【課題を解決するための手段】
【0014】
この問題点は、ポリマー鎖の末端に式(I):
【化1】
[式中、
R
1、R
2は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アルカリール(alkaryl)、アルカリールオキシ(alkaryloxy)、アラルキル、またはアラルコキシ基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
R
3、R
4は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、またはアラルキル基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
Aは、二価の有機基であり、それは、CおよびHだけでなく、1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよい]
のシラン含有カルボキシル基を有する末端基官能化ポリマーの提案によって解決される。
【0015】
好ましくは、本発明の末端基官能化ポリマーは、式(II)
【化2】
[式中、
R
1、R
2は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アルカリール、アルカリールオキシ、アラルキル、またはアラルコキシ基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
R
3、R
4は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、またはアラルキル基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
Aは、二価の有機基であり、それは、CおよびHだけでなく、1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
nは、1〜4の整数であり、
Mは、原子価1〜4の金属または半金属、好ましくはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Fe、Co、Ni、Al、Nd、Ti、Sn、Si、Zr、V、Mo、またはWである]
の末端基を有するカルボキシレートの形態にあってよい。
【0016】
本発明の末端基官能化ポリマーを調製するための好ましいポリマーは、ジエンポリマー、およびジエンとビニル芳香族モノマーとを共重合させることによって得ることが可能なジエンコポリマーである。
【0017】
好ましいジエンは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、および/または1,3−ヘキサジエンである。1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを使用するのが特に好ましい。
【0018】
ビニル芳香族コモノマーとしては、たとえば、スチレン、o−、m−および/またはp−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルンゼンおよび/またはジビニルナフタレンなどが挙げられる。スチレンを使用するのが特に好ましい。
【0019】
それらのポリマーは、アニオン性溶液重合または配位触媒による重合によって調製することが好ましい。これに関連して、配位触媒は、Ziegler−Natta触媒、または単一金属触媒系を意味すると理解されたい。好適な配位触媒は、Ni、Co、Ti、Zr、Nd、V、Cr、Mo、W、またはFeをベースとするものである。
【0020】
アニオン性溶液重合のための重合開始剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属をベースとするもの、たとえばメチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、シクロヘキシルリチウム、オクチルリチウム、デシルリチウム、2−(6−リチオ−n−ヘキソキシ)テトラヒドロピラン、3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−1−プロピルリチウム、フェニルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、1−ナフチルリチウム、p−トリルリチウム、および三級N−アリルアミンから誘導されるアリルリチウム化合物、たとえば[1−(ジメチルアミノ)−2−プロペニル]リチウム、[1−[ビス(フェニルメチル)アミノ]−2−プロペニル]リチウム、[1−(ジフェニルアミノ)−2−プロペニル]リチウム、[1−(1−ピロリジニル)−2−プロペニル]リチウム、二級アミンのリチウムアミド、たとえばリチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウム1−メチルイミダゾリジド、リチウム1−メチルピペラジド、リチウムモルホリド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムジベンジルアミド、リチウムジフェニルアミド、である。これらのアリルリチウム化合物およびこれらのリチウムアミドは、有機リチウム化合物と、それぞれの三級N−アリルアミン、またはそれぞれの二級アミンとの反応によって、その場で調製することもできる。さらに、二官能および多官能の有機リチウム化合物、たとえば1,4−ジリチオブタン、ジリチウムピペラジドを使用することも可能である。n−ブチルリチウムおよびsec−ブチルリチウムを使用することが好ましい。
【0021】
さらに、ポリマーの微細構造のための公知のランダマイザー(randomizer)および調節剤を使用することもまた可能であり、そのようなものとしては、たとえば以下のものが挙げられる:ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルテトラヒドロフルフリルエーテル、ヘキシルテトラヒドロフルフリルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)プロパン、ジオキサン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジピペリジノエタン、1,2−ジピロリジノエタン、1,2−ジモルホリノエタン、ならびに、アルコール、フェノール、カルボン酸、スルホン酸のカリウム塩およびナトリウム塩。
【0022】
そのような溶液重合は公知であり、たとえば以下の文献に記載されている:I.Franta,Elastomers and Rubber Compounding Materials,Elsevier,1989,p.113〜131;Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry],Thieme Verlag,Stuttgart,1961,volumeXIV/1,p.645〜673またはvolumeE20(1987),p.114〜134およびp.134〜153;Comprehensive Polymer Science,Vol.4,Part II(Pergamon Press Ltd.,Oxford,1989),p.53〜108。
【0023】
好ましいジエンホモポリマーおよびジエンコポリマーの調製は、溶媒中で実施することが好ましい。重合のために使用する溶媒は、不活性な非プロトン性溶媒が好ましく、たとえば以下のものである:パラフィン系炭化水素、たとえば、異性体も含めた、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンもしくは1,4−ジメチルシクロヘキサン、またはアルケン、たとえば1−ブテン、または芳香族炭化水素、たとえば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ジエチルベンゼン、またはプロピルベンゼン。これらの溶媒は、個別に使用しても、組み合わせて使用してもよい。シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびn−ヘキサンが好ましい。極性溶媒とブレンドすることも、同様に可能である。
【0024】
本発明によるプロセスにおける溶媒の量は、使用するモノマーの全体量100gを規準にして、典型的には100〜1000gの範囲、好ましくは200〜700gの範囲である。しかしながら、溶媒を存在させずに、使用するモノマーを重合させることも可能である。
【0025】
重合は、モノマーおよび溶媒を最初に仕込み、次いで重合開始剤または触媒を添加することによって重合を開始させるような方法で実施することができる。フィードプロセスにおける重合もまた可能であり、その場合、モノマーおよび溶媒を重合反応器に添加により充填し、重合開始剤または触媒は、最初に仕込んでおくかまたはモノマーおよび溶媒と共に添加する。反応器に溶媒を初期仕込みし、重合開始剤または触媒を添加し、その後モノマーを添加するなどの変形も可能である。さらに、連続モードで重合させることも可能である。すべての場合において、重合の途中または最後にモノマーおよび溶媒をさらに添加することも可能である。
【0026】
重合時間は、数分から数時間まで、広い範囲で変化させることができる。典型的には10分〜8時間、好ましくは20分〜4時間の時間で重合を実施する。標準圧力で実施することも、または高圧(1〜10bar)で実施することもできる。
【0027】
驚くべきことには、官能化剤として1種または複数種のシララクトンを使用すると、従来技術の欠点を有さないカルボキシル末端化ポリマーを製造することができることが見いだされた。
【0028】
シララクトンは、式(III):
【化3】
[式中、
R
1、R
2は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アルカリール、アルカリールオキシ、アラルキル、またはアラルコキシ基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
R
3、R
4は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール、またはアラルキル基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
Aは、二価の有機基であり、それは、CおよびHだけでなく、1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、
好ましくは、
R
1、R
2は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、(C
1〜C
24)−アルキル、(C
1〜C
24)−アルコキシ、(C
3〜C
24)−シクロアルキル、(C
3〜C
24)−シクロアルコキシ、(C
6〜C
24)−アリール、(C
6〜C
24)−アリールオキシ、(C
6〜C
24)−アルカリール、(C
6〜C
24)−アルカリールオキシ、(C
6〜C
24)−アラルキル、または(C
6〜C
24)−アラルコキシ基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよく、および
R
3、R
4は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、(C
1〜C
24)−アルキル、(C
3〜C
24)−シクロアルキル、(C
6〜C
24)−アリール、(C
6〜C
24)−アルカリール、または(C
6〜C
24)−アラルキル基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよい]
の化合物である。
【0029】
式(III)の化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
2,2−ジメチル−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(1)、2,2,4−トリメチル−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(2)、2,2,5−トリメチル−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(3)、2,2,4,5−テトラメチル−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(4)、2,2−ジエチル−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(5)、2,2−ジエトキシ−1−オキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(6)、2,2−ジメチル−1,4−ジオキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(7)、2,2,5−トリメチル−1,4−ジオキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(8)、2,2,3,3−テトラメチル−1,4−ジオキサ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(9)、2,2−ジメチル−1−オキサ−4−チア−2−シラシクロヘキサン−6−オン(10)、2,2−ジエチル−1−オキサ−4−チア−2−シラシクロヘキサン−6−オン(11)、2,2−ジフェニル−1−オキサ−4−チア−2−シラシクロヘキサン−6−オン(12)、2−メチル−2−エテニル−1−オキサ−4−チア−2−シラシクロヘキサン−6−オン(13)、2,2,5−トリメチル−1−オキサ−4−チア−2−シラシクロヘキサン−6−オン(14)、2,2−ジメチル−1−オキサ−4−アザ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(15)、2,2,4−トリメチル−1−オキサ−4−アザ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(16)、2,4−ジメチル−2−フェニル−1−オキサ−4−アザ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(17)、2,2−ジメチル−4−トリメチルシリル−1−オキサ−4−アザ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(18)、2,2−ジエトキシ−4−メチル−1−オキサ−4−アザ−2−シラシクロヘキサン−6−オン(19)、2,2,4,4−テトラメチル−1−オキサ−2,4−ジシラシクロヘキサン−6−オン(20)、3,4−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1H−2,3−ベンズオキサシリン−1−オン(21)、2,2−ジメチル−1−オキサ−2−シラシクロペンタン−5−オン(22)、2,2,3−トリメチル−1−オキサ−2−シラシクロペンタン−5−オン(23)、2,2−ジメチル−4−フェニル−1−オキサ−2−シラシクロペンタン−5−オン(24)、2,2−ジ(tert−ブチル)−1−オキサ−2−シラシクロペンタン−5−オン(25)、2−メチル−2−(2−プロペン−1−イル)−1−オキサ−2−シラシクロペンタン−5−オン(26)、1,1−ジメチル−2,1−ベンズオキサシロル−3(1H)−オン(27)、2,2−ジメチル−1−オキサ−2−シラシクロヘプタン−7−オン(28)。
【化4A】
【化4B】
【0030】
そのようなシララクトンの合成は、たとえば以下の文献に記載されている:米国特許第2,635,109号明細書;M.Wieber,M.Schmidt,Chemische Berichte,1963,96(10),2822〜5;J.M.Wolcott,F.K.Cartledge,Journal of Organic Chemistry,1974,39(16),2420〜4;M.P.Sibi,J.W.Christensen,Tetrahedron Letters,1995,36(35),6213〜6;T.Linker,M.Maurer,F.Rebien,Tetrahedron Letters,1996,37(46),8363〜6;M.Shindo et al.,Angewandte Chemie,International Edition,2004,43(1),104〜6。
【0031】
本発明の末端基官能化ポリマーは、ポリマー鎖の反応性末端を、シララクトンと反応させ、場合によっては次いで、その生成したカルボキシレート末端基をプロトン化してカルボキシル末端基が得られるようにすることによって、調製することができることが見いだされた。
【0032】
したがって、本発明はさらに、式(I)または(II)の末端基を有する本発明の末端基官能化ポリマーを調製するための官能化剤としての、シララクトンの使用も提供する。
【0033】
そのポリマー鎖に極めて反応性の高い求核性末端を有するポリマーを式(III)の化合物と反応させると、そのポリマー鎖は、官能化剤のケイ素原子に結合できるだけではなく、それに加えて、カルボニル炭素原子上に結合がさらに生成する可能性もある。それによって、ポリマー鎖の直鎖状カップリングがもたらされる(スキーム1)。この場合においては、ポリマーの混合物が存在することとなる。そのポリマー鎖に極めて反応性の高い末端を有するポリマーとしては、たとえばアニオン重合によるか、または配位触媒を用いて調製された、ジエンホモポリマーおよびジエンコポリマーがある。
【化5】
【0034】
いくつかの場合においては、多分散性を向上させ、それによってそのポリマーのレオロジー的性質、たとえばムーニー粘度およびコールドフローに影響を与える目的で、このタイプのカップリング反応が望ましい。また別な場合においては、それらのポリマーを含む加硫物の動的−機械的特性に有利に影響するように、ポリマー鎖の官能化された末端の数を最大にする目的で、そのカップリング反応を抑制することが有利である可能性もある。
【0035】
驚くべきことには、第一の工程において、そのポリマー鎖に極めて反応性の高い求核性末端を有するポリマーを、シラノールまたはシラノレート末端基を有するポリマーをもたらす反応剤と反応させ、第二の工程において、シラノールまたはシラノレート末端基を有するそれらのポリマーを、式(III)の化合物と反応させる場合には、スキーム1に従うカップリング反応を実質的に完全に(ポリマーの全量を基準にして5重量%未満に)抑制することが可能であることが今や見いだされた(スキーム2)。同様にして、第一の工程において、シラノールまたはシラノレート末端基を有するポリマーをもたらす反応剤を、そのポリマー鎖のきわめて反応性の高い求核性末端の全部とは反応させないことにより、制御された方法でカップリングを所望のレベルに設定することもまた可能である。
【化6】
【0036】
その第一の工程において使用されるこのタイプの反応剤は、直接的または間接的(たとえば、その後のSi−Cl基の加水分解を経由)に、シラノールまたはシラノレート末端基へと導くことができる。しかしながら、直接的な反応でシラノレート末端基を与える反応剤が好ましい。式(IV):
【化7】
[式中、スキーム2および式(IV)中のR
5、R
6は、同一であるかまたは異なっていて、それぞれH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキル基であり、それらは1個または複数のヘテロ原子、好ましくはO、N、S、またはSiを含んでいてもよい]
のシクロシロキサンが極めて好ましい。
【0037】
好ましいのは、以下のものである:ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ならびに異なった環サイズのシクロシロキサンの混合物。
【0038】
スキーム2で得ることが可能な中間体は、当業者に公知の方法で単離することができる。
【0039】
本発明の末端基官能化ポリマーは、10000〜2000000g/mol、好ましくは100000〜1000000g/molの平均モル質量(数平均、M
n)と、−110℃〜+20℃、好ましくは−110℃〜0℃のガラス転移温度と、10〜200、好ましくは30〜150ムーニー単位のムーニー粘度[ML 1+4(100℃)]と、を有しているのが好ましい。
【0040】
本発明はさらに、本発明の末端基官能化ポリマーを調製するためのプロセスも提供し、そこでは、式(III)の1種または複数種の化合物を、純物質として、溶液として、または懸濁液として添加して、ポリマー鎖に反応性の末端を有するポリマーを得る。その添加は、重合が完結した後に行うのが好ましいが、モノマーが完全に転化する前に実施してもよい。式(III)の化合物と、そのポリマー鎖に反応性の末端を有するポリマーとの反応は、重合で通常使用される温度で実施する。式(III)の化合物とポリマー鎖の反応性末端との反応のための反応時間は、数分から数時間の間であってよい。
【0041】
それらの化合物の量は、ポリマー鎖の反応性末端全部が式(III)の化合物と反応するように選択することができ、またはそれらの化合物が不足するような使用法も可能である。使用する式(III)の化合物の量は、広い範囲を包含することができる。好ましい量は、ポリマーの量を基準にして、0.005〜2重量%の範囲内、より好ましくは0.01〜1重量%の範囲内である。
【0042】
本発明はさらに、第一に、(アニオン重合または配位触媒を用いた重合によって得られた)カルボアニオン性鎖末端を有するポリマーと、式(IV)のシクロシロキサンとの反応、および次の工程における、カルボキシレート末端化ポリマーを得るための、その第一の工程で得られたシラノレート末端化ポリマーと、式(III)の化合物との反応も提供する。式(IV)のシクロシロキサンは、純粋な形態で使用することも可能であり、または各種のシクロシロキサンの混合物として使用することも可能である。シクロシロキサンの量は、ポリマー鎖の反応性末端が全部、式(IV)のシクロシロキサンと反応するように選択することもでき、またはそれらの化合物が不足するような使用法も可能である。使用する式(IV)のシクロシロキサンの量は、広い範囲を包含することができる。好ましい量は、ポリマーの量を基準にして、0.002〜4重量%の範囲内、より好ましくは0.005〜2重量%の範囲内である。それに続く工程における式(III)の化合物の量は、ありとあらゆる存在しているポリマー鎖のカルボアニオン性末端、およびポリマー鎖のシラノレート末端化された末端の全部が、式(III)の化合物と反応するように選択するのが理想的である。シララクトン対シクロシロキサンの好ましい比率は、20:1〜1:1、特に好ましくは10:1〜1:1の比率、極めて特に好ましくは3:1〜1:1の比率である。
【0043】
式(III)の化合物および式(IV)のシクロシロキサンに加えて、ポリマー鎖の反応性末端と反応させるために、アニオン性ジエン重合において典型的なカップリング剤を使用することもまた可能である。そのようなカップリング剤の例としては以下のものが挙げられる:四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、四塩化スズ、ジブチルスズジクロリド、テトラアルコキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、および1,2,4−トリス(クロロメチル)ベンゼン。そのようなカップリング剤は、式(III)の化合物より前か、それと同時か、またはそれより後に添加することができる。
【0044】
式(III)の化合物および場合によってはカップリング剤を添加した後で、本発明のシラン含有カルボキシレート末端化ポリマーの後処理の前またはその途中に、慣用される老化安定剤、たとえば立体障害フェノール、芳香族アミン、ホスファイト、チオエーテルなどを添加することが好ましい。さらに、ジエンゴムのために慣用されるエクステンダー油を添加することも可能であり、そのようなものとしてはたとえば以下のものが挙げられる:DAE(留出物芳香族抽出物)、TDAE(処理留出物芳香族抽出物)、MES(軽度抽出溶媒和物)、RAE(残留芳香族抽出物)、TRAE(処理残留芳香族抽出物)、ナフテン油および重質ナフテン油。充填剤、たとえば、カーボンブラックおよびシリカ、ゴムおよびゴム助剤を添加することもまた可能である。
【0045】
溶媒を重合プロセスから、慣用される方法、たとえば、蒸留、水蒸気を用いたストリッピング、または場合によっては高温で減圧することによって除去することができる。
【0046】
本発明はさらに、加硫可能なゴム組成物を製造するための、本発明の末端基官能化ポリマーの使用も提供する。
【0047】
それらの加硫可能なゴム組成物が、さらなるゴム、充填剤、ゴム用薬品、加工助剤、およびエクステンダーオイルを含んでいることが好ましい。
【0048】
さらなるゴムとしては、たとえば、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。存在する場合、それらの量は、その混合物の中のポリマーの全量を基準にして、典型的には0.5〜95重量%の範囲内、好ましくは10〜80重量%の範囲内である。さらに添加されるゴムの量も、本発明の混合物のそれぞれの末端用途によって導き出される。このタイプの合成ゴムの例としては、以下のものが挙げられる:BR(ポリブタジエン)、アクリル酸−アルキルエステルコポリマー、IR(ポリイソプレン)、E−SBR(乳化重合によって調製したスチレン−ブタジエンコポリマー)、S−SBR(溶液重合によって調製したスチレン−ブタジエンコポリマー)、IIR(イソブチレン−イソプレンコポリマー)、NBR(ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー)、HNBR(部分水素化または完全水素化NBRゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)、およびこれらのゴムの混合物。自動車用タイヤを製造するためには、特に天然ゴム、−60℃より高いガラス転移温度を有するE−SBRおよびS−SBR、高いcis含量(>90%)を有し、Ni、Co、TiまたはNdをベースとする触媒を用いて調製したポリブタジエンゴム、および80%までのビニル含量を有するポリブタジエンゴム、ならびにそれらの混合物が興味深い。
【0049】
本発明のゴム組成物のために有用な充填剤としては、ゴム工業において使用されるあらゆる公知の充填剤が挙げられる。それらには、活性充填剤および不活性充填剤の両方が含まれる。
【0050】
たとえば、以下のものが挙げられるべきである:
− 微細シリカ、たとえばケイ酸塩の溶液を沈降させるか、またはハロゲン化ケイ素を火炎加水分解させて製造し、5〜1000、好ましくは20〜400m
2/g(BET表面積)の比表面積と、10〜400nmの一次粒径とを有するもの。それらのシリカは、場合によっては、他の金属酸化物たとえば、Al、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr、Tiの酸化物との混合酸化物として存在させてもよい;
− 合成ケイ酸塩、たとえばケイ酸アルミニウム、アルカリ土類金属のケイ酸塩、たとえば、ケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸カルシウムであって、20〜400m
2/gのBET表面積と、10〜400nmの一次粒子直径とを有するもの;
− 天然のケイ酸塩、たとえばカオリン、モンモリロナイト、およびその他の天然産のシリカ;
− ガラス繊維およびガラス繊維製品(マット、ストランド)、またはガラスミクロスフィア;
− 金属酸化物、たとえば、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム;
− 金属炭酸塩、たとえば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛;
− 金属水酸化物、たとえば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム;
− 金属硫酸塩、たとえば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム;
− カーボンブラック:ここで使用されるカーボンブラックは、ランプブラック法、チャンネルブラック法、ファーネスブラック法、ガスブラック法、サーマルブラック法、アセチレンブラック法、またはライトアーク法によって製造され、9〜200m
2/gのBET表面積を有するカーボンブラックであり、たとえば、以下のものである;SAF、ISAF−LS、ISAF−HM、ISAF−LM、ISAF−HS、CF、SCF、HAF−LS、HAF、HAF−HS、FF−HS、SPF、XCF、FEF−LS、FEF、FEF−HS、GPF−HS、GPF、APF、SRF−LS、SRF−LM、SRF−HS、SRF−HM、およびMTカーボンブラック、またはASTMのN110、N219、N220、N231、N234、N242、N294、N326、N327、N330、N332、N339、N347、N351、N356、N358、N375、N472、N539、N550、N568、N650、N660、N754、N762、N765、N774、N787、およびN990カーボンブラック;
− ゴムゲル、特にBR、E−SBRおよび/またはポリクロロプレンをベースとし、5〜1000nmの粒径を有するもの。
【0051】
使用する充填剤が微細シリカおよび/またはカーボンブラックであれば好ましい。