特許第6306609号(P6306609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306609
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/05 20060101AFI20180326BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20180326BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20180326BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20180326BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   A61K38/05
   A61K9/10
   A61K47/26
   A61K47/34
   A61P27/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】33
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2015-552137(P2015-552137)
(86)(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公表番号】特表2016-504406(P2016-504406A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】GB2014050052
(87)【国際公開番号】WO2014108685
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2017年1月5日
(31)【優先権主張番号】61/750,568
(32)【優先日】2013年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1301895.7
(32)【優先日】2013年2月4日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515004935
【氏名又は名称】カルビスタ・ファーマシューティカルズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クック,ゲイリー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】グボーズ,ゲイリー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ラズロ,セオドア・パトリック
【審査官】 新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−529553(JP,A)
【文献】 特表平08−511017(JP,A)
【文献】 特表2006−516227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00−38/58
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
[式中、
は、H、アルキル、−COアルキル、−COアリール、−COヘテロアリール、−COアルキル、−(CHOH、−(CHCOOR10、−(CHCONH、−SOアルキル及び−SOアリールから選択され、
は、H及びアルキルから選択され、
は、H、アルキル、−(CHアリール、−(CHヘテロアリール、−(CHシクロアルキル、−(CHヘテロシクロアルキル、−CH(シクロアルキル)及び−CH(ヘテロシクロアルキル)から選択され、
及びRは、独立して、H及びアルキルから選択され、
は、H、アルキル、アルコキシ及びOHから選択されるか、又は
及びRは、これらが結合している原子と共に連結して5−又は6−員のアザシクロアルキル構造を形成してもよく、
及びRは、独立して、H、アルキル、アルコキシ、CN及びハロから選択され、
は、アリール又はヘテロアリールであり、
10は、H又はアルキルであり、
a、b、c、d、e、f及びgは、独立して、1、2又は3であり、
1及び2は、キラル中心を表し、
アルキルは、10個までの炭素原子を有する(C−C10)線状の飽和炭化水素又は3〜10個の炭素原子の(C−C10)分枝状の飽和炭化水素であり、アルキルは場合により(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子の単環式又は二環式の飽和炭化水素であり、シクロアルキルは場合によりアリール基と縮合していてもよく、
ヘテロシクロアルキルは、C連結又はN連結した3〜10員の飽和、単環式又は二環式の環であり、ここで前記ヘテロシクロアルキル環は、可能な場合、N、NR11及びOから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、
アルコキシは、1〜6個の炭素原子の(C−C)線状のO連結した炭化水素又は3〜6個の炭素原子の(C−C)分枝状のO連結した炭化水素であり、アルコキシは場合により(C−C10)シクロアルキル、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
アリールは、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり、アリールは場合によりアルキル、アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR11、CF及びNR1112から独立して選択される5個までの置換基で置換されていてもよく、
ヘテロアリールは、可能な場合N、NR11、S及びOから独立して選択される1、2又は3個の環員を含有する5、6、9又は10員の単環式又は二環式の芳香環であり、ヘテロアリールは場合によりアルキル、アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR11、CF及びNR1112から独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく
11及びR12は、独立して、H及びアルキルから選択される]
の化合物、又はその互変異性体、異性体、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにそのラセミ及び非ラセミ混合物を含む)、医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である極めて僅かに可溶性、殆ど不溶性又は不溶性の活性成分を含む非経口投与用の水性懸濁医薬組成物であって、
水性懸濁医薬組成物が1種以上の安定剤であって、ポリソルベート80及びポリソルベート20から選択されるもの、並びに1種以上の等張化剤であって、ブドウ糖及びトレハロースから選択されるものを含み、且つ水性懸濁医薬組成物が、約10nm〜約100μmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含む、組成物
【請求項2】
活性成分が、
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
{(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−シクロヘキシル−エチルアミノ}−酢酸、
(S)−N−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド、
(S)−N−(4−アミノメチル−2−クロロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド、
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−プロピオンアミド、
(S)−N−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド、
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−{[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニル]−メチル−アミノ}−3−フェニル−プロピオンアミド、
({(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−シクロヘキシル−エチル}−メチル−アミノ)−酢酸、
(S)−N−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジル)−2−{[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニル]−メチル−アミノ}−3−フェニル−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソブチルアミド、
ナフタレン−1−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,4−ジクロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド、
(R)−2−アミノ−N−[(1S,2S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ニコチンアミド、
(2S,3S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−ヒドロキシ−3−フェニル−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド、
チオフェン−3−カルボン酸−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
シクロヘキサンカルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−(4−エトキシ−フェニル)−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−クロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−クロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジクロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−(2−フェニルアセチルアミノ−アセチルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−フルオロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−6−メチル−ニコチンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メチル−ニコチンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,6−ジクロロ−ニコチンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−5,6−ジクロロ−ニコチンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,3,6−トリフルオロ−イソニコチンアミド
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,3,3−トリフルオロ−プロピオンアミド、
2,4−ジメチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
フラン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド、
3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−プロポキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−クロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド、
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,3,3−トリフルオロ−プロピオンアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド、
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(1H−インドール−3−イル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド、
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(2−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−メチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド、
3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メチル−ベンズアミド、
3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−メチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
N−[(R)−1−[(1S,2R)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(1S,2R)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、及び
N−{(R,S)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−[4−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−エチル}−ベンズアミド
から選択される化合物、又はその医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
活性成分が、N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、又は医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が1種以上の医薬として許容できる賦形剤を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤がポリソルベート80である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
非イオン性界面活性剤がポリソルベート20である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
1種以上の等張化剤がトレハロースである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
1種以上の等張化剤がブドウ糖である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
1種以上の安定剤がポリソルベート20であり、1種以上の等張化剤がトレハロースである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
1種以上の安定剤がポリソルベート80であり、1種以上の等張化剤がブドウ糖である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が約2〜約10のpHである、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が約4〜約8のpHである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が約250〜約350mOsmol/kgのオスモル濃度を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
活性成分が結晶質である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
活性成分が非晶質である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、約10nm〜約1000nmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
硝子体内投与用である、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
静脈内投与用である、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法であって、
(i)請求項1に定義されている式Iの化合物である活性成分、又はその医薬として許容できる塩を準備する段階と、
(ii)場合により安定剤及び/又は等張化剤を含み、場合により1種以上の医薬として許容できる賦形剤を含む水性ビヒクルを準備する段階と、
(iii)活性成分、又はその医薬として許容できる塩を、段階(ii)で得られた水性ビヒクル中に懸濁させる段階と
を含む、前記方法。
【請求項20】
方法がさらに、活性成分の粒径を低下させる段階を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
活性成分が水性ビヒクル中に懸濁している場合に活性成分の粒径を低下させ、ここで沈殿法、ビーズミル粉砕若しくはパールミル粉砕のような湿式ボールミル粉砕を用いる方法、又は高圧均質化を用いる方法から選択される方法を使用して活性成分の粒径を低下させる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
活性成分が水性ビヒクル中に懸濁している場合に活性成分の粒径を低下させ、ここで高剪断流体法を使用して活性成分の粒径を低下させる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
活性成分の水性ビヒクル中への懸濁に先立って乾燥形態で活性成分の粒径を低下させ、ここでボールミル粉砕、ジェットミル粉砕又はローラーミル粉砕から選択される方法を使用して活性成分の粒径を低下させる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
安定剤がポリソルベート80又はポリソルベート20であり、等張化剤がブドウ糖又はトレハロースである、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
漿カリクレインにより媒介される疾患又は病状を治療するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、医薬組成物が、哺乳類に非経口投与されるものである医薬組成物
【請求項26】
疾患又は病状が、視力障害、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、遺伝性の血管浮腫、糖尿病、膵炎、脳出血、腎障害、心筋症、神経症、炎症性の腸疾患、関節炎、炎症、敗血症性ショック、低血圧症、癌、成人呼吸促迫症候群、播種性血管内凝固症候群、心肺バイパス手術及び術後手術の出血である、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項27】
疾患又は病状が糖尿病性網膜症又は糖尿病性黄斑浮腫に関連する網膜血管透過性である、請求項25又は26に記載の医薬組成物
【請求項28】
疾病状態の微小血管合併症を治療するための、請求項25又は26に記載の医薬組成物
【請求項29】
非経口投与が動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、皮下、静脈内又は硝子体内である、請求項25から28のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項30】
非経口投与が静脈内である、請求項29に記載の医薬組成物
【請求項31】
非経口投与が硝子体内である、請求項29に記載の医薬組成物
【請求項32】
治療が併用療法を含む、請求項25から31のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項33】
治療が網膜のレーザー治療を含む、請求項32に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難水溶性薬物の水性懸濁医薬組成物、これらの組成物を製造する方法、及び医療におけるその使用、殊に眼疾患の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
血漿カリクレインは、キニノゲンからキニンを遊離させることができるトリプシン様セリンプロテアーゼである(K.D.Bhoola et al.,「Kallikrein−Kinin Cascade」,Encyclopedia of Respiratory Medicine,483−493;J.W.Bryant et al.,「Human plasma kallikrein−kinin system:physiological and biochemical parameters」Cardiovascular and haematological agents in medicinal chemistry,7,234−250,2009;K.D.Bhoola et al.,Pharmacological Rev.,1992,44,1;及びD.J.Campbell,「Towards understanding the kallikrein−kinin system:insights from the measurement of kinin peptides」,Brazilian Journal of Medical and Biological Research 2000,33,665−677)。血漿カリクレインは内因性の血液凝固カスケードの必須の構成員であるが、このカスケードにおけるその役割はブラジキニンの放出又は酵素的切断を伴わない。血漿プレカリクレインは単一遺伝子にコードされており、肝臓で合成される。血漿プレカリクレインは肝細胞により不活性な血漿プレカリクレインとして分泌され、高分子量のキニノゲンに結合したヘテロ二量体複合体として血漿中を循環し、活性化されると活性な血漿カリクレインとなる。キニンはGタンパク質と結合した受容体を介して作用する強力な炎症メディエーターであり、キニンのアンタゴニスト(例えばブラジキニンアンタゴニストなど、例えばイカチバント)は多くの障害の治療用に潜在的な治療剤として以前から研究されている(F.Marceau and D.Regoli,Nature Rev.,Drug Discovery,2004,3,845−852)。
【0003】
血漿カリクレインは幾つかの炎症性障害の一因であると考えられている。血漿カリクレインの主要な阻害剤はセルピンC1エステラーゼ阻害剤である。C1エステラーゼ阻害剤の遺伝的欠損を示す患者は顔面、手、喉、胃腸管及び生殖器の断続的な腫脹をもたらす遺伝性血管浮腫(HAE)に苦しめられる。急性エピソード中に形成される水泡は高レベルの血漿カリクレインを含有しており、これが高分子量のキニノゲンを切断してブラジキニンを遊離することにより血管透過性を増大する。大きいタンパク質血漿カリクレイン阻害剤による処置で、血管の透過性を増大させるブラジキニンの放出を抑制することによりHAEが有効に処置されることが示されている(A.Lehmann「Ecallantide(DX−88),a plasma kallikrein inhibitor for the treatment of hereditary angioedema and the prevention of blood loss in on−pump cardiothoracic surgery」Expert Opin.Biol.Ther.8,1187−99)。
【0004】
血漿カリクレイン−キニン系は炎症、血圧調節、凝固及び痛みの一因となる血液タンパク質の体系である。血漿カリクレイン−キニン系は進行した糖尿病性黄斑浮腫の患者に異常に大量に存在する。最近、血漿カリクレインが糖尿病ラットにおいて網膜血管機能不全に寄与していることが発見された(A.Clermont et al.「Plasma kallikrein mediates retinal vascular dysfunction and induces retinal thickening in diabetic rats」Diabetes,2011,60,1590−98)。また、血漿カリクレイン阻害剤ASP−440の投与で、糖尿病ラットにおいて網膜血管透過性と網膜の血流異常の両方が改善された。従って、血漿カリクレイン阻害剤は、糖尿病性網膜症及び糖尿病性黄斑浮腫に関連する網膜血管透過性を低減する治療薬として有用性があるはずである。糖尿病の他の合併症、例えば脳出血、腎障害、心筋症及び神経症(いずれも血漿カリクレインと関連している)も血漿カリクレイン阻害剤の標的と考えることができる。
【0005】
合成及び小分子の血漿カリクレイン阻害剤が、例えばGarrett et al.(「Peptide aldehyde….」J.Peptide Res.52、62−71(1998)、T.Griesbacher et al.(「Involvement of tissue kallikrein but not plasma kallikrein in the development of symptoms mediated by endogenous kinins in acute pancreatitus in rats」British Journal of Pharmacology 137,692−700(2002))、Evans(「Selective dipeptide inhibitors of kallikrein」WO03/076458)、Szelke et al.(「Kininogenase inhibitors」WO92/04371)、D.M.Evans et al.(Immunolpharmacology,32,115−116(1996))、Szelke et al.(「Kininogen inhibitors」WO95/07921)、Antonsson et al.(「New peptides derivatives」WO94/29335)、J.Corte et al.(「Six membered heterocycles useful as serine protease inhibitors」WO2005/123680)、J.Stuerzbecher et al.(Brazilian J.Med.Biol.Res 27,1929−34(1994))、Kettner et al.(US5,187,157)、N.Teno et al.(Chem.Pharm.Bull.41,1079−1090(1993))、W.B.Young et al.(「Small molecule inhibitors of plasma kallikrein」Bioorg.Med.Chem.Letts.16,2034−2036(2006))、Okada et al.(「Development of potent and selective plasmin and plasma kallikrein inhibitors and studies on the structure−activity relationship」Chem.Pharm.Bull.48,1964−72(2000))、Steinmetzer et al.(「Trypsin−like serine protease inhibitors and their preparation and use」WO08/049595)、Zhang et al.(「Discovery of highly potent small molecule kallikrein inhibitors」Medicinal Chemistry 2,545−553(2006))、Sinha et al.(「Inhibitors of plasma kallikrein」WO08/016883)、Evans et al.(「Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein」WO2013/005045)、Brandl et al.(「N−((6−amino−pyridin−3−yl)methyl)−heteroaryl−carboxamides as inhibitors of plasma kallikrein」WO2012/017020)、Shigenaga et al.(「Plama Kallikrein Inhibitors」WO2011/118672)、及びKolte et al.(「Biochemical characterization of a novel high−affinity and specific kallikrein inhibitor」British Journal of Pharmacology(2011),162(7),1639−1649)により既に記載されている。また、Steinmetzer et al.(「Serine protease inhibitors」WO2012/004678)は、ヒトプラスミン及び血漿カリクレインの阻害剤である環化ペプチド類似体を記載している。
【0006】
今まで、医療用途向けに承認された唯一の選択的血漿カリクレイン阻害剤はエカランチドである。エカランチドは注射用の溶液として処方されている。大きいタンパク質の血漿カリクレイン阻害剤はアナフィラキシー反応のリスクを提示する。一般に、当該技術分野で知られている他の血漿カリクレイン阻害剤は、通常グアニジン又はアミジンのような高度に極性でイオン化可能な官能基を含む概ね小さい分子である。かかる官能基は高度の水溶性を化合物に付与することがよく知られている。しかし、高度に極性でイオン化可能なグアニジン又はアミジン官能基は消化管透過性、従って経口アベイラビリティーを制限し得ることもよく知られている(例えば、「Small Molecule Anticoagulant/Antithrombotic Agents」Annual Reports in Medicinal Chemistry,Volume 40,2005,Pages 85−101 Robert M.Scarborough,Anjali Pandey,Xiaoming Zhang and Tamie J.Chilcote並びにSukanto Sinha,「ASP−634:An Oral Drug Candidate for Diabetic MacularEdema」,ARVO 2012 May 6th−May 9th,2012,Fort Lauderdale,Florida,Presentation 2240参照)。さらに、ASP−634のようなプロドラッグを創成することにより経口吸収が改善され得ることが報告されている。しかし、プロドラッグは、幾つかの不利益、例えば、不活性担体又は予想外の代謝物質に由来する化学的安定性の悪さ及び潜在的な毒性の問題を抱える可能性があることは周知である。
【0007】
イオン化可能な官能基は水溶性を提供するが、原則として、水溶性の小さい分子は例えば硝子体から急速に除去される(「Review:Practical Issues in Intravitreal Drug Delivery」Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics,Volume 17,Number 4,2001,page 393−401,David Maurice参照)。また、可溶化された薬物は変質し易い。本発明の1つの目的は、極性又はイオン化可能な基をもたない化合物、例えばpKaが11未満で難溶性の化合物であり、かつセリンプロテアーゼ阻害剤の水性懸濁液としての処方を可能にし、従って延長された曝露持続時間及び延長された貯蔵寿命を提供する化合物を同定することである。
【0008】
グアニジン又はアミジン官能性を特徴としない血漿カリクレイン阻害剤に関する報告はほんの少ししかない。例えば、Brandl et al.(「N−((6−amino−pyridin−3−yl)methyl)−heteroaryl−carboxamides as inhibitors of plasma kallikrein」WO2012/017020)及びEvans et al.(「Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein」WO2013/005045)。Brandlはアミノ−ピリジン官能基を含む血漿カリクレイン阻害剤を開示している。ラットモデルにおける経口有効性が1つの例について30mg/kg及び100mg/kgという比較的高用量で示されているが、薬物動態学的プロフィールは報告されていない。このように、かかる化合物がクリニックへの進展に充分な経口アベイラビリティーを提供するか否かはまだ知られていない。Evansはベンジルアミン官能基を特徴とする血漿カリクレイン阻害剤を開示している。1つの例についてラビットの硝子体内投与後の薬物動態学的データが提示されている。しかし、開示されたデータは投薬後たった7日までに限られており、この時点を越えたデータは示されていない。Evansはさらに、阻害剤が極めて僅かに可溶性、殆ど不溶性又は不溶性である(リン酸バッファー1mL当たり1mg未満)ことを示す熱力学的溶解性データを開示している。
【0009】
薬物の静脈内投与は当該技術分野で公知であり、被験体に対する投与後殆ど即時の効果のために生命を脅かす状態を処置する際に特に有用である。しかし、水に溶解し難い薬物を含有する組成物の静脈内投与は生体内で沈殿を生じ得、その結果重大で有害な副作用又は死をもたらす可能性があるというリスクがある。安定剤を用いて沈殿のリスクを軽減することは当該技術分野で公知である。しかし、安定剤の量は、難溶性の薬物を含有し、従って有害な副作用を生じる組成物中に過度に必要とされ得るので、そのような薬物の使用は最適以下である。従って、重篤で有害な副作用のリスクを伴うことなく安全に投与することができる組成物に対するニーズがある。
【0010】
Triesence(登録商標)はコルチコステロイドの1種トリアムシノロンの硝子体内注射用懸濁液である。Triesence(R)は眼疾患である交換性眼炎、側頭動脈炎、ぶどう膜炎、及び外用コルチコステロイドに反応しない眼の炎症性状態の治療に必要とされる。しかし、眼の障害の複雑さにより、コルチコステロイドとは識別できる作用モードの薬理作用剤に対するニーズが示唆されている。血漿カリクレイン阻害剤はこのニーズを満たすことができるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2003/076458号
【特許文献2】国際公開第92/004371号
【特許文献3】国際公開第95/007921号
【特許文献4】国際公開第94/029335号
【特許文献5】国際公開第2005/123680号
【特許文献6】米国特許第5,187,157号明細書
【特許文献7】国際公開第2008/049595号
【特許文献8】国際公開第2008/016883号
【特許文献9】国際公開第2013/005045号
【特許文献10】国際公開第2012/017020号
【特許文献11】国際公開第2011/118672号
【特許文献12】国際公開第2012/004678号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】K.D.Bhoola et al.,「Kallikrein−Kinin Cascade」,Encyclopedia of Respiratory Medicine,483−493
【非特許文献2】J.W.Bryant et al.,「Human plasma kallikrein−kinin system:physiological and biochemical parameters」Cardiovascular and haematological agents in medicinal chemistry,7,234−250,2009
【非特許文献3】K.D.Bhoola et al.,Pharmacological Rev.,1992,44,1
【非特許文献4】D.J.Campbell,「Towards understanding the kallikrein−kinin system:insights from the measurement of kinin peptides」,Brazilian Journal of Medical and Biological Research 2000,33,665−677
【非特許文献5】F.Marceau and D.Regoli,Nature Rev.,Drug Discovery,2004,3,845−852
【非特許文献6】A.Lehmann「Ecallantide(DX−88),a plasma kallikrein inhibitor for the treatment of hereditary angioedema and the prevention of blood loss in on−pump cardiothoracic surgery」Expert Opin.Biol.Ther.8,1187−99
【非特許文献7】A.Clermont et al.「Plasma kallikrein mediates retinal vascular dysfunction and induces retinal thickening in diabetic rats」Diabetes,2011,60,1590−98
【非特許文献8】Garrett et al.「Peptide aldehyde….」J.Peptide Res.52、62−71(1998)、
【非特許文献9】T.Griesbacher et al.「Involvement of tissue kallikrein but not plasma kallikrein in the development of symptoms mediated by endogenous kinins in acute pancreatitus in rats」British Journal of Pharmacology 137,692−700(2002)
【非特許文献10】D.M.Evans et al.,Immunolpharmacology,32,115−116(1996)
【非特許文献11】J.Stuerzbecher et al.,Brazilian J.Med.Biol.Res 27,1929−34(1994)
【非特許文献12】N.Teno et al.,Chem.Pharm.Bull.41,1079−1090(1993)
【非特許文献13】W.B.Young et al.「Small molecule inhibitors of plasma kallikrein」Bioorg.Med.Chem.Letts.16,2034−2036(2006)
【非特許文献14】Okada et al.「Development of potent and selective plasmin and plasma kallikrein inhibitors and studies on the structure−activity relationship」Chem.Pharm.Bull.48,1964−72(2000)
【非特許文献15】Zhang et al.「Discovery of highly potent small molecule kallikrein inhibitors」Medicinal Chemistry 2,545−553(2006)
【非特許文献16】Kolte et al.「Biochemical characterization of a novel high−affinity and specific kallikrein inhibitor」British Journal of Pharmacology(2011),162(7),1639−1649
【非特許文献17】「Small Molecule Anticoagulant/Antithrombotic Agents」Annual Reports in Medicinal Chemistry,Volume 40,2005,Pages 85−101 Robert M.Scarborough,Anjali Pandey,Xiaoming Zhang and Tamie J.Chilcote
【非特許文献18】Sukanto Sinha,「ASP−634:An Oral Drug Candidate for Diabetic MacularEdema」,ARVO 2012 May 6th−May 9th,2012,Fort Lauderdale,Florida,Presentation 2240
【非特許文献19】「Review:Practical Issues in Intravitreal Drug Delivery」Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics,Volume 17,Number 4,2001,page 393−401,David Maurice
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
非経口的に投与し得る難溶性血漿カリクレイン阻害剤の組成物を提供することが本発明の目的である。本出願において、前述の血漿カリクレイン阻害剤とは以後、下記で定義され、Evansら(“Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein”国際公開第2013/005045号)に開示されている式Iの化合物をいう。
【0014】
本発明の組成物の硝子体内投与の結果、硝子体液からの活性成分のゆっくりした排除が起こる。また、網膜(脈絡膜を有する)で高濃度の活性成分が観察され、これにより活性成分が眼の後部組織(posterior ocular tissue)に到達したことが確認される。
【0015】
従って、本発明の別の目的は、組成物を患者に投与する必要がある頻度を低減することによって、改善された患者のコンプライアンスを有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、式Iの血漿カリクレイン阻害剤である極めて僅かに可溶性、殆ど不溶性又は不溶性の活性成分を含む非経口投与用の水性懸濁医薬組成物に関する。
【0017】
本発明はさらに、
(i)式Iの血漿カリクレイン阻害剤である活性成分、又はその医薬として許容できる塩を準備し、
(ii)場合により安定剤及び/又は等張化剤を、そして場合により1以上の医薬として許容できる賦形剤を含んでいてもよい水性ビヒクルを準備し、
(iii)段階(ii)で得られた水性ビヒクルに活性成分、又はその医薬として許容できる塩を懸濁させる
ことを含む、本発明の医薬組成物を製造する方法に関する。
【0018】
1つの実施形態において、本発明の方法は、さらに、活性成分の粒径を低下させる段階を含むことができる。幾つかの実施形態において、活性成分の粒径は、活性成分が水性ビヒクル中に懸濁している場合に低下させ得る。この実施形態において、活性成分の粒径を低下させる適切な方法には、沈殿法、ビーズミル粉砕若しくはパールミル粉砕のような湿式ボールミル粉砕を用いる方法、又は高圧均質化を用いる方法がある。或いは、活性成分の粒径は、高剪断流体法を用いて(例えば、Microfluidics高剪断流体プロセッサーを使用して)低下させ得る。他の実施形態において、活性成分の粒径を低下させる方法は、活性成分を水性ビヒクルに懸濁させる前に乾燥形態で実施してもよい。活性成分の粒径を乾燥形態で低下させる方法の例にはボールミル粉砕、ジェットミル粉砕及びローラーミル粉砕がある。かかる方法論は当該技術分野で公知であり、“Pharmaceutical Preformulation and Formulation” Mark Gibson編、Informa Healthcare、New York、2009年、6章“Preformulation as an Aid to Product Design in Early Drug Development”、“Pharmaceutical nanocrystals” Wang G.D.ら Current Opinion in Chemical Engineering 1巻 2刷 102−107頁及び“Drug nanocrystals for the formulation of poorly soluble drugs and its application as a potential drug delivery system” Gao L.ら J Nanopart Res 2008;10:845−862を参照されたい。微細流動化プロセッサーはMicrofluidics、90 Glacier Drive Suite 1000、Westwood、MA 02090 USAから入手可能である。
【0019】
本発明は、さらに、本発明の医薬組成物を哺乳類に非経口投与することを含む、血漿カリクレインにより媒介される疾患又は病状を治療する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に従って懸濁液に対して行ったレーザー回折粒径測定の結果を示す。
図2】実施例Cの懸濁液のレーザー−回折分析から得られた粒径分布を示す。
図3】実施例Cの懸濁液の透過型電子顕微鏡(TEM)分析から得られた像を示す。
図4】実施例Dの懸濁液のレーザー−回折分析から得られた粒径分布を示す。
図5】実施例Dの懸濁液の透過型電子顕微鏡(TEM)分析から得られた像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
活性成分
本組成物は非経口投与のための水性投薬形態である。かかる投薬形態は、典型的なプロテアーゼ阻害剤の消化管透過性及び経口アベイラビリティーが比較的悪いために経口投与用の固体の投薬形態より好ましいであろう。
【0022】
本発明の組成物は水性懸濁液であり、すなわち懸濁した活性成分を含有する。しかし、組成物はまた溶解した活性成分を含んでいてもよい。溶解した活性成分の量は組成物中の活性成分の総量の0.01%未満〜約3重量%で変化し得る。通例、全活性成分の約0.01%〜約0.3%が組成物内に溶解している。例えば、組成物は飽和でも、又は過飽和でもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は結晶質の活性成分を含む。結晶質の活性成分を使用すると非晶質の(非結晶質の)活性成分を使用するときと比べて溶解時間が延長されることが判明し、これは被験体への組成物の比較的にまれの投与が望ましい場合好ましい可能性がある。
【0024】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は非晶質の(非結晶質の)活性成分を含む。非晶質の活性成分を使用すると結晶質の活性成分を使用するときと比べて活性成分のより迅速な溶解が生じることが判明し、これは幾つかの実施形態において、例えば薬物が急速に血流中に入ることが望ましい場合望ましい可能性がある。
【0025】
本組成物は非晶質及び結晶質の活性成分の混合物を含むことができる。
【0026】
難溶性の化合物の懸濁液の使用はこれらの化合物が比較的長い溶解時間を有することを意味するので、本発明の組成物は比較的長期間の作用を示す。これは、他の場合には必要であろうよりも低い頻度で組成物を投与し、一方で意図した臨床効果を提供するのに充分な生体内薬物レベルを維持することができるということを意味するので、患者のコンプライアンスの点で有益である。
【0027】
本発明の組成物は水性であるが、無菌の非水性溶液として、又は後に適切な水性ビヒクル(例えば、発熱物質を含まない水)で再構成することができる乾燥形態で前もって製剤化することができる。
【0028】
1つの実施形態において、組成物は、約10nm〜約100μmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含む。例えば、組成物は、約500nm〜約100μm、例えば約1μm〜約100μmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含んでいてもよい。また組成物は、約10nm〜約1000nm、例えば約10nm〜約500nmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含んでいてもよい。
【0029】
組成物は活性成分のナノ懸濁液を含み得る。難溶性薬物のナノ懸濁液は、Homarら、“An Aqueous Intravenous Nanosuspension with Reduced Adverse Effects”、国際公開第2011/080148号、またWangら、“Pharmaceutical nanocrystals”、Current Opinion in Chemical Engineering、1巻、2刷、5月 2012年、102−107頁及び“Drus nanocrystals for the formulation of poorly soluble drugs and its application as a potential drug delivery system” Gao L.ら J Nanopart Res 2008;10:845−862に記載されている。ナノ懸濁液の使用は、活性成分の粒子の望ましくない凝集を防止するのに必要とされる安定剤の量を低減することが判明した。ナノ懸濁液を使用すると安定剤を使用する必要性を排除することができる。
【0030】
通例、ナノ懸濁液は、約10nm〜約1000nmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含む。例えば、ナノ懸濁液は10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、250nm、500nm、750nm又は1000nmの平均粒径を有する活性成分の粒子を含み得る。
【0031】
本発明の組成物は低張性、等張性又は高張性であり得、通例約250〜約350mOsmol/kgのオスモル濃度を有し得る。例えば、組成物は250、260、270、280、290、300、310、320、330、340又は350mOsmol/kgのオスモル濃度を有し得る。
【0032】
組成物は通例約2〜約10のpH、例えばpH2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。好ましくは、組成物は約4〜約8のpHである。
【0033】
本発明の組成物は式Iの血漿カリクレイン阻害剤を活性成分として含む。通例、組成物は活性成分を組成物の約0.001%〜約10重量%の量で含む。組成物は約0.01%、0.03%、0.05%、0.07%、0.1%、0.25%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%又は10.0%の量で活性成分を含み得る。一定の好ましい実施形態において、組成物は活性成分を、組成物の約0.01%〜約0.1重量%、例えば組成物の約0.01%〜約0.03重量%の量で含む。
【0034】
幾つかの実施形態において、組成物はバルク懸濁液として提供され得、これは使用前に、例えば無菌の発熱物質を含まない水でさらに希釈される。
【0035】
活性成分は、式I
【0036】
【化1】
[式中、
は、H、アルキル、−COアルキル、−COアリール、−COヘテロアリール、−COアルキル、−(CHOH、−(CHCOOR10、−(CHCONH、−SOアルキル及び−SOアリールから選択され、
は、H及びアルキルから選択され、
は、H、アルキル、−(CHアリール、−(CHヘテロアリール、−(CHシクロアルキル、−(CHヘテロシクロアルキル、−CH(シクロアルキル)及び−CH(ヘテロシクロアルキル)から選択され、
及びRは独立して、H及びアルキルから選択され、
は、H、アルキル、アルコキシ及びOHから選択されるか、
又は、R及びRは、これらが結合している原子と共に連結して5−若しくは6−員のアザシクロアルキル構造を形成していてもよく、
及びRは独立して、H、アルキル、アルコキシ、CN及びハロから選択され、
は、アリール又はヘテロアリールであり、
10は、H又はアルキルであり、
a、b、c、d、e、f及びgは独立して、1、2又は3であり、
1及び2は、キラル中心を表し、
アルキルは、10個までの炭素原子を有する(C−C10)線状の飽和炭化水素又は3〜10個の炭素原子(C−C10)の分枝状の飽和炭化水素であり、アルキルは場合により(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子の単環式若しくは二環式の飽和炭化水素であり、シクロアルキルは場合によりアリール基と縮合していてもよく、
ヘテロシクロアルキルは、C連結又はN連結した3〜10員の飽和単環式又は二環式の環であり、ここで前記ヘテロシクロアルキル環は、可能な場合、N、NR11及びOから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、
アルコキシは、1〜6個の炭素原子(C−C)の線状のO連結した炭化水素又は3〜6個の炭素原子(C−C)の分枝状のO連結した炭化水素であり、アルコキシは場合により(C−C10)シクロアルキル、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
アリールは、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり、アリールは場合によりアルキル、アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR11、CF及びNR1112から独立して選択される5個までの置換基で置換されていてもよく、
ヘテロアリールは、可能な場合、N、NR11、S及びOから独立して選択される1、2又は3個の環員を含有する5、6、9又は10員の単環式又は二環式の芳香環であり、ヘテロアリールは場合によりアルキル、アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR11、CF及びNR1112から独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
11及びR12は、独立してH及びアルキルから選択される]
の血漿カリクレイン阻害剤、又はその互変異性体、異性体、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及び非ラセミ(scalemic)混合物を含む)、医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である。
【0037】
幾つかの実施形態において、プロテアーゼ阻害剤は、
が、H、アルキル、−COアルキル、−COアリール、−COアルキル、−CHCHOH、−CHCOOR10、−CHCONH、−SOアルキル及び−SOアリールから選択され、
が、H及びアルキルから選択され、
が、アルキル、−CHアリール、−CHシクロアルキル及び−CH(シクロアルキル)から選択され、
及びRが独立して、H及びアルキルから選択され、
が、H、アルキル、及びOHから選択されるか、
又は、R及びRが、これらが結合している原子と共に連結して5−又は6−員のアザシクロアルキル構造を形成していてもよく、
及びRが独立して、H、F、及びClから選択され、
が、アリールであり、
10が、H又はアルキルであり、
1及び2が、キラル中心を表し、
アルキルが、6個までの炭素原子を有する(C−C)線状の飽和炭化水素又は3〜6個の炭素原子(C−C)の分枝状の飽和炭化水素であり、アルキルは場合により(C−C10)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
シクロアルキルが、3〜10個の炭素原子の単環式又は二環式の飽和炭化水素であり、
アルコキシが、1〜6個の炭素原子(C−C)の線状のO連結した炭化水素又は3〜6個の炭素原子(C−C)の分枝状のO連結した炭化水素であり、アルコキシは場合により(C−C10)シクロアルキル、OH、CN、CF、COOR11、フルオロ及びNR1112から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
アリールが、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり、アリールは場合によりアルキル、アルコキシ、OH、ハロ、CN、COOR11、CF及びNR1112から独立して選択される5個までの置換基で置換されていてもよく、
11及びR12が独立して、H及びアルキルから選択される
式Iの化合物、又はその互変異性体、異性体、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオ異性体並びにラセミ及び非ラセミの混合物を含む)、医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である。
【0038】
好ましい実施形態において、活性成分は、
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
{(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−シクロヘキシル−エチルアミノ}−酢酸;
(S)−N−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド;
(S)−N−(4−アミノメチル−2−クロロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド;
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−プロピオンアミド;
(S)−N−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド;
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−{[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニル]−メチル−アミノ}−3−フェニル−プロピオンアミド;
({(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−シクロヘキシル−エチル}−メチル−アミノ)−酢酸;
(S)−N−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジル)−2−{[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニル]−メチル−アミノ}−3−フェニル−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソブチルアミド;
ナフタレン−1−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,4−ジクロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド;
(R)−2−アミノ−N−[(1S,2S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ニコチンアミド;
(2S,3S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオニルアミノ]−3−ヒドロキシ−3−フェニル−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド;
チオフェン−3−カルボン酸−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
シクロヘキサンカルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−(4−エトキシ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−クロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−クロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジクロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
(S)−N−(4−アミノメチル−ベンジル)−2−[(R)−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−(2−フェニルアセチルアミノ−アセチルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−フルオロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−6−メチル−ニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メチル−ニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,6−ジクロロ−ニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−5,6−ジクロロ−ニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2,3,6−トリフルオロ−イソニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,3,3−トリフルオロ−プロピオンアミド;
2,4−ジメチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
2−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
フラン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド;
3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−プロポキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−クロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド;
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド;
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−2−イル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド;
ピリジン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−フルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
(R)−N−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチル]−3−(4−エトキシ−フェニル)−2−プロピオニルアミノ−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3,3,3−トリフルオロ−プロピオンアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−クロロ−ベンズアミド;
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(1H−インドール−3−イル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−イソニコチンアミド;
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−(2−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−メチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−ベンズアミド;
3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チアゾール−4−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−2−メチル−ベンズアミド;
3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−3−メチル−ベンジルカルバモイル)−2−ピリジン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−アミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−アセチルアミノ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−{[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチル]−メチル−カルバモイル}−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;
N−[(R)−1−[(1S,2R)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
3−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸[(R)−1−[(1S,2R)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−アミド;及び
N−{(R,S)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−[4−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−エチル}−ベンズアミド;
並びにこれらの医薬として許容できる塩及び溶媒和物から選択される化合物である。
【0039】
特に好ましい実施形態において、活性成分はN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド、又はその医薬として許容できる塩若しくは溶媒和物である。N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミドは血漿カリクレイン阻害剤である。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態で使用する化合物は、適当な材料を用いて、公知の方法、殊にEvansらにより記載されている方法(“Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein”国際公開第2013/005045号)に従って製造することができる。また、これらの方法を利用することにより当業者は、本発明の組成物に使用することができる追加の化合物を容易に製造することができる。
【0041】
本発明の幾つかの実施形態で使用される化合物は、上記のような医薬として許容できる塩の形態で単離することができる。
【0042】
化合物の製造に使用される中間体内の反応性の官能基(例えばヒドロキシ、アミノ、チオ又はカルボキシ)を保護して、化合物の形成に至る反応におけるそれら官能基の望ましくない関与を回避することが必要であることがある。慣用の保護基、例えばT.W.Greene及びP.G.M.Wutsによって“Protective groups in organic chemistry”John Wiley and Sons、第4版、2006年に記載されているものを使用することができる。例えば、本発明で使用するのに適した通常のアミノ保護基はtert−ブトキシカルボニル(Boc)であり、これはジクロロメタンのような有機溶媒中でのトリフルオロ酢酸又は塩化水素のような酸による処理によって容易に除去される。或いは、アミノ保護基は、水素雰囲気下パラジウム触媒を用いた水素化により除去することができるベンジルオキシカルボニル(Z)基、又は有機溶媒中のジエチルアミン若しくはピペリジンのような第二級有機アミンの溶液により除去することができる9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基であってもよい。カルボキシル基は通例メチル、エチル、ベンジル又はtert−ブチルのようなエステルとして保護され、これらはいずれも水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムのような塩基の存在下での加水分解によって除去することができる。ベンジル保護基もまた水素雰囲気下パラジウム触媒を用いた水素化により除去することができ、一方tert−ブチル基もトリフルオロ酢酸により除去することができる。また、トリクロロエチルエステル保護基は酢酸中で亜鉛を用いて除去される。本発明で使用するのに適した通常のヒドロキシ保護基はメチルエーテルであり、脱保護条件は48%水性HBr中で1−24時間還流することを含むか、又はジクロロメタン中で1−24時間ボラン三臭化物(borane tribromide)と共に撹拌することによる。或いは、ヒドロキシ基がベンジルエーテルとして保護されている場合、脱保護条件は水素雰囲気下でのパラジウム触媒を用いた水素化を含む。
【0043】
一般式Iの化合物はEvansらにより記載されている方法を用いて製造することができる(“Benzylamine derivatives as inhibitors of plasma kallikrein”国際公開第2013/005045号)。
【0044】
賦形剤
本発明の組成物は非経口投与に適している。特に、本発明の組成物は硝子体内投与に適合させ得る。
【0045】
本発明の組成物は通例1以上の医薬として許容できる賦形剤を含む。本明細書において用語「賦形剤」は、機能的特性(例えば注射可能性(injectability)、懸濁性、安定性向上、薬物放出速度制御)及び/又は非機能的特性(例えば加工助剤又は希釈剤)を製剤に付与することができる活性成分以外のあらゆる成分を記載するために使用されている。賦形剤の選択は、個々の投与様式、溶解性及び安定性に対する賦形剤の影響、及び投薬形態の種類のような要因に大きく依存する。潜在的に適切な賦形剤には、糖類(制限されることはないがグルコース、マンニトール、ソルビトール、等を含む)、塩、炭水化物及び緩衝剤がある。
【0046】
例えば、組成物は場合により、安定剤又は界面活性剤、例えばマンニトール、ヒスチジン、リシン、グリシン、ショ糖、果糖、トレハロース、乳糖、セトリミド、ドキュセートナトリウム、モノオレイン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、若しくはソルビタンエステル又はこれらの混合物を含んでいてもよい。この安定剤又は界面活性剤は場合により非イオン性の界面活性剤であってもよい。適切な非イオン性界面活性剤には、カルボン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸のグリコールエステル、エトキシル化脂肪族アルコール、ポリオキシエチレン界面活性剤、ソルビトールエステル、ソルビトールエステルのエトキシル化誘導体、脂肪酸のグリコールエステル、及びポロキサマーがある。ポリオキシエチレン界面活性剤としては、ポリソルベートともいわれるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、Tween80)、ポリソルベート40及びポリソルベート20がある。ポリソルベート80のようなポリソルベートは、例えば、Sigma、St.Louis、Moから市販されている。幾つかの実施形態において、組成物は、組成物の約5重量%未満、例えば組成物の約2.5重量%未満の量で安定剤を含む。より好ましくは、組成物は、組成物の約1重量%未満の量で安定剤を含む。さらにより好ましくは、例えば眼内投与の目的では、組成物は、組成物の約0.1重量%未満、さらに一層好ましくは0.05%未満の量で安定剤を含む。
【0047】
組成物は通例バッファーを含む。バッファーを使用することはpHの変動を最小にすることができるということを意味し、安定性を改善し得る。本発明の組成物に使用することができる適切なバッファーには、例えば、ヒスチジンバッファー、酢酸バッファー、クエン酸バッファー、酒石酸バッファー、乳酸バッファー、コハク酸バッファー及びリン酸バッファーがある。バッファーのpHは通例約2〜約10、例えば約pH2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。バッファーのpHは約4〜約8が好ましい。本明細書に開示されている種類のバッファーを作成する方法は当業者に周知である。
【0048】
組成物はイオン性又は非イオン性の等張化剤、例えばグリセリン、糖(グルコース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ブドウ糖、乳糖等を含む)、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムを含み得る。等張化剤を使用すると、組成物のオスモル濃度の調節が可能になる。例えば、硝子体内注入用の組成物は、硝子体及び周囲の組織の体液平衡を破壊しないように硝子体に対して等張性であることが望ましいであろう。通例、本発明の組成物は、組成物の約0.1%〜約30重量%、例えば組成物の約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%又は30重量%の量で等張化剤を含む。本発明の組成物は低張性、等張性又は高張性であり得、通例約250〜約350mOsmol/kgのオスモル濃度を有する。例えば、組成物は250、260、270、280、290、300、310、320、330、340又は350mOsmol/kgのオスモル濃度を有し得る。当業者には理解されるように、等張化剤の使用量は作用物質の個々の選択及び組成物中の他の成分に応じて変わり得る。
【0049】
組成物は、アセトン、重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、システイン、システイネートHCl、亜ジチオン酸ナトリウム、ゲンチジン酸、ゲンチジン酸エタノールアミン、グルタミン酸一ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような酸化防止剤を含んでいてもよい。或いは、特に組成物の眼内使用の場合、例えば製造中不活性ガスでパージすることを含めて、組成物の酸化可能性を制御するように包装を設計することができる。
【0050】
追加の治療剤
本発明の組成物は1種以上の他の治療用薬剤を含んでいてもよい。例えば、組成物は、血小板由来成長因子(PDGF)を阻害する薬剤、内皮成長因子(VEGF)を阻害する薬剤、及びインテグリン、例えばインテグリンα5β1を阻害する薬剤を1種以上含んでいてもよい。組成物はまた1種以上のステロイドを含んでいてもよい。また組成物はオクリプラスミンのようなセリンプロテアーゼをはじめとする他の薬剤も含み得る。組成物は血漿カリクレインを阻害する他の薬剤及び/又は他の炎症抑制剤も含み得る。組成物はまた、ブラジキニンのアンタゴニスト、例えば薬剤イカチバント(drug icatibant)のようなブラジキニンB2受容体のアンタゴニストも含み得る。
【0051】
本発明の組成物に含ませることができる治療剤の具体的な例としては、欧州特許出願公開第2281885号及びS.PatelによりRetina、2009 Jun;29(6 Suppl):S45−8に開示されているものがある。
【0052】
幾つかの実施形態において、式Iの血漿カリクレイン阻害剤及び1種以上の他の治療剤は同じ水性懸濁医薬組成物中に存在してもよい。他の実施形態において、式Iの血漿カリクレイン阻害剤及び1種以上の他の治療剤は異なる医薬組成物(そのうちの1つは水性懸濁医薬組成物である)中に存在してもよい。組成物は別々に、順次又は同時に投与することができる。
【0053】
投与、医学的治療及び用途
本発明はまた、本発明の医薬組成物を哺乳類に非経口投与することを含む、血漿カリクレインにより媒介される疾患又は病状を治療する方法も提供する。
【0054】
本発明はまた、式Iの血漿カリクレイン阻害剤により媒介される疾患又は病状を治療するのに使用される本発明の医薬組成物も提供する。
【0055】
また本発明は、セリンプロテアーゼにより媒介される疾患又は病状を治療するための医薬の製造における式Iの血漿カリクレイン阻害剤の使用も提供する。
【0056】
これらの使用及び方法は血漿カリクレインにより媒介される疾患又は病状の治療に有用である。例えば、使用及び方法は、視力障害、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、遺伝性血管浮腫、糖尿病、膵炎、脳出血、腎障害、心筋症、神経症、炎症性腸疾患、関節炎、炎症、敗血症性ショック、低血圧症、癌、成人呼吸促迫症候群、播種性血管内凝固症候群、心肺バイパス手術及び術後手術の出血の治療に有用である。好ましくは、使用及び方法は糖尿病性網膜症又は糖尿病性黄斑浮腫と関連する網膜血管透過性の治療に有用である。幾つかの実施形態において、使用及び方法は疾病状態の微小血管合併症の治療に有用である。
【0057】
本発明の組成物は非経口投与に適している。従って、本発明の化合物は、例えば血流中、皮下組織内、筋肉内、又は内臓内に直接投与することができる。
【0058】
非経口投与に適した手段としては、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、皮下、静脈内又は硝子体内がある。幾つかの実施形態において、組成物は、外科的切開を介して皮下組織、筋肉組織内に、又は直接特定の器官内に投与し得る。
【0059】
1つの好ましい実施形態において、組成物は硝子体内に投与される。組成物を硝子体内に投与する際患者のコンプライアンスを改善するために、組成物を比較的まれに投与することが好ましい。例えば、組成物は、毎週一回、2週間毎に一回、毎月一回、3ヶ月毎に一回又は6ヶ月毎に一回投与することができる。好ましくは、組成物は、毎月一回、3ヶ月毎に一回又は6ヶ月毎に一回投与される。比較的まれの投与、従って改善された患者のコンプライアンスは、難溶性化合物の懸濁液から生じる持続作用の故に本発明の組成物で達成される。当該技術分野で知られているように、化合物が結晶形態であると、非晶質の固体と比較して格子エネルギーの増大のために一般に化合物の溶解時間は延長する。硝子体内投与が予想される場合、組成物は結晶質若しくは非晶質のプロテアーゼ阻害剤又は結晶質及び非晶質の両方のプロテアーゼ阻害剤の混合物を含み得、好ましくは結晶質プロテアーゼ阻害剤を含み得る。
【0060】
別の好ましい実施形態において、組成物は静脈内に投与される。この投与様式は、緊急事態及び/又は生命を脅かす病状の処置のように患者に対する殆ど即時の効果が必要とされる場合特に好ましいことがある。本発明の懸濁組成物は、体内沈殿のような、難溶性薬物の静脈内投与に関連する当該技術分野における問題を実質的に軽減することが判明した。静脈内投与の場合、ナノ懸濁液組成物は体内の粒子凝集を抑制するために通例小量の安定剤を必要とするだけなので、かかる組成物の使用は特に好ましい。特に、静脈内投与の場合、約10nm〜約1000nm、例えば約10nm〜約500nmの平均(D50)粒径を有する活性成分の粒子を含む組成物を使用するのが好ましい。静脈内投与が予想される場合、組成物は結晶質若しくは非晶質のプロテアーゼ阻害剤又は結晶質及び非晶質の両方のプロテアーゼ阻害剤の混合物を含んでいてもよく、好ましくは非晶質のプロテアーゼ阻害剤を含み得る。
【0061】
非経口投与に適した機器には、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び輸注技術がある。
【0062】
幾つかの実施形態において、本発明の使用及び方法は併用療法を含む。例えば、使用及び方法はさらに網膜のレーザー治療を含んでもよい。糖尿病性黄斑浮腫の治療のためのレーザー療法とVEGF阻害剤の硝子体内注入との併用は公知である(Elman M、Aiello L、Beck R、他“Randomized trial evaluating ranibizumab plus prompt or deferred laser or triamcinolone plus prompt laser for diabetic macular edema”Ophthalmology 27 April 2010)。
【0063】
本発明の組成物は無菌の水性懸濁液の形態をとることが考えられる。例えば凍結乾燥及び再構成による無菌条件下での非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的な製薬手法を用いて容易に達成することができる。例えば、本発明の組成物を滅菌するのに適した方法は最終滅菌であり得る。最終滅菌方法は米国薬局方USP<1211>Sterilization and Sterility Assurance of Compendial Articles及びUSP<1222>Terminally Sterilized Pharmaceutical Products−Parametric Releaseに記載されている。
【0064】
組成物は主治医の監督の下で患者に投与され得る。
【0065】
方法
本発明はさらに、本発明の医薬組成物を製造する方法に関する。幾つかの好ましい実施形態において、本方法は、ポリソルベート80又はポリソルベート20を安定剤として、またブドウ糖又はトレハロースを等張化剤として使用することを含む。より好ましくは、方法は安定剤としてのポリソルベート20、及び等張化剤としてのトレハロースの使用を含む。
【0066】
本方法は場合により、活性成分の粒径を低下させることを含む。幾つかの実施形態において、活性成分の粒径は、活性成分が組成物の水性ビヒクル中に懸濁している場合に低下させることができる。この実施形態において、活性成分の粒径を低下させる適切な方法には、沈殿法、ビーズミル粉砕若しくはパールミル粉砕のような湿式ボールミル粉砕を用いる方法、又は高圧均質化を用いる方法がある。或いは、活性成分の粒径は高剪断流体法を用いて(例えばMicrofluidics高剪断流体プロセッサーの使用により)低下させることができる。他の実施形態において、活性成分の粒径を低下させる方法は組成物の水性ビヒクル中に懸濁する前に乾燥形態で行ってもよい。乾燥形態で活性成分の粒径を低下させる方法の例にはボールミル粉砕、ジェットミル粉砕及びローラーミル粉砕がある。かかる方法論は当該技術分野で公知であり、“Pharmaceutical Preformulation and Formulation”Mark Gibson編、Informa Healthcare、New York、2009年、6章“Preformulation as an Aid to Product Design in Early Drug Development”、“Pharmaceutical nanocrystals”Wang G.D.ら Current Opinion in Chemical Engineering 1巻 2刷 102−107頁、及び“Drug nanocrystals for the formulation of poorly soluble drugs and its application as a potential drug delivery system”Gao L.ら J Nanopart Res 2008;10:845−862を参照されたい。微細流動化プロセッサーはMicrofluidics、90 Glacier Drive Suite 1000、Westwood、MA 02090 USAから入手可能である。
【0067】
定義
用語「殆ど不溶性又は不溶性」は、Stegemannら、European journal of phrmaceutical sciences 31(2007)249−261に開示されている手順に従って<0.1mg/mLの溶解度を意味する。
【0068】
用語「極めて僅かに可溶性」は、Stegemannら、European journal of pharmaceutical sciences 31(2007)249−261に開示されている手順に従って0.1−1mg/mLの溶解度を意味する。
【0069】
用語「僅かに可溶性」は、Stegemannら、European journal of pharmaceutical sciences 31(2007)249−261に開示されている手順に従って1−10mg/mLの溶解度を意味する。
【0070】
用語「難溶性」は、Stegemannら、European journal of pharmaceutical sciences 31(2007)249−261に開示されている手順に従って10−33mg/mLの溶解度を意味する。
【0071】
組成物の「粒子」への言及は活性成分の粒子への言及である。
【0072】
用語「D50」は粒径分布のメジアン値(ISO13320)を意味する。
【0073】
用語「水性」は、組成物が水を溶媒として含むことを意味する。通例、組成物中の自由水の含有率は約35重量%以上、好ましくは組成物の約50重量%より多く、例えば組成物の約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99重量%より多い。
【0074】
用語「含む」は「からなる」と共に「含む」を包含しており、例えばXを「含む」組成物は専らXのみからなっていてもよいし、又は何か追加のもの、例えばX+Yを含んでいてもよい。
【0075】
「実質的に」という語は「完全に」を除外しない。例えばYを「実質的に含まない」組成物は完全にYを含まなくてもよい。必要に応じて、「実質的に」という語は本発明の定義から省略されることがある。
【0076】
数値xに関連して「約」という用語は任意であり、例えば、x±10%を意味する。
【0077】
用語「アルキル」は、以下を含む飽和炭化水素残基を包含する。
− 10個までの炭素原子(C−C10)、又は6個までの炭素原子(C−C)、又は4個までの炭素原子(C−C)の線状の基。かかるアルキル基の例として、限定されることはないが、C−メチル、C−エチル、C−プロピル及びC−n−ブチルがある。
− 3〜10個の炭素原子(C−C10)、又は7個までの炭素原子(C−C)、又は4個までの炭素原子(C−C)の分枝状の基。かかるアルキル基の例として、限定されることはないが、C−イソ−プロピル、C−sec−ブチル、C−イソ−ブチル、C−tert−ブチル及びC−ネオ−ペンチルがある。
各々場合により、上記のように置換されている。
【0078】
用語「アルコキシ」は、以下を含むO連結した炭化水素残基を包含する。
− 1〜6個の炭素原子(C−C)、又は1〜4個の炭素原子(C−C)の線状の基。かかるアルコキシ基の例として、限定されることはないが、C−メトキシ、C−エトキシ、C−n−プロポキシ及びC−n−ブトキシがある。
− 3〜6個の炭素原子(C−C)又は3〜4個の炭素原子(C−C)の分枝状の基。かかるアルコキシ基の例として、限定されることはないが、C−イソ−プロポキシ、並びにC−sec−ブトキシ及びtert−ブトキシがある。
各々場合により上記のように置換されている。
【0079】
他に断らない限り、ハロはCl、F、Br及びIから選択される。
【0080】
シクロアルキルは上に定義した通りである。シクロアルキル基は3〜10個の炭素原子、又は4〜10個の炭素原子、又は5〜10個の炭素原子、又は4〜6個の炭素原子を含有し得る。適切な単環式シクロアルキル基の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。適切な二環式シクロアルキル基の例にはデカヒドロナフタレン及びオクタヒドロ−1H−インデンがある。アリールと縮合している場合の適切なシクロアルキル基の例には、インダニル及び1,2,3,4−テトラヒドロナフチルがある。
【0081】
ヘテロシクロアルキルは上に定義した通りである。適切なヘテロシクロアルキル基の例として、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、N−メチルピペリジニル、モルホリニル、N−メチルモルホリニル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、アゼパニル、オキサゼパニル及びジアゼパニルがある。
【0082】
アリールは上に定義した通りである。通例、アリールは場合により1、2又は3個の置換基で置換されている。任意の置換基は上記のものから選択される。適切なアリール基の例にはフェニル及びナフチルがある(各々場合により上記のように置換されている)。
【0083】
ヘテロアリールは上に定義した通りである。適切なヘテロアリール基の例には、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾイル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル及びイソキノリニルがある(場合により上記のように置換されている)。
【0084】
用語「C連結した」は、例えば「C連結したヘテロシクロアルキル」の場合、ヘテロシクロアルキル基が環炭素原子を介して分子の残部に連結していることを意味する。
【0085】
用語「N連結した」は、例えば「N連結したヘテロシクロアルキル」の場合、ヘテロシクロアルキル基が環窒素原子を介して分子の残部に連結していることを意味する。
【0086】
用語「O連結した」は、例えば「O連結した炭化水素残基」の場合、炭化水素残基が酸素原子を介して分子の残部に連結していることを意味する。
【0087】
−COアルキル及び−(CHCOOR10のような基において、「−」はその置換基の分子の残部への結合点を表す。
【0088】
「医薬として許容できる塩」は、生理学的又は毒物学的に許容できる塩を意味し、適切な場合、医薬として許容できる塩基付加塩及び医薬として許容できる酸付加塩を包含する。例えば、(i)化合物が1以上の酸性基、例えばカルボキシ基を含有する場合、形成され得る医薬として許容できる塩基付加塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアンモニウム塩、又はジエチルアミン、N−メチル−グルカミン、ジエタノールアミン若しくはアミノ酸(例えばリシン)などのような有機アミンとの塩があり、(ii)化合物がアミノ基のような塩基性基を含有する場合、形成され得る医薬として許容できる酸付加塩には塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メシレート、コハク酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、エシレート、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、マレイン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、馬尿酸塩、樟脳酸塩、キシナホ酸塩、p−アセトアミド安息香酸塩、ジヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、重硫酸塩などがある。
【0089】
また、酸及び塩基のヘミ塩、例えばヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩を形成することもできる。
【0090】
適切な塩の総説としては、“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection and Use”Stahl及びWermuth(Wiley−VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。
【0091】
「プロドラッグ」とは、生体内で代謝的手段(例えば、加水分解、還元又は酸化)により本発明の化合物に変換できる化合物をいう。プロドラッグを形成するのに適切な基は、‘The Practice of Medicinal Chemistry、第2版 561−585頁(2003)、及びF.J.Leinweber、Drug Metab.Res.、1987、18、379に記載されている。
【0092】
本明細書に記載した式(I)の化合物は非溶媒和及び溶媒和の両方の形態で存在することができる。用語「溶媒和物」は本明細書中で、本発明の化合物と化学量論量の1以上の医薬として許容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子複合体を記載するために使用されている。用語「水和物」は溶媒が水であるとき使用される。
【0093】
本発明の組成物中に使用する化合物が1以上の幾何学的、光学的、鏡像体的、立体的及び互変的異性体の形態、例えば、限定されることはないがcis−及びtrans−形態、E−及びZ−形態、R−、S−及びメソ−形態、ケト−、及びエノール−形態で存在する場合、他に断らない限り、特定の化合物に対する言及は全てのかかる異性体形態、例えばそのラセミ及びその他の混合物を包含する。適切な場合、かかる異性体は、公知の方法(例えばクロマトグラフィー技術及び再結晶技術)の適用又は適応によりその混合物から分離することができる。適切な場合、かかる異性体は、公知の方法(例えば不斉合成)の適用又は適応により製造することができる。
【0094】
本発明に関連して、「処置」に対する言及は本明細書において治癒的、対症的及び予防的処置に対する言及を包含する。
【実施例】
【0095】
本発明を実施するための態様
以下の実施例により本発明をさらに説明する。これらの実施例は単に例示のためのものであって、上記の本発明を限定する意図はないことを了解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく細部の変更をなすことができる。
【0096】
実施例A − 合成例
式Iの化合物は、Evansら(“Benzylamine derivatives as inhibitors of plasa kallikrein”国際公開第2013/005045号)に記載されている方法に従って調製することができる。
【0097】
実施例B1 − 粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩の水性懸濁医薬組成物の湿式ボールミル粉砕による調製及び分析
全ての生成物(product material)はラミナーフローフード内で秤量され調剤された。塩酸の原液は、濃塩酸(10.0mL)を滅菌水に加えて100.0mLにすることにより調製した。ポリソルベート20の原液は、ポリソルベート20(10.0g)を滅菌水に加えて100.0mLにすることにより調製した。粉砕ビヒクルは、ヒスチジン(10.10g)、塩酸(調製された原液26.7mL)、ポリソルベート20(調製された原液6.50mL)及びトレハロース(565.94g)を滅菌水に溶解し、この溶液を滅菌水で6500mLにすることにより調製した。この溶液を滅菌ろ過(sterile filter)した。
【0098】
粉砕ビヒクル(500mL)を2000mLの粉砕容器に加え、そこにN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩(26.57g)を懸濁させた。粉砕媒体(0.5mm YTZセラミック媒体)を、その水準面が懸濁液(およそ1000mL)の水準面より僅かに低くなるところまで加えた。容器に蓋をして密封した後にミル粉砕した。
【0099】
粉砕容器を、カスケード媒体(cascading media)の水準面が水平面に対して約45°の角度になるのに充分な回転速度(およそ111rpm)で回転させた。平均粒径が0.1ミクロンの所要の標的に達するまで懸濁液を処理した(およそ36時間、図1)。粉砕容器をイソプロパノールで衛生的にし、ラミナーフローフードに入れた後サンプルを採取した。
【0100】
標的の粒径分布が達成された後、懸濁液/媒体スラリーをろ過漏斗(40−60ミクロンのフリットを有するChemglass 1L漏斗)に移した。滅菌ろ過した窒素を用いて漏斗を加圧した。懸濁液をろ過して無菌バルク容器に入れて、粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩(440mL、N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド遊離塩基に関して名目上50mg/mL)の水性懸濁医薬組成物を得た。出来上がった懸濁液は外観、アッセイ、粒径分布、pH、及びオスモル濃度の試験によって特性決定した。
【0101】
外観:僅かに白色、僅かにピンク色の懸濁液、沈降した物質は容易に再分散する
HPLCアッセイ:91.1%ラベルクレーム
(ラベルクレーム=N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド遊離塩基に関して50mg/mL)
pH:5.2
粒径分布:D50=0.07μm
オスモル濃度:297mOsm/kg
上記HPLCアッセイは次の試薬、装置及び計測機器を用いて実施した。
【0102】
試薬
1)アセトニトリル、HPLCグレード(Fisher Part No. A998又は同等品)(希釈剤調製品)
2)アセトニトリル:99.9%、HPLC用、遠紫外−カットオフ(Acros Organics Part No. AC26826−0025又は同等品)(移動相)
3)脱イオン水(Fisher Part No. W−5又は同等品)
4)トリフルオロ酢酸(TFA):LC/MS用最適グレード、1−mLアンプル(Fisher Part No. A11610X1AMP又は同等品)
5)N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩参照標準
【0103】
装置
1)100−mLのクラスA栓付き低化学線メスフラスコ
2)クラスAピペット
3)サンプルろ過装置
a)Luer−Lok Tip付き使い捨て注射器(5又は10−mL)
b)0.22mm PTFEフィルター − 25mm
4)秤量紙及びスパチュラ
5)5−桁化学天秤
6)ボルテックス
7)すりガラス栓付き1−LクラスAメスフラスコ
8)PTFE隔膜付き低化学線/こはくHPLCバイアル(Waters 600000669CV)
【0104】
計測機器
1.0mL/minの流量を送り出すことが可能であり、220nmでモニターすることができるUV検出器又はフォトダイオードアレイ検出器を備えているWaters Alliance HPLC又はAgilent 1100 HPLC又は同等品。
【0105】
上記のHPLCアッセイは以下の手順及び分析を用いて実施した。
【0106】
希釈剤調製品
50%アセトニトリル/50%水の希釈剤溶液を調製し、よく混合し、室温に平衡化させた後使用する。
【0107】
移動相調製品(所要の移動相1L当たり)
1)移動相A − 水中0.1%TFA
a)1mLのトリフルオロ酢酸をおよそ950mLの水に加える
b)充分に混合する
c)水で1Lの容量にする
2)移動相B − 遠紫外−カットオフアセトニトリル中0.1%TFA
a)1mLのトリフルオロ酢酸をおよそ950mLのアセトニトリルに加える
b)充分に混合する
c)アセトニトリルで1Lの容量にする
【0108】
サンプル調製
1)密封したバイアル(容器)中でボルテックスにより懸濁液をおよそ30秒混合する
2)外観及び沈降の所見を注記する
3)1.0g(±0.1g)の懸濁液を秤量して100mLのメスフラスコに入れる
4)充分な希釈剤で一定の容量にする
5)フラスコに蓋をし、反転により充分に混合する
参照標準の調製(クラスAのガラス器具を用いる)
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミドストック標準[およそ500mg/mL]
1)5−桁化学天秤を用い、約25.0mgのN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド参照標準を精密に秤量して50−mLの低化学線メスフラスコに入れる。重量を記録する。
2)希釈剤で一定の容量にし、蓋をしてよく混合する。
3)室温に平衡化させる。
4)実際のN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド(遊離塩基)濃度は記録された重量及び参照標準の認証された純度から計算される。
【0109】
クロマトグラフィー条件
1)分析カラム:
a)填材:Mac−Mod Analytical ACE−3 C18
b)サイズ:4.6×150mm、3μm粒径
2)移動相勾配:
【0110】
【表1】
【0111】
3)流量:1.0mL/分
4)検出器:220nm
5)カラム温度:35℃
6)注入体積:10mL
7)実施時間:35分
8)移動相A:水中0.1%TFA
9)移動相B:遠紫外−カットオフアセトニトリル中0.1%TFA
10)パージ溶媒:50/50、水/アセトニトリル(機器により必要とされる場合)
11)針洗浄:100%アセトニトリル(機器により必要とされる場合)
【0112】
HPLCデータ分析
1)220nmでクロマトグラムを抽出する
2)目的のピークを作業標準の応答因子に対して定量化する
3)次に、目的のピークの濃度を計算する
4)サンプルのラベルクレームを計算する
【0113】
粒径分布
粒径測定は、Horiba LA−950 V2レーザー−回折粒径アナライザーで、0.9%塩化ナトリウム溶液中1%ポリソルベート20、屈折率1.611(i=0.2)を用いて行った。36時間のミル粉砕後の結果を図1に示す。メジアン粒径=0.08157(μm);D10=0.05935(μm);D90=0.12416(μm)。
【0114】
オスモル濃度
オスモル濃度は、Advanced Instruments Incから入手可能なAdvanced Micro−Osmometer Model 3320を用いて凝固点降下法によって測定した。
【0115】
実施例B2 − 粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩の水性懸濁医薬組成物の安定性
粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩(440mL、N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド遊離塩基に関して名目上50mg/mL)の水性懸濁医薬組成物は、実施例B1に記載したようにして調製した。懸濁液のサンプルをPTFEライニングしたネジ蓋クロージャ付きで内部容量1mLの2mLタイプ1ガラスバイアルに詰め、5℃及び25℃/60%相対湿度(rh)という2つの安定性条件で保存した。サンプルの外観、アッセイ、粒径分布、pH、及びオスモル濃度を研究開始当初並びに5週及び3月の時点で試験した。結果を表iに示す。
【0116】
【表2】
【0117】
実施例C − 粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩の水性懸濁医薬組成物の高剪断流体法による調製及び分析
全ての生成物(product material)はラミナーフローフード内で秤量され調剤された。塩酸の原液は、濃塩酸(10.0mL)を滅菌水に加え100.0mLにすることにより調製した。ポリソルベート20の原液は、ポリソルベート20(10.0g)を滅菌水に加え100.0mLにすることにより調製した。粉砕ビヒクルは、ヒスチジン(10.10g)、塩酸(26.7mLの調製された原液)、ポリソルベート20(6.50mLの調製された原液)及びトレハロース(565.94g)を滅菌水に溶解させ、この溶液を滅菌水で6500mLにすることにより調製した。この溶液を滅菌ろ過した。
【0118】
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩(7.5g)を粉砕ビヒクル(75g)に懸濁させ、場合により回転子−固定子(roto−stator)ホモジナイザーを用いて予混合した。得られた懸濁液をM−110Pプロセッサー(Microfluidics、90 Glacier Drive、Suite 1000、Westwood、MA 02090、USA)でH30Z(200μm)−G10Z(87μm)IXC機器構成により30,000psiで処理した。冷却コイルの周りに氷水浴を配置して、処理中に発生した熱を除去した。この処理を数回繰り返した(処理サイクル)。D90粒径はおよそ10回のサイクル後0.23ミクロンの所要の標的に達した。
【0119】
処理した懸濁液を、粒径分布及び透過型電子顕微鏡(TEM)の試験により特性決定した。
【0120】
粒径分布
粒径測定は、Horiba LA−950レーザー−回折粒径アナライザーで、0.9%塩化ナトリウム溶液中の0.1%ポリソルベート80を用いて行った。結果を表ii及び図2に示す。
【0121】
【表3】
【0122】
透過型電子顕微鏡(TEM)
処理した懸濁液(20回)一滴をコートされたTEMグリッドに載せ、コントラストをつけるために一滴の1%水性酢酸ウラニルを使用した。この調製品をろ紙手法を用いて乾燥させ、TEM(Philips CB120 BioTwin、Eindhoven、Holland)に載置し、120kV、超高真空条件下で分析した。代表的な像を図3に示す。
【0123】
実施例D − 粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩の水性懸濁液の高剪断流体法による調製及び分析
N−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩(5g)を脱イオン水(100g)に懸濁させ、場合により回転子−固定子ホモジナイザーを用いて予混合した。得られた懸濁液を、M−110Pプロセッサー(Microfluidics、90 Glacier Drive、Suite 1000、Westwood、MA 02090、USA)でH30Z(200μm)−G10Z(87μm)IXC機器構成により30,000psiで処理した。氷水浴を冷却コイルの周りに配置し、処理中に生成した熱を除去した。この処理を数回繰り返した(処理サイクル)。およそ10回のサイクル後D90粒径が0.24ミクロンという所要の標的に達した。
【0124】
処理した懸濁液の粒径分布及び透過型電子顕微鏡(TEM)を試験により特性決定した。
【0125】
粒径分布
粒径測定は、Horiba LA−950レーザー−回折粒径アナライザーで、0.9%塩化ナトリウム溶液中の0.1%ポリソルベート80を用いて行った。結果を表iii及び図4に示す。
【0126】
【表4】
【0127】
透過型電子顕微鏡(TEM)
処理した懸濁液(20回)一滴をコートされたTEMグリッドに載せ、コントラストをつけるために一滴の1%水性酢酸ウラニルを使用した。この調製品をろ紙手法を用いて乾燥させ、TEM(Philips CB120 BioTwin、Eindhoven、Holland)に載置し、120kV、超高真空条件下で分析した。代表的な像を図5に示す。
【0128】
実施例E − 色素沈着ラビットにおける単一用量硝子体内投与後12週でのN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミドの眼組織濃度研究
粉砕されたN−[(R)−1−[(S)−1−(4−アミノメチル−ベンジルカルバモイル)−2−フェニル−エチルカルバモイル]−2−(4−エトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド塩酸塩の水性懸濁医薬組成物を実施例B1に従って調製した。得られた名目50mg/mLの懸濁液を粉砕ビヒクル(実施例B1に従って調製)で希釈して硝子体内注入用の投薬製剤にした。研究の初めにおよそ5月齢で体重1.6〜2.2キログラムの、5匹の実験的に未処置の雄性及び雌性オランダシマウサギ(Dutch−belted rabbit)を表ivに示すように処理群に割り当てた。
【0129】
【表5】
【0130】
1日目、動物に、両側硝子体内用量の懸濁液製剤を一回投与した。86日目、硝子体液及び網膜(脈絡膜を含む)組織の活性成分濃度を分析した。
【0131】
活性成分の硝子体液濃度は86日目に高用量群で顕著であった。86日目の低用量群動物の活性成分硝子体液濃度は0.216〜935ng/mLの範囲であった。高用量ラビットの平均活性成分硝子体液濃度は27,800ng/mLで、濃度範囲は2500〜56,500ng/mLであった。低用量及び高用量群で、平均活性成分網膜(脈絡膜含む)組織濃度はそれぞれ1620ng/g及び44,500ng/gであった。
【0132】
硝子体濃度は、水性懸濁医薬組成物として送達されたときの活性成分のゆっくりした排除を示しており、網膜(脈絡膜含む)レベルは活性成分が眼の後部組織に到達することができたことを確証している。
【0133】
本発明を単に例示によって記載して来たが、本発明の範囲及び精神内で維持したままで修正をなすことができるものと理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5