特許第6306268号(P6306268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306268サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306268
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20180326BHJP
【FI】
   G06Q50/16
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-524528(P2017-524528)
(86)(22)【出願日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】JP2015068387
(87)【国際公開番号】WO2016208040
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2018年1月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大典
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0307002(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0171980(US,A1)
【文献】 特開2012−22352(JP,A)
【文献】 特開2006−221109(JP,A)
【文献】 特開2008−217603(JP,A)
【文献】 特開2007−183745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部と、
住所に対応付けられて、当該住所が示す場所もしくは当該住所の付近の道路から周囲を撮影したパノラマ画像が保存された記憶部から、前記受け付けられた住所に対応付けられて保存されたパノラマ画像を取得する取得部と、
前記取得されたパノラマ画像の中に存在し、かつ、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部と、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記提示部は、前記推定部により類似する領域が推定されない場合、前記受け付けられた住所あるいは写真に誤りのおそれがあることを警告する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記提示部は、前記推定部により類似する領域が推定されない場合、前記受け付けられた住所及び写真の入力者にパノラマ画像を提示し、前記取引のカスタマにはパノラマ画像は提示しない
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記提示部は、前記類似する領域が中心に配置されるように、前記パノラマ画像を横方向にスクロールしてから提示する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
サーバ装置が実行する制御方法であって、
前記サーバ装置が、取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付工程と、
前記サーバ装置が、住所に対応付けられて、当該住所が示す場所もしくは当該住所の付近の道路から周囲を撮影したパノラマ画像が保存された記憶部から、前記受け付けられた住所に対応付けられて保存されたパノラマ画像を取得する取得工程と、
前記サーバ装置が、前記取得されたパノラマ画像の中に存在し、かつ、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定工程と、
前記サーバ装置が、前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部、
住所に対応付けられて、当該住所が示す場所もしくは当該住所の付近の道路から周囲を撮影したパノラマ画像が保存された記憶部から、前記受け付けられた住所に対応付けられて保存されたパノラマ画像を取得する取得部、
前記取得されたパノラマ画像の中に存在し、かつ、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部、
住所に対応付けられて、当該住所が示す場所もしくは当該住所の付近の道路から周囲を撮影したパノラマ画像が保存された記憶部から、前記受け付けられた住所に対応付けられて保存されたパノラマ画像を取得する取得部、
前記取得されたパノラマ画像の中に存在し、かつ、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体に関し、特に、インターネット上で扱われる不動産の提示に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上で不動産を閲覧させるシステムが知られている。例えば、特許文献1には、不動産を含む街区などの画像を提示し、当該画像内の広告板などの関心領域を更新するオンライン財産管理システムが開示されている。また、画像において所望の領域を抽出する技術も知られている。例えば、非特許文献1には、大容量画像から、小容量の入力画像と類似する部分画像を、高速に抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011−527483号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. Gomi, T. Itoh, K. Koyamada, S. Hido, "VIEWGLE: Fast Extraction of Similar Partial Images for Querying Viewing Parameters", NICOGRAPH International 2006.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネット上で不動産の売買や賃貸契約を行う場合、購入・契約を検討しているカスタマは、不動産物件の情報だけでなく、不動産物件の周囲の様子を知りたいという要望がある。しかし、売り手にとっては、不動産物件以外の周囲の画像を撮影するのは手間がかかり、十分な情報をカスタマに提供できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、不動産の周囲の様子を簡易に提示するのに好適なサーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るサーバ装置は、
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部と、
前記受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する取得部と、
前記取得されたパノラマ画像において、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部と、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記サーバ装置において、
前記提示部は、前記推定部により類似する領域が推定されない場合、前記受け付けられた住所あるいは写真に誤りのおそれがあることを警告する
ことを特徴とする。
【0009】
上記サーバ装置において、
前記提示部は、前記推定部により類似する領域が推定されない場合、前記受け付けられた住所及び写真の入力者にパノラマ画像を提示し、前記取引のカスタマにはパノラマ画像は提示しない
ことを特徴とする。
【0010】
上記サーバ装置において、
前記提示部は、前記類似する領域が中心に配置されるように、前記パノラマ画像を横方向にスクロールしてから提示する
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る制御方法は、
サーバ装置が実行する制御方法であって、
前記サーバ装置が、取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付工程と、
前記サーバ装置が、前記受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する取得工程と、
前記サーバ装置が、前記取得されたパノラマ画像において、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定工程と、
前記サーバ装置が、前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示工程と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部、
前記受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する取得部、
前記取得されたパノラマ画像において、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部、
として機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の観点に係る非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体は、
コンピュータを、
取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける受付部、
前記受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する取得部、
前記取得されたパノラマ画像において、前記受け付けられた写真に類似する領域を推定する推定部、
前記パノラマ画像と、前記推定された領域と、前記写真と、を対比して提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0014】
なお、上記非一時的な(non-transitory)記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不動産の周囲の様子を簡易に提示するのに好適なサーバ装置、制御方法、プログラム、及び、記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るサーバ装置と、カスタマ端末と、販売者端末と、の関係を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバ装置が実現される典型的な情報処理装置の物理的構成を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示す図である。
図4】不動産を紹介するページを説明するための図である。
図5】パノラマ画像を説明するための図である。
図6】パノラマ画像を説明するための図である。
図7】パノラマ画像と推定された領域と写真との対比を説明するための図である。
図8】パノラマ画像を説明するための図である。
図9】メッセージ及びパノラマ画像の提示を説明するための図である。
図10】実施形態に係るサーバ装置が行う制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1.全体構成)
本発明の実施形態に係るサーバ装置100は、図1に示すように、インターネット400に接続される。インターネット400には、サーバ装置100の他に、カスタマ端末201、202〜20m(以下、これらを総称して「カスタマ端末200」という)と、販売者端末301、302〜30n(以下、これらを総称して「販売者端末300」という)と、が接続されている。
【0018】
サーバ装置100は、複数の販売者が販売や賃貸しを行う不動産の情報を管理する装置である。サーバ装置100は、販売者端末300より、所在地や写真等の不動産情報を受け付け、カスタマ端末200からの要求に応じて、不動産情報を提供する。
【0019】
カスタマ端末200は、不動産の閲覧・購入等を行うカスタマが使用する端末である。
【0020】
販売者端末300は、インターネット上で不動産を販売あるいは賃貸しを行う販売者が使用する端末である。
【0021】
(2.情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係るサーバ装置100が実現される典型的な情報処理装置600の物理的構成について説明する。
【0022】
情報処理装置600は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)601と、ROM(Read Only Memory)602と、RAM(Random Access Memory)603と、記憶装置604、NIC(Network Interface Card)605と、画像処理部606と、音声処理部607と、ディスプレイ608と、スピーカ609と、コントローラ610と、を備える。
【0023】
CPU 601は、情報処理装置600全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0024】
ROM 602には、情報処理装置600全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0025】
RAM 603は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、記憶装置604から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0026】
記憶装置604は、ハードディスクやフラッシュメモリ等、から構成され、情報処理装置600で処理するデータを記憶する。また、記憶装置604は、CD(Compact Disc)等の記録媒体からデータを読み出すデバイス等を備えるように構成されてもよい。
【0027】
NIC 605は、情報処理装置600をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、NIC 605を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0028】
画像処理部606は、記憶装置等から読み出されたデータをCPU 601や画像処理部606が備える画像演算プロセッサによって加工処理し、画像処理部606が備えるフレームメモリに記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、ディスプレイ608に出力される。
【0029】
音声処理部607は、記憶装置等から読み出されたデータをアナログ音声信号に変換し、スピーカ609から出力させる。
【0030】
コントローラ610は、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0031】
以下、上記情報処理装置600において実現されるサーバ装置100について、図1乃至図10を参照して説明する。情報処理装置600に電源が投入されると、実施形態に係るサーバ装置100として機能させるプログラムが実行され、実施形態に係るサーバ装置100が実現される。
【0032】
(3.実施形態のサーバ装置の機能構成)
実施形態のサーバ装置100は、図3に示すように、受付部101と、取得部102と、推定部103と、提示部104と、から構成される。
【0033】
本実施形態及び以下に示す実施形態において、CPU 601及びNIC 605が協働して、受付部101と、取得部102と、提示部104として機能し、CPU 601及び画像処理部606が協働して、推定部103として機能する。
【0034】
受付部101は、取引の対象となる不動産の住所と、当該不動産を撮影した写真と、を受け付ける。
【0035】
例えば、受付部101は、不動産業者から、販売予定の不動産の住所510と、当該不動産を撮影した写真520と、を受け付ける。受け付けられた住所510や写真520は、カスタマに提示する不動産情報として扱われる。例えば、受付部101が、不動産の住所510を含む情報と、写真520を受け付けたとすると、サーバ装置100は、不動産の情報や写真520を含む図4のページ500を生成し、カスタマからの要求に応じて、閲覧させる。
【0036】
取得部102は、受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する。
【0037】
例えば、パノラマ画像DB 700は、外部の装置が有するデータベースであり、パノラマ画像DB 700には、住所に対応付けられた画像データが保存されている。画像データは、住所が示す場所又はその付近の道路から周囲を撮影した画像である。取得部102は、パノラマ画像DB 700から、受け付けられた住所510に対応付けられたパノラマ画像710(図5)を取得する。
【0038】
あるいは、取得部102は、インターネットを通じて提供されるサービスを利用して、パノラマ画像を取得してもよい。
【0039】
推定部103は、取得されたパノラマ画像において、受け付けられた写真に類似する領域を推定する。
【0040】
例えば、受付部101が写真520を受け付け、取得部102がパノラマ画像710を取得したとすると、推定部103は、画像認識により、写真520に含まれる物件A 501が、パノラマ画像710の中に存在する領域(類似する領域701)を推定する。
【0041】
なお、画像認識による類似領域の推定には、様々な画像認識技術を採用することができる。例えば、物件の輪郭や特徴点の比較により類似領域を推定する手法や、カラーヒストグラムの比較により類似領域を推定する手法等を採用してもよい。あるいは、非特許文献1に開示されている技術を採用してもよい。
【0042】
また、推定部103は、インターネットを通じて提供されるサービスを利用して、パノラマ画像における受け付けられた写真と類似する領域を求めてもよい。
【0043】
提示部104は、パノラマ画像と、推定された領域と、写真と、を対比して提示する。
【0044】
ここで、提示部104は、類似する領域が中心に配置されるように、パノラマ画像を横方向にスクロールしてから提示する。
【0045】
例えば、図6に示すように、提示部104は、類似する領域701がパノラマ画像の中心に配置されるように、得られたパノラマ画像710を横方向にスクロールした、新たなパノラマ画像720を得る。
【0046】
そして、提示部104は、図7に示すように、パノラマ画像720と、推定された領域701と、写真520とを対比して提示する。
【0047】
なお、対比の手法は図7の例に限らず、例えば、パノラマ画像720と写真520とを重ねて表示する様にしてもよい。この際、例えば、写真520を半透明にしても良い。
【0048】
あるいは、パノラマ画像720に横方向のスクロールバーを設けて、スクロールバーを動かすことにより、対象不動産の周囲を360度、観察できるようにしてもよい。また、パノラマ画像720内でドラッグすることにより、パノラマ画像720における観察方向を変化させるようにしてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、入力した住所に基づいて不動産の周辺の画像が自動で取得されるので、不動産の情報を提供する者は、撮影の手間をかけることなく、カスタマにとって有益な情報を提供することができる。また、推定された領域を自動でパノラマ画像の中央に表示させることにより、住所から求めたパノラマ画像に映し出された風景が、実際の不動産の位置とずれが生じていた場合でも、不動産を中心とした周辺の様子が見えるように補正することができる。
【0050】
また、提示部104は、推定部103により類似する領域が推定されない場合、受け付けられた住所あるいは写真に誤りのおそれがあることを警告する。
【0051】
例えば、取得部102により取得されたパノラマ画像730(図8)には、物件A 501が含まれていなかった場合、推定部103は、写真520と類似する領域を推定できない。この場合、提示部104は、入力した住所又は写真に誤りのおそれがあることを通知するメッセージ530(図9)を画面に表示させる。
【0052】
このような構成により、入力者は、入力した住所が、情報を提供しようとする不動産の住所とは異なること、あるいは、入力した写真が、情報を提供しようとする不動産を写したものではないことを、知ることができる。
【0053】
また、提示部104は、推定部103により類似する領域が推定されない場合、受け付けられた住所及び写真の入力者にパノラマ画像を提示し、取引のカスタマにはパノラマ画像は提示しない。
【0054】
例えば、取得部102によりパノラマ画像730が取得されて、推定部103により類似する領域が推定されなかった場合、提示部104は、住所510及び写真520を入力した不動産業者には、図9に示すように、取得されたパノラマ画像730を提示する。一方、この物件の閲覧を希望するカスタマには、パノラマ画像730が含まれていない図4のページ500を提示する。
【0055】
このような構成により、入力者に、入力した住所に基づいて得られたパノラマ画像に、入力した写真と類似する領域が含まれていないことを一目で分からせることができる。また、住所及び写真を入力した者に、入力した住所が示す場所を確認させることができる。このように、住所及び写真の入力時に、写真と類似する領域が推定されなかったパノラマ画像を提示することにより、取引対象の不動産の住所や写真の登録ミスを防ぐことができる。また、カスタマには、受け付けられた写真と風景が異なるパノラマ画像を提示しないことにより、不要な混乱を招くことを防止できる。
【0056】
(4.実施形態のサーバ装置の動作)
本実施形態のサーバ装置100の動作について説明する。サーバ装置100は、例えば、電源が投入されると、図10に示す処理を開始する。
【0057】
受付部101は、取引の対象となる不動産の住所と、不動産を撮影した写真と、を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。受付部101が、取引の対象となる不動産の住所と、不動産を撮影した写真と、を受け付けたと判断すると(ステップS101;Yes)、取得部102は、受け付けられた住所に隣接する道路において撮影されたパノラマ画像を取得する(ステップS102)。一方、受付部101は、取引の対象となる不動産の住所と、不動産を撮影した写真と、を受け付けていないと判断すると(ステップS101;No)、そのまま待機する。
【0058】
例えば、受付部101は、不動産業者から、販売予定の不動産の住所510と、不動産を撮影した写真520と、を受け付けると、取得部102は、パノラマ画像DB 700を参照して、受け付けられた住所510に対応付けられたパノラマ画像710(図5)を取得する。一方、受付部101は、住所及び写真の入力を受け付けない場合は、そのまま待機する。
【0059】
推定部103は、取得されたパノラマ画像において、受け付けられた写真に類似する領域を推定できたか否かを判断する(ステップS103)。推定部103が、取得されたパノラマ画像において、受け付けられた写真に類似する領域を推定できたと判断すると(ステップS103;Yes)、提示部104は、パノラマ画像と、推定された領域と、写真と、を対比して提示する(ステップS104)。一方、推定部103が、取得されたパノラマ画像において、受け付けられた写真に類似する領域を推定できなかったと判断すると(ステップS103;No)、提示部104は、受け付けられた住所あるいは写真に誤りのおそれがあることを警告する(ステップS105)。そして、提示部104は、受け付けられた住所及び写真の入力者のみにパノラマ画像を提示する(ステップS106)。
【0060】
例えば、受付部101が写真520を受け付け、取得部102がパノラマ画像710を取得したとすると、推定部103は、非特許文献1に開示されたような各種の画像認識技術を利用して、写真520に含まれる物件A 501が、パノラマ画像710の中に存在する領域(類似する領域701)を推定する。そして、提示部104は、推定された領域701をパノラマ画像の中央に位置するように補正されたパノラマ画像720と、推定された領域701と、写真520とを対比して提示する。
【0061】
一方、受付部101が写真520を受け付け、取得部102がパノラマ画像730を取得したとすると、推定部103は、写真520に含まれる物件A501と類似した領域が、パノラマ画像730内に無いと推定する。そして、提示部104は、入力した住所又は写真に誤りのおそれがあることを通知するメッセージ530(図9)を画面に表示させる。さらに、提示部104は、住所510及び写真520を入力した者にのみ、図9に示すように、取得されたパノラマ画像730を提示する。
【0062】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0063】
100 サーバ装置
101 受付部
102 取得部
103 推定部
104 提示部
200、201、202〜20m カスタマ端末
300、301、302〜30n 販売者端末
400 インターネット
500 ページ
501 物件A
510 住所
520 写真
530 メッセージ
600 情報処理装置
601 CPU
602 ROM
603 RAM
604 記憶装置
605 NIC
606 画像処理部
607 音声処理部
608 ディスプレイ
609 スピーカ
610 コントローラ
700 パノラマ画像 DB
701 領域
710、720、730 パノラマ画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10