特許第6306173号(P6306173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306173
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】ベンズイミダゾール誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/08 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   C07D235/08
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-525274(P2016-525274)
(86)(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公表番号】特表2016-525513(P2016-525513A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】KR2014005996
(87)【国際公開番号】WO2015005615
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2016年1月8日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0080389
(32)【優先日】2013年7月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0114349
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514311689
【氏名又は名称】シージェイ ヘルスケア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CJ HEALTHCARE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ジェ ホン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソグ ボム
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン ア
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジ ユン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、クァン ド
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン ジュン
【審査官】 齋藤 光介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05294631(US,A)
【文献】 Webel, Matthias; Palmer, Andreas Marc; Scheufler, Christian; Haag, Dieter; Muller, Bernd,Development of an efficient process towards the benzimidazole BYK308944: a key intermediate in the synthesis of a potassium-competitive acid blocker,Organic Process Research & Development,2010年,14(1),142-151
【文献】 Shilcrat, Susan C.; Mokhallalati, Mohamed K.; Fortunak, Joseph M. D.; Pridgen, Lendon N.,A New Regioselective Synthesis of 1,2,5-Trisubstituted 1H-Imidazoles and Its Application to the Development of Eprosartan,Journal of Organic Chemistry ,1997年,62(24),8449-8454
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)下記化学式(8)で表される化合物と下記化学式(9)で表される化合物を反応させて下記化学式(10)で表される化合物を製造する段階;及び
2)下記化学式(10)で表される化合物と下記化学式(11)で表される化合物を反応させて下記化学式(1)で表される化合物を製造する段階を含む、ベンズイミダゾール誘導体の製造方法において、
前記化学式(8)で表される化合物は、
a)下記化学式(4)で表される化合物と下記化学式(5)で表される化合物を反応させて下記化学式(6)で表される化合物を製造する段階;及び
b)下記化学式(6)で表される化合物と下記化学式(7)で表される化合物を反応させて前記化学式(8)で表される化合物を製造する段階を含む方法により製造され、
前記段階a)はメタノールを溶媒として使用して行い、
前記段階b)は炭酸カリウムの存在下で、塩化メチレンと水の混合溶液を溶媒として使用して、40℃〜45℃の温度で行い、
前記化学式(6)で表される化合物と前記化学式(7)で表される化合物の反応後、塩酸の存在下で、tert−ブチルメチルエーテルを使用する分離過程がさらに行われ、
前記化学式(4)で表される化合物は、
下記化学式(2)で表される化合物と下記化学式(3)で表される化合物を反応させることによって製造され、
前記化学式(2)で表される化合物と前記化学式(3)で表される化合物との反応時に、塩化アセチルを添加する:
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
式中、
はメチルであり、
はC1−4アルキルであり、
はC1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、アセチルまたはベンゾイルであり、かつ
エチルである、ベンズイミダゾール誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記化学式(1)で表される化合物を炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムから選択される塩基の存在下で反応させて下記化学式(1−1)で表される化合物を製造する段階を更に含み、
【化12】
式中、
はメチルであり、かつRはC1−4アルキルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記化学式(1)で表される化合物を水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選択される塩基の存在下で反応させて下記化学式(1−2)で表される化合物を製造する段階を更に含み、
【化13】
式中、
はメチルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記化学式(1−2)で表される化合物を塩化チオニルの存在下にジメチルアミンと反応させて下記化学式(1−3)で表される化合物を製造する段階を更に含み、
【化14】
式中、
はメチルである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記Rはメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記Rはメチル、トリフルオロメチル、フェニル、アセチルまたはベンゾイルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記段階1)は、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及びナトリウムメトキシドからなる群より選択される塩基の存在下で行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記段階1)は、メタノール、エタノール、アセトニトリル及び塩化メチレンからなる群より選択される溶媒を使用して行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記段階2)はアセトニトリルを溶媒として使用して行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムから選択される塩基の存在下での前記化学式(1)で表される化合物の反応は、メタノール、エタノール、水及びこれらの混合溶液からなる群より選択される溶媒を使用して行う、請求項2に記載の製造方法。
【請求項11】
水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選択される塩基の存在下での前記化学式(1)で表される化合物の反応は、メタノール、エタノール、水及びこれらの混合溶液からなる群より選択される溶媒を使用して行う、請求項3に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンズイミダゾールは、医薬品及び化学分野において非常に重要なファーマコフォア(pharmacophore)として知られている。このような化合物は、化学構造上、ベンゼン環とイミダゾール環間における融合形態を有しており、多くの薬学的特性を有している。1990年代に、フルオロ及びプロピレンなどの置換基を有する多くのベンズイミダゾール誘導体が合成され、これらは安定性、生物学的利用能及びバイオ活性があることが示された。
【0003】
最近、耐性菌が極めて高頻度で発現するにつれて、耐性菌による感染を治療するための化学療法剤としてベンズイミダゾール構造を有する化合物が利用されている。その理由として、プリンと類似したベンズイミダゾール構造により、バクテリア核酸とタンパク質の合成を阻害することができるためである。代表的な化合物としてオキサジアゾール−1H−ベンズイミダゾール(oxidiazole−1H−benzimidazole)が 抗菌活性(antimicrobial activity)を有していることが知られており、真菌類(fungi)に対しても同様に阻害活性を有していることが報告されている。
【0004】
さらに、ベンズイミダゾール誘導体は、HIV阻害剤としても開発されている。代表的な一例としてテトラヒドロ−イミダゾ[4,5,1−jk][1,4]−ベンゾジアゼピン−2(1H)フォン(tetrahydro−imidazo[4,5,1−jk][1,4]−benzodiazepin−2(1H)one)があり、HIV−1逆転写酵素(HIV−1reverse transcriptase)の特定のアロステリック結合部位(allosteric binding site)に作用する抗レトロウイルス薬剤である。さらに、N−アルコキシ−2−アルキル−ベンツイミダゾール(N−alkoxy−2−alkyl−benzimidazole)はEC50<600nMであり、優れた選択性を有する逆転写酵素阻害能力を示す。
【0005】
スルホキシドとメチレン基を有するベンゾイミダゾール系化合物は、プロトンポンプ(proton pump)を阻害することにより胃酸分泌を抑制し、胃粘膜を保護することが知られている。さらに、ベンゾイミダゾール系化合物は、抗ウイルス及び抗高血圧効果を有することも知られている。
【0006】
ベンズイミダゾール誘導体は、繊維産業においても非常に有効に利用されているが、主に染料分散剤または柔軟化剤として使用されていることが知られている。
前述のように、ベンズイミダゾールは、医薬品及び化学分野において極めて高活用度の高いファーマコフォアであり、多くの研究グループによりその合成法が開発され、多くの文献において提案されてきた。
【0007】
特許文献1には、2,6−ジアルキルフェニルを出発物質として使用してベンズイミダゾールを製造する方法が記載されており、特許文献2にも同様に2−アミノ−3−ニトロフェノールを用いた製造方法が記載されている。しかし、前記特許に記載された製造方法は、アミド化反応に高価な中間体及び試薬を使用しており、また、金属触媒を使用することにより精製において困難がある。従って、前記方法は、製造コストが高く、一部中間体の分離にシリカゲルの使用を要するため、一般的な大量合成の工程に適していない。
【0008】
さらに、特許文献3には、アミド化反応のためにカルボニル基を導入する過程で、カーボンモノオキサイドを使用する方法を記載している。しかし、このような反応は、別途の反応装置が必要であり、工程中にカーボンモノオキサイドの露出によるリスクがある。
【0009】
従って、本発明の本発明者らは、医薬品及び化学分野において非常に重要なファーマコフォアして知られているベンゾイミダゾールを、低い製造コストで、通常使用可能な試薬と溶媒を使用したにもかかわらず、従来の方法よりも産業的に大量生産が可能で、かつ高収率で製造可能な方法であることを確認し、既存技術で発生する前述の問題を念に置きながら、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公報WO1997/047603
【特許文献2】国際公報WO2004/054984
【特許文献3】国際公報WO2007/072146
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一つの目的は、製造工程に別途の分離工程を必要とせず、危険な試薬を使用せずに、低コストの出発物質を使用してベンゾイミダゾール構造を有する化合物を優れた収率で生産する製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、前記製造方法により製造された中間体及び最終生成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は、
1)下記化学式(8)で表される化合物と下記化学式(9)で表される化合物を反応させて下記化学式(10)で表される化合物を製造する段階;及び
2)下記化学式(10)で表される化合物と下記化学式(11)で表される化合物を反応させて下記化学式(1)で表される化合物を製造する段階を含む、化学式(1)で表される化合物の製造方法を提供する:
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
式中、
及びRは、それぞれ独立してC1−4アルキルであり、及び
はC1−4アルキル、C1−4ハロアルキルまたはフェニルである。
【0020】
好ましくは、前記R及びRはそれぞれ独立してメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。また、好ましくは、前記Rはメチル、トリフルオロメチルまたはフェニルである。
【0021】
本発明のベンゾイミダゾールの製造方法は、関連技術における従来方法とは異なり、ベンゾイミダゾールを低コストの出発物質を使用し、製造中に別途の分離工程を必要とせず、危険な試薬を使用しないため大量生産に適しており、優れた製造収率を示す。
【0022】
前記段階(1)は、シュトッベ縮合反応(Stobbe condensation)であり、前記化学式(8)で表される化合物と前記化学式(9)で表される化合物を反応させて前記化学式(10)で表される化合物を製造する段階である。
【0023】
好ましくは、前記段階(1)は塩基の存在下で行ってもよく、前記塩基はカリウム tert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及びナトリウムメトキシドからなる群より選択されることが好ましい。
【0024】
さらに、前記反応は、メタノール、エタノール、アセトニトリル及び塩化メチレンからなる群より選択される溶媒を使用して行うことが好ましい。
さらに、前記反応は、50℃〜55℃の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(8)で表される化合物と前記化学式(9)で表される化合物間のモル比は1:1〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:1.4である。
【0025】
前記段階(2)は、ベンズイミダゾールの環化反応であり、前記化学式(10)で表される化合物と前記化学式(11)で表される化合物を反応させて前記化学式(1)で表される化合物を製造する段階である。
【0026】
前記段階(2)は、アセトニトリルを溶媒として使用して反応させることが好ましい。
さらに、前記反応は、80℃〜85℃の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(10)で表される化合物と前記化学式(11)で表される化合物間のモル比は1:1〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:2.8である。
【0027】
前述の製造方法において、前記化学式(8)で表される化合物は、
(a)下記化学式(2)で表される化合物と下記化学式(3)で表される化合物を反応させて下記化学式(4)で表される化合物を製造する段階;
(b)下記化学式(4)で表される化合物と下記化学式(5)で表される化合物を反応させて下記化学式(6)で表される化合物を製造する段階;及び
(c)下記化学式(6)で表される化合物と下記化学式(7)で表される化合物を反応させて前記化学式(8)で表される化合物を製造する段階を含む方法で製造することができる:
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
式中、
はC1−4アルキルであり、及び
はC1−4アルキルである。
【0035】
好ましくは、Rはメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。また、好ましくは、Rはメチルまたはエチルである。
前記段階(a)は、ピナー反応(Pinner reaction)で、ニトリル基の加水分解反応であり、前記化学式(2)で表される化合物と前記化学式(3)で表される化合物を反応させて前記化学式(4)で表される化合物を得る段階である。好ましくは、前記反応は酸性条件下で行うため、塩酸、臭素酸、または酢酸を反応に添加することが好ましい。さらに、反応中に酸性物質を生成させ得る物質を添加してもよい。例えば、前記反応において塩化アセチルを添加して塩酸を生成することも可能である。
【0036】
好ましくは、前記反応は、−10℃〜0℃の範囲の温度で行ってもよい。さらに、前記反応において、前記化学式(2)で表される化合物と前記化学式(3)で表される化合物間のモル比は1:1〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:2.4である。
【0037】
前記段階(b)は、ベンジル基を導入する反応であり、前記化学式(4)で表される化合物と前記化学式(5)で表される化合物を反応させて前記化学式(6)で表される化合物を得る段階である。
【0038】
前記反応は、メタノールまたはエタノールを溶媒として使用して行うことが好ましい。
さらに、前記反応は、23℃〜25℃の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(4)で表される化合物と前記化学式(5)で表される化合物間のモル比は1:1〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:1である。
【0039】
前記段階(c)は、イミダゾールの環化反応であり、前記化学式(6)で表される化合物と前記化学式(7)で表される化合物を反応させて前記化学式(8)で表される化合物を得る段階である。
【0040】
前記反応は、塩基の存在下で行うことが好ましく、前記塩基は炭酸カリウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム及びジイソプロピルエチルアミンからなる群より選択されることがより好ましく、最も好ましくは炭酸カリウムである。
【0041】
さらに、前記反応は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、水及びこれらの混合溶液からなる群より選択される溶媒を使用して行うことが好ましく、最も好ましくは塩化メチレンと水の混合溶液である。
【0042】
さらに、前記反応は、40℃〜45℃(還流)の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(6)で表される化合物と前記化学式(7)で表される化合物間のモル比は1:0.5〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:0.93である。
【0043】
さらに、本発明は、前記化学式(1)で表される化合物を炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムから選択される塩基の存在下で反応させて下記化学式(1−1)で表される化合物を製造する方法を提供する:
【0044】
【化12】
【0045】
式中、R及びRはそれぞれ独立してC1−4アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
前記反応は、メタノール、エタノール、水及びこれらの混合溶液からなる群より選択される溶媒を使用して行うことが好ましい。
【0046】
さらに、前記反応は、23℃〜25℃の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(1)で表される化合物と前記塩基間のモル比は1:1〜1:4であることが好ましく、より好ましくは1:1.4である。
【0047】
さらに、本発明は、前記化学式(1)で表される化合物を水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選択される塩基の存在下で反応させて下記化学式(1−2)で表される化合物を製造する方法を提供する:
【0048】
【化13】
【0049】
式中、RはC1−4アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
前記反応は、メタノール、エタノール、水及びこれらの混合溶液からなる群より選択される溶媒を使用して行うことが好ましい。
【0050】
さらに、前記反応は、70℃〜80℃の範囲の温度で行うことが好ましい。また、前記反応において、前記化学式(1−2)で表される化合物と前記塩基間のモル比は1:1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは1:5である。
【0051】
さらに、本発明は、前記化学式(1−2)で表される化合物を塩化チオニルの存在下でジメチルアミンと反応させて下記化学式(1−3)で表される化合物を製造する方法を提供する:
【0052】
【化14】
【0053】
式中、RはC1−4アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
前記反応は、二段階で行われることが好ましい。まず、塩化チオニルを利用してクロロ基(chloro group)を化学式(1−2)で表される化合物に導入する。アセトニトリルを溶媒として使用し、前記反応は80℃で行うことが好ましい。次に、アミド化によりアミン基を導入する。ここで、前記アミンはジメチルアミンであり、その塩(例えば、塩酸塩)を使用することもできる。前記反応は0℃で行うことが好ましい。
【0054】
さらに、前記反応において、化学式(1−2)で表される化合物と前記アミン間のモル比は1:1〜1:1.8であることが好ましく、より好ましくは1:1.8である。
さらに、本発明は、前述の方法により製造された下記化学式(1)、下記化学式(1−1)、下記化学式(1−2)または下記化学式(1−3)で表される化合物を提供する:
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
式中、R、R及びRは、前記で定義した通りである。
前記化学式(1)、前記化学式(1−1)、前記化学式(1−2)または前記化学式(1−3)で表される化合物の代表的な例は、以下の通りである:
1)エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
2)エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
3)エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
4)エチル4−トリフルオロメトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
5)エチル4−ベンゾイルオキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
6)エチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
7)エチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
8)エチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、
9)1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート、及び
10)1−ベンジル−4−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキサミド。
【発明の効果】
【0060】
本発明のベンゾイミダゾール構造を有する化合物の製造方法は、従来の技術とは異なり、低コストの出発物質を使用し、製造工程に別途の分離工程を必要とせず、危険な試薬を使用しないため大量生産に有利であり、また、優れた製造収率を示す。
【0061】
さらに、本発明の製造方法により製造される中間体及び最終生成物は、ベンゾイミダゾール構造を有する他の化合物を製造するのに使用することができ、特に抗菌剤、抗潰瘍剤または抗炎症治療剤として使用可能な化合物の製造のための中間体として利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、下記実施例及び実験例により本発明をより詳しく説明する。しかし、下記実施例及び実験例は、本発明を例示するためのものであり、これら実施例及び実験例により本発明の範囲が限定されるものではない。
【実施例】
【0063】
実施例1:段階(a)
(1)実施例1−1:メチルアセトイミデート塩酸塩の製造
反応器に、アセトニトリル1.6kgとメタノール2.4kgを投入し、前記反応器を−10℃に冷却した。そこに塩化アセチル3.67kgを徐々に投入した後、前記混合物を0℃で12時間攪拌した。攪拌しながら、反応器の内部温度は0℃に維持した。反応終了後、前記溶媒を45℃で減圧して除去した。次に、前記反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル11.8kgを投入し、0℃で3時間撹拌した。生成された固体をろ過した後、40℃で真空乾燥してメチルアセトイミデート塩酸塩4.1kgを得た(収率:95%)。
【0064】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.7(s、2H)、4.07(s、3H)、2.38(s、3H)
(2)実施例1−2:エチルアセトイミデート塩酸塩の製造
反応器に、アセトニトリル1.6kgとエタノール4.3kgを投入し、前記反応器を−10℃に冷却した。そこに塩化アセチル3.67kgを徐々に投入した後、前記混合物を0℃で12時間攪拌した。攪拌しながら、反応器の内部温度は0℃に維持した。反応終了後、 前記溶媒を45℃で減圧して除去した。次に、前記反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル11.8kgを投入し、0℃で3時間撹拌した。生成された固体をろ過した後、40℃で真空乾燥してエチルアセトイミデート塩酸塩4.58kgを得た(収率:95%)。
【0065】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.7(s、2H)、4.26(q、2H)、2.38(s,3H)、1.36(t、3H)
(3)実施例1−3:tert−ブチルアセトイミデート塩酸塩の製造
反応器に、アセトニトリル1.6kgとtert−ブタノール6.93kgを投入し、前記反応器を−10℃に冷却した。そこに塩化アセチル3.67kgを徐々に投入した後、前記混合物を0℃で12時間攪拌した。攪拌しながら、反応器の内部温度は0℃に維持した。反応終結後、前記溶媒を45℃で減圧して除去した。次に、前記反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル11.8kgを投入し、0℃で3時間撹拌した。生成された固体をろ過した後、40℃で真空乾燥してtert−ブチルアセトイミデート塩酸塩5.32kgを得た(収率:90%)。
【0066】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.7(s、2H)、2.38(s、3H)、1.2(s、9H)
(4)実施例1−4:メチルプロピオンイミデート塩酸塩の製造
反応器に、プロピオニトリル1.6kgとメタノール2.23kgを投入し、前記反応器を−10℃に冷却した。そこに塩化アセチル2.74kgを徐々に投入した後、 前記混合物を0℃で12時間攪拌した。攪拌しながら、反応器の内部温度は0℃に維持した。反応終了後、前記溶媒を45℃で減圧して除去した。次に、前記反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル11.8kgを投入し、0℃で3時間撹拌した。生成された固体をろ過した後、40℃で真空乾燥してメチルプロピオンイミデート塩酸塩3.41kgを得た(収率:95%)。
【0067】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.7(s、2H)、4.07(s、3H)、1.57(q、2H)、0.96(t、3H)
(5)実施例1−5:メチルトリメチルアセトイミデート塩酸塩の製造
反応器に、トリメチルアセトニトリル1.6kgとメタノール1.48kgを投入し、前記反応器を−10℃に冷却した。そこに塩化アセチル1.81kgを徐々に投入した後、前記混合物を0℃で12時間攪拌した。攪拌しながら、反応器の内部温度は0℃に維持した。反応終了後、前記溶媒を45℃で減圧して除去した。次に、前記反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル11.8kgを投入し、0℃で3時間撹拌した。生成された固体をろ過した後、40℃で真空乾燥してメチルトリアセトイミデート塩酸塩2.63kgを得た(収率:90%)。
【0068】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.7(s、2H)、4.07(s、3H)、1.0(s、9H)
実施例2:段階(b)
(1)実施例2−1:N−ベンジルアセトイミドアミド塩酸塩の製造
反応器に、ベンジルアミン3.97kgとメタノール31.4kgを投入した。その後、実施例1−1で製造したメチルアセトイミデート塩酸塩4.05kgを投入し、前記混合物を3時間撹拌した。溶媒を40℃で減圧して除去した後、前記反応混合物にアセトン31.4kgを投入し5時間攪拌した。生成された固体をろ過し、アセトン10kgで洗浄した後、40℃で12時間真空乾燥してN−ベンジルアセトイミドアミド塩酸塩6.5kgを得た(収率:95%)。
【0069】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):10.10(s、1H)、9.50(s、1H)、7.30(m,5H)、4.59(m、2H)、2.31(m、3H)
(2)実施例2−2:N−ベンジルプロピオンイミドアミド塩酸塩の製造
反応器に、ベンジルアミン3.97kgとメタノール31.4kgを投入した。その後、実施例1−4で製造したメチルプロピオンイミデート塩酸塩4.58kgを投入し、前記混合物を3時間撹拌した。40℃で減圧して溶媒を除去した後、前記反応混合物にアセトン31.4kgを投入し5時間攪拌した。生成された固体をろ過し、アセトン10kgで洗浄した後、40℃で12時間真空乾燥してN−ベンジルプロピオンイミドアミド塩酸塩6.99kgを得た(収率:95%)。
【0070】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):10.10(s、1H)、9.50(s、1H)、7.30(m、5H)、4.59(m、2H)、2.70(q、2H)、1.20(t、3H)
(3)実施例2−3:N−ベンジルピバルイミドアミド塩酸塩の製造
反応器に、ベンジルアミン3.97kgとメタノール31.4kgを投入した。その後、実施例1−5で製造したメチルトリメチルアセトイミデート塩酸塩5.60kgを投入し、前記混合物を3時間撹拌した。溶媒を40℃で減圧して除去した後、前記反応混合物にアセトン31.4kgを投入し5時間攪拌した。生成された固体をろ過し、アセトン10kgで洗浄した後、40℃で12時間真空乾燥してN−ベンジルプロピオンイミドアミド塩酸塩7.98kgを得た(収率:95%)。
【0071】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):10.10(s、1H)、9.50(s、1H)、7.30(m、5H)、4.59(m、2H)、1.26(s、9H)
実施例3:段階(c)
(1)実施例3−1:1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒドの製造
反応器に、実施例2−1で製造したN−ベンジルアセトイミドアミド塩酸塩6.5kgと炭酸カリウム9.72kgを投入した。その後、塩化メチレン76.8kgと水7.22kgをさらに投入し30分間攪拌した。前記混合物に(E)−2−ブロモ−3−(シクロヘキシルオキシ)アクリルアルデヒド7.63kgを投入した後、反応器の温度を40℃に上げ、この温度を維持しながら、前記混合物を5時間攪拌し、反応液を40℃で減圧乾燥した。その後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを反応器に投入して30分間攪拌し、珪藻土を用いてろ過した後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入して洗浄した。生成された有機層に水65kgを投入し、前記混合物を濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。その後、有機層を分離し、水層にtert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入し、前記混合物を30分間攪拌した。その後、有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて有機層を乾燥し、ろ過した後、40℃で減圧乾燥して1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒド6.34kgを得た(収率:90%)。
【0072】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):9.64(s、1H)、7.87(s、1H)、7.31(m、5H)、5.56(s、2H)、2.33(m、3H)
(2)実施例3−2:1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒドの製造
反応器に、実施例2−2で製造したN−ベンジルプロピオンイミドアミド塩酸塩6.99kgと炭酸カリウム9.72kgを投入した。その後、塩化メチレン76.8kgと水7.22kgをさらに投入し30分間攪拌した。前記混合物に、(E)−2−ブロモ−3−(シクロヘキシルオキシ)アクリルアルデヒド7.63kgを投入した後、反応器の温度を40℃に上げ、この温度を維持しながら、前記混合物を5時間攪拌し、反応液を40℃で減圧乾燥した。その後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを反応器に投入して30分間攪拌し、珪藻土を用いてろ過した後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入して洗浄した。生成された有機層に水65kgを投入し、前記混合物を濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。その後、有機層を分離し、水層にtert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入し、前記混合物を30分間攪拌した。その後、有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過した後、40℃で減圧乾燥して1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド6.78kgを得た(収率:90%)。
【0073】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):9.64(s、1H)、7.87(s、1H)、7.31(m、5H)、5.56(s、2H)、2.85(q、2H)、1.25(t、3H)
(3)実施例3−3:1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒドの製造
反応器に、実施例2−3で製造したN−ベンジルプロピオンイミドアミド塩酸塩7.98kgと炭酸カリウム9.72kgを投入した。その後、塩化メチレン76.8kgと水7.22kgを投入して30分間攪拌した。前記混合物に、(E)−2−ブロモ−3−(シクロヘキシルオキシ)アクリルアルデヒド7.63kgを投入した後、反応器の温度を40℃に上げ、この温度を維持しながら、5時間攪拌し、反応液を40℃で減圧乾燥した。その後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入して30分間攪拌し、珪藻土を用いてろ過した後、tert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入して洗浄した。生成された有機層に水65kgを投入し、前記混合物を濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。その後、有機層を分離し、水層にtert−ブチルメチルエーテル48.1kgを投入し、前記混合物を30分間攪拌した。その後、有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過した後、40℃で減圧乾燥して1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド7.67kgを得た。(収率=90%)
H−NMR(400MHz、DMSO−d):9.64(s、1H)、7.87(s、1H)、7.31(m、5H)、5.56(s、2H)、1.26(s、9H)
実施例4:段階1
(1)実施例4−1:(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムエトキシド3.02kgを投入し、エタノール25kgを投入して溶かした。その後、ジエチルサクシネート7.72kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−1で製造した1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒド6.34kgをエタノール25kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、エタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン168kgと水63kgを反応器に投入し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン84.3kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し後、ろ過し、40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgをそこに投入し、その混合溶液を30分間攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン51kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.64kgを得た(収率:35%)。
【0074】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、5.46(m、2H)、4.20(q、2H)、3.56(s、2H)、2.50(s、3H)、1.29(t、3H)
(2)実施例4−2:(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムエトキシド3.02kgを投入し、メタノール27kgを投入して溶かした。その後、ジエチルサクシネート7.72kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−2で製造した1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド6.78kgをメタノール27kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、エタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン180kgと水68kgを反応器に投入し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン90.1kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgをそこに投入し、その混合溶液を30分攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン55kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.79kgを得た(収率:35%)。
【0075】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、5.46(m、2H)、4.20(q、2H)、3.56(s、2H)、2.85(q、2H)、1.29(t、3H)、1.25(t、3H)
(3)実施例4−3:(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムエトキシド3.02kgを投入し、エタノール30kgを投入して溶かした。その後、ジエチルサクシネート7.72kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−3で製造した1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−5−カルバアルデヒド7.67kgをエタノール30kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、エタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン204kgと水77kgを反応器に投入し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン102kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgをそこに投入し、その混合溶液を30分間攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン62kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸4.10kgを得た(収率:35%)。
【0076】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、5.46(m、2H)、4.20(q、2H)、3.56(s、2H)、1.29(t、3H)、1.25(s、9H)
(4)実施例4−4:(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムメトキシド2.39kgを投入し、メタノール26kgを投入して溶かした。その後、ジメチルサクシネート6.48kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−1で製造した1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒド6.34kgをメタノール26kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、メタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン168kgと水63kgを投入して攪拌し、濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン84.3kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分間攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン52kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.46kgを得た(収率:34%)。
【0077】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.90(s、1H)、5.46(m、2H)、3.77(s、3H)、3.56(s、2H)、2.50(s、3H)
(5)実施例4−5:(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムメトキシド2.39kgを投入し、メタノール27kgを投入して溶かした。その後、ジメチルサクシネート6.48kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−2で製造した1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド6.78kgをメタノール27kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、メタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン180kgと水68kgを反応器に投入し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン90.1kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分間攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン55kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.74kgを得た(収率:36%)。
【0078】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.90(s、1H)、5.46(m、2H)、3.77(s、3H)、3.56(s、2H)、2.85(q、2H)、1.29(t、3H)
(6)実施例4−6:(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、ナトリウムメトキシド2.39kgを投入し、メタノール30kgを投入して溶かした。その後、ジメチルサクシネート6.48kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−3で製造した1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒド7.67kgをメタノール30kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、メタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン204kgと水77kgを反応器に投入して攪拌し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン102kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分間攪拌し50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン62kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過し、メチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(メトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.95kgを得た(収率:35%)。
【0079】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.92(s、1H)、5.45(m、2H)、3.56(s、2H)、1.29(t、3H)、1.20(s、9H)
(7)実施例4−7:(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、カリウムtert−ブトキシド3.55kgを投入し、tert−ブタノール25kgを投入して溶かした。その後、ジtert−ブチルサクシネート8.02kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−1で製造した1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−カルバルデヒド6.34kgをtert−ブタノール25kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、tert−ブタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン168kgと水63kgを反応器に投入して攪拌し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン84.3kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し、40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分間攪拌し、50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン52kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.95kgを得た(収率:35%)。
【0080】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.90(s、1H)、5.40(m、2H)、3.56(s、2H)、2.50(s、3H)、1.38(s、9H)
(8)実施例4−8:(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、カリウムtert−ブトキシド3.55kgを投入し、tert−ブタノール25kgを投入して溶かした。その後、ジtert−ブチルサクシネート8.02kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−2で製造した1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド6.78kgをtert−ブタノール25kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、tert−ブタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン180kgと水68kgを反応器に投入して攪拌し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。次に、前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン90.1kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し、40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分間攪拌し、50℃で減圧乾燥した。前記生成物にメチルエチルケトン55kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.99kgを得た(収率:34%)。
【0081】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.95(s、1H)、5.46(m、2H)、3.56(s、2H)、2.85(q、2H)、1.29(t、3H)、1.38(s、9H)
(9)実施例4−9:(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸の製造
反応器に、カリウム tert−ブトキシド3.55kgを投入し、tert−ブタノール30kgを投入して溶かした。その後、ジtert−ブチルサクシネート6.48kgを投入し、反応器の温度を55℃に昇温した。その後、実施例3−3で製造した1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド7.67kgをtert−ブタノール30kgに溶かし、3時間かけて投入した。反応終了後、tert−ブタノールを50℃で減圧して除去した。ジクロロメタン204kgと水77kgを反応器に投入して攪拌し濃塩酸を用いてpH5.5に調整した。前記混合溶液を30分間攪拌して有機層を分離した。その後、水層にジクロロメタン102kgを投入して30分間攪拌した。生成された有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、ろ過し、40℃で減圧乾燥した。その後、メチルエチルケトン20kgを投入し、その混合溶液を30分攪拌して50℃で減圧乾燥した。前記生成産物にメチルエチルケトン62kgを投入して3時間撹拌した。生成された析出固体をろ過してメチルエチルケトン10kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して(E)−4−(1−ベンジル−2−(tert−ブチル)−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸4.42kgを得た(収率:35%)。
【0082】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):11.0(s、1H)、7.30〜7.20(m、5H)、7.58(s、1H)、6.91(s、1H)、5.42(m、2H)、3.56(s、2H)、1.39(s、9H)、1.25(s、9H)
実施例5:段階2
(1)実施例5−1:エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例4−1で製造した(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.64kgをアセトニトリル14.3kgに溶かし、前記混合溶液を80℃に昇温した。無水酢酸3.17kgを1時間かけて投入し、同一温度で3時間還流撹拌した。前記反応液を50℃で減圧して濃縮した。そこにトルエン6.3kgを投入し、50℃で再濃縮した。イソプロピルアルコール14.3kgを投入し、0℃で5時間撹拌した。生成された固体をろ過し、0℃に冷却されたイソプロピルアルコール2.86kgを利用して洗浄し、40℃で真空乾燥してエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.12kgを得た(収率:80%)。
【0083】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.10(s、1H)、7.61(s、1H)、7.40〜7.15(m、5H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.61(s、3H)、2.48(s、3H)、1.35(t、3H)
(2)実施例5−2:エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例4−2で製造した(E)−4−(1−ベンジル−2−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.79kgをアセトニトリル14.9kgに溶かし、前記混合溶液を80℃に昇温した。無水酢酸3.17kgを1時間かけて投入し、同一温度で3時間還流撹拌した。反応液を50℃で減圧して濃縮した。トルエン6.6kgを投入し、50℃で再濃縮した。イソプロピルアルコール14.9kgを投入して0℃で5時間撹拌した。生成された固体をろ過し、0℃に冷却されたイソプロピルアルコール2.9kgを利用して洗浄し、40℃で真空乾燥してエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.25kgを得た(収率:80%)。
【0084】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.10(s、1H)、7.61(s、1H)、7.40〜7.15(m、5H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.81(q、2H)、2.61(s、3H)、1.29〜1.25(m、6H)
(3)実施例5−3:エチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例4−3で製造した(E)−4−(1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸4.10kgをアセトニトリル16.1kgに溶かし、前記混合溶液を80℃に昇温した。無水酢酸3.17kgを1時間かけて投入し、同一温度で3時間還流撹拌した。反応液を50℃で減圧して濃縮した。トルエン7.1kgを投入し、50℃で再濃縮した。イソプロピルアルコール16.1kgを投入して0℃で5時間撹拌した。生成された固体をろ過し、0℃に冷却されたイソプロピルアルコール2.86kgを利用して洗浄し、40℃で真空乾燥してエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.50kgを得た(収率:80%)。
【0085】
H−NMR(400MHz, DMSO−d):8.10(s、1H)、7.61(s、1H)、7.40〜7.15(m、5H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.61(s、3H)、1.38(s、9H)、1.29(t、3H)
(4)実施例5−4:エチル4−トリフルオロメトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例4−1で製造した(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.64kgをアセトニトリル14.3kgに溶かし、80℃に昇温した。トリフルオロ酢酸無水物6.52kgを1時間かけて投入し、同一温度で3時間還流撹拌した。反応液を50℃で減圧して濃縮した。トルエン6.3kgを投入し、50℃で再濃縮した。イソプロピルアルコール14.3kgを投入して0℃で5時間撹拌した。生成された固体をろ過し、0℃に冷却されたイソプロピルアルコール2.86kgを利用して洗浄し、40℃で真空乾燥してエチル4−トリフルオロメトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.15kgを得た(収率:75%)。
【0086】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.10(s、1H)、7.61(s、1H)、7.40〜7.15(m、5H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.61(s、3H)、2.48(s、3H)、1.35(t、3H)
(5)実施例5−5:エチル4−ベンゾイルオキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例4−1で製造した(E)−4−(1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(エトキシカルボニル)ブタ−3−エン酸3.64kgをアセトニトリル14.3kgに溶かし、前記混合溶液を80℃に昇温した。安息香酸無水物7.02kgを1時間かけて投入し、同一温度で3時間還流撹拌した。反応液を50℃で減圧して濃縮した。反応液を50℃で減圧して濃縮した。トルエン6.3kgを投入し、50℃で再濃縮した。イソプロピルアルコール14.3kgを投入して0℃で5時間撹拌した。生成された固体をろ過し、0℃に冷却されたイソプロピルアルコール2.86kgを利用して洗浄して40℃で真空乾燥してエチル4−トリフルオロメトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.68kgを得た(収率:80%)。
【0087】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.20(s、1H)、8.11(s、1H)、7.40〜7.15(m、10H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.48(s、3H)、1.35(t、3H)
実施例6:化学式(1−1)の製造
(1)実施例6−1:エチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例5−1で製造したエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.12kgをエタノール24.6kgに溶かした。その後、炭酸カリウム2.45kgを投入し、前記混合溶液を12時間攪拌した。反応終了後、エタノールを40℃で減圧して除去した。水31.2kgを投入した後、濃塩酸を用いてpH6.5に調整した。その後、前記混合溶液を同一温度で1時間攪拌し、生成された固体をろ過した。その後、エタノール/水(1:1の体積比)30kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥してエチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート2.34kgを得た(収率:85%)。
【0088】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.55(s、1H)、7.36〜7.15(m、6H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H),2.52(s、3H)、1.45(t、3H)
(2)実施例6−2:エチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例5−2で製造したエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.25kgをエタノール25.6kgに溶かした。その後、炭酸カリウム2.45kgを投入し、12時間攪拌した。反応終了後、エタノールを40℃で減圧して除去した。水32.5kgを投入した後、濃塩酸を用いてpH6.5に調整した。その後、前記混合溶液を同一温度で1時間攪拌し、生成された固体をろ過した。その後、エタノール/水(1:1の体積比)30kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥してエチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−エチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート2.44kgを得た(収率:85%)。
【0089】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.55(s、1H)、7.36〜7.15(m、6H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、2.90(q、2H)、1.45〜1.38(m、6H)
(3)実施例6−3:メチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレートの製造
実施例5−3で製造したエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.50kgをエタノール27.6kgに溶かした。その後、炭酸カリウム2.45kgを投入し、12時間攪拌した。反応終了後、エタノールを40℃で減圧して除去した。水35.0kgを投入した後、濃塩酸を用いてpH6.5に調整した。その後、前記混合溶液を同一温度で1時間攪拌し、生成された固体をろ過した。その後、エタノール/水(1:1の体積比)30kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥してエチル1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−tert−ブチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート2.50kgを得た(収率:80%)。
【0090】
H−NMR(400MHz,DMSO−d):7.55(s、1H)、7.36〜7.15(m、6H)、5.59(m、2H)、4.31(q、2H)、1.45(t、3H)、1.38(s、9H)
実施例7:化学式(1−2)(1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボン酸)の製造
実施例5−1で製造したエチル4−アセトキシ−1−ベンジル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシレート3.12kgをエタノール12.3kgに溶かした後、水酸化ナトリウム1.06kgを水15.6kgに溶かして投入した。前記混合溶液の温度を70℃に昇温した後、12時間攪拌した。反応終了後、前記混合溶液を常温に冷却して水15.6kgを投入した後、濃塩酸を用いてpH4.0に調整した。前記生成物を同一温度で1時間攪拌し、生成された固体をろ過した後、エタノール/水(1:1の体積比)15kgを利用して洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボン酸2.25kgを得た(収率:90%)。
【0091】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):10.21(s、1H)、7.85(s、1H)、7.55(s、1H)、7.36〜7.15(m、5H)、5.59(m、2H)、2.52(s、3H)
実施例8:化学式(1−3)(1−ベンジル−4−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシアミド)の製造
実施例7で製造した1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボン酸2.25kgをアセトニトリル17.7kgに溶かした後、ジメチルホルムアミド0.0276kgを投入した。前記混合溶液の温度を80℃に昇温し、塩化チオニル1.31kgを30分間投入した。反応混合物を5時間攪拌した。反応終了後、混合溶液の温度を0℃に冷却し、ジメチルアミン塩酸塩1.17kgを投入した。その後、トリエチルアミン4.03kgを1時間かけて徐々に滴下した。反応温度を常温に昇温して3時間撹拌し、反応溶媒を45℃で減圧して除去した。水22.5kgを投入して12時間攪拌した。生成された固体をろ過してエタノール/水(1:2の体積比)6.75kgを利用して洗浄し、40℃で真空乾燥して化学式(1−3)の1−ベンジル−4−ヒドロキシ−N,N,2−トリメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキシアミド2.10kgを得た(収率:85%)。
【0092】
H−NMR(400MHz、DMSO−d):9.99(s、1H)、7.52〜7.25(m、5H)、6.98(s、1H)、6.64(s、1H)、5.49(s、2H)、2.85(s、6H)、2.52(s、3H)