特許第6306151号(P6306151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306151基板処理装置、断熱構造体及び半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306151
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】基板処理装置、断熱構造体及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   H01L21/31 E
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-508803(P2016-508803)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(86)【国際出願番号】JP2015058303
(87)【国際公開番号】WO2015141792
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年9月13日
(31)【優先権主張番号】特願2014-58323(P2014-58323)
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】竹脇 基哉
(72)【発明者】
【氏名】小杉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】上野 正昭
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−202912(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/099449(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/141371(WO,A1)
【文献】 特開2012−033871(JP,A)
【文献】 特開2010−093108(JP,A)
【文献】 特開2009−004715(JP,A)
【文献】 特開2014−209569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/22
H01L 21/316
C23C 16/44
F25D 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する反応管と、
前記反応管の外周に配置され、前記反応管内を加熱する加熱部と、
前記加熱部の外周に配置された断熱部と、
前記断熱部に複数設けられ、外気又は冷却媒体を流通させる流路と、
前記断熱部の上面を覆う天井部と、を有し、
前記天井部は、前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間が形成され、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材と、を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記空間に前記外気又は冷却媒体を供給する吸気機構をさらに有し、
前記吸気機構は、
前記空間と接続する吸気口を有する吸気部と、
前記外気または冷却媒体を内部に取り込む取込部と、
前記吸気部と前記取込部とを連通させる導入部と、を備える請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記吸気機構は、前記導入部に設置され、前記吸気口を開閉させる開閉部と、前記開閉部を駆動する駆動部と、を備える請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記導入部は前記吸気部に対向して設置され、前記取込部は前記導入部と隣接して設置される請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2の部材は大径部分と小径部分とを有する円板形状である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2の部材の上に配置され、大径部分と小径部分とを有する円板形状の第3の部材と、
前記第3の部材の上に配置され、前記天井部の上端として構成される円板形状の第4の部材と、をさらに有する請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2の部材の小径部分と前記第3の部材の小径部分とは、少なくとも一部分が重なるように形成されている請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1の部材と前記第2の部材の中心には、前記外気又は冷却媒体を排気する排気口が形成されている請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第3の部材は前記排気口に垂直に連通するように径方向に形成された排気路を有し、前記第2の部材の上面には前記排気路に沿った形状の溝が形成されている請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
反応管と前記反応管の加熱部とを収容する空間を有する断熱構造体であって、
円周方向に等間隔で、略鉛直方向に伸びる断熱部内流路が複数形成された円筒状断熱部と、
前記円筒状断熱部の上端を覆う天井部と、を備え、
前記複数の断熱部内流路は、前記空間に連通する吹出孔及び前記空間を介して、もしくは、最下端から周方向に形成された下部流路を介して、互いに連通しており、
前記天井部
前記断熱部内流路に前記外気または冷却媒体を供給する供給口が形成された第1の部材と、
前記第1の部材の上に配置され、前記複数の断熱部内流路の上端を吸気機構に連通させるバッファエリアを少なくとも2つの空間に分割し、対流を抑制する仕切部が形成された第2の部材と、
前記空間から前記外気または冷却媒体を排気する排気口が形成された第3の部材と、を有する断熱構造体
【請求項11】
反応管の外周に配置された加熱部により前記反応管内を加熱し、前記反応管内の基板を処理する工程と、
前記加熱部の外周に配置され、外気又は冷却媒体を流通させる流路が複数設けられた断熱部の上面を覆い、前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間が形成され、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材と、を有する天井部に前記外気または冷却媒体を供給して前記流路に前記外気又は冷却媒体を流通させることで前記反応管内を冷却する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、天井部及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置の一例として、半導体製造装置があり、さらに半導体製造装置の一例として、縦型装置が知られている。
この縦型装置において、半導体、ガラス等の基板に加熱下で処理を施すことが行われる。例えば、縦型の反応管内に基板を収容して反応ガスを供給しつつ加熱し、基板上に薄膜を気相成長させる。この種の半導体製造装置において、加熱冷却装置である発熱部を冷却し、熱を装置本体外へ排出させる必要がある。
【0003】
特許文献1は、筒状の断熱体と該断熱体の内周面に配設された発熱線とで構成される発熱部と、該発熱部に対して円筒空間を形成する様に設けられた断熱部と、発熱部を囲繞する様に断熱部の上方側に設けられ、円筒空間に接続された冷却ガス導入部と、冷却ガス導入部の略中央部から直径方向に向けて冷却ガス導入部と略同じ高さに設けられた冷却ガス排出部を有する基板処理装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−33871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の基板処理装置では、温度安定時にバッファエリアや流路内部で対流が発生し、吸気部に近い装置背面側(後ろ側)の基板面内温度が下がる傾向にあり、基板が局所的に冷却され、基板面内の温度均一性を保つことが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、基板面内の温度均一性を向上させつつ、炉内温度を迅速に低下させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、基板を処理する反応管と、前記反応管の外周に配置され、前記反応管内を加熱する加熱部と、前記加熱部の外周に配置された断熱部と、前記断熱部に複数設けられ、外気又は冷却媒体を流通させる流路と、前記断熱部の上面を覆う天井部と、を有し、前記天井部は、前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間が形成され、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板面内の温度均一性を向上させつつ、炉内温度を迅速に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10を示す縦断面図である。
図2図1に示す基板処理装置10のA−A線断面図である。
図3】本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10に用いられる吸気機構82の(a)は正面図であって、(b)は側面図であって、(c)は底面図である。
図4】本発明の一実施形態で好適に用いられる天井部28の(a)は、上部板60を示し、(b)は、中間板56を示し、(c)は、仕切板58を示し、(d)は、下部板54を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10の天井部28周辺の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10の下端部70周辺を示す図である。
図7図3に示す吸気機構82内のエアフローを示す図である。
図8】本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10に用いられるダンパー46の動作を示す図である。
図9図3に示す吸気機構82を天井部28に設置した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置10に用いられる吸気機構90の(a)は正面図であって、(b)は側面図である。
図11図10に示す吸気機構90内のエアフローを示す図である。
図12】本発明の比較例に係る天井部280周辺の(a)は斜視図であって、(b)は(a)の正面図であって冷却媒体の流れを説明するための図である。
図13】比較例に係る天井部280を用いて冷却した場合の基板の温度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して本発明の実施形態に係る基板処理装置10について説明する。
本発明が適用される実施形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC等)の製造における基板処理を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理装置10は、図1においては不図示の筺体11と、処理室24を形成する円筒状の反応管16と、反応管16の外周に設置され、反応管16内を加熱する加熱部として抵抗加熱ヒータ等で構成される発熱部(ヒータ)30と、発熱部30と反応管16との間の空間である空間14と、反応管16内に処理対象の基板(ウエハ)18を保持する基板保持具としてのボート20とを備えている。ボート20は基板18を水平状態で隙間をもって多段に装填でき、この状態で複数枚の基板18を反応管16内で保持する。ボート20はシールキャップ22を介してエレベータ40上に載置されており、このエレベータ40により昇降可能となっている。したがって、基板18の反応管16内への装填および反応管16内からの取り出しはエレベータ40の作動により行われる。また、反応管16は基板18を収容し処理する処理室24を形成している。
【0011】
反応管16にはガス導入管25が連通され、ガス導入管25には不図示の反応ガス供給源及び不活性ガス供給源が接続されている。また、ガス導入管25には処理室24内に反応ガス及び不活性ガスを供給するガス供給孔31が複数形成されたガスノズル27が接続されている。また、反応管16の下端部にはガス排気管29が接続されており、処理室24内の排気を行う。
【0012】
発熱部30の外周には、反応管16および発熱部30を冷却する冷却機構としての中空の断熱部26が配置されている。断熱部26は、例えば、複数の断熱体が積層された構造の断熱構造体である。断熱部26の上面は天井部28により覆われている。ここで、天井部28を冷却機構に含めて考えても良い。また、発熱部30、断熱部26および天井部28よって反応管16を加熱および冷却する加熱冷却装置12が構成されると考えても良い。
【0013】
断熱部26には、空間14を囲むように略鉛直方向に延び、外気又は冷却媒体が流れる断熱部内流路としての流路32が形成されている。冷却媒体としては、例えば、不活性ガスを用いても良い。図2に示すように、流路32は、平面視において横長形状であり、円周方向に均等に複数形成されている。
【0014】
また、流路32には、吹出孔35が所要の分布で複数形成されており、図1に示すように流路32と空間14とは略水平に連通されている。すなわち、流路32から空間14へ吹出孔35を介して外気又は冷却媒体を吹出すように構成されている。なお、吹出孔35は、図1では水平方向に形成されているが、この形態に限定されない。例えば、後述する排気口36へ向けるように斜め上方に向けて傾斜をつけてもよい。
【0015】
天井部28の側面には、空間14内の雰囲気を装置外へ排出する排気部38が設けられている。排気部38は、天井部28の略中心に形成された排気口36に排気路66を介して連通している。また、図9に示すように、この排気部38と略同じ高さに外気又は冷却媒体を天井部28および流路32を介して空間14に吸気させる吸気機構82(図3参照)が排気部38を挟んで左右に1つずつ設けられる。すなわち、排気部38を挟んで一対の吸気機構82が設置されている。吸気機構82は、後述するバッファエリア52と連通して設けられる。ここで、図9では、天井部28および断熱部26を覆うパネルを設置した状態を図示している。
【0016】
排気部38は、排気口36に連通して接続される排気管44と、排気管44と後述する排気管76とに接続され、排気経路の切換えを行う切替え部としてのダンパー46と、放熱装置としてのラジエータ48と、外気又は冷却媒体の排気流量を調整する調整部としての排気ファン50から構成される。これら排気管44、ダンパー46、ラジエータ48及び排気ファン50を介して空間14内の熱せられた雰囲気が装置外へ排出される。排気部38は装置背面側(後ろ側)に形成されている。
【0017】
図3に示すように、吸気機構82は、バッファエリア52に接続される吸気口83を有する吸気部84と、吸気部84に向けて外気又は冷却媒体を導入する導入部85と、外気又は冷却媒体を取り込む取込口80を有する取込部87とを有する。ここでは、導入部は吸気部に対向して設置され、取込部は吸気部に対向し、導入部と隣接するように配置されている。すなわち、図3(c)に示すように、導入部85は吸気部84および取込部87に隣接し、それぞれの配置関係が平面視においてL字状になるように配置されている。吸気部84と導入部85と取込部87とは略同じ高さに設けられている。また、図7に示すように、吸気部84と導入部85と取込部87は筐体11内部に位置しており、取込部87の取込口80と導入部85の後述するシリンダー88が接続されている面(背面)とが筐体から露出している。すなわち、吸気部84は筐体に開口した部分からはめ込むように設置されている。
【0018】
吸気部84は、図3(c)に示すように、天井部28の側面と同じ曲率の曲面状の吸気口83を有し、この吸気口83がバッファエリア52に接続される。すなわち、吸気口83は平面視において三角形の斜面部分が所定の曲率を有する曲線に形成された形状である。また、吸気部84と導入部85との接続部分の一端は、吸気口83と接続するように構成されている。
【0019】
図3(a)(c)に示すように、導入部85内には、吸気口83と対向する側に、吸気部84と導入部85または取込部87とを遮断する開閉部86と、この開閉部86を駆動させる駆動部としてのシリンダー88が設けられる。開閉部86とシリンダー88とにより開閉機構が構成される。シリンダー88を吸気部84側へ移動させると、開閉部86により吸気口83が閉じられ、天井部28内への外気又は冷却媒体の供給が遮断される。ここでは、開閉部86は吸気部84と導入部85との境界面を閉じることで、吸気部84内に閉じ込め空間を形成させることにより、吸気口83を閉じるように構成されている。このとき、吸気部84の体積である閉じ込め空間の体積は、導入部85の体積よりも小さくなっている。すなわち、開閉部86を天井部28に近い位置にて閉鎖することにより、開閉部86を閉じた時の吸気部内の閉じ込め空間の体積を小さくすることができる。このように、閉じ込め空間の体積を小さくすることにより、閉じ込め空間内で冷やされる外気または冷却媒体の体積を小さくすることができるため、天井部28や断熱部26と吸気部84(閉じ込め空間)内との雰囲気の温度差を小さくすることができる。
【0020】
取込部87は、吸気部84と導入部85との隣接面に対して略垂直の面に設けられ、吸気部84に対して斜めの位置に配置されている。また、吸気部84と導入部85との隣接面と略並行して、かつ、開閉部86と略同じ高さに取込口80が設けられる。また、図3(c)に示すように、取込部87の取込口80に対向する面は、取込口80に対して斜めに形成されている。すなわち、吸気口83に向けて断面積が漸次大きくなるように形成されている。このような構成とすることにより、取込口80から導入された外気又は冷却媒体が吸気機構82内で滞留することなく、取込口80から吸気口83への滞りのない流れを形成することができる。
【0021】
図1に示すように、天井部28には、冷却媒体が流れる空間であるバッファエリア52が形成されている。バッファエリア52は、流路32の上端と吸気機構82に連通している。バッファエリア52は、流路32の断面積よりも広く形成され、発熱部30の上部を囲繞する様に設けられている。また、バッファエリア52は、上部空間52aと下部空間52bとに分割して設けられている。さらに、図5に示すように、下部空間52bは装置背面側(後ろ側)のバッファエリア52b−1と、装置正面側(前側)のバッファエリア52b−2に分割して設けられている。
【0022】
図4に示すように、天井部28は、複数の部材(板体)により構成される。
天井部28は、下から順に、天井部28の下端部となる第1の部材(第1の板)としての下部板54と、下部板54の上に設けられた第2の部材(第1の板)としての仕切板58と、仕切板58の上に設けられた第3の部材(第3の板)としての中間板56と、中間板56の上に設けられ、天井部28の上端部となる第4の部材(第4の板)としての上部板60から構成される。
【0023】
下部板54は、円板形状であって、その中心には、空間14内の雰囲気を装置外へ排気する排気口36が形成されている。また、排気口36の周囲には、流路32に連通し、流路32へ外気又は冷却媒体を供給する供給口62が複数設けられている。下部板54には、溝64が複数設けられており、この溝64により熱に起因する下部板54の破損が防止される。溝64の代わりに空間14側に開口したスリットを設けてもよい。ここで、下部板54は、一体に形成されても、2つ以上に分割して設けられていてもよい。
【0024】
中間板56は、排気口36と略垂直に連通し、排気管44との接続部に向けて略水平(径方向)にくり抜かれた排気路66を有する。また、中間板56は、半径R1の部分(大径部分)と半径R1より小さい半径R2の部分(小径部分)を有する円板形状である。小径部分は、平面視において排気路66の中心線を対称に左右に一箇所ずつ形成されている。このような構成により、中間板56の小径部分の周囲に、中間板56の厚さと同等の高さh1の空間である上部空間52aが形成される。
【0025】
上部板60は、半径R1の円板形状である。
【0026】
仕切板58は、下部板54と中間板56の間に設けられる。仕切板58は、半径R1の部分(大径部分)と半径R1より小さい半径R2の部分(小径部分)を有する円板形状であり、大径部分の下面の外周に沿って幅d(R1−R2)の溝と、仕切部67とを有する形状である。
【0027】
仕切板58の中心には、排気口36が形成されている。また、上面に排気路66に沿った形状の溝60が形成されており、排気路66の下面を構成している。
【0028】
このような構成とすることにより、仕切板58の小径部分の周囲には、仕切板58の厚さと同等の高さh1の空間であるバッファエリア52b−2が形成され、大径部分の下側には高さh1より低い高さh2の空間であるバッファエリア52b−1が形成される。
【0029】
仕切部67は、大径部分と小径部分との境界部分の下面に形成された仕切部67aと、平面視において溝60の中心線に沿って下面に形成された仕切部67bとで構成される。仕切部67aにより、下部空間52bは後ろ側のバッファエリア52b−1と、前側のバッファエリア52b−2に分割される。また、仕切部67bにより、バッファエリア52が左右に分離され、一対の吸気機構82からそれぞれのバッファエリア52に対して外気又は冷却媒体が供給される。
【0030】
仕切板58の小径部分と中間板56の小径部分は少なくとも一部分が重なるように形成されている。このような構成とすることにより、バッファエリア52aとバッファエリア52b−2とを連通させることができ、吸気機構82から外気又は冷却媒体をバッファエリア52b−2に供給させることができる。
【0031】
図5に示すように、後ろ側(排気部38側)の流路32はバッファエリア52b−1に連通し、前側(排気部38の対向する側)の流路32はバッファエリア52b−2に連通している。
【0032】
上述の通り、バッファエリア52aおよびバッファエリア52b―2の高さh1は、バッファエリア52b−1の高さh2よりも高くなっている。このような構成とすることにより、バッファエリア52aおよびバッファエリア52b−2への外気又は冷却媒体の供給バランスを調整することができる。すなわち、バッファエリア52aおよびバッファエリア52b−2の高さh1をバッファエリア52b−1の高さh2よりも高くすることにより、吸気口83から距離が遠い前側の流路32にも十分な量の外気又は冷却媒体を供給することができる。
【0033】
図6に示すように、断熱部26内に略垂直に形成された流路32は、この流路32の最下端から周方向に形成された下部流路としての流路72と連通している。流路72は、発熱体30の外周側に同心円状に形成される。
【0034】
また、図1に示すように、ダンパー46は、略水平に排気管44が接続され、この排気管44より幅の広いダンパーケース47を有している。流路32の下端部70とダンパーケース47の下面は、排気管76で接続されている。下端部70の排気管76との接続部分には、図示しないチャッキ弁が設けられており、外気又は冷却媒体が下端部70から排気管76に向かう流れの時のみチャッキ弁が解放し、流路が形成されるようになっている。ダンパーケース47の排気管76との接続部には、中央に排気管76を接続する孔が設けられたプレート78が設けられる。ここで、図1においては、構成を分かり易くするために、排気管76を断熱部26の外側に設けて示している。
【0035】
ダンパーケース47の内部であって、排気管44から排気される流路には、切替部74が設けられ、切替部74の動作により、排気管44からの排気流量の調整や排気経路の切り替えを行う。本実施形態においては、排気流量の調整は排気ファン50の回転数を制御することにより行うが、切替部74の切換角度を調整することによって行っても良い。
【0036】
制御部280は、図示しない操作部や入出力部を備え、基板処理装置10の各構成部と電気的に接続されており、基板処理装置10の各構成部を制御する。制御部280は、成膜等のプロセスの制御シーケンスを時間軸で示したレシピに基づく温度制御や圧力制御、流量制御および機械駆動制御を指令する。
【0037】
次に、上述の基板処理装置を用い、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に薄膜を形成する方法について説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
先ず、エレベータ40を作動させて基板18を保持するボート20を反応管16内に搬入する。次に、発熱部30を発熱させて反応管16を加熱し、ガス導入管25を介して反応管16内に反応ガスを導入するとともに、ガス排気管29を介して反応管16内を排気することにより、基板18の表面に薄膜を形成する。
【0038】
薄膜の形成(成膜処理)が終了すると、ガス排気管29からの排気を続行した状態で発熱部30による加熱を停止し、反応管16内の熱せられた雰囲気を外部へ排出することにより、反応管16内の温度を低下させる。このとき、ガス導入管25から不活性ガスを導入しても良い。
【0039】
そして、反応管16内の温度を所定の温度まで低下させた後に、エレベータ40を作動させてボート20を反応管16内から引き出し、成膜された基板18を反応管16内から取り出す。
【0040】
そして、以下に示すように、外気又は冷却媒体を断熱部26内に取り込ませることにより、反応管16、反応管16内や発熱部30を冷却させる。
【0041】
図7に示されているように、吸気機構82は、バッファエリア52と略同じ高さに取込口80が設けられており、シリンダー88の作用によって、開閉部86をバッファエリア52側と反対方向に移動させると、外気又は冷却媒体が取込口80から吸気口83へ直線的に流れ、バッファエリア52にむけて吸入される。これにより、入り口付近にある流路32にも十分外気又は冷却媒体が流れ、全体のエアーフローバランスが改善される。
【0042】
吸気機構82より吸入された外気又は冷却媒体は、天井部28のバッファエリア52へと流れる。ここで、上部板60と略水平に設けられた仕切板58が、バッファエリア52を上部空間52aと下部空間52bとに仕切り、さらに下部空間52bを後ろ側と前側とで略垂直に仕切ることにより、バッファエリア52内に供給される外気又は冷却媒体の供給流路は、後ろ側の流路32を流れる供給経路と前側の流路32を流れる供給流路とにそれぞれ独立させることができる。すなわち、上部空間52aと下部空間52bとに分かれて流入した外気又は冷却媒体のうち、下部空間52bに流れた外気又は冷却媒体は後ろ側のバッファエリア52b−1に連通する流路32に流れ、上部空間52aに流れた外気又は冷却媒体は、上部空間52aを介してバッファエリア52b−2に流入し、前側のバッファエリア52b−2に連通する流路32に流れる。
【0043】
流路32に流入した外気又は冷却媒体は発熱部30や反応管16を冷却し、排気口36または排気管76を介して排気される。側壁(断熱部26)冷却時には、図8(a)に示すように、ダンパー46の切替部74が閉じられることにより、下端部70のチャッキ弁が開き、吸気機構82から吸入された外気又は冷却媒体は、天井部28に形成されたバッファエリア52b−1、52b−2を介してそれぞれ後ろ側と前側の流路32に流れ込み、流路32の最下端から周方向に形成された流路72、排気管76、ダンパーケース47内を介して装置外へ排気される。これにより、断熱部26を集中的に冷却することができる。
【0044】
一方、発熱部30や反応管16を集中的に冷却する急速冷却時には、図8(b)に示すように、ダンパー46の切替部74が開かれ、吸気機構82から吸入された外気又は冷却媒体は、天井部28に形成されたバッファエリア52b−1、52b−2を介してそれぞれ後ろ側と前側の流路32に流れ込み、吹出孔35を介して空間14内へ供給され、排気口36、排気管44、ダンパーケース47内を介して装置外へ排気される。これにより、発熱部30や反応管16を集中的に冷却することができる。
【0045】
このように、外気又は冷却媒体を断熱部26内に取り込むことにより、反応管16内の温度を低下させることができる。このとき、ダンパー46の切替部74を適宜切り替えることにより、側壁冷却と急速冷却とを切り替えることが可能となる。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態に係る吸気機構90について説明する。
図10に示すように、吸気機構90は、バッファエリア52に接続される吸気口83を有する吸気部84と、吸気部84に向けて外気又は冷却媒体を導入する導入部85とを有する。
【0047】
図10(a)に示すように、吸気部84は、吸気口83を有し、この吸気口83がバッファエリア52に接続される。導入部85は、吸気部84との隣接面から上下方向に外方に向けて広がった形状を有し、導入部85内の吸気口83側の対向する側に、シリンダー88で作動する開閉部86が設けられている。また、開閉部86の上下には、外気又は冷却媒体を空間14に取り込む取込口80が設けられている。すなわち、吸気機構90は、導入部85の取込口80から吸気口83に向けて流路が狭まった形状をしている。
【0048】
図10(b)に示すように、取込口80は、シリンダー88の上方に設けられた取込口80aと下方に設けられた取込口80bを有している。取込口80aと取込口80bとの導入口面積の合計は、吸気口83の面積よりも大きい。このような構成により、空間14に取り込まれる外気の直線的な流れができ、急速冷却時の基板面内温度均一性を向上させることができる。
【0049】
図11に示されるように、外気又は冷却媒体は、取込口80a,80b、すなわち、吸気機構90の上下方向から直線的にバッファエリア52に向けて吸入される。これにより、入り口付近にある流路32にも十分に外気が流れ、全体のエアーフローバランスが改善される。
【0050】
図12は、比較例に係る基板処理装置の天井部280周辺を示す図である。
【0051】
比較例に係る基板処理装置においては、天井部280のバッファエリア52を背面側と正面側とで仕切る仕切板58はなく、流路32の上端が背面側と正面側で共通するバッファエリア52に連通している。すなわち、バッファエリア52内で背面側の流路32と正面側の流路32が連通している。
【0052】
このため、断熱部26の正面側(前側)と背面側(後ろ側)とで温度差が生じた場合、背面側では冷えた雰囲気が下方へと流れる下降気流と、正面側では暖かい雰囲気が上方へと流れる上昇気流が生じる。比較例のように、背面側の流路32と正面側の流路32がバッファエリア52内で連通している場合、図12(b)の矢印で示されるように、バッファエリア52および流路32内で下降気流と上昇気流によるサイクル(対流)ができてしまう。その結果、図13に示されているように、背面側と正面側とで冷却状態が異なるため、背面側と正面側とで基板面内の温度均一性に影響が出てしまう。
【0053】
天井版280、断熱部26、発熱部30や反応管16の温度差は、これらの構成が配置される位置や、外気又は冷却媒体の流路の位置等の影響により生じる。すなわち、これらの構成の筐体外部に近い部分ほど、言い換えると、外気に近い部分ほど放熱しやすいため冷えやすくなる。また、外気または冷却媒体を供給する吸気機構に近い流路32ほど、新鮮な外気又は冷却媒体を取り込みやすいため、他の部分に比べて冷えやすいことが考えられる。これらの要因で温度差が生じ、対流が発生しうる。この時、この温度差によって生じる下降気流と上昇気流とが連通する部分を仕切板58で遮断させることにより、すなわち、下降気流と上昇気流とを仕切板58で分離させることにより、天井版280および断熱部26内における対流の発生が抑制され、基板面内の温度均一性を改善することができる。
【0054】
本実施の形態において、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。(1)本実施の形態によれば、装置背面側と装置前面側とで温度差が生じることを抑制できるため、温度リカバリー時間を短縮させることができ、生産性が向上する。更に、レシピ時間短縮および安定時消費電力削減により消費エネルギーが低減され、省エネ化が実現できる。また、基板18面内(面内)、基板18間の温度均一性が改善されるため、製品歩留りが低減される。
【0055】
(2)天井部28のバッファエリア52に接続される吸気機構の取込口80が、シリンダー88の上方に設けられた取込口80aと下方に設けられた取込口80bを有している。取込口80aと取込口80bとの導入口面積の合計は、バッファエリア52の面積よりも大きい。これにより、空間14に取り込まれる外気の直線的な流れができ、急速冷却時の基板面内温度均一性を向上させることができる。
【0056】
(3)吸気機構82の開閉部86を天井部28に近い位置にて閉鎖する。これにより、開閉部86を閉じた時の吸気部内の閉じ込め空間の体積を小さくすることができる。すなわち、開閉部86を天井部28に近い位置に設置し、閉じ込め空間の体積を小さくすることにより、当該閉じ込め空間の雰囲気をバッファエリア52や流路32の雰囲気に近い温度や環境にすることができる。バッファエリア52や流路32の雰囲気に比べて冷えた空気が閉じ込め空間内で生成されることを防ぐことができ、天井部28内での温度差による空気の対流の発生を抑制できる。これにより、基板18面内の温度均一性を改善することができる。
【0057】
(4)空間14に通ずる流路32の入口を装置背面側と正面側とで分離させる。これにより、流路32入口のバッファエリア52において、装置背面側の流路32と正面側の流路32との接続がないため、正面側と背面側とで温度差が生じ、正面側の流路32で外気又は冷却媒体の上昇気流と背面側の流路32で外気又は冷却媒体の下降気流とが生じたとしても、装置側の流路32と正面側の流路32が仕切られているため、対流の要因となる上昇気流と下降気流の流れのサイクルを抑制することが可能となり、基板18面内の温度均一性を改善することができる。基板18面内の温度均一性を改善することにより、成膜の膜厚や膜質の均一性も改善させることができる。
【0058】
(5)ダンパー46の切替部74を適宜切り替えることにより、ダンパー46に対して2方向から排気することができる。すなわち、空間14を介さずに排気されるルートを設けることにより、側壁(断熱部)の温度を迅速に低下させることができ、状況に応じて発熱部30の側壁が冷却され、発熱部30からの放熱が促進される。また、必要に応じて炉内温度を低下させたり、断熱部の機能を抑制させたりすることにより、温度収束時間を短縮することができる。
【0059】
(6)天井部28周辺のスペースに応じて、縦型又は横型の吸気機構の実施形態を用いることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0060】
(7)炉内が均一且つ効率的に冷却され、反応管16の温度が迅速に低下し、基板18の温度が反応管から取り出し得る所定温度まで迅速に低下され、スループットを向上させることができる。さらに、基板18の面内、面間均一性を向上させることができる。
【0061】
なお、上記した実施例では円筒状の加熱冷却装置12を示したが、本発明では、これに限らず、種々な断面形状の筒型ヒータに適用することができる。また、天井部28の形状も、円板状に限られず、断熱部26の上端開口を塞げるように、断熱部26の断面形状に応じて種々に設定される。
【0062】
また、本発明は、半導体製造装置だけでなくLCD装置のようなガラス基板を処理する装置にも適用することができる。
【0063】
また、本発明は、半導体製造技術、特に、被処理基板を処理室に収容して加熱冷却装置によって加熱した状態で処理を施す熱処理技術に関し、例えば、半導体集積回路装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハに酸化処理や拡散処理、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニール及び熱CVD反応による成膜処理などに使用される基板処理装置に利用して有効なものに適用することができる。
【0064】
<本発明の好ましい態様>以下、本発明の好ましい態様について付記する。
【0065】
[付記1]
本発明の一態様によれば、
基板を処理する反応管と、
前記反応管の外周に配置され、前記反応管内を加熱する加熱部と、
前記加熱部の外周に配置された断熱部と、
前記断熱部に複数設けられ、外気又は冷却媒体を流通させる流路と、
前記断熱部の上面を覆う天井部と、を有し、
前記天井部は、前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間が形成され、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材と、を有する基板処理装置が提供される。
【0066】
[付記2]
本発明の他の態様によれば、
外気又は冷却媒体を流通させる流路が複数設けられた中空の断熱部と、前記断熱部の上面を覆う天井部と、を有する冷却機構であって、
前記天井部は、少なくとも前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間を形成し、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材とで構成される冷却機構が提供される。
【0067】
[付記3]
本発明のさらに他の態様によれば、
複数の板体を積層し、内部に外気又は冷却媒体をさせる空間が形成された天井部であって、
その下面に前記空間を分割する仕切部が形成された仕切板を少なくとも有する天井部が提供される。
【0068】
[付記4]
本発明のさらに他の態様によれば、
基板を処理する反応管と、
前記反応管の外周に配置され、前記反応管内を加熱する加熱部と、
前記加熱部の外周に配置され、外気又は冷却媒体を流通させる流路が複数形成された断熱部と、
前記断熱部の上面を覆い、前記断熱部に前記外気又は冷却媒体を供給する空間と、前記断熱部から前記外気又は冷却媒体を排気する排気路が形成された天井部と、
前記空間に接続され、前記天井部に前記外気又は冷却媒体を供給する吸気機構と、
前記排気路に接続され、前記天井部から前記外気又は冷却媒体を排気する排気部と、を有する基板処理装置であって、
前記吸気機構は、前記排気部を挟んで左右に一対設置されている基板処理装置が提供される。
【0069】
[付記5]
付記4に記載の装置であって、好ましくは、
前記吸気機構は、前記吸気機構内に前記外気又は冷却媒体を取り込む取り込み部と、前記外気又は前記冷却媒体を前記天井部に吸気する吸気部と、前記取込部と前記吸気部とを連通する導入部とを有し、
前記導入部は前記吸気部および前記取込部に隣接し、それぞれの配置関係が平面視においてL字状に配置されている。
【0070】
[付記6]
付記5のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記導入部は前記天井部への前記外気又は冷却媒体の供給を遮断する開閉部と、前記開閉部を駆動する駆動部とをさらに有し、
前記開閉部は前記吸気部と前記導入部との境界面を開閉するように構成されている。
【0071】
[付記7]
付記5または6のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記導入部の体積は、前記吸気部の体積よりも大きい。
【0072】
[付記8]
付記5乃至7のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記吸気部は、前記天井部との接続面に、前記天井部へ前記外気又は冷却媒体を供給する吸気口を有し、
前記吸気口は曲面状に形成されている。
【0073】
[付記9]
本発明のさらに他の態様によれば、
反応管の外周に配置された加熱部により前記反応管内を加熱し、前記反応管内の基板を処理する工程と、
前記加熱部の外周に配置され、外気又は冷却媒体を流通させる流路が複数設けられた断熱部の上面を覆い、前記流路に連通し、前記外気又は冷却媒体を前記流路内へ供給する供給口が形成された第1の部材と、前記第1の部材の上に配置され、前記第1の部材との間に前記外気又は冷却媒体を流す空間が形成され、前記空間を少なくとも2つの空間に分割する仕切部が形成された第2の部材と、を有する天井部に前記外気または冷却媒体を供給して前記流路に前記外気又は冷却媒体を流通させることで前記反応管内を冷却する工程と、を有する半導体装置の製造方法、または、基板処理方法が提供される。
【0074】
[付記10]
本発明のさらに他の態様によれば、
基板を処理する反応管と、
前記反応管の外周に設置された断熱部と、
前記断熱部内の外気又は冷却媒体を排気する排気機構と、を有する基板処理装置であって、
前記排気機構は、排気流路を切り替えるダンパーと、前記ダンパーに接続され、前記断熱部の天井部に設けられた第1の排気管と、前記ダンパーに接続され、前記断熱部の側壁に設けられた第2の排気管と、を有し、前記ダンパーが前記第1の排気管からの排気と、前記第2の排気管からの排気と、を切り替える基板処理装置が提供される。
【0075】
なお、この出願は、2014年3月20日に出願された日本出願特願2014−058323を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上で説明をしたように、本発明は、基板処理装置、天井部及び半導体装置の製造方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
10・・・基板処理装置 16・・・反応管 18・・・基板(ウエハ) 26・・・断熱部 28・・・天井部 30・・・発熱部 32・・・流路 35・・・吹出孔 46・・・ダンパー 52・・・バッファエリア 82,90・・・吸気機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13