(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記阻害剤が、次のペプチドアルデヒドまたはそのヒドロ亜硫酸付加物、すなわち、Cbz−RAY−H、Ac−GAY−H、Cbz−GAY−H、Cbz−GAL−H、Cbz−VAL−H、Cbz−GAF−H、Cbz−GAV−H、Cbz−GGY−H、Cbz−GGF−H、Cbz−RVY−H、Cbz−LVY−H、Ac−LGAY−H、Ac−FGAY−H、Ac−YGAY−H、Ac−FGAL−H、Ac−FGAF−H、Ac−FGVY−H、Ac−FGAM−H、Ac−WLVY−H、MeO−CO−VAL−H、MeNCO−VAL−H、MeO−CO−FGAL−H、MeO−CO−FGAF−H、MeSO2−FGAL−H、MeSO2−VAL−H、PhCH2O(OH)(O)P−VAL−H、EtSO2−FGAL−H、PhCH2SO2−VAL−H、PhCH2O(OH)(O)P−LAL−H、PhCH2O(OH)(O)P−FAL−H、MeO(OH)(O)P−LGAL−H、α−MAPI、β−MAPI、F−尿素−RVY−H、F−尿素−GGY−H、F−尿素−GAF−H、F−尿素−GAY−H、F−尿素−GAL−H、F−尿素−GA−Nva−H、F−尿素−GA−Nle−H、Y−尿素−RVY−H、Y−尿素−GAY−H、F−CS−RVF−H、F−CS−RVY−H、F−CS−GAY−H、アンチパイン、GE20372A、GE20372B、キモスタチンA、キモスタチンB、またはキモスタチンCの1つである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
スブチリシン
スブチリシンは、セリンプロテアーゼのサブグループである。セリンプロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒するかつ活性部位に必須のセリン残基が存在する酵素である(White,Handler and Smith,1973“Principles of Biochemistry,”Fifth Edition,McGraw−Hill Book Company,NY,pp.271−272)。スブチリシンは、Siezen et al.,Protein Engng.4(1991)719−737およびSiezen et al.,Protein Science 6(1997)501−523により定義されるI−S1およびI−S2サブグループを含み、好ましくはそれらで構成される。セリンプロテアーゼの活性部位の構造が高度に保存されるので、本発明に係るスブチリシンは、Siezen et al.(supra)により提案されたサブグループで表されるスブチラーゼと機能的に等価でありうる。
【0010】
スブチリシンは、化学修飾または遺伝子修飾された突然変異体(タンパク質工学操作された変異体)を含めて、動物起源、植物起源、または微生物起源でありうる。それは、セリンプロテアーゼ、好ましくは微生物アルカリプロテアーゼでありうる。スブチリシンの例は、バチルス属(Bacillus)に由来するもの、たとえば、スブチリシンノボ、スブチリシンカールスバーグ、スブチリシンBPN’、スブチリシン309、スブチリシン147、およびスブチリシン168(国際公開第89/06279号パンフレットに記載)、ならびにプロテアーゼPD138(国際公開第93/18140号パンフレット)である。例は、国際公開第98/020115号パンフレット、国際公開第01/44452号パンフレット、国際公開第01/58275号パンフレット、国際公開第01/58276号パンフレット、国際公開第03/006602号パンフレット、および国際公開第04/099401号パンフレットに記載されている。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(たとえば、ブタ起源またはウシ起源のもの)ならびに国際公開第89/06270号パンフレットおよび国際公開第94/25583号パンフレットに記載のフザリウム属(Fusarium)のプロテアーゼである。他の例は、国際公開第92/19729号パンフレット、国際公開第88/08028号パンフレット、国際公開第98/20115号パンフレット、国際公開第98/20116号パンフレット、国際公開第98/34946号パンフレット、国際公開第2000/037599号パンフレット、国際公開第2011/036263号パンフレットに記載の変異体およびプロテアーゼの混合物である。
【0011】
市販のスブチリシンの例としては、Kannase(商標)、Everlase(商標)、Relase(商標)、Esperase(商標)、Alcalase(商標)、Durazym(商標)、Savinase(商標)、Ovozyme(商標)、Liquanase(商標)、Coronase(商標)、Polarzyme(商標)、Pyrase(商標)、Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)、Bio−Feed(商標)ProおよびClear−Lens(商標)Pro、Blazeが挙げられる(すべてNovozymes A/S,Bagsvaerd,Denmarkから入手可能)。他の市販のプロテアーゼとしては、Ronozyme(商標)Pro、Maxatase(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(商標)、Opticlean(商標)、Properase(商標)、Purafast(商標)、Purafect(商標)、Purafect Ox(商標)、Purafact Prime(商標)、Excellase(商標)、FN2(商標)、FN3(商標)、およびFN4(商標)が挙げられる(Genencor International Inc.、Gist−Brocades、BASF、またはDSMから入手可能)。他の例は、Primase(商標)およびDuralase(商標)である。Henkelから入手可能なBlap R、Blap S、およびBlap Xもまた、例である。
【0012】
第2の酵素
スブチリシンに加えて、洗剤組成物は、任意選択で、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、および/またはペルオキシダーゼなどの第2の酵素を含んでいてもよい。液体洗剤は、1種、2種、またはそれ以上の非スブチリシン酵素を含有していてもよい。
【0013】
リパーゼおよびクチナーゼ
好適なリパーゼおよびクチナーゼとしては、細菌起源または菌類起源のものが挙げられる。化学修飾またはタンパク質工学操作された突然変異体が包含される。例としては、サーモマイセス属(Thermomyces)由来のリパーゼ、たとえば、欧州特許第258068号明細書および欧州特許第305216号明細書に記載のT.ラヌギノサス(T.lanuginosus)(旧名フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa))由来のリパーゼ、フミコラ属(Humicola)由来のクチナーゼ、たとえば、国際公開第96/13580号パンフレットに記載のH.インソレンス(H.insolens)由来のクチナーゼ、シュードモナス属(Pseudomonas)のリパーゼ、たとえば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)またはP.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)(欧州特許第218272号明細書)、P.セパシア(P.cepacia)(欧州特許第331376号明細書)、P.スツッツェリ(P.stutzeri)(英国特許第1,372,034号明細書)、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)、シュードモナス属(Pseudomonas)の種の株SD705(国際公開第95/06720号パンフレットおよび国際公開第96/27002号パンフレット)、P.ウィスコンシネンシス(P.wisconsinensis)(国際公開第96/12012号パンフレット)由来のリパーゼ、バチルス属(Bacillus)のリパーゼ、たとえば、B.サブチリス(B.subtilis)(Dartois et al.,1993,Biochemica et Biophysica Acta,1131:253−360)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)(特開昭64−744992号公報)、またはB.プミラス(B.pumilus)(国際公開第91/16422号パンフレット)由来のリパーゼが挙げられる。
【0014】
他の例は、リパーゼ変異体、たとえば、国際公開第92/05249号パンフレット、国際公開第94/01541号パンフレット、欧州特許第407225号明細書、欧州特許第260105号明細書、国際公開第95/35381号パンフレット、国際公開第96/00292号パンフレット、国際公開第95/30744号パンフレット、国際公開第94/25578号パンフレット、国際公開第95/14783号パンフレット、国際公開第95/22615号パンフレット、国際公開第97/04079号パンフレット、国際公開第97/07202号パンフレット、国際公開第00/060063号パンフレット、国際公開第2007/087508号パンフレット、および国際公開第2009/109500号パンフレットに記載のものである。
【0015】
好ましい市販のリパーゼ酵素としては、Lipolase(商標)、Lipolase Ultra(商標)、およびLipex(商標)、Lecitase(商標)、Lipolex(商標)、Lipoclean(商標)、Lipoprime(商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。他の市販のリパーゼとしては、Lumafast(Genencor Int Inc)、Lipomax(Gist−Brocades/Genencor Int Inc)、およびSolvay製のバチルス属(Bacillus)の種のリパーゼが挙げられる。
【0016】
アミラーゼ
好適なアミラーゼ(αおよび/またはβ)としては、細菌起源または菌類起源のものが挙げられる。化学修飾またはタンパク質工学操作された突然変異体が包含される。アミラーゼとしては、たとえば、バチルス属(Bacillus)から取得されるα−アミラーゼ、たとえば、より詳細には英国特許第1,296,839号明細書に記載されるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)の特定の株から取得されるものが挙げられる。
【0017】
有用なアミラーゼの例は、国際公開第94/02597号パンフレット、国際公開第94/18314号パンフレット、国際公開第96/23873号パンフレット、および国際公開第97/43424号パンフレットに記載の変異体、特定的には、次の位置、すなわち、15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、および444の1つ以上に置換を有する変異体である。
【0018】
市販のアミラーゼは、Stainzyme、Stainzyme Plus、Duramyl(商標)、Termamyl(商標)、Termamyl Ultra、Natalase、Fungamyl(商標)、およびBAN(商標)(Novozymes A/S)、Rapidase(商標)およびPurastar(商標)(Genencor International Inc.製)である。
【0019】
リアーゼ
リアーゼは、バチルス属(Bacillus)に由来するペクチン酸リアーゼ、特定的には、B.リケルニフォルミス(B.licherniformis)もしくはB.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)に由来するものまたはこれらのいずれかに由来する変異体、たとえば、米国特許第6,124,127号明細書、国際公開第1999/027083号パンフレット、国際公開第1999/027084号パンフレット、国際公開第2002/006442号パンフレット、国際公開第2002/092741号パンフレット、国際公開第2003/095638号パンフレットに記載のものであってもよい。市販のペクチン酸リアーゼは、XPect、Pectawash、およびPectaway(Novozymes A/S)である。
【0020】
マンナナーゼ
マンナナーゼは、ファミリー5または26のアルカリマンナナーゼであってもよい。それは、バチルス属(Bacillus)またはフミコラ属(Humicola)に由来する野生型、特定的には、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.クラウシー(B.clausii))、またはH.インソレンス(H.insolens)に由来するものであってもよい。好適なマンナナーゼは、国際公開第1999/064619号パンフレットに記載されている。市販のマンナナーゼは、Mannaway(Novozymes A/S)である。
【0021】
セルラーゼ
好適なセルラーゼは、細菌起源または菌類起源でありうる。化学修飾または遺伝子修飾された突然変異体が包含される。それは、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)(米国特許第4,435,307号明細書)に由来する、またはトリコデルマ属(Trichoderma)、たとえば、T.リーセイ(T.reesei)もしくはT.ビリデ(T.viride)に由来する、菌類のセルラーゼであってもよい。セルラーゼの例は、欧州特許第0495257号明細書に記載されている。市販のセルラーゼとしては、Carezyme(商標)、Celluzyme(商標)、Celluclean(商標)、Celluclast(商標)、およびEndolase(商標)、Renozyme、Whitezyme(Novozymes A/S)、Puradax、Puradax HA、およびPuradax EG(Genencorから入手可能)が挙げられる。
【0022】
ペプチドアルデヒド(ヒドロ亜硫酸塩)阻害剤
ペプチドアルデヒド
ペプチドアルデヒドは、式X−B
1−B
0−Hを有しうる。式中の基は、以上のように定義され、B
0は、式:NH−CHR−COを有するL配置またはD配置の単一のアミノ酸残基である。
【0023】
ペプチドアルデヒドは、式X−B
1−B
0−Hを有しうる。式中の基は、以下の意味を有する。すなわち、
a)Hは、水素であり、
b)B
0は、L配置またはD配置を有する単一のアミノ酸残基であり、
c)B
1は、単一のアミノ酸残基であり、かつ
d)Xは、1個以上のアミノ酸残基(好ましくは1個または2個)で構成され、任意選択でN末端保護基を含んでいてもよい。
【0024】
NH−CHR−CO(B
0)は、LまたはD−アミノ酸残基である。ただし、Rは、脂肪族または芳香族の側鎖、たとえば、ベンジルなどのアラルキルであってもよく、Rは、任意選択で置換されていてもよい。より特定的には、B
0残基は、嵩高、中性、極性、疎水性、および/または芳香族であってもよい。例は、D形またはL形のTyr(p−チロシン)、m−チロシン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、ノルバリン(Nva)、Leu、Ile、またはノルロイシン(Nle)である。
【0025】
以上の式X−B
1−B
0−H中、B
1残基は、特定的には、小型、脂肪族、疎水性、および/または中性であってもよい。例は、アラニン(Ala)、システイン(Cys)、グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、バリン(Val)、ノルバリン(Nva)、およびノルロイシン(Nle)、特定的には、アラニン、グリシン、またはバリンである。
【0026】
Xは、特定的には、任意選択のN末端保護基を有していてもよい1個または2個のアミノ酸残基でありうる(すなわち、この化合物は、保護基を有していても有していなくてもよいトリまたはテトラペプチドアルデヒドである)。したがって、Xは、B
2、B
3−B
2、Z−B
2、またはZ−B
3−B
2でありうる。ただし、B
3およびB
2は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基である。B
2残基は、特定的には、小型、脂肪族、および/または中性であってもよく、たとえば、Ala、Gly、Thr、Arg、Leu、Phe、またはValである。B
3残基は、特定的には、嵩高、疎水性、中性、および/または芳香族であってもよく、たとえば、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleである。
【0027】
N末端保護基Z(存在する場合)は、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、フルオロメトキシカルボニル基、メトキシスクシニル基、芳香族および脂肪族のウレタン保護基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基、t−ブチルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルカルボニル(MOZ)基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル(PMB)基もしくはp−メトキシフェニル(PMP)基、メトキシカルボニル(Moc)基、メトキシアセチル(Mac)基、メチルカルバメート基、またはメチルアミノカルボニル基/メチルウレア基から選択されうる。保護基を有するトリペプチドアルデヒド(すなわちX=Z−B
2)の場合、Zは、好ましくは、小型の脂肪族基、たとえば、ホルミル基、アセチル基、フルオロメトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル(Moc)基、メトキシアセチル(Mac)基、メチルカルバメート基、またはメチルアミノカルボニル基/メチルウレア基である。保護基を有するトリペプチドアルデヒド(すなわちX=Z−B
3−B
2)の場合、Zは、好ましくは、嵩高い芳香族基、たとえば、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、またはp−メトキシフェニル(PMP)である。
【0028】
好適なペプチドアルデヒドは、国際公開第94/04651号パンフレット、国際公開第95/25791号パンフレット、国際公開第98/13458号パンフレット、国際公開第98/13459号パンフレット、国際公開第98/13460号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13462号パンフレット、国際公開第2007/141736号パンフレット、2007/145963、国際公開第2009/118375号パンフレット、国際公開第2010/055052号パンフレット、および国際公開第2011/036153号パンフレットに記載されている。より特定的には、ペプチドアルデヒドは、Cbz−RAY−H、Ac−GAY−H、Cbz−GAY−H、Cbz−GAL−H、Cbz−VAL−H、Cbz−GAF−H、Cbz−GAV−H、Cbz−GGY−H、Cbz−GGF−H、Cbz−RVY−H、Cbz−LVY−H、Ac−LGAY−H、Ac−FGAY−H、Ac−YGAY−H、Ac−FGAL−H、Ac−FGAF−H、Ac−FGVY−H、Ac−FGAM−H、Ac−WLVY−H、MeO−CO−VAL−H、MeNCO−VAL−H、MeO−CO−FGAL−H、MeO−CO−FGAF−H、MeSO
2−FGAL−H、MeSO
2−VAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−VAL−H、EtSO
2−FGAL−H、PhCH
2SO
2−VAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−LAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−FAL−H、またはMeO(OH)(O)P−LGAL−Hである。ここで、Cbzは、ベンジルオキシカルボニルであり、Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、Acは、アセチルであり、Hは、水素であり、かつ他方文字は、標準的一文字表記(たとえば、F=Phe、Y=Tyr、およびL=Leu)により記されたアミノ酸残基を表す。
【0029】
他の選択肢として、ペプチドアルデヒドは、国際公開第2011/036153号パンフレットに記載の式:
P−O−(A
i−X’)
n−A
n+1−Q
(式中、
Qは、水素、CH
3、CX
3、CHX
2、またはCH
2Xであり、ここで、Xは、ハロゲン原子であり、
1つのX’は、「ダブルNキャッピング基」CO、CO−CO、CS、CS−CS、またはCS−COであり、最も好ましいのはウリド(CO)であり、他のX’は、存在せず、
n=1〜10、好ましくは2〜5、最も好ましくは2、
A
iおよびA
n+1のそれぞれは、構造:
X=−CO−の右側の残基に対しては−NH−CR−CO−、または
X=−CO−の左側の残基に対しては−CO−CR−NH−
を有するアミノ酸残基であり、
Rは、H−または任意選択で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよく、任意選択でN原子に結合されていてもよく、かつ
Pは、水素または任意のC末端保護基である)
を有しうる。そのようなペプチドアルデヒドの例としては、α−MAPI、β−MAPI、F−尿素−RVY−H、F−尿素−GGY−H、F−尿素−GAF−H、F−尿素−GAY−H、F−尿素−GAL−H、F−尿素−GA−Nva−H、F−尿素−GA−Nle−H、Y−尿素−RVY−H、Y−尿素−GAY−H、F−CS−RVF−H、F−CS−RVY−H、F−CS−GAY−H、アンチパイン、GE20372A、GE20372B、キモスタチンA、キモスタチンB、およびキモスタチンCが挙げられる。ペプチドアルデヒドのさらなる例は、国際公開第2010/055052号パンフレットおよび国際公開第2009/118375号パンフレット、国際公開第94/04651号パンフレット、国際公開第98/13459号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13462号パンフレット、国際公開第2007/145963号パンフレット(P&G)に開示されている(参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
ヒドロ亜硫酸付加物
ペプチドアルデヒドに代わる選択肢として、プロテアーゼ阻害剤は、式X−B
1−NH−CHR−CHOH−SO
3M(式中、X、B
1、およびRは、以上のように定義され、かつMは、Hまたはアルカリ金属、好ましくはNaまたはKである)を有するヒドロ亜硫酸付加物であってもよい。
【0031】
ペプチドアルデヒドは、March,J.Advanced Organic Chemistry,fourth edition,Wiley−Interscience,US 1992,p895などの書籍に記載されるように、重亜硫酸ナトリウムとの反応により水溶性ヒドロ亜硫酸付加物に変換しうる。
【0032】
重亜硫酸付加物の水性溶液は、公知の方法で、たとえば、国際公開第98/47523号パンフレット、米国特許第6,500,802号明細書、米国特許第5,436,229号明細書、J.Am.Chem.Soc.(1978)100,1228、Org.Synth.,Coll.vol.7:361に記載の方法で、対応するペプチドアルデヒドと重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウムNaHSO
3)、重亜硫酸カリウム(KHSO
3)の水性溶液との反応により調製されうる。
【0033】
塩
液体洗剤で使用される塩は、一価カチオンと1〜6個の炭素の一価有機アニオンとの塩である。好ましくは、一価有機アニオンは、1〜6個の炭素の小型のモノカルボン酸である。一価有機アニオンは、好ましくは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、および乳酸イオンの中から選択される。カチオンは、Na
+、K
+、またはNH
4+であってもよく、塩は、特定的には、ギ酸ナトリウムであってもよい。
【0034】
量
スブチリシンおよび任意選択の第2の酵素は、それぞれ、0.0001%(w/w)〜5%(w/w)の範囲内の量で液体洗剤中に存在しうる。典型的な量は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜2重量%の範囲内である。
【0035】
ペプチドアルデヒド(またはヒドロ亜硫酸付加物)対プロテアーゼのモル比は、少なくとも1:1または1.5:1でありうるし、かつ1000:1未満、より好ましくは500:1未満でありうる。さらにより好ましいのは、100:1〜2:1または20:1〜2:1であり、最も好ましいのは、モル比が10:1〜2:1である。
【0036】
塩は、少なくとも0.1%w/wまたは0.5%w/w、たとえば、少なくとも1.0%、少なくとも1.2%、または少なくとも1.5%の量で液体洗剤中に存在しうる。塩の量は、典型的には、5%w/w未満、4%未満、または3%未満である。
【0037】
洗剤組成物
液体洗剤は、固体(またはガス)ではない物理形態を有する。それは、注加可能な液体、注加可能なゲル、または注加不能なゲルでありうる。それは、等方性または構造性のいずれか、好ましくは等方性でありうる。それは、自動洗浄/洗濯機による洗浄/洗濯または手による洗浄/洗濯に有用な配合物でありうる。
【0038】
洗剤成分は、水溶性パウチの区画により互いに物理的に分離することが可能である。それにより、成分間の貯蔵時有害相互作用を回避することが可能である。また、各区画の異なる溶解プロファイルにより、洗浄/洗濯溶液中の所定の成分の遅延溶解を引き起こすことが可能である。
【0039】
洗剤組成物は、単位用量製品の形態を取りうる。単位用量製品は、再使用不能な容器中の単回用量のパッケージである。それは、衣類洗濯用および食器洗浄用の洗剤でますます使用されるようになっている。洗剤単位用量製品は、1回の洗浄/洗濯に使用される洗剤量のパッケージ(たとえば、水溶性フィルムから作製されたパウチの形態)である。
【0040】
パウチは、組成物の保持に好適な任意の形態、形状、および材料でありうる。たとえば、水に接触する前にパウチから組成物を放出させないものでありうる。パウチは、内部空間を取り囲む水溶性フィルムから作製される。前記内部空間は、パウチの区画に分割することが可能である。好ましいフィルムは、高分子材料、好ましくはフィルム状またはシート状に形成されたポリマーである。好ましいポリマー、コポリマー、またはそれらの誘導体は、所定のポリアクリレートおよび水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムデキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、最も好ましくはポリビニルアルコールコポリマーおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。好ましくは、フィルム中のポリマーたとえばPVAのレベルは、少なくとも約60%である。好ましい平均分子量は、典型的には、約20,000〜約150,000であろう。フィルムはまた、グリセロール、エチレングリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、およびそれらの混合物のような可塑剤が加えられたポリアクチドおよびポリビニルアルコール(Chris Craft In.Prod.Of Gary,Ind.,USにより販売されているM8630という商品名で知られる)などの加水分解性かつ水溶性のポリマーブレンドを含むブレンド組成物であってもよい。パウチは、水溶性フィルムにより分離された固体衣類クリーニング組成物もしくは部分成分および/または液体クリーニング組成物もしくは部分成分を含んでいてもよい。液体成分用の区画は、固体を含有する区画と組成が異なっていてもよい(たとえば、米国特許出願公開第2009/0011970号明細書を参照されたい)。
【0041】
洗剤成分の選択は、テキスタイルの保護のために、クリーニングされるテキスタイルのタイプ、汚れのタイプおよび/または程度、クリーニングが行われる温度、ならびに洗剤製品の配合を考慮することを含みうる。以下に挙げられた成分は、特定の機能に従って一般的な見出しにより分類されているが、これは、当業者であればわかるであろうが、成分が追加の機能を含みうるので、限定要件とみなすべきはでない。
【0042】
界面活性剤
本明細書では、アニオン性界面活性剤は、酵素(スブチリシンおよび任意選択の第2の酵素)の安定性に有害な影響を及ぼす傾向がある第1のグループと、これらの酵素の安定性にそれほど有害な影響を及ぼす傾向がない第2のグループと、に分類される。液体洗剤は、第2の(それほど有害でない)グループの全含有量よりも多い第1の(有害な)グループの界面活性剤の全含有量を有する。したがって、本発明は、そのままでは界面活性剤配合物がかなり不十分な酵素安定性を生じるおそれがある液体洗剤中の酵素安定性の向上に関する。
【0043】
第1のグループは、線状および分岐状のアルキルベンゼンスルホネート(LASおよびBABS)ならびにアルキルスルフェート(AS)で構成される。第2のグループは、アルキルエトキシエーテルスルフェート(AES)およびメチルエステルスルホネート(MES)を含む。
【0044】
第1のグループは、LASおよび分岐状アルキルベンゼンスルホネート(BABS)およびフェニルアルカンスルホネートの異性体をも含む。アルキルスルフェート(AS)は、ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)または脂肪アルコールスルフェート(FAS)、第一級アルコールスルフェート(PAS)を含みうる。
【0045】
第2のグループ中、アルコールエーテルスルフェート(AES)はまた、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)を含めて、アルコールエトキシスルフェート(AEOS)または脂肪アルコールエーテルスルフェート(FES)としても知られる。α−スルホ脂肪酸メチルエステル(MEA、α−SFMe、またはSES)。
【0046】
液体洗剤は、たとえば、1〜30重量%たとえば約1〜15%の量でLASを含有し、1〜50重量%たとえば2〜30%の量で第1のグループの界面活性剤を含有しうるし、第1のグループの量未満たとえば1〜25重量%の量で第2のグループの界面活性剤を含有しうる。
【0047】
液体洗剤は、さらに、他のアニオン性界面活性剤、たとえば、石鹸およびまたは脂肪酸、α−オレフィンスルホネート(AOS)、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホ−コハク酸または石鹸のジエステルおよびモノエステル、ならびにそれらの組合せを含有していてもよい。
【0048】
液体洗剤はまた、非イオン性界面活性剤、たとえば、アルコールエトキシレート(AEまたはAEO)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、たとえば、エトキシル化および/またはプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、メチルエステルエトキシレート、ポリエチル化ポリオキシプロピレングリコール、ソルビトールエステル、ポリオキシエチレン化ソルビトールエステル、アルカノールアミド、N−アルキルピロリドン(国際公開第2007/141736号パンフレット)、またはグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(グルカミドGAまたは脂肪酸グルカミドFAGA)、さらにはSPANおよびTWEENという商品名で入手可能な製品、ならびにそれらの組合せを含有していてもよい。
【0049】
洗剤は、その中に含む場合、通常、約0.1重量%〜約70重量%、たとえば約0.5%〜約30%、特定的には約1%〜約20%、約2%〜約15%、または30〜60%の非イオン性界面活性剤を含有するであろう。
【0050】
任意選択の追加の酵素安定化剤
任意選択で、液体洗剤は、追加の酵素安定化剤、たとえば、プロピレングリコール(MPG)、ソルビトール、またはグリセロールなどのポリオールを、たとえば、0.5〜10%w/wの量で含んでいてもよい。
【0051】
溶媒
任意選択で、洗剤は、0〜10%のエタノールたとえば0〜5%のエタノールを含有してもよく、それに加えて、ポリオールが任意選択で存在していてもよい。水性液体洗剤は、EtOHおよびポリオールを含めて0〜30%の有機溶媒を含有していてもよい。
【0052】
ビルダーおよび緩衝系
液体洗剤は、クエン酸ナトリウムやクエン酸などのビルダーを、たとえば、約0.1〜2%などの0〜5%w/wの量で含んでいてもよい。他の緩衝系は、0.1〜5%のレベルでモノ、ジ、またはトリエタノールアミン(MEA、DEA、またはTEA)などのアルカノールアミンを含んでいてもよい。
【0053】
pH
液体洗剤のpHは、6.0〜10、特定的には6.5〜9.5または7〜9の範囲内でありうる。pHは、洗剤中で直接測定しうるか、または5%水溶液中で測定しうる。
【0054】
他の成分
液体洗剤はまた、副成分、たとえば、ポリマー、粘度調整剤(たとえばNaClまたはポリマー)、保存剤、染料転写防止剤、香料、乳白剤、布染色剤、および消泡剤を含有していてもよい。
【0055】
液体洗剤は、ホウ素化合物を本質的に含まず、かつ低レベルのカルシウムを有する。したがって、ホウ素含有量は、500ppm B未満(重量基準)であり、かつカルシウム含有量は、500ppm(Ca)未満でありうる。
【0056】
水含有量
液体洗剤は、水性であり、少なくとも10重量%かつ95%までの水、たとえば、20〜90%の水、40〜80%の水、または少なくとも50%(超)の水を含有する。
【0057】
液体洗剤組成物
第1の態様では、本発明は、
a)線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)と、
b)スブチリシンと、
c)ペプチドアルデヒドまたはそのヒドロ亜硫酸付加物であるスブチリシン阻害剤と、
d)一価カチオンと1〜6個の炭素の一価有機アニオンとの塩と、
e)少なくとも10%の水と、
を含み、
アルキルエトキシエーテルスルフェート(AES)とメチルエステルスルホネート(MES)との全含有量よりも多い、線状アルキルベンゼンスルホネートと分岐状アルキルベンゼンスルホネート(LASとBABS)とアルキルスルフェート(AS)との全含有量を有する、
無ホウ素液体洗剤組成物を提供する。
【0058】
一実施形態では、阻害剤は、式X−B
1−B
0−Hで示されるペプチドアルデヒドまたはそのヒドロ亜硫酸付加物であり、ただし、式中、
a)Hは、水素であり、
b)B
0は、単一のDまたはL−アミノ酸残基であり、
c)B
1は、単一のアミノ酸残基であり、かつ
d)Xは、1個以上のアミノ酸残基(好ましくは1個または2個)で構成され、任意選択でN末端保護基を含んでいてもよい。
【0059】
好ましくは、B
0は、Tyr、m−チロシン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD−アミノ酸残基である。
【0060】
好ましくは、B
1は、任意選択で置換されていてもよい小型の脂肪族側鎖を有する残基、好ましくは、Ala、Cys、Gly、Pro、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleである。
【0061】
好ましくは、Xは、B
2、B
3−B
2、Z−B
2、Z−B
3−B
2である。ただし、B
2およびB
3は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基である。
【0062】
好ましくは、B
2は、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの単一の残基である。
【0063】
好ましくは、B
3は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleである。
【0064】
より好ましくは、阻害剤は、次のペプチドアルデヒドまたはそのヒドロ亜硫酸付加物、すなわち、Cbz−RAY−H、Ac−GAY−H、Cbz−GAY−H、Cbz−GAL−H、Cbz−VAL−H、Cbz−GAF−H、Cbz−GAV−H、Cbz−GGY−H、Cbz−GGF−H、Cbz−RVY−H、Cbz−LVY−H、Ac−LGAY−H、Ac−FGAY−H、Ac−YGAY−H、Ac−FGAL−H、Ac−FGAF−H、Ac−FGVY−H、Ac−FGAM−H、Ac−WLVY−H、MeO−CO−VAL−H、MeNCO−VAL−H、MeO−CO−FGAL−H、MeO−CO−FGAF−H、MeSO
2−FGAL−H、MeSO
2−VAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−VAL−H、EtSO
2−FGAL−H、PhCH
2SO
2−VAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−LAL−H、PhCH
2O(OH)(O)P−FAL−H、MeO(OH)(O)P−LGAL−H、α−MAPI、β−MAPI、F−尿素−RVY−H、F−尿素−GGY−H、F−尿素−GAF−H、F−尿素−GAY−H、F−尿素−GAL−H、F−尿素−GA−Nva−H、F−尿素−GA−Nle−H、Y−尿素−RVY−H、Y−尿素−GAY−H、F−CS−RVF−H、F−CS−RVY−H、F−CS−GAY−H、アンチパイン、GE20372A、GE20372B、キモスタチンA、キモスタチンB、またはキモスタチンCの1つである。
【0065】
一実施形態では、一価有機アニオンは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、または乳酸イオン、好ましくはギ酸イオンである。一実施形態では、一価カチオンは、Na、K、またはNH
4である。好ましい実施形態では、塩は、ギ酸ナトリウムである。より好ましくは、塩は、全組成物の少なくとも0.1重量%の量で存在する。
【0066】
一実施形態では、液体洗剤組成物は、第2の酵素、特定的には、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アミラーゼ、またはリパーゼをさらに含む。
【0067】
一実施形態では、液体洗剤組成物は、ポリオールをさらに含む。
【0068】
一実施形態では、液体洗剤組成物は、少なくとも50重量%の水を含む。
【実施例】
【0069】
一般的実験の詳細: Savinase 16LおよびX−B
1−B
0−HもしくはX−B
1−NH−CHR−CHOH−SO
3Naのいずれか、またはSavinase 16Lを含有する洗剤を、−18℃、35℃、および40℃で密閉ガラス容器内に配置する。さまざまな時間の後、標準的分析方法を用いてプロテアーゼおよびリパーゼの残存活性を測定する(プロテアーゼは、40℃、pH8.3でN,N−ジメチルカゼインの加水分解により、およびリパーゼは、40℃、pH7.7でpNp−バレレートの加水分解により)。また、阻害剤およびプロテアーゼを個別に洗剤に添加してもよい。
【0070】
実施例1
スブチリシンとペプチドアルデヒドまたはペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物とを含む安定化スブチリシン配合物の調製
市販のSavinase 16L(商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)に0.75%のX−B
1−B
0−Hまたは0.9%のX−B
1−NH−CHR−CHOH−SO
3Naを添加する。阻害剤は、固体としてまたは液体溶液として添加される。好ましい例としては、X=Cbz−Gly−、B
1=Ala、B
0=Tyr、R=CH
2(C
6H
4)OHが挙げられる。
【0071】
実施例2
液体洗剤中の酵素安定性
安定化スブチリシン配合物を含む液体洗剤の例として、表1に記載の組成物を作製した。
【0072】
【表1】
【0073】
表2に示されるように、洗剤を35℃および40℃で貯蔵し、2週間後、残存するプロテアーゼ活性およびリパーゼ活性(初期活性に対する%で表される)を測定した。
【0074】
【表2】
【0075】
最初の4行の比較から、残存するプロテアーゼ活性/リパーゼ活性は、いかなる安定化剤も用いないと1%/1%であることが示される。ギ酸ナトリウム単独の添加により、これは、1%/3%に向上し、ペプチドアルデヒド単独の添加により、2%/13%に向上するが、ギ酸ナトリウムとペプチドアルデヒドとの組合せにより、残存活性は、49%/30%に増加することから、相乗的酵素安定化効果が明確に実証される。他のペプチドアルデヒドに対しておよびヒドロ亜硫酸付加物に対して、類似の相乗効果が以上の表で実証される。
【0076】
実施例3
安定化スブチリシン配合物および界面活性剤系を含む洗剤の調製。
安定化スブチリシン配合物を含む洗剤の他の例として、表3に記載の組成物を作製した。
【0077】
【表3】
【0078】
表4に示されるように、洗剤を35℃で貯蔵し、2週間後および4週間後、残存するプロテアーゼ活性およびリパーゼ活性(初期活性に対する%で表される)を測定した。
【0079】
【表4】
【0080】
ギ酸ナトリウム(一価有機アニオンと一価カチオンとの塩)をペプチドアルデヒド(またはヒドロ亜硫酸付加物)プロテアーゼ阻害剤と組み合わせることにより酵素安定化効果が有意に増大されることが、データから明確に実証される。