特許第6306453号(P6306453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306453
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】留め具の梱包構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20180326BHJP
   F16B 33/06 20060101ALI20180326BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20180326BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20180326BHJP
   B65D 85/20 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   B65D77/26 S
   F16B33/06 E
   F16J15/10 K
   B65D5/50 B
   B65D85/20 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-134543(P2014-134543)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-11146(P2016-11146A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大塚 公一郎
(72)【発明者】
【氏名】川村 文彦
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−110312(JP,U)
【文献】 特開2013−190031(JP,A)
【文献】 実開平05−082821(JP,U)
【文献】 特開2009−227310(JP,A)
【文献】 特開2009−184698(JP,A)
【文献】 実開昭59−147070(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/26
B65D 5/50
B65D 85/20
F16B 33/06
F16J 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の外径及び厚さを有する平たい頭部及び該頭部から延び前記頭部よりも径の小さい脚部を有し、該脚部の先端部を除く少なくとも一部が粘着性のシール部材により被覆された留め具と
上部が開口し、前記留め具を収容可能な箱本体部と、
前記箱本体部に設けられ、前記頭部及び前記脚部の先端部を支持して前記留め具を固定する支持部と、を備え
前記箱本体部は、矩形状の底面部と、該底面部の周囲から起立するとともに前記箱本体部の内側に面する内壁面及び該内壁面に間隔を空けて前記内壁面の外側に配置される外壁面を有する側壁部と、を有し、
前記支持部は、前記側壁部を構成する第1側壁部に形成され、前記頭部を支持する第1支持部を有し、
前記第1側壁部は、前記内壁面と前記外壁面との間に前記頭部を収容可能な中空状に形成され、
前記第1支持部は、前記内壁面に設けられ、
前記内壁面及び前記外壁面との間の距離は、前記頭部を収容可能に前記頭部よりも大きく、前記頭部の前記厚さに対応している、留め具の梱包構造。
【請求項2】
所定の間隔を空けて配置される前記支持部を複数備える請求項1に記載の留め具の梱包構造。
【請求項3】
記支持部は、前記側壁部を構成し且つ前記第1側壁部に対向する第2側壁部に前記第1支持部に対向して形成され、前記脚部の先端部を支持する第2支持部を有する請求項1又は2に記載の留め具の梱包構造。
【請求項4】
記第1支持部は、前記第1側壁部の上面から内壁面に亘って設けられた切欠きにより形成される請求項3に記載の留め具の梱包構造。
【請求項5】
前記切欠きは、前記上面に向かうに従って幅が広がる略三角形の案内部と、
前記案内部の下方に配置され、前記留め具の前記頭部と前記脚部との間の首部よりもわずかに大きな首部挿入部により構成される、請求項4に記載の留め具の梱包構造。
【請求項6】
前記第2側壁部は、中空状に形成され、
前記第2支持部は、前記第2側壁部の内壁面に設けられた孔により形成される請求項3〜5のいずれか1項に記載の留め具の梱包構造。
【請求項7】
前記箱本体部の前記開口を覆う蓋部をさらに備え、
前記箱本体部及び前記蓋部は、紙材の表面をプラスチックフィルムで被覆した材料からなる請求項3〜6のいずれか1項に記載の留め具の梱包構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、留め具の梱包構造に関する。具体的には、粘着性のシール部材が設けられた留め具を梱包する梱包構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の屋根のような高い防水性が求められる場所に、ネジ等の留め具で建築材料を固定する場合、留め具を挿入する穴に防水性の高いコーキング剤等のシール部材を注入することで、防水性を向上させることが知られている。また、穴に挿入する留め具の脚部をこのシール部材で予め被覆し、シール部材の注入と留め具の取り付けを同時に行うことで、作業効率を高めることが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、上記シール部材は粘着性を有するため、シール部材によって留め具同士が互いにくっついたり、他の部品等に付着するという不具合が生じる。そこで、特許文献1の留め具では、容易に剥がすことのできるリケイ紙によりシール部材を覆うことで、上記不具合の発生を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−190031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように留め具の一本一本をリケイ紙で覆う構成では、留め具を一本使用するたびにリケイ紙を剥がす必要が生じるため、施工性が悪い。
また、剥がしたリケイ紙はごみとなるため、小さなごみが多量に発生することになるところ、屋根等の高所で作業を行う場合には、ごみが風に飛ばされて散乱するという問題があった。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘着性のシール部材を付着させた留め具を用いた作業の施工性を向上でき、小さなごみの発生を回避できる留め具の梱包構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、頭部(例えば、後述の頭部21)及び該頭部から延びる脚部(例えば、後述の脚部22)を有し、該脚部の先端部を除く少なくとも一部が粘着性のシール部材(例えば、後述のシール部材24)により被覆された留め具(例えば、後述の留め具2)と、前記頭部及び前記脚部の先端部を支持して前記留め具を固定する支持部と(例えば、後述の支持部4)、を備える留め具の梱包構造(例えば、後述の留め具の梱包構造1)を提供する。
【0008】
所定の間隔を空けて配置される前記支持部を複数備えることが好ましい。
【0009】
開口を有し、前記留め具を収容する箱本体部(例えば、後述の箱本体部31)をさらに備え、前記箱本体部は、矩形状の底面部(例えば、後述の底面部33)と、該底面部の周囲から起立する側壁部(例えば、後述の側壁部34)と、を有し、前記支持部は、前記側壁部を構成する第1側壁部(例えば、後述の第1側壁部341)に形成され、前記頭部を支持する第1支持部(例えば、後述の第1支持部41)と、前記側壁部を構成し且つ前記第1側壁部に対向する第2側壁部(例えば、後述の第1側壁部341)に前記第1支持部に対向して形成され、前記脚部の先端部を支持する第2支持部(例えば、後述の第2支持部42)と、を有することが好ましい。
【0010】
前記第1側壁部は、中空状に形成され、前記第1支持部は、前記第1側壁部の上面(例えば、後述の第1上面部341a)から内壁面(例えば、後述の第1内壁面341b)に亘って設けられた切欠きにより形成されることが好ましい。
【0011】
前記第2側壁部は、中空状に形成され、前記第2支持部は、前記第2側壁部の内壁面に設けられた孔により形成されることが好ましい。
【0012】
前記第2側壁部は、中空状に形成され、前記第2支持部は、前記第2側壁部の内壁面に設けられた孔により形成されることが好ましい。
【0013】
前記箱本体部の前記開口を覆う蓋部(例えば、後述の蓋部32)をさらに備え、前記箱本体部及び前記蓋部は、紙材の表面をプラスチックフィルムで被覆した材料からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、粘着性のシール部材を付着させた留め具を用いた作業の施工性を向上でき、小さなごみの発生を回避できる留め具の梱包構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の留め具の梱包構造を示す斜視図である。
図2】第1実施形態の留め具の斜視図である。
図3】第1実施形態の留め具の梱包構造を示す平面図である。
図4図2のA−A線断面図である。
図5】第1実施形態の梱包箱の展開図である。
図6】第2実施形態の留め具の梱包構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る留め具の梱包構造1の斜視図である。
図1に示すように、留め具の梱包構造1は、複数の留め具2と、留め具2を内部に収容する梱包箱3と、を有する。留め具2は、梱包箱3に梱包された状態で、例えば屋根の上に持ち運ばれ、太陽エネルギー利用装置の取り付け等に用いられる。なお、梱包箱3は、留め具2を10本収容可能であり、図1では、留め具2を8本収容した状態を示している(図3も同様)。
【0018】
図2は、留め具2の斜視図である。留め具2としては、本実施形態ではネジが用いられる。図2に示すように、留め具2は、頭部21と、脚部22と、首部23と、シール部材24と、を有する。
【0019】
頭部21は、所定の外径及び厚さを有する平たい部材であり、留め具2をネジ穴に挿入した際にネジ穴の外に残る部分である。頭部21は、上面部21aと、上面部21aの裏側の下面部21bとを有する。本実施形態では、頭部21は、下面部21b側が円盤状に形成され、この円盤状部分の上側に、円盤状部分と一体となった六角形の部分が形成されて、六角形の部分の上面が上面部21aを構成するように形成されている。頭部21は、上面部21aに、ネジを取り付ける際にドライバーを挿入するために形成される溝21cを有する。
【0020】
脚部22は、頭部21の下面部21bから一方向に延び、頭部21の中心を同心とする長細い棒状の部材である。脚部22は、先端に向かって徐々に縮径する先端部22aを有する。脚部22は、その外面に沿って螺旋状にネジ山22bが形成されている。
首部23は、頭部21と脚部22との境界の部分である。
【0021】
シール部材24は、コーキング剤であり、例えばブチル系のコーキング剤により構成される。シール部材24は、ブチル系のコーキング剤の特性として、高い防水性を有する一方、粘着性を有する。シール部材24は、留め具2の先端部22aを除く少なくとも一部を被覆している。シール部材24は、留め具2がネジ穴に挿入された際に、留め具2とネジ穴との隙間を密閉するものである。
【0022】
図3は、留め具の梱包構造1の上面図である。図3に示すように、梱包箱3は、箱本体部31と、蓋部32と、を有する。
【0023】
箱本体部31は、上面が開口した直方体の形状をしており、底面部33と、側壁部34と、支持部4と、を有する。
底面部33は、長方形の平坦な面である。
側壁部34は、底面部33の周囲から箱本体部31の高さ方向に起立している。側壁部34は、第1側壁部341と、第2側壁部342と、第3側壁部343と、第4側壁部344と、蓋係止部35と、により構成される。
【0024】
第1側壁部341は、箱本体部31の長手方向に沿って配置されている。図3に示すように、第1側壁部341は、所定の厚みを有し、内部が中空に形成されている。第1側壁部341は、上面としての第1上面部341aと、内壁面としての第1内壁面341bと、を有する。第1上面部341aは、上端部側に形成され、底面部33の延びる方向に沿って延びる面である。第1内壁面341bは、第1上面部341aから略直交して屈曲し、底面部33に向かって延びている。第1内壁面341bは、第1側壁部341の内側の面を構成する。
【0025】
第2側壁部342は、箱本体部31の長手方向に沿うとともに、第1側壁部341に対向して配置されている。図3に示すように、第2側壁部342は、所定の厚みを有し、内部が中空に形成されている。第2側壁部342は、上面としての第2上面部342aと、内壁面としての第2内壁面342bと、を有する。第2内壁面342bは、第2上面部342aから屈曲し、底面部33に向かって延びている。第2内壁面342bは、第2側壁部342の内側の面を構成する。第2内壁面342bと第1内壁面341bとの間の距離は、脚部22の長さよりもわずかに短く、例えば、1mm〜3mm程度短い。
【0026】
第3側壁部343及び第4側壁部344は、箱本体部31の短手方向に延びるとともに、互いに対向して配置されている。
【0027】
蓋係止部35は、第2内壁面342bに対向する第2側壁部342の外壁部342cと、第2上面部342aとの境界に沿って、長手方向の略中央部に形成される切り込みである。
【0028】
支持部4は、箱本体部31の第1側壁部341及び第2側壁部342に、所定の間隔を開けて並び、複数形成されている。支持部4は、シール部材24の外径を考慮して、隣り合う留め具2同士のシール部材24がくっつかない程度の間隔を開けて形成される。また、支持部4は、第1側壁部341に形成される第1支持部41と、第1支持部41に対向して第2側壁部342に形成される第2支持部42と、を有する。
【0029】
図1に戻って、第1支持部41は、切欠きにより形成される。第1支持部41の切欠きは、第1側壁部341の第1上面部341aから第1内壁面341bに亘って設けられ、上面部切欠き41aと、内壁面切欠き41bと、により構成される。
【0030】
上面部切欠き41aは、第1上面部341a側に形成される。図3に示すように、上面部切欠き41aは、横長の長方形の形状を有する。上面部切欠き41aは、留め具2の頭部21を内部に収容可能なように、長手方向が頭部21の外径よりもやや大きく、短手方向が頭部21の高さ方向の寸法よりもやや大きい寸法を有する。
【0031】
内壁面切欠き41bは、略三角形の案内部411と首部挿入部412により構成されている。案内部411は、上面部切欠き41aから、漸次縮径して首部挿入部412へ連続する。首部挿入部412は、首部23の外径よりもわずかに大きな幅を有し、案内部411の下方に配置されている。首部挿入部412は、第1内壁面341bにおける底面部33から所定の高さ上方に離間した位置に配置されている。所定の高さとは、首部挿入部412に首部23を配置した状態で、脚部22の外側を被覆するシール部材24が底面部33に着かない位置である。例えば、底面部33から首部挿入部412の下端までの高さHは、5mm〜7mmである。
【0032】
図4は、図3のA−A線断面図である。図5は、箱本体部31の展開図である。図4及び図5に示すように、第2支持部42は、第2内壁面342bに設けられた孔により形成される。図5に示すように、第2支持部42は、第2内壁面342bに十字状に形成される切り込みを有し、十字状の切り込みの中心部が留め具2の先端部22aに押されることで孔となる。第2支持部42は、首部挿入部412と対向する位置に形成されている。詳細には、第2支持部42は、首部挿入部412に首部23を配置した状態で、留め具の中心軸が第2内壁面342bに交差する位置に位置合わせされる。
【0033】
蓋部32は、底面部33と略同形の平坦な長方形で形成され、箱本体部31の開口を覆う。図5に示すように、蓋部32は、長手方向に沿う一方の側縁が底面部33に側壁部34を介して連続している。蓋部32は、舌片部32aを有する。舌片部32aは、長手方向に沿う他方の側縁の略中央部に、外側へ向かって突出する。舌片部32aは、蓋部32を閉じた状態で、蓋係止部35に挿入される。
【0034】
以上の梱包箱3は、紙材の表面をプラスチックフィルムで被覆した材料からなる。詳細には、パルプ等により構成される紙材の表面を、ポリエチレン、ポリプロピレン又はシリコーン等のプラスチック材料で被覆した材料により構成されている。
【0035】
次に、留め具2の梱包構造1の使用の状態について説明する。留め具2は、第1側壁部341に形成された第1支持部41の上面部切欠き41aに頭部21が挿入されて、第1支持部に支持されている。首部23は、首部挿入部412に配置される。また、首部23から延びる脚部22の先端部22aは、第2側壁部342に形成された第2支持部42の孔に挿入される。脚部22の先端部22aは、孔から第2側壁部342の内部の中空の空間に突き出て収容され、第2支持部42に支持されている。この状態では、留め具2の頭部21と脚部22の先端部22aとが、第1側壁部341及び第2側壁部342に形成された支持部4に支持されて固定されている。このため、脚部22は底面部33に着かずに宙に浮いた状態になっている。この状態では、脚部22を被覆している粘着性のシール部材24が底面部33にくっついていない。
【0036】
また、箱本体部31は、第1側壁部341〜第4側壁部344を有し、第1側壁部341及び第2側壁部342は所定の厚みを有することから、第1上面部341a及び第2上面部342aを有している。このため、箱本体部31の開口を蓋部32で覆ったときに、蓋部32の四辺がこれらの第1側壁部341〜第4側壁部344やその第1上面部341a及び第2上面部342aにより支持されるので、梱包箱3はつぶれにくい。
【0037】
屋根等の高所で、シール部材24により被覆された留め具2をネジ留めする作業者は、留め具2を梱包箱3に収容した状態で、梱包箱3を作業着のポケット等に入れ、高所へ上がって作業をする。この際、留め具2のシール部材24が一本一本リケイ紙等に被覆されておらず、梱包箱3から取り出すだけで直ちに使用する。
【0038】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。
第1実施形態では、留め具2の梱包構造1において、留め具2を、頭部21及び頭部21から延びる脚部22により構成し、脚部22の先端部22aを除く少なくとも一部が粘着性のシール部材24により被覆した。また、留め具2の梱包構造1を、頭部21及び脚部22の先端部22aを支持して留め具2を固定する支持部4を含んで構成した。
【0039】
第1実施形態によれば、留め具2が粘着性のシール部材24により被覆されていても、留め具2の頭部21と脚部22の先端部22aが支持部4により支持される。このため、リケイ紙等により被覆しなくとも、シール部材24が他の留め具2等に粘着することを防止することができる。よって、リケイ紙を剥がす必要がなくなり、剥がした後のリケイ紙によるごみも発生しなくなるため、施工性が向上する。また、留め具2の梱包構造1ごとポケット等に入れて作業場所へ持ち運ぶことができる。さらに、留め具が頭部21と脚部22の先端部22aが支持されているので、留め具2同士がくっつかない状態を維持して輸送が容易になる。
【0040】
また第1実施形態では、留め具の梱包構造1に、所定の間隔を空けて配置される支持部4を複数設けた。これにより、隣り合う留め具2同士の間が離間するので、隣り合う留め具2のシール部材24がくっつかない。
【0041】
また第1実施形態では、留め具の梱包構造1に、開口を有し、留め具2を収容する箱本体部31をさらに含んで構成し、箱本体部31を、矩形状の底面部33と、底面部33の周囲から起立する側壁部34と、を含んで構成し、支持部4を、側壁部34を構成する第1側壁部341に形成され、頭部21を支持する第1支持部41と、側壁部34を構成し且つ第1側壁部341に対向する第2側壁部342に第1支持部41に対向して形成され、脚部22の先端部22aを支持する第2支持部42と、を含んで構成した。
これにより、箱本体部31の側壁部34が底面部33の周囲から起立しているので、蓋部32により覆われると、箱本体部31がつぶれにくくなる。また、留め具2が側壁部により周囲を囲まれて、蓋部32により箱本体部31が塞がれることで、ごみや塵が箱本体部31の中に入りにくく、ごみや塵がシール部材24に付着しにくい。また、第1支持部41及び第2支持部42が側壁部34に形成されているため、シール部材24が底面部33に着くことなく留め具2を梱包することができる。
【0042】
また第1実施形態では、第1側壁部341を、中空状に形成し、第1支持部41を、第1側壁部341の第1上面部341aから第1内壁面341bに亘って設けられた切欠きにより形成した。これにより、留め具2の頭部21側が第1上面部341aから第1内壁面341bに亘って設けられた切欠きにより確実に支持されるので、留め具2が蓋部32や底面部33にくっつきにくい。
【0043】
また第1実施形態では、第2側壁部342を、中空状に形成し、第2支持部42を、第2側壁部342の第2内壁面342bに設けられた孔により形成した。これにより、留め具2の脚部22の先端部22aが第2側壁部342の第2内壁面342bに設けられた孔により確実に支持されるので、留め具2が蓋部32や底面部33にくっつきにくい。
【0044】
また第1実施形態では、箱本体部31の開口を覆う蓋部32をさらに含んで構成し、箱本体部31及び蓋部32を、紙材の表面をプラスチックフィルムで被覆した材料により構成した。これにより、仮にシール部材24が箱本体部31又は蓋部32に付着した場合であっても、シール部材24を容易に剥がすことができ、留め具2の梱包構造1が取扱いやすい。
【0045】
図6は、第2実施形態の留め具の梱包構造1Aを示す斜視図である。説明の便宜のため、図6において、留め具2を一本省略している。
図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の留め具の梱包構造1Aは、梱包箱を用いずに、所定の厚みを有する帯状部材5に支持部4Aを設ける点で第1実施形態と相違する。第2実施形態では、留め具の梱包構造1Aは、特に説明しない点については第1実施形態と同様の構成及び効果を有する。
図6に示すように、第2実施形態に係る留め具の梱包構造1Aは、第1実施形態と同様の留め具2を収容する帯状部材5を有する。
【0046】
帯状部材5は、巻いてまとめることが可能な柔軟性を有する、可撓性の樹脂等で構成される。帯状部材5は、断面視で一方が開口したコの字状に形成されている。帯状部材5は、第1側壁部51Aと、第2側壁部52Aと、帯状本体部53と、凹部54と、支持部4Aと、を有する。
【0047】
帯状本体部53は、長手方向に延び、所定の幅を有する平坦な部材である。
第1側壁部51Aは、帯状本体部53の幅方向の一方に配置され、帯状本体部53の延びる方向に直交する方向に起立する。第1側壁部51Aは、帯状本体部53の長手方向に沿って形成されている。
第2側壁部52Aは、第1側壁部51Aに向かい合って帯状本体部53の幅方向の他方に配置され、帯状本体部53の延びる方向に直交する方向に起立する。第2側壁部52Aは、第1側壁部51Aと同じ高さを有する。
凹部54は、第1側壁部51A及び第2側壁部52Aの内側の空間であり、帯状本体部53と、第1側壁部51Aと、第2側壁部52Aと、により囲まれて形成される。
【0048】
支持部4Aは、帯状部材5の長手方向に所定の間隔をあけて複数形成されている。支持部4Aは、第1支持部41Aと、第2支持部42Aとを有する。
【0049】
第1支持部41Aは、第1側壁部51Aに形成される。第1支持部41Aは、第1側壁部51Aにおける上端縁に設けられた切欠きである。切欠きは、第1側壁部51Aの上端縁側が開口した略U字状に形成される。切欠きは、留め具2の首部23の径よりわずかに大きい幅を有する。第1支持部41Aは、首部23が切欠きに挿入された状態で、第1側壁部51Aにより留め具2の頭部21を支持する。
【0050】
第2支持部42Aは、第2側壁部52Aに形成される。第2支持部42Aは、第2側壁部52Aに形成された孔である。孔は、第1支持部41Aに対向する位置に配置され、より詳細には、第1支持部41Aに首部23が挿入された状態で、留め具2の中心軸が貫通する位置に形成される。第2支持部42Aは、第1支持部41Aに首部23が挿入された状態で、脚部22の先端部22aが挿通する。帯状部材5は可撓性の樹脂で形成されているため、先端部22aを第2支持部42Aに挿通させる際には、第2側壁部52Aを外側へ反らすように弾性変形させればよい。
【0051】
次に、第2実施形態における留め具の梱包構造1Aの使用の状態について説明する。
図6に示すように、留め具2を、頭部21が第1支持部41Aに支持させ、脚部22の先端部22aが第2支持部42Aに支持させた状態で、脚部22が帯状部材5の凹部54に収容する。そして、留め具2を帯状部材5の長手方向に沿って所定間隔をあけて複数配置し、支持部4Aに支持させる。
この状態で、可撓性の帯状部材5を巻くと、凹部54における開口部側が、巻き付けた状態で帯状部材5の他の部分における帯状本体部53の裏面に当接し、凹部54の開口部が帯状本体部53の裏面で塞がれる。なお、帯状部材5を巻いた際に中心側に位置する帯状部材5の端部は、第1側壁部51A及び第2側壁部52Aを有さない帯状本体部53のみで構成される。このため、帯状部材5を巻いた際にも、中心側に位置する留め具2のシール部材24が、帯状本体部53の端部に接触するので、隣接又は向かい合う留め具2のシール部材24同士がくっつかない。
【0052】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏されるとともに、帯状部材5の長さを調整することで梱包できる留め具2の数を調整することができる。また、帯状部材5を巻いて収納することで、留め具の梱包構造1Aをコンパクトにすることができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、第1記実施形態では、梱包箱3に留め具2が一列に10本並んで収容されているが、梱包箱の形状や留め具の本数はこれに限られない。
また、第1及び第2記実施形態では、留め具2はネジであるが、これに限られない。頭部と脚部を備え、シール部材を有する留め具であれば、釘やビス等であってもよく、種類は限定されない。
【符号の説明】
【0054】
1、1A 留め具の梱包構造
2 留め具
4 支持部
21 頭部
22 脚部
22a 先端部
24 シール部材
31 箱本体部
32 蓋部
33 底面部
34 側壁部
341 第1側壁部
342 第2側壁部
41、41A 第1支持部
42、42A 第2支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6