特許第6306223号(P6306223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6306223
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/14 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   B66B23/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-984(P2017-984)
(22)【出願日】2017年1月6日
【審査請求日】2017年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀生
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−169067(JP,A)
【文献】 特開2013−133187(JP,A)
【文献】 特開2012−153526(JP,A)
【文献】 特開2005−112602(JP,A)
【文献】 特開2007−039246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00─31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配されたトラスと、
前記トラスに沿って走行し、かつ、無端状に踏段チェーンによって連結された複数の踏段と、
前記踏段に設けられた左右一対の前輪と後輪と、
前記トラスに固定され、前記前輪が走行する前案内レールと、
前記トラスに固定され、前記後輪が走行する後案内レールと、
前記トラスの縦枠部材に沿って固定されたレール支持部材と、
を有し、
前記踏段チェーンが、前記前輪に取り付けられ、
前記後案内レールは、
前記後輪が転動する水平部と、
前記水平部の内端部から上方に立設された内壁と、
を有し、
前記前案内レールは、
前記前輪が転動する水平部と、
前記水平部の内端部から前記踏段チェーンの下方まで立設された内壁と、
を有し、
前記レール支持部材は、前記前案内レールが載置される上段部と、前記後案内レールが載置される下段部とが階段状に一体に形成され、
前記上段部から前記下段部への側面と前記後案内レールの側面との間に、前記前案内レールの前記内壁の内側から流れる油が伝う縦方向の下隙間が形成され、
前記下隙間の下端に対応する前記下段部には、前記下隙間を伝った油が垂れる下凹部が形成され、
前記レール支持部材と前記前案内レールの側面との間に、前記前案内レールの前記水平部から流れる油が伝う縦方向の上隙間が形成され、
前記上隙間の下端に対応する前記上段部には、前記上隙間を伝った油が垂れる上凹部が形成され、
前記トラスの底部に、前記下凹部と前記上凹部から垂れ落ちた油を受けるオイルパンが設けられている、
乗客コンベア。
【請求項2】
前記レール支持部材が、金属板より形成され、
前記上段部から前記前案内レールを載置するための上段受け部が折曲され、
前記下段部から前記後案内レールを載置するための下段受け部が折曲されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記乗客コンベアは、エスカレータ、又は、動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、乗客が乗る踏段に前輪と後輪が設けられ、前輪が前案内レールを走行し、後輪が後案内レールを走行する。前輪には、無端状の踏段チェーンが取り付けられ、この踏段チェーンを駆動装置が駆動させることにより踏段が移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4855991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような踏段において、踏段チェーンから流れた潤滑油が、踏段に付着して汚すという問題点があった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、踏段に潤滑油が付着しない乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、前後方向に配されたトラスと、前記トラスに沿って走行し、かつ、無端状に踏段チェーンによって連結された複数の踏段と、前記踏段に設けられた左右一対の前輪と後輪と、前記トラスに固定され、前記前輪が走行する前案内レールと、前記トラスに固定され、前記後輪が走行する後案内レールと、前記トラスの縦枠部材に沿って固定されたレール支持部材と、を有し、前記踏段チェーンが、前記前輪に取り付けられ、前記後案内レールは、前記後輪が転動する水平部と、前記水平部の内端部から上方に立設された内壁と、を有し、前記前案内レールは、前記前輪が転動する水平部と、前記水平部の内端部から前記踏段チェーンの下方まで立設された内壁と、を有し、前記レール支持部材は、前記前案内レールが載置される上段部と、前記後案内レールが載置される下段部とが階段状に一体に形成され、前記上段部から前記下段部への側面と前記後案内レールの側面との間に、前記前案内レールの前記内壁の内側から流れる油が伝う縦方向の下隙間が形成され、前記下隙間の下端に対応する前記下段部には、前記下隙間を伝った油が垂れる下凹部が形成され、前記レール支持部材と前記前案内レールの側面との間に、前記前案内レールの前記水平部から流れる油が伝う縦方向の上隙間が形成され、前記上隙間の下端に対応する前記上段部には、前記上隙間を伝った油が垂れる上凹部が形成され、前記トラスの底部に、前記下凹部と前記上凹部から垂れ落ちた油を受けるオイルパンが設けられている、乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態1を示すエスカレータの側面説明図。
図2】踏段の斜視図。
図3】トラスの傾斜部分を走行する踏段の走行説明図。
図4図3におけるA−A線断面図。
図5】レール支持部材の斜視図。
図6】実施形態2のレール支持部材の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10について図面を参照して説明する。
【実施形態1】
【0009】
実施形態1のエスカレータ10について、図1図5を参照して説明する。
【0010】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1を参照して説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
【0011】
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
【0012】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の駆動スプロケット24,24、左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27が設けられている。駆動装置18は、誘導電動機(インダクションモータ)よりなるモータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により駆動スプロケット24が回転する。左右一対の駆動スプロケット24,24と左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
【0013】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、従動スプロケット26が設けられている。上階側の駆動スプロケット24と下階側の従動スプロケット26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。すなわち、左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30の前輪301が等間隔に取り付けられている。踏段30の前輪301は前案内レール100(図3図4参照)に沿って走行すると共に、駆動スプロケット24の外周部にある凹部と従動スプロケット26の外周部にある凹部に係合して、踏段30が上下に反転する。また、後輪302は後案内レール200を走行する。
【0014】
トラス12の左右両側には、左右一対のスカートガード44,44と左右一対の欄干36,36が立設されている。欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。スカートガード44は、欄干36の側面下部に設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
【0015】
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット27に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット27が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット27に、走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材68を有する。
【0016】
上階側の機械室14の天井面にある乗降口には、上階側の乗降板32が水平に設けられ、下階側の機械室16の天井面にある乗降口には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60から踏段30が進出、又は、侵入する。また、乗降板34にも櫛歯状のコム62が設けられている。
【0017】
上階側の機械室14から下階側の機械室16までのトラス12の底部に、オイルパン70が設けられている。オイルパン70は、主駆動スプロケット24、従動スプロケット26、踏段チェーン28、踏段30などからの垂れ落ちる油(潤滑油)を受ける。
【0018】
(2)踏段30
次に、踏段30について図2図4を参照して説明する。
【0019】
図2に示すように、踏段30は、三角形状の左右一対の踏段フレーム303,303と、この踏段フレーム303の上面に形成されたクリート面304と、踏段フレーム303の後面に形成されたライザ面305とよりなり、踏段フレーム303とクリート面304とライザ面305とは、アルミダイカストで一体に形成されている。
【0020】
踏段フレーム303の前端部で、かつ、クリート面304の下方には、左右一対の前輪301,301が設けられている。左右一対の前輪301,301は、図4に示すように、踏段フレーム303の前端部に回動自在に設けられた回転軸306の両端部に設けられている。また、図2図4に示すように、前輪301には、無端状の踏段チェーン28が連結され、踏段チェーン28が移動することにより、前輪301が回転しながら踏段30を移動させる。
【0021】
前輪301が走行する前案内レール100は、レール支持部材72を介してトラス12に固定されている。レール支持部材72については後述する。図4に示すように、前案内レール100は、金属板を折曲したものであり、前輪301が載置されて走行する水平部102と、この水平部102の外端部から上方に立設された外壁104から構成されている。外壁104の高さは、前輪301に取り付けられている踏段チェーン28に接触しない高さに設定されている。外壁104は、前輪301が水平部102から脱輪しないようにするために設けられている。
【0022】
踏段フレーム303の後下端部、すなわち、ライザ面305の下方には、後方に向かって左右一対の取り付け部307が突出している。取り付け部307は、踏段フレーム303を形成するときに一体に形成されている。図2図4に示すように、左右一対の取り付け部307,307の先端部の外側には左右一対の後輪302,302が設けられている。この後輪302について説明する。図4に示すように、取り付け部307の先端部の外側には、水平に突出した中心軸308が設けられている。中心軸308の外端部には、ベアリング309の内輪部310が固定されている。内輪部310と複数の球体よりなるコロ315を挟んで設けられたベアリング309の外輪部311の外周部には、ゴム、又は、合成樹脂製のローラ312が固定されている。なお、本明細書では、後輪302とは、ローラ312とベアリング309から構成されているとする。中心軸308の先端部には、円板状の円板固定部313が、ネジ314によって中心軸308に固定されている。図4に示すように、円板固定部313は、ベアリング309の内輪部310の抜脱を防止する。
【0023】
後輪302が走行する後案内レール200は、レール支持部材72を介してトラス12に固定されている。レール支持部材72については後述する。後案内レール200は、金属板を折曲したものであり、後輪302が走行する水平部202と、水平部202の内側部から上方に立設された内壁204とから構成されている。内壁204は、後輪302が水平部202から脱輪しないようにするために設けられている。
【0024】
(3)トラス12
トラス12について図1図2を参照して説明する。トラス12は、前後方向(走行方向)に延びる主枠部材90が、上下及び左右に4本設けられ、直方体状の空間を形成している。これら4本の主枠部材90には、縦方向に左右一対の縦枠部材92が、所定間隔毎に設けられている(図1図2参照)。また、主枠部材90の上階側の端部と下階側の端部の上下には、それぞれ不図示の左右方向に横枠部材が設けられている。さらに、トラス12の底面には、左右方向に不図示の底枠部材が設けられている。
【0025】
エスカレータ10は、上階側と下階側を繋ぐように設けられるため、トラス12の主枠部材90の傾斜部分は、30°傾斜して取り付けられている(図1図3参照)。そのため、縦枠部材92も、垂直方向に対し30°傾斜して配されている(図3参照)。
【0026】
(4)レール支持部材72
前案内レール100と後案内レール200を支持するレール支持部材72について、図3図5を参照して説明する。
【0027】
レール支持部材72は、図5に示すように、折曲された金属板より形成され、左右一対の縦枠部材92の内側に沿って固定されている。すなわち、図4図5に示すように、レール支持部材72の左側部は、縦枠部材92に固定されている。
【0028】
レール支持部材72の右側部には、上段部74と下段部78からなる上下2段の段部が形成されている。上段部74には、図5に示すように踏段30の走行方向に沿って延設された上段受け部76が形成されている。下段部78には、同じく踏段30の走行方向に沿って延設された下段受け部80が形成されている。前案内レール100は、上段部74にある上段受け部76に固定され、後案内レール200は、下段部78にある下段受け部80に固定される(図4図5参照)。
【0029】
上段部74から下段部78における段差部分であって、下段部78の上段部74側には、後案内レール200との間に下隙間が形成され、その下隙間の下端に対応する下段部78には下凹部82が連続して形成されている。上段部74に固定された前案内レール100の側面と前記隙間とは一直線になっている。前輪301、踏段チェーン28などの部材から落ちた油(潤滑油)は、上段部74から下隙間をつたって下段部78の下凹部82に流れ、この下凹部82からオイルパン70に垂れ落ちる。また、後輪302から出た油も、下段部78にある下凹部82から流れ落ちて、オイルパン70に垂れ落ちる。
【0030】
(5)踏段30の走行状態
踏段30の走行状態について図3図4を参照して説明する。踏段チェーン28が駆動すると、踏段30の前輪301が前案内レール100の水平部102を転動しながら走行する。この場合に、外壁104があるため、前輪301が前案内レール100の外側に脱輪しない。踏段30の後輪302は、ベアリング309によってローラ312が後案内レール200の水平部202を転動しながら走行する。この場合に、内壁204があるため、後輪302が後案内レール200の内側に脱輪しない。
【0031】
(6)効果
本実施形態によれば、前輪301、踏段チェーン28から出た油は、レール支持部材72の上段部74から下隙間をつたって流れ落ちて下凹部82に至り、下凹部82からオイルパン70に垂れ落ちるため、踏段30には流れず付着せず、また、前案内レール100に油がこびり付いたりしない。さらに、後輪302からの油も下段部78にある下凹部82に流れ落ち、下凹部82からオイルパン70に垂れ落ちるため、後案内レール200に油がこびり付いたりしない。
【0032】
また、踏段30の後輪302が後案内レール200の内側に脱輪しそうになっても、後案内レール200の内端部から上方に立設された内壁204によって阻止されるため、後案内レール200から脱輪しない。
【0033】
また、踏段30の前輪301が前案内レール100の外側に脱輪しそうになっても、前案内レール100の外端部から上方に立設された外壁104によって阻止されるため、前案内レール100から脱輪しない。
【実施形態2】
【0034】
実施形態2のエスカレータ10について、図6を参照して説明する。本実施形態と実施形態1の異なる点は、前案内レール100とレール支持部材72とにある。
【0035】
本実施形態の前案内レール100は、図6に示すように、金属板を折曲したものであり、前輪301が載置されて走行する水平部102と、この水平部102の内端部から上方に立設された内壁106から構成されている。
【0036】
本実施形態のレール支持部材72は、図6に示すように、折曲された金属板より形成され、その左側部が、縦枠部材92に固定されている。
【0037】
レール支持部材72の右側部には、上段部と下段部78からなる上下2段の段部が形成されている。前案内レール100は、上段部74に固定され、後案内レール200は、下段部78に固定される(図6参照)。
【0038】
図6における上段部74の外側から上に延びたレール支持部材72の側壁と、前案内レール100との間に上隙間が形成され、その上隙間の下端には上凹部84が連続して形成されている。上凹部84は、前輪301、踏段チェーン28などの部材から落ちた油(潤滑油)が、前案内レール100の側面を伝って上凹部84に流れ落ち、この上凹部84からオイルパン70に垂れ落ちる。
【0039】
また、図6に示すように上段部74から下段部78における段差部分であって、下段部78の上段部74側には、後案内レール200との間に隙間が形成され、その隙間の下端には下凹部82が形成されている。下凹部82は、前輪301、踏段チェーン28などの部材から落ちた油(潤滑油)が、上段部74を伝って下段部78に流れ、この下凹部82からオイルパン70に垂れ落ちる。また、後輪302から出た油も、下段部78にある下凹部82から流れ落ちて、オイルパン70に垂れ落ちる。
【0040】
本実施形態によれば、前輪301、踏段チェーン28から出た油は、下凹部82と上凹部84に至り、下凹部82と上凹部84からオイルパン70に垂れ落ちるため、踏段30には流れず、また、前案内レール100に油がこびり付いたりしない。
【変更例】
【0041】
上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0042】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10・・・エスカレータ、12・・・トラス、28・・・踏段チェーン、30・・・踏段、70・・・オイルパン、72・・・レール支持部材、74・・・上段部、78・・・下段部、82・・・凹部、90・・・主枠部材、92・・・縦枠部材、100・・・前案内レール、200・・・後案内レール、204・・・外壁、301・・・前輪、302・・・後輪
【要約】
【課題】踏段に潤滑油が付着しない乗客コンベアを提供する。
【解決手段】レール支持部材72は、前案内レール100が載置される上段部76と、後案内レール200が載置される下段部78とが階段状に一体に形成され、上段部76から下段部78への側面と後案内レール200の側面との間に下隙間が形成され、下隙間の下端に対応する下段部78には下凹部82が形成されている。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6