特許第6306661号(P6306661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306661自己組織化単分子層を用いたALD抑制層の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306661
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】自己組織化単分子層を用いたALD抑制層の形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20180326BHJP
   C23C 16/04 20060101ALI20180326BHJP
   H01L 21/283 20060101ALI20180326BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   H01L21/316 M
   C23C16/04
   H01L21/283 B
   H01L21/90 P
   H01L21/316 X
【請求項の数】28
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-206010(P2016-206010)
(22)【出願日】2016年10月20日
(65)【公開番号】特開2017-98539(P2017-98539A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/244,467
(32)【優先日】2015年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502400304
【氏名又は名称】ウルトラテック インク
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】ルコーディエ、ローラン
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−520028(JP,A)
【文献】 特表2010−518644(JP,A)
【文献】 特開2013−143424(JP,A)
【文献】 特開2012−049202(JP,A)
【文献】 特開2007−270278(JP,A)
【文献】 特開2009−158691(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/141149(WO,A1)
【文献】 特開平10−161330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
C23C 16/04
H01L 21/283
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属Mの酸化物層(以下「金属酸化物層」と称する)で覆われた金属M上に、原子層堆積を抑制する層を形成する方法であって、
a)前記金属酸化物層を、金属Qを含む還元ガスに曝すことによって、前記金属酸化物層を還元し、前記金属M上にM+MQ層を形成することと、
b)蒸気相中で、前記M+MQ層を自己組織化単分子層(以下「SAM」と称するを形成する分子に曝すことと
を備え、
前記b)の工程において、前記SAM層を形成する分子は、前記M+MQ層上に、前記原子層堆積を抑制する層として前記SAM層を形成す
法。
【請求項2】
前記金属Mは、Cu,Ni,FeまたはCoであり、
前記金属Qは、Al,Hf,Zr,Si,TiまたはZnである
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SAM層を形成する分子は、チオール分子である
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属Mは銅であり、
前記金属酸化物層は酸化銅で形成され、
前記還元ガスはトリメチルアルミニウム(TMA)を含み、
前記SAM層を形成する分子はチオール分子であり、
前記M+MQ層はCu+CuAlO層である
請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記a)の工程は、120℃から250℃の間の温度で実施される
請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記a)の工程および前記b)の工程は、1トール未満の減圧条件下で実施される
請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記金属酸化物層は1nmから5nmの範囲内の厚さを有する
請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記SAM層は、少なくとも100ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する
請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記SAM層は、少なくとも150ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
半導体基板上にパターン化された金属層として前記金属Mを形成することをさらに備える
請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記金属Mは、半導体基板の誘電体層上にパターンとして形成されるとともに、
前記方法は、
前記誘電体層、および、前記金属Mを覆う前記SAM層上に原子層堆積処理を行い、これにより、前記誘電体層上に原子層堆積膜を形成し、前記SAM層上には前記原子層堆積膜を形成しないことによって、選択領域原子層堆積を実行すること
をさらに備える
請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記誘電体層は、酸化物層である
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記SAM層を除去することをさらに備える
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記a)の工程は、720秒未満の時間で実行される
請求項1から13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
選択領域原子層堆積を実行する方法であって、
a)半導体基板によって支持される誘電体層上に、パターンを有する金属Mの層(以下「金属層」と称する)を規定し、前記金属層は金属Mの酸化物層(以下「金属酸化物層」と称する)によって覆われることと、
b)前記金属酸化物層を、金属Qを含む還元ガスに曝すことによって、前記金属酸化物層を還元し、前記金属層上にM+MQ層を形成することと、
c)蒸気相中で、前記M+MQ層および前記誘電体層を自己組織化単分子層(SAMを形成する分子に曝し、前記SAM層を形成する分子は、前記M+MQ層上に、原子層堆積を抑制する層として前記SAM層を形成し、前記誘電体層上には前記SAM層形成ないことと、
d)原子層堆積処理を実行して、前記誘電体層上に原子層堆積膜を形成、前記SAM層上には前記原子層堆積膜を形成ないことと
を備える方法。
【請求項16】
前記金属Mは、Cu,Ni,FeまたはCoであり、
前記金属Qは、Al,Hf,Zr,Si,TiまたはZnである
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記SAMを除去する工程e)をさらに備える
請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記b)の工程は、720秒以内で実行される
請求項15から17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記SAM層を形成する分子は、チオール分子で構成される
請求項15から18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記誘電体層は、SiO層を含む
請求項15から19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記金属Mは銅であり、
前記金属酸化物層は酸化銅で形成され、
前記還元ガスはトリメチルアルミニウム(TMA)を含み、
前記SAM層を形成する分子はチオール分子であり、
前記M+MQ層はCu+CuAlO層である
請求項15から20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記SAM層は、少なくとも100ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する
請求項15から21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記SAM層は、少なくとも150ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記b)の工程は、120℃から250℃の間の温度で実施される
請求項15から23の何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記b)の工程および前記c)の工程は、1トール未満の減圧条件下で実施される
請求項15から24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記金属酸化物層は1nmから5nmの範囲内の厚さを有する
請求項15から25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記還元ガスは、トリメチルアルミニウム(TMA)またはアルキルアミドを含む
請求項15から26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記b)、前記c)および前記d)の工程は、単一の原子層堆積チャンバ内で実施される
請求項15から27の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原子層堆積(ALD)に関する。より具体的には、自己組織化単分子層(SAM)を用いたALD抑制層の形成方法に関する。
【0002】
本明細書中で言及されたあらゆる刊行物または特許文献の全ての開示は、参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ALDは、非常に制御された方法で、基板上に薄膜を堆積させる方法である。堆積処理は、蒸気形態の二つ以上の化学物質(すなわち、「処理ガス」)を用いて、連続的かつ自己制御された方法でシリコンウエハなどの基板の表面において化学物質を反応させて、制御される。一連の処理は繰り返され、層ごとに薄膜を形成する。ここで、各層は、原子スケールである。
【0004】
ALDは、高機能なゲートおよびキャパシタ誘電体用の、例えば、二元酸化物、三元酸化物、および四元酸化物などの幅広い種類の薄膜を形成するために用いられる。ALDは、相互接続バリアおよびキャパシタ電極用の金属系化合物の薄膜を形成するためにも用いられる。
【0005】
典型的なALD処理では、第1処理ガスが単一の処理チャンバに導入される。基板は、この環境下に短時間の間置かれ、第1処理ガスに表面を曝す。基板の表面が第1処理ガスで飽和されると、第1処理ガスはチャンバの外へ送出される。その後、不活性ガスまたはパージガスが、チャンバを通るように流される。その後、第2処理ガスが、チャンバに導入される。第2処理ガスは、第1処理ガスで飽和された基板の表面と反応する。第2処理ガスがチャンバ内を流れる前に、不活性ガスまたはパージガスをチャンバ内に流す目的は、元の未反応の第1処理ガスのすべてを除去することである。第2処理ガスは、第1処理ガスで飽和された基板の表面と反応する。
【0006】
この第2反応処理が完了すると、第2処理ガスは除去され、チャンバは不活性ガスまたはパージガスで再びパージされる。その後、第1処理ガスがチャンバに導入され、所望の厚さのALD膜が得られるまで、一連の全反応が繰り返される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ある種のALD処理において、ALD膜は、基板の表面全体を覆う。しかしながら、半導体装置を形成するとき、一般的には、3D半導体装置構造を規定する処理において、基板の選択領域においてALD膜を形成することが好ましい。これは、フォトレジスト型のマスキングなどのような物理的なマスキング方法を用いて実行されるが、このようなマスキング方法は、処理集約的であり(処理が多くなり)、時間を要する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示される方法は、金属Mの層上にALD抑制層を形成するために使用することができる。金属Mは、天然の(native)金属酸化物(MO)を含む。この方法は、還元ガスを用いて、天然の金属酸化物MOのその場での(in−situ)還元を実行することを含む。還元ガスは、金属Qを含み、M+MQの構造の「金属+金属酸化物」層を形成する。この工程の後に、蒸気相中でSAM層を形成する分子にM+MQ層を曝す工程が続く。この工程により、M+MQ層上にSAM層を形成する。SAM層を形成する分子の一例は、チオールである。チオールは、有機硫黄化合物である。有機硫黄化合物は、炭素が結合したスルフヒドリル基を含む。
【0009】
本開示の一局面は、金属Mの酸化物層(以下「金属酸化物層」と称する)で覆われた金属M上に、原子層堆積を抑制する層を形成する方法である。この方法は、a)前記金属酸化物層を、金属Qを含む還元ガスに曝すことによって、前記金属酸化物層を還元し、金属M上にM+MQ層を形成することと、b)蒸気相中で、前記M+MQ層を自己組織化単分子層(以下「SAM」と称するを形成する分子に曝すこととを含む。b)の工程において、SAM層を形成する分子は、前記M+MQ層上に、前記原子層堆積を抑制する層として前記SAM層を形成する
【0010】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属Mは、Cu,Ni,FeまたはCoであり、前記金属Qは、Al,Hf,Zr,Si,TiまたはZnである。
【0011】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層を形成する分子は、チオール分子である。
【0012】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属Mは銅であり、前記金属酸化物層は酸化銅で形成され、前記還元ガスはトリメチルアルミニウム(TMA)を含み、前記SAM層を形成する分子はチオール分子であり、前記M+MQ層はCu+CuAlO層である。
【0013】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記a)の工程は、120℃から250℃の間の温度で実施される。
【0014】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記a)の工程および前記b)の工程は、1トール未満の減圧条件下で実施される。
【0015】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属酸化物層は1nmから5nmの範囲内の厚さを有する。
【0016】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層は、少なくとも100ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する。
【0017】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層は、少なくとも150ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する。
【0018】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記方法は、半導体基板上にパターン化された金属層として金属Mを形成することをさらに含む。
【0019】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属Mは、半導体基板の誘電体層上にパターン(模様)として形成される。また、この方法は、前記誘電体層、および、前記金属Mを覆う前記SAM層上に原子層堆積処理を行い、これにより、前記誘電体層上に原子層堆積膜を形成し、前記SAM層上には前記原子層堆積膜を形成しないことによって、選択領域原子層堆積を実行することをさら含む。
【0020】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記誘電体層は、酸化物層である。
【0021】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記方法は、前記SAM層を除去することをさらに含む。
【0022】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記a)の工程は、720秒未満の時間で実行される。
【0023】
本明細書に開示される方法は、例えば、半導体装置の金属電極上に前記ALD抑制層を選択的に形成することによって、選択領域ALD(S−ALD)の実行を可能にする。この方法は、多数のリソグラフィー工程、エッチング工程、および堆積工程の必要性を取り除きつつ、集積回路の製造中に必要とされる処理工程の数を減少させることができる。一般的に、リソグラフィー工程、エッチング工程、および堆積工程は、従来のS−ALD方法と関連している。
【0024】
本開示の一局面は、選択領域原子層堆積を実行する方法である。この方法は、a)半導体基板によって支持される誘電体層上に、パターン(模様)を有する金属Mの層(以下「金属層」と称する)を規定し、前記金属層は金属Mの酸化物層(以下「金属酸化物層」と称する)によって覆われることと、b)前記金属酸化物層を、金属Qを含む還元ガスに曝すことによって、前記金属酸化物層を還元し、前記金属層上にM+MQ層を形成することと、c)蒸気相中で、前記M+MQ層および前記誘電体層を自己組織化単分子層(SAMを形成する分子に曝し、前記SAM層を形成する分子は、前記M+MQ層上に、原子層堆積を抑制する層として前記SAM層を形成し、前記誘電体層上には前記SAM層形成ないことと、d)原子層堆積処理を実行して、前記誘電体層上に原子層堆積膜を形成、前記SAM層上には前記原子層堆積膜を形成ないこととを含む。
【0025】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属Mは、Cu,Ni,FeまたはCoであり、前記金属Qは、Al,Hf,Zr,Si,TiまたはZnである。
【0026】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAMを除去する工程e)をさらに含む。
【0027】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記b)の工程は、720秒以内で実行される。
【0028】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層を形成する分子は、チオール分子で構成される。
【0029】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記誘電体層は、SiO層を含む。
【0030】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属Mは銅であり、前記金属酸化物層は酸化銅で形成され、前記還元ガスはトリメチルアルミニウム(TMA)を含み、前記SAM層を形成する分子はチオール分子であり、前記M+MQ層はCu+CuAlO層である。
【0031】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層は、少なくとも100ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する。
【0032】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記SAM層は、少なくとも150ALDサイクルの間、前記SAM層上への前記原子層堆積を実質的に抑制する。
【0033】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記b)の工程は、120℃から250℃の間の温度で実施される。
【0034】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記b)の工程および前記c)の工程は、1トール未満の減圧条件下で実施される。
【0035】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記金属酸化物層は1nmから5nmの範囲内の厚さを有する。
【0036】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記還元ガスは、トリメチルアルミニウム(TMA)またはアルキルアミドを含む。
【0037】
本開示の他の局面は、上述の方法であって、前記b)、前記c)および前記d)の工程は、単一の原子層堆積チャンバ内で実施される。
【0038】
さらなる特徴点及び利点は、以下の詳細な説明に明記される。また、それらの一部は詳細な説明の記載内容から当業者にとって直ちに明白となるか、詳細な説明、特許請求の範囲、添付図面に記載された実施形態を実施することによって認識されるであろう。上記の概要及び下記の詳細な説明に関する記載は、単なる例示であって、特許請求の範囲に記載されている本発明の本質及び特徴を理解するための概略または枠組みを提供するものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
添付図面は、さらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部を構成すると共に本明細書の一部に組み込まれる。図面は、1または複数の実施形態を示しており、詳細な説明と共に種々の実施形態の原理や動作を説明する役割を担う。このように、本開示は、添付図面と共に以下に示す詳細な説明からより完全に理解されることになるであろう。
図1図1は、金属化基板の一例の断面図である。この図は、金属化基板上にALD抑制SAM層を形成する方法の一工程を示す。
図2図2は、金属化基板の一例の断面図である。この図は、金属化基板上にALD抑制SAM層を形成する方法の他の工程を示す。
図3図3は、金属化基板の一例の断面図である。この図は、金属化基板上にALD抑制SAM層を形成する方法の他の工程を示す。
図4図4は、金属化基板の一例の断面図である。この図は、金属化基板上にALD抑制SAM層を形成する方法の他の工程を示す。
図5図5は、60秒のパルス間隔で還元ガスを20連続パルス添加した場合に、分光エリプソメーターによってその場で(in−situ)観察されたCuO層の時間t(秒)に対する厚さTH(Å)のプロット図である。ここで、還元ガスは、TMA(曲線A)、TDMAHf(曲線B)、およびTDMAZr(曲線B)である。この図は、任意の還元ガスがどのようにCuO層の厚さを減少させるかを示す。
図6図6は、ALDのサイクル数Nに対するALD膜HfNの測定厚さTH(Å)のプロット図である。Aは、銅の天然酸化物CuOを有する、そのままの銅基板上にALD膜を堆積させた場合であり、曲線Bは、還元前処理を行っていないチオールを有する銅基板上にALD膜を堆積させた場合であり、曲線Cは、TMA還元前処理を行った銅基板上にチオールSAM層を形成する分子を用いてALD膜を堆積させた場合である。後者(曲線C)は、ALD抑制特性を示し、ALD膜の成長は、150回以上のALDサイクルにおいて効果的に遅延することが確認された。
図7図7は、ALDのサイクル数Nに対するALD膜HfNの測定厚さTH(Å)のプロット図である。この図は、SiO+SAM層(曲線A)上、非還元の銅+SAM層(曲線B)上、および還元された銅+SAM層(曲線C)上でのALD膜の成長を示す。この図は、SiO用いた場合(約5回のALDサイクル)には、還元銅の場合(150回を越えるALDサイクル)と比較して、ALD抑制SAM層の抑制機能がはるかに劣ることを示す。
図8A図8Aは、上面にパターン化された金属層が形成されたSiO層を有する金属化基板の一例の上面図である。
図8B図8Bは、図8AのA−A線に沿った断面図であり、上面にパターン化された金属層が形成されたSiO層を有する金属化基板の一例を示す。
図9A図9Aは、図8Bと同様の断面図である。この図は、図8Aおよび図8Bの金属化基板上にS−ALDを実行するための方法の工程の一例を示す。ここで、ALD抑制層は、パターン化された金属層の部分に形成され、これにより、SiO層上にALD膜を形成しつつ、パターン化された金属層上にはALD膜を形成しないようにすることができる。
図9B図9Bは、図8Bと同様の断面図である。この図は、図8Aおよび図8Bの金属化基板上にS−ALDを実行するための方法の工程の一例を示す。ここで、ALD抑制層は、パターン化された金属層の部分に形成され、これにより、SiO層上にALD膜を形成しつつ、パターン化された金属層上にはALD膜を形成しないようにすることができる。
図9C図9Cは、図8Bと同様の断面図である。この図は、図8Aおよび図8Bの金属化基板上にS−ALDを実行するための方法の工程の一例を示す。ここで、ALD抑制層は、パターン化された金属層の部分に形成され、これにより、SiO層上にALD膜を形成しつつ、パターン化された金属層上にはALD膜を形成しないようにすることができる。
図9D図9Dは、図8Bと同様の断面図である。この図は、図8Aおよび図8Bの金属化基板上にS−ALDを実行するための方法の工程の一例を示す。ここで、ALD抑制層は、パターン化された金属層の部分に形成され、これにより、SiO層上にALD膜を形成しつつ、パターン化された金属層上にはALD膜を形成しないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以降、本開示の様々な実施形態、および、添付の図面に示される複数の例について詳述する。図面において可能な限り、同一または類似の部分には、同一または類似の参照番号および参照符号が用いられる。図面には決まった縮尺がなく、当業者であれば、図面は本発明の主要な部分を説明するために簡略化されていることに気づくであろう。
【0041】
下記の特許請求の範囲の記載は、発明の詳細な説明に組み込まれると共にその一部を構成する。
【0042】
いくつかの図面において、参考のためにデカルト座標が描かれているが、これは方向および配置位置を限定するものではない。
【0043】
以下の説明では、「SAM層」は自己組織化された分子の層、すなわち、自己組織化単分子層を意味する。
【0044】
また、以下の説明では、用語「SAM層を形成する分子」は、他のSAM層を形成する分子とともに一つのSAM層を形成することのできる分子を意味する。以下で説明するSAM層を形成する分子の一例は、1−オクタデカンチオールである。
【0045】
選択領域原子層堆積(S−ALD)を実行する方法の一例について、図1から図4の断面図を参照しながらここで説明する。第1工程では、上面12を有する基板10が供給される。一例では、基板10はSiウエハである。基板10の上面12は、金属層20で被覆されている。金属層20は、天然の金属酸化物の層22(以下、「金属酸化物層」と称する)で被覆されている。一例では、金属層20の金属は、銅(Cu)であり、金属酸化物層22における天然の金属酸化物は、酸化銅(CuO)である。この時点では、金属層20および金属酸化物層22を有する基板10は、金属化基板10Mを構成している。金属層20の金属は、本明細書では、「M」と記載される。金属酸化物層22の厚さは、非常に薄く、例えば、1nmから5nmの範囲内の厚さであり得る。金属Mの例として、銅、ニッケル、鉄およびコバルトなどが挙げられる。
【0046】
図2に示すように、第2工程では、図1の金属化基板10Mが、ALD反応システムのALDチャンバ30の内部32に配置される。ALDチャンバ30の内部32は、その後、減圧(真空)条件(例えば、1トール(Torr)未満の圧力)にされ、金属化基板10Mは120℃以上の温度、例えば、150℃又は170℃又は250℃以下の温度に加熱される。減圧条件により、残存する酸素の量が制限される。残存酸素は、形成される金属酸化物のさらなる増量につながり得る。後述するように、温度の上昇により、後に続く工程における化学反応が促進される。
【0047】
図3に示すように、第3工程では、金属化ウエハ10M、および特にその上の金属酸化物層22が、金属Qを含む還元ガス40に曝される。一例では、還元ガス40は、トリメチルアルミニウム(TMA)であるか、あるいは、トリメチルアルミニウム(TMA)を含む。金属Qはアルミニウムである。他の例では、還元ガス40は、金属アルキルアミドであるか、あるいは、金属アルキルアミドを含む。金属Qは、Hf(ハフニウム),Zr(ジルコニウム),Si(ケイ素)またはTi(チタン)である。また一例では、ジエチル亜鉛などの他のアルキル有機金属前駆体が、還元ガス40として使用され得る。
【0048】
還元ガス40は、金属酸化物層22を還元する。これにより、金属酸化物層22が除去される。必要とされる還元ガス40の曝露時間(の長さ)および曝露量は、除去されるべき天然の金属酸化物の性質、その厚さ、金属化基板10Mの温度、および使用される還元ガス40の種類の関数で求められる。酸化還元工程の結果として、金属層20上に形成されるM+MQ構造の「金属+金属酸化物」層50が得られる。金属+金属酸化物層50は、表面52を有する。還元ガス40の金属Qがアルミニウムであり、金属層20の金属Mが銅である例では、金属+金属酸化物層50は、Cu+CuAlO構造を有し得る。
【0049】
Mが銅である金属層20、および1nmから3nmの厚さの酸化銅を有する金属酸化物層22を使用して、金属化基板10Mを形成するという実験を行った。銅系金属化基板10Mは、減圧下(0.1トール)で150℃以上170℃以下に加熱され、還元ガス40としてTMAを10から20パルス連続して追加しながら天然の酸化銅層22が除去された。TMAパルスは、2秒から60秒の間隔を有して、0.015秒間で行われた。銅酸化物層22の還元は、その場で(in−situ)観察され、銅酸化物層22の厚さは徐々に減少し、10回のTMAの曝露の後に、約1nmの厚さとなった。注目すべきは、TDMAHf(ここで、金属QはHfである)、およびTDMAZr(ここで、QはZrである)という形態での還元ガスのパルスでも、銅還元によって引き起こされる明らかな厚さの減少が観察されたことである。TDMAHfおよびTDMAZrは、ALDによるHfOおよびZrOの堆積に一般的に用いられる反応ガスである。
【0050】
この銅系の例による金属+金属酸化物層50は、金属Cuを含み、金属アルミニウム酸化物は、上述したCuAlO構造を有する。
【0051】
図5は、60秒のパルス間隔で還元ガス40を20連続パルス添加した場合に、分光エリプソメーターによってその場で(in−situ)観察された酸化銅層22の時間t(秒)に対する厚さTH(Å)のプロット図である。ここで、還元ガス40は、TMA(曲線A)、TDMAHf(曲線B)およびTDMAZr(曲線C)の形態である。図5は、任意の還元ガス40がどのようにCuO層22の厚さを減少させるかを表す。
【0052】
図4に示すように、第4工程では、金属+金属酸化物層50は、SAM層を形成する物質の蒸気(ガス)に即座に曝される。SAM層を形成する物質の蒸気は、SAM層を形成する分子60を含む。一例では、SAM層を形成する物質の蒸気は、例えば、1−オクタデカンチオールなどのチオールである。SAM層を形成する分子60は、金属+金属酸化物層50の酸化物の存在しない表面(無酸化物表面)52上に、効率良く堆積することができ、高度に充填された自己組織化単分子層(「SAM層」)60Lを形成することができる。SAM層60Lは、SAM層を形成する分子60(例えば、チオール分子)によって規定される。処理のこの段階では、金属化基板10Mは、SAM層の被覆基板(「SAMS」)10Sと称される。
【0053】
一例では、酸化還元工程およびSAM層堆積工程は、同一のALDチャンバ30内でそれぞれ実施されることができる。但し、還元工程は、異なるALDチャンバ30内で実施されてもよい。また、(例えば、密封された移送箱を用いて、)反応表面は空気に曝されないことが好ましい。
【0054】
SAM蒸気曝露工程は、数秒間から数時間までの間の様々な時間で行うことができる。なお、実験では、600秒の曝露時間で、銅系金属化基板10M上に、チオール分子60の良好なSAM層60Lを十分に得ることができることが確認された。
【0055】
充填されたSAM層を形成する分子60を有するSAM層60Lは、金属化基板10Mの還元前処理によって得られる。このSAM層60Lは、ALD抑制層、すなわち、ALD膜の堆積に対する効果的なバリア層を構成する。SAM層60Lは、比較的多数回(例えば、N>100)のALDサイクルにおいて、ALD膜の核形成および成長を遅延させる。
【0056】
一例の方法では、その場での(in−situ)還元工程は、二工程で行われ得る。この工程は、例えば、ALDによる金属酸化物層22の形成(例えば、10−30nm)と、その後に行われる、金属酸化物層22のその場での(in−situ)還元工程である。これにより、Q含有還元ガスを用いた金属+金属酸化物層50が得られる。
【0057】
実験
基板10上で、いくつかの実験が行われた。基板10は、物理的気相成長法(PVD)を用いて銅層20で金属化されたものである。また、基板10は、1nmから3nmの間の厚さの天然酸化銅による上面金属酸化物層22を有する。金属化基板10Mは、そのままの状態で、すなわち、前洗浄を行うことなく、ALD反応装置に設置される。使用された具体的なALD反応装置は、ウルトラテック ケンブリッジ ナノテック サバンナ(登録商標)反応装置である。金属化基板10Mは、直ちに真空下(0.1トール)に置かれ、150℃から170℃の間の温度に加熱された。
【0058】
TMAの連続的なパルスが、ALDチャンバ30内に導入され、分光偏光解析法によって、天然酸化銅の還元がその場で(in−situ)リアルタイムで観察された。0.015秒の継続時間での10から20回のTMAパルスによって、天然酸化銅層22の還元が十分に完了することが確認された。図5に示す例では、パルスは、60秒の間隔を有して行われた。しかし、パルスは、例えば、5秒以下の間隔などのように、他の周期で実施されてもよい。また、パルスの代わりに、TMAまたは他の還元ガス40の連続的な流入を行ってもよい。そのため、一例では、金属酸化物層22の還元は、600秒間、すなわち、10分間実行された。他の例では、金属酸化物層22の還元は、720秒間、すなわち、12分間実行された。また、2分未満の還元が、実行された。
【0059】
還元された金属表面は、その後、減圧下で600秒間、1−オクタデカンチオールガスに曝され、還元された銅の上面に高密度のSAM層60Lを得た。SAM層60Lの質、すなわち、充填密度は、ALDによる銅/SAMSの上面への金属窒化物HfNの堆積中における核形成の阻害を観察することによって、その場で(in−situ)特定された。チオール被覆された銅サンプルに関して、金属窒化物の成長は、被覆されていない銅/酸化銅についての0回のALDサイクルに対して、150回のALDサイクルまでうまく遅延された。また、チオールを有するがTMA前処理のされていない銅/酸化銅については、10回のALDサイクルまで、金属窒化物の成長が遅延された。チオール処理の施されたSiO表面に対しては、顕著な阻害は観察されなかった。したがって、その場での(in−situ)還元方法は、銅表面上の選択領域ALDを促進するために実施することができる。
【0060】
金属アルキルアミドなどのALDに一般的に使用される他の化学構造に曝された銅/酸化銅表面を、分光偏光解析法を用いてその場で(in−situ)観察することで、酸化銅がこれらの前駆体によっても還元され得ることがわかる。ここで、ALDに一般的に使用される他の化学構造とは、すなわち、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(TDMAHf)またはテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZr)である。有効に利用され得る他の還元ガス40は、チタニウムアルキルアミド、シリコンアルキルアミド、およびジエチル亜鉛などである。
【0061】
図6は、ALDのサイクル数Nに対するALD膜HfNの測定厚さTH(Å)のプロット図である。曲線Aは、銅の天然酸化物CuOを有する、そのままの銅基板上にALD膜を堆積させた場合のものであり、曲線Bは、チオールSAM層60Lを有するが還元前処理を行っていない銅基板上にALD膜を堆積させた場合のものであり、曲線Cは、TMAで前処理されたチオールを有する銅基板上にALD膜を堆積させた場合のものである。後者の曲線(曲線C)は、ALD抑制特性を示し、ALD膜の成長は、150回を超える(N>150)ALDサイクルにより効果的に遅延することが確認された。図6のデータから、金属酸化物層22を除去して、ALD抑制SAM層60Lの形成を実現するためには、金属酸化物層22の還元前処理が必要であることがわかる。
【0062】
一例では、SAM層60L上にHfNのALD膜を成長させようとして、温度170℃で堆積されたTDMAHfおよびアンモニア(NH)を用いて、SAM層で被覆された基板10Sに対してALD処理が行われた。図7は、ALDのサイクル数Nに対するALD膜HfNの測定厚さTH(Å)のプロット図である。このプロットは、SiO+SAM層(曲線A)上、非還元銅+SAM層(曲線B)上、および還元銅+SAM層(曲線C)上のALD膜の成長を示す。これら3つの曲線は、SiO用いた場合(N=5のALDサイクルで、ALD膜の成長が始まる)には、還元銅の場合(ALDサイクルが150回を越えた(N>150)場合にのみALD膜の成長が始まる)と比較して、ALD抑制SAM層の抑制機能がはるかに劣ることを示す。また、同一の方法を用いた場合に、効果的なチオールSAM層60Lは、Cu+CuAlO層50上には堆積されるが、SiO上には堆積されないため、TMAの前処理、およびそれに続くチオールSAMの堆積は、選択的(任意)に行われることが観察された。これは、前処理された二酸化シリコン表面へのALD処理中に、顕著な核形成の阻害が起こらないことを意味する。
【0063】
S−ALD法の例
本開示の一局面は、半導体装置の製造において半導体構造を形成する処理の一部として、S−ALDを実行することを含む。
【0064】
図8Aは、一例の金属化基板10Mの上面図であり、図8Bは、一例の金属化基板10Mの(A−A線に沿った)断面図である。金属化基板10Mは、基板10の上面12上の誘電体層100(例えば、SiO膜などの酸化物)、および、酸化物膜上の金属層20を有する。金属層20は、パターン化され、電極を規定する。金属パターン20は、金属酸化物層22を含む。酸化物膜は、半導体処理に用いられるあらゆる酸化物であり得る。SiOは、酸化物の一例である。
【0065】
図9Aから図9Dは、基板10に対して、ALD抑制SAM層60Lを形成する上述の方法が実施されたときのA−A線に沿った金属化基板10Mの断面図である。図9Aに示すように、パターン化された金属層20の金属酸化物層22に対して、上述の還元処理が行われる。その還元処理は、パターン化された金属層20上に金属+金属酸化物層50を形成する。上述したように、金属+金属酸化物層50は、SAM層を形成する分子60を受け入れ可能である。
【0066】
図9Bに示すように、その後、SAM層を形成する分子60がALDチャンバ30の内部32に導入され、金属+金属酸化物層50の部分の上に、ALD抑制SAM層60Lが形成される。金属+金属酸化物層50は、パターン化された金属層20によって規定されている。SAM層を形成する分子60は、誘電体層100上では自己組織化しない。そのため、この層100は、ALD被覆に利用可能なまま残存する。
【0067】
図9Cに示すように、ALD処理110が実行され、誘電体層100上にALD膜120が堆積するが、ALD抑制SAM層60L上にはALD膜120は堆積しない。ALD処理が完了し、ALD膜120がSiO層100上に形成されると、ALD抑制SAM層60Lは、弱いエッチング液を用いて除去される。その後に、金属+金属酸化物層50を有する金属電極およびALD被覆された誘電体層100が残される。
【0068】
当業者には明白であるが、添付される特許請求の範囲で規定された本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載された本開示の好ましい実施形態に対して様々な変更を加えることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲内で行われる本開示の修正及び変更を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D