(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部配列フィンがフィン付き外側表面に設けられ、かつ内部配列フィンがフィン付き内側表面に設けられる構成の管状本体を有するフィン付き収納部であって、前記フィン付き内側表面がフィン付き収納内腔を画定し、前記内部配列フィン及び前記外部配列フィンが協動して熱交換器を形成する、前記フィン付き収納部と、
X線窓開口部が開口収納部を貫通して外側表面から内側表面まで延在する構成の管状本体を有する開口収納部と、を備え、前記内側表面は開口収納内腔を画定し、前記フィン付き収納部は、前記開口収納部の環状端部に一体的に接続される環状端部を有することにより、前記フィン付き収納内腔及び前記開口収納内腔により形成されるX線収納内腔を有する管状X線ハウジングを形成し、
前記内部配列フィンは、第1端部と、第2端部に位置するフィン無しステータ凹部及びフィン無し環状領域との間の前記フィン付き内側表面を、複数の内部フィン凹部で分離される複数の内部フィンで覆う、X線ハウジング。
前記外部配列フィンは、第1端部と、第2端部に位置するフィン無し環状領域との間の前記フィン付き外側表面を、複数の外部フィン凹部で分離される複数の外部フィンで覆う、
請求項1に記載のX線ハウジング。
前記フィン付き収納部の前記第2端部に位置する前記フィン無し環状領域から、前記フィン付き収納部の前記第1端部と前記第2端部との間の前記フィン付き内側表面に取り付けられるステータブラケットまで延在する前記ステータ凹部を備え、前記ステータ凹部は、前記フィン付き収納部の内部に入り込み、かつ前記内部配列フィンの内部フィン凹部と同じ深さ、または内部フィン凹部よりも深い深さを有する樋状の溝部を有する、請求項1に記載のX線ハウジング。
前記フィン付き収納部は、第1端部環状面と前記内部配列フィンとの間の前記フィン付き内側表面の前記第1端部にエンドキャップ凹部を備え、前記エンドキャップ凹部には、内部フィン及びフィン凹部を設けず、前記エンドキャップ凹部は、前記エンドキャップ凹部に設けられるエンドキャップを有する、請求項1に記載のX線ハウジング。
前記フィン付き収納部の第2端部環状面は、前記開口収納部の第3端部環状面に一体的に接続され、前記フィン付き収納部の前記第2端部環状面は、前記開口収納部の前記第3端部環状面よりも大きい寸法を有する、請求項4に記載のX線ハウジング。
第1の複数の前記外部フィン凹部は、第2の複数の前記外部フィン凹部よりも浅い深さを有し、前記第1の複数の外部フィン凹部は、前記ステータ凹部に長手方向に位置合わせされる、請求項2に記載のX線ハウジング。
前記外部配列フィンは、第1端部と、第2端部に位置するフィン無し環状領域と、の間のフィン付き外側表面を、複数の外部フィン凹部で分離される複数の外部フィンで覆う、 請求項15に記載のX線装置。
第1の複数の前記外部フィン凹部は、第2の複数の前記外部フィン凹部よりも浅い深さを有し、前記第1の複数の外部フィン凹部は、前記ステータ凹部に長手方向に位置合わせされる、請求項16に記載のX線装置。
前記フィン付き収納部を覆うシュラウドを備え、前記シュラウドは、1つ以上のファン開口を有する半径方向突出領域を含み、各ファン開口はファンを含む、請求項15に記載のX線装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書において請求する主題は、全ての不具合を解決する種々実施形態、または上に説明した環境のような環境でのみ動作する種々実施形態に限定されない。限定されるのではなく、この背景技術説明は、本明細書において記載される幾つかの実施形態を実施することができる1つの例示的な技術領域を例示するためにのみ提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態では、X線ハウジングは、開口収納部に接続されてX線ハウジングを形成するフィン付き収納部を含むことができる。フィン付き収納部は、外部配列フィンがフィン付き外側表面に設けられ、かつ内部配列フィンがフィン付き内側表面に設けられる構成の管状本体を有することができる。フィン付き内側表面はフィン付き収納内腔を画定することができる。内部配列フィン及び外部配列フィンは、一体となって熱交換器を形成することができる。開口収納部は、X線窓開口部が開口収納部を貫通して外側表面から内側表面まで延在する構成の管状本体を有することができる。内側表面は開口収納内腔を画定することができる。フィン付き収納部は、開口収納部の環状端部に一体的に接続される環状端部を有することにより、フィン付き収納内腔及び開口収納内腔により形成されるX線収納内腔を有する管状X線ハウジングを形成することができる。
【0005】
1つの実施形態では、外部配列フィンは、第1端部と、第2端部に位置するフィン無し環状領域との間のフィン付き外側表面を、複数の外部フィン凹部で分離される複数の外部フィンで覆う。
【0006】
1つの実施形態では、内部配列フィンは、第1端部と、フィン無しステータ凹部、及び第2端部に位置するフィン無し環状領域との間のフィン付き内側表面を、複数の内部フィン凹部で分離される複数の内部フィンで覆う。1つの態様では、ステータ凹部は、フィン付き収納部の第2端部に位置するフィン無し環状領域から、フィン付き収納部の第1端部と第2端部との間のフィン付き内側表面に取り付けられるステータブラケットまで延在することができる。ステータ凹部は、フィン付き収納部の内部にまで入り込む樋状の溝部を有することができ、溝部は、内部配列フィンの内部フィン凹部と同じ深さを有する、または内部フィン凹部よりも深い深さを有する。1つの態様では、ステータ凹部は、ステータ凹部の一部が内部配列フィンに設けられ、かつステータ凹部の一部が、第2端部に位置するフィン無し環状領域に設けられるように配置することができる。
【0007】
1つの実施形態では、フィン付き収納部は、エンドキャップ凹部を、第1端部環状面と内部配列フィンとの間のフィン付き内側表面の第1端部に含むことができる。エンドキャップ凹部には、内部フィン及びフィン凹部を設けないようにすることができ、エンドキャップ凹部は、エンドキャップ凹部に設けられるエンドキャップを有することができる。
【0008】
1つの実施形態では、開口収納部には配列フィンを設けない。
【0009】
1つの実施形態では、フィン付き収納部の第2端部環状面は、開口収納部の第3端部環状面に一体的に接続される。フィン付き収納部の第2端部環状面は、開口収納部の第3端部環状面よりも大きい寸法を有する。1つの態様では、開口収納部は、第4端部を第3端部とは反対側に有することができ、第4端部はエンドキャップ凹部を有する。
【0010】
1つの実施形態では、第1の複数の外部フィン凹部は、第2の複数の外部フィン凹部よりも浅い深さを有することができる。第1の複数の外部フィン凹部は、ステータ凹部に長手方向に位置合わせすることができる。1つの態様では、浅い外部フィン凹部は、外部フィン凹部の約5%〜約35%を占めている。
【0011】
1つの実施形態では、X線ハウジングは、フィン付き収納部を覆うシュラウドを含むことができる。1つの態様では、シュラウドは、1つ以上のファン開口を含むことができ、各ファン開口は1つのファンを含むことができる。1つの態様では、シュラウドは、1つ以上のファン開口を有する半径方向突出領域を有することができる。1つの態様では、半径方向突出領域は、空気導管凹部をシュラウドの内側表面に形成する。
【0012】
1つの実施形態では、X線装置は、本明細書において説明されるX線ハウジングと、X線収納内腔内に収納される陽極及び陰極を有するX線管と、を含むことができる。1つの態様では、X線管は、開口収納部のX線窓開口部に位置合わせされるX線窓を有することができる。1つの態様では、X線装置は、X線管と内部配列フィンとの間のX線収納内腔内を流れてX線収納内腔に接する流体冷媒を含むことができる。
【0013】
1つの実施形態では、X線装置を冷却する方法は、X線ハウジングを有するX線装置、及びX線ハウジングの収納内腔内に収納されるX線管を動作させるステップと、ファン群のうちの1つ以上のファンをシュラウド内で回転動作させて、空気を外部配列フィンに吹き込んで、熱をX線収納内腔内の流体冷媒から、内部配列フィンを通り、フィン付き収納部を通って外部配列フィンに伝達し、空気をX線装置から遠ざかる方向に吹き出して少なくとも250ワットの熱を放散するステップと、を含むことができる。1つの態様では、冷却により、少なくとも300ワットの熱を放散することができる。
【0014】
これまでに説明した情報及び以下の情報だけでなく、本開示の他の特徴は、以下の説明及び添付の請求項から、添付の図面を併せて参照することにより一層完全に明らかになる。これらの図面は、本開示による幾つかの実施形態しか図示していないので、本開示の範囲を限定するものとして考えられるべきではないことを念頭において、本開示は、特異性及び詳細を追加して、添付の図面を使用することにより記載されることになる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。これらの図面では、同様の記号は通常、文脈が逆のことを明示しない限り、同様の構成要素を指している。詳細な説明、図面、及び請求項に記載される例示的な実施形態は、限定的な意味に捉えられてはならない。他の実施形態を利用してもよく、かつ他の変更を、本明細書において提示される主題の思想または範囲から逸脱しない限り行なうことができる。本明細書において概要説明され、かつ複数の図に例示される本開示の種々態様は、多種多様な異なる構成で配置する、置き換える、組み合わせる、分離する、そして設計することができ、これらの構成の全ては、本明細書において明示的に想到される。
【0017】
簡単にまとめると、本明細書において提示される種々実施形態は、X線装置のX線ハウジングに関するものであり、X線ハウジングは、X線管を当該X線ハウジング内に保持する。X線管は、X線ハウジングの内部収容室内に配置され、この内部収容室は、大量の流体冷媒をX線管の周囲で保持するように構成される。X線ハウジングは、外部フィン及び内部フィンが付設されて構成されることにより、流体冷媒及びX線管の熱伝導率を容易に向上させるようになっている。X線管は、陽極及び陰極を収容する真空筐体を含む。陽極は、X線管内の陰極から発生する電子を入射させて、X線が陽極で発生し、真空筐体からX線管窓を通って、X線管から出射するように配置される。X線ハウジングは、X線ハウジング窓を含み、このX線ハウジング窓は、X線を透過するX線管窓に対して配置され、かつX線管窓に位置合わせされる。X線装置は更に、陽極から発生するX線を検出するように構成される検出器アレイを含む。
【0018】
X線ハウジングの内部収容室に収容される流体冷媒は、X線装置または同様の装置を冷却する、かつ/または電気的に絶縁するために用いることができる多種多様な物質のうちのいずれか1種類の物質を含むことができる。流体の例として、これらには限定されないが、脱イオン水、絶縁液体、及び絶縁油を挙げることができる。多くの場合、流体冷媒は、X線ハウジングの内部収容室の内部で使用され、かつX線管の周囲を循環して、X線管から熱を奪う。循環は、流体が温度差で流れやすくなることにより受動的に行なうことができる、または流体ポンプにより能動的に行なうことができる。加熱された流体冷媒は、ハウジング内のフィン凹部に収容することができる、かつ/またはフィン凹部を通過させることができ、これらのフィン凹部は、熱交換領域の内部フィンに熱的に接続され、熱交換領域は外部フィンを含み、これらの外部フィンは、これらの内部フィンに接続されてハウジングの熱交換領域、及び流体冷媒を冷却する。
【0019】
図1は、例示的なX線装置100の簡易断面図であり、形状部及び構成部材の形状、配置、及び向きは、変更して修正することにより、特定の動作環境に合わせることができる。X線管ハウジング102は、外部配列フィン220及び内部配列フィン230が付設されたフィン付き収納部203を含み、更にフィン付き収納部203に接続される開口収納部205を含む。X線装置100は、X線管ハウジング102を含み、X線管ハウジング102の内部に、真空筐体104を有するX線管103が配置される。流体冷媒106が更に、X線管ハウジング102内に配置されて、真空筐体104を有するX線管103の周囲を循環してX線管103を冷却し易くし、かつ電気絶縁をX線管103とX線管ハウジング102との間に実現する。1つの実施形態では、流体冷媒106は絶縁油を含み、この絶縁油は、許容できる熱特性及び電気絶縁特性を有する。
【0020】
真空筐体104内に配置されるのは、回転陽極108と陰極110である。陽極108は、陰極110から離間して、かつ陰極110に対向するように配置され、そして熱伝導性材料により少なくとも部分的に構成される。幾つかの実施形態では、陽極108は、タングステンまたはモリブデン合金により少なくとも部分的に構成される。陽極108及び陰極110は、電気回路で接続されて高電位を陽極108と陰極110との間に印加できるようになっている。陰極110は、適切な電源に接続されるフィラメント112を含み、動作状態では、電流がフィラメント112を流れて、電子(図示せず)が陰極110から熱電子放出により放出される。大きな差電圧を陽極108と陰極110との間に印加すると、電子がフィラメント112から飛び出して、陽極108のターゲット面118に配置される焦点トラック116に向かって加速される。焦点トラック116は通常、タングステンまたは高い原子番号(「高Z」)を持つ同様の物質により構成される。電子が加速されると、電子は大量の運動エネルギーを取得し、焦点トラック116のターゲット材料を叩くと、この運動エネルギーの相当部分が、X線である非常に高い周波数の電磁波に変換される。
【0021】
焦点トラック116及びターゲット面118の向きは、放出X線がX線管窓122に向かって進むように設定される。X線管窓122は、X線透過材料により構成され、真空筐体104の壁に沿って配置され、焦点トラック116に位置合わせされる箇所に配置され、X線をX線管103から出射させることができるような箇所に配置される。X線ハウジング窓124は、X線管ハウジング102に配置され、X線管窓122から離間して、かつX線管窓122に対向するように配置される。
【0022】
X線ハウジング窓124は、X線管ハウジング102に流体密封状態で取り付けられて、X線がX線管窓122からX線ハウジング窓124を通って進んでX線管ハウジング102から出射することができるようになっている。真空筐体104から放出されてX線ハウジング窓124を透過するX線は、殆どが発散ビームとして取り出され、この発散ビームは普通、X線画像を形成するために使用される。
【0023】
一般的に、流体冷媒106及びX線管103の冷却を容易に向上させる外部フィン及び内部フィンを有するX線管ハウジング102の形状部について、本明細書において更に詳細に説明する。また、本明細書において更に詳細に説明されるように、流体冷媒106は、対流が自然に行なわれることにより、または一体的に組み込まれる能動冷媒循環システムにより循環させることができる。
【0024】
図2A〜
図2Bは、X線装置200の1つの実施形態を示しており、X線装置200はハウジング202を含み、ハウジング202は、フィン付き収納部203により形成される第1端部202aと、開口収納部205をフィン付き収納部203に連結合体させることにより形成される第2端部202bと、を有する。フィン付き収納部203は、外部配列フィン220及び内部配列フィン230を含み、これらの配列フィンは、互いに隣接して設けられ、かつフィン付き収納部本体250の内外面に設けられて、流体冷媒及び空気の熱的結合を向上させている。外部配列フィン220は、フィン付き収納部203の第1端部203aの外周からフィン付き収納部203の第2端部203bの外周まで延在している。この場合、内部配列フィン230は、フィン付き収納部203の管の内周面に設けられることにより、フィン付き収納内腔240(
図4A参照)を画定し、内部配列フィン230は、以下に説明する図に一層明確に、かつ一層詳細に図示されている。フィン付き収納部203の本体250は、外部配列フィン220と、そして内部配列フィン230を有するフィン付き収納内腔240と、を画定する。
【0025】
開口収納部205は、内部配列フィンまたは外部配列フィンを含むことができる、または含まないようにすることができ、配列フィンが全くない様子が図示されている。しかしながら、フィン付き収納部203のこのような内部配列フィンまたは外部配列フィンは、開口収納部205に適用することもできる。開口収納部は本体251を含み、本体251は、X線を放出して透過させる収納窓開口部242を画定する。
【0026】
ハウジング202は、2部材構造を含むことができ、この2部材構造は、当該2部材構造内に画定される複数構造を実現する。ハウジング202を2部材で形成することにより、フィン付き収納部203及び開口収納部205を別々に設けて連結合体させることができ、これにより、必要な加工部材を減らし、製造コストを下げることができる。連結は、溶接、ろう付け、接着などにより行なうことができ、2つの構造にねじ切り加工を施して、連結を互いにねじ込むことにより行なうことができる。
【0027】
フィン付き収納部203の本体250は、シュラウド260に接続することができ、シュラウド260は、外部配列フィン220に隣接して外部配列フィン220を半径方向に覆う。シュラウド260は、外部配列フィン220に接触させることができる、またはシュラウド260と外部配列フィン220との間に隙間を設けることができる。シュラウドは、第1端部260a及び第2端部260bを有することができる。シュラウド260は、ファン262を有する1つ以上のファン開口261を含むことができ、ファン262を有する2つのファン開口261が図示されている。ファン262は、シュラウド260の突出領域264に取り付けられる。シュラウド260は、開口端265及び閉鎖端267を有するが、閉鎖端267は、幾つかの実施形態では、開口して空気が流通可能になるようにしてもよい。開口端265は、ファン262が空気を突出領域264に吹き込んで、空気が外部配列フィン220に沿って流れて、空気を開口端265から流出させることにより、放熱性を向上させてフィン付き収納部203だけでなくハウジング202全体の冷却効率を向上させるように適合させている。このように、シュラウド260は、外部配列フィン220を覆って配置されて、突出領域264でファン262を位置決めすることにより空気を、外部配列フィン220間を循環させるようにし、この循環は、外部配列フィン220に空気を送る(吹き込む)ことにより、または空気を外部配列フィン220から排出することにより行なうことができる。
【0028】
任意であるが、補助外部配列フィン(図示せず)を開口収納部205の表面に取り付けることができ、ファンを備えたシュラウドは、このような補助外部配列フィンに接続することができる、または接続しないようにすることができる。
【0029】
開口収納部205は、陰極キャップ252(
図1参照)に接続することができ、この陰極キャップ252は、陰極110を収納する開口収納部205の内部領域を覆う。フィン付き収納部203は、陽極キャップ254に接続することができ、この陽極キャップ254は、流体冷媒容器131(
図1)、ステータ133(
図1)、及び陽極108の動作を容易にする他の構成部材を収納するフィン付き収納部203の内部領域(例えば、フィン付き収納内腔240)を覆う。しかしながら、陽極108は、開口収納部205内に配置することにより、収納窓開口部242に位置合わせすることができる。陰極キャップ252及び陽極キャップ254はハウジング202に、脱着可能ないずれかの適切な手段により、または固定接続することができる(例えば、溶接、ろう付け、接着剤、ねじ込み接続、機械的固定など)いずれかの適切な手段により接続することができる。陽極キャップ254は、空洞蓋254a、第1電気接続部254b、及び第2電気接続部254cを有するものとして図示されている。陰極キャップ252は、陰極用電気接続部252a(
図1)を有するものとして図示されている。
【0030】
また、開口収納部205は、開口収納部205に接続され、かつ収納窓開口部242の外周に接続される窓収納部256を有するものとして図示されている。窓収納部256は、窓を収納窓開口部242に取り付けるように構成される。
【0031】
図2Bは、シュラウド260及び陽極キャップ254を取り外して、外部配列フィン220及び内部配列フィン230を観察できるようにした状態のハウジング202を示している。図示のように、外部配列フィン220は、フィン付き収納部203の第1端部203a(例えば、陽極端部)から第2端部203b(開口収納部205に接続される端部)まで延在している。図示の実施形態では、外部配列フィン220は、第1端部203aの環状面221に位置するフィン224を含む。すなわち、これらのフィン224は、第1端部203aの環状面221の外周領域を少なくとも部分的に画定し、本体250が中央領域を画定し、かつ内部配列フィン230が内部領域を画定するようになっている。フィン付き収納部203は、第2端部203bに向かって、フィンを全く有していない環状リング225まで延在する外部配列フィン220を含む。環状リング225は、本体250により形成され、かつ外部配列フィン220のフィン224と一体化される。このようにして、フィン付き収納部203は一体部材とすることができる。第2端部203bに位置する環状リング225は、開口収納部205に接続される。開口収納部205は、第1端部205a(例えば、フィン付き収納部203に接続される端部)と、反対側の第2端部205b(例えば、陰極端部)と、を含む。開口収納部205の第1端部205aは、フィン付き収納部203の第2端部203bに一体的に接続される。開口収納部205の第2端部205bは陰極キャップ252を含む。
【0032】
しかしながら、外部配列フィン220のフィン224は、幾つかの実施形態では、第2端部203b及び/または開口収納部205までずっと延在させることもできる。
【0033】
図3は、開口収納部205から分かれた状態のフィン付き収納部203を示している。図示のように、フィン付き収納部203は、第1端部203a及び第2端部203bを有し、第2端部は、フィン無し環状リング225及び環状面280を有する。開口収納部205は、第1端部205a及び第2端部205bを含み、第1端部205aは環状面282を含む。2つの環状面280,282は、嵌合連結されることにより、フィン付き収納部203及び開口収納部205の両方を有する
図2Bのハウジング202を形成する。フィン付き収納部203及び開口収納部205は、溶接、ろう付け、接着剤、ねじ込み合体、または他のいずれかの取り付け手段のような任意の手段、またはその他の取付手段により、嵌合接合させることができる。
【0034】
図4A〜
図4Dは、2つの縦断面スライスを含み、
図4A(内部構成部材を取り付けた状態)及び
図4B(内部構成部材を取り外した状態)はX−Yスライスであり、
図4C(内部構成部材を取り付けた状態)及び
図4D(内部構成部材を取り外した状態)は、対応するX−Zスライスである。ハウジング202は、第1端部開口部204(例えば、陽極端部開口部)が陽極キャップ254で覆われた状態の第1端部202a(例えば、陽極端部)と、第2端部開口部206(例えば、陰極端部開口部)が陰極キャップ252を有する状態の第2端部202b(例えば、陰極端部)と、を有するものとして図示されている。
【0035】
これらの図は、空洞270の空洞開口部270aを有する陽極キャップ254を示している。空洞270は、外部配列フィン220とは反対側にある内部配列フィン230により画定されるフィン付き収納内腔240から分離されている。熱交換器本体領域255は、外方向に向いている外部配列フィン220と、内方向に向いている内部配列フィン230と、を含む。更に図示されているのは、ステータブラケット272及びステータ凹部274であり、ステータブラケット272は内部配列フィン230に、ステータ凹部274の陽極側で取り付けることができる。ステータブラケット272及びステータ凹部274は、シュラウド260の突出領域264だけでなく、ステータ276を冷却し易くするファン262にも位置合わせされる。これらの図は更に、空気がファン262から外部配列フィン220に向かって空気流方向に流れ易くする突出凹部263を有する突出領域264を示している。また、外部配列フィン220のフィン224は、シュラウド260の内側表面に触れているが;この構成を適用するかどうかは任意であり、フィン224とシュラウド260の内側表面との間に隙間を設けてもよい。ステータ276は、ステータ凹部274に設けられる。これらの図は、フィンが付いていない平滑な内側表面278を示しており、平滑な内側表面278は、ステータ凹部247の一部を取り囲んで内部配列フィン230からフィン付き収納部203の第2端部203bまで延在している。内部配列フィン230は、平滑な内側表面278で終端している。これらの図は、外部配列フィン220及び内部配列フィン230が付いていない環状リング225を有するフィン付き収納部203の第2端部203bを示している。環状リング225は、外径寸法の外側表面を有し、この外側表面は、シュラウド260の内径寸法の内側表面に重なり合って摩擦係合している。これらの図は更に、フィン付き収納部203の第2端部203bに一体的に接続される開口収納部205の第1端部205aを示しており、フィン付き収納部203の第2端部203bの環状面280は、開口収納部205の第1端部205aの環状面282に一体的に接続される(
図3参照)。環状面282は環状面280よりも厚くなっているので、フィン付き収納内腔240から開口収納内腔284に至る段部が設けられる。これらの図は、開口収納内腔284が、陽極288を収容する真空筐体286を含む平滑な内側表面283により画定される様子を示している。これらの図は更に、陽極キャップ254が、第1端部202aに位置する陽極エンドキャップ凹部253a内に配置され、陰極キャップ252が、第2端部202bに位置する陰極エンドキャップ凹部253b内に配置される様子を示している。
【0036】
図5Aは、フィン付き収納部203をシュラウド260から眺めたときの第1端部開口部204を有する第1端部202aを示している。外部配列フィン220は、シュラウド260付きの空気導管となる。更に図示されているのは、外部配列フィン220が、浅い外部配列フィン220aと、深い外部配列フィン220bと、を含んでいる様子である。浅い外部配列フィン220aは、ステータ凹部274に長手方向に位置合わせされ、かつステータ凹部274と同じ外周寸法を有することができる。熱交換器本体領域255は、浅い外部配列フィン220aの位置でより厚くなっている。このようにして、浅い外部配列フィン220aは、短尺フィン224a及び浅いフィン凹部223aを含み、深い外部配列フィン220bは、長尺フィン224b及び深いフィン凹部223bを含む。
図5Bは、ステータ凹部274の断面形状を示しており、このステータ凹部の位置で、熱交換器本体領域255はより薄くなっている。
図5Bは更に、内部配列フィン230の内部フィン232及び内部フィン凹部234を示している。この場合、ステータ凹部274には、内部フィン232が設けられないことが分かる。また、ステータ凹部274は、内部フィン凹部234よりも深い。更に、外部フィン224(例えば、224a、224b)は、内部フィン232よりも長く、外部フィン凹部(例えば、223a、223b)は内部フィン凹部234よりも深いことが分かる。また、外部フィン224は内部フィン凹部234に位置合わせされ、外部フィン凹部223は内部フィン232に位置合わせされていることが分かるが;この構成は、フィンがフィンに位置合わせされるように、またはこれらのフィンが互いにずれるように変更することができる、または切り替えることができる。この場合、外部フィン224及び内部フィン232の個数は同じであるが、これらの個数は変えることができ、かつ互いに異ならせることができる。
【0037】
1つの実施形態では、X線ハウジングは、外部配列フィンがフィン付き外側表面に、かつ内部配列フィンがフィン付き内側表面に取り付けられる構成の管状本体を有するフィン付き収納部を含むことができる。フィン付き内側表面は、フィン付き収納内腔を画定することができる。内部配列フィン及び外部配列フィンは、一体となって熱交換器を形成することができる。X線ハウジングは、X線窓開口部が、管状本体内を貫通して外側表面から内側表面に延在する構成の管状本体を有する開口収納部を含むことができる。内側表面は開口収納内腔を画定することができる。フィン付き収納部は、開口収納部の環状端部に一体的に接続される環状端部を有することにより、X線収納内腔を有する管状X線ハウジングを形成することができる。1つの態様では、外部配列フィンは、フィン付き収納部の第1端部からフィン付き収納部の第2端部まで延在する。1つの態様では、外部配列フィンは、フィン付き収納部の外周面の周りを取り囲んで延びている。1つの態様では、外部配列フィンは、第1端部と第2端部との間のフィン付き外側表面を、複数の外部フィン凹部で分離される複数の外部フィンで覆っている。1つの態様では、外部フィン及びフィン凹部は、フィン付き収納部の第1端部からフィン付き収納部の第2端部に位置する環状リングまで延在している。1つの態様では、内部配列フィンは、フィン付き収納部の第1端部からフィン付き収納部の第2端部まで延在している。1つの態様では、内部配列フィンは、フィン付き収納部の内周面の周りを取り囲んで延びている。1つの態様では、内部配列フィンは、第1端部と第2端部との間のフィン付き内側表面を、複数の内部フィン凹部で分離される複数の内部フィンで覆っている。1つの態様では、内部フィン及びフィン凹部は、フィン付き収納部の第1端部からフィン付き収納部の第2端部の平滑な環状面まで延在している。環状リングは、第2端部に位置し、かつ外部フィンまたは内部フィンを持たないフィン付き収納部の断面部とすることができる、または環状リングには内部フィンを設けないようにすることができる。
【0038】
1つの実施形態では、ステータ凹部は、フィン付き内側表面に設けられ、ステータ凹部には、内部フィン及びフィン凹部を設けないようにすることができる。しかしながら、ステータ凹部は、幾つかの実施形態では、フィン及びフィン凹部を含むことができる。1つの態様では、ステータ凹部は、フィン付き収納部の第2端部または環状リングからフィン付き収納部の第1端部と第2端部との間の位置まで延在することができる。1つの態様では、ステータ凹部は、フィン付き収納部の第2端部または環状リングから、フィン付き収納部の第1端部と第2端部との間のフィン付き内側表面に取り付けられるステータブラケットまで延在することができる。1つの態様では、ステータ凹部は、“C”字状断面を有する。1つの態様では、ステータ凹部は、フィン付き収納部の内部に至る樋状の溝部を有し、この溝部は、内部フィン凹部と同じ深さ、または内部フィン凹部よりも深い深さを有する。1つの態様では、複数の内部フィン及びフィン凹部は、フィン付き収納部の第1端部からフィン付き内側表面のステータ凹部まで延在している。
【0039】
1つの実施形態では、フィン付き収納部は、エンドキャップ凹部を、第1端部環状面と内部配列フィンとの間のフィン付き内側表面の第1端部の位置に含むことができ、エンドキャップ凹部には、内部フィン及びフィン凹部を設けず、かつエンドキャップ凹部は、エンドキャップ凹部に設けられるエンドキャップを有する。1つの態様では、内部配列フィンは、エンドキャップ凹部から第2端部まで延在することができる。第1端部はエンドキャップ凹部を含むことができる。
【0040】
1つの実施形態では、外部配列フィンの外部フィンは、内部配列フィンの内部フィンに位置合わせされる。
【0041】
1つの実施形態では、外部配列フィンの外部フィンは、内部配列フィンの内部フィン凹部に位置合わせされる。
【0042】
1つの実施形態では、フィン付き内側表面の第2端部は、フィン無し環状領域または平滑な環状面を内部配列フィンと第2端部環状面との間に有する。1つの態様では、フィン付き内側表面は、フィン無し環状領域または平滑な環状面をステータ凹部と第2端部環状面との間に有する。1つの態様では、ステータ凹部は、内部配列フィンにステータ凹部の一部が配置され、かつ第2端部環状面に隣接するフィン無し環状領域または平滑な環状面にステータ凹部の一部が配置されるように配置することができる。
【0043】
1つの実施形態では、フィン付き外側表面は、フィン無し環状領域(例えば、環状リング)を、外部配列フィンと第2端部環状面との間に有することができる。1つの態様では、フィン付き収納部は、フィン無し環状領域を第2端部に含むことができ、かつ第2端部環状面を有することができる。1つの態様では、第2端部環状面を備えるフィン付き収納部は、開口収納部に接続される。
【0044】
1つの実施形態では、開口収納部には配列フィンを設けない。1つの態様では、開口収納部には内部配列フィンを設けない。1つの態様では、開口収納部には外部配列フィンを設けない。
【0045】
1つの実施形態では、開口収納部は配列フィンを含む。1つの態様では、開口収納部は内部配列フィンを含む。1つの態様では、開口収納部は外部配列フィンを含む。
【0046】
1つの実施形態では、フィン付き収納部の第2端部環状面は、開口収納部の第3環状面に一体的に接続される。1つの態様では、フィン付き収納部の第2端部環状面は、開口収納部の第3環状面よりも大きい寸法を有する。1つの態様では、開口収納部は、第3端部とは反対側に第4端部を有し、第4端部はエンドキャップ凹部を有する。1つの実施形態では、開口収納部は、エンドキャップをエンドキャップ凹部に有する。
【0047】
1つの実施形態では、第1の複数の外部フィン凹部は、第2の複数の外部フィン凹部よりも浅い深さを有することができる。1つの態様では、第1の複数の外部フィン凹部は、ステータ凹部に長手方向に位置合わせすることができる。1つの態様では、第1の複数の外部フィン凹部は、外部配列フィンの浅い外部配列フィンを形成し、第2の複数の外部フィン凹部は、深い外部配列フィンを形成する。1つの態様では、浅い外部配列フィンは、約5〜20個の浅い外部フィン凹部を含む。1つの態様では、深い外部配列フィンは、40〜80個の深い外部フィン凹部を含む。1つの態様では、浅い外部フィン凹部は、これらのフィン凹部の約5%〜約35%を占める。1つの態様では、外部配列フィンは、65個のフィンに対して約+/−20%,15%,10%,5%,または1%の個数のフィンを含む。1つの態様では、内部配列フィンは、65個のフィンに対して約+/−20%,15%,10%,5%,または1%の個数のフィンを含む。
【0048】
1つの実施形態では、フィン付き収納部を覆うシュラウドを設ける。シュラウドは、1つ以上のファン開口を含むことができる。1つの態様では、各ファン開口は1つのファンを含むことができる。1つ以上のファン開口は、外周に沿って揃えることができるが、これらのファン開口は揃える必要はない。1つの態様では、シュラウドは、1つ以上のファン開口を有する半径方向突出領域を有することができる。1つの態様では、半径方向突出領域は、空気導管凹部をシュラウドの内側表面に形成することができる。1つの態様では、空気導管凹部は、シュラウドの内側表面の半径方向突出領域、及び半径方向突出領域に隣接するフィン付き収納部の外部配列フィン領域により画定される。
【0049】
1つの実施形態では、X線装置は、本明細書において説明されるX線ハウジングと、X線収納内腔内に収納されるX線管インサートと、を含むことができる。1つの態様では、X線管インサートは、開口収納内腔内に収納される陽極及び陰極を含むことができる。1つの態様では、陽極は、X線窓開口部に位置合わせされる。1つの態様では、X線窓は、X線窓開口部に設けられる。1つの態様では、X線管インサートは、ステータをフィン付き開口管に含むことができる。1つの態様では、ステータは、シュラウドの半径方向突出領域に位置合わせすることができる。1つの態様では、X線管インサートには、冷媒流体ポンプを設けないようにすることができる。1つの態様では、X線管インサートは、冷媒流体ポンプを含むことができる。1つの態様では、X線ハウジングは、内部配列フィン及びX線インサートにより少なくとも部分的に画定される冷媒流体容器を含むことができる。1つの態様では、冷媒流体は、冷媒流体容器に収容することができる。1つの態様では、冷媒流体容器には空気のようなガスを収容しない。
【0050】
1つの実施形態では、X線装置を冷却する方法は、シュラウドの1つ以上のファンを動作させて、空気を外部配列フィンに吹き込んで、熱を冷媒流体から内部配列フィンを介してフィン付き収納部を通って伝達し、X線装置から遠ざかる方向に空気を吹き出して、少なくとも250ワットの熱を放散させる工程を含むことができる。方法は、少なくとも300ワットの熱を放散させる工程を含むことができる。方法は、少なくとも400ワットの熱を放散させる工程を含むことができる。
【0051】
1つの実施形態では、外部フィン及び/または内部フィンは、個数、サイズ、及び幾何学形状を変えることができる。
【0052】
1つの実施形態では、シュラウドを設けないようにすることができ、ファンは、取付用ブラケットまたは取付用プレートによって取り付けることができる。
【0053】
1つの実施形態では、フィン付き収納部は、フィン付き収納内腔に取り付けられる内蔵オイルポンプを含むことができる。例えば、フィン付き収納内腔内に図示されている空洞270は、内蔵オイルポンプとすることができる。
【0054】
1つの実施形態では、外部配列フィン及び内部配列フィンを使用して、乳房撮影用X線管の熱媒体と熱媒体との間の熱負荷を管理することができる。X線ハウジングは、2部材を収納する手法(例えば、フィン付き収納部を開口収納部に接続する手法)を用いることができ、この場合、2部材は、一体的に接続して合体される。2部材は、溶接する、ろう付けする、接着させる、ねじ込み合体させる、またはその他には、機械的に連結させることができる。
【0055】
1つの実施形態では、シュラウド及びファンの構造を変更して、乳房撮影用X線装置のような既存のX線装置に取り付けることができる。
【0056】
本明細書において記載されるフィン付き収納部を有するX線装置を放熱特性について試験した。従って、熱電対(TC)を種々の箇所に動作試験中に配置し、熱電対は、陰極用TC、陽極用TC、陰極オイル用TC、陽極オイル用TC、及び中心TCを含んでいた。X線装置を動作させてX線を発生させることにより、動作中の冷却能力を含む動作パラメータを導出した。X線ハウジングを動作させて、フィン付き収納部及びファン付きシュラウドが、300ワットのような熱を継続的に放散することができたかどうかについて判断した。X線装置は、FPD搭載デジタル式乳房X線診断装置(Selina dimensioned mammography X−ray machine)内で動作させて、温度制御及び冷却、システム適合性、及び放射線漏れについて試験した。この場合、X線装置は、65個の外部フィン及び65個の内部フィンを備えるフィン付き収納部を含み、これらのフィンは、反対側に配置され、かつステータ位置の近傍に配置される2つの冷却ファン(例えば、12VDC)を備えるファン付きシュラウドに収容されていた。
【0057】
加熱及び冷却は、フィラメント電力、ステータ電力、及びX線管電力を含む100ワット電力、300ワット電力、及び400ワット電力で行なわれることを特徴としていた。装置設定は:約6度のX線管角度;約25℃の周囲温度;図示及び記載の通りの熱電対の配置;及びファンの運転状態であった。
図6Aは、100ワットの場合の加熱曲線及び冷却曲線に関するデータを示しており、
図6Bは、300ワットの場合のデータを示している。これは、X線装置が、300ワットの電力で冷却を行なって、定常動作状態を、許容限界温度に収まる図示の温度で実現することができたことを示している。
【0058】
X線装置をFPD搭載デジタル式乳房X線診断装置に収納して:X線装置を確実に、X線管ヘッドユニットに自由に取り付けるための隙間;給電コネクタ及び高電圧コネクタを接続するためのケーブル長;及びX線画像を撮影するための操作について確認した。X線装置を放射線漏れについて試験して、放射線漏れは検出されなかった。放射線漏れ試験基準として:40kV;8mA;及び300秒を挙げることができ、許容基準は50mR/hr未満であった。この場合、リード線遮蔽を設けず、許容できる22mR/Hrの放射線漏れ量しか検出されなかった。このプロトタイプを利用する標準化された装置について、2mR/Hrの放射線漏れが実現することができると予測される。
【0059】
図6Cは、B121加熱曲線及び冷却曲線を示しており、300ワット動作及び放熱により、限界温度以下の温度に保つことができることに注目されたい。従って、X線装置は、少なくとも300ワットで動作して放熱する300ワット以上の電力に対応した定格電力の装置であると考えることができる。
【0060】
図6Dは、300ワットの場合の別の実験による加熱曲線及び冷却曲線を示しており、定常状態の陽極温度及び陰極温度は、80℃の限界温度を下回る温度に維持される。
【0061】
図6Eは、400ワットの場合の別の実験による加熱曲線及び冷却曲線を示しており、定常状態の陽極温度及び陰極温度は、80℃の限界温度を上回るが、90℃では、普通の使用状態では許容できる。
【0062】
図6Fは、内部オイルポンプをフィン付き収納内腔に内蔵した状態の400ワットの場合の別の実験による加熱曲線及び冷却曲線を示しており、陽極温度及び陰極温度は、80℃の限界温度を上回るが、90℃では、普通の使用状態では許容できる。これは、内部オイルポンプを内蔵していないX線装置が、冷却を効率的に行なうことができ、オイルポンプを設けるかどうかは任意であることを示している。
【0063】
X線ハウジングは、種々の寸法を有することができるが;X線ハウジングは、乳房X線診断装置に取り付けて使用されるように構成することができる。X線ハウジングは、以下の仕様を有することができる:放熱により、最大ハウジング温度を約78〜80℃+/−4℃とすることができる。ハウジングの直径は、約5.5インチ(例えば、5.44インチ:13.8176cm)とすることができる。窓開口枠は約3.5インチ×3.5インチ(8.89cm×8.89cm)とすることができる。ハウジング長は、約13インチ(33.02cm)することができる。これらの寸法は変えることができ、かつ一例として提供される。例えば、これらの寸法は、最大約33%、25%、20%、15%、10%、5%、2.5%、または1%の範囲で変えることができる。
【0064】
この技術分野の当業者であれば、本明細書において開示される本プロセス及び他のプロセス、及び本方法及び他の方法では、プロセス及び方法において実行される種々の機能は異なる順序で実行してもよいことを理解できるであろう。更に、概説したステップ及び操作は、一例としてのみ提供され、これらのステップ及び操作のうちの幾つかのステップ及び操作は、適用するかどうかは任意であり、本開示の実施形態の本質から逸脱しない範囲で、組み合わせてより少ないステップ及び操作とすることができる、または拡張してステップ及び操作を追加することができる。
【0065】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態が種々の態様の例示と考えられるので限定的に解釈されるべきではない。多くの変形及び変更は、この技術分野の当業者には明らかなように、本開示の思想及び範囲から逸脱しない限り行なうことができる。本明細書において列挙される方法及び装置の他に、本開示の範囲に含まれる機能的に等価な方法及び装置は、この技術分野の当業者であれば、これまでの説明から想到できるであろう。このような変形及び変更は、添付の請求項の範囲に含まれるものとする。本開示は、添付の請求項を、権利が与えられるこのような請求項の均等物の全範囲と併せて勘案することによってのみ限定されるものとする。本開示は、当然変わり得る特定の方法、試薬、化合物組成物、または生体システムに制限されないことを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態について説明するためにのみ用いられるのであり、本開示を限定するために用いられるのではないことを理解されたい。
【0066】
本明細書におけるほぼ全ての複数形及び/または単数形の使用に関して、この技術分野の当業者であれば、文脈及び/または用途に適するように、複数形から単数形に読み替える、かつ/または単数形から複数形に読み替えることができる。明瞭化のため、ここでは様々な単数形/複数形の置き換えを明示的に説明することがある。
【0067】
この技術分野の当業者であれば、一般的に、本明細書、特に、添付の請求項(例えば、添付の請求項の本文)において使用される用語は普通、「オープンな」用語(例えば、「including(〜を含む)」という用語は、「including but not limited to(これに限定されないが〜を含む)」と解釈されるべきであり、「having(〜を有する)」という用語は、「having at least(〜を少なくとも有する)」と解釈されるべきであり、「includes(含む)」という用語は、「includes but is not limited to(これに限定されないが〜を含む)」と解釈されるべきであるなど)として用いられることを理解できるであろう。更に、この技術分野の当業者であれば、特定の数の項目を請求項で列挙しようとする場合、このような列挙は、請求項に明示的に記載されることになり、このような列挙が行なわれない場合は、このような列挙は、請求項には記載されないことを理解できるであろう。例えば、理解し易くするために、以下の添付の請求項では、項目を請求項で列挙するために「at least one(少なくとも1つの)」及び「one or more(1つ以上の)」という導入句を使用することができる。しかしながら、このような語句の使用は、項目を請求項で不定冠詞「a」または「an」によって列挙することにより、請求項で列挙されるこのような項目を含むいずれの特定の請求項も、同じ請求項が導入句「one or more(1つ以上の)」または「at least one(少なくとも1つの)」、及び「a」または「an」のような不定冠詞を含んでいる場合でも、列挙される項目を1つしか含んでいない実施形態に限定されてしまうものと解釈されてはならない(例えば、「a」及び/または「an」は、「at least one(少なくとも1つの)」または「one or more(1つ以上の)」を意味するものと解釈されるべきである)。同じことが、項目を請求項で列挙するために使用される定冠詞の用法についても言える。また、特定の数の項目が請求項で明示的に列挙される場合でも、この技術分野の当業者であれば、このような列挙が、列挙される数以上の数を意味すると解釈されるべきであることを理解できるであろう(例えば、他に修飾語が付いていない単に「two recitations(2つの項目)」の列挙は、少なくとも2つの項目、または2つ以上の項目を意味する)。更に、「at least one of A, B, and C, etc.(A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ)」に類似する慣例句が使用される例では、一般的に、そのような並びの語句は、この技術分野の当業者が慣例句を理解している意味で用いられる(例えば、「a system having at least one of A, B, and C(A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム)」は、これらには限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、かつ/またはA、B、及びCを全て有するシステムなどを含む)。「at least one of A, B, or C, etc.(A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ)」に類似する慣例句が使用される例では、一般的に、そのような並びの語句は、この技術分野の当業者が慣例句を理解している意味で用いられる(例えば、「a system having at least one of A, B, or C(A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム)」は、これらには限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、かつ/またはA、B、及びCを全て有するシステムなどを含む)。更に、この技術分野の当業者であれば、2つ以上の選択項目があることを表わすほぼ全ての離接語及び/または語句は、詳細な説明、請求項、または図面に含まれているかどうかに関係なく、これらの項目のうちの1つの項目(one of the terms)、いずれかの項目(either of the terms)、または両方の項目(both terms)を含んでいる可能性があると考えられることを理解すべきである。例えば、「A or B(AまたはB)」という語句は、「A」、または「B」、または「A and B(A及びB)」である可能性を含んでいるものと理解されたい。
【0068】
更に、本開示の特徴または態様がマーカッシュ形式で記載される場合、この技術分野の当業者であれば、本開示は従って、マーカッシュグループの種々構成部材のいずれかの個別構成部材、または種々構成部材からなるサブグループについても記載されることを理解できるであろう。
【0069】
この技術分野の当業者であれば理解できることであるが、いずれの目的にも、及び全ての目的に、例えば記述の説明を行なうという観点から、本明細書に開示される全範囲は、全範囲について考えられるあらゆる全ての細分範囲、及び全範囲の細分範囲の複合範囲も含む。列挙されるいずれの範囲も、同じ範囲を細分化して少なくとも均等な半分の範囲、三分の一の範囲、四分の一の範囲、五分の一の範囲、十分の一の範囲などとすることができることを十分詳細に記載し、かつ可能にしていることを容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書に説明される各範囲は、容易に細分化することにより、小さい値の三分の一の範囲、中間の値の三分の一の範囲、及び大きい値の三分の一の範囲などとすることができる。これも、この技術分野の当業者であれば理解できることであるが、「up to(最大で)」、「at least(少なくとも)」などの全ての表現は、列挙される数を含み、かつ上に説明されるように、続いて細分化して複数の細分範囲とすることができる範囲を指している。最後に、この技術分野の当業者であれば理解できることであるが、1つの範囲は各個々の構成範囲を含む。従って、例えば1〜3個のセルを有するグループとは、1個、2個、または3個のセルを有するグループを指している。同様に、1〜5個のセルを有するグループとは、1個、2個、3個、4個、または5個のセルを有するグループなどを指している。
【0070】
これまでの説明から、本開示の種々の実施形態を本明細書において例示のために説明してきたのであり、本開示の範囲及び思想から逸脱しない限り、種々の変形が可能なことを理解できるであろう。従って、本明細書において開示される種々の実施形態は、本発明を限定するものではなく、真の範囲及び思想は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0071】
本明細書において引用される全ての参考文献の全記載内容は、特定の引用をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。