特許第6306749号(P6306749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6306749ダイナミックなエンジン高調波強調サウンドステージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306749
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】ダイナミックなエンジン高調波強調サウンドステージ
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20180326BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20180326BHJP
【FI】
   G10K15/04 302J
   B60R11/02 S
【請求項の数】25
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-572418(P2016-572418)
(86)(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公表番号】特表2017-524967(P2017-524967A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】US2015033113
(87)【国際公開番号】WO2015191307
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2017年2月7日
(31)【優先権主張番号】14/300,940
(32)【優先日】2014年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・エム・ヘラ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ジェイ・マクレラン
(72)【発明者】
【氏名】ベン・ジェイ・フェン
【審査官】 岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0216916(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0177214(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/013281(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00− 3/12
7/00−13/00
15/00−15/42
B60R 9/00−11/06
G10K 15/00−15/12
H04S 1/00− 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するステップと、
前記基本周波数の複数の高調波を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む複数の第1の利得値を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む複数の第1の位相値を決定するステップと、
高調波強調信号の第1の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第1の利得値と、前記複数の第1の位相値とを組み合わせるステップと、
第1のチャンネル高調波強調信号を提供するために、前記第1の組の前記高調波強調信号を組み合わせるステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む複数の第2の利得値を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む複数の第2の位相値を決定するステップと、
高調波強調信号の第2の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第2の利得値と、前記複数の第2の位相値とを組み合わせるステップと、
第2のチャンネル高調波強調信号を提供するために前記第2の組の前記高調波強調信号を組み合わせるステップとを含む、方法であって、
前記複数の第1の位相値と前記複数の第2の位相値との高調波ごとの位相差が、前記エンジンのRPMの関数として変化する、方法。
【請求項2】
前記複数の第1の位相値と前記複数の第2の位相値との前記高調波ごとの位相差が、エンジン負荷の関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の第1の利得値と前記複数の第2の利得値との高調波ごとの利得差が、前記エンジンのRPMの関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のチャンネル高調波強調信号が、フロントチャンネル信号であり、前記第2のチャンネル高調波強調信号が、リアチャンネル信号である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のチャンネル高調波強調信号が、左チャンネル信号であり、前記第2のチャンネル高調波強調信号が、右チャンネル信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、前記第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数の第1のスピーカが、車両キャビンの左側の近くに位置決めされ、前記1つまたは複数の第2のスピーカが、前記車両キャビンの右側の近くに位置決めされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の第1のスピーカが、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、前記1つまたは複数の第2のスピーカが、前記車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の高調波の各高調波に対して、第3の利得値をエンジン負荷の関数として含む複数の第3の利得値を決定するステップと、
高調波強調信号の前記第1の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第1の利得値と、前記複数の第3の利得値と、前記複数の第1の位相値とを組み合わせるステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第4の利得値をエンジン負荷の関数として含む複数の第4の利得値を決定するステップと、
高調波強調信号の前記第2の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第2の利得値と、前記複数の第4の利得値と、前記複数の第2の位相値とを組み合わせるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するステップと、
前記基本周波数の複数の高調波を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む複数の第1の利得値を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む複数の第1の位相値を決定するステップと、
高調波強調信号の第1の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第1の利得値と、前記複数の第1の位相値とを組み合わせるステップと、
第1のチャンネル高調波強調信号を提供するために、前記第1の組の前記高調波強調信号を組み合わせるステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む複数の第2の利得値を決定するステップと、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む複数の第2の位相値を決定するステップと、
高調波強調信号の第2の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第2の利得値と、前記複数の第2の位相値とを組み合わせるステップと、
第2のチャンネル高調波強調信号を提供するために前記第2の組の前記高調波強調信号を組み合わせるステップとを含む、方法であって、
前記複数の第1の利得値と前記複数の第2の利得値との高調波ごとの利得差が、前記エンジンのRPMの関数として変化する、方法。
【請求項11】
前記複数の第1の位相値と前記複数の第2の位相値との前記高調波ごとの利得差が、エンジン負荷の関数として変化する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のチャンネル高調波強調信号が、フロントチャンネル信号であり、前記第2のチャンネル高調波強調信号が、リアチャンネル信号である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、前記第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップとをさらに含み、
前記1つまたは複数の第1のスピーカが、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、前記1つまたは複数の第2のスピーカが、前記車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第1のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、
第2の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第2のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、
前記第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、
前記第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップと、
前記第1のチャンネル高調波強調信号と前記第2のチャンネル高調波強調信号との高調波ごとの位相差を導入するステップとを含む、方法。
【請求項15】
前記高調波ごとの位相差が、エンジンのRPMの関数として変化する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記高調波ごとの位相差が、エンジン負荷の関数として変化する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のチャンネル高調波強調信号が、左チャンネル信号であり、前記第2のチャンネル高調波強調信号が、右チャンネル信号である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の第1のスピーカが、車両キャビンの左側の近くに位置決めされ、前記1つまたは複数の第2のスピーカが、前記車両キャビンの右側の近くに位置決めされる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
第1の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第1のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、
第2の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第2のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、
前記第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、
前記第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップと、
前記第1のチャンネル高調波強調信号と前記第2のチャンネル高調波強調信号との高調波ごとの大きさの差を導入するステップとを含む、方法。
【請求項20】
前記高調波ごとの大きさの差が、エンジンのRPMの関数として変化する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記高調波ごとの大きさの差が、エンジン負荷の関数として変化する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のチャンネル高調波強調信号が、フロントチャンネル信号であり、前記第2のチャンネル高調波強調信号が、リアチャンネル信号である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の第1のスピーカが、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、前記1つまたは複数の第2のスピーカが、前記車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するための回路と、
前記基本周波数の複数の高調波を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む複数の第1の利得値を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む複数の第1の位相値を決定するための回路と、
高調波強調信号の第1の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第1の利得値と、前記複数の第1の位相値とを組み合わせるための回路と、
第1のチャンネル高調波強調信号を提供するために前記第1の組の前記高調波強調信号を組み合わせるための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む複数の第2の利得値を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む複数の第2の位相値を決定するための回路と、
高調波強調信号の第2の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第2の利得値と、前記複数の第2の位相値とを組み合わせるための回路と、
第2のチャンネル高調波強調信号を提供するために高調波強調信号の前記第2の組を組み合わせるための回路とを含む、車両エンジン音強調システムであって、
前記複数の第1の位相値と前記複数の第2の位相値との高調波ごとの位相差が、前記エンジンのRPMの関数として変化する、車両エンジン音強調システム。
【請求項25】
車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するための回路と、
前記基本周波数の複数の高調波を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む複数の第1の利得値を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む複数の第1の位相値を決定するための回路と、
高調波強調信号の第1の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第1の利得値と、前記複数の第1の位相値とを組み合わせるための回路と、
第1のチャンネル高調波強調信号を提供するために高調波強調信号の前記第1の組を組み合わせるための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む複数の第2の利得値を決定するための回路と、
前記複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む複数の第2の位相値を決定するための回路と、
高調波強調信号の第2の組を生じるために、前記複数の高調波と、前記複数の第2の利得値と、前記複数の第2の位相値とを組み合わせるための回路と、
第2のチャンネル高調波強調信号を提供するために、前記第2の組の前記高調波強調信号を組み合わせるための回路とを含む、車両エンジン音強調システムであって、
前記複数の第1の利得値と前記複数の第2の利得値との高調波ごとの利得差が、前記エンジンのRPMの関数として変化する、車両エンジン音強調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、エンジン高調波強調(EHE:engine harmonic enhancement)のためのダイナミックなサウンドステージを生じる方法を説明する。ダイナミックなとは、エンジンが様々なRPMおよび負荷で動作するときサウンドステージを異なる位置に位置決めすることができる能力を表す。
【背景技術】
【0002】
エンジン高調波強調(EHE)は、エンジン音のある特性を補完またはマスキングする高調波信号の組を生成するのに使用される。EHEにおいて発生される各高調波信号は、時間とともに変化する大きさ、ck(t)および位相、φk(t)を有する。
【0003】
hk(t)=ck(t)・sin(ωk(t)・t+φk(t)) (1)
【0004】
ここで、
【0005】
【数1】
【0006】
およびf1は、エンジンの基本周波数であり、lkは、通常は0.5の倍数であるが、概してアルゴリズム機能から正の非ゼロ実数であり得る高調波次数である。RPMはエンジン速度であり、fkはHzで表す高調波kの周波数である。
【0007】
hk(t)=ck(rpm(t))・sin(ωk(rpm(t))・t+φk(rpm(t))) (2)
【0008】
EHEにおいて発生される信号は、時間、RPM、エンジン負荷の関数であり、高調波に寄与するすべての合計として書き表すことができる。
【0009】
【数2】
【0010】
ここで、Nは考察される高調波の総数である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、部分的に、左チャンネルEHE信号と右チャンネルEHE信号との高調波ごとの位相差を導入することによってエンジン高調波強調(EHE)サウンドステージの幅を制御することができる実現に基づく。本開示は、部分的に、フロントスピーカのフロントチャンネルEHE信号と、リアスピーカを介して再生されるリアチャンネルEHE信号との大きさの差を導入することによってフロントリア制御可能EHEサウンドステージを提供することができる実現にも基づく。以下に述べるすべての例および特徴は、任意の技術的に可能なやり方で組み合わせることができる。
【0012】
一態様は、車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するステップと、基本周波数の複数の高調波を決定するステップと、複数の第1の利得値を決定するステップとを含む方法を特徴とする。複数の第1の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む。方法は、複数の第1の位相値を決定するステップも含む。複数の第1の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む。複数の高調波と、複数の第1の利得値と、複数の第1の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第1の組を生じ、第1の組の高調波強調信号を組み合わせて、第1のチャンネル高調波強調信号を提供する。
【0013】
方法は、複数の第2の利得値および複数の第2の位相値を決定するステップも含む。複数の第2の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む。複数の第2の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む。複数の高調波と、複数の第2の利得値と、複数の第2の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第2の組を生じ、第2の組の高調波強調信号を組み合わせて、第2のチャンネル高調波強調信号を提供する。複数の第1の位相値と複数の第2の位相値との高調波ごとの位相差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【0014】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ、または任意のそれらの組合せを含むことができる。
【0015】
いくつかの実装形態において、複数の第1の位相値と複数の第2の位相値との高調波ごとの位相差は、エンジン負荷の関数として変化する。
【0016】
ある実装形態において、複数の第1の利得値と複数の第2の利得値との高調波ごとの利得差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【0017】
場合によっては、第1のチャンネル高調波強調信号は、フロントチャンネル信号であり、第2のチャンネル高調波強調信号は、リアチャンネル信号である。
【0018】
ある場合には、第1のチャンネル高調波強調信号は、左チャンネル信号であり、第2のチャンネル高調波強調信号は、右チャンネル信号である。
【0019】
いくつかの例において、方法は、第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップとを含む。
【0020】
ある例において、1つまたは複数の第1のスピーカは、車両の車両キャビンの左側の近くに位置決めされ、1つまたは複数の第2のスピーカは、車両キャビンの右側の近くに位置決めされる。
【0021】
いくつかの実装形態において、第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第1のスピーカの各々に対して別々に第1のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第1のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第1のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第1のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0022】
ある実装形態において、第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第2のスピーカの各々に対して別々に第2のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第2のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第2のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第2のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0023】
いくつかの実装形態において、1つまたは複数の第1のスピーカは、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、1つまたは複数の第2のスピーカは、車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる。
【0024】
ある実装形態において、方法は、複数の第3の利得値および複数の第4の利得値を決定するステップを含む。複数の第3の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第3の利得値をエンジン負荷の関数として含む。複数の第4の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第4の利得値をエンジン負荷の関数として含む。複数の高調波と、複数の第1の利得値と、複数の第3の利得値と、複数の第1の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第1の組を生じる。さらに、複数の高調波と、複数の第2の利得値と、複数の第4の利得値と、複数の第2の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第2の組を生じる。
【0025】
別の態様は、車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するステップと、基本周波数の複数の高調波を決定するステップと、複数の第1の利得値を決定するステップとを含む方法を特徴とする。複数の第1の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む。方法は、複数の第1の位相値を決定するステップも含む。複数の第1の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む。複数の高調波と、複数の第1の利得値と、複数の第1の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第1の組を生じ、第1の組の高調波強調信号を組み合わせて、第1のチャンネル高調波強調信号を提供する。
【0026】
方法は、複数の第2の利得値および複数の第2の位相値を決定するステップも含む。複数の第2の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む。複数の第2の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む。複数の高調波と、複数の第2の利得値と、複数の第2の位相値とを組み合わせて、高調波強調信号の第2の組を生じ、第2の組の高調波強調信号を組み合わせて、第2のチャンネル高調波強調信号を提供する。複数の第1の利得値と複数の第2の利得値との高調波ごとの利得差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【0027】
実装形態は、上記のおよび/または以下の特徴のうちの1つ、または任意のそれらの組合せを含むことができる。
【0028】
いくつかの実装形態において、複数の第1の位相値と複数の第2の位相値との高調波ごとの利得差は、エンジン負荷の関数として変化する。
【0029】
ある実装形態において、第1のチャンネル高調波強調信号は、フロントチャンネル信号であり、第2のチャンネル高調波強調信号は、リアチャンネル信号である。
【0030】
場合によっては、方法は、第1のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップと、第2のチャンネル高調波強調信号を音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップとを含む。1つまたは複数の第1のスピーカは、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、1つまたは複数の第2のスピーカは、車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる。
【0031】
場合によっては、第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第1のスピーカの各々に対して別々に第1のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第1のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第1のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第1のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0032】
ある場合には、第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第2のスピーカの各々に対して別々に第2のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第2のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第2のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第2のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0033】
さらに別の態様は、第1の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第1のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、第2の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第2のチャンネル高調波強調信号を発生するステップとを含む方法を特徴とする。第1のチャンネル高調波強調信号は、音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配され、第2のチャンネル高調波強調信号は、音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配される。第1のチャンネル高調波強調信号と第2のチャンネル高調波強調信号との高調波ごとの位相差が導入される。
【0034】
実装形態は、上記のおよび/または以下の特徴のうちの1つ、または任意のそれらの組合せを含むことができる。
【0035】
いくつかの実装形態において、高調波ごとの位相差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【0036】
ある実装形態において、高調波ごとの位相差は、エンジン負荷の関数として変化する。
【0037】
場合によっては、第1のチャンネル高調波強調信号は、左チャンネル信号であり、第2のチャンネル高調波強調信号は、右チャンネル信号である。
【0038】
ある場合には、1つまたは複数の第1のスピーカは、車両キャビンの左側の近くに位置決めされ、1つまたは複数の第2のスピーカは、車両キャビンの右側の近くに位置決めされる。
【0039】
別の態様は、第1の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第1のチャンネル高調波強調信号を発生するステップと、第2の複数のエンジン高調波強調信号成分を含む第2のチャンネル高調波強調信号を発生するステップとを含む方法を特徴とする。第1のチャンネル高調波強調信号は、音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第1のスピーカに分配され、第2のチャンネル高調波強調信号は、音響エネルギーへの変換のために1つまたは複数の第2のスピーカに分配される。第1のチャンネル高調波強調信号と第2のチャンネル高調波強調信号との高調波ごとの大きさの差が導入される。
【0040】
実装形態は、上記のおよび/または以下の特徴のうちの1つ、または任意のそれらの組合せを含むことができる。
【0041】
いくつかの実装形態において、高調波ごとの大きさの差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【0042】
ある実装形態において、高調波ごとの大きさの差は、エンジン負荷の関数として変化する。
【0043】
場合によっては、第1のチャンネル高調波強調信号は、フロントチャンネル信号であり、第2のチャンネル高調波強調信号は、リアチャンネル信号である。
【0044】
ある場合には、1つまたは複数の第1のスピーカは、車両キャビンのフロント部分の近くに位置決めされ、1つまたは複数の第2のスピーカは、車両キャビンのリア部分の近くに位置決めされる。
【0045】
いくつかの例において、第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第1のスピーカの各々に対して別々に第1のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第1のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第1のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第1のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0046】
ある例において、第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップは、個々に等化された第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに提供するために、1つまたは複数の第2のスピーカの各々に対して別々に第2のチャンネル高調波強調信号を等化するステップを含む。第2のチャンネル高調波強調信号を分配するステップは、等化された第2のチャンネル高調波強調信号をそれらが1つまたは複数の第2のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含むこともできる。
【0047】
いくつかの実装形態において、第1のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第1のスピーカに分配するステップは、第1のチャンネル高調波強調信号をそれが1つまたは複数の第1のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含み、第2のチャンネル高調波強調信号を1つまたは複数の第2のスピーカに分配するステップは、第2のチャンネル高調波強調信号をそれが1つまたは複数の第2のスピーカに提供される前に増幅器中を通過させるステップを含む。
【0048】
別の態様によれば、車両エンジン音強調システムが、車両のエンジンのRPMに対応する基本周波数を提供するための回路と、基本周波数の複数の高調波を決定するための回路と、複数の第1の利得値を決定するための回路とを含む。複数の第1の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の利得値をRPMの関数として含む。車両エンジン音強調システムは、複数の第1の位相値を決定するための回路も含む。複数の第1の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第1の位相値をRPMの関数として含む。高調波強調信号の第1の組を生じるために、複数の高調波と、複数の第1の利得値と、複数の第1の位相値とを組み合わせるための回路が提供され、第1のチャンネル高調波強調信号を提供するために、第1の組の高調波強調信号を組み合わせるための回路が提供される。
【0049】
車両エンジン音強調システムは、複数の第2の利得値を決定するための回路と、複数の第2の位相値を決定するための回路とをやはり含む。複数の第2の利得値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の利得値をRPMの関数として含む。複数の第2の位相値は、複数の高調波の各高調波に対して、第2の位相値をRPMの関数として含む。高調波強調信号の第2の組を生じるために、複数の高調波と、複数の第2の利得値と、複数の第2の位相値とを組み合わせるための回路が提供され、第2のチャンネル高調波強調信号を提供するために、第2の組の高調波強調信号を組み合わせるための回路が提供される。複数の第1の位相値と複数の第2の位相値との高調波ごとの位相差は、エンジンRPMの関数として変化する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ダイナミックなエンジン高調波強調(EHE)サウンドステージを提供するために利用することができる車両エンジン音強調システムを含む車両の構成図である。
図2A図1の車両エンジン音強調システムからのEHEプロセッサの構成図である。
図2B図2AのEHEプロセッサからの左チャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図2C図2AのEHEプロセッサからの右チャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図3A】高調波特有の位相を調整するためにエンジン負荷を利用する代替のEHEプロセッサの構成図である。
図3B図3AのEHEプロセッサからの左チャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図3C図3AのEHEプロセッサからの右チャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図4A】高調波特有の位相および大きさを調整するためにエンジン負荷を利用する代替のEHEプロセッサの構成図である。
図4B図4AのEHEプロセッサからのフロントチャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図4C図4AのEHEプロセッサからのリアチャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図5A】高調波特有の位相および大きさを調整するためにエンジン負荷を利用する代替のEHEプロセッサの構成図である。
図5B図5AのEHEプロセッサからのフロントチャンネルEHE信号発生器の構成図である。
図5C図5AのEHEプロセッサからのリアチャンネルEHE信号発生器の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図面のいくつかの図の素子を構成図における個別素子として示し説明することができ、「回路」と称することができるが、他に指示がない限り、素子は、アナログ回路、デジタル回路、またはソフトウェア命令を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサのうちの1つまたはそれらの組合せとして実装することができる。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理(DSP)命令を含むことができる。動作は、アナログ回路によって、またはアナログ動作との数学的または論理的等価を実施するソフトウェアを実行するマイクロプロセッサによって実施することができる。他に指示がない限り、信号線は、個別アナログまたはデジタル信号線として、別々のオーディオ信号の流れを処理するために適当な信号処理を用いる単一の個別デジタル信号線として、またはワイヤレス通信システムの素子として実装することができる。プロセスのうちのいくつかは、構成図で説明することができる。各ブロックにおいて実施される活動は、1つの素子によって、または複数の素子によって実施することができ、時間的に分離することができる。ブロックの活動を実施する素子は、物理的に分離することができる。1つの素子は、1つよりも多くのブロックの活動を実施することができる。他に指示がない限り、オーディオ信号は、デジタルまたはアナログの形のいずれかで符号化し伝送することができ、従来のデジタル/アナログまたはアナログ/デジタル変換器は図から省略することがある。
【0052】
幅の制御が可能なサウンドステージの生成
サウンドステージの幅を制御するために、左スピーカの左チャンネルEHE信号、xLおよび右スピーカの右チャンネルEHE信号、xRが以下のように発生される。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、cLkおよびφLkは、左チャンネルEHE信号における高調波kの、それぞれ、大きさおよび位相であり、cRkおよびφRkは、右チャンネルEHE信号における高調波kの、それぞれ、大きさおよび位相である。
【0055】
サウンドステージ幅を制御するために、左チャンネルと右チャンネルとの位相差、Δφkを導入することができる。最も一般的な場合では、左右位相差を高調波ごと、RPMごとに導入することができる。この方式において、位相差は、車両乗員が特定の幅を有する各高調波信号を知覚するように調整することができる。この幅は、変数Δφk(rpm)を調節することによってRPM領域ごとに独立して調整することができる。
【0056】
Δφk(rpm)=φLk(rpm)-φRk(rpm) (6)
【0057】
一般に、左チャンネルEHE信号の大きさと右チャンネルEHE信号の大きさとは同じになる(すなわち、cLk(rpm)=cRk(rpm))。
【0058】
サウンドステージは、サウンドステージの幅がエンジンRPMとともに変化する点においてダイナミックである。
【0059】
図1は、ダイナミックなエンジン高調波強調(EHE)サウンドステージを提供するために利用することができる車両エンジン音強調システムを含む車両の構成図である。エンジン高調波強調(EHE)プロセッサ102が、アナログ加算器104に結合される。娯楽オーディオ等化器および空間プロセッサ106を経由してやはりアナログ加算器104に結合されるのは、娯楽オーディオ信号源108である。アナログ加算器104は、車両キャビン114の周りに位置決めされたいくつかのスピーカ112-1〜112-4にマルチチャンネル増幅器110を通して結合される。EHEプロセッサ102と、アナログ加算器104と、娯楽オーディオ等化器および空間プロセッサ106と、増幅器110との間の結合は、複数の線によって示されるようにマルチチャンネルである。上述のように、信号線は、個別アナログまたはデジタル信号線として、別々のオーディオ信号の流れを処理するために適当な信号処理を用いる単一の個別デジタル信号線として、またはワイヤレス通信システムの素子として実装することができる。
【0060】
動作において、娯楽オーディオ源108ならびに娯楽オーディオ等化器および空間プロセッサ106は、従来の方式で動作して、等化され空間的に処理されたオーディオ娯楽を車両キャビン114の乗員に提供する。いくつかの実装形態において、娯楽オーディオ信号源108は、運行指示、警告信号などのための通知オーディオ信号を含むことができる。EHEプロセッサ102は、EHEオーディオ信号が、スピーカ112-1〜112-4によって再現されたとき、所望の音響体験を提供するようにEHEオーディオ信号を処理する。EHEプロセッサは、左および右オーディオチャンネルおよび/またはフロントおよび後部(リア)オーディオチャンネルの信号を発生し、信号は娯楽オーディオEQと同様である静的EQ(サウンドステージプロセッサ)中を通過される。処理されたEHEオーディオ信号および処理された娯楽オーディオ信号は、アナログ加算器104において合計され、増幅器110によって増幅され、スピーカによって音響エネルギーに変換される。
【0061】
図2Aから図2Cまでを参照すると、EHEプロセッサ102は、エンジン速度をRPMで示す信号を入力として受け取るRPM検出器および基本周波数計算機202を含む。この信号は、車両のエンジン制御ユニット(ECU)114から生じることができる(図1)。RPM検出器および基本周波数計算機202は、各々が基本周波数の倍数であるそれぞれの高調波信号を発生する複数の周波数変換器204-1〜204-n(ここで、nは考察される高調波の総数である)に動作可能に結合される。
【0062】
動作において、RPM検出器および基本周波数計算機202に入力されるRPM信号は、エンジン高調波の基本周波数を決定し、エンジン負荷信号は、高調波強調の全音圧レベルを制御する。本明細書では、「高調波」は、2分の1高調波または4分の1高調波を含むことができる。RPM信号は、電線を介するアナログ信号、またはバス(GMLAN、CAN、MOSTなど)を介するデジタル信号であり得る。一実装形態において、RPM信号は、周知の1エンジン回転当たりのパルスの数を示す。RPM信号が点火モジュールから生じる場合、1回転当たりのパルスの数(PPR:pulses per revolution)は、従来の(4行程)エンジンのシリンダーの半分だけが各回転を始動させるので、各回転または動作しているエンジンシリンダーの総数の半分を始動させるエンジンシリンダーの数に通常等しい。例えば、8シリンダーのエンジンからの点火ベースのRPM信号は、4PPRを有する。RPMがクランクシャフトセンサから生じる場合、パルスの数は、典型的にはクランクシャフトの上死点(TDC)位置を示すためにクランク位置を示すのに使用される特殊歯を含めないで、クランクシャフトポジションホイール上の等間隔の歯の数に等しい。
【0063】
RPM検出器および基本高調波周波数計算機202は、連続するRPMパルス間の時間を測定し、逆数を計算して、基本エンジン高調波周波数を決定する。
【0064】
周波数変換器204-1〜204-n(集合的に「204」として参照される)は、基本エンジン回転周波数を各強調されたエンジン高調波の次数で乗算することによって各強調された高調波の周波数を計算する。周波数変換器204は、チャンネルEHE信号発生器の対(すなわち、左および右チャンネルEHE信号発生器206、208)に動作可能に結合される。チャンネルEHE信号発生器206、208は、周波数変換器204からの高調波周波数を利用して、それぞれのチャンネルEHE信号xL(rpm,t)、xR(rpm,t)を発生する。
【0065】
チャンネルEHE信号発生器206、208の各々は、複数のEHE信号発生器を含む。左チャンネルEHE信号発生器206は、EHE信号発生器210-1〜210-n(集合的に「210」として参照される)を各高調波に対して1つ含む。同様に、右チャンネルEHE信号発生器は、EHE信号発生器212-1〜212-n(集合的に「212」として参照される)を各高調波に対して1つ含む。
【0066】
図2Bに示すように、左チャンネル信号発生器206のEHE信号発生器210の各々は、位相決定器214-1〜214-n(集合的に「214」として参照される)と、基準信号発生器216-1〜216-n(集合的に「216」として参照される)と、高調波形決定器218-1〜218-n(集合的に「218」として参照される)と、高調波利得素子220-1〜220-n(集合的に「220」として参照される)とを含む。同様に、図2Cに示すように、右チャンネル信号発生器208のEHE信号発生器212の各々は、位相決定器222-1〜222-n(集合的「222」にとして参照される)と、基準信号発生器224-1〜224-n(集合的に「224」として参照される)と、高調波形決定器226-1〜226-n(集合的に「226」として参照される)と、高調波利得素子228-1〜228-n(集合的に「228」として参照される)とを含む。位相決定器214、222、基準信号発生器216、224、および高調波形決定器218、226は、各々、周波数変換器204のうちの対応する1つに動作可能に結合される。
【0067】
位相決定器214、222は、対応するエンジン高調波強調信号の位相を決定する。個々の位相決定器214、222は、各高調波の位相が周波数依存であることを可能にする周波数対位相ルックアップテーブル(LUT)として実装することができる。あるいは、位相を式f(rpm)により計算するまたは近似させることができる。とりわけ、左位相値と右位相値との位相差、Δφk(上記の式6参照)が、高調波ごとに導入される。この調節可能な位相差は、左および右チャンネルEHE信号がそれぞれのスピーカを介して変換されるとき、知覚されるサウンドステージの幅(左から右までの)を制御するのに有益であり得る。この幅は、左および右位相値を調節することによってRPM領域ごとに独立して調整することができる。
【0068】
動作において、位相決定器214、222の各々は、周波数変換器204のうちの対応する1つから入力を受け取る。対応する周波数変換器204からの入力に基づいて、位相決定器214、222の各々は、基準信号発生器216、224のうちの対応する1つによって発生される基準信号の位相を決定する。
【0069】
基準信号発生器216、224は、各々、周波数変換器204のうちの対応する1つからの高調波周波数に関連した周波数成分と、位相決定器214、222のうちの対応する1つから提供される位相に関連した周波数成分とを有する正弦波の形で基準信号を発生する。高調波利得素子220、228は、各々、基準信号のうちの対応する1つに高調波特有の利得を加えて、エンジン高調波強調(EHE)信号、hLk、hRkを提供するために、基準信号発生器216、224のうちの対応する1つに動作可能に結合される。
【0070】
hLk(t)=cLk(rpm(t))・sin(ωk(rpm(t))・t+φLk(rpm(t))) (7)
【0071】
hRk(t)=cRk(rpm(t))・sin(ωk(rpm(t))・t+φRk(rpm(t))) (8)
【0072】
個々の高調波形決定器218、226は、式による計算によって利得を決定するもしくは近似させることができ、または周波数対利得ルックアップテーブル(LUT)から利得を取り出すことができる。動作において、高調波形決定器218、226の各々は、周波数変換器204のうちの対応する1つから入力を受け取る。入力に基づいて、波形決定器218、226の各々は、各エンジン高調波強調信号の大きさが周波数依存であることを可能にする、利得素子220、228のうちの対応する1つによって加えられる利得を決定する。
【0073】
左エンジン高調波強調チャンネル信号発生器206の高調波利得素子220は、第1の高調波アナログ加算器230に動作可能に結合され、右チャンネルEHE信号発生器208の高調波利得素子228は、第2のアナログ加算器232に動作可能に結合される。第1の高調波アナログ加算器230は、左チャンネルEHE信号決定器206の高調波利得素子220からのEHE信号、hLk(t)を組み合わせて、左チャンネルEHE信号、xL(rpm,t)を提供する。同様に、第2の高調波アナログ加算器232は、右チャンネルEHE信号決定器208の高調波利得素子228からのEHE信号、hRk(t)を組み合わせて、右チャンネルEHE信号xR(rpm,t)を提供する。
【0074】
左チャンネルEHE信号は、音響エネルギーへの変換のために車両キャビン114の左側の1つまたは複数のスピーカに分配することができ(図1)、右チャンネルEHE信号は、音響エネルギーへの変換のために車両キャビン114の右側の1つまたは複数のスピーカに分配することができる。
【0075】
場合によっては、左および右チャンネルEHE信号を処理してチャンネルEHE信号の各々の音像を決定するために、サウンドステージプロセッサ234を設けることができる。サウンドステージプロセッサ234は、複数の等化器(EQ:equalizer)を各スピーカに対して1つ含むことができる。一般に、等化された左チャンネルEHE信号は、車両キャビン114の左側の1つまたは複数のスピーカに分配され(図1)、等化された右チャンネルEHE信号は、車両キャビン114の右側の1つまたは複数のスピーカに分配される(図1)。
【0076】
ある場合に、サウンドステージは、左チャンネルと右チャンネルとの位相差を調整するためにエンジン負荷を制御入力として使用することによって幅を制御することもできる。この場合、Δφk=f(rpm,load)である。図3Aは、高調波特有の位相を調整するためにエンジン負荷を利用するEHEプロセッサ302の構成図であり、同じ参照符号は同じ素子を表す。
【0077】
EHEプロセッサ302は、エンジン負荷検出器304を含む。エンジン負荷検出器304は、音声強調を適切に平衡させるために固有のエンジン音レベルを決定する。車両のエンジン制御ユニット(ECU)114(図1)が、典型的には、エンジン負荷とうまく相関する以下の信号のうちのいくつかを利用可能にし、例えば、アクセルペダル位置(APP)、スロットル開度センサ(TPS)、質量空気流量(MAF)、多岐管における絶対圧力(MAP)、エンジントルク、および/またはエンジン負荷の計算など、アナログまたはデジタルの形のいずれかでEHEシステムに利用可能であり得る。これらの信号のうちのいずれかの1つがEHE制御に適切である。
【0078】
エンジン負荷検出器304は、エンジン負荷信号をネイティブデータの形からEHEシステムにより有用な形に変換することができる。例えば、エンジン負荷信号がエンジントルクを表す場合、エンジン負荷検出器は、トルク測定値をエンジン負荷測定値に変換することができる。エンジン負荷は、指数として表すことができ、例えば、最大エンジン負荷を100と指定することができ、エンジン負荷を1〜100の数として表すことができる。
【0079】
エンジン負荷検出器304は、位相決定器214、222(それぞれ、図3Bおよび図3C)に入力を提供することができ、次いで、位相決定器214、222は、RPMおよびエンジン負荷の両方の関数として高調波特有の位相を決定することができる。個々の位相決定器214、222は、各高調波の位相が周波数および負荷に依存することを可能にする多変数のルックアップテーブル(LUT)として実装することができる。あるいは、位相を式f(RPM,load)により計算するまたは近似させることができる。
【0080】
あるいは、またはさらに、エンジン高調波強調信号の大きさは、負荷に依存することができる。その点において、エンジン高調波強調(EHE)信号発生器210、212は、図3Bおよび3Cに示すように、負荷依存利得を高調波利得素子220、228の出力に加えるために、EHE利得決定器304-1〜304-n(左)、306-1〜306-n(右)と、関連した利得素子308-1〜308-n(左)、310-1〜310-n(右)とを含むこともできる。結果として得られる大きさは、周波数依存利得と負荷依存利得との積であり、左および右チャンネルEHE信号は以下の形をとる。
【0081】
【数4】
【0082】
フロントリア制御可能サウンドステージの生成
フロントリア制御可能サウンドステージを生成するために、フロントスピーカの信号(すなわち、フロントチャンネルEHE信号)およびリアスピーカを介して再生される別の信号(すなわち、リア(後部)チャンネルEHE信号)が提供される。
【0083】
フロントチャンネルEHE信号は次式である。
【0084】
【数5】
【0085】
また、後部(リア)チャンネルEHE信号は次式である。
【0086】
【数6】
【0087】
ここで、フロントおよび後部信号の位相は、次式によって関連付けられる。
【0088】
ΔφFHk(rpm)=φFk(rpm)-φHk(rpm) (13)
【0089】
また、dBで表される大きさは次式によって関連付けられる。
【0090】
ΔcFHk(rpm)=cFk(rpm)-cHk(rpm) (14)
【0091】
フロント信号とリア信号との約3dBのレベルの差は、フロントまたはリア方向へのサウンドステージの知覚可能な移動に対応する。より大きな音の信号により、サウンドステージはその方向に向かって引き寄せられる。
【0092】
図4Aから図4Cまでは、RPMの変化とともに車両キャビンのフロントとリアとの間を移動するサウンドステージを生成するために図1のシステムに使用することができる代替のEHEプロセッサ402を図示する。RPM検出器および基本周波数計算機404は、エンジン速度をRPMで示す信号を入力として受け取る。RPM検出器および基本周波数計算機404は、各々が基本周波数の倍数であるそれぞれの高調波信号を発生する複数の周波数変換器406-1〜406-n(集合的に「406」として参照される)に動作可能に結合される。
【0093】
RPM検出器および基本波周波数計算機404は、基本エンジン回転周波数を決定し、それを周波数変換器406に入力として提供する。周波数変換器406は、基本エンジン回転周波数を各強調されたエンジン高調波の次数で乗算することによって各強調された高調波の周波数を計算する。周波数変換器406は、チャンネルEHE信号発生器の対(すなわち、フロントおよびリア(後部)チャンネルEHE信号発生器408、410)に動作可能に結合される。チャンネルEHE信号発生器は、周波数変換器406からの高調波周波数を利用して、それぞれのチャンネルEHE信号xF(rpm,t)、xH(rpm,t)を発生する。
【0094】
チャンネルEHE信号発生器408、410の各々は、複数のEHE信号発生器を含む。図4Bに示すように、フロントチャンネルEHE信号発生器408は、フロントEHE信号発生器412-1〜412-n(集合的に「412」として参照される)を各高調波に対して1つ含む。同様に、図4Cに示すように、リアチャンネルEHE信号発生器は、リア(後部)EHE信号発生器414-1〜414-n(集合的に「414」として参照される)を各高調波に対して1つ含む。
【0095】
フロントチャンネルEHE信号発生器408のEHE信号発生器412の各々は、位相決定器416-1〜416-n(集合的に「416」として参照される)と、基準信号発生器418-1〜418-n(集合的に「418」として参照される)と、高調波形決定器420-1〜420-n(集合的に「420」として参照される)と、高調波利得素子422-1〜422-n(集合的に「422」として参照される)とを含む。同様に、リアチャンネル信号発生器410のEHE信号発生器414の各々は、位相決定器424-1〜424-n(集合的に「424」として参照される)と、基準信号発生器426-1〜426-n(集合的に「426」として参照される)と、高調波形決定器428-1〜428-n(集合的に「428」として参照される)と、高調波利得素子430-1〜430-n(集合的に「430」として参照される)とを含む。位相決定器416、424、基準信号発生器418、426、および高調波形決定器420、428は、各々、周波数変換器406のうちの対応する1つに動作可能に結合される。
【0096】
位相決定器416、424は、対応するエンジン高調波強調信号の位相を決定する。個々の位相決定器416、424は、各高調波の位相が周波数依存であることを可能にする周波数対位相ルックアップテーブル(LUT)として実装することができる。あるいは、位相を式f(RPM)により計算するまたは近似させることができる。位相差は、フロントと後部との間にパニングまたは待ち時間を設けることができ、ステージの知覚を増大させることができる。
【0097】
動作において、位相決定器416、424の各々は、周波数変換器406のうちの対応する1つから入力を受け取る。対応する周波数変換器406からの入力に基づいて、位相決定器416、424の各々は、基準信号発生器418、426のうちの対応する1つによって発生される基準信号の位相を決定する。
【0098】
基準信号発生器418、426は、各々、周波数変換器のうちの対応する1つからの高調波周波数に関連した周波数成分と、位相決定器418、426のうちの対応する1つから提供される位相に関連した位相成分とを有する正弦波の形で基準信号を発生する。利得素子422、430は、各々、基準信号のうちの対応する1つに高調波特有の利得を加えて、エンジン高調波強調信号を提供するために、基準信号発生器418、426のうちの対応する1つに動作可能に結合される。
【0099】
個々の高調波形決定器420、428は、式による計算によって利得を決定するもしくは近似させることができ、または周波数対利得ルックアップテーブル(LUT)から利得を取り出すことができる。動作において、高調波形決定器420、428の各々は、周波数変換器406のうちの対応する1つから入力を受け取る。入力に基づいて、波形決定器420、428の各々は、各エンジン高調波強調信号の大きさが周波数依存であることを可能にする、利得素子422、430のうちの対応する1つによって加えられる利得を決定する。
【0100】
フロントエンジン高調波強調チャンネル信号決定器408の高調波利得素子422は、第1の高調波アナログ加算器432に動作可能に結合され、リア(後部)チャンネルEHE信号決定器410の高調波利得素子430は、第2のアナログ加算器434に動作可能に結合される。第1の高調波アナログ加算器432は、フロントチャンネルEHE信号発生器408の高調波利得素子422からのEHE信号を組み合わせて、フロントチャンネルEHE信号、xF(rpm,t)を提供する。同様に、第2の高調波アナログ加算器434は、リアチャンネルEHE信号発生器410の高調波利得素子430からのEHE信号を組み合わせて、リアチャンネルEHE信号xH(rpm,t)を提供する。
【0101】
とりわけ、フロント利得値とリア利得値との利得差、ΔcFHkが高調波ごとに導入される。この調節可能な利得差は、フロントおよびリアチャンネルEHE信号がそれぞれのスピーカを介して変換されるとき、知覚されるサウンドステージの前後の位置を制御するのに有益であり得る。フロントチャンネルEHE信号とリアチャンネルEHE信号との約3dBのレベルの差は、フロントまたはリア方向へのサウンドステージの知覚可能な移動に対応する。より大きな音の信号により、サウンドステージはその方向に向かって引き寄せられる。
【0102】
フロントチャンネルEHE信号、xF(rpm,t)は、音響エネルギーへの変換のために、車両キャビン114のフロントの1つまたは複数のスピーカに分配することができ、リアチャンネルEHE信号、xH(rpm,t)は、音響エネルギーへの変換のために、車両キャビン114のリアの1つまたは複数のスピーカに分配することができる。
【0103】
場合によっては、チャンネルEHE信号の各々の音像を決定するために、フロントおよびリアチャンネルEHE信号を処理するのにサウンドステージプロセッサ436を設けることができる。サウンドステージプロセッサ436は、複数の等化器(EQ)を各スピーカに対して1つ含むことができる。一般に、等化されたフロントチャンネルEHE信号は、等化により、車両キャビン114のフロントの1つまたは複数のスピーカに分配され(図1)、等化されたリアチャンネルEHE信号は、等化により、車両キャビン114のリアの1つまたは複数のスピーカに分配される(図1)。
【0104】
図5Aから図5Cまでは、RPMの変化とともに車両キャビンのフロントとリアとの間を移動するサウンドステージを生成するのに使用することができ、高調波特有の位相および大きさを調整するためにエンジン負荷を利用する代替のEHEプロセッサ502を図示する。同じ参照符号は同じ構成部品を表す。
【0105】
EHEプロセッサ502は、エンジン負荷検出器504を含む。エンジン負荷検出器504は、位相決定器416、424(それぞれ、図5Bおよび図5C)に入力を提供し、次いで、位相決定器416、424は、RPMおよびエンジン負荷の両方の関数として高調波特有の位相を決定することができる。個々の位相決定器416、424は、各高調波の位相が周波数および負荷に依存することを可能にする多変数のルックアップテーブル(LUT)として実装することができる。あるいは、位相は、式f(RPM,load)により、計算するまたは近似させることができる。
【0106】
あるいは、またはさらに、エンジン高調波強調信号の大きさは、負荷に依存することができる。その点において、エンジン高調波強調(EHE)信号発生器412、414は、図3Bおよび図3Cに示すように、高調波利得素子422、430の出力に負荷依存利得を加えるために、EHE利得決定器506-1〜506-n(フロント)、508-1〜508-n(リア/後部)および関連した利得素子510-1〜510-n(フロント)、512-1〜512-n(リア/後部)を含むこともできる。結果として得られる大きさは、周波数依存利得と負荷依存利得との積であり、左および右チャンネルEHE信号は、以下の形をとる。
【0107】
【数7】
【0108】
いくつかの実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に説明する発明概念の範囲を逸脱することなくさらに変更を加えることができ、したがって、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内にあることを理解されよう。
【符号の説明】
【0109】
102 エンジン高調波(EHE)プロセッサ
104 アナログ加算器
106 娯楽オーディオ等化器および空間プロセッサ
108 娯楽オーディオ信号源
110 マルチチャンネル増幅器
112-1、112-2、112-3、112-4 スピーカ
114 車両キャビン
114 エンジン制御ユニット
202 RPM検出器および基本周波数計算機
204-1、204-n 周波数変換器
206 左チャンネルEHE信号発生器
208 右チャンネルEHE信号発生器
210-1、210-n EHE信号発生器
212-1、212-n EHE信号発生器
214-1、214-n 位相決定器
216-1、216-n 基準信号発生器
218-1、218-n 高調波形決定器
220-1、220-n 高調波利得素子
222-1、222-n 位相決定器
224-1、224-n 基準信号発生器
226-1、226-n 高調波形決定器
228-1、228-n 高調波利得素子
230 第1の高調波アナログ加算器
232 第2の高調波アナログ加算器
234 サウンドステージプロセッサ
304 エンジン負荷検出器
304-1、304-n EHE利得決定器
306-1、306-n EHE利得決定器
308-1、308-n 利得素子
310-1、310-n 利得素子
402 EHEプロセッサ
404 RPM検出器および基本周波数計算機
406-1、406-n 周波数変換器
408 フロントチャンネルEHE信号発生器、フロントエンジン高調波強調チャンネル信号決定器
410 リアチャンネルEHE信号発生器、リア(後部)チャンネルEHE信号決定器
412-1、412-n フロントEHE信号発生器
414-1、414-n リア(後部)EHE信号発生器
416-1、416-n 位相決定器
418-1、418-n 基準信号発生器
420-1、420-n 高調波形決定器
422-1、422-n 高調波利得素子
424-1、424-n 位相決定器
426-1、426-n 基準信号発生器
428-1、428-n 高調波形決定器
430-1、430-n 高調波利得素子
432 第1の高調波アナログ加算器
434 第2の高調波アナログ加算器
436 サウンドステージプロセッサ
502 EHEプロセッサ
504 エンジン負荷検出器
506-1、506-n EHE利得決定器
508-1、508-n EHE利得決定器
510-1、510-n 利得素子
512-1、512-n 利得素子
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C