【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 新規性を喪失した発明に係る物品の提示日: 平成25年10月1日 新規性を喪失した発明に係る物品を提示した場所: 花王カスタマーマーケティング株式会社(東京都中央区日本橋小網町8−3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び
図2に示す実施形態の吸収性物品10は、例えば失禁パッドとして好適に用いられるものであり、長手方向X及びそれと直交する幅方向Yを有する縦長のものである。吸収性物品10は、その長手方向Xに沿う中央に位置する中央域Cを有している。また中央域Cから長手方向Xの前後にそれぞれ延出する前方域A及び後方域Bを有している。前方域Aは、吸収性物品10を着用した状態において、着用者の腹側に位置する部位である。後方域Bは、吸収性物品10を着用した状態において、着用者の背側に位置する部位である。中央域Cは、吸収性物品10をその長手方向に沿って三等分したときの中央に位置する。前方域A及び後方域Bは、吸収性物品10をその長手方向に沿って三等分したときに、中央域Cに隣接し、かつ長手方向Xに沿う端部にそれぞれ位置する部位である。
【0011】
表面シート11、裏面シート12及び吸収体13を備えている。表面シート11は、吸収性物品10の着用時に着用者の肌と対向する面側に位置している。裏面シート12は、吸収性物品10の着用時に着用者の肌から遠い側に位置する。表面シート11は液透過性のものである。裏面シート12は液不透過性のものであるか、又は液難透過性のものである。裏面シート12の外面には、吸収性物品10を下着の内面や、おむつ又はおむつカバーの内面に固定するための粘着剤(図示せず)や面ファスナが施されていてもよい。この粘着剤が施されている場合には、該粘着剤を、吸収性物品10の使用時まで、剥離処理された保護シート(図示せず)によって被覆して保護することが好ましい。また、面ファスナの雄材が施されている場合には、該雄材を、吸収性物品10の使用時まで、面ファスナの雌材によって被覆して保護していても良い。
【0012】
表面シート11及び裏面シート12としては、この種の吸収性物品に従来用いられている材料と同様のものを用いることができる。例えば表面シート11としては、液透過性を有する不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。裏面シート12としては、液不透過性である合成樹脂製のフィルムや、液難透過性である不織布などを用いることができる。あるいは、液不透過性である合成樹脂製のフィルムと、不織布との貼り合わせシート材を用いることもできる。
【0013】
表面シート11と裏面シート12との間には吸収体13が配置されている。吸収体13は液保持性のものである。表面シート11及び裏面シート12は、吸収体13の周縁から外方に延出しており、これらのシートの延出部位が互いに接合されることで、これらのシート間に吸収体13が挟持される。吸収体13は、主たる液保持部位である吸収性コア14を有している。吸収性コア14は、例えば親水性の繊維材料、例えばフラッフパルプ等のセルロース系繊維の積層体や、該親水性の繊維材料と、ヒドロゲル材料等の高吸収性ポリマーとの混合積層体を用いることができる。吸収性コア14は、その一部又は全体を、ティッシュペーパーなどの液透過性シートからなるコアラップシートで被覆されて、吸収体13が形成されていてもよい。本実施形態では、
図3及び
図4に示すとおり、吸収性コア14の表面シート11側にのみコアラップシート23が配されて吸収体13が形成されており、該コアラップシート23は幅方向Yにおいては、後述するコア中央域14Cと同じ幅を有しており、張り出し部17上はコアラップシート23によって被覆されていない。
【0014】
吸収体13は、吸収性物品10の装着状態において違和感が生じない程度に薄いものであることが好ましい。例えば圧力196cN/cm
2下での吸収体13の厚みは5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることが更に好ましく、3mm以下であることが一層好ましい。厚みの下限値は1.5mmであることが好ましい。吸収体13における吸収性コア14が、親水性の繊維材料及び高吸収性ポリマーを含む場合、該繊維材料の坪量は、100g/m
2以上240g/m
2以下であることが好ましく、120g/m
2以上220g/m
2以下であることが更に好ましい。一方、高吸収性ポリマーの坪量は、40g/m
2以上150g/m
2以下であることが好ましく、40g/m
2以上120g/m
2以下であることが更に好ましい。
【0015】
吸収体13の下面側には芯材15が配されている。具体的には芯材15は、吸収体13と裏面シート12との間に配置されている。芯材15は、吸収体13の幅方向Yの中央の位置に、長手方向Xに沿って配置されている。芯材15は、吸収性物品10に剛性を付与するために用いられる部材である。芯材15は、例えば、親水性のシート材、ケミカルボンド不織布、エアスルー不織布又はエアレイド不織布などの通気性を有する不織布、プラスチック薄板等から構成されている。芯材15が通気性を有する不織布から構成されていると、吸収性物品10の着用状態において蒸れの発生が効果的に抑制されるので好ましい。芯材15は、特に親水性のシート材から構成されていることが、後述する襞の形成の容易さの点で好ましい。このシート材は、親水性の繊維材料、例えばフラッフパルプ等のセルロース系繊維を含み、湿式抄造法又は乾式のエアレイド法などで製造された抄造体であり得る。特に、シート材が抄造体、とりわけ湿式抄造法による抄造体である場合には、適度な剛性が芯材15に発現するので、吸収性物品10の着用状態において、該芯材15に、後述する襞を首尾よく形成することができる。
【0016】
芯材15が前記のシート材からなる場合、その坪量は、10g/m
2以上80g/m
2以下であることが好ましく、13g/m
2以上60g/m
2以下であることが更に好ましい。厚みは、0.2mm以上2mm以下であることが好ましい。厚みは、196cN/cm
2下に、(株)尾崎製作所ダイヤルゲージ(ピーコック型番:No.207)などを用いて測定することができる。この場合、縦36mm×横36mm×厚み3mmのアクリル板を、測定対象のサンプルと厚み計との間に入れて測定を行う。またシート材の曲げ剛性は、ハンドロメーター(スリット幅20mm、サンプルの大きさ200mm×200mm)で測定された値が、5.0cN以上200cN以下であることが好ましい。ハンドロメーターとしては、大栄科学精器製作所製の型番P360Aを使用することができる。
【0017】
芯材15は、高吸収性ポリマーを非含有であることが有利である。芯材15が高吸収性ポリマーを非含有であることによって、製品使用中に、尿を吸収しても芯材15の部分的な剛性の変化が少ないため、該高吸収性ポリマーの存在に起因する芯材15の意図しない位置での折れ曲がりを効果的に抑制でき、吸収性物品10のフィット性が向上する。
【0018】
シート材は、1枚で、又は2枚以上を重ね合わせた多層構造で用いることができる。
図3及び4に示す実施形態では、芯材15は、1枚のシート材を三つ折りして、見かけ上、複数枚を重ね合わせた多層構造になっている。詳細には、芯材15を構成するシート材は、長手方向Xと一致する第1方向及びそれと直交し、かつ幅方向Yと一致する第2方向を有し、第1方向に沿う一対の側部域を有する矩形のシート材から構成されている。そしてこのシート材を、第1方向、すなわち長手方向Xに沿って、かつ両側部域が重なるように三つ折りして、芯材15が構成されている。このような芯材15を用いることで、吸収性物品10の着用状態において、幅方向Yの外方から内方へ向けて外力が加わったときに、該芯材15の長手方向に延びる幅方向端縁を起点として張り出し部17がその幅方向Yにおいて屈曲しやすくなる。その結果、吸収性物品10のフィット性が良好になる。
【0019】
芯材15と吸収体13(具体的には吸収性コア14の裏面シート12側に配されたコアラップシート、又はコアラップシートが存在しない場合には吸収性コア14)とは接合されていてもよく、あるいは非接合状態になっていてもよい。両者が非接合状態になっている場合には、吸収性物品10の着用状態において該吸収性物品10に変形が生じたときに、芯材15に、幅方向Yに沿って、かつ長手方向Xに延びる蛇腹状の襞が生じやすいので好ましい。この襞の形成は、芯材15の剛性を高めることに寄与する点から有利である。特に、芯材15が、両側部域が重なるように三つ折りにされている場合、重なった部分を起点にして、芯材15が蛇腹状に折れやすくなり襞が形成されやすくなるので好ましい。吸収性物品10が男性用失禁パッドである場合、前方域Aが男性器部分に対応し、後方域Bが股下部分に対応する。そのため、股下部分においては、後方域Bが重力により垂れ下がり、着用者との間に隙間を生じやすい。これに対して、芯材15が前記の襞を形成して剛性が高まることにより、後方域Bが垂れ下がることが防止され、股下部における着用者の身体との間の隙間が減少し、吸収性物品10のフィット性が改善する。
【0020】
吸収性物品10は、その表面シート11側において、幅方向Yの両側部の位置に、長手方向Xに延びる一対の防漏カフ16を備えている。防漏カフ16は、長手方向Xに延びるシート材16Aを有している。シート材16Aは、
図3及び
図4に示すとおり、長手方向Xに延びる一対の側部域のうち、幅方向Yの外方側に位置する側部域が、表面シート11と接合されている。またシート材16Aは、幅方向Yの内方側に位置する側部域の側縁の位置に、該側縁に沿って弾性部材16Bが伸張状態で配されている。これによって、シート材16Aのうち、表面シート11との非接合部位が、弾性部材16Bの収縮によって起立して、液抵抗性の防漏カフ16が形成される。防漏カフ16は、吸収性物品10の長手方向Xのうち、少なくとも吸収体13が存在している領域にわたって延びている。したがってシート材16A及び弾性部材16Bも、吸収性物品10の長手方向Xのうち、少なくとも吸収体13が存在している領域にわたって延びている。シート材16Aとしては例えば、液難透過性である不織布などを用いることができる。
【0021】
先に述べた吸収体13における吸収性コア14は、吸収性物品10の概ね全長、好ましくは全長の80%以上90%以下にわたって配置されており、吸収体13の平面視での輪郭をなしている。そして、吸収性物品10が、前方域A、中央域C及び後方域Bに区分されるのに対応して、吸収性コア14も、コア前方域14A、コア中央域14C及びコア後方域14Bに区分される。コア前方域14Aは、吸収性コア14のうち、吸収性物品10の前方域Aに位置する領域である。コア中央域14Cは、吸収性コア14のうち、吸収性物品10の中央域Cに位置する領域である。同様に、コア後方域14Bは、吸収性コア14のうち、吸収性物品10の後方域Bに位置する領域である。
【0022】
コア前方域14A、コア中央域14C及びコア後方域14Bは相互に連続しており同材料から構成されている。また、厚み及び坪量は一般に同じになっている。尤も、吸収性物品10に付加的な機能を付与する目的で、各域の厚み及び/又は坪量を異ならせてもよい。例えば、コア前方域14A及びコア中央域14Cにおける親水性の繊維材料や高吸収性ポリマーの坪量が、コア後方域14Bにおけるそれらの坪量よりも多くなるように偏在化させることにより、液の吸収速度が速くなり更に漏れにくくなる。特に、吸収性物品10を男性用失禁パッドとして使用する場合は、排泄部にあたるコア前方域14Aに偏在化させると一層効果を奏する。更に、各域の少なくとも1つに、溝部や貫通孔を形成してもよい。特に、コア中央域14Cに溝部及び/又は貫通孔を形成すると、尿の拡散性を高め吸収力が向上し漏れ防止につながる点で有利である。一方、コア前方域14Aにおいては、溝部及び/又は貫通孔を形成しないことが好ましい。コア前方域14Aは、着用者の排泄部に対向する領域であるため、尿が勢いよく排泄された場合にも、漏れを生じさせないためである。溝部及び/又は貫通孔は、例えば長手方向Xに沿って延びるように1条又は複数条形成することができる。
【0023】
図2(b)に示すとおり、吸収性コア14を構成するコア前方域14A、コア中央域14C及びコア後方域14Bのうち、コア中央域14Cは、吸収性コア14の最小幅WCを有する。またコア前方域14Aは、吸収性コア14の最大幅WAを有する。更に、コア後方域14Bは、最小幅WCと最大幅WAとの中間の幅である中間幅WBを有する。すなわち、WC<WB<WAの関係となっている。したがって、コア前方域14Aとコア中央域14Cとを比較すると、コア中央域14Cにおける幅よりもコア前方域14Aにおける幅の方が広くなっており、それによって吸収性コア14は、コア前方域14Aにおいて、コア中央域14Cにおける側縁よりも幅方向Yの外方へ張り出した一対の張り出し部17、17を有する。コア前方域14Aに着目すれば、該コア前方域14Aは、幅方向Yの中央に位置する中央部18と、該中央部18から幅方向外方へそれぞれ延出した上述の張り出し部17,17とを備えている。これとは別の形態として、WBとWCが同じ幅、つまりWC=WB<WAであってもよい。
【0024】
吸収体13の下面側に位置する部材である芯材15は、その長手方向Xの長さが、吸収性コア14の長手方向の長さと概ね一致しているか、又はそれよりも短くなっている。吸収性コア14の長さよりも芯材15の長さの方が短い場合には、該芯材15の長さは、吸収性コア14の長さの好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは95%以下である。いずれの場合であっても、芯材15は、長手方向Xにおいて少なくとも第2弾性部材20が配置されている領域に位置している。
【0025】
幅方向Yの長さに関しては、芯材15の幅方向Yの長さは、
図4に示すとおり、吸収性コア14におけるコア中央域14Cでの最小幅WCと概ね一致している。したがって、最大幅WAを有する部位である吸収性コア14のコア前方域14Aにおいては、該コア前方域14Aの中央部18の直下に芯材15が位置している。そして、コア前方域14Aの張り出し部17に対応する吸収体13の領域には、芯材15が存在していない。そのため、第2弾性部材20と芯材15とは重ならない。換言すれば、コア前方域において、吸収体13は、吸収性コア14と芯材15とを有する中央部18と、該中央部18から幅方向Yの外方へ延出し、かつ吸収性コア14を有するとともに、芯材15を有さない一対の張り出し部17とを備えている。吸収性コア14を構成する親水性の繊維材料の厚みが幅方向において均一であっても、コア前方域Aがこのような構成になっていることで、中央部18に比較して、張り出し部17は構成部材の数が少なくなっている。その結果、張り出し部17はその曲げ剛性が、中央部18の曲げ剛性よりも低くなっている。曲げ剛性の大小は、例えばハンドロメーターを用いた測定結果の比較によって判断できる。この場合、ハンドロメーターは、大栄科学精器製作所製ハンドロメーター(型番:P360A)を使用し、測定条件は、測定器スリット幅30mm、コア前方域Aから長手方向に15cmを切り取ったサンプルにて測定を行う。ただし、吸収性物品10の大きさが小さくて、サンプル15cm以上取れない場合は、長さを変えて測定することもできる。幅方向Yの中央部18(芯材15と吸収体13を含んだ部分)及び長手方向Xの芯材と張り出し部17の境界をそれぞれ測定器のスリット幅の中央部に平行に置き、測定することができる。測定器のスリット幅が評価用サンプルに対して広過ぎる場合には、測定器のスリット幅を狭めて評価してもよい。ただし、張り出し部17の曲げ剛性と、中央部18の曲げ剛性を測定し比較するため、サンプルの大きさとハンドロメーターのスリット幅は、同じ条件で行うこととする。吸収性コア14の厚みは、(株)尾崎製作所ダイヤルゲージ(ピーコック型番:No.207)などを使用して測定することができる。まず、男性用失禁パッド10から、有機溶剤を使用して接着剤をとかし、吸収性コア14以外の材料を丁寧に剥がす。次いで、取り出した吸収性コア14に、36.6mg/cm
2の荷重をかけて測定する。このとき、コア前方域14Aにおいて、中央部18から張り出し部17までの任意の5点における厚みを測定して平均値を求め、各測定点における厚みが該平均値の1.8倍以上0.2倍以下であれば、厚みが均一であると判断する。36.6mg/cm
2という荷重は、実質的に無荷重であるが、全く荷重なしに測定してしまうと、吸収性コア14に含まれるパルプがふわふわしているため、測定値がぶれてしまう。そのため、測定ぶれを抑えるために、若干の荷重をかけて測定を行っている。
【0026】
吸収性物品10においては、表面シート11と吸収体13との間に、別のシート19を配置してもよい。以下、このシート19のことを「サブレイヤーシート19」と呼ぶこととする。サブレイヤーシート19は、吸収性物品10に付加的な機能を付与するために用いられる。付加的な機能の例としては、吸収した尿から発生する臭いの消臭機能や、吸収した尿の逆戻り防止機能などが挙げられる。消臭機能を付与するためには、サブレイヤーシート19に、例えば活性炭等の消臭剤を含有させればよい。尿の逆戻り防止機能を付与するためには、例えば繊維存在密度が低く、嵩高な構造の繊維シートをサブレイヤーシート19として用い、表面シート11と吸収体13とを離間させるようにすればよい。サブレイヤーシート19としては、親水性シート材料で例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、立体賦形不織布、開孔フィルム等を用いることができる。また、サブレイヤーシート19の坪量は、20g/m
2以上60g/m
2以下であることが好ましい。
【0027】
サブレイヤーシート19は、吸収体13における表面シート11との対向面の全域にわたって配置することができ、また該対向面の一部にのみ配置することもできる。該対向面の一部にのみサブレイヤーシート19を配置する場合には、例えば
図3及び
図4に示すとおり、吸収体13における幅方向Yの中央の位置に、長手方向Xに延びるように配置することができる。この場合、少なくとも中央域Cにサブレイヤーシート19を配置することが好ましく、中央域C及び前方域Aにサブレイヤーシート19を配置することが更に好ましく、吸収体13における長手方向全域にわたってサブレイヤーシート19を配置することが一層好ましい。
【0028】
吸収性物品10においては、先に述べた吸収体13の吸収性コア14におけるコア前方域14Aが有する各張り出し部17の位置に、
図3及び
図5に示すとおり、長手方向Xに延びる糸状の弾性部材20がそれぞれ伸張状態下に配されている。以下、この弾性部材20を、防漏カフ16に取り付けられた弾性部材16Bと区別する目的で「第2弾性部材20」という。また、防漏カフ16に取り付けられた弾性部材16Bのことを「第1弾性部材16B」ともいう。第2弾性部材20は、表面シート11よりも裏面シート12側に位置している。具体的には、本実施形態では、第2弾性部材20は吸収体13における吸収性コア14の直下の位置であって、該吸収性コア14と裏面シート12との間の位置に配されている。第2弾性部材20を張り出し部17の位置に配することで、第1弾性部材16B及び第2弾性部材20という2種類の弾性部材収縮によって、コア前方域14Aのうち、各張り出し部17が着用者の身体側に向けて起立し、堰を形成する。それによって吸収性物品10の前方域Aがカップ状に変形し、フィット性が向上する。吸収性物品10は防漏カフ16を有しているため、堰部分における着用者の身体側の表面は液難透過性のシート材16Aで覆われている。そのため、堰部分は液抵抗性を有する。尿の横漏れが効果的に防止される。しかも張り出し部17は吸収性コア14から構成されているので、排泄された尿が、起立した張り出し部17に達し、そこで堰き止められたときに、一対の防漏カフ16,16に挟まれた部分から尿が中央部18に流れ、かつ中央部18から直ちに張り出し部17に流れ、吸収される。したがって一度に多量の尿が排泄された場合であっても、中央部18及び張り出し部17の双方によって尿が素早く吸収される。なお「張り出し部17の位置に、弾性部材20が配されている」とは、張り出し部17と中央部18との境界よりも幅方向Yの外方の位置に弾性部材20が配されている場合のみならず、該境界の位置に、弾性部材20が配されている場合も包含する趣旨である。
【0029】
特に、第2弾性部材20を、吸収性コア14よりも裏面シート12側に配置することで、具体的には吸収性コア14と裏面シート12との間の位置に配置することで、該第2弾性部材20の収縮に起因して、張り出し部17が収縮し、第1弾性部材16Bの収縮力の合成によって、受液面である表面シート11が凹状(いわゆるカップ形状)を形成しやすく、それによって排泄部を覆うことができ、装着時のフィット性を良好にし、ずれや漏れを防止することができる。
【0030】
吸収性物品10を平らに引き延ばして平面視した場合、第2弾性部材20は、第1弾性部材16Bよりも、幅方向Yの外方に位置していることが好ましい。このような配置関係を採用することで、第2弾性部材20の収縮応力と、第1弾性部材16Bの収縮応力との相乗効果によって、張り出し部17の変形が一層首尾よく行われる。また、第2弾性部材20の収縮応力が弱い場合であっても、第1弾性部材16Bの収縮応力の補助によって、張り出し部17が変形しやすくなり、コア前方域14Aがカップ状に変形しやすくなる。これにより弾性部材16Bによって起立した張り出し部17による堰部分と防漏カフ16によって、2つの防漏ギャザーが形成されとなる。そのため、一度に多量の尿が排泄され、防漏カフ16で尿を堰き止めきれない場合であっても、張り出し部17によって堰止められる。
【0031】
また、張り出し部17に、長手方向Xに沿って延びる筋状のエンボス部を1条又は多条に形成したり、あるいは長手方向Xと交差するように斜行して延びる筋状のエンボス部を1条又は多条に形成したりすることでも、張り出し部17が変形しやすくなる。
【0032】
更に、先に述べたとおり、コア前方域14Aを中央部18と、該中央部18から幅方向Yの外方へ延出した張り出し部17とから構成し、該張り出し部17の曲げ剛性を、該中央部18の曲げ剛性よりも低くすることで、コア前方域14Aそれ自身が、張り出し部17と中央部18との境界又はその近傍で変形しやすくなり、そのことによっても張り出し部17が変形しやすくなる。この効果を一層顕著なものとする観点から、厚み方向において吸収性コア14の中央部18と重なる位置に配される芯材15の剛性を高めることが有利である。この観点から、
図6(a)ないし(c)に示すとおり、シート材を三つ折りして構成される芯材15は、三つ折りされて互いに対向する領域の間が、接着剤21によって接着されていることが好ましい。
【0033】
先に述べた第1弾性部材16B及び第2弾性部材20は、例えば糸ゴム、平ゴム、フィルム状のゴムから構成することができる。これらの弾性部材が糸ゴムから構成される場合、糸ゴムの繊度は、400dtex以上1000dtex以下であることが好ましく、500dtex以上950dtex以下であることが更に好ましい。また、第1弾性部材16Bとして用いられる糸ゴムの繊度は、第2弾性部材20として用いられる糸ゴムの繊度の1.2倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
【0034】
第1弾性部材16B及び第2弾性部材20は、1.4倍以上2.2倍以下、特に1.5倍以上2.0倍以下の伸張倍率で配されることが好ましい。この範囲の伸張倍率を採用することで、十分な収縮力が発現する。また、これらの弾性部材が伸縮するときの残留歪みが過度に大きくなることが防止され、吸収性物品10の着用状態において、該吸収性物品10と着用者の身体との間に隙間が生じにくくなる。
【0035】
図6(a)に示す形態では、幅方向Yの全域にわたり、幅広のスパイラル状又はストライプ状に接着剤21が施されている。スパイラル状の接着剤21は、紙面と直交する方向である長手方向に延びている。
図6(b)に示す形態では、幅方向Yにおいて間隔を空けて複数条の接着剤21が施されている。各条の接着剤21は、幅狭のスパイラル状に塗布されており、紙面と直交する方向である長手方向に延びている。
図6(c)に示す形態では、三つ折りされて互いに対向する領域の間に、ほぼ全幅に接着剤が施されている。芯材15の剛性は、
図6(a)ないし(c)に示すとおり、接着剤21の塗布パターンによって調整できる。これに代えて、又はこれに加えて、接着剤21の塗布量によっても調整できる。
【0036】
図6(d)に示す形態の芯材15は、これまでに説明してきた芯材と異なり、該芯材15を構成するシート材を三つ折りするときに、両側部域を重ねずに、両側縁が突き合い状態になるようにしたものである。
図6(d)においては、三つ折りされて互いに対向する領域の間に接着剤が表されていないが、
図6(a)ないし(c)に示すパターンや、その他のパターンで接着剤を施してもよい。
【0037】
図6(a)ないし(c)に示すように、両側部域が重なるようにシート材を三つ折りした形態、及び
図6(d)に示すように、両側部域を重ねずに、両側縁が突き合い状態になるようにシート材を三つ折りした形態のいずれであっても、重ね合わされた部分又は突き合い状態になっている部分が、吸収性コア14と対向するように、芯材15が配置されていてもよい。
【0038】
以上のとおり、吸収性物品10においては、その前方域Aに2種類の弾性部材、すなわち第1弾性部材16及び第2弾性部材20を配置することで、該前方域Aにおける吸収性物品10のフィット性を高めている。特に、第1弾性部材16が、表面シート11よりも着用者の身体側に位置し、かつ第2弾性部材20が吸収性コア14よりも裏面シート12側に位置していると、前記のフィット性が一層良好になる。
【0039】
また、本発明においては、前方域Aにおける吸収性物品10のフィット性や、吸収性能の向上の観点から、コア前方域14Aに最大幅WAを有する部位を設けている。これに対して、吸収性コア14のうち、コア中央域Cにおいては、その幅をコア前方域14Aの幅よりも小さくすることで、吸収性物品10の装着感やフィット性の維持を図っている。
【0040】
一方、コア後方域14Bに関しては、該コア後方域14Bにおける吸収性能を高める観点からは、その幅を広くすることが望ましい。しかし、コア後方域14Bは、コア前方域14Aに比べて排尿量が少ないことや、吸収性物品10の装着感やフィット性を減殺させないために、コア後方域14Bの幅を、コア前方域14Aの幅と同等程度に大きくする必要はない。そこで、コア後方域14Bの幅は、コア中央域14Cの幅と同じにするか、又はコア中央域14Cの幅よりは大きくするが、コア前方域14Aの幅よりは小さくすることが好ましい。コア後方域14Bの幅が、コア前方域14Aの幅より小さいことで、装着中の違和感を防止することができる。吸収性物品10が男性用失禁パッドである場合、該パッド着用者の前方向に偏って装着するため、重力により該パッドが垂れ下がってずれが生じやすい。しかし、コア後方域14Bは着用者の股下部に位置するため、コア後方域14Bの幅がコア中央域14Cの幅よりも広い部分を有していると、着用者の両足から受ける幅方向Yの内方へ向けての圧力に起因して、芯材15の側縁を起点として縦方向に沿って曲がりやすくなる。それにより、該パッドと着用者との接触面積が増え、ずれが防止される。更に、コア後方域14Bの吸収性が向上し、液が長手方向Xに沿って流れることに起因する漏れを防止することができる。
【0041】
本発明においては、吸収性物品10の幅方向Yの両側部に、第2弾性部材20を、前方域Aと厚み方向で重なる位置にのみ配している。具体的には、上述のとおり、張り出し部17と厚み方向で重なる位置にのみ、第2弾性部材20が配されている。したがって、第2弾性部材20が配されている長さは、張り出し部17の長手方向の長さと同じであるか、又はそれよりも短い。第2弾性部材20が配されている長さが、張り出し部17の長手方向Xの長さと同じ場合には、第2弾性部材20の収縮応力が張り出し部17のみに作用し、他の部位には作用しないので、当該他の部位における良好なフィット性が維持される。また、不要な収縮部位が発生しなくなる。そのことに起因して、収縮による受液面の意図しない減少を効果的に防止することができる。この効果は、第2弾性部材20が配されている長さが、張り出し部17の長手方向Xの長さよりも短い場合であっても、該第2弾性部材20が該張り出し部17の位置にのみ配されていれば奏される。その場合、当該効果を確実に発現させる観点から、第2弾性部材20が配されている長さは、張り出し部17の長手方向Xの長さの80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、収縮による受液面の現象を防止する観点から、100%以下であることが好ましい。
【0042】
第2弾性部材20は、その延びる方向に沿って離間した少なくとも2箇所の位置において、該第2弾性部材20を挟む部材と接合されている。例えば、第2弾性部材20が配されている長さが、張り出し部17の長手方向Xの長さと同じ場合には、該第2弾性部材20を、その両端部の位置において、吸収性コア14及び裏面シート12と固定することができる。
【0043】
特に、第2弾性部材20を挟む部材どうしが、該第2弾性部材20の全長にわたって、該第2弾性部材20を介して接合されていると、第2弾性部材20の収縮応力が該部材に効果的に伝達され、それによって吸収性物品10の前方域Aにおけるフィット性が一層向上するので好ましい。例えば第2弾性部材20が
図3に示すとおりの状態で配されている場合には、吸収性コア14と裏面シート12とが、第2弾性部材20を介して接合されていることが好ましい。
【0044】
上述した
図5に示す実施形態においては、1つの張り出し部17に1本の第2弾性部材20が配されていたが、別の実施形態として、
図7に示すとおり、1つの張り出し部17に2本以上の第2弾性部材を配置してもよい。このような配置形態を採用することで、張り出し部17の起立性を一層高めることができ、吸収性物品10の前方域Aにおけるフィット性が一層向上する。
【0045】
図7に示す実施形態を採用する場合、各第2弾性部材20は、幅方向Yに沿って離間していることが、収縮応力を効果的に作用させ得る点から好ましい。同様の理由によって、任意の2本の第2弾性部材20に着目したとき、幅方向Yの外方側に位置する第2弾性部材20の方が、内方側に位置する第2弾性部材20よりも、伸張応力が大きくなっていることが好ましい。第2弾性部材20の伸張応力は、例えば第2弾性部材20の太さ、引き延ばしの程度、材質等によって調整することができる。
【0046】
図8には、更に別の実施形態が示されている。同図は、先に説明した
図3に対応する図であり、吸収性物品10の前方域Aの幅方向Yの断面を示している。本実施形態が
図3に示す実施形態と異なる点は、芯材15の内部に、糸状の一対の弾性部材22(以下、この弾性部材22を「第3弾性部材22」ともいう。)が伸張状態で配されている点である。第3弾性部材22は、芯材15を構成するシート材の折り返し部に沿って、かつ該折り返し部の内側に、該芯材15の長手方向Xに沿って延びている。その他の点については、これまで述べてきた実施形態についての説明が同様に適用される。
図8に示す実施形態によれば、第1及び第2弾性部材16B,20の収縮応力の作用に加えて、第3弾性部材22の収縮応力の作用によって、吸収性物品10の前方域Aにおけるフィット性が更に一層向上する。
【0047】
以上のとおりの吸収性物品10は、下着の内面に装着したり、あるいはおむつ又はおむつカバーの内面に装着したりする尿吸収のための失禁用パッドとして特に好適なものである。とりわけ男性用の失禁用パッドとして好適なものである。尤も、吸収性物品10をその他の用途、例えば使い捨ておむつや生理用ナプキンの用途に適用することは何ら差し支えない。
【0048】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本実施形態は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、吸収性コア14が、コア前方域14A、コア中央域14B及びコア後方域14Bのそれぞれにおいて異なる幅を有していたが、これに代えて、各域の幅を同じにしてもよい。
【0049】
また前記実施形態においては、第2弾性部材20として、糸状の弾性部材を用いたが、これに代えて、幅及び長さを有するフィルム状の弾性部材を用いてもよい。第3弾性部材22に関しても同様である。
【0050】
更に、
図8に示す実施形態においては、一対の第3弾性部材22を配することに代えて、又はそれに加えて、芯材15の幅方向Yの中央部に、別の1本又は複数本の第3弾性部材22を伸張状態で配してもよい。
【0051】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
長手方向及びそれと直交する幅方向を有し、
長手方向の中央に位置する中央域と、該中央域から長手方向の前後にそれぞれ延出する前方域及び後方域とを有し、
表面シート、裏面シート、及び両シート間に配置され、かつ吸収体を有する吸収性物品であって、
前記物品の幅方向両側部に、該物品の長手方向のうち少なくとも前記吸収体が存在している領域にわたり、第1弾性部材が伸張状態で配されており、
前記物品の幅方向両側部に、長手方向に延びる第2弾性部材が、前方域と厚み方向で重なる位置にのみ、伸張状態で配されており、
前記第2弾性部材は、前記吸収体よりも前記裏面シート側に位置しており、
前記吸収体の幅方向中央の位置に、長手方向に沿って延びる芯材が配置されており、
前記芯材は、高吸収性ポリマーを非含有のものであり、
前記芯材は、前記吸収体よりも前記裏面シート側に位置しており、かつ長手方向において少なくとも前記第2弾性部材が配置されている領域に位置している、吸収性物品。
【0052】
<2>
前記芯材は、前記吸収性物品に剛性を付与するために用いられる部材である前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記剛性は曲げ剛性である前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記芯材の曲げ剛性は5.0cN以上200cN以下である前記<3>に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸収性物品は、前記表面シート側において、幅方向の両側部の位置に、長手方向に延びる一対の防漏カフを備えており、
前記防漏カフは、長手方向に延びるシート材を有しており、
前記シート材には前記第1弾性部材が伸張状態で配されている前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記芯材が抄造体から構成されている前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収体と前記芯材とが非接着状態になっている前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記芯材が抄造体のシート材から構成されており、
前記シート材は、2枚以上を重ね合わせた多層構造である前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記芯材が、第1方向及びそれと直交する第2方向を有し、第1方向に沿う一対の側部域を有する矩形のシート材から構成され、
前記シート材を第1方向に沿って、かつ両側部域を重ねずに、両側縁が突き合い状態になるように三つ折りして、前記芯材が構成されている前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0053】
<10>
前記芯材が、第1方向及びそれと直交する第2方向を有し、第1方向に沿う一対の側部域を有する矩形のシート材から構成され、
前記シート材を第1方向に沿って、かつ両側部域が重なるように三つ折りして、前記芯材が構成されており、
前記両側部域の重なり部位が、前記芯材の幅方向中央部に位置している前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<11>
前記シート材を三つ折りして構成される前記芯材は、三つ折りされて互いに対向する領域の間が、接着剤によって接着されている前記<9>又は<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記シート材を三つ折りして構成される前記芯材においては、該シート材の折り返し部に沿って、かつ該折り返し部の内側に、該芯材の長手方向に沿って延びる第3弾性部材が伸張状態で配されている前記<9>ないし<11>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア前方域、コア中央域及びコア後方域の厚み及び/又は坪量が異なっている前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア前方域、コア中央域及びコア後方域の少なくとも1つに、溝部又は貫通孔が形成されている前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0054】
<15>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア中央域は、前記吸収性コアの最小幅WCを有する前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア前方域は、前記吸収性コアの最大幅WAを有する前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア中央域は、前記吸収性コアの最小幅WCを有し、
コア前方域は、前記吸収性コアの最大幅WAを有し、
コア後方域は、最小幅WCと最大幅WAとの中間の幅である中間幅WBを有する前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有している前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収体は、コアラップシート及び吸収性コアを有し、
前記吸収性コアにおける前記表面シート側にのみ、前記コアラップシートが配されている前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0055】
<20>
前記吸収体は、コアラップシート及び吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
幅方向において、前記コアラップシートは、コア中央域と同じ幅を有しており、かつ前記張り出し部上は該コアラップシートで被覆されていない前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<21>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記芯材は、その長手方向の長さが、前記吸収性コアの長手方向の長さと概ね一致しているか、又はそれよりも短くなっている前記<1>ないし<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記芯材の長さが、前記吸収性コアの長さの好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは95%以下である前記<1>ないし<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
コア中央域は、前記吸収性コアの最小幅WCを有し、
前記芯材の幅方向の長さが、前記コア中央域での最小幅WCと概ね一致している前記<1>ないし<22>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性物品が前方域、中央域及び後方域に区分されるのに対応して、前記吸収性コアも、コア前方域、コア中央域及びコア後方域に区分されており、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記コア前方域の前記張り出し部に対応する前記吸収体の領域には、前記芯材が存在していない前記<1>ないし<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0056】
<25>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記張り出し部はその曲げ剛性が、前記中央域の曲げ剛性よりも低くなっている前記<1>ないし<24>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記第2弾性部材が、前記吸収性コアと前記裏面シートとの間に位置している前記<1>ないし<25>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記吸収性物品を平らに引き延ばして平面視した場合、前記第2弾性部材が、前記第1弾性部材よりも、幅方向の外方に位置している前記<1>ないし<26>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記張り出し部に、長手方向に沿って延びる筋状のエンボス部が1条又は多条に形成されているか、又は
前記張り出し部に、長手方向と交差するように斜行して延びる筋状のエンボス部が1条又は多条に形成されている前記<1>ないし<27>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<29>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記芯材は、前記吸収性物品の厚み方向において、前記吸収性コアの中央部と重なる位置に配されている前記<1>ないし<28>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0057】
<30>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記第2弾性部材が、前記張り出し部の長手方向全域にわたって配置されている前記<1>ないし<29>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<31>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記第2弾性部材が前記張り出し部に配置されており、
前記第2弾性部材の長さは、該張り出し部の長手方向の長さの80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましく、また100%以下であることが好ましい前記<1>ないし<30>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<32>
前記第2弾性部材を挟む部材どうしが、該第2弾性部材の全長にわたって、該第2弾性部材を介して接合されている前記<1>ないし<31>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<33>
前記吸収体が吸収性コアを有し、
前記吸収性コアは、中央域における幅よりも前方域における幅の方が広くなっており、それによって該吸収性コアは、前方域において、中央域における側縁よりも幅方向の外方へ張り出した張り出し部を有しており、
前記張り出し部に、該張り出し部の長手方向に延びる前記第2弾性部材が2本以上配置されており、
前記各第2弾性部材は、幅方向に沿って離間しており、
任意の2本の前記第2弾性部材に着目したとき、幅方向の外方側に位置する該第2弾性部材の方が、内方側に位置する該第2弾性部材よりも、伸張応力が大きくなっている前記<1>ないし<32>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<34>
前記吸収性物品が男性用失禁パッドである前記<1>ないし<33>のいずれか1に記載の吸収性物品。