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキルもしくはアルコキシ基、2〜10個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(夫々は、1以上の基R
4により置換されてよく、1以上の隣接しないCH
2基は、Oで置き代えられてよく、ここで、1以上のH原子は、DもしくはFで置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
4により置換されてよい5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれる。
【0033】
本発明の、特に、好ましい態様では、上記言及した式中のR
1、R
2、R
3は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、CN、1〜5個のC原子を有する直鎖アルキル基、3〜10個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル基(1以上のH原子は、DもしくはFで置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
4により置換されてよい5〜18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれる。
【0034】
R
2は、好ましくは、5個の環原子を有するヘテロアリール基、アルケニル基もしくはアルキニル基を含まない。
【0035】
R
2は、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、CN、1〜5個のC原子を有する直鎖アルキル基、3〜10個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル基(ここで、1以上のH原子は、DもしくはFで置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
4により置換されてよい5〜18個の芳香族環原子を有する芳香族環構造から選ばれ、ここで、R
4は、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、N(Ar
1)
2、N(R
5)
2、C(=O)Ar
1、C(=O)R
5、P(=O)(Ar
1)
2、1〜5個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基、3〜10個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルキル基(ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、BrもしくはCNで置き代えられてよい。)または、各場合に、1以上の基R
5により置換されてよい5〜18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれる。
【0036】
真空蒸発により加工される化合物に対して、アルキル基は、好ましくは、5個以下のC原子、特に、好ましくは、4個以下のC原子、非常に、特に、好ましくは、1個以下のC原子を有する。溶液から加工される化合物に対しては、適切な化合物は、また、10個までのC原子を有するアルキル基、特に、分岐アルキル基により置換されるか、オリゴアリーレン基、たとえば、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐テルフェニル基もしくはクアテルテルフェニル基により置換された化合物である。
【0037】
好ましい基Arは、各場合に、1以上の基R
3により置換されてよい5〜24個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれる。特に、好ましい基Arは、それぞれ1以上の基R
3により置換されてよいベンゼン、オルト-、メタ-もしくはパラ-ビフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐テルフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐クアテルフェニル、1-もしくは2-ナフチル、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ベンズントラセンもしくは二もしくは三個のこれらの組み合わせから選ばれる。
【0038】
R
1、R
2、R
3が、芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であるならば、これは、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、Arに対して好ましい基として上記に示されるとおりのものと同じ基から選ばれる。Yが、BR
1であるならば、R
1は、そこで、好ましくは、少なくとも一個のオルト位で、好ましくは、二個のオルト位で、たとえば、キシリルもしくはメシチル基で置換されるアリールもしくはヘテロアリール基である。
【0039】
式(1)、(2)もしくは(3)または好ましい態様の化合物が電子輸送材料として使用されるならば、基Yは、好ましくは、BR
1もしくはP(=O)(R
1)であり、および/または少なくとも一つの基R
1、R
2および/またはArは、電子欠損複素環式芳香族環構造である。本発明にしたがうと、電子欠損複素環式芳香族環構造は、少なくとも二個のヘテロ原子を有する5員環複素環式芳香族環構造または各場合に一以上の芳香族もしくは複素環式芳香族環構造が縮合してよい6員環複素環式芳香族環構造が好ましく、たとえば、置換もしくは非置換イミダゾール、ピラゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ベンズイミダゾール等であり、特に、一以上の以下に示される化合物である。
【0040】
本発明の化合物が、燐光エミッターのためのマトリックス材料としてまたは電子輸送材料として使用されるならば、少なくとも一つの置換基R
1、R
2および/またはR
3または一価の基Arは、電子欠損基であることが好ましく、特に、R
1〜R
3に対して以下の式(13)〜(16)、またはArに対して式(13)、(15)もしくは(16)の構造から選ばれ;
【化10】
【0041】
および/または少なくとも一つの二価もしくは三価の基Arは、好ましくは、以下の式(17)〜(19)から選ばれ、
【化11】
【0042】
ここで、R
3、R
4とmは、上記所与の意味を有し、*は、式(13)〜(19)の結合位置を示し、さらに、
Aは、出現毎に同一であるか異なり、CR
4またはNであり、ただし、一個の基A、二個の基Aもしくは三個の基Aは、Nであり;
Ar
2は、出現毎に同一であるか異なり、1以上の基R
4により置換されてよい5〜16個のC原子を有する二価の芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であって;
ここで、式(13)、(15)もしくは(16)の基が、Arで、式(17)〜(19)の場合ならば、R
4は、R
3により置き代えられる。
【0043】
本発明の、特に、好ましい態様では、少なくとも一つの置換基R
1、R
2、R
3もしくはArは、上記言及した式(13)の基であり、および/または少なくとも一つの基Arは、上記言及した式(17)〜(19)の基であり、各場合に2もしくは3個の記号Aは、Nであり、その他の記号Aは、CR
3であり、ここで、式(13)、(15)および(16)の基が、Arで、式(17)〜(19)の場合ならば、R
3は、R
4により置き代えられる。
【0044】
特に、好ましい基R
1、R
2、R
3もしくはArは、したがって、以下の式(20)〜(26)の基であり、特に、好ましい基Arは、以下の式(27)〜(34)の基であり、
【化12-1】
【化12-2】
【0045】
式中、使用される記号と添え字は上記所与の意味を有し、ここで、式(20)〜(26)の基が、Arで、式(27)〜(34)の場合ならば、R
4は、R
3により置き代えられる。
【0046】
R
1、R
2、R
3もしくはArが、式(20)の基であるならば、この基中のR
3またはR
4は、そこで、好ましくは、1以上の基R
5により置換されてよい5〜24個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、特に、フェニル、オルト-、メタ-もしくはパラ-ビフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐テルフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐クアテルフェニルである。
【0047】
R
1、R
2、R
3もしくはArが、式(21)〜(26)の基であるならば、これらの基中のR
3またはR
4は、そこで、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、1以上の基R
5により置換されてよい5〜24個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、特に、Hまたはフェニル、オルト-、メタ-もしくはパラ-ビフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐テルフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐クアテルフェニルである。
【0048】
Arが、式(27)〜(34)の基であるならば、これらの基中のR
3は、そこで、好ましくは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、1以上の基R
5により置換されてよい5〜24個の芳香族環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造、特に、Hまたはフェニル、オルト-、メタ-もしくはパラ-ビフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐テルフェニル、オルト-、メタ-、パラ-もしくは分岐クアテルフェニルである。
【0049】
本発明の化合物が、燐光エミッターのためのマトリックス材料として、正孔輸送材料としてまたは電子もしくは励起子ブロック材料として使用されるならば、少なくとも一つの基R
1、R
2、R
3もしくはArは、好ましくは、それぞれ1以上の基R
3基もしくはR
4により置換されてよいトリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インデノカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、インドール誘導体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体もしくはジベンゾチオフェン誘導体から選ばれるか、または、少なくとも一つの置換基R
1、R
2、R
3は、-NAr
2である。これらの基は、好ましくは、以下の式(35)〜(49)の基から選ばれ、
【化13-1】
【化13-2】
【0050】
式中、使用される記号は上記所与の意味を有し;さらに、
Eは、C(R
4)
2、NR
4、OまたはSより成る基から選ばれ;
Gは、NR
4、OまたはSより成る基から選ばれ;および
式(35)〜(49)の基がArであるならば、R
4は、R
3により置き代えられる。
【0051】
本発明のさらに好ましい態様では、本発明の化合物中の式(13)〜(49)の基ではない記号R
1、R
2、R
3は、HまたはDである。
【0052】
上記言及された好ましい態様は、互いに所望のとおり組み合わせることができる。本発明の、特に、好ましい態様では、上記選好が同時に出現する。
【0053】
式(1)、(2)もしくは(3)または好ましい態様の化合物が、燐光エミッターのためのマトリックス材料として使用されるならば、化合物は、二個以上の六員環が、互いに直接縮合する縮合アリールもしくはヘテロアリール基を含まないことが好ましい。特に、基R
1、R
2、R
3およびArは、二個以上の六員環が、互いに直接縮合する縮合アリールもしくはヘテロアリール基を含まず、二個の隣接する基Xは、式(4)の基ではないことが好ましい。式(1)、(2)もしくは(3)の化合物は、特に、好ましくは、六員環が、互いに直接縮合する縮合アリールもしくはヘテロアリール基を絶対的に含まない。
【0054】
式(1)、(2)もしくは(3)または好ましい態様の化合物が、蛍光エミッターのためのマトリックス材料としてまたは蛍光エミッターとして使用されるならば、少なくとも一つの基R
1、R
2および/またはR
3は、それぞれ上記言及した基により置換されてもよいナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンおよび/またはベンズアントラセンから選ばれる基を含み、および/または少なくとも一つの芳香族環上の二個の隣接する基Xは、式(4)の基である。
【0055】
式(1)、(2)もしくは(3)または好ましい態様の化合物が、正孔輸送、正孔注入もしくは他の層中で正孔輸送材料として使用されるならば、少なくとも一つの基R
1、R
2および/またはR
3は、6〜24個の芳香族環原子を有する芳香族環構造から選ばれる基を含むことが好ましい。この場合に、Yは、出現毎に同一であるか異なり、O、SおよびC(R
1)
2から選ばれることがさらに好ましく、特に、好ましくは、Oである
上記に言及された態様の好ましい化合物の例は、以下の構造の化合物である。
【化14-1】
【化14-2】
【化14-3】
【化14-4】
【化14-5】
【化14-6】
【化14-7】
【化14-8】
【化14-9】
【化14-10】
【化14-11】
【化14-12】
【化14-13】
【化14-14】
【0056】
本発明による化合物は、スキーム1〜4で概説される経路により調製することができる。
【0057】
1,2-ジハロゲン置換芳香族もしくは複素環式芳香族環化合物から出発して、二級アミンへのブッフバルトまたはウルマンカップリングは、o-ハロゲン官能化三級アミンを生じる。これは、金属化後、ヘテロ環ケトンとカップルし、トリアリールメタノールが得られ、酸触媒環化して、本発明のスピロ化合物(A)を得る(スキーム1)。スピロ化合物(A)は、位置選択的に、好ましくは、N原子のp位で、一もしくは二臭素化(随意に、また、さらなる活性位置の関与により三、四等臭素化される)され、こうして形成された臭素化物(B)および(C)は、引き続き、当業者になじみの方法(スズキ、ネギシ、ヤマモト、グリニャール-クロス、スチル、ヘックカップリング等のC-Cカップリング、ブッフバルトまたはウルマンカップリング等のC-Nカップリング、シリル化、リン酸エステル化、ボロン酸エステル化、重縮合等)により、さらに反応することができる。位置選択的臭素化に加えて、他の求電子試薬との反応、たとえば、フリーデル-クラフツアルキル化もしくはアシル化、スルホン化、ニトロ化等も、もちろん可能である。
【化15】
【0058】
順番の最初で、二級アミンが保護基PG(たとえば、N-アシル、N-Boc、N-ベンジル、N-スルフェニル、N-シリル等)をもつならば、二級スピロアミン(E)を、保護基の除去によるスピロ化合物(D)の構築後に得ることができ、当業者になじみのC-Nカップリング法(ブッフバルトまたはウルマンカップリング等)により、さらに反応することができる(スキーム2)。複数の単位(E)を含む本発明の化合物は、多官能化芳香族化合物へのカップリングによるこの経路により入手することができる。これらは、次いで、求電子試薬との反応のスキーム1で説明された経路により、さらに反応することができる。
【化16】
【0059】
臭素化物(B)は、追加的に、本発明の拡張縮合ヘテロ環化合物の構築のために適している(スキーム3)。o-YH-官能化芳香族もしくは複素環式芳香族環化合物への(B)のスズキカップリングは、(F)を生じ、環化して(G)を得ることができる。同様にして、(B)のブッフバルトまたはウルマンカップリングは、(H)を生じ、環化して(I)を得ることができる。
【化17】
【0060】
スピロアミン(E)は、さらに、本発明の拡張縮合ヘテロ環化合物(K)の構築のために適している。YH-官能基をもつo-ハロゲン官能化芳香族環化合物への(E)のC-Nカップリングと中間体(J)の引き続く環化は、拡張ヘテロ環化合物(K)を生じる。
【化18】
【0061】
スキーム3と4に示された反応は、また、もちろん、二臭素化物(C)で同様に可能である。こうして、フルオレン、ジベンンゾフラン、トリベンンゾフラン、カルバゾール等を含む縮合ヘテロ環化合物を、当業者になじみの方法により得ることができる。
【0062】
本発明は、さらに、以下の反応工程を含む式(1)、(2)もしくは(3)の化合物の製造方法に関する。
【0063】
a)ハロゲン化骨格の構築;および
b)遷移金属触媒カップリング反応による置換基の導入。
【0064】
上記記載の本発明による化合物、特に、臭素、沃素、塩素、ボロン酸あるいはボロン酸エステル等の反応性脱離基により、または、オレフィン、スチレン、アクリレートもしくはオキセタン等の反応性重合可能基により置換された化合物は、対応するオリゴマー、デンドリマーまたはポリマーの調製のためのモノマーとして使用することもできる。ここで、オリゴマー化またはポリマー化は、好ましくは、ハロゲン官能基もしくはボロン酸官能基を介してまたは重合可能基を介して実行することができる。さらに、この型の基を介してポリマーを架橋結合することもさらに可能である。本発明による化合物とポリマーは、架橋結合層または非架橋結合層として使用することができる。
【0065】
したがって、本発明は、さらに、一以上の上記言及した本発明による化合物を含むオリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーに関し、本発明による化合物からポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーへの一以上の結合は、置換基に代わる一以上の位置に存在する。
本発明による化合物の結合に応じて、これは、オリゴマーもしくはポリマーの側鎖を生成するか、または主鎖中で結合するか、デンドリマーのコアを形成する。ポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、共役、部分共役もしくは非共役であってよい。オリゴマーまたはポリマーは、直鎖、分岐鎖もしくは樹状であってよい。上記記載したとおりの同じ選好が、オリゴマー、デンドリマーおよびポリマー中の本発明による化合物の繰り返し単位にあてはまる。
【0066】
オリゴマーまたはポリマーの調製のために、本発明によるモノマーは、さらなるモノマーとホモ重合するか共重合する。好ましいホモポリマーまたはコポリマーは、式(1)の単位または上記好ましい態様が、0.01〜99.9モル%、好ましくは、5〜90モル%、特に、好ましくは、20〜80モル%の割合で存在する。ポリマー骨格を形成する適切で好ましいコモノマーは、フルオレン(たとえば、EP842208もしくはWO2000/22026にしたがう)、スピロビフルオレン(たとえば、EP707020、EP894107もしくはWO2006/061181にしたがう)、パラ-フェニレン(たとえば、WO92/18552にしたがう)、カルバゾール(たとえば、WO2004/070772もしくはWO2004/113468にしたがう)、チオフェン(たとえば、EP1028136にしたがう)、ジヒドロフェナントレン(たとえば、WO 2005/014689にしたがう)、シス-およびトランス-インデノフルオレン(たとえば、WO2004/041901もしくはWO2004/113412にしたがう)、ケトン(たとえば、WO2005/040302にしたがう)、フェナントレン(たとえば、WO2005/104264もしくはWO0207/017066にしたがう)または複数のこれらの単位から選ばれる。ポリマー、オリゴマーおよびデンドリマーは、さらなる単位、たとえば、正孔輸送単位、特に、トリアリールアミン系のもの、および/または電子輸送単位をも含んでもよい。さらに、ポリマーは、共重合された、またはブレンドとして混合されたかのいずれかの形態で三重項エミッターを含んでもよい。特に、本発明のオリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーと三重項エミッターの組み合わせは、特に良好な結果を生じる。
【0067】
さらに、本発明の化合物は、また、さらに官能化され、そのため拡張された構造に変換されてもよい。ここで、言及されてもよい例は、スズキ法によるアリールボロン酸との、またはハートウイッグ-ブッフバルト法による一級あるいは二級アミンとの反応である。
したがって、本発明の化合物は、また、燐光金属錯体に直接、または他の金属錯体にも結合することもできる。
【0068】
本発明の化合物は、電子素子、特に、有機エレクトロルミッセンス素子での使用に適している。
【0069】
したがって、本発明は、さらに、本発明の化合物の電子素子での、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子での使用に関する。
【0070】
本発明の意味での電子素子は、少なくとも一つの有機化合物を含む少なくとも一つの層を含む素子という意味で使われる。素子は、また、無機材料または無機材料から完全に構築された層をも含んでよい。
【0071】
電子素子は、好ましくは、有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、染料感受性有機太陽電池(DSSC)、有機光学検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)および有機レーザーダイオード(O-laser)および「有機プラズモン発光素子」(D. M. Koller et al., Nature Photonics 2008, 1-4)より成る群から選ばれるが、好ましくは、有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)、特に、好ましくは、燐光OLEDである。
【0072】
有機エレクトロルミネセンス素子は、カソード、アノードおよび少なくとも一つの発光層を含む。これらの層とは別に、さらなる層、たとえば、各場合に、一以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電子ブロック層および/または電荷生成層をも含んでもよい。たとえば、励起子ブロック機能を有する中間層も、同様に二個の発光層の間に導入することもできる。しかしながら、これらの層の夫々は、必ずしも存在する必要がないことに留意する必要がある。ここで、有機エレクトロルミネセンス素子は、一つの発光層を含んでもよくまたは複数の発光層を含んでもよい。複数の発光層が存在するならば、これらは、好ましくは、380nm〜750nm間に全体で複数の最大発光を有し、全体として、白色発光が生じるものであり、換言すれば、蛍光若しくは燐光を発することができる種々の発光化合物が、発光層に使用される。特に、好ましいのは、3個の発光層を有する構造であり、ここで、その3層は、青色、緑色及びオレンジ色もしくは赤色発光を呈する(基本構造については、例えば、WO 2005/011013参照。)。本発明の有機エレクトロルミッセンス素子は、タンデムOLED、特に、また、白色発光OLEDであってよい。
【0073】
上記示される具体例にしたがう本発明による化合物は、その正確な構造に応じて、種々の層に使用することができる。好ましいものは、式(1)、(2)もしくは(3)の化合物または上記好ましい態様を、その正確な置換に応じて、蛍光もしくは燐光エミッターのためのマトリックス材料として、および/または蛍光エミッターとして、特に、青色蛍光エミッターとして、および/または電子ブロック層中または励起子ブロック層中、および/または正孔輸送層中に、および/または正孔ブロック層中に、および/または電子輸送層中に含む有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0074】
本発明のさらなる態様では、有機エレクトロルミネッセンス素子は、本発明の化合物を光学アウトカップリング層中に含む。ここで、光学アウトカップリング層は、光のアウトカップリングを改善するために、アノードとカソードとの間に位置せずに、実際の素子の外側の電極、たとえば、電極と基板との間に適用される層という意味で使われる。
【0075】
本発明の好ましい態様では、本発明の化合物は、発光層中で、蛍光もしくは燐光化合物、特に、燐光化合物のためのマトリックス材料として使用される。ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子は、一つの発光層を含んでもよく、もしくは複数の発光層を含んでもよく、ここで、少なくとも一つの発光層は、少なくとも一つの本発明による化合物をマトリックス材料として含む。
【0076】
本発明の化合物が、発光層中で、発光化合物のためのマトリックス材料として使用されるならば、好ましくは、一以上の燐光材料(三重項エミッター)と組み合わせて使用される。本発明の意味での燐光発光は、比較的高いスピン多重度、すなわち、スピン状態>1の励起状態から、特に、励起三重項状態からのルミネッセンスという意味で使われる。本発明の意味で、遷移金属もしくはランタノイドを含むすべてのルミネッセンス錯体、特に、すべてのイリジウム、白金および銅錯体が、燐光化合物とみなされるべきである。
【0077】
本発明の化合物と発光化合物の混合物は、エミッターとマトリックス材料を含む全混合物を基礎として、本発明の化合物を、99〜1vol%、好ましくは、98〜10vol%、特に、好ましくは、97〜60vol%、特に、95〜80vol%含む。対応して、混合物は、エミッターとマトリックス材料を含む全混合物を基礎として、エミッターを1〜99vol%、好ましくは、2〜90vol%、特に、好ましくは、3〜40vol%、特に、5〜20vol%含む。
【0078】
本発明のさらに好ましい態様は、本発明の化合物の、さらなるマトリックス材料と組み合わせての燐光エミッターのためのマトリックス材料としての使用である。本発明の化合物と組み合わせて使用することのできる、特に、適切なマトリックス材料は、たとえば、WO 2004/013080、WO 2004/093207、WO 2006/005627もしくはWO 2010/006680にしたがう芳香族ケトン、芳香族ホスフィンオキシドまたは芳香族スルホキシドもしくはスルホン、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、たとえば、CBP(N,N-ビスカルバゾリルビフェニル)または、WO 2005/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527もしくはWO 2008/086851に記載されたカルバゾール誘導体、未公開出願EP11007693.2に開示されたカルバゾール誘導体、たとえば、WO 2007/063754もしくはWO 2008/056746にしたがうインドロカルバゾール誘導体、WO2010/136109もしくはWO2011/000455にしたがうインデノカルバゾール誘導体、たとえば、EP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160にしたがうアザカルバゾール誘導体、たとえば、WO 2007/137725にしたがうバイポーラーマトリックス材料、たとえば、WO 2005/111172にしたがうシラン、たとえば、WO 2006/117052にしたがうアザカルバゾールもしくはボロン酸エステル、たとえば、WO 2007/063754、WO 2008/056746、WO 2010/015306、WO 2011/057706、WO 2011/060859もしくはWO2011/060877にしたがうトリアジン誘導体、たとえば、EP 652273もしくはWO 2009/062578にしたがう亜鉛錯体、たとえば、WO 2010/054729にしたがうジアザシロールもしくはテトラアザシロール誘導体、たとえば、WO 2010/054730にしたがうジアザホスホール誘導体、たとえば、WO 2011/042107、WO 2011/060867、WO 2011/088877および未公開出願EP11003232.3,にしたがう架橋カルバゾール誘導体、たとえば、WO 2012/048781にしたがうトリフェニレン誘導体である。通常のエミッターより、より短い波長で発光するさらなる燐光エミッターが、同様に、コホストとして混合物中に存在してもよい。
【0079】
適切な燐光発光化合物(三重項エミッター)、特に、好ましくは、可視域で適切な励起により発光する化合物は、加えて、20より大きい原子番号、好ましくは、38〜84の原子番号、特に、好ましくは、56〜80の原子番号を有する少なくとも一つの原子、特に、この原子番号を有する金属を含む。使用される燐光発光エミッターは、好ましくは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金またはユウロピウムを含む化合物、特に、イリジウムまたは白金を含む化合物である。
【0080】
上記のエミッターの例は、出願WO 00/70655、WO 2001/41512、WO 2002/02714、WO 2002/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614、WO 2005/033244、WO 2005/019373、US2005/0258742、WO 2010/086089 WO 2011/157339もしくは WO2012/007086により明らかにされている。また、適切なのは、未公開出願EP11004545.7、EP 11005252.9およびEP 11006562.0に開示された金属錯体である。一般的には、燐光発光OLEDのために先行技術にしたがって使用され、有機エレクトロルミネッセンス素子分野の当業者に知られるようなすべての燐光発光錯体が適切であり、当業者は進歩性を必要とすることなく、更なる燐光発光化合物を使用することができよう。
【0081】
本発明のさらなる態様では、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、別々の正孔注入層および/または正孔輸送層および/または正孔ブロック層および/または電子輸送層を含まず、たとえば、WO 2005/053501に記載されるとおり、発光層は、正孔注入層もしくはアノードに直接隣接し、および/または発光層は、電子輸送層もしくは電子注入層もしくはカソードに直接隣接する。さらに、たとえば、WO 2009/030981に記載されるとおり、発光層中の金属錯体と同一または類似する金属錯体を、発光層に直接隣接して、正孔輸送もしくは正孔注入材料として使用することも可能である。
【0082】
好ましいのは、式(1)、(2)もしくは(3)の化合物の、正孔輸送層、正孔注入、電子ブロックもしくは励起子ブロック層中での使用である。
【0083】
本発明の好ましい態様では、式(1)、(2)もしくは(3)の化合物は、正孔輸送材料として使用される。化合物は、そこで、好ましくは、正孔輸送層および/または正孔注入層中で使用される。本発明の意味での正孔注入層は、アノードに直接隣接する層である。本発明の意味での正孔輸送層は、正孔注入層と発光層との間に位置する層である。正孔輸送層は、発光層に直接隣接してよい。
【0084】
式(1)、(2)もしくは(3)の化合物が、正孔輸送材料または正孔注入材料として使用されるならば、それらは、電子受容体化合物で、たとえば、F
4-TCNQとまたはEP1476881もしくはEP1596445に記載されるとおりの化合物でドープされるのが好ましいかもしれない。
【0085】
適切なドーパントは、原則として、電子受容体化合物であり、ホストの酸化により有機層の伝導性を増加することができる全ての化合物である。当業者は、その一般的専門知識に基づいてさしたる努力もなくさらに適切な化合物を同定し、それらを本発明の化合物と組み合わせて使用することができるであろう。特に、適切なドーパントは、WO 2011/073149、EP1968131、EP2276085、EP2213662、EP17226022、EP2045848、DE102007031220、US 8044390、US 8057712、WO 2009/003455、WO2010/094378、WO2011/120709、 US2010/0096600およびWO2012/095143に開示された化合物である。
【0086】
本発明のさらに好ましい態様では、式(1)、(2)もしくは(3)の化合物は、US2007/0092755に記載されたとおりのヘキサアザトリフェニレン誘導体と組み合わせて、正孔輸送材料として使用される。ここで、ヘキサアザトリフェニレン誘導体は、特に、好ましくは、別の層中で使用される。
【0087】
式(1)、(2)もしくは(3)の化合物が、正孔輸送層中で正孔輸送材料として使用されるならば、化合物は、正孔輸送層中で純粋材料として、すなわち100%の割合で使用されてもよいか、正孔輸送層中で一以上のさらなる化合物と組み合わせて使用されてよい。
【0088】
本発明のなおさらに好ましい態様では、本発明の化合物は、電子輸送もしくは電子注入層中で電子輸送材料として使用される。ここで、発光層は蛍光または燐光であってよい。
化合物が電子輸送材料として使用されるならば、化合物は、たとえば、LiQ(リチウムヒドロキシキノリナート)等のアルカリ金属錯体でドープされることが好ましいかもしれない。
【0089】
本発明のなおさらに好ましい態様では、本発明の化合物は、正孔ブロック層で使用される。正孔ブロック層は、カソード側で発光層に直接隣接する層という意味で使われる。
【0090】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子のさらなる層では、先行技術にしたがって通常使用されるすべての材料を使用することができる。したがって、当業者は、発明性を要することなく、本発明による式(1)の化合物もしくは上記示された好ましい態様と組み合わせて、有機エレクトロルミネッセンス素子のために知られたすべての材料を使用することができる。
【0091】
更に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、昇華プロセスにより適用され、材料は、10
−5mbar未満、好ましくは、10
−6mbar未満の初期圧力で、真空昇華ユニット中で真空気相堆積されることを特徴とする。しかしながら、初期圧力は、さらにより低くても、たとえば、10
−7mbar未満でも可能である。
【0092】
同様に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセスもしくはキャリアガス昇華により適用され、材料は、10
−5mbar〜1barの圧力で適用される。このプロセスの特別な場合は、OVJP(有機気相ジェット印刷)プロセスであり、材料はノズルにより直接適用され、そのように構造化される(たとえば、M. S. Arnold et al., Appl. Phys. Lett. 2008, 92, 053301)。
【0093】
更に、好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、溶液から、たとえば、スピンコーティングにより、もしくは、たとえば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、LITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)、インクジェット印刷もしくはノズル印刷のような任意の所望の印刷プロセスにより製造されることを特徴とする。
たとえば、適切な置換により得られた可溶性の化合物が、この目的のために必要である。
【0094】
たとえば、一以上の層が溶液から適用され、一以上のさらなる層が気相堆積により適用されるハイブリッドプロセスも可能である。
【0095】
これらのプロセスは、当業者に一般的に知られており、本発明の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を、発明性を要することなく適用することができる。
【0096】
本発明による化合物と本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、先行技術を凌駕する以下の驚くべき優位性により特徴付けられる。
【0097】
1.本発明による化合物は、蛍光もしくは燐光エミッターのためのマトリックス材料として使用され、非常に高い効率と長い寿命をもたらす。これは、特に、化合物が燐光エミッターのためのマトリックス材料として使用されるときに、あてはまる。
【0098】
2.本発明による化合物は、赤色燐光発光化合物のためのマトリックスのみならず、特に、青色燐光発光化合物のためのマトリックスとして適している。
【0099】
3.本発明の化合物は、正孔輸送層または電子ブロック層での使用のために非常に極めて適しており、電子素子の非常に良好な効率と寿命をもたらす。
【0100】
4.本発明の化合物は、非常に高い収率と非常に高い純度で調製することができ、材料の損失に常に関連もする錯体の精製を省略することができ、少なくともかなり低減した範囲で必要なだけである。
【0101】
5.本発明は、高い熱安定性を有し、真空蒸発によるOLEDの製造だけでなく、昇華法による精製でも優位性を提供する。
【0102】
これらの上記優位性は、その他の電子特性を損なうことはない。
【0103】
本発明は、次の例により詳細に説明されるが、それにより限定することを望むものではない。当業者は、発明性を要することなく、開示された範囲全体を実行し、本発明による化合物をさらに調製し、それらを電子素子で使用し、本発明によるプロセスを使用するために説明を使用することができるだろう。
【0104】
例
以下の合成は、他に断らない限り、保護ガス雰囲気下、無水溶媒中で行われる。溶媒と試薬は、アルドリッチ(ALDRICH)またはABCRから購入することができる。商業的に入手できない出発材料の場合に示される括弧内の番号は、対応するCAS番号である。
【0105】
例1:(2-ブロモフェニル)フェニル-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン、シントンS1
【化19】
【0106】
50ml(50ミリモル)のトリ-tert-ブチルホスフィン(トルエン中1M)、5.6g(25ミリモル)の酢酸パラジウム(II)と、5分間攪拌後に、115.3g(1.2ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドが、211.3g(1モル)のメシチルフェニルアミン[23592-67-8]、311.3g(1.1モル)の1-ブロモ-2-ヨードベンゼン[583-55-1]と1500mlのトルエンの混合物に添加され、混合物は、次いで。還流下16時間加熱される。冷却後、500mlの水が、攪拌されながら添加され、水性相が分離され、有機相は500mlの飽和塩化ナトリウム溶液でその度毎に二度洗浄され、硫酸マグネシウムで乾燥され、トルエンは真空除去され、残る油状物は、約1000mlの1-ブタノールから再結晶化される。収率:224.0g(611ミリモル)、61%;純度:NMRによると、生成物は約15%の(2-ヨードフェニル)フェニル-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミンを含み、さらに精製することなく、引き続き反応される。
【0107】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化20-1】
【化20-2】
【0108】
例6:10-メシチルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化21】
【0109】
100ml(250ミリモル)のn-ブチルリチウム(n-ヘキサン中2.5M)が、750mlのTHF中の91.6g(250ミリモル)の(2-ブロモフェニル)フェニル-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン(S1)の−78℃に冷却され激しく攪拌された懸濁液に滴下され、混合物はさらに30分間攪拌される。49.1g(250ミリモル)のキサントン[90-47-1]の懸濁液が、引き続き滴下され、反応混合物はさらに15分間攪拌され、ついで、室温までゆっくりと暖められる。溶媒は真空中で完全に除去され、油状残留物は、氷酢酸で700mlとされ、懸濁液は、70℃で4時間攪拌される。冷却後、固形物は吸引ろ過され、100mlの氷酢酸でその度毎に二度、100mlのエタノールでその度毎に二度洗浄され、真空乾燥され、粗生成物は約200mlのジオキサンから再結晶化される。収率:84.8g(182ミリモル)、73%;NMRによる純度約99.5%。
【0110】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化22-1】
【化22-2】
【化22-3】
【化22-4】
【化22-5】
【化22-6】
【化22-7】
【化22-8】
【0111】
例11:3-,6-ジブロモ-10-メシチルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化23】
【0112】
55.2g(310ミリモル)のNBSが、35℃に保持された1000mlのジクロロメタン中の69.8g(150ミリモル)の10-メシチルスピロ[アクリジン-9(10H),9’ -キサンテン]の溶液に小分けに添加され、次いで、混合物は還流下16時間攪拌される。
冷却後、ジクロロメタンは真空除去され、ペースト状残留物はメタノールで500mlにされ、45℃でさらに1時間攪拌され、結晶固形物は、吸引ろ過され、100mlのメタノールでその度毎に二度洗浄され、真空乾燥される。収率:87.0g(140ミリモル)、93%;NMRによる純度約99.5%。
【0113】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化24-1】
【化24-2】
【化24-3】
【化24-4】
【化24-5】
【0114】
例14:3,6-ジフェニル-10-メシチルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化25】
【0115】
62.3g(100ミリモル)の3-,6-ジブロモ-10-メシチルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]、30.5g(250ミリモル)のフェニルボロン酸、63.7g(300ミリモル)の燐酸三カリウム、1.8g(6ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィン、225mg(1ミリモル)の酢酸パラジウム(II)、400mlのトルエン、200mlのジオキサンと400mlの水の混合物が、還流下16時間攪拌される。冷却後、有機相は分離され、500mlの水で一度、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で一度洗浄され、次いで硫酸マグネシウムで乾燥される。乾燥剤は、セライトベッドによりろ過され、トルエンですすがれ、トルエンは真空除去され、残留物は、沸点でエタノール(1−2ml/g)を添加されたジオキサン(3ml/g)から五度再結晶化される。さらなる精製が、分別昇華により二度実行される(pは、約10
−6mbar、T=300−320℃)。収率:20.4g(33ミリモル)、33%、;PLCによる純度>99.9%。
【0116】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化26-1】
【化26-2】
【化26-3】
【化26-4】
【化26-5】
【化26-6】
【化26-7】
【化26-8】
【化26-9】
【化26-10】
【化26-11】
【化26-12】
【化26-13】
【化26-14】
【化26-15】
【化26-16】
【化26-17】
【化26-18】
【0117】
例86:3,6-ジフェニル-10-m-ビフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化27】
【0118】
50.0g(100ミリモル)の3-,6-ジフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]、Ex.60、30.3g(130ミリモル)の3-ブロモ-1,1'-ビフェニル[2113-57-7]、14.4g(150ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシド、526mg(2.6ミリモル)のトリ-tert-ブチルホスフィン、449mg(2ミリモル)の酢酸パラジウム(II)と500mlのo-キシレンの混合物が、アミンが消費されるまで、還流下8時間加熱される。60℃まで冷却後、500mlの水が添加され、有機相は分離され、有機相は、500mlの水で一度、500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で一度洗浄され、次いで硫酸マグネシウムで乾燥される。乾燥剤は、セライトベッドによりろ過され、o-キシレンですすがれ、o-キシレンは真空除去され、残留物は、沸点でエタノール(1−2ml/g)を添加されたジオキサン(3ml/g)から五度再結晶化される。さらなる精製が、分別昇華により二度実行される(pは、約10
−6mbar、T=300−320℃)。収率:26.7g(41ミリモル)、41%、HPLCによる純度>99.9%。
【0119】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化28-1】
【化28-2】
【化28-3】
【化28-4】
【化28-5】
【化28-6】
【化28-7】
【化28-8】
【化28-9】
【化28-10】
【0120】
例108:3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-フェニル-10-p-ビフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化29】
【0121】
65.4g(100ミリモル)の3-ブロモ-6-フェニル-10-p-ビフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]、Ex.12、27.9g(110ミリモル)のビス(ピナコラート)ジボラン[73183-34-2]、29.5g(300ミリモル)の酢酸カリウム、200gのガラスビーズ(直径3mm)、561mg(2ミリモル)のトリシクロヘキシルホスフィン、249mg(1ミリモル)の酢酸パラジウム(II)と1000mlのジオキサンの混合物が、臭化物が消費されるまで、80℃で16時間攪拌される。冷却と溶媒の真空除去後、残留物は酢酸エチルで1000mlにされ、セライトベッドによりろ過され、ろ過物は、真空蒸発され、部分的に結晶化され、最後に約100mlのメタノールが滴下され、結晶化を完了させる。収率:61.0g(87ミリモル)、87%;純度:
1H-NMRにより約97%。
【0122】
対応するボロン酸エステル、Ex.109は、同様にして3-ブロモ-7-フェニル-10-m-ビフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]、Ex.39から調製することができる。
【0123】
例110:3,6-ジフェニル-10-(4,6-ジフェニルピリミジン-2-イル)スピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]
【化30】
【0124】
4.8g(120ミリモル)の水素化ナトリウム、60重量%の鉱物油中の分散物が、500mlのDMF中の50.0g(100ミリモル)の3-,6-ジフェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-キサンテン]、Ex.60、の懸濁液に小分けにして添加され、混合物は、室温で30分間攪拌される。500mlのTHF中の32.0g(120ミリモル)の2-クロロ-4,6-ジフェニルピリミジン[2915-16-4]溶液が、ついで、30分間かけて滴下され、混合物は、室温でさらに16時間攪拌される。反応混合物は、激しく攪拌されながら、2000gの氷上に注がれ、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、300mlのメタノールでその度毎に三度、ついで、300mlのn-ヘプタンでその度毎に三度洗浄され、真空乾燥される。粗生成物は、熱トルエンで1000mlにされ、セライトベッドによりろ過され、ろ過物は、真空蒸発され、部分的に結晶化され、最後に100mlのメタノールが滴下され、結晶化を完了させる。再結晶化は、ジオキサンから実行され、二度分別昇華が続く(pは、約10
−6mbar、T=300−330℃)。収率:28.5g(39ミリモル)、39%;純度:HPLCにより>99.9%。
【0125】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化31-1】
【化31-2】
【0126】
例115:3,6-ビス(2-メチフェニル)-10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(2,7-ビスジフェニルホスフィノ)キサンテン]
【化32】
【0127】
a)10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(2,7-ビスジフェニルホスフィノ)キサンテン]、Ex.116
【化33】
【0128】
2.5モルのn-ヘキサン中の80.0ml(200ミリモル)のn-BuLiが、1000mlのTHF中の58.1g(100ミリモル)の10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(2,7-ジブロモ)キサンテン]、Ex.28の−78℃に冷却され激しく攪拌された溶液に滴下され、混合物はさらに1時間攪拌される。48.5g(220ミリモル)のクロロジフェニルホスフィン[1079-66-7]と100mlのTHFの混合物が、ついで、ゆっくりと滴下され、混合物はさらに30分間攪拌され、ついで、室温まで暖められ、THFはついで真空除去され、残留物は、酢酸エチルで1000mlとされ、100mlの水と20.6ml(200ミリモル)の30重量%過酸化水素の混合物が、非常に激しく攪拌されながら、添加される。16時間攪拌後、反応混合物は、真空中で約200mlまで蒸発され、300mlエタノールが添加され、混合物はさらに2時間攪拌される。沈殿した固形物は吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、真空乾燥される。こうして得られた固形物は、DMF/エタノールから再結晶化される。収率:48.6g(59ミリモル)、59%;純度:
1H-NMRにより>98%。
【0129】
b)3,6-ジブロモ-10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(ビス-2,7-ジフェニルホスフィノ)キサンテン]
【化34】
【0130】
NBS臭素化物化:Ex.11と同じ手順。バッチは、41.2g(50ミリモル)の10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(ビス-2,7-ジフェニルホスフィノ)キサンテン]、工程a)と19.6g(110ミリモル)のNBS。収率:47.1g(48ミリモル)、96%;純度:
1H-NMRにより>98%。
【0131】
c)3,6-ビス(2-メチフェニル)-10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(ビス-2, 7-ジフェニルホスフィノ)キサンテン]
スズキカップリング:Ex.14と同じ手順。バッチは、47.1g(48ミリモル)の3,6-ジブロモ-10-フェニルスピロ[アクリジン-9(10H),9’-(ビス-2,7-ジフェニルホスフィノ)キサンテン] 、工程b)と17.0g(125ミリモル)の2-トリルボロン酸[16419-60-6]。収率:17.0g(17ミリモル)、35%;純度:HPLCにより>99.9%。
【0132】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化35-1】
【化35-2】
【0133】
例120:
【化36】
【0134】
a)(6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン-2イル)-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン
【化37】
【0135】
404mg(2ミリモル)のトリ-tert-ブチルホスフィンと次いで225mg(100ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、38.9g(100ミリモル)の2-ブロモ-6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン、13.5g(100ミリモル)の2,4,6-トリメチルフェニルアミン、12.5g(130ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドと500mlのトルエンの混合物に添加され、混合物は、還流下16時間加熱される。冷却後、300mlの水が添加され、有機相は分離され、硫酸マグネシウムで乾燥され、ついで、セライトベッドでろ過され、トルエンは真空除去される。収率:38.7g(87ミリモル)、87%;純度:
1H-NMRにより約95%。
【0136】
b)(2-ブロモフェニル)-(6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン-2イル)-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン
【化38】
【0137】
ブッフバルトカップリング:Ex.1と同じ手順。バッチは、22.2g(50ミリモル)の(6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン-2イル)-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン、工程a)収率:19.8g(33ミリモル)、66%;純度:
1H-NMRにより>98%。
【0138】
c)
Ex.6と同じ手順。バッチは、18.0g(30ミリモル)の(2-ブロモフェニル)-(6, 6,12,12-テトラメチル-6,12-ジヒドロインデノ[1,2-b]フルオレン-2イル)-(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン、工程b)。DMFからの四度の再結晶化と二度の分別昇華(pは、約10
−6mbar、T=300−320℃)による精製。収率:6.3g(9ミリモル)、30%、純度:HPLCにより>99.9%。
【0139】
以下の化合物を同様にして、得ることができる。
【化39-1】
【化39-2】
【0140】
OLEDの製造
本発明によるOLEDと先行技術にしたがうOLEDが、WO 2004/058911にしたがう一般的プロセスにより製造されるが、ここに記載される状況(層の厚さの変化、材料)に適合される。
【0141】
種々のOLEDの構造とデータが、以下の例で示される(表1〜11参照)。厚さ150nmの構造化されたITO(インジウム錫酸化物)で被覆されたガラス板が、改善された加工のために、20nmのPEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシ-2,5-チオフェン)で水からのスピンコート、H.C.Stack,Goslar独から購入。)で被覆される。これらの被覆されたガラス板は、実験のための基板を形成する。V1、V2およびD1〜D15は、追加的なPEDOT層を持たず、例D16〜D119とD−W1で使用される。OLEDがそれらに適用される。
【0142】
すべての材料は、真空室において、熱気相堆積により適用される。OLEDの製造のために必要とされる材料は、表12に示される。ここで、発光層は、常に、少なくとも一つのマトリックス材料(ホスト材料)と、共蒸発により一定の体積割合でマトリックス材料または材料と予備混合される発光ドーパント(エミッター)とから成る。ここで、H1(95%):SEB(5%)等の表現は、材料H1が95体積%の割合で層中に存在し、SEB1が5体積%の割合で層中に存在することを意味する。同様に、電子輸送層も、二種の材料の混合物から成ってもよい。
【0143】
OLEDは、標準方法により特性決定される。この目的のために、エレクトロルミネセンススペクトル、ランベルト発光特性を仮定して、電流/電圧/輝度特性線(IUL特性線)から計算した、輝度の関数としての電流効率(cd/Aで測定)、パワー効率(Im/Wで測定)、外部量子効率(EQE、パーセントで測定)ならびに寿命が測定される。エレクトロルミネセンススペクトルは、輝度1000cd/m
2で測定され、CIE1931xおよびy色座標はそこから計算される。表2での用語U@1000cd/m
2は、輝度1000cd/m
2に対して必要とされる電圧を示す。最後に、EQE@1000cd/m
2は、駆動輝度1000cd/m
2での外部量子効率である。LT80@6000cd/m
2は、OLEDが輝度6000cd/m
2から60%まで、すなわち4800cd/m
2まで低下した寿命である。
【0144】
本発明の化合物の蛍光もしくは燐光OLEDでの使用
OLEDは、基本的に、次の層構造を有する:基板/随意に、正孔注入層(HIL)/正孔輸送層(HTL)/中間層1(IL)/正孔輸送層(HTL2)/電子ブロック層(EBL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/随意に、電子注入層(EIL)および最後にカソード。カソードは、100nm厚のアルミニウム層により形成される。OLEDの正確な構造は、表に示される。
【0145】
本発明の化合物は、OLED中で、HTM(正孔輸送材料)またはEBM(電子ブロック材料)として、特に、適している。それらは、単一層としてのみならず。HTM、EBMとしての混合成分としてもまたは発光層中の構成成分としての使用に適している。先行技術にしたがう比較例の素子(V1とV2)と比べると、本発明の化合物を含む全ての試料は、より高い効率および/または改善された寿命を示す。参照材料NPBと比べると、本発明の化合物は、より良好な効率とより良好な寿命を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0146】
本発明の化合物のp-ドープされた正孔輸送層構造を有する蛍光および燐光OLEDでの使用
p-ドープされた正孔輸送構造をもつOLEDは、次の層構造を有する:基板/正孔注入層(HIL1、20nm)/正孔輸送層(HTL3,青色一重項エミッターをもつ素子に対して140nmまたは緑色もしくは黄色三重項エミッターをもつ素子に対して190nm)/正孔輸送層(本発明によるHTL、NovaledからのNPD-9(3%)でドープ、20nm)/正孔輸送層(本発明によるHTL、20nm)/発光層(EML、20nmまたは40nm、表参照)/正孔ブロック層(HBL、青色三重項素子の場合、10nm、表参照)/電子輸送層(ETL、30nm)/随意に、電子注入層(EIL)および最後にカソード。カソードは、100nm厚のアルミニウム層により形成される。OLEDの正確な構造と結果は、表5〜8に示される。OLEDの製造のために必要とされる材料は、表12に示される。
【表5-1】
【表5-2】
【表6-1】
【表6-2】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【0147】
本発明の化合物の白色OLEDでの使用
次の層構造を有する白色発光OLEDが、一般的プロセスにより製造される:基板/正孔注入層(HIL1、20nm)/正孔輸送層(HIL3,40nm)/正孔輸送層(本発明によるHTL、NovaledからのNPD-9(3%)でドープ、20nm)/正孔輸送層(本発明によるHTL、200nm)/発光層(EML、表参照)/正孔ブロック層(HBL、10nm、表参照)/電子輸送層(ETL、30nm)/随意に、電子注入層(EIL)および最後にカソード。カソードは、100nm厚のアルミニウム層により形成される。OLEDの正確な構造と結果は、表9と10に示される。OLEDの製造のために必要とされる材料は、表12に示される。
【表9】
【表10】
【0148】
本発明の化合物の溶液から加工されるOLEDでの使用
本発明の化合物は、また、溶液から加工することができ、真空加工OLEDと比べて、顕著により単純な加工であるが、良好な特性を持つOLEDをもたらす。この型の素子の製造は、ポリマー発光ダイオード(PLED)を基礎としており、文献(たとえば、WO 2004/037887 A2)に何度も既に記載されてきた。
【0149】
構造は、ITO/PEDOT(80nm)/中間層(80nm)/発光層(80nm)/カソードとから成る。このために、ITO構造(インジウム錫酸化物、透明導電性アノード)が適用されたテクノプリント社からの基板(ソーダライムガラス)が、使用される。基板は、クリーンルーム内でDI水と洗剤(デコネックス15PF)で洗浄され、ついで、UV/オゾンプラズマ処理により活性化される。80nmのPEDOT層(PEDOTは、ポリチオフェン誘導体(バイトロンPVAI4083sp)H.C.Stack,Goslar製、水性分散液として供される)が、次いで、同様に、クリーンルーム内で、スピンコーティングによりバッファー層として適用される。必要とされるスピン速度は、希釈度と特定のスピンコーターの形状に依存する(典型的には80nmで4500rpm)。層から残留水を除去するために、基板は、ホットプレート上で180℃10分間加熱により乾燥される。使用される中間層は正孔注入機能を有し、この場合メルク社からのHIL−012が使用される。中間層は、代替として一以上の層により置き代えられてもよく、溶液からのEMLの引き続く加工工程で再度剥がれないという条件だけを満足する必要がある。発光層を製造するために、本発明のエミッターは、マトリックス材料とともにトルエン中に溶解される。ここで、素子に対する典型的層厚80nmがスピンコーティングにより達成されるならば、この溶液の典型的な固形物含量は16および25g/lである。溶液加工素子は、(ポリスチレン):Ex.:H7:IrL(D-L1〜D-L6)または(ポリスチレン):Ex.:Ex.:IrL(D-L7)(15%:25%:50%:10%)を含む発光層(EML)を含む。発光層は、不活性ガス、本場合にはアルゴン雰囲気下、スピンコーティングされ、130℃で30分間の加熱により乾燥される。最後に、バリウム(5nm)と次いでアルミニウム(100nm)(アルドリッチ製高純度金属、特に、99.99%バリウム(注文番号474711);レスカー社等製気相堆積ユニット、典型的真空レベルは5×10
−6mbar)とを含むカソードが、気相堆積によって適用される。
最後に、正孔ブロック層と次いで電子輸送層と次いでカソード(たとえば、AlまたはLiF/Al)を、随意に真空気相堆積により適用することができる。素子を空気と周囲湿度から保護するために、素子は、最後に、密封され、次いで、特性決定される。所与のOLED例は、未だ特性決定されておらず、表11は得られたデータを要約する。
【表11】
【表12-1】
【表12-2】