(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動経路は、前記運搬領域に至るラップ領域を更に含み、更に、前記第1及び第2のパッドが前記ラップ領域の少なくとも一部分に沿って横切るときに、前記第1のパッドの前記後縁部が前記第2のパッドの前記前縁部に重ならないように、前記第1及び第2のパッドが構成され配置される、請求項1に記載の装置。
前記第1及び第2のパッドのそれぞれの前記接触面は、対向する第1及び第2の側縁部を更に画定し、前記前縁部及び前記後縁部は、前記対応する第1及び第2の側縁部の間に延在する、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の原理によるフィルムを処理するための装置又はシステム20の一実施形態を
図1にブロック形式で示す。装置20は、延伸デバイス又はステーション22と、取出デバイス又はステーション24とを含む。概括的に言えば、延伸デバイス22は、長尺フィルムを搬送し延伸するように動作し、取出デバイス24は、延伸デバイス22の下流に位置し、延伸デバイス22から延伸されたフィルムを搬送して除去するように動作する。以下で明らかになるように、本発明の各態様は、取出デバイス24を備えた取扱い特徴に関する。以下に説明する取扱い特徴を除く取出デバイス24の他の構成要素を含む装置20の他の構成要素は、多種多様な形態を想定することができる。更に、装置20は、フィルム供給デバイス又はステーション26、前処理デバイス又はステーション28及び/又は除去デバイス又はステーション30など、1つ以上の付加的な任意選択のデバイス又はステーションを含むことができる。後述するような任意選択の供給デバイス26及び/又は任意選択の前処理デバイス28によって具体化される1つ以上のフィルム処理特性を、延伸デバイス22に組み込むことができ、同様に、後述するような任意選択の後処理デバイス32によって具体化される1つ以上のフィルム処理特性を、取出デバイス24に組み込むことができる。いずれにしても、本発明の各態様は、概して多くの異なるフィルム、材料、及びプロセスに適用可能である。
【0010】
参考として、
図2は、フィルム50を処理する処理装置20の一非限定的な例をより詳細に示し、本発明の取出デバイス24の取扱い特徴の状況を提示するものである。フィルム50は、最初に、当技術分野で既知の方法で、任意選択の供給デバイス26において装置20に供給される(例えば、ロール、フィルム押出機などに製造又は提供される)。次いで、フィルム50は、オーブン52又は他のデバイスを介してなど、任意選択の前処理デバイス28(あるいは延伸デバイス22の一部としてもよい)によって処理されてもよい。前処理デバイス又はステップ28は、予熱ゾーン(フィルム50の領域54を参照)及びヒートソークゾーン(領域56を参照)を含んでもよい。
【0011】
次いで、フィルム50を延伸デバイス22で延伸する。延伸デバイス22は、経路58に沿ってフィルム50の縁部を搬送するためのトラック又は他の機構を含む。例えば、フィルム50の縁部は、ローラ60によって矢印の方向に移動される機械クリップ又は他の把持手段によって把持することができる。いくつかの実施形態では、経路58は、放物線状又は略放物線状である。あるいは、延伸デバイス22は、他の形態を想定することができ、かつ/又は放物線状又は略放物線状の経路を組み込んでいてもいなくてもよい他のフィルム延伸技術を実施することができる。いずれにしても、フィルム50において機械方向MDが確立される。フィルム50の面内で機械方向MDに直交する横方向TDを指定することもでき、フィルム50は任意選択で横方向TDに延伸される。
【0012】
取出デバイス24は、図示のように、延伸デバイス22の下流でフィルム50を受け取る。概括的に言えば、後述するように、取出デバイス24は、フィルム50を把持して搬送方向X(
図2において矢印で表される)に横切るように動作する延伸デバイス22の搬送機構から独立しているか又は離間している2つ以上のトラック70、72を含むか又は確立する。搬送方向Xは、概して、延伸デバイス22に関して下流方向であり、機械方向MDと直列(in-line)とすることができる。トラック70、72は、フィルム50を取出デバイス24の上流側又は入口側74から下流側又は出口側76に搬送するように動作する。取出デバイス24は、後処理デバイス32を組み込むことなどによって、フィルム50に任意選択で更なる処理を施すことができる。他の実施形態では、取出デバイス24(及び特に後述するトラック70、72によって提供される取扱い特徴)は、後処理デバイス32の下流とすることができる。あるいは、後処理デバイス32を省略することができる。後処理デバイス32が提供される場合、後処理デバイス32は、フィルム50がセットされ得る第1の領域80と、フィルム50が急冷され得る第2の領域82とを含むことができる。切断又は継ぎ合わせを符号84で行うことができ、バリ(flash)又は使用不能部分86を破棄することができる。いくつかの実施形態では、延伸デバイス22の外側で急冷が行われる。典型的には、フィルム50の少なくとも1つの成分(例えば、多層フィルムにおける1つの層タイプ)がガラス転移より低い温度に達すると、フィルム50がセットされる。フィルム50は、全ての構成要素がそれらのガラス転移より低い温度レベルに達すると急冷される。連続把持機構からの耳86の解放は連続的に行うことができる。しかし、テンタークリップなどの別々の把持機構からの解放は、任意の所与のクリップ下にある材料全部が一度に解放されるように行われなければならない。
【0013】
任意選択の除去デバイス30は、フィルム50を取出デバイス24の下流で受け取り、通常、フィルム50を後の使用のために用意する。例えば、フィルム50は、典型的には、後の使用のためにロール上に巻かれる。あるいは、取出後に直接加工が行われてもよい。いくつかの実施形態では、除去デバイス30の特徴を取出デバイス24の一部とすることができる。任意選択で、ローラ90を使用してフィルム50を前進させることができるが、これは省略してもよい。好ましくは、ローラ90は使用されず、これはローラ90が延伸されたフィルム50に接触することになり、延伸されたフィルム50を損傷する可能性が伴うからである。別のカット92を作製してもよく、未使用部分94は捨ててもよい。
【0014】
上記の背景を踏まえて、取出ステーション24を備えたトラック70の1つをフィルム50(理解を容易にするために厚さが誇張されている)と共に
図3に示す。トラック70は、対向する第1及び第2のコンベヤアセンブリ100、102を含む。概括的に言えば、第1のコンベヤアセンブリ100は、連続ベルト110と、複数のパッド112とを含む。複数のパッド112はベルト110によって運ばれ、ベルト110は、例えば、対向するガイド(例えば、プーリ、スプロケット、歯車など)114、116によって画定されるような移動経路T1に沿ってパッド112を横切るように駆動される。また、第2のコンベヤアセンブリ102も連続ベルト120及び複数のパッド122を含む。パッド122はベルト120によって運ばれ、ベルト120は、例えば、対向するガイド(例えば、プーリ、スプロケット、歯車など)124、126によって規定されるような移動経路T2に沿ってパッド122を横切るように駆動される。コンベヤアセンブリ100、102は、同じでもそうでなくてもよい。いずれにしても、コンベヤアセンブリ100、102は、運搬領域140(概ね図に参照される)でフィルム50の両主表面130、132とインターフェース接続する(例えば、把持する)ように配置される。具体的には、第1のコンベヤアセンブリ100のベルト110が移動経路T1に沿って駆動されると、対応する連続したパッド112が、運搬領域140に沿って第1の主表面130に接触し、同様に、第2のコンベヤアセンブリ102のベルト120が移動経路T2に沿って駆動されると、対応する連続したパッド122が、運搬領域150に沿って第2の主表面132に接触する。次いで、コンベヤアセンブリ100、102がタンデムで操作される場合、コンベヤアセンブリ100、102は、フィルム50を、取出デバイス24(
図2)の入口側74から出口側76まで搬送方向Dに搬送する。
【0015】
コンベヤアセンブリ100、102は、同じでもそうでなくてもよい。また、対応するコンベヤアセンブリ100、102を伴うパッド112、122は、同じでもそうでなくてもよい。ただし、いくつかの実施形態では、第1のコンベヤアセンブリ100のパッド112のうちの少なくとも2つ、又は第2のコンベヤアセンブリ102のパッド122のうちの少なくとも2つは、互いに直接隣接して配置されたときに、運搬領域140の少なくとも一部分に沿って重なり関係を確立する。例えば、本発明の原理による、コンベヤアセンブリ100、102の一方又は両方に有用であるパッド(又は「傾斜パッド」)180の一実施形態が
図4A〜
図4Eに示される。参照のポイントとして、
図4Aの図では理解を容易にするために様々な要素の番号付けが省略されているという点を除いて、
図4Aの図は
図4Bと同じである。パッド180は、基部190と、接触部材と192を含む。基部190は、対応するベルト112、122(
図6)への取り付けを容易にし、接触部材192を支持するように構成される。接触部材192は、フィルムとインターフェース接続するか、接触するか、又はフィルムを把持するように構成された接触面194を確立する。
【0016】
いくつかの実施形態では、基部190及び接触部材192は、異なる材料で別々に形成され、その後組み立てられる。例えば、基部190は、金属又は金属合金(例えば、アルミニウム)などの比較的硬質な材料であり得るが、接触部材192は、薄膜との非損傷接触によく適した比較的変形可能な又は弾性の材料(例えば、シリコンゴム)である。他の材料も想定され、更に別の実施形態では、パッド180は、単一の材料又は組成物で形成された均質な一体的な本体である(例えば、パッド180は、金属、ポリマーなどからなる一体的なブロックである)。いずれにしても、パッド180は、上記の重なり関係を促す幾何学的形状を有するように接触面194を確立する。
【0017】
例えば、接触面194は、第1の縁部又は前縁部200及び対向する第2の縁部又は後縁部202を形成又は画定する。参照のポイントとして、パッド180が、フィルム50(
図3)に関して運搬領域140(
図3)に沿って搬送方向X(
図4B及び
図4Cで特定される)に横切るときに、接触面194の空間的向きに関して「前(leading)」及び「後(trailing)」という用語を使用する。より具体的には、接触面194が運搬領域140に入ると、接触面194は、以下により詳細に説明するように、前縁部200において最初にフィルム50と接触するか又はフィルム50を把持する。前縁部200及び後縁部202は、それぞれ、対向する第1の側縁部204及び第2の側縁部206の間で延びている。第1及び第2の側縁部204、206の間に延在する前縁部200の少なくとも一部分は、搬送方向Xに対して非垂直かつ非平行である線又は平面を画定する。第1及び第2の側縁部204、206の間に延在する後縁部202の少なくとも一部分は、搬送方向Xに対して非垂直かつ非平行である線又は平面を画定する。これらの任意選択の実施形態では、第1及び第2の側縁部204、206に対する前縁部200の形状又は配置は、後縁部202の形状又は配置と互いに関連付けることができるが、前縁部200及び後縁部202は、互いに鏡像反転である(例えば、
図4A及び
図4Bの頂面図における接触面194の形状は非対称である)。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の側縁部204、206の間の前縁部200の延在が、第1及び第2のセグメント210、212を含むか又は画定する。第1のセグメント210は、第1の側縁部204と交差し、第1の側縁部204から延びている。第2のセグメント212は、第2の側縁部206と交差し、第2の側縁部206から延びている。いくつかの実施形態では、第1及び第2のセグメント210、212は、(少なくとも
図4A及び
図4Bの頂面図において)直線的に延在し、移行点214で交差している。少なくとも第2のセグメント212は、搬送方向Xとの角度関係(例えば、非垂直かつ非平行)を規定するように配置される。例えば、第1のセグメント210の延在によって確立された平面又は線は、搬送方向Xに平行で前縁部200と第1の側縁部204との交点を通過する線L1と共に角度Aを形成する。いくつかの実施形態では、角度Aは直角にほぼ等しい(例えば、89°〜91°)。反対に、第2のセグメント212の延在によって確立された平面又は線は、搬送方向Xに平行で前縁部200と第2の側縁部206との交点を通過する線L2と共に角度Bを形成する。いくつかの実施形態では、角度Bは、例えば70°〜89°程度の鋭角である。いくつかの実施形態では、前縁部200の長さの大部分が第2セグメント212によって画定される(例えば、第2セグメント212の直線長さ(例えば、第2側縁部206と移行点214との間の直線距離)は、第1のセグメント210の直線長さよりも長い)。前縁部200は、第1及び第2のセグメント210、212の間に1つ以上の追加の直線セグメントを含むか又は画定することができる一方、第1及び第2のセグメント210、212が移行点214で交差する実施形態では、角度Cを第1及び第2のセグメント210、212によって形成し、180°未満(例えば、160°〜179°程度)とすることができる。搬送方向Xに関して、第1のセグメント210は第2のセグメント212の「前方」又は前にある。
【0019】
第1及び第2の側縁部204、206の間の後縁部202の延在は、前縁部200の延在と一致し得るが、逆側である。例えば、後縁部202の延在は、第1及び第2のセグメント220、222を含むことができる。第1のセグメント220は、第2の側縁部206と交差し、第2の側縁部206から延びている。第2のセグメント222は、第1の側縁部204と交差し、第1の側縁部204から延びている。いくつかの実施形態では、第1及び第2のセグメント220、222は、(少なくとも
図4A及び
図4Bの頂面図において)直線的に延在し、移行点224で交差している。少なくとも第2のセグメント222は、搬送方向Xとの角度関係を規定するように配置される。例えば、第1のセグメント220は、(その他の場合には後縁部202と第2の側縁部206との交点を通過する)線L2と共に角度Dを形成する。角度Dは、直角とほぼ等しくすることができ、前縁部200の第1のセグメント210によって第1の側縁部204に対して形成される角度Aと同じとし得る。第2のセグメント222は、(その他の場合には後縁部202と第1の側縁部204との交点を通過する)線L1と共に角度Eを形成する。角度Eは鋭角であり、前縁部200の第2のセグメント212によって第2の側縁部206に対して形成される角度Bと同じとし得る。第1及び第2のセグメント220、222によって、前縁部200の角度Cと同じとし得る角度Fを形成することができる。次いで、搬送方向Xに関して、第1のセグメント220は、第2のセグメント222の「後方」にある。第1のセグメント210、220の直線長さは、実質的に同じ(例えば、真に同一な関係の5%以内)とすることができ、同様に、第2のセグメント212、222の直線長さは、実質的に同じ(例えば、真に同一な関係の5%以内)とすることができる。いくつかの実施形態では、第2のセグメント212、222は、実質的に平行(例えば、真に平行な関係の2°以内)であり、組み合わされて接触面194の形状の長軸線Gを画定する。長軸線Gは、輸送方向Xに対して非平行かつ非垂直な角度で配置されている。
【0020】
前縁部200及び後縁部202の形状又は幾何学的形状は、代替的に、第1及び第2の側縁部204、206を参照して説明することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1及び第2の側縁部204、206は、前縁部200と後縁部202との間の延在において実質的に直線状(例えば、真に直線的な構成の2°以内)であり、搬送方向Xと実質的に平行(例えば、真に平行な関係の2°以内)とすることができる。第1の角度Hを画定する第1の角部230が前縁部200と第1の側縁部204との交点に形成され、第2の角度Iを画定する第2の角部232が前縁部200と第2の側縁部206との交点に形成され、第3の角度Jを画定する第3の角部234が後縁部202と第2の側縁部206との交点に形成され、第4の角度Kを画定する第4の角部236が後縁部202と第2の側縁部204との交点に形成される。これらの指定を踏まえて、第1及び第2の側縁部204、206が実質的に直線かつ実質的に平行(例えば、真に平行な関係の2°以内)である実施形態では、第1及び第3の角度H、Jは、実質的に同一(例えば、真に同一な関係の2°以内)とすることができ、直角とほぼ等しく(例えば、89°〜91°)することができる。更に、第2及び第4の角度I、Kは、実質的に同一(例えば、真に同一な関係の2°以内)とすることができ、例えば91°〜110°程度の鈍角である。
【0021】
前縁部200は、識別可能な第1及び第2のセグメント210、212を含むか又は画定する(また後縁部202は、識別可能な第1及び第2のセグメント220、222を含むか又は画定する)として説明したが、他の実施形態では、より特異な延在の幾何学的形状又は角度(例えば、前縁部200全体及び後縁部202全体が搬送方向Xに対して非垂直かつ非平行の角度を形成する)を提供することができる。あるいは、他の角度の幾何学的形状を前縁部200及び後縁部202に組み込むことができる。より概括的に言えば、接触面194の幾何学的形状は、前縁部200の少なくとも一部分又はセグメントが、搬送方向Xに関して非平行かつ非垂直な角度で配置されるように、また後縁部202の少なくとも一部分又はセグメントも同様になるようにする。
【0022】
図4Cの側面図に最もよく反映されているように、パッド180は、少なくとも第1のセグメント210に沿った前縁部200を湾曲した角部として形成することができる。例えば、接触面194は、主平面P1を画定すると見ることができる。前縁部200は、主平面P1と、パッド180の前面240によって確立された主平面P2との間の延在として画定することができる。これらの取り決めを踏まえ、
図4Cは、前縁部200に沿った湾曲を反映している(例えば、進行方向Xに平行な断面平面において、第1のセグメント210における前縁部200(
図4A及び
図4Bに最もよく示される)は湾曲角部であるか又は湾曲角部を形成する)。対照的に、接触面主平面P1とパッド180の後面242によって確立された主平面P3との間の後縁部202によって直角角部を画定することができる。前縁部200の任意選択の湾曲形状又は湾曲角部構成により、前縁部200が最初にフィルムに接触するときのフィルム(図示せず)への潜在的損傷が最小化される。湾曲構成を含んでも含まなくてもよい前縁部200の他の構造もまた許容される。
【0023】
基部190の周囲形状は、いくつかの実施形態では、上述した接触面194の形状又は接地面を模倣したものである。基部190は、対応するベルト112、122(
図3)の対応する表面又は構成要素と接してインターフェース接続するように概して構成された、接触面194と反対側の係合面250を形成又は画定する。係合面250は、任意で、後面242に向かう延在において先細であり、アンダーカット領域252を形成する。以下により詳細に説明するように、アンダーカット領域252は、最終組立時及び使用中に、対応するコンベヤアセンブリ100、102の関節運動を促進する。代替的に、アンダーカット領域252を省略することもできる。
【0024】
基部190は、対応するベルト112、122(
図3)への取り付けを促進する特徴を更に組み込んでいる。この点について、いくつかの実施形態では、パッド180は、チェーン型ベルト(例えば、ブロックチェーン又はローラチェーン)と共に使用するように適合され、パッド180は、一節のチェーンに取り付けられ運ばれる。パッド180のチェーンリンクへの取り付けは、パッド180及びチェーンリンクが相補的な取付特徴を組み込んだ状態で、多様な形態を想定することができる。例えば、本発明の取出デバイスに有用なチェーンリンク254の一非限定的例であり、チェーンリンク254に対して取り付けるためにパッド180(
図4A〜
図4E)の構成を設定することができる例を、以下に説明する多様な取付部材と共に、
図5に示す。
図4A〜
図5を相互に参照すると、基部190は、チェーンリンク254の中央ボア262と一致する中央ボア260を画定するか又は含むことができる。図示されるように、締結具264(例えば、ボルト)によって中央ボア260、262を介してパッド180がチェーンリンク254に取り付けられる。いくつかの実施形態では、中央ボア260は、接触面194に開口することができ、最終組立時に、締結具264が接触面194と同じ高さになるか又は下になるように、締結具264の頭部266を受け入れるよう寸法決めされた座ぐりを含むことができる。更に、中央ボア260は、前縁部200と後縁部202との間で長手方向において中心からずらすことができる。また、基部190には、チェーンリンク254のガイド穴274、276に対応するガイド穴270、272が画定されている。ガイド穴の各対270、274及び272、276は、対応する位置決めピン278、280を受け入れるように寸法決めされ、最終組立時に、位置決めピン278、280は、チェーンリンク254に対するパッド180の枢動運動を制限する働きをする。
図4A〜
図5に反映された取付構造は、1つの許容可能な例であり、チェーンリンク254は多様な他の形態(パッド180がチェーンリンク又は他の連続ベルト構成要素の設計に見合った代替的な取付特徴を組み込んでいる)を想定可能であることが理解されよう。ただし、参照のポイントとして、例示的なチェーンリンク254は、相補的な前リンク領域290及び後リンク領域292を更に含むか又は形成し、各リンク領域は、全く同じように形成された別のチェーンリンクにリンク接続されるように構成される(例えば、前リンク領域290及び後リンク領域292は、それぞれ、連結ピン(図示せず)を受け入れるように寸法決めされた横通路を形成し、第1のチェーンリンク254の前リンク領域290は、対応する横通路を通過する連結ピンによって第2のチェーンリンク254の後リンク領域292に枢動可能に連結される)。更に、いくつかの実施形態では、チェーンリンク254の空間的位置の制御を達成する目的で、チェーンリンク254にガイドアセンブリ294(概ね図に参照される)を接続することができる。
【0025】
図3に戻ると、第1のコンベヤアセンブリ100の複数のパッド112は、2つの上記した傾斜パッド180a、180bを有するものとして特定される。いくつかの実施形態では、全てのパッド112が同じ構造を有することができ、他の実施形態では、複数のパッド112のうちのいくつかのみが傾斜パッドであるが、他のパッドはより一般的な設計を有することが想起される。傾斜パッド180a、180bが、(
図3の簡略図には具体的に図示されていないが概ね図に参照される)対応する個別のチェーンリンク254a、254b又は他のエンドレスベルト構成要素にどのように取り付けられるかに関わらず、最終組立時に、第1及び第2の傾斜パッド180a、180bは互いに直接隣接する。移動経路T1(及び搬送方向X)に関して、第1のパッド180aは、第2のパッド180bの下流又は「前方」にある。ベルト110が移動経路T1に沿って駆動されるにつれて、第1及び第2のパッド180a、180bの間の重なりが、運搬領域140の少なくとも一部分に沿って確立される。例えば、
図6は、第1及び第2のパッド180a、180bが運搬領域140(概ね図に参照される)に沿って搬送方向Xに駆動されるときの第1及び第2のパッド180a、180bの配置を表す。参照のポイントとして、接触面194a、194bは、運搬領域140の少なくとも大部分を横切るときに、実質的に同一平面上(例えば真の同一平面関係の5°以内)であり、直接隣接するパッド180a、180bは実質的に同一平面状態で同一であるとすることができる。第1の(又は「前」)パッド180aの後縁部202aは、第2の(又は「後」)パッド180bの前縁部200bに直接隣接する。いくつかの実施形態では、パッド180a、180bは、パッド180a、180bが物理的に互いに接触しないように構成され配置される(例えば、隙間300が第1パッドの後縁部202aと第2パッドの前縁部200bとの間に生成されるように)。しかし、重なり領域302が形成され、それにより搬送方向Xに垂直な少なくとも1つの理論直線304が、パッド180a、180bの両方と交差する。
【0026】
重なり領域302は、接触面194a、194bが実質的に同一平面上でない場合にも確立することができる。参照のポイントとして、
図7Aのコンベヤアセンブリ100の部分図に反映されるように(
図7Aでは、第1及び第2傾斜パッド180a、180bのみがベルト110によって運ばれるように示されている)、移動経路T1は、上述した運搬領域140に加えて、(搬送経路T1の方向に関して)運搬領域140のすぐ上流のラップ領域306を含む。上述したように、パッド180a、180bが同時に運搬領域140を横切るとき、いくつかの実施形態では、対応する接触面194a、194bは実質的に同一平面上になる。しかしながら、パッド180a、180bが同時にラップ領域306を横切るとき、接触面194a、194bは図示のように実質的に同一平面上にない。ラップ領域306に沿った接触面194a、194bの間の隙間300は、(接触面194a、194bが実質的に同一平面上にある運搬領域140に沿った隙間300のサイズと比較して)より顕著であり、パッド180a、180bの間の重なり領域が存在しないこともあり得る。パッド180a、180bが、ラップ領域306から運搬領域140へ移動経路T1に沿って駆動されるにつれて、接触面194a、194bの間の関係は、
図7Bに反映されるような実質的に同一平面上の空間配置に近づき始める。
図7Bの段階では接触面194a、194bは、実質的に同一平面上にないが、重なり領域302(概ね図に参照される)は存在する。より具体的には、
図7Cが
図7Bの配置の上面図を表しており、重なり領域302が再び確認され、搬送方向Xに垂直な少なくとも1つの理論直線308が、パッド180a、180b両方と交差する。換言すると、搬送方向Xに関して、第1のパッドの後縁部202aの少なくとも一部分は、第2のパッド180bが運搬領域140に「入る」ときに、第2のパッドの前縁部200bの少なくとも一部分の「後方」(又は上流)にある。
【0027】
比較のために、
図8に、パッド310a、310bが運搬領域を通じて同時に駆動されるときにフィルム延伸装置の取出デバイスの直接隣接した第1及び第2のパッド310a、310bのより従来的な構成及び配置を示す。パッド310a、310bの両方が、第1のパッド310aの後縁部316aと第2のパッド310bの前縁部318bとの間に隙間314が画定された状態で長方形の周囲形状を画定するフィルム接触面312a、312bを提供する(例えば、隙間314は、取出デバイスの運搬領域を横切るときなど接触面312a、312bが実質的に同一平面上にあるときに存在する)。この従来構造では、第1及び第2のパッド310a、310bの間に重なりが生じず、接触面312a、312bが実質的に同一平面上にあるときでもパッド310a、310b両方と交差する搬送方向Xに垂直な理論直線を描くことができない。第2のパッド310bが(
図7B及び
図7Cに関して上述した)ラップ領域から運搬領域に移行している時点など、接触面312a、312bが実質的に同一平面上でない場合には、重なりの不在(及びパッド310a、310bの間の完全な間隔の空き)は更に顕著である。
【0028】
本発明の重なりパッド構造は、搬送されるフィルムとのより連続的な把持インターフェースを促進する。例えば、
図9Aの簡略化された部分図は、フィルム50を搬送する際の取出デバイス24の第1の時点の動作を表し、第1のパッド180aがフィルム50と運搬領域140で部分的に接触し、第2のパッド180bが運搬領域140の「上流」にありフィルム50と接触していない、第1のコンベヤデバイス100の動作状態を含む。第1のパッド180aは、前縁部200aの重みがフィルム50にかかるように空間的に配置され、前縁部200aの任意選択で湾曲角部が非損傷性又はなだらかな初期把持インターフェースを呈する。
図9Bは、
図9Aの簡略上面図であり、フィルム50とコンベヤアセンブリ100との間の(第1のパッド180aにおける)接触領域320が、クロスハッチングで示されている。
図9A及び
図9Bの時点では、接触領域320は、第1のパッド180aの接触面194aの一部分を含み、把持線322(例えば、第1の有効把持具接点の分離取出点)で始まっている。いくつかの実施形態では、把持線322は、搬送方向Xに対して実質的に垂直(例えば、真に垂直な関係の5°以内)である。フィルム50は、第2のパッド180bの接触面194bとは接触していない。
【0029】
図9Cは、パッド180a、180bが移動経路T1(
図3)に沿って搬送方向Xに更に進行した、段階的に後の時点を表す簡略上面図である。フィルム50がまだ第2のパッド180bと接触していない間に、第1のパッド180aの接触面194aにおける接触領域320が、後縁部202aの方向に進行してしまっている(すなわち、
図9Bの配置と比較すると、把持線322が後縁部202aにより近くなる)。
【0030】
第1のコンベヤアセンブリ100(
図3)の更なる動作により、フィルム50と第2のパッド180bとの間の接触が開始される。例えば、
図9Dは、
図9Cと比較して、パッド180a、180bが移動経路T1(
図3)に沿って搬送方向Xに更に進行した、段階的に後の時点を表す簡略上面図である。図示されたように、接触領域320は、今度は、第2のパッド180bの接触面194bの一部分を含む。把持線322は、第1及び第2のパッド180a、180bの両方の接触面194a、194bに沿って延びる。すなわち、第1及び第2のパッド180a、180bの搬送方向Xに対する(したがって把持線322に対する)傾斜形状のために、第1のパッドの接触面194aを「離れる」前に、把持線322が第2のパッドの接触面194bの一部分に沿って確立されることになる(すなわち、把持線322は、第2のパッドの前縁部200bにインターフェース接続する又は「渡る」前に、第1のパッドの後縁部202aの上流に完全に進行するわけではない)。したがって、第1のコンベヤアセンブリ100がフィルム50を搬送方向Xに沿って搬送するときに、把持線322との連続インターフェースが、第1のパッド180aから第2のパッド180bに確立される。言い換えると、把持線322が隙間300を横切る間、把持線322の少なくとも一部分は、把持線322が第1のパッド180aから第2のパッド180bに進行するにつれて、接触面194a、194bの一方又は両方によって常に支持される。驚くべきことに、本発明の重なりパッド構造は、パッドによって進行的に把持されたフィルムであって、例えば、いくつかの実施形態では17ミクロン程度の厚さを有する非常に薄いフィルムの、不完全部の形成及び/又は広がりを最小限に抑えることが判明した。
【0031】
図6に戻ると、いくつかの実施形態では、パッド180a、180bは、隙間300の幅が不均一(対応接触面194a、194bが図示のように実質的に同一平面上にある場合を含む)になるように成形され配置される。例えば、隙間300の直線幅は、第1のパッドの後縁部202aの第1のセグメント220aに沿って、また第2のパッドの前縁部200bの第1のセグメント210bに沿って増加する。この任意選択の構造は、パッド180a、180bを互いに対して一時的に枢動させる可能性のある移動経路T1(
図3)の領域を各パッドが横切るときに、パッド180a、180bの間のクリアランスを促進する。関連する実施形態において
図10を更に参照すると、任意選択のアンダーカット領域252がベルト110の内側関運動又は屈曲を促進する。例えば、エンドレスベルト110がチェーンであり、パッド180が第1のチェーンリンク254aに取り付けられている実施形態では、第1のチェーンリンク254aが第2のすぐ上流のチェーンリンク254b(及び/又はその逆)に向かって枢動するように、チェーン110が関節運動又は屈曲されることができる。この動作により、アンダーカット領域252での係合面250と接触している第2のチェーンリンク254bの一部分を含む、第2のチェーンリンク254bに向かって、パッド180の後面242が空間的に並進移動される。アンダーカット領域252に沿った係合面250のテーパ形状が提供される場合には、このテーパ形状により(アンダーカット領域252が省略された構造と比較して)2つのチェーンリンク254a、254bのより明瞭な相対的な関節運動が可能になる。
【0032】
図3に戻ると、いくつかの実施形態では、第1のコンベヤアセンブリ100を伴う複数のパッド112の全てが、傾斜パッド180(
図4A〜
図4E)に関して上述した構造を有することができる。他の実施形態では、第1のコンベヤアセンブリ100の複数のパッド112のうちの全てではないが少なくとも一部が、傾斜パッド180に関して上述した構造を有する。例えば、複数のパッド112のうちのいくつかは、異なる又はより一般的な形状及び構成を有することができる。関連実施形態では、複数のパッド112のうちのいくつかは、サイズ、形状、及び材料のうちの1つ以上に関して上述の接触面194(
図4A〜
図4E)とは異なる接触面を有することができる(例えば、複数のパッド112の全てが可撓性接触部材を含む必要はない)。いくつかの実施形態では、例えば、第1のコンベヤアセンブリ100は、既存の取出デバイスの一部であって従来のパッドを含み、従来のパッドのうちの2つ以上(しかし必ずしも全てではない)が、本発明の傾斜パッド180に置き換えられるか、又は本発明の傾斜パッド180が追加導入される。いくつかの実施形態では、第2のコンベヤアセンブリ102を伴う複数のパッド122の全てが、傾斜パッド180に関して上述した構造を有することができる。他の実施形態では、第2のコンベヤアセンブリ102の複数のパッド122のうちの全てではないが少なくとも一部が、傾斜パッド180に関して上述した構造を有する。更に他の実施形態では、第2のコンベヤアセンブリ102の複数のパッド122のいずれも、傾斜パッド180に関して上述した構造を有していない。例えば、第2のコンベヤアセンブリ102は、直接隣接する一対のパッド122の間に重なり領域が確立されない従来の構成を有することができる。更に、第2のコンベヤアセンブリ102のパッド122の一部又は全ては、硬質材料(例えば、金属)で全体的に形成されてもよく、可撓性接触部材を含む必要はない。いずれにしても、第2のコンベヤアセンブリ102のパッド122の個々は、運搬領域140に沿って配置されるときに、第1のコンベヤアセンブリ100のパッド112のうちの対応するパッドと揃えられる必要はない。
【0033】
図2を追加的に参照すると、取出デバイス24の第2のトラック72は、第1のトラック70に関して上述した構造のいずれかを有することができる。例えば、第2のトラック72は対向するコンベヤアセンブリを含むことができ、その少なくとも1つはエンドレスベルト(例えば、チェーン)によって運ばれる少なくとも2つの別々の接触パッドを含み、各接触パッドが、傾斜パッド180に関して上述した構造を有する(
図4A〜
図4E)。取出デバイス24の第1及び第2のトラック70、72は、平行であり固定であると図示されているが、他の構成もまた許容可能である。例えば、米国特許第6,936,209号に記載されている取出デバイスのトラック構成はいずれも本発明の取出デバイスに組み込むことができる(例えば、トラック70、72は、互いに対して(またフィルム50の中心線に関して)非平行角度で配置することができ)、トラック70、72の間の間隔は調節可能とすることができるなど)。
【0034】
図1及び
図2を特に参照すると、本発明の取出デバイス24の構造であり、特に、上述した取出コンベヤアセンブリのフィルム接触パッドを伴うフィルム取扱い特性は、多数の異なるフィルム延伸装置で実施することができる。いくつかの実施形態では、本発明の各態様は高分子光学フィルムの製造によく適していると考えられ、フィルムに使用される材料の粘弾性特性を利用して、フィルムが処理中に引っ張られるときに材料において誘導される分子配向がある場合にはその量を制御する。光学フィルムを製造するために使用される材料の種々の特性の検討を利用して、光学性能、破壊又は裂傷に対する耐性の増加、寸法安定性の向上、より良好な加工性などのような改善された特性を示す光学フィルムを製造することができる。これを踏まえて、例えば、米国特許第6,916,440号、同第6,936,209号及び同第6,939,499号に記載されているように、延伸デバイス22は、フィルム50の一軸延伸又は実質的な一軸延伸を達成するように構成することができる。概括的に言えば、いくつかの実施形態では、フィルム50の第2の面内軸線及び厚さ方向におけるフィルム50の収縮を可能にしながらフィルムの第1の面内軸線に沿ってフィルム50が延伸される。延伸は、フィルム50の縁部を把持してそのフィルム50の縁部を所定の経路に沿って移動させることにより達成され、これらの所定の経路は分岐してフィルム50の第2の面内軸線及びフィルム50の厚さ方向において実質的に同じ比例寸法変化を生じさせる。所定の経路は、フィルム50の第2の面内軸線及びフィルム50の厚さ方向において実質的に同じ比例寸法変化を生じるように成形することができる。いくつかの実施形態では、フィルム50の縁部の1つは、実質的に放物線状の所定の経路に沿って移動される。他の実施形態では、フィルム50の第2の面内軸線及びフィルム50の厚さ方向において実質的に同じ比例寸法変化を生じるように、フィルム50の縁部の速度が制御される。更に他の実施形態では、フィルム50の縁部のうちの少なくとも1つが、実質的に一定速度で所定の経路に沿って移動される。更に他の実施形態では、延伸デバイス22は、一軸延伸又は実質的な一軸延伸を達成するように構成されても構成されなくてもよい、当業者に既知の他の形態を想定することができる。
【0035】
本発明の装置に伴う、米国特許第6,916,440号、同第6,936,209号、同第6,939,499号のうちの1つ以上に記載されている他の任意選択の特性であって、例えば、任意選択の除去デバイス30及び/又は任意選択の後処理デバイス32でフィルム50にスリットを生じさせるためのデバイス又は技術なども組み込むことができる。スリッティングは、可変最終横延伸比に適応する必要がある取出位置の変化と共に変化することができるように移動可能かつ再配置可能である。熱かみそり、熱線、レーザー、強赤外線集束ビーム、又は熱風集中噴射を含む、様々なスリッティング技術を使用することができる。本発明の各態様に従って、様々な光学フィルムを延伸する又は引っ張ることができる。フィルムは、単層又は多層フィルムとすることができる。適切なフィルムは、例えば、米国特許第5,699,188号、同第5,825,543号、同第5,882,574号、同第5,965,247号、及び同第6,096,375号、及び国際公開第95/17303号、同第96/10347号、同第99/36812号、同第99/36248号に開示されている。
【0036】
本発明の原理に従って作製されたフィルムは、偏光子、反射偏光子、二色性偏光子、配列反射型/二色性偏光子、吸収偏光子、リターダー(Z軸線リターダーを含む)を含む広範囲の製品に有用であり得る。フィルムは、光学素子自体であってもよく、あるいは前面及び背面投射システム用のビームスプリッタにおいて使用される整合Zインデックス偏光子などの光学素子の構成要素として、又はディスプレイ又はマイクロディスプレイに使用される輝度向上フィルムとして、使用することができる。本発明の装置は、多層光学フィルムから鏡を作製するために長さ配向機と共に使用することができることに留意されたい。
【0037】
本発明の装置、システム、デバイス、及び方法は、以前の設計に対して著しい改善を提供する。延伸装置の取出デバイスに伴うフィルム接触パッドのいくつか又は全てに関連する傾斜及び重なり関係は、別々のパッド又はセグメントからの連続把持に近い。取出デバイスにおけるフィルムの連続的な支持は、薄膜を引き延ばすように操作されるフィルム延伸システムを含む、多くのタイプのフィルム延伸システムで非常に有用になり得る。
【0038】
以上、好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部に変更を行いうる点は認識されるであろう。本明細書に引用される全ての特許、特許書類、及び刊行物の完全な開示内容を参照によって援用するものである。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[25]に記載する。
[項目1]
フィルムを処理するための装置であって、
受け取ったフィルムを延伸するための延伸デバイスと、
前記延伸デバイスの後で前記フィルムを受け取る取出デバイスであって、入口側と、出口側と、前記フィルムとインターフェース接続し前記フィルムを前記入口側から前記出口側へ搬送方向に搬送する運搬領域と、を確立する取出デバイスとを備え、
前記取出デバイスは、前記運搬領域に沿って前記フィルムの対向する面とそれぞれ接触するように配置された、対向する第1及び第2のコンベヤアセンブリを含む第1のトラックを含み、前記第1のコンベヤアセンブリは、
移動経路に沿って駆動される連続ベルトと、
前記ベルトによって運ばれる複数の別々のパッドであって、各前記パッドは、前記運搬領域に沿って前記フィルムと接触するための接触面を前記ベルトの反対側に形成し、前記接触面は、対向する前縁部と後縁部との間に延在し、前記前縁部は、前記移動経路に関して前記後縁部の下流に配置される、パッドとを含み、
前記複数のパッドは第1のパッドを含み、この第1のパッドは第2のパッドに直接隣接し、
更に、前記第1及び第2のパッドが前記運搬領域に沿って横切るときに、前記第1のパッドの前記後縁部が前記第2のパッドの前記前縁部に重なるように、前記第1及び第2のパッドが構成され配置される、装置。
[項目2]
前記移動経路は、前記運搬領域に至るラップ領域を更に含み、更に、前記第1及び第2のパッドが前記ラップ領域の少なくとも一部分に沿って横切るときに、前記第1のパッドの前記後縁部が前記第2のパッドの前記前縁部に重ならないように、前記第1及び第2のパッドが構成され配置される、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記第1及び第2のパッドが前記運搬領域の少なくとも大部分に沿って横切るときに、前記第1のパッドの前記後縁部が、前記第2のパッドの前記前縁部に重なる、項目1に記載の装置。
[項目4]
前記第1及び第2のパッドそれぞれの前記接触面の形状によって画定される主中心軸線は、前記搬送方向に対して非垂直かつ非平行である、項目1に記載の装置。
[項目5]
前記第1及び第2のパッドの前記前縁部の大部分によって画定される平面は、前記搬送方向に対して非垂直かつ非平行である、項目1に記載の装置。
[項目6]
前記運搬領域に沿った前記第1及び第2のパッドのある瞬間的位置において、前記搬送方向に垂直な線が前記第1及び第2のパッドを通過するように、前記第1及び第2のパッドが構成され配置される、項目1に記載の装置。
[項目7]
前記第1及び第2のパッドのそれぞれの前記接触面は、対向する第1及び第2の側縁部を更に画定し、前記前縁部及び前記後縁部は、前記対応する第1及び第2の側縁部の間に延在する、項目1に記載の装置。
[項目8]
前記第2のパッドに関して、
前記前縁部と前記第1の側縁部との間に第1の角部が画定され、
前記前縁部と前記第2の側縁部との間に第2の角部が画定され、
前記第1の角部の角度は前記第2の角部の角度と異なる、項目7に記載の装置。
[項目9]
前記第1の角部の角度は90°よりも大きい、項目8に記載の装置。
[項目10]
前記第2の角部の角度は90°である、項目9に記載の装置。
[項目11]
前記第2のパッドに関して、前記前縁部は、前記第1の側縁部から延在する第1のセグメントと、前記第2の側縁部から延在する第2のセグメントとを画定し、更に、前記第1及び第2のセグメントの交点が180°未満の角度を画定する、項目7に記載の装置。
[項目12]
前記第1のセグメントの長さは、前記第2のセグメントの長さよりも長い、項目11に記載の装置。
[項目13]
前記第2のパッドに関して、
前記前縁部と前記第1の側縁部との交点において第1の角部が画定され、
前記後縁部と前記第1の側縁部との交点において第2の角部が画定され、
前記第1の角部の角度は前記第2の角部の角度と異なる、項目7に記載の装置。
[項目14]
前記第2のパッドに関して、
前記前縁部と前記第2の側縁部との交点において第3の角部が画定され、
前記後縁部と前記第2の側縁部との交点において第4の角部が画定され、
前記第3の角部の角度は、前記第1の角部の前記角度にほぼ等しく、前記第4の角部の角度は、前記第2の角部の前記角度にほぼ等しい、項目13に記載の装置。
[項目15]
前記第1及び第2のパッドはそれぞれ、前記対応する前縁部を湾曲角部として形成する、項目1に記載の装置。
[項目16]
前記連続ベルトは、複数の相互接続されたリンクを含むチェーンであり、更に、前記複数のパッドはそれぞれ、前記複数のリンクの個々に取り付けられている、項目1に記載の装置。
[項目17]
前記第1のパッドと前記対応するリンクとの間の取付線は、前記対応する前縁部と後縁部との間で中心線からずれる、項目16に記載の装置。
[項目18]
前記複数のパッドは第3のパッドを更に含み、更に、前記第3のパッドの形状は前記第1及び第2のパッドの形状と異なる、項目1に記載の装置。
[項目19]
前記複数のパッドのそれぞれは同一形状である、項目1に記載の装置。
[項目20]
前記第1のコンベヤアセンブリは、前記第2のコンベヤアセンブリよりも下に配置される、項目1に記載の装置。
[項目21]
前記第2のコンベヤアセンブリは、
連続ベルトと、
前記ベルトによって運ばれる複数の別々のパッドであって、それぞれが前記運搬領域に沿って前記フィルムと接触するための接触面を形成する、パッドとを含み、
前記第2のコンベヤアセンブリの前記パッドのうちの少なくとも1つの前記接触面は、前記第1のパッドの前記接触面と同一形状を画定する、項目20に記載の装置。
[項目22]
前記第2のコンベヤアセンブリは、
連続ベルトと、
前記ベルトによって運ばれる複数の別々のパッドであって、それぞれが前記運搬領域に沿って前記フィルムと接触するための接触面を形成する、パッドとを含み、
前記第2のコンベヤアセンブリの各前記パッドの前記接触面は、前記第1のパッドの形状とは異なる形状を有する、項目20に記載の装置。
[項目23]
前記取出デバイスは、前記運搬領域に沿って前記フィルムの前記対向する面とそれぞれ接触するように配置された、対向する第1及び第2のコンベヤアセンブリを含む第2のトラックを更に含み、前記第2のトラックは、前記第1のトラックから離され、更に、前記第2のトラックの前記第1のコンベヤアセンブリは、
移動経路に沿って駆動される連続ベルトと、
前記ベルトによって運ばれる複数の別々のパッドとを含み、この複数のパッドは、前記第1のトラックの前記第1及び第2のパッドと同じ第1及び第2のパッドを含む、項目1に記載の装置。
[項目24]
前記延伸デバイスは、前記フィルムを機械方向に運搬するように構成され、更に、前記取出デバイスの前記搬送方向は、前記機械方向と直列である、項目1に記載の装置。
[項目25]
フィルムを処理する方法であって、
延伸デバイス内でフィルムを運搬するステップと、
前記延伸デバイス内で前記フィルムを延伸するステップと、
取出デバイスを用いて前記フィルムを前記延伸デバイスの下流の搬送方向に搬送するステップとを含み、前記取出デバイスは、対向する第1及び第2のコンベヤアセンブリを伴う第1のトラックを含み、前記第1のコンベヤアセンブリは、連続ベルトによって運ばれる複数の別々のパッドを含み、前記複数のパッドは、互いに直接隣接する第1及び第2のパッドを含み、各パッドは、前縁部及び後縁部を有する接触面を画定し、
前記フィルムを搬送するステップは、前記第1及び第2のコンベヤアセンブリが前記フィルムの対向する面とそれぞれ係合することを含み、前記第1及び第2のパッドは前記フィルムとの順次接触状態になり、前記フィルムは、前記搬送方向に垂直な把持線に沿って前記第1及び第2のパッドの両方と接触する、方法。