(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリマーを形成する前記反応性化合物が、ウレタン、エポキシ、尿素ホルムアルデヒド、ビニル、アルコキシシラン、オキセタン、アジリジン、フェノール樹脂、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、スチリル、アリル、ビニルアミド、ビニルアミン、マレイミド、マリエート、イタコネート、クロトネート、酸無水物、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、カルボジイミド及び同様の化合物のポリマー及びコポリマー、またはこれらの組合せからなる群から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
押出ハニカムセラミックでつくられたディーゼル微粒子フィルタ及び触媒基体は現行及び将来の排ガス法に合わせるために設計された最近のエンジン後処理システムの枢要コンポーネントである。コージエライトが、基体用に選ばれる現在主流の材料であり、ディーゼル微粒子フィルタにも、特に高負荷用途に対して、用いられる。コージエライトベースフィルタはガソリン微粒子フィルタについても、将来の排ガス基準がそのようなフィルタの必要性を要求するはずであるから、考慮される。他の選択対象の材料には、再結晶化されているかまたはSiに結合された、安定化チタン酸アルミニウム(AT)及び炭化ケイ素(SiC)がある。
【0004】
そのような製品は一般に、押出プロセスと、後続する乾燥及び高温熱処理(焼成)プロセスによって製造される。フィルタについては、ハニカムチャネルを閉塞するための工程がさらに必要になる。コージエライト及びチタン酸アルミニウムのハニカムは、そのための押出バッチが、焼成工程中に反応して完成セラミックを形成する、アルミナ、シリカ、チタニア、等のような前駆体材料を主に含む、合成セラミックである。レオロジー特性を調節するため及び所望の構造をもつ微細孔の形成を補助するための成分がさらに添加される。最終材料は高温熱処理中の原材料の化学反応後にしか得られないから、処理前のハニカム構造及びバッチ材料は通常、「生地」状態にあると称される。
【0005】
あり得る材料の違いに加えて、フィルタ及び基体に今日用いられるハニカム構造は、一般にセル数/平方インチ(cpsi)(ISO表記ではセル数/m
2)で表される単位面積当たりのセル数、ウエブ厚及び壁体材料の細孔特性、すなわち多孔度及び細孔径分布にも違いがある。工業的に今日製造される押出製品は、流入面から流出面まで壁体に沿い、及び1つのチャネルから隣接チャネルまでウエブにかけて、基本的に一様な多孔度及び細孔径分布を有し、細孔特性は主に生地バッチの組成及びその後の熱処理工程によって決定される。さらに、そのような製品は流入面から流出面まで、押出ダイの諸元で決定されるような、基本的に一定のウエブ厚を有する。これとは別に、機械的強度を高めるために径方向でウエブ厚が変わる、すなわち中心からスキンに向けてウエブ厚が増大する、製品が市販されている。この変化は一般に、押出ダイの異なる、ただしパーツの主軸に沿っては変化しない、スロット寸法によってつくられる。
【0006】
(ディーゼル微粒子フィルタのようにはチャネルが閉塞されることがない)基体のみを必要とする用途に対しては、触媒活性材料が、一般にウォッシュコーティングプロセスによって、基体上に配される。このプロセスにおいて、触媒活性材料は、触媒材料がその中に分散され、溶解されている、スラリーの形態で塗布される。スリップキャスティング効果に後押しされて、触媒粒子は主に基体の幾何学的表面上に配され、実際には、いくらかの部分が基体の細孔構造内に侵入して被膜と基体壁の間の良好な密着を与えるためのアンカーとしてはたらく。密着の強さを高めるため、多孔度が高く、細孔径が調製された、ウエブ表面が望ましい。しかし、拡散律速により触媒利用効率が低くなるであろう場合には、壁体内への被覆の過剰な侵入を防止するため、多孔度が低く、細孔が微細な、ウエブ表面が望ましい。さらに、多孔度が非常に低い基体は機械的強度において利点を有する。
【0007】
ディーゼルエンジンに今日用いられているような、いわゆるウォールフローフィルタ内部での煤濾過の場合、煤がフィルタ壁にトラップされるにつれて圧力降下が大きくなる。これはエンジン動作及び燃費のいずれの観点からも望ましくない。システムの総圧力降下を管理するため、フィルタは蓄積した炭素ベース材料がその間に酸化される条件に頻繁にさらされる(再生される)。一般に、圧力降下は、チャネルの水力学的直径、フローに対する開口面積及びウエブ厚並びに幾何学的面積または濾過面積に関するハニカムの形状寸法によって決定される。さらに、煤が存在すると、圧力降下は微細構造に侵入する煤(深層濾過)の量によって、またフィルタ壁表面上に蓄積する煤(ケーキ濾過)の量によっても、大きくなる。多孔質壁におけるフロー制限及び高比速度により、圧力降下への(多孔質壁体内部に堆積する)深層煤の影響はケーキとして堆積する煤に比較してかなり大きく現れる。細孔径が減じられ、一般に平均値が〜10μmより小さくされると、この効果が軽減されることが観察されている。細孔径縮小の欠点は、煤がなくとも、壁体透過率が細孔径の平方に比例し、壁体厚に比例して、減少することである。したがって、大細孔径及び高多孔度を有する基体で支持された、小細孔径及び高多孔度のいずれも有する薄い表面層がこれらの問題の少なくともいくつかに対処するに役立つであろう。
【0008】
上述したように、煤の蓄積による圧力降下の増大により、頻繁なフィルタの再生及び蓄積煤の酸化による除去が必要になる。無制御再生と称される、ある条件下ではこの酸化工程中の熱放出がかなりの大きさになり、フィルタ内部の温度上昇を生じさせ得る。極端な場合、これは熱応力よるフィルタ損傷を、さらには融解さえも、生じさせ得る。フィルタ材料に対し、容積熱容量(嵩密度×比熱容量)と過剰に煤の再生過程中に観察されるピーク温度の間に強い相関が見られた。高い容積熱容量値に対しては、低い温度が観察された。この結果、与えられた比熱容量(J/kgK)及び与えられた最高温度を有する与えられた材料に対し、煤量限界を高めるためには高い嵩密度が必要である。高い嵩密度は多孔度が低い材料を用いるかまたは開放チャネル容積が小さい、すなわちウエブが厚い、フィルタを設計することで達成され得る。フィルタ用途において、最高温度は通常フィルタ出口に見られ、よって、出口を高密度にすることで温度の上昇が軽減されるであろう。しかし、圧力降下に関しては、多孔度が高く、壁体が薄いフィルタが望ましい。基体について上述したトレードオフと同様、フィルタ構造もこれらの対立する特性のバランスをとるように最適化されなければならないが、そのような構造が連続押出プロセスで経済的に得られるかは示されていない。
【0009】
触媒活性材料は現在、基体だけでなく、いくつかのフィルタにも塗布されている。閉塞微粒子フィルタの触媒被膜は一般に多孔質壁体構造の内側に見られる。これは、多くの場合、透過率の観点から望ましく、フィルタチャネルの交互する閉塞パターンによりスラリーが壁体を通して押し流されるコーティングプロセスによって駆動されることが多い。普遍的な限界は、ウエブまたは壁体にわたる、すなわち、1つより多くの触媒活性の存在により、触媒機能のいかなる分離も技術的に達成が困難なことである。壁体の一方の側に小細孔を有する非対称細孔構造があれば、壁体のこの側から塗布されるスラリーの触媒粒子をふるい分け/スリップキャストして、細孔構造への実質的な浸入を防止するに役立つであろう。ウエブに他方の側から別の触媒材料を塗布して、例えば、多孔質壁体内に堆積させることができるであろう。ウエブにわたって一様な細孔径及び細孔構造の現行フィルタ製品では、これは不可能ではないとしても、達成には最善でも多大の努力が必要である。
【0010】
上記の用途例は、包括的ではないが、流入口から流出口までウエブに沿って、または1つのチャネルから隣接チャネルまでウエブにかけて、異なる特性を有するウエブをもつ基体本体及びフィルタ基体本体に対するニーズを示す。しかし、そのような構造を連続押出プロセスによる経済的に実行可能な態様で得ることはできない。ウエブスケールでそのような可変性をもつ構造を形成するための既存の方法は焼結基体本体に、上述した触媒塗布プロセスに類似の、スラリー塗布に基づく。しかし、これらの方法では追加の熱処理工程が必要であり、一般に、熱応力を生じさせるであろう異なる熱機械的特性をもち、細孔構造が連続ではなく別々の層になっているから透過率が低下している、界面が形成される。後者は特性に勾配がある多数の層を用いてある程度は対処することができるが、これには高い製造コストが発生する。
【0011】
この背景技術の節に開示される上記の情報は本発明の技術的背景の理解を深めるために過ぎず、したがって、従来技術のいかなる部分もなさない情報も、また従来技術が同業者に示唆し得ない情報も、含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以降で、実施形態例が示されている添付図面を参照して本開示がさらに十分に説明される。しかし、特許請求項は、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に述べられる実施形態に限定されると解されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が綿密であり、特許請求項の範囲を当業者に十分に伝えるであろうように、提供される。図面において、各層及び各領域の寸法及び相対寸法は明解さのために誇張されていることがあり得る。図面において同様の参照数字は同様の要素を表す。
【0025】
ある要素が別に要素の「上に」あるかまたは別の要素に「接続/連結」されていると称されている場合、その要素は別の要素の直接上にあるかまたは別の要素に直接に接続/連結されていることができ、あるいは介在する別の要素があり得ることは了解されるであろう。対照的に、ある要素が別に要素の「直接上に」あるかまたは別の要素に「直接に接続/連結」されていると称されている場合には、介在する要素は存在しない。本開示の目的のため、「X,Y及びZの内の少なくとも1つ」は、Xだけ、Yだけ、Zだけ、あるいはX,Y及びZの内の2つ以上のいずれかの組合せ(例えば、XYZ,XYY,YZ,ZZ)と解され得ることは了解されるであろう。
【0026】
本明細書に用いられるように、術語「可溶」は第2の媒質(例えば溶媒)に25℃で少なくとも0.1モル/リットルの溶解度を有する第1の媒質(例えば溶質)に適用される。
【0027】
本明細書に用いられるように、術語「不溶」は第2の媒質(例えば溶媒)に25℃で0.001モル/リットルより小さい溶解度を有する第1の媒質(例えば溶質)に適用される。
【0028】
本明細書に用いられるように、術語「ある程度可溶」は第2の媒質(例えば溶媒)に25℃で少なくとも0.001モル/リットルであるが0.1モル/リットルよりは小さい溶解度を有する第1の媒質(例えば溶質)に適用される。
【0029】
例えば、結合剤が、0.001モル/リットルより小さい、25℃における液体ビヒクル内溶解限界を有する場合、「結合剤は液体ビヒクルに不溶である」。
【0030】
本明細書に用いられるように、多セル型セラミック体生地または多セル型セラミック品において、術語「部分的に閉塞される」は、多セル型セラミック体生地または多セル型セラミック品が、第1の端面において少なくとも幾本かのチャネルが閉塞されており、第2の端面においては完成製品において閉塞されているように意図された本数より少ないチャネルが閉塞されていることを意味する。部分的に閉塞された多セル型セラミック体生地及び部分的に閉塞された多セル型セラミック品は、第1の端面において少なくとも幾本かのチャネルが閉塞されており、第2の端面においてはチャネルが閉塞されていない、多セル型セラミック体生地または多セル型セラミック品を含む。
【0031】
本明細書に用いられるように、本開示の目的のため、術語「多セル型セラミック生地」が、結合剤で実質的に一体に保持されている、セラミック前駆体材料を含む乾燥未焼成体と解され得ることは了解されるであろう。レオロジー特性を調節するため及び所望の構造をもつ細孔の形成に役立てるため、追加成分がセラミック前駆体(バッチ)内に存在し得る。最終材料は、高温熱処理中の、原材料の内の少なくともいくらかの化学反応後にしか得られないから、その処理の前に、ハニカム構造体及びバッチ材料は「生地」状態にあると称され、ハニカム品は「ウエア生地」と称され得る。全ての態様に必要ではないが、本明細書に説明される高温熱処理中の原材料の化学反応は、最終材料を形成するため、粒子はそれぞれの元の組成を維持する粒子相互の焼結を、また原材料を完全に反応させる反応も、含むことができる。
【0032】
本開示の実施形態例にしたがえば、多セル型多孔質セラミック品の特性を調整するためのプロセスが提供される。プロセスは多セル型セラミック生地(ウエア生地)をウエア生地の表面上に薄層を形成するために処置する工程を含み、薄層組成は材料バッチに用いられる生地結合剤の溶解度に依存して調節することができ、この処置により、多セル型セラミック生地のその後のプロセス実施が可能になる。処置されて処理されたウエア生地は続いて、プロセスが施された多セル型セラミック生地を多孔質セラミックフィルタに転換するために焼成することができる。例えば、処置は、生地結合剤が水溶性である場合、物質を疎水性にするためにアクリレートで多セル型セラミック生地表面を覆う工程を含むことができる。別の例として、油溶性生地結合剤が用いられる場合、処置は表面を親油性から疎油性に転換するために多セル型セラミック生地表面を覆う工程を含むことができる。処置は多セル型セラミック生地の表面上に薄いポリマー層を配することができる。プロセスは処置された多セル型セラミック生地の壁体に薄い被覆生地を施す工程及び、続いて、薄いポリマー層を気化させながら被覆及び壁体のいずれも多孔質セラミックフィルタに転換するため、被覆されたウエア生地を焼成する工程を含むことができる。
【0033】
プロセスは、処置された多セル型セラミック生地の周面にスキン生地を焼成前に施す工程及び、続いて、スキン及び多セル型セラミック生地のいずれも多孔質セラミックフィルタに転換するため、処置され、被覆されたウエア生地を焼成する工程を含むこともできる。プロセスは、処置された多セル型セラミック生地のチャネルに塞栓生地を施す工程及び、続いて、薄層を気化させながら塞栓生地及び多セル型セラミック生地を多孔質セラミックフィルタに転換するため、処置されて塞栓が施されたウエア生地を焼成する工程を含むことができる。
【0034】
多セル型体生地は、無機前駆体、有機及び無機の結合剤、細孔形成剤、油脂及び水を含む押出ハニカムとすることができる。被覆生地、スキン生地及び塞栓生地は、基体本体生地、無機前駆体及び、必要に応じる、細孔形成剤を損ない得るかまたは損なうことはない液体の中から選ばれる、適する液体ビヒクルとの混合物とすることができる。適する液体ビヒクルの例には、水、油、許容できる程度の疎水性及び揮発性のような、許容できる特性を有するアルコールがあるが、他の適する液体も用いることができる。被覆生地、スキン生地及び塞栓生地のその他の無機及び有機の原材料は、基体本体生地の作製に用いられる原材料と本質的に同様とするかまたは同等とすることができる。さらに、例えば細孔径及び多孔度のような、被覆の特性を調整するため、同様の技術的手法を適用することができる。被覆生地、スキン生地及び/または塞栓生地及び基体本体生地が焼成されると、これらのコンポーネント内に存在する、薄いポリマー層、前駆体及び細孔形成剤は反応及び/または焼尽することができ、十分に連結された固相をもつ多孔質セラミック体が得られる。
【0035】
セラミック材料で形成されたハニカム構造体には、燃焼機関及び発電所のような固定汚染源からの排出物を制御するための触媒支持体としての用途を含む、多くの重要な用途がある。セラミックハニカム構造体は、ディーゼルエンジンのような燃焼機関によって放出される微粒子含有排気ガスの濾過のための多孔質微粒子フィルタ体としても用いられる。後者の場合、ハニカム構造体は、マニフォールド型「ウォールフロー」フィルタ構造を提供するため、ハニカムの選ばれたセルの末端の封止または閉塞によって改変される。そのような「ウォールフロー」フィルタ構造の断面図が
図1に示される。
【0036】
そのようなフィルタの作製は一般に、多孔質セラミックハニカム体100を縦断するチャネルまたはセルのそれぞれの一端の閉塞または別の手段による封止を含み、チャネルまたはセルの第1のサブセット(すなわち、「流入チャネル」)110はハニカムの第1の端面すなわち流出端面114において封止または(塞栓112で)閉塞されており、残りのチャネルまたはセル(すなわち、流出チャネル))120はハニカムの第2の端面すなわち対向する流入端面124において封止または(塞栓122で)閉塞されている。排出ガス200のような微粒子含有流体が圧力の下に流入面に供給され、流入端面124に開放端を有するチャネルを介してフィルタ体に入る。これらのセルはフィルタ体の対向する端面(流出端面114)において封止されているから、汚染された流体は、薄い多孔質壁体150を通って、隣接する、流入端面124においては封止され、流出端面114では開放されている、隣接セルに押し流される(スルーウォールフロー204)。壁体の細孔を通るには大きすぎる流体内の固体微粒子汚染物は背後に残され、清浄化された流体210が、使用のため、流出セルを通ってフィルタ体を出る。チャネル断面が正方形のハニカムの場合には、ハニカムのそれぞれの端面に、それぞれの流入セルが4辺で流出セルに囲まれ、流出セルが4辺で流入セルに囲まれるような、市松模様をつくるマスク遮蔽構成が最も一般的である。
【0037】
被覆は生地状態で施され、一方で、ウエア生地の壁体は焼成体に比較して直径が小さい低多孔度を有するから、壁体にかけて、一方は基体材料の組成生地で決定され、多少は被覆の組成生地で決定される、少なくとも2つの相対的離散領域の形成がおこり得る。例えば、チャネル壁のいずれの側も被覆されているならば、または異なる組成の複数の被覆が施されていれば、多数の領域が観察され得る。反応は焼結と同時におこることが好ましいから、全ての領域が、十分に連結され、固相に関して連続であることが可能になる。いずれの領域においても、細孔形成添加剤からのガスは被覆層を通って抜け出さなければならないから、細孔空間も極めて十分に連結され得る。
【0038】
得られる、焼成被覆セラミックの空間特性は被覆生地の組成の選択によって大きく変わり得る。例えば、粒径及びバッチ材料の適する選択により、基礎基体材料領域に比較して、細孔径が大きいかまたは小さい、及び/または多孔度が高いかまたは低い、あるいは化学組成さえも異なる、被覆を形成することができる。生地状態の被覆の付加は、この被覆の特性及び一様性を改善できるだけでなく、少なくとも、ただ一回の焼成工程しか必要ではないという、理由のため、無機膜の製造においてコスト及び複雑性を減じることができる。比較して、無機膜を製造するための従来の方法は一般に多数の、コーティング工程、乾燥工程及び焼成工程からなる。
【0039】
壁体にかけても壁体に沿っても変化する特性を有するモノリシック基体材料の提供は、多くの用途において今日見られる1つ以上の問題に対処することができる。例えば、バルク壁体より小さい細孔径及びバルク壁体以上に高い多孔度を有する、薄い、表面層の形成の結果、深層濾過の低減及びディーゼル微粒子フィルタ(DPF)の煤装荷圧力降下の減少という利点を得ることができる。さらに、そのような層は、背圧への効果は最小限に抑えて、濾過効率を高めることができる。この薄い表面層はDPFのためのオンウォール触媒被覆の被着を容易にすることもできる。その特性(多孔度、細孔径及び/または厚さ)がフィルタ長に沿って変化する表面層の形成も提供され得るであろう。例えば、壁体厚が長さに沿って大きくなるフィルタは低められた軸方向温度勾配を有し得るであろう。基体についての他の例には、低多孔度/高強度基体が、それに施される触媒被膜の密着を強めるため、多孔度が高く、細孔径及び表面粗さが大きい、薄層で被覆される場合がある。
【0040】
パーセントの増大または減少が本明細書に開示される場合、パーセントの増大または減少は言及されている増大していないかまたは減少していないパラメータの大きさに対するものとして了解されるべきである。例えば、被覆層でコーティングされた壁体またはチャネルが30%の多孔度を有していれば、言明「被覆層の表面多孔度は、被覆されているチャネルの壁体の表面多孔度より少なくとも5%高い」は、少なくとも1.05×30%であって、少なくとも35%ではない、表面多孔度を有する被覆層を説明していると了解されるべきである。
【0041】
本明細書に開示される実施形態は、得られる焼成ウエアにおける特定の特性を改変できる、多セル型セラミック生地に施され得るプロセスを提供する。このプロセスで作成されるセラミック品も提供される。被覆、塞栓及び/またはスキンを形成するウエア生地は、被覆、塞栓及び/またはスキンを形成する焼成ウエアと比較して、特に焼成ウエアが実質的に多孔質である場合に、1つ以上の利点を有することができる。焼成被覆ウエアにともなう一般的問題は、細孔が十分に大きければ、被覆を構成する粒子が基体に侵入できることである。この手法にともなう課題が、被覆からの粒子12が基体の細孔構造10に侵入し、壁体の総透過率をかなり低下させている。
図2Aに示される。
【0042】
この問題に対する従来の解決策は、いずれのコーティング工程中にも限られた侵入しかおこらないように粒径を段階的に小さくすることであり、
図2Bに示されるように、小径粒子12の層が大径粒子14を覆って形成される。材料スタックは、最終の細孔径及び多孔度を達成するために細孔径及び焼結条件が選ばれる、最上層に至る。コーティング工程のそれぞれは一般に、小径粒子を含む連続層が次に径が小さい粒子の被着より先に形成されることを保証するため、少なくとも二度実施される。しかし、セラミック材料の場合、多数のコーティング工程、乾燥工程及び(高温)焼成工程が必要であるから、極めてコストがかかるプロセス手法である。
【0043】
図2Cに示されるように、比較的細孔がないウエア生地16を被覆することにより、スラリーが侵入するための細孔はほとんどないし全く無いから、スラリーを構成する粒子12を望むだけ小さくすることができ、この結果、製造のコスト及び複雑性がかなり減じられる。別の利点は、ウエア及び被覆がいずれも生地であり、焼成中に前駆体が被覆層及び壁体層内でも界面にかけても反応して最終製品を形成するから、被覆と基体の間の密着が向上することである。また別の利点は、ウエア生地は一般に低い多孔度及び極めて小さい細孔径を有するから、形成される被覆がオンウォール被覆であることである。これにより、バリア層としての被覆の使用が可能になり、用途の中でもとりわけオンウォール触媒被覆を形成するために極めて有用であり得る。
【0044】
図2Cの構成についての無機相及び細孔形成剤相のための溶媒ビヒクルは、ウエア生地壁体内の結合剤材料、例えばメチルセルロースが溶媒に不溶であるように選ばれるべきである。例えば、被覆を施すために水性スラリーが用いられる場合、スラリー内の水が壁体からメチルセルロース結合剤のいくらかを溶解するであろう。この点が、5つの異なる溶媒を含むスラリーが作製され、多セル型ウエア生地に適用された、同時係属の米国特許出願第13/219016号の明細書に示されている。上記明細書の全内容は本明細書に完全に述べられているかのように、参照として本明細書に含められる。初めの2つの溶媒はアルコール、特にブタノール及びイソプロピルアルコール(IPA)であった。次の3つの溶媒はアルコール−水混合液、特に、イソプロピルアルコールと10%の水、イソプロピルアルコールと25%の水及びイソプロピルアルコールと50%の水であった。溶媒の水含有量が大きくなるにつれて、重量%毎時間のウエア生地の重量減損も大きくなり、最終製品のかなりの弱化をおこさせ得る。
【0045】
したがって、本開示の実施形態例は、多セル型セラミック体生地を提供する工程を含み、多セル型セラミック体生地が結合剤材料を含み、複数本のチャネルを有する、多セル型セラミック品を製造する方法を提供する。方法は、複数本のチャネルの内の少なくとも1本を薄いポリマー層で処置する工程及び、複数本のチャネルの内の少なくとも1本に被覆層を形成するため、処置された少なくとも1本のチャネルを、被覆組成生地及び溶媒を含むスラリーでコーティングする工程も含む。結合剤材料は溶媒に可溶または不溶とすることができる。しかし、薄層が溶媒から結合剤を保護する。さらに、複数本のチャネルの内の少なくとも1本はスラリーでコーティングされるときに無閉塞とすることができる。
【0046】
図2Dは、本開示の実施形態例にしたがう、薄層で処置されたウエア生地の壁体上への被覆組成のコーティングを簡略に示す。
図2Dにおいて、薄層18は無細孔ウエア生地上に配され、スラリーを構成する粒子12は、スラリーが侵入するための細孔がほとんどないし全く無いから、望むだけ小さくすることができ、この結果、製造のコスト及び複雑性がかなり減じられる。さらに、ウエア生地壁体内の結合剤材料、例えばメチルセルロースが溶解されることから保護されるから、スラリーは無機相及び細孔形成剤相に対していかなる溶媒ビヒクルも含むことができる。すなわち、薄層18はスラリー溶媒による結合剤材料の溶解を防止するためのバリアを提供する。したがって、結合剤材料がメチルセルロースの場合であっても、本開示の実施形態例にしたがえば、水性溶媒を用いることができる。
【0047】
本開示の実施形態例にしたがえば、基体生地の水ベース後処理(コーティング、閉塞、スキン形成、等)を可能にするために基体を疎水性にすることができるプロセスが提供される。さらに、結合材料が油溶性である場合に生地基体の油ベース液体ビヒクル後処理を可能にするため、基体を疎油性にすることができる。実施形態例にしたがえば、この処理は、精密/限外濾過のような膜技術に、またディーゼル微粒子フィルタ(DPF)のための膜生地処理、プラグ生地、スキン生地またはその他の生地の処理の実施にも、適用することができる。 適する溶媒成分には、例えば、水、油類、アルコール類、エステルアルコール類、エステル類、炭化水素類、アルデヒド類、ケトン類及びカルボン酸類がある。スラリーに用いられる溶媒は水を含むことが好ましい。溶媒として用いることができるアルコール類の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール及びヘキサノールがある。用いることができるエステルアルコールの一例はTexanol(2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチラート)であり、用いることができるエステルの一例はOptifilm Enhancer 300(プロピオン酸,2-メチル-,1,1'-[2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-1,3-プロパンジイル]エステル)であり、いずれもイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company)から市販されている。溶媒として用いることができる油類の例には、トール油、オレイン酸、軽鉱油、コーン油、高分子量ポリブテン、ポリオールエステル、軽鉱油とワックスエマルジョンのブレンド、コーン油内パラフィンワックスのブレンド及びこれらの組合せがある。
【0048】
スラリーに用いられる被覆組成生地は無機前駆体を含むことが好ましい。無機前駆体の選択は所望の組成に依存する。例えば、被覆組成生地は、アルミナ、チタニア、シリカ、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム及び/または酸化ランタンのような材料を含むことができる。被覆組成生地に選ばれる材料は多セル型セラミック体生地、例えば、チタン酸アルミニウムが主相であり、長石が二次相である、多セル型セラミック体生地、のバルク壁体におけるセラミック組成を形成するために選ばれる材料と同じであるかまたは異なることができる。被覆細孔を発生させるため、必要に応じて細孔形成剤を被覆組成生地に添加することができる。細孔形成剤の量及びタイプは所望の多孔度に依存して変わり得るが、細孔形成剤の好ましい実施形態には、例えば、ジャガイモ、米及び/またはトウモロコシから得られたデンプンがあり、例えば、約1〜50重量%が上乗せ添加される。
【0049】
上で論じたように、多セル型セラミック体生地は、1つ以上の実施形態において、焼成時に反応してチタン酸アルミニウム(AT)を形成する材料を含むことができる。しかし、多セル型セラミック体生地は、反応してATを形成する材料に限定されず、高温処理すると反応して、金属、金属間化合物、ムライト、コージエライト、アルミナ(Al
2O
3)、ジルコン、アルカリアルミノケイ酸塩及びアルカリ土類アルミノケイ酸塩、スピネル、ペロブスカイト、ジルコニア、セリア、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)及びゼオライトを含む、酸化物セラミックまたは非酸化物セラミックを形成するいかなる材料または材料の混合物も含むことができる。
【0050】
多セル型セラミック体生地内の好ましい結合剤材料はセルロースエーテルである。好ましいセルロースエーテルの例には、ダウケミカル社(Dow Chemical Company)から入手できるメトセル(Methocel)ファミリー製品を含む、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースがある。好ましい結合材料には、ポリビニルアルコール(PVA)のような、ポリオール類も含めることができる。
【0051】
一組の実施形態例において、多セル型セラミック体生地及び被覆組成生地は同じかまたは基本的に同じ成分を有することができる。別の組の実施形態例において、多セル型セラミック体生地及び被覆組成生地は少なくともいくつかの異なる成分を有することができる。また別の組の実施形態例において、被覆組成生地は2つ以上の異なる被覆組成を含むことができる。例えば、被覆組成生地は、多セル型セラミック体生地と同じかまたは基本的に同じ成分を有する第1の被覆組成及び少なくともいくつかの多セル型セラミック体生地とは異なる成分を有する第2の被覆組成を含むことができる。あるいは、多セル型セラミック体生地は、それぞれが少なくともいくつかの多セル型セラミック体生地とは異なる成分を有する、2つ以上の被覆組成を含むことができる。2つ以上の被覆組成は、流入チャネルに第1の被覆組成及び流出チャネルに第2の被覆組成のように、多セル型セラミック体生地の異なるチャネルにコーティングすることができる。
【0052】
例えば、被覆組成生地は焼成時に反応して、多セル型セラミック体生地の材料と同じかまたは異なることができる、チタン酸アルミニウム(AT)、金属、金属間化合物、ムライト、コージエライト、アルミナ(Al
2O
3)、ジルコン、アルカリアルミノケイ酸塩及びアルカリ土類アルミノケイ酸塩、スピネル、ペロブスカイト、ジルコニア、セリア、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)及びゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1つの材料を形成する、少なくとも1つの材料を含むことができる。被覆組成生地が多セル型セラミック体生地の組成と異なっていれば、好ましくは、被覆生地は焼成時に多セル型セラミック体生地とともに熱力学的に安定であるべきであり、少なくとも焼結温度において動力学的に制限されるべきであることに注意すべきである。
【0053】
被覆組成生地は結合剤材料も含むことができる。結合剤材料は、好ましくは乾燥後の被覆生地に強度を与えるように選ばれるべきであり、好ましくは被覆組成生地に用いられるいずれの液体ビヒクルにも分散し得るべきである。被覆組成生地結合剤材料に好ましい材料には、コロイド状ベーマイト(AlOOH)、コロイド状シリカ、コロイド状チタニア、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、テトラメチルオルソシリケート(TMOS)、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド及びポリビニルブチラールがあるが、液体ビヒクル内に可溶であるかまたは分散し得る、いずれの結合剤も用いることができる。選ばれる溶媒内の良好な分散を保証するため、ベーマイトまたはシリカのようなコロイド状結合剤の表面化学の改質が必要になり得る。加熱時に無機材料に転換する結合剤材料を用いる場合、好ましくは、所望の焼成体(例えば、AT、ムライト、等)の化学的性質を達成するため、この付加無機材料を考慮するために生地スリップの化学的性質を調節すべきであることに注意することが重要である。
【0054】
多セル型セラミック体生地のチャネルをスラリーでコーティングする前に、チャネルの表面上に薄層を被着するため、噴霧プロセスを用いてチャネルをアクリレートで処置することができる。薄層は、水ベース処理に対して、基体生地のチャネル表面を親水性から疎水性に転換することができる。すなわち、薄層は水溶性押出結合剤の溶解を弱める耐性を基体に与える。噴霧は、米国特許出願公開第2009/0202718号及び米国特許出願公開第2009/0142488号の各明細書に説明されているように、薄層を被着するために用いることができる。これらの明細書は、本明細書に完全に述べられているかのように、本明細書に参照として含められる。さらに、薄層組成は材料バッチに用いられる生地結合剤の溶解度に依存して選ぶことができる。例えば、油溶性結合剤が材料バッチに用いられていれば、油ベース被覆のコーティングを可能にするため、基体生地表面を親油性から疎油性に転換することができるであろう。この手法は、様々な結合剤の化学的性質を様々な被覆の化学的性質と組み合わせるための柔軟な枠組みを教示する。
【0055】
噴霧は疎水性処置を施すために用いることができる一手法であるが、液体ベースコーティング処置が別の手法になり得る。液体ベースコーティング処置のため、コーティング材料液体ビヒクルは基体生地材料と適合しなければならないであろう。すなわち、コーティング材料液体ビヒクルは水溶性結合剤を含む基体生地を損傷させるべきではない。
【0056】
本開示の実施形態例にしたがえば、噴霧は、液体と、押し出されて乾燥された未焼成前駆体品(ウエア生地)の、例えば前駆体品を通してまたは前駆体品にかけて液体を通すことによる、接触を含む。セラミック前駆体品は、前述記述したように、焼成後に多孔質セラミック品を形成する。流体は不動態化剤を含み、キャリア流体も含む。流体はウエア生地の第2の温度より高い第1の温度を有することができる。温度差は流体の少なくとも一部が凝縮するに十分である。キャリア流体は不動態化剤に対するいずれかの溶媒とすることができるが、空気または水蒸気のような、気体であることが好ましい。不動態化剤には、例えば有機の固体または液体、例えば、グリセリン、不飽和であるかまた凝縮性のモノマー、オリゴマー、またはポリマーを含めることができる。
【0057】
実施形態例において、溶液は、気体または液体を含むキャリア流体内に浮遊する、不動態化剤の不連続相を含む流体を含む。不連続相の粒子は一般に小さい、すなわち直径が約5μmより小さい。キャリア流体は不動態化剤を含む溶液を形成することができる。不動態化剤は、凝縮するとウエア生地上に薄層を形成することができる、いずれの材料も含むことができ、不動態化剤が流体によって輸送され、高温において気化して、膜層、塞栓形成材料及び/またはスキン形成材料の基体への接合を可能にすることができるのであれば、いずれの液体または固体も含むことができる。
【0058】
実施形態例において、流体はキャリア流体溶媒及び溶解した不動態化剤の溶質を含むことができる。キャリア流体溶媒は、空気、不活性気体または水蒸気のような、気体を含むことができ、不動態化剤はグリコールエステルのような気化可能な液体を含む。気体は、気化可能な液体の少なくとも一部が気化して気体になって、溶液、すなわち流体、を形成するであろうように、気化可能な液体の上を通過する。気体は気化可能な液体の気化を容易にするために加熱されうることが好ましい。加熱された溶液は、押し出されて乾燥された未焼成セラミック前駆体品に向けられ、セラミック前駆体品を通って循環する。ウエア生地は、少なくとも初期には、暖かいかまたは加熱された溶液よりも低温にすることができる。低温のウエア生地との加熱された溶液の接触により、不動態化剤の少なくとも一部が溶液から降ってウエア生地上に堆積する。有利なことには、溶液がウエア生地を加熱して、ウエア生地上に集まるであろう不動態化剤の量を制限する。
【0059】
流体は、例えば、加熱された気体を含むことができ、不動態化剤は、例えば、ポリマーを含むことができる。加熱された気体及び不動態化剤の例には水蒸気及びメチルセルロースエーテルポリマーがある。加熱された気体は高い第1の温度にあることができる。加熱された気体はポリマーの上を通過してポリマーを吸収する。気体はポリマーで飽和することができるが、一般に、気体内のポリマーの量は約1重量%より少ない。ポリマー含有気体は、押し出されて乾燥された未焼成セラミック前駆体品(ウエア生地)を通過することができる。ウエア生地は初め、低い第2の温度にあることができる。高い第1の温度は初め、低い第2の温度より高い。加熱されたポリマー含有気体が低温のウエア生地に接触すると、ポリマーはウエア生地上に凝縮する。加熱された気体は結果的にウエア生地を凝縮には適さない温度まで加熱する。不凝縮温度に達するまで、一般に総ウエア組成生地の約1重量%より少ない、少量のポリマーがウエア生地に蓄積する。あるいは、より少量のポリマーを堆積するため、不凝縮温度に達する前に凝縮プロセスを停止させることができる。例えば、0.1重量%より少ないか、0.01重量%より少ないか、0.001重量%より少ないか、0.0001重量%より少ないか、さらには0.00001重量%より少ない、ポリマーをウエア生地に蓄積することができる。そのような量のポリマーは、上述したように、nm厚からmm厚の薄層を形成することができる。ポリマーは連続薄層または不連続薄層を形成することができる。そのような不連続薄層は開口を含むかまたは、後処理中の溶液からの生地結合剤のある程度の保護を与えるに十分なバリアを提供する、ネットにかなり似た形状にすることができる。加熱気体から生地ウエアを取り出して乾燥及び硬化させることができる。
【0060】
実施形態例において、不導体形成剤は、モノマー、オリゴマーまたはポリマー前駆体のような、化学反応性化合物を含むことができる。反応性化合物には1つ以上の成分が必要であり得る。反応性化合物は開始因の存在の下で重合する成分を含むことができる。開始因は別の化合物とすることができ、あるいは、電磁放射、電子ビーム、熱または同様の作用因とすることができる。例えば、不動態形成剤は紫外光で励起されるモノマー、すなわち感光性開始剤または光活性化開始剤を含むことができる。あるいは、不動態形成剤は熱開始因によって重合するモノマー、すなわち感熱開始剤または熱活性化開始剤を含むことができる。フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析結果は、反応性化合物の完全な硬化が100℃において10〜45分ほどの短い時間でおこり得ることを示す。
【0061】
実施形態例において、本開示の方法は反応性化合物を含む流体を生成する工程を含む。化合物は重合性または共重合性とすることができる。反応性化合物には、例えば、モノマー、オリゴマーまたは低分子量ポリマーのような、少なくとも第1の反応性成分がある。流体はウエア生地を通って循環し、反応性化合物のいくらかはウエア生地表面上に凝縮する。第1の反応性成分は反応してウエア生地を不動態化する。必要に応じる第2の工程において、第1の流体からの第1の反応性成分の凝縮後、第2の反応性成分を含む第2の流体がウエア生地を通って循環することができる。第2の反応性成分は第1の反応性成分と反応してウエア生地の結合剤材料を保護するポリマー薄層を形成するように選ぶことができる。
【0062】
実施形態例において、不動態化剤は凝縮中または凝縮後に重合化を受ける成分を含むことができる。例には、ウレタン、エポキシ、尿素ホルムアルデヒド、ビニル、アルコキシシラン、オキセタン、アジリジン、フェノール樹脂、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、スチリル、アリル、ビニルアミド、ビニルアミン、マレイミド、マリエート(maleates)、イタコネート(itaconates)、クロトネート(crotonates)、酸無水物、及び同様のモノマー、またはこれらの組合せがある。代わりのまたは別のポリマータイプまたは化学物質には、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、カルボジイミド、または同様のポリマー、及びこれらの組合せを含めることができる。実施形態例において、不動態化剤には、例えば、アルキレングリコールジアミンとアルキレングリコールジグリシジルエーテルのような、有機ジアミンと有機エーテルから形成されるエポキシポリマーを含めることができる。この用途に用いることができる、アクリレート以外の、重合性材料の他の例は、メタクリレート、ビニル、アクリルアミド、エポキシ、マレイミド、ビニルエーテル、マレイン酸、ビニルエステル、アリル、オキセタン、ビニルアミド、プロパギル、不飽和ポリエステル、スチリル、アルキニル、イタコネート、クロトネート及びプロペニルエーテルであるが、これらには限定されない。
【0063】
実施形態例において、不動態化剤は、重合性または架橋性の成分のような、感熱性または放射線感応性の開始剤を用いることができる。開始剤は、反応性化合物がウエア生地上に凝縮した後に、反応性化合物まで輸送することができる。あるいは、開始剤は、反応性化合物の前に、または反応性化合物と同時に、凝縮することができ、あるいは開始剤と反応性化合物を混合し、次いでウエア生地上に凝縮させることができる。
【0064】
図3は、実施形態例における、1つ以上の反応性化合物を含む流体によってウエア生地の表面上に薄層を被着するために有用な装置を示す。反応性化合物は反応して薄層を形成することができる。装置300は、キャリア気体310,霧化器コントローラ320,霧化器(またはエアロゾル発生器)330,反応性成分供給流340,水浴350,霧化チャンバ360及びホルダ370を含む。ホルダは、収容することによるように、ウエア生地400を確保する。霧化器コントローラ320は、霧のようなエアロゾルを発生させるため、霧化器330のようなエアロゾル発生器を通して反応性成分を含む流体をポンプで送る。あるいは、霧化は、エアロゾル、蒸気、濃霧、霧、煙またはこれらの組合せを発生するプロセスであると了解され得る。エアロゾルは反応性成分及びキャリア流体を含むことができる。あるいは、エアロゾルは、適切な反応性成分がエアロゾルにされ得るならば、基本的に反応性成分からなる。霧化チャンバ360はホルダ370に向けて、及びウエア生地400を通して及び/またはウエア生地400の周囲に、矢印380の方向にエアロゾルを流すためのファンを有することができる。
【0065】
反応性成分は生地体の壁450のような表面上に凝縮または表面上で合体して、薄層404を形成する。エアロゾルは流出面414を通ってウエア生地から流出して、再循環され得るか、あるいは別の処理及び/または廃棄のためにトラップされ得る。ホルダ370は、生地体の壁450のような、チャネル及び表面が、
図3に示されるように、水平であるようにウエア生地400を配置することができる。発明者等は、驚いたことに、そのような方位が、薄層404を形成するための、体生地400のチャネル及び表面上への、エアロゾル、蒸気、濃霧、霧、煙、等、またはこれらの組合せの、成分の被着(凝縮または合体)に役立つことを見いだした。
【0066】
多セル型セラミック体生地のスラリーによるコーティングまたは処置の前に、複数本のチャネルの内の一本以上を、遮蔽されていない1本または複数本のチャネルだけにスラリー及び/または薄層がコーティングされるように、マスクで遮蔽することができる。例えば、一組の好ましい実施形態において、流入チャネルとして閉塞したいチャネルだけにスラリーがコーティングされるように、スラリーコーティングの前に、流出チャネルとして閉塞したいチャネルをマスクで遮蔽することができる。あるいは、流出チャネルとして閉塞したいチャネルだけにスラリーがコーティングされるように、スラリーコーティングの前に、流入チャネルとして閉塞したいチャネルをマスクで遮蔽することができる。さらに、異なるチャネルに異なるスラリー組成がコーティングされるように、及び/または異なるチャネルに異なる量のスラリー組成がコーティングされるように、チャネルをマスクで遮蔽することができる。
【0067】
さらに、基体は、粒子濾過をおこさせるように壁体を通る流路を形成するために閉塞するか、あるいは寸法公差または物理特性の要件を満たすためにスキンを施す必要があり得る。押出セラミックの後処理の大多数は、それが膜コーティング、塞栓形成、スキン形成またはその他の処理工程であるか否かにかかわらず、焼成押出基体を用いてなされる。ほとんどの場合、これには、次いで、プロセスを完了するために追加の焼成工程が必要である。
【0068】
(乾燥されているが未焼成の)生地の処理には、膜、塞栓及びスキンの特性が用途の要求を満たすことを保証するための後続高温焼成を必要とせずに、ただ1回の焼成による、膜、塞栓形成スキン形成またはその他の後処理工程の完了を可能にするという利点がある。さらに、生地の破壊係数(MOR)は焼成MOR値より大きいことが多いから、生地処理の結果、処理中の欠けが少なくなり得る。しかし、押出プロセス中に用いられる結合剤は水に可溶であり、生地の後処理工程中に水が用いられると基体損傷がおこりがちであるから、生地処理は達成困難になり得る。例えば、ウエア生地を保護するための薄層なしに水性セメントを用いる生地閉塞では基体クラックが生じ得る。
【0069】
図4は、本開示の実施形態例にしたがう、薄層で処置されたウエア生地のチャネルに塞栓形成組成生地を有する未焼成ウォールフローフィルタ前駆体構造体の断面図である。ウエア体生地は、セラミック前駆体組成の押出及び乾燥によって形成することができ、ハニカム体400を縦断するチャネルまたはセルを有し、第1のサブセットのチャネルまたはセル(すなわち、流入チャネル)410はハニカムの第1の端面すなわち流出端面414において封止されるかまたは塞栓412で閉塞されており、第2のサブセットのチャネルまたはセル(すなわち、流出チャネル)420はハニカムの対向する第2の端面すなわち流入端面424において封止されるかまたは塞栓422で閉塞されている。押出工程及び乾燥工程に続いて、未閉塞多セル型ウエア体生地400は、本明細書に説明されるように、チャネル壁450上に薄層404を被着するために処置することができる。流入チャネル410は第1の端面414において塞栓412で閉塞することができ、及び/または流出チャネル420は第2に端面424において塞栓422で閉塞することができ、塞栓形成材料生地は完全にまたはある程度閉塞された多セル型ウエア体生地を形成するために液体ビヒクルを含む。閉塞された多セル型ウエア体生地は。次いで、薄層を気化させ、閉塞されたセラミック品100(
図1)を形成するため、高温(例えば、約1000℃)で焼成される。
【0070】
図5A及び5Bは、本開示の実施形態にしたがう、薄層520で処置されたウエア生地の軸周面上のスキン形成組成生地510を有する、未焼成ウォールフローフィルタ前駆体構造体500を示す。
図5A及び5Bにおいて、多セル型ウエア体生地の径方向最外領域はあらかじめ定められた寸法仕様にしたがって輪郭を整形することができ、スキン形成材料生地510が多セル型ウエア体生地500の径方向最外領域に施されている。この実施形態例においては、輪郭整形工程の後で、スキン形成工程の前に、本開示の実施形態例にしたがって、多セル型ウエア体生地500の径方向最外領域に薄層500を施すことができる。この実施形態においては、輪郭整形工程の前に、多セル型セラミック体生地は、所望より若干大きい寸法で、ただし、ウエブが薄くとも、高いウエブ品質を可能にする態様で、押し出すことができる。これにより、初期形成プロセス中に特別な要求または留意なしに厳格な寸法制御が可能になり得る。輪郭成形工程後に施されるスキン形成材料生地510は多セル型ウエア体生地と同じとするかまたは異ならせることができ、塞栓形成材料生地とも同じとするかまたは異ならせることができる。多セル型セラミック体生地の径方向最外領域の輪郭成形の結果として取り除かれた材料は、他の多セル型ウエア体生地を提供するための材料を提供するため、リサイクルすることができる。
【0071】
一組の実施形態例において、多セル型セラミック体生地及び塞栓形成組成生地及び/またはスキン形成組成生地は同じかまたは基本的に同じ成分を有することができる。別の組の実施形態例において、多セル型セラミック体生地及び塞栓形成組成生地及び/またはスキン形成組成生地は少なくともいくつかの異なる成分を有することができる。例えば、塞栓形成材料生地は一般にチャネル封止を形成する組成を含むであろう。また別の組の実施形態例において、塞栓形成組成生地及び/またはスキン形成組成生地は2つ以上の異なる組成を含むことができる。例えば、スキン形成組成生地は、多セル型セラミック体生地と同じかまたは基本的に同じ組成を有する第1のスキン形成組成及び多セル型セラミック体生地と少なくともいくつかの異なる成分を有する第2のコーティング組成を含むことができる。あるいは、スキン形成組成生地は、それぞれが多セル型セラミック体生地と少なくともいくつかの異なる成分を有する。2つ以上のスキン形成組成を含むことができる。2つ以上のスキン形成組成は、多セル型セラミック体生地の径方向最外表面上の第1のスキン形成組成及び第1のスキン形成組成上の第2のスキン形成組成のように、多セル型セラミック体生地の径方向最外表面(周面)上にコーティングすることができる。
【0072】
これらの塞栓形成組成生地及び/またはスキン形成組成生地は、塞栓または人工スキン(別に、後成スキンとも称される)を形成するために、あるいは、小寸ハニカムセグメント生地を結合して大寸ハニカム品生地を作製するためにさえ、施すことができる。この目的のため、従来の材料組成は、1つ以上のセラミック粉末、水のような液体ビヒクル、水溶性ポリマー、一般にはメチルセルロース、及び無機結合剤からなることができるが、無機結合剤は全ての態様において必要になるとは限らない。水及びメチルセルロースはペーストのレオロジーを制御し、セラミック粉末及び、存在すれば、無機結合剤は焼成中に基体と反応して、水及びメチルセルロースが除去された後の、強度を提供することができる。ハニカム構造生地は、焼成前に、生地体の組成と同じかまたは同様の組成を有するペーストにより、使用可能な粘度を与えるに適切な量の液相を用い、必要に応じて結合剤及び重合剤を添加して、閉塞し、及び/またはスキンを形成することができる。ハニカム構造の外表面上及び内表面上に薄いポリマー層を配置するために処置されたハニカム構造生地の結合剤は液相により溶解に抗する。処置され、処理されたハニカム構造生地は焼成して、閉塞されてスキンが施された多孔質セラミックハニカムフィルタまたはスキンが施された多孔質セラミック基体にすることができる。
【0073】
塞栓形成材料及びスキン形成材料は液体ビヒクルを含む。いくつかの実施形態例において、多セル型セラミック体生地内の結合剤材料は塞栓形成材料内及びスキン形成材料内の形態ビヒクルに不溶である。いくつかの実施形態例において、多セル型セラミック体生地内の結合剤材料は塞栓形成材料内及びスキン形成材料内の形態ビヒクルにある程度可溶である。いくつかの実施形態例において、多セル型セラミック体生地内の結合剤材料は塞栓形成材料内及びスキン形成材料内の形態ビヒクルに完全に可溶である。
【0074】
いくつかの実施形態例において、液体ビヒクルは、油類、水、水溶性または水不溶性の脂肪酸類、水溶性または水不溶性のアルコール類、水溶性または水不溶性のエーテル類、水溶性または水不溶性のエステル類、水溶性または水不溶性のアルデヒド類及び水溶性または水不溶性のケトン類からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含むかまたはこれらから選ぶことができる。液体ビヒクル成分の例には、少なくとも8の炭素原子を有する脂肪族鎖のような、置換または無置換、直線型または分枝型、飽和または不飽和、の脂肪族鎖を含む、上記の類がある。
【0075】
本明細書に開示される実施形態例において、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地は、焼成時に反応して、チタン酸アルミニウム(AT)、金属、金属間化合物、ムライト、コージエライト、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)及びゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1つの材料を形成することができる、少なくとも1つの材料を含むことができる。
【0076】
これらの材料の内の少なくとも1つは1つ以上の無機セラミック形成成分を含むことができる。無機セラミック形成成分は、本明細書に開示される多セル型セラミック体生地を作製するために用いられる無機セラミック形成成分と同じとするかまたは異ならせることができる。そのような材料は、酸化物、水酸化物等のような、合成材料を含むことができ、または、クレイ、タルクのような、天然産出鉱物とすることができ、あるいはこれらのいずれかの組合せとすることができる。本明細書に開示される実施形態は粉末または原材料のタイプに制限されない。これらは塞栓及びスキンに望まれる特性に依存して選ぶことができる。
【0077】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態例において、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地は、焼成時に反応して、焼成の結果、多セル型セラミック体生地を形成する材料と全般的タイプが同じ材料を形成することができる。例えば、いくつかの実施形態例において、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地はいずれも、焼成の結果、チタン酸アルミニウム(AT)を形成することができる。あるいは、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地はいずれも、焼成の結果、コージエライトを形成することができる。
【0078】
別の実施形態例において、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地及び多セル型セラミック体生地は、焼成の結果、全般的タイプが異なる材料を形成することができる。例えば、多セル型セラミック体生地は、焼成の結果、チタン酸アルミニウム(AT)を形成することができ、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地は、焼成の結果、コージエライトを形成することができる。また、塞栓形成材料生地及びスキン形成材料生地は、焼成の結果、全般的タイプが異なる材料を形成することもできる。例えば、塞栓形成材料生地は、焼成の結果、チタン酸アルミニウムを形成することができ、スキン形成材料生地は、焼成の結果、コージエライトを形成することができる。
【0079】
閉塞され、及び/またはスキンが施された多セル型セラミック体生地は、次いで焼成することができる。温度及び時間の焼成条件は多セル型セラミック体の組成及び寸法及び幾何学的形状に依存することができ、本明細書の実施形態は特定の焼成温度及び焼成時間に限定されない。例えば、主にコージエライトを形成するための組成において、温度は約1300℃から約1450℃とすることができ、そのような温度での保持時間は約1時間から約10時間とすることができる。主にムライトを形成するための混合物については、温度は約1300℃から約1650℃とすることができ、そのような温度での保持時間は約1時間から約24時間とすることができる。先述したコージエライトムライト組成が得られる、コージエライトムライト形成混合物については、温度を約1300℃から約1650℃とすることができる。主にチタン酸アルミニウム(AT)を形成するための混合物については、温度は約1300℃から約1500℃とすることができ、そのような温度での保持時間は約5時間から約24時間とすることができる。焼成時間は、材料の種類及び量並びに装置の性質のような要因に依存するが、一般的な総焼成時間は約20時間から約250時間とすることができる。金属体については、温度は、還元性雰囲気内、好ましくは水素中で約1000℃から約1400℃とすることができる。焼成時間は上に論じたような要因に依存するが、少なくとも2時間とすることができる。ゼオライト体については、温度は空気中で約400℃から1000℃とすることができる。焼成時間は上で論じたような要因に依存するが、少なくとも2時間とすることができる。
【0080】
図6Aは、米国特許出願公開第2012/0047860号明細書に開示されているような、ウエア生地にコーティングを施すための方法の簡略なフローチャート図である。上記明細書の内容は、本明細書に完全に述べられているかのように、その全体が参照として本明細書に含められる。
図6Bは、本開示の実施形態にしたがう、処置されたウエア生地にコーティングを施すための方法の簡略なフローチャート図である。
図6A及び6Bには、例として、コーティングを施すプロセスが示されるが、同様のプロセスを塞栓及び/またはスキンを施すために用いることができる。
【0081】
図6Aにおいて、チャネルがマスクで遮蔽されているかまたは遮蔽されていない、乾燥基体生地600を工程602においてスラリーでコーティングすることができる。この場合、調合スラリー604には体生地結合剤を溶解しない液体ビヒクルが含まれる。スラリーは非水性溶媒605及びその他の無機材料及び細孔形成剤606を含む。続いて、工程610において、非水性溶媒612の処理及び回収のために特別な乾燥プロセスを実施することができる。工程614は焼成を表し、工程616は最終仕上げ処置を示す。最終仕上げ処置616には、膜を適用する場合の冷間塞栓形成及び/またはスキン形成、ウォッシュコーティング、触媒塗布、等を含めることができる。
【0082】
図6Bにおいて、薄層コーティング620を被着するため、乾燥基体生地600を処置することができる。工程622において、処置された、チャネルがマスクで遮蔽されているかまたは遮蔽されていない、基体生地600をスラリーでコーティングすることができる。この場合工程622は、スラリーは体生地結合剤が可溶である液体ビヒクルを含んでいてもいなくても差し支えないから、
図6Aの工程602とはかなり異なる。調合スラリー624には、水のような、水性溶媒626及びその他の無機材料及び細孔形成剤606が含まれる。工程614は焼成を表し、工程616は最終仕上げ処置を示す。最終仕上げ処置616には、膜を適用する場合の冷間塞栓形成及び/またはスキン形成、ウォッシュコーティング、触媒塗布、等を含めることができる。したがって、本開示の実施形態例にしたがうプロセスは、非水性プロセスに必要とされるであろう、高価で複雑なコーティング装置及び乾燥装置の必要を排除する。
【実施例】
【0083】
本開示及び添付される特許請求の範囲は、特許請求される本発明のさらに深い理解を提供するため、本開示の実施形態例を示すため及び、記述とともに、特許請求される本発明の原理の説明に役立たせるために含められる、以下の実施例によって一層明確になるであろう。しかし、これらの実施例が例示及び説明のためであり、本開示または特許請求項をこれらの特定の実施冷の材料、プロセス及び物品に限定することは目的とされていないことは当然である。
【0084】
表1は、本明細書に開示されるような実施形態例にしたがう、薄層の実施形態例を配するために処置された乾燥生地実施例試料を示す。開示されるプロセスの実施可能性の実施形態例として、以下の実験を完了した。チタン酸アルミニウム(AT)の2インチ(5.08cm)×6インチ(15.24cm)のドリル抜取りコアであり、セルの密度が300セル/平方インチ(CPSI(100CPSI=15.5セル/cm
2))で壁厚が13ミル(0.33mm)、すなわち300/13の、非対称セル技術(ACT)基体生地を、AT前駆体材料を疎水性にし、材料を水への曝露による攻撃から保護するため、アクリレート霧(例えば、99重量%のSARTOMER社のジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(ditrimethylolpropane tetraacrylate(登録商標))と1重量%のBASF社のirgastab uv22(登録商標))にさらした。
図3はAT生地基体を霧にさらすための装置の略図を示す。65〜70℃で霧を発生させるためにTSI(登録商標)霧化器330を用いたが、他の方法も可能である。霧は次いでチャンバ360を通して運ばれ、未閉塞基体生地400を通して流されて、アクリレート材料がチャネル壁450上に被着される。未閉塞基体生地400を通して、第1の方向から、例えば流入端面424から流出端面414(
図4)に、次いで第2の方向から、例えば流出端面414から流入端面424に、霧を流した。表1は評価したそれぞれの基体生地例に対する処置の詳細を示す。
【0085】
【表1】
【0086】
処置後、ボックスオーブン内において基体を150℃で4時間硬化させた。さらに高速の霧処置及び硬化も実施したが、ここに結果は示していない。処置後、パーツに認められる重量増はなかった。
【0087】
基体の水からの保護における処置の有効性を評価するため、試料を約1インチ(2.54cm)長に切断し、以下のように評価した。それぞれの霧処置時間A,B,Cについて、1つの試料を、落水タイプコーティングプロセスをシミュレートするためにパーツを通して水を注ぐことで水にさらした。この試料をそれぞれ、A-p,B-p,C-pとする。パーツを周囲条件において空気乾燥させ、基体への損傷、例えば変形またはクラック発生を探すために観察した。第2の試験はさらに過激であり、試料を30分より長く水に浸漬し、次いで、同じく周囲条件において空気乾燥させた。この試料をそれぞれ、A-s,B-s,C-sとする。水浸漬による損傷について試料を観察した。いずれの実験についても、比較のために、霧処置を行わなかった対照AT3基体生地Dも評価した。
図7〜11は、水にさらした後の、実施例A-s,A-p,B-s,B-p,C-s,C-p,D-s,D-pを示す。
【0088】
図7は、押し出して乾燥させた、ウォールフローフィルタ構造体に形成したAT前駆体材料の実施例A-s,A-p,B-s,B-p,C-s,C-p,D-s,D-pの写真であって、実施例A-s,A-p,B-s,B-p,C-s,C-pは本開示の実施形態例にしたがって薄層で処置してあり、続いて水にさらしたときの未処置実施例D-s,D-pと比較している。
図8の観察結果によって明瞭にわかるように、対照実施例D-s,D-pは、用いたいずれの試験手法においても、水にさらしたときにかなりの変形を示した。水浸漬フィルタD-sは、ウエア生地結合剤の水溶性により、水にさらしたことで破局的な損傷を受けて、幾何学的構造が完全に失われていた。対照的に、
図9〜11の霧処置実施例A-s,A-p,B-s,B-p,C-s,C-pはいずれも、水性コーティングをシミュレートするためにパーツを通して水を注いだ後に損傷を全く示さなかった。
【0089】
図9は、本開示の実施形態にしたがう、薄層を形成するために10分間処置した
図7の実施例C-s,C-pの、その後に水にさらしたときに損傷が僅かしかないし全く無いことを示す、写真である。
図10は、本開示の実施形態にしたがう、薄層を形成するために30分間処置した
図7の実施例B-p,B-sの、その後に水にさらしたときに損傷が極めて僅かしかないし全く無いことを示す、写真である。
図11は、本開示の実施形態にしたがう、薄層を形成するために20分間処置した
図7の実施例A-p,A-sの、その後に水にさらしたときに損傷が実質的に全く無いことを示す、写真である。試料が30分より長く水に浸漬される一層過酷な試験においては、霧処置されてはいるが処置時間が短い実施例A-s及びC-sでいくらかの損傷、変形及びクラック発生が観察された。損傷のレベルは霧処置持続時間及び、対応する、被着されたポリマーのレベルに反比例していた。すなわち、霧処置時間が最も短い実施例C-sが最大の損傷を示し、霧処置時間が中間の実施例A-sは若干の損傷を示した。30分より長く水に浸漬された実施例A-s,B-s,C-sはいずれも、パーツを通して水が注がれた、対照実施例D-pと同程度の損傷も受けていなかった。実証されたように、開示された教示の実施形態例は、生地基体を水への曝露から、それが長時間であってさえ、保護するために用いることができる。
【0090】
すなわち、本開示の実施形態例により、特別な取扱装置及び回収装置を必要とし得る、高価でおそらくは揮発性の非水性液体ビヒクルの使用に必要を減じる、費用効果が高い基体生地の水性処理が可能になる。
【0091】
本開示の実施形態例により、水溶性押出結合剤の溶解による基体損傷を招かずに、水ベースの、コーティング、塞栓形成及びスキン形成の実施が可能になる。
【0092】
本開示の実施形態例により、複数の被覆を施すための複数の水性処置工程の使用が可能になり、あるいは最終熱処理/焼成の前に複数の処理が可能になる。
【0093】
本開示の実施形態により、生地処理を可能にするために必要に応じて局所的に疎水化処置、例えば、スキン形成のための基体の外面の処置あるいは最終熱処理/焼成前の生地閉塞のための端面の一方または両方の処置、を施すことで局所的な親水特性及び疎水特性の変化が可能になる。
【0094】
本開示の実施形態例により、生地基体の化学処理(化学処理により必要に応じて硬化される)及び、基体の、また膜の被覆、塞栓及び/またはスキンも、熟成させるための単焼成工程が後続する、所要のプロセス工程(例には、膜のコーティング、閉塞、及び/またはスキン形成がある)を完了するための必要に応じる処理が可能になる。本開示の実施形態例はさらに、高温焼成によって向上した膜、塞栓及びスキンの属性を一般に含む、生地処理に起因する利点を提供する。これらの属性には、与えられた押出強度(push out strength)に対してより短い塞栓長を可能にする、塞栓に対するより高い強度、基体に対する高められた密着及び基体に整合する組成が用いられる場合の基体への熱膨張係数(CTE)整合がある。
【0095】
噴霧による疎水化処置の実施は必要ないが、本開示の実施形態にしたがう疎水化処置の実施に噴霧を用いることにより、乾燥工程の必要を避け、高速硬化を可能にし、水溶性基体結合剤に適合するであろう疎水化処理のための液体キャリアの使用の潜在的な必要を避ける、適切な化学薬品の使用が可能になる。
【0096】
本開示の実施形態例は、生地処理を可能にするために必要に応じて表面化学の改質を可能にするため、材料バッチに用いられる生地結合剤の溶解度に依存して、必要に応じて一般化することができる。例えば、油溶性結合剤が材料バッチに用いられていれば、油ベースコーティングの塗布を可能にするため、基体生地表面を親油性から疎油性に転換することができるであろう。この手法は様々な結合剤化学物質を様々なコーティング化学物質と組み合わせるための非常にフレキシブルな枠組みを提供する。
【0097】
実施形態例への本明細書全体にわたる言及及び本明細書全体にわたる同様の用語は同じ実施形態を指すことができるが、必ずしもその必要はない。さらに、実施形態例を参照して本明細書に説明される主題の、説明される特徴、構造または性質は、1つ以上の実施形態例においていずれか適する態様で組み合わせることができる。説明においては、主題の実施形態の完全な理解を提供するため、制御、構造、プロセス、組成、物品、等の例のような、数多くの特定の詳細が提供される。しかし、当業者であれば、特定の詳細の1つ以上がなくとも、あるいは他の方法、コンポーネント、材料、等を用いて、主題が実施され得ることを認めるであろう。他の例では、開示される主題の態様が曖昧になることを避けるため、周知の構造、材料または動作が示されていないかまたは詳細には説明されていない。
【0098】
上で説明した簡略なフローチャート図及び方法略図は全般に論理フローチャート図として述べられる。したがって、示される順序及び標識付工程は代表的な実施形態を示している。略図に示される方法の1つ以上の工程、またはそれらの部分に対して、機能、論理及び効果において等価である、別の工程及び方法を考えることができる。さらに、用いられるフォーマット及びシンボルは略図の論理工程を説明するために与えられ、図によって示される方法の範囲を限定することはないと了解される。略図には様々なタイプの矢印及び線が用いられ得るが、これらが対応する方法の範囲を限定することはないと了解される。実際、方法の論理フローのみを示すため、いくつかの矢印またはその他の結合子を用いることができる。例えば、矢印は図示される方法の挙げられている工程間の指定されていない接続期間の待ち時間またはモニタ時間を示すことができる。さらに、特定の方法が行われる順序は。図示される、対応する工程の順序に厳密に忠実であってもなくても差し支えない。
【0099】
特許請求される本発明の精神または範囲を逸脱することなく、説明した実施形態に様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、実施形態の改変及び変形が添付される特許請求項及びそれらの等価形態の範囲内に入れば、本開示はそのような改変及び変形を包含するとされる。