【文献】
YUAN XIAO ZHU,CEREBLON EXPRESSION IS REQUIRED FOR THE ANTIMYELOMA ACTIVITY 以下省略,BLOOD,2011年11月 3日,V118 N18,P4771-4779
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物が、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩、溶媒和物、若しくは水和物である、請求項1記載の医薬組成物。
前記追加の活性薬剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、タンパク質結合パクリタキセル、5-アザシチジン、カペシタビン、ゲムシタビン、ロミデプシン、ヴォリノスタット、パノビノスタット、バルプロ酸、ベリノスタット、エチノスタット、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ラパチニブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、アウリントリカルボン酸、イリノテカン、トポテカン、カムトテシン、ラメラリンD、エトポシド、テニポシド、タモキシフェン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ナビトクラックス、Bcl-2阻害剤、及びPI3K/AKT/mTOR経路阻害剤からなる群から選択される、請求項7記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(5. 発明の詳細な説明)
本明細書において提供されるのは、局所進行及び炎症性乳癌も、従来の化学療法で難治性であるか又は抵抗性である乳癌をも包含する乳癌の治療、予防、及び/又は管理方法であって、そのような治療又は予防が必要な患者に、治療的又は予防的に有効な量の免疫調節化合物を投与することを含む方法である。
【0030】
いくつかの実施態様において、免疫調節化合物は、単独の薬として又は併用療法の一部として、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、及びそれらの組合せ、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体からなる群から選択される。
【0031】
いくつかの実施態様において、本明細書において提供される化合物は、IBC細胞のHIF1α遺伝子発現プロファイルの誘導を遮断する。特定の理論に結び付けられることなしに、本明細書において提供される化合物は、少なくとも部分的にそのHIFα活性に基づいて、局所進行乳癌及び/又は炎症性乳癌の治療において、独立して、組み合わせて、又は他の抗癌剤と組み合わせて使用され得ると考えられる。
【0032】
本明細書においてさらに提供されるのは、乳癌を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、そのような治療、予防、又は管理が必要な患者に、本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を0.5mg乃至20mgの用量で;単独で、又は従来において、乳癌を治療、予防、若しくは管理するために使用されている治療との組合せで、経口投与することを含む方法である。そのような従来の治療の例は、これらに限定されないがDNA損傷化学療法、抗有糸分裂薬(例えば、タキサン、ビンカアルカロイド)、抗代謝産物、キナーゼ阻害剤、後成的標的剤、他の細胞毒性又は経路標的剤、及び放射線療法を包含する。
【0033】
他の実施態様において、本明細書において提供されるのは、乳癌を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、そのような治療、予防、又は管理が必要な患者に、本明細書において提供される化合物を0.5mg乃至20mgの連続日用量で、疾患の進行が中断するまで経口投与することを含む方法である。
【0034】
また本明細書において提供されるのは、医薬組成物、単一単位の投与形態、投薬処方、並びに本明細書において提供される化合物又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、多形体、プロドラッグ及び第二の又は追加の活性薬剤の一又は二以上を含むキットである。第二の活性薬剤は、薬の特定の組合せ又は「カクテル」を包含する。第二の活性薬剤は、小分子及び大分子(例えば、タンパク質及び抗体)を包含し、幹細胞はもちろんのこと、その例は本明細書において提供されている。本明細書において提供される化合物の投与と組み合わせて使用することができる方法又は治療は、これらに限定されないが、手術、輸血、免疫療法、生物療法、放射線療法、及び望ましくない血管形成と関連付けられた又はそれによって特徴付けられた疾患及び状態を治療、予防、又は管理するために現在使用されている他の薬に基づかない療法を包含する。
【0035】
一の実施態様において、追加の活性薬剤は、抗有糸分裂剤、例えばタキサン(例えば、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、タンパク質結合パクリタキセル(Abraxane(登録商標)))又はビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンデシン、ビノレルビン);シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン(Vidaza(登録商標));トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、アウリントリカルボン酸、イリノテカン、トポテカン、カムトテシン、ラメラリンD、エトポシド、テニポシド、エリプトシン、及びHU-331)、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標)));HDAC阻害剤(例えば、ロミデプシン、ヴォリノスタット、パノビノスタット、バルプロ酸、ベリノスタット、エチノスタット);HER2阻害剤(例えば、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、ベバシズマブ(Avastatin(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標)));プラチン(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン);Bcl-2阻害剤(例えば、ナビトクラックス);PI3K/AKT/mTOR経路阻害剤(例えば、GDC-0941、CC-223、CC-115);エベロリムス(Afinitor(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromacin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、エリブリン(Halaven(登録商標))、フルオキシメステロン(Halotestin(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、及びメトトレキサート(Trexall(登録商標))からなる群から選択される。
【0036】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、約5乃至約50mg/日の量で投与される。
【0037】
一の実施態様において、レナリドミドが約5、10、15、25、30、又は50mg/日の量で投与される。
【0038】
一の実施態様において、ポマリドミドが約5、10、15、25、30、又は50mg/日の量で投与される。
【0039】
一の実施態様において、サリドマイドが約5、10、15、25、30、又は50mg/日の量で投与される。
【0040】
一の実施態様において、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0041】
一の実施態様において、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0042】
一の実施態様において、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0043】
一の実施態様において、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0044】
一の実施態様において、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0045】
一の実施態様において、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが0.5mg乃至20mg/日の間の量で投与される。
【0046】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物が1日に2回投与される。
【0047】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物が経口投与される。
【0048】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物がカプセル中で又は錠剤で投与される。
【0049】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、28日サイクルにおいて、21日間投与され、その後7日間休む。
【0050】
(5.1 化合物)
本明細書において提供される方法で使用するのに適した化合物は、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(「化合物A」)、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/若しくは他の免疫調節化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体である。
【0051】
本明細書において提供される方法のための化合物は、これらに限定されないが共にG.W. Mullerらの米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号に記載されている置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールを包含する。本明細書において開示されるさらに他の特定の化合物は、そのそれぞれが引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6,395,754号、第6,555,554号、第7,091,353号、米国特許公開第2004/0029832号、及び国際公開第WO 98/54170号に開示されているイソインドール-イミドの種類に属する。
【0052】
化合物A、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンは、下記の構造:
【化1】
を有する。
【0053】
化合物Aは、本明細書において提供された実施例又はその開示の全体が引用により本明細書に組み込まれている米国特許第7,635,700号に記載される方法に従って、調製することができる。化合物は、本明細書における教示に基づいて、当業者に明らかな他の方法に従って合成することもできる。ある種の実施態様において、固体化合物Aは、その全体が引用により本明細書に組み込まれている2012年3月9日に出願された米国仮特許出願第13/417,055号に記載されるような結晶質固体である。
【0054】
また本明細書において提供されるのは、式(I)の化合物:
【化2】
又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である
(式中:
Xは、C=O又はCH
2であり;
R
1は、-Y-R
3であり;
R
2は、H又は(C
1〜C
6)アルキルであり;
Yは:6〜10員アリール、ヘテロアリール、若しくは複素環であって、そのそれぞれが一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換されていてもよいもの;又は結合であり;
R
3は:-(CH
2)
n-アリール、-O-(CH
2)
n-アリール、又は-(CH
2)
n-O-アリールであって、アリールが一又は二以上の:それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換された(C
1〜C
6)アルキル;それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで置換された(C
1〜C
6)アルコキシ;オキソ;アミノ;カルボキシル;シアノ;ヒドロキシル;ハロゲン;重水素;一若しくは二以上の(C
1〜C
6)アルキル、(C
1〜C
6)アルコキシ、若しくはハロゲンで任意選択で置換された6〜10員アリール若しくはヘテロアリール;-CONH
2;又はアルキルが一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換されていてもよい-COO-(C
1〜C
6)アルキルによって、任意選択で置換されたもの;
-(CH
2)
n-複素環、-O-(CH
2)
n-複素環、又は-(CH
2)
n-O-複素環であって、複素環が一又は二以上の:それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換された(C
1〜C
6)アルキル;それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで置換された(C
1〜C
6)アルコキシ;オキソ;アミノ;カルボキシル;シアノ;ヒドロキシル;ハロゲン;重水素;一若しくは二以上の(C
1〜C
6)アルキル、(C
1〜C
6)アルコキシ、若しくはハロゲンで任意選択で置換された6〜10員アリール若しくはヘテロアリール;-CONH
2;又はアルキルが一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換されていてもよい-COO-(C
1〜C
6)アルキルによって、任意選択で置換されたもの;或いは
-(CH
2)
n-ヘテロアリール、-O-(CH
2)
n-ヘテロアリール、又は-(CH
2)
n-O-ヘテロアリールであって、ヘテロアリールが一又は二以上の:それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換された(C
1〜C
6)アルキル;それ自体が一若しくは二以上のハロゲンで置換された(C
1〜C
6)アルコキシ;オキソ;アミノ;カルボキシル;シアノ;ヒドロキシル;ハロゲン;重水素;一若しくは二以上の(C
1〜C
6)アルキル、(C
1〜C
6)アルコキシ、若しくはハロゲンで任意選択で置換された6〜10員アリール若しくはヘテロアリール;-CONH
2;又はアルキルが一若しくは二以上のハロゲンで任意選択で置換されていてもよい-COO-(C
1〜C
6)アルキルによって、任意選択で置換されたもの
であり;
nは、0、1、2、又は3である。)。
【0055】
一の実施態様において、式(I)の化合物の例は、これらに限定されないがその開示の全体が引用により本明細書に組み込まれている米国特許公開第2011/0196150号に記載された化合物を包含する。いくつかの実施態様において、化合物は、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体からなる群から選択される。
【0056】
いくつかの実施態様において、本明細書において提供されるある種の化合物は、本明細書において提供された実施例又はその開示の全体が引用により本明細書に組み込まれている2012年8月9日に出願された米国仮特許出願第61/681,447号に記載されている方法に従って、調製することができる。
【0057】
仮に、表現された構造とその構造に与えられた名称との間に食い違いがあるならば、表現された構造により多くのウェイトが与えられることに気づくべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、ボールド体又は点線で示されていないならば、その構造又は構造の一部は、その構造の全ての立体異性体を包含していると解釈されることとなっている。
【0058】
(5.2 定義)
本明細書に記述される開示の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0059】
用語「被験者」又は「患者」は、霊長類(例えばヒト)、牛、羊、山羊、馬、犬、猫、兎、ラット又はマウスを含む哺乳類を含めて、但しこれらに限定されることなく、動物を指す。本明細書において、用語「被験者」及び「患者」は、例えばヒト被験者のような哺乳類被験者を指して、交換可能に使用される。
【0060】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、疾患(disease)又は病気(disorder)の、又は当該疾患若しくは病気に関連する一又は二以上の症状の、根絶又は改善を指す。ある種の実施態様において、当該用語は、一又は二以上の予防又は治療剤の、そのような疾患若しくは病気に罹っている患者への投与の結果として、疾患若しくは病気の広がり又は悪化を最小化することを指す。いくつかの実施態様において、当該用語は、具体的な疾患の症状の発現後における、本明細書において提供される化合物の、他の追加の活性薬剤と一緒の又はそのような活性薬剤なしでの投与を指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「予防する」、「予防している」及び「予防」は、疾患若しくは病気の、又はその一若しくは二以上の症状の、発現、再発若しくは広がりの予防を指す。ある種の実施態様において、当該用語は、症状の発現前における、特に本明細書において提供される疾患若しくは病気の危険性のある患者への、他の追加の活性化合物と一緒の又はそのような活性化合物なしでの、本明細書において提供される化合物での治療又は当該化合物の投与を指す。当該用語は、具体的な疾患の症状の阻害又は軽減を包含する。特に、ある疾患の家族歴のある患者は、ある種の実施態様において、予防的投与計画の対象である。加えて、再発症状の履歴がある患者もまた、予防のための潜在的な対象者である。この点に関して、用語「予防」は、用語「予防的治療」と交換可能に使用され得る。
【0062】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「管理する」、「管理している」又は「管理」は、疾患若しくは病気の、又はその一若しくは二以上の症状の、進行、広がり又は悪化を予防又は遅延させることを指す。しばしば、患者が予防剤及び/又は治療剤から得る有益な効果が、疾患若しくは病気の治癒をもたらさない。この観点において、用語「管理している」は、当該疾患の再発を予防又は最小化しようとして、又は寛解にとどまっている時間を長くしようとして、特定の疾患に罹患した患者を治療していることを包含する。
【0063】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、化合物の、用語「治療的に有効な量」は、疾患若しくは病気の治療若しくは管理において治療の恩恵を提供するのに、又は疾患若しくは病気に関連する一若しくは二以上の症状を遅らせるか又は最小にするために、十分な量である。化合物の治療的に有効な量は、単独での若しくは他の療法との組合せでの、当該疾患若しくは病気の治療若しくは管理に治療の恩恵を提供する治療剤の量を意味する。用語「治療的に有効な量」は、総合的な治療を改善し、疾患若しくは病気の症状若しくは原因を低減させ若しくは避けさせる、又は他の治療剤の治療効果を高める量を包含し得る。
【0064】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、化合物の「予防的に有効な量」は、疾患若しくは病気の予防、又はその再発の予防に十分な量である。化合物の予防的に有効な量は、単独での若しくは他の薬剤との組合せでの、疾患の予防において予防の恩恵を提供する治療剤の量を意味する。用語「予防的に有効な量」は、総合的な予防を改善し又は他の予防剤の予防有効性を高める量を包含し得る。
【0065】
用語「薬学的に許容され得る担体」、「薬学的に許容され得る賦形剤」、「生理学的に許容され得る担体」、又は「生理学的に許容され得る賦形剤」は、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤、又は封入材料のような、薬学的に許容され得る物質、組成物、又はビヒクルを指す。一の実施態様において、各成分は、医薬処方の他の原料と混合可能という意味において、そして合理的な利益/危険比で釣り合っており、度を超えた毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織又は臓器と接触しての使用に適するという意味において、「薬学的に許容可能」である。レミントン(Remington)の文献:The Science and Practice of Pharmacy,第21版;リッピンコット ウィリアム及びウィルキンズ(Lippincott Williams & Wilkins)の文献,フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2005; Handbook of Pharmaceutical Excipients, 第5版;ロゥエ(Rowe)ら編,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;及びHandbook of Pharmaceutical Additives,第3版;アッシュ及びアッシュ(Ash and Ash)編, Gower Publishing Company: 2007; Pharmaceutical Preformulation and Formulation, ギブソン(Gibson)編, CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2004)を参照されたい。
【0066】
本明細書において使用される場合、「腫瘍」は、悪性・良性に関わらず、全ての新生物細胞の成長及び増殖と、全ての前癌状態及び癌状態の細胞及び組織を指す。本明細書で使用される場合、「新生の」は、悪性・良性に関わらず、異常な組織成長をもたらす無調節な又は制御されていない細胞成長のいずれかの形態を指す。したがって、「新生細胞」は、無調節な又は制御されていない細胞成長を有する、悪性又は良性の細胞を包含する。
【0067】
用語「再発した」は、治療後に癌の寛解に至った被験者又は哺乳類が、癌細胞の再来を受けるという状況を指す。
【0068】
本明細書で使用される場合、「有効な患者腫瘍の反応」は、患者に対する、治療の恩恵における何らかの増加を指す。「有効な患者腫瘍の反応」は、腫瘍の進行率において、例えば5%、10%、25%、50%、又は100%の低減であることができる。「有効な患者腫瘍の反応」は、癌の身体的症状において、例えば、5%、10%、25%、50%、又は100%の低減であることができる。「有効な患者腫瘍の反応」は、遺伝子発現、細胞計数、分析結果その他のような何らかの適切な手段で測定したときに、患者の反応における、例えば、5%、10%、25%、50%、100%、200%、又はそれを超える増加であることもできる。
【0069】
用語「可能性」は、一般的にある事象の起こる確率の増加を指す。患者腫瘍の反応の有効性に関して使用される場合、用語「可能性」は、一般的に、腫瘍の進行率又は腫瘍細胞成長が減少するであろうということについて、増大した確率を予期する。患者腫瘍の反応の有効性に関して使用される場合、用語「可能性」は、また、一般的に、腫瘍の治療において進行の増大の証拠であり得る、mRNA又はタンパク質の発現のような指標の増大を意味する。
【0070】
用語「予測する」は、一般的に、前もって決定し又は伝えることを意味する。例えば、癌治療の有効性を「予測する」というように使用される場合、用語「予測する」は、治療が始まる前に、又は治療期間が実質的に進行する前に、癌治療の結果の可能性が最初に決定され得ることを意味し得る。
【0071】
用語「監視する」は、本明細書で使用される場合、一般的に、活性の監視、管理、制御、観察、追跡、又は監督を指す。例えば、用語「化合物の有効性を監視する」は、患者の癌治療において又は腫瘍細胞培養において、有効性の追跡を指す。同様に、個別に又は治験において、患者の薬剤服用順守との関連で使用する場合、「監視する」は、患者が実際に、規定通りに試験される免疫調節化合物を取っていることの追跡又は確認を指す。監視は、例えば、mRNA又はタンパク質バイオマーカーの発現を追跡することで、実施され得る。
【0072】
癌又は癌関連疾患の改善は、完全な又は部分的な反応として特徴付けられ得る。「完全な反応」は、何らかの従前の異常な放射線学的検査、骨髄、及び脳脊髄液(CSF)又は異常な単クローン性タンパク質測定の正常化を伴って、臨床的に検出可能な疾患が無いことを指す。「部分的な反応」は、新たな病変なしに、全ての測定可能な腫瘍負荷(即ち、被験者中に存在する悪性細胞の数、又は腫瘍塊の測定された容積若しくは異常単クローン性タンパク質の量)の、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の低減を指す。用語「治療」は、完全な及び部分的な反応の両者をもくろむ。
【0073】
用語「難治性又は抵抗性」は、集中的な治療の後でさえ、被験者又は哺乳類が、その体内に残りの癌細胞を有している状況を指す。
【0074】
用語「薬物抵抗性」は、疾患が薬物(単数)又は薬物(複数)での治療に反応しない状態を指す。薬物抵抗性は、本質的であり得、これは、疾患が決して薬物(単数)又は薬物(複数)に反応性ではないことを意味し、又は後天的であり得、これは、その疾患に対して従前は反応していた薬物(単数)又は薬物(複数)に、その疾患が反応しなくなることを意味する。ある種の実施態様において、薬物抵抗性は本質的である。ある種の実施態様において、薬物抵抗性は後天的である。
【0075】
化合物を用いる治療に関連して使用されたとき、用語「感受性」及び「感受性であること」は、治療される腫瘍又は疾患の進行の減少又は低減において、化合物の有効性の程度を指す相対的な用語である。例えば、ある化合物に関連して、細胞又は腫瘍の治療に関して使用される場合、用語「増大した感受性」は、腫瘍治療の有効性における、少なくとも5%、又はそれを超える増大を指す。
【0076】
用語「発現された」又は「発現」は、本明細書で使用される場合、遺伝子の二本の核酸らせん構造の一本の領域に少なくとも一部において相補的なRNA核酸分子を与える、遺伝子からの転写を指す。用語「発現された」又は「発現」は、本明細書で使用される場合、タンパク質、ポリペプチド又はその一部を与える、RNA分子からの翻訳も指す。
【0077】
「上方制御されている」mRNAは、一般的に、与えられた治療又は状態において増加されている。「下方制御されている」mRNAは、一般的に、与えられた治療又は状態に反応した、mRNAの発現レベルにおける低減を指す。いくつかの状況において、mRNAレベルは、与えられた治療又は状態において変化しないままであり得る。
【0078】
患者試料に由来するmRNAは、免疫調節化合物で治療されるとき、治療されていない対照と比べて、「上方制御されている」ことができる。この上方制御は、例えば、比較される対照mRNAレベルの、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、90%、100%、200%、300%、500%、1,000%、5,000%又はそれを超える増加であり得る。
【0079】
一方、mRNAは、ある種の免疫調節化合物又は他の薬剤の投与に反応して、「下方制御されている」又はより低レベルで発現されていることができる。下方制御されたmRNAは、例えば、比較される対照mRNAレベルの、約99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%又はそれを下回るレベルで存在し得る。
【0080】
同様に、患者試料からのポリペプチド又はタンパク質バイオマーカーのレベルは、免疫調節化合物で治療されるとき、治療されていない対照と比べて増加され得る。この増加は、比較される対照タンパク質レベルの、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、90%、100%、200%、300%、500%、1,000%、5,000%又はそれを超えるものであり得る。
【0081】
代わりに、タンパク質バイオマーカーのレベルは、ある種の免疫調節化合物又は他の薬剤の投与に反応して、低下され得る。この低下は、例えば、比較される対照タンパク質レベルの、約99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%又はそれを下回るレベルで存在し得る。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「測定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」、「評価する(assessing)」及び「アッセイする」は、一般的に、測定のいずれかの形態を指し、そして、ある成分が存在する可否かを測定することを包含する。これらの用語は、定量的及び/又は定性的測定の両者を包含する。評価することは、相対的又は絶対的であり得る。「存在を評価すること」は、それが存在するか又はしないかを決定することのみならず、存在する何かの量を測定することも包含し得る。
【0083】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「薬学的に許容され得る塩」は、その用語が参照する化合物の非毒性の酸及び塩基付加塩を包含する。許容され得る非毒性酸付加塩は、例えば、塩酸、 臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニチン酸、サリチル酸、フタル酸、塞栓(embolic)酸、エナント酸等を包含する当該技術分野で公知の有機及び無機酸又は塩基に由来するものを包含する。
【0084】
その性質が酸性である化合物は、様々な薬学的に許容され得る塩基とともに、塩を形成することができる。そのような酸性化合物の薬学的に許容され得る塩基付加塩を調製するために使用され得る塩基は、非毒性塩基付加塩、即ち、これらには限定されないが、アルカリ金属 又はアルカリ土類金属塩、そして具体的にはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム又はカリウム塩、薬学的に許容され得る陽イオンを含有する塩を形成するものである。適切な有機塩基は、これらに限定されないが、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(meglumaine)(N-メチルグカミン)、リシン及びプロカインを包含する。
【0085】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「溶媒和物」は、本明細書において提供される化合物又はその塩を意味し、それは、さらに、非共有分子間力によって結合された化学量論量の又は非化学量論量の溶剤を含む。当該溶剤が水である場合、当該溶媒和物は水和物である。
【0086】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「プロドラッグ」は、ある化合物の誘導体であって、当該化合物を提供するように、生物学的状況(イン・ビトロ又はイン・ビボ)の下で加水分解され得、酸化され得、又は反応し得るものを意味する。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、本明細書において提供される化合物の誘導体であって、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド、及び生物加水分解性ホスフェイト類似体のような生物加水分解性部分を含むものを包含する。プロドラッグの他の例は、-NO、-NO
2、-ONO、又は-ONO
2部分を含む、本明細書において提供される化合物の誘導体を包含する。プロドラッグは、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 172-178, 949-982 (マンフレッド イー ウォルフ(Manfred E. Wolff)編、第五版 1995)、及びDesign of Prodrugs (エイチ バンドガード(H. Bundgaard)編, Elselvier,ニューヨーク 1985)に記載されているような方法を使用して、調製され得る。
【0087】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「生物加水分解性アミド」、「生物加水分解性エステル」、「生物加水分解性カルバメート」、「生物加水分解性カーボネート」、「生物加水分解性ウレイド」、及び「生物加水分解性ホスフェイト」は、1) 当該化合物の生物活性を妨げず、摂取、作用の継続、又は作用の発現のようなイン・ビボにおける当該化合物の有利な性質をもたらし得るか、又は2)生物学的に不活性であるが、イン・ビボで生物学的に活性な化合物に変えられるもののいずれかであって、それぞれ、化合物のアミド、エステル、カーバメート、カーボネート、ウレイド、又はホスフェイトを意味する。生物加水分解性エステルの例は、これらに限定されないが、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチル・エステルのような)、ラクトニルエステル(フタリジル及びチオフタリジル・エステルのような)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニル−オキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチル・エステルのような)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(アセタミドメチル・エステルのような)を包含する。生物加水分解性アミドの例は、これらに限定されないが、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドを包含する。生物加水分解性カルバメートの例は、これらに限定されないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環及びヘテロ芳香族環アミン、及びポリエーテルアミンを包含する。
【0088】
本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「立体化学的に純粋」は、化合物の一つの立体異性体を含み、当該化合物の他の立体異性体が実質的に含まれていない組成物を意味する。例えば、不斉中心を有する化合物の立体化学的に純粋な組成物は、当該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まないであろう。二つの不斉中心を有する化合物の立体化学的に純粋な組成物は、当該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。ある種の実施態様において、立体化学的に純粋な化合物は、約80重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約20重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、約90重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約10重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、約95重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約5重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを、又は約97重量%を超える当該化合物の一つの立体異性体と、約3重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含む。本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「立体化学的に(stereomerically)濃縮されている」は、約60重量%を超えるある化合物の一つの立体異性体、約70重量%を超える、又は約80重量%を超えるある化合物の一つの立体異性体を含む組成物を意味する。本明細書で使用される場合、別途特定されなければ、用語「鏡像異性的に純粋」は、一つの不斉中心を有する化合物の立体化学的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語「立体化学的に(stereomerically)濃縮されている」は、一つの不斉中心を有する化合物の立体化学的に(stereomerically)濃縮されている組成物を意味する。
【0089】
用語「約」又は「およそ」は、測定された特定の値について、当業者が許容できる誤差を意味し、これは、一部において、その値がどのように測定され(measured)又は測定された(determined)かによる。ある種の実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。ある種の実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、与えられた値又は範囲の、50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0090】
(5.3 癌の承認のための臨床での追跡評価項目)
「全生存」は、何らかの原因による死までの無作為化された時間として定義され、且つ、包括解析集団において測定される。全生存は、無作為化されコントロールされた研究において評価されるべきである。全生存における統計的に意味のある改善の証拠は、毒性のプロファイルが受け入れ可能であるならば臨床的に意味があると考慮され得、そしてしばしば新薬承認をサポートする。
【0091】
いくつかの評価項目は、腫瘍の評価に基づいている。これらの評価項目は、無病生存率(DFS)、客観的奏功率(ORR)、無憎悪期間(TTP)、無憎悪生存率(PFS)、及び治療成功期間(TTF)を包含する。これらの時間依存性評価項目におけるデータの収集及び解析は、間接的評価、計算、及び推定(例えば、腫瘍の測定)に基づく。
【0092】
一般的に、「無病生存率」(DFS)は、腫瘍の再発又は何らかの原因による死までの無作為化からの時間として定義される。全生存は、大部分の補助療法のための従来の評価項目であるけれども、DFSは、生存が引き延ばされ得た状況において、生存評価項目を非現実的なものにする重要な評価項目であり得る。DFSは、臨床上の恩恵を代理することができ、又は、臨床上の恩恵の直接的証拠を提供することができる。この測定は、効果の大きさ、そのリスク-便益関係、及び疾患状況に基づいている。特にその従前の腫瘍進行の記録なしに死が書き留められている場合、DFSの定義は理解され難い。これらの出来事は、疾患の再発又は打ち切り事象として記録され得る。死の統計分析のためのすべての方法は、いくつかの制限を有しているけれども、すべての死(すべての原因の死)を再発として考慮することは、不公平な判断を最小化できる。DFSは、特に観察のない長い期間の後に死亡する患者においては、この定義を使用して過大評価され得る。試験群間において長期間の追跡調査のための訪問の頻度が同様ではないか、又は、毒性のための脱落がランダムではないならば、不公平な判断が導入され得る。
【0093】
客観的奏功率(ORR)は、最小期間で所定量の腫瘍サイズの低下があった患者の比率として定義される。反応継続時間は、普通は、最初の反応の時から記録された腫瘍進行までが測定される。一般的に、FDAは、ORRを、部分的反応と完全な反応の合計として定義している。このようなやり方で定義するとき、ORRは薬物の抗腫瘍活性の直接的尺度であり、それは、単一アーム研究において評価され得る。可能な場合には、標準化された基準は、反応を突き止めるために使用されるべきである。様々な反応基準は、適切であると考えられる(例えば、RECIST基準)(ゼラッセ(Therasse)らの文献、(2000) J. Natl. Cancer Inst, 92: 205-16)。ORRの意義は、その大きさ及び継続時間によって、並びに完全な反応の百分率(腫瘍が検出されない証拠)によって評価される。
【0094】
「無憎悪期間」(TTP)及び「無憎悪生存率」(PFS)は、薬物承認の主要評価項目としての役割を果たす。TTPは、無作為化から客観的腫瘍進行までの時間として定義され;TTPは、死を含まない。PFSは、無作為化から客観的腫瘍進行又は死までの時間として定義される。TTPと比べてPFSは、好ましい、調整された評価項目である。PFSは死を包含し、したがって、全体的な生存に対してより良く相関し得る。PFSは、患者の死が腫瘍進行に無作為に関係付けられているとみなす。しかしながら、死の大多数が癌とは関係していない状況においては、TTPは、許容され得る評価項目であり得る。
【0095】
薬物承認をサポートする評価項目として、PFSは腫瘍の成長を反映することができ、且つ、生存の恩恵の決定の前に評価され得る。その決定は、その後の治療によって混乱させられない。既定の試料サイズのために、PFSの効果の大きさは、全体としての生存の効果よりも大きくなり得る。しかしながら、存在する多くの異なる悪性腫瘍についての、生存の代理としてのPFSの形式的確認は、困難であり得る。データは、生存の効果とPFSとの間において、関係の着実な評価を為さしめるために、時には不十分である。癌の検査はしばしば小さく、且つ、存在する薬物の証明された生存の恩恵は、一般的に控えめである。認可承認をサポートするための評価項目としてのPFSの役割は、異なる癌の状況において様々である。PFSの改善が直接的な臨床上の恩恵又は臨床上の恩恵の代理を示すか否かは、利用できる治療と比べて、新たな治療の効果の大きさ及びリスク−便益による。
【0096】
「治療成功期間」(TTF)は、無作為化から何らかの理由、これは疾患の進行、治療毒性及び死を包含するが、による治療の中止までの時間を測定する、複合評価項目として定義される。TTFは、薬物承認のための規制評価項目としては勧められない。TTFは、これらの追加の変数から、有効性が十分に区別されていない。規制評価項目は、毒性、患者又は医師の離脱、又は患者の不耐性から、薬物の有効性を明確に区別すべきである。
【0097】
(5.4 第二の活性薬剤)
本明細書において提供される化合物は、本明細書において提供される方法及び組成物において、一又は二以上の他の薬理学的に活性な化合物(「第二の活性薬剤」)と組み合わされてもよい。ある種の組み合わせが、特定のタイプの癌及び望ましくない血管形成と関連し又はそれによって特徴付けられたある種の疾患又は状況の治療において相乗的に働く。本明細書において提供される化合物は、ある種の第二活性薬剤に関連する副作用を緩和するようにも働き得、そして、いくつかの第二の活性薬剤は、本明細書において提供される化合物に関連する副作用を緩和するために使用され得る。
【0098】
一又は二以上の第二の活性成分又は活性薬剤は、本明細書において提供される方法及び組成物において、本明細書において提供される化合物の一又は二以上と共に使用することができる。第二の活性薬剤は、大分子(例えばタンパク質)であることができ又は小分子(例えば、合成無機、有機金属、又は有機分子)であることができる。
【0099】
大分子活性薬剤の例は、これらに限定されないが、造血成長因子、サイトカイン、及び単クローン性及び多クローン性抗体を包含する。ある種の実施態様において、大分子活性薬剤は、天然に存在する又は人工的に作られたタンパク質のような生物学的分子である。この開示において特に有用なタンパク質は、イン・ビトロ又はイン・ビボにおいて、造血前駆細胞及び免疫学的に活性な形成(poietic)細胞の生存及び/又は増殖を刺激するタンパク質を包含する。他の物質が、イン・ビトロ又はイン・ビボにおいて、細胞中の委ねられた赤芽球前駆細胞の細胞分裂及び分化を刺激する。具体的なタンパク質は、これらに限定されないが、IL-2(組み換えIL-II(“rIL2”)及びカナリア痘IL-2を包含して)、IL-10、IL-12、及びIL-18のようなインターロイキン;インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、及びインターフェロンγ-Ibのようなインターフェロン;GM-CF及びGM-CSF;及びEPOを包含する。
【0100】
開示の方法及び組成物において使用され得る具体的なタンパク質は、これらに限定されないが、フィルグラスチム(filgrastim)、これは、米国において商品名NEUPOGEN(登録商標)(アムジェン(Amgen)、サウザンド・オーク、カリフォルニア州)で販売されている;サルグラモスチム(sargramostim)、 これは、米国において商品名LEUKINE(登録商標)(イムネックス(Immunex)、シアトル、ワシントン州)で販売されている;及び組み換えEPO、これは、米国において商品名EPGEN(登録商標)(アムジェン(Amgen)、サウザンド・オーク、カリフォルニア州)で販売されている、を包含する。
【0101】
GM-CSFの組換え体及び突然変異型は、これらの各々の開示の全てが、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,391,485号、同第5,393,870号、及び同第5,229,496号に記載されているようにして、調製され得る。G-CSFの組換え体及び突然変異型は、これらの各々の開示の全てが、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第4,810,643号、同第4,999,291号、同第5,528,823号及び同第5,580,755号に記載されているようにして、調製され得る。
【0102】
この開示は、天然の、自然発生の、又は組み換えタンパク質の使用を包含する。その開示は、さらに、自然発生のタンパク質の突然変異体及び誘導体(例えば、修飾体)であって、その突然変異体及び誘導体が基礎としているタンパク質の薬学的活性の少なくともいくつかをイン・ビボで示すものを包含する。突然変異体の例は、これらに限定されないが、タンパク質であって、それらのタンパク質の自然発生型における対応する残基とは異なる一又は二以上のアミノ酸残基を有するものを包含する。また、「突然変異体」の用語によって包含されるものは、タンパク質であって、それらの自然発生型には通常は存在する糖質部分を欠くもの(例えば、非グリコシル化型)である。誘導体の例は、これらに限定されないが、IgG1若しくはIgG3がタンパク質若しくは対象のタンパク質の活性部分に融合することによって形成されたタンパク質のような、ペグ化された誘導体及び融合タンパク質を包含する。例えば、ペニチェット エム エル(Penichet, M.L.)及びモリソン エス エル(Morrison, S.L.)の文献、J. Immunol. Methods 248:91-101 (2001)を参照されたい。
【0103】
本明細書において提供される化合物との組み合わせで使用され得る抗体は、単クローン性抗体及び多クローン性抗体を包含する。抗体の例は、これらに限定されないがトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastatin(商標))、ペルツズマブ(Perjeta(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、パニツムマブ、及びG250を包含する。本明細書において提供される化合物は、また、抗-TNF-α抗体と組み合わせられ得、又は、抗-TNF-α抗体との組み合わせにおいて使用され得る。
【0104】
大分子活性薬剤は、抗癌ワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL-2、SCF、CXCl4(血小板因子4)、G-CSF、及びGM-CSFのようなサイトカインを、分泌するか又は分泌を引き起こすワクチンが、開示された方法、医薬組成物、及びキットにおいて使用され得る。例えば、エメンス エル エー(Emens, L.A.)らの文献、Curr. Opinion Mol. Ther. 3(1):77-84 (2001)を参照されたい。
【0105】
小分子である第二の活性薬剤は、また、本明細書において提供される化合物の投与に関連する副作用を軽減するために使用され得る。しかしながら、いくつかの大分子と同様に、多くのものは、本明細書において提供される化合物と共に(例えば、前、後、又は同時に)投与されたときに、相乗効果を提供できると信じられている。小分子第二の活性薬剤の例は、これらに限定されないが、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドを包含する。
【0106】
抗癌剤の例は、これらに限定されないが、アブラキサン(登録商標);アンギオテンシン変換酵素11(ace-11);アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール(acodazole);アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アムルビシン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキュイナール・ナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン;カラセミド;カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴル;セレコキシブ(COX-2阻害剤);クロルアンブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デユアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロックスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン(flurocitabine);フォスキドン;フォストリエシン・ナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ハーセプチン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;ラパチニブ;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソール・ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサート・ナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン(oxisuran);パクリタキセル;ペガスパルガセ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポリフィマー・ナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン(riboprine);ロミデプシン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセート・ナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;PDA-001のような幹細胞治療剤;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール(sulofenur);タリソマイシン;テコガラン・ナトリウム;タキソテール;テガファー;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシル・マスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンリューロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及び塩酸ゾルビシンを包含する。
【0107】
他の抗癌薬は、これらに限定されないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK拮抗薬;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸、アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗新生物薬;アンチセンス・オリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス制御剤;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;β-ラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;b-FGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニン・スルフォキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;;CaRest M3;CARN 700;軟骨組織由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルランズ(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コムブレタスタチンA4;コムブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシン(curacin)A;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタクソール、9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エデレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;フォルフェニメクス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウム・テキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレン・ビスアセタミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イマチニブ(例えばGLEEVEC(登録商標))、イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドクソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメルラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;リュープロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレクソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルアトテカン;ルテチウム・テクサフィリン;リソフィリン;細胞溶解性ペプチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックス・メタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビタックス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリアの細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロクソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節剤;窒素酸化物抗酸化剤;ニツルリン(nitrullyn); O
6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);口腔サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼルリプチン;ペガスパルガセ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化物質阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピル ビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫制御薬;プロテインキナーゼC阻害剤(単数);プロテインキナーゼC阻害剤(複数);ミクロアルガル;プロテイン・チロシン・ホスファターゼ阻害剤;プリン・ヌクレオシド・ホスフォリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビン・ポリオキシエチレン接合体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテルリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロクイニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴル;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣薬;セムスチン;セネスセンス由来阻害剤1;センス・オリゴヌクレオチド;シグナル変換阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作動性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タルリムスチン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガファー;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;チモポエチン受容体作動薬;チモトリナン;チロイド刺激ホルモン;エチルエチオプルプリン錫;チラパザミン;チタノセン・ビクロリド;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルディンス(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタンチン・スチマラマーを包含する。
【0108】
いくつかの実施態様において、追加の活性薬剤は、オブリメルセン(GENASENSE(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(DECADRON(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチン、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、ギリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、ARISA(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、リューコボリン、イリノテカン、ゼローダ、CPT-11、インターフェロンα、ペギ化インターフェロンα(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームのダウノルビシン、シタラビン、ドキセタクソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(DOXIL(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(EMCYT(登録商標))、スリンダク、及びエトポシドからなる群から選択される。
【0109】
他の実施態様において、追加の活性薬剤は、タキサン(例えば、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、タンパク質結合パクリタキセル(Abraxane(登録商標)))、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン(Vidaza(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標)))、HDAC阻害剤(例えば、ロミデプシン、ヴォリノスタット、パノビノスタット、バルプロ酸、ベリノスタット、エチノスタット)、HER2阻害剤(例えば、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、ベバシズマブ(Avastatin(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標)))、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromacin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、エリブリン(Halaven(登録商標))、フルオキシメステロン(Halotestin(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、及びメトトレキサート(Trexall(登録商標))からなる群から選択される。
【0110】
(5.5 バイオマーカー)
本明細書において提供されるのは、乳癌治療の有効性を確かめるための、バイオマーカーとしてのmRNA又はタンパク質の使用に関係する方法である。mRNA又はタンパク質レベルは、具体的な薬剤が乳癌治療に成功しそうであるか否かを決定するために使用され得る。
【0111】
生物マーカー又は「バイオマーカー」は、その検出が、特定の生物学的状態、例えば癌の存在のようなもの、を示す物質である。いくつかの実施態様において、当該バイオマーカーは個別に測定され、又はいくつかのバイオマーカーが同時に測定され得る。
【0112】
いくつかの実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスク若しくは進行に又は為された治療に対する疾患の感受性に関係があるかもしれない、mRNAの発現レベルにおける変化を示す。いくつかの実施態様において、当該バイオマーカーは、mRNA又はcDNAのような核酸である。
【0113】
追加の実施態様において、「バイオマーカー」は、リスク、治療に対する感受性又は疾患の進行に関係があるかもしれない、ポリペプチド又はタンパク質の発現レベルにおける変化を示す。いくつかの実施態様において、当該バイオマーカーは、ポリペプチド若しくはタンパク質、又はそれらのフラグメントであり得る。具体的なタンパク質の相対レベルは、当該分野で公知の方法によって決定され得る。例えば、イムノブロット法、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、又は他の方法のような抗体に基づく方法が使用され得る。
【0114】
ある種の実施態様において、バイオマーカーは、セレブロン(cereblon)(「CRBN」)に関連付けられたタンパク質であり、例えばアイオロス(IKZF3)又はイカロス(Ikaros)(IKZF1)である。そのようなタンパク質は、その開示の全体が引用により本明細書に組み込まれている2012年6月29日に出願された米国仮特許出願第61/666,703号に記載されている。
【0115】
本明細書において提供されるのは、局所進行乳癌を治療又は管理するための方法であって:
(i)レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体から選択される化合物を用いる治療に対して感受性である、局所進行乳癌を有する患者を同定すること;及び
(ii)治療的に有効な量の、工程(i)で選択された化合物を、患者に投与すること
を含む方法である。一の実施態様において、治療に対して感受性である局所進行乳癌を有する患者を同定することは、癌の範囲内におけるCRBNの発現、アイオロス(IKZF3)又はイカロス(IKZF1)の発現のレベルを検出することを含む。
【0116】
他の実施態様において、本明細書において提供されるのは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、又はその立体異性体、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体による投薬に対して、臨床応答を予測し、臨床応答を監視し、又は患者の薬剤服用順守を監視することを目的として、癌の範囲内におけるCRBN発現レベル、又はアイオロス(IKZF3)若しくはイカロス(IKZF1)発現レベルに基づいて、局所進行乳癌患者の群を選択する方法である。
【0117】
また本明細書において提供されるのは、これらに限定されないがアイオロス(IKZF3)又はイカロス(IKZF1)遺伝子を包含するCRBN遺伝子内の突然変異の存在又は出現に基づいて、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン療法に抵抗性である、局所進行乳癌患者を同定又は監視する方法である。
【0118】
(5.6 治療、予防、及び/又は管理する方法)
一の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を患者に投与することを含む、乳癌を治療、予防、及び/又は管理する方法である。
【0119】
また、本明細書において提供されるのは、前もって乳癌の治療がなされたが、標準治療に対して反応性ではない患者も、前もっての治療が行われていない患者をも治療する方法である。いくつかの実施態様において、本明細書において提供されるのは、いくつかの疾患又は病気はある年齢群においてより一般的であるけれども、患者の年齢にかかわらず、患者を治療する方法である。他の実施態様において、本明細書において提供されるのは、問題となっている疾患又は状態を治療するための試みにおいて手術を受けた患者も、そして手術を受けていない患者をも、治療する方法である。乳癌患者は、均一ではない臨床兆候及び多様な臨床上の経過及び結果を有するので、患者になされる治療は患者の予後によって多様であり得る。熟練した臨床医は、過度の実験なしに、個々の癌患者を治療するために有効に使用され得る、具体的な第二剤、手術のタイプ、及び薬物に基づかない標準治療のタイプを、容易に決定することができるであろう。
【0120】
ある種の実施態様において、乳癌は固体腫瘍である。ある種の実施態様において、固体腫瘍は転移性である。ある種の実施態様において、固体腫瘍は薬物抵抗性である。
【0121】
ある種の実施態様(複数)において、当該化合物の治療又は予防有効量は、約0.005乃至約1,000mg/日、約0.01乃至約500mg/日、約0.01乃至約250mg/日、約0.01乃至約100 mg/日、約0.1乃至約100mg/日、約0.5乃至約100mg/日、約1乃至約100mg/日、約0.01乃至約50mg/日、約0.1乃至約50mg/日、約0.5乃至約50mg/日、約1乃至約50mg/日、約0.02乃至約25mg/日、又は約0.05乃至約10mg/日である。
【0122】
ある種の実施態様(単数)において、治療又は予防有効量は、約0.005乃至約1,000mg/日、約0.01乃至約500mg/日、約0.01乃至約250mg/日、約0.01乃至約100 mg/日、約0.1乃至約100mg/日、約0.5乃至約100mg/日、約1乃至約100mg/日、約0.01乃至約50mg/日、約0.1乃至約50mg/日、約0.5乃至約50mg/日、約1乃至約50mg/日、約0.02乃至約25mg/日、又は約0.05乃至約10mg/一日おきである。
【0123】
ある種の実施態様において、当該化合物の治療又は予防有効量は、約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、又は約150mg/日である。
【0124】
一の実施態様において、本明細書において記載された状態のための本明細書において提供される化合物の推奨される1日当たりの用量範囲は、約0.5mg乃至約50mg/日の範囲内にあり、それは、好ましくは単回投与の1日1回用量として、又は1日を通して分割された用量において与えられる。いくつかの実施態様において、その用量は約1mg乃至約50mg/日の範囲内である。他の実施態様において、その用量は、約0.5乃至約5mg/日の範囲内である。1日当たりの具体的用量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50mg/日を包含する。
【0125】
具体的な実施態様において、推奨される当初の容量は、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25又は50mg/日であり得る。他の実施態様において、推奨される当初の容量は、0.5、1、2、3、4、又は5mg/日であり得る。その用量は、15、20、25、30、35、40、45及び50mg/日に段階的に増量され得る。具体的な実施態様において、当該化合物は、乳癌患者に、約25mg/日の量で投与され得る。特定の実施態様において、当該化合物は、乳癌患者に、約10mg/日の量で投与され得る。
【0126】
ある種の実施態様において、治療又は予防有効量は、約0.001 乃至約100 mg/kg/日、約0.01乃至約50mg/kg/日、約0.01乃至約25mg/kg/日、約0.01乃至約10mg/kg/日、約0.01乃至約9 mg/kg/日、0.01乃至約8mg/kg/日、約0.01乃至約7mg/kg/日、約0.01乃至約6 mg/kg/日、約0.01乃至約5mg/kg/日、約0.01乃至約4mg/kg/日、約0.01乃至約3mg/kg/日、約0.01乃至約2 mg/kg/日、又は約0.01乃至約1mg/kg/日である。
【0127】
投薬量は、mg/kg/日以外の単位においても表現され得る。例えば、非経口投与のための用量は、mg/m
2/日として表現され得る。当業者は、被験者の身長若しくは体重、又は両方が与えられれば、(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照されたい)用量をmg/kg/日からmg/m
2/日に如何にして変換するかを容易に知るであろう。例えば、65kgのヒトについての1mg/kg/日という用量は、38mg/m
2/日にほぼ等しい。
【0128】
ある種の実施態様において、投与される化合物の量は、定常状態におけるその化合物の、約0.001乃至約500μM、約0.002乃至約200μM、約0.005乃至約100μM、約0.01乃至約50μM、約1乃至約50μM、約0.02乃至約25μM、約0.05乃至約20μM、約0.1乃至約20μM、約0.5乃至約20μM、又は約1乃至約20μMという範囲内の血漿濃度を提供するのに十分である。
【0129】
他の実施態様において、投与される化合物の量は、定常状態におけるその化合物の、約5乃至約100nM、約5乃至約50nM、約10乃至約100nM、約10乃至約50nM又は約50乃至約100nMという範囲内の血漿濃度を提供するのに十分である。
【0130】
本明細書において使用される場合、用語「定常状態における血漿濃度」は、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体の投与の一定期間後に到達した濃度である。一旦定常状態に到達すると、その化合物の血漿濃度の時間依存性曲線上には、微小のピークと谷がある。
【0131】
ある種の実施態様において、投与される化合物の量は、約0.001乃至約500μM、約0.002乃至約200μM、約0.005乃至約100μM、約0.01乃至約50μM、約1乃至約50μM、約0.02乃至約25μM、約0.05乃至約20μM、約0.1乃至約20μM、約0.5乃至約20μM、又は約1乃至約20μMの範囲内の、その化合物の最高血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分である。
【0132】
ある種の実施態様において、投与される化合物の量は、約0.001乃至約500μM、約0.002乃至約200μM、約0.005乃至約100μM、約0.01乃至約50μM、約1乃至約50μM、約0.01乃至約25μM、約0.01乃至約20μM、約0.02乃至約20μM、約0.02乃至約20μM、又は約0.01乃至約20μMの範囲内の、その化合物の最低血漿濃度(谷濃度)を提供するのに十分である。
【0133】
ある種の実施態様において、投与される化合物の量は、約100乃至約100,000ng
*時間/mL、約1,000乃至約50,000ng
*時間/mL、約5,000乃至約25,000ng
*時間/mL、又は約5,000乃至約10,000 ng
*時間/mLの範囲内の、その化合物の濃度曲線下面積(AUC)を提供するのに十分である。
【0134】
ある種の実施態様において、本明細書において提供される方法の一つで治療される患者は、本明細書において提供される化合物の一又は二以上の投与前に、抗癌療法で治療されていない。ある種の実施態様において、本明細書において提供される方法の一つで治療される患者は、本明細書において提供される化合物の一又は二以上の投与前に、抗癌療法で治療されている。ある種の実施態様において、本明細書において提供される方法の一つで治療される患者は、抗癌療法に対して薬物抵抗性が生じている。
【0135】
いくつかの疾患又は病気は、ある年齢群においてより一般的であるけれども、本明細書において提供される方法は、患者の年齢にかかわらず、患者を治療することを包含する。さらに、本明細書において提供されるのは、問題となっている疾患又は状態を治療する目的で手術を受けた患者も、手術を受けていない患者をも、治療する方法である。癌を患っている被験者は、均一ではない臨床兆候及び多様な臨床上の経過及び結果を有するので、具体的な被験者になされる治療はその者の予後によって多様であり得る。熟練した臨床医は、過度の実験なしに、癌を有する個々の被験者を治療するために有効に使用され得る、具体的な第二薬剤、手術のタイプ、及び薬物に基づかない標準治療のタイプを、容易に決定することができるであろう。
【0136】
いくつかの実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、投与の経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、持続静注、嚢内の注入若しくは点滴、皮下注射、又は埋め込み)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、又は局所の(例えば、経皮的又は局部的な)経路で投与され得る。本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、単独で又は共に、薬学的に許容され得る賦形剤、担体、アジュバント及びビヒクルを伴って適切な用量単位において、投与の各経路に適切な処方が組まれ得る。
【0137】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、経口投与される。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体が、非経口投与される。さらに他の実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、静脈内投与される。
【0138】
本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、例えば、単回の急速静注法、又は経口錠剤若しくは丸薬のような単回投与で;又は、例えば時間をかけた持続注入若しくは時間をかけて分割されたボーラス投与のように、長い時間をかけて、供給され得る。当該化合物は、必要であれば、例えば患者が安定した疾患であるか若しくは退縮であると感じるまで、又は患者が疾患の進行若しくは許容できない毒性を感じるまで、繰り返し投与され得る。例えば、固体腫瘍の安定した疾患は、一般的に、測定可能な病変の直交する直径が、最後の測定時から25%以上増加していないことを意味する。固形癌における反応評価基準(RECIST)ガイドライン、Journal of the National Cancer Institute 92(3): 205-216 (2000)。安定な疾患又はその欠如は、患者の症状の評価、理学的検査、X腺、CAT、PET又はMRIスキャン及び他の一般的に受容されている評価モダリティを使用して画像化された腫瘍の可視化のような、この分野で公知の方法によって決定される。
【0139】
本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日1回(QD)で、又は1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)のように1日に多数回に分けて、投与され得る。加えて、投与は、連続的であり得(即ち、連続した何日間かにおいて毎日(daily)又は毎日(every day))、例えば周期的に断続(即ち、薬物なしの残りの数日間、数週間、又は数カ月間を含めて)であってよい。本明細書において使用される場合、用語「毎日」は、例えば一定期間、本明細書において提供される化合物のような治療用化合物が、毎日1回又は2回以上投与されることを意味することが意図されている。用語「連続的に」は、本明細書において提供される化合物のような治療用化合物が、少なくとも10日乃至52週の連続した期間、毎日投与されることを意味することが意図されている。本明細書において使用されているように、用語「断続的な」又は「断続的に」は、一定間隔毎の又は不規則な間隔での停止及び開始を意味することが意図されている。例えば、本明細書において提供される化合物の断続的な投与は、1乃至6日/週の投与、周期的な投与(例えば、2乃至8週の連続的な毎日の投与と、その後の、1週間までの、投与の無い残りの期間)、又は隔日での投与である。本明細書において使用される場合、用語「循環」は、治療用化合物が、毎日又は連続的に、しかし投与がない期間を伴って、投与されることを意味することが意図されている。
【0140】
いくつかの実施態様において、投与の頻度は、およそ1日1回投与乃至及びおよそ1月1回投与の範囲内である。ある種の実施態様において、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おき、1週間に2回、1週毎、2週毎、3週毎、又は4週間毎である。一の実施態様において、本発明において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日1回投与される。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日2回投与される。さらに他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日3回投与される。さらに他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日4回投与される。
【0141】
ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1日目から6カ月まで、1週から3カ月まで、1週から4週まで、1週から3週まで、又は1週から2週まで、1日1回投与される。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はその薬学的に許容され得る塩若しくは溶媒和物は、1週間、2週間、3週間、又は4週間、1日1回投与される。一の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、1週間、1日1回投与される。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、2週間、1日1回投与される。さらに他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、3週間、1日1回投与される。さらに他の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、4週間、1日1回投与される。
【0142】
(5.6.1 第二の活性薬剤との併用療法)
本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、本明細書に記載される癌の治療及び/又は予防に有用な他の治療剤と組み合わせられ得又は組み合わせて使用され得る。
【0143】
本明細書において使用される場合、用語「組合せで」は、二以上の治療(例えば、一又は二以上の予防剤及び/又は治療剤)の使用を包含する。しかしながら、用語「組合せで」の使用は、疾患又は病気の患者に治療(例えば、予防剤及び/又は治療剤)が為されるその順番を制限しない。第一の治療(例えば、本明細書において提供されている化合物のような予防又は治療剤、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体)が、被験者に対する第二の治療(例えば予防又は治療剤)の実施の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、 6週間、8週間、又は12週間前)に、第二の治療の実施と同時に、又は第二の治療の実施の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、 6週間、8週間、又は12週間後)に、為され得る。三種併用治療も、本明細書において考慮されている。
【0144】
本明細書において提供される化合物の一又は二以上と一又は二以上の第二の活性薬剤との、患者に対する投与は、同じ又は異なる投与経路で、同時に又は連続して生じ得る。具体的な活性薬剤のために採用される具体的な投与経路の適切性は、活性薬剤それ自体(例えば、血流に入る前に分解することなく、経口で投与され得るか否か)及び治療される癌に依存するであろう。
【0145】
本明細書において提供される化合物の投与経路は、第二の治療の投与経路に依存しない。一の実施態様において、本明細書において提供される化合物は経口投与される。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物は静脈内投与される。したがって、これらの実施態様に従って、本明細書において提供される化合物は経口又は静脈内投与され、第二の治療は、経口で、非経口で、腹腔内に、静脈内に、動脈内に、経皮的に、舌下で、筋肉内に、直腸に、口腔(内頬)経由で、鼻腔内に、リポソーム製剤で、吸入剤によって、経膣的に、眼内に、カテーテル若しくはステントによる局所的輸送によって、皮下に、脂肪内に(intraadiposally)、関節内に、硬膜下に、又は徐放投薬形態で投与され得る。一の実施態様において、本明細書において提供される化合物及び第二の治療は、同じ投与形態で、経口又は静脈注射によって、投与される。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、一の投与形態、例えば静脈注射によって投与され、一方、第二の薬剤(抗癌剤)は、他の投与形態、例えば経口で投与される。
【0146】
一の実施態様において、第二の活性薬剤は静脈内又は皮下投与され、1日に1回又は2回、約1乃至約1000mg、約5乃至約500mg、約10乃至約350mg、又は約50乃至約200mgの量で投与される。第二の活性薬剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理される疾患のタイプ、疾患の重症度又はステージ、並びに第一の活性薬剤の量、及び患者に同時に投与される任意の追加の活性薬剤に依存するであろう。ある種の実施態様において、第二の活性薬剤は、オブリメルセン(GENASENSE(登録商標))、GM-CSF、G-CSF、SCF、EPO、タキソテール、イリノテカン、デカルバジン、トランスレチノイン酸、トポテカン、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン, ドキソルビシン、COX-2阻害剤、IL2、IL8、IL18、IFN、Ara-C、ビノレルビン、又はそれらの組合せである。
【0147】
ある種の実施態様において、GM-CSF、G-CSF、SCF又はEPOは、4又は6週サイクルにおいて約5日間、約1乃至約750mg/m
2/日、約25乃至約500mg/m
2/日、約50乃至約250mg/m
2/日、又は約50乃至約200mg/m
2/日の範囲の量で、皮下に投与される。ある種の実施態様において、GM-CSFは、約60乃至約500 mcg/m
2の量で2時間にわたって静脈内に、又は、約5乃至約12mcg/m
2/日の量で、皮下に投与され得る。ある種の実施態様において、G-CSFは、初めは約1mcg/kg/日の量で皮下に投与され得、そして、総顆粒球数の増加に応じて調節され得る。G-CSFの維持投与量が、約300(より低年齢の患者)又は480mcgの量で皮下に投与される。ある種の実施態様において、EPOは、週に3回、10,000単位の量で皮下に投与され得る。
【0148】
また、本明細書に包含されるのは、患者に安全且つ有効に投与され得る抗癌薬又は抗癌剤の用量を増加させる方法であって、患者(例えばヒト)に、本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を投与することを含む方法である。この方法によって恩恵を得られる患者は、具体的な乳癌の治療のために、抗癌薬に関連する副作用に罹っているらしい患者である。本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体の投与は、抗癌薬の量を制限させるかもしれないような重症度である副作用を、緩和若しくは低減させる。
【0149】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、経口で、そして毎日、約0.1乃至約150mg、約1乃至約50mg、又は約2乃至約25mgの範囲の量で、患者への抗癌薬の投与に関連した副作用の発生の前、発生の間、又は発生の後に投与される。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、好中球減少症又は血小板減少症のような、しかしこれらに限定されない抗癌薬に関連する副作用を避けるために、ヘパリン、アスピリン、クマディン、又はG-CSFのような具体的な薬剤との組合せにおいて投与される。
【0150】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、望ましくない血管形成に関連し又はそれによって特徴付けられている疾患及び病気にかかっている患者に、抗癌薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗生物質、及びステロイドを包含するがこれらに限定されない追加の活性成分との組合せにおいて投与される。
【0151】
他の実施態様において、本明細書に包含されるのは、癌を治療、予防及び/又は管理する方法であって、手術、免疫療法、生物療法、放射線療法、又は、現在、癌を治療、予防、若しくは管理するために使用されている薬に基づかない他の治療を含むがこれらに限定されない従来の治療と共(例えば、その前、その間、又はその後)に、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を投与することを含む方法である。本明細書において提供される化合物と従来の治療とを組み合わせた使用は、ある種の患者には予想外に有効である、優れた治療計画を提供し得る。理論によって制限されることはないが、本明細書において提供される化合物は、従来の治療と共に実施されると相加又は相乗効果を提供し得ることが信じられる。
【0152】
本明細書中のどこかで議論されているように、本明細書に包含されるのは、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物療法及び免疫療法を包含するがこれらに限定されない従来の治療に関連する、副作用又は望ましくない作用を低減し、治療し及び/又は防止する方法である。本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と、他の活性成分とが、従来の治療に伴う副作用の発生の前、その発生の間、又はその発生の後に、患者に投与され得る。
【0153】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、約0.1乃至約150mg、約1乃至約25mg、又は約2乃至約10mgの範囲の量で、経口で且つ毎日、単独で又は本明細書に開示された第二の活性薬剤(例えば、4.3節を参照されたい)との組合せで、従来の治療の使用の前、使用の間、又は使用の後に投与され得る。
【0154】
(5.6.2 周期療法)
ある種の実施態様において、本明細書において提供される予防又は治療剤は、周期的に患者に投与される。周期療法は、活性薬剤のある期間における投与と、その後のある期間における停止、そしてこの順次投与の繰り返しを包含する。周期療法は、治療の一又は二以上に対する抵抗性の発現を低減することができ、副作用を避け又は低減でき、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
【0155】
その結果として、ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物の一又は二以上は、約1週又は2週の停止期間を伴う4乃至6週周期において、1回量又は分割した量で、毎日投与される。周期方法は、さらに、投与周期の頻度、数、及び長さが増加されることを許容する。したがって、ある種の実施態様において本明細書に包含されるのは、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体の、その化合物が単独で投与される場合に標準的である周期よりもより多くの周期の投与である。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体は、第二の活性成分も投与されることとはなっていない患者において標準的に用量を制限する毒性を生じさせるであろう周期数よりも、より多くの周期数で投与される。
【0156】
一の実施態様において、本明細書において提供される化合物は、毎日、そして3又は4週間連続して、約0.1乃至約150mg/日の用量で投与され、その後1又は2週間中断される。
【0157】
他の実施態様において、本明細書において提供される化合物及び第二の活性成分は、第二の活性成分に30乃至60分先立って生じる本明細書において提供される化合物の投与を伴って、4乃至6週の周期の間、経口で投与される。ある種の実施態様において、本明細書において提供される化合物及び第二の活性成分の組合せが、各周期、約90分にわたる静脈内注入によって投与される。ある種の実施態様において、1周期は、3乃至4週間にわたる毎日の、約0.1乃至約150mg/日の本明細書において提供される化合物及び約50乃至約200mg/m
2/日の第二の活性成分の投与と、その後の、1又は2週間の停止とを包含する。ある種の実施態様において、患者に組合せ治療が為される間の周期数は、約1乃至約24周期、約2乃至約16周期、又は約4乃至約3周期の範囲内である。
【0158】
(5.7 医薬組成物及び投薬形態)
一の実施態様において、本明細書において提供されるのは、医薬組成物及び投薬形態であって、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を含むものである。他の実施態様において、医薬組成物及び投薬形態は、一又は二以上の賦形剤をさらに含む。
【0159】
ある種の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、一又は二以上の追加の活性成分をも含む。その結果として、本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態は、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と、第二の活性薬剤とを含む。任意の第二の、又は追加の活性成分の例は、本明細書に開示されている。5.6.1節を参照されたい。
【0160】
本明細書において提供される単一単位の投薬形態は、患者に対する経口の、経粘膜の(例えば、鼻の、舌下の、腟の、頬の、又は直腸の)、非経口の(例えば、皮下の、静脈内の、ボーラス注入法、筋肉内の、又は動脈内の)、局所の(例えば、点眼薬又は他の眼科製剤)、経皮の(transdermal)、又は経皮的(transcutaneous)な投与に適している。投薬形態の例は、これらに限定されないが、錠剤;カプレット;軟ゼラチンカプセル剤のようなカプセル剤;カシェー;トローチ;薬用キャンディー;分散剤;座薬;粉末;エアロゾル(例えば、経鼻スプレー又は吸入具);ゲル;懸濁液(例えば、水性又は非水性懸濁液、水中油型乳化物、又は油中水型乳化液)、溶液及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は経粘膜投与に適する液状の投薬形態;患者への非経口投与に適する液状の投薬形態;局所投与に適する点眼薬又は他の眼科製剤;及び患者への非経口投与に適する液状投薬形態を提供するように水で戻され得る滅菌固体(例えば、結晶性又は非晶質固体)を包含する。
【0161】
本明細書において提供される投薬形態の組成、形状及びタイプは、それらの用途に応じて多様であり得る。例えば、疾患の急性治療において使用される投薬形態は、同じ疾患の慢性治療において使用される投薬形態よりも、活性成分の一種又は二種以上をより多量に含有し得る。同様に、非経口の投薬形態は、同じ疾患の治療のために使用される経口の投薬形態よりも、活性成分の一種又は二種以上をより少量で含有し得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing、 Easton PA (1990)を参照されたい。
【0162】
特定の賦形剤が、本明細書において提供される医薬組成物又は投薬形態への組み込みに適するか否かは、投与経路を含むがこれらに限定されない、様々な因子に依存する。例えば、錠剤のような経口投薬形態は、非経口の投薬形態における使用には適さない賦形剤を含有し得る。特定の賦形剤の適切性は、その投与形態内における具体的な活性成分にも依存し得る。例えば、いくつかの活性成分の分解は、乳糖のようないくつかの賦形剤によって、又は水に暴露されたときに促進され得る。第一又は第二アミンを含む活性成分は、そのような促進された分解の影響を特に受けやすい。それゆえ、本明細書に包含されるのは、乳糖を、仮にあったとしても殆どない量で含有する医薬組成物及び投薬形態である。本明細書において使用されているように、用語「乳糖−フリー」は、存在する乳糖の量が、仮にあったとしても、活性成分の崩壊速度を実質的に増大させるのには不十分であることを意味する。
【0163】
本明細書において提供される乳糖−フリーの組成物は、例えば米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に掲載されている賦形剤を含有し得る。ある種の実施態様において、乳糖−フリーの組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢化剤を、薬学的に混合可能であり且つ薬学的に許容され得る量で含む。ある種の実施態様において、乳糖−フリーの投薬形態は、活性成分、微晶質セルロース、まえもって糊化された澱粉、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0164】
さらに、本明細書に包含されるのは、活性成分を含む、無水の医薬組成物及び投薬形態である。水は、いくつかの化合物の分解を促進し得るからである。例えば、水の添加(例えば5%)は、保存可能期間又は経時による製剤の安定性のような特徴を決定するために、長期にわたる保存をシミュレーションするための手段として、調剤の分野において広く受け入れられている。例えば、ジェンズ・ティー・カーステンセン(Jens T. Carstensen)の文献、Drug Stability: Principles & Practice、第二版、Marcel Dekker、 NY、NY、1995、379-80頁を参照されたい。実際、水と熱は、いくつかの化合物の分解を促進する。したがって、製造、処理、包装、貯蔵、輸送及び製剤の使用の間に、水分及び/又は湿分には一般的に遭遇するので、製剤における水の影響は大きな意義を有し得る。
【0165】
本明細書において提供される無水の医薬組成物及び投薬形態は、無水又は低水分含有量の成分と、低水分又は低湿分状況を使用して調製され得る。乳糖及び第一若しくは第二アミンを含む少なくとも一種の活性成分を含有する医薬組成物及び投薬形態は、製造、包装、及び/又は貯蔵の間に、水分及び/又は湿分との実質的な接触が予期されるならば、好ましくは無水である。
【0166】
無水の医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製され且つ貯蔵されなければならない。つまり、ある種の実施態様において、本明細書において提供されるのは、水への暴露を防ぐための材料を使用して包装され、それらを適切な方式のキットに組み入れることが可能とされている、無水の組成物である。適切な包装の例は、これらに限定されないが、密封されているフォイル、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスター包装、及びストリップ包装である。
【0167】
本明細書に包含されるのは、活性成分が分解する速度を低減させる一又は二以上の化合物を含む、医薬組成物及び投薬形態である。そのような化合物は、本明細書において「安定化剤」として示されており、これらに限定されないが、アスコルビン酸のような抗酸化剤、pH緩衝液、又は塩緩衝液を包含する。
【0168】
賦形剤の量及びタイプのように、投与形態中における活性成分の量及び具体的なタイプは、それが患者に投与されることとなっているその経路のような、しかしこれらに限定されない因子に依存して、異なり得る。ある種の実施態様において、本明細書において提供される投薬形態は、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を、約0.10乃至約1000mg、約0.10乃至約500mg、約0.10乃至約200mg、約0.10乃至約150mg、約0.10乃至約100mg、又は約0.10乃至約50mgの範囲の量で含む。ある種の実施態様において、本明細書において提供される投薬形態は、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体を、約0.1、約1、約2、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約17.5、約20、約25、約50、約100、約150、又は約200mgの量で含む。
【0169】
(5.7.1 経口の投薬形態)
ある種の実施態様において、本明細書において提供される経口投与に適する医薬組成物は、個別の投与形態として製剤化され、その例は、これらに限定されないが、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット、カプセル剤、及び液体(例えば香味付けされたシロップ)を包含する。そのような投薬形態は、前もって決められた量の活性成分を含有し、且つ、いくつかの公知の調剤学の方法によって調製され得る。一般的に、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、マック出版(Mack Publishing)、イーストン、ペンシルベニア州(1990)を参照されたい。
【0170】
ある種の実施態様において、本明細書において提供される経口の投薬形態は、従来の調剤学の配合技術にしたがって、緊密な混合物中の活性成分を少なくとも一種の賦形剤と組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与のために所望される製剤の形態に応じて、多種多様の形態をとり得る。例えば、経口の液体又はエアロゾル投薬形態における使用に適する賦形剤は、これらに限定されないが、水、グリコール、油、アルコール、香味付け剤、防腐剤、及び着色剤を包含する。固体の経口投薬形態(例えば、粉末、錠剤、カプセル剤、及びカプレット)における使用に適する賦形剤の例は、これらに限定されないが、澱粉、砂糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢化剤、結合剤、及び崩壊剤を包含する。
【0171】
それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口投薬の単位形態を示しており、その場合、固体の賦形剤が使用される。所望であれば、錠剤は、標準的な水を含む又は水を含まない技術によって被覆され得る。そのような投薬形態は、いくつかの公知の調剤方法によって調製され得る。ある種の実施形態において、医薬組成物及び投薬形態は、活性成分を、液体の担体、微粉化した固体担体、又はその両者と均一且つ緊密に混ぜ、その後、必要であれば生成物を所望の体裁に成形することによって調製される。
【0172】
ある種の実施態様において、錠剤は、圧縮又は成形によって調製される。ある種の実施態様において、圧縮された錠剤は、任意に賦形剤と混合された、自由流動形状の、例えば粉末又は顆粒の活性成分を、適切な機械で圧縮することによって調製される。ある種の実施態様において、成形された錠剤は、不活性な液状希釈剤で湿らせた粉末状の化合物の混合物を、適切な機械で成形することによって製造される。
【0173】
本明細書において提供される経口の投薬形態において使用され得る賦形剤の例は、これらに限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢化剤を包含する。本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態における使用に適する結合剤は、これらに限定されないが、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、又は他の澱粉、 ゼラチン、アカシア、 アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末状トラガカント、グアーガムのような天然及び合成ゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチル セルロース、酢酸 セルロース、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム )、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、前もって糊化された澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、Nos. 2208, 2906, 2910)、微晶質セルロース、及びそれらの混合物を包含する。
【0174】
微晶質セルロースの適切な形態は、これらに限定されないが、アビセル(AVICEL)-PH-101、アビセル-PH-103 アビセルRC-581、アビセル-PH-105(エフ・エム・シー・コーポレーション、アメリカのビスコース部、アビセル販売課、マーカスフック、ペンシルベニア州)、及びそれらの混合物を包含する。具体的な結合剤は、微晶質セルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリウム(例えばアビセルRC-581)との混合物である。適切な無水又は低水分量の賦形剤又は添加剤は、アビセル-PH-103(商標)及び澱粉1500LMを包含する。
【0175】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態における使用に適する充填剤は、これらに限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微晶質セルロース、粉末化セルロース、デクストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、澱粉、前もって糊化された澱粉、及びこれらの混合物を包含する。ある種の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、医薬組成物又は投薬形態の約50乃至約99重量%の量で存在する。
【0176】
本明細書において提供される組成物において、水を含む環境にさらされたときに崩壊する能力を有する錠剤を提供するために、崩壊剤が使用される。過剰量の崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵中に崩壊し得、一方、過少量の崩壊剤を含有する錠剤は、所望の速度で又は所望の状況下で崩壊し得ないであろう。したがって、活性成分の放出に悪影響を及ぼすような過剰でも過少でもない充分な量の崩壊剤が、本明細書において提供される固体の経口投薬形態を形成するために使用されるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに基づいて多様である。ある種の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物は、約0.5乃至約15重量%又は約1乃至約5重量%の崩壊剤を含む。
【0177】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態における使用に適する崩壊剤は、これらに限定されないが、寒天-寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカ澱粉、他の澱粉、前もって糊化された澱粉、他の澱粉、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物を包含する。
【0178】
本明細書において提供される医薬組成物及び投薬形態における使用に適する滑沢化剤は、これらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加された植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びそれらの混合物を包含する。追加の滑沢化剤は、これらに限定されないが、シロイド(syloid)シリカゲル(AEROSIL(アエロジル)200、ダブリュー・アール・グレース・カンパニー、バルチモア、メリーランド州)、合成シリカの凝固したエアゾール(プラーノのデグッサ・カンパニー、テキサス州)、CAB-O-SIL(発熱性二酸化珪素、ボストンのカボット・カンパニー、マサチューセッツ州)、及びそれらの混合物を包含する。ある種の実施態様において、とにかく使用されるのであれば、滑沢化剤は、それらが添加される医薬組成物又は投薬形態の約1重量%未満の量で使用される。
【0179】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と;無水ラクトース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイダル無水シリカ、及びゼラチンから選択される一又は二以上の賦形剤とを含む、固体の経口での投薬形態である。
【0180】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と;無水ラクトース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイダル無水シリカ、及びゼラチンとを含む、固体の経口での投薬形態である。
【0181】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上の塩酸塩、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と;無水ラクトース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイダル無水シリカ、及びゼラチンから選択される一又は二以上の賦形剤とを含む、固体の経口での投薬形態である。
【0182】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一若しくは二以上の塩酸塩、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体と;無水ラクトース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイダル無水シリカ、及びゼラチンを含む、固体の経口での投薬形態である。
【0183】
(5.7.2 遅延放出性の投薬形態)
ある種の実施態様において、本明細書において提供される活性成分は、制御された放出手段又は搬送装置によって投与される。実施例は、これらに限定されないが、それぞれの全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第 3,536,809号、同第3,598,123号、同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載されているものを包含する。ある種の実施態様において、そのような投薬形態は、様々な比率で所望の放出プロフィールを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマー・マトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを使用して、一種又は二種以上の活性成分のゆっくりとした又は制御された放出を提供するように使用されることとなっている。本明細書に包含されるのは、制御された放出に適応される錠剤、カプセル剤、ジェルキャップ、及びカプレットを包含するがこれらに限定されない、経口投与に適する単一単位の投薬形態である。
【0184】
すべての制御された放出型の医薬製品は、制御されない同等品によって達成された到達点を超えた、改良された薬物治療の一般的な終着点を有する。理想的には、薬物療法における最適に設計された制御された放出型製剤の使用は、最少時間でその状態を治療又は制御するために使用される最少の薬物によって特徴付けられる。制御された放出型製剤の利点は、薬物の長時間の活性、低減された投薬頻度、及び患者の薬物服用順守の増加を包含する。加えて、制御された放出型製剤は、作用の発現時間又は薬物の血中レベルのような他の特徴に影響を与えるために使用され得、したがって、副作用(例えば悪影響)の発生に影響を与え得る。
【0185】
制御された放出型の製剤の大部分は、所望の治療効果を即座に生ずるある量の薬物(活性成分)を初めに放出し、そして、このレベルの治療又は予防効果を長時間にわたって維持するために、薬物の他の量を徐々に且つ連続的に放出するように設計され得る。体内における薬物のこの一定レベルを維持するために、薬物は、代謝され且つ体から排出される薬物量を置換するような速度で、投薬形態から放出されなければならない。活性成分の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的な状態又は化合物を包含するがこれらに限定されない様々な状態によって刺激され得る。
【0186】
(5.7.3 非経口の投薬形態)
非経口の投薬形態は、皮下、静脈内(ボーラス注入法を含む)、筋肉内、及び動脈内を包含するがこれらに限定されない、様々な経路によって患者に投与され得る。それらの投与は、混入物質に対する患者の自然免疫能を概して回避するので、非経口の投薬形態は、好ましくは殺菌されており、又は患者への投与の前に殺菌され得る。非経口の投薬形態の例は、これらに限定されないが、注入の準備ができた溶液、薬学的に許容され得る注入用ビヒクル中での溶解又は懸濁の準備ができた乾燥製品、注入の準備ができた懸濁物、及び乳化物を包含する。
【0187】
本明細書において提供される、非経口の投薬形態を提供するために使用され得るいくつかの適切なビヒクルは、これらに限定されないが、米国薬局方の注射用蒸留水、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液のような、しかしこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールのような、しかしこれらに限定されない水混和性ビヒクル;及びトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルのような、しかしこれらに限定されない非水性ビヒクルを包含する。
【0188】
本明細書において開示される活性成分の一種又は二種以上の溶解性を高める化合物もまた、本明細書において提供される非経口の投薬形態に組み込まれ得る。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体が、本明細書において提供される化合物、例えば本明細書において提供される化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体の、溶解性を高めるために使用され得る。例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【0189】
(5.7.4 局所的及び経粘膜の投薬形態)
本明細書において提供される局所的及び経粘膜の投薬形態は、これらに限定はされないが、スプレー、エアロゾル、溶液、乳化物、懸濁物、点眼薬若しくは他の眼科用製剤、又は当業者に公知の他の形態を包含する。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版及び第18版、Mack Publishing、Easton PA (1980年及び1990年);及びIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第4版、Lea & Febiger、Philadelphia (1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するために適切な投薬形態は、マウスウォッシュとして又は口腔ゲルとして製剤化され得る。
【0190】
本明細書に包含される、局所的及び経粘膜の投薬形態を提供するために使用され得る適切な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及び他の物質は、所与の医薬組成物又は投薬形態が適用されるであろう特定の組織に因る。その事実を考慮して、ある種の実施態様においては、賦形剤は、これらに限定はされないが、毒性が無く且つ薬学的に許容できる溶液、乳化物又はゲルを形成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びそれらの混合物を包含する。保湿剤(moisturizers)又は保湿剤(humectants)もまた、所望であれば医薬組成物及び投薬形態に添加され得る。そのような成分の追加の例は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版及び第18版、Mack Publishing、Easton PA (1980年及び1990年)に見いだされ得る。
【0191】
医薬組成物又は投薬形態のpHもまた、一又は二以上の活性成分の搬送を改良するために調節され得る。同様に、溶剤担体の極性、そのイオン強度、又は等張性が、搬送を改良するために調節され得る。ステアリン酸塩又はエステルのような化合物もまた、搬送を改良するために、一又は二以上の活性成分の親水性又は親油性を有利に変更するように、医薬組成物又は投薬形態に添加され得る。この点において、ステアリン酸塩又はエステルは、製剤のための脂質ビヒクルとしての、乳化剤又は界面活性薬剤としての、及び搬送増進又は浸透増進剤としての、役割を果たし得る。活性成分の異なる塩、水和物又は溶媒和物が、結果として得られる組成物の性質をさらに調節するために使用され得る。
【0192】
(5.7.5 キット)
ある種の実施態様において、本明細書において提供される活性成分は、同時に又は同じ投与経路では患者に投与されない。それゆえ、本明細書に包含されるのは、医師によって使用されるときに、患者に対する適切な量での活性成分の投与を単純化できるキットである。
【0193】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、本明細書において提供される化合物、又はエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの混合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体、の投薬形態を含む。ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、追加の活性薬剤、又はその薬学的に活性な突然変異体若しくは誘導体、又はそれらの組合せをさらに含む。追加の活性成分の例は、これらに限定されないが、本明細書に開示されているものを包含する(例えば4.3節を参照されたい)。
【0194】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、活性成分を投与するために使用される手段をさらに含む。そのような手段の例は、これらに限定されないが、注射器、点滴用袋(ドリップ・バッグ)、パッチ、及び吸入具を包含する。
【0195】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、さらに、移植用の細胞又は血液も、一又は二以上の活性成分を投与するために使用され得る薬学的に許容され得るビヒクルをも含む。例えば、活性成分が、非経口投与のために再構成されなければならない固体の形態で提供されるならば、当該キットは、非経口投与に適切な粒子を含まない殺菌溶液を形成するためにその中に活性成分が溶解され得る、適切なビヒクルの密閉された容器を含み得る。薬学的に許容され得るビヒクルの例は、これらに限定されないが、米国薬局方の注射用蒸留水、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸加リンゲル注射液のような、しかしこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールのような、しかしこれらに限定されない水混和性ビヒクル;及びトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルのような、しかしこれらに限定されない非水性ビヒクルを包含する。
【0196】
追加の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一又は二以上を用いる、有効な治療の可能性を予測するために、又は治療の有効性を監視するために有用なキットである。当該キットは、固体担体、当該担体に接触している核酸、ここで、当該核酸は、mRNAの少なくとも20、50、100、200、350、又はそれを超える塩基に相補的であり、及び生体試料中のmRNAの発現を検出するための手段を含む。
【0197】
他の実施態様において、本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物の一又は二以上を用いる、有効な治療の可能性を予測するために、又は治療の有効性を監視するために有用なキットである。当該キットは、固体担体、当該担体に接触している少なくとも一つの核酸、ここで、当該核酸は、mRNAの少なくとも20、50、100、200、350、500、又はそれを超える塩基に相補的であり、及び生体試料中のmRNAの発現を検出するための手段を含む。
【0198】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、定量リアルタイムPCR(quantitative real-time PCR)(QRT-PCR)、マイクロアレイ、フローサイトメトリー、又は免疫蛍光法によって、バイオマーカーの発現を検出するための手段を使用する。他の実施態様において、当該バイオマーカーの発現は、ELISAを基本とする方法又は当該技術分野で公知の他の同様の方法によって測定される。
【0199】
他の実施態様において、当該キットは、固体担体、当該担体に接触している核酸、ここで、当該核酸は、mRNAの少なくとも20、50、100、200、350、又はそれを超える塩基に相補的であり、及び生体試料中のmRNAの発現を検出するための手段を含む。
【0200】
ある種の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、定量リアルタイムPCR(QRT-PCR)、マイクロアレイ、フローサイトメトリー、又は免疫蛍光法によってバイオマーカーの発現を検出するための手段を使用する。他の実施態様において、当該バイオマーカーの発現は、ELISAを基本とする方法又は当該技術分野で公知の他の同様の方法によって、測定される。
【実施例】
【0201】
(6. 実施例)
本明細書で提供されるある種の実施態様は、次の非限定的な例によって説明される。
【0202】
(6.1 3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)の調製
【化3】
【0203】
(2-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸メチル)
2-メチル-3-ニトロ安息香酸メチル(14.0g、71.7mmol)及びN-ブロモスクシンイミド(15.3g、86.1mmol)を四塩化炭素(200mL)に混合した撹拌混合物を、15時間穏やかに還流しながら加熱し、このとき、2cm離して据えられた100W電球でフラスコを照らした。混合物を濾過し、固体を塩化メチレン(50mL)で洗浄した。濾液を、水(2×100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8/2)で精製することにより、生成物が黄色固体として19g(96%)得られた:融点70.0〜71.5℃;
【化4】
HPLC, Water Nove-Pak/C18, 3.9x150 mm, 4ミクロン, 1mL/分, 240 nm, 40/60 CH
3CN/0.1%H
3PO
4(水溶液) 7.27分(98.92%); 元素分析:C
9H
8NO
4Brの計算値: C, 39.44; H, 2.94; N, 5.1 1 ; Br, 29.15. 実測値: C, 39.46; H, 3.00; N, 5.00; Br, 29.1 1.
【0204】
(t-ブチルN-(1-オキソ-4-ニトロイソインドリン-2-イル)-L-グルタミン)
トリエチルアミン(2.9g、28.6mmol)を、2-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸メチル(3.5g、13.0mmol)及びL-グルタミンt-ブチルエステル塩酸塩(3.1g、13.0mmol)をテトラヒドロフラン(90mL)に混合した撹拌混合物に、滴下した。混合物を24時間加熱還流した。冷却した混合物に塩化メチレン(150mL)を添加し、この混合物を水(2×40mL)、食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3%CH
3OH、塩化メチレン中)で精製することにより、粗製生成物2.84g(60%)が得られ、これを直接次の反応で使用した:
【化5】
HPLC, Waters Nova-Pak C18, 3.9x150 mm, 4ミクロン, 1 mL/分, 240 nm, 25/75 CH
3CN/0.1%H
3PO
4(水溶液) 6.75分(99.94%).
【0205】
(N-(1-オキソ-4-ニトロイソインドリン-2-イル)-L-グルタミン)
塩化水素を、t-ブチルN-(1-オキソ-4-ニトロ-イソインドリン-2-イル)-L-グルタミン(3.6g、9.9mmol)を塩化メチレン(60mL)に溶かした5℃の溶液中に、1時間バブリングした。次いで混合物を、室温でさらに1時間撹拌した。エーテル(40mL)を添加し、得られた混合物を30分間撹拌した。スラリーを濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥することにより、生成物3.3gが得られた:
【化6】
元素分析:C
13H
13N
3O
6の計算値: C, 50.82; H, 4.26; N, 13.68. 実測値: C, 50.53; H. 4.37; N, 13.22.
【0206】
((S)-3-(1-オキソ-4-ニトロイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)
N-(1-オキソ-4-ニトロイソインドリン-2-イル)-L-グルタミン(3.2g、10.5mmol)を無水塩化メチレン(150mL)に懸濁した撹拌懸濁液混合物を、イソプロパノール/ドライアイス浴で-40℃に冷却した。塩化チオニル(0.82mL、11.3mmol)を、冷却した混合物に滴下し、その後、ピリジン(0.9g、11.3mmol)を滴下した。30分後、トリエチルアミン(1.2g、11.5mmol)を添加し、混合物を-30乃至-40℃で3時間撹拌した。混合物を氷水(200mL)に注ぎ、水層を塩化メチレン(40mL)で抽出した。塩化メチレン溶液を水(2×60mL)、食塩水(60mL)で洗浄し、乾燥した。溶媒を真空除去し、固体残渣を酢酸エチル(20mL)でスラリー化することにより、生成物が白色固体として2.2g(75%)得られた:融点285℃;
【化7】
HPLC, Waters Nove-Pak/C18, 3.9x150 mm, 4ミクロン, 1 mL/分, 240 nm, 20/80 CH
3CN/0.1%H
3PO
4(水溶液) 3.67分(100%);元素分析:C
13H
nN
3O
5の計算値: C, 53.98; H, 3.83; N, 14.53. 実測値: C, 53.92; H, 3.70; N, 14.10.
【0207】
(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン)
(S)-3-(1-オキソ-4-ニトロイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(1.0g、3.5mmol)及び10%Pd/C(0.3g)をメタノール(600mL)に混合した混合物を、Parr-Shaker装置内で、水素50psiで5時間水素化した。混合物をCeliteに通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。固体を、高温の酢酸エチル中で30分間スラリー化し、濾過し、乾燥することにより、生成物が白色固体として0.46g(51%)得られた:融点235.5〜239℃;
【化8】
HPLC. Waters Nova-Pak/C18, 3.9x150 mm, 4ミクロン, 1 mL/分, 240 nm, 10/90 CH
3CN/0.1%H
3PO
4(水溶液) 0.96分(100%); キラル分析, Daicel Chiral Pak AD, 40/60 ヘキサン/IPA, 6.60分(99.42%);元素分析:C
13H
13N
3O
3の計算値: C, 60.23; H, 5.05; N, 16.21. 実測値: C, 59.96; H. 4.98; N, 15.84.
【0208】
3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンを、当該技術分野で公知の方法、例えばその全体が引用により組み込まれている「将来の薬物(Drugs of the Future)」、2003, 28(5): 425-431提供された方法よって、調製してもよい。
【0209】
(6.2 4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3-ジオン(ポマリドミド)の調製)
【化9】
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3-ジオンの調製は、例えば、そのそれぞれの全体が引用により組み込まれている米国特許第7,812,169号及び第7,709,502号に記載されている。
【0210】
カルボキシベンジルオキシ-L-グルタミン(2.8g、10mmol)を40mLの無水THFに溶かした撹拌溶液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(1.92g、12mmol)を添加した。反応混合物を18時間還流しながら加熱した。THFを蒸発させ、生成物をクロロホルムに溶解した。クロロホルム層を水及び食塩水で洗浄し、無水CaSO
4上で乾燥し、濾過し、蒸発させることにより、白色固体が得られた。固体生成物をエチルエーテルから結晶化させることにより、結晶質粉末2.4グラム(90%)が得られた(或いは、カルボキシベンジルオキシ-L-グルタミンを、-70℃乃至0℃で1時間、N,N-ジメチルホルムアミド中でSOCl
2により処理することにより環化して、生成物を形成することができる。)。反応混合物をCHCl
3で希釈し、5%Na
2CO
3で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、蒸発させることにより、S(-)-(3-ベンジルオキシカルボニルアミノ)-グルタルイミド)が2.5g(収率90%)得られた。
【化10】
【0211】
S(-)-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノ)グルタルイミド(1.2g、4.6mmol)を15mLの氷酢酸に溶かした溶液に、30%のHBr/酢酸溶液8mLを20℃で添加した。反応混合物の温度をRTまで上昇させ、1時間撹拌した。S-(-)-2-アミノ-グルタルイミドHBrの白色固体粉末が、反応混合物中に現れ始めた。固体を濾過し、5mLの氷酢酸で洗浄し、次いでエーテルで洗浄することにより、生成物1.8g(80%)が得られた。生成物の旋光計での分析は、(-)旋光度、[a]
25D(c=1、水)=-37.5°を示し、生成物をS-(-)-2-アミノ-グルタルイミドとして確認した。DMSO-D
6での
1H NMRは、生成物を2-アミノ-L-グルタルイミドHBrとして確認した。
【0212】
4.18g、20mmolのS-(-)-2-アミノ-グルタルイミドHBrを無水DMF 50mLに溶かした溶液に、3-ニトロフタル酸無水物3.8g(20mmol)を添加した。(氷)酢酸100mLを添加した後、反応混合物を約70℃乃至約80℃で約24時間加熱した。その後、溶媒を真空蒸発させることにより、オフホワイトの固体が得られた。10mLのエチルアルコールを固体に添加すると、オフホワイトの粉末生成物が形成された。生成物を分離し、20mLのエチルアルコールで洗浄した。
【化11】
【0213】
4-ニトロ-サリドマイド(1g、3.3mmol)を50mLのジオキサン/メタノール4:1混合物に溶解し、Pd/C 5%触媒の存在下、水素40psiで約4時間、Parr水素化器内で水素化した。反応混合物をCelite濾過剤に通して濾過した後、溶媒を真空蒸発させることにより、黄色粉末が得られた。生成物を酢酸エチル/ジオキサンから再結晶させることにより、S(-)-4-アミノ-サリドマイドが800mg(純度85%)得られた。
【化12】
絶対配置は、(R)-及び(S)-4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3-ジオンと類似化合物R(+)-及びS(-)-サリドマイドとの比旋光度[a]
25Dを比較することによって決定した。生成物の旋光計での分析は、(-)旋光度、[a]
25D(C=0.5、ジオキサン)=-27.70°を示し、S(-)-4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3-ジオンとして生成物を確認した。
【0214】
二つのエナンチオマーをキラルHPLCカラムWelk-01(10mm×750mm)により分割し、CH3CN/MeOH/H20 1:1:5混合物で溶離した。S(-)エナンチオマーに関する保持時間は33.74分であり、R(+)エナンチオマーに関しては35.62分であり、このときの流量はそれぞれ240nmで2mL/分であった。
【0215】
(6.3 3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの調製)
【化13】
水酸化カリウム(16.1g、286mmol)を水(500mL)に溶かした溶液に、3-ニトロフタルイミド(25.0g、130mmol)を0℃で分割して添加した。懸濁液を0℃で3時間撹拌し、次いで30℃で3時間加熱した。この溶液に、HCl(100mL、6N)を添加した。得られた懸濁液を、0℃に1時間冷却した。懸濁液を濾過し、冷水(2×10mL)で洗浄することにより、3-ニトロ-フタルアミド酸が白色固体(24.6g、収率90%)として得られた:
【化14】
【0216】
3-ニトロ-フタルアミド酸(24.6g、117mmol)及び水酸化カリウム(6.56g、117mmol)を水(118mL)に混合した混合物に、臭素(6mL)、水酸化カリウム(13.2g、234mmol)を水(240mL)に混合した混合物を0℃で添加し、その後、水酸化カリウム(19.8g、351mmol)を水(350mL)に溶かした溶液を添加した。0℃で5分後、混合物を100℃の油浴で1時間加熱した。反応溶液を室温に冷却し、次いで氷水浴に30分間入れた。混合物に、HCl(240mL、2N)の溶液を0℃で滴下し、得られた混合物を1時間保持した。懸濁液を濾過し、水(5mL)で洗浄することにより、2-アミノ-6-ニトロ-安息香酸が黄色固体(15.6g、収率73%)として得られた:HPLC: Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH
3CN/0.1%H
3PO
4、5分間かけて5%グラディエントで95%まで、5.83分(85%);
【化15】
【0217】
2-アミノ-6-ニトロ-安息香酸(1.5g、8.2mmol)を無水酢酸(15mL)に混合した混合物を、200℃で30分間、マイクロ波炉内で加熱した。混合物を濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。固体を、エーテル(20mL)中で2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、エーテル(20mL)で洗浄することにより、2-メチル-5-ニトロ-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4-オンが薄茶色固体(1.4g、収率85%)として得られた:HPLC: Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH
3CN/0.1%H
3PO
4、5%グラディエント 5分で95%、5.36分(92%);
【化16】
【0218】
5-ニトロ-2-メチル-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4-オン(0.60g、2.91mmol)及び3-アミノ-ピペリジン-2,6-ジオン塩化水素(0.48g、2.91mmol)をピリジン(15mL)に懸濁した懸濁液がそれぞれ入っている二つのバイアルを、マイクロ波炉内で、170℃で10分間加熱した。懸濁液を濾過し、ピリジン(5mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。得られた混合物を、HCl(30mL、1N)、酢酸エチル(15mL)、及びエーテル(15mL)中で2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)で洗浄することにより、濃茶色固体が得られ、これをメタノール(50mL)と共に室温で一晩撹拌した。懸濁液を濾過し、メタノールで洗浄することにより、3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが黒色固体(490mg、収率27%)として得られた。固体は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された。
【0219】
3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(250mg)及びPd(OH)
2担持炭素(110mg)をDMF(40mL)に混合した混合物を、水素(50psi)下で12時間振盪させた。懸濁液を、Celiteのパッドに通して濾過し、DMF(10mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、得られた油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン)で精製することにより、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンが白色固体(156mg、収率69%)として得られた:HPLC: Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、10/90 CH
3CN/0.1%H
3PO
4、3.52分(99.9%);融点:293〜295℃;
【化17】
元素分析:C
14H
14N
4O
3 + 0.3 H
2Oの計算値: C, 57.65; H, 5.05; N, 19.21. 実測値: C, 57.50; H, 4.73; N, 19.00.
【0220】
(6.4 3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの調製)
【化18】
【0221】
(3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチルエステル)
冷却器、温度計及び撹拌棒を備えた2Lの三つ口丸底フラスコ中において、メタノール(800mL)に3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(105g、690mmolが添加され、その後メタノール(250mL)の添加が行われた。上記溶液に硫酸(10mL、180mmol)が添加された。反応混合物が、62℃にて17時間撹拌された。溶剤が真空中で除去された。室温において、残渣(200mL)に水(600mL)がゆっくりと添加され、白色の固体が形成された。氷浴中で30分間、懸濁物が撹拌され、そして濾過された。固体が水(5×250mL)で洗浄され且つ乾燥され、白色固体として3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチルエステルが生じた(100g、収率87%)。その化合物は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された:
LCMS MH = 167;
【化19】
【0222】
(3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチル-安息香酸メチルエステル)
撹拌棒及び温度計を備えた1Lの三つ口丸底フラスコに、DMF(300mL)、3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸メチル(90g、542mmol)及びイミダゾール(92g、1,354mmol)が添加された。内部温度を15乃至19℃に20分間にわたって制御するために、上記溶液に塩化ターシャリブチルジメチルシリルエーテル(TBDMS-Cl)(90g、596mmol)が分割して添加され、添加の後、内部温度は1℃未満に低下された。氷浴が除去され、反応混合物は室温において16時間撹拌された。反応混合物が氷水(500mL)に添加され、得られた溶液は二分(700mL×2)された。各部分について、酢酸エチル(700mL)での抽出がなされた。各有機層が、冷水(350mL)及び食塩水(350mL)で洗浄された。有機層が合体され、硫酸マグネシウムで乾燥された。合体された有機層が濃縮され、薄茶色の油として3-(tert -ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチル-安息香酸メチルエステルが生じた(160g、粗収率100%)。その化合物は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された:
LCMS MH = 281;
【化20】
【0223】
(2-ブロモメチル-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-安息香酸 メチルエステル)
酢酸メチル(500mL)中の3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-メチル安息香酸メチル(78.4g、280mmol)に、室温にてNBS(49.8g、280mmol)を添加したところ、オレンジ色の懸濁物が生じた。得られた反応混合物は、油浴中で40℃にて加熱され、還流下に4時間、300wtの太陽光電球によって照射された。反応混合物は冷却され、亜硫酸ナトリウム溶液(2×600mL、50%飽和濃度)、水(500mL)及び食塩水(600mL)で洗浄された。有機層が、硫酸マグネシウムで乾燥され且つ活性炭で脱色された。有機層が濃縮され、薄茶色の油として2-ブロモメチル-3-(tert -ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-安息香酸メチルエステルが生じた(96g、粗収率91%)。その化合物は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された:
LCMS M-Br = 279;
【化21】
【0224】
(4-カルバモイル酪酸メチルエステル)
2Lの丸底フラスコ中において、撹拌下にあるアセトニトリル(1100mL)中の2-(ブロモメチル)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)安息香酸メチル(137.5g、325mmol)の溶液に、4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノン酸メチル・塩酸塩(70.4g、358mmol)が添加された。その懸濁物に、滴下漏斗を通じて10分間にわたってDIPEA(119ml、683mmol)が添加され、懸濁物は室温にて1時間撹拌され、そしてその混合物は油浴中で40℃にて23時間加熱された。反応混合物は、真空下に濃縮された。残渣がエーテル(600mL)中で撹拌され、白色固体が沈殿した。混合物が濾過され、固体がエーテル(400mL)で洗浄された。濾液は、塩酸(1N、200mL)、炭酸水素ナトリウム(飽和、200mL)及び食塩水(250mL)で洗浄された。水性の酸性の層と塩基性の層とが、別々に維持された。その後、固体がさらにエーテル(250mL)で洗浄され、そして、液体は上記酸性溶液及び塩基性溶液で洗浄された。二つの有機層が合体され、真空下に濃縮され、褐色の油として4-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-4-カルバモイル-酪酸メチルエステルが生じた(152g、粗収率115%、H NMRで77%の純度)。その化合物は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された:LCMS MH=407。
【0225】
(4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステル)
DMF(500mL)及び水(55mL)中の5-アミノ-4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノン酸メチル(152 g、288mmol)の撹拌している冷たい溶液に、炭酸カリウム(19.89g、144mmol)が、5分間にわたって分割して添加された。得られた反応混合物が、室温にて40分間撹拌された。反応混合物は、氷浴中にて冷却された。その混合物に、塩酸(12M、23.99ml、288mmol)がゆっくりと添加された。添加の後、その混合物にアセトニトリル(280mL)が添加され、固体が沈殿した。混合物が室温にて10分間撹拌され、そして濾過された。固体がアセトニトリル(50mL×4)で洗浄された。濾液が高真空下で濃縮され、黄色の油(168g)が生じた。その油はアセトニトリル(600mL)に溶解され、室温で10分間撹拌された。混合物が濾過され、固体がアセトニトリル(25mL×2)で洗浄された。濾液が高真空下で濃縮され、黄色の油(169g)が生じ、これは水(1200mL)とエーテル(1000mL)との混合物に添加された。混合物が3分間撹拌され、層が分離した。水性溶液が高真空下で濃縮され、残渣はアセトニトリル(160mL)中で撹拌され、一晩の撹拌の後、白色固体が生じた。混合物が濾過され、白色固体として4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステルが生じた(46g、収率54%)。濾液は濃縮され、残渣は、アセトニトリル(60mL)中でさらに結晶化され、白色固体としてさらなる4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステルが生じた(11.7g、収率14%)。濾液が濃縮され、残渣がISCOクロマトグラフィーで精製され、白色固体としてさらなる4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステルが生じた(13.2g、収率15%)。得られた全生成物は、収率83%で70.9gであった:
LCMS MH = 293;
【化22】
【0226】
(3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)
工程1: THF(60mL)中の3-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(2.5g、8.56mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1.6mmol/gでポリマーに担持されている、12g、18.8mmol)が添加された。混合物は、室温にて15分間撹拌された。0℃にてアゾジカルボン酸ジイソプロピル(3.96mL、18.8mmol)が添加され、混合物は0℃にて30分間撹拌された。0℃にて(4-モルフォリン-4-イルメチル-フェニル)-メタノール(2.62g、12.4mmol)が添加され、混合物は室温まで温められ、室温で一晩撹拌された。反応混合物は濾過され、そして濾液は濃縮された。結果として生じた油は、シリカゲルカラムで、塩化メチレンとメタノールで溶出(グラディエント、生成物は、6%メタノールで溶出した)することによって精製され、4-カルバモイル-4-[4-(4-モルフォリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-酪酸メチルエステルが生じた(2.2g、収率54%)。その生成物は、さらなる精製なしに、次の工程で使用された。
【0227】
工程2: 4-カルバモイル-4-[4-(4-モルフォリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-酪酸メチルエステル(2.2g、4.57mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)に、0℃にてカリウムtert-ブトキシド(0.51g、4.57mmol)が添加された。混合物は、0℃にて10分間撹拌され、1規定の塩酸(5mL、5mmol)で、その後飽和炭酸水素ナトリウム(25mL)でクエンチされた。混合物が酢酸エチル(2×50mL)で抽出された。有機層が水(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄され、硫酸マグネシウムで乾燥され、そして濃縮された。結果として得られた固体に酢酸エチル(10mL)が添加され、その後撹拌下にヘキサン(10mL)が添加された。懸濁物が濾過され、白色固体として3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンが生じた(1.5g、収率73%)。HPLC: Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、グラディエントは5分で95/5アセトニトリル/0.1%リン酸まで:t
R=4.78分(97.5%);融点:210-212℃;
【化23】
元素分析:C
25H
27N
3O
5 + 0.86 H
2Oの計算値: C, 64.58; H, 6.23; N, 9.04; 実測値: C, 64.77; H, 6.24; N, 8.88.
【0228】
3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンから、キラル分離により、化合物(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及び(R)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンが調製された。
【0229】
(6.5 3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン)
【化24】
工程1:4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.0g、32.8mmol)及びCs
2CO
3(26.7g、81.9mmol)をDMF(80mL)に混合した混合物を、室温で10分間撹拌した。この混合物に、1-(2-クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(6.7g、39.3mmol)を添加した。混合物を、60℃で2時間温め、次いで80℃で一晩温めた。反応混合物を冷却し、濾過し、固体をEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を冷水(200mL)と共に撹拌し、水層をEtOAC(3×50mL)で抽出した。合体されたEtOAc溶液を、2N NaOH(40mL)、水(3×40mL)、及び食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した(K
2CO
3)。溶媒を除去することにより、4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)ベンズアルデヒド(5.9g、収率81%)が得られた:
【化25】
【0230】
工程2:4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)ベンズアルデヒド(5.8g、26.5mmol)を試薬アルコール(60mL)に溶かした溶液を、ドライアイス/アセトン浴中で-60℃に冷却した。LiBH4/THF(2M、15.9mL、31.9mmol)を、-60℃でゆっくり添加した。混合物を、-60℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)でゆっくりとクエンチし、次いで室温に温めた。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(80mL)及び2N NaOH(20mL)と共に撹拌した。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合体されたEtOAc溶液を水(30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥した。溶媒を除去し、残渣を、クロマトグラフィー(SiO
2、NH
4OH:CH
3OH:CH
2Cl
2 0.5:3:97)で精製することにより、4-[(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)-フェニル]-メタノール(2.5g、収率42%)が得られた:
【化26】
【0231】
工程3:アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.1g、5.5mmol)を、5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸メチル(0.8g、2.7mmol)、4-[(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)-フェニル]-メタノール(0.9g、4.1mmol)、及びトリフェニルホスフィン-ポリマーバウンド(1.8g、5.5mmol)がTHF(60mL)に懸濁された5〜8℃の撹拌懸濁液に、ゆっくり添加した。添加後、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をCH
2Cl
2(30mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO
2、CH
3OH:CH
2Cl
2=3:97)で精製することにより、5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-4-(4-(2-ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)ペンタン酸メチル(1.0g、77%)が得られた。
【0232】
工程4:KO-t-Bu/THF(1M、2.5mL、2.5mmol)の溶液を、5-アミノ-5-オキソ-4-(1-オキソ-4-(4-(2-ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)ペンタン酸メチル(1.0g、2.1mmol)をTHF(30mL)に溶かした5℃の撹拌溶液にゆっくり添加した。混合物を5℃で10分間撹拌し、次いで2時間、室温に温めた。反応混合物を氷浴内で冷却し、4N HCl(4mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(40mL)及び飽和Na
2CO
3(25mL)と共に撹拌した。水層をEtOAc(3×40mL)で抽出し、合体されたEtOAc溶液を水(40mL)及び食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した(K
2CO
3)。溶媒を除去し、残渣を、クロマトグラフィー(SiO
2、CH
3OH:CH
2Cl
2=5:95)で精製することにより、3-(1-オキソ-4-(4-(2-ピロリジン-1-イル)エトキシ)-ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(0.2g、収率20%)が得られた:融点 153〜155℃;
【化27】
C
26H
29N
3O
5 + 0.5 Et2Oの計算値: C, 66.65; H, 6.63; N, 8.64. 実測値: C, 66.95; H, 6.62; N, 8.71.
【0233】
(6.6 3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン
【化28】
工程1:4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.0g、32.8mmol)及びCs
2CO
3(26.7g、81.9mmol)をDMF(80mL)に混合した混合物を、室温で10分間撹拌した。この混合物に、4-(2-クロロエチル)モルホリン塩酸塩(7.3g、39.3mmol)を添加した。得られた混合物を、油浴内で一晩、80℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、固体をEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を冷水(200mL)で希釈し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合体されたEtOAc溶液を2N NaOH(25mL)、水(3×40mL)、及び食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した(K
2CO
3)。溶媒を除去することにより、4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンズアルデヒド(6.2g、収率81%)が得られた:
【化29】
【0234】
工程2:LiBH
4/THF(2M、15.9mL、31.7mmol)を、4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンズアルデヒド(6.2g、26.4mmol)を試薬アルコール(60mL)に溶かした-60℃の撹拌溶液に、ゆっくり添加した。得られた混合物を、-60℃で1時間撹拌し、次いで水(20mL)でクエンチした。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(80mL)及び1N NaOH(30mL)と共に撹拌した。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合体されたEtOAc溶液を水(40mL)及び食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した。溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィー(SiO
2、NH
4OH:CH
3OH:CH
2Cl
2 0.5:3:100)で精製することにより、[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-フェニル]-メタノール(4.2g、収率67%)が得られた:
【化30】
【0235】
工程3:トリフェニルホスフィン-ポリマーバウンド(1.8g、5.5mmol)を、乾燥CH
2Cl
2(20mL)と共に10分間撹拌した。この混合物に、5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸メチル(0.8g、2.7mmol)及び[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-フェニル]-メタノール(1.0g、4.1mmol)をTHF(60mL)に溶かした溶液を添加した。得られた混合物を5℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.1g、5.5mmol)を5〜8℃でゆっくり添加した。添加後、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をCH
2Cl
2(30mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO
2、CH
3OH:CH
2Cl
2 3:97)で精製することにより、5-アミノ-4-(4-(4-(2-モルホリノエトキシ)ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソ-ペンタン酸メチル(1.0g、71%)が得られた。
【0236】
工程4:カリウムt-ブトキシド/THF(1M、2.6mL、2.6mmol)の溶液を、5-アミノ-4-(4-(4-(2-モルホリノエトキシ)ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸メチル(1.1g、2.1mmol)をTHF(30mL)に溶かした撹拌溶液に、5℃でゆっくり添加した。反応混合物を5℃で10分間撹拌し、次いで室温に2時間温めた。反応混合物を氷浴内で冷却し、4N HCl(4mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(40mL)及び飽和Na
2CO
3(25mL)と共に撹拌した。水層をEtOAc(3×40mL)で抽出し、合体されたEtOAc溶液を水(40mL)及び食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥した(K
2CO
3)。溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィー(Al
2O
3、CH
3OH:CH
2Cl
2 3:97)で精製することにより、3-(4-(4-(2-モルホリノエトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(0.2g、収率16%)が得られた:融点:203〜205℃;
【化31】
C
26H
29N
3O
6 + 0.2
H
2Oの計算値: C, 64.64; H, 6.10; N, 8.70. 実測値: C, 64.54; H, 6.06; N, 8.63.
【0237】
(6.7 3-{4-[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ]-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン)
【化32】
工程1:4-(2-ブロモエチル)安息香酸(25g、109mmol)及びトリフルオロボランエーテラート(13.71ml、109mmol)のTHF溶液に、滴下漏斗を通してボラン(196ml、196mmol)を、0℃で2時間の間滴下した。混合物を室温で一晩撹拌し、MeOHを、曇った懸濁液が透明になり且つ泡がもはや形成されなくなるまで、室温で滴下した。透明溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた固体を水(100mL)中で30分間、室温で撹拌した。懸濁液を濾過することにより、4-(2-クロロ-エチル)-安息香酸が白色固体(25g、107%)として得られた。
【0238】
工程2:(4-(2-ブロモエチル)フェニル)メタノール(25g、116mmol)のアセトニトリル溶液に、モルホリン(25.3ml、291mmol)を添加した。NaIを、全て一度に添加した。混合物を、室温で週末にかけて撹拌した。反応懸濁液を濾過した。濾液を濃縮し、エーテル(100mL)中で、室温で30分間撹拌した。懸濁液を濾過した。得られた固体を1N HClに溶解し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。水層を、1N NaOHでpH=7〜8に中和した。得られた懸濁液を濾過することにより、[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-フェニル]-メタノールが白色固体(13g、60%)として得られた。
【0239】
工程3:4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステル(0.5g、1.7mmol)のTHF溶液に、トリフェニルホスフィン樹脂(2.3g、1.6mmol/g投入、3.74mmol)及びDIAD(0.73mL、3.74mmol)を0℃で添加した。0℃で10分間撹拌した後、混合物に[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-フェニル]-メタノール(0.65g、2.94mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、EtOAc(30mL)及びNa2CO3(20mL)で抽出した。有機層を水(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄し、濃縮した。得られた油をシリカゲルカラムで精製することにより、4-カルバモイル-4-{4-[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ]-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸メチルエステルが白色固体(0.74g、88%)として得られた。
【0240】
工程4:4-カルバモイル-4-{4-[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ]-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸メチルエステル(0.74g、1.5mmol)のTHF溶液(20mL)に、カリウムt-ブトキシド(0.16g、1.5mmol)を0℃で添加した。混合物を15分間、0℃で撹拌し、5mLの1N HCl溶液でクエンチし、その後、飽和NaHCO
3溶液15mLで処理した。混合物を、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を真空中で濃縮した。得られた油をシリカゲルカラムで精製し、これはCH
2Cl
2及びメタノールで溶離され、その結果、3-{4-[4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ]-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオンが白色固体(620mg、収率87%)として得られた:融点:230〜232℃。HPLC: Waters Symmetry C-18、3.9×150mm、5 micro、1mL/分、240nm、グラディエントは5分で5/95から100/0までのアセトニトリル/0.1%H
3PO
4水溶液、及び滞留が100/0で5分:t
R=4.86分(97%);
【化33】
元素分析 C
26H
29N
3O
5 + 0.5
H
2Oの計算値: C, 66.09; H, 6.40; N, 8.89; 実測値: C, 65.96; H, 6.33; N, 9.07.
【0241】
(6.8 アッセイ)
(6.8.1 T細胞によるサイトカイン産生)
RosetteSep(登録商標)T細胞富化カクテルを使用して、T細胞が、陰性選択によってバフィー・コートから単離された。製造者の手順が、それ相応に実施された。96ウェルプレートの全てが、100μlの1×PBS中の3μg/mlの抗ヒトCD3抗体で、37℃にて4時間、プレコートされた。プレートは、T細胞アッセイの前に、RPMI-1640完全培地で3回洗浄された。その後、T細胞が、180μlのRPMI-1640完全培地中、2.5×10
5細胞/ウェルの密度で、CD3でプレコートされたプレートに蒔かれた。細胞は、10、 1、0.1、0.01、0.001、0.0001及び0.00001μMにおいて、20μlの10×で増量された化合物で処理された。最終的なジメチルスルホキシド(DMSO)の濃度は、0.25%であった。プレートは、37℃、5%CO
2にて48時間インキュベートされた。48時間後、上清が採取され、次のサイトカイン/ケモカインが、マルチプレックス・サイトメトリック・ビーズ・アレイ(multi-plex cytomteric bead array)(CBA)アッセイによって試験された:IL-2、IL-3、IL-5、IL-10、IL-13、IL-15、IL-17a、GM-CSF、G-SCF、IFN-γ、TNF-α及び RANTES。CBAプレートは、Luminex IS100器具で解析された。ドナーからのデータを、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用してグラフ化し、平均pg/mL±標準誤差及びDMSOの対照の百分率±標準誤差として表した。
【0242】
サイトカインレベルを、試験がなされた化合物の量の存在下で生成された量に対して正規化し、EC
50値を、非線形回帰、S状用量-反応を使用し、頂点を100%そして最底の部分を0%とし、変動勾配を許容して算出した(GraphPad Prism v3.02)。
【0243】
(抗-CD3-刺激ヒトT細胞アッセイ)
96ウェルプレートの全てを、100μLの1×PBS中の3μg/mLの抗-ヒトCD3抗体で、37℃にて4時間、プレコートした。プレートを、T細胞アッセイの前に、RPMI-1640完全培地で3回洗浄した。次いでT細胞を、180μLのRPMI-1640完全培地中2.5×105細胞/ウェルの密度で、抗-CD3でプレコートされたプレートに蒔いた。細胞を、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、及び0.00001μMで、20μLの10×で増量されたCelgene化合物を用いて二つ一組で処理した。最終的なDMSOの濃度は0.25%であった。プレートは、37℃、5%CO2にて48時間インキュベートした。48時間後、上清を採取し、次のサイトカイン/ケモカインを、マルチプレックス・サイトメトリック・ビーズ・アレイ(multiplex cytometric bead array)(CBA)アッセイによって試験した:IL-2、IL-3、IL-5、IL-10、IL-13、IL-15、IL-17A、GM-CSF、G-CSF、IFN-γ、TNF-α、及びRANTES。CBAプレートを、Luminex IS100器具で解析した。
【0244】
(6.8.2 ウェスタンブロット分析)
細胞株を、標準的な細胞培養技術を使用して維持した。内因性アイオロス発現のために、細胞を、6ウェルプレートに、3mL体積の培地中0.5e6細胞/ウェルで蒔いた。細胞を一晩、プレートに接着させた。細胞を、0、1、及び10uM CC-122に0〜24時間又は5日間さらした。
【0245】
いくつかの実験では、バッチ法においてリポフェクタミン試薬を使用して、細胞株をアイオロス過剰発現ベクターで形質転換した。細胞を、12ウェルプレートに、ウェル当たり3mL体積中1e5細胞で蒔いた。指定されたように、細胞は、10uMでMG132により1時間前処理し、DMSOを対照として加えた。前処理の後、指定された濃度で、細胞培地にCC-122を直接添加した。
【0246】
細胞を採取し、Pierce #78442から得た2×プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有するPierce #89900 Ripa緩衝液に溶解した。溶解物をQiaShredderに適用してDNAを除去した。総タンパク質収量を、Bio Rad DCタンパク質決定キット(Cat#500-0112)を使用して測定した。
【0247】
試料をBioRad Criterion PreCastゲル、10%(Bio-Rad#345-0010)に適用し、Bio-Radニトロセルロース/Filter Paper Sandwiches #162-0233に移した。0233及びアイオロスタンパク質発現を、アイオロス抗体で測定し、LiCor器具で読み取った。
【0248】
(6.8.3 アイオロス抗体の接合及び試験)
この実施例は、本明細書において提供される方法の、ある実施態様で使用されるAlexa Fluor 647及びアイオロス抗体の接合と、接合した抗体の試験とを実証する。簡単に言うと、アイオロス0-21ウサギ多クローン性抗体(SantaCruz Cat# sc-101982)又は他の適切な多若しくは単クローン性抗体を、Alexa Fluor 647に直接接合させ、次いで陽性(抹消血)及び陰性対照細胞株での特異性について試験する。細胞を、BD Lyse/Fixにより固定し、その後、BD Perm緩衝液Iにより固定する。抗体の特異性は、試験化合物を用いて、また用いずに行われる。
【0249】
まず、精製された抗体100μgに、5mol過剰な(ME)及び10MEのAlexa Fluor 647を接合させて、最適な接合条件を決定する。接合後の特異性は、0.5μgの各試験接合体及び精製された抗体を、特定のペプチド遮断薬と共に別々にインキュベートすることによって決定する。正常な全血細胞(陽性対照)及びHEK-293細胞(陰性対照)を加工し、接合及び精製抗体(遮断薬有り及び無し)で別々に染色する。精製された試薬は、適切な抗種Alexa Fluor 647で二次的に開発された。信号対雑音比及び特異的蛍光パーセンテージが決定される。接合抗体及び精製抗体に関する信号対雑音比及び特異的蛍光パーセンテージが同等である場合、蛍光色素と抗体との最適なモル比が決定される。精製抗体の残りを、最適なモル比で接合する。飽和決定のための接合抗体の完全な滴定を、試験化合物で処理した又は処理していない正常な全血細胞で行う。
【0250】
(6.8.4 細胞の固定化の決定)
目的:PBMCでの表面マーカー発現を維持しながら、対象の全てのマーカーを検出するための最適な方法を決定すること。PBMC又は新鮮な正常ドナー全血を、担体対照又は本明細書において提供される化合物のいずれかで、1マイクロモルで2時間処理し、次いで下記の通り加工する。未処理のMM-BMMCも使用する。
【0251】
凍結PBMC(対照及び処理済み)、新鮮な正常ドナー全血(対照及び処理済み)、及び凍結MM-BMMC(未処理のみ)を解凍し、次いで下記の固定化/浸透化法:(1)BD Lyse/Fix+Perm緩衝液I;(2)BD Lyse/Fix+Perm緩衝液II;又は(3)Esoterix専有固定液の一種により固定する。
【0252】
(6.8.5 アッセイの安定性)
新鮮な正常ドナー全血試料の安定性を検査する。五つの正常なドナー全血試料(基礎発現のみ)を引き出し、先の実施例により決定された方法で固定する。固定された試料を二つのアリコートに分割する。一つのアリコートを4℃で1時間置き、もう一つを-20℃で1時間置く。これらの試料を直ぐに試験する(0日目)。残りのアリコートを4℃又は-20℃で貯蔵し、1日生体外で、2日生体外で、3日生体外で試験する。
【0253】
試料を、5人の異なるドナーからの正常全血におけるアイオロスの基礎的な相違の分析によって、生物学的な変動性に関して試験する。
【0254】
(6.8.6 アッセイ内での再現性及びオペレーター間での精度)
アッセイの反復性を決定するために、上記からの安定性に関して試験がなされた同じ5-NWB試料を、一つの時点で三つ一組で試験する。これらの試料は、0日目に、4℃の調製試料で三つ一組で試験した。オペレーター間での精度を試験するために、同じ試料を、第二のオペレーターが同じ日に加工する。分析は、CD19+ a、CD3+、及び全CD45+リンパ球集団と、(MEFLで報告済み)での、アイオロス定量発現レベルを含む。平均、標準偏差、及び%CVを、反復間で、またオペレーター間で計算する。
【0255】
(6.8.7 細胞株でのFACS分析によるアイオロス決定)
この実施例は、FACS分析を使用して、細胞株及びPBMCにおけるアイオロスの決定を実証する。
【0256】
材料:BD固定緩衝液I(cat# 55870);BD Perm緩衝液III(cat#558050);BD染色緩衝液(cat#554657);抗-IKZF3抗体(Santa Cruz lot # B1612)及び二次抗体(BD FITCヤギ抗-ウサギIg cat# 554020)。
【0257】
(アッセイ手順)
固定緩衝液Iを、使用前にインキュベーター又は水浴内で、37℃まで温めた。Perm緩衝液IIIを、使用前に-20℃のフリーザー内で冷やした。細胞を、試験化合物による処理の終わりに収集した。1体積の、事前に温められた固定緩衝液Iを、1体積の細胞懸濁液と混合した。細胞懸濁液の体積が100μLよりも大きい場合、細胞を、回転させて100μL培地又はPBS中に再懸濁した。緩衝液及び細胞懸濁液を十分に混合し、37℃の水浴中で10分間インキュベートした。細胞を、250×gで10分間遠心沈殿させ、上清を吸引した。細胞をBD染色緩衝液で1回洗浄した。ペレットを回転させ、上清を除去した。細胞をボルテックスしてばらばらにし、ボルテックス又は混合しながら、冷Perm緩衝液IIIをゆっくり添加することによって浸透させた。その後、細胞を30分間氷上でインキュベートした。次いで細胞を遠心沈殿させ、染色緩衝液で2回洗浄した。上清を回転させ、吸引した。細胞を、少量の染色緩衝液(50又は100μL、200,000〜100万の細胞を含有)に再懸濁した。抗-IKFZ3抗体を、1:1000の希釈率で細胞懸濁液に添加し、4℃で45分間インキュベートした。次いで細胞を遠心沈殿させ、染色緩衝液で1回洗浄した。二次抗体を、1:5000の希釈率で細胞に添加し、暗所で20分間、室温でインキュベートした。細胞を染色緩衝液で1回洗浄した後に、FACSによる分析を行った。
【0258】
(6.9 結果)
試験化合物(レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン)が、リポ多糖(lipopolysaccharide)(LPS)で刺激されたヒト抹消血単核細胞(human peripheral blood mononuclear cell)(hPBMC)のサイトカイン/ケモカイン産生に及ぼす阻害効果は、試験化合物が、様々な有効性でIL-6、IL-8、IL-1β、GM-CSF、MDC、MIP-1α、MIP-1β、及びTNF-α産生を阻害することを実証した(表1)。データは、IL-10、MCP-1、及びRANTES産生を高める際に試験化合物が有効であることも実証する(表2)。提供されるデータは、示されるサイトカインのIC
50(μM)値である。
【表1】
【表2】
【0259】
(6.9.1 アイオロス発現に対する効果)
リンパ球(左パネル)、顆粒球(上部パネル)、及び単球(右パネル)でのアイオロス発現の阻害における、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの効果を、
図1に示す。
図2及び3にそれぞれ示されるように、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンは、CD20+ B細胞及びCD3+ T細胞でアイオロス発現を著しく阻害した。
【0260】
250nMで18時間、指定された化合物で処理されたヒト全血のウェスタンブロット分析を、
図4に示し、MauritiusサルのPMBCを
図5に示す。(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンは、処理後18時間で、アイオロスの発現を阻害した。
【0261】
(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを使用したカニクイザル(Cyno Monkey)に関する研究は、下記の処理計画に従い実行した。
【表3】
【0262】
簡単に言うと、それぞれが上記にて指定された投薬スケジュール及び用量に従って、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンによる処理を受けた、四つの群に割り当てた。結果を
図6〜9に示すが、これらは、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンがアイオロス発現における効果が投薬処方に応じて変化し得るが、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンは一般にアイオロスの発現を阻害することを示す。
【0263】
化合物A、及び(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、レナリドミド(「len」)、及びポマリドミド(「pom」のアイオロス発現における効果も、評価した。化合物Aは、60、120、240、500、及び100nMで、プロテアソーム阻害剤が存在しない状態でアイオロスの発現を阻害することを示すが、プロテアソーム阻害剤が存在する場合には阻害がほとんど観察されなかった。
図10に示されるように、len、pom、化合物A、及び(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの全ては、アイオロス発現に対する阻害効果を示した。阻害効果は、骨髄腫細胞における化合物の抗増殖活性に相関するようであった。
【0264】
ポマリドミドを使用した、低セレブロン発現(
図11)の細胞では、アイオロス発現の阻害がほとんど又は全く生じないことが示された。同様に、セレブロンの損失は、レナリドミド又はポマリドミドにいずれかによるアイオロス発現の下方制御を防止することが示され(
図12)、これは、このプロセスにセレブロンが関与することを示唆している。最後に、アイオロスのノックダウンは、p21発現を誘導し、IRF4を減少させ、S期での細胞の数を減少させることが示された(
図13及び14)。
【0265】
(6.9.2 乳癌細胞での内因性アイオロスに対する化合物Aの効果)
細胞株(AU565、ZR 75-1、BT-474、EFM-192A、HCC1954、HCC70、MB436、及びBT549)を、標準的な細胞培養技術を使用して維持した。内因性アイオロス発現のために、細胞を、6ウェルプレートに、3mL体積の培地中0.5×10
6細胞/ウェルで蒔いた。細胞を一晩、プレートに接着させた。細胞を、0、1、及び10μMの化合物Aに、指定された時間の長さで曝露した。
【0266】
いくつかの実験では、バッチ法においてリポフェクタミン試薬を使用して、細胞株をアイオロス過剰発現ベクターで形質転換した。細胞を、12ウェルプレートに、ウェル当たり3mL体積中1×10
5細胞で蒔いた。指定された場合、細胞を、10uMでMG132により1時間前処理し、又はDMSOを対照として加えた。前処理の後、指定された濃度で、細胞培地に化合物Aを直接添加した。
【0267】
細胞を採取し、Pierce #78442から得た2×プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有するPierce #89900 Ripa緩衝液に溶解した。溶解物をQiaShredderに適用してDNAを除去した。総タンパク質収量を、BioRad DCタンパク質決定キット(Cat#500-0112)を使用して測定した。溶解物を、使用まで-80℃で貯蔵した。試料をBioRad Criterion PreCastゲル、10%(Bio-Rad#345-0010)に適用し、Bio-Radニトロセルロース/Filter Paper Sandwiches(#162-0233)に移して、ウェスタンブロット分析を行った。
【0268】
図15に示されるように、処理後24時間で、化合物Aは、ZR 75-1及びAU565の両方の細胞株においてアイオロスのレベル(60kD付近にバンドが現れる。)を低下させることがわかった。ある種の実験では、flag-アイオロス-myc融合タンパク質がAU565細胞で過剰発現し、細胞を化合物Aで処理した。そのような場合、抗-myc抗体を使用したウェスタンブロット分析は、65KD付近で一つのアイオロスバンドを提示し、一方で同じ分析の抗-flag抗体は多数のバンドを提示することがわかった。さらに、過剰発現したアイオロスの低減は、化合物Aによる処理後約5時間で示され始め、化合物Aによるアイオロスの阻害は、プロテアソーム阻害剤MG-132の添加によって救援されることがわかった。最後に、内因性アイオロスは、Her2
+細胞(AU565、BT-474、EFM-192A、及びHCC1954)においては化合物Aによって阻害されるが、三つの陰性細胞(HCC70、MB436、及びBT549)では阻害されないことが示された。これらの結果は、アイオロスが化合物Aによって阻害され、したがって化合物Aによる処理のバイオマーカーとして使用できることを示唆している。
【0269】
(6.9.3 アイオロス及びイカロス発現に対する化合物の効果)
アイオロスの発現及びイカロス発現に対する試験化合物(ポマリドミド、レナリドミド、化合物A、及び(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)の効果を、上述のウェスタンブロットに関連した使用と類似の手順を使用して、化合物による処理から6時間後にウェスタンブロット分析で評価した。試験化合物は、様々な程度まで、アイオロス及びイカロスの両方の発現を阻害することが示された。
図15を参照されたい。
【0270】
(6.10 臨床研究における腫瘍型選択に関する正当性)
化合物Aのイン・ビトロ及びイン・ビボ活性には、相違がある。腫瘍細胞に対して、限られた直接イン・ビトロ活性が存在するが、単一薬剤活性が、U87(GBM)、H929(MM)、並びにWSU-DLCL2及びDOHH2(非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's Lymphoma)[NHL])を包含する異種移植片で観察された。これらの相違は、化合物Aの活性が、部分的には免疫調節及び/又は抗血管形成を経た宿主に対する効果によって、並びに間質作用によって、媒介されることを示唆している。
【0271】
化合物Aは、DLBCL細胞でのNFKB DNA結合活性を部分的に阻害する。したがって化合物A HClは、NFKB経路が乳癌などの腫瘍形成に関連付けられている腫瘍において、調査されることになる(Boehm, J. S.; Zhao, J. J.; Yao J.らの文献、Cell 2007, 129, 1065-1079)。化合物Aは、低酸素に応答してHIF1αの誘導も阻害するが、これは炎症性乳癌におけるその探索に関して強力な生物学上の理論的根拠を提供する(Brito, L. G. O.の文献、Clinical Science 2011, 66, 1313)。腫瘍型の選択の他の正当性は、活性のシグナル、又は臨床研究における薬効(pharmacodynamic)(PD)マーカー分析から収集されたデータによって実現されてもよい。PDマーカー分析は、応答の予測サイン又は応答を予測する変化を提供し得る、化合物A HClを投薬する前後での遺伝子サインのプロファイリング又はタンパク質分析(例えば、NFKB、IRF4)を包含してもよい。
【0272】
(6.11 固体腫瘍モデル)
化合物Aを、様々な組織(例えば、乳房、卵巣、結腸直腸、HCC)からの固体腫瘍細胞株に対する、その効果について評価した。化合物Aは、多くのそのような固体腫瘍細胞株内で、低酸素で誘導されるHIF1-α発現を阻害する。さらに、化合物Aは、固体腫瘍細胞の侵襲を様々な程度まで阻害し(表3)、細胞コロニー形成を阻害する(表4)。固体腫瘍細胞コロニー形成の阻害は、1日目に化合物A(10μM)の単一高濃度処理により研究され、その後、10乃至20日の間で細胞コロニー形成を監視することにより、研究される。
【表4】
【表5】
【0273】
(6.12 投薬研究)
主要な処理に関連した効果が、GLP 28日ラット及びサル研究において生じた(表5)曝露に基づき、カニクイザルは、化合物Aの投与に関連した毒性に対してより感受性であるとみなす。したがって、サルのHNSTD(0.5mg塩基/kg/日又は6mg/m
2)は、化合物A HClを用いた初期臨床研究での出発用量の推定で使用するのに適切な用量とみなされる。HNSTD及びICH S9で推奨される、腫瘍患者における6倍マージンに基づいて、出発ヒト用量は1.7mg塩基程度に高くすることができた(表5)。しかし、薬理学的モデル及び化合物Aのイン・ビトロ有効性に基づいて、出発用量0.5mgの化合物A HCl(0.44mg遊離塩基当量)は、その得られる予測曝露マージンが30倍であることが提示される。
図16を参照されたい。
【表6】
【0274】
相対成長率に基づいて誘導された血漿クリアランス及び分布容積値を使用することにより、且つヒトにおいて82%の経口バイオアベイラビリティーを想定することにより、意図されるヒトの出発用量0.5mg化合物A HCl/日で予測されるC
max及び0乃至24時間での曲線下面積(AUC
24hr)は、それぞれ5.5ng/mL及び62ng・時/mLである。予想されるヒト出発用量での、化合物A HClへの全身曝露(AUC
24hr)は、ラットにおけるSTD10よりもおよそ1160倍低く、サルにおけるHNSTDの場合よりもおよそ30倍低い。
【0275】
意図されるヒト出発用量(0.5mg化合物A HCl/日)で予測される血漿濃度(C
max 5.5ng/mL、及びAUC
24hr 62ng・時/mL)は、免疫調節(T細胞IL-2 EC
50=14nM; 4ng/mL)、抗増殖(OCI-LY10細胞株IC
50=8.5nM; 2.4ng/mL)、及び血管形成阻害(ヒト臍帯度動脈アッセイIC
50=9.4nM; 2.7ng/mL)に関するイン・ビトロEC
50及びIC
50値の多くの範囲内にある。
【0276】
(6.13 臨床上のプロトコル)
IBCの被験者に経口で投与されるときの、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物、又はそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物;又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、若しくは多形体、及び/又は他の免疫調節化合物の、安全性、耐性、薬物動態、及び有効性を決定する1a/1b相臨床研究が、提供される。耐性の無い用量(NTD)、最大耐性用量(MTD)、及び推奨される第二相用量(RP2D)が、この研究で定義されることになる。治療前及び治療中の腫瘍生検における血管形成のバイオマーカーに対する化合物の効果が評価されることになる。
【0277】
(研究デザイン)
研究は、二つの部分:用量の増大(パートA)及び用量の広がり(パートB)からなる1a/1b相研究として設計される。パートAにおいて、被験者は、薬物動態(PK)を測定し、且つ最大耐性用量(MTD)及び推奨される第二相用量(RP2D)を同定するために、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物の、単回及び多数回での上昇する用量を受けることになる。標準用量(3+3)上昇デザイン(Simonらの文献、1997)は、初期毒性を同定するために使用されることになる。三人の被験者の初期コホートには、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物が、第一のサイクルにおいて薬物に関連したと疑われるグレード3又はそれよりも高い毒性の最初の事例まで、(1回0.5mgで毎日)100%の用量増加において与えられ、その時点で、具体的なコホートは、合計六人の被験者に広げられることになる。この標準的な上昇スケジュールは、耐性の無い用量(NTD)及びMTDを定めるために開始されることになる。用量コホート内におけるより小さな上昇及び追加の被験者はまた、安全性のために評価され得る。およそ20乃至40人の被験者が、パートAで治療され且つ評価されることになり;しかしパートAにおける被験者の総数は、MTDを定めるために必要とされる用量コホートの数に依存する。サイクル1の間に、コホート中の六人の有効な被験者中の二人以上が、薬物に関連して用量を限定する毒性(DLT)を経験するとき、用量はNTDと考えられることになる。NTDが定められると、用量上昇は停止することになる。MTDはサイクル1の間に、6人の価値のある被験者中の0人又は1人が薬物に関連して用量を限定する毒性(DLT)を経験するとき、NTDより下の最終用量レベルとして定義される。MTD及びRP2Dをより正確に決定するためには、中間の用量(即ち、NTDとNTD前の最終用量レベルとの間の一つ)又はいずれかの用量コホート内における追加の被験者が、必要とされる。
【0278】
パートBでは、被験者は、パートAからのMTDでの及び/又は安全性に基づいたより低い用量レベルで、PK及び/又はPDデータで、投薬を開始し得る。およそ100人の被験者(コホート当たり20人まで)が、腫瘍のタイプによって階層化されているが、これらは治療され、そして二サイクルの治療の後毎に、安全性と抗腫瘍活性が評価されることになる。適切な一つの用量、複数の用量、又はスケジュールも決定されることになる。パートBの間、安全性データは、必要に応じて、研究継続を考慮して定期的に見直されることになる。
【0279】
(研究集団)
18才以上で、標準治療において進行した(又は標準治療に耐えることができなかった)被験者、又はその者のために標準的な抗癌治療が存在しない患者を包含して、乳癌を有する、女性。
【0280】
(研究の用量及び長さ)
最初のサイクルの間、パートAにおいてのみ、各被験者は、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物が、1日目に1日分の量を1回で投与されることになり、その後48時間の観察とPKのサンプリング期間があり、1日目の後、28日間の毎日の連続した投薬がある(サイクル1=30日)。それに続くパートAサイクルにおいて、被験者は、1日目から28日目までの連続した投薬を伴う28日サイクルで治療される。化合物レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物は、1日に1回又は2回、初期投薬量として、0.1、0.5、1、2、4、5、7.5、10、20、25、又は50mgの用量で与えられることになる。その用量は、1日1回与えられ、0.1、0.5、1、2、4、5、7.5、10mgであることができる。その用量は、1日2回与えられ、50、25、又は10mgであることができる。その用量は、治療の間、開始時の用量から、上昇又は下降するように調整され得る。上記のように、必要であれば、薬物は周期的な方法で与えられ得る。
【0281】
パートBでは、被験者は、開始から28日間、連続的な投薬を受ける。開始後の、1回投薬と48時間のPKを集める期間はない。
【0282】
疾患の進行の証拠、受け入れがたい毒性、又は被験者/医者の中止の決定があれば、治療は中止されることになる。被験者は、被験者が恩恵を得る限り、治験責任医師による判断にしたがって、中断なく化合物の受け入れを継続することができる。
【0283】
およそ24か月を超えると、登録が生じることが予測される。能動的な治療及び被験者の追跡の終了に、追加の3〜6カ月を要することが予測される。
【0284】
(研究治療)
Celgene Corporationは、0.1mg、0.5mg、1mg、及び3mgのカプセルとして、例えばレナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物を包含する化合物を、経口投与のために供給することになる。当該化合物は、28日分の薬物を含有する、箱の中のボトルにおいて、包装されるであろう。
【0285】
パートA(用量上昇相)において、用量レベルは、単回のPK投薬の後、0.5mg、1日1回で開始することになる。いずれかのコホートにおいて、最後の被験者に最初の用量が投薬されると、次のより高用量のプロトコルが特定された用量コホートが開始され得る前に、被験者は少なくとも30日間観察される。主席臨床試験医師及びCelgeneの医療監視者からなることになる安全性調査員会(Safety Review Committee)(SRC)によって承認されない限り、被験者内部での用量上昇は許されない。
【0286】
パートBにおいて、被験者は、パートAからの安全性、PK及びPD評価に基づいて、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、化合物A、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、3-(1-オキソ-4-(4-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ベンジルオキシ)イソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ベンジルオキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、3-(4-(4-(2-モルホリン-4-イル-エチル)-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ピペリジン-2,6-ジオン、及び/又は他の免疫調節化合物を、MTD及び/又はそれよりも少ない用量レベルで受けることができる。およそ100人の被験者(20人までの群での事前に選択された腫瘍のタイプ)が、安全性と抗腫瘍効果について評価されることになる。
【0287】
(有効性評価の概説)
被験者は、二サイクルの後毎に、有効性について評価されることになる。第一の有効性の変数は、反応である。腫瘍の反応は、固体腫瘍の反応評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST1.1)、GBMのための神経腫瘍の反応評価(Responses Assessment for Neuro-Oncology)(RANO)ワーキンググループに基づくことになる。
【0288】
第二の/予備的な評価項目は、血液及び腫瘍中のバイオマーカーの測定、病理組織学的反応、薬理ゲノム学の発見を伴う相互関係を包含する。補足的な有効性の変数(例えば、ECOGパフォーマンス状態、PETの結果)も試験されることになり;加えて、血管新生過小の変化が、容量移動定数(volume transfer constant)(Ktrans)及びDCE-MRIを使用する初期(initial)AUC(IAUC)によって測定されることになる。
【0289】
(安全性評価の概説)
この研究のための安全性変数は、有害事象、臨床検査変数、12-リードECG(中心的に再評価された)、LVEF評価、理学的検査及び生体信号である。
【0290】
(薬物動態の評価の概説)
本明細書において提供される化合物及びその代謝産物のPKプロファイルが、最初の治療サイクルの間に一連の血液及び尿の収集物から決定されることになる。これらは、可能であれば、薬効(pharmacodynamic)(PD)結果と関連付けられる。
【0291】
上記の実施例は、クレームされた実施態様をどのように作り且つ使用するかについて、当業者に、完全な開示及び記載を与えるように提供されており、且つ、本明細書に開示されたものの範囲を限定するように意図されていはいない。当業者には明らかな修飾は、次のクレームの範囲内であることが意図されている。この明細書において参照されたすべての刊行物、特許、及び特許出願は、そのような刊行物、特許、及び特許出願の各々が、具体的且つ個別に、参照によって本明細書に組み込まれることが示されているように、本明細書に組み込まれている。