特許第6306598号(P6306598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306598
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】アンドロゲン受容体発現の調節
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20180326BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20180326BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20180326BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 31/569 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20180326BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180326BHJP
   C07D 233/70 20060101ALN20180326BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   C12N15/00 G
   A61K31/712
   A61K31/7088
   A61P35/00
   A61K48/00
   A61K31/4166
   A61K31/569
   A61K31/4188
   A61P43/00 111
   !C07D233/70
【請求項の数】11
【全頁数】181
(21)【出願番号】特願2015-536917(P2015-536917)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公表番号】特表2016-501513(P2016-501513A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013064479
(87)【国際公開番号】WO2014059238
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/777,813
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/777,851
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/777,895
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/712,756
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/723,701
(32)【優先日】2012年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/712,780
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】マクラウド,ロバート・エイ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンス
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ティアンユアン
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】セス,プニット・ピー
(72)【発明者】
【氏名】スウェイジ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】モニア,ブレット・ピー
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−504362(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/012467(WO,A1)
【文献】 Database GenBank [online], Accession No.AL158016, 2009, [検索日:2017.08.25],URL,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/13750797?sat=2&satkey=29417562
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号43ヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント
を含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置し;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは拘束エチルヌクレオシドを含み;修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結はホスホロチオエート連結であり;そして、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのシトシンは5−メチルシトシンである化合物。
【請求項2】
配列番号35のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである化合物。
【請求項3】
配列番号39のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである化合物。
【請求項4】
配列番号39のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に
位置し;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである化合物。
【請求項5】
配列番号39のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置し;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである化合物。
【請求項6】
配列番号39のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に
位置し;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである化合物。
【請求項7】
化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる、請求項1〜のいずれか1項の化合物。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩を含んでなる組成物。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項の化合物又は請求項の組成物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤を組み合わせてなる医薬。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項の化合物、請求項の組成物、又は請求項の組み合わせ医薬を含んでなる、癌の治療剤。
【請求項11】
癌が、前立腺癌、又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項10の治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表とともに出願されている。配列表は、ほぼ556KBのサイズである、200157WOSEQ.txt と題したファイル(2013年10月1日作成)として提供される。電子形式の配列表の情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
特定の態様が、細胞中のアンドロゲン受容体レベルを阻害するためにヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向される化合物及び組成物へ向けられ、これらは、癌を治療する方法と癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法に有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
アンドロゲン受容体(AR)は、核内受容体のスーパーファミリーに属して、そのホルモンリガンドであるアンドロゲン、テストステロン、又はDHTへ結合することによって活性化される。細胞質中のホルモンリガンドへ結合するとすぐに、アンドロゲン受容体は、核へ移動して、そこでDNAと結合して、前立腺特異抗原(PSA)やTMPRSS2のようないくつかの標的遺伝子の発現を調節する転写因子として機能する。Knudsen et al. (Trends Endocrinol Metab 21: 315-24, 2010),Bennett et al. (Int J Biochem Cell Biol. 42: 813-827, 201)。
【0004】
アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達は、前立腺癌細胞に必須の生存経路であって、「化学的去勢」としても知られるアンドロゲン除去療法(ADT)は、循環アンドロゲンレベルを低下させてそれによってAR活性を阻害する、ホルモン感受性でアンドロゲン依存性の前立腺癌に対する第一選択の治療戦略である。大多数の患者が初めはADTへ応答するが、ほとんどの患者が結局は、テストステロンが去勢レベルであっても疾患が進行する去勢抵抗性を発現する。この種の癌は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)として知られている。去勢(去勢術)抵抗性の発現の根底にはいくつかの機序があって、低レベルのアンドロゲンに対しても細胞を感受性にし得るARタンパク質の発現の増加、トランス活性化を変化させるか又は代わりのリガンドに対してARを感受性にすることを可能にするAR突然変異、及び(リガンド結合ドメインを欠損するが、それでもリガンド刺激の非存在下で腫瘍成長を促進するように作用し得る)オルタナティブスプライシング型(alternatively spliced forms)のARの出現が含まれる。加えて、前立腺腫瘍は、それ自身のアンドロゲンを合成して、それによってARを活性化するのに利用可能な局所の腫瘍内テストステロンレベルを増加させる場合もある。
【0005】
アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達は、前立腺癌細胞に必須の生存経路であって、アンドロゲン除去療法(ADT)は、依然として、局所的に進行した転移性の疾患を担う患者にとって第一の治療法である。大多数の患者が初めはADTへ応答するが、ほとんどの患者が結局は、テストステロンが去勢レベルであっても疾患が進行する去勢抵抗性を発現する。この種の癌は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)として知られている(Karantos et al., Oncogene advance online: 1-13, 2013)。去勢抵抗性の発現の根底にはいくつかの機序があって、低レベルのアンドロゲンに対しても細胞を感受性にし得るARタンパク質の発現の増加(Gregory et al., Cancer Res 61: 2892-2898, 2001; Linja et al., Cancer Res 61: 3550-3555, 2001)、トランス活性化を変化させるか又は代わりのリガンドに対してARを感受性にすることを可能にするAR突然変異(Scher et al., J Clin Oncol 23: 8253-8261, 2005)、及び(リガンド結合ドメインを欠損するが、それでもリガンド刺激の非存在下で腫瘍増殖を促進するように作用し得る)オルタナティブスプライシング型のARの出現(Yingming et al., Cancer Res 73: 483-489, 2013)が含まれる。加えて、前立腺腫瘍は、それ自身のアンドロゲンを合成して、それによってARを活性化するのに利用可能な局所の腫瘍内テストステロンレベルを増加させる場合もある(Attard et al., Cancer Cell 16: 458-462, 2009)。
【0006】
去勢抵抗性前立腺癌ではアンドロゲン受容体が依然として活動的であるという事実は、アンドロゲンリガンドの産生を阻害するか又はこれらリガンドのARに対する作用を妨害する新しい薬剤の開発をもたらした。これらの新しい薬剤には、17−α−ヒドロキシラーゼ/17,20−リアーゼ(CYP17)活性を阻害して、副腎によって合成される残留アンドロゲンと前立腺腫瘍それ自体の低下をもたらす酢酸アビラテロン(deBono et al., N Engl J Med 364: 1995-2006, 2011)と、アンドロゲンリガンドがARへ結合し、核へ移動して、DNAへ結合することを妨げるエンザルタミド(Scher et al., N Engl J Med 367:1187-1197, 2012)が含まれる。いくつかの他のアンドロゲン合成阻害剤又はアンドロゲン受容体ブロッカーが前臨床開発又は臨床開発下にあって、例えば、ARN509、ODM201、TOK001、VT464が含まれる。
【0007】
エンザルタミドやアビラテロンのような薬剤のCRPCにおける活性は非常に励みになるが、いずれもすべての患者において作用するわけではなくて、いずれにも、上記の機序によるARの再活性化を介したさらなる抵抗性の発現が付随する(Yingming et al., Cancer Res 73:483-489, 2013)。従って、CRPCの治療への代わりの療法、特に、例えば、野生型、突然変異型、及びスプライス変異体のARが含まれるすべての形態のARを除去する、及び/又はその活性を阻害することができる療法を明確にすることへの不断のニーズがある。
【0008】
本発明は、その設計と作用形式(AR RNA標的と塩基対合して、RNアーゼH[DNA/RNA二重鎖中のRNAを破壊する酵素]によるその破壊に媒介する)によってARの主形態を阻害することを目的とする、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、AR mRNAの適正な領域に標的指向することによって、アンドロゲン受容体タンパク質の主形態(全長、スプライス変異体、及び突然変異型)の阻害をもたらして、それ故に、CRPCのある患者の治療に適していよう。
【0009】
前立腺癌とは別に、ARは、乳癌のような他の腫瘍の進行における1つの因子としても示唆されている。乳癌では、ER陽性でもある腫瘍の70〜80%において、そしてトリプルネガティブ(ER、PR、及びHER2の発現無し)として知られる12%の症例においてARが発現されている(Hickey et al., Molecular Endocrinology 26: 1252-1267, 2012)。前臨床試験において、アンドロゲン受容体アンタゴニストのビカルタミドは、乳癌細胞において試験管内で(in vitro)抗増殖応答を引き起こして、これは、Pi3K/mTOR阻害剤の添加によって増強される(Ni et al., Cancer Cell 20: 119-131, 2011)。第二世代の抗アンドロゲンであるエンザルタミドは、ER+/AR+乳癌細胞においてジヒドロテストステロン(DHT)媒介性の増殖を阻害して、生体内の(in vivo)前臨床モデルにおいてエストロゲン刺激型乳癌腫瘍の成長を阻害するのに、タモキシフェンと同様に有効である(Cochrane et al., Cancer Res 72 (24 補遺): P2-14-02, 2012)。エンザルタミドは、HER2+及びトリプルネガティブの乳癌細胞において増殖を阻害する。エストロゲン作用が低下している状況(例、長期のエストロゲン除去又はERの非存在)では、ARレベルが増加して、発癌性になる可能性があるらしい。このことから、トリプルネガティブ又はホルモン抵抗性乳癌の状況では、ARアンタゴニストが最も良好に位置付けられる場合があることが示唆されよう(Hickey et al., Molecular Endocrinology 26: 1252-1267, 2012)。現在、乳癌に関する臨床試験では、AR標的指向療法が検討されている(NCT00468715,NCT01597193,NCT01381874,NCT00755886)。
【0010】
ARは、限定されないが、膀胱癌、卵巣癌、胃癌、肺癌、及び肝臓癌が含まれる、様々な他の腫瘍においても発現されている。前臨床データは、腫瘍細胞の増殖及び生存を促進する、乳癌での役割と同様の役割を裏付けているので、これらの腫瘍においてARを遮断することは、療法上の治療利益を有する可能性がある(Chang et al., Oncogene advance online: 1-10, 2013)。
【発明の概要】
【0011】
本発明で提供されるいくつかの態様は、細胞中のアンドロゲン受容体レベルを阻害するための化合物及び組成物の発見に関するが、これらは、前立腺、乳房、卵巣、胃、又は膀胱の癌のような癌を治療して、そのような癌細胞の増殖又は成長を阻害する方法に有用であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述の一般的な記載と以下の詳細な記載は、いずれも例示で説明に他ならず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書において、単数形の使用には、他に具体的に述べなければ、複数形が含まれる。本明細書に使用するように、「又は」の使用は、他に述べなければ、「及び/又は」を意味する。さらに、「〜を包含して」という用語、並びに「〜が含まれる」及び「〜を含めて」のような他の形態の使用は、限定的ではない。また、「要素」又は「成分」のような用語には、他に具体的に述べなければ、1つのユニットと要素(複数)を含んでなる要素(複数)及び成分(複数)と、1より多いサブユニットを含む要素(複数)及び成分(複数)がともに含まれる。
【0013】
本明細書に使用するセクション見出しは、構成目的用にすぎず、記載する主題を限定するものと解釈してはならない。本出願において引用される、限定されないが、特許、特許出願、論文、書籍、及び条約が含まれる、すべての文書又は文書の一部は、本明細書において考察される文書の一部のために、並びにその全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0014】
諸定義
特定の定義が提供されなければ、本明細書において記載される分析化学、合成有機化学、及び医薬化学に関連して利用される命名法とその手順及び技術は、当該技術分野で公知であって、普通に使用されるものである。化学合成と化学分析には、標準技術を使用してよい。許容される場合、本開示全体を通して参照される、すべての特許、特許出願、公開公報出願、及び他の公報、GENBANKアセッション番号、及び国立生物工学情報センター(NCBI)のようなデータベースより入手可能な関連配列情報と他のデータは、本明細書において考察される文書の一部のために、並びにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
他に示さなければ、以下の用語は、以下の意味を有する:
「2’−O−メトキシエチル」(又は、2’−MOE及び2’−O(CH−OCH)は、糖環(例、フラノース環)の2’位でのO−メトキシエチル修飾に言及する。2’−O−メトキシエチル修飾糖は、修飾(された)糖である。
【0016】
「2’−MOEヌクレオシド」(又は、2’−O−メトキシエチルヌクレオシド)は、2’−MOE修飾糖部分を含んでなるヌクレオシドを意味する。
【0017】
「2’−置換ヌクレオシド」は、フラノシル環の2’位にH又はOH以外の置換基を含んでなるヌクレオシドを意味する。特定の態様では、2’置換ヌクレオシドに、二環式糖修飾のあるヌクレオシドが含まれる。
【0018】
「3’標的部位」は、特別なアンチセンス化合物の3’端ヌクレオチドに相補的である、標的核酸のヌクレオチドに言及する。
【0019】
「5’標的部位」は、特別なアンチセンス化合物の5’端ヌクレオチドに相補的である、標的核酸のヌクレオチドに言及する。
【0020】
「5−メチルシトシン」は、メチル基が5’位へ付加して修飾されたシトシンを意味する。5−メチルシトシンは、修飾(された)ヌクレオ塩基である。
【0021】
「約」は、数値の±7%以内を意味する。例えば、「該化合物は、アンドロゲン受容体の少なくとも約70%の阻害に影響を及ぼした」と述べられるならば、アンドロゲン受容体レベルが63%と77%の範囲以内で阻害されることを意味する。
【0022】
「投与」又は「投与すること」は、本発明で提供されるアンチセンス化合物を被験者へ導入してその企図される機能を発揮させる経路に言及する。使用し得る投与の経路の例には、限定されないが、皮下、静脈内、又は筋肉内の注射又は注入のような非経口投与が含まれる。
【0023】
乳癌又は乳癌細胞に関する「アンドロゲン受容体陽性」は、アンドロゲン受容体を発現する乳癌又は乳癌細胞に言及する。
【0024】
「動物」は、ヒト又は非ヒト動物に言及し、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、及び非ヒト霊長動物(限定されないが、サル及びチンパンジーが含まれる)が含まれる。
【0025】
「抗アンドロゲン剤」は、アンドロゲン合成阻害剤又はアンドロゲン受容体ブロッカーである、治療化合物又は薬物に言及する。
【0026】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する、検出可能又は測定可能なあらゆる活性を意味する。特定の態様では、アンチセンス活性が、標的核酸又はそのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量又は発現における減少である。
【0027】
「アンチセンス化合物」は、水素結合を介した標的核酸へのハイブリダイゼーションを受けることが可能であるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例には、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有ベース化合物のような、一本鎖化合物と二本鎖化合物が含まれる。
【0028】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルと比較した、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低下を意味する。
【0029】
「アンチセンス機序」は、標的核酸と化合物のハイブリダイゼーションが関与するあらゆる機序のことであって、ここでは、ハイブリダイゼーションの結果又は効果が標的分解又は標的占有のいずれかであって、例えば、転写又はスプライシングに関与する細胞機構の同時停止(stalling)を伴う。
【0030】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、対応する標的核酸の領域又はセグメントへのハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオ塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0031】
「塩基相補性」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオ塩基の、標的核酸中の対応するヌクレオ塩基との正確な塩基対合(即ち、ハイブリダイゼーション)についての能力に言及して、対応するヌクレオ塩基間のワトソン−クリック型、フーグスティーン型、又は逆フーグスティーン型の水素結合によって媒介される。
【0032】
「二環式糖部分」は、4〜7員環の2つの原子を連結して第二の環を形成して二環式構造を生じる架橋を含んでなる4〜7員環(限定されないが、フラノシルが含まれる)を含んでなる修飾糖部分を意味する。特定の態様において、4〜7員環は、糖環である。特定の態様において、4〜7員環は、フラノシルである。特定のそのような態様において、架橋は、フラノシルの2’−炭素と4’−炭素を連結する。
【0033】
本発明によるLNAの定義内にまた含まれるのは、リボシル糖環の2’−ヒドロキシル基がその糖環の4’炭素原子へ連結して、それによってメチレンオキシ(4’−CH−O−2’)架橋を形成して二環式糖部分を形成する、LNAである。架橋は、2’酸素原子と4’炭素原子を連結するメチレン(−CH−)基でも有り得て、これに対してはメチレンオキシ(4’−CH−O−2’)LNAという用語が使用される。さらに、エチレン架橋形成基をこの位置に有する二環式糖部分の場合は、エチレンオキシ(4’−CHCH−O−2’)LNAという用語が使用される。メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)LNAの異性体であるα−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)も、本明細書に使用するように、LNAの定義内に含まれる。
【0034】
「キャップ構造」又は「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端で取り込まれた化学修飾を意味する。
【0035】
「去勢(castrate)抵抗性前立腺癌」又は「去勢術(castration)抵抗性前立腺癌」及び前立腺癌細胞は、アンドロゲン除去療法又は抗アンドロゲン剤に対する前立腺癌及び前立腺癌細胞の感受性の低下に言及する。
【0036】
「cEt」又は「拘束エチル」は、4’−炭素と2’−炭素を連結する架橋(ここでこの架橋は、式:4’−CH(CH)−O−2’を有する)を含んでなる二環式糖部分を意味する。
【0037】
「拘束エチルヌクレオシド」(又は、cEtヌクレオシド)は、4’−CH(CH)−O−2’架橋を含んでなる二環式糖部分を含んでなるヌクレオシドを意味する。
【0038】
「化学的に異なる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域とは何らかの点で化学的に異なる、アンチセンス化合物の領域に言及する。例えば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’−O−メトキシエチル修飾の無いヌクレオチドを有する領域とは化学的に異なる。
【0039】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有して、それぞれの位置に複数のサブユニットを有するアンチセンス化合物を意味する。
【0040】
「相補性」は、第一核酸のヌクレオ塩基と第二核酸のヌクレオ塩基の間で対合するための能力を意味する。
【0041】
「〜を含む」、「〜を含む(3人称単数)」、及び「〜を含んでなる」は、陳述される工程又は要素又は工程(複数)又は要素(複数)の群の包含を含意するが、他のあらゆる工程又は要素又は工程(複数)又は要素(複数)の群の除外を含意しないと理解されよう。
【0042】
「隣接ヌクレオ塩基」は、互いにすぐ隣にあるヌクレオ塩基を意味する。
【0043】
「デオキシリボヌクレオチド」は、そのヌクレオチドの糖部分の2’位に水素を有するヌクレオチドを意味する。デオキシリボヌクレオチドは、多様な置換基のいずれでも修飾されてよい。
【0044】
「〜を設計すること」又は「〜ように設計された」は、選択される核酸分子と特異的にハイブリダイズするオリゴマー化合物を設計する方法に言及する。
【0045】
「下流」は、核酸の3’端又はC末端へ向かう相対的な方向に言及する。
【0046】
「効力」は、所望される効果をもたらす能力を意味する。
【0047】
乳癌又は乳癌細胞に関する「エストロゲン受容体(ER)陽性」は、エストロゲン受容体(ER)を発現する乳癌又は乳癌細胞に言及する。
【0048】
乳癌又は乳癌細胞に関する「エストロゲン受容体(ER)陰性」は、エストロゲン受容体(ER)を発現しない乳癌又は乳癌細胞に言及する。
【0049】
「発現」には、遺伝子のコードされた情報が細胞中に存在して機能する構造へ変換される機能がすべて含まれる。そのような構造には、限定されないが、転写の産物と翻訳の産物が含まれる。
【0050】
「完全に相補的な」又は「100%相補的な」は、第一核酸の各ヌクレオ塩基が第二核酸中の相補的なヌクレオ塩基を有することを意味する。特定の態様では、第一核酸がアンチセンス化合物であって、標的核酸が第二核酸である。
【0051】
「ギャップマー」は、RNアーゼH切断を支援する複数のヌクレオシドを有する内部領域が1以上のヌクレオシドを有する外部領域の間に位置しているキメラアンチセンス化合物を意味して、ここで内部領域を含んでなるヌクレオシドは、外部領域を含んでなる単数又は複数のヌクレオシドから化学的に異なっている。内部領域は、「ギャップ」と呼ばれる場合があって、外部領域は、「ウィング」と呼ばれる場合がある。
【0052】
乳癌又は乳癌細胞に関する「Her2/neu陰性」は、Her2/neuを発現しない乳癌又は乳癌細胞に言及する。
【0053】
「ハイブリダイゼーション」は、相補的な核酸分子のアニーリングを意味する。特定の態様では、相補的な核酸分子に、限定されないが、アンチセンス化合物と核酸標的が含まれる。特定の態様では、相補的な核酸分子に、限定されないが、アンチセンスオリゴヌクレオチドと核酸標的が含まれる。
【0054】
「すぐ隣にある」は、すぐ隣にある要素の間に介在要素が無いことを意味する。
【0055】
「個体」は、治療又は療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0056】
「引き起こす」、「阻害する」、「増強する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」、「上方調節する」、「下方調節する」、等は、一般に、2つの状態間の定量的な差異を示す。
【0057】
「発現又は活性を阻害すること」は、発現又は活性の低下、妨害に言及して、必ずしも発現又は活性の完全な消失を示さない。
【0058】
「ヌクレオシド間連結」は、ヌクレオシド間の化学結合に言及する。
【0059】
「延長した」アンチセンスオリゴヌクレオチドとは、本明細書に開示するアンチセンスオリゴヌクレオチドと比べて1以上の追加のヌクレオシドを有するものである。
【0060】
「連結デオキシヌクレオシド」は、リン酸エステルによって連結されてヌクレオチドを形成する、デオキシリボースによって置換された核酸塩基(A、G、C、T、U)を意味する。
【0061】
「連結ヌクレオシド」は、ヌクレオシド間連結によって一緒に連結した隣接ヌクレオシドを意味する。
【0062】
「ミスマッチ」又は「非相補的なヌクレオ塩基」は、第一核酸のヌクレオ塩基が第二核酸又は標的核酸の対応するヌクレオ塩基と対合することが可能でない場合に言及する。
【0063】
「修飾ヌクレオシド間連結」は、天然に存在するヌクレオシド間結合(即ち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)からの置換又はあらゆる変化に言及する。
【0064】
「修飾ヌクレオ塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、又はウラシル以外のあらゆるヌクレオ塩基を意味する。「非修飾ヌクレオ塩基」は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)とピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)を意味する。
【0065】
「修飾ヌクレオシド」は、修飾糖部分及び/又は修飾ヌクレオ塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。
【0066】
「修飾ヌクレオチド」は、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間連結、又は修飾ヌクレオ塩基を独立して有するヌクレオチドを意味する。
【0067】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間連結、修飾糖、及び/又は修飾ヌクレオ塩基を含んでなるオリゴヌクレオチドを意味する。
【0068】
「修飾糖」は、天然の糖部分からの置換及び/又はあらゆる変化を意味する。
【0069】
「モノマー」は、オリゴマーの単一ユニットに言及する。モノマーには、限定されないが、天然に存在するか又は修飾されている、ヌクレオシドとヌクレオチドが含まれる。
【0070】
「モチーフ」は、アンチセンス化合物中の非修飾ヌクレオシドと修飾ヌクレオシドのパターンを意味する。
【0071】
「天然の糖部分」は、DNA(2’−H)又はRNA(2’−OH)に見出される糖部分を意味する。
【0072】
「天然に存在するヌクレオシド間連結」は、3’→5’ホスホジエステル連結を意味する。
【0073】
「非相補的なヌクレオ塩基」は、互いとの水素結合を形成しないか又は他のやり方でもハイブリダイゼーションを支援しないヌクレオ塩基の対に言及する。
【0074】
「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子に言及する。核酸には、限定されないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、及び二本鎖核酸が含まれる。
【0075】
「ヌクレオ塩基」は、別の核酸の塩基と対合することが可能な複素環式部分を意味する。
【0076】
「ヌクレオ塩基相補性」は、別のヌクレオ塩基と塩基対合することが可能であるヌクレオ塩基に言及する。例えば、DNAでは、アデニン(A)がチミン(T)に相補的である。例えば、RNAでは、アデニン(A)がウラシル(U)に相補的である。特定の態様において、相補的なヌクレオ塩基は、その標的核酸のヌクレオ塩基と塩基対合することが可能である、アンチセンス化合物のヌクレオ塩基に言及する。例えば、アンチセンス化合物のある位置にあるヌクレオ塩基が標的核酸のある位置にあるヌクレオ塩基と水素結合することが可能であるならば、そのオリゴヌクレオチドとその標的核酸の間の水素結合の位置は、そのヌクレオ塩基対で相補的であるとみなされる。
【0077】
「ヌクレオ塩基配列」は、あらゆる糖、連結、及び/又はヌクレオ塩基修飾とは無関係な、隣接ヌクレオ塩基の順序を意味する。
【0078】
「ヌクレオシド」は、糖へ連結したヌクレオ塩基を意味する。
【0079】
「ヌクレオシド模倣体」には、オリゴマー化合物の1以上の位置で糖又は糖及び塩基を置き換える(必ずしも連結は置き換えない)ために使用される、例えば、モルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、二環又は三環糖模倣体(例、非フラノース糖単位)を有するヌクレオシド模倣体のような構造が含まれる。ヌクレオチド模倣体には、オリゴマー化合物の1以上の位置でヌクレオシドや連結を置き換えるために使用される、例えば、ペプチド核酸又はモルホリノ類(−N(H)−C(=O)−O−又は他の非ホスホジエステル連結によって連結されたモルホリノ類)のような構造が含まれる。糖代用物(surrogate)は、やや広義の用語であるヌクレオシド模倣体と重複するが、糖単位(フラノース環)だけの置き換えを示すと企図される。本発明で提供するテトラヒドロピラニル環は、フラノース糖基がテトラヒドロピラニル環系で置き換えられた、糖代用物の1例を例示する。「模倣体」は、糖、ヌクレオ塩基、及び/又はヌクレオシド間連結が置換されている基に言及する。一般に、模倣体は、糖又は糖−ヌクレオシド間連結の組合せの代わりに使用されて、ヌクレオ塩基は、選択された標的へのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0080】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分へリン酸基が共有結合したヌクレオシドを意味する。
【0081】
「オリゴマー化合物」は、核酸分子の少なくとも1つの領域へハイブリダイズすることが可能である、連結モノマーサブユニットのポリマーを意味する。
【0082】
「オリゴヌクレオシド」は、ヌクレオシド間連結がリン原子を含有しないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0083】
「オリゴヌクレオチド」は、そのそれぞれが互いから独立して修飾され得るか又は非修飾であり得る連結ヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0084】
「ホスホロチオエート連結」は、非架橋酸素原子の1つをイオウ原子で置き換えることによってホスホジエステル結合が修飾された、ヌクレオシド間の連結を意味する。ホスホロチオエート連結は、修飾(された)ヌクレオシド間連結である。
【0085】
「部分」は、核酸の一定数の隣接(即ち、連結)ヌクレオ塩基を意味する。特定の態様では、部分が標的核酸の一定数の隣接ヌクレオ塩基である。特定の態様では、部分がアンチセンス化合物の一定数の隣接ヌクレオ塩基である。
【0086】
乳癌又は乳癌細胞に関する「プロゲステロン受容体(PR)陰性」は、プロゲステロン受容体(PR)を発現しない乳癌又は乳癌細胞に言及する。
【0087】
「領域」は、少なくとも1つの同定可能な構造、機能、又は特徴を有する、標的核酸の部分として定義される。
【0088】
「リボヌクレオチド」は、ヌクレオチドの糖部分の2’位にヒドロキシを有するヌクレオチドを意味する。リボヌクレオチドは、多様な置換基のいずれでも修飾されてよい。
【0089】
「セグメント」は、標的核酸内の領域のより小さな部分又はサブ部分として定義される。
【0090】
「部位」は、本明細書に使用するように、標的核酸内の特異的な(unique)ヌクレオ塩基位置として定義される。
【0091】
「特異的にハイブリダイズ可能な」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドと標的核酸の間で、所望される効果を引き起こすのに十分な度合いの相補性を有する一方で、特異的な結合が所望される条件下(即ち、生体内アッセイや療法的治療の場合の生理学的条件下)では非標的核酸に対してほとんど又は全く効果を示さないアンチセンス化合物に言及する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」又は「ストリンジェントな条件」は、オリゴマー化合物がその標的配列へハイブリダイズするが、他の配列へはほとんどハイブリダイズしない条件に言及する。
【0092】
「被験者」は、治療又は療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0093】
「シナジー」又は「相乗作用する」は、各成分単独の効果の相加より大きい、組合せの効果に言及する。
【0094】
「標的」は、その調節が所望されるタンパク質に言及する。
【0095】
「標的遺伝子」は、標的をコードする遺伝子に言及する。
【0096】
「標的指向する」は、標的核酸へ特異的にハイブリダイズして所望される効果を引き起こすアンチセンス化合物の設計及び選択の方法を意味する。
【0097】
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写物」、及び「核酸標的」は、アンチセンス化合物によって標的指向されることが可能な核酸をいずれも意味する。
【0098】
「標的領域」は、1以上のアンチセンス化合物が標的指向される標的核酸の部分を意味する。
【0099】
「標的セグメント」は、アンチセンス化合物が標的指向される標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの5’端ヌクレオチドに言及する。「3’標的部位」は、標的セグメントの3’端ヌクレオチドに言及する。
【0100】
「癌を治療すること」は、癌又はそれに付随する症状の改善をもたらす行為を実施することに言及する。前記行為の組合せは、「治療」という用語に含まれる。癌の改善には、限定されないが、被験者中の癌細胞の数を低下させること、又は該被験者において癌細胞の数を抑制することが含まれる。本明細書に使用するような前記治療には、癌に関する健康の完全な回復も含まれる。本発明で提供される態様に従って使用されるような治療は、治療されるすべての被験者において有効なわけではないと理解されたい。しかしながら、本明細書で言及される癌に罹患している被験者のある集団は、成功裡に治療される可能性がある。特定の態様では、「癌を治療すること」を、限定されないが、癌を有する被験者における腫瘍のサイズの低下、癌を有する被験者における腫瘍の成長又は増殖の抑制、転移を予防すること又は転移の程度を抑えること、及び/又は癌を有する被験者の生存を対照に比較して延長させることが含まれる、いくつかの異なるパラメータによって記載することができる。この定義において言及される癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、及び膀胱癌より選択されるものを含めて、どんな癌でもよい。
【0101】
「非修飾」ヌクレオ塩基は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)と、ピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0102】
「非修飾ヌクレオチド」は、天然に存在するヌクレオ塩基、糖部分、及びヌクレオシド間連結より構成されるヌクレオチドを意味する。特定の態様では、非修飾ヌクレオチドがRNAヌクレオチド(即ち、β−D−リボヌクレオシド)又はDNAヌクレオチド(即ち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。
【0103】
「上流」は、核酸の5’端又はN末端へ向かう相対的な方向に言及する。
【0104】
特定の態様
特定の態様は、アンドロゲン受容体(AR)mRNA発現を阻害するための方法、化合物、及び組成物を提供する。
【0105】
特定の態様は、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物又は組成物を提供する。特定の態様において、アンドロゲン受容体核酸は、GENBANKアセッション番号NT_011669.17_TRUNC_5079000_5270000(本明細書では配列番号1として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号NM_000044.3(本明細書では配列番号2として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号NM_001011645.2(本明細書では配列番号3として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235916.1(本明細書では配列番号4として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235917.1(本明細書では配列番号5として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235918.1(本明細書では配列番号6として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235919.1(本明細書では配列番号7として組み込まれる)、又はGENBANKアセッション番号FJ235920.1(本明細書では配列番号8として組み込まれる)に示される配列である。
【0106】
特定の態様において、該化合物又は組成物は、ARへ標的指向される、長さ10〜30個の連結ヌクレオシドの修飾オリゴヌクレオチドを含む。AR標的は、配列番号1〜配列番号8のいずれの1つにも引用される配列、又はその一部、又はその変異体を有し得る。特定の態様において、AR標的は、既知のARスプライシング変異体の配列を有し得て、これには、限定されないが、AR−V1、AR−V2、AR−V3、AR−V4、AR−V5、AR−V6、及びAR−V7(AR3とも呼ばれる)が含まれ、これらは、エクソン1〜エクソン3を含有するが、エクソン4〜エクソン8を欠損する。本発明で提供される化合物によって標的指向され得るAR−V1、AR−V2、AR−V3、AR−V4、AR−V5、AR−V6、AR−V7、及び追加のスプライシング変異体については、Hu et al., Cancer Res 2009; 69: 16-22 と米国特許出願公開公報番号US2010/0068802(このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0107】
特定の態様において、該化合物又は組成物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ウィングセグメント中の1以上の修飾ヌクレオシドが修飾糖を有する。特定の態様において、修飾糖は、二環式糖である。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−置換ヌクレオシドである。特定の態様では、2’置換ヌクレオシドに、二環式糖修飾のあるヌクレオシドが含まれる。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−MOEヌクレオシドである。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)ヌクレオシドである。
【0108】
特定の態様において、該化合物又は組成物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ウィングセグメント中の1以上の修飾ヌクレオシドが修飾糖を有する。特定の態様において、修飾糖は、二環式糖である。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−置換ヌクレオシドである。特定かの態様では、2’置換ヌクレオシドに、二環式糖修飾のあるヌクレオシドが含まれる。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−MOEヌクレオシドである。特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)ヌクレオシドである。
【0109】
特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物又は組成物、又はその医薬的に許容される塩は、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、ヒトARへ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0110】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、a)連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;b)連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及びc)連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含む。ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて、それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0111】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシド、つまり10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり、それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0112】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり10個の連結デオキシヌクレオシからなるギャップセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは拘束エチル(cEt)糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0113】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0114】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0115】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0116】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0117】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、7個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、2個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの7個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの2個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0118】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、6個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの6個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0119】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0120】
特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシド、つまり7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント、4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントからなり;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0121】
特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物又は組成物、又はその医薬的に許容される塩は、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは、デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;5’ウィングセグメント;及び3’ウィングセグメントを含み、ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて、それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドのそれぞれのシトシンは、5’−メチルシトシンである。
【0122】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号35の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0123】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0124】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0125】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号39の配列からなる16個の連結ヌクレオシドからなるヌクレオ塩基配列を有する一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0126】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0127】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号35の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの6個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0128】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号43の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0129】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号124の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0130】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号150の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0131】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号155の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0132】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、配列番号169の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0133】
特定の態様では、アンドロゲン受容体へ標的指向される化合物、又はその医薬的に許容される塩が、る配列番号175の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからな一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含み、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み;
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントの各ヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである。
【0134】
特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号1の以下のヌクレオチド領域内で相補的である:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、5521〜5536、5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58724〜58739、58725〜58740、58725〜58740、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、102156〜102171、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、139682〜139697、139762〜139777、139782〜139797、144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、148520〜148535、181695〜181710、182958〜182973、又は183049〜183064。
【0135】
特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号1の以下のヌクレオチド領域に標的指向する:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、5521〜5536、5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58724〜58739、58725〜58740、58725〜58740、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、102156〜102171、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、139682〜139697、139762〜139777、139782〜139797、144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、148520〜148535、181695〜181710、182958〜182973、又は183049〜183064。
【0136】
特定の態様では、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドがアンドロゲン受容体核酸のある領域に標的指向する。特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向されるそのような化合物又はオリゴヌクレオチドが、その領域の等しい長さのヌクレオ塩基部分に相補的である隣接ヌクレオ塩基部分を有する。例えば、その部分は、本明細書で引用される領域の等しい長さ部分に相補的な、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の隣接ヌクレオ塩基部分であり得る。特定の態様では、そのような化合物又はオリゴヌクレオチドが配列番号1の以下のヌクレオチド領域に標的指向する:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、5521〜5536、5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58724〜58739、58725〜58740、58725〜58740、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、102156〜102171、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、139682〜139697、139762〜139777、139782〜139797、144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、148520〜148535、181695〜181710、182958〜182973、又は183049〜183064。
【0137】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、エクソン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:2863〜5593(エクソン1)又は27672〜27853(エクソン1B)内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン1へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4047〜4062、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、又は5521〜5536。
【0138】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、エクソン2内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:102087〜102238(エクソン2)又は139551〜139834(エクソン2c)内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン2へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:102155〜102170、102156〜102171、139682〜139697、139762〜139777、又は139782〜139797。
【0139】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、エクソン3内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:144841〜144957(エクソン3)、148380〜148594(エクソン3b)、又は153504〜154908(エクソン3d)内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン3へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、又は148520〜148535。
【0140】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、エクソン7内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:181658〜181815内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン7へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1のヌクレオチド領域:181695〜181710内で相補的である。
【0141】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、エクソン8内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:182517〜189455内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン8へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1のヌクレオチド領域:182958〜182973又は183049〜183064内で相補的である。
【0142】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、イントロン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:5594〜27671又は27854〜102086内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのイントロン1へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58724〜58739、58725〜58740、58725〜58740、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、又は67454〜67469。
【0143】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドが、イントロン2内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:102239〜139550又は139835〜144840内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのイントロン2へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、又は134971〜134986。
【0144】
特定の態様において、配列番号1の以下のヌクレオチド領域は、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的指向される場合、少なくとも50%の阻害を示す:3099〜3114、3120〜3135、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3513〜3528、3519〜3534、3768〜3783、3799〜3814、3851〜3866、3888〜3903、4059〜4074、4534〜4549、4555〜4570、4571〜4586、4578〜4593、4655〜4670、4699〜4714、4750〜4765、4755〜4770、4865〜4880、5054〜5069、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5392〜5407、5448〜5463、5483〜5498、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58735、58720〜58739、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58765、58750〜58769、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、102156〜102171、114874〜114889、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、144856〜144871、181695〜181710、182958〜182973、及び183049〜183064。
【0145】
特定の態様において、配列番号1の以下のヌクレオチド領域は、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的指向される場合、少なくとも60%の阻害を示す:3799〜3814、3851〜3866、3888〜3903、4059〜4074、4534〜4549、4555〜4570、4571〜4586、4578〜4593、4655〜4670、4699〜4714、4755〜4770、4865〜4880、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5392〜5407、5448〜5463、5483〜5498、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58735、58720〜58739、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58765、58750〜58769、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、67454〜67469、102156〜102171、115272〜115287、115365〜115380、144856〜144871、181695〜181710、182958〜182973、及び183049〜183064。
【0146】
特定の態様において、配列番号1の以下のヌクレオチド領域は、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的指向される場合、少なくとも70%の阻害を示す:3799〜3814、3851〜3866、3888〜3903、4059〜4074、4534〜4549、4655〜4670、4699〜4714、4755〜4770、4865〜4880、5060〜5075、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5392〜5407、5448〜5463、5483〜5498、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、33315〜33330、42017〜42032、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、102156〜102171、115365〜115380、144856〜144871、181695〜181710、182958〜182973、及び183049〜183064。
【0147】
特定の態様において、配列番号1の以下のヌクレオチド領域は、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的指向される場合、少なくとも80%の阻害を示す:3799〜3814、3851〜3866、3888〜3903、4059〜4074、4534〜4549、4655〜4670、4699〜4714、4755〜4770、4865〜4880、5060〜5075、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5392〜5407、5448〜5463、5483〜5498、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10865〜10880、11197〜11212、13189〜13204、16793〜16808、58719〜58734、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、102156〜102171、144856〜144871、181695〜181710、182958〜182973、及び183049〜183064。
【0148】
特定の態様において、配列番号1の以下のヌクレオチド領域は、アンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的指向される場合、少なくとも90%の阻害を示す:4534〜4549、5060〜5075、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5448〜5463、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、182958〜182973、及び183049〜183064。
【0149】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:ISIS ID:549332、549334、549338、549347、549358、549360、549361、549362、549366、549371、549372、549374、549377、549379、549380、549381、549387、549390、549414、549432、549434、549457、549458、549459、560071、560098、560099、560100、560131、560132、560133、560137、569213、569215、569216、569220、569222、569223、569227、569228、569229、569236、569238、583559、583567、583608、583609、583613、583635、583638、583662、583795、583796、583799、583834、583919、584145、584148、584149、584152、584157、584158、584162、584163、584165、584166、584167、584168、584179、584180、584183、584184、584192、584233、584242、584245、584263、584269、584274、584312、584329、584361、584465、584465、584468、584469、584469、584495、584495、585233、585259、585262、585263、585264、585265、585268、585269、585271、585274、586124、586224、586224、586225、586225、586227、及び586227は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも50%の阻害をもたらす。
【0150】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、46、49、53、54、55、57、59、63、92、93、95、101、125、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、及び177は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも50%の阻害をもたらす。
【0151】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:ISIS ID:549332、549334、549338、549347、549358、549360、549361、549362、549366、549371、549372、549374、549377、549379、549380、549381、549387、549390、549414、549432、549434、549457、549458、549459、560071、560098、560099、560100、560131、560137、569213、569216、569222、569228、569236、583795、583796、583799、584145、584148、584149、584152、584157、584158、584162、584163、584165、584166、584167、584168、584179、584180、584183、584184、584192、584233、584242、584245、584274、584312、584361、584468、584469、585233、585259、585262、585263、585264、585265、585268、585269、585274、586124、586224、586225、及び586227は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも60%の阻害をもたらす。
【0152】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、38、39、40、41、42、43、92、93、95、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、170、171、173、175、及び176は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも60%の阻害をもたらす。
【0153】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:ISIS ID:549332、549334、549338、549347、549358、549360、549361、549362、549366、549371、549372、549374、549377、549379、549380、549381、549387、549390、549414、549432、549434、549457、549458、549459、560071、560098、560099、560100、560131、560137、569222、584145、584148、584149、584152、584162、584163、584165、584166、584167、584168、584179、584180、584183、584184、584192、584245、584274、584469、585259、585262、585268、585269、586124、586224、586225、及び586227は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも70%の阻害をもたらす。
【0154】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、43、148、149、150、151、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、167、170、及び176は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも70%の阻害をもたらす。
【0155】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:ISIS ID:549332、549334、549338、549347、549358、549360、549361、549362、549366、549371、549372、549374、549377、549379、549380、549381、549387、549390、549414、549432、549434、549457、549458、549459、560098、560099、560100、560137、584148、584149、584152、584162、584163、584166、584180、586124、586224、586225、及び586227は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも80%の阻害をもたらす。
【0156】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、43、149、150、151、154、155、157、及び161は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも80%の阻害をもたらす。
【0157】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:ISIS ID:549358、549371、549372、549374、549377、549380、549432、549434、549457、549458、549459、560098、560099、560100、560137、及び586224は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも90%の阻害をもたらす。
【0158】
特定の態様において、以下のアンチセンス化合物又はアンチセンスオリゴヌクレオチド:配列番号16、21、22、23、24、26、33、34、35、36、37、39、40、及び41は、アンドロゲン受容体核酸のある領域へ標的指向して、アンドロゲン受容体mRNAの少なくとも90%の阻害をもたらす。
【0159】
アンドロゲン受容体mRNAの阻害パーセントは、実施例1に記載されるような、当業者に知られた標準法を使用して、決定することができる。
【0160】
本明細書に含まれる実施例中のそれぞれの配列番号に示される配列は、糖部分、ヌクレオシド間連結、又はヌクレオ塩基に対するあらゆる修飾とは無関係であると理解される。このように、配列番号によって規定されるアンチセンス化合物は、独立して、糖部分、ヌクレオシド間連結、又はヌクレオ塩基に対する1以上の修飾を含み得る。ISIS番号(ISIS #)によって記載されるアンチセンス化合物は、ヌクレオ塩基配列、化学修飾、及びモチーフの組合せを示す。
【0161】
特定の態様において、本明細書に記載される化合物又は組成物は、HuVEC細胞へ送達されるとき、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、65nM未満、60nM未満、55nM未満、50nM未満、45nM未満、40nM未満、35nM未満、30nM未満、25nM、又は20nM未満の試験管内(in vitro)IC50の少なくとも1つを有することによって有効である。特定の態様では、本明細書に記載されるように、プライマープローブセットのRTS3559で阻害を測定する。
【0162】
特定の態様において、本明細書に記載される化合物又は組成物は、生理食塩水処理動物に対する4倍、3倍、又は2倍以下のALT又はAST値の増加、又は肝臓、脾臓、又は腎臓重量の30%、20%、15%、12%、10%、5%、又は2%以下の増加の少なくとも1つを有することによって実証されるように、きわめて忍容可能である。特定の態様において、本明細書に記載される化合物又は組成物は、生理食塩水処理動物に優るALT又はASTの増加を有さないことによって実証されるように、きわめて忍容可能である。特定の態様において、本明細書に記載される化合物又は組成物は、生理食塩水処理動物に優る肝臓、脾臓、又は腎臓重量の増加を有さないことによって実証されるように、きわめて忍容可能である。
【0163】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも一部も包含しない、ARスプライシング変異体に標的指向する。そのようなARスプライシング変異体の例には、限定されないが、エクソン1〜エクソン3を含有するがエクソン4〜エクソン8を欠損する、AR−V7が含まれる。そのようなARスプライシング変異体の追加の例には、例えば、AR3、AR4、AR4b、AR5、及びAR6(それぞれ、配列番号4〜配列番号8)が含まれる。特定の態様では、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流でARへ標的指向されるアンチセンス化合物が、EZN−4176(これは、エクソン4へ標的指向されて、米国特許第7,737,125号に記載される配列番号58に対応する)のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度でアンドロゲン受容体レベルを阻害することが可能である。
【0164】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体に標的指向する。特定の態様では、N末端ドメインをコードするエクソン1の全体又は少なくとも機能的な部分と、DNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3の全体又は少なくとも機能的な部分を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも機能的な部分も、リガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも機能的な部分も包含しないARスプライシング変異体へアンチセンス化合物が標的指向し得ることが理解されよう。実質的にエクソン1〜エクソン3からなる、本発明で提供されるアンチセンス化合物によって標的指向される特定のARスプライシング変異体には、ゲノム領域又はエクソン4〜エクソン8からの核酸配列の非機能的な部分も含まれる場合があると考慮される。スプライシングプロセスは、DNA結合機能を保持するがリガンド結合機能は保持しない、そのようなARスプライシング変異体を生じる場合があると考慮される。特定の態様では、機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体へ標的指向されるアンチセンス化合物が、去勢抵抗性である前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である。特定の態様では、機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体へ標的指向されるアンチセンス化合物が、式XIのジアリールヒダントインAR阻害剤へ抵抗する前立腺癌細胞の成長又は増殖を、EZN−4176(これは、エクソン4へ標的指向されて、米国特許第7,737,125号に記載される配列番号58に対応する)のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で阻害することが可能である。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン2内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるイントロン1内でARに標的指向する。
【0165】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、全長ARと、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8のいずれもの少なくとも一部も包含しないARスプライシング変異体の両方の発現を低下させることが可能である。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物がヒトアンドロゲン受容体へリガンド結合ドメインの上流で標的指向する。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物がヒトアンドロゲン受容体へエクソン3の3’端の上流で標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン2内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるイントロン1内でARに標的指向する。
【0166】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも一部も包含しない、ARスプライシング変異体に標的指向する。そのようなARスプライシング変異体の例には、限定されないが、エクソン1〜エクソン3を含有するがエクソン4〜エクソン8を欠損するAR−V7が含まれる。
【0167】
特定の態様が、EZN−4176(これは、エクソン4へ標的指向されて、米国特許第7,737,125号に記載される配列番号58に対応する)のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で抵抗性前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へリガンド結合ドメインの上流で標的指向されるアンチセンス化合物へ引用される。特定の態様では、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へリガンド結合ドメインの上流で標的指向されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流にあるARの領域へ標的指向される。特定の態様では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン2内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるイントロン1内でARに標的指向する。
【0168】
特定の態様において、本発明で提供される修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオ塩基配列は、修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定される場合、配列番号1〜配列番号8のいずれにも少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%相補的である。
【0169】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、12〜30個の連結ヌクレオシドからなって、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定される場合、配列番号1〜配列番号8のいずれにも少なくとも90%相補的なヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドである。
【0170】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、12〜30個の連結ヌクレオシドからなって、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定される場合、配列番号1〜配列番号8のいずれにも100%相補的なヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドである。特定の態様では、本発明で提供される化合物又は修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖である。
【0171】
特定の態様では、本発明で提供される修飾オリゴヌクレオチドが、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシドからなる。特定の態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシドからなる。
【0172】
特定の態様では、本発明で提供される修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である。特定の態様では、それぞれのヌクレオシド間連結がホスホロチオエートヌクレオシド間連結である。
【0173】
特定の態様では、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む。特定の態様では、少なくとも1つの修飾糖が2’−O−メトキシエチル基(2’−O(CH−OCH)を含む。特定の態様において、修飾糖は、2’−O−CH基を含む。
【0174】
特定の態様では、少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である。特定の態様において、二環式糖は、4’−(CH−O−2’架橋(式中、nは、1又は2である)を含む。特定の態様において、二環式糖は、4’−CH−O−2’架橋を含む。特定の態様において、二環式糖は、4’−CH(CH)−O−2’架橋を含む。
【0175】
特定の態様では、本発明で提供される修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾ヌクレオ塩基を含む。特定の態様において、修飾ヌクレオ塩基は、5−メチルシトシンである。
【0176】
特定の態様では、本発明で提供される修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0177】
特定の態様では、本発明で提供される化合物又は組成物が修飾オリゴヌクレオチドの塩を含む。
【0178】
医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物又は製剤の調製のために、医薬的に許容される活性又は不活性物質と混合してよい。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、限定されないが、投与の経路、疾患の程度、又は投与される用量が含まれる、いくつかの判断基準に依存する。
【0179】
アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物は、そのアンチセンス化合物を好適な医薬的に許容される希釈剤又は担体と組み合わせることによって、医薬組成物において利用することができる。特定の態様では、医薬的に許容される希釈剤が、注射に適した滅菌水のような水である。従って、1つの態様において、本明細書に記載される方法に利用されるのは、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物と医薬的に許容される希釈剤を含んでなる医薬組成物である。特定の態様において、医薬的に許容される希釈剤は、水である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、本発明で提供されるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0180】
アンチセンス化合物を含んでなる医薬組成物には、ヒトが含まれる動物への投与時に、生理活性のある代謝産物又はその残基を(直接的又は間接的に)提供することが可能である、あらゆる医薬的に許容される塩、エステル、又はそのようなエステルの塩、又は他のあらゆるオリゴヌクレオチドが含まれる。従って、例えば、本開示はまた、アンチセンス化合物の医薬的に許容される塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの医薬的に許容される塩、及び他の生物学的同等物へ引用される。好適な医薬的に許容される塩には、限定されないが、ナトリウム塩とカリウム塩が含まれる。
【0181】
プロドラッグには、アンチセンス化合物の片端又は両端に、生体内で内因性ヌクレアーゼによって切断されて、活性のあるアンチセンス化合物を生成する追加のヌクレオシドの取込みを含めることができる。
【0182】
特定の態様において、該化合物又は組成物は、医薬的に許容される担体又は希釈剤をさらに含む。
【0183】
特定の適応症
本発明の特定の側面は、本発明で提供される、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物を投与することを含む、癌を治療する方法へ向けられる。特定の態様において、癌は、AR陽性である。特定の態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、又は胃癌である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0184】
特定の側面が、癌を治療することに使用の、本発明で提供される、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物へ向けられる。特定の態様において、癌は、AR陽性である。特定の態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、又は胃癌である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0185】
特定の側面が、本発明で提供される、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物の、癌を治療するための医薬品の製造への使用へ向けられる。特定の態様において、癌は、AR陽性である。特定の態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、又は胃癌である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0186】
本発明の特定の側面は、本明細書に記載されるような、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物の、その癌が抗アンドロゲン剤(例、化合物又は薬物)での治療に対して抵抗性になった癌患者を治療するための使用へ向けられる。特定の態様では、前記癌が前立腺癌である。特定の態様では、前記患者が、その当人又はその癌が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される薬剤での治療への抵抗性を発現した患者である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、エクソン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:2863〜5593(エクソン1)又は27672〜27853(エクソン1B)内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供される、ARのエクソン1へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、又は5521〜5536。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン2内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:102087〜102238(エクソン2)又は139551〜139834(エクソン2c)内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供される、ARのエクソン2へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域:102155〜102170、102156〜102171、139682〜139697、139762〜139777、又は139782〜139797のいずれの内でも相補的である。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:144841〜144957(エクソン3)、148380〜148594(エクソン3b)、又は153504〜154908(エクソン3d)内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供される、ARのエクソン3へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域:144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、又は148520〜148535のいずれの内でも相補的である。態様の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、イントロン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:5594〜27671又は27854〜102086内でARに標的指向する。態様の態様では、本発明で提供される、ARのイントロン1へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58724〜58739、58725〜58740、58725〜58740、58725〜58740、58750〜58769、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、又は67454〜67469。態様の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、イントロン2内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:102239〜139550又は139835〜144840内でARに標的指向する。態様の態様では、本発明で提供される、ARのイントロン2へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域:114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、又は134971〜134986のいずれの内でも相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0187】
「特別な薬剤(例、化合物又は薬物)での治療へ抵抗する」とは、その薬剤が癌の成長又は拡散を止めるのにさほど有効でないか又はもはや有効でないので、患者又はその癌のそれに対する応答性又は感受性が経時的に低くなったことを意味する。典型的には、そのような患者は、前記薬剤へ抵抗すると分類されて、そのような薬剤ではもはや治療されないだろう。MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される薬剤へ抵抗する前立腺癌を有する被験者には、例えば、前記薬剤をかつて服用したが、その前立腺癌の薬剤に対する応答性又は感受性が低下した患者を含めることができる。例えば、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌には、その薬剤での治療にも拘らず、腫瘍体積、転移、又は進行が増加した前立腺癌を含めることができる。特定の態様では、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌には、該薬剤に対して不応性であって、治療に拘らず、腫瘍体積、転移、又は進行が減少していない前立腺癌を含めることができる。いくつかの態様は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌を被験者において治療する方法に関し、該方法は、その薬剤へ抵抗する前立腺癌を有するとして被験者を同定することと、本明細書に記載されるように、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へエクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流で標的指向されるアンチセンス化合物を該被験者へ投与することを含んでなる。いくつかの態様は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌を被験者において治療する方法に関し、該方法は、前記抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌を有すると確定又は診断された被験者へ、本明細書に記載されるように、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へエクソン3の3’端の上流及び/又はリガンド結合ドメインの上流で標的指向されるアンチセンス化合物を投与することを含んでなる。特定の態様では、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌細胞が、全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する。
【0188】
本発明の特定の側面は、前立腺癌に罹患している患者(ここで該患者、又はその癌は、抗アンドロゲン剤(化合物又は薬物)での治療への抵抗性を発現したか又は抵抗性になった)を治療する方法へ向けられ、該方法は、本明細書に記載されるような、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物を前記患者へ投与することを含んでなる。特定の態様において、前記患者は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される薬剤での治療への抵抗性を発現した患者である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0189】
抗アンドロゲン剤での治療への抵抗性を発現したか又は抵抗性になった前立腺癌は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼ばれる。従って、いくつかの態様では、MDV3100のような抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌細胞が、かつてその阻害剤へ曝露されて、それに対する応答性又は感受性が経時的に低下している。例えば、MDV3100は、患者において前立腺癌細胞の成長又は増殖を初めは阻害するかもしれないが、時間の経過とともに、そのような阻害効果は、その細胞がその阻害剤に対して抵抗性になったときに減衰する場合がある。
【0190】
本発明の特定の側面は、本発明で提供される、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物の、その癌が抗アンドロゲン剤(例、化合物又は薬物)での治療に対して抵抗性になった患者において癌を治療するための医薬品の製造への使用へ向けられる。特定の態様において、癌は、前立腺癌である。特定の態様において、前記患者は、その当人又はその癌が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される薬剤での治療への抵抗性を発現した患者である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0191】
エンザルタミド:
MDV3100は、エンザルタミド(XtandiTM)として、そして4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドというIUPAC名によっても知られる、式XIによって表される、アンドロゲン受容体阻害剤のジアリールヒダントイン群へ属するアンドロゲン受容体リガンド結合阻害剤である。MDV3100は、以下の化学式:
【0192】
【化1】
【0193】
を有する。
【0194】
MDV3100と、本発明で提供される特定の態様における使用に適した追加のジアリールヒダントインのアンドロゲン受容体阻害剤については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,709,517号、米国特許出願公開公報番号US20100172975、及び米国特許出願公開公報番号US20100210665に記載されている。
【0195】
ARN−509
【0196】
【化2】
【0197】
ARN−509として、そして4−(7−(6−シアノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−6,8−ジオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドというIUPAC名によっても知られる、式XIIの化合物は、アンドロゲン受容体リガンド結合阻害剤である。ARN−509と、本発明で提供される特定の態様における使用に適した追加のアンドロゲン受容体阻害剤については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2007126765、WO2008119015、及び米国特許出願公開公報番号2013/0116258に記載されている。
【0198】
酢酸アビラテロン
酢酸アビラテロン及びZYTIGA(登録商標)として、そして[(3S,8R,9S,10R,13S,14S)−10,13−ジメチル−17−(3−ピリジル)−2,3,4,7,8,9,11,12,14,15−デカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル]アセテートというIUPAC名によっても知られる、式XIIIの化合物は、アンドロゲン生合成阻害剤であって、以下の化学式:
【0199】
【化3】
【0200】
を有する。酢酸アビラテロンの構造及び合成については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Potter et al., Journal of Medicinal Chemistry (38(13), 2463-71, 1995) に記載されている。
【0201】
ガレテロン
TOK−001及びガレテロンとして、そして(3S,10R,13S)−17−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オールというIUPAC名によっても知られる、式XIVの化合物は、以下の化学式を有する:
【0202】
【化4】
【0203】
TOK−001の構造及び合成については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Handratta et al., (Journal of Medicinal Chemistry (2005), 48(8), 2972-84, 2005) に記載されている。
【0204】
オルテロネル:
TAK−700及びオルテロネルとして、そして6−[7(S)−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−7−イル]−N−メチルナフタレン−2−カルボキサミドというIUPAC名によっても知られる、式XVの化合物は、アンドロゲン生合成阻害剤であって、以下の化学式:
【0205】
【化5】
【0206】
を有する。TAK−700の構造及び合成については、Kaku et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry (19(21), 6383-99, 2011) に記載されている。
【0207】
Yinet al., (Int. J. Mol. Sci., 14(7): 13958-13978, 2013) では、去勢抵抗性前立腺癌に対する、ODM−21、VT464、ARN509、TAK700、及びTOK−001が含まれる様々な薬物療法を用いた最新の進歩について考察されている。
【0208】
特定の組合せと併用療法
特定の態様では、本明細書に記載される化合物を含んでなる第一薬剤を1以上の第二薬剤と同時投与する。特定の態様では、本明細書に記載される第一薬剤と同じ疾患、障害、又は状態を治療するためにそのような第二薬剤を設計する。特定の態様では、本明細書に記載される第一薬剤と異なる疾患、障害、又は状態を治療するためにそのような第二薬剤を設計する。特定の態様では、第二薬剤の望まれない副作用を治療するために第一薬剤を設計する。特定の態様では、第一薬剤の望まれない効果を治療するために第二薬剤を第一薬剤と同時投与する。特定の態様では、本明細書に記載されるような1以上の医薬組成物の望まれない副作用を治療するためにそのような第二薬剤を設計する。特定の態様では、組合せ効果をもたらすために第二薬剤を第一薬剤と同時投与する。特定の態様では、相乗効果をもたらすために第二薬剤を第一薬剤と同時投与する。特定の態様において、第一薬剤と第二薬剤の同時投与は、両剤を独立した療法として投与する場合の治療又は予防効果を達成するのに必要とされるより低い投与量の使用を可能にする。
【0209】
特定の態様では、本発明で提供される1以上の化合物又は組成物を1以上の抗アンドロゲン剤と同時投与する。特定の態様では、本発明で提供される1以上の化合物又は組成物と1以上の抗アンドロゲン剤を異なる時間で投与する。特定の態様では、本発明で提供される1以上の化合物又は組成物と1以上の抗アンドロゲン剤を単一の製剤において一緒に調製する。特定の態様では、本発明で提供される1以上の化合物又は組成物と1以上の抗アンドロゲン剤を別々に調製する。特定の態様では、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より抗アンドロゲン剤を選択する。
【0210】
本発明の特定の側面は、本明細書に記載されるようなヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物の、抗アンドロゲン剤との組合せにおける使用へ向けられる。特別な態様では、癌に罹患している患者を治療する方法において、又は癌を治療するための医薬品の製造において、そのような使用がある。特定の態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、又は胃癌より選択される。特別な抗アンドロゲン剤の群は、エンザルタミド(MDV3100)、ARN−059、ODM−201、酢酸アビラテロン、ガレテロン(TOK001)、オルテロネル(TAK700)、及びVT464(Yin et al. 同上を参照のこと)のような第二世代の抗ホルモン剤である。
【0211】
特定の側面は、本明細書に記載されるようなヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される第二世代の抗ホルモン剤のような抗アンドロゲン剤の組合せへ注目する。
【0212】
特定の態様において、本明細書に記載されるようなアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される第二世代の抗ホルモン剤のような抗アンドロゲン剤のそのような組合せは、癌細胞の成長又は増殖を阻害する、及び/又は癌を治療するのに有用である。特定の態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、又は胃癌より選択される。特定の態様において、癌は、前立腺癌である。特定の態様において、癌は、乳癌である。特定の態様では、本明細書に記載されるようなARへ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される第二世代の抗ホルモン剤のような抗アンドロゲン剤が組合せにおいて相乗作用して、癌細胞の成長又は増殖を阻害する。いくつかの態様において、癌細胞は、去勢抵抗性であるか又は去勢抵抗性になった前立腺癌細胞である。様々な態様において、癌細胞は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される第二世代抗のホルモン剤へ抵抗するか又は抵抗するようになった前立腺癌細胞である。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオチドレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様において、アンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0213】
いくつかの態様は、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100のような、式XIのジアリールヒダントインAR阻害剤の組合せへ注目する。いくつかの態様では、ジアリールヒダントインのアンドロゲン受容体(AR)阻害剤が、式XVI:
【0214】
【化6】
【0215】
[式中、Xは、トリフルオロメチル及びヨードからなる群より選択され、ここでWは、O及びNR5からなる群より選択され、ここでR5は、H、メチル、及び
【0216】
【化7】
【0217】
{式中、Dは、S又はOであって、Eは、N又はOであって、Gは、アルキル、アリール、置換アルキル、又は置換アリールである;又は、Dは、S又はOであって、E−Gは、一緒に、C1−C4低級アルキルである}からなる群より選択され、
式中、R1とR2は、一緒に、8個以下の炭素原子を含んで、アルキル、置換アルキル(ハロアルキルが含まれる)、及び(それらが連結する炭素と一緒になる場合の)シクロアルキル又は置換シクロアルキル基からなる群より選択され、
式中、R3は、水素、ハロゲン、メチル、C1−C4アルコキシ、ホルミル、ハロアセトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、フェニル、アミノ、メチルカルバモイル、メトキシカルボニル、アセトアミド、メタンスルホンアミノ、メタンスルホニル、4−メタンスルホニル−1−ピペラジニル、ピペラジニル、及びヒドロキシル、メトキシカルボニル、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、カルバモイル、又は置換カルバモイル(メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、及びヒドロキシエチルカルバモイルが含まれる)で置換されていてもよいC1−C6アルキル若しくはアルケニルからなる群より選択され、
式中、R4は、水素、ハロゲン、アルキル、及びハロアルキルからなる群より選択され、そしてここでR3は、メチルアミノメチルでもジメチルアミノメチルでもなく;
R5は、
【0218】
【化8】
【0219】
であってよい]の化合物である。
【0220】
特定の態様では、アンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100のような、式XVIのジアリールヒダントインAR阻害剤のそのような組合せが、前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する、及び/又は前立腺癌を治療するのに有用である。特定の態様では、ARへ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100のような、式XVIのジアリールヒダントインAR阻害剤が組合せにおいて相乗作用して、前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する。いくつかの態様において、前立腺癌細胞は去勢抵抗性である。様々な態様において、前立腺癌細胞は、MDV3100のような、式XVIのジアリールヒダントインAR阻害剤へ抵抗する。特定の態様において、前立腺癌細胞又は去勢抵抗性前立腺癌細胞は、全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する。特定の態様において、本明細書に記載されるようなARへ標的指向されるアンチセンス化合物と他の抗アンドロゲン剤は、2つの薬剤を同時的、分離的、又は連続的に投与することによって、組合せ治療において使用される。特定の態様において、2つの薬剤は、一定用量の組合せ品として製剤化される。他の態様において、2つの薬剤は、患者へ別々の単位として提供されてから、同時的にも、一続きで(連続的に)も投与することができる。
【0221】
特定の態様では、前立腺癌細胞及び/又は去勢抵抗性前立腺癌細胞の成長又は増殖を、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される第二世代の抗ホルモン剤のような別の抗アンドロゲン剤との組合せにおいて阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でヒトアンドロゲン受容体に標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、本明細書に記載されるようなエクソン1、エクソン2、エクソン3、イントロン1、又はイントロン2内でARに標的指向する。
【0222】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも一部も包含しない、ARスプライシング変異体に標的指向する。そのようなARスプライシング変異体の例には、限定されないが、エクソン1〜エクソン3を含有するがエクソン4〜エクソン8を欠損する、AR−V7が含まれる。そのようなARスプライシング変異体の追加の例には、例えば、AR3、AR4、AR4b、AR5、及びAR6(それぞれ、配列番号4〜配列番号8)が含まれる。特定の態様において、前立腺癌細胞は、去勢抵抗性で有り得て、全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する。特別な態様において、前立腺癌細胞は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤に対して去勢抵抗性である。特定の態様では、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でARへ標的指向されるアンチセンス化合物が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤との組合せにおいて、エクソン4へ標的指向されて、US7,737,125に記載される配列番号58に対応する、EZN−4176のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物のMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される同じ抗アンドロゲン剤との組合せより大きな程度で、去勢抵抗性前立腺癌細胞が含まれる前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である。特定の態様において、本明細書に記載されるようなアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の組合せは、去勢抵抗性前立腺癌細胞のような前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することにおいて、アンチセンス化合物単独、又はMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤単独と比較して、相乗的な(例えば、相加より大きな)効果を提供する。従って、特定の態様において、アンチセンス化合物、及び/又はMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の一方又は両方の量は、組合せにおいて使用される場合、前立腺癌細胞の成長又は増殖阻害の同等レベルを達成するのに必要な、アンチセンス化合物単独又はMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤単独のいずれか一方の対応量より少なくなり得る。
【0223】
特定の態様では、前立腺癌細胞及び/又は去勢抵抗性前立腺癌細胞の成長又は増殖を、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤との組合せにおいて阻害するのに有用な、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体に標的指向する。特定の態様では、アンチセンス化合物が、N末端ドメインをコードするエクソン1の全体又は少なくとも機能的な部分と、DNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3の全体又は少なくとも機能的な部分を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも機能的な部分も、リガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも機能的な部分も包含しないARスプライシング変異体へ標的指向し得ることが理解されよう。本発明で提供されるアンチセンス化合物によって標的指向される、実質的にエクソン1〜エクソン3からなる特定のARスプライシング変異体は、ゲノム領域又はエクソン4〜エクソン8由来の核酸配列の非機能的な部分も包含する場合があると考慮される。スプライシングプロセスは、DNA結合機能を保持するがリガンド結合機能は保持しない、そのようなARスプライシング変異体を生じる場合があると考慮される。特定の態様において、前立腺癌細胞は、去勢抵抗性で有り得て、全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する。特定の態様において、前立腺癌細胞は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤に対して去勢抵抗性である。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、本明細書に記載されるようなエクソン1、エクソン2、エクソン3、イントロン1、又はイントロン2内でARに標的指向する。
【0224】
特定の態様では、機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体へ標的指向されるアンチセンス化合物が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤との組合せにおいて、エクソン4へ標的指向されて、US7,737,125に記載される配列番号58に対応する、EZN−4176のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物のMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される同じ抗アンドロゲン剤との組合せより大きな程度で、去勢抵抗性前立腺癌細胞が含まれる前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である。特定の態様において、アンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の組合せは、去勢抵抗性前立腺癌細胞のような前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することにおいて、アンチセンス化合物単独、又は抗アンドロゲン剤単独と比較して、相乗的な(例えば、相加より大きな)効果を提供する。従って、特定の態様において、アンチセンス化合物、及び/又はMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の一方又は両方の量は、組合せにおいて使用される場合、前立腺癌細胞の成長又は増殖阻害の同等レベルを達成するのに必要な、アンチセンス化合物単独又は抗アンドロゲン剤単独のいずれか一方の対応量より少なくなり得る。
【0225】
特定の態様では、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤との組合せにおいて、前立腺癌細胞及び/又は去勢抵抗性前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有用な、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、全長ARと、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8のいずれもの少なくとも一部も包含しないARスプライシング変異体の両方の発現を低下させることが可能である。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物が、ヒトアンドロゲン受容体へリガンド結合ドメインの上流で標的指向する。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物が、ヒトアンドロゲン受容体へエクソン3の3’端の上流で標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流にある、エクソン1内でARに標的指向する。
【0226】
特定の態様では、本明細書に記載されるようなヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の組合せを提供し、ここでアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれもの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の組合せを提供し、ここでアンチセンス化合物は、10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれも含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤の組合せを提供し、ここでアンチセンス化合物は、配列番号12〜配列番号179のいずれものヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100のような、式XIのジアリールヒダントインAR阻害剤の組合せを提供し、ここでアンチセンス化合物は、16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の態様では、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と、MDV3100のような、式XIのジアリールヒダントインAR阻害剤の組合せを提供し、ここでアンドロゲン受容体へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ISIS 560131、ISIS 569213、ISIS 569216、ISIS 569221、ISIS 569236、ISIS 579671、ISIS 586124、ISIS 583918、ISIS 584149、ISIS 584163、ISIS 584269、又はISIS 584468である。
【0227】
いくつかの態様は、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物とMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤と前立腺癌細胞を接触させることを含んでなる、前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法へ注目する。特定の態様において、アンチセンス化合物とMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤は、組合せにおいて相乗作用して、前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する。いくつかの態様において、前立腺癌細胞は、去勢抵抗性である。様々な態様において、前立腺癌細胞は、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗することによって去勢抵抗性である。特定の態様において、前立腺癌細胞又は去勢抵抗性前立腺癌細胞は、全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する。
【0228】
先述の態様のいずれもの特定の側面では、MDV3100のような、式XVIのジアリールヒダントインAR阻害剤との組合せにおいて前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、(i)エクソン3の3’端の上流で、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でヒトアンドロゲン受容体に、又は(ii)機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体に標的指向することができる;及び/又は、(i)全長ARと、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8のいずれもの少なくとも一部も包含しない、ARスプライシング変異体の両方の発現を低下させることが可能である;但し、このアンチセンス化合物は、下記の表Aにおいて確定される配列番号94〜配列番号215のいずれからもなるヌクレオ塩基配列を有さないことが条件である。
【0229】
表A
【0230】
【表1】
【0231】
先述の態様のいずれもの特定の側面では、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、EZN−4176のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で、(i)エクソン3の3’端の上流で、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でヒトアンドロゲン受容体に、又は(ii)機能的なDNA結合ドメインを有するが機能的なリガンド結合ドメインを有さないARスプライシング変異体に標的指向することができる;及び/又は、(i)全長ARと、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8のいずれもの少なくとも一部も包含しない、ARスプライシング変異体の両方の発現を低下させること;又は(ii)抵抗性前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である;但し、このアンチセンス化合物は、配列番号2〜9、49〜50、52〜53、55〜56、及び86〜93(参照により本明細書に組み込まれる)としてUS7,737,125に記載されて、表Aにおいて確定された、配列番号194〜配列番号215のいずれからもなるヌクレオ塩基配列を有さないことが条件である。
【0232】
特定の側面は、本明細書に記載されるようなヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンスオリゴヌクレオチドで乳癌を治療する方法と乳癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法へ向けられる。特定の態様において、乳癌は、以下の特徴の1以上を有する:アンドロゲン受容体陽性(成長をアンドロゲンに依存する)、エストロゲン受容体(ER)陰性(成長をエストロゲンに依存しない)、プロゲステロン受容体(PR)陰性(成長をプロゲステロンに依存しない)、又はHer2/neu陰性。特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、アポクリンである。
【0233】
特定の態様は、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物を被験者へ投与することを含んでなる、該被験者において乳癌を治療する方法へ注目する。特定の態様は、乳癌を有する被験者を同定することと、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物を該被験者へ投与すること、それによって被験者の乳癌を治療することを含んでなる、該被験者において乳癌を治療する方法へ注目する。特定の態様は、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物と乳癌細胞を接触させることを含んでなる、乳癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法へ向けられる。特定の態様は、被験者の乳癌を同定することと、ヒトARへ標的指向されるアンチセンス化合物を該被験者へ投与する(ここでアンチセンス化合物は、被験者においてAR発現を阻害する)ことを含んでなる、乳癌を有するか又は有するリスク状態にある被験者においてAR発現を阻害する方法に関する。
【0234】
特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、以下の特徴の1以上を有する:アンドロゲン受容体陽性(成長をアンドロゲンに依存する)、エストロゲン受容体(ER)陰性(成長をエストロゲンに依存しない)、プロゲステロン受容体(PR)陰性(成長をプロゲステロンに依存しない)、又はHer2/neu陰性。特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、ER、PR、及びHER2トリプルネガティブであってAR陽性(ER−、PR−、HER2−、AR+)である。特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、ER陰性でAR陽性(ER−、AR+)である。特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、ER陽性でAR陽性(ER+、AR+)である。
【0235】
特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、アポクリンである。アポクリン乳癌は、しばしば「トリプルネガティブ」であり、その細胞がER、PR、又はHER2受容体も発現せず、そして、必ずというわけではないが、通常はAR陽性であることを意味する。特定の態様では、アポクリン乳癌又は乳癌細胞がER、PR、及びHER2トリプルネガティブであってAR陽性(ER−、PR−、HER2−、AR+)である。特定の態様では、アポクリン乳癌又は乳癌細胞がER陰性でAR陽性(ER−、AR+)である。特定の態様では、アポクリン乳癌又は乳癌細胞が乳房の汗腺に由来する。いくつかの態様では、アポクリン乳癌又は乳癌細胞が乳房の乳管癌又は癌細胞である。特定の態様では、アポクリン乳癌が以下の特徴のいずれか1以上を有する可能性がある:大量の顆粒状の好酸性細胞質、明瞭な辺縁、大きな胞核、約1:2の核:細胞質比、及び/又は頂部突出像として知られる、頂端細胞質に分泌される顆粒の蓄積。
【0236】
特定の態様において、乳癌又は乳癌細胞は、ER陰性でAR陽性(ER−、AR+)の分子アポクリン乳癌又は乳癌細胞である。特定の側面では、ER陰性でAR陽性(ER−、AR+)の分子アポクリン乳癌又は乳癌細胞が、さらにPR陽性、PR陰性、HER2陰性、又はHER2陽性であり得る。
【0237】
乳癌は、標準的な組織学的技術によって、ER、PR、又はHER2のようなホルモン受容体に関して、陽性又は陰性と同定することができる。例えば、組織学的乳癌試料は、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の核染色を示す細胞が1%未満であって、HER2の免疫組織化学染色が、関連のASCO及びCAPガイドライン(Meyer, P. et al., PLoS ONE7(5): e38361 (2012))に従って、0、1倍、又は2倍の陽性スコアと1.8未満のFISH比(第17染色体シグナルに対するHER2遺伝子シグナル)を示す場合、「トリプルネガティブ」(ER−、PR−、HER2−)と分類することができる。
【0238】
特定の態様では、本発明で提供される、乳癌を治療するか又は乳癌細胞標的の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:2863〜5593(エクソン1)又は27672〜27853(エクソン1B)内でARに標的指向する。特定の態様では、ARのエクソン1へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:3353〜3368、3361〜3376、3519〜3534、3735〜3750、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3888〜3903、4047〜4062、4062〜4077、4109〜4124、4534〜4549、4537〜4552、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4655〜4670、4750〜4765、4752〜4767、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4916〜4931、4918〜4933、5052〜5067、5054〜5069、5060〜5075、5061〜5076、5061〜5076、5062〜5077、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5392〜5407、5448〜5463、5483〜5498、5486〜5501、又は5494〜5509。
【0239】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるエクソン2内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供される、乳癌を治療するか又は乳癌細胞標的の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、エクソン2内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:102087〜102238(エクソン2)又は139551〜139834(エクソン2c)内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供される、ARのエクソン2へ標的指向されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:102155〜102170又は102156〜107171。
【0240】
特定の側面では、本発明で提供される、乳癌を治療するか又は乳癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流にあるイントロン1内でARに標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、イントロン1内で、例えば配列番号1のヌクレオチド領域:5594−27671又は27854−102086内でARに標的指向する。特定の側面では、ARのイントロン1へ標的指向される、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、配列番号1の以下のヌクレオチド領域のいずれの内でも相補的である:5666〜5681、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58735、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58725〜58740、58750〜58765、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、又は58755〜58770。
【0241】
先述の態様のいずれものいくつかの側面では、乳癌を治療するか又は乳癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有用なアンチセンス化合物が、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でヒトアンドロゲン受容体に標的指向する。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物が、限定されないが、エクソン3の3’端の上流、及び/又はリガンド結合ドメインの上流でヒトアンドロゲン受容体に標的指向するものを含めて、EZN−4176のような、リガンド結合ドメインへ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で、乳癌を治療するか又は乳癌細胞の成長又は増殖を阻害することができる;但し、このアンチセンス化合物は、配列番号2〜9、49〜50、52〜53、55〜56、及び86〜93(参照により本明細書に組み込まれる)としてUS7,737,125に記載されて、表Aにおいて確定された、配列番号194〜配列番号215のいずれからもなるヌクレオ塩基配列を有さないことが条件である。
【0242】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物には、限定されないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣体、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及びsiRNAが含まれる。オリゴマー化合物は、標的核酸に対して「アンチセンス」であり得て、それが標的核酸へのハイブリダイゼーションを水素結合を介して行うことが可能であることを意味する。
【0243】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、5’→3’方向で書くときに、それが標的指向される標的核酸の標的セグメントの逆相補配列(reverse complement)を含むヌクレオ塩基配列を有する。そのような特定の態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、5’→3’方向で書くときに、それが標的指向される標的核酸の標的セグメントの逆相補配列を含むヌクレオ塩基配列を有する。
【0244】
特定の態様では、アンチセンス化合物が10〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が12〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が12〜22個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が14〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が14〜20個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が15〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が15〜20個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が16〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が16〜20個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が17〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が17〜20個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が18〜30個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が18〜21個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が18〜20個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が20〜30個のサブユニットの長さである。換言すると、そのようなアンチセンス化合物は、それぞれ、12〜30個の連結サブユニット、14〜30個の連結サブユニット、14〜20個のサブユニット、15〜30個のサブユニット、15〜20個のサブユニット、16〜30個のサブユニット、16〜20個のサブユニット、17〜30個のサブユニット、17〜20個のサブユニット、18〜30個のサブユニット、18〜20個のサブユニット、18〜21個のサブユニット、20〜30個のサブユニット、又は12〜22個の連結サブユニットである。特定の態様では、アンチセンス化合物が14個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が16個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が17個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が18個のサブユニットの長さである。特定の態様では、アンチセンス化合物が20個のサブユニットの長さである。他の態様において、アンチセンス化合物は、8〜80、12〜50、13〜30、13〜50、14〜30、14〜50、15〜30、15〜50、16〜30、16〜50、17〜30、17〜50、18〜22、18〜24、18〜30、18〜50、19〜22、19〜30、19〜50、又は20〜30個の連結サブユニットである。そのような特定の態様において、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80個の連結サブユニットの長さであるか又は、上記の数値の任意の2つによって確定される範囲である。いくつかの態様において、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであって、連結サブユニットは、ヌクレオチドである。
【0245】
特定の態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが短縮化又は先端切断(truncated)されてよい。例えば、単一のサブユニットを5’端から欠失(5’トランケーション)させても、あるいは3’端から欠失(3’トランケーション)させてもよい。アンドロゲン受容体核酸へ標的指向される、短縮化又は先端切断されるアンチセンス化合物では、2個のサブユニットがアンチセンス化合物の5’端から欠失しても、あるいは2個のサブユニットがその3’端から欠失してもよい。あるいは、欠失したヌクレオシドは、アンチセンス化合物全体に分散してよく、例えば、あるアンチセンス化合物では、1個のヌクレオシドが5’端から欠失して、1個のヌクレオシドが3’端から欠失している。
【0246】
延長されたアンチセンス化合物に単一の追加サブユニットが存在する場合、この追加サブユニットは、アンチセンス化合物の5’端又は3’端に位置してよい。2個以上の追加サブユニットが存在する場合、付加したサブユニットは、互いに隣接してよく、例えば、あるアンチセンス化合物では、2個のサブユニットがアンチセンス化合物の5’端へ付加される(5’付加)、またあるいは、その3’端へ付加される(3’付加)。あるいは、付加したサブユニットは、アンチセンス化合物全体に分散してよく、例えば、あるアンチセンス化合物では、1個のサブユニットが5’端へ付加されて、1個のサブユニットが3’端へ付加される。
【0247】
活性を消失させることなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドのようなアンチセンス化合物の長さを増やすか又は減らすこと、及び/又はミスマッチ塩基を導入することが可能である。例えば、Woolf et al.(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 7305-7309, 1992)では、13〜25個のヌクレオ塩基の長さである一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドについて、卵母細胞注入モデルにおいて、標的RNAの切断を誘導するその能力が試験された。その末端付近に8又は11個のミスマッチ塩基がある、25個のヌクレオ塩基の長さであるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含有しないアンチセンスオリゴヌクレオチドより少ない程度であったものの、標的mRNA特異的な切断を指令することができた。同様に、1又は3個のミスマッチがあるものを含めて、13個のヌクレオ塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、標的特異的な切断が達成された。
【0248】
Gautschi et al.(J. Natl. Cancer Inst. 93:463-471, March 2001)は、bcl−2 mRNAに対して100%の相補性を有して、bcl−xL mRNAに対して3個のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドの、bcl−2とbcl−xLの両方の発現を試験管内と生体内で低下させる能力を実証した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、強力な抗腫瘍活性を生体内で明示した。
【0249】
Maher and Dolnick(Nuc. Acid. Res. 16: 3341-3358, 1988)は、一連のタンデムな14個のヌクレオ塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドと、このタンデムアンチセンスオリゴヌクレオチドの2又は3個の配列を含む28及び42個のヌクレオ塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれについて、ウサギ網状赤血球アッセイにおいて、ヒトDHFRの翻訳を阻むその能力を試験した。3種の14個ヌクレオ塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれが、28又は42個のヌクレオ塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドより控えめなレベルであったものの、単独で翻訳を阻害することができた。
【0250】
特定のアンチセンス化合物のモチーフ及び機序
特定の態様では、アンチセンス化合物が、阻害活性の増強、標的核酸への結合親和性の増加、又は生体内ヌクレアーゼによる分解への抵抗性といった特性をそのアンチセンス化合物へ付与するパターン又はモチーフで配置される、化学修飾サブユニットを有する。
【0251】
キメラアンチセンス化合物は、典型的には、ヌクレアーゼ分解への抵抗性の増加、細胞取込みの増加、標的核酸への結合親和性の増加、及び/又は阻害活性の増加を付与するように修飾された少なくとも1つの領域を含有する。キメラアンチセンス化合物の第二領域は、別の所望される特性(例えば、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する、細胞内エンドヌクレアーゼ、RNアーゼHへの基質として役立つこと)を付与してよい。
【0252】
アンチセンス活性は、アンチセンス化合物(例、オリゴヌクレオチド)の標的核酸とのハイブリダイゼーションが関与するどの機序より生じてよく、ここでハイブリダイゼーションは、最終的に、生物学的効果をもたらす。特定の態様において、標的核酸の量及び/又は活性は、調節される。特定の態様において、標的核酸の量及び/又は活性は、低下する。特定の態様では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションが、最終的に標的核酸の分解をもたらす。特定の態様では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションが標的核酸の分解をもたらさない。そのような特定の態様において、標的核酸とハイブリダイズしたアンチセンス化合物の存在(占有)は、アンチセンス活性の調節をもたらす。特定の態様では、化学修飾の特別な化学モチーフ又はパターンを有するアンチセンス化合物が、1以上の機序を利用するのに特に適している。特定の態様では、アンチセンス化合物が、1より多い機序により、及び/又は解明されていない機序により機能する。従って、本明細書に記載されるアンチセンス化合物は、特別な機序によって限定されない。
【0253】
アンチセンス機序には、限定無しに、RNアーゼH媒介性のアンチセンス;RNAi機序(これは、RISC経路を利用して、限定無しに、siRNA、ssRNA、及びマイクロRNAの機序が含まれる);及び、占有ベースの機序が含まれる。特定のアンチセンス化合物は、1より多いそのような機序により、及び/又は追加の機序により機能する場合がある。
【0254】
RNアーゼH媒介性のアンチセンス
特定の態様では、アンチセンス活性が、少なくとも一部は、標的RNAのRNアーゼHによる分解より生じる。RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞内エンドヌクレアーゼである。当該技術分野では、「DNA様」である一本鎖アンチセンス化合物が哺乳動物細胞においてRNアーゼH活性を誘発することが知られている。従って、DNA又はDNA様ヌクレオシドの少なくとも一部を含んでなるアンチセンス化合物は、RNアーゼHを活性化して、標的核酸の切断をもたらす場合がある。特定の態様では、RNアーゼHを利用するアンチセンス化合物が1以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物が1〜8個の修飾ヌクレオシドの少なくとも1つのブロックを含む。そのような特定の態様において、修飾ヌクレオシドは、RNアーゼH活性を支援しない。特定の態様では、そのようなアンチセンス化合物が、本明細書に記載されるようなギャップマーである。そのような特定の態様において、ギャップマーのギャップは、DNAヌクレオシドを含む。そのような特定の態様において、ギャップマーのギャップは、DNA様ヌクレオシドを含む。そのような特定の態様において、ギャップマーのギャップは、DNAヌクレオシドとDNA様ヌクレオシドを含む。
【0255】
ギャップマーモチーフを有する特定のアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物とみなされる。ギャップマーでは、RNアーゼH切断を支援する複数のヌクレオチドを有する内部領域が、内部領域のヌクレオシドとは化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域の間に位置している。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ギャップセグメントは、概してエンドヌクレアーゼ切断の基質として役立ち、一方ウィングセグメントは、修飾ヌクレオシドを含む。特定の態様において、ギャップマーの領域は、それぞれの異なる領域を含んでなる糖部分の種類によって区別される。ギャップマーの領域を区別するのに使用される糖部分の種類には、特定の態様において、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシリボヌクレオシド、2’−修飾ヌクレオシド(このような2’−修飾ヌクレオシドには、とりわけ、2’−MOEと2’−O−CHが含まれ得る)、及び二環式糖修飾ヌクレオシド(このような二環式糖修飾ヌクレオシドには、拘束エチルを有するものが含まれ得る)が含まれ得る。特定の態様では、ウィング中のヌクレオシドに、例えば、2’−MOEと拘束エチル又はLNAのような二環式糖部分を含めて、いくつかの修飾糖部分が含まれ得る。特定の態様では、ウィングにいくつかの修飾及び非修飾糖部分が含まれ得る。特定の態様では、ウィングに2’−MOEヌクレオシド、拘束エチルヌクレオシド又はLNAヌクレオシドのような二環式糖部分、及び2’−デオキシヌクレオシドの様々な組合せが含まれ得る。
【0256】
それぞれの個別領域は、均一の糖部分、変異体、又は交互の糖部分を含み得る。ウィング−ギャップ−ウィングモチーフは、しばしば「X−Y−Z」と記載され、ここで「X」は、5’−ウィングの長さを表し、「Y」は、ギャップの長さを表し、そして「Z」は、3’−ウィングの長さを表す。「X」と「Z」は、均一、変異体、又は交互の糖部分を含み得る。特定の態様では、「X」と「Y」に1以上の2’−デオキシヌクレオシドが含まれ得る。「Y」は、2’−デオキシヌクレオシドを含み得る。本明細書に使用するように、「X−Y−Z」として記載されるギャップマーは、ギャップが5’−ウィングと3’−ウィングのそれぞれに対してすぐ隣に位置しているような配置を有する。従って、5’−ウィングとギャップの間にも、ギャップと3’−ウィングの間にも、介在するヌクレオチドが存在しない。本明細書に記載されるアンチセンス化合物のいずれも、ギャップマーモチーフを有する可能性がある。特定の態様では、「X」と「Z」が同じであり;他の態様では、それらが異なっている。特定の態様では、「Y」が8個と15個の間のヌクレオシドである。X、Y、又はZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30個以上のヌクレオシドのいずれでもあり得る。
【0257】
特定の態様において、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物は、ギャップが6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連結ヌクレオシドからなる、ギャップマーモチーフを有する。
【0258】
特定の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下のような式Aによって記載される糖モチーフを有する:(J)−(B)−(J)−(B)−(A)−(D)−(A)−(B)−(J)−(B)−(J)
[式中:
それぞれのAは、独立して、2’−置換ヌクレオシドであり;
それぞれのBは、独立して、二環式ヌクレオシドであり;
それぞれのJは、独立して、2’−置換ヌクレオシド又は2’−デオキシヌクレオシドのいずれかであり;
それぞれのDは、2’−デオキシヌクレオシドであり;
mは、0〜4であり;nは、0〜2であり;pは、0〜2であり;rは、0〜2であり;tは、0〜2であり;vは、0〜2であり;wは、0〜4であり;xは、0〜2であり;yは、0〜2であり;zは、0〜4であり;gは、6〜14である;
但し:
m、n、及びrの少なくとも1つは、0以外であり;
wとyの少なくとも1つは、0以外であり;
m、n、p、r、及びtの合計は、2〜5であり;そして
v、w、x、y、及びzの合計は、2〜5である]。
【0259】
RNAi化合物
特定の態様では、アンチセンス化合物が、干渉性RNA化合物(RNAi)でありこれには、二本鎖RNA化合物(短鎖干渉性RNA又はsiRNAとも呼ばれる)と一本鎖RNAi化合物(又はssRNA)が含まれる。そのような化合物は、少なくとも一部はRISC経路を介して作用して、標的核酸を分解する、及び/又は捕捉する(従って、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物が含まれる)。特定の態様では、アンチセンス化合物が、それらをそのような機序へ特に適したものとする修飾を含む。
【0260】
i ssRNA化合物
特定の態様では、アンチセンス化合物が、一本鎖RNAi化合物(ssRNA)としての使用に特に適したものを含めて、修飾された5’末端を含む。そのような特定の態様において、5’末端は、修飾リン酸部分を含む。特定の態様では、そのような修飾リン酸が安定化されている(例えば、非修飾5’−リン酸に比べて、分解/切断へ抵抗する)。特定の態様では、そのような5’末端ヌクレオシドが5’−リン部分を安定化する。当該技術分野では、例えばWO/2011/139702に、特定の修飾された5’末端ヌクレオシドを見出し得る。
【0261】
特定の態様において、ssRNA化合物の5’−ヌクレオシドは、式IIc:
【0262】
【化9】
【0263】
[式中:
は、保護化されていてもよいリン部分であり;
は、式IIcの化合物をオリゴマー化合物へ連結するヌクレオシド間連結基であり;
Aは、以下の式:
【0264】
【化10】
【0265】
の一つを有し、
とQは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、又はN(R)(R)であり;
は、O、S、N(R)、又はC(R)(R)であり;
それぞれのR、R、R、R、及びRは、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、又はC−Cアルコキシである}の1つを有し;
は、O、S、NR14、C(R15)(R16)、C(R15)(R16)C(R17)(R18)、C(R15)=C(R17)、OC(R15)(R16)、又はOC(R15)(Bx)であり;
14は、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;
15、R16、R17、及びR18は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルである;
Bxは、複素環式塩基部分である;
又はBxが存在するならば、Bxが複素環式塩基部分であって、Bxは、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;
、J、J、及びJは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルである;
又はJは、J又はJの1つと架橋を形成し、ここで前記架橋は、O、S、NR19、C(R20)(R21)、C(R20)=C(R21)、C[=C(R20)(R21)]、及びC(=O)より選択される1〜3個の連結二端遊離基を含んで、J、J、及びJの他の2つは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;
それぞれのR19、R20、及びR21は、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;
Gは、H、OH、ハロゲン、又はO−[C(R)(R)]−[(C=O)−X−Zであり;
それぞれのRとRは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、又は置換C−Cアルキルであり;
は、O、S、又はN(E)であり;
Zは、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、又はN(E)(E)であり;
、E、及びEは、それぞれ独立して、H、C−Cアルキル、又は置換C−Cアルキルであり;
nは、1〜約6であり;
mは、0又は1であり;
jは、0又は1であり;
それぞれの置換基は、ハロゲン、OJ、N(J)(J)、=NJ、SJ、N、CN、OC(=X)J、OC(=X)N(J)(J)、及びC(=X)N(J)(J)より独立して選択される、1以上の保護化されていてもよい置換基を含み;
は、O、S、又はNJであり;
それぞれのJ、J、及びJは、独立して、H又はC−Cアルキルであり;
jが1であるとき、このときZは、ハロゲン又はN(E)(E)以外である]を有し;そして
ここで前記オリゴマー化合物は、8〜40個のモノマーサブユニットを含んで、標的核酸の少なくとも一部へハイブリダイズ可能である。
【0266】
特定の態様では、Mが、O、CH=CH、OCH、又はOC(H)(Bx)である。特定の態様では、MがOである。
【0267】
特定の態様では、J、J、J、及びJがそれぞれHである。特定の態様では、JがJ又はJの1つと架橋を形成する。
【0268】
特定の態様では、Aが式:
【0269】
【化11】
【0270】
[式中:
とQは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、又は置換C−Cアルコキシである]の1つを有する。特定の態様では、QとQがそれぞれHである。特定の態様では、QとQがそれぞれ独立して、H又はハロゲンである。特定の態様では、QとQの一方がHであって、QとQの他方が、F、CH、又はOCHである。
【0271】
特定の態様では、Tが式:
【0272】
【化12】
【0273】
[式中:
とRは、それぞれ独立して、保護化ヒドロキシル、保護化チオール、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換C−Cアルコキシ、保護化アミノ、又は置換アミノであり;そして
は、O又はSである]を有する。特定の態様では、RがOであって、RとRが、それぞれ独立して、OCH、OCHCH、又はCH(CHである。
【0274】
特定の態様では、Gが、ハロゲン、OCH、OCHF、OCHF、OCF、OCHCH、O(CHF、OCHCHF、OCHCF、OCH−CH=CH、O(CH−OCH、O(CH−SCH、O(CH−OCF、O(CH−N(R10)(R11)、O(CH−ON(R10)(R11)、O(CH−O(CH−N(R10)(R11)、OCHC(=O)−N(R10)(R11)、OCHC(=O)−N(R12)−(CH−N(R10)(R11)、又はO(CH−N(R12)−C(=NR13)[N(R10)(R11)]であり、ここでR10、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立して、H又はC−Cアルキルである。特定の態様では、Gが、ハロゲン、OCH、OCF、OCHCH、OCHCF、OCH−CH=CH、O(CH−OCH、O(CH−O(CH−N(CH、OCHC(=O)−N(H)CH、OCHC(=O)−N(H)−(CH−N(CH、又はOCH−N(H)−C(=NH)NHである。特定の態様では、Gが、F、OCH、又はO(CH−OCHである。特定の態様では、GがO(CH−OCHである。
【0275】
特定の態様において、5’−末端ヌクレオシドは、式IIe:
【0276】
【化13】
【0277】
を有する。
【0278】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、ssRNAに特に適しているものを含めて、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置される1以上の種類の修飾糖部分及び/又は天然に存在する糖部分を明確に定義されたパターン又は糖修飾モチーフにおいて含む。そのようなモチーフには、本明細書において考察される糖修飾、及び/又は他の既知の糖修飾のいずれも含まれ得る。
【0279】
特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、均一の糖修飾を有する領域を含むか又はそれからなる。そのような特定の態様では、この領域のそれぞれのヌクレオシドが同一のRNA様糖修飾を含む。特定の態様では、その領域のそれぞれのヌクレオシドが2’−Fヌクレオシドである。特定の態様では、その領域のそれぞれのヌクレオシドが2’−OMeヌクレオシドである。特定の態様では、その領域のそれぞれのヌクレオシドが2’−MOEヌクレオシドである。特定の態様では、その領域のそれぞれのヌクレオシドがcEtヌクレオシドである。特定の態様では、その領域のそれぞれのヌクレオシドがLNAヌクレオシドである。特定の態様において、均一の領域は、そのオリゴヌクレオチドの全部又はほとんど全部を構成する。特定の態様において、その領域は、1〜4個の末端ヌクレオシドを除く、全体のオリゴヌクレオチドを構成する。
【0280】
特定の態様では、オリゴヌクレオチドが交互の糖修飾の1以上の領域を含み、ここでヌクレオシドは、第一型の糖修飾を有するヌクレオチドと第二型の糖修飾を有するヌクレオチドを交互に繰り返す。特定の態様では、両型のヌクレオシドがRNA様ヌクレオシドである。特定の態様において、交互のヌクレオシドは、2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA、及びcEtより選択される。特定の態様において、交互の修飾は、2’−Fと2’−OMeである。そのような領域は、隣接していても、差示的に修飾されたヌクレオシド又はコンジュゲートされたヌクレオシドによって中断されてもよい。
【0281】
特定の態様において、交互の修飾の交互の領域は、それぞれ単一のヌクレオシドからなる(即ち、このパターンは、(AB)であり、ここでAは、第一型の糖修飾を有するヌクレオシドであって、Bは、第二型の糖修飾を有するヌクレオシドであり;xは、1〜20であり、そしてyは、0又は1である)。特定の態様では、交互モチーフ中の1以上の交互の領域に、ある型の単一ヌクレオシドより多くが含まれる。例えば、オリゴヌクレオチドには、以下のヌクレオシドモチーフのいずれもの1以上の領域が含まれ得る:
AABBAA;
ABBABB;
AABAAB;
ABBABAABB;
ABABAA;
AABABAB;
ABABAA;
ABBAABBABABAA;
BABBAABBABABAA;又は
ABABBAABBABABAA;
ここでAは、第一型のヌクレオシドであって、Bは、第二型のヌクレオシドである。特定の態様では、AとBがそれぞれ2’−F、2’−OMe、BNA、及びMOEより選択される。
【0282】
特定の態様では、そのような交互モチーフを有するオリゴヌクレオチドが、式IIc又はIIeのそれのような修飾5’末端ヌクレオシドも含む。
【0283】
特定の態様では、オリゴヌクレオチドが2−2−3モチーフを有する領域を含む。そのような領域は、以下のモチーフ:
−(A)−(B)−(A)−(C)−(A)
[式中:Aは、第一型の修飾ヌクレオシドであり;
BとCは、Aとは異なって修飾されるヌクレオシドであるが、BとCは、同じ修飾を有しても、互いに異なる修飾を有してもよく;
xとyは、1〜15である]を含む。
【0284】
特定の態様では、Aが2’−OMe修飾ヌクレオシドである。特定の態様では、BとCがともに2’−F修飾ヌクレオシドである。特定の態様では、Aが2’−OMe修飾ヌクレオシドであって、BとCがともに2’−F修飾ヌクレオシドである。
【0285】
特定の態様では、オリゴヌクレオシドが以下の糖モチーフ:
5’−(Q)−(AB)−(D)
[式中:
Qは、安定化リン酸部分を含んでなるヌクレオシドであり、特定の態様では、Qが式IIc又はIIeを有するヌクレオシドであり;
Aは、第一型の修飾ヌクレオシドであり;
Bは、第二型の修飾ヌクレオシドであり;
Dは、それへ隣接するヌクレオシドとは異なる修飾を含んでなる修飾ヌクレオシドである。従って、yが0であれば、このときDは、Bとは異なって修飾されなければならず、そしてyが1であれば、このときDは、Aとは異なって修飾されなければならない。特定の態様では、DがAとBの両方と異なる。
【0286】
Xは、5〜15であり;
Yは、0又は1であり;
Zは、0〜4である]を有する。
【0287】
特定の態様では、オリゴヌクレオシドが以下の糖モチーフ:
5’−(Q)−(A)−(D)
[式中:
Qは、安定化リン酸部分を含んでなるヌクレオシドであり、特定の態様では、Qが式IIc又はIIeを有するヌクレオシドであり;
Aは、第一型の修飾ヌクレオシドであり;
Dは、Aとは異なる修飾を含んでなる修飾ヌクレオシドであり;
Xは、11〜30であり;
Zは、0〜4である]を有する。
【0288】
特定の態様では、上記のモチーフ中のA、B、C、及びDが、2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA、及びcEtより選択される。特定の態様では、Dが末端ヌクレオシドを表す。特定の態様において、そのような末端ヌクレオシドは、標的核酸へハイブリダイズするように設計されない(もっとも、1以上のヌクレオシドが偶然ハイブリダイズする可能性はある)。特定の態様において、それぞれのDヌクレオシドのヌクレオ塩基は、標的核酸の対応部分でのヌクレオ塩基の実体に拘らず、アデニンである。特定の態様において、それぞれのDヌクレオシドのヌクレオ塩基は、チミンである。
【0289】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、ssRNAとしての使用に特に適しているものを含めて、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って一定のパターンで配置された修飾ヌクレオシド間連結又は修飾ヌクレオシド間連結モチーフを含む。特定の態様では、オリゴヌクレオチドが、交互のヌクレオシド間連結モチーフを有する領域を含む。特定の態様では、オリゴヌクレオチドが、均一に修飾されたヌクレオシド間連結の領域を含む。そのような特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結によって均一に連結された領域を含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結によって均一に連結されている。特定の態様では、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結がホスホジエステルとホスホロチオエートより選択される。特定の態様では、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結がホスホジエステルとホスホロチオエートより選択されて、少なくとも1つのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートである。
【0290】
特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1つのブロックを含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1つのブロックを含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1つのブロックを含む。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1つのブロックを含む。そのような特定の態様では、少なくとも1つのそのようなブロックがオリゴヌクレオチドの3’端に位置している。そのような特定の態様では、少なくとも1つのそのようなブロックがオリゴヌクレオチドの3’端の3個のヌクレオシド内に位置している。
【0291】
本明細書に記載される様々な糖モチーフのいずれも有するオリゴヌクレオチドは、どの連結モチーフも有してよい。例えば、オリゴヌクレオチドは、限定されないが、上記に記載されるものを含めて、下記の非限定的な表より選択される連結モチーフを有し得る:
【0292】
【表2】
【0293】
ii.siRNA化合物
特定の態様では、アンチセンス化合物が二本鎖RNAi化合物(siRNA)である。そのような態様では、一方又は両方の鎖が、ssRNAについて上記に記載したどの修飾モチーフも含んでよい。特定の態様では、ssRNA化合物が非修飾RNAであってよい。特定の態様では、siRNA化合物が、非修飾RNAヌクレオシドを含み得るが、修飾ヌクレオシド間連結を含み得ない。
【0294】
いくつかの態様は、1以上の修飾又は非修飾ヌクレオシドの位置によって規定されるモチーフを各鎖が含む、二本鎖組成物に関する。特定の態様では、完全に又は少なくとも一部ハイブリダイズして二重鎖領域を形成する第一及び第二のオリゴマー化合物を含んでなり、そして核酸標的に相補的でそれへハイブリダイズする領域をさらに含んでなる組成物が提供される。そのような組成物は、核酸標的に対して完全又は一部の相補性を有するアンチセンス鎖である第一のオリゴマー化合物と、第一のオリゴマー化合物に相補的な1以上の領域を有してそれと少なくとも1つの二重鎖領域を形成するセンス鎖である第二のオリゴマー化合物を含むことが好適である。
【0295】
いくつかの態様の組成物は、核酸標的へハイブリダイズしてその正常な機能の損失をもたらすことによって、遺伝子発現を調節する。ある態様において、標的核酸は、アンドロゲン受容体である。特定の態様において、標的指向されたアンドロゲン受容体の分解は、本発明の組成物とともに形成される活性化RISC複合体によって促進される。
【0296】
いくつかの態様は、両鎖の一方が、例えば、反対鎖のRISC(又は切断)複合体中への選好的ローディングに影響を及ぼすのに有用である、二本鎖組成物へ向けられる。この組成物は、選択された核酸分子に標的指向して、1以上の遺伝子の発現を調節するのに有用である。ある態様において、本発明の組成物は、標的RNAのある部分へハイブリダイズして、標的RNAの正常な機能の損失をもたらす。
【0297】
特定の態様は、両方の鎖が、ヘミマーモチーフ、完全修飾モチーフ、位置的修飾モチーフ、又は交互モチーフを含む、二本鎖組成物へ注目する。本発明の組成物の各鎖は、例えばsiRNA経路において特別な役割を達成するように修飾することができる。異なるモチーフを各鎖に使用すること、又は化学修飾が異なる同じモチーフを各鎖に使用することによって、センス鎖の取込みを阻害する一方で、アンチセンス鎖をRISC複合体に標的指向することが可能になる。このモデル内では、各鎖がその特別な役割のために強化されるように、それを独立的に修飾することができる。アンチセンス鎖は、RISCの1つの領域におけるその役割を強化するように5’端で修飾することが可能であり、一方3’端は、RISCの異なる領域におけるその役割を強化するように差示的に修飾することが可能である。
【0298】
二本鎖オリゴヌクレオチド分子は、自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を含んでなる二本鎖ポリヌクレオチド分子であり得て、ここでアンチセンス領域は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、そしてセンス領域は、標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を有する。二本鎖オリゴヌクレオチド分子は、2つの別々のオリゴヌクレオチドから組み立てることができて、ここでは一方の鎖がセンス鎖で、他方がアンチセンス鎖であり、ここでアンチセンス鎖とセンス鎖は、自己相補的である(即ち、各鎖は、他の鎖中のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む;アンチセンス鎖とセンス鎖が二重鎖又は二本鎖構造を形成する場合のように。例えばここで二本鎖領域は、約15〜約30個、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個の塩基対である);アンチセンス鎖は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、そしてセンス鎖は、標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を含む(例えば、二本鎖オリゴヌクレオチド分子の約15〜約25個以上のヌクレオチドが標的核酸又はその一部に相補的である)。あるいは、二本鎖オリゴヌクレオチドは、単一のオリゴヌクレオチドより組み立てられ、ここではsiRNAの自己相補的なセンス及びアンチセンス領域が核酸ベース又は非核酸ベースのリンカー(複数)によって連結されている。
【0299】
二本鎖オリゴヌクレオチドは、自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を有する、二重鎖、非対称二重鎖、ヘアピン又は非対称ヘアピン二次構造のあるポリヌクレオチドであり得て、ここでアンチセンス領域は、別の標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、そしてセンス領域は、標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を有する。二本鎖オリゴヌクレオチドは、2個以上のループ構造と自己相補的なセンス及びアンチセンス領域を含んでなるステムを有する環状の一本鎖ポリヌクレオチドであり得て、ここでアンチセンス領域は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列又はその一部に相補的であるヌクレオチド配列を含み、そしてセンス領域は、標的核酸配列に対応するヌクレオチド配列又はその一部を有し、そしてここで環状のポリヌクレオチドは、生体内でも試験管内でもプロセシングを受けて、RNAiに媒介することが可能な活性siRNA分子を産生することができる。
【0300】
特定の態様において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、別々のセンス及びアンチセンス配列又は領域を含み、ここでセンス領域とアンチセンス領域は、当該技術分野で知られているようなヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー分子によって共有結合的に連結されているか又は、代わりに、イオン性相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、及び/又はスタッキング相互作用によって非共有結合的に連結している。特定の態様において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。別の態様において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子の発現の阻害を引き起こすやり方で、標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用する。
【0301】
本明細書に使用するように、二本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAだけを含有する分子に限定される必要はなくて、化学修飾ヌクレオチド及び非ヌクレオチドがさらに含まれる。特定の態様において、短鎖の干渉性核酸分子は、2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠損する。特定の態様では、短鎖干渉性核酸にリボヌクレオチド(例、2’−OH基を有するヌクレオチド)が含まれてなくてもよい。しかしながら、RNAiを支援するのに分子内のリボヌクレオチドの存在を必要としない、そのような二本鎖オリゴヌクレオチドには、2’−OH基のある1以上のヌクレオチドを含有する、単数又は複数の付着リンカー又は他の付着基又は結合基、部分、又は鎖を有する可能性がある。あるいは、二本鎖オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド位置の約5、10、20、30、40、又は50%でリボヌクレオチドを含んでもよい。本明細書に使用するように、siRNAという用語は、配列特異的なRNAiに媒介することが可能である核酸分子について記載するために使用される他の用語、例えば、短鎖干渉性RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、短鎖干渉性オリゴヌクレオチド、短鎖干渉性核酸、短鎖干渉性修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)、等と同等であることを意味する。加えて、本明細書に使用するように、RNAiという用語は、転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、又はエピジェネティクスのような、配列特異的なRNA干渉について記載するために使用される他の用語と同等であることを意味する。例えば、二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して、転写後レベルと転写前レベルの両方で、遺伝子を後成的に沈静化することができる。非限定的な実施例では、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現の後成的な制御は、クロマチン構造又はメチル化パターンのsiRNA媒介性の修飾より生じて、遺伝子発現を改変させる可能性がある(例えば, Verdel et al., 2004, Science, 303, 672-676; Pal-Bhadra et al., 2004, Science, 303, 669-672; Allshire, 2002, Science, 297, 1818-1819; Volpe et al., 2002, Science, 297, 1833-1837; Jenuwein, 2002, Science, 297, 2215-2218; 及び Hall et al., 2002, Science, 297, 2232-2237 を参照のこと)。
【0302】
本発明で提供されるいくつかの態様の化合物及び組成物は、例えば、自己相補的な配列のある単一のRNA鎖が二本鎖コンホメーションをとることが可能である「ヘアピン」又はステム−ループ二本鎖RNAエフェクター分子、又は2本の別々のRNA鎖を含んでなる二重鎖dsRNAエフェクター分子を含めて、dsRNA媒介性遺伝子サイレンシング又はRNAi機序によってアンドロゲン受容体に標的指向することができると考慮される。様々な態様において、dsRNAは、完全にリボヌクレオチドからなるか又は、例えば、WO00/63364(2000年4月19日出願)、又はU.S.シリアル番号60/130,377(1999年4月21日出願)によって開示されるRNA/DNAハイブリッドのようなリボヌクレオチドとデオキシヌクレオチドの混合物からなる。dsRNA又はdsRNAエフェクター分子は、その分子の一方のセグメント中のヌクレオチドがその分子の別のセグメント中のヌクレオチドと塩基対合するような自己相補性の領域がある単一分子であってよい。様々な態様において、単一分子からなるdsRNAは、完全にリボヌクレオチドからなるか、又はデオキシリボヌクレオチドの領域に相補的であるリボヌクレオチドの領域を包含する。あるいは、dsRNAには、互いへの相補性の領域を有する2本の異なる鎖が含まれ得る。
【0303】
様々な態様では、両鎖が完全にリボヌクレオチドからなる、一方の鎖が完全にリボヌクレオチドからなって一方の鎖が完全にデオキシリボヌクレオチドからなる、又は一方又は両方の鎖がリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドの混合物を含有する。特定の態様において、相補性の領域は、互いに対して、そして標的核酸配列に少なくとも70、80、90、95、98、又は100%相補的である。特定の態様において、二本鎖コンホメーションで存在するdsRNAの領域には、少なくとも19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、50、75、100、200、500、1000、2000、又は5000個のヌクレオチドが含まれるか又はcDNA中のヌクレオチドのすべて、又はdsRNAに表されている他の標的核酸配列が含まれる。ある態様において、dsRNAは、一本鎖の端のような一本鎖領域を含有しないか又はdsRNAは、ヘアピンである。他の態様において、dsRNAは、1以上の一本鎖領域又はオーバーハングを有する。特定の態様では、RNA/DNAハイブリッドに、アンチセンス鎖又は領域である(例えば、標的核酸に対して少なくとも70、80、90、95、98、又は100%の相補性を有する)DNA鎖又は領域と、センス鎖又は領域である(例えば、標的核酸に対して少なくとも70、80、90、95、98、又は100%の同一性を有する)RNA鎖又は領域、及びその逆のものが含まれる。
【0304】
様々な態様において、RNA/DNAハイブリッドは、本明細書に記載される方法、又はWO00/63364(2000年4月19日出願)、又はU.S.シリアル番号60/130,377(1999年4月21日出願)に記載される方法のような酵素法又は化学合成法を使用して試験管内で作製される。他の態様では、試験管内で合成されるDNA鎖を、そのDNA鎖の細胞中への形質転換の前、後、又はそれと同時に、生体内又は試験管内で作製されるRNA鎖と複合する。なお他の態様において、dsRNAは、センス領域とアンチセンス領域を含有する単一の環状核酸であるか又は、dsRNAには、環状の核酸と、第二の環状核酸又は線状核酸のいずれかが含まれる(例えば、WO00/63364(2000年4月19日出願)、又はU.S.シリアル番号60/130,377(1999年4月21日出願)を参照のこと)。例示の環状核酸には、ヌクレオチドのフリーの5’ホスホリル基が別のヌクレオチドの2’ヒドロキシル基へループバック形式で連結するようになる、ラリアット構造が含まれる。
【0305】
他の態様において、dsRNAには、糖中の2’位がハロゲン(フッ素基のような)を含有するか又はアルコキシ基(メトキシ基のような)を含有して、対応する2’位が水素又はヒドロキシル基を含有する対応するdsRNAと比較して、dsRNAの試験管内又は生体内での半減期を増加させる、1以上の修飾ヌクレオチドが含まれる。なお他の態様において、dsRNAには、天然に存在するホスホジエステル連結とは異なる、隣接ヌクレオチド間の1以上の連結が含まれる。そのような連結の例には、リンアミド連結、ホスホロチオエート連結、及びホスホロジチオエート連結が含まれる。dsRNAは、米国特許第6,673,661号に教示されるような、化学修飾核酸分子であってもよい。他の態様において、dsRNAは、例えば、WO00/63364(2000年4月19日出願)、又はU.S.シリアル番号60/130,377(1999年4月21日出願)によって開示されるような、1又は2個のキャップ鎖を含有する。
【0306】
他の態様において、dsRNAは、WO00/63364に開示される、少なくとも一部がdsRNA分子であるもののいずれであっても、米国仮特許出願60/399,998;及び米国仮特許出願60/419,532、及びPCT/US2003/033466に記載されるdsRNA分子のいずれであってもよい(これらの教示は、参照により本明細書に組み込まれる)。dsRNAのいずれも、本明細書に記載される方法又はWO00/63364に記載されるような標準法を使用して、試験管内又は生体内で発現させることができる。
【0307】
占有
特定の態様では、アンチセンス化合物が、RNアーゼHを介した標的核酸の切断をもたらすことも、RISC経路を介した切断又は捕捉をもたらすことも予測されない。そのような特定の態様では、アンチセンス活性が占有より生じる場合があり、ここでは、ハイブリダイズしたアンチセンス化合物の存在により、標的核酸の活性が妨げられる。そのような特定の態様において、アンチセンス化合物は、均一に修飾されても、修飾のミックス、及び/又は修飾及び非修飾ヌクレオシドを含んでもよい。
【0308】
標的核酸、標的領域、及びヌクレオチド配列
ヒトアンドロゲン受容体をコードするヌクレオチド配列には、限定無しに、以下が含まれる:GENBANKアセッション番号NT_011669.17_TRUNC_5079000_5270000(本明細書では配列番号1として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号NM_000044.3(本明細書では配列番号2として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号NM_001011645.2(本明細書では配列番号3として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235916.1(本明細書では配列番号4として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235917.1(本明細書では配列番号5として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235918.1(本明細書では配列番号6として組み込まれる)、GENBANKアセッション番号FJ235919.1(本明細書では配列番号7として組み込まれる)、及びGENBANKアセッション番号FJ235920.1(本明細書では配列番号8として組み込まれる)。
【0309】
アンドロゲン受容体mRNAは、いくつかの機能的なドメインをコードする。特定の態様では、全長アンドロゲン受容体mRNAに、N末端ドメインをコードするエクソン1、DNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4、及びリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8が含まれる。
【0310】
特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物によって標的指向可能なアンドロゲン受容体スプライシング変異体は、N末端ドメインをコードするエクソン1とDNA結合ドメインをコードするエクソン2及びエクソン3又はそれらの機能性部分を包含するが、ショートヒンジ領域をコードするエクソン4の少なくとも一部もリガンド結合ドメインをコードするエクソン4〜エクソン8の少なくとも一部も包含しない。そのようなARスプライシング変異体の例には、限定されないが、エクソン1〜エクソン3を含有するがエクソン4〜エクソン8を欠損する、AR−V1、AR−V2、AR−V3、AR−V4、AR−V5、AR−V6、及びAR−V7(AR3とも呼ばれる)が含まれる。AR−V1、AR−V2、AR−V3、AR−V4、AR−V5、AR−V6、AR−V7と、本発明で提供されるアンチセンス化合物によって標的指向される追加のスプライシング変異体については、Hu et al., Cancer Res 2009; 69: 16-22 と米国特許出願公開公報番号:US2010/0068802(このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。本発明で提供されるアンチセンス化合物によって標的指向されるそのようなARスプライシング変異体のさらなる例には、限定されないが、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Guo et al., Cancer Res. 2009; 69: 2305-13 に記載されるような、AR3、AR4、AR4b、AR5、及びAR6(それぞれ、配列番号4〜配列番号8)が含まれる。
【0311】
ハイブリダイゼーション
ある態様では、本明細書に開示するアンチセンス化合物とアンドロゲン受容体の間でハイブリダイゼーションが起こる。最もよくあるハイブリダイゼーションの機序には、核酸分子の相補的なヌクレオ塩基間の水素結合(例、ワトソン−クリック型、フーグスティーン型、又は逆フーグスティーン型の水素結合)が関与する。
【0312】
ハイブリダイゼーションは、多様な条件の下で起こり得る。ストリンジェントな条件は、配列依存的で、ハイブリダイズされる核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0313】
当該技術分野では、ある配列が標的核酸へ特異的にハイブリダイズ可能であるかどうかを判定する方法が公知である。特定の態様において、本発明で提供されるアンチセンス化合物は、アンドロゲン受容体と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0314】
相補性
アンチセンス化合物と標的核酸が互いに相補的であるのは、アンチセンス化合物の十分数のヌクレオ塩基が標的核酸の対応するヌクレオ塩基と水素結合し得て、所望される効果(例えば、アンドロゲン受容体核酸のような標的核酸のアンチセンス阻害)が生じるような場合である。
【0315】
アンチセンス化合物が標的核酸へ特異的にハイブリダイズすることが可能なままである限りは、アンチセンス化合物とアンドロゲン受容体核酸の間の非相補的なヌクレオ塩基が許容され得る。さらに、アンチセンス化合物は、介在又は隣接セグメント(例、ループ構造、ミスマッチ、又はヘアピン構造)がハイブリダイゼーション事象に関与しないように、アンドロゲン受容体核酸の1以上のセグメントにわたってハイブリダイズしてよい。
【0316】
特定の態様において、本発明で提供されるアンチセンス化合物、又はその特定部分は、アンドロゲン受容体核酸、標的領域、標的セグメント、又はその特定部分に少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%相補的である。アンチセンス化合物の標的核酸とのパーセント相補性は、定型法を使用して決定することができる。
【0317】
例えば、アンチセンス化合物の20個のヌクレオ塩基のうち18個が標的領域に相補的で、それ故に特異的にハイブリダイズするアンチセンス化合物は、90パーセントの相補性を表すことになる。この例において、残る非相補的なヌクレオ塩基は、相補的なヌクレオ塩基とともに密集していても散在していてもよくて、互いにも相補的なヌクレオ塩基にも隣接する必要はない。従って、標的核酸に完全に相補的な2つの領域が両側にある4個非相補的なヌクレオ塩基を有する、長さ18個のヌクレオ塩基であるアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体相補性を有することになるので、本発明の範囲内に含まれよう。標的核酸の領域とアンチセンス化合物の相補性パーセントは、当該技術分野で知られているBLASTプログラム(ベーシックローカルアライメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al., J. Mol. Biol., 1990, 215, 403410;Zhang and Madden, Genome Res., 1997, 7, 649656)を使用して、定型的に決定することができる。パーセント相同性、配列同一性又は相補性は、例えば、Smith 及び Waterman のアルゴリズム(Adv. Appl. Math., 1981, 2, 482 489)を使用するデフォルト設定を使用する、Gapプログラム(ウィスコンシン配列解析パッケージ、Unix用バージョン8、Genetics Computer Group, University Research Park, ウィスコンシン州マジソン)によって決定することができる。
【0318】
特定の態様において、本発明で提供されるアンチセンス化合物又はその特定部分は、標的核酸又はその特定部分に完全に相補的(即ち、100%相補的)である。例えば、あるアンチセンス化合物は、アンドロゲン受容体核酸、又は標的領域、又は標的セグメント、又はその標的配列に完全に相補的であり得る。本明細書に使用するように、「完全に相補的」は、アンチセンス化合物のそれぞれのヌクレオ塩基が標的核酸の対応するヌクレオ塩基と正確な塩基対合をすることが可能であることを意味する。例えば、20個のヌクレオ塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に完全に相補的である、標的核酸の対応する20個のヌクレオ塩基部分がある限りにおいて、400個のヌクレオ塩基の長さである標的配列に完全に相補的である。「完全に相補的」は、第一及び/又は第二核酸の特定部分への言及においても使用することができる。例えば、30個のヌクレオ塩基のアンチセンス化合物のうち20個のヌクレオ塩基部分は、400個のヌクレオ塩基の長さである標的配列に「完全に相補的」であり得る。30個のヌクレオ塩基オリゴヌクレオチドの20個のヌクレオ塩基部分は、標的配列が対応する20個のヌクレオ塩基部分を有して、ここでそれぞれのヌクレオ塩基がアンチセンス化合物の20個のヌクレオ塩基部分に相補的であるならば、標的配列に完全に相補的である。同時に、この全30個のヌクレオ塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の残る10個のヌクレオ塩基も標的配列に相補的であるかどうかに依って、標的配列に完全に相補的である場合とない場合がある。
【0319】
非相補的なヌクレオ塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’端でも3’端でもよい。あるいは、非相補的な単数又は複数のヌクレオ塩基は、アンチセンス化合物の内部位置にあってもよい。2個以上の非相補的なヌクレオ塩基が存在するとき、それらは、隣接(即ち、連結)していても非隣接であってもよい。1つの態様では、非相補的なヌクレオ塩基がギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウィングセグメントに位置している。
【0320】
特定の態様では、長さが11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個のヌクレオ塩基であるか又はそれら以下のヌクレオ塩基であるアンチセンス化合物が、アンドロゲン受容体核酸のような標的核酸又はその特定部分に対して、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的なヌクレオ塩基(複数)を含む。
【0321】
特定の態様では、長さが11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個のヌクレオ塩基であるか又はそれら以下のヌクレオ塩基であるアンチセンス化合物が、アンドロゲン受容体核酸のような標的核酸又はその特定部分に対して、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的なヌクレオ塩基(複数)を有する。
【0322】
提供されるアンチセンス化合物には、標的核酸の一部に相補的であるものも含まれる。本明細書に使用するように、「部分」は、標的核酸の領域又はセグメント内にある一定数の隣接(即ち、連結)ヌクレオ塩基に言及する。「部分」はまた、アンチセンス化合物の一定数の隣接ヌクレオ塩基へ言及し得る。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも9個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも11個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも12個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも13個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも14個のヌクレオ塩基部分に相補的である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15個のヌクレオ塩基部分に相補的である。また考慮されるのは、標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上のヌクレオ塩基部分、又は上記の数値の任意の2つによって規定される範囲に相補的であるアンチセンス化合物である。
【0323】
同一性
本発明で提供されるアンチセンス化合物はまた、特別なヌクレオチド配列、配列番号、又は特定のIsis番号によって表される化合物、又はその一部に対して一定のパーセント同一性を有し得る。本明細書に使用するように、アンチセンス化合物は、それが同じヌクレオ塩基対合能力を有するならば、本明細書に開示する配列と同一である。例えば、開示されるDNA配列においてチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシルとチミジンの両方がアデニンと対合するので、そのDNA配列に対しては同一とみなされよう。本明細書に記載されるアンチセンス化合物の短縮バージョンと延長バージョン、並びに本発明で提供されるアンチセンス化合物に対して非同一の塩基を有する化合物も考慮される。この非同一塩基は、互いに隣接していても、アンチセンス化合物全体に分散していてもよい。アンチセンス化合物のパーセント同一性は、それが比較される配列に対する、同一の塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
【0324】
特定の態様において、アンチセンス化合物又はその部分は、本明細書に開示するアンチセンス化合物又は配列番号の1以上又はその一部に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である。
【0325】
特定の態様では、アンチセンス化合物の一部を標的核酸の等しい長さ部分へ比較する。特定の態様では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオ塩基部分を標的核酸の等しい長さ部分へ比較する。
【0326】
特定の態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの一部を標的核酸の等しい長さ部分へ比較する。特定の態様では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオ塩基部分を標的核酸の等しい長さ部分へ比較する。
【0327】
修飾
ヌクレオシドは、塩基−糖の組合せである。ヌクレオシドのヌクレオ塩基(塩基としても知られる)部分は、通常は、複素環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分へ共有結合的に連結したリン酸基がさらに含まれるヌクレオシドである。ペントフラノシル糖が含まれるヌクレオシドでは、リン酸基は、その糖の2’、3’又は5’ヒドロキシル部分へ連結することができる。オリゴヌクレオチドは、隣接ヌクレオシドの互いへの共有結合を介して形成されて、線状のポリマーオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造の内部では、リン酸基は、通常、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間連結を形成するものとして言及される。
【0328】
アンチセンス化合物への修飾には、ヌクレオシド間連結、糖部分、又はヌクレオ塩基に対する置換又は変化が含まれる。修飾アンチセンス化合物は、例えば、細胞取込みの強化、核酸標的への親和性の強化、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増加、又は阻害活性の増加のような望ましい特性の故に、ネイティブ型に優って好ましいことが多い。
【0329】
化学修飾ヌクレオシドはまた、短縮化又は先端切断されたアンチセンスオリゴヌクレオチドのその標的核酸への結合親和性を高めるために利用し得る。従って、そのような化学修飾ヌクレオシドを有するより短いアンチセンス化合物を用いて、同等の結果をしばしば入手することができる。
【0330】
修飾ヌクレオシド間連結
RNAとDNAの天然に存在するヌクレオシド間連結は、3’→5’ホスホジエステル連結である。1以上の修飾された、即ち天然に存在しないヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物は、例えば、細胞取込みの強化、標的核酸への親和性の強化、及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増加のような望ましい特性の故に、天然に存在するヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物に優ってしばしば選択される。
【0331】
修飾ヌクレオシド間連結を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子を保持するヌクレオシド間連結、並びにリン原子を有さないヌクレオシド間連結が含まれる。代表的なリン含有ヌクレオシド間連結には、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、及びホスホロチオエートが含まれる。リン含有連結とリン非含有連結の製造法は、公知である。
【0332】
特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物が1以上の修飾ヌクレオシド間連結を含む。特定の態様において、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。特定の態様では、アンチセンス化合物のそれぞれのヌクレオシド間連結がホスホロチオエートヌクレオシド間連結である。
【0333】
修飾糖部分
アンチセンス化合物は、糖基が修飾された1以上のヌクレオシドを含有してもよい。そのような糖修飾ヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の強化、結合親和性の増加、又は他の有益な生物学的特性をそのアンチセンス化合物へ付与する場合がある。特定の態様では、ヌクレオシドが化学修飾リボフラノース環部分を含む。化学修飾リボフラノース環の例には、限定無しに、置換基(5’及び2’置換基が含まれる)の付加、非ジェミナル環原子の架橋形成による二環式核酸(BNA)の生成、リボシル環酸素原子のS、N(R)、又はC(R)(R)(R、R、及びRは、それぞれ独立して、H、C−C12アルキル、又は保護基である)での置き換え、及びこれらの組合せが含まれる。化学修飾糖の例には、2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示された5’,2’−ビス置換ヌクレオシドについては、PCT国際特許出願WO2008/101157[2008年8月21日公開]を参照のこと)、又は2’位でのさらなる置換を伴う、リボシル環酸素原子のSでの置き換え(公開中の米国特許出願US2005−0130923[2005年6月16日公開]を参照のこと)、またあるいは、BNAの5’−置換(PCT国際特許出願WO2007/134181[2007年11月22日公開]を参照のこと、ここで4’−(CH)−O−2’(LNA)は、例えば5’−メチル又は5’−ビニル基で置換されている)が含まれる。
【0334】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの例には、限定無しに、5’−ビニル、5’−メチル(R又はS)、4’−S、2’−F、2’−OCH、2’−OCHCH、2’−OCHCHF、及び2’−O(CHOCH置換基を含んでなるヌクレオシドが含まれる。2’位での置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C−C10アルキル、OCF、OCHF、O(CHSCH、O(CH−O−N(R)(R)、O−CH−C(=O)−N(R)(R)、及びO−CH−C(=O)−N(R)−(CH−N(R)(R)[ここでそれぞれのR、R、及びRは、独立して、H、又は置換若しくは未置換C−C10アルキルである]より選択され得る。
【0335】
本明細書に使用するように、「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分を含んでなる修飾ヌクレオシドへ言及する。二環式ヌクレオシドの例には、限定無しに、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子の間に架橋を含んでなるヌクレオシドが含まれる。特定の態様では、本発明で提供されるアンチセンス化合物に、4’→2’架橋を含んでなる1以上の二環式ヌクレオシドが含まれる。そのような4’→2’架橋形成された二環式ヌクレオシドの例には、限定されないが、式:4’−(CH)−O−2’(LNA);4’−(CH)−S−2’;4’−(CH−O−2’(ENA);4’−CH(CH)−O−2’(拘束エチル又はcEtとも呼ばれる)及び4’−CH(CHOCH)−O−2’(並びにこれらの類似体、米国特許第7,399,845[2008年7月15日発行]を参照のこと);4’−C(CH)(CH)−O−2’(並びにこの類似体、公開中の国際特許出願WO/2009/006478[2009年1月8日公開]を参照のこと);4’−CH−N(OCH)−2’(並びにこの類似体、公開中の国際特許出願WO/2008/150729[2008年12月11日公開]を参照のこと);4’−CH−O−N(CH)−2’(公開中の米国特許出願US2004−0171570[2004年9月2日公開]を参照のこと);4’−CH−N(R)−O−2’(ここでRは、H、C−C12アルキル、又は保護基である。米国特許第7,427,672号[2008年9月23日発行]を参照のこと);4’−CH−C-(H)(CH)−2’(Chattopadhyaya et al., J. Org. Chem., 2009, 74, 118-134 を参照のこと);及び4’−CH−C(=CH)−2’(並びにこの類似体、公開中の国際特許出願WO2008/154401[2008年12月8日公開]を参照のこと)の1つが含まれる。
【0336】
二環式ヌクレオシドに関するさらなる報告は、公表文献にも見出すことができる(例えば、Singh et al., Chem. Commun., 1998, 4, 455-456;Koshkin et al., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630;Wahlestedt et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 2000, 97, 5633-5638;Kumar et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222;Singh et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039;Srivastava et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(26) 8362-8379;Elayadi et al., Curr. Opinion Invest. Drugs,2001, 2, 558-561;Braasch et al., Chem. Biol., 2001, 8, 1-7;及び Orum et al., Curr. Opinion Mol. Ther., 2001, 3, 239-243;米国特許第6,268,490号;6,525,191号;6,670,461号;6,770,748号;6,794,499号;7,034,133号;7,053,207号;7,399,845号;7,547,684号;及び7,696,345号;米国特許公開公報番号US2008−0039618;US2009−0012281;米国特許シリアル番号60/989,574;61/026,995;61/026,998;61/056,564;61/086,231;61/097,787;及び61/099,844;PCT国際公開特許出願WO1994/014226;WO2004/106356;WO2005/021570;WO2007/134181;WO2008/150729;WO2008/154401;及びWO2009/006478を参照のこと)。先述の二環式ヌクレオシドのそれぞれは、例えばα−L−リボフラノースとβ−D−リボフラノースが含まれる1以上の立体化学糖配置を有して、製造することができる(PCT国際特許出願PCT/DK98/00393[WO99/14226として1999年3月25日公開]を参照のこと)。
【0337】
特定の態様では、BNAヌクレオシドの二環式糖部分に、限定されないが、ペントフラノシル糖部分の4’位と2’位の間に少なくとも1つの架橋を有する化合物が含まれ、ここでそのような架橋は、独立して、[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=O)−、−C(=NR)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、及び−N(R)−より独立して選択される1個又は2〜4個の連結基を含み;
ここで:
xは、0、1、又は2であり;
nは、1、2、3、又は4であり;
それぞれのRとRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C20アリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、又はスルホキシル(S(=O)−J)であり;そして
それぞれのJとJは、独立して、H、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C20アリール、置換C−C20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−C12アミノアルキル、置換C−C12アミノアルキル、又は保護基である。
【0338】
特定の態様において、二環式糖部分の架橋は、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、又は−C(R)−O−N(R)−である。特定の態様において、架橋は、4’−CH−2’、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、及び4’−CH−N(R)−O−2’−であり、ここでそれぞれのRは、独立して、H、保護基、又はC−C12アルキルである。
【0339】
特定の態様では、二環式ヌクレオシドが異性体の配置によってさらに明確化される。例えば、4’−2’メチレンオキシ架橋を含んでなるヌクレオシドは、α−L配置であるか又はβ−D配置であり得る。以前は、α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAが、アンチセンス活性を示すアンチセンスオリゴヌクレオチドへ組み込まれた(Frieden et al., Nucleic Acids Research, 2003, 21, 6365-6372)。
【0340】
特定の態様において、二環式ヌクレオシドには、限定されないが、下記に図示されるような、(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH−N(R)−O−2’)BNA、及び(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH)−O−2’)BNA、(G)メチレン−チオ(4’−CH−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’−CH−CH(CH)−2’)BNA、(J)プロピレン炭素環式(4’−(CH−2’)BNA、及び(K)ビニルBNAが含まれる:
【0341】
【化14】
【0342】
式中、Bxは塩基部分であって、Rは、独立して、H、保護基、C−C12アルキル、又はC−C12アルコキシである。
【0343】
特定の態様では、式I:
【0344】
【化15】
【0345】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
−Q−Q−Q−は、−CH−N(R)−CH−、−C(=O)−N(R)−CH−、−CH−O−N(R)−、−CH−N(R)−O−、又は−N(R)−O−CHであり;
は、C−C12アルキル又はアミノ保護基であり;そして
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基である]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0346】
特定の態様では、式II:
【0347】
【化16】
【0348】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基であり;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキル、置換C−Cアルケニル、置換C−Cアルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオール、又は置換チオである]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0349】
1つの態様において、置換される基のそれぞれは、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、及びNJC(=X)NJより独立して選択される置換基でモノ置換又はポリ置換され、ここでそれぞれのJ、J、及びJは、独立して、H、C−Cアルキル、又は置換C−Cアルキルであって、Xは、O又はNJである。
【0350】
特定の態様では、式III:
【0351】
【化17】
【0352】
[式中:Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基であり;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキル、置換C−Cアルケニル、置換C−Cアルキニル、又は置換アシル(C(=O)−)である]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0353】
特定の態様では、式IV:
【0354】
【化18】
【0355】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基であり;
は、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;
それぞれのq、q、q、及びqは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル又は置換C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、置換C−Cアルコキシル、アシル、置換アシル、C−Cアミノアルキル、又は置換C−Cアミノアルキルである]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0356】
特定の態様では、式V:
【0357】
【化19】
【0358】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基であり;
、q、q、及びqは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C12アルコキシ、置換C−C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、又はN(H)C(=S)NJである;
又はqとqは、一緒に=C(q)(q)であり;
とqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、又は置換C−C12アルキルである]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0359】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAモノマーである、アデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン、及びウラシルの合成及び製造については、それらのオリゴマー化と、核酸認識特性とともに記載されている(Koshkin et al., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630)。二環式核酸(BNA)とその製造については、WO98/39352とWO99/14226にも記載されている。
【0360】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAと2’−チオ−BNAの類似体も、製造されたことがある(Kumar et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222)。オリゴデオキシリボヌクレオチド二重鎖を核酸ポリメラーゼの基質として含んでなるロックド(locked)ヌクレオシド類似体の製造についても記載されている(Wengel et al., WO99/14226)。さらに、当該技術分野では、コンホメーションが拘束された新規の高親和性オリゴヌクレオチド類似体である2’−アミノ−BNAの合成について記載されている(Singh et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039)。加えて、2’−アミノ−及び2’−メチルアミノ−BNAはすでに製造されて、相補的なRNA及びDNA鎖のあるその二重鎖の熱安定性もすでに報告されたことがある。
【0361】
特定の態様では、式VI:
【0362】
【化20】
【0363】
[式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分、又は支持体への共有付加基であり;
それぞれのq、q、q、及びqは、独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C12アルコキシル、置換C−C12アルコキシル、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、又はN(H)C(=S)NJであり;そして
とq又はqとqは、一緒に、=C(q)(q)(ここでqとqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、又は置換C−C12アルキルである)である]を有する二環式ヌクレオシドが提供される。
【0364】
4’−(CH−2’架橋とアルケニル類似体架橋の4’−CH=CH−CH−2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドについては、記載されたことがある(Freier et al., Nucleic Acids Research, 1997, 25(22), 4429-4443 及び Albaek et al., J. Org. Chem., 2006, 71, 7731-7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成と製造についても、そのオリゴマー化と生化学試験とともに記載されたことがある(Srivastava et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(26), 8362-8379)。
【0365】
本明細書に使用するように、「4’−2’二環式ヌクレオシド」又は「4’→2’二環式ヌクレオシド」は、フラノース環の2個の炭素原子を連結する架橋を含んでなるフラノース環を含んでなり、その糖環の2’炭素原子と4’炭素原子を連結する、二環式ヌクレオシドに言及する。
【0366】
本明細書に使用するように、「単環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分ではない修飾糖部分を含んでなるヌクレオシドに言及する。特定の態様において、ヌクレオシドの糖部分又は糖部分類似体は、どの位置でも修飾又は置換されてよい。
【0367】
本明細書に使用するように、「2’−修飾糖」は、2’位で修飾されたフラノシル糖を意味する。特定の態様において、そのような修飾には、限定されないが、ハロゲン化物、置換及び未置換アルコキシ、置換及び未置換チオアルキル、置換及び未置換アミノアルキル、置換及び未置換アルキル、置換及び未置換アリル、並びに置換及び未置換アルキニルより選択される置換基が含まれる。特定の態様では、2’修飾が、限定されないが、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHF、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH、及びO(CHON[(CHCH(ここでnとmは、1〜約10である)が含まれる置換基より選択される。他の2’−置換基はまた、C−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリール又はO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、F、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、アンチセンス化合物の薬物動態特性を改善する基又はその薬力学特性を改善する基、並びに類似の特性を有する他の置換基より選択され得る。特定の態様では、修飾ヌクレオシドが、2’−MOE側鎖を含む(Baker et al., J. Biol. Chem., 1997, 272, 11944-12000)。そのような2’−MOE置換については、非修飾ヌクレオシドと、2’−O−メチル、O−プロピル、及びO−アミノプロピルのような他の修飾ヌクレオシドと比較して、改善された結合親和性を有するとして記載されてきた。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドも、生体内使用に有望な特徴がある、遺伝子発現のアンチセンス阻害剤であることが示された(Martin, Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 486-504; Altmann et al., Chimia, 1996, 50, 168-176; Altmann et al., Biochem. Soc. Trans., 1996, 24, 630-637; 及び Altmann et al., Nucleosides Nucleotides, 1997, 16, 917-926)。
【0368】
本明細書に使用するように、「修飾テトラヒドロピランヌクレオシド」又は「修飾THPヌクレオシド」は、6員のテトラヒドロピラン「糖」が正常なヌクレオシド中のペントフラノシル残基(糖代用物)に置換されたヌクレオシドを意味する。修飾THPヌクレオシドには、限定されないが、当該技術分野において、ヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マニトール核酸(MNA)(Leumann, Bioorg. Med. Chem., 2002, 10, 841-854 を参照のこと)として言及されるもの、又は下記に図示するようなテトラヒドロピラン環系を有するフルオロHNA(F−HNA)が含まれる:
【0369】
【化21】
【0370】
特定の態様では、糖代用物が式VII:
【0371】
【化22】
【0372】
[式中、式VIIの前記少なくとも1つのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体のそれぞれについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ連結するヌクレオシド間連結基であるか又は、TとTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ連結するヌクレオシド間連結基であって、TとTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結コンジュゲート基、又は5’若しくは3’−末端基であり;
、q、q、q、q、q、及びqは、それぞれ独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、又は置換C−Cアルキニルであり;そしてRとRのそれぞれは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、置換又は未置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、及びCNより選択され、ここでXは、O、S、又はNJであって、それぞれのJ、J、及びJは、独立して、H又はC−Cアルキルである]より選択される。
【0373】
特定の態様では、q、q、q、q、q、q、及びqがそれぞれHである、式VIIの修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の態様では、q、q、q、q、q、q、及びqの少なくとも1つが、H以外である。特定の態様では、q、q、q、q、q、q、及びqの少なくとも1つがメチルである。特定の態様では、RとRの一方がフルオロである、式VIIのTHPヌクレオシドが提供される。特定の態様では、RがフルオロであってRがHである;RがメトキシであってRがHである、そしてRがメトキシエトキシであってRがHである。
【0374】
特定の態様では、糖代用物が、5個より多い原子と1個より多いヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含んでなるヌクレオシドとオリゴマー化合物におけるそれらの使用について報告されたことがある(例えば、Braasch et al., Biochemistry, 2002, 41, 4503-4510;及び米国特許第5,698,685;5,166,315;5,185,444;及び5,034,506号を参照のこと)。本明細書に使用するように、「モルホリノ」という用語は、以下の式:
【0375】
【化23】
【0376】
を有する糖代用物を意味する。
【0377】
特定の態様では、例えば上記のモルホリノ構造由来の様々な置換基を付加するか又は改変させることによって、モルホリノを修飾し得る。そのような糖代用物は、本明細書において「修飾モルホリノ」と呼ばれる。
【0378】
2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示される5’,2’−ビス置換ヌクレオシドについては、PCT国際特許出願WO2008/101157[2008年8月21日公開]を参照のこと)と、リボシル環酸素原子のSでの置き換えと2’位でのさらなる置換(公開済みの米国特許出願US2005−0130923[2005年6月16日公開]を参照のこと)、またあるいは、二環式核酸の5’−置換(PCT国際特許出願WO2007/134181[2007年11月22日発行]を参照のこと。ここでは、4’−CH−O−2’二環式ヌクレオシドが5’位で、5’−メチル又は5’−ビニル基でさらに置換される)とった種々の修飾の組合せも、限定無しに提供される。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成と製造についても、そのオリゴマー化と生化学試験とともに記載されたことがある(例えば、Srivastava et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(26), 8362-8379 を参照のこと)。
【0379】
特定の態様では、アンチセンス化合物が1以上の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドを含むが、これは、天然に存在するヌクレオシド中のペントフラノシル残基の代わりに6員のシクロヘキセニルを有するヌクレオシドである。修飾シクロヘキセニルヌクレオシドには、限定されないが、当該技術分野において記載されたものが含まれる(例えば、共有される、公開済みのPCT出願WO2010/036696[2010年4月10日公開]、Robeyns et al., J. Am. Chem. Soc., 2008, 130(6), 1979-1984;Horvath et al., Tetrahedron Letters, 2007, 48, 3621-3623;Nauwelaerts et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(30), 9340-9348;Gu et al., Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 2005, 24(5-7), 993-998;Nauwelaerts et al., Nucleic Acids Research, 2005, 33(8), 2452-2463;Robeyns et al., Acta Crystallographica, Section F: Structural Biology and Crystallization Communications, 2005, F61(6), 585-586;Gu et al., Tetrahedron, 2004, 60(9), 2111-2123;Gu et al., Oligonucleotides, 2003, 13(6), 479-489;Wang et al., J. Org. Chem., 2003, 68, 4499-4505; Verbeure et al., Nucleic Acids Research, 2001, 29(24), 4941-4947;Wang et al., J. Org. Chem., 2001, 66, 8478-82;Wang et al., Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acid, 2001, 20(4-7), 785-788; Wang et al., J. Am. Chem., 2000, 122, 8595-8602;公開済みPCT出願、WO06/047842;及び公開済みPCT出願WO01/049687を参照のこと;それぞれのテキストは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。特定の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドは、式X:
【0380】
【化24】
【0381】
[式中、式Xの前記少なくとも1つのシクロヘキセニルヌクレオシド類似体のそれぞれについて独立して:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
とTは、それぞれ独立して、シクロヘキセニルヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ連結するヌクレオシド間連結基であるか又は、TとTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物へ連結するヌクレオシド間連結基であって、TとTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結コンジュゲート基、又は5’若しくは3’−末端基であり;そして
、q、q、q、q、q、q、q、及びqは、それぞれ独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、又は他の糖置換基である]を有する。
【0382】
本明細書に使用するように、「2’−修飾」又は「2’−置換」は、2’位にH又はOH以外の置換基を含んでなる糖を含んでなるヌクレオシドに関連する。2’−修飾ヌクレオシドには、限定されないが、糖環の2個の炭素原子を連結している架橋がその糖環の2’炭素と別の炭素を連結する二環式ヌクレオシド;並びに、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C−C10アルキル、−OCF、O−(CH−O−CH、2’−O(CHSCH、O−(CH−O−N(R)(R)、又はO−CH−C(=O)−N(R)(R)(ここでそれぞれのRとRは、独立して、H又は置換若しくは未置換C−C10アルキルである)のような非架橋性の2’置換基があるヌクレオシドが含まれる。2’−修飾ヌクレオシドは、例えば、糖の他の位置に、及び/又はヌクレオ塩基に他の修飾をさらに含んでよい。
【0383】
本明細書に使用するように、「2’−F」は、糖環の2’位にフルオロ基を含んでなる糖を含んでなるヌクレオシドに関連する。
【0384】
本明細書に使用するように、「2’−OMe」又は「2’−OCH」又は「2’−O−メチル」は、糖環の2’位に−OCH基を含んでなる糖を含んでなるヌクレオシドにそれぞれ関連する。
【0385】
本明細書に使用するように、「オリゴヌクレオチド」は、複数の連結ヌクレオシドを含んでなる化合物を意味する。特定の態様では、その複数のヌクレオシドの1以上が修飾される。特定の態様では、オリゴヌクレオチドが1以上のリボヌクレオシド(RNA)及び/又はデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0386】
当該技術分野では、ヌクレオシドをアンチセンス化合物への取込みのために修飾するのに使用し得る、多くの他の二環及び三環糖代用物の環系も知られている(例えば、概説:Leumann, Bioorg. Med. Chem., 2002, 10, 841-854 を参照のこと)。そのような環系は、様々な追加の置換を受けて、活性を高めることができる。
【0387】
当業者には、修飾糖の製造の方法がよく知られている。そのような修飾糖の製造を教示する数件の代表的な米国特許には、限定無しに、米国特許第4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,670,633;5,700,920;5,792,847、及び6,600,032号と国際特許出願PCT/US2005/019219(2005年6月2日に出願されて、WO2005/121371として2005年12月22日に公開)が含まれて、このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0388】
修飾糖部分を有するヌクレオチドにおいて、ヌクレオ塩基部分(天然、修飾、又はこれらの組合せ)は、適正な核酸標的とのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0389】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、修飾糖部分を有する1以上のヌクレオシドを含む。特定の態様において、修飾糖部分は、2’−MOEである。特定の態様において、2’−MOE修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフで配置される。特定の態様において、修飾糖部分は、(4’−CH(CH)−O−2’)架橋形成基を有する二環式ヌクレオシドである。特定の態様において、(4’−CH(CH)−O−2’)修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフのウィング全体に配置される。
【0390】
修飾ヌクレオ塩基
ヌクレオ塩基(又は塩基)の修飾又は置換は、天然に存在するか又は合成の非修飾ヌクレオ塩基より構造的に識別可能であるが、機能的にはそれと交換可能である。天然ヌクレオ塩基と修飾ヌクレオ塩基は、ともに水素結合に参画することが可能である。そのようなヌクレオ塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、又は他の何らかの有益な生物学的特性をアンチセンス化合物へ付与することができる。修飾ヌクレオ塩基には、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)のような、合成ヌクレオ塩基と天然ヌクレオ塩基が含まれる。5−メチルシトシン置換を含めて、特定のヌクレオ塩基置換は、アンチセンス化合物の標的核酸への結合親和性を高めるのに特に有用である。例えば、5−メチルシトシン置換については、核酸二重鎖の安定性を0.6〜1.2℃高めることが示された(Sanghvi, Y.S., Crooke, S.T. and Lebleu, B. 監修「アンチセンスの研究及び応用(Antisense Research and Applications)」CRCプレス、ボカラトン(1993)276-278 頁)。
【0391】
追加の修飾ヌクレオ塩基には、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンとグアニンの6−メチルと他のアルキル誘導体、アデニンとグアニンの2−プロピルと他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニル(−C≡C−CH)ウラシル及びシトシンとピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルと他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル、及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニンと7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニンと8−アザアデニン、7−デアザグアニンと7−デアザアデニン、及び3−デアザグアニンと3−デアザアデニンが含まれる。
【0392】
複素環式塩基部分には、プリン又はピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、及び2−ピリドンで置き換わっているものも含まれ得る。アンチセンス化合物の結合親和性を高めるのに特に有用であるヌクレオ塩基には、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、及び5−プロピニルシトシンが含まれる、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、及びN−2、N−6、及びO−6置換プリンが含まれる。
【0393】
特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物が1以上の修飾ヌクレオ塩基を含む。特定の態様では、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向される、短縮化又はギャップ拡張化アンチセンスオリゴヌクレオチドが1以上の修飾ヌクレオ塩基を含む。特定の態様において、修飾ヌクレオ塩基は、5−メチルシトシンである。特定の態様では、それぞれのシトシンが5−メチルシトシンである。
【0394】
コンジュゲートされたアンチセンス化合物
アンチセンス化合物は、生じるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布又は細胞取込みを増強する1以上の部分又はコンジュゲートへ共有結合されてよい。典型的なコンジュゲート基には、コレステロール部分と脂質部分が含まれる。追加のコンジュゲート基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が含まれる。
【0395】
アンチセンス化合物はまた、概してアンチセンス化合物の一方又は両方の末端へ付いて、例えば、ヌクレアーゼ安定性のような特性を増強する1以上の安定化基を有するように修飾することができる。安定化基に含まれるのは、キャップ構造である。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエクソヌクレアーゼ分解から防護して、細胞内での送達及び/又は局在化に役立つ可能性がある。キャップは、5’末端(5’−キャップ)又は3’−末端(3’−キャップ)に存在することも、両方の末端に存在することもできる。キャップ構造は、当該技術分野で公知であり、例えば、逆位無塩基デオキシキャップが含まれる。アンチセンス化合物の片端又は両端にキャップしてヌクレアーゼ安定性を付与するために使用され得るさらなる3’及び5’−安定化基には、WO03/004602[2003年1月16日公開]に開示されるものが含まれる。
【0396】
特定の態様では、アンチセンス化合物が、限定されないが、ssRNAとしての使用に特に適しているものを含めて、1以上のコンジュゲート基の付加によって修飾される。一般に、コンジュゲート基は、限定されないが、薬力学、薬物動態、安定性、結合、吸収、細胞分布、細胞取込み、荷電、及びクリアランスが含まれる、付加されたオリゴヌクレオチド1以上の特性を修飾する。コンジュゲート基は、化学技術分野で定型的に使用されて、オリゴヌクレオチドのような親化合物へ直接的に、又は任意選択のコンジュゲート連結部分又はコンジュゲート連結基を介して連結される。コンジュゲート基には、限定無しに、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コリン酸部分、葉酸、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が含まれる。特定のコンジュゲート基については、これまでに記載されたことがある。例えば:コレステロール部分(Letsinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 86, 6553-6556)、コリン酸(Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1994, 4, 1053-1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 1992, 660, 306-309;Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3, 2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20, 533-538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール又はウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al., EMBO J., 1991, 10, 1111-1118;Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259, 327-330;Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75, 49-54)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル−rac−グリセロール又は1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸トリエチルアンモニウム(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654;Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18, 3777-3783)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al., Nucleosides & Nucleotides, 1995, 14, 969-973)、又はアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654)、パルミチル部分(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264, 229-237)、又はオクタデシルアミン又はヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277, 923-937)。
【0397】
ssRNAに有用なものが含まれる追加のコンジュゲートとアンチセンス化合物内におけるそれらの配置については、例えばPCT公開公報番号;WO2013/033230を参照のこと。
【0398】
医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法
医薬組成物又は製剤の調製のために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを医薬的に許容される活性物質又は不活性物質と混合してよい。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、限定されないが、投与経路、疾患の程度、又は投与される用量が含まれる、いくつかの判断基準に依存する。
【0399】
アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物は、該アンチセンス化合物を好適な医薬的に許容される希釈剤又は担体と組み合わせることによって、医薬組成物において利用することができる。特定の態様では、医薬的に許容される希釈剤が、注射に適した無菌水のような、水である。従って、1つの態様において、本明細書に記載される方法において利用されるのは、アンドロゲン受容体核酸へ標的指向されるアンチセンス化合物と医薬的に許容される希釈剤を含んでなる医薬組成物である。特定の態様において、医薬的に許容される希釈剤は、水である。特定の態様において、アンチセンス化合物は、本発明で提供されるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0400】
アンチセンス化合物を含んでなる医薬組成物には、ヒトが含まれる動物への投与時に、生理活性のある代謝産物又はその残基を(直接的又は間接的に)提供することが可能である、あらゆる医薬的に許容される塩、エステル、又はそのようなエステルの塩、又はあらゆる他のオリゴヌクレオチドが含まれる。従って、例えば、本開示はまた、アンチセンス化合物の医薬的に許容される塩、そのプロドラッグ、そのようなプロドラッグの医薬的に許容される塩、及び他の生物学的同等物へ向けられる。好適な医薬的に許容される塩には、限定されないが、ナトリウム塩とカリウム塩が含まれる。
【0401】
プロドラッグには、アンチセンス化合物の片端又は両端での追加のヌクレオシドの取込みを含めることができて、これは身体内の内因性ヌクレアーゼによって切断されて、活性のあるアンチセンス化合物を生成する。
【0402】
アンチセンスオリゴヌクレオチドの試験管内試験
本明細書に記載されるのは、アンチセンスオリゴヌクレオチドでの細胞の処理の方法であって、これは、他のアンチセンス化合物での処理のために適宜修飾することができる。
【0403】
細胞が培養時にほぼ60〜80%の集密度に達したときに、この細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理し得る。
【0404】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞へ導入するためによく使用される1つの試薬には、カチオン性脂質のトランスフェクション試薬、LIPOFECTIN(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM1(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)中でLIPOFECTINと混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望される最終濃度と、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドにつき2〜12μg/mLの範囲に及び得るLIPOFECTIN濃度を達成し得る。
【0405】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞へ導入するために使用される別の試薬には、LIPOFECTAMINE(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM1低血清培地(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)中でLIPOFECTAMINEと混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望される濃度と、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドにつき2〜12μg/mLの範囲に及び得るLIPOFECTAMINE濃度を達成する。
【0406】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞中へ導入するために使用される別の技術には、エレクトロポレーションが含まれる。
【0407】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞中へ導入するために使用されるなお別の技術には、該細胞によるオリゴヌクレオチドの自由な取込みが含まれる。
【0408】
定型的な方法によって、細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理する。アンチセンスオリゴヌクレオチド処理後16〜24時間で細胞を採取してよく、この時点で標的核酸のRNAレベル又はタンパク質レベルを当該技術分野で知られていて本明細書に記載される方法によって測定する。一般に、処理を多数の反復試験(replicates)で実施する場合、データは反復処理の平均値として提示される。
【0409】
使用するアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞系ごとに変動する。特別な細胞系に最適なアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を決定するための方法は、当該技術分野で公知である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、LIPOFECTAMINEとともにトランスフェクトされる場合、典型的には1nM〜300nMに及ぶ濃度で使用される。エレクトロポレーションを使用してトランスフェクトされる場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、625〜20,000nMに及ぶより高い濃度で使用される。
【0410】
RNA単離
全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAについてRNA分析を実施することができる。RNA単離の方法は、当該技術分野で公知である。当該技術分野で公知の方法を使用して、例えば、TRIZOL試薬(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)を製造業者のプロトコールに従って使用して、RNAを調製する。
【0411】
実施態様
E1.10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のヌクレオ塩基配列のいずれかの少なくとも8個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0412】
E2.16〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号12〜配列番号179のいずれか1つのヌクレオ塩基配列を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0413】
E3.配列番号12〜配列番号179のいずれか1つのヌクレオ塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0414】
E4.10〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175のヌクレオ塩基配列のいずれかの少なくとも8個の隣接ヌクレオ塩基を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0415】
E5.16〜30個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175のヌクレオ塩基配列を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0416】
E6.16個の連結ヌクレオシドからなって、配列番号35、39、43、124、150、155、169、又は175のヌクレオ塩基配列からなるヌクレオ塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物。
【0417】
E7.配列番号1のヌクレオチド:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、5521〜5536、5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58769、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、102156〜102171、139682〜139697、139762〜139777、139782〜139797、144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、148520〜148535、181695〜181710、182958〜182973、又は183049〜183064内で相補的な10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここで前記修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1に少なくとも90%相補的である、前記化合物。
【0418】
E8.配列番号1のヌクレオ塩基:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、5521〜5536、5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58769、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、134971〜134986、102156〜102171、139682〜139697、139762〜139777、139782〜139797、144856〜144871、144938〜144953、148406〜148421、148443〜148458、148520〜148535、181695〜181710、182958〜182973、又は183049〜183064の等しい長さ部分に100%相補的な少なくとも8個の隣接ヌクレオ塩基の一部を含んでなるヌクレオ塩基配列を有する10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であって、ここでこの修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオ塩基配列は、配列番号1に相補的である、前記化合物。
【0419】
E9.配列番号1のエクソン1ヌクレオチド:2957〜2972、3079〜3094、3099〜3114、3109〜3124、3113〜3128、3120〜3135、3133〜3148、3224〜3239、3226〜3241、3351〜3366、3353〜3368、3361〜3376、3388〜3403、3513〜3528、3517〜3532、3519〜3534、3641〜3656、3735〜3750、3764〜3779、3768〜3783、3798〜3813、3799〜3814、3851〜3866、3870〜3885、3874〜3889、3876〜3891、3878〜3893、3884〜3899、3886〜3901、3888〜3903、3901〜3916、3956〜3971、3962〜3977、3964〜3979、3967〜3982、4019〜4034、4038〜4053、4049〜4064、4056〜4071、4059〜4074、4062〜4077、4066〜4081、4070〜4085、4101〜4116、4103〜4118、4105〜4120、4109〜4124、4305〜4320、4405〜4420、4532〜4547、4534〜4549、4537〜4552、4539〜4554、4555〜4570、4571〜4586、4573〜4588、4578〜4593、4597〜4612、4632〜4647、4655〜4670、4656〜4671、4662〜4677、4699〜4714、4747〜4762、4750〜4765、4752〜4767、4754〜4769、4755〜4770、4769〜4784、4798〜4813、4804〜4819、4807〜4822、4833〜4848、4837〜4852、4839〜4854、4865〜4880、4868〜4883、4872〜4887、4874〜4889、4876〜4891、4887〜4902、4889〜4904、4916〜4931、4918〜4933、4938〜4953、4942〜4957、4944〜4959、4951〜4966、5050〜5065、5052〜5067、5054〜5069、5056〜5071、5060〜5075、5061〜5076、5062〜5077、5133〜5148、5141〜5156、5155〜5170、5265〜5280、5293〜5308、5308〜5323、5392〜5407、5448〜5463、5469〜5484、5481〜5496、5483〜5498、5486〜5501、5488〜5503、5494〜5509、又は5521〜5536内で相補的な10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、E1、E7、又はE8のいずれか1つの化合物。
【0420】
E10.配列番号1のエクソン1のヌクレオチド:5052〜5067内で相補的な10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、E9の化合物。
【0421】
E11.配列番号1のイントロン1のヌクレオチド:5666〜5681、6222〜6237、6701〜6716、7543〜7558、8471〜8486、8638〜8653、9464〜9479、10217〜10232、10250〜10265、10865〜10880、11197〜11212、11855〜11870、13189〜13204、13321〜13336、13346〜13361、16555〜16570、16793〜16808、16968〜16983、17206〜17221、18865〜18880、29329〜29344、32290〜32305、33315〜33330、39055〜39070、40615〜40630、42017〜42032、56050〜56065、58719〜58734、58720〜58739、58721〜58736、58722〜58737、58723〜58738、58724〜58739、58725〜58740、58750〜58769、58751〜58766、58752〜58767、58753〜58768、58754〜58769、58755〜58770、60902〜60917、67454〜67469、114874〜114889、115272〜115287、115365〜115380、又は134971〜134986内で相補的な10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、E1、E7、又はE8のいずれか1つの化合物。
【0422】
E12.配列番号1のイントロン1のヌクレオチド:8638〜8653、11197〜11212、40615〜40630、58719〜58734、58720〜58735、又は58721〜58736内で相補的な10〜30個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、E11の化合物。
【0423】
E13.修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾糖を含む、E1〜E12のいずれか1つの化合物。
【0424】
E14.少なくとも1つの修飾糖が2’−O−メトキシエチル基を含む、E13の化合物。
【0425】
E15.少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、E13の化合物。
【0426】
E16.二環式糖が4’−CH(CH)−O−2’基を含む、E15の化合物。
【0427】
E17.二環式糖が4’−CH−O−2’又は4’−(CH−O−2’基を含む、E15の化合物。
【0428】
E18.修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間連結を含む、E1〜E17のいずれか1つの化合物。
【0429】
E19.アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結がホスホロチオエートヌクレオシド間連結である、E18の化合物。
【0430】
E20.修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾ヌクレオ塩基を含む、E1〜E19のいずれか1つの化合物。
【0431】
E21.修飾ヌクレオ塩基が5−メチルシトシンである、E20の化合物。
【0432】
E22.修飾オリゴヌクレオチドが:
連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて、ここでそれぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは修飾糖を含む、E1〜E21のいずれか1つの化合物。
【0433】
E23.修飾オリゴヌクレオチドが:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて、ここでそれぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖又は拘束エチル糖を含み;そしてここで、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である、E22の化合物。
【0434】
E24.配列番号35の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0435】
E25.配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0436】
E26.配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
4個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0437】
E27.配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
8個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0438】
E28.配列番号39の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの4個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの5個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、及び2’−O−メトキシエチル糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0439】
E29.配列番号35の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
7個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;5’ウィングセグメントの6個の連結ヌクレオシドは、5’→3’方向において、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、拘束エチル(cEt)糖、2’−O−メトキシエチル糖、拘束エチル(cEt)糖、及び拘束エチル(cEt)糖であり;3’ウィングセグメントの3個の連結ヌクレオシドは、それぞれ拘束エチル(cEt)糖であり;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0440】
E30.配列番号43の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0441】
E31.配列番号124の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0442】
E32.配列番号150の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0443】
E33.配列番号155の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0444】
E34.配列番号169の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0445】
E350.配列番号175の配列からなるヌクレオ塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる一本鎖修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物、又はその医薬的に許容される塩であって、ここで修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、
ここでギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置していて;それぞれのウィングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチル(cEt)糖を含み;それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり;そしてそれぞれのシトシンは、5−メチルシトシンである、前記化合物又はその医薬的に許容される塩。
【0446】
E36.修飾オリゴヌクレオチドがアンドロゲン受容体をコードする核酸に少なくとも90%相補的である、E1〜E35のいずれか1つの化合物。
【0447】
E37.アンチセンスオリゴヌクレオチドがアンドロゲン受容体をコードする核酸に100%相補的である、E1〜E36のいずれか1つの化合物。
【0448】
E38.アンドロゲン受容体をコードする核酸が配列番号1〜配列番号8のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、E37の化合物。
【0449】
E39.E1〜E38のいずれか1つの化合物又はその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される希釈剤又は担体を含んでなる組成物。
【0450】
E40.E1〜E38のいずれか1つの化合物と式XVI:
【0451】
【化25】
【0452】
[式中、Xは、トリフルオロメチル及びヨードからなる群より選択され、式中Wは、O及びNR5からなる群より選択され、ここでR5は、H、メチル、及び
【0453】
【化26】
【0454】
{式中、Dは、S又はOであって、Eは、N又はOであって、Gは、アルキル、アリール、置換アルキル、又は置換アリールである;又は、Dは、S又はOであって、E−Gは、一緒に、C1−C4低級アルキルである}からなる群より選択され、
式中、R1とR2は、一緒に、8個以下の炭素原子を含んで、アルキル、置換アルキル(ハロアルキルが含まれる)、及び(それらが連結する炭素と一緒になる場合の)シクロアルキル又は置換シクロアルキル基からなる群より選択され、
式中、R3は、水素、ハロゲン、メチル、C1−C4アルコキシ、ホルミル、ハロアセトキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、フェニル、アミノ、メチルカルバモイル、メトキシカルボニル、アセトアミド、メタンスルホンアミノ、メタンスルホニル、4−メタンスルホニル−1−ピペラジニル、ピペラジニル、及びヒドロキシル、メトキシカルボニル、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、カルバモイル、又は置換カルバモイル(メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、及びヒドロキシエチルカルバモイルが含まれる)で置換されていてもよいC1−C6アルキル若しくはアルケニルからなる群より選択され、
式中、R4は、水素、ハロゲン、アルキル、及びハロアルキルからなる群より選択され、そしてここでR3は、メチルアミノメチルでもジメチルアミノメチルでもなく;
R5は、
【0455】
【化27】
【0456】
であってよい]のジアリールヒダントインのアンドロゲン受容体(AR)阻害剤を含んでなる組成物。
【0457】
E41.ジアリールヒダントインのアンドロゲン受容体(AR)阻害剤がMDV3100である、E40の組成物。
【0458】
E42.E1〜E38のいずれか1つの化合物と、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤を含んでなる組成物。
【0459】
E43.癌を有する被験者へE1〜E38のいずれか1つの化合物又はE39〜E42のいずれか1つの組成物を投与して、それによって該被験者において癌を治療することを含んでなる、癌を治療する方法。
【0460】
E44.癌を治療することにおける使用のための、E1〜E38のいずれか1つのアンチセンス化合物又はE39〜E42のいずれか1つの組成物。
【0461】
E45.癌が、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、又は膀胱癌である、E44の化合物又は組成物。
【0462】
E46.癌が去勢抵抗性前立腺癌である、E45の化合物又は組成物。
【0463】
E47.去勢抵抗性前立腺癌が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する、E46の化合物又は組成物。
【0464】
E48.癌が、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、又は膀胱癌である、E43の方法。
【0465】
E49.癌が去勢抵抗性前立腺癌である、E48の方法。
【0466】
E50.去勢抵抗性前立腺癌が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する、E49の方法。
【0467】
E51.アンチセンス化合物がARスプライシング変異体に標的指向する、E44〜E47の化合物又はE49又はE50の方法。
【0468】
E52.ARスプライシング変異体が機能的なリガンド結合ドメインを欠損する、E51の化合物又は方法。
【0469】
E53.アンチセンス化合物が、全長ARとエクソン4〜エクソン8のいずれか1つを欠損するARスプライシング変異体の発現を低下させることが可能である、E44〜E47の化合物又はE49〜E52のいずれか1つの方法。
【0470】
E54.ARスプライシング変異体がエクソン1〜エクソン3からなる、E51の化合物又は方法。
【0471】
E55.アンチセンス化合物がエクソン3の3’端の上流でARへ標的指向されて、エクソン3の3’端の下流にあるARの領域へ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である、E44〜E47の化合物又はE49〜E52のいずれか1つの方法。
【0472】
E56.エクソン3の3’端の下流にあるARの領域へ標的指向されるアンチセンス化合物が、全長ARのレベルを低下させることは可能であるが、エクソン1〜エクソン3からなるARスプライシング変異体のレベルを低下させることは可能でない、E55の化合物又は方法。
【0473】
E57.エクソン3の3’端の下流にある領域がエクソン4を含む、E56の化合物又は方法。
【0474】
E58.前立腺癌細胞が全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する、E44〜E47の化合物又はE49〜E52のいずれか1つの方法。
【0475】
E59.ARスプライシング変異体が機能的なリガンド結合ドメインを欠損する、E58の化合物又は方法。
【0476】
E60.ヒトアンドロゲン受容体(AR)へエクソン3の3’端の上流で標的指向されるアンチセンス化合物を被験者へ投与して、それによって前立腺癌を治療することを含んでなる、該被験者において、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺癌を治療する方法。
【0477】
E61.被験者が、MDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤へ抵抗する前立腺を有すると診断されている、E60の方法。
【0478】
E62.アンチセンス化合物がARスプライシング変異体に標的指向する、E60又はE61の方法。
【0479】
E63.ARスプライシング変異体が機能的なリガンド結合ドメインを欠損する、E62の方法。
【0480】
E64.アンチセンス化合物が、全長ARとエクソン4〜エクソン8のいずれか1つを欠損するARスプライシング変異体の発現を低下させることが可能である、E60〜E63のいずれか1つの方法。
【0481】
E65.ARスプライシング変異体がエクソン1〜エクソン3からなる、E64の方法。
【0482】
E66.アンチセンス化合物がエクソン3の3’端の上流でARへ標的指向されて、エクソン3の3’端の下流にあるARの領域へ標的指向されるアンチセンス化合物より大きな程度で、ジアリールヒダントインのアンドロゲン受容体(AR)阻害剤へ抵抗する前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することが可能である、E60〜E65のいずれか1つの方法。
【0483】
E67.エクソン3の3’端の下流にあるARの領域へ標的指向されるアンチセンス化合物が、全長ARのレベルを低下させることは可能であるが、エクソン4〜エクソン8のいずれか1つを欠損するARスプライシング変異体のレベルを低下させることは可能でない、E66の方法。
【0484】
E68.ARスプライシング変異体がエクソン1〜エクソン3からなる、E67の方法。
【0485】
E69.エクソン3の3’端の下流にある領域がエクソン4を含む、E68の方法。
【0486】
E70.前立腺癌が去勢抵抗性である、E60〜E69のいずれか1つの方法。
【0487】
E71.前立腺癌が全長ARに優ってARスプライシング変異体を選好的に発現する細胞を含む、E60〜E70のいずれか1つの方法。
【0488】
E72.ARスプライシング変異体がエクソン4〜エクソン8のいずれか1つを欠損する、E71の方法。
【0489】
E73.ARスプライシング変異体がエクソン1〜エクソン3からなる、E72の方法。
【0490】
E74.ARスプライシング変異体が機能的なリガンド結合ドメインを欠損する、E72の方法。
【0491】
E75.ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物、及びMDV3100、ARN−059、ODM−201、アビラテロン、TOK001、TAK700、及びVT464より選択される抗アンドロゲン剤と前立腺癌細胞を接触させることを含んでなる、該前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法であって、ここでアンチセンス化合物と抗アンドロゲン剤は、組合せにおいて相乗作用して該前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害する、前記方法。
【0492】
E76.アンチセンス化合物がエクソン3の3’端の上流でARへ標的指向される、E75の方法。
【0493】
E77.前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害するのに有効なアンチセンス化合物又は抗アンドロゲン剤のいずれか単独の量よりそれぞれ又はともに少ないアンチセンス化合物の量と抗アンドロゲン剤の量を組み合わせて前記前立腺癌細胞と接触させる、E75又はE76の方法。
【0494】
E78.アンチセンス化合物と抗アンドロゲン剤が、前記前立腺癌細胞の成長又は増殖を阻害することにおいて、アンチセンス化合物単独又は抗アンドロゲン剤単独と比較して、相加より大きな効果を提供する、E75〜E77のいずれか1つの方法。
【0495】
E79.アンチセンス化合物がARスプライシング変異体に標的指向する、E75〜E78のいずれか1つの方法。
【0496】
E80.ARスプライシング変異体が機能的なリガンド結合ドメインを欠損する、E79の方法。
【0497】
E81.アンチセンス化合物が全長ARとエクソン1〜エクソン3からなるARスプライシング変異体の発現を低下させることが可能である、E75〜E80のいずれか1つの方法。
【0498】
E82.アンドロゲン受容体(AR)陽性乳癌細胞の成長又は増殖を阻害する方法であって、ヒトアンドロゲン受容体(AR)に標的指向するアンチセンス化合物と該乳癌細胞を接触させることを含んでなり、ここで該乳癌細胞の成長又は増殖は阻害される、前記方法。
【0499】
E83.アンドロゲン受容体(AR)陽性乳癌を有するか又は有するリスク状態にある被験者においてAR発現を阻害する方法であって:
AR陽性乳癌を有するか又は有するリスク状態にある被験者を同定すること、及び
ヒトARへ標的指向されるアンチセンス化合物を該被験者へ投与することを含んでなり、
ここでアンチセンス化合物は、該被験者においてAR発現を阻害する、前記方法。
【0500】
E84.被験者においてAR陽性乳癌を治療する方法であって、ヒトアンドロゲン受容体(AR)へ標的指向されるアンチセンス化合物を該被験者へ投与して、それによって該被験者において乳癌を治療することを含んでなる、前記方法。
【0501】
E85.AR陽性乳癌又は乳癌細胞がその成長をアンドロゲン発現に依存する、E82〜E84のいずれか1つの方法。
【0502】
E86.乳癌又は乳癌細胞が、エストロゲン受容体(ER)陰性、プロゲステロン受容体(PR)陰性、又はHer2/neu陰性である、E82〜E85のいずれか1つの方法。
【0503】
E87.乳癌又は乳癌細胞がER陽性でAR陽性である、E82〜E85のいずれか1つの方法。
【0504】
E88.乳癌又は乳癌細胞がER陰性でAR陽性である、E82〜E85のいずれか1つの方法。
【0505】
E89.乳癌又は乳癌細胞がアポクリン乳癌又は乳癌細胞である、E82〜E88のいずれか1つの方法。
【0506】
E90.アンチセンス化合物がE1〜E38のいずれか1つの化合物、又はその医薬的に許容される塩である、E60〜E88のいずれか1つの方法。
【0507】
E91.アンチセンス化合物がE24〜E35のいずれか1つの化合物、又はその医薬的に許容される塩である、E60〜E88のいずれか1つの方法。
【実施例】
【0508】
非限定的な開示と参照による組込み
本明細書に記載される特定の化合物、組成物、及び方法について、特定の態様に従って特に記載したが、以下の実施例は、本明細書に記載される化合物を例示するためにのみ役立つのであって、それを限定することを企図しない。本出願において引用される参考文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0509】
実施例1:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、500nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞よりRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによって、AR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセットRTS3559(フォワード配列:TCCTTCACCAATGTCAACTCC、本明細書では配列番号9と呼称される;リバース配列:GAGCCATCCAAACTCTTGAGA、本明細書では配列番号10と呼称される;プローブ配列:AGTACCGCATGCACAAGTCCCG、本明細書では配列番号11と呼称される)を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で155種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表1と表2に示す。
【0510】
表1と表2中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマーとして設計された。このギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表1と表2に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)又は本明細書では配列番号2と呼称されるヒトAR mRNA配列(GENBANKアセッション番号NM_000044.3)のいずれか一方又はその両方へ標的指向される。「n/a」は、そのオリゴヌクレオチドがその特別な遺伝子配列に標的指向しないことを示す。
【0511】
表1
【0512】
【表3】
【0513】
表2
【0514】
【表4】
【0515】
実施例2:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、上記に記載した試験からのギャップマーを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表3と表4に特記されるように、18.5nM、55.6nM、166.7nM、500.0nM、及び1500.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドについて、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。
【0516】
表3と表4には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的なやり方で低下した。
【0517】
表3
【0518】
【表5】
【0519】
表4
【0520】
【表6】
【0521】
実施例3:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、500nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによってAR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で82種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表5に示す。
【0522】
表5中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマー又は5−10−5MOEギャップマーとして設計された。3−10−3(S)−cETギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。5−10−5MOEギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に5個のヌクレオシドをそれぞれ含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE修飾を有する。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表5に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)へ標的指向される。
【0523】
表5
【0524】
【表7】
【0525】
実施例4:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、上記に記載した試験からのギャップマーを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表6に特記されるように、31.3nM、62.5nM、125.0nM、250.0nM、500.0nM、及び1000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。
【0526】
表6には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的なやり方で低下した。
【0527】
表6
【0528】
【表8】
【0529】
実施例5:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、250nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによってAR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で40種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表7に示す。
【0530】
表7中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマー又はデオキシ、MOE及び(S)−cETオリゴヌクレオチドとして設計された。3−10−3(S)−cETギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。デオキシ、MOE及び(S)−cETオリゴヌクレオチドは、16個のヌクレオシドの長さで、ここでヌクレオシドは、MOE糖修飾、(S)−cEt糖修飾、又はデオキシ修飾のいずれか1つを有する。「化学」カラムは、それぞれのオリゴヌクレオチドの糖修飾について記載する。「k」は、(S)−cEt糖修飾を示し;数字は、デオキシヌクレオシドの数を示し;そして「e」は、MOE修飾を示す。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。表中に収載する「配列番号」は、オリゴヌクレオチド配列に言及する。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表7に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)へ標的指向される。
【0531】
表7
【0532】
【表9】
【0533】
実施例6:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、上記に記載した試験からのギャップマーを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表8に特記されるように、31.3nM、62.5nM、125.0nM、250.0nM、500.0nM、及び1000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。
【0534】
表8には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的なやり方で低下した。
【0535】
表8
【0536】
【表10】
【0537】
実施例7:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR遺伝子配列に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドをデオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドとして設計して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。このオリゴヌクレオチドは、16個のヌクレオシドの長さで、ここでヌクレオシドは、MOE糖修飾、(S)−cEt糖修飾、又はデオキシ修飾のいずれか1つを有する。「化学」カラムは、それぞれのオリゴヌクレオチドの糖修飾について記載する。「k」は、(S)−cEt糖修飾を示し;数字は、デオキシヌクレオシドの数を示し;他に「d」は、デオキシリボースを示し;そして「e」は、MOE修飾を示す。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。表中に収載する「配列番号」は、オリゴヌクレオチド配列に言及する。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表9に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)へ標的指向される。
【0538】
表9
【0539】
【表11】
【0540】
細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表10〜表12に特記されるように、62.5nM、125.0nM、250.0nM、500.0nM、及び1000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。
【0541】
表10〜表12には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞のいくつかで、用量依存的なやり方で低下した。
【0542】
表10
【0543】
【表12】
【0544】
表11
【0545】
【表13】
【0546】
表12
【0547】
【表14】
【0548】
実施例8:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、1,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによってAR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で75種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表13に示す。
【0549】
表13中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマー、3−9−4(S)−cEtギャップマー、4−8−4(S)−cEtギャップマー、4−9−3(S)−cEtギャップマー、5−7−4(S)−cEtギャップマー、5−8−3(S)−cEtギャップマー、6−7−3(S)−cEtギャップマー、又はデオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドとして設計された。3−10−3(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。3−9−4(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に、3個のヌクレオチドを含んでなる5’方向のウィングセグメントと、4個のヌクレオシドを含んでなる3’方向のウィングセグメントがある。4−8−4(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、8個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に4個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。4−9−3(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に、4個のヌクレオチドを含んでなる5’方向のウィングセグメントと、3個のヌクレオシドを含んでなる3’方向のウィングセグメントがある。5−7−4(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、7個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に、5個のヌクレオチドを含んでなる5’方向のウィングセグメントと、4個のヌクレオチドを含んでなる3’方向のウィングセグメントがある。5−8−3(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、8個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に、5個のヌクレオチドを含んでなる5’方向のウィングセグメントと、3個のヌクレオシドを含んでなる3’方向のウィングセグメントがある。6−7−3(S)−cEtギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、7個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に、6個のヌクレオチドを含んでなる5’方向のウィングセグメントと、3個のヌクレオシドを含んでなる3’方向のウィングセグメントがある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。デオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドは、16個のヌクレオシドの長さで、ここでヌクレオシドは、MOE糖修飾、(S)−cEt糖修飾、又はデオキシ修飾のいずれか1つを有する。「化学」カラムは、それぞれのオリゴヌクレオチドの糖修飾について記載する。「k」は、(S)−cEt糖修飾を示し;数字は、デオキシヌクレオシドの数を示し;他に「d」は、デオキシリボースを示し;そして「e」は、MOE修飾を示す。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。
【0550】
表中に収載する「配列番号」は、オリゴヌクレオチド配列に言及する。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表13に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)へ標的指向される。
【0551】
表13
【0552】
【表15-1】
【0553】
【表15-2】
【0554】
実施例9:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、上記に記載した試験からのアンチセンスオリゴヌクレオチドを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表14に特記されるように、31.25nM、62.5nM、125.0nM、250.0nM、500.0nM、及び1000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、類似の培養条件を有する一連の実験において試験した。各実験の結果は、下記に示す別々の表に提示する。
【0555】
表14には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的なやり方で低下した。
【0556】
表14
【0557】
【表16】
【0558】
実施例10:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、実施例8からのギャップマーを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表15に特記されるように、46.9nM、187.5nM、750.0nM、及び3000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。
【0559】
表15には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的なやり方で低下した。
【0560】
表15
【0561】
【表17】
【0562】
実施例11:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、500nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによってAR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で616種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表16〜表23に示す。
【0563】
表16〜表23中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマーとして設計された。このギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。
【0564】
表中に収載する「配列番号」は、オリゴヌクレオチド配列に言及する。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表16〜表23に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)又は本明細書では配列番号2と呼称されるヒトAR mRNA配列(GENBANKアセッション番号NM_000044.3)のいずれか一方又はその両方へ標的指向される。「n/a」は、そのオリゴヌクレオチドがその特別な遺伝子配列に標的指向しないことを示す。
【0565】
表16
【0566】
【表18】
【0567】
表17
【0568】
【表19】
【0569】
表18
【0570】
【表20】
【0571】
表19
【0572】
【表21】
【0573】
表20
【0574】
【表22】
【0575】
表21
【0576】
【表23】
【0577】
表22
【0578】
【表24】
【0579】
表23
【0580】
【表25】
【0581】
実施例12:HuVEC細胞におけるヒトARのアンチセンス阻害
AR核酸に標的指向する追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計して、AR mRNAに対するそれらの効果を試験管内で試験した。20,000個の細胞/ウェルの密度で培養したHuVEC細胞を、エレクトロポレーションを使用して、1,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ24時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、定量的リアルタイムPCRによってAR mRNAレベルを測定した。ヒトのプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。全部で385種のオリゴヌクレオチドについて試験した。さらなる試験のために選択したオリゴヌクレオチドだけを表24〜表28に示す。
【0582】
表24〜表28中の新たに設計したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3(S)−cETギャップマーとして設計された。このギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さで、ここで中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含み、その両側に3個のヌクレオシドを含んでなるウィングセグメントが5’方向と3’方向の両方にある。5’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドと3’ウィングセグメント中のそれぞれのヌクレオシドは、(S)−cEt修飾を有する。それぞれのギャップマー全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。それぞれのギャップマー全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。
【0583】
表中に収載する「配列番号」は、オリゴヌクレオチド配列に言及する。「開始部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される5’端ヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト遺伝子配列において標的指向される3’端ヌクレオシドを示す。表24〜表28に収載されるそれぞれのギャップマーは、本明細書では配列番号1と呼称されるヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオチド5079000〜5270000より先端切断されたもの)へ標的指向される。
【0584】
表24
【0585】
【表26】
【0586】
表25
【0587】
【表27】
【0588】
表26
【0589】
【表28】
【0590】
表27
【0591】
【表29】
【0592】
表28
【0593】
【表30】
【0594】
実施例13:HuVEC細胞におけるヒトARの用量依存的なアンチセンス阻害
AR mRNAの有意な試験管内阻害を示す、上記に記載した試験からのギャップマーを選択して、HuVEC細胞において様々な用量で試験した。細胞を20,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、エレクトロポレーションを使用して、表29〜表37に特記されるように、46.9nM、187.5nM、750.0nM、及び3000.0nM濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドでトランスフェクトした。ほぼ16時間の処理時間の後で、この細胞からRNAを単離して、AR mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトARプライマープローブセット、RTS3559を使用して、mRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に従って、AR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対するARの阻害パーセントとして提示する。
【0595】
表29〜表37には、それぞれのオリゴヌクレオチドの半最大阻害濃度(IC50)も提示する。明示されるように、AR mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞のいくつかにおいて、用量依存的なやり方で低下した。
【0596】
表29
【0597】
【表31】
【0598】
表30
【0599】
【表32】
【0600】
表31
【0601】
【表33】
【0602】
表32
【0603】
【表34】
【0604】
表33
【0605】
【表35】
【0606】
表34
【0607】
【表36】
【0608】
表35
【0609】
【表37】
【0610】
表36
【0611】
【表38】
【0612】
表37
【0613】
【表39】
【0614】
実施例14:ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAに標的指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドの、前立腺癌細胞系でのアッセイのための選択
ヒトARゲノム配列の異なる領域に標的指向する、上記の試験において提示したものからのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、前立腺癌細胞系におけるさらなる試験のために選択した。Hornberg, E. et al., PLoS One 2011. Vol.6 に記載されるように、AR−V7とAR−V567esは、癌患者において検出される主要なARスプライス変異体である。
【0615】
さらなる試験のために以下のISISオリゴヌクレオチドを選択した:ISIS 549372(ヒトARゲノム配列にエクソン1で標的指向する);ISIS 549434(ヒトARゲノム配列にAR停止コドンを越えたエクソン8の3’端で標的指向する);ISIS 560131(ヒトARゲノム配列にイントロン1で標的指向する);及びISIS 569236(ヒトARゲノム配列にイントロン1で標的指向する)。ベンチマークとしての使用のために、US7,737,125の配列番号58として呼称されるアンチセンスオリゴヌクレオチドと同一である、別のアンチセンスオリゴヌクレオチド、ISIS 554221(ACCAAGTTTCTTCAGC、本明細書では配列番号178と呼称される)を、ARのエクソン4(即ち、リガンド結合ドメイン)へ標的指向される、ホスホロチオエート骨格のある3−10−3LNAギャップマーとして設計した。
【0616】
実施例15:MDV3100抵抗性C4−2B細胞における、アンドロゲン受容体タンパク質レベルに対するヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
C4−2B細胞は、腫瘍学の分野でよく使用されるアンドロゲン非依存性のヒト前立腺癌細胞であって、臨床に関連した培養細胞として確立されてきた(Thalmann, G. N. et al., Cancer Res. 1994. 54: 2577)。MDV3100又はエンザルタミドは、去勢抵抗性前立腺癌の治療のために Medivation によって開発された、実験的なアンドロゲン受容体アンタゴニストである。MDV3100抵抗性(MR)C4−2B細胞において、ISIS 549372、ISIS 554221、及びISIS 549434を試験した。
【0617】
この細胞を5μM濃度のMDV3100の存在下に2ヶ月にわたって培養して、MDV3100抵抗性を誘導した。ISIS 549372、ISIS 549434、及びISIS 554221をアンチセンスオリゴヌクレオチドの1μM濃度で、この細胞による自由取込みのために1μM濃度でこの培養基へそれぞれ加えた。2日の処理時間の後で、プロテアーゼ阻害剤を含有するRIPA緩衝液に細胞を採取した。全長AR、並びに変異型、AR−V7のバンドの存在は、AR抗体(N−20,SantaCruz)を使用するウェスタンブロットによって検出した。ISIS 549372での細胞の処理は、ISIS 554221又はISIS 549434のいずれかでの処理より広汎に全長ARとAR−V7を低下させた。
【0618】
実施例16:MDV3100抵抗性C4−2B細胞における、AR標的遺伝子に対する、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
AR標的遺伝子に対するARのアンチセンス阻害の効果について分析した。C4−2B MR細胞において、ISIS 549372、ISIS 549458、ISIS 554221、及びISIS 549434を試験した。
【0619】
細胞を96ウェルプレートにおいて40,000個の細胞/ウェルの密度で蒔いて、10%ウシ胎仔血清入りのRPMI1640培地で培養した。この細胞を5μM濃度のMDV3100の存在下に2ヶ月の経過にわたって培養して、MDV3100抵抗性を誘導した。ISIS 549372、ISIS 549458、ISIS 549434、及びISIS 554221をこの培養基へこの細胞による自由取込みのためにアンチセンスオリゴヌクレオチドの0.04μM、0.20μM、1.00μM、及び5.00μMの濃度でそれぞれ加えた。ヒト遺伝子配列に既知の標的領域がない対照オリゴヌクレオチド、ISIS 347526(配列:TCTTATGTTTCCGAACCGTT(配列番号179)5−10−5MOEギャップマー)を陰性対照として含めた。24時間の処理時間の後で、プライマープローブセットRTS3559を使用する定量的リアルタイムPCRによって、全AR mRNAレベルを測定した。ヒトARプライマープローブセットのhAR_LTS00943(フォワード配列:GCCCCTGGATGGATAGCTACT、本明細書では配列番号180と呼称される;リバース配列:CCACAGATCAGGCAGGTCTTC、本明細書では配列番号181と呼称される;プローブ配列:ACTGCCAGGGACCATGTTTTGCCC、本明細書では配列番号182と呼称される)を使用して、AR−V7 mRNAレベルを測定した。ヒトのアクチンmRNAレベルに対してAR mRNAレベルを補正した。結果を、未処理対照細胞に対する全ARの阻害パーセントとして表38に提示する。ISIS 549372、ISIS 549458、及びISIS 549434での細胞の処理は、ISIS 554221での処理より広汎に用量依存的なやり方で全AR転写物レベルを低下させた。
【0620】
上記に記載したアッセイに類似したやり方で、全長AR、並びにAR−V7変異体のウェスタン分析も実施した。このアッセイは、ISIS 549372とISIS 549458での処理が全長ARとAR−V7のレベルを低下させることを示した。ISIS 549434での処理は、全長ARのレベルを低下させたが、AR−V7のそれを低下させなかった。ISIS 554221での処理は、ISIS 549372と比べて全長ARのレベルをさほど広汎に低下させず、AR−V7のレベルを低下させなかった。対照オリゴヌクレオチドのISIS 347526は、予測されるように、タンパク質レベルを低下させなかった。
【0621】
AR標的遺伝子、KLK2のmRNAレベルは、プライマープローブセットhKLK2_LTS00963(フォワード配列:CTTGCGCCCCAGGAGTCT、本明細書では配列番号183と呼称される;リバース配列:CTCAGAGTAAGCTCTAGCACACATGTC、本明細書では配列番号184と呼称される;プローブ配列:AGTGTGTGAGCCTCCATCTCCTGTCCAA、本明細書では配列番号185と呼称される)を使用して測定した。AR標的遺伝子、KLK3のmRNAレベルは、プライマープローブセットRTS1072(フォワード配列:GCCAAGGAGGGAGGGTCTT、本明細書では配列番号186と呼称される;リバース配列:CCCCCCATAGTGAATCAGCTT、本明細書では配列番号187と呼称される;プローブ配列:ATGAAGTAAGGAGAGGGACTGGACCCCC、本明細書では配列番号188と呼称される)を使用して測定した。表39と表40に提示されるように、ISIS 549372、ISIS 549458、及びISIS 549434での処理は、ISIS 554221での処理より広汎に用量依存的なやり方で標的遺伝子レベルを低下させた。
【0622】
表38
C4−2B MR細胞における全長AR mRNAの阻害パーセント
【0623】
【表40】
【0624】
表39
C4−2B MR細胞におけるKLK3 mRNAの阻害パーセント
【0625】
【表41】
【0626】
表40
C4−2B MR細胞におけるKLK2 mRNAの阻害パーセント
【0627】
【表42】
【0628】
実施例17:MDV3100抵抗性C4−2B細胞の増殖能力に対する、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。C4−2B MR細胞において、ISIS 549372、ISIS 549458、ISIS 554221、及びISIS 549434を試験した。
【0629】
ISIS 549372、ISIS 549434、ISIS 549458、及びISIS 554221をアンチセンスオリゴヌクレオチドの0.04μM、0.20μM、1.00μM、及び5.00μMの濃度でそれぞれ培養基へ加えた。ISIS 347526を陰性対照として含めた。6日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表41に提示する。ISIS 549372、ISIS 549434、及びISIS 549458での細胞の処理は、ISIS 554221での処理より広汎に用量依存的なやり方でこの細胞の増殖を低下させた。
【0630】
表41
C4−2B MR細胞増殖の阻害パーセント
【0631】
【表43】
【0632】
実施例18:MDV3100抵抗性LMR20細胞に対する、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
LMR20と呼称される、MDV3100抵抗性細胞系を創出した。LMR20細胞の増殖能力とAR mRNAレベルに対する、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。ISIS 560131、ISIS 549458、及びISIS 569236について、LNAギャップマーのISIS 554221とともに試験した。
【0633】
LnCaP細胞を増加濃度のMDV3100とともにほぼ6ヶ月間インキュベートした。20μM MDV3100の存在下での広汎な培養の後で単一のクローンを選択した。このクローン、LMR20は、脂質媒介性トランスフェクションを伴わない、アンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込みを可能にする能力を維持する一方で、MDV3100で処理されるとき、元のLnCaP細胞と比べてほぼ10倍増加したIC50を示した。
【0634】
試験1
LMR20細胞を活性炭処理済みウシ胎仔血清(CSS)入りのフェノールレッドフリー培地において1,500個の細胞/ウェルで蒔いて、この培地(Life Technologies)よりアンドロゲンを除去した。この培養基へISIS 560131、ISIS 549458、ISIS 569236、及びISIS 554221を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの濃度で個別に加えた。既知のヒトの標的配列がないISIS 549148を対照として含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれでも処理した1つの細胞セットへ合成アンドロゲンアゴニスト、R1881(Takeda, A. N. et al., Mol. Pharmacol. 2007. 71: 473-82)を1日目に1nM用量で加えた。アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれでも処理した別の細胞セットへDHTを1日目に10nMの用量で加えた。アンチセンスオリゴヌクレオチドで未処理の別の細胞セットへMDV3100を1日目に10nMの用量で加え、これを対照として役立てた。5日の処理時間の後で、標準のMTTアッセイによって、この癌細胞の増殖能力を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表42に提示する。
【0635】
表42に提示されるように、アンドロゲンアゴニストのR1881又はDHTの存在下で、ISIS 560131、ISIS 549458、及びISIS 569236は、ISIS 554221より広汎に用量依存的なやり方で、MDV3100抵抗性前立腺癌細胞の増殖を有意に阻害した。アンチセンスオリゴヌクレオチドによる増殖の阻害は、MDV3100での処理と同等であるか又はそれより強力であった。
【0636】
表42
LMR20細胞増殖の阻害パーセント
【0637】
【表44】
【0638】
試験2
LMR20細胞をCSS入りのフェノールレッドフリー培地において1,500個の細胞/ウェルで蒔いた。この培養基へISIS 560131、ISIS 549458、ISIS 569236、及びLNAギャップマーのISIS 554221を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの濃度で個別に加えた。既知のヒトの標的配列がないISIS 549148を対照として含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれ又はMDV3100でも処理した1つの細胞セットへDHTを1日目に10nMの用量で72時間加えた。アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれ又はMDV3100でも処理した別の細胞セットへR1881を1日目に10nMの用量で72時間加えた。AR、前立腺特異抗原(PSA)、及びTMPRSS2[アンドロゲン調節遺伝子](Lin, B., et al., Cancer Res. 1999. 59: 4180)のmRNAレベルを測定した。結果を、ベースライン値の百分率として表されるmRNAレベルとして表43〜表45に提示する。mRNAレベルは、処理後に低下する場合もあれば、増加する場合もある。
【0639】
表43〜表45に提示されるように、ISIS 560131、ISIS 549458、及びISIS 569236は、いずれかのARアゴニストで処理されるか又は処理されなかったLMR細胞において、ベースラインに対して用量依存的なやり方で、AR mRNAレベルを低下させた。LNAギャップマー、ISIS 554221での処理は、AR mRNAレベルを変化させなかった。ISIS 560131、ISIS 549458、及びISIS 569236は、LNAギャップマーのISIS 554221又はMDV3100より広汎にPSAレベルとTMPRSS2を低下させた。MDV3100での処理は、ARアゴニストで処理した細胞においてAR mRNAのレベルを増加させて、PSA又はTMPRSS2のmRNAレベルをいずれも低下させなかった。
【0640】
表43
ARアゴニスト処理無しの細胞のmRNAレベル(%ベースライン値)
【0641】
【表45】
【0642】
表44
DHTでの処理後のmRNAレベル(%ベースライン値)
【0643】
【表46】
【0644】
表45
R1881での処理後のmRNAレベル(%ベースライン値)
【0645】
【表47】
【0646】
実施例19:C4−2B細胞の増殖能力に対する、MDV3100と組み合わせた、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、異なる用量のMDV3100と組み合わせた、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。C4−2B細胞において、ISIS 549372、ISIS 549434、ISIS 549458、及びISIS 554221を試験した。
【0647】
C4−2B細胞を1,500個の細胞/ウェルで蒔いた。この培養基へISIS 549372、ISIS 549434、ISIS 549458、又はISIS 554221を0.1μM濃度で個別に加えた。ISIS 347526を陰性対照として含めた。MDV3100も、1日目に0.25μM又は1.00μMの用量で加えた。6日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って用いて、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表46に提示する。ISIS 549372又はISIS 549458での細胞の処理は、ISIS 554221での処理より広汎にこの細胞の増殖を低下させた。例えば、表46に提示されるように、ISIS 549372単独での処理は、細胞増殖を59%低下させて、ISIS 549458での処理は、ISIS 554221単独(これは、細胞増殖を23%低下させる)に比較して、細胞増殖を74%低下させた。
【0648】
表46と表47に提示されるように、MDV3100と組み合わせたISIS 549372又はISIS 549458は、MDV3100と組み合わせた等しいモル濃度のISIS 554221より大きな程度で、前立腺癌細胞の増殖を阻害した。
【0649】
ISIS 549372又はISIS 549458での細胞の処理がMDV3100と相乗的であるかどうかを見出すために、このアッセイを0.1μM ASOで繰り返した。表46に提示されるように、ISIS 549372又はISIS 549458での処理は、MDV3100と相乗的であった。例えば、0.25μMでのMDV3100単独は、増殖を4%阻害し;0.1μMでのISIS 549372単独は、細胞増殖を23%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は66%阻害された。同様に、0.1μMでのISIS 549458単独は、細胞増殖を39%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は75%阻害された。従って、ISIS 549372又はISIS 549458とMDV3100の組合せは、前立腺癌細胞増殖の阻害に関して、相乗的(即ち、相加より大きい)であった。
【0650】
表46
C4−2B細胞増殖の0.1μM ASOでの阻害パーセント
【0651】
【表48】
【0652】
表47
C4−2B細胞増殖の0.2μM ASOでの阻害パーセント
【0653】
【表49】
【0654】
実施例20:LNCaP細胞の増殖能力に対する、MDV3100と組み合わせた、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、異なる用量のMDV3100と組み合わせた、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。LNCaP細胞において、ISIS 560131とISIS 569236を試験した。
【0655】
LNCaP細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。この培養基へISIS 560131又はISIS 569236を0.08μM、0.04μM、0.2μM、又は1.0μM濃度で個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。このISISオリゴヌクレオチド処理細胞へMDV3100を2日目に0.016μM、0.08μM、0.4μM、又は2.0μMの用量で加えた。5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って用いて、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表48〜表52に提示する。
【0656】
これらの表に提示されるように、ISIS 560131又はISIS 569236での処理は、MDV3100と相乗的であった。例えば、MDV3100と対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148が0.08μMで増殖を平均して7%阻害したのに対し、0.04μMでのISIS 560131単独は、細胞増殖を24%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は41%阻害された。同様に、0.04μMでのISIS 569236単独は、細胞増殖を9%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は26%阻害された。従って、ISIS 560131又はISIS 569236とMDV3100の組合せは、前立腺癌細胞増殖の阻害に関して、相乗的(即ち、相加より大きい)であった。
【0657】
表48
MDV−3100無しでのLNCaPの増殖(%未処理対照)
【0658】
【表50】
【0659】
表49
0.016μM MDV−3100でのLNCaPの増殖(%未処理対照)
【0660】
【表51】
【0661】
表50
0.08μM MDV−3100でのLNCaPの増殖(%未処理対照)
【0662】
【表52】
【0663】
表51
0.4μM MDV−3100でのLNCaPの増殖(%未処理対照)
【0664】
【表53】
【0665】
表52
2.0μM MDV−3100を含む、LNCaPの増殖(%未処理対照)
【0666】
【表54】
【0667】
実施例21:C4−2B細胞の増殖能力に対する、MDV3100と組み合わせた、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、異なる用量のMDV3100と組み合わせた、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。C4−2B細胞において、ISIS 560131とISIS 569236を試験した。
【0668】
C4−2B細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。この培養基へISIS 560131又はISIS 569236を0.08μM、0.04μM、0.2μM、又は1.0μM濃度で個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。このISISオリゴヌクレオチド処理細胞へMDV3100を2日目に0.016μM、0.08μM、0.4μM、又は2.0μMの用量で加えた。5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って用いて、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表53〜表57に提示する。
【0669】
これらの表に提示されるように、ISIS 560131又はISIS 569236での処理は、MDV3100と相乗的であった。例えば、MDV3100と対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148が0.4μMで増殖を平均して6%阻害したのに対し、0.08μMでのISIS 560131単独は、細胞増殖を16%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は31%阻害された。同様に、MDV3100と対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148が0.08μMで増殖を阻害しなかった(0%)のに対し、0.2μMでのISIS 569236単独は、細胞増殖を37%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は52%阻害された。従って、ISIS 560131又はISIS 569236とMDV3100の組合せは、前立腺癌細胞増殖の阻害に関して、相乗的(即ち、相加より大きい)であった。
【0670】
表53
MDV−3100無しでのC4−2Bの増殖(%未処理対照)
【0671】
【表55】
【0672】
表54
0.016μM MDV−3100でのC4−2Bの増殖(%未処理対照)
【0673】
【表56】
【0674】
表55
0.08μM MDV−3100でのC4−2Bの増殖(%未処理対照)
【0675】
【表57】
【0676】
表56
0.4μM MDV−3100でのC4−2Bの増殖(%未処理対照)
【0677】
【表58】
【0678】
表57
2.0μM MDV−3100でのC4−2Bの増殖(%未処理対照)
【0679】
【表59】
【0680】
実施例22:22RV1細胞の増殖能力に対する、MDV3100と組み合わせた、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、異なる用量のMDV3100と組み合わせた、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。22RV1細胞において、ISIS 560131とISIS 569236を試験した。
【0681】
22RV1細胞を5% CSS培地において2,000個の細胞/ウェルで48時間蒔いた。RNAiMAX試薬を0.4nM、1.34nM、4nM、又は13.4nM濃度のISIS 560131又はISIS 569236とともに使用して、細胞をトランスフェクトした。ISIS 549148を陰性対照として含めた。1nMでのDHT、及び/又は0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの用量でのMDV3100を4時間後に加えた。3日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って用いて、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表58〜表62に提示する。
【0682】
これらの表に提示されるように、ISIS 560131又はISIS 569236での処理は、MDV3100と相乗的であった。例えば、MDV3100と対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148が1.0μMで増殖を平均して5%阻害したのに対し、1.34nMでのISIS 560131単独は、細胞増殖を3%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は23%阻害された。同様に、MDV3100と対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148が1.0μMで増殖を5%阻害したのに対し、1.0μMでのISIS 569236単独は、細胞増殖を17%阻害し;組合せにおいて、細胞増殖は30%阻害された。従って、ISIS 560131又はISIS 569236とMDV3100の組合せは、前立腺癌細胞増殖の阻害に関して、相乗的(即ち、相加より大きい)であった。
【0683】
表58
MDV−3100無しでの22RV1の増殖(%未処理対照)
【0684】
【表60】
【0685】
表59
0.04μM MDV−3100での22RV1の増殖(%未処理対照)
【0686】
【表61】
【0687】
表60
0.2μM MDV−3100での22RV1の増殖(%未処理対照)
【0688】
【表62】
【0689】
表61
1.0μM MDV−3100での22RV1の増殖(%未処理対照)
【0690】
【表63】
【0691】
表62
5.0μM MDV−3100での22RV1の増殖(%未処理対照)
【0692】
【表64】
【0693】
実施例23:CWR22−RV1細胞に対する、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
癌細胞の増殖能力に対する、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。CWR22−RV1細胞において、ISIS 549372、ISIS 549434、ISIS 549458、及びISIS 554221を試験した。
【0694】
CWR22−RV1細胞を蒔いて、RNAiMax試薬(Life Technologies)を1.7nM、5.0nM、16.7nM、又は50nM濃度のISISオリゴヌクレオチドとともに使用して、トランスフェクトした。ISIS 347526を陰性対照として含めた。6日の処理時間の後で、癌細胞の標的低下と増殖能を測定した。
【0695】
AR全長mRNAのアンチセンス阻害をRTS3559プライマープローブセットで測定した。この結果を未処理細胞に対する阻害パーセントとして表63に提示する。SYBR Green染色(Hu, R. et al., Cancer Res. 2009. 69: 16-22)を使用するRT−PCRによって、AR mRNAのV7スプライス変異体の低下も測定した。この結果を、未処理細胞に対するパーセント低下として表64に提示する。CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って用いて、細胞増殖を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表65に提示する。
【0696】
表63
AR全長mRNAの阻害パーセント
【0697】
【表65】
【0698】
表64
ARスプライス変異体、V7の阻害パーセント
【0699】
【表66】
【0700】
表65
細胞増殖の阻害パーセント
【0701】
【表67】
【0702】
実施例24:C4−2B細胞によるアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込みによる、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
AR mRNAレベルに対する、アンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込みの効果について検討した。ISIS 549372、ISIS 549434、ISIS 549458、及びISIS 554221を試験した。
【0703】
細胞を96ウェルプレートにおいて1,000個の細胞/ウェルの濃度で蒔いて細胞増殖を測定して、4,000個の細胞/ウェルで標的低下を測定した。ISIS 549458、ISIS 549372、ISIS 549434、及びISIS 554221を0.04μM、0.20μM、1.00μM、又は5.00μMで個別に加えた。24時間のインキュベーション時間の後で、hAR_LTS00943を使用してmRNAレベルを測定した。このデータを表66に提示する。この結果は、ISIS 549458、ISIS 549372、及びISIS 549434がISIS 554221より強力にAR mRNA発現を阻害したことを示す。
【0704】
6日目に、増殖を測定するために蒔いた細胞をMTT試薬とともにインキュベートして、発色させた。分光光度計を490nmで使用して、色強度を測定した。このデータを表67に提示する。
【0705】
表66
AR全長mRNAの阻害パーセント
【0706】
【表68】
【0707】
表67
細胞増殖の阻害パーセント
【0708】
【表69】
【0709】
実施例25:LnCaP細胞によるアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込みによる、ヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
AR mRNAレベルに対する、アンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込みの効果について検討した。
【0710】
細胞を96ウェルプレートにおいて4,000個の細胞/ウェルの濃度で蒔いた。表68に特記したISISオリゴヌクレオチドを0.02μM、0.10μM、0.50μM、2.50μM、又は10.00μMで個別に加えた。24時間のインキュベーション時間の後で、プライマープローブセット、hAR_LTS00943を使用してmRNAレベルを測定した。このデータを表68に提示する。この結果は、このISISオリゴヌクレオチドのほとんどが各濃度でISIS 554221より強力にAR mRNA発現を阻害したことを示す。
【0711】
表68
AR mRNAの阻害パーセント
【0712】
【表70】
【0713】
実施例26:22RV1細胞の増殖能力に対する、DHTの存在下でのヒトアンドロゲン受容体(AR)mRNAのアンチセンス阻害の効果
ジヒドロテストステロン(DHT)は、アンドロゲンホルモンであって、ARアクチベータである。DHTで処理した癌細胞の増殖能力に対する、ARのアンチセンス阻害の効果について分析した。ヒトの前立腺癌細胞系、22RV1においてISIS 560131とISIS 569236を試験した。
【0714】
22RV1細胞を1,500個の細胞/ウェルで蒔いた。RNAiMAXTM試薬(Life Technologies)を1.34nM、4.00nM、13.4nM、又は40.0nM濃度で使用して、この細胞中へISIS 560131とISIS 569236を個別にトランスフェクトした。既知のヒトの標的配列がないISIS 549148を対照として含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれでも処理した別々の細胞セットを、1日目に1nMの最終濃度で加えたDHTで処理した。5日の処理時間の後で、標準のMTTアッセイを使用して、この癌細胞の増殖能力を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表69に提示する。
【0715】
表69に提示されるように、ISIS 560131とISIS 569236はともに、ARアクチベータ、DHTの存在下でも、対照に比較して、前立腺癌細胞増殖を有意に阻害した。対照オリゴヌクレオチドは、予測されるように、増殖に対して全く効果を示さなかった。
【0716】
表69
22RV1細胞増殖の阻害パーセント
【0717】
【表71】
【0718】
実施例27:ARに標的指向するISISオリゴヌクレオチドでのC4−2B細胞処理の時間経過試験
遺伝子発現に対する、C4−2B癌細胞でのアンチセンス阻害の効果について分析した。ISIS 560131とISIS 569236を試験した。
【0719】
AR mRNA分析
C4−2B細胞を完全培地において1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。この培養基へISIS 560131又はSIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μM濃度の最終濃度まで、トランスフェクション試薬を使用せずに、個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。MDV3100を別々の細胞セットに0.04μM、0.2μM、1.0μM又は5.0μMの用量で加えた。8時間、24時間、及び48時間の処理時間の後で、プライマープローブセット、hAR−LTS00943でAR発現を測定した。結果を、未処理細胞に対するARの発現パーセントとして、表70〜表72に提示する。ISIS 560131又はISIS 569236での細胞の処理は、対照セットに対して、細胞中のAR発現を低下させた。MDV−3100での処理は、AR発現を48時間の時点で増加させた。
【0720】
表70
対照群と比較した、8時間でのARの発現パーセント
【0721】
【表72】
【0722】
表71
対照群と比較した、24時間でのARの発現パーセント
【0723】
【表73】
【0724】
表72
対照群と比較した、48時間でのARの発現パーセント
【0725】
【表74】
【0726】
ARタンパク質分析
上記細胞中のタンパク質レベルについても分析した。プロテアーゼ阻害剤を含有するRIPA緩衝液において細胞を採取した。AR抗体(N−20,SC−816,Santa Cruz Biotechnology)を使用するウェスタンブロットによって、全長ARのバンドの存在を検出した。ISIS 560131又はISIS 569236で24時間及び48時間処理した細胞では、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルへ正規化すると、全長ARが有意に低下した。
【0727】
下流遺伝子のmRNA発現分析
前立腺特異抗原(PSA)とTMPRSS2の発現分析についても分析した。結果を、未処理細胞に対するPSA発現の阻害パーセントとして表73〜表75に、そしてTMPRSS2発現の阻害パーセントとして表76〜表78に提示する。ISIS 560131又はISIS 569236での細胞の処理は、対照セットに対して細胞中のPSA及びTMPRSS2発現を24時間と48時間の時点で低下させた。MDV−3100での処理も下流遺伝子の発現を低下させたが、ISISオリゴヌクレオチドでのそれほど強力ではなかった。
【0728】
表73
対照群と比較した、8時間でのPSA発現の阻害パーセント
【0729】
【表75】
【0730】
表74
対照群と比較した、24時間でのPSA発現の阻害パーセント
【0731】
【表76】
【0732】
表75
対照群と比較した、48時間でのPSA発現の阻害パーセント
【0733】
【表77】
【0734】
表76
対照群と比較した、8時間でのTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0735】
【表78】
【0736】
表77
対照群と比較した、24時間でのTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0737】
【表79】
【0738】
表78
対照群と比較した、48時間でのTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0739】
【表80】
【0740】
実施例28:完全培地とCSS培地で培養したLNCaP細胞におけるAR mRNAのアンチセンス阻害
完全培地、並びにDHT入りのCSS培地で培養したLNCaP細胞におけるARのアンチセンス阻害の効果について検討した。
【0741】
完全培地中の遺伝子発現
細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。ISIS 560131又はISIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。MDV3100を別々の細胞セットに0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの用量で加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表79〜表81に提示する。
【0742】
全長ARのタンパク質分析も、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルへ正規化すると、用量依存的な発現の減少を示した。
【0743】
表79
完全培地で培養したLNCaP細胞におけるARの発現パーセント
【0744】
【表81】
【0745】
表80
完全培地で培養したLNCaP細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0746】
【表82】
【0747】
表81
完全培地で培養したLNCaP細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0748】
【表83】
【0749】
CSS培地とCSS+DHT培地における遺伝子発現
細胞を2,000個の細胞/ウェルで蒔いて、5%活性炭処理済み血清(Gibco)培地を補充したフェノールレッドフリーRPMIにおいて16時間培養した。ISIS 560131又はISIS 569236をそれぞれの細胞セットへ0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。MDV3100を別々の細胞セットに0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで加えた。4時間のインキュベーション時間の後で、この培地へDHTを指定のように1nMの最終濃度で加えた。48時間後にRNAを採取して、AR、PSA、及びTMPRSS2のレベルを測定した。このデータを表82〜表85に提示する。DHTの非存在下で、未処理対照に比較して、LNCaP細胞におけるAR発現は95%、PSA発現は7%、そしてTMPRSS2発現は24%であった。
【0750】
表82
CSS培地で培養したLNCaP細胞におけるARの発現パーセント
【0751】
【表84】
【0752】
表83
CSS+DHT培地で培養したLNCaP細胞におけるARの発現パーセント
【0753】
【表85】
【0754】
表84
CSS+DHT培地で培養したLNCaP細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0755】
【表86】
【0756】
表85
CSS+DHT培地で培養したLNCaP細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0757】
【表87】
【0758】
CSS培地とCSS+DHT培地における増殖に対する効果
完全培地又はCSS+1nM DHT培地における5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution 又はCellTiter−Glo(登録商標)solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表86と表87に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照に比較して、この細胞の増殖を用量依存的なやり方で低下させた。CSS+DHT培地におけるISISオリゴヌクレオチドでの処理は、MVD−3100での処理より大きな程度で増殖能を低下させた。DHT無しのCSS培地で培養した細胞の増殖能は、未処理対照レベルの17%である。
【0759】
表86
完全培地で培養したLNCaP細胞における増殖(%未処理対照)
【0760】
【表88】
【0761】
表87
CSS+DHT培地で培養したLNCaP細胞における増殖(%未処理対照)
【0762】
【表89】
【0763】
実施例29:完全培地とCSS培地で培養したC4−2細胞におけるAR mRNAのアンチセンス阻害
完全培地、並びにDHT入りのCSS培地で培養したC4−2細胞におけるAR mRNAレベルのアンチセンス阻害の効果について検討した。
【0764】
完全培地における遺伝子発現
細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。ISIS 560131又はISIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。別々の細胞セットにMDV3100を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表88〜表90に提示する。この細胞においてMDV−3100での処理がAR発現を増加させる一方で、ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、AR発現を阻害した。
【0765】
全長ARとPSAのタンパク質分析も、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルへ正規化すると、用量依存的な発現の減少を示した。
【0766】
表88
完全培地で培養したC4−2細胞におけるARの発現パーセント
【0767】
【表90】
【0768】
表89
完全培地で培養したC4−2細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0769】
【表91】
【0770】
表90
完全培地で培養したC4−2細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0771】
【表92】
【0772】
CSS+DHT培地における遺伝子発現
細胞を2,000個の細胞/ウェルで蒔いて、1nM DHT入りのCSS培地で培養した。それぞれの細胞セットへISIS 560131又はISIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。別々の細胞セットにMDV3100を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表91〜表93に提示する。DHTの非存在下で、未処理対照に比較して、C4−2細胞におけるAR発現は153%、PSA発現は42%、そしてTMPRSS2発現は23%であった。この細胞においてMDV−3100での処理がAR発現を増加させる一方で、ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、AR発現を阻害した。
【0773】
表91
CSS+DHT培地で培養したC4−2細胞におけるARの発現パーセント
【0774】
【表93】
【0775】
表92
CSS+DHT培地で培養したC4−2細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0776】
【表94】
【0777】
表93
CSS+DHT培地で培養したC4−2細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0778】
【表95】
【0779】
CSS培地とCSS+DHT培地における増殖に対する効果
完全培地又はCSS+1nM DHT培地における5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution 又はCellTiter−Glo(登録商標)Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表94と表95に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照に比較して、この細胞の増殖を用量依存的なやり方で低下させた。DHT無しのCSS培地で培養した細胞の増殖能は、未処理対照レベルの17%である。
【0780】
表94
完全培地で培養したC4−2細胞における増殖(%未処理対照)
【0781】
【表96】
【0782】
表95
CSS+DHT培地で培養したC4−2細胞における増殖(%未処理対照)
【0783】
【表97】
【0784】
実施例30:完全培地とCSS培地で培養したC4−2B細胞におけるAR mRNAのアンチセンス阻害
完全培地、並びにDHT入りのCSS培地で培養したC4−2B細胞におけるAR
mRNAレベルのアンチセンス阻害の効果について検討した。
【0785】
完全培地中の遺伝子発現
細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。ISIS 560131又はISIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。MDV3100を別々の細胞セットに0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの用量で加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表96〜表98に提示する。この細胞においてMDV−3100での処理がAR発現を増加させる一方で、ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、AR発現を阻害した。
【0786】
全長ARのタンパク質分析も、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルへ正規化すると、用量依存的な発現の減少を示した。
【0787】
表96
完全培地で培養したC4−2B細胞におけるARの発現パーセント
【0788】
【表98】
【0789】
表97
完全培地で培養したC4−2B細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0790】
【表99】
【0791】
表98
完全培地で培養したC4−2B細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0792】
【表100】
【0793】
CSS+DHT培地における遺伝子発現
細胞を2,000個の細胞/ウェルで蒔いて、1nM DHT入りのCSS培地で培養した。それぞれの細胞セットへISIS 560131又はISIS 569236を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。別々の細胞セットにMDV3100を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMで加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表99〜表101に提示する。DHTの非存在下で、未処理対照に比較して、C4−2細胞におけるAR発現は188%、PSA発現は43%、そしてTMPRSS2発現は27%であった。この細胞においてMDV−3100での処理がAR発現を増加させる一方で、ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、AR発現を阻害した。
【0794】
表99
CSS+DHT培地で培養したC4−2B細胞におけるARの発現パーセント
【0795】
【表101】
【0796】
表100
CSS+DHT培地で培養したC4−2B細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0797】
【表102】
【0798】
表101
CSS+DHT培地で培養したC4−2B細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0799】
【表103】
【0800】
CSS培地とCSS+DHT培地における増殖に対する効果
完全培地又はCSS+1nM DHT培地における5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One 又はCellTiter−Glo(登録商標)Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表102と表103に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照に比較して、この細胞の増殖を用量依存的なやり方で低下させた。CSS+DHT培地におけるISISオリゴヌクレオチドでの処理は、MVD−3100での処理より大きな程度で増殖能を低下させた。DHT無しのCSS培地で培養した細胞の増殖能は、未処理対照レベルの12%である。
【0801】
表102
完全培地で培養したC4−2B細胞における増殖(%未処理対照)
【0802】
【表104】
【0803】
表103
CSS+DHT培地で培養したC4−2B細胞における増殖(%未処理対照)
【0804】
【表105】
【0805】
実施例31:完全培地とCSS培地で培養したVCaP細胞におけるAR mRNAのアンチセンス阻害
完全培地、並びにDHT入りのCSS培地で培養したVCaP前立腺癌細胞(Korenchuk, S. et al., In Vivo. 2001. 15: 163-168)におけるARのアンチセンス阻害の効果について検討した。VCaP細胞は、全長ARだけでなく、V7変異体も発現する。
【0806】
完全培地における遺伝子発現
細胞を10,000個の細胞/ウェルで蒔いた。RNAiMax トランスフェクション試薬を使用して、ISIS 560131又はISIS 569236を1.34nM、4nM、13.4nM、又は40nMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。48時間のインキュベーション時間の後で、全長AR、V7変異体、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表104〜表107に提示する。
【0807】
全長ARとV7変異体のタンパク質分析も、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルへ正規化すると、両者の用量依存的な発現の減少を示した。
【0808】
表104
完全培地で培養したVCaP細胞における全長ARの阻害パーセント
【0809】
【表106】
【0810】
表105
完全培地で培養したVCaP細胞におけるAR V7変異体の阻害パーセント
【0811】
【表107】
【0812】
表106
完全培地で培養したVCaP細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0813】
【表108】
【0814】
表107
完全培地で培養したVCaP細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0815】
【表109】
【0816】
別々の細胞セットを0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMのMDV−3100で処理した。48時間のインキュベーション時間の後で、全長AR、V7変異体、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを、未処理対照と比較した遺伝子レベルの発現パーセントとして表して、表108に提示する。
【0817】
表108
MDV−3100で処理して完全培地で培養したVCaP細胞における遺伝子発現のパーセント
【0818】
【表110】
【0819】
CSS+DHT培地における遺伝子発現
細胞を15,000個の細胞/ウェルで蒔いて、CSS培地において16時間培養した。次いで、RNAiMax 試薬をそれぞれの細胞セットへ1.34nM、4nM、13.4nM、又は40nMのISIS 560131又はISIS 569236とともに使用して、細胞をトランスフェクトした。ISIS 549148を陰性対照として含めた。4時間後、1nM DHTを加えた。別々の細胞セットにMDV3100を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの用量で加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを、表109〜表113に提示する。DHTの非存在下で、未処理対照と比較して、VCaP細胞におけるAR発現は555%、V7変異体発現は656%、PSA発現は11%、そしてTMPRSS2発現は22%であった。
【0820】
表109
CSS+DHT培地で培養したVCaP細胞における全長ARの阻害パーセント
【0821】
【表111】
【0822】
表110
CSS+DHT培地で培養したVCaP細胞におけるAR V7変異体の阻害パーセント
【0823】
【表112】
【0824】
表111
CSS+DHT培地で培養したVCaP細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0825】
【表113】
【0826】
表112
CSS+DHT培地で培養したVCaP細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0827】
【表114】
【0828】
表113
MDV−3100で処理してCSS+DHT培地で培養したVCaP細胞における遺伝子発現のパーセント
【0829】
【表115】
【0830】
増殖に対する効果
完全培地又はCSS+1nM DHT培地における5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One 又はCellTiter−Glo(登録商標)Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表114〜表116に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照に比較して、この細胞の増殖を用量依存的なやり方で低下させた。CSS+DHT培地におけるISISオリゴヌクレオチドでの処理は、MVD−3100での処理より大きな程度で増殖能を低下させた。DHT無しのCSS培地で培養した細胞の増殖能は、未処理対照レベルの12%である。
【0831】
表114
完全培地で培養したVCaP細胞における増殖(%未処理対照)
【0832】
【表116】
【0833】
表115
CSS+DHT培地で培養したVCaP細胞における増殖(%未処理対照)
【0834】
【表117】
【0835】
表116
MDV−3100で処理したVCaP細胞における増殖(%未処理対照)
【0836】
【表118】
【0837】
アポトーシスに対する効果
完全培地での72時間の処理時間の後で、カスパーゼ−Glo3/7アッセイ(プロメガ)で、癌細胞のアポトーシスを測定した。結果を、未処理細胞に対する細胞のアポトーシスパーセントとして表117と表118に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照と比較して、この細胞のアポトーシスを用量依存的に増加させた。
【0838】
切断されたPARPレベルのタンパク質ウェスタンブロット分析によってもアポトーシスを測定すると、ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100で処理した細胞において用量依存的なやり方で増加していることが示された。
【0839】
表117
完全培地で培養したVCaP細胞におけるアポトーシス(%未処理対照)
【0840】
【表119】
【0841】
表118
MDV−3100で処理したVCaP細胞におけるアポトーシス(%未処理対照)
【0842】
【表120】
【0843】
実施例32:完全培地とCSS培地で培養した22RV1細胞におけるAR mRNAのアンチセンス阻害
完全培地、並びにDHT入りのCSS培地で培養した22RV1細胞におけるARのアンチセンス阻害の効果について検討した。
【0844】
完全培地における遺伝子発現
細胞を1,000個の細胞/ウェルで蒔いた。RNAiMax トランスフェクション試薬を使用して、ISIS 560131又はISIS 569236を1.34nM、4nM、13.4nM、又は40nMで個別に加えた。ISIS 549148を陰性対照として含めた。48時間のインキュベーション時間の後で、全長AR、V7変異体、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを、表119〜表122に提示する。全長ARとV7変異体のタンパク質分析も、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのレベルと比較して、用量依存的な発現の減少を示した。
【0845】
表119
完全培地で培養した22RV1細胞における全長ARの阻害パーセント
【0846】
【表121】
【0847】
表120
完全培地で培養した22RV1細胞におけるAR V7変異体の阻害パーセント
【0848】
【表122】
【0849】
表121
完全培地で培養した22RV1細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0850】
【表123】
【0851】
表122
完全培地で培養した22RV1細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0852】
【表124】
【0853】
別々の細胞セットを0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMのMDV−3100で処理した。48時間のインキュベーション時間の後で、全長AR、V7変異体、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを、未処理対照に比較した遺伝子レベルの発現パーセントとして表して、表123に提示する。
【0854】
表123
MDV−3100で処理して完全培地で培養した22RV1細胞における遺伝子発現のパーセント
【0855】
【表125】
【0856】
CSS+DHT培地における遺伝子発現
細胞を2,000個の細胞/ウェルで蒔いて、CSS培地において16時間培養した。次いで、RNAiMax 試薬をそれぞれの細胞セットへ1.34nM、4nM、又は13.4nMのISIS 560131又はISIS 569236とともに使用して、細胞をトランスフェクトした。ISIS 549148を陰性対照として含めた。4時間後、1nM DHTを加えた。別々の細胞セットにMDV3100を0.04μM、0.2μM、1.0μM、又は5.0μMの用量で加えた。48時間のインキュベーション時間の後で、AR、AR V7変異体、PSA、及びTMPRSS2のRNAレベルを測定した。このデータを表124〜表128に提示する。DHTの非存在下で、未処理対照と比較して、22RV1細胞におけるAR発現は555%、V7変異体発現は656%、PSA発現は11%、そしてTMPRSS2発現は22%であった。
【0857】
ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、全長ARとV7変異体、並びに下流遺伝子の発現の有意な阻害をもたらした。ISISオリゴヌクレオチドでの処理は、MVD−3100での処理より大きな程度で、遺伝子発現の阻害をもたらした。
【0858】
表124
CSS+DHT培地で培養した22RV1細胞における全長ARの阻害パーセント
【0859】
【表126】
【0860】
表125
CSS+DHT培地で培養した22RV1細胞におけるAR V7変異体の阻害パーセント
【0861】
【表127】
【0862】
表126
CSS+DHT培地で培養した22RV1細胞におけるPSA発現の阻害パーセント
【0863】
【表128】
【0864】
表127
CSS+DHT培地で培養した22RV1細胞におけるTMPRSS2発現の阻害パーセント
【0865】
【表129】
【0866】
表128
MDV−3100で処理してCSS+DHT培地で培養した22RV1細胞における遺伝子発現のパーセント
【0867】
【表130】
【0868】
増殖に対する効果
完全培地における5日の処理時間の後で、CellTiter96(登録商標)AQueous One 又はCellTiter−Glo(登録商標)Solution Cell Proliferation キット(プロメガ)を製造業者の説明書に従って使用して、この癌細胞の増殖能を測定した。結果を、未処理細胞に対する増殖の阻害パーセントとして表129と表130に提示する。ISIS 560131、ISIS 569236、及びMDV−3100での細胞の処理は、対照に比較して、この細胞の増殖を用量依存的なやり方で低下させた。CSS+DHT培地におけるISISオリゴヌクレオチドでの処理は、MVD−3100での処理より大きな程度で増殖能を低下させた。DHT無しのCSS培地で培養した細胞の増殖能は、未処理対照レベルの12%である。
【0869】
表129
完全培地で培養した22RV1細胞における増殖(%未処理対照)
【0870】
【表131】
【0871】
表130
MDV−3100で処理した22RV1細胞における増殖(%未処理対照)
【0872】
【表132】
【0873】
アポトーシスに対する効果
完全培地又はCSS+DHT培地での72時間の処理時間の後で、カスパーゼ−glo3/7アッセイキット(プロメガ)で、この癌細胞のアポトーシスを測定した。結果を、未処理細胞に対する細胞のアポトーシスパーセントとして表131と表132に提示する。ISIS 560131とISIS 569236での細胞の処理は、対照と比較して、この細胞のアポトーシスを用量依存的に増加させた。
【0874】
表131
完全培地で培養した22RV1細胞におけるアポトーシス(%未処理対照)
【0875】
【表133】
【0876】
表132
CSS+DHT培地で培養した22RV1細胞におけるアポトーシス(%未処理対照)
【0877】
【表134】
【0878】
実施例33:ヒトアンドロゲン受容体に標的指向するISISアンチセンスオリゴヌクレオチドのカニクイザルにおける効果
上記に記載した試験より選択されるISISアンチセンスオリゴヌクレオチドでカニクイザルを処理した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの効力と忍容性について評価した。試験したヒトのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アカゲザルゲノム配列(GENBANKアセッション番号NW_001218131.1、ヌクレオチド134001〜308000より先端切断されたもので、本明細書では配列番号189と呼称される)と交差反応する。それぞれのオリゴヌクレオチドの配列番号189に対する標的開始部位と標的領域、並びにそれらの化学と配列の詳細を表133に提示する。
【0879】
表133
配列番号189に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド
【0880】
【表135】
【0881】
処理
試験に先立って、このサルを隔離状態に30日間保って、この間にその動物の健康状態を毎日観察した。このサルは、2〜4年齢で、2〜4kgの体重であった。4匹の無作為に割り付けた雄性カニクイザルの13群へISISオリゴヌクレオチド又はPBSを皮下注射した。PBS溶液又はISISオリゴヌクレオチド(40mg/kgの用量)を、試験の第一週に4回(1、3、5、及び7日目)の投薬からなるローディング処方に続く、14日目に開始する週1回投与(2〜6週)からなる維持処方で投与した。皮下注射は、背中の4部位に時計回りの回転で実施し、1回の投薬につき1部位とした。注射部位は、ケタミンを使用して鎮静化しながら、入れ墨で輪郭を描いて、少なくとも3cmは離した。
【0882】
試験期間の間、このサルについて、病気や不安の徴候を少なくとも1日1回観察した。本実施例に記載したプロトコールは、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee:IACUC)によって承認された。
【0883】
標的低下
RNA分析
プライマープローブセット、RTS3559を使用するARのリアルタイムPCR分析のために、肝臓、心臓、骨格筋、腎臓、及び前立腺の組織よりRNAを抽出した。この結果は、RIBOGREEN(登録商標)へ正規化した。結果を、PBS対照に対するAR mRNAの阻害パーセントとして提示する。表134に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドでの処理は、PBS対照に比べて、AR mRNAの有意な低下をもたらした。「n/a」は、その臓器においてmRNAレベルを測定しなかったことを示す。
【0884】
表134
PBS対照に対する、カニクイザルにおけるAR mRNAの阻害パーセント
【0885】
【表136】
【0886】
タンパク質分析
ELISAキット(Enzo Life Sciences)を製造業者の説明書に従って用いて、血漿中の血清テストステロンタンパク質レベルを測定した。この結果を、ng/mLで表して、表135に提示する。この結果は、このISISオリゴヌクレオチドのいくつかがテストステロンタンパク質レベルを低下させたことを示す。
【0887】
表135
カニクイザルにおけるテストステロンタンパク質レベル
【0888】
【表137】
【0889】
忍容性試験
体重及び臓器重量の測定
動物の健康全般に対するISISオリゴヌクレオチドの効果について評価するために、体重と臓器重量を測定した。42日目に体重を測定して、表136に提示する。安楽死の時点で臓器重量を測定して、このデータも表136に提示する。明確にも、ISIS 560131での処理は、このサルの体重及び臓器重量の観点からは、十分に忍容された。
【0890】
表136
カニクイザルにおける最終の体重及び臓器重量
【0891】
【表138】
【0892】
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果について評価するために、このサルを一晩絶食させた。44日目にすべての試験群よりほぼ1.5mLの血液試料を採取した。血清分離のために、抗凝固剤無しの試験管に血液を採取した。この試験管を室温に少なくとも90分間保ってから、3,000rpmで10分間遠心分離した。東芝 120FR NEO 化学分析機(東芝株式会社、日本)を使用して、様々な肝機能マーカーのレベルを測定した。この結果を表137に提示する。明確にも、ISIS 560131での処理は、肝機能マーカーの観点からは、十分に忍容された。
【0893】
表137
カニクイザル血漿中の肝機能マーカー
【0894】
【表139】
【0895】
血液学
血液学的パラメータに対するカニクイザル中のISISオリゴヌクレオチドの効果について評価するために、44日目に利用可能な試験動物のそれぞれより、K−EDTAを含有する試験管に、ほぼ0.5mLの血液の血液試料を採取した。ADVIA2120i 血液分析計(ジーメンス、アメリカ)を使用して、試料について、赤血球(RBC)数、白血球(WBC)数、血小板数、ヘモグロビン含量、及びヘマトクリットを分析した。このデータを表138に提示する。
【0896】
このデータは、ほとんどのオリゴヌクレオチドでの処理が、この用量でのアンチセンスオリゴヌクレオチドについて予測される範囲を超えた血液学的パラメータの変化を引き起こさなかったことを示す。明確にも、ISIS 560131での処理は、このサルの血液学の観点からは、十分に忍容された。
【0897】
表138
カニクイザルにおける血液学的変数
【0898】
【表140】
【0899】
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果について評価するために、このサルを一晩絶食させた。44日目にすべての試験群よりほぼ1.5mLの血液試料を採取した。血清分離のために、抗凝固剤無しの試験管に血液を採取した。この試験管を室温に少なくとも90分間保ってから、3,000rpmで10分間遠心分離した。東芝 120FR NEO 化学分析機(東芝株式会社、日本)を使用して、BUNとクレアチニンのレベルを測定した。この結果をmg/dLで表して、表139に提示する。この血漿化学データは、ほとんどのISISオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドについて予測される範囲を超えた腎機能に対する効果を及ぼさなかったことを示す。明確にも、ISIS 560131での処理は、このサルの腎機能の観点からは、十分に忍容された。
【0900】
尿分析によっても腎機能を評価した。44日目に、清潔なケージパンを湿った氷上で使用して、すべての動物より新鮮な尿を採取した。新鮮尿採取の前日は食餌を一晩断ったが、水は供給した。東芝 120FR NEO 自動化学分析機(東芝株式会社、日本)を使用して、全タンパク質レベルとクレアチニンレベルを測定して、タンパク質対クレアチニン比を計算した。この結果を表140に提示する。
【0901】
表139
カニクイザルにおける血漿BUNレベルとクレアチニンレベル(mg/dL)
【0902】
【表141】
【0903】
表140
カニクイザルにおける尿タンパク質/クレアチニン比
【0904】
【表142】
【0905】
C反応性タンパク質レベル分析
カニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドの炎症効果について評価するために、このサルを一晩絶食させた。44日目にすべての試験群よりほぼ1.5mLの血液試料を採取した。血清分離のために、抗凝固剤無しの試験管に血液を採取した。この試験管を室温に少なくとも90分間保ってから、3,000rpmで10分間遠心分離した。43日目に、東芝 120FR NEO 化学分析機(東芝株式会社、日本)を使用して、肝臓中で合成されて炎症のマーカーとして役立つC反応性タンパク質(CRP)を測定した。同様に、補体C3も測定して、このデータをベースライン値の百分率として提示する。この結果は表141に提示されて、ほとんどのISISオリゴヌクレオチドでの処理が、サルに炎症を引き起こさなかったことを示す。
【0906】
表141
カニクイザル血漿におけるC反応性タンパク質レベルとC3レベル
【0907】
【表143】
【0908】
薬物動態試験
選択処理群の腎臓及び肝臓中の全長オリゴヌクレオチドの濃度を測定した。使用した方法は、フェノール−クロロホルム(液体−液体)抽出に続く固相抽出からなる、すでに公表された方法(Leeds et al., 1996; Geary et al., 1999)の修飾法である。抽出に先立って、内部標準(ISIS355868,27マーの2’−O−メトキシエチル修飾ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、GCGTTTGCTCTTCTTCTTGCGTTTTTT、本明細書では配列番号190と呼称される)を加えた。定量下限濃度(LLOQ)がほぼ1.14μg/gである検量線を使用して、組織試料濃度を計算した。
【0909】
この結果を、μg/g(組織)として表して、表142に提示する。腎臓対肝臓比も計算して、表142に提示する。
【0910】
表142
カニクイザル中のオリゴヌクレオチド濃度
【0911】
【表144】
【0912】
実施例34:アンドロゲン受容体依存性乳癌同所性移植モデルに対するアンドロゲン受容体(AR)のアンチセンス阻害の効果
MDA−MB−453細胞は、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の非存在下でARを発現する(Hall, R. E. et al., Eur. J. Cancer 1994. 30: 484-490)。MDA−MB−453担腫瘍マウスにおいて、AR mRNA発現のアンチセンスオリゴヌクレオチドでの阻害の効果について検証した。
【0913】
試験1
本アッセイにおいて試験されるアンチセンスオリゴヌクレオチドであるISIS 569216(TGATTTAATGGTTGCA;配列番号39)は、デオキシ、MOE、及び(S)cEtオリゴヌクレオチドとして設計されて、16個のヌクレオシドの長さである。このオリゴヌクレオチドの化学は、5’−Te Gk Ak Tk Td Td Ad Ad Td Gd Gd Td Tk Gk Ck Aである(ここで、「e」は、2’−O−メトキシエチルリボースを意味し;「k」は、(S)−cEtを意味し;「d」は、2’−デオキシリボースを意味する)。このオリゴヌクレオチド全体のヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。このオリゴヌクレオチド全体のシトシン残基は、いずれも5−メチルシトシンである。ISIS 569216は、ヒトARゲノム配列(GENBANKアセッション番号NT_011669.17、ヌクレオシド5079000〜5270000より先端切断されたもの、配列番号1)上に2つの標的開始部位(58720と58750)を有する。
【0914】
処理
MDA−MB−453乳癌細胞(5x10個)を50%マトリゲル(Matrigel)と混合して、10匹の雌性NSGマウスの乳房脂肪体へ注射した。同時に、ジヒドロテストステロン(DHT)ペレット[主要な循環アンドロゲンであるテストステロンの活性型]を皮下移植した。腫瘍が100mmのサイズに達したらすぐに、このマウスを2つの処理群へ無作為に分けた。第一処理群には、ISIS 569216を50mg/kgの用量で週5回、4週間の皮下注射によって投与して注射した。第二処理群には、担体だけを週5回、4週間の皮下注射によって投与して注射して、対照群として役立てた。腫瘍成長を週1回モニターして、マウスを処理後32日目に犠牲にした。腫瘍組織とTB−インターフェイス用試料を採取して、さらなる分析のために処理した。
【0915】
RNA分析
腫瘍を切り出して、その組織をRNA抽出とqPCR分析のために処理した。AR mRNA発現についてTB−インターフェイスで評価して、アクチンmRNA発現に対して正規化した。ISIS 569216で処理したマウス中のAR mRNA発現は、対照群に比較して48%阻害された。
【0916】
腫瘍体積の測定
ノギスを使用して、試験期間を通して定期的に腫瘍体積を測定した。表143に示すように、ISIS 569216で処理したマウスでは、対照群に比較して、腫瘍体積が有意に減少した。
【0917】
表143
MDA_MB−453癌同所性移植モデルにおける、異なる日数での腫瘍体積
【0918】
【表145】
【0919】
試験2
処理
ATCCより入手したMDA−MB−453細胞を、10% FBSを含むレイボビッツ(Leibovitz's)L−15培地に維持した。雌性NSGマウス(Jackson Laboratories)の乳房脂肪体に増殖因子低減マトリゲル(1:1)中5x10個の腫瘍細胞を移植した。このマウスの肩甲骨の間に、DHTペレットも同時に移植した。
【0920】
次いで、20日後、このマウスを処理群へ無作為に分けた。数群のマウスに50mg/kgのISIS 569236又はISIS 560131を週5日で2週間、皮下投与した。同様に、1群のマウスを対照オリゴヌクレオチド、ISIS 549148(配列:GGCTACTACGCCGTCAを有する3−10−3(S)−cEtギャップマー、本明細書では配列番号193と呼称される、既知のヒト配列を含まない)で処理した。別のマウスの対照群をPBSで同様に処理した。
【0921】
腫瘍成長の測定
ノギスを使用して、試験期間を通して定期的に腫瘍体積を測定した。表144に示すように、ARに標的指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理したマウスでは、対照群に比較して、腫瘍体積が減少した。
【0922】
表144
MDA−MB−453モデルにおける腫瘍体積
【0923】
【表146】
【0924】
RNA分析
Qiagen 社のRNA抽出キットを使用して、RNA抽出を実施した。プライマープローブセットLTS00943を使用してAR RNA発現を測定して、ヒトのアクチンmRNA発現に対して正規化した。
【0925】
腫瘍組織において、ヒトAR RNAの発現について評価した。対照群と比較して、ISIS 560131で処理したマウスにおけるAR RNA発現は、35%阻害されて、ISIS 569236で処理したマウスにおけるAR発現は、19%阻害された。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]