【実施例】
【0022】
次に、上述した電子機器としての照明装置について、
図1〜
図8を参照して以下説明する。
図1〜
図3などに示すように、照明装置1は、構造物としての光源2と、接触体(ユーザの指)が接触する接触面3と、筐体4と、光源2が取り付けられ、光源2の向きを変更するために筐体4に回転自在に取り付けられた回転体5と、を備えている。
【0023】
光源2は、
図3などに示すように、例えばLEDやランプなど光源本体21と、光源本体21を支持する光源筐体22と、を備えている。光源本体21は、光源筐体22上に取り付けられている。光源筐体22は、略箱型に設けられ、その外面に後述する回転体5に係止するための係止爪(図示せず)が設けられている。
【0024】
接触面3は、
図1〜
図3などに示すように、板状の接触部材6のうち後述するカバー42の孔部42aから露出している部分を言う。本実施例では、この接触面3は環状に形成されている。接触面3上には接触センサ7が取り付けられている。この接触面3は、光源2の周囲に設けられている。接触面3(即ち接触部材6)はその内側(図示の例では中央)に孔部3aが設けられ、その孔部3aを通過して光源2の光が外へ照射されるようになっている。
【0025】
接触部材6は、
図2及び
図3などに示すように、ホルダ8に保持されている。このホルダ8は、板状に設けられ、接触部材6を嵌め込むことができる凹部8aが設けられている。この凹部8aに接触部材6を嵌め込むと、接触部材6とホルダ8とが係止されて、接触部材6がホルダ8に保持される。このホルダ8には孔部8bが設けられていて、凹部8aに接触部材6を嵌め込むとホルダ8の孔部8bと接触面3の孔部3aとが重なる。この孔部3a、8b内に、光源2が取り付けられた後述する回転体5が配置される。
【0026】
筐体4は、後述する回転体5を介して光源2を支持している。筐体4は、開口に設けられた筐体本体41と、筐体本体41の開口を覆うカバー42と、を備えている。カバー42とホルダ8とは、
図1及び
図2に示すように、互いに重ねた状態で筐体本体41の開口を覆うように取り付けられる。このとき、ホルダ8は、カバー42よりも筐体本体41側になるように重ねられる。カバー42には、ホルダ8に保持された接触部材6の接触面3を露出すると共に、後述する回転体5が配置される孔部42aが設けられている。この孔部42aから接触面3が露出され、ユーザがこの接触面3に接触できる。孔部42aは、接触面3に設けた孔部3aよりも大きく設けられ、孔部42aの内側に接触面3に設けた孔部3aが配置される。
【0027】
回転体5は、
図4〜
図8に示すように、筐体本体41に固定される支持部材としてのパンカバー51と、パンカバー51に接触して回転自在に保持される第1の回転部材としてのパンプレート52と、パンプレート52に接触して回転自在に保持される第2の回転部材としての回転部材53と、パンカバー51に支持される筒状部材としての内カバー54及び外カバー55(
図3)と、を備えている。
【0028】
パンカバー51は、
図6などに示すように、支持部材本体としての円板状のパンカバー本体51aと、後述する外カバー55の外側面に係止するための係止部51bと、を備えている。パンカバー本体51aの内側(実施例の例では中央)には、後述するパンプレート52に設けた回転ギアG21に噛み合う固定ギアG1が取り付けられている。固定ギアG1は、接触面3と垂直な軸周りにギア溝(歯)が設けられている。そして、パンプレート52に設けた回転ギアG21が回転して、固定ギアG1周りに移動することにより、パンプレート52は接触面3を通過する方向(実施例では接触面3と垂直な方向)を回転軸として回転する。
【0029】
また、パンカバー本体51aには、固定ギアG1を中心としたスパイラル状のスクロール溝51cが設けられている。このスクロール溝51cには、シャフト9のネジ頭が係止され、シャフト9はスクロール溝51cに沿って移動自在に取り付けられる。このシャフト9の先端は後述するパンプレート52に設けた長孔52cに挿入されている。これにより、パンプレート52が回転すると、シャフト9がスクロール溝51cに沿って移動する。そして、シャフト9がスクロール溝51cの端部に当接すると、パンプレート52がそれ以上回転できないようになっている。また、係止部51bは、パンカバー本体51aの外周部から複数突設されている。
【0030】
パンプレート52は、
図6などに示すように、パンカバー本体51a上に重ねられる円板状のパンプレート本体52aと、後述する回転部材53を回転自在に支持するため、パンプレート本体52aに突設された一対の支持部52bと、を備えている。パンプレート本体52aには、上述したシャフト9の先端部を挿入するための長孔52cと、その中央にパンカバー51に設けた固定ギアG1を通すための貫通孔52d(
図6)と、が設けられている。長孔52cは、
図6に示される例では径方向に延在して形成されている。
【0031】
また、パンプレート本体52aには、
図4及び
図5に示すように、上述した回転ギアG21と、この回転ギアG21を回転させるための駆動要素としてのモータM1と、モータM1の回転力を回転ギアG21に伝達するための回転ギアG22〜G27と、が取り付けられている。回転ギアG21は、上述したように貫通孔52dを通ってパンプレート本体52a側に配置された固定ギアG1と噛み合う。モータM1は、その回転軸に回転ギアG22と噛み合うネジ切り部10が設けられている。このネジ切り部10は、螺旋状の溝を備える。回転ギアG21〜G27は、回転自在にパンプレート本体52aに支持されている。
【0032】
また、回転ギアG22及び回転ギアG23、回転ギアG24及び回転ギアG25、回転ギアG27及び回転ギアG21、はそれぞれ、同軸に設けられいて、一方が回転すると他方も回転する。また、回転ギアG23及び回転ギアG24、回転ギアG25及び回転ギアG26と、回転ギアG26及び回転ギアG27と、は互いに噛み合っている。これにより、モータM1の回転軸が回転すると、モータM1の回転力が回転ギアG22〜G27を介して回転ギアG21に伝達され、固定ギアG1に噛み合う回転ギアG21が回転する。これにより、回転ギアG21が、固定ギアG1周りに回転し、上述したようにパンプレート52が接触面3に対して交差する方向(図示の例では折衝面3と垂直な方向)を回転軸として回転する。
【0033】
また、パンプレート本体52aには、
図4などに示すように、後述する回転部材53を回転させるための駆動要素としてのモータM2と、モータM2の回転を回転部材53に伝達するため回転ギアG31〜G34と、が設けられている。モータM2には、その回転軸に回転ギアG31と噛み合うネジ切り部11が設けられている。このネジ切り部11は、螺旋状の溝を備える。
【0034】
また、回転ギアG31及びG32、回転ギアG33及びG34、はそれぞれ、同軸に設けられていて、一方が回転すると他方も回転する。また、回転ギアG32及びG33は、互いに噛み合っている。さらに、回転ギアG34は、後述する回転部材53に設けられた固定ギアG4に噛み合うように設けられている。これら回転ギアG31〜G34は、パンプレート本体52aに固定されたプレート12に回転自在に取り付けられている。
【0035】
回転部材53は、
図3などに示すように、光源2の光が通過する開口と、光源2が取り付けられる光源取付部53aと、光源取付部53aの外側に設けられるドーム部(傘)53bと、を備えている。光源取付部53aは、
図4、
図5などに示すように、筒状に設けられ、筒長さ方向の一端から突出する係止部53a1を備えている。この係止部53a1には、光源筐体22に設けた係止爪が係止され、筒状の光源取付部53a内に光源2が配置される。光源取付部53a内に取り付けられた光源2からの光は、光源取付部53aの係止部53a1に対して内側にある開口から外に照射される。
【0036】
光源取付部53aの外側面には、一対の回転軸53cが外部に向かって突設されていて、この一対の回転軸53cが一対の支持部52bに回転自在に支持されている。これにより、光源取付部53aがパンプレート52の回転軸と直交する軸を回転軸として回転自在に取り付けられる。なお、本実施例では、パンプレート52の回転軸と回転部材53の回転軸とが直交しているが、直交している必要はなく、交差しているだけでもよい。また、交差している必要もなく、ねじれの関係になっていてもよい。
【0037】
この一対の回転軸53cの一方には、固定ギアG4が取り付けられている。この固定ギアG4が、上述した回転ギアG34に噛み合う。これにより、モータM2の回転軸が回転すると、その回転力が回転ギアG31〜G34及び固定ギアG4を介して回転軸53cに伝達され、回転軸53cが回転し、回転部材53が回転する。
【0038】
ドーム部53bは、パンプレート52から離れるに従って径が小さくなる逆円錐状、即ち略ドーム状に形成されていている。このドーム部53b内には、光源取付部53aが配置され、ドーム部53bは光源取付部53aに支持されている。このドーム部53bの小径側(光源2の光の放射側)の開口の位置は、光源取付部53aの開口の位置と重なっている。上述した接触面3に設けた孔部3aやカバー42に設けた孔部42a内にはこのドーム部53bの一部が配置される。
【0039】
内カバー54は、
図3に示すように、筒状に設けられた筒部54aと、筒部54aのパンプレート52側の端部から外部に向けて突出するフランジ部54bと、筒部54aのパンプレート52から離れた側に連なるドーム部54cと、から構成されている。筒部54aは、パンプレート本体52aの外周部に沿って立設するように配置される。フランジ部54bは、パンプレート52上に重ねられる。ドーム部54cは、パンプレート52から離れるに従って径が小さくなる筒状に設けられている。このドーム部54cの小径側の開口には、ドーム部53bが配置されている。
【0040】
外カバー55は、筒部54aの外側を覆う筒部55aと、筒部55aのパンプレート52から離れた側の端部から外側に向けて突出するフランジ部55bと、を備える。筒部55aの外側面には、上述したパンカバー51に設けた係止部51bが係止される係止爪55a1(
図7)が設けられている。
【0041】
このとき、
図3に示すように、内カバー54のフランジ部54b上に外カバー55の筒部55aの端部が重ねられることにより、パンプレート52がパンカバー51から落ちないようになっている。以上の構成によれば、パンプレート52を回転させると光源2の第1の偏角θを変更することができ、
図10に示すように、回転部材53を回転させると光源2の第2の偏角γを変更することができる。なお、本実施例では動径rは一定としている。
【0042】
次に、上述した構成の照明装置1の電気構成について、
図9を参照して説明する。同図に示すように、照明装置1は、上述した光源2、モータM1、M2及び接触センサ7に設けられた接触センサ7に接続された制御部13をさらに備えている。制御部13は例えばマイクロコンピュータから構成され、接触センサ7からの出力に応じてモータM1、M2を制御している。
【0043】
本実施例では、制御部13は、ユーザの指が接触面3にタップ(例:1回目の接触)したことを検出すると、光源2を点灯させる。また、制御部13は、
図10(a)に示すように、接触面3を孔部3aに沿ってa〜zの領域に区分し、接触センサ7の出力からユーザの指が接触面3に接触した時においてどの領域a〜zにユーザが接触したかを検出する。
【0044】
また、制御部13が読み出し可能なメモリなどの記憶手段には、
図10(b)に示すような、対応角度テーブルが記録されている。対応角度テーブルは、上述した接触面3の領域a〜zに対応する第1の偏角θ(パンプレート52の回転角度)と、第2の偏角γ(回転部材53の回転角度)と、が記録されている。制御部13は、ユーザが接触した領域a〜zを検出すると、その領域a〜zに対応した第1の偏角θ、第2の偏角γを対応角度テーブルから読み出し、読み出した第1の偏角θになるようにモータM1を制御し、読み出した第2の偏角γとなるようにモータM2を制御する。
【0045】
制御部13は、光源2点灯中にユーザの指が接触面3にタップホールド(例:2回目の接触)したことを検出すると、光源2を消灯する。また、光源2点灯中にユーザの指が接触面3にダブルタップしたことを検出すると、制御部13は光源2の照射方向を真下に向けるようにしてもよい。また、ユーザの指が接触面3上をドラッグしたことを検出すると、連続的に照射方向が変更するようにしてもよい。
【0046】
次に、上述した構成の照明装置1の詳細な動作について
図11を参照して説明する。同図に示すように、制御部13は、ユーザがタップした接触面3上の位置Pを取得する(ステップS1)。その後、制御部13は、
図10(b)に示す対応角度テーブルを参照して、a≦P<bであれば(ステップS2でYes)、第1の偏角θ=0°、第2の偏角γ=55°に設定する(ステップS3)。一方、b≦P<cであれば(ステップS4でYes)、第1の偏角θ=30°、第2の偏角γ=45°に設定する(ステップS5)。また、y≦P<cであれば(ステップS6でYes)、第1の偏角θ=300°、第2の偏角γ=55°に設定する(ステップS7)。y≦P<cでもなければ(ステップS6でNo)、第1の偏角θ=330°、第2の偏角γ=45°に設定する(ステップS8)。位置Pが領域c〜yの間も同様に対応角度テーブルを参照して第1の偏角θ、第2の偏角γを設定するが、
図11では図示を省略している。
【0047】
第1の偏角θ、第2の偏角γを設定すると制御部13は、設定された角度にパンプレート52、回転部材53を動かすようにモータM1、M2を制御して、光源2の照射方向を設定した第1の偏角θ、第2の偏角γに向けさせる(ステップS9)。
【0048】
照明装置1は、
図12に示すように、自動車の天井Rに取り付けられている。本実施例では、運転席S1、助手席S2、運転席側後部座席S3、助手席側後部座席S4の中央の天井Rに配置されている例について説明する。照明装置1の光源2は回転体5に取り付けられ、回転体5を回転させることにより、ユーザの指が接触面3に接触した位置に対応する方向に光源2を向けて、光源2からの光の照射方向Yを変更することができる。即ち、
図12に示すように、接触面3のうち助手席側後部座席S4に近い位置を接触すると、光源2からの光の照射方向Yが助手席側後部座席に向く。
【0049】
なお、本実施例では、
図12に示すように、接触面3に接触した位置毎に対応する方向に変更された光源の光がたどった跡(光の軌跡)Lが、各座席S1〜S4をたどることで矩形状の跡になるように、対応角度テーブルが設けられている。即ち、ユーザが接触面3を孔部3aに沿って一周ドラッグしたときの光源2の光の軌跡Lが矩形状となり、自動車などに配置された複数の座席に対して効率的に光を照射することができる。
【0050】
上述した実施例によれば、光源2からの光の照射方向Yが、ユーザの指が接触面3に接触した位置に対応する方向に変更される。これにより、接触面3に接触するだけで簡単に光の照射方向を変更することができる。
【0051】
また、上述した実施例によれば、接触面3は、光源2の周囲に設けられている。また、接触面3には、孔部3aが設けられ、接触面3の孔部3aから光源2の光が照射される。これにより、特定の座席の位置に限定されず、ユーザが座る位置に向けて光を照射することができる。また、ユーザが接触面3の接触位置と光の照射方向との関係を把握し易い。
【0052】
また、上述した実施例によれば、ユーザの指が接触面3に触れた位置に対応する方向へ光源2が向けられる。また、光源2を駆動して、光の照射方向を変更するモータM1、M2を備え、光源2は、モータM1、M2によりユーザの指が接触面3に接触した位置に対応する方向へ向けられている。また、光源2が取り付けられた回転体5を備え、モータM1、M2が、回転体5を回転させることにより、光源2を駆動している。これにより、簡単に光の照射方向を変更することができる。
【0053】
また、上述した実施例によれば、回転体5が、パンプレート52と、パンプレート52と接触する回転部材53と、を備え、パンプレート52の回転軸及び回転部材53の回転軸は互いに交差する又はねじれの関係を有しており、パンプレート52又は回転部材53を介して、光源2が、モータM1、M2により回転している。これにより、光源2を任意の方向に向けることができる。
【0054】
また、上述した実施例によれば、光源2を回転体5を介して支持する筐体4を備え、筐体4は、開口を有する筐体本体41と、開口を覆うカバー42と、を備え、カバー42は、回転体5が配置される孔部42aを備え、接触面3は、回転体5とカバー42の孔部42aの内周部との間に配置されている。これにより、ユーザが居る位置に向けて光を照射することができる。また、ユーザが接触面3の接触位置と光の照射方向との関係を把握し易い。特に自動車内においては、特定の座席の位置に限定されず、ユーザが座る位置に向けて光を照射することができる。また、ユーザが接触面の接触位置と光の照射方向との関係を把握し易い点について、自動車内においても同様にユーザは把握し易い。
【0055】
なお、上述の空間の具体例としては、住宅内のリビング等の室内の空間、自動車内の空間などが挙げられる。また、ユーザが居る位置、ユーザが居ることが予想又は予測される位置、又はユーザが居ることが予定されている位置の例として、室内のテーブルの周囲、室内に置かれた複数の椅子、自動車に配置された座席などが挙げられる。
【0056】
なお、光源の向きを変更することは、実施例では光源の光軸を変更すること、光の放射口の向きを変更すること、光源が光源本体のカバーを備えている場合、カバーが有する放射面の向きを変更することを含む。
【0057】
なお、上述した回転体5は、一例であり、光源2の向きを変更できるような構成であれば他の構成であってもよい。例えば、光源2が取り付けられた球状の回動体を備え、駆動要素が、回動体を回動させることにより、光源2を駆動するようにしてもよい。これにより、簡単に光の照射方向を変更することができる。駆動要素は、回動体に接触する球体と、2以上のモータ、モータに直接連結されているネジ切り部を有する。2以上のネジ切り部は螺旋状の溝を有していてもいなくても構わなく、球体を回動できる程度の摩擦力、密着力等を有していれば良い。また、2以上のネジ切り部のうち少なくとも2つは、交差している、または、ねじれの関係になる。これらネジ切り部は球体に接触することで、2以上のモータの回転をネジ切り部を介して球体に伝達する。これにより球体は360度回動する。また、本実施例では、球座標方式であったが直交座標方式、円柱座標系式のものであってもよい。
【0058】
なお、上述したタップ、タップホールドは、例えば、タップは1回目(奇数回目)の接触であり、タップホールドは2回目(偶数回目)の接触であるとする場合、タップはユーザの指が接触面30に短時間だけ接触している状態であり、タップホールドは長時間接触している状態である場合、等が挙げられる。
【0059】
また、上述した回転体5としては、第1の偏角θ、第2の偏角γの双方を変更できるものであったが、本発明はこれに限ったものではない。設置する場所や用途によっては、第2の偏角γだけ変えられるようになっていてもよい。また、動径rは一定であったが、変動させても構わない。
【0060】
また、上述した実施形態では、接触センサ7は接触面3上に設けられていたが、これに限ったものではない。例えば、
図13に示すように、接触部材6において接触面3の裏面に接触センサ7を設けて、この接触センサに部材14に設けた突起部14Aを接触させるようにしてもよい。この部材14としては、
図1に示す実施例では、ホルダ8が用いることが考えられる。突起部14Aは、複数設けられ、接触面3に沿って環状に並べて配置されている。これにより、接触感度を向上させ、ユーザの指が触れた位置を精度良く検出することができる。
【0061】
また、接触センサ7が接触面3を備えていても構わない。
【0062】
また、接触面3は、上述の実施形態では閉じた環状の形状に形成されているが、開いた環状の形状であっても構わない。開いた環状の形状とは、例えば
図14のように、始点と終点を有する環状の形状が挙げられる。具体的には、線状の接触センサ7を用いて、開いた環状の形状に形成することができる。
【0063】
また、
図15のように接触面3は、光源2の光放射面側に設けられていても構わない。この場合、ユーザが接触面3に触れることで、ユーザの指が接触面3に接触した位置に対応する方向に変更される。特に、光源2と重なる位置にある接触面3の一部を触れることで、第1の偏角θ、第2の偏角γを比較的小さい範囲で変更することができる。このため、例えば照明装置を住宅の天井、車の天井に設けた場合、照明装置の真下、または真下近傍の位置に向けて光を照射することができる。
【0064】
また、上述した実施形態では、筐体4はカバー42を備えていたが、筐体4がカバー42を備えず、照明装置や電子機器がカバーを別途備えていても構わない。
【0065】
また、上述した実施例では、ドーム部53bの周りに接触面3を設けていたが、これに限ったものではない。例えば、ドーム部53bに接触センサ7を設け、ドーム部53b表面を接触面3とすることができる。
【0066】
また、上述した実施例では、光源2としては、LEDなど点発光するものを用いていたが、これに限ったものではない。例えば、光源2として有機ELパネルなどの面発光するものを用い、ドーム部53b表面に光源2としての有機ELパネルを取り付け、さらに有機ELパネル上に接触センサ7を設け、ドーム部53b表面を接触面3とすることも考えられる。
【0067】
なお、上述した実施例では、構造物として、光源2を例に挙げて説明していたが、これに限ったものではない。例えば、構造物としては、他に受光面を有するカメラや光の反射面を有するドアミラーなどが考えられ、これら受光面又は反射面を接触面3に接触した位置に向けさせることも考えられる。
【0068】
また、上述した実施例では、光源2を駆動して、光源2の向きを変更することにより、光の照射方向を変更していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、
図16に示すように、光源2を駆動しなくても光の照射方向を変えられる。
【0069】
図16に示す例では、光源2の構成が大きく異なる。光源2としては、フレキシブルな有機ELパネルなどから構成された曲面光源15を用いている。上述した実施例と同様に、接触面3には孔部3aが設けられ、この孔部3a内に曲面光源15が配置されている。また、この孔部3aを有することで、接触面3は内周部を備える。これにより、この孔部3a(内周部の内側)から曲面光源15からの光が照射される。
【0070】
この曲面光源15は、湾曲して設けられている。また、この曲面光源15は、点線で示すように複数の領域に区分され、区分された領域毎に点灯、消灯を制御できるようになっている。以上の構成により、点灯している領域によって光の照射方向を変更することができる。また、上述した実施例と同様に、この曲面光源15は、マイクロコンピュータなどの制御部によって制御され、制御部は、ユーザの指が接触面3に接触した位置に対応した曲面光源15の一部の領域を点灯する。
【0071】
図16に示す例では、曲面光源15は、その中央が突出するように湾曲して設けられている。これは、住宅や自動車の天井に配置することを想定した形状であり、これにより、
図12に示す位置に配置すると、各席S1〜S4に曲面光源15の領域が向くようになっている。
【0072】
以上の構成によれば、室内又は自動車内の座席に近い側の領域のみを点灯させると、曲面光源15からの光は、座席(例:運転席S1)に向かって照射される。以上のように曲面光源15を用いても、上述した実施例と同様に、効率的に光を照射することができる。しかも、曲面光源15を用いた場合、複数の座席S1〜S4に向かって同時に光を照射することもできる。
【0073】
上述した
図16に示す曲面光源15の湾曲形状はその一例に過ぎない。曲面光源15の形状は、設置場所やそのとき向けたい場所により対応していればよい。
【0074】
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。